(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ノズル部自体が前記蒸発器の噴射面に向かって予め設定された角度でずれて形成され、前記噴射孔の中心線が前記蒸発器の噴射面に対して前記予め設定された角度で傾斜するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
前記ノズル部の底面が前記蒸発器の噴射面に向かって予め設定された角度で傾斜して形成され、前記噴射孔の中心線が前記蒸発器の噴射面に対して前記予め設定された角度で傾斜するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
前記ダクトカバーは、突起部をさらに備え、前記突起部は、前記ノズル部の入口側面の両端部と前記ダクトカバー間の隙間を閉塞するように、前記ダクトカバーの内側面及び両側面を横切る方向に突設されることを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
【背景技術】
【0002】
衣類処理装置には、衣類を洗濯する洗濯機、衣類などを乾燥させる乾燥機、又は衣類などを洗濯及び乾燥させる洗濯乾燥機が含まれる。
【0003】
乾燥機能を有する衣類処理装置は、洗濯及び乾燥のために衣類などが投入されるドラムをキャビネットの内部に備え、ドラムの内部で洗濯物の水分を蒸発させて排出される高温多湿な空気を処理する方式によって循環式と排気式に分けられる。
【0004】
循環式の場合、ドラムの内部から排出される高温多湿な空気が熱交換器で熱交換された後にキャビネットの外部に排出されずにドラムに再び再供給されて循環し、熱交換器により空気中の水分が凝縮する。
【0005】
排気式の場合、ドラムの内部から排出される高温多湿な空気がキャビネットの外部に直接排出されてしまう。
【0006】
ドラムに投入された洗濯物の乾燥に用いられた後にドラムから排出される空気には、衣類などの洗濯物からのリント(Lint)などの異物が含まれる。
【0007】
このような異物は、衣類処理装置の機械的構成要素を通過して故障を起こしたり、外部に排出されて外部の空気を汚染させる。
【0008】
よって、ドラムから排出される空気にフィルタを通過させることにより、フィルタで異物を濾過している。
【0009】
しかし、微細なリントや異物はフィルタを通過して熱交換器の空気流入部に溜まることになる。このように微細なリントなどの異物が熱交換器に所定レベル以上蓄積されると、空気が熱交換器を通過する際に、蓄積された異物により空気の流動抵抗が生じるので、風量が減少して乾燥性能が低下するという問題がある。
【0010】
従来は、ユーザがカバーを開けて掃除道具を用いて熱交換器に蓄積されたリントを直接除去していたが、このような方法は、カバーを分離して結合しなければならないという煩雑さがあり、塵が発生するという問題がある。
【0011】
また、熱交換器に蓄積されたリントを除去する他の方法として、特許文献1(2014年4月30日)に掃除手段を含む衣類処理装置が開示されている。特許文献1の衣類処理装置は、外力により動作して熱交換器についたリントを除去する掃除手段を含み、リントなどの異物を簡単に除去する。掃除手段によれば、キャビネットの外部に露出する操作部によりユーザの手動操作又は機械力により加わる外力がリント除去部のブラシ(Brush)に伝達され、手動又は外力によりブラシが熱交換器の前面を擦ってリントなどの異物を物理的に除去する。しかし、特許文献1の場合、手動の操作力又は機械力による外力をキャビネットの外部に露出する操作部に供給しなければならないという不便がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明の目的は、キャビネットのカバーを開けたり外部に手動の操作力又は外力を供給することなく、熱交換器に蓄積されたリントなどの異物を自動で除去できる衣類処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記本発明の目的を達成するために、本発明による衣類処理装置は、キャビネットと、前記キャビネットの内部に備えられ、洗濯物又は乾燥対象物の収容空間を提供するドラムと、冷媒を循環させる圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を備え、前記ドラムから排出される空気に前記蒸発器及び前記凝縮器を通過させて前記ドラムへ再循環させるヒートポンプモジュールと、前記蒸発器に洗浄水を噴射して前記蒸発器についた異物を掃除する異物掃除ユニットとを含んでもよい。
【0015】
前記異物掃除ユニットは、洗浄水供給部と、前記洗浄水供給部から供給される洗浄水を前記蒸発器の洗浄水噴射面である垂直面に対して予め設定された角度で傾斜させて噴射するノズル部とを含んでもよい。
【0016】
前記洗浄水供給部は、直水式で洗浄水を供給し、前記洗浄水供給部と前記ノズル部を連結する洗浄水供給管と、前記洗浄水供給管に設置されて流路を開閉する洗浄水供給弁とを含んでもよい。
【0017】
前記異物掃除ユニットは、前記洗浄水供給弁を制御して前記ノズル部に洗浄水を選択的に供給するコントローラを含む。
【0018】
本発明による衣類処理装置は、キャビネットと、前記キャビネットの内部に備えられ、洗濯物又は乾燥対象物の収容空間を提供するドラムと、冷媒と前記ドラムから排出される空気を熱交換させて前記空気を除湿する蒸発器と、前記蒸発器に水を噴射して前記蒸発器についた異物を掃除する異物掃除ユニットとを含み、前記異物掃除ユニットは、噴射孔を備え、洗浄水供給部から供給される洗浄水を前記蒸発器の噴射面に対して予め設定された角度で傾斜させて噴射するノズル部を含んでもよい。
【0019】
本発明に関する例によれば、前記蒸発器を収容するダクト本体と、前記ダクト本体の上部をカバーするダクトカバーとを含み、前記ノズル部は、底面に複数の結合孔を備え、前記ダクトカバーの内側面から複数の結合突起が下方に突設されて前記複数の結合孔にそれぞれ挿入され、前記ノズル部は、前記複数の結合孔を貫通する前記複数の結合突起の下端部を融着することにより前記ダクトカバーの内側に一体に結合されてもよい。
【0020】
本発明に関する例によれば、前記ノズル部は、上面が開放された箱状からなる上部開放型であってもよい。
【0021】
本発明に関する例によれば、前記ノズル部は、前記蒸発器の噴射面の上端部に接触するように配置されてもよい。
【0022】
本発明に関する例によれば、前記ノズル部は、前記ダクトカバーの内側面において前記キャビネットの前後方向に長く形成されてもよい。
【0023】
本発明に関する例によれば、前記噴射孔は、中心線が前記蒸発器の噴射面に対して予め設定された角度で傾斜するように形成されてもよい。
【0024】
本発明に関する例によれば、前記ノズル部自体が前記蒸発器の噴射面に向かって予め設定された角度でずれて形成され、前記噴射孔の中心線が前記蒸発器の噴射面に対して前記予め設定された角度で傾斜するように構成されてもよい。
【0025】
本発明に関する例によれば、前記ノズル部の底面が前記蒸発器の噴射面に向かって予め設定された角度で傾斜して形成され、前記噴射孔の中心線が前記蒸発器の噴射面に対して前記予め設定された角度で傾斜するように構成されてもよい。
【0026】
本発明に関する例によれば、前記ダクトカバーは、突起部をさらに含み、前記突起部は、前記ノズル部の入口側面の両端部と前記ダクトカバー間の隙間を閉塞するように、前記ダクトカバーの内側面及び両側面を横切る方向に突設されてもよい。
【0027】
本発明に関する例によれば、前記ダクトカバーの内側面に前記ノズル部の上端部が挿入されるように凹状に形成される密閉溝を備えてもよい。
【発明の効果】
【0028】
上記のように構成される本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0029】
第1に、ノズル部からの水の自動噴射により熱交換器に蓄積されたリントなどの異物を除去することで熱交換器での流動抵抗を低減して乾燥性能を向上させることができる。
【0030】
第2に、必要に応じて洗浄水が熱交換器の空気流入部に自動噴射されて熱交換器に蓄積されたリントなどを簡単に掃除することができる。例えば、キャビネットのカバーを開けて手動で操作したり機械力などによる外力を供給することなく、熱交換器のリントを掃除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明によるヒートポンプモジュールを備える衣類処理装置について図面を参照してより詳細に説明する。本明細書においては、異なる実施形態であっても、同一・類似の構成には同一・類似の符号を付し、その説明は省略する。本明細書において用いられる単数の表現は、文脈上明らかに他の意味を表すものでない限り、複数の表現を含む。
【0033】
図1aは本発明による衣類処理装置の外観を示す斜視図である。
【0034】
図1aに示すキャビネット10は六面体状に形成される。キャビネット10は、六面体の上面を形成するトップカバー10a、六面体の両側面を形成するサイドカバー10b、六面体の前面を形成するフロントカバー10d、六面体の後面を形成するバックカバー10e、及び六面体の下面を形成するベースカバー10cを含む。
【0035】
フロントカバー10dは、衣類などの洗濯物又は乾燥対象物をキャビネット10の内部に投入するための投入口を備える。また、フロントカバー10dには、前記投入口を開閉するために円形のドア11が備えられる。ドア11は、左側面がヒンジにより結合され、右側面が前後方向に回転可能である。ドア11の右側面には押圧式ロック装置が備えられ、ドア11の右側端部を1回押圧するとドア11がロックされ、もう1回押圧するとドア11のロックが解除される。
【0036】
また、フロントカバー10dの右上端には電源ボタン12が備えられ、衣類処理装置の電源をオン/オフにすることができる。
【0037】
ドア11の上端部にはディスプレイ部13が形成される。ディスプレイ部13は、衣類処理装置の現在の動作やモードなどを表示する。ディスプレイ部13にはタッチ式操作パネルが備えられ、洗濯及び乾燥機能を実行するために様々な機能を選択したり解除することができる。
【0038】
タブ17の下部とキャビネット10の底面間には、洗剤供給部が引き出し式に引き出し及び挿入できるように設けられている。フロントカバー10dの下端部には、下部カバー14が下部ヒンジで結合されて上下方向に回転可能になっている。
【0039】
図1bは
図1aのキャビネットの内部にヒートポンプモジュールが配置された状態を示す斜視図である。
【0040】
キャビネット10の内部には円筒状のタブ17が備えられる。タブ17の前面には、洗濯物及び乾燥対象物の投入及び取り出しのために、フロントカバー10dの投入口に連通する投入口が形成される。タブ17の内部には中空部が備えられ、洗濯水を貯蔵することができる。タブ17の投入口からフロントカバー10dの投入口に延びるようにガスケット17aが円周方向に形成され、タブ17に貯蔵された洗濯水がタブ17の外部に漏れることを防止し、ドラム18の回転時にタブ17に発生した振動がキャビネット10に伝達されることを防止することができる。ガスケット17aは、ゴムなどの振動絶縁部材で構成されてもよい。タブ17の上部後側には空気出口171が形成され、タブ17から空気を排出することができる。タブ17のガスケット17aの上部には空気入口172が形成され、タブ17に空気を流入させることができる。
【0041】
タブ17の内部には円筒状のドラム18が回転可能に備えられる。ドラム18は、内部に洗濯物及び乾燥対象物を収容するための収容空間を備え、ドラム18の前面にタブ17の投入口に連通するように投入口が形成される。ドラム18の外周面には複数の貫通孔が形成され、貫通孔を介してドラム18とタブ17間で洗濯水又は空気を出し入れすることができる。ドラム18の内部には円周方向に間隔をおいてリフターが設けられ、ドラム18の内部に投入された洗濯物をタンブリングさせることができる。例えば、洗濯時にタブ17に供給される洗濯水は貫通孔からドラム18の内部に流入し、ドラム18が回転することによりドラム18の内部に投入された洗濯物が洗濯水に浸って洗濯される。また、乾燥時にタブ17の内部に供給される熱風は貫通孔からドラム18の内部に流入し、ドラム18が回転することによりドラム18の内部に投入された洗濯物の水分が熱風により蒸発して洗濯物を乾燥させる。
【0042】
ヒートポンプモジュール100は、ヒートポンプサイクルを構成する蒸発器111、圧縮機113、凝縮器112及び膨張弁114を一体型ハウジング120により一体にモジュール化する。循環ファン130及び気液分離器115も、一体型ハウジング120により一体に取り付けられてもよい。
【0043】
モジュール化されたヒートポンプモジュール100は、タブ17の上部とトップカバー10a間に配置される。
【0044】
一体型ハウジング120は、内部に蒸発器111及び凝縮器112を収容する熱交換ダクト部121と、圧縮機113を支持する圧縮機ベース部122とから構成されてもよい。
【0045】
熱交換ダクト部121は、タブ17の上部前側に配置されて蒸発器111及び凝縮器112を内部に収容して支持する役割を果たし、タブ17に連結されて空気を循環させるための循環流路を形成する循環ダクトの役割を果たす。
【0046】
圧縮機ベース部122は、圧縮機113がタブ17の上部とキャビネット10の側面エッジ部間の空間に配置されるように支持する役割を果たす。
【0047】
一体型ハウジング120は、キャビネット10の前面、例えば前方フレーム15とキャビネット10の後面、例えばバックカバー10eの上部にそれぞれ前後方向に支持されてもよい。熱交換ダクト部121の前面は、前方フレーム15の後面に接触し、ネジなどの締結部材により締結される。圧縮機ベース部122の後面は、バックカバー10eの前面に接触し、ネジなどの締結部材により締結される。
【0048】
一体型ハウジング120は、タブ17の上部外周面と間隔をおいて配置されることにより、ドラム18の回転時にドラム18から発生する振動がタブ17を介してヒートポンプモジュール100に伝達されることを防止することができる。また、圧縮機113から発生する振動が圧縮機ベース部122を介してタブ17に伝達されることを防止することができる。
【0049】
また、一体型ハウジング120は、ヒートポンプサイクルを形成する蒸発器111、圧縮機113、凝縮器112、膨張弁114などを一体化することにより、ヒートポンプシステムの配置空間をコンパクトに最適化することができる。
【0050】
ヒートポンプモジュール100は、ドラム18から排出される空気を吸入して蒸発器111と熱交換させ、蒸発器111により前記空気の熱を吸収して空気中の水分を除去する(ヒートポンプモジュール100の除湿機能)。また、ヒートポンプモジュール100は、蒸発器111から排出される空気を凝縮器112と熱交換させ、凝縮器112により凝縮器112を通過する冷媒の熱をタブ17の内部に再供給される空気に放出する(ヒートポンプモジュール100の熱源供給機能)。
【0051】
ヒートポンプモジュール100は、ドラム18から排出される空気を吸入する循環ファン130を含む。循環ファン130は、熱交換ダクト部121の右側面に一体に設置されてもよい。
【0052】
ヒートポンプモジュール100の右側面下端部にはドレインホース19が備えられる。一体型ハウジング120の熱交換ダクト部121は、タブ17の上部中央からキャビネット10の右側面エッジ部間の空間に配置され、熱交換ダクト部121の底面は、右へ行くほどより低く位置する。また、熱交換ダクト部121の内部の蒸発器111から発生する凝縮水を熱交換ダクト部121の外部に排出できるように、熱交換ダクト部121の右側面下端には排水口が形成される。排水口にドレインホース19の一端部が連結され、ドレインホース19の下端部は排水ポンプに連結される。ドレインホース19は、一体型ハウジング120の右側面において循環ファン130に近接して配置される。排水ポンプはタブ17の下部に配置される。例えば、蒸発器111及びリントフィルタを水で洗浄した後、洗浄を終えた汚れた洗浄水が熱交換ダクト部121の底面に沿って右側面に移動してドレインホース19、排水ポンプ及び排水ホースを介してキャビネット10の外部に排出されるようにすることができる。ドラム18から排出される空気が蒸発器111を通過して蒸発器111に熱を奪われることにより凝縮された凝縮水も、ドレインホース19を介して外部に排出することができる。
【0053】
一体型ハウジング120は、熱交換ダクト部121と圧縮機ベース部122間に配置される気液分離器取付部123をさらに含んでもよい。気液分離器115が気液分離器取付部123に取り付けられる。
【0054】
制御部は、ヒートポンプモジュール100のみでなく、衣類処理装置の全般的な動作を制御する。制御部は、高さが横方向及び縦方向の長さに比べて低い、平べったい長方形の箱状に形成されるPCBケース19と、PCBケース19の内部に内蔵されるPCBと、PCBに取り付けられる電気/電子制御部品とから構成されてもよい。
【0055】
図1cは
図1bのPCBケースの固定構造を示す背面斜視図である。
【0056】
PCBケース19は、タブ17の上部とキャビネット10の左側面エッジ部間の空間を用いて、ヒートポンプモジュール100の左側面に対角線方向(フロントカバー10d側から見た場合)に配置されるようにしてもよい。
【0057】
PCBケース19の場合、タブ17の上部中央と左側サイドカバー10b間の空間に比べてPCBケース19の横方向の長さが長いので、他の構成要素との干渉を回避してPCBケース19をヒートポンプモジュール100と共にコンパクトに構成するために、フロントカバー10d側から見たときに、キャビネット10の中央上部から左側面下方に配置されることが好ましい。つまり、ヒートポンプモジュール100の左側面はキャビネット10の中央上部とタブ17の上部間に配置され、キャビネット10の左側面エッジ部から下方の空間がキャビネット10の中央上部とタブ17の上部間の空間より広いので、PCBケース19の右側面は、ヒートポンプモジュール100の左側面に対向して配置され、PCBケース19の左側面は、キャビネット10の左側サイドカバー10bを向くように対角線方向に配置される。
【0058】
PCBケース19をキャビネット10の内部に安定して支持するために、PCBケース19は、上面一側から突設される固定突起191を備えてもよい。固定突起191の上端部はフック状に形成されてもよい。また、キャビネット10は、PCBケース19の支持のために、フロントカバー10dの上端部一側からバックカバー10eの上端部一側に長く延びる固定部材192を備えてもよい。固定突起191の上端部が固定部材192の側面に係止されて支持されることにより、PCBケース19がキャビネット10の左側面エッジ部とヒートポンプモジュール100との間に安定して支持されてコンパクトに配置される。
【0059】
PCBケース19は、ヒートポンプモジュール100に電気的に接続され、衣類処理装置を完成品として組み立てる前にヒートポンプモジュール100の性能検査をモジュール単位で行うことができる。このように、PCBケース19は、ヒートポンプモジュール100の性能検査などのためにヒートポンプモジュール100に接続されるので、PCBケース19はヒートポンプモジュール100に近い位置に配置されることが好ましい。
【0060】
よって、PCBケース19は、ヒートポンプモジュール100の側面に近い位置に対角線方向に配置されて接続されることにより、ヒートポンプモジュール100と共にキャビネット10の内部にコンパクトに設置されるようにしてもよい。
【0061】
図1dは
図1bにおける空気の移動経路を示す斜視図である。
【0062】
熱交換ダクト部121の左側端部は、タブ連結ダクト1711を介してタブ17の上部後側に形成される空気出口171に連通するように連結される。タブ連結ダクト1711の下部には蛇腹管が形成され、ドラム18の回転時にタブ17を介して伝達される振動が熱交換ダクト部121に伝達されることを防止する。
【0063】
熱交換ダクト部121の右側面に連結されるファンダクト部131が備えられる。ファンダクト部131の内部には循環ファン130が収容されて支持され、熱交換ダクト部121の内部に流入する空気を吸入する。ファンダクト部131は、熱交換ダクト部121とタブ17のガスケット17aの上部を連通連結する。
【0064】
空気の循環のための循環流路は、タブ連結ダクト1711、熱交換ダクト部121及びファンダクト部131により形成されるようにしてもよい。ドラム18の内部の空気は、タブ17の上部後側から排出されてタブ連結ダクト1711を介して熱交換ダクト部121の内部に流入し、熱交換ダクト部121の内部に収容された蒸発器111及び凝縮器112を経由し、熱交換ダクト部121から排出される空気は、循環ファン130により吸入されてファンダクト部131を介してタブ17及びドラム18の内部に再供給される。
【0065】
図2は
図1cの熱交換ダクト部の内部構造を示す斜視図である。
【0066】
熱交換ダクト部121は、機能によって区間を区分すると、空気の流入を案内する循環連結ダクト1211と、蒸発器111及び凝縮器112が取り付けられる熱交換器取付部1212と、空気を循環ファン130に送るファン連結ダクト1213とから構成されてもよい。
【0067】
循環連結ダクト1211は、熱交換器取付部1212の左側面からタブ17の空気出口171に向かって対角線方向に延び、循環連結ダクト1211の内部には空気案内ガイド1211aが垂直に突設され、空気の移動を円滑に案内することができる。
【0068】
蒸発器111は、熱交換器取付部1212の上流側である左側に取り付けられ、凝縮器112は、熱交換器取付部1212の下流側である右側に取り付けられており、熱交換ダクト部121に流入する空気は蒸発器111、凝縮器112の順序で通過する。
【0069】
蒸発器111及び凝縮器112は、両方とも、複数の熱伝達板110bと冷媒管110aとから構成されてもよい。熱伝達板110bは、冷媒との熱交換面積を拡張するために、空気の移動方向と交差する方向に狭い隙間を介して垂直に離隔配置され、空気が複数の熱伝達板110b間を通過することにより熱伝達板110bを介して冷媒管110aに熱が伝達される。冷媒管110aは、空気との熱交換のために、内部に冷媒が流れるように冷媒流路を形成する。冷媒管110aは、1つのパイプであり、冷媒がパイプの内部を流れて空気と熱交換する。冷媒管110aは、冷媒流路の長さを増加させるために、熱伝達板110bを貫通して上下方向にS字状に屈曲されるように形成される。
【0070】
蒸発器111の上流側上端部には異物掃除ユニット140が備えられ、蒸発器111の空気流入面に向けて洗浄水を噴射することができる。異物掃除ユニット140は、蒸発器111の空気流入部に蓄積されるリントなどの異物を除去するために備えられる。異物掃除ユニット140は、底面に噴射孔1411aを備え、噴射孔1411aから蒸発器111の空気流入面に洗浄水を噴射するノズル部141で構成されてもよい。ノズル部141は、空気の移動方向と交差する方向に長く延びる四角形状のボックス構造からなるノズル本体1411を含む。ノズル本体1411の一側面には洗浄水供給管142が形成され、洗浄水をノズル本体1411の内部に供給することができる。
【0071】
図3aは
図1bのヒートポンプモジュールの平面図であり、
図3bは
図3aのA−A線断面図である。
【0072】
図3aを参照すると、下側がタブ17の前部及びフロントカバー10dに近い側であり、上側がタブ17の後部及びバックカバー10eに近い側である。下側の熱交換ダクト部121はタブ17の前部に向かって配置され、上側の圧縮機ベース部122はタブ17の後部に向かって配置されてもよい。熱交換ダクト部121と圧縮機ベース部122間には膨張弁114及び気液分離器115が配置されてもよい。気液分離器115は、蒸発器111と圧縮機113を連結する冷媒配管に設けられ、蒸発器111から排出される冷媒のうち気相冷媒と液相冷媒を分離し、その後気相冷媒のみを圧縮機113に送る役割を果たす。気液分離器115は、圧縮機ベース部122の左側面と一体に形成される気液分離器取付部123に取り付けられる。
【0073】
図3bを参照すると、フロントカバー10d側から熱交換ダクト部121を見た状態であって、熱交換ダクト部121の内部に蒸発器111と凝縮器112が左右方向に離隔して取り付けられている。タブ17の上方空間を最大限活用するために、熱交換ダクト部121の左側はタブ17の上部中央に近接し、熱交換ダクト部121の右側はタブ17の上部中央から右側サイドカバー10bに向かって延びる。また、熱交換ダクト部121の底面はタブ17の上部外周面に沿って曲線状に形成されてもよい。ここで、タブ17の上部中央とトップカバー10a間の高さ空間よりも、タブ17の外周面に沿って右へ行くほどタブ17の右側外周面とトップカバー10a間の高さ空間が広くなるので、蒸発器111及び凝縮器112をタブ17の上部中央から右に離隔して配置し、凝縮器112を蒸発器111よりも下方に延長させて高さを増加させることができる。こうすることにより、タブ17の上方空間を最大限活用して熱交換効率を一層向上させることで乾燥性能を向上させることができる。
【0074】
熱交換ダクト部121の右側面にはファンダクト部131が備えられる。
【0075】
ファンダクト部131の内部にはファンモータ132とインペラ133が収容されて支持される。ファンダクト部131の右側面にはファンモータ132が取り付けられ、インペラ133はファンモータ132の左側に回転可能に取り付けられる。インペラ133は、ファンモータ132の回転軸に連結され、ファンモータ132からの動力で回転することにより、熱交換ダクト部121の内部空気を吸入してタブ17及びドラム18の内部に送出する。
【0076】
熱交換ダクト部121は、ダクト本体121aとダクトカバー121bとから構成されてもよい。ダクト本体121aは、蒸発器111及び凝縮器112を内部に収容して支持し、ダクトカバー121bは、ダクト本体121aの上部をカバーし、ダクト本体121aと共に熱交換ダクト部121の内部空気と外部空気を絶縁する。すなわち、熱交換ダクト部121の内部空気が熱交換ダクト部121の外部空気と混合されたり熱交換しないように内部空気を外部空気から密閉し、熱交換器110の冷媒と空気のみ熱交換させる。
【0077】
ヒートポンプモジュール100は異物掃除ユニット140を備える。異物掃除ユニット140は、洗浄水を噴射するノズル部141を含む。ノズル部141は、蒸発器111の空気流入側の上部に設けられる。ノズル部141は、ダクトカバー121bの内側上面に備えられてもよい。ノズル部141は、蒸発器111の前端面(空気流入側面)に水を噴射して蒸発器111に蓄積されるリントなどの異物を除去することができる。
【0078】
図4は
図3bのノズル部141を拡大した状態を示す断面図である。
【0079】
図4に示すノズル部141は、上面が開放されて前後面及び底面が密閉される箱状のノズル本体1411からなるようにしてもよい。ノズル本体1411の上面が開放されるようにした理由は、空気が蒸発器111に流入する際に流動抵抗を低減するためである。ノズル本体1411の高さを同一に維持してノズル本体1411の上面が密閉されるように形成した場合は、上面の厚さだけノズル本体1411の内部空間が小さくなり、ノズル本体1411の内部空間の体積を同一に維持してノズル本体1411の上面を追加した場合は、上面の厚さだけ空気流路の高さが低くなって空気の流動抵抗として作用するからである。
【0080】
ノズル本体1411は、蒸発器111の上流側上端に隣接して設けられる。これは、空気流動時にノズル本体1411の後面(空気の移動方向の下流側面)で渦流が発生することを防止するためである。こうすることにより、ノズル本体1411は、蒸発器111にほとんど隙間なく接触し、渦流による流動抵抗を避けることができる。
【0081】
ノズル本体1411の底面には洗浄水を噴射する噴射孔1411aが形成されてもよい。噴射孔1411aの中心線は、蒸発器111の空気流入面である垂直面に対して予め設定された角度で傾斜するように形成される。ここで、噴射孔1411aの中心線と蒸発器111の垂直面間の角度によって噴射角度(α)が異なる。
【0082】
噴射孔1411aの噴射角度(α)は、蒸発器111の空気流入面に蓄積されるリントなどの異物の除去効率の重要な因子である。噴射孔1411aの噴射角度(α)は、蒸発器111の上部垂直面に対して上流方向(反時計方向)に2度〜10度であることが好ましい。噴射孔1411aの中心線と蒸発器111の垂直面間の角度である噴射角度(α)は、3度が最適である。
【0083】
前記噴射角度(α)の範囲を外れた場合、異物の除去効率が低下する。例えば、洗浄水の噴射角度(α)が大きくなるほど、すなわち洗浄水の噴射方向が空気の移動方向に近くなるほど洗浄水により蒸発器111の空気流入面から異物を空気の移動方向に分離させる力が増加するものの、異物が洗浄水と共に蒸発器111の空気流入面(垂直面)から蒸発器111の内側へ入るだけであり、重力により熱交換ダクト部121の底面から排水するには不利に作用する。また、洗浄水の噴射角度(α)が小さくなるほど、すなわち洗浄水の噴射方向が垂直線に近くなるほど、蒸発器111の空気流入面から異物を落下させる力が重力に加えられ、洗浄水と異物が蒸発器111の空気流入面に沿って下降して凝縮水排水口を介してドレインホース19に排出されることになる。
【0084】
ダクト本体121aの下面には支持突起121a1が突設されて蒸発器111の下部を支持し、支持突起121a1は、蒸発器111の下面とダクト本体121aの底面間の隙間から空気が流入することを防止することができる。こうすることにより、熱交換ダクト部121の内部に吸入される空気が蒸発器を迂回することなく蒸発器111を通過するので、蒸発器111の熱交換及び除湿効率を向上させることができる。
【0085】
図5aは
図3bのダクトカバーの底面斜視図であり、
図5bは
図3bのダクトカバーの底面図である。
【0086】
噴射孔1411aは、ノズル本体1411の底面から空気の移動方向と交差する方向に互いに離隔して配置されてもよい。また、噴射孔1411aは、蒸発器111の空気流入面の上端部に隣接するように、ノズル本体1411の底面から後端部に偏って配置されてもよい。こうすることにより、複数の噴射孔1411aから洗浄水を蒸発器111の空気流入面に均一に噴射することができる。
【0087】
図示していないが、噴射孔1411aは、複数ではなく、一直線状に連続して形成されてもよい。
【0088】
図5aに示すダクトカバー121bの後面には、ノズル部141に連通する洗浄水供給管142が備えられる。洗浄水供給管142は、給水管により洗浄水供給部145に直水式で連結されてもよい。直水式洗浄水供給部145とは、一般住宅に供給される上水道配管の蛇口と給水ホースを介して連結され、水が所定の貯蔵空間に貯蔵されるのではなく、水が給水ホースを介して直接供給されることを意味する。給水管には洗浄水供給弁143が設置され、洗浄水流路を選択的に開閉することができる。
【0089】
洗浄水供給弁143は、電磁弁で実現され、コントローラ144からの制御信号により開閉動作が行われるようにしてもよい。
【0090】
コントローラ144は、キャビネット10の操作パネルに入力される入力信号又は動作モードに応じて予め入力されたプログラムにより、必要に応じて洗浄水の供給時期及び供給量を制御するようにしてもよい。
【0091】
図5bに示すダクトカバーは、ノズル部141の両端部とダクトカバー121bの側面間への空気の流入を防止するために、突起部121b3を備える。突起部121b3は、ダクトカバー121bの両側面から内側に突設され、ノズル部141の両端部とダクトカバー121b間の隙間から空気が流入することを防止する。熱交換ダクト部121に吸入した空気がノズル部141の両端部とダクトカバー間の隙間から流入した場合、蒸発器111を通過せずに迂回することがあり、その結果、蒸発器111の熱交換及び除湿効率を低下させる。突起部121b3は、ダクトカバー121bの内側面から下方に突出する長さがノズル部141の高さよりも小さい。こうすることにより、空気が突起部121b3に乗り上げてノズル部141を容易に越えることになり、空気の流動抵抗を最小限に抑えることができる。
【0092】
図6aは
図4の結合突起が融着される前の状態を示す拡大断面図であり、
図6bは
図4の結合突起が融着された後の状態を示す拡大断面図である。
【0093】
ノズル部141は、熱交換ダクト部121のダクトカバー121bに一体に結合される。ノズル本体1411の上面はダクトカバー121bにより密閉されてもよい。ノズル本体1411とダクト本体121aの気密を維持するために密閉溝121b2が形成され、密閉溝121b2にノズル本体1411の上端部が挿入されて圧着されてもよい。
【0094】
ダクト本体121aの内側上面には、複数の結合突起121b1が空気の移動方向と交差する方向に離隔して配置されてダクト本体121aから直下方に突設されてもよい。ノズル本体1411の底面には、結合突起121b1が貫挿されるように貫通孔1411bが形成される。貫通孔1411bは、ノズル本体1411の長手方向に互いに離隔して配置される。
【0095】
図6bに示すように、ノズル本体1411の底面を貫通して挿入される結合突起121b1の下端部は、ヒータを備える熱圧着プレスなどにより圧着されて融着される。融着された結合突起121b1の下端部は、熱により融着されてノズル本体1411の貫通孔1411bと結合突起121b1間の隙間を閉塞し、ノズル本体1411がダクトカバー121bから離脱することを防止することができる。
【0096】
図7は本発明によるノズル部の他の実施形態を示す断面図である。
【0097】
図7のノズル部241は、
図4の実施形態とは異なり、ノズル部241自体が蒸発器111の垂直面に対してずれて設置されるか、又はノズル部241の前面及び後面は垂直に形成されてノズル部241の底面は蒸発器111に向かって水平面に対して予め設定された角度(α)で傾斜して形成されてもよい。
【0098】
例えば、噴射孔2411aの中心線は、ノズル本体2411の底面に対して直角又は垂直にしてもよい。噴射孔2411aの内周面は、中心線を基準として対称をなし、円錐テーパ状に形成されてもよい。ノズル本体2411の底面が水平面に対して傾斜して形成される場合、ノズル本体2411は、前面(上流側)から後面(下流側)へ行くほど高さが低くなるようにしてもよい。噴射孔2411aは、蒸発器111の空気流入面(垂直面)に隣接して形成され、かつノズル本体2411の底面に対して直角に形成される。ここで、噴射孔2411aの中心線と蒸発器111の垂直面がなす噴射角度(α)は、2度〜10度の範囲が好ましい。また、噴射角度(α)は3度が最適である。前記噴射角度(α)の範囲より過度に大きい場合、異物が含まれる洗浄水と蒸発器111の熱伝達板110b間の凝集力により、洗浄水及び異物が蒸発器111の内側へより広く拡散し、異物の除去効率が低下することがあり、前記噴射角度(α)の範囲より過度に小さい場合、噴射孔2411aの成形誤差により、洗浄水が蒸発器111に到達せずに蒸発器111の前側下方に直ちに排水されることがある。
【0099】
図8は本発明によるノズル部のさらに他の結合構造を示す断面図である。
【0100】
ダクトカバー221bの内側上面には摺動ガイド221b1が互いに対向して直下方に突設される。摺動ガイド221b1は、空気の移動方向に離隔し、空気の移動方向と交差する方向に長く形成されるようにしてもよい。摺動ガイド221b1の前面(上流側)又は後面(下流側)に突出片221b2が長手方向に形成されてもよい。
【0101】
ノズル本体3411の上端部内側の両側面にはそれぞれガイド溝3411bが形成され、ノズル本体3411は摺動ガイド221b1に沿って挿入されて摺動可能に結合されるようにしてもよい。ここで、摺動ガイド221b1の突出片221b2がノズル本体3411のガイド溝3411bに挿入されることにより、ノズル本体1411がダクトカバー121bに結合される。
【0102】
ここで、ガイド溝3411bは摺動ガイド221b1に形成され、突出片221b2はノズル本体3411に形成されるようにしてもよい。また、
図8のノズル本体3411に採用された摺動ガイド221b1の結合構造は
図4のノズル部141に適用することもできる。
【0103】
噴射孔3411aの中心線は、
図7と同様に、ノズル本体3411の底面に対して直角又は垂直にしてもよい。
【0104】
以上説明したヒートポンプモジュール100を備える衣類処理装置は、上記実施形態の構成と方法に限定されるものではなく、上記実施形態に様々な変形が行われるように、各実施形態の全部又は一部を選択的に組み合わせて構成してもよい。