特許第6979955号(P6979955)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979955
(24)【登録日】2021年11月18日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】操作された重鎖可変領域を有する齧歯類
(51)【国際特許分類】
   A01K 67/027 20060101AFI20211202BHJP
   C12N 5/073 20100101ALI20211202BHJP
   C12N 5/18 20060101ALI20211202BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20211202BHJP
   C07K 14/705 20060101ALN20211202BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20211202BHJP
   C07K 14/435 20060101ALN20211202BHJP
   A61K 39/395 20060101ALN20211202BHJP
【FI】
   A01K67/027ZNA
   C12N5/073
   C12N5/18
   C12P21/08
   !C07K14/705
   !C12N15/13
   !C07K14/435
   !A61K39/395 A
   !A61K39/395 H
【請求項の数】26
【全頁数】135
(21)【出願番号】特願2018-536884(P2018-536884)
(86)(22)【出願日】2017年1月12日
(65)【公表番号】特表2019-501660(P2019-501660A)
(43)【公表日】2019年1月24日
(86)【国際出願番号】US2017013247
(87)【国際公開番号】WO2017123804
(87)【国際公開日】20170720
【審査請求日】2019年12月23日
(31)【優先権主張番号】62/278,127
(32)【優先日】2016年1月13日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】597160510
【氏名又は名称】リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】REGENERON PHARMACEUTICALS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】マクドナルド, リン
(72)【発明者】
【氏名】マクウィルター, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー, アンドリュー ジェイ.
【審査官】 馬場 亮人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第03/084477(WO,A2)
【文献】 NIH Public Access Author Manuscript, Published in final edited form as: Crit Rev Immunol. 2010; 30(4): 327-344,2013年06月07日,P.1-26,[online], [retrieved on 2021-01-06], Retrieved from the Internet: <URL: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3676173/pdf/nihms469965.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 67/027
C12N 5/073
C12N 5/18
C12P 21/08
C07K 14/705
C12N 15/13
C07K 14/435
A61K 39/395
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラットまたはマウスであって、
(A)内因性重鎖遺伝子座において、内因性イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結された再構成されていないイムノグロブリン重鎖可変領域を含む生殖細胞であって、前記再構成されていないイムノグロブリン重鎖可変領域が、動作可能に連結した、
(i)再構成されていないヒトV(hV)遺伝子セグメント、
(ii)一つ以上の内因性Dセグメントと置き換わった、操作されたD領域であって、前記操作されたD領域が、26個のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が
(a)μ−コノトキシンおよび/またはタランチュラ毒素の一部をコードし、そして、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228または配列番号230として示された配列に対して、少なくとも95%同一、または同一であり、かつ、
(b)第一の組み換えシグナル配列および第二の組み換えシグナル配列と隣接する、操作されたD領域、および
(iii)再構成されていないヒトJ(hJ)遺伝子セグメント
を含む、生殖細胞と
(B)B細胞と
を含み、
(i)の前記再構成されていないhV遺伝子セグメント、(ii)の前記一つ以上のヌクレオチド配列、および、(iii)の前記再構成されていないhJ遺伝子セグメントが、前記B細胞において組み換わって、前記内因性イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結された、再構成された重鎖可変領域hV/eD/hJ配列を形成し、
前記B細胞が、前記内因性イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結された前記再構成されたV/eD/hJ配列を発現する、
前記ラットまたはマウス。
【請求項2】
前記26個のヌクレオチド配列の一つ以上が、前記一つ以上のヌクレオチド配列の体細胞超変異を増やす配列を含む、請求項に記載のラットまたはマウス。
【請求項3】
前記第一の組み換えシグナル配列が、配列番号51〜112のいずれか1つとして示された第一の組み換えシグナル配列に対して少なくとも95%同一である配列を含む、請求項1または請求項2に記載のラットまたはマウス。
【請求項4】
前記第一の組み換えシグナル配列が、配列番号51〜112のいずれか1つとして示された第一の組み換えシグナル配列に対して少なくとも50%同一である配列を含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のラットまたはマウス。
【請求項5】
前記第一の組み換えシグナル配列が、配列番号51〜112のいずれか1つとして示された第一の組み換えシグナル配列に対して同一である配列を含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のラットまたはマウス。
【請求項6】
前記第二の組み換えシグナル配列が、配列番号51〜112のいずれか1つとして示された第二の組み換えシグナル配列に対して少なくとも95%同一である配列を含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のラットまたはマウス。
【請求項7】
前記第二の組み換えシグナル配列が、配列番号51〜112のいずれか1つとして示された第二の組み換えシグナル配列に対して少なくとも50%同一である配列を含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のラットまたはマウス。
【請求項8】
前記第二の組み換えシグナル配列が、配列番号51〜112のいずれか1つとして示された第二の組み換えシグナル配列に対して同一である配列を含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のラットまたはマウス。
【請求項9】
前記第一の組み換えシグナル配列および第二の組み換えシグナル配列が配列番号51〜112のいずれか1つとして示される配列から選択される、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のラットまたはマウス。
【請求項10】
前記ラットまたはマウスが、一つ以上の野生型内因性D遺伝子セグメントを保持する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のラットまたはマウス。
【請求項11】
(i)前記再構成されていないヒトV(hV)遺伝子セグメントが複数の再構成されていないhV遺伝子セグメントを含み、
(ii)前記操作されたD領域が、内因性D遺伝子セグメントと置き換わり、かつ
(iii)前記再構成されていないヒトJ(hJ)遺伝子セグメントが複数の再構成されていないhJ遺伝子セグメントを含む、
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のラットまたはマウス。
【請求項12】
(i)前記再構成されていないヒトV(hV)遺伝子セグメントが内因性V遺伝子セグメントと置き換わり、
(ii)前記操作されたD領域が、内因性D遺伝子セグメントと置き換わり、かつ
(iii)前記再構成されていないヒトJ(hJ)遺伝子セグメントが内因性J遺伝子セグメントと置き換わる、
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のラットまたはマウス。
【請求項13】
(i)前記再構成されていないヒトV(hV)遺伝子セグメントが内因性V遺伝子セグメントと置き換わり、
(ii)前記操作されたD領域が、内因性D遺伝子セグメントと置き換わり、かつ
(iii)前記再構成されていないヒトJ(hJ)遺伝子セグメントがすべての内因性J遺伝子セグメントと置き換わる、
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のラットまたはマウス。
【請求項14】
マウスである、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のラットまたはマウス。
【請求項15】
単離された齧歯類細胞であって、そのゲノムが、内因性重鎖遺伝子座において、内因性イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結されたイムノグロブリン重鎖可変領域を含み、前記再構成されていないイムノグロブリン重鎖可変領域が、
(i)再構成されていないヒトV(hV)遺伝子セグメント、
(ii)操作されたD領域であって、前記操作されたD領域が26個のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が
(a)μ−コノトキシンおよび/またはタランチュラ毒素の一部をコードし、そして、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228または配列番号230として示された配列に対して、少なくとも95%同一、または同一、かつ、
(b)第一の組み換えシグナル配列および第二の組み換えシグナル配列と隣接する、操作されたD領域、および
(iii)再構成されていないヒトJ(hJ)遺伝子セグメント
を含むことにより、(i)の前記再構成されていないhV遺伝子セグメント、(ii)の前記一つ以上のヌクレオチド配列、および、(iii)の前記再構成されていないhJ遺伝子セグメントが、B細胞において組み換わって、前記内因性イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結された、再構成された重鎖可変領域hV/eD/hJ配列を形成し、
前記齧歯類細胞が、ラット細胞またはマウス細胞である、前記細胞。
【請求項16】
胚性幹細胞または生殖細胞である、請求項15に記載の単離された齧歯類細胞。
【請求項17】
胚性幹細胞を含む齧歯類胚であって、
各胚性幹細胞のゲノムが、内因性重鎖遺伝子座において、内因性イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結されたイムノグロブリン重鎖可変領域を含み、前記再構成されていないイムノグロブリン重鎖可変領域が、
(i)再構成されていないヒトV(hV)遺伝子セグメント、
(ii)操作されたD領域であって、前記操作されたD領域が26個のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が
(a)μ−コノトキシンおよび/またはタランチュラ毒素の一部をコードし、そして、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228または配列番号230として示された配列に対して、少なくとも95%同一、または同一であり、かつ、
(b)第一の組み換えシグナル配列および第二の組み換えシグナル配列と隣接する、操作されたD領域、および
(iii)再構成されていないヒトJ(hJ)遺伝子セグメント
を含むことにより、(i)の前記再構成されていないhV遺伝子セグメント、(ii)の前記一つ以上のヌクレオチド配列、および、(iii)の前記再構成されていないhJ遺伝子セグメントが、B細胞において組み換わって、前記内因性イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結された、再構成された重鎖可変領域hV/eD/hJ配列を形成し、
前記齧歯類胚が、ラット胚またはマウス胚である、前記齧歯類胚。
【請求項18】
細胞を含む単離された齧歯類組織であって、
前記細胞のゲノムが、内因性重鎖遺伝子座において、内因性イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結されたイムノグロブリン重鎖可変領域を含み、前記再構成されていないイムノグロブリン重鎖可変領域が、
(i)再構成されていないヒトV(hV)遺伝子セグメント、
(ii)操作されたD領域であって、前記操作されたD領域が26個のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が
(a)μ−コノトキシンおよび/またはタランチュラ毒素の一部をコードし、そして、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228または配列番号230として示された配列に対して、少なくとも95%同一、または同一であり、かつ、
(b)第一の組み換えシグナル配列および第二の組み換えシグナル配列と隣接する、操作されたD領域、および
(iii)再構成されていないヒトJ(hJ)遺伝子セグメント
を含むことにより、(i)の前記再構成されていないhV遺伝子セグメント、(ii)の前記一つ以上のヌクレオチド配列、および、(iii)の前記再構成されていないhJ遺伝子セグメントが、B細胞において組み換わって、前記内因性イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結された、再構成された重鎖可変領域hV/eD/hJ配列を形成し、
前記齧歯類組織が、ラット組織またはマウス組織である、前記齧歯類組織。
【請求項19】
ラットまたはマウスであって、そのゲノムが、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備えた、前記ラットまたはマウスを作製する方法であって、
(a)ラットまたはマウス胚性幹細胞を得ることであって、前記ラットまたはマウス胚性幹細胞が、内因性イムノグロブリン重鎖遺伝子座において、内因性イムノグロブリンV遺伝子セグメント、内因性イムノグロブリンD遺伝子セグメントおよび内因性イムノグロブリンJ遺伝子セグメントを含む内因性配列の、再構成されていないヒトV遺伝子セグメント、再構成されていないヒトイムノグロブリンD遺伝子セグメントおよび再構成されていないヒトJ遺伝子セグメントを含むヒトゲノム配列での置き換えを含む、前記ラットまたはマウス胚性幹細胞を得ることと、
(b)操作されたD遺伝子セグメントが、前記再構成されていないヒトV遺伝子セグメントおよび再構成されていないヒトJ遺伝子セグメントの間に動作可能に連結して挿入されるように、一つ以上の前記再構成されていないヒトイムノグロブリンD遺伝子セグメントを、操作されたD領域で置き換えることであって、前記操作されたD領域が26個のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が
μ−コノトキシンおよび/またはタランチュラ毒素の一部をコードし、そして、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228または配列番号230として示された配列に対して、少なくとも95%同一、または同一であり、かつ、
ii)第一の組み換えシグナル配列および第二の組み換えシグナル配列と隣接し、その結果、前記再構成されていないhV遺伝子セグメント、操作されたD領域、および、再構成されていないヒトJ遺伝子セグメントが、内因性イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結され、かつ、B細胞において組み換わって、また前記内因性イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結された、再構成された重鎖可変領域hV/eD/hJ配列を形成できる、前記挿入することと、
(c)(b)に記載の胚性幹細胞を使用してラットまたはマウスを作製することとを含む、前記方法。
【請求項20】
前記ヒトゲノム配列がヒトイムノグロブリン重鎖可変領域を含み、前記ヒトイムイムノグロブリン重鎖可変領域が内因性イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結されている、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
齧歯類において抗体を生成する方法であって、
(a)抗原を用いて、ラットまたはマウスである齧歯類を免疫化する工程であって、前記齧歯類が、内因性重鎖遺伝子座において、内因性イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結された再構成されていないイムノグロブリン重鎖可変領域を含む生殖細胞を含み、前記イムノグロブリン重鎖可変領域が、動作可能に連結した、
(i)再構成されていないヒトV(hV)遺伝子セグメント、
(ii)一つ以上の内因性Dセグメントと置き換わった、操作されたD領域であって、前記操作されたD領域が26個のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々がμ−コノトキシンおよび/またはタランチュラ毒素の一部をコードし、そして、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228または配列番号230として示された配列に対して、少なくとも95%同一、または同一であり、かつ、第一の組み換えシグナル配列および第二の組み換えシグナル配列と隣接する、操作されたD領域、および
(iii)再構成されていないヒトJ(hJ)遺伝子セグメント
を含む、前記齧歯類を免疫化する工程と、
(b)前記齧歯類が前記抗原に対する免疫反応を生じさせるのに十分な条件下で、前記齧歯類を維持する工程と、
(c)前記齧歯類または齧歯類細胞から、前記抗原を結合させる抗体を回収する工程と、を含む前記方法。
【請求項22】
前記齧歯類細胞がB細胞である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記B細胞を骨髄腫細胞と融合させてハイブリドーマを形成する工程をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記イムノグロブリン重鎖可変領域がヒトイムノグロブリン重鎖可変領域である、請求項21から請求項23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記イムノグロブリン重鎖可変領域がイムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結されている、請求項21から請求項24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記イムノグロブリン重鎖定常領域が内因性イムノグロブリン重鎖定常領域である、請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
抗体ベースの治療薬は、一部の疾患の治療に極めて有望である。モノクローナル型、マウス型、キメラ化、ヒト化、ヒト型、完全長型、Fab型、ペグ化、放射標識型、薬剤抱合型、多特異型などを含めた種々のフォーマットが開発されている(例えば、Reichert,J.M.,2012,mAbs 4:3,413−415;Nixon,A.E.et al.,2014,mAbs 6:1,73−85を参照されたく、これらの文献は参照により本明細書に援用される)。米国またはヨーロッパで販売承認を受けた40種類を超える治療抗体薬剤のうちの全てが、ヒトおよび/または非ヒト(例えば、マウス)を供給源とする通例の抗体遺伝子をインビトロ(例えば、ファージディスプレイ)システムまたはインビボ(例えば、遺伝子操作動物)システムでアセンブリすることに依拠した技術を用いて、作製されてきた。だが、難治性の標的を結合させる特に効果的な抗体薬剤の開発には、未だ課題が残ったままである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0002】
【非特許文献1】Reichert,J.M.,2012,mAbs 4:3,413−415
【非特許文献2】Nixon,A.E.et al.,2014,mAbs 6:1,73−85
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
新たな抗体ベースの治療薬、一部の実施形態では抗体薬剤(例えば、モノクローナル抗体および/またはその断片)を、特定かつ開発するためのインビボシステムの改良を可能にするために、非ヒト動物を操作することが望ましいという認識が本明細書に開示されており、該治療薬は難治性疾患標的によって特徴付けられる種々の疾患の治療に使用され得るものである。さらに本明細書に開示されているのは、操作された重鎖多様性(D)クラスター/領域をイムノグロブリン重鎖可変領域(例えば、異種イムノグロブリン重鎖可変領域)内に有し、特に、イムノグロブリン重鎖可変領域内には天然に存在しないヌクレオチドコード配列を含む操作されたDクラスター(またはD領域)を有しており、および/または特定の抗原への結合を誘導する多様性によって特徴付けられる相補性決定領域(CDR)を含む抗体を発現、含有、もしくは産生する、非ヒト動物が、例えば、抗体ベースの治療薬であって、例として膜貫通ポリペプチドまたは細胞質ポリペプチドを標的とし得る該治療薬を、特定かつ開発する用途に好適である、という認識である。一部の実施形態では、本明細書に開示される非ヒト動物は、抗体および/または抗体ベースの治療薬をヒトへの投与用に開発するためのインビボシステムである。
【0004】
一部の実施形態では、非ヒト動物であって、そのゲノム、例えば、生殖細胞系ゲノムが、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、該操作されたD領域は一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部をコードする、該非ヒト動物が提供されている。
【0005】
別の態様では、非ヒト動物であって、そのゲノム、例えば生殖細胞系ゲノムが、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備えるように改変されており、該操作されたD領域は一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部をコードする、該非ヒト動物が、単一の再構成された軽鎖(例えば、共通軽鎖(ULC))を発現するようにさらに改変され得る。
【0006】
また、軽鎖定常領域に動作可能に連結した単一の再構成された軽鎖可変遺伝子配列は、共通または普遍的軽鎖(ULC)と称され、単一の再構成されたV:J遺伝子配列を含む軽鎖遺伝子座でコードされ得る。一部の実施形態では、軽鎖遺伝子座は、単一の再構成されたV:J遺伝子配列を含み、そこで、V配列はVκ遺伝子配列である。一部の態様では、Vκ配列は、Vκ1−39またはVκ3−20から選択される。一部の態様では、J配列は、Jκ遺伝子配列、例えば、Jκ1配列、Jκ2配列、Jκ3配列、Jκ4配列、またはJκ5配列などである。一部の実施形態では、軽鎖遺伝子座は、Vκ1−39Jκ5およびVκ3−20Jκ1からなる群から選択される単一の再構成されたVκ:Jκ配列を含む。一実施形態では、軽鎖遺伝子座は、Vκ1−39Jκ5の単一の再構成されたVκ:Jκ配列を含む。別の実施形態では、軽鎖遺伝子座は、Vκ3−20Jκ1の単一の再構成されたVκ:Jκ配列を含む。一部の実施形態では、単一の再構成された可変遺伝子配列は、非ヒト軽鎖定常領域遺伝子、例えば内因性非ヒト軽鎖定常領域遺伝子に動作可能に連結されている。別の実施形態では、単一の再構成された可変遺伝子配列は、ヒト軽鎖定常領域遺伝子に動作可能に連結されている。一部の態様では、単一の再構成された可変遺伝子配列は、内因性イムノグロブリン軽鎖遺伝子座に挿入されたヒトV:J配列であり、その結果、得られた非ヒト動物は、一つ以上の軽鎖遺伝子座に、機能性非再構成V遺伝子セグメントとJ遺伝子セグメントの一方もその両方も含まないことになる。
【0007】
一部の実施形態では、単離された非ヒト細胞または組織であって、そのゲノムが、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域と任意選択的に共通または普遍的軽鎖とを備え、該操作されたD領域は一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部をコードする、該非ヒト細胞または組織が提供されている。一部の実施形態では、細胞はリンパ細胞系列由来または骨髄細胞系列由来である。一部の実施形態では、細胞はリンパ球である。一部の実施形態では、細胞は、B細胞、樹状細胞、マクロファージ、単球、およびT細胞から選択される。一部の実施形態では、組織は、脂肪、膀胱、脳、乳房、骨髄、目、心臓、腸、腎臓、肝臓、肺、リンパ節、筋肉、膵臓、血漿、血清、皮膚、脾臓、胃、胸腺、精巣、卵子、およびこれらの組み合わせから選択される。
一部の実施形態では、本明細書に記載の単離された非ヒト細胞から作製される不死化細胞が提供される。
【0008】
一部の実施形態では、非ヒト胚性幹(ES)細胞であって、そのゲノムが、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域と任意選択的に共通軽鎖とを備え、該操作されたD領域は一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部をコードする、該細胞が提供されている。一部の実施形態では、非ヒト胚性幹細胞は、齧歯類の胚性幹細胞である。一部のある実施形態では、齧歯類の胚性幹細胞はマウス胚性幹細胞であり、129系、C57BL系またはこれらの混合物からのものである。一部のある実施形態では、齧歯類の胚性幹細胞はマウス胚性幹細胞であり、129系およびC57BL系の混合物である。
【0009】
一部の実施形態では、非ヒト生殖細胞であって、そのゲノムが、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域と任意選択的に共通軽鎖とを備え、該操作されたD領域は一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部をコードする、該細胞が提供されている。一部の実施形態では、非ヒト生殖細胞は、齧歯類生殖細胞である。一部の特定の実施形態では、齧歯類生殖細胞はマウス生殖細胞であり、129系、C57BL系またはこれらの混合系由来である。一部の特定の実施形態では、齧歯類生殖細胞はマウス生殖細胞であり、129系とC57BL系の混合系である。
【0010】
一部の実施形態では、非ヒト動物を作製するための、本明細書に記載の非ヒト胚性幹細胞または生殖細胞の使用が提供される。一部の特定の実施形態では、非ヒト胚性幹細胞または生殖細胞は、マウス胚性幹細胞または生殖細胞であり、本明細書に記載されるとおり、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域と、任意選択的に共通軽鎖とを備えたマウスを作製するために使用される。一部の特定の実施形態では、非ヒト胚性幹細胞または生殖細胞は、ラット胚性幹細胞または生殖細胞であり、本明細書に記載されるとおり、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域と、任意選択的に共通軽鎖とを備えたラットを作製するために使用される。
【0011】
一部の実施形態では、本明細書に記載される非ヒト胚性幹細胞を含む、それから作られる、それから得られる、またはそれから生成される非ヒト胚が提供される。一部のある実施形態では、非ヒト胚は齧歯類胚であり、一部の実施形態ではマウス胚、一部の実施形態ではラット胎芽である。
【0012】
一部の実施形態では、本発明は、非ヒト動物を作るための本明細書に記述された非ヒト胚の利用法を提供する。一部の特定の実施形態では、非ヒト胚はマウス胚であり、本明細書に記載されるとおり、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域と、任意選択的に共通軽鎖遺伝子座とを備えたマウスを作製するために使用される。一部の特定の実施形態では、非ヒト胚はラット胚であり、本明細書に記載されるとおり、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域と、任意選択的に共通軽鎖遺伝子座とを備えたラットを作製するために使用される。
【0013】
一部の実施形態では、本明細書に記載される単離された非ヒト細胞もしくは組織、本明細書に記載される不死化細胞、本明細書に記載される非ヒト胚性幹細胞、本明細書に記載される非ヒト胚、または本明細書に記載される非ヒト動物を含むキットが提供される。
【0014】
一部の実施形態では、治療または診断のための薬剤(例えば、抗体またはその抗原結合断片)の製造および/または開発における使用のための、本明細書に記載されるキットが提供される。
【0015】
一部の実施形態では、疾患、障害もしくは症状の治療、予防、または改善のための薬剤(例えば、抗体またはその抗原結合断片)の製造および/または開発における使用のための、本明細書に記載されるキットが提供される。
【0016】
一部の実施形態では、本明細書に記載される導入遺伝子、核酸構築物、DNA構築物、または標的化ベクターが提供される。一部の特定の実施形態では、導入遺伝子、核酸構築物、DNA構築物、または標的化ベクターは、本明細書に記載の操作されたD領域を含む。一部の特定の実施形態では、導入遺伝子、核酸構築物、DNA構築物、または標的化ベクターは、本明細書に記載の一つ以上のヌクレオチドコード配列を含むDNA断片を備える。一部の特定の実施形態では、導入遺伝子、核酸構築物、DNA構築物、または標的化ベクターは、表3または表4から選択される一つ以上のヌクレオチドコード配列を含む操作されたD領域を備え、該一つ以上のヌクレオチドコード配列は、その各々が図2から選択される組み換えシグナル配列と隣接している。一部のある実施形態では、導入遺伝子、核酸構築物、DNA構築物、または標的化ベクターは、一つ以上の選択マーカーをさらに含む。一部の特定の実施形態では、導入遺伝子、核酸構築物、DNA構築物、または標的化ベクターは、一つ以上の部位特異的組み換え部位(例えば、lox、Frt、またはこれらの組み合わせ)をさらに含む。一部の特定の実施形態では、導入遺伝子、核酸構築物、DNA構築物、または標的化ベクターは、図3A図3B図4A図4B図7A図7B図8A、および図8Bのうちのいずれか一つに図示されている。
【0017】
一部の実施形態では、非ヒト胚性幹細胞、非ヒト細胞、非ヒト胚、および/または非ヒト動物を作製するための、本明細書に記載される導入遺伝子、核酸構築物、DNA構築物、または標的化ベクターの使用が提供される。
【0018】
一部の実施形態では、対象の非イムノグロブリンポリペプチドはケモカイン受容体である。一部の実施形態では、ケモカイン受容体は、CC−ケモカイン受容体(またはβ−ケモカイン受容体)、CXC−ケモカイン受容体、CX3C−ケモカイン受容体、およびXC−ケモカイン受容体からなる群から選択される。一部の実施形態では、ケモカイン受容体は非定型ケモカイン受容体(ACKR)である。一部の実施形態では、ACKRは、ACKR1、ACKR2、ACKR3、およびACKR4からなる群から選択される。一部の特定の実施形態では、ACKRは、ACKR2またはD6ケモカインデコイ受容体である。
【0019】
一部の実施形態では、対象の非イムノグロブリンポリペプチドは毒素である。一部の実施形態では、毒素は、タランチュラ、クモ、サソリ、またはイソギンチャクの毒液に見られる毒素である。
【0020】
一部の実施形態では、対象の非イムノグロブリンポリペプチドはコノトキシンまたはタランチュラ毒素である。一部の実施形態では、コノトキシンは、α−コノトキシン、δ−コノトキシン、κ−コノトキシン、μ−コノトキシン、ω−コノトキシン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。一部の特定の実施形態では、コノトキシンはμ−コノトキシンである。一部の特定の実施形態では、タランチュラ毒素は、ProTxI、ProTxII、フエントキシン(Huwentoxin)−IV(HWTX−IV)、またはこれらの組み合わせである。
【0021】
一部の実施形態では、操作されたD領域は、5個、10個、15個、20個、25個、またはそれを超えるヌクレオチド配列を含み、その配列の各々がD6ケモカインデコイ受容体の細胞外部分をコードするか、またはその配列の各々がコノトキシン(例えば、μ−コノトキシン)の一部をコードするか、またはその配列の各々がタランチュラ毒素(例えば、ProTxI、ProTxIIなど)の一部をコードするか、またはこれらの組み合わせをコードする。
【0022】
一部の実施形態では、操作されたD領域は25個のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々がD6ケモカインデコイ受容体の細胞外部分をコードするか、または26個のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々がコノトキシン(例えば、μ−コノトキシン)および/もしくはタランチュラ毒素(例えば、ProTxI、ProTxIIなど)の一部をコードする。
【0023】
一部の実施形態では、D6ケモカインデコイ受容体の細胞外部分は、N末端領域、細胞外ループ、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0024】
一部の実施形態では、本明細書に記載のコノトキシンの一部は、一つ以上のジスルフィド結合を含む配列を備える。一部の実施形態では、本明細書に記載のコノトキシンの一部は、自然界で見られるコノトキシン配列(例えば、参照または親コノトキシンの配列)と比べて、一つ以上のジスルフィド結合を欠く配列を備える。一部の実施形態では、本明細書に記載のコノトキシンの一部は、自然界で見られるコノトキシン配列(例えば、参照または親コノトキシンの配列)と比べて、同一であるかまたは異なるジスルフィド結合の数および/またはパターンを提示する配列を備える。
【0025】
一部の実施形態では、本明細書に記載のタランチュラ毒素の一部は、自然界で見出されるタランチュラ毒素配列に見られるシステインノットモチーフを含む配列を備える。一部の実施形態では、本明細書に記載のタランチュラ毒素の一部は、システインノットペプチドであるか、またはそれを含む配列を備える。一部の実施形態では、本明細書に記載のタランチュラ毒素の一部は、自然界で見られるタランチュラ毒素配列(例えば、参照または親タランチュラ毒素配列)と比べて、一つ以上のジスルフィド結合を欠く配列を備える。一部の実施形態では、本明細書に記載のタランチュラ毒素の一部は、自然界で見られるタランチュラ毒素配列(例えば、参照または親タランチュラ毒素の配列)と比べて、同一であるかまたは異なるジスルフィド結合の数および/またはパターンを提示する配列を備える。
【0026】
一部の実施形態では、操作されたD領域は、表3もしくは表4に示されたヌクレオチド配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、もしくは少なくとも98%同一であり、および/または表3もしくは表4に示されたアミノ酸配列をコードする、25個または26個のヌクレオチド配列を備える。一部の実施形態では、操作されたD領域は25個または26個のヌクレオチド配列を備え、その配列の各々が、表3もしくは表4に示されたアミノ酸配列に対して実質的同一であるか、もしくは同一であるアミノ酸配列をコードするか、または表3もしくは表4に示されたアミノ酸配列と同一の機能を有するアミノ酸配列をコードする。
【0027】
一部の実施形態では、一つ以上のヌクレオチド配列は、一つ以上のヌクレオチド配列の体細胞超変異を増やす一つ以上のヌクレオチド置換を含む。
【0028】
一部の実施形態では、操作されたD領域は、一つ以上のヌクレオチド配列の各々に隣接している第一の組み換えシグナル配列および第二の組み換えシグナル配列をさらに含む。一部の特定の実施形態では、第一の組み換えシグナル配列は、図2に示された第一の組み換えシグナル配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、または少なくとも98%同一である配列を含む。一部の特定の実施形態では、第一の組み換えシグナル配列は、図2に示された第一の組み換えシグナル配列に対して実質的に同一であるか、または同一である配列を含む。一部の特定の実施形態では、第二の組み換えシグナル配列は、図2に示された第二の組み換えシグナル配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、または少なくとも98%同一である配列を含む。一部の特定の実施形態では、第二の組み換えシグナル配列は、図2に示された第二の組み換えシグナル配列に対して実質的に同一であるか、または同一である配列を含む。一部の実施形態では、第一の組み換えシグナル配列および第二の組み換えシグナル配列は、図2から選択される。
【0029】
一部の実施形態では、提供される非ヒト動物のゲノムは、一つ以上の野生型内因性D遺伝子セグメントを欠く。一部の特定の実施形態では、提供される非ヒト動物のゲノムは、全てのまたは実質的に全ての野生型内因性D遺伝子セグメントを欠く。一部の実施形態では、提供される非ヒト動物のゲノムは、一つ以上の野生型内因性組み換えシグナル配列を欠く。
【0030】
一部の実施形態では、操作されたD領域は、一つ以上の野生型ヒトD遺伝子セグメントを含む。一部の特定の実施形態では、操作されたD領域は、ヒトD6−25遺伝子セグメントを含む。一部の特定の実施形態では、操作されたD領域は、ヒトD6−25遺伝子セグメントを含まない。
【0031】
一部の実施形態では、イムノグロブリン重鎖可変領域は、イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結されている。
【0032】
一部の実施形態では、イムノグロブリン重鎖定常領域は、内因性イムノグロブリン重鎖定常領域である。
【0033】
一部の実施形態では、イムノグロブリン重鎖可変領域は、非再構成ヒトイムノグロブリン重鎖可変領域であり、例えば、操作された(e)D領域に隣接している、少なくとも一つのヒト(h)非再構成V遺伝子セグメントおよび/または少なくとも一つのヒト(h)非再構成J遺伝子セグメントを含む。一部の実施形態では、イムノグロブリン重鎖可変領域は、操作された(e)D領域に隣接している、複数のヒト(h)非再構成V遺伝子セグメントおよび/または複数のヒト(h)非再構成J遺伝子セグメントを含む。一部の実施形態では、非再構成ヒトイムノグロブリン重鎖可変領域は、イムノグロブリン重鎖定常領域、例えば、非ヒトイムノグロブリン重鎖定常領域に、例えば内因性非ヒト重鎖遺伝子座で動作可能に連結されている。
【0034】
一部の実施形態では、ヒトイムノグロブリン重鎖可変領域は、再構成されたヒトイムノグロブリン重鎖可変領域を含み、該再構成されたヒトイムノグロブリン重鎖は、操作された(e)D領域と組み換えられた、少なくとも一つのヒト(h)非再構成V遺伝子セグメントおよび/または少なくとも一つのヒト(h)非再構成J遺伝子セグメントを含んで、該重鎖定常領域に動作可能に連結され得る再構成された(h)V/(e)D/(h)J遺伝子配列を形成する。一部の実施形態では、こうした組み換えがB細胞発生中にB細胞に生じる。
【0035】
したがって、本明細書に記載の非ヒト動物は、
(i)生殖細胞であって、
(a)少なくとも一つまたは複数のヒト(h)非再構成V遺伝子セグメントと、
(b)少なくとも一つまたは複数のヒト(h)非再構成J遺伝子セグメントと、
(c)(a)と(b)とに隣接している操作された(e)D領域と、を含む、非再構成ヒト重鎖可変領域を備え、(a)、(b)、および(c)が組み換わって、再構成されたヒト重鎖可変領域hV/eD/hJ配列を形成する、該生殖細胞と;
(ii)体細胞、例えばB細胞であって、再構成されたヒトhV/eD/hJ遺伝子配列を含み、該再構成されたhV/eD/hJ遺伝子配列が、対象の非イムノグロブリンポリペプチド、またはその一部、またはその体細胞超変異バリアントをコードする一つ以上のヌクレオチド配列を含むCDR3コード配列を備えた、該体細胞と、を含み得る。一部の実施形態では、ヒトの非再構成または再構成ヒト重鎖可変領域は、非ヒト重鎖定常領域であり得る重鎖定常領域に、例えば非ヒト内因性重鎖遺伝子座で動作可能に連結されている。一部の実施形態では、イムノグロブリン重鎖可変領域は、ヒトイムノグロブリン重鎖可変領域である。一部の実施形態では、B細胞は、重鎖定常領域に動作可能に連結された再構成hV/eD/hJ遺伝子配列を、対象の非イムノグロブリンポリペプチド、またはその一部、またはその体細胞超変異バリアントを含むCDR3を備えたイムノグロブリン重鎖様ポリペプチドとしてさらに発現する。
【0036】
一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、ヒト化軽鎖遺伝子座をさらに含む。一部の実施形態では、本明細書に開示される非ヒト動物は、
(i)生殖細胞に:
(a)非再構成イムノグロブリン重鎖可変領域とイムノグロブリン重鎖定常領域とを含むイムノグロブリン重鎖遺伝子座であって、該非再構成イムノグロブリン重鎖可変領域が、少なくとも一つの非再構成V遺伝子セグメント(ヒト非再構成V遺伝子セグメント、例えばhVであってもよい)と、操作されたD領域(ヒトD遺伝子セグメントおよび/または操作されたD遺伝子セグメント、例えばhDを含んでもよい)と、少なくとも一つの非再構成の、任意選択的にヒトの、Jセグメントとを含み、該V遺伝子セグメントと、操作されたD領域と、J遺伝子セグメントとが、例えば、B細胞発生中にB細胞で組み換わって、イムノグロブリン重鎖定常領域と動作可能に連結した再構成イムノグロブリン重鎖hV/eD/hJ可変領域遺伝子配列を形成することができるように動作可能に連結されている、該イムノグロブリン重鎖遺伝子座と、
(b)ヒトVおよび/またはJ遺伝子セグメントを含み、(ヒト)共通軽鎖をコードし得る、イムノグロブリン軽鎖遺伝子座と、を備え;
(ii)体細胞、例えばB細胞に、
(a)イムノグロブリン重鎖定常領域と動作可能に連結した再構成イムノグロブリン重鎖hV/eD/hJ可変領域遺伝子配列であって、該操作されたD領域が対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部をコードする配列を含み、再構成hV/eD/hJ遺伝子配列が、対象の非イムノグロブリンポリペプチド、またはその一部、またはその体細胞超変異バリアントをコードする一つ以上のヌクレオチド配列を含むCDR3コード配列を備えている、該遺伝子配列と、
(b)ヒト化および/または共通のイムノグロブリン軽鎖遺伝子座またはその体細胞超変異バリアントと、を備えている。一部の実施形態では、ヒトの非再構成または再構成ヒト重鎖可変領域は、非ヒト重鎖定常領域であり得る重鎖定常領域に、例えば非ヒト内因性重鎖遺伝子座で動作可能に連結されている。一部の実施形態では、イムノグロブリン重鎖可変領域は、ヒトイムノグロブリン重鎖可変領域である。一部の実施形態では、B細胞は、重鎖定常領域に動作可能に連結された再構成hV/eD/hJ遺伝子配列を、対象の非イムノグロブリンポリペプチド、またはその一部、またはその体細胞超変異バリアントを含むCDR3を備えたイムノグロブリン重鎖様ポリペプチドとしてさらに発現し、ならびにヒト(ヒト化)および/または共通の軽鎖を四量体イムノグロブリン様抗原結合タンパク質としてさらに発現し、該四量体は、イムノグロブリン重鎖様ポリペプチドの二量体を含んでおり、該二量体の各々はヒト(ヒト化)および/または共通の軽鎖に共有結合している。
【0037】
一部の実施形態では、非ヒト動物であって、そのゲノムが、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を含有する該非ヒト動物の作製方法が提供され、該方法は、(a)DNA断片を非ヒト胚性幹細胞に挿入することであって、該DNA断片が一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部をコードする、該挿入することと;(b)(a)で生成した非ヒト胚性幹細胞を得ることと;(c)(b)に記載の胚性幹細胞を用いて非ヒト動物を作製することとを含む。
【0038】
一実施形態では、本明細書に開示される非ヒト動物の作製方法は、(a)第一の非ヒト動物であって、そのゲノムが、本明細書に記載のとおり、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を含有する、該第一の非ヒト動物を得ることと、(b)(a)に記載の第一の非ヒト動物を第二の非ヒト動物と交配することであって、一態様では、該第二の非ヒト動物は第一の非ヒト動物とは異なる系統でもよく、第二の非ヒト動物は普遍的軽鎖を発現し、該交配の結果、非イムノグロブリンタンパク質(またはその一部)のアミノ酸配列をCDR3に含む遺伝子操作された重鎖および遺伝子操作された再構成軽鎖(単一の再構成された軽鎖、ULC)を産生する(例えば、備える)子孫が生じる、該交配することとを含む。
【0039】
一部の実施形態では、DNA断片は、5個、10個、15個、20個、25個、またはそれを超えるヌクレオチド配列を含み、その配列の各々がD6ケモカインデコイ受容体の細胞外部分をコードするか、またはその配列の各々がコノトキシン(例えば、μ−コノトキシン)、タランチュラ毒素、もしくはこれらの組み合わせの一部をコードする。一部の特定の実施形態では、DNA断片は25個のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々がD6ケモカインデコイ受容体の細胞外部分をコードするか、または26個のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々がコノトキシン(例えば、μ−コノトキシン)および/もしくはタランチュラ毒素(例えば、ProTxI、ProTxIIなど)の一部をコードする。一部の特定の実施形態では、DNA断片は、25個または26個のヌクレオチド配列の各々に隣接している第一の組み換えシグナル配列および第二の組み換えシグナル配列をさらに含む。
【0040】
一部の実施形態では、非ヒト動物であって、そのゲノムが、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を含有する該非ヒト動物の作製方法が提供され、該方法は、非ヒト動物が、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備えるように非ヒト動物のゲノムを改変することを含み、該操作されたD領域は一つ以上のヌクレオチド配列を備え、その配列の各々が対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部をコードし、それによって該非ヒト動物を作製する。
【0041】
一部の実施形態では、非ヒト動物のゲノムは、5個、10個、15個、20個、25個、またはそれを超えるヌクレオチド配列であって、その各々がD6ケモカインデコイ受容体の細胞外部分をコードするか、またはその各々がコノトキシン(例えば、μ−コノトキシン)、タランチュラ毒素、もしくはこれらの組み合わせの一部をコードする、該配列を含むように改変される。一部の特定の実施形態では、非ヒト動物のゲノムは25個のヌクレオチド配列であって、その各々がD6ケモカインデコイ受容体の細胞外部分をコードする該配列を含むように改変されるか、または26個のヌクレオチド配列であって、その各々がコノトキシン(例えば、μ−コノトキシン)および/もしくはタランチュラ毒素(例えば、ProTxI、ProTxIIなど)の一部をコードする該配列を含むように改変される。一部の特定の実施形態では、非ヒト動物のゲノムは、25個または26個のヌクレオチド配列の各々に隣接している第一の組み換えシグナル配列および第二の組み換えシグナル配列をさらに含むように改変される。
【0042】
一部の実施形態では、抗体を非ヒト動物で産生する方法が提供され、該方法は、(a)非ヒト動物を抗原で免疫化する工程であって、該非ヒト動物が、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備えたゲノムを有し、該操作されたD領域が一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部をコードする、該免疫化する工程と;(b)非ヒト動物によって抗原に対する免疫反応が生じるのに十分な条件下で非ヒト動物を維持する工程と;(c)非ヒト動物または非ヒト動物細胞から、該抗原を結合させる抗体を回収する工程と、を含む。一部の特定の実施形態では、非ヒト細胞はB細胞である。一部の特定の実施形態では、非ヒト細胞はハイブリドーマである。
【0043】
一部の実施形態では、非ヒト動物であって、その生殖細胞ゲノムが、(a)一つ以上の非再構成ヒトV遺伝子セグメントと、操作されたD領域と、一つ以上の非再構成ヒトJ遺伝子セグメントとを含むヒトイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、該操作されたD領域は、(i)一つ以上のヌクレオチド配列であって、その各々が非定型ケモカイン受容体(ACKR)の細胞外部分をコードする該ヌクレオチド配列と;(ii)該一つ以上の非再構成ヒトV遺伝子セグメント、操作されたD領域、および一つ以上の非再構成ヒトJ遺伝子セグメントが、例えばB細胞で組み換わるように、(i)に記載の一つ以上のヌクレオチド配列の各々に隣接している第一の組み換えシグナル配列および第二の組み換えシグナル配列と、を含み、したがって、該非ヒト動物が、再構成hV/eD/hJ遺伝子配列を備えたヒトイムノグロブリン重鎖可変領域を含むB細胞ゲノムを備え;該ヒトイムノグロブリン重鎖可変領域は一つ以上の内因性イムノグロブリン重鎖定常領域遺伝子に動作可能に連結されており、その結果、非ヒト動物が抗原で免疫化される場合に、イムノグロブリン重鎖定常領域遺伝子に動作可能に連結された再構成hV/eD/hJ遺伝子配列がヒト重鎖可変ドメインを含む抗体をコードするという点で、該非ヒト動物が特徴付けられており、該ヒト重鎖可変ドメインは、一つ以上の内因性イムノグロブリン定常領域遺伝子によってコードされる非ヒト動物重鎖定常ドメインに動作可能に連結された、ヒトV遺伝子セグメント(またはその一部)のうちの一つ、操作されたD領域(またはその一部)、およびヒトJ遺伝子セグメント(またはその一部)のうちの一つによってコードされており、該抗体は該抗原への特異的結合を示す、該非ヒト動物が提供されている。一部の実施形態では、生殖細胞、例えば非ヒト動物のB細胞は、共通軽鎖をコードするイムノグロブリン軽鎖遺伝子座をさらに含み、したがって、抗体は共通軽鎖をさらに含むようになる。
【0044】
一部の実施形態では、非ヒト動物であって、その生殖細胞ゲノムが、一つ以上の非再構成ヒト(h)V遺伝子セグメントと、操作された(e)D領域と、一つ以上の(h)ヒトJ遺伝子セグメントとを含むヒトイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、該操作されたD領域は、(i)一つ以上のヌクレオチド配列であって、その各々が毒素(例えば、μ−コノトキシン、タランチュラ毒素、またはこれらの組み合わせ)の一部をコードする該ヌクレオチド配列と;(ii)該一つ以上の非再構成ヒトV遺伝子セグメント、操作されたD領域、および一つ以上の非再構成ヒトJ遺伝子セグメントが、例えばB細胞で組み換わるように、(i)に記載の一つ以上のヌクレオチド配列の各々に隣接している第一の組み換えシグナル配列および第二の組み換えシグナル配列と、を含み、したがって、該非ヒト動物が、再構成hV/eD/hJ遺伝子配列を含むヒトイムノグロブリン重鎖可変領域を含めたB細胞ゲノムを備え;該ヒトイムノグロブリン重鎖可変領域は一つ以上の内因性イムノグロブリン重鎖定常領域遺伝子に動作可能に連結されており、その結果、非ヒト動物が抗原で免疫化される場合に、イムノグロブリン重鎖定常領域遺伝子に動作可能に連結された再構成hV/eD/hJ遺伝子配列がヒト重鎖可変ドメインを含む抗体をコードするという点で該非ヒト動物が特徴付けられており、該ヒト重鎖可変ドメインは、一つ以上の内因性イムノグロブリン定常領域遺伝子によってコードされる一つ以上の重鎖定常ドメインに動作可能に連結された、ヒトV遺伝子セグメント(またはその一部)のうちの一つ、操作されたD領域(またはその一部)、およびヒトJ遺伝子セグメント(またはその一部)のうちの一つによってコードされており、該抗体は該抗原への特異的結合を示す、該非ヒト動物が提供されている。一部の実施形態では、生殖細胞、例えば非ヒト動物のB細胞は、共通軽鎖をコードするイムノグロブリン軽鎖遺伝子座をさらに含み、したがって、抗体は共通軽鎖をさらに含むようになる。
【0045】
一部の実施形態では、提供される非ヒト動物は、内因性軽鎖遺伝子座への、一つ以上のヒトV遺伝子セグメントおよび一つ以上のヒトJ遺伝子セグメントの挿入をさらに含む。一部の実施形態では、ヒトVセグメントおよびJセグメントは、Vκ遺伝子セグメントおよびJκ遺伝子セグメントであり、内因性κ軽鎖遺伝子座に挿入される。一部の実施形態では、ヒトVκ遺伝子セグメントおよびJκ遺伝子セグメントは、齧歯類Cκ遺伝子(例えばマウスまたはラットのCκ遺伝子)に動作可能に連結されている。一部の実施形態では、ヒトVセグメントおよびJセグメントは、Vλ遺伝子セグメントおよびJλ遺伝子セグメントであり、内因性λ軽鎖遺伝子座に挿入される。一部の実施形態では、ヒトVλ遺伝子セグメントおよびJλ遺伝子セグメントは、齧歯類Cλ遺伝子(例えばマウスまたはラットのCλ遺伝子)に動作可能に連結されている。一部の実施形態では、単一の再構成されたヒト軽鎖可変領域遺伝子配列は、内因性非ヒト軽鎖定常領域遺伝子に動作可能に連結されている。一部の実施形態では、単一の再構成されたヒトVκ/Jκ遺伝子配列は、内因性Cκ遺伝子(例えば、マウスまたはラットのCκ遺伝子)に動作可能に連結されている。一部の実施形態では、単一の再構成されたVλ/Jλ遺伝子配列は、内因性Cλ遺伝子に動作可能に連結されている。
【0046】
一部の実施形態では、提供される非ヒト動物は、本明細書に記載の操作されたD領域に対してホモ接合性、ヘテロ接合性、またはヘミ接合性である。一部の実施形態では、提供される非ヒト動物は、本明細書に記載の操作されたD領域に対してトランスジェニックである。
【0047】
本明細書にはまた、細胞(例えばB細胞)または骨髄腫細胞との融合により得られた該細胞由来のハイブリドーマが開示され、その各々は、一つ以上の重鎖定常領域遺伝子を含むヒトまたは非ヒト重鎖定常領域に動作可能に連結し得る、再構成(h)V/eD/(h)J配列を含んでいる。こうした細胞(例えばB細胞)は、本明細書に記載の非ヒト動物、例えば齧歯類(例として、ラット、マウスなど)から単離され得る。
【0048】
本明細書ではまた、一つ以上の重鎖定常領域遺伝子を含むヒトまたは非ヒト重鎖定常領域に動作可能に連結し得る、再構成可変(h)V/eD/(h)J配列を含むヌクレオチド配列について説明している。こうしたヌクレオチド配列は、本明細書に記載の非ヒト動物、例えば齧歯類(例として、ラット、マウスなど)または非ヒト細胞から単離され得る。
【0049】
一部の実施形態では、医薬品としての使用などの医療で使用するための薬剤またはワクチンの製造および/または開発における、本明細書に記載される非ヒト動物の使用が提供される。
【0050】
一部の実施形態では、疾患、障害または症状の治療のための医薬品の製造における、本明細書に記載される非ヒト動物の使用が提供される。
【0051】
一部の実施形態では、ケモカインまたは電位開口型ナトリウム(Na)チャネルに結合する抗体の製造および/または開発における、本明細書に記載される非ヒト動物の使用が提供される。
【0052】
一部の実施形態では、ケモカインまたは電位開口型ナトリウム(Na)チャネルの発現または機能(例えば、異常発現または異常機能)によって特徴付けられる疾患の治療または検出のための医薬品を製造することにおける、本明細書に記載される非ヒト動物の使用が提供される。
【0053】
一部の実施形態では、治療または診断用の薬剤の製造および/または開発における使用のための、本明細書に記載される非ヒト動物が提供される。
【0054】
一部の実施形態では、疾患、障害または症状の治療、予防または改善用の医薬品の製造における使用のための、本明細書に記載される非ヒト動物が提供される。
【0055】
一部の実施形態では、ケモカインまたは電位開口型ナトリウム(Na)チャネルに結合する抗体の製造および/または開発において使用するための、本明細書に記載される非ヒト動物が提供される。
【0056】
一部の実施形態では、疾患、障害、または症状は、炎症性の疾患、障害または症状である。一部の実施形態では、疾患、障害、または症状は、ケモカイン発現または機能(例えば、異常ケモカインの発現または機能)によって特徴付けられる。
【0057】
一部の実施形態では、疾患、障害、または症状は、疼痛の疾患、障害または症状である。一部の実施形態では、疾患、障害、または症状は、イオンチャネル発現または機能(例えば、異常Naチャネルの発現または機能)によって特徴付けられる。
【0058】
数多くの実施形態では、本明細書で提供される非ヒト動物は齧歯類であり、一部の実施形態ではマウスであり、一部の実施形態ではラットである。
【0059】
本明細書で使用される場合、「約」および「およそ」という用語は同意義として使用される。約/およその有無に関わらず、本明細書で使用される任意の数字は、当業者によって理解される任意の正常変動を網羅することが意図される。
【0060】
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される:
(項目1)
齧歯類であって、そのゲノムが、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、前記操作されたD領域が、一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部をコードする、前記齧歯類。
(項目2)
前記イムノグロブリン重鎖可変領域がヒトイムノグロブリン重鎖可変領域である、項目1に記載の齧歯類。
(項目3)
前記イムノグロブリン重鎖可変領域がイムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結されている、項目1または項目2に記載の齧歯類。
(項目4)
前記イムノグロブリン重鎖定常領域が内因性イムノグロブリン重鎖定常領域である、項目3に記載の齧歯類。
(項目5)
対象の前記非イムノグロブリンポリペプチドがケモカイン受容体である、先行項目のいずれか1項に記載の齧歯類。
(項目6)
前記ケモカイン受容体が非定型ケモカイン受容体(ACKR)である、項目5に記載の齧歯類。
(項目7)
前記ACKRがD6ケモカインデコイ受容体である、項目6に記載の齧歯類。
(項目8)
前記操作されたD領域が、5個、10個、15個、20個、25個、またはそれを超えるヌクレオチド配列であって、その各々がD6ケモカインデコイ受容体の細胞外部分をコードする前記配列を含む、項目7に記載の齧歯類。
(項目9)
前記操作されたD領域が、25個のヌクレオチド配列であって、その各々がD6ケモカインデコイ受容体の細胞外部分をコードする前記配列を含む、項目8に記載の齧歯類。
(項目10)
D6ケモカインデコイ受容体の前記細胞外部分が、N末端領域、細胞外ループ、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、項目8または項目9に記載の齧歯類。
(項目11)
前記25個のヌクレオチド配列がそれぞれ、表3に示された配列に対して少なくとも95%同一である配列をコードする、項目9に記載の齧歯類。
(項目12)
前記25個のヌクレオチド配列がそれぞれ、表3に示された配列に対して実質的に同一である配列をコードする、項目9に記載の齧歯類。
(項目13)
前記25個のヌクレオチド配列がそれぞれ、表3に示された配列に対して同一である配列をコードする、項目9に記載の齧歯類。
(項目14)
前記一つ以上のヌクレオチド配列が、前記一つ以上のヌクレオチド配列の体細胞超変異を増やす一つ以上のヌクレオチド置換を含む、先行項目のいずれか1項に記載の齧歯類。
(項目15)
対象の前記非イムノグロブリンポリペプチドがコノトキシンまたはタランチュラ毒素である、項目1から項目4のいずれか1項に記載の齧歯類。
(項目16)
前記コノトキシンが、α−コノトキシン、δ−コノトキシン、κ−コノトキシン、μ−コノトキシン、ω−コノトキシン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、項目15に記載の齧歯類。
(項目17)
前記コノトキシンがμ−コノトキシンである、項目16に記載の齧歯類。
(項目18)
前記操作されたD領域が、5個、10個、15個、20個、25個、またはそれを超えるヌクレオチド配列であって、その各々が、μ−コノトキシン、タランチュラ毒素、またはこれらの組み合わせの一部をコードする前記配列を含む、項目17に記載の齧歯類。
(項目19)
前記操作されたD領域が、26個のヌクレオチド配列であって、その各々がμ−コノトキシンおよび/またはタランチュラ毒素の一部をコードする前記配列を含む、項目18に記載の齧歯類。
(項目20)
前記26個のヌクレオチド配列がそれぞれ、表4に示された配列に対して少なくとも95%同一である配列をコードする、項目19に記載の齧歯類。
(項目21)
前記26個のヌクレオチド配列がそれぞれ、表4に示された配列に対して実質的に同一である配列をコードする、項目19に記載の齧歯類。
(項目22)
前記26個のヌクレオチド配列がそれぞれ、表4に示された配列に対して同一である配列をコードする、項目19に記載の齧歯類。
(項目23)
前記一つ以上のヌクレオチド配列が、前記一つ以上のヌクレオチド配列の体細胞超変異を増やす一つ以上のヌクレオチド置換を含む、項目15から項目22のいずれか1項に記載の齧歯類。
(項目24)
前記操作されたD領域が、前記一つ以上のヌクレオチド配列の各々に隣接している第一の組み換えシグナル配列および第二の組み換えシグナル配列をさらに含む、先行項目のいずれか1項に記載の齧歯類。
(項目25)
前記第一の組み換えシグナル配列が、図2に示された第一の組み換えシグナル配列に対して少なくとも95%同一である配列を含む、項目24に記載の齧歯類。
(項目26)
前記第一の組み換えシグナル配列が、図2に示された第一の組み換えシグナル配列に対して実質的に同一である配列を含む、項目24に記載の齧歯類。
(項目27)
前記第一の組み換えシグナル配列が、図2に示された第一の組み換えシグナル配列に対して同一である配列を含む、項目24に記載の齧歯類。
(項目28)
前記第二の組み換えシグナル配列が、図2に示された第二の組み換えシグナル配列に対して少なくとも95%同一である配列を含む、項目24に記載の齧歯類。
(項目29)
前記第二の組み換えシグナル配列が、図2に示された第二の組み換えシグナル配列に対して実質的に同一である配列を含む、項目24に記載の齧歯類。
(項目30)
前記第二の組み換えシグナル配列が、図2に示された第二の組み換えシグナル配列に対して同一である配列を含む、項目24に記載の齧歯類。
(項目31)
前記第一の組み換えシグナル配列および第二の組み換えシグナル配列が図2から選択される、項目24に記載の齧歯類。
(項目32)
前記齧歯類の前記ゲノムが、一つ以上の野生型内因性D遺伝子セグメントを欠く、先行項目のいずれか1項に記載の齧歯類。
(項目33)
前記齧歯類の前記ゲノムが、一つ以上の野生型内因性組み換えシグナル配列を欠く、先行項目のいずれか1項に記載の齧歯類。
(項目34)
前記齧歯類がラットまたはマウスである、項目1から項目33のいずれか1項に記載の齧歯類。
(項目35)
単離された齧歯類細胞または組織であって、そのゲノムが、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、前記操作されたD領域が一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部をコードする、前記細胞または組織。
(項目36)
項目35に記載の単離された齧歯類細胞から作製された不死化細胞。
(項目37)
齧歯類胚性幹細胞であって、そのゲノムが、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、前記操作されたD領域が一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部をコードする、前記細胞。
(項目38)
項目37に記載の齧歯類胚性幹細胞から生成される齧歯類胚。
(項目39)
齧歯類であって、そのゲノムが、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変
領域を備えた、前記齧歯類を作製する方法であって、
(a)DNA断片を齧歯類胚性幹細胞に挿入することであって、前記DNA断片が一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部をコードする、前記挿入することと、
(b)(a)で生成された齧歯類胚性幹細胞を得ることと、
(c)(b)に記載の胚性幹細胞を使用して齧歯類を作製することとを含む、前記方法。
(項目40)
対象の前記非イムノグロブリンポリペプチドがケモカイン受容体である、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記ケモカイン受容体が非定型ケモカイン受容体(ACKR)である、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記ACKRがD6ケモカインデコイ受容体である、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記DNA断片が、5個、10個、15個、20個、25個、またはそれを超えるヌクレオチド配列であって、その各々がD6ケモカインデコイ受容体の細胞外部分をコードする前記配列を含む、項目42に記載の方法。
(項目44)
前記DNA断片が、25個のヌクレオチド配列であって、その各々がD6ケモカインデコイ受容体の細胞外部分をコードする前記配列を含む、項目43に記載の方法。
(項目45)
D6ケモカインデコイ受容体の前記細胞外部分が、N末端領域、細胞外ループ、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、項目43または項目44に記載の方法。
(項目46)
対象の前記非イムノグロブリンポリペプチドがコノトキシンまたはタランチュラ毒素である、項目39に記載の方法。
(項目47)
前記コノトキシンが、α−コノトキシン、δ−コノトキシン、κ−コノトキシン、μ−コノトキシン、ω−コノトキシン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記コノトキシンがμ−コノトキシンである、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記DNA断片が、5個、10個、15個、20個、25個、またはそれを超えるヌクレオチド配列であって、その各々が、μ−コノトキシン、タランチュラ毒素、またはこれらの組み合わせの一部をコードする前記配列を含む、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記DNA断片が、26個のヌクレオチド配列であって、その各々が、μ−コノトキシンおよび/またはタランチュラ毒素の一部をコードする前記配列を含む、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記DNA断片が、前記25個または26個のヌクレオチド配列の各々に隣接している第一の組み換えシグナル配列および第二の組み換えシグナル配列をさらに含む、項目44または項目50に記載の方法。
(項目52)
齧歯類であって、そのゲノムが、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備えた、前記齧歯類を作製する方法であって、
前記ゲノムが、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、前記操作されたD領域が一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部をコードし、それにより前記齧歯類を作製するように、齧歯類の前記ゲノムを改変することを含む、前記方法。
(項目53)
対象の前記非イムノグロブリンポリペプチドがケモカイン受容体である、項目52に記載の方法。
(項目54)
前記ケモカイン受容体が非定型ケモカイン受容体(ACKR)である、項目53に記載の方法。
(項目55)
前記ACKRがD6ケモカインデコイ受容体である、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記齧歯類の前記ゲノムが、5個、10個、15個、20個、25個、またはそれを超えるヌクレオチド配列であって、その各々がD6ケモカインデコイ受容体の細胞外部分をコードする前記配列を含むように改変される、項目55に記載の方法。
(項目57)
前記齧歯類の前記ゲノムが、25個のヌクレオチド配列であって、その各々がD6ケモカインデコイ受容体の細胞外部分をコードする前記配列を含むように改変される、項目56に記載の方法。
(項目58)
D6ケモカインデコイ受容体の前記細胞外部分が、N末端領域、細胞外ループ、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、項目56または項目57に記載の方法。
(項目59)
対象の前記非イムノグロブリンポリペプチドがコノトキシンまたはタランチュラ毒素である、項目52に記載の方法。
(項目60)
前記コノトキシンが、α−コノトキシン、δ−コノトキシン、κ−コノトキシン、μ−コノトキシン、ω−コノトキシン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、項目59に記載の方法。
(項目61)
前記コノトキシンがμ−コノトキシンである、項目60に記載の方法。
(項目62)
前記齧歯類の前記ゲノムが、5個、10個、15個、20個、25個、またはそれを超えるヌクレオチド配列であって、その各々が、μ−コノトキシン、タランチュラ毒素、またはこれらの組み合わせの一部をコードする前記配列を含むように改変される、項目61に記載の方法。
(項目63)
前記齧歯類の前記ゲノムが、26個のヌクレオチド配列であって、その各々が、μ−コノトキシンおよび/またはタランチュラ毒素の一部をコードする前記配列を含むように改変される、項目62に記載の方法。
(項目64)
前記齧歯類の前記ゲノムが、前記25個または26個のヌクレオチド配列の各々に隣接している第一の組み換えシグナル配列および第二の組み換えシグナル配列をさらに含むように改変される、項目57または項目63に記載の方法。
(項目65)
前記イムノグロブリン重鎖可変領域がヒトイムノグロブリン重鎖可変領域である、項目39から項目64のいずれか1項に記載の方法。
(項目66)
前記イムノグロブリン重鎖可変領域がイムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結されている、項目39から項目64のいずれか1項に記載の方法。
(項目67)
前記イムノグロブリン重鎖定常領域が内因性イムノグロブリン重鎖定常領域である、項目66に記載の方法。
(項目68)
齧歯類において抗体を生成する方法であって、
(a)抗原を有する齧歯類であって、前記齧歯類が、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備えたゲノムを持ち、前記操作されたD領域が一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部をコードする、前記齧歯類を免疫化する工程と、
(b)前記齧歯類が前記抗原に対する免疫反応を生じさせるのに十分な条件下で、前記齧歯類を維持する工程と、
(c)前記齧歯類または齧歯類細胞から、前記抗原を結合させる抗体を回収する工程と、を含む前記方法。
(項目69)
前記齧歯類細胞がB細胞である、項目68に記載の方法。
(項目70)
前記齧歯類細胞がハイブリドーマである、項目68に記載の方法。
(項目71)
対象の前記非イムノグロブリンポリペプチドがケモカイン受容体である、項目68から項目70のいずれか1項に記載の方法。
(項目72)
前記ケモカイン受容体が非定型ケモカイン受容体(ACKR)である、項目71に記載の方法。
(項目73)
前記ACKRがD6ケモカインデコイ受容体である、項目72に記載の方法。
(項目74)
前記操作されたD領域が、5個、10個、15個、20個、25個、またはそれを超えるヌクレオチド配列であって、その各々がD6ケモカインデコイ受容体の細胞外部分をコードする前記配列を含む、項目73に記載の方法。
(項目75)
前記操作されたD領域が、25個のヌクレオチド配列であって、その各々がD6ケモカインデコイ受容体の細胞外部分をコードする前記配列を含む、項目74に記載の方法。
(項目76)
D6ケモカインデコイ受容体の前記細胞外部分が、N末端領域、細胞外ループ、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、項目74または項目75に記載の方法。
(項目77)
対象の前記非イムノグロブリンポリペプチドがコノトキシンまたはタランチュラ毒素である、項目68から項目70のいずれか1項に記載の方法。
(項目78)
前記コノトキシンが、α−コノトキシン、δ−コノトキシン、κ−コノトキシン、μ−コノトキシン、ω−コノトキシン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、項目77に記載の方法。
(項目79)
前記コノトキシンがμ−コノトキシンである、項目78に記載の方法。
(項目80)
前記操作されたD領域が、5個、10個、15個、20個、25個、またはそれを超えるヌクレオチド配列であって、その各々が、μ−コノトキシン、タランチュラ毒素、またはこれらの組み合わせの一部をコードする前記配列を含む、項目79に記載の方法。
(項目81)
前記操作されたD領域が、26個のヌクレオチド配列であって、その各々がμ−コノトキシンおよび/またはタランチュラ毒素の一部をコードする前記配列を含む、項目80に記載の方法。
(項目82)
前記操作されたD領域が、前記25個または26個のヌクレオチド配列の各々に隣接している第一の組み換えシグナル配列および第二の組み換えシグナル配列をさらに含む、項目75または項目81に記載の方法。
(項目83)
前記イムノグロブリン重鎖可変領域がヒトイムノグロブリン重鎖可変領域である、項目68から項目82のいずれか1項に記載の方法。
(項目84)
前記イムノグロブリン重鎖可変領域がイムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結されている、項目68から項目83のいずれか1項に記載の方法。
(項目85)
前記イムノグロブリン重鎖定常領域が内因性イムノグロブリン重鎖定常領域である、項目84に記載の方法。
(項目86)
前記齧歯類がラットまたはマウスである、項目39から項目85のいずれか1項に記載の方法。
(項目87)
齧歯類であって、そのゲノムが、
一つ以上のヒトV遺伝子セグメントと、操作されたD領域と、一つ以上のヒトJ遺伝子セグメントとを含むヒトイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、前記操作されたD領域が、
(i)一つ以上のヌクレオチド配列であって、その各々が非定型ケモカイン受容体(ACKR)の細胞外部分をコードする前記配列と、
(ii)(i)に記載の一つ以上のヌクレオチド配列の各々に隣接している第一の組み換えシグナル配列および第二の組み換えシグナル配列と、を含み、
前記ヒトイムノグロブリン重鎖可変領域が一つ以上の内因性イムノグロブリン定常領域遺伝子に動作可能に連結されており、その結果、前記齧歯類が、抗原で免疫化される場合に、前記一つ以上の内因性イムノグロブリン定常領域遺伝子によってコードされる齧歯類重鎖定常ドメインに動作可能に連結された、前記一つ以上のヒトV遺伝子セグメントと、操作されたD領域と、一つ以上のヒトJ遺伝子セグメントとによってコードされる、ヒト重鎖可変ドメインを含む抗体を生成するという点で特徴付けられており、前記抗体が前記抗原への特異的結合を示している、前記齧歯類。
(項目88)
前記ACKRがD6ケモカインデコイ受容体である、項目87に記載の齧歯類。
(項目89)
前記操作されたD領域が、25個のヌクレオチド配列であって、その各々がD6ケモカインデコイ受容体の細胞外部分をコードする前記配列を含む、項目88に記載の齧歯類。
(項目90)
D6ケモカインデコイ受容体の前記細胞外部分が、N末端領域、細胞外ループ、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、項目89に記載の齧歯類。
(項目91)
齧歯類であって、そのゲノムが、
一つ以上のヒトV遺伝子セグメントと、操作されたD領域と、一つ以上のヒトJ遺伝子セグメントとを含むヒトイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、前記操作されたD領域が、
(i)一つ以上のヌクレオチド配列であって、その各々が毒素の一部をコードする前記配列と、
(ii)(i)に記載の一つ以上のヌクレオチド配列の各々に隣接している第一の組み換えシグナル配列および第二の組み換えシグナル配列と、を含み、
前記ヒトイムノグロブリン重鎖可変領域が一つ以上の内因性イムノグロブリン定常領域遺伝子に動作可能に連結されており、その結果、前記齧歯類が、抗原で免疫化される場合に、前記一つ以上の内因性イムノグロブリン定常領域遺伝子によってコードされる齧歯類重鎖定常ドメインに動作可能に連結された、前記一つ以上のヒトV遺伝子セグメントと、操作されたD領域と、一つ以上のヒトJ遺伝子セグメントとによってコードされる、ヒト重鎖可変ドメインを含む抗体を生成するという点で特徴付けられており、前記抗体が前記抗原への特異的結合を示している、前記齧歯類。
(項目92)
前記一つ以上のヌクレオチド配列がそれぞれ、μ−コノトキシン、タランチュラ毒素、またはこれらの組み合わせの一部をコードする、項目91に記載の齧歯類。
(項目93)
前記操作されたD領域が、26個のヌクレオチド配列であって、その各々がμ−コノトキシンおよび/またはタランチュラ毒素の一部をコードする前記配列を含む、項目92に記載の齧歯類。
(項目94)
前記一つ以上のヌクレオチド配列が、前記一つ以上のヌクレオチド配列の体細胞超変異を増やす一つ以上のヌクレオチド置換を含む、項目87または項目91に記載の齧歯類。
(項目95)
内因性軽鎖遺伝子座への、一つ以上のヒトV遺伝子セグメントおよび一つ以上のヒトJ遺伝子セグメントの挿入をさらに含む、項目87から項目94のいずれか1項に記載の齧歯類。
(項目96)
前記ヒトVセグメントおよびJセグメントが、Vκ遺伝子セグメントおよびJκ遺伝子セグメントであり、内因性κ軽鎖遺伝子座に挿入されている、項目95に記載の齧歯類。
(項目97)
前記ヒトVκ遺伝子セグメントおよびJκ遺伝子セグメントが、齧歯類Cκ遺伝子に動作可能に連結されている、項目96に記載の齧歯類。
(項目98)
前記ヒトVセグメントおよびJセグメントが、Vλ遺伝子セグメントおよびJλ遺伝子セグメントであり、内因性λ軽鎖遺伝子座に挿入されている、項目95に記載の齧歯類。
(項目99)
前記ヒトVλ遺伝子セグメントおよびJλ遺伝子セグメントが、齧歯類Cλ遺伝子に動作可能に連結されている、項目98に記載の齧歯類。
(項目100)
前記齧歯類がラットまたはマウスである、項目87から項目99のいずれか1項に記載の齧歯類。
本明細書に開示される非ヒト動物、細胞、核酸、および組成物のその他の特徴、目的、および利点は、以下に示す特定の実施形態の詳細説明で明らかになる。しかしながら、以下の詳細説明は特定の実施形態を示すが、単に例示のためになされるものであり、限定するものではないことを理解すべきである。
【0061】
以下の図から成る本明細書に含まれる図面は、例示目的のみであり限定を目的としない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1A】体細胞超変異ホットスポットを含めるように、選択されたD6ケモカインデコイ受容体コード配列を最適化した例を示す。図1A:天然(破線塗りつぶし)および人工(斜線塗りつぶし)のRGYW活性化誘導シチジンデアミナーゼ(AID)ホットスポットの位置を含めたD6ケモカインデコイ受容体の最適化されたN末端(Nterm)ドメイン;図1B:天然(破線塗りつぶし)および人工(斜線塗りつぶし)のRGYW活性化誘導シチジンデアミナーゼ(AID)ホットスポットの位置を含めたD6ケモカインデコイ受容体の最適化されたEC1ドメイン;図1C:天然(破線塗りつぶし)および人工(斜線塗りつぶし)のRGYW AIDホットスポットの位置を含めたD6ケモカインデコイ受容体の最適化されたEC2ドメイン;図1D:天然(破線塗りつぶし)および人工(斜線塗りつぶし)のRGYW AIDホットスポットの位置を含めたD6ケモカインデコイ受容体の最適化されたEC3ドメイン。
図1B】同上。
図1C-1】同上。
図1C-2】同上。
図1D】同上。
【0063】
図2】各ヌクレオチドコード配列に対して、V(D)J組み換えの間にヌクレオチドコード配列の効率的な組み換え頻度と均等な使用とを可能にするように設計された、最適化された5’および3’組み換えシグナル配列(RSS)の例を表す表を示す。グローバルRSSコンセンサス5’RSS(配列番号51);グローバルRSSコンセンサス3’RSS(配列番号52);ヒトDコンセンサス5’RSS(配列番号53);ヒトDコンセンサス3’RSS(配列番号54);マウスDコンセンサス5’RSS(配列番号55);マウスDコンセンサス3’RSS(配列番号56);最適化されたRSS5’RSS(配列番号57);最適化されたRSS3’RSS(配列番号58);1−1 opt 5’RSS(配列番号59);1−1 opt 3’RSS(配列番号60);1−7 opt 5’RSS(配列番号61);1−7 opt 3’RSS(配列番号62);1−14 ORF opt 5’RSS(配列番号63);1−14 ORF opt 3’RSS(配列番号64);1−20 opt 5’RSS(配列番号65);1−20 opt 3’RSS(配列番号66);1−26 opt 5’RSS(配列番号67);1−26 opt 3’RSS(配列番号68);2−2*02 opt 5’RSS(配列番号69);2−2*02 opt 3’RSS(配列番号70);2−8*01 opt 5’RSS(配列番号71);2−8*01 opt 3’RSS(配列番号72);2−15 opt 5’RSS(配列番号73);2−15 opt 3’RSS(配列番号74);2−21*02 opt 5’RSS(配列番号75);2−21*02 opt 3’RSS(配列番号76);3−3*01 opt 5’RSS(配列番号77);3−3*01 opt 3’RSS(配列番号78);3−9 opt 5’RSS(配列番号79);3−9 opt 3’RSS(配列番号80);3−10*01 opt 5’RSS(配列番号81);3−10*01 opt 3’RSS(配列番号82);3−16*02 opt 5’RSS(配列番号83);3−16*02 opt 3’RSS(配列番号84);3−22 opt 5’RSS(配列番号85);3−22 opt 3’RSS(配列番号86);4−4 opt 5’RSS(配列番号87);4−4 opt 3’RSS(配列番号88);4−11 ORF opt 5’RSS(配列番号89);4−11 ORF opt 3’RSS(配列番号90);4−17 opt 5’RSS(配列番号91);4−17 opt 3’RSS(配列番号92);4−23 opt 5’RSS(配列番号93);4−23 opt 3’RSS(配列番号94);5−5 opt 5’RSS(配列番号95);5−5 opt 3’RSS(配列番号96);5−12 opt 5’RSS(配列番号97);5−12 opt 3’RSS(配列番号98);5−18 opt 5’RSS(配列番号99);5−18 opt 3’RSS(配列番号100);5−24 opt 5’RSS(配列番号101);5−24 opt 3’RSS(配列番号102);6−6 opt 5’RSS(配列番号103);6−6 opt 3’RSS(配列番号104);6−13 opt 5’RSS(配列番号105);6−13 opt 3’RSS(配列番号106);6−19 opt 5’RSS(配列番号107);6−19 opt 3’RSS(配列番号108);6−25(最適化されていない)5’RSS(配列番号109);6−25(最適化されていない)3’RSS(配列番号110);7−27(最適化されていない)5’RSS(配列番号111);7−27(最適化されていない)3’RSS(配列番号112)。グローバルRSSコンセンサスおよび7−27の太字およびイタリック体のフォントは、イムノグロブリンおよびT細胞受容体のV、D、J遺伝子セグメント由来の齧歯類およびヒトのRSSに基づくグローバルRSSコンセンサス配列への一致を示し;マウスDコンセンサスの太字フォントは、マウスイムノグロブリンDコンセンサス配列への一致を示し;ヒトDコンセンサス、最適化されたRSS、および残り全てのRSS(例えば、1−1 opt、1−7 opt、1−20 optなど)の太字フォントは、ヒトイムノグロブリンDコンセンサス配列への一致を示す。
【0064】
図3A】齧歯類であって、そのゲノムが、操作された多様性クラスター(すなわち、D領域)を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、該多様性クラスターは一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が非イムノグロブリンポリペプチド(例えば、D6ケモカインデコイ受容体の細胞外部分)をコードする、該齧歯類を作製するために、齧歯類胚性幹(ES)細胞への組み込み用の標的化ベクターを構築するための戦略の例を示す図(等尺度ではない)である。図3A:四つの初期段階の表示(1)D6コード配列のデノボ合成、(2)選択カセット(例えば、ネオマイシン)およびD6 DNA断片のAgeI/EcoRI消化およびライゲーション、(3)D6 DNA断片のSnaBI消化およびBACベクター(pBacE3.6)のNotI/AscI消化、(4)通例のDセグメントの代わりに、D6ケモカインデコイ受容体コード配列の操作された隣接する多様性クラスターを作製するための、消化されたDNA断片の一段階の等温アセンブリ;図3B:齧歯類ES細胞のゲノムへの組み込み用の標的化ベクターを作製する追加段階、(5)ヒトイムノグロブリンVDNAおよびJDNAをそれぞれ含有する5’相同性アームおよび3’相同性アームを付加するための、BACクローン内への25個の合成D6ケモカインデコイ受容体コード配列のPI−SceI/I−CeuI消化およびライゲーション。種々の制限酵素認識部位が、図示したDNA断片の各々に対して表示されている。lp:loxP部位;neo:ユビキチンプロモーターによって駆動するネオマイシン選択カセット;cm:クロラムフェニコール選択カセット;frt:フリッパーゼ認識標的配列;hyg:ハイグロマイシン選択カセット;Ei:マウス重鎖イントロンエンハンサー;IgM:マウスイムノグロブリンM定常領域遺伝子;lox:pBACe3.6ベクターのloxP部位配列。
図3B】同上。
【0065】
図4A】齧歯類であって、そのゲノムが、操作された多様性クラスター(すなわち、操作されたD領域)を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、該多様性クラスターは一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々がD6ケモカインデコイ受容体の細胞外部分をコードする、該齧歯類を作製するために、齧歯類胚性幹(ES)細胞への組み込み用の標的化ベクターを構築するための連続ライゲーションで、D6ケモカインデコイ受容体コード配列をアセンブルする戦略の代替例を示す図(等尺度ではない)である。図4A:四つの初期段階の表示(1)D6コード配列のデノボ合成、(2)選択カセット(例えば、ネオマイシン)およびD6 DNA断片のAgeI/EcoRI消化およびライゲーション、(3)D6 DNA断片のBACベクター(pBacE3.6)へのNotI/AscI消化およびライゲーション、(4)D6断片のBACベクター骨格へのPacI/Nsi消化およびライゲーション;図4B:齧歯類ES細胞のゲノムへの組み込み用の標的化ベクターを作製する二つの追加段階、(5)追加のD6 DNA断片のBACベクター骨格へのPI−SceI/I−CeuI消化およびライゲーション、(6)BACベクター骨格内に25個の合成D6ケモカインデコイ受容体コード配列を作製するための最終D6 DNA断片のNsiI/I−CeuI消化およびライゲーション。種々の制限酵素認識部位が、図示したDNA断片の各々に対して表示されている。lp:loxP部位配列;neo:ユビキチンプロモーターによって駆動するネオマイシン選択カセット;cm:クロラムフェニコール選択カセット。
図4B】同上。
【0066】
図5】TAQMANTMおよび核型分析によってスクリーニングされた、エレクトロポレーション後の薬剤耐性コロニーの遺伝物質を用いたスクリーニング戦略の例を示す。種々のプライマー/プローブセット(表7を参照のこと)の名称とおよその位置(楕円によって囲われた線、等尺度ではない)が、表示された種々のアレルの下に示されている(等尺度ではない)。hyg:ユビキチンプロモーターにより駆動するハイグロマイシン選択カセット;neo:ユビキチンプロモーターにより駆動するネオマイシン選択カセット;L:loxP部位配列;Frt:フリッパーゼ認識標的配列。
【0067】
図6A】体細胞超変異ホットスポットを含めるように、選択されたμ−コノトキシンおよびタランチュラ毒素のコード配列を最適化した例を示す。図6A:人工(斜線塗りつぶし)RGYW活性化誘導シチジンデアミナーゼ(AID)ホットスポットの位置を含めたμ−コノトキシンの最適化されたKIIIA fl;図6B:人工(斜線塗りつぶし)RGYW活性化誘導シチジンデアミナーゼ(AID)ホットスポットの位置を含めたμ−コノトキシンの最適化されたKIIIA mini(上側)およびKIIIA midi(下側);図6C:人工(斜線塗りつぶし)RGYW AIDホットスポットの位置を含めたμ−コノトキシンの最適化されたPIIIA fl;図6D:人工(斜線塗りつぶし)RGYW AIDホットスポットの位置を含めたμ−コノトキシンの最適化されたPIIIA mini(上側)およびPIIIA midi(下側);図6E:人工(斜線塗りつぶし)RGYW AIDホットスポットの位置を含めたμ−コノトキシンの最適化されたSMIIIA fl;図6F:人工(斜線塗りつぶし)RGYW AIDホットスポットの位置を含めたμ−コノトキシンの最適化されたSmIIIA mini(上側)およびSmIIIA midi(下側);図6G:人工(斜線塗りつぶし)RGYW AIDホットスポットの位置を含めた最適化されたProTxIIタランチュラ毒素;図6H:人工(斜線塗りつぶし)RGYW AIDホットスポットの位置を含めた最適化されたタランチュラ毒素ProTxII C1SC4S(上側)、ProTxII C2SC5S(中央)、ProTxII C3SC6S(下側);図6I:人工(斜線塗りつぶし)RGYW AIDホットスポットの位置を含めたμ−コノトキシンの最適化されたSmIIIA SSRWループ(左側)、SmIIIA SSKWループ(中央)、PIIIA RSRQループ(右側);図6J:人工(斜線塗りつぶし)RGYW AIDホットスポットの位置を含めたD3セグメント位置でのμ−コノトキシンの最適化されたKIIIAまたはSmIIIAのmini/midi;図6K:人工(斜線塗りつぶし)RGYW AIDホットスポットの位置を含めたD3セグメント位置またはD1セグメント位置でのμ−コノトキシンの最適化されたSmIIIAまたはPIIIAのmini/midi;図6L:人工(斜線塗りつぶし)RGYW AIDホットスポットの位置を含めたD2セグメント位置でのμ−コノトキシンの最適化されたSSRWまたはRSRQのループ。
図6B】同上。
図6C】同上。
図6D】同上。
図6E】同上。
図6F】同上。
図6G】同上。
図6H】同上。
図6I】同上。
図6J】同上。
図6K】同上。
図6L】同上。
【0068】
図7A】齧歯類であって、そのゲノムが、操作された多様性クラスター(すなわち、操作されたD領域)を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、該多様性クラスターは一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が非イムノグロブリンポリペプチド(例えば、μ−コノトキシンおよび/またはタランチュラ毒素の一部)をコードする、該齧歯類を作製するために、齧歯類胚性幹(ES)細胞への組み込み用の標的化ベクターを構築するための戦略の例を示す図(等尺度ではない)である。図7A:四つの初期段階の表示(1)毒素コード配列のデノボ合成、(2)選択カセット(例えば、ネオマイシン)および毒素DNA断片(TX−DH1166)のAgeI/EcoRI消化およびライゲーション、(3)毒素DNA断片のSnaBI消化およびBACベクター(pBacE3.6)のNotI/AscI消化、(4)一つ以上の、任意選択的に全ての、機能性D遺伝子セグメントの代わりに、隣接する毒素コード配列を含む操作された多様性クラスターを作製するための、消化されたDNA断片の一段階の等温アセンブリ;図7B:齧歯類ES細胞のゲノムへの組み込み用の標的化ベクターを作製する追加段階、(5)ヒトイムノグロブリンVDNAおよびJDNAをそれぞれ含有する5’相同性アームおよび3’相同性アームを付加するための、BACクローン内への26個の合成毒素コード配列のPI−SceI/I−CeuI消化およびライゲーション。種々の制限酵素認識部位が、図示したDNA断片の各々に対して表示されている。lp:loxP部位;neo:ユビキチンプロモーターによって駆動するネオマイシン選択カセット;cm:クロラムフェニコール選択カセット;frt:フリッパーゼ認識標的配列;hyg:ハイグロマイシン選択カセット;Ei:マウス重鎖イントロンエンハンサー;IgM:マウスイムノグロブリンM定常領域遺伝子;lox:pBACe3.6ベクターのloxP。
図7B】同上。
【0069】
図8A】齧歯類であって、そのゲノムが、操作された多様性クラスター(すなわち、D領域)を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、該多様性クラスターは一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が毒素ペプチド(例えば、μ−コノトキシンおよびタランチュラ毒素ProTxII)をコードする、該齧歯類を作製するために、齧歯類胚性幹(ES)細胞への組み込み用の標的化ベクターを構築するための連続ライゲーションで、毒素(例えば、μ−コノトキシンおよびタランチュラ毒素)コード配列をアセンブルする戦略の代替例を示す図(等尺度ではない)である。図8A:四つの初期段階の表示(1)毒素コード配列のデノボ合成、(2)選択カセット(例えば、ネオマイシン)および毒素DNA断片(TX−DH1166)のAgeI/EcoRI消化およびライゲーション、(3)毒素DNA断片のBACベクター(pBacE3.6)へのNotI/AscI消化およびライゲーション、(4)毒素DNA断片のBACベクター骨格へのPacI/Nsi消化およびライゲーション;図8B:齧歯類ES細胞のゲノムへの組み込み用の標的化ベクターを作製する二つの追加段階、(5)追加の毒素DNA断片のBACベクター骨格へのPI−SceI/I−CeuI消化およびライゲーション、(6)BACベクター骨格内に26個の合成毒素コード配列を作製するための最終毒素DNA断片のNsiI/I−CeuI消化およびライゲーション。種々の制限酵素認識部位が、図示したDNA断片の各々に対して表示されている。lp:loxP部位;neo:ユビキチンプロモーターによって駆動するネオマイシン選択カセット;cm:クロラムフェニコール選択カセット。
図8B】同上。
【0070】
図9A】VELOCIMMUNE(登録商標)(VI)と、毒素コード配列を含む操作されたD領域に対してホモ接合性のマウス(6579ho/1293ho、「TX−D ho」:複数の、ヒトVセグメントと、通例のDセグメントの場所に毒素コード配列を含む操作されたDセグメントと、齧歯類重鎖エンハンサーおよび調節領域を含む齧歯類イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結されたJセグメントと、を含有し、かつ一つ以上のマウスAdam6遺伝子(例えば、米国特許第8,642,835号および同第8,697,940号)をコードする挿入されたヌクレオチド配列を含有する、ホモ接合イムノグロブリン重鎖遺伝子座;ならびに齧歯類κ軽鎖エンハンサーを含む齧歯類Cκ領域遺伝子に動作可能に連結したヒトVκ遺伝子セグメントおよびJκ遺伝子セグメントを含有する、ホモ接合イムノグロブリンκ軽鎖遺伝子座を備えたゲノムを有する齧歯類系統)とから採取し、種々の細胞マーカーの細胞表面発現に対して染色した、脾臓のリンパ球の代表的な等高線プロットを示す。図9A:CD19(y軸)とCD3(x軸)の発現を示す、シングレットでゲーティングされた脾臓由来のリンパ球の代表的な等高線プロット。図9B:イムノグロブリンD(IgD、y軸)とイムノグロブリンM(IgM、x軸)の発現を示す、CD19でゲーティングされた脾臓シングレットからのリンパ球の代表的な等高線プロット;成熟(CD19 IgD IgMint)B細胞および移行(CD19 IgDint IgM)B細胞が各ドットプロットで示されている。図9C:Igλ(y軸)またはIgκ(x軸)の軽鎖の発現を示す、CD19でゲーティングされた脾臓シングレットからのリンパ球の代表的な等高線プロット。図9D:CD19でゲーティングされた脾臓シングレットからのリンパ球を示すB細胞成熟化の代表的な等高線プロットを示し、左側から右側にCD93(y軸)とB220(x軸)、IgM(y軸)とCD23(x軸);CD21/35(y軸)とIgM(x軸)、B220(y軸)とCD23(x軸)、およびIgD(y軸)とIgM(x軸)の発現を示す。上側の列:VELOCIMMUNE(登録商標)マウス;下側の列:TX−D ho(6579ho/1293ho)マウス。特定のB細胞集団が各ドットプロットで示されている:未成熟(CD19 CD93 B220)、成熟(CD19 CD93 B220)、T1(CD19 CD93 B220 IgM CD23)、T2(CD19 CD93 B220 IgM CD23)、T3(CD19 CD93 B220 IgMint CD23)、MZ(CD19 CD93 B220 CD21/35 IgM CD23)、MZ前駆体(CD19 CD93 B220 CD21/35 IgM CD23)、Fol I(CD19 CD93 B220 CD21/35int IgMint IgD)、およびFol II(CD19 CD93 B220 CD21/35int IgM IgD)。
図9B】同上。
図9C】同上。
図9D】同上。
【0071】
図10A】VELOCIMMUNE(登録商標)(VI)と、毒素コード配列を含む操作されたD領域に対してホモ接合性のマウス(6579ho/1293ho、「TX−D ho」:複数の、ヒトVセグメントと、通例のDセグメントの場所に毒素コード配列を含む操作されたDセグメントと、齧歯類重鎖エンハンサーおよび調節領域を含む齧歯類イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結されたJセグメントと、を含有し、かつ一つ以上のマウスAdam6遺伝子(例えば、米国特許第8,642,835号および同第8,697,940号)をコードする挿入されたヌクレオチド配列を含有する、ホモ接合イムノグロブリン重鎖遺伝子座;ならびに齧歯類κ軽鎖エンハンサーを含む齧歯類Cκ領域遺伝子に動作可能に連結したヒトVκ遺伝子セグメントおよびJκ遺伝子セグメントを含有する、ホモ接合イムノグロブリンκ軽鎖遺伝子座を備えたゲノムを有する齧歯類系統)とから採取し、種々の細胞マーカーの細胞表面発現に対して染色した骨髄のリンパ球の代表的な等高線プロットを示す。図10A:CD19(y軸)とCD3(x軸)の発現を示すシングレットでゲーティングされた骨髄由来のリンパ球の代表的な等高線プロット。図10B:c−kit(y軸)とCD43(x軸)の発現を示す、CD19IgM−/lowIgDでゲーティングされた骨髄由来のリンパ球の代表的な等高線プロット;プレ(c−kit CD43)B細胞およびプロ(c−kit CD43)B細胞が各ドットプロットで示されている。図10C:IgM(y軸)とB220(x軸)の発現を示すシングレットでゲーティングされた骨髄由来のリンパ球の代表的な等高線プロット;未成熟(IgMint to + B220int)B細胞および成熟(IgMint to + B220)B細胞が各ドットプロットで示されている。図10D:Igλ(y軸)またはIgκ(x軸)の軽鎖の発現を示す、CD19IgMint to + B220int(上側の列)およびCD19IgMint/+ B220(下側の列)でゲーティングされた骨髄由来のリンパ球の代表的な等高線プロット。
図10B】同上。
図10C】同上。
図10D】同上。
【0072】
図11A】VELOCIMMUNE(登録商標)(VI)と、D6コード配列を含む操作されたD領域に対してヘテロ接合性のマウス(6590het、「D6−D het」:複数の、ヒトVセグメントと、通例のDセグメントの場所にD6ケモカインデコイ受容体コード配列を含む操作されたDセグメントと、齧歯類重鎖エンハンサーおよび調節領域を含む齧歯類イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結されたJセグメントと、を含有し、かつ一つ以上のマウスAdam6遺伝子(例えば、米国特許第8,642,835号および同第8,697,940号)をコードする挿入されたヌクレオチド配列を含有する、ヘテロ接合イムノグロブリン重鎖遺伝子座を備えたゲノムを有する齧歯類系統)とから採取し、種々の細胞マーカーの細胞表面発現に対して染色した脾臓のリンパ球の代表的な等高線プロットを示す。図11A:CD19(y軸)とCD3(x軸)の発現を示すシングレットでゲーティングされた脾臓由来のリンパ球の代表的な等高線プロット。図11B:IgD(y軸)とIgM(x軸)の発現を示す、CD19シングレットでゲーティングされた脾臓由来のリンパ球の代表的な等高線プロット;成熟(CD19 IgD IgMint)B細胞および移行(CD19 IgDint IgM)B細胞が各ドットプロットで示されている。図11C:Igλ(y軸)またはIgκ(x軸)の軽鎖の発現を示す、CD19シングレットでゲーティングされた脾臓由来のリンパ球の代表的な等高線プロット。図11D:CD19シングレットでゲーティングされた脾臓由来のリンパ球を示すB細胞成熟化の代表的な等高線プロットを示し、左側から右側にCD93(y軸)とB220(x軸)、IgM(y軸)とCD23(x軸);CD21/35(y軸)とIgM(x軸)、B220(y軸)とCD23(x軸)、およびIgD(y軸)とIgM(x軸)の発現を示す。上側の列:VELOCIMMUNE(登録商標)マウス;下側の列:D6−D het(6590het)マウス。特定のB細胞集団が各ドットプロットで示されている:未成熟(CD19 CD93 B220)、成熟(CD19 CD93 B220)、T1(CD19 CD93 B220 IgM CD23)、T2(CD19 CD93 B220 IgM CD23)、T3(CD19 CD93 B220 IgMint CD23)、MZ(CD19 CD93 B220 CD21/35 IgM CD23)、MZ前駆体(CD19 CD93 B220 CD21/35 IgM CD23)、Fol I(CD19 CD93 B220 CD21/35int IgMint IgD)、およびFol II(CD19 CD93 B220 CD21/35int IgM IgD)。
図11B】同上。
図11C】同上。
図11D】同上。
【0073】
図12A】VELOCIMMUNE(登録商標)(VI)と、D6コード配列を含む操作されたD領域に対してヘテロ接合性のマウス(6590het、「D6−D het」:複数の、ヒトVセグメントと、通例のDセグメントの場所にD6ケモカインデコイ受容体コード配列を含む操作されたDセグメントと、齧歯類重鎖エンハンサーおよび調節領域を含む齧歯類イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結されたJセグメントと、を含有し、かつ一つ以上のマウスAdam6遺伝子(例えば、米国特許第8,642,835号および同第8,697,940号)をコードする挿入されたヌクレオチド配列を含有する、ヘテロ接合イムノグロブリン重鎖遺伝子座を備えたゲノムを有する齧歯類系統)とから採取し、種々の細胞マーカーの細胞表面発現に対して染色した骨髄のリンパ球の代表的な等高線プロットを示す。図12A:CD19(y軸)とCD3(x軸)の発現を示す、シングレットでゲーティングされた骨髄由来のリンパ球の代表的な等高線プロット。図12B:c−kit(y軸)と「CD43(x軸)の発現を示す、CD19IgM− to lowIgDでゲーティングされた骨髄由来のリンパ球の代表的な等高線プロット;プレB(c−kit CD43)細胞およびプロB(c−kit CD43)細胞が各ドットプロットで示されている。図12C:IgM(y軸)とB220(x軸)の発現を示す、CD19でゲーティングされた骨髄由来のリンパ球の代表的な等高線プロット;未成熟(IgMint to + B220int)B細胞および成熟(IgMint to + B220)B細胞、ならびにプレB細胞およびプロB細胞(IgM− to low B220int)が各ドットプロットで示されている。図12D:Igλ(y軸)またはIgκ(x軸)の軽鎖の発現を示す、CD19IgMint to +B220int(上側の列)およびCD19 IgMint to +B220(下側の列)でゲーティングされた骨髄由来のリンパ球の代表的な等高線プロット。
図12B】同上。
図12C】同上。
図12D】同上。
【0074】
図13A】VELOCIMMUNE(登録商標)(VI)と、D6コード配列を含む操作されたD領域に対してホモ接合性のマウス(6590ho/1293ho、「D6−D ho」:複数の、ヒトVセグメントと、通例のDセグメントの場所にD6ケモカインデコイ受容体コード配列を含む操作されたDセグメントと、齧歯類重鎖エンハンサーおよび調節領域を含む齧歯類イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結されたJセグメントと、を含有し、かつ一つ以上のマウスAdam6遺伝子(例えば、米国特許第8,642,835号および同第8,697,940号)をコードする挿入されたヌクレオチド配列を含有する、ホモ接合イムノグロブリン重鎖遺伝子座;ならびに齧歯類κ軽鎖エンハンサーを含む齧歯類Cκ領域遺伝子に動作可能に連結したヒトVκ遺伝子セグメントおよびJκ遺伝子セグメントを含有する、ホモ接合イムノグロブリンκ軽鎖遺伝子座を備えたゲノムを有する齧歯類系統)とから採取し、種々の細胞マーカーの細胞表面発現に対して染色した脾臓のリンパ球の代表的な等高線プロットを示す。図13A:CD19(y軸)とCD3(x軸)の発現を示す、シングレットでゲーティングされた脾臓由来のリンパ球の代表的な等高線プロット。図13B:IgD(IgD、y軸)とIgM(x軸)の発現を示す、CD19でゲーティングされた脾臓由来のリンパ球の代表的な等高線プロット;成熟(CD19 IgD IgMint)B細胞および移行(CD19 IgDint IgM)B細胞が各ドットプロットで示されている。図13C:Igλ(y軸)またはIgκ(x軸)の軽鎖の発現を示す、CD19でゲーティングされた脾臓由来のリンパ球の代表的な等高線プロット。図13D:CD19シングレットでゲーティングされた脾臓由来のリンパ球を示す、B細胞成熟化の代表的な等高線プロットを示し、左側から右側にCD93(y軸)とB220(x軸)、IgM(y軸)とCD23(x軸);CD21/35(y軸)とIgM(x軸)、B220(y軸)とCD23(x軸)、およびIgD(y軸)とIgM(x軸)の発現を示す。上側の列:VELOCIMMUNE(登録商標)マウス;下側の列:D6−D ho(6590ho)マウス。特定のB細胞集団が各ドットプロットで示されている:未成熟(CD19 CD93 B220)、成熟(CD19 CD93 B220)、T1(CD19 CD93 B220 IgM CD23)、T2(CD19 CD93 B220 IgM CD23)、T3(CD19 CD93 B220 IgMint CD23)、MZ(CD19 CD93 B220 CD21/35 IgM CD23)、MZ前駆体(CD19 CD93 B220 CD21/35IgM CD23)、Fol I(CD19 CD93 B220 CD21/35int IgMint IgD)、およびFol II(CD19 CD93 B220 CD21/35int IgM IgD)。
図13B】同上。
図13C】同上。
図13D】同上。
【0075】
図14A】VELOCIMMUNE(登録商標)(VI)と、D6コード配列を含む操作されたD領域に対してホモ接合性のマウス(6590ho/1293ho、「D6−D ho」:複数の、ヒトVセグメントと、通例のDセグメントの場所にD6ケモカインデコイ受容体コード配列を含む操作されたDセグメントと、齧歯類重鎖エンハンサーおよび調節領域を含む齧歯類イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結されたJセグメントと、を含有し、かつ一つ以上のマウスAdam6遺伝子(例えば、米国特許第8,642,835号および同第8,697,940号)をコードする挿入されたヌクレオチド配列を含有する、ヘテロ接合イムノグロブリン重鎖遺伝子座;ならびに齧歯類κ軽鎖エンハンサーを含む齧歯類Cκ領域遺伝子に動作可能に連結したヒトVκ遺伝子セグメントおよびJκ遺伝子セグメントを含有する、ホモ接合イムノグロブリンκ軽鎖遺伝子座を備えたゲノムを有する齧歯類系統)とから採取し、種々の細胞マーカーの細胞表面発現に対して染色した骨髄のリンパ球の代表的な等高線プロットを示す。図14A:CD19(y軸)とCD3(x軸)の発現を示す、シングレットでゲーティングされた骨髄由来のリンパ球の代表的な等高線プロット。図14B:c−kit(y軸)とCD43(x軸)の発現を示す、CD19IgM− to lowIgDでゲーティングされた骨髄由来のリンパ球の代表的な等高線プロット;プレB(c−kit CD43)細胞およびプロB(c−kit CD43)細胞が各ドットプロットで示されている。図14C:IgM(y軸)とB220(x軸)の発現を示す、CD19でゲーティングされた骨髄由来のリンパ球の代表的な等高線プロット;未成熟(IgMint to + B220int)B細胞および成熟(IgMint to + B220)B細胞、ならびにプレB細胞およびプロB細胞(IgM− to low B220int)が各ドットプロットで示されている。図14D:Igλ(y軸)とIgκ(x軸)の軽鎖の発現を示す、CD19IgMint to + B220int(上側の列)およびCD19IgMintto + B220(下側の列)でゲーティングされた骨髄由来のリンパ球の代表的な等高線プロット。
図14B】同上。
図14C】同上。
図14D】同上。
【0076】
図15】3匹の6579ho/1293hoマウス(「TX−D ho」、上掲)の脾臓および骨髄由来の増幅されたRNAにおける操作されたD領域の毒素コード配列の代表的な使用頻度(全V−ファミリーを合わせたものであり、定量的なVの使用を反映していない)を示す。y軸は、操作されたD領域内の各毒素コード配列の名称を示す。x軸は、分析された配列リードの中の各毒素コード配列の頻度(配列のパーセンテージ)を示す。
【0077】
図16】3匹の6579ho/1293hoマウス(「TX−D ho」、上掲)の脾臓および骨髄由来の増幅されたRNAにおけるヒトV遺伝子セグメントの代表的な使用割合(全V−ファミリーを合わせたものであり、定量的なVの使用を反映していない)を示す。x軸は、ヒト化重鎖可変領域内の各ヒトV遺伝子セグメントの名称を示す。
【0078】
図17】3匹の6579ho/1293hoマウス(「TX−D ho」、上掲)の脾臓および骨髄由来の増幅されたRNAにおけるヒトJ遺伝子セグメントの代表的な使用割合(全V−ファミリーを合わせたものであり、定量的なJの使用を反映していない)を示す。x軸は、ヒト化重鎖可変領域内の各ヒトJ遺伝子セグメントの名称を示す。
【0079】
図18】3匹の6590hetマウス(「D6−D het」、上掲)の脾臓および骨髄由来の増幅されたRNAにおける、操作されたD領域内の選択されたD6コード配列の代表的な使用頻度(全V−ファミリーを合わせたものであり、定量的なVの使用を反映していない)を示す。y軸は、操作されたD領域内の選択されたD6コード配列の名称を示す。x軸は、分析された配列リードの中のD6コード配列の頻度(配列のパーセンテージ)を示す。BM:骨髄。
【0080】
図19】3匹の6590hetマウス(「D6−D het」、上掲)の脾臓および骨髄由来の増幅されたRNAにおけるヒトV遺伝子セグメントの代表的な使用割合(全V−ファミリーを合わせたものであり、定量的なVの使用を反映していない)を示す。x軸は、ヒト化重鎖可変領域内の各ヒトV遺伝子セグメントの名称を示す。BM:骨髄。
【0081】
図20】3匹の6590hetマウス(「D6−D het」、上掲)の脾臓および骨髄由来の増幅されたRNAにおけるヒトJ遺伝子セグメントの代表的な使用割合(全V−ファミリーを合わせたものであり、定量的なJの使用を反映していない)を示す。x軸は、ヒト化重鎖可変領域内の各ヒトJ遺伝子セグメントの名称を示す。BM:骨髄。
【0082】
図21】操作された可溶形態の細胞表面タンパク質で免疫化した後の対照および6579HO/1634動物(x軸)からのバックグラウンドを超える力価(y軸)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0083】
定義
当業者は、本開示を読み、上述の記載された実施形態と同等であり得るか、または本開示の範囲内であり得る様々な改変を把握するはずである。概して、本明細書で使用される専門用語は、明確な別段の示唆がない限り、当技術分野で理解されている意味に従う。特定の用語の明示的な定義は、本明細書におよび以下に提供されるが、本明細書全体にわたる特定の例におけるこれらの用語および他の用語の意味は、文脈から当業者に明らかとなるであろう。以下の用語および他の用語のさらなる定義は、本明細書全体を通して記載される。本明細書内またはその関連部分内に引用されている参考文献は、参照により本明細書に援用される。
【0084】
投与:対象またはシステム(例えば、細胞、器官、組織、生物体、または関連構成要素もしくはその構成要素群)に対する組成物の投与を意味する。当業者であれば、投与経路は、例えば、その組成物が投与される対象またはシステム、組成物の性質、投与目的などに応じて異なり得ることを認識するであろう。例えば、特定の実施形態では、動物対象(例えば、ヒトまたは齧歯類)への投与は、気管支投与(気管支注入を含む)、口腔投与、腸内投与、皮間投与、動脈内投与、皮内投与、胃内投与、髄内投与、筋肉内投与、鼻内投与、腹腔内投与、髄腔内投与、静脈内投与、心室内投与、粘膜投与、経鼻投与、経口投与、直腸投与、皮下投与、舌下投与、局所投与、気管投与(気管内注入を含む)、経皮投与、膣投与、および/または硝子体投与であってもよい。一部の実施形態では、投与は、間欠投薬を含み得る。一部の実施形態では、投与は、少なくとも選択された期間にわたる連続投薬(例えば、灌流)を含み得る。
【0085】
用語「抗体」は、ジスルフィド結合によって相互に結合した四つのポリペプチド鎖である二つの重(H)鎖(その各々は操作されたDクラスターによってコードされるアミノ酸配列を含み得る)と二つの軽(L)鎖(その各々は共通軽鎖であり得る)とを含む典型的なイムノグロブリン分子を含むものである。この用語はまた、抗原またはその断片に反応するイムノグロブリンを含む。こうした抗体として、以下に限定されないが、ヒト抗体、霊長類化抗体、キメラ抗体、モノクローナル抗体、単一特異性抗体、ポリクローナル抗体、多特異性(polyspecific)抗体、非特異性抗体、二重特異性抗体、多特異性(multispecific)抗体、ヒト化抗体、合成抗体、組み換え抗体、ハイブリッド抗体、変異抗体、グラフト結合抗体(すなわち、他のタンパク質、放射標識、細胞毒に結合または融合した抗体)、およびインビトロ生成抗体が挙げられる。当業者は、共通の抗体アイソタイプ、例えば、IgG、IgA、IgM、IgD、およびIgEからなる群から選択される重鎖定常領域を有する抗体、およびその任意のサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4)を容易に認識するであろう。
【0086】
およそ:一つ以上の対象の値に適用される場合、指定された参照値と類似する値を意味する。特定の実施形態では、「およそ」または「約」という用語は、別段定めがない限り、または文脈からそうでないことが明らかな場合(このような数字が可能な値の100%を超える場合を除く)を除いて、指定された参照値のいずれかの方向に25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%またはそれ未満以内の範囲の値を指す。
【0087】
生物学的に活性:生物系、インビトロまたはインビボ(例えば、生物中)で活性を持つ任意の薬剤の特徴を意味する。例えば、薬剤が生物内に存在する場合、その生物内で生物学的効果を持つ薬剤は、生物学的に活性であるとみなされる。特定の実施形態では、タンパク質またはポリペプチドが生物学的に活性な場合、タンパク質またはポリペプチドの少なくとも一つの生物学的活性を共有するそのタンパク質またはポリペプチドの一部は、「生物学的に活性」な部分と一般的に呼ばれる。
【0088】
同等:互いに同一ではない場合があるが、観察された差異または類似性に基づき合理的に結論を下すことができるような比較を可能にするのに十分類似性がある、二つ以上の薬剤、実体、状況、条件群などを意味する。当業者であれば、文脈内において、同等とみなされるために二つ以上のこのような薬剤、実体、状況、条件群などに対して、ある所定の状況でどの程度の同一性が必要かを理解するであろう。
【0089】
語句「相補性決定領域」または用語「CDR」には、生物体のイムノグロブリン遺伝子の核酸配列でコードされるアミノ酸配列が含まれ、該アミノ酸配列は、通常(すなわち、野生型動物では)イムノグロブリン分子(例えば、抗体またはT細胞受容体)の軽鎖または重鎖の可変領域における二つのフレームワーク領域の間に見られる。CDRは、例えば生殖細胞系の配列または再構成配列もしくは非再構成配列によってコードされ、例えば、ナイーヴB細胞もしくは成熟B細胞またはT細胞によってコードされ得る。CDRは、体細胞変異され(例えば動物生殖細胞系でコードされた配列と異なり)、ヒト化され、および/または、アミノ酸置換、付加または欠失で改変され得る。一部の状況(例えば、CDR3に関して)では、CDRは二つ以上の配列(例えば、生殖細胞系配列)によりコードすることができ、該二つ以上の配列は、隣接していないが(例えば、非再構成核酸配列において)、配列をスプライシングするかまたは連結(例えば、重鎖CDR3を形成するためのV−D−J再構成)した結果として、B細胞核酸配列において隣接する。
【0090】
保存的:保存的アミノ酸置換に関連し、類似の化学特性(例えば、電荷または疎水性)を備えた側鎖R基を持つ別のアミノ酸残基によるアミノ酸残基の置換を意味する。一般的に、保存的アミノ酸置換は、対象のタンパク質の機能特性、例えば、リガンドに結合する受容体の能力などを実質的に変化させない。類似の化学特性を備えた側鎖を持つアミノ酸群の例には次のものが含まれる:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、およびイソロイシンなどの脂肪族側鎖、セリンおよびスレオニンなどの脂肪族−ヒドロキシル側鎖、アスパラギンおよびグルタミンなどのアミド含有側鎖、フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファンなどの芳香族側鎖、リジン、アルギニン、およびヒスチジンなどの塩基性側鎖、アスパラギン酸およびグルタミン酸などの酸性側鎖、ならびにシステインおよびメチオニンなどの硫黄含有側鎖。保存的アミノ酸置換基には、例えば、バリン/ロイシン/イソロイシン、フェニルアラニン/チロシン、リジン/アルギニン、アラニン/バリン、グルタミン酸/アスパラギン酸、およびアスパラギン/グルタミンが含まれる。一部の実施形態では、保存的アミノ酸置換は、例えばアラニンスキャニング変異誘導などで使用される、アラニンを含むタンパク質の任意の未変性残基の置換である可能性がある。一部の実施形態では、Gonnet,G.H.et al.,1992,Science 256:1443−1445(この文献は参照により本明細書に援用される)に開示されたPAM250対数尤度マトリックスで正の値を持つ保存的置換が行われる。一部の実施形態では、置換は中等度に保存的な置換であり、この場合において該置換はPAM250対数尤度マトリックスで負ではない値を有する。
【0091】
対照:結果が比較される基準となる「対照」という当技術分野で公知の意味を指す。一般的に、対照は、変数についての結論を出すために、このような変数を分離することによって実験の完全性を増加させるのに使用される。一部の実施形態では、対照は、コンパレーターを提供するために、試験反応またはアッセイと同時に実施される反応またはアッセイである。「対照」とは、「対照動物」を指す場合がある。「対照動物」は本明細書に記述された改変、本明細書に記述されたものとは異なる改変を持つか、または未改変(すなわち、野生型動物)である場合がある。ある実験では、「試験」(すなわち、試験されている変数)が適用される。その「対照」である別の実験では、その試験されている変数が適用されない。一部の実施形態では、対照は歴史的対照(すなわち、以前に実施された試験またはアッセイの、または以前に知られた量または結果)である。一部の実施形態では、対照は印刷されたかまたはそれ以外の方法で保存された記録であるか、またはそれを含む。対照は、陽性対照または陰性対照である場合がある。
【0092】
破壊:DNA分子(例えば、遺伝子または遺伝子座などの内因性相同配列)との相同組み換え事象の結果を意味する。一部の実施形態では、破壊は、DNA配列の挿入、欠失、置換、交換、ミスセンス変異、もしくはフレームシフト、またはこれらの任意の組み合わせを達成または示す場合がある。挿入は、遺伝子全体、遺伝子の断片(例えば、エクソン)の挿入を含む場合があり、これらは内因性配列以外の起源のもの(例えば、異種配列)であるか、または対象の特定の遺伝子に由来もしくは該遺伝子から単離したコード配列であってもよい。一部の実施形態では、破壊は遺伝子または遺伝子産物の(例えば、遺伝子によってコードされたタンパク質の)発現および/または活性を増加する場合がある。一部の実施形態では、破壊は遺伝子または遺伝子産物の発現および/または活性を減少する場合がある。一部の実施形態では、破壊は遺伝子またはコードされた遺伝子産物(例えば、コードされたタンパク質)の配列を変える場合がある。一部の実施形態では、破壊は遺伝子またはコードされた遺伝子産物(例えば、コードされたタンパク質)を切断または断片化する場合がある。一部の実施形態では、破壊は遺伝子またはコードされた遺伝子産物を伸長させる場合がある。一部のかかる実施形態では、破壊は融合タンパク質のアセンブリを実現する場合がある。一部の実施形態では、破壊は遺伝子または遺伝子産物のレベルに影響するが、その活性には影響しない場合がある。一部の実施形態では、破壊は遺伝子または遺伝子産物の活性に影響するが、そのレベルには影響しない場合がある。一部の実施形態では、破壊は遺伝子または遺伝子産物のレベルに対して顕著な効果を持たない場合がある。一部の実施形態では、破壊は遺伝子または遺伝子産物の活性に対して顕著な効果を持たない場合がある。一部の実施形態では、破壊は遺伝子または遺伝子産物のレベルまたは活性のいずれに対しても顕著な効果を持たない場合がある。
【0093】
算出、測定、検討、評価、定量、および分析:測定の任意の形態を指すように交換可能に用いられ、要素の存在の有無を判定することを含む。これらの用語は、定量的および/または定性的決定の両方を含む。アッセイは相対的または絶対的である場合がある。「の存在をアッセイする」ことは、存在する何かの量を決定するおよび/またはそれが存在するか不在かを決定することである可能性がある。
【0094】
内因性遺伝子座または内因性遺伝子:本明細書に記載の変更、破壊、欠失、挿入、改変、置換または交換を導入する前に、親または参照の生物において存在する遺伝子座を意味する。一部の実施形態では、内因性遺伝子座は自然界で見られる配列を全体的にまたは部分的に含む。一部の実施形態では、内因性遺伝子座は野生型遺伝子座である。一部の実施形態では、参照生物は野生型生物である。一部の実施形態では、参照生物は遺伝子操作された生物である。一部の実施形態では、参照生物は実験室で繁殖された生物(野生型または遺伝子操作型)である。
【0095】
内因性プロモーター:例えば、野生型の生物において、内因性遺伝子と自然に関連付けられるプロモーターを指す。
【0096】
操作された:概して、人の手により操作された態様を意味する。例えば一部の実施形態では、自然界での順序では一緒に連結されていない2つ以上の配列がヒトの手により操作され、操作ポリヌクレオチド中で互いに直接連結された場合に、「操作された」とみなされ得る。一部の特定のかかる実施形態において、操作されたポリヌクレオチドは、自然界で第一のコード配列と作動的に関連しているが、第二のコード配列とは作動的に関連せずに存在し、ヒトの手により連結されて第二のコード配列と作動的に関連した制御配列を含んでいてもよい。あるいは、またはさらに、一部の実施形態では、第一の核酸配列と第二の核酸配列であって、その各々が、自然界では互いに連結されていないポリペプチド要素またはドメインをコードする、該第一の核酸配列と第二の核酸配列とが、単一の操作されたポリヌクレオチドにおいて互いに連結されていてもよい。同様に、一部の実施形態では、細胞または生物体が操作され、それによりその遺伝情報が改変された(例えば、従前には存在していなかった新たな遺伝物質が導入されたり、または従前には存在していた遺伝物質が変更もしくは除去された)場合に、「操作された」とみなされ得る。一般的なことであり、当技術分野の当業者に理解されているとおり、操作されたポリヌクレオチドまたは細胞の子孫物も通常、実際の操作は過去の実体に対して行われていたのだとしても、「操作された」とみなされる。さらに、当技術分野の当業者により認識されているように、様々な技法が利用可能であり、それらを介して、本明細書に記載される「操作」を行うことができる。例えば、一部の実施形態では、「操作」には、分析または比較を行うようプログラムされた、または推奨された配列および/もしくは選択された配列を別手段により分析するようプログラムされた、コンピューターシステムの使用を介して(例えば核酸配列、ポリペプチド配列、細胞、組織および/または生物体の)選択または設計を行うことを含んでもよい。あるいは、またはさらに、一部の実施形態では「操作」には、インビトロ化学合成技術の使用、および/もしくは組み換え核酸技術、例えば(例としてポリメラーゼ鎖反応などを介した)核酸増幅ハイブリダイゼーション、突然変異、形質転換、トランスフェクションなどの使用が含まれてもよく、ならびに/または様々な任意の制御交配法の使用が含まれてもよい。当技術分野の当業者に認識されているように、確立されている様々なこうした技術(例えば組み換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、ならびに組織培養および形質転換(例えばエレクトロポレーション法、リポフェクション法など))が当技術分野に周知であり、様々な概説および詳説の参照文献中に記載されており、それらは本明細書全体を通じて引用および/または考察されている。 例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989)を参照のこと。
【0097】
遺伝子:産物(例えば、RNA産物および/またはポリペプチド産物)をコードする、染色体中のDNA配列を意味する。一部の実施形態では、遺伝子は、コード配列(すなわち、特定の産物をコードする配列)を含む。一部の実施形態では、遺伝子は、非コード配列を含む。一部の特定の実施形態では、遺伝子は、コード配列(例えばエクソン配列)と非コード配列(例えばイントロン配列)の両方を含む。一部の実施形態では、遺伝子は、1つ以上の制御配列(例えば、プロモーター、エンハンサーなど)を含んでもよく、および/または例えば遺伝子発現(例えば、細胞型特異的発現、誘導発現、など)の1つ以上の態様を制御することができる、もしくは影響を与えることができるイントロン配列を含んでもよい。 明確化のために記載すると、本明細書において使用される場合、用語「遺伝子」は、概してポリペプチドをコードする核酸の一部を意味し;当該用語は任意選択的に制御配列を包含する場合があり、これは当技術分野の当業者には文脈から明らかであるはずである。この定義は、「遺伝子」という用語を非タンパク質をコードする発現単位に適用することを除外する意図はなく、本明細書に使用される当該用語は、多くの場合においてはポリペプチドをコードする核酸を指すことを明らかにすることを意図している。
【0098】
語句「遺伝子セグメント」または「セグメント」は、V(軽もしくは重)イムノグロブリン遺伝子セグメントまたはDイムノグロブリン遺伝子セグメントまたはJ(軽もしくは重)イムノグロブリン遺伝子セグメントへの言及を含み、該セグメントは、再構成(例えば、内因性リコンビナーゼによって媒介)に関与して、再構成されたV/J(軽)配列またはV/D/J(重)配列を形成することができる、イムノグロブリン遺伝子座(例えば、ヒトおよびマウスにおける)での非再構成配列を含む。特に明記されない限り、Vセグメント、Dセグメント、およびJセグメントは、12/23ルールに従うV/J組み換えまたはV/D/J組み換えを可能にする組み換えシグナル配列(RSS)を含む。特に明記されない限り、セグメントは、該セグメントが自然に関連付けられる配列、またはその機能的均等物(例えば、Vセグメントに対して、プロモーターおよびリーダー)をさらに含む。
【0099】
用語「生殖細胞系」は、イムノグロブリン核酸配列に関連し、子孫に引き継ぐことができる核酸配列、例えば、生殖細胞に見られ得る生殖細胞系ゲノムを含む。
【0100】
語句「重鎖」または「イムノグロブリン重鎖」には、任意の生物体由来のイムノグロブリン重鎖配列(イムノグロブリン重鎖定常領域配列など)が含まれる。特に明記されない限り、重鎖可変ドメインには、三つの重鎖相補性決定領域(CDR)と四つのFR領域とが含まれる。重鎖の断片には、CDRと、CDRおよびFRと、それらの組み合わせとが含まれる。典型的な重鎖は、可変ドメインに続いて(N末端からC末端方向に)、C1ドメイン、ヒンジ、C2ドメイン、C3ドメイン、およびC4ドメイン(IgMまたはIgEに関して)を備える。重鎖の機能性断片には、エピトープを特異的に認識する(例えば、エピトープをマイクロモル濃度、ナノモル濃度、またはピコモル濃度範囲のKDで認識する)ことができ、発現できかつ細胞から分泌可能であり、少なくとも一つのCDRを含む断片が含まれる。重鎖可変ドメインは、可変領域遺伝子配列によってコードされ、該遺伝子配列は、生殖細胞系に存在するVセグメント、Dセグメント、およびJセグメントのレパートリー由来の、Vセグメント、Dセグメント、およびJセグメントを含むのが一般的である。種々の生物体に関わるV重鎖セグメント、D重鎖セグメント、およびJ重鎖セグメントの配列、位置、および学名は、IMGT(International Immunogenetics Information System)のウェブサイトで見られ、www.imgt.orgで見つけることができる。
【0101】
語句「軽鎖」には、任意の生物体由来のイムノグロブリン軽鎖配列が含まれ、特別の規定がない限り、代替軽鎖のみならず、ヒトカッパ軽鎖およびヒトラムダ軽鎖、ならびにVpreBが含まれる。軽鎖可変ドメインには、特別の規定がない限り、三つの軽鎖相補性決定領域(CDR)と四つのフレームワーク(FR)領域が含まれるのが典型的である。一般に、完全長軽鎖には、アミノ末端からカルボキシル末端の方向に、FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4を含む可変ドメインと、軽鎖定常領域とが含まれる。軽鎖可変ドメインは、軽鎖可変領域遺伝子配列によってコードされ、該遺伝子配列は、生殖細胞系に存在するV遺伝子セグメントおよびJ遺伝子セグメントのレパートリー由来のV遺伝子セグメントおよびJ遺伝子セグメントを含むのが一般的である。種々の生物体に関わるV軽鎖セグメントおよびJ軽鎖セグメントの配列、位置、および学名は、IMGT(International Immunogenetics Information System)のウェブサイトで見られ、www.imgt.orgで見つけることができる。軽鎖には、例えば、該軽鎖が含まれるエピトープ結合タンパク質に選択的に結合する第一のエピトープと第二のエピトープのいずれも選択的に結合させることのない軽鎖が含まれる。軽鎖にはまた、該軽鎖が含まれるエピトープ結合タンパク質に選択的に結合する一つ以上のエピトープを結合かつ認識しながら、重鎖を結合かつ認識、または補佐する軽鎖が含まれる。軽鎖という語句は、「共通軽鎖」を含み、「普遍的軽鎖」(ULC)とも称される。
【0102】
共通軽鎖または普遍的軽鎖(ULC)には、軽鎖定常領域に動作可能に連結された単一の再構成されたイムノグロブリン軽鎖可変領域コード配列を含む、イムノグロブリン軽鎖遺伝子座由来の軽鎖が含まれ、該イムノグロブリン軽鎖遺伝子座の発現により、イムノグロブリン軽鎖遺伝子座における他の核酸配列(例えば、他の軽鎖遺伝子セグメント)の有無に関わらず、軽鎖定常領域に動作可能に連結された単一の再構成されたイムノグロブリン軽鎖可変領域由来の軽鎖のみが生成される。普遍的軽鎖には、ヒトVκ1−39Jκ遺伝子(例えば、Vκ1−39Jκ5遺伝子)またはヒトVκ3−20Jκ遺伝子(例えば、Vκ3−20Jκ1遺伝子)が含まれ、またその体細胞変異(例えば、親和性成熟型)種が含まれる。
【0103】
異種:異なる供給源からの作用剤または実体を意味する。例えば、特定の細胞もしくは生物体に存在するポリペプチド、遺伝子、または遺伝子産物に関連して使用される場合、該用語は、関連ポリペプチドもしくはその断片、遺伝子もしくはその断片、または遺伝子産物もしくはその断片が、1)ヒトの手により操作されていること、2)ヒトの手を介して細胞または生物(またはその前駆体)に導入されていること、および/または3)当該関連細胞もしくは生物(例えば関連細胞型または生物型)中に自然状態では産生されない、または存在しないこと、を明らかにする。本明細書で使用される場合、用語「異種」には、自然には関連付けられておらず、一部の実施形態では非内因性である調節要素(例えば、プロモーター)の制御下で、特定の天然の細胞または生物体中に通常存在するが、例えば突然変異または置換により改変されている、ポリペプチドもしくはその断片、遺伝子もしくはその断片、または遺伝子産物もしくはその断片も含まれる。
【0104】
宿主細胞:細胞の中に異種(例えば、外来性)核酸またはタンパク質が導入された細胞を意味する。当業者が本開示を読めば、このような用語が特定の主題細胞を指すだけでなく、このような細胞の子孫を指すためにも使用されることを理解するであろう。特定の改変は突然変異または環境の影響のいずれかにより後続世代にも起こる場合があり、このような子孫は、実際は、親細胞と同一でない場合があるが、それでも本明細書において用いられる場合、それらは「宿主細胞」という用語の範囲内に含まれる。一部の実施形態では、宿主細胞は原核細胞または真核細胞であるかそれを含む。一般的に、宿主細胞は、細胞が指定される種に関わらず、異種核酸またはタンパク質の受け入れおよび/または生産に適した任意の細胞である。細胞の例としては、原核生物および真核生物(単細胞または多細胞)の細胞、細菌細胞(例えば、大腸菌(Escherichia coli)、バチルス属(Bacillus spp.)、ストレプトマイセス属(Streptomyces spp.)などの株)、マイコバクテリア細胞、真菌細胞、酵母細胞(例えば、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ピキア・メタノリカ(Pichia methanolica)など)、植物細胞、昆虫細胞(例えば、SF−9、SF−21、バキュロウイルス感染昆虫細胞、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)など)、非ヒト動物細胞、ヒト細胞、または例えば、ハイブリドーマもしくはクアドローマなどの細胞融合体が挙げられる。一部の実施形態では、細胞はヒト、サル、類人猿、ハムスター、ラット、またはマウス細胞である。一部の実施形態では、細胞は真核細胞であり、以下の細胞から選択される:CHO(例えば、CHO K1、DXB−11 CHO、Veggie−CHO)、COS(例えば、COS−7)、網膜細胞、Vero、CV1、腎臓(例えば、HEK293、293 EBNA、MSR 293、MDCK、HaK、BHK)、HeLa、HepG2、WI38、MRC 5、Colo205、HB 8065、HL−60、(例えば、BHK21)、Jurkat、Daudi、A431(表皮)、CV−1、U937、3T3、L細胞、C127細胞、SP2/0、NS−0、MMT 060562、セルトリ細胞、BRL 3A細胞、HT1080細胞、骨髄腫細胞、腫瘍細胞、および前述細胞から派生する細胞株。一部の実施形態では、細胞は一つ以上のウイルス遺伝子、例えば、ウイルス遺伝子を発現する網膜細胞(例えば、PER.C6(登録商標)細胞)を含む。一部の実施形態では、宿主細胞は単離細胞であるかそれを含む。一部の実施形態では、宿主細胞は組織の一部である。一部の実施形態では、宿主細胞は生物の一部である。
【0105】
同一性:配列の比較に関連して使用される場合、ヌクレオチドおよび/またはアミノ酸配列同一性を測定するために使用できる当技術分野で公知の多種アルゴリズムによって決定される同一性を意味する。一部の実施形態では、本明細書に記述された同一性は、10.0のギャップ開始ペナルティ、0.1のギャップ延長ペナルティを用い、Gonnet類似性マトリックス(MACVECTOR(商標)10.0.2、MacVector Inc.、2008年)を使用したClustalW v.1.83(slow)アラインメントを使用して決定される。
【0106】
インビトロ:多細胞生物体内ではなく、例えば試験管または反応容器、細胞培養などの人工的環境において発生する事象を意味する。
【0107】
インビボ:例えばヒトおよび非ヒト動物などの多細胞生物体内で発生する事象を意味する。細胞ベース系の文脈において、当該用語を使用して、(例えばインビトロシステムとは対照的に)生細胞内で発生する事象を意味する場合もある。
【0108】
単離された:(1)(天然環境および/または実験環境のいずれかで)最初に生成された時に関連していた成分の少なくとも一部から分離された物質および/もしくは実体、ならびに/または(2)人の手によって設計、生成、調製、および/もしくは製造された物質および/もしくは実体を意味する。単離された物質および/または実体は、それらが最初に関連していたその他の成分の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99%超から分離される場合がある。一部の実施形態では、単離された薬剤は、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99%を超えて純粋である。本明細書において用いられる場合、物質は、その他の成分が実質的に含まれない場合、「純粋」である。一部の実施形態では、当業者であれば理解するように、例えば、一つ以上の担体または賦形剤(例えば、緩衝剤、溶媒、水など)などの特定のその他の成分と組み合わされた後でも、物質はまだ「単離された」または「純粋」とさえもみなされる場合があり、このような実施形態では、物質の単離または純度のパーセントはこのような担体または賦形剤を含めることなく計算される。一例を挙げると、一部の実施形態では、自然界に存在するポリペプチドまたはポリヌクレオチドなどの生体高分子は、a)導出の起源またはソースが、自然界の天然状態でそれに付随する成分の一部またはすべてと関連していない時、b)それが、自然界でそれを生産する種と同じ種のその他のポリペプチドまたは核酸を実質的に含まない時、またはc)自然界でそれを生産する種ではない細胞またはその他の発現系によって発現されるか、またはそうでなければそれからの成分と関連している時、「単離された」とみなされる。従って、例えば、一部の実施形態では、化学的に合成された、または自然界でそれを生産するものとは異なる細胞系で合成されたポリペプチドは、「単離された」ポリペプチドとみなされる。あるいはまたは追加的に、一部の実施形態では、一つ以上の精製技術を受けたポリペプチドは、それが、a)それが自然界で関連している、および/またはb)最初に生産された時にそれが関連していたその他の成分から分離されている限りは「単離された」ポリペプチドとみなされることができる。
【0109】
非ヒト動物:ヒトではない任意の脊椎生物体を意味する。一部の実施形態では、非ヒト動物は、円口類、硬骨魚、軟骨魚(例えば、サメまたはエイ)、両生類、は虫類、哺乳類、および鳥である。一部の実施形態では、非ヒト哺乳類は、霊長類、ヤギ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ウシ、または齧歯類である。一部の実施形態では、非ヒト動物はラットまたはマウスなどの齧歯類である。
【0110】
核酸:その最も広い意味で、オリゴヌクレオチド鎖に組み込まれるかまたは組み込まれ得る任意の化合物および/または物質を指す。一部の実施形態では、「核酸」とはオリゴヌクレオチド鎖であるか、またはホスホジエステル結合でオリゴヌクレオチド鎖組み込むことができる化合物および/または物質である。文脈から明らかであるように一部の実施形態では、「核酸」とは個別の核酸残基(例えば、ヌクレオチドおよび/またはヌクレオシド)を指し、一部の実施形態では、「核酸」とは個別の核酸残基を備えるオリゴヌクレオチド鎖を指す。一部の実施形態では、「核酸」はRNAであるかまたはそれを含み、一部の実施形態では、「核酸」はDNAであるかまたはそれを含む。一部の実施形態では、「核酸」は、一つ以上の天然核酸残基を含むかまたはそれらから成る。一部の実施形態では、「核酸」は、一つ以上の核酸類似体を含むかまたはそれらから成る。一部の実施形態では、核酸類似体は、ホスホジエステル骨格を利用しないという点で「核酸」とは異なる。例えば、一部の実施形態では、「核酸」は、当技術分野で公知であり、骨格にホスホジエステル結合の代わりにペプチド結合を持つ、一つ以上の「ペプチド核酸」であるか、それらを含むか、またはそれらからなる。あるいはまたはさらに、一部の実施形態では、「核酸」は、ホスホジエステル結合ではなく、一つ以上のホスホロチオエートおよび/または5’−N−ホスホラミダイト結合を持つ。一部の実施形態では、「核酸」は一つ以上の天然ヌクレオシド(例えば、アデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシン、およびデオキシシチジン)であるか、または一つ以上の天然ヌクレオシドから成る。一部の実施形態では、「核酸」は、一つ以上のヌクレオシド類似体(例えば、2−アミノアデノシン、2−チオチミジン、イノシン、ピロロ−ピリミジン、3−メチルアデノシン、5−メチルシチジン、C−5 プロピニル−シチジン、C−5 プロピニル−ウリジン、2−アミノアデノシン、C5−ブロモウリジン、C5−フルオロウリジン、C5−ヨードウリジン、C5−プロピニル−ウリジン、C5−プロピニル−シチジン、C5−メチルシチジン、2−アミノアデノシン、7−デアザアデノシン、7−デアザグアノシン、8−オキソアデノシン、8−オキソグアノシン、O(6)−メチルグアニン、2−チオシチジン、メチル化塩基、インターカレート塩基、およびそれらの組み合わせ)であるか、またはそれらから成る。一部の実施形態では、「核酸」は、天然核酸のものと比べて、一つ以上の改変された糖(例えば、2’−フルオロリボース、リボース、2’−デオキシリボース、アラビノース、およびヘキソース)を含む。一部の実施形態では、「核酸」は、RNAまたはタンパク質などの機能的遺伝子産物をコードするヌクレオチド配列を持つ。一部の実施形態では、「核酸」は、ポリペプチド断片(例えば、ペプチド)をコードするヌクレオチド配列を持つ。一部の実施形態では、「核酸」は、一つ以上のイントロンを含む。一部の実施形態では、「核酸」は、一つ以上のエクソンを含む。一部の実施形態では、「核酸」は、一つ以上のコード配列を含む。一部の実施形態では、「核酸」は、天然起源物からの単離、相補的鋳型に基づく重合による酵素合成(インビボまたはインビトロ)、組み換え細胞または系での複製、および化学合成の一つ以上によって調製される。一部の実施形態では、「核酸」は、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、20、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000またはそれを超える残基の長さである。一部の実施形態では、「核酸」は一本鎖であり、一部の実施形態では、「核酸」は二重鎖である。一部の実施形態では、「核酸」は、ポリペプチドもしくはその断片をコードするか、またはコードする配列の補体である、少なくとも一つの要素を含むヌクレオチド配列を持つ。一部の実施形態では、「核酸」は酵素活性を持つ。
【0111】
動作可能に連結した:記載される構成要素が、それらが意図された様式で機能することができるような関係にある近位を意味する。コード配列に「動作可能に連結した」対照配列は、対照配列に適合する条件下でコード配列の発現が達成されるように結合されている。「動作可能に連結した」配列には、関心の遺伝子と隣接する発現制御配列および、トランスにまたは距離を置いて作用して対象の遺伝子を制御する発現制御配列の両方を含む。「発現制御配列」という用語は、本明細書において用いられる場合、それらがライゲーションされるコード配列の発現およびプロセシングを生じさせるために必要なポリヌクレオチド配列を指す。「発現制御配列」には、適切な転写開始、終結、プロモーターおよびエンハンサー配列、スプライシングおよびポリアデニル化シグナルなどの効率的RNAプロセシングシグナル、細胞質mRNAを安定化する配列、翻訳効率を強化する配列(すなわち、コザック配列)、タンパク質安定性を強化する配列、および望ましい場合、タンパク質分泌を強化する配列を含む。このような制御配列の性質は、宿主生物によって異なる。例えば、原核生物では、こうした制御配列は一般的に、プロモーター、リボソーム結合部位、および転写終結配列を含む一方、真核生物では、こうした制御配列は典型的に、プロモーターおよび転写終結配列を含む。「制御配列」という用語は、その存在が発現およびプロセシングのために必須である要素を含むことを意図しており、その存在が有利である追加的要素、例えば、リーダー配列および融合パートナー配列も含むことができる。
【0112】
生理学的条件:細胞または生物体が生存および/または繁殖する条件に言及する当技術分野で公知の意味を含む。一部の実施形態では、この用語は、生物体または細胞系に対し自然界で発生し得る外的環境または内的環境の条件を意味する。一部の実施形態では、生理学的条件は、ヒトまたは非ヒト動物の身体内にある条件であり、特に手術部位の、および/または手術部位内の条件である。生理学的条件は、典型的には、例えば20〜40℃の範囲の温度、1気圧、pH6〜8、1〜20mMのグルコース濃度、大気レベルの酸素濃度、および地球上で生じる重力などを含む。一部の実施形態では、実験室での条件は操作され、および/または生理学的条件に維持される。一部の実施形態では、生理学的条件は、生物体(例えば、非ヒト動物)内に生じるものである。
【0113】
ポリペプチド:アミノ酸の任意のポリマー鎖を指す。一部の実施形態では、ポリペプチドは、自然界に存在するアミノ酸配列を持つ。一部の実施形態では、ポリペプチドは、自然界に存在しないアミノ酸配列を持つ。一部の実施形態では、ポリペプチドは、お互いに別々に自然界に存在する部分を含むアミノ酸配列を持つ(すなわち、例えば、ヒトおよび非ヒト部分など、二つ以上の異なる生物からのもの)。一部の実施形態では、ポリペプチドは、それが人の手の作用を通して、設計および/または生産されるという点で、遺伝子操作されたアミノ酸配列を持つ。一部の実施形態では、ポリペプチドは、複数の断片を含有してもよく、または複数の断片からなっていてもよく、それら断片の各々は、対象のポリペプチドに見られる場合とは相互に異なる空間配置で同一の親ポリペプチドに見られるものであり(例えば、親ポリペプチドでは直接連結されていた断片が、対象のポリペプチドでは空間的に分離されている場合、もしくはその逆の場合もあり、および/または断片が、対象のポリペプチドにおいて親ポリペプチドとは異なる順序で存在している場合もある)、したがって、対象のポリペプチドは、その親ポリペプチドの誘導体となる。
【0114】
組み換え:組み換え手段によって設計、操作、調製、発現、生成または単離されたポリペプチドを意味し、例えば、宿主細胞中にトランスフェクトされた組み換え発現ベクターを使用して発現されたポリペプチド、組み換えコンビナトリアルヒトポリペプチドライブラリーから単離されたポリペプチド(Hoogenboom H.R.,1997 TIB Tech.15:62−70;Hoogenboom H.,and Chames P.,2000,Immunology Today 21:371−378;Azzazy H.,and Highsmith W.E.,2002,Clin.Biochem.35:425−445;Gavilondo J.V.,and Larrick J.W.,2002,BioTechniques 29:128−145)、ヒトイムノグロブリン遺伝子に対してトランスジェニックである動物(例えば、マウス)から単離された抗体(例えば、Taylor,L.D.,et al.,1992,Nucl.Acids Res.20:6287−6295;Little M.et al.,2000,Immunology Today 21:364−370;Kellermann S.A.and Green L.L.,2002,Current Opinion in Biotechnology 13:593−597;Murphy,A.J.,et al.,2014,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.111(14):5153−5158を参照のこと)、または選択された配列要素の相互スプライシングを伴うその他の任意の手段によって調製、発現、生成もしくは単離されたポリペプチドを意味する。一部の実施形態では、このような選択された配列要素の一つ以上は自然界に存在する。一部の実施形態では、このような選択された配列要素の一つ以上はインシリコで設計される。一部の実施形態では、一つ以上のこのような選択配列要素は、例えば、天然または合成起源の既知の配列要素の変異誘導(例えば、インビボまたはインビトロ)から生じる。例えば、一部の実施形態では、組み換えポリペプチドは、対象のソース生物体(例えば、ヒト、マウスなど)のゲノム(またはポリペプチド)に見られる配列を含む。一部の実施形態では、組み換えポリペプチドは、二つの異なる生物体(例えば、ヒトおよび非ヒト生物体)において相互に別々に自然界で生じる(すなわち、例えば、ヒトおよび非ヒト部分などの二つ以上の異なる生物体に由来する)配列を含む。一部の実施形態では、組み換えポリペプチドは、変異誘導(例えば、非ヒト動物での、インビトロまたはインビボ)から生じるアミノ酸配列を持ち、したがって、組み換えポリペプチドのアミノ酸配列は、ポリペプチド配列に由来しかつポリペプチド配列に関連するが、インビボで非ヒト動物のゲノム内に自然には存在しない可能性がある配列である。
【0115】
参照:対象の作用剤、動物、コホート、個人、集団、サンプル、配列または値が比較される、標準もしくは対照の作用剤、動物、コホート、個人、集団、サンプル、配列または値を説明することを意図する。一部の実施形態では、参照の作用剤、動物、コホート、個人、集団、サンプル、配列または値は、対象の作用剤、動物、コホート、個人、集団、サンプル、配列または値の試験または算出と実質的に同時に試験および/または算出される。一部の実施形態では、参照の作用剤、動物、コホート、個人、集団、サンプル、配列または値は、任意選択的に有形媒体で具現化された公知の参照である。一部の実施形態では、参照は対照を指す場合がある。本明細書で使用される場合、「参照」は「参照動物」を指す場合がある。「参照動物」は本明細書に記述された改変、本明細書に記述されたものとは異なる改変を持つか、または未改変(すなわち、野生型動物)である場合がある。一般的には、当業者には理解されるであろうように、参照薬剤、動物、コホート、個人、集団、サンプル、配列または値は、対象の薬剤、動物(例えば、哺乳類)、コホート、個人、集団、サンプル、配列または値を決定または特徴付けるために利用されるものと同等の条件下で決定または特徴付けられる。
【0116】
イムノグロブリンは、体細胞超変異と称される細胞機構に関与し、この機構は、その標的への高い親和性によって特徴付けられる親和性成熟抗体バリアントを生成するものである。体細胞超変異は、抗体可変領域のCDR内で生じることが多いが、変異は、ホットスポット、例えばRGYW活性化誘導シチジンデアミナーゼ(AID)ホットスポット(例としてLi,Z.et al.,2004,Genes Dev.18:1−11;Teng,G.and F.N.Papavasiliou,2007,Annu.Rev.Genet.41:107−20を参照されたく、これらの文献は参照により本明細書に援用される)と称される特定の配列モチーフを優先的に標的にする。操作されたD領域の生成に有用な、本明細書に開示される対象の非イムノグロブリンペプチドまたはその部分には、一つ以上の天然ホットスポットおよび/または人工ホットスポットが含まれ得る。語句「体細胞変異」には、クラススイッチを受けたB細胞由来の核酸配列への言及が含まれ、該クラススイッチされたB細胞におけるイムノグロブリン可変領域の核酸配列(例えば、重鎖可変ドメインをコードするか、または重鎖CDRもしくはFR配列を含むヌクレオチド配列)は、クラススイッチ前のB細胞における核酸配列と同一ではなく、例えば、クラススイッチを受けていないB細胞とクラススイッチを受けたB細胞との間には、CDRまたはフレームワークの核酸配列に差異がある。「体細胞変異」は、親和性成熟B細胞由来の核酸配列への言及を含み、該核酸配列は親和性成熟ではないB細胞の対応するイムノグロブリン可変領域配列(すなわち、生殖細胞系細胞のゲノムにおける配列)とは同一ではない。語句「体細胞変異」はまた、対象のエピトープにB細胞を曝露した後のB細胞由来のイムノグロブリン可変領域核酸配列への言及を含み、該核酸配列は、対象のエピトープにB細胞を曝露する前の対応する核酸配列とは異なっている。語句「体細胞変異」は、免疫原の誘発に応じて、ヒトイムノグロブリン可変領域核酸配列を有する動物(例えばマウス)で産生された、またこうした動物に固有に作用する選択プロセスから生じる、結合タンパク質由来の配列を意味する。
【0117】
実質的:対象となる特徴または特性の完全またはほぼ完全な範囲または程度を示す定性的条件を意味する。生物学分野の当業者であれば、生物学的および化学的な現象はあったとしても、完了まで進む、および/または完全な状態まで進行する、または絶対的な結果を達成または避けることは稀であることを理解するであろう。従って「実質的に」という用語は本明細書では、多くの生物学的および化学的現象に固有の完全性の欠如の可能性をとらえるために使用される。
【0118】
実質的な相同性:アミノ酸配列または核酸配列間の類似を意味する。当業者であれば理解するように、二つの配列はそれらが対応する位置に相同な残基を含む場合、「実質的に相同」であると一般的にみなされる。相同残基は同一の残基である場合がある。あるいは、相同残基は、適度に類似した構造および/または機能的特徴を持つ非同一残基であってもよい。例えば、当業者には周知のように、特定のアミノ酸は「疎水性」または「親水性」アミノ酸、および/または「極性」または「非極性」側鎖を持つものとして一般的に分類される。一つのアミノ酸の同じタイプの別のアミノ酸での置換は、「相同」置換とみなされる場合がよくある。一般的なアミノ酸分類を下記に要約する。
【表A】
【表B】
【0119】
当技術分野で周知のように、アミノ酸または核酸配列は、ヌクレオチド配列に対するBLASTNおよびBLASTP、gapped BLAST、およびアミノ酸配列に対するPSI−BLASTなどの市販のコンピュータプログラムで利用可能なものを含む、様々なアルゴリズムの任意のものを使用して比較することができる。かかるプログラムの例は、Altschul,S.F.et al.,1990,J.Mol.Biol.,215(3):403−410;Altschul,S.F.et al.,1997,Methods in Enzymology;Altschul,S.F.et al.,1997,Nucleic Acids Res.,25:3389−3402;Baxevanis,A.D.,and B.F.F.Ouellette(eds.)Bioinformatics:A Practical Guide to the Analysis of Genes and Proteins,Wiley,1998;およびMisener et al.(eds.)Bioinformatics Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology,Vol.132),Humana Press,1998に記載されている。相同配列を特定することに加えて、上述のプログラムは相同性の程度の指標を一般的に提供する。一部の実施形態では、二つの配列は、残基の関連する区間に渡って、その対応残基の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上が相同の場合、実質的に相同であるとみなされる。一部の実施形態では、関連する区間は完全配列である。一部の実施形態では、関連する区間は少なくとも9、10、11、12、13、14、15、16、17またはそれ以上の残基である。一部の実施形態では、関連する区間は完全配列に沿った隣接残基を含む。一部の実施形態では、関連する区間は完全配列に沿って不連続な残基を含み、例えばポリペプチドまたはその一部のフォールディングされた構造により引き合わされた非隣接残基を含む。一部の実施形態では、関連する区間は少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50またはそれ以上の残基である。
【0120】
「実質的な同一性」は、アミノ酸または核酸配列間の類似を意味する。当業者であれば理解するように、二つの配列はそれらが対応する位置に同一な残基を含む場合、「実質的に同一」であると一般的にみなされる。当技術分野で周知のように、アミノ酸または核酸配列は、ヌクレオチド配列に対するBLASTNおよびBLASTP、gapped BLAST、およびアミノ酸配列に対するPSI−BLASTなどの市販のコンピュータプログラムで利用可能なものを含む、様々なアルゴリズムの任意のものを使用して比較することができる。かかるプログラムの例は、Altschul,S.F.et al.,1990,J.Mol.Biol.,215(3):403−410;Altschul,S.F.et al.,1997,Methods in Enzymology;Altschul,S.F.et al.,1997,Nucleic Acids Res.,25:3389−3402;Baxevanis,A.D.,and B.F.F.Ouellette(eds.)Bioinformatics:A Practical Guide to the Analysis of Genes and Proteins,Wiley,1998;およびMisener et al.(eds.)Bioinformatics Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology,Vol.132),Humana Press,1998に記載されている。同一配列の特定に加え、上述のプログラムは多くの場合、同一性の程度の指標も提供する。一部の実施形態では、二つの配列は、残基の関連する区間に渡って、その対応残基の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上が同一の場合、実質的に同一であるとみなされる。一部の実施形態では、関連する区間は完全配列である。一部の実施形態では、関連する区間は少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50またはそれ以上の残基である。
【0121】
形質転換:外来性DNAを宿主細胞に導入するのに用いる任意のプロセスを意味する。形質転換は、当技術分野で周知の様々な方法を用いて、自然条件または人工条件下で起こり得る。形質転換は、外来核酸配列を原核宿主細胞または真核宿主細胞に挿入する任意の既知の方法に依拠し得る。一部の実施形態では、ある特定の形質転換手法は、形質転換される宿主細胞に基づいて選択され、該手法には、以下に限定されないが、ウイルス感染、エレクトロポレーション、交配、リポフェクションが挙げられ得る。一部の実施形態では、「形質転換された」細胞は、挿入されたDNAが自己複製プラスミドとして、または宿主染色体の一部として複製することができるという点において、安定的に形質転換されている。一部の実施形態では、形質転換された細胞は、一定期間の間、導入された核酸を一時的に発現する。
【0122】
標的化ベクターまたは標的化構築物:標的化領域を含むポリヌクレオチド分子を意味する。標的化領域は、標的細胞、組織または動物の配列と同一または実質的に同一の配列を含み、相同組み換えにより、標的化構築物を、細胞、組織または動物のゲノム内の位置に統合する。部位特異的リコンビナーゼ認識部位(例えば、loxP部位またはFrt部位)を使用して標的にする標的化領域も含まれる。一部の実施形態では、本明細書に記載の標的化構築物は、特に対象となる核酸配列または遺伝子と、選択可能マーカーと、制御配列およびまたは調製配列と、こうした配列が関与する組み換えを補助または促進するタンパク質を外部から付加することにより媒介する組み換えを可能にする、その他の核酸配列とをさらに含む。一部の実施形態では、標的化構築物は対象の遺伝子の全部または一部をさらに含み、対象の該遺伝子は、内因性配列によってコードされるタンパク質と類似の機能を持つポリペプチドの全部または一部をコードする異種遺伝子である。一部の実施形態では、標的化構築物は対象のヒト化遺伝子の全部または一部をさらに含み、対象の該ヒト化遺伝子は、内因性配列によってコードされるポリペプチドと類似の機能を持つポリペプチドの全部または一部をコードする。一部の実施形態では、標的化構築物(または標的化ベクター)は、人の手によって操作された核酸配列を含み得る。例えば一部の実施形態では、標的化構築物(または標的ベクター)は、自然界での状態では互いに連結されていないが、操作されたポリヌクレオチドまたは組み換えポリヌクレオチドにおいて互いに直接連結されるように人の手により操作されている二つ以上の配列を含む、操作されたポリヌクレオチドまたは組み換えポリヌクレオチドを含むように構築され得る。
【0123】
導入遺伝子または導入遺伝子構築物:人の手を用いて(例えば、本明細書に記載の方法を用いて)細胞に導入された核酸配列(例えば、対象のポリペプチドの全部または一部をコードする配列)を意味する。導入遺伝子は、部分的または全体的に異種、すなわち、導入されるトランスジェニック動物または細胞に対して外来性であってもよい。導入遺伝子は、一つ以上の転写制御配列と、任意の他の核酸(例えばイントロンまたはプロモーターなど)とを含む場合があり、それらは選択された核酸配列の発現に必要になり得る。
【0124】
トランスジェニック動物、トランスジェニック非ヒト動物、またはTg:交換可能に使用することができ、任意の非天然非ヒト動物を意味し、非ヒト動物の細胞の一つ以上が、対象のポリペプチドの全部または一部をコードする、異種核酸および/または遺伝子を含有している。一部の実施形態では、異種核酸および/または遺伝子は、例えばマイクロインジェクションを用いるか、または組み換えウイルスによる感染を用いるなどの計画的な遺伝子操作を介した前駆細胞への導入によって、直接的または間接的に細胞内に導入される。遺伝子操作という用語は、伝統的な交配技術を含めずに、むしろ組み換えDNA分子の導入を対象にするものである。この分子は、染色体内に組み込まれてもよく、または染色体外で複製するDNAであってもよい。用語「Tg」には、異種核酸および/もしくは遺伝子に対してヘテロ接合性もしくはホモ接合性である動物、ならびに/または異種核酸および/または遺伝子の単一コピーもしくは多コピーを有する動物が含まれる。
【0125】
バリアント:参照実体と有意な構造的同一性を示すが、参照実体と比べて一つ以上の化学的部分の存在またはレベルにおいて参照実体とは構造的に異なる実体を意味する。多くの実施形態では、「バリアント」は、その参照実体とは機能的にも異なる。一般的に、特定の実体が、参照実体の「バリアント」と正しくみなされるかどうかは、参照実体とのその構造同一性の程度に基づく。当業者であれば理解するように、すべての生物学的または化学的参照実体は特定の特徴的構造要素を持つ。「バリアント」は、定義によると、一つ以上のこのような特徴的構造要素を共有する別個の化学的実体である。いくつかの例を挙げると、小分子は特徴的なコア構造要素(例えば、マクロサイクルコア)および/または一つ以上の特徴的懸垂部分を持つ場合があり、従って小分子のバリアントは、コア構造要素および特徴的懸垂部分を共有するが、その他の懸垂部分および/またはコア内に存在する結合のタイプ(単に対する二重、Eに対するZなど)が異なるものであり、ポリペプチドは、直線または三次元空間でお互いに対して指定された位置を持つおよび/または特定の生物学的機能に寄与する複数のアミノ酸から成る特徴的配列要素を持つ場合があり、核酸は、直線または三次元空間でお互いに対して指定された位置を持つ複数のヌクレオチド残基から成る特徴的配列要素を持つ場合がある。例えば、「バリアントポリペプチド」は、アミノ酸配列の一つ以上の差異および/またはポリペプチド骨格に共有結合した化学的部分(例えば、炭化水素、脂質など)の一つ以上の差異の結果として、参照ポリペプチドとは異なる場合がある。一部の実施形態では、「バリアントポリペプチド」は、参照ポリペプチドと少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、または99%の全体的配列同一性を示す。あるいはまたはさらに、一部の実施形態では、「バリアントポリペプチド」は、少なくとも一つの特徴的配列要素を参照ポリペプチドと共有しない。一部の実施形態では、参照ポリペプチドは一つ以上の生物活性を持つ。一部の実施形態では、「バリアントポリペプチド」は参照ポリペプチドの生物活性の一つ以上を共有する。一部の実施形態では、「バリアントポリペプチド」は参照ポリペプチドの生物活性の一つ以上を欠く。一部の実施形態では、「バリアントポリペプチド」は参照ポリペプチドと比べて一つ以上の生物活性のレベル減少を示す。多くの実施形態で、特定位置での少数の配列変更がなければ対象のポリペプチドが親のものと同一のアミノ酸配列を持つ場合、対象のポリペプチドは親または参照ポリペプチドの「バリアント」であるとみなされる。一般的に、親と比べて、バリアントの残基の20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、または2%未満が置換される。一部の実施形態では、「バリアント」は、親と比べて、10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、または1個の置換残基を有する。しばしば、「バリアント」は、非常に少数の(例えば、5、4、3、2、または1未満)の置換された機能残基(すなわち、特定の生物活性に参加する残基)を持つ。さらに、「バリアント」は一般的には5、4、3、2、または1以下の付加または欠失を持ち、親と比べて付加または欠失を持たないことがよくある。さらに、任意の付加または欠失は一般的には、約25、約20、約19、約18、約17、約16、約15、約14、約13、約10、約9、約8、約7、約6未満であり、通常は約5、約4、約3、または約2残基である。一部の実施形態では、親または参照ポリペプチドは自然界に見られるものである。当業者であれば理解するように、特に対象のポリペプチドが感染因子ペプチドである時、対象の特定ポリペプチドの複数のバリアントは、通常は自然界に見られる場合がある。
【0126】
ベクター:核酸分子であって、それが会合している別の核酸を輸送することができる核酸分子を意味する。一部の実施形態では、ベクターは、染色体外複製および/または、真核および/または原核細胞などの宿主細胞中でそれらが連結している核酸の発現能力がある。動作可能に連結された遺伝子の発現を誘導することができるベクターは、本明細書では「発現ベクター」と称される。
【0127】
野生型:(変異、罹患、改変された状態または状況などと対照をなす)「正常」な状態または状況で自然界に存在する構造および/または活性を有する実体を意味する、当技術分野で公知の意味を有する。当業者であれば、野生型の遺伝子およびポリペプチドは複数の異なる形態(例えば、アレル)で存在することが多いことを理解するであろう。
(発明を実施するための形態)
【0128】
本明細書では、特に、対象のポリペプチドの一つ以上の部分(機能性断片、結合部分など)をコードする異種遺伝物質を有するトランスジェニック非ヒト動物が開示されており、該異種遺伝物質は、イムノグロブリン重鎖可変領域の多様性クラスター(すなわち、D領域)に挿入され、その結果、異種遺伝物質が重鎖可変(V)セグメントと接合(J)セグメントとに動作可能に連結されている。こうした非ヒト動物は、難治性疾患標的に対する抗体を生成する能力を示すことが意図される。さらに意図されるのは、こうした非ヒト動物が、通例のイムノグロブリンD遺伝子セグメント(または自然界で見られるイムノグロブリンD遺伝子セグメント)から作製されたイムノグロブリン重鎖可変CDR3の多様性を有する抗体集団に比べて、CDR3の多様性を増加させた重鎖可変領域によって特徴付けられる抗体集団を提示することである。したがって、本明細書に記載の非ヒト動物は、特定の抗原、特に低いおよび/または乏しい免疫原性を伴う抗原を結合させる抗体ベースの治療薬の開発に有用になり得る。特に、本明細書では、例示的なヌクレオチドコード配列であって、その各々が対象のポリペプチドの一部(例えば、非定型ケモカイン受容体の細胞外部分、コノトキシンの一部、またはタランチュラ毒素の一部など)を、イムノグロブリン重鎖可変領域のD領域内にコードした結果、挿入されたヌクレオチドコード配列が関与するV(D)J組み換えから生成される重鎖可変領域(特にCDR3領域)を有する抗体を発現させる、該ヌクレオチドコード配列の導入が開示されている。一部の実施形態では、対象のポリペプチド(例えば、非定型ケモカイン受容体(ACKR)、コノトキシン、タランチュラ毒素、またはこれらの組み合わせ)の挿入ヌクレオチドコード配列は、本明細書に記載のイムノグロブリン重鎖多様性クラスター(すなわち、D領域)内の全てのまたは実質的に全ての通例のDセグメント(すなわち、野生型Dセグメント)を置き換える。一部の実施形態では、対象のポリペプチド(例えば、非定型ケモカイン受容体(ACKR)、コノトキシン、タランチュラ毒素、またはこれらの組み合わせ)の挿入ヌクレオチドコード配列は、本明細書に記載のイムノグロブリン重鎖多様性クラスター(すなわち、D領域)内の一つ以上の通例のDセグメントを部分的に置き換える。一部の実施形態では、対象のポリペプチド(例えば、非定型ケモカイン受容体(ACKR)、コノトキシン、タランチュラ毒素、またはこれらの組み合わせ)のヌクレオチドコード配列は、本明細書に記載のイムノグロブリン重鎖多様性クラスター(すなわち、D領域)内の一つ以上の通例のDセグメントに挿入されて、その結果、ヌクレオチドコード配列は、順当にまたは自然に一つ以上の通例のDセグメントに見られるかまたは該セグメントと会合する配列と隣接するようになる。一部の実施形態では、一つ以上の通例のDセグメントは、本明細書に記載のイムノグロブリン重鎖多様性クラスター内でインタクトな状態を保つ。一部の実施形態では、一つ以上の通例のDセグメントを、本明細書に記載のイムノグロブリン重鎖多様性クラスターから欠失させるか、除去するか、あるいは非機能的にしている。一部の特定の実施形態では、本明細書に記載のイムノグロブリン重鎖多様性クラスターは、全てのまたは実質的全ての通例のDセグメントを欠く。一部の特定の実施形態では、本明細書に記載のイムノグロブリン重鎖多様性クラスターは、本明細書に記載のヌクレオチドコード配列を用いて作製または生成された合成Dセグメントを含む。こうしたトランスジェニック非ヒト動物は、確立されている創薬技術の標的能を超えて疾患標的を結合させる抗体および/または抗体ベースの治療薬を特定し、開発するためのインビボシステムを提供する。さらに、こうしたトランスジェニック非ヒト動物は、ヒトに影響を及ぼす種々の疾患および/または疾患病状の中核をなすタンパク質−タンパク質相互作用を破壊することに重点を置くか、または破壊するように設計された、抗体および/または抗体ベースの治療薬の開発に有用な動物モデル系を提供する。
【0129】
一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、対象のポリペプチドの一部に相当する一つ以上のヌクレオチドコード配列の存在によって特徴付けられる操作された多様性クラスター(すなわち、操作されたD領域)を含む、イムノグロブリン重鎖可変領域を備えており、該対象のポリペプチドとして、例えば、ACKRの細胞外ドメイン(例えば、D6ケモカインデコイ受容体)、毒素(例えば、イオンチャネルブロッカーであり、例としてコノトキシン、クモ毒素、タランチュラ毒素、イソギンチャク毒素、またはサソリ毒素などがある)、Gタンパク質共役受容体、選択された抗体(例えば、HIV、HCV、HPV、インフルエンザなどといったウイルスを結合させる中和抗体)の長い重鎖CDR、グルカゴン様ペプチド−1受容体作動薬(例えば、エキセナチド、リラグルチド、リキシセナチド、アルビグルチド、デュラグルチド、タスポグルチドなど)、非ヒト種(例えば、トリ、ニワトリ、ウシ、ウサギ、ブタなど)由来の重鎖多様性(D)遺伝子セグメントなどがある。こうした実施形態では、かかるヌクレオチドコード配列が関与する組み換えから生成されるCDR3を含む抗体は、特定の抗原(例えば、膜貫通ポリペプチド)への結合を誘導するように多様性が増加されているとして特徴付けられ得る。一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物によって産生される抗体は、一つ以上のヌクレオチドコード配列によってコードされるペプチドに相当するCDR3領域を含む、イムノグロブリン重鎖可変領域配列を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、一つ以上のヌクレオチドコード配列に動作可能に連結された重鎖可変(V)遺伝子セグメントと、接合(J)遺伝子セグメントとを含み、その結果、V(D)J組み換えが、該Vコード配列、Jコード配列、および一つ以上のヌクレオチドコード配列の間で生じて、対象の抗原を結合させる重鎖可変領域を作製する。一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、5個、10個、15個、20個、25個またはそれを超える(例えば、複数の)ヌクレオチドコード配列に動作可能に連結された複数のV遺伝子セグメントおよびJ遺伝子セグメントを、非ヒト動物のゲノム内のイムノグロブリン重鎖可変領域に含む。数多くの実施形態では、Vセグメントおよび Jセグメントは、ヒトV遺伝子セグメントおよびヒトJ遺伝子セグメントである。一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、ヒトまたはヒト化のイムノグロブリン軽鎖遺伝子座(例えば、κおよび/またはλ)をさらに含んでおり、その結果、非ヒト動物は、ヒト可変領域(すなわち、重鎖および軽鎖)および非ヒト定常領域を含む抗体を産生するようになる。一部の特定の実施形態では、かかるヒトまたはヒト化のイムノグロブリン軽鎖遺伝子座は、齧歯類軽鎖定常領域(例えば、齧歯類CκまたはCλ)に動作可能に連結されたヒトV遺伝子セグメントおよびJ遺伝子セグメントを含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、米国特許出願公開第2011−0195454A1号、同第2012−0021409A1号、同第2012−0192300A1号、同第2013−0045492A1号、同第2013−0185821A1号、同第2013−0198880A1号、同第2013−0302836A1号、同第2015−0059009A1号;国際特許出願公開第WO2011/097603号、同第WO2012/148873号、同第WO2013/134263号、同第WO2013/184761号、同第WO2014/160179号、同第WO2014/160202号(これらの全ては参照により本明細書に援用される)に記載されているイムノグロブリン軽鎖遺伝子座をさらに含む。
【0130】
組成物および方法の様々な態様が、以下の節で詳細に記述される。節の使用は、いかなる実施形態を制限することを意図するものではない。各節は、具体的に記載された任意の実施形態に該当し得る。本明細書では、特に指定のない限り、「または」の使用は「および/または」を意味する。
【0131】
V(D)J組み換え
一連の組み換え事象は、いくつかの遺伝子成分が関与し、遺伝子セグメント(例えば、V、D、およびJ)の秩序配列からイムノグロブリンをアセンブルする働きをする。遺伝子セグメントのアセンブリは不正確であるとして知られ、それ故に、種々の遺伝子セグメントの組み合わせと、不正確な接合による特有の接合部の形成との両方によって、イムノグロブリン多様性を得る。さらに、多様性は、イムノグロブリンの可変領域配列が抗原に対する親和性および特異性を増加させるよう改変される、体細胞超変異として知られるプロセスを通して生じる。イムノグロブリンは、二つの同一の重鎖と二つの同一の軽鎖とから構成されるY字型のポリペプチドであり、その各々は二つの構造成分となる、一つの可変ドメインと一つの定常ドメインとを有する。遺伝子セグメントのアセンブリによって形成されるのは重鎖および軽鎖の可変ドメインである一方で、定常ドメインはRNAスプライシングによって可変ドメインに融合される。遺伝子セグメントをアセンブル(または接合)する機序は重鎖と軽鎖とで類似しているが、一つの接合事象のみが軽鎖に必要となり(すなわち、VとJ)、二つの接合事象が重鎖に必要となる(すなわち、DとJ、およびVとDJ)。
【0132】
重鎖および軽鎖の可変領域に関わる遺伝子セグメントのアセンブリは、各遺伝子セグメントに隣接する保存非コードDNA配列(組み換えシグナル配列(RSS)と称される)によって誘導され、これらの配列は、Vコード配列、Dコード配列、およびJコード配列に対して正確な位置でDNAを確実に再構成するものである(例えば、Ramsden,D.A.et al.,1994,Nuc.Acids Res.22(10):1785−96を参照のこと)。各RSSは、7個のヌクレオチド(7量体)保存ブロックからなり、該ブロックはコード配列(例えば、Vセグメント)と隣接し、それに保存スペーサー(12bpまたは23bp)と、9個のヌクレオチド(9量体)の第二の保存ブロックとが続いている。個体間で多くの配列の相違が許容されるが、これらの配列の長さは典型的には変動しない。イムノグロブリン遺伝子セグメント間の組み換えは、一般的に12/23ルールと称されるルールに従うものであり、そこで、12bpのスペーサーを有するRSSと隣接した遺伝子セグメントを、23bpのスペーサーと隣接した遺伝子セグメントに接合するのが典型的である(例えば、Hiom,K.and M.Gellert,1998,Mol.Cell.1(7):1011−9を参照のこと)。RSSの配列は、特定の遺伝子セグメントとの組み換えの効率および/または頻度に影響を及ぼすと報告されている(例えば、Ramsden,D.A and G.E.Wu,1991,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.88:10721−5;Boubnov,N.V.et al.,1995,Nuc.Acids Res.23:1060−7;Ezekiel,U.R.et al.,1995,Immunity 2:381−9;Sadofsky,M.et al.,1995,Genes Dev.9:2193−9;Cuomo,C.A.et al.,1996,Mol.Cell Biol.16:5683−90;Ramsden,D.A.et al.,1996,EMBO J 15:3197−3206を参照のこと)。実際に多数の報告で、遺伝子セグメント(特にDセグメント)の使用は個体間で極めて偏りがあり変動することが指摘されている。
【0133】
一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、V遺伝子セグメントおよび/またはJ遺伝子セグメントに対する組み換え向けに最適化された、コード配列に隣接する一つ以上のRSSを含む。種々の実施形態では、コード配列は、通例のD遺伝子セグメント(または自然界で見られるD遺伝子セグメント)の場所(またはその中)でイムノグロブリン重鎖遺伝子座に挿入されている。RSSは、当技術分野で既知の標準的な技術、例えば、既知のRSS配列の部位特異的変異誘導または合成RSS配列のインシリコ生成の後に、デノボ合成する技術などを用いて最適化することができる。一例を挙げると、低いまたは乏しい組み換え効率および/または頻度を伴うRSSは、高いまたは至適な組み換え効率および/または頻度を伴うRSSと比べることによって最適化されてもよい。組み換え効率および/または頻度は、一部の実施形態では、抗体配列の集団(例えば、個体または個体群由来)における遺伝子セグメントの使用頻度に左右され得る(例えば、Arnaout,R.et al.,2011,PLoS One 6(8):e22365;Glanville,J.et al.,2011,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.108(50):20066−71を参照のこと)。したがって、本明細書に記載の非ヒト動物は、一部の実施形態では、コード配列(または遺伝子セグメント)の組み換えが等しい頻度またはおよそ等しい頻度で生じるように最適化された、コード配列(または遺伝子セグメント)に隣接する一つ以上のRSSを含む。最適化されたRSSの例を図2に記載している。
【0134】
重鎖可変領域および軽鎖可変領域を形成するように遺伝子セグメントをアセンブルすることにより、イムノグロブリンの抗原結合領域(または部位)が形成される。こうした抗原結合領域は、部分的に、通例相補性決定領域(CDR)と称される超可変領域の存在によって特徴付けられる。重鎖と軽鎖の両方には3個のCDR(総計6個のCDR)があり、CDR1とCDR2の両方がV遺伝子セグメントによって完全にコードされている。一方、CDR3は、軽鎖に関してはVセグメントとJセグメントとの接合から生じる配列によってコードされ、重鎖に関してはVセグメントとDセグメントとJセグメントとの接合から生じる配列によってコードされる。したがって、組み換えの間に、重鎖可変領域コード配列を形成するために追加の遺伝子セグメントを使用すると、重鎖の抗原結合部位の多様性が有意に増える。
【0135】
ケモカインおよびケモカイン受容体
免疫反応および炎症反応は、免疫細胞および分子成分の種の一部が関与する複雑な生物学的過程である。白血球の遊走は、免疫反応および炎症反応の開始、維持、および消失における重要な因子として報告されており、その一部はケモカインおよびその受容体の作用を通してもたらされている。実際に、いくつかのケモカインおよび対応する受容体が報告されている。ケモカイン受容体は、細胞内区画におけるシグナル伝達のためにGタンパク質に共役する7回膜貫通型ドメインによって特徴付けられる構造を有し、それらが結合するケモカインのサブセットに対応した複数の異なるファミリーに分けられる:CC−ケモカイン受容体(β−ケモカイン受容体)、CXC−ケモカイン受容体、CX3C−ケモカイン受容体、およびXC−ケモカイン受容体。これらの通例のケモカイン受容体に加えて、同様の構造を共有するが、リガンド結合に応じたシグナル伝達を開始させる能力を持たない他のケモカイン受容体(非定型ケモカイン受容体またはACKRと称される)も報告されている(例えば、Bonecchi,R.et al.,2010,Curr.Top.Microbiol.Immunol.341:15−36;Nibbs,R.J.B.and G.J.Graham,2013,Nature Rev.13:815−29を参照のこと)。
【0136】
ACKRの中で、ACKR2(CCBP2およびD6ケモカインデコイ受容体としても知られる)は、Gタンパク質に共役する他の受容体に類似した7回膜貫通型タンパク質受容体であり、CCBP2遺伝子によりコードされる(Nibbs,R.J.B.et al.,1997,J.Biol.Chem.272(51):32078−83)。他のケモカイン受容体とは異なり、ACKR2は、第二細胞内ループに標準のDRYLAIVモチーフの代わりにDKYLEIVモチーフを含み、Gαタンパク質を介してシグナル伝達することができない。ACKR2は、皮膚、腸、および肺のリンパ管内皮細胞で発現し、同様にB細胞および樹状細胞で発現する。ACKRは、多数の炎症誘発性β−ケモカイン(CCケモカイン)に対する無差別受容体であるが、構成CCLケモカインを結合させることはない。ACKR2は、CCケモカインを内部移行させ、リソソーム分解のためにCCケモカインを標的にし、それによってCCケモカインのクリアランスを介して炎症性反応を制限する、スカベンジャー受容体であると提示されている(Jamieson,T.et al.,2005,Nature Immunol.6(4):403−11;Bonecchi,R.et al.,上掲;Hansell,C.A.H.et al.,2011,Immunol.Cell Biol.89(2):197−206;Nibbs,R.J.B.and G.J.Graham,上掲)。
ペプチド毒素
【0137】
毒素は、ヒトに対して有毒であり得る植物および動物に見られる天然の物質である。例えば、イモガイは、毒液中にコノトキシンと呼ばれる神経毒ペプチドを産生し、ヒトの種々の受容体の活性を調節する。特に、一部のコノトキシンは、イオンチャネル(例えば、Naチャネル)を調節することが示されている。コノトキシンは、典型的には、一つ以上のジスルフィド結合を含む長さ10〜30のアミノ酸のペプチドであり、それらが作用する標的に基づいて特徴付けられる:α−コノトキシン(アセチルコリン受容体)、δ−コノトキシン(電位開口型ナトリウムチャネル)、κ−コノトキシン(カリウムチャネル)、μ−コノトキシン(電位開口型ナトリウムチャネル)、およびω−コノトキシン(電位開口型カルシウムチャネル)。コノトキシンは、カタツムリ種の中で極めて多形性であることが知られており、その結果として、それらをコードする遺伝子が保存されていない(例えば、Terlau,H.and B.M.Olivera,2004,Physiol.Rev.84(1):41−68;Biggs,J.S.et al.,2010,Mol.Phylogenet.Evol.56(1):1−12;Olivera,B.M.et al.,2012,Ann.N.Y.Acad.Sci.1267(1):61−70;Wong,E.S.and K.Belov,2012,Gene 496(1):1−7を参照のこと)。
【0138】
コノトキシンの中で、μ−コノトキシンは、2種類のシステインパターンを有し、筋組織の電位開口型ナトリウムチャネルに作用することが報告されている(Cruz,L.J.et al.,1985,J.Biol.Chem.260(16):9280−8;Zeikus,R.D.et al.,1985,J.Biol.Chem.260(16):9280−8;McIntosh,J.M.and R.M.Jones,2001,Toxicon.39(10):1447−51;Nielsen,K.J.et al.,2002,J.Biol.Chem.277(30):27247−55;Floresca,C.Z.,2003,Toxicol.Appl.Pharmacol.190(2):95−101;Priest,B.T.et al.,2007,Toxicon.49(2):194−201;Schmalhofer,W.A.et al.,2008,Mol.Pharmacol.74(5):1476−84;Ekberg,J.et al.,2008,Int.J.Biochem.Cell Biol.40(11):2363−8)。実際に、μ−コノトキシンは、その薬理学的な使用の可能性のために、研究の対象になってきた(例えば、Olivera,B.M.and R.W.Teichert,2007,Mol.Interv.7(5):251−60;Stevens,M.et al.,2012,J.Biol.Chem.287(37):31382−92を参照のこと)。いくつかの研究が、種々のμ−コノトキシンの作用機序を明らかにするために行われてきたが、多くは依然として不明のままである。
【0139】
毒素の他の例として、イソギンチャク、サソリ、クモ、およびタランチュラの毒液が挙げられ、これらは、活性を抑制し、ニューロンのシグナル伝達を遮断することによって、イオンチャネルに作用すると報告されている。事実、いくつかのサソリ毒素が特定され、その構造が解明されている(例えば、Rochat,H.and J.Gregoire,1983,Toxicon.21(1):153−62;Zhou,X.H.et al.,1989,Biochem.J.257(2):509−17;Granier,C.et al.,1990,FEBS Lett.261(2):423−6を参照のこと)。さらに神経毒系ライブラリーが、サソリ毒液由来の毒素を用いて、カリウムチャネル用に開発されている(例えば、Takacs,Z.et al.,2009,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.106(52):22211−6を参照のこと)。別の例を挙げると、タランチュラ毒液由来のペプチドは、Na1.5およびNa1.7などの電位開口型ナトリウムチャネルに特異的に作用すると報告されている(例えば、Priest,B.T.et al.,2007,Toxicon.49(2):194−201;Xiao,Y.et al.,2010,Mol.Pharmacol.78(6):1124−34を参照のこと)。本明細書では、操作されたD領域を構築するための特に有用な一連のヌクレオチドコード配列が、タランチュラ毒素配列およびμ−コノトキシン配列由来のヌクレオチドコード配列(例えば、表4を参照のこと)であるか、またはこれらを含むという知見について説明している。本明細書では、操作されたD領域を構築するための電位開口型ナトリウムチャネル(例えば、Na1.7)に作用する毒素コード配列の使用について開示している。本明細書に記載の方法を用いて、任意の所望の毒素ペプチドに由来するか、または複数(すなわち、2個、3個、4個、5個など)の所望の毒素ペプチド由来の毒素ペプチド(もしくは毒素ペプチド配列断片)の組み合わせに由来する、任意の一連のコード配列を利用することができる。
【0140】
提供されるインビボシステム
本明細書では、特定の抗原は、低いおよび/または乏しい免疫原性を伴い、したがって、抗体ベースの治療薬には不十分な標的であるという認識を説明している。実際に、多数の疾患標的(例えば、膜貫通タンパク質)は、難治性であるか、または新薬の開発にはつながらないとみなされてきた。したがって、本明細書では、確立されている創薬技術に付随する課題を克服する抗体および抗体ベースの治療薬を開発するためのインビボシステムの作製について開示している。具体的には、本開示は、トランスジェニック齧歯類であって、そのゲノムが、操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、該操作されたD領域には、一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列が含まれ、その配列の各々が対象の異種ポリペプチドまたはペプチドの一部(例えば、細胞外部分、結合部分、機能性断片など)をコードする、該齧歯類の構築について示している。本明細書に記載の方法は、一連の異種ヌクレオチドコード配列であって、その各々が操作されたD領域を作製するための対象の任意のポリペプチドまたはペプチド(例えば、膜貫通タンパク質、毒素、Gタンパク質共役受容体など)の一部をコードする、該配列を使用するように適応することができる。操作されたD領域は、一旦イムノグロブリン重鎖可変領域に組み込まれる(すなわち、V遺伝子セグメントおよびJ遺伝子セグメントならびに/または一つ以上の定常領域に動作可能に連結して配置される)と、一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列を有する遺伝子セグメント(すなわちVおよびJ)の組み換えを施して、特定の抗原への結合を誘導するように多様性(すなわちCDR3多様性)が付加された重鎖によって特徴付けられる抗体を生成する。
【0141】
本明細書では、本明細書に記載の操作されたD領域を構築するための一連のヌクレオチドコード配列(またはヌクレオチドコード配列の組み合わせ)を設計するのに特に有用な対象の異種ポリペプチドが、ケモカイン受容体、コノトキシン、タランチュラ毒素、および/またはこれらの組み合わせを含むという認識を説明している。
【0142】
一部の実施形態では、ケモカイン受容体には、CC−ケモカイン受容体、CXC−ケモカイン受容体、CX3C−ケモカイン受容体、XC−ケモカイン受容体、およびこれらの組み合わせが含まれる。
【0143】
一部の実施形態では、CC−ケモカイン受容体(β−ケモカイン受容体としても知られる)には、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、およびCCR11が含まれる。
【0144】
一部の実施形態では、CXC−ケモカイン受容体には、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、CXCR6、およびCXCR7が含まれる。
【0145】
一部の実施形態では、CX3C−ケモカイン受容体にはCX3CR1が含まれる。
【0146】
一部の実施形態では、XC−ケモカイン受容体にはXCR1が含まれる。
【0147】
一部の実施形態では、コノトキシンには、α−コノトキシン、δ−コノトキシン、κ−コノトキシン、μ−コノトキシン、ω−コノトキシン、およびこれらの組み合わせが含まれる。
【0148】
一部の実施形態では、コノトキシンはμ−コノトキシンであるか、またはそれを含む。
【0149】
一部の実施形態では、タランチュラ毒素には、ProTxI、ProTxII、フエントキシン−IV(HWTX−IV)、おおびこれらの組み合わせが含まれる。
【0150】
いかなる特定の理論に束縛されることも望まないが、本明細書に提供されるデータから明らかになるのは、一部の実施形態では、齧歯類であって、そのゲノムが、異種非定型ケモカイン受容体(例えば、ACKR2であり、D6ケモカインデコイ受容体としても知られる)の細胞外部分に由来する一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列を包含することによって特徴付けられる操作されたD領域を含む、イムノグロブリン重鎖可変遺伝子座を備えた該齧歯類が、異種非定型ケモカイン受容体(例えば、異種D6ケモカインデコイ受容体)のリガンドを結合させるように多様性が付加されたCDR3によって特徴付けられる抗体を生成する、イムノグロブリン重鎖可変領域遺伝子座を効果的に生成することであることに留意する。本明細書に提供されるデータから明らかになるのは、一部の実施形態では、齧歯類であって、そのゲノムが、一つ以上の毒素(例えば、μ−コノトキシンおよび/またはProTxII)の一部に由来する一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列を包含することによって特徴付けられる操作されたD領域を含む、イムノグロブリン重鎖可変遺伝子座を備えた該齧歯類が、異種電位開口型ナトリウムチャネル(例えば、異種Naチャネル)を結合させるように多様性が付加されたCDR3によって特徴付けられる抗体を生成する、イムノグロブリン重鎖可変領域遺伝子座を効果的に生成することであることに留意する。
【0151】
詳細には、本開示が具体的に明らかにするのは、特に、例えばACKR2(すなわち、D6ケモカインデコイ受容体)などのヒト非定型ケモカイン受容体(ACKR)由来の例示的なヌクレオチドコード配列であり、該配列は、VセグメントおよびJセグメントを有するヌクレオチドコード配列の組み換えの結果として生じる多様性を有するCDR3によって特徴付けられる抗体を生成するための、イムノグロブリン重鎖遺伝子座のD領域への組み込みに特に有用であり、かついくつかの炎症性サイトカイン(例えば、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CCL7、CCL8、CCL11、CCL12、CCL13、CCL14、CCL17、CCL22、およびCCL3L1)を遮断するものである。また、本開示が明らかにするのは、コノトキシン(例えば、μ−コノトキシン)およびタランチュラ毒素(例えば、ProTxII)由来の例示的なヌクレオチドコード配列あり、該配列は、VセグメントおよびJセグメントを有するヌクレオチドコード配列の組み換えの結果として生じる多様性を有するCDR3によって特徴付けられる抗体を生成するための、イムノグロブリン重鎖遺伝子座のD領域への組み込みに特に有用であり、かつ電位開口型ナトリウムチャネル(例えば、Na1.7)の活性および/または機能を遮断および/または抑制するものである。したがって、本開示は、少なくとも一部の実施形態では、難治性疾患標的に対する抗体および/または抗体ベースの治療薬を生成するためのインビボシステムの開発を包含する。
【0152】
ヒトACKR(その会合リガンドと併記)の例が、表1に記載されている(例えば、Nibbs,R.J.B.and G.J.Graham,2013,Nature Reviews 13:815−29を参照のこと)。毒素(その会合標的と併記)の例が、表2に記載されている(例えば、Terlau,H.and B.M.Olivera,2004,Physiol.Rev.84(1):41−68を参照のこと)。
【表1】
【表2】
【0153】
ACKR2(D6ケモカインデコイ受容体)コード配列
本明細書に記載の操作されたD領域の構築のためのヒトACKR2(D6ケモカインデコイ受容体)のヌクレオチドコード配列(DNAおよびアミノ酸(AA))の例を表3に記載している。表3に記載された一連のヒトACKR2ヌクレオチドコード配列は、4個の細胞外ドメイン、ジスルフィド結合を除去するためにCysからSerへの置換を有する4個の細胞外ドメイン、4個のCysクロスオーバー(Nterm−EC3、EC3−Nterm、EC1−EC2、EC2−EC1)、ジスルフィド結合を除去するためにCysからSerへの置換を有する4個のCysクロスオーバー、2個のループ融合(Cysが保持されている;Nterm+EC3、EC1+EC2)、および7個の部分ドメインによって特徴付けられている。
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【0154】
操作されたD領域を構築するためのヒトACKR2(D6ケモカインデコイ受容体)ヌクレオチドコード配列を含むDNA断片の例を以下に提示する。
【0155】
D6−DH1166(配列番号131)には、D1−1からD6−6に相当する位置に挿入されるD6コード配列が含まれる:
TACGTAGCCGTTTCGATCCTCCCGAATTGACTAGTGGGTAGGCCTGGCGGCCGCTGCCATTTCATTACCTCTTTCTCCGCACCCGACATAGATACCGGTGGATTCGAATTCTCCCCGTTGAAGCTGACCTGCCCAGAGGGGCCTGGGCCCACCCCACACACCGGGGCGGAATGTGTACAGGCCCCGGTCTCTGTGGGTGTTCCGCTAACTGGGGCTCCCAGTGCTCACCCCACAACTAAAGCGAGCCCCAGCCTCCAGAGCCCCCGAAGGAGATGCCGCCCACAAGCCCAGCCCCCATCCAGGAGGCCCCAGAGCTCAGGGCGCCGGGGCGGATTTTGTACAGCCCCGAGTCACTGTGCGGAAGGATGCTGTGGTTAGCTTTGGCAAAGTTTTCCTGCCACCACAGTGAGAAAAACTGTGTCAAAAACCGTCTCCTGGCCCCTGCTGGAGGCCGCGCCAGAGAGGGGAGCAGCCGCCCCGAACCTAGGTCCTGCTCAGCTCACACGACCCCCAGCACCCAGAGCACAACGGAGTCCCCATTGAATGGTGAGGACGGGGACCAGGGCTCCAGGGGGTCATGGAAGGGGCTGGACCCCATCCTACTGCTATGGTCCCAGTGCTCCTGGCCAGAACTGACCCTACCACCGACAAGAGTCCCTCAGGGAAACGGGGGTCACTGGCACCTCCCAGCATCAACCCCAGGCAGCACAGGCATAAACCCCACATCCAGAGCCGACTCCAGGAGCAGAGACACCCCAGTACCCTGGGGGACACCGACCCTGATGACTCCCCACTGGAATCCACCCCAGAGTCCACCAGGACCAAAGACCCCGCCCCTGTCTCTGTCCCTCACTCAGGACCTGCTGCGGGGCGGGCCATGAGACCAGACTCGGGCTTAGGGAACACCACTGTGGCCCCAACCTCGACCAGGCCACAGGCCCTTCCTTCCTGCCCTGCGGCAGCACAGACTTTGGGGTCTGTGCAGAGAGGAATCACAGAGGCCCCAGGCTGAGGTGGTGGGGGTGGAAGACCCCCAGGAGGTGGCCCACTTCCCTTCCTCCCAGCTGGAACCCACCATGACCTTCTTAAGATAGGGGTGTCATCCGAGGCAGGTCCTCCATGGAGCTCCCTTCAGGCTCCTCCCCGGTCCTCACTAGGCCTCAGTCCCGGCTGCGGGAATGCAGCCACCACAGGCACACCAGGCAGCCCAGACCCAGCCAGCCTGCAGTGCCCAAGCCCACATTCTGGAGCAGAGCAGGCTGTGTCTGGGAGAGTCTGGGCTCCCCACCGCCCCCCCGCACACCCCACCCACCCCTGTCCAGGCCCTATGCAGGAGGGTCAGAGCCCCCCATGGGGTATGGACTTAGGGTCTCACTCACGTGGCTCCCCTCCTGGGTGAAGGGGTCTCATGCCCAGATCCCCACAGCAGAGCTGGTCAAAGGTGGAGGCAGTGGCCCCAGGGCCACCCTGACCTGGACCCTCAGGCTCCTCTAGCCCTGGCTGCCCTGCTGTCCCTGGGAGGCCTGGACTCCACCAGACCACAGGTCCAGGGCACCGCCCATAGGTGCTGCCCACACTCAGTTCACAGGAAGAAGATAAGCTCCAGACCCCCAAGACTGGGACCTGCCTTCCTGCCACCGCTTGTAGCTCCAGACCTCCGTGCCTCCCCCGACCACTTACACACGGGCCAGGGAGCTGTTCCACAAAGATCAACCCCAAACCGGGACCGCCTGGCACTCGGGCCGCTGCCACTTCCCTCTCCATTTGTTCCCAGCACCTCTGTGCTCCCTCCCTCCTCCCTCCTTCAGGGGAACAGCCTGTGCAGCCCCTCCCTGCACCCCACACCCTGGGGAGGCCCAACCCTGCCTCCAGCCCTTTCTCCCCCGCTGCTCTTCCTGCCCATCCAGACAACCCTGGGGTCCCATCCCTGCAGCCTACACCCTGGTCTCCACCCAGACCCCTGTCTCTCCCTCCAGACACCCCTCCCAGGCCAACCCTGCACATGCAGGCCCTCCCCTTTTCTGCTGCCAGAGCCTCAGTTTCTACCCTCTGTGCCTACCCCCTGCCTCCTCCTGCCCACAACTCGAGCTCTTCCTCTCCTGGGGCCCCTGAGCCATGGCACTGACCGTGCACTCCCACCCCCACACTGCCCATGCCCTCACCTTCCTCCTGGACACTCTGACCCCGCTCCCCTCTTGGACCCAGCCCTGGTATTTCCAGGACAAAGGCTCACCCAAGTCTTCCCCATGCAGGCCCTTGCCCTCACTGCCCGGTTACACGGCAGCCTCCTGTGCACAGAAGCAGGGAGCTCAGCCCTTCCACAGGCAGAAGGCACTGAAAGAAATCGGCCTCCAGCACCCTGATGCACGTCCGCCTGTGTCTCTCACTGCCCGCACCTGCAGGGAGGCTCGGCACTCCCTGTAAAGACGAGGGATCCAGGCAGCAACATCATGGGAGAATGCAGGGCTCCCAGACAGCCCAGCCCTCTCGCAGGCCTCTCCTGGGAAGAGACCTGCAGCCACCACTGAACAGCCACGGAGCCCGCTGGATAGTAACTGAGTCAGTGACCGACCTGGAGGGCAGGGGAGCAGTGAACCGGAGCCCAGACCATAGGGACAGAGACCAGCCGCTGACATCCCGAGCCCCTCACTGGCGGCCCCAGAACACCGCGTGGAAACAGAACAGACCCACATTCCCACCTGGAACAGGGCAGACACTGCTGAGCCCCCAGCACCAGCCCTGAGAAACACCAGGCAACGGCATCAGAGGGGGCTCCTGAGAAAGAAAGGAGGGGAGGTCTCCTTCACCAGCAAGTACTTCCCTTGACCAAAAACAGGGTCCACGCAACTCCCCCAGGACAAAGGAGGAGCCCCCTGTACAGCACTGGGCTCAGAGTCCTCTCCCACACACCCTGAGTTTCAGACAAAAACCCCCTGGAAATCATAGTATCAGCAGGAGAACTAGCCAGAGACAGCAAGAGGGGACTCAGTGACTCCCGCGGGGACAGGAGGATTTTGTGGGGGCTCGTGTCACTGTGCTGCATACCCTGCTGGACCTGCAAGTATTCGGCAACTGTGAGGTTAGCCAGCATCTAGACTATGCCCACAGTGACACAGCCCCATTCAAAAACCCCTGCTGTAAACGCTTCCACTTCTGGAGCTGAGGGGCTGGGGGGAGCGTCTGGGAAGTAGGGCCTAGGGGTGGCCATCAATGCCCAAAACGCACCAGACTCCCCCCCAGACATCACCCCACTGGCCAGTGAGCAGAGTAAACAGAAAATGAGAAGCAGCTGGGAAGCTTGCACAGGCCCCAAGGAAAGAGCTTTGGCGGGTGTGCAAGAGGGGATGCGGGCAGAGCCTGAGCAGGGCCTTTTGCTGTTTCTGCTTTCCTGTGCAGATAGTTCCATAAACTGGTGTTCAAGATCGATGGCTGGGAGTGAGCCCAGGAGGACAGTGTGGGAAGGGCACAGGGAAGGAGAAGCAGCCGCTATCCTACACTGTCATCTTTCAAGAGTTTGCCCTGTGCCCACAATGCTGCATCATGGGATGCTTAACAGCTGATGTAGACACAGCTAAAGAGAGAATCAGTGAAATGGATTTGCAGCACAGATCTGAATAAATTCTCCAGAATGTGGAGCCACACAGAAGCAAGCACAAGGAAAGTGCCTGATGCAAGGGCAAAGTACAGTGTGTACCTTCAGGCTGGGCACAGACACTCTGAAAAGCCTTGGCAGGAACTCCCTGCAACAAAGCAGAGCCCTGCAGGCAATGCCAGCTCCAGAGCCCTCCCTGAGAGCCTCATGGGCAAAGATGTGCACAACAGGTGTTTCTCATAGCCCCAAACTGAGAATGAAGCAAACAGCCATCTGAAGGAAAACAGGCAAATAAACGATGGCAGGTTCATGAAATGCAAACCCAGACAGCCAGAAGGACAACAGTGAGGGTTACAGGTGACTCTGTGGTTGAGTTCATGACAATGCTGAGTAATTGGAGTAACAAAGGAAAGTCCAAAAAATACTTTCAATGTGATTTCTTCTAAATAAAATTTACAGCCGGCAAAATGAACTATCTTCTTAAGGGATAAACTTTCCACTAGGAAAACTATAAGGAAAATCAAGAAAAGGATGATCACATAAACACAGTGGTCGTTACTTCTACTGGGGAAG
GAAGAGGGTATGAACTGAGACACACAGGGTTGGCAAGTCTCCTAACAAGAACAGAACAAATACATTACAGTACCTTGAAAACAGCAGTTAAAATTCTAAATTGCAAGAAGAGGAAAATGCACACAGCTGTGTTTAGAAAATTCTCAGTCCAGCACTGTTCATAATAGCAAAGACATTAACCCAGGTTGGATAAATAAACGATGACACAGGCAATTGCACAATGATACAGACATACATTCAGTATATGAGACATTGATGATGTATCCCCAAAGAAATGACTTTAAAGAGAAAAGGCCTGATATGTGGTGGCACTCACCTCCCTGGGCATCCCCGGACAGGCTGCAGGCACACTGTGTGGCAGGGCAGGCTGGTACCTGCTGGCAGCTCCTGGGGCCTGATGTGGAGCAGGCACAGAGCCGTATCCCCCCGAGGACATATACCCCCAAGGACGGCACAGTTGGTACATTCCGGAGACAAGCAACTCAGCCACACTCCCAGGCCAGAGCCCGAGAGGGACGCCCATGCACAGGGAGGCAGAGCCCAGCTCCTCCACAGCCAGCAGCACCCGTGCAGGGGCCGCCATCTGGCAGGCACAGAGCATGGGCTGGGAGGAGGGGCAGGGACACCAGGCAGGGTTGGCACCAACTGAAAATTACAGAAGTCTCATACATCTACCTCAGCCTTGCCTGACCTGGGCCTCACCTGACCTGGACCTCACCTGGCCTGGACCTCACCTGGCCTAGACCTCACCTCTGGGCTTCACCTGAGCTCGGCCTCACCTGACTTGGACCTTGCCTGTCCTGAGCTCACATGATCTGGGCCTCACCTGACCTGGGTTTCACCTGACCTGGGCTTCACCTGACCTGGGCCTCATCTGACCTGGGCCTCACTGGCCTGGACCTCACCTGGCCTGGGCTTCACCTGGCCTCAGGCCTCATCTGCACCTGCTCCAGGTCTTGCTGGAACCTCAGTAGCACTGAGGCTGCAGGGGCTCATCCAGGGTTGCAGAATGACTCTAGAACCTCCCACATCTCAGCTTTCTGGGTGGAGGCACCTGGTGGCCCAGGGAATATAAAAAGCCTGAATGATGCCTGCGTGATTTGGGGGCAATTTATAAACCCAAAAGGACATGGCCATGCAGCGGGTAGGGACAATACAGACAGATATCAGCCTGAAATGGAGCCTCAGGGCACAGGTGGGCACGGACACTGTCCACCTAAGCCAGGGGCAGACCCGAGTGTCCCCGCAGTAGACCTGAGAGCGCTGGGCCCACAGCCTCCCCTCGGTGCCCTGCTACCTCCTCAGGTCAGCCCTGGACATCCCGGGTTTCCCCAGGCCTGGCGGTAGGATTTTGTTGAGGTCTGTGTCACTGTGCATGGCAGCTACTGCCAGCCCGCAGCCACTGGCTACTGAGGATGCCGATTCTGAGAATAGCAGCTTCTACTACTATGACTACCTGGATGAAGTAGCTTTCATGCTCTGCCGGAAGGATGCTGTGGTTAGCTTTGGCAAAGTTTTCCTGCCACCACAGTGTCACAGAGTCCATCAAAAACCCATCCCTGGGAACCTTCTGCCACAGCCCTCCCTGTGGGGCACCGCCGCGTGCCATGTTAGGATTTTGACTGAGGACACAGCACCATGGGTATGGTGGCTACCGCAGCAGTGCAGCCCGTGACCCAAACACACAGGGCAGCAGGCACAACAGACAAGCCCACAAGTGACCACCCTGAGCTCCTGCCTGCCAGCCCTGGAGACCATGAAACAGATGGCCAGGATTATCCCATAGGTCAGCCAGACCTCAGTCCAACAGGTCTGCATCGCTGCTGCCCTCCAATACCAGTCCGGATGGGGACAGGGCTGGCCCACATTACCATTTGCTGCCATCCGGCCAACAGTCCCAGAAGCCCCTCCCTCAAGGCTGGGCCACATGTGTGGACCCTGAGAGCCCCCCATGTCTGAGTAGGGGCACCAGGAAGGTGGGGCTGGCCCTGTGCACTGTCCCTGCCCCTGTGGTCCCTGGCCTGCCTGGCCCTGACACCTGGGCCTCTCCTGGGTCATTTCCAAGACAGAAGACATTCCCAGGACAGCTGGAGCTGGGAGTCCATCATCCTGCCTGGCCGTCCTGAGTCCTGCGCCTTTCCAAACCTCACCCGGGAAGCCAACAGAGGAATCACCTCCCACAGGCAGAGACAAAGACCTTCCAGAAATCTCTGTCTCTCTCCCCAGTGGGCACCCTCTTCCAGGGCAGTCCTCAGTGATATCACAGTGGGAACCCACATCTGGATCGGGACTGCCCCCAGAACACAAGATGGCCCACAGGGACAGCCCCACAGCCCAGCCCTTCCCAGACCCCTAAAAGGCGTCCCACCCCCTGCATCTGCCCCAGGGCTCAAACTCCAGGAGGACTGACTCCTGCACACCCTCCTGCCAGACATCACCTCAGCCCCTCCTGGAAGGGACAGGAGCGCGCAAGGGTGAGTCAGACCCTCCTGCCCTCGATGGCAGGCGGAGAAGATTCAGAAAGGTCTGAGATCCCCAGGACGCAGCACCACTGTCAATGGGGGCCCCAGACGCCTGGACCAGGGCCTGCGTGGGAAAGGCCTCTGGGCACACTCAGGGGGATTTTGTGAAGGGTCCTCCCACTGTGCATGGCAGCTACTGCCAGCCCGCAGCCACTGGCTACTGAGGATGCCGATTCTGAGAATAGCAGCTTCTACTACTATGACTACCTGGATGAAGTAGCTTTCATGCTCTGCCGGAAGGATGCTGTGGTTAGCTTTGGCAAAGTTTTCCTGCCACTGCATACCCTGCTGGACCTGCAAGTATTCGGCAACTGTGAGGTTAGCCAGCATCTAGACTATGCCCACAGTGATGAACCCAGCATCAAAAACCGACCGGACTCCCAAGGTTTATGCACACTTCTCCGCTCAGAGCTCTCCAGGATCAGAAGAGCCGGGCCCAAGGGTTTCTGCCCAGACCCTCGGCCTCTAGGGACATCTTGGCCATGACAGCCCATGGGCTGGTGCCCCACACATCGTCTGCCTTCAAACAAGGGCTTCAGAGGGCTCTGAGGTGACCTCACTGATGACCACAGGTGCCCTGGCCCCTTCCCCACCAGCTGCACCAGACCCCGTCATGACAGATGCCCCGATTCCAACAGCCAATTCCTGGGGCCAGGAATCGCTGTAGACACCAGCCTCCTTCCAACACCTCCTGCCAATTGCCTGGATTCCCATCCCGGTTGGAATCAAGAGGACAGCATCCCCCAGGCTCCCAACAGGCAGGACTCCCACACCCTCCTCTGAGAGGCCGCTGTGTTCCGTAGGGCCAGGCTGCAGACAGTCCCCCTCACCTGCCACTAGACAAATGCCTGCTGTAGATGTCCCCACCTGGAAAATACCACTCATGGAGCCCCCAGCCCCAGGTACAGCTGTAGAGAGAGTCTCTGAGGCCCCTAAGAAGTAGCCATGCCCAGTTCTGCCGGGACCCTCGGCCAGGCTGACAGGAGTGGACGCTGGAGCTGGGCCCATACTGGGCCACATAGGAGCTCACCAGTGAGGGCAGGAGAGCACATGCCGGGGAGCACCCAGCCTCCTGCTGACCAGAGGCCCGTCCCAGAGCCCAGGAGGCTGCAGAGGCCTCTCCAGGGGGACACTGTGCATGTCTGGTCCCTGAGCAGCCCCCCACGTCCCCAGTCCTGGGGGCCCCTGGCACAGCTGTCTGGACCCTCTCTATTCCCTGGGAAGCTCCTCCTGACAGCCCCGCCTCCAGTTCCAGGTGTGGATTTTGTCAGGGGGTGTCACACTGTGCAGCTTCTTGTGCAAGCACAGTGGTGCTGCCCATATCAAAAACCAGGCCAAGTAGACAGGCCCCTGCTGTGCAGCCCCAGGCCTCCAGCTCACCTGCTTCTCCTGGGGCTCTCAAGGCTGCTGTTTTCTGCACTCTCCCCTCTGTGGGGAGGGTTCCCTCAGTGGGAGATCTGTTCTCAACATCCCACGGCCTCATTCCTGCAAGGAAGGCCAATGGATGGGCAACCTCACATGCCGCGGCTAAGATAGGGTGGGCAGCCTGGCGGGGACAGGACATCCTGCTGGGGTATCTGTCACTGTGCCTAGTGGGGCACTGGCTCCCAAACAACGCAGTCCTTGCCAAAATCCCCACGGCCTCCCCCGCTAGGGGCTGGCCTGATCTCCTGCAGTCCTAGGAGGCTGCTGACCTCCAGAATGGCTCCGTCCCCAGTTCCAGGGCGAGAGCAGATCCCAGGCCGGCTGCAGACTGGGAGGCCACCCCCTCCTTCCCAGGGTTCACTGCAGGTGACCAGGGCAGGAAATGGCCTGAACACAGGGATAACCGGGCCATCCCCCAACAGAGTCCACCCCCTCCTGCTCTGTACCCCGCACCCCCCAGGCCAGCCCATGACATCCGACAACCCCACACCAGAGTCACTGCCCGGTGCTGCCCTAGGGAGGACCCCTCAGCCCCCACCCTGTCTAGAGGACTGGGGAGGACAGGACACGCCCTCTCCTTATGGTTCCCCCACCTGGCTCTGGCTGGGACCCTTGGGGTGTGGACAGAAAGGACGCTTGCCTGATTGGCCCCCAGGAGCCCAGAACTTCTCTCCAGGGACCCCAGCCCGAGCACCCCCTTACCCAGGACCCAGCCCTGCCCCTCCTCCCCTCTGCTCTCCTCTCATCACCCCATGGGAATCCAGAATCCCCAGGAAGCCATCAGGAAGGGCTGAGGGAGGAAGTGGGGCCACTGCACCACCAGGCAGGAGGCTCTGTCTTTGTGAACCCAGGGAGGTGCCAGCCTCCTAGAGGGTATGGTCCACCCTGCCTATGGCTCCCACAGTGGCAGGCTGCAGGGAAGGACCAGGGACGGTGTGGGGGAGGGCTCAGGGCCCCGCGGGTGCTCCATCTTGGATGAGCCTATCTCTCTCACCCACGGACTCGCCCACCTCCTCTTCACCCTGGCCACACGTCGTCCACACCATCCTAAGTCCCACCTACACCAGAGCCGGCACAGCCAGTGCAGACAGAGGCTGGGGTGCAGGGGGGCCGACTGGGCAGCTTCGGGGAGGGAGGAATGGAGGAAGGGGAGTTCAGTGAAGAGGCCCCCCTCCCCTGGGTCCAGGATCCTCCTCTGGGACCCCCGGATCCCATCCCCTCCAGGCTCTGGGAGGAGAAGCAGGATGGGAGAATCTGTGCGGGACCCTCTCACAGTGGAATACCTCCACAGCGGCTCAGGCCAGATACAAAAGCCCCTCAGTGAGCCCTCCACTGCAGTGCTGGGCCTGGGGGCAGCCGCTCCCACACAGGATGAACCCAGCACCCCGAGGATGTCCTGCCAGGGGGAGCTCAGAGCCATGAAGGAGCAGGATATGGGACCCCCGATACAGGCACAGACCTCAGCTCCATTCAGGACTGCCACGTCCTGCCCTGGGAGGAACCCCTTTCTCTAGTCCCTGCAGGCCAGGAGGCAGCTGACTCCTGACTTGGACGCCTATTCCAGACACCAGACAGAGGGGCAGGCCCCCCAGAACCAGGGATGAGGACGCCCCGTCAAGGCCAGAAAAGACCAAGTTGCGCTGAGCCCAGCAAGGGAAGGTCCCCAAACAAACCAGGAGGATTTTGTAGGTGTCTGTGTCACTGTGCAAACCCATGAAAACCCCAAGGGAGTTTGGAACTGCCATGCCGATTTCGGCGGGCATGGCACCATTTGGAAGCTCTTCCTCCGGTTCCAGCAGAACCTGCTACCACAGTGACACTCGCCAGGTCAAAAACCCCATCCCAAGTCAGCGGAATGCAGAGAGAGCAGGGAGGACATGTTTAGGATCTGAGGCCGCACCTGACACCCAGGCCAGCAGACGTCTCCTGTCCACGGCACCCTGCCATGTCCTGCATTTCTGGAAGAACAAGGGCAGGCTGAAGGGGGTCCAGGACCAGGAGATGGGTCCGCTCTACCCAGAGAAGGAGCCAGGCAGGACACAAGCCCCCACGCGTGGGCTCGTAGTTTGACGTGCGTGAAGTGTGGGTAAGAAAGTACGTA
【0156】
D6−D17613(配列番号132)には、D1−7からD6−13に相当する位置に挿入されるD6コード配列が含まれる:
GCGGCCGCTGCCATTTCATTACCTCTTTCTCCGCACCCGACATAGATTACGTAACGCGTGGGCTCGTAGTTTGACGTGCGTGAAGTGTGGGTAAGAAAGTCCCCATTGAGGCTGACCTGCCCAGAGGGTCCTGGGCCCACCCAACACACCGGGGCGGAATGTGTGCAGGCCTCGGTCTCTGTGGGTGTTCCGCTAGCTGGGGCTCACAGTGCTCACCCCACACCTAAAACGAGCCACAGCCTCCGGAGCCCCTGAAGGAGACCCCGCCCACAAGCCCAGCCCCCACCCAGGAGGCCCCAGAGCACAGGGCGCCCCGTCGGATTTTGTACAGCCCCGAGTCACTGTGCAGCTTCTTGCACAGTGAGAAAAGCTTCGTCAAAAACCGTCTCCTGGCCACAGTCGGAGGCCCCGCCAGAGAGGGGAGCAGCCACCCCAAACCCATGTTCTGCCGGCTCCCATGACCCCGTGCACCTGGAGCCCCACGGTGTCCCCACTGGATGGGAGGACAAGGGCCGGGGGCTCCGGCGGGTCGGGGCAGGGGCTTGATGGCTTCCTTCTGCCGTGGCCCCATTGCCCCTGGCTGGAGTTGACCCTTCTGACAAGTGTCCTCAGAGAGTCAGGGATCAGTGGCACCTCCCAACATCAACCCCACGCAGCCCAGGCACAAACCCCACATCCAGGGCCAACTCCAGGAACAGAGACACCCCAATACCCTGGGGGACCCCGACCCTGATGACTCCCGTCCCATCTCTGTCCCTCACTTGGGGCCTGCTGCGGGGCGAGCACTTGGGAGCAAACTCAGGCTTAGGGGACACCACTGTGGGCCTGACCTCGAGCAGGCCACAGACCCTTCCCTCCTGCCCTGGTGCAGCACAGACTTTGGGGTCTGGGCAGGGAGGAACTTCTGGCAGGTCACCAAGCACAGAGCCCCCAGGCTGAGGTGGCCCCAGGGGGAACCCCAGCAGGTGGCCCACTACCCTTCCTCCCAGCTGGACCCCATGTCTTCCCCAAGATAGGGGTGCCATCCAAGGCAGGTCCTCCATGGAGCCCCCTTCAGGCTCCTCTCCAGACCCCACTGGGCCTCAGTCCCCACTCTAGGAATGCAGCCACCACGGGCACACCAGGCAGCCCAGGCCCAGCCACCCTGCAGTGCCCAAGCCCACACCCTGGAGGAGAGCAGGGTGCGTCTGGGAGGGGCTGGGCTCCCCACCCCCACCCCCACCTGCACACCCCACCCACCCTTGCCCGGGCCCCCTGCAGGAGGGTCAGAGCCCCCATGGGATATGGACTTAGGGTCTCACTCACGCACCTCCCCTCCTGGGAGAAGGGGTCTCATGCCCAGATCCCCCCAGCAGCGCTGGTCACAGGTAGAGGCAGTGGCCCCAGGGCCACCCTGACCTGGCCCCTCAGGCTCCTCTAGCCCTGGCTGCCCTGCTGTCCCTGGGAGGCCTGGGCTCCACCAGACCACAGGTCTAGGGCACCGCCCACACTGGGGCCGCCCACACACAGCTCACAGGAAGAAGATAAGCTCCAGACCCCCAGGCCCGGGACCTGCCTTGCTGCTACGACTTCCTGCCCCAGACCTCGTTGCCCTCCCCCGTCCACTTACACACAGGCCAGGAAGCTGTTCCCACACAGACCAACCCCAGACGGGGACCACCTGGCACTCAGGTCACTGCCATTTCCTTCTCCATTCACTTCCAATGCCTCTGTGCTTCCTCCCTCCTCCTTCCTTCGGGGGAGCACCCTGTGCAGCTCCTCCCTGCAGTCCACACCCTGGGGAGACCCGACCCTGCAGCCCACACCCTGGGGAGACCTGACCCTCCTCCAGCCCTTTCTCCCCCGCTGCTCTTGCCACCCACCAAGACAGCCCTGGGGTCCTGTCCCTACAGCCCCCACCCAGTTCTCTACCTAGACCCGTCTTCCTCCCTCTAAACACCTCTCCCAGGCCAACCCTACACCTGCAGGCCCTCCCCTCCACTGCCAAAGACCCTCAGTTTCTCCTGCCTGTGCCCACCCCCGTGCTCCTCCTGCCCACAGCTCGAGCTCTTCCTCTCCTAGGGCCCCTGAGGGATGGCATTGACCGTGCCCTCGCACCCACACACTGCCCATGCCCTCACATTCCTCCTGGCCACTCCAGCCCCACTCCCCTCTCAGGCCTGGCTCTGGTATTTCTGGGACAAAGCCTTACCCAAGTCTTTCCCATGCAGGCCTGGGCCCTTACCCTCACTGCCCGGTTACAGGGCAGCCTCCTGTGCACAGAAGCAGGGAGCTCAGCCCTTCCACAGGCAGAAGGCACTGAAAGAAATCGGCCTCCAGCGCCTTGACACACGTCTGCCTGTGTCTCTCACTGCCCGCACCTGCAGGGAGGCTCGGCACTCCCTCTAAAGACGAGGGATCCAGGCAGCAGCATCACAGGAGAATGCAGGGCTACCAGACATCCCAGTCCTCTCACAGGCCTCTCCTGGGAAGAGACCTGAAGACGCCCAGTCAACGGAGTCTAACACCAAACCTCCCTGGAGGCCGATGGGTAGTAACGGAGTCATTGCCAGACCTGGAGGCAGGGGAGCAGTGAGCCCGAGCCCACACCATAGGGCCAGAGGACAGCCACTGACATCCCAAGCCACTCACTGGTGGTCCCACAACACCCCATGGAAAGAGGACAGACCCACAGTCCCACCTGGACCAGGGCAGAGACTGCTGAGACCCAGCACCAGAACCAACCAAGAAACACCAGGCAACAGCATCAGAGGGGGCTCTGGCAGAACAGAGGAGGGGAGGTCTCCTTCACCAGCAGGCGCTTCCCTTGACCGAAGACAGGATCCATGCAACTCCCCCAGGACAAAGGAGGAGCCCCTTGTTCAGCACTGGGCTCAGAGTCCTCTCCAAGACACCCAGAGTTTCAGACAAAAACCCCCTGGAATGCACAGTCTCAGCAGGAGAGCCAGCCAGAGCCAGCAAGATGGGGCTCAGTGACACCCGCAGGGACAGGAGGATTTTGTGGGGGCTCGTGTCACTGTGCTGCATACCCTGCTGGACCTGCAAGTATTCGGCAACAGTGAGGTTAGCCAGCATCTAGACTATGCCCACAGTGACACAGCCCCATTCAAAAACCCCTACTGCAAACGCATTCCACTTCTGGGGCTGAGGGGCTGGGGGAGCGTCTGGGAAATAGGGCTCAGGGGTGTCCATCAATGCCCAAAACGCACCAGACTCCCCTCCATACATCACACCCACCAGCCAGCGAGCAGAGTAAACAGAAAATGAGAAGCAAGCTGGGGAAGCTTGCACAGGCCCCAAGGAAAGAGCTTTGGCGGGTGTGTAAGAGGGGATGCGGGCAGAGCCTGAGCAGGGCCTTTTGCTGTTTCTGCTTTCCTGTGCAGAGAGTTCCATAAACTGGTGTTCGAGATCAATGGCTGGGAGTGAGCCCAGGAGGACAGCGTGGGAAGAGCACAGGGAAGGAGGAGCAGCCGCTATCCTACACTGTCATCTTTCGAAAGTTTGCCTTGTGCCCACACTGCTGCATCATGGGATGCTTAACAGCTGATGTAGACACAGCTAAAGAGAGAATCAGTGAGATGGATTTGCAGCACAGATCTGAATAAATTCTCCAGAATGTGGAGCAGCACAGAAGCAAGCACACAGAAAGTGCCTGATGCAAGGACAAAGTTCAGTGGGCACCTTCAGGCATTGCTGCTGGGCACAGACACTCTGAAAAGCCCTGGCAGGAACTCCCTGTGACAAAGCAGAACCCTCAGGCAATGCCAGCCCCAGAGCCCTCCCTGAGAGCCTCATGGGCAAAGATGTGCACAACAGGTGTTTCTCATAGCCCCAAACTGAGAGCAAAGCAAACGTCCATCTGAAGGAGAACAGGCAAATAAACGATGGCAGGTTCATGAAATGCAAACCCAGACAGCCACAAGCACAAAAGTACAGGGTTATAAGCGACTCTGGTTGAGTTCATGACAATGCTGAGTAATTGGAGTAACAAAGTAAACTCCAAAAAATACTTTCAATGTGATTTCTTCTAAATAAAATTTACACCCTGCAAAATGAACTGTCTTCTTAAGGGATACATTTCCCAGTTAGAAAACCATAAAGAAAACCAAGAAAAGGATGATCACATAAACACAGTGGTGGTTACTTCTGCTGGGGAAGGAAGAGGGTATGAACTGAGATACACAGGGTGGGCAAGTCTCCTAACAAGAACAGAACGAATACATTACAGTACCTTGAAAACAGCAGTTAAACTTCTAAATTGCAAGAAGAGGAAAATGCACACAGTTGTGTTTAGAAAATTCTCAGTCCAGCACTGTTCATAATAGCAAAGACATTAACCCAGGTCGGATAAATAAGCGATGACACAGGCAATTGCACAATGATACAGACATATATTTAGTATATGAGACATCGATGATGTATCCCCAAATAAACGACTTTAAAGAGATAAAGGGCTGATGTGTGGTGGCATTCACCTCCCTGGGATCCCCGGACAGGTTGCAGGCTCACTGTGCAGCAGGGCAGGCGGGTACCTGCTGGCAGTTCCTGGGGCCTGATGTGGAGCAAGCGCAGGGCCATATATCCCGGAGGACGGCACAGTCAGTGAATTCCAGAGAGAAGCAACTCAGCCACACTCCCCAGGCAGAGCCCGAGAGGGACGCCCACGCACAGGGAGGCAGAGCCCAGCACCTCCGCAGCCAGCACCACCTGCGCACGGGCCACCACCTTGCAGGCACAGAGTGGGTGCTGAGAGGAGGGGCAGGGACACCAGGCAGGGTGAGCACCCAGAGAAAACTGCAGACGCCTCACACATCCACCTCAGCCTCCCCTGACCTGGACCTCACT
GGCCTGGGCCTCACTTAACCTGGGCTTCACCTGACCTTGGCCTCACCTGACTTGGACCTCGCCTGTCCCAAGCTTTACCTGACCTGGGCCTCAACTCACCTGAACGTCTCCTGACCTGGGTTTAACCTGTCCTGGAACTCACCTGGCCTTGGCTTCCCCTGACCTGGACCTCATCTGGCCTGGGCTTCACCTGGCCTGGGCCTCACCTGACCTGGACCTCATCTGGCCTGGACCTCACCTGGCCTGGACTTCACCTGGCCTGGGCTTCACCTGACCTGGACCTCACCTGGCCTCGGGCCTCACCTGCACCTGCTCCAGGTCTTGCTGGAGCCTGAGTAGCACTGAGGGTGCAGAAGCTCATCCAGGGTTGGGGAATGACTCTAGAAGTCTCCCACATCTGACCTTTCTGGGTGGAGGCAGCTGGTGGCCCTGGGAATATAAAAATCTCCAGAATGATGACTCTGTGATTTGTGGGCAACTTATGAACCCGAAAGGACATGGCCATGGGGTGGGTAGGGACATAGGGACAGATGCCAGCCTGAGGTGGAGCCTCAGGACACAGGTGGGCACGGACACTATCCACATAAGCGAGGGATAGACCCGAGTGTCCCCACAGCAGACCTGAGAGCGCTGGGCCCACAGCCTCCCCTCAGAGCCCTGCTGCCTCCTCCGGTCAGCCCTGGACATCCCAGGTTTCCCCAGGCCTGGCGGTAGGATTTTGTTGAGGTCTGTGTCACTGTGCATGGCAGCTACTGCCAGCCCGCAGCCACTGGCTACTGAGGATGCCGATTCTGAGAATAGCAGCTTCTACTACTATGACTACCTGGATGAAGTAGCTTTCATGCTCCACAGTGTCACAGAGTCCATCAAAAACCCATGCCTGGAAGCTTCCCGCCACAGCCCTCCCCATGGGGCCCTGCTGCCTCCTCAGGTCAGCCCCGGACATCCCGGGTTTCCCCAGGCTGGGCGGTAGGATTTTGTTGAGGTCTGTGTCACTGTGCCAAACCCATGAAAACCCCAAGGGAGTTTGGAACAGCCATGCCGATTTCGGCGGGCATGGCACCATTTGGAAGCTCTTCCTCCGGTTCCAGCAGAACCTGCTACCCACAGTGTCACAGAGTCCATCAAAAACCCATCCCTGGGAGCCTCCCGCCACAGCCCTCCCTGCAGGGGACCGGTACGTGCCATGTTAGGATTTTGATCGAGGAGACAGCACCATGGGTATGGTGGCTACCACAGCAGTGCAGCCTGTGACCCAAACCCGCAGGGCAGCAGGCACGATGGACAGGCCCGTGACTGACCACGCTGGGCTCCAGCCTGCCAGCCCTGGAGATCATGAAACAGATGGCCAAGGTCACCCTACAGGTCATCCAGATCTGGCTCCGAGGGGTCTGCATCGCTGCTGCCCTCCCAACGCCAGTCCAAATGGGACAGGGACGGCCTCACAGCACCATCTGCTGCCATCAGGCCAGCGATCCCAGAAGCCCCTCCCTCAAGGCTGGGCACATGTGTGGACACTGAGAGCCCTCATATCTGAGTAGGGGCACCAGGAGGGAGGGGCTGGCCCTGTGCACTGTCCCTGCCCCTGTGGTCCCTGGCCTGCCTGGCCCTGACACCTGAGCCTCTCCTGGGTCATTTCCAAGACAGAAGACATTCCTGGGGACAGCCGGAGCTGGGCGTCGCTCATCCTGCCCGGCCGTCCTGAGTCCTGCTCATTTCCAGACCTCACCGGGGAAGCCAACAGAGGACTCGCCTCCCACATTCAGAGACAAAGAACCTTCCAGAAATCCCTGCCTCTCTCCCCAGTGGACACCCTCTTCCAGGACAGTCCTCAGTGGCATCACAGCGGCCTGAGATCCCCAGGACGCAGCACCGCTGTCAATAGGGGCCCCAAATGCCTGGACCAGGGCCTGCGTGGGAAAGGCCTCTGGCCACACTCGGGGATTTTGTGAAGGGCCCTCCCACTGTGCCAGCTTCTTGAGCCATGCCGATTTCGGCGGGCATGGCACCATTTGGAAGCTCTTCCTCCGGTTCCAGCAGAACCTGCTACCACAGTGATGAACCCAGTGTCAAAAACCGGCTGGAAACCCAGGGGCTGTGTGCACGCCTCAGCTTGGAGCTCTCCAGGAGCACAAGAGCCGGGCCCAAGGATTTGTGCCCAGACCCTCAGCCTCTAGGGACACCTGGGTCATCTCAGCCTGGGCTGGTGCCCTGCACACCATCTTCCTCCAAATAGGGGCTTCAGAGGGCTCTGAGGTGACCTCACTCATGACCACAGGTGACCTGGCCCTTCCCTGCCAGCTATACCAGACCCTGTCTTGACAGATGCCCCGATTCCAACAGCCAATTCCTGGGACCCTGAATAGCTGTAGACACCAGCCTCATTCCAGTACCTCCTGCCAATTGCCTGGATTCCCATCCTGGCTGGAATCAAGAAGGCAGCATCCGCCAGGCTCCCAACAGGCAGGACTCCCGCACACCCTCCTCTGAGAGGCCGCTGTGTTCCGCAGGGCCAGGCCCTGGACAGTTCCCCTCACCTGCCACTAGAGAAACACCTGCCATTGTCGTCCCCACCTGGAAAAGACCACTCGTGGAGCCCCCAGCCCCAGGTACAGCTGTAGAGACAGTCCTCGAGGCCCCTAAGAAGGAGCCATGCCCAGTTCTGCCGGGACCCTCGGCCAGGCCGACAGGAGTGGACGCTGGAGCTGGGCCCACACTGGGCCACATAGGAGCTCACCAGTGAGGGCAGGAGAGCACATGCCGGGGAGCACCCAGCCTCCTGCTGACCAGAGGCCCGTCCCAGAGCCCAGGAGGCTGCAGAGGCCTCTCCAGGGAGACACTGTGCATGTCTGGTACCTAAGCAGCCCCCCACGTCCCCAGTCCTGGGGGCCCCTGGCTCAGCTGTCTGGGCCCTCCCTGCTCCCTGGGAAGCTCCTCCTGACAGCCCCGCCTCCAGTTCCAGGTGTGGATTTTGTCAGGCGATGTCACACTGTGCAGCTTCTTGAGCAAGCACAGTGGTGCCGCCCATATCAAAAACCAGGCCAAGTAGACAGGCCCCTGCTGCGCAGCCCCAGGCATCCACTTCACCTGCTTCTCCTGGGGCTCTCAAGGCTGCTGTCTGTCCTCTGGCCCTCTGTGGGGAGGGTTCCCTCAGTGGGAGGTCTGTGCTCCAGGGCAGGGATGATTGAGATAGAAATCAAAGGCTGGCAGGGAAAGGCAGCTTCCCGCCCTGAGAGGTGCAGGCAGCACCACGGAGCCACGGAGTCACAGAGCCACGGAGCCCCCATTGTGGGCATTTGAGAGTGCTGTGCCCCCGGCAGGCCCAGCCCTGATGGGGAAGCCTGTCCCATCCCACAGCCCGGGTCCCACGGGCAGCGGGCACAGAAGCTGCCAGGTTGTCCTCTATGATCCTCATCCCTCCAGCAGCATCCCCTCCACAGTGGGGAAACTGAGGCTTGGAGCACCACCCGGCCCCCTGGAAATGAGGCTGTGAGCCCAGACAGTGGGCCCAGAGCACTGTGAGTACCCCGGCAGTACCTGGCTGCAGGGATCAGCCAGAGATGCCAAACCCTGAGTGACCAGCCTACAGGAGGATCCGGCCCCACCCAGGCCACTCGATTAATGCTCAACCCCCTGCCCTGGAGACCTCTTCCAGTACCACCAGCAGCTCAGCTTCTCAGGGCCTCATCCCTGCAAGGAAGGTCAAGGGCTGGGCCTGCCAGAAACACAGCACCCTCCCTAGCCCTGGCTAAGACAGGGTGGGCAGACGGCTGTGGACGGGACATATTGCTGGGGCATTTCTCACTGTCACTTCTGGGTGGTAGCTCTGACAAAAACGCAGACCCTGCCAAAATCCCCACTGCCTCCCGCTAGGGGCTGGCCTGGAATCCTGCTGTCCTAGGAGGCTGCTGACCTCCAGGATGGCTCCGTCCCCAGTTCCAGGGCGAGAGCAGATCCCAGGCAGGCTGTAGGCTGGGAGGCCACCCCTGCCCTTGCCGGGGTTGAATGCAGGTGCCCAAGGCAGGAAATGGCATGAGCACAGGGATGACCGGGACATGCCCCACCAGAGTGCGCCCCTTCCTGCTCTGCACCCTGCACCCCCCAGGCCAGCCCACGACGTCCAACAACTGGGCCTGGGTGGCAGCCCCACCCAGACAGGACAGACCCAGCACCCTGAGGAGGTCCTGCCAGGGGGAGCTAAGAGCCATGAAGGAGCAAGATATGGGGCCCCCGATACAGGCACAGATGTCAGCTCCATCCAGGACCACCCAGCCCACACCCTGAGAGGAACGTCTGTCTCCAGCCTCTGCAGGTCGGGAGGCAGCTGACCCCTGACTTGGACCCCTATTCCAGACACCAGACAGAGGCGCAGGCCCCCCAGAACCAGGGTTGAGGGACGCCCCGTCAAAGCCAGACAAAACCAAGGGGTGTTGAGCCCAGCAAGGGAAGGCCCCCAAACAGACCAGGAGGATTTTGTAGGTGTCTGTGTCACTGTGCATGGCAGCTACTGCCAGCCCGCAGCCACTGGCTACTGAGGATGCCGATTCTGAGAATAGCAGCTTCTACTACTATGACTACCTGGATGAAGTAGCTTTCATGCTCAGCCGGAAGGATGCTGTGGTTAGCTTTGGCAAAGTTTTCCTGCCACCCACAGTGACACTCACCCAGTCAAAAACCCCATTCCAAGTCAGCGGAAGCAGAGAGAGCAGGGAGGACACGTTTAGGATCTGAGACTGCACCTGACACCCAGGCCAGCAGACGTCTCCCCTCCAGGGCACCCCACCCTGTCCTGCATTTCTGCAAGATCAGGGGCGGCCTGAGGGGGGGTCTAGGGTGAGGAGATGGGTCCCCTGTACACCAAGGAGGAGTTAGGCAGGTCCCGAGCACTCTTAATTAAACGACGCCTCGAATGGAACTACTACAACGAATGGTTGCTCTACGTAATGCATTCGCTACCTTAGGACCGTTATAGTTAGGCGCGCC
【0157】
D6−DH114619(配列番号133)には、D1−14からD6−19に相当する位置に挿入されるD6コード配列が含まれる:
TACGTATTAATTAAACGACGCCTCGAATGGAACTACTACAACGAATGGTTGCTCTCCCCATTGAGGCTGACCTGCCCAGAGAGTCCTGGGCCCACCCCACACACCGGGGCGGAATGTGTGCAGGCCTCGGTCTCTGTGGGTGTTCCGCTAGCTGGGGCTCACAGTGCTCACCCCACACCTAAAATGAGCCACAGCCTCCGGAGCCCCCGCAGGAGACCCCGCCCACAAGCCCAGCCCCCACCCAGGAGGCCCCAGAGCTCAGGGCGCCCCGTCGGATTTTGTACAGCCCCGAGTCACTGTGCAAACCCATGAAAACCCCAAGGGAGTTTGGAACCACAGTGAGAATAGCTACGTCAAAAACCGTCCAGTGGCCACTGCCGGAGGCCCCGCCAGAGAGGGCAGCAGCCACTCTGATCCCATGTCCTGCCGGCTCCCATGACCCCCAGCACGCGGAGCCCCACAGTGTCCCCACTGGATGGGAGGACAAGAGCTGGGGATTCCGGCGGGTCGGGGCAGGGGCTTGATCGCATCCTTCTGCCGTGGCTCCAGTGCCCCTGGCTGGAGTTGACCCTTCTGACAAGTGTCCTCAGAGAGACAGGCATCACCGGCGCCTCCCAACATCAACCCCAGGCAGCACAGGCACAAACCCCACATCCAGAGCCAACTCCAGGAGCAGAGACACCCCAATACCCTGGGGGACCCCGACCCTGATGACTTCCCACTGGAATTCGCCGTAGAGTCCACCAGGACCAAAGACCCTGCCTCTGCCTCTGTCCCTCACTCAGGACCTGCTGCCGGGCGAGGCCTTGGGAGCAGACTTGGGCTTAGGGGACACCAGTGTGACCCCGACCTTGACCAGGACGCAGACCTTTCCTTCCTTTCCTGGGGCAGCACAGACTTTGGGGTCTGGGCCAGGAGGAACTTCTGGCAGGTCGCCAAGCACAGAGGCCACAGGCTGAGGTGGCCCTGGAAAGACCTCCAGGAGGTGGCCACTCCCCTTCCTCCCAGCTGGACCCCATGTCCTCCCCAAGATAAGGGTGCCATCCAAGGCAGGTGCTCCTTGGAGCCCCATTCAGACTCCTCCCTGGACCCCACTGGGCCTCAGTCCCAGCTCTGGGGATGAAGCCACCACAAGCACACCAGGCAGCCCAGGCCCAGCCACCCTGCAGTGCCCAAGCACACACTCTGGAGCAGAGCAGGGTGCCTCTGGGAGGGGCTGAGCTCCCCACCCCACCCCCACCTGCACACCCCACCCACCCCTGCCCAGCGGCTCTGCAGGAGGGTCAGAGCCCCACATGGGGTATGGACTTAGGGTCTCACTCACGTGGCTCCCATCATGAGTGAAGGGGCCTCAAGCCCAGGTTCCCACAGCAGCGCCTGTCGCAAGTGGAGGCAGAGGCCCGAGGGCCACCCTGACCTGGTCCCTGAGGTTCCTGCAGCCCAGGCTGCCCTGCTGTCCCTGGGAGGCCTGGGCTCCACCAGACCACAGGTCCAGGGCACCGGGTGCAGGAGCCACCCACACACAGCTCACAGGAAGAAGATAAGCTCCAGACCCCCAGGGCCAGAACCTGCCTTCCTGCTACTGCTTCCTGCCCCAGACCTGGGCGCCCTCCCCCGTCCACTTACACACAGGCCAGGAAGCTGTTCCCACACAGAACAACCCCAAACCAGGACCGCCTGGCACTCAGGTGGCTGCCATTTCCTTCTCCATTTGCTCCCAGCGCCTCTGTCCTCCCTGGTTCCTCCTTCGGGGGAACAGCCTGTGCAGCCAGTCCCTGCAGCCCACACCCTGGGGAGACCCAACCCTGCCTGGGGCCCTTCCAACCCTGCTGCTCTTACTGCCCACCCAGAAAACTCTGGGGTCCTGTCCCTGCAGTCCCTACCCTGGTCTCCACCCAGACCCCTGTGTATCACTCCAGACACCCCTCCCAGGCAAACCCTGCACCTGCAGGCCCTGTCCTCTTCTGTCGCTAGAGCCTCAGTTTCTCCCCCCTGTGCCCACACCCTACCTCCTCCTGCCCACAACTCTAACTCTTCTTCTCCTGGAGCCCCTGAGCCATGGCATTGACCCTGCCCTCCCACCACCCACAGCCCATGCCCTCACCTTCCTCCTGGCCACTCCGACCCCGCCCCCTCTCAGGCCAAGCCCTGGTATTTCCAGGACAAAGGCTCACCCAAGTCTTTCCCAGGCAGGCCTGGGCTCTTGCCCTCACTTCCCGGTTACACGGGAGCCTCCTGTGCACAGAAGCAGGGAGCTCAGCCCTTCCACAGGCAGAAGGCACTGAAAGAAATCGGCCTCCAGCACCTTGACACACGTCCGCCCGTGTCTCTCACTGCCCGCACCTGCAGGGAGGCTCCGCACTCCCTCTAAAGACAAGGGATCCAGGCAGCAGCATCACGGGAGAATGCAGGGCTCCCAGACATCCCAGTCCTCTCACAGGCCTCTCCTGGGAAGAGACCTGCAGCCACCACCAAACAGCCACAGAGGCTGCTGGATAGTAACTGAGTCAATGACCGACCTGGAGGGCAGGGGAGCAGTGAGCCGGAGCCCATACCATAGGGACAGAGACCAGCCGCTGACATCCCGAGCTCCTCAATGGTGGCCCCATAACACACCTAGGAAACATAACACACCCACAGCCCCACCTGGAACAGGGCAGAGACTGCTGAGCCCCCAGCACCAGCCCCAAGAAACACCAGGCAACAGTATCAGAGGGGGCTCCCGAGAAAGAGAGGAGGGGAGATCTCCTTCACCATCAAATGCTTCCCTTGACCAAAAACAGGGTCCACGCAACTCCCCCAGGACAAAGGAGGAGCCCCCTATACAGCACTGGGCTCAGAGTCCTCTCTGAGACACCCTGAGTTTCAGACAACAACCCGCTGGAATGCACAGTCTCAGCAGGAGAACAGACCAAAGCCAGCAAAAGGGACCTCGGTGACACCAGTAGGGACAGGAGGATTTTGTGGGGGCTCGTGTCACTGTGCAAACCCATGAAAACCCCAAGGGAGTTTGGAACTGCAAGCACAGTGACACAGACCCATTCAAAAACCCCTACTGCAAACACACCCACTCCTGGGGCTGAGGGGCTGGGGGAGCGTCTGGGAAGTAGGGTCCAGGGGTGTCTATCAATGTCCAAAATGCACCAGACTCCCCGCCAAACACCACCCCACCAGCCAGCGAGCAGGGTAAACAGAAAATGAGAGGCTCTGGGAAGCTTGCACAGGCCCCAAGGAAAGAGCTTTGGCGGGTGTGCAAGAGGGGATGCAGGCAGAGCCTGAGCAGGGCCTTTTGCTGTTTCTGCTTTCCTGTGCAGAGAGTTCCATAAACTGGTGTTCAAGATCAGTGGCTGGGAATGAGCCCAGGAGGGCAGTCTGTGGGAAGAGCACAGGGAAGGAGGAGCAGCCGCTATCCTACACTGTCATCTTTCAAAAGTTTGCCTTGTGACCACACTATTGCATCATGGGATGCTTAAGAGCTGATGTAGACACAGCTAAAGAGAGAATCAGTGAGATGAATTTGCAGCATAGATCTGAATAAACTCTCCAGAATGTGGAGCAGTACAGAAGCAAACACACAGAAAGTGCCTGATGCAAGGACAAAGTTCAGTGGGCACCTTCAGGCATTGCTGCTGGGCACAGACACTCTGAAAAGCCTTGGCAGGATCTCCCTGCGACAAAGCAGAACCCTCAGGCAATGCCAGCCCCAGAGCCCTCCCTGAGAGCGTCATGGGGAAAGATGTGCAGAACAGCTGATTATCATAGACTCAAACTGAGAACAGAGCAAACGTCCATCTGAAGAACAGTCAAATAAGCAATGGTAGGTTCATGCAATGCAAACCCAGACAGCCAGGGGACAACAGTAGAGGGCTACAGGCGGCTTTGCGGTTGAGTTCATGACAATGCTGAGTAATTGGAGTAACAGAGGAAAGCCCAAAAAATACTTTTAATGTGATTTCTTCTAAATAAAATTTACACCAGGCAAAATGAACTGTCTTCTTAAGGGATAAACTTTCCCCTGGAAAAACTACAAGGAAAATTAAGAAAACGATGATCACATAAACACAGTTGTGGTTACTTCTACTGGGGAAGGAAGAGGGTATGAGCTGAGACACACAGAGTCGGCAAGTCTCCAAGCAAGCACAGAACGAATACATTACAGTACCTTGAATACAGCAGTTAAACTTCTAAATCGCAAGAACAGGAAAATGCACACAGCTGTGTTTAGAAAATTCTCAGTCCAGCACTATTCATAATAGCAAAGACATTAACCCAGGTTGGATAAATAAATGATGACACAGGCAATTGCACAATGATACAGACATACATTTAGTACATGAGACATCGATGATGTATCCCCAAAGAAATGACTTTAAAGAGAAAAGGCCTGATGTGTGGTGGCACTCACCTCCCTGGGATCCCCGGACAGGTTGCAGGCACACTGTGTGGCAGGGCAGGCTGGTACATGCTGGCAGCTCCTGGGGCCTGATGTGGAGCAAGCGCAGGGCTGTATACCCCCAAGGATGGCACAGTCAGTGAATTCCAGAGAGAAGCAGCTCAGCCACACTGCCCAGGCAGAGCCCGAGAGGGACGCCCACGTACAGGGAGGCAGAGCCCAGCTCCTCCACAGCCACCACCACCTGTGCACGGGCCACCACCTTGCAGGCACAGAGTGGGTGCTGAGAGGAGGGGCAGGGACACCAGGCAGGGTGAGCACCCAGAGAAAACTGCAGAAGCCTCACACATCCACCTCAGCCTCCCCTGACCTGGACCTCACCTGGTCTGGACCTCACCTGGCCTGGGCCTCACCTGACCTGGACCTCACCTGGCCTGGGCTTCACCTGACCTGGACCTCACCTGGCCTCCGGCCTCACCTGCACCTGCTCCAGGTCTTGCTGGAACCTGAGTAGCACTGAGGCTGCAGAAGCTCATCCAGGGTTGGGGAATGACTCTGGAACTCTCCCACATCTGACCTTTCTGGGTGGAGGCATCTGGTGGCCCTGGGAATATAAAAAGCCCCAGAATGGTGCCTGCGTGATTTGGGGGCAATTTATGAACCCGAAAGGACATGGCCATGGGGTGGGTAGGGACATAGGGACAGATGCCAGCCTGAGGTGGAGCCTCAGGACACAGTTGGACGCGGACACTATCCACATAAGCGAGGGACAGACCCGAGTGTTCCTGCAGTAGACCTGAGAGCGCTGGGCCCACAGCCTCCCCTCGGTGCCCTGCTGCCTCCTCAGGTCAGCCCTGGACATCCCGGGTTTCCCCAGGCCAGATGGTAGGATTTTGTTGAGGTCTGTGTCACTGTGCATGGCAGCTACTGCCAGCCCGCAGCCACTGGCTACTGAGGATGCCGATTCTGAGAATAGCAGCTTCTACTACTATGACTACCTGGATGAAGTAGCTTTCATGCTCTGCGAGGTTAGCCAGCATCTAGACTATGCCCACAGTGTCACACGGTCCATCAAAAACCCATGCCACAGCCCTCCCCGCAGGGGACCGCCGCGTGCCATGTTACGATTTTGATCGAGGACACAGCGCCATGGGTATGGTGGCTACCACAGCAGTGCAGCCCATGACCCAAACACACAGGGCAGCAGGCACAATGGACAGGCCTGTGAGTGACCATGCTGGGCTCCAGCCCGCCAGCCCCGGAGACCATGAAACAGATGGCCAAGGTCACCCCACAGTTCAGCCAGACATGGCTCCGTGGGGTCTGCATCGCTGCTGCCCTCTAACACCAGCCCAGATGGGGACAAGGCCAACCCCACATTACCATCTCCTGCTGTCCACCCAGTGGTCCCAGAAGCCCCTCCCTCATGGCTGAGCCACATGTGTGAACCCTGAGAGCACCCCATGTCAGAG
TAGGGGCAGCAGAAGGGCGGGGCTGGCCCTGTGCACTGTCCCTGCACCCATGGTCCCTCGCCTGCCTGGCCCTGACACCTGAGCCTCTTCTGAGTCATTTCTAAGATAGAAGACATTCCCGGGGACAGCCGGAGCTGGGCGTCGCTCATCCCGCCCGGCCGTCCTGAGTCCTGCTTGTTTCCAGACCTCACCAGGGAAGCCAACAGAGGACTCACCTCACACAGTCAGAGACAAAGAACCTTCCAGAAATCCCTGTCTCACTCCCCAGTGGGCACCTTCTTCCAGGACATTCCTCGGTCGCATCACAGCAGGCACCCACATCTGGATCAGGACGGCCCCCAGAACACAAGATGGCCCATGGGGACAGCCCCACAACCCAGGCCTTCCCAGACCCCTAAAAGGCGTCCCACCCCCTGCACCTGCCCCAGGGCTAAAAATCCAGGAGGCTTGACTCCCGCATACCCTCCAGCCAGACATCACCTCAGCCCCCTCCTGGAGGGGACAGGAGCCCGGGAGGGTGAGTCAGACCCACCTGCCCTCGATGGCAGGCGGGGAAGATTCAGAAAGGCCTGAGATCCCCAGGACGCAGCACCACTGTCAATGGGGGCCCCAGACGCCTGGACCAGGGCCTGCGTGGGAAAGGCCGCTGGGCACACTCAGGGGGATTTTGTGAAGGCCCCTCCCACTGTGCAGCTTCTTGTGCAAGCAAACCCATGAAAACCCCAAGGGAGTTTGGAACTGCCATGCCGATTTCGGCGGGCATGGCACCATTTGGAAGCTCTTCCTCCGGTTCCAGCAGAACCTGCTACCACAGTGATGAAACTAGCATCAAAAACCGGCCGGACACCCAGGGACCATGCACACTTCTCAGCTTGGAGCTCTCCAGGACCAGAAGAGTCAGGTCTGAGGGTTTGTAGCCAGACCCTCGGCCTCTAGGGACACCCTGGCCATCACAGCGGATGGGCTGGTGCCCCACATGCCATCTGCTCCAAACAGGGGCTTCAGAGGGCTCTGAGGTGACTTCACTCATGACCACAGGTGCCCTGGCCCCTTCCCCGCCAGCTACACCGAACCCTGTCCCAACAGCTGCCCCAGTTCCAACAGCCAATTCCTGGGGCCCAGAATTGCTGTAGACACCAGCCTCGTTCCAGCACCTCCTGCCAATTGCCTGGATTCACATCCTGGCTGGAATCAAGAGGGCAGCATCCGCCAGGCTCCCAACAGGCAGGACTCCCGCACACCCTCCTCTGAGAGGCCGCTGTGTTCCGCAGGGCCAGGCCCTGGACAGTTCCCCTCACCTGCCACTAGAGAAACACCTGCCATTGTCGTCCCCACCTGGAAAAGACCACTCGTGGAGCCCCCAGCCCCAGGTACAGCTGTAGAGAGACTCCCCGAGGGATCTAAGAAGGAGCCATGCGCAGTTCTGCCGGGACCCTCGGCCAGGCCGACAGGAGTGGACACTGGAGCTGGGCCCACACTGGGCCACATAGGAGCTCACCAGTGAGGGCAGGAGAGCACATGCCGGGGAGCACCCAGCCTCCTGCTGACCAGAGGCCCGTCCCAGAGCCCAGGAGGCTGCAGAGGCCTCTCCAGGGGGACACTGTGCATGTCTGGTCCCTGAGCAGCCCCCCACGTCCCCAGTCCTGGGGGCCCCTGGCACAGCTGTCTGGACCCTCCCTGTTCCCTGGGAAGCTCCTCCTGACAGCCCCGCCTCCAGTTCCAGGTGTGGATTTTGTCAGGGGGTGTCACACTGTGCTGCATACCCTGCTGGACCTGCAAGTATTCGGCAACTGTCGGAAGGATGCTGTGGTTAGCTTTGGCAAAGTTTTCCTGCCACCACAGTGGTGCTGCCCATATCAAAAACCAGGCCAAGTAGACAGGCCCCTGCTGTGCAGCCCCAGGCCTCCACTTCACCTGCTTCTCCTGGGGCTCTCAAGGTCACTGTTGTCTGTACTCTGCCCTCTGTGGGGAGGGTTCCCTCAGTGGGAGGTCTGTTCTCAACATCCCAGGGCCTCATGTCTGCACGGAAGGCCAATGGATGGGCAACCTCACATGCCGCGGCTAAGATAGGGTGGGCAGCCTGGCGGGGGACAGTACATACTGCTGGGGTGTCTGTCACTGTGCCTAGTGGGGCACTGGCTCCCAAACAACGCAGTCCTCGCCAAAATCCCCACAGCCTCCCCTGCTAGGGGCTGGCCTGATCTCCTGCAGTCCTAGGAGGCTGCTGACCTCCAGAATGTCTCCGTCCCCAGTTCCAGGGCGAGAGCAGATCCCAGGCCGGCTGCAGACTGGGAGGCCACCCCCTCCTTCCCAGGGTTCACTGGAGGTGACCAAGGTAGGAAATGGCCTTAACACAGGGATGACTGCGCCATCCCCCAACAGAGTCAGCCCCCTCCTGCTCTGTACCCCGCACCCCCCAGGCCAGTCCACGAAAACCAGGGCCCCACATCAGAGTCACTGCCTGGCCCGGCCCTGGGGCGGACCCCTCAGCCCCCACCCTGTCTAGAGGACTTGGGGGGACAGGACACAGGCCCTCTCCTTATGGTTCCCCCACCTGCCTCCGGCCGGGACCCTTGGGGTGTGGACAGAAAGGACACCTGCCTAATTGGCCCCCAGGAACCCAGAACTTCTCTCCAGGGACCCCAGCCCGAGCACCCCCTTACCCAGGACCCAGCCCTGCCCCTCCTCCCCTCTGCTCTCCTCTCATCACCCCATGGGAATCCGGTATCCCCAGGAAGCCATCAGGAAGGGCTGAAGGAGGAAGCGGGGCCGTGCACCACCGGGCAGGAGGCTCCGTCTTCGTGAACCCAGGGAAGTGCCAGCCTCCTAGAGGGTATGGTCCACCCTGCCTGGGGCTCCCACCGTGGCAGGCTGCGGGGAAGGACCAGGGACGGTGTGGGGGAGGGCTCAGGGCCCTGCGGGTGCTCCTCCATCTTCGGTGAGCCTCCCCCTTCACCCACCGTCCCGCCCACCTCCTCTCCACCCTGGCTGCACGTCTTCCACACCATCCTGAGTCCTACCTACACCAGAGCCAGCAAAGCCAGTGCAGACAAAGGCTGGGGTGCAGGGGGGCTGCCAGGGCAGCTTCGGGGAGGGAAGGATGGAGGGAGGGGAGGTCAGTGAAGAGGCCCCCTTCCCCTGGGTCCAGGATCCTCCTCTGGGACCCCCGGATCCCATCCCCTCCTGGCTCTGGGAGGAGAAGCAGGATGGGAGAATCTGTGCGGGACCCTCTCACAGTGGAATATCCCCACAGCGGCTCAGGCCAGACCCAAAAGCCCCTCAGTGAGCCCTCCACTGCAGTCCTGGGCCTGGGTAGCAGCCCCTCCCACAGAGGACAGACCCAGCACCCCGAAGAAGTCCTGCCAGGGGGAGCTCAGAGCCATGAAAGAGCAGGATATGGGGTCCCCGATACAGGCACAGACCTCAGCTCCATCCAGGCCCACCGGGACCCACCATGGGAGGAACACCTGTCTCCGGGTTGTGAGGTAGCTGGCCTCTGTCTCGGACCCCACTCCAGACACCAGACAGAGGGGCAGGCCCCCCAAAACCAGGGTTGAGGGATGATCCGTCAAGGCAGACAAGACCAAGGGGCACTGACCCCAGCAAGGGAAGGCTCCCAAACAGACGAGGAGGATTTTGTAGCTGTCTGTATCACTGTGCAGCTTCTTGTGCCATGCCGATTTCGGCGGGCATGGCACCATTTGGAAGCTCTTCCTCCGGTTCCAGCAGAACCTGCTACCACAGTGACACTCGCCAGGTCAAAAACCCCGTCCCAAGTCAGCGGAAGCAGAGAGAGCAGGGAGGACACGTTTAGGATCTGAGGCCGCACCTGACACCCAGGGCAGCAGACGTCTCCCCTCCAGGGCACCCTCCACCGTCCTGCGTTTCTTCAAGAATAGGGGCGGCCTGAGGGGGTCCAGGGCCAGGCGATAGGTCCCCTCTACCCCAAGGAGGAGCCAGGCAGGACCCGAGCACCGATGCATCTAACGCAGTCATGTAATGCTGGGTGACAGTCAGTTCGCCTACGTA
【0158】
D6−DH120126(配列番号134)には、D1−20からD1−26に相当する位置に挿入されるD6コード配列が含まれる:
TACGTAATGCATCTAACGCAGTCATGTAATGCTGGGTGACAGTCAGTTCGCCTCCCCATTGAGGCTGACCTGCCCAGACGGGCCTGGGCCCACCCCACACACCGGGGCGGAATGTGTGCAGGCCCCAGTCTCTGTGGGTGTTCCGCTAGCTGGGGCCCCCAGTGCTCACCCCACACCTAAAGCGAGCCCCAGCCTCCAGAGCCCCCTAAGCATTCCCCGCCCAGCAGCCCAGCCCCTGCCCCCACCCAGGAGGCCCCAGAGCTCAGGGCGCCTGGTCGGATTTTGTACAGCCCCGAGTCACTGTGCATGCCGATTTCGGCGGGCATGGCACCATTTGGAAGCTCTTCCTCCGGTTCCAGCAGAACCTGCTACCACAGTGAGAAAAACTGTGTCAAAAACCGACTCCTGGCAGCAGTCGGAGGCCCCGCCAGAGAGGGGAGCAGCCGGCCTGAACCCATGTCCTGCCGGTTCCCATGACCCCCAGCACCCAGAGCCCCACGGTGTCCCCGTTGGATAATGAGGACAAGGGCTGGGGGCTCCGGTGGTTTGCGGCAGGGACTTGATCACATCCTTCTGCTGTGGCCCCATTGCCTCTGGCTGGAGTTGACCCTTCTGACAAGTGTCCTCAGAAAGACAGGGATCACCGGCACCTCCCAATATCAACCCCAGGCAGCACAGACACAAACCCCACATCCAGAGCCAACTCCAGGAGCAGAGACACCCCAACACTCTGGGGGACCCCAACCGTGATAACTCCCCACTGGAATCCGCCCCAGAGTCTACCAGGACCAAAGGCCCTGCCCTGTCTCTGTCCCTCACTCAGGGCCTCCTGCAGGGCGAGCGCTTGGGAGCAGACTCGGTCTTAGGGGACACCACTGTGGGCCCCAACTTTGATGAGGCCACTGACCCTTCCTTCCTTTCCTGGGGCAGCACAGACTTTGGGGTCTGGGCAGGGAAGAACTACTGGCTGGTGGCCAATCACAGAGCCCCCAGGCCGAGGTGGCCCCAAGAAGGCCCTCAGGAGGTGGCCACTCCACTTCCTCCCAGCTGGACCCCAGGTCCTCCCCAAGATAGGGGTGCCATCCAAGGCAGGTCCTCCATGGAGCCCCCTTCAGACTCCTCCCGGGACCCCACTGGACCTCAGTCCCTGCTCTGGGAATGCAGCCACCACAAGCACACCAGGAAGCCCAGGCCCAGCCACCCTGCAGTGGGCAAGCCCACACTCTGGAGCAGAGCAGGGTGCGTCTGGGAGGGGCTAACCTCCCCACCCCCCACCCCCCATCTGCACACAGCCACCTACCACTGCCCAGACCCTCTGCAGGAGGGCCAAGCCACCATGGGGTATGGACTTAGGGTCTCACTCACGTGCCTCCCCTCCTGGGAGAAGGGGCCTCATGCCCAGATCCCTGCAGCACTAGACACAGCTGGAGGCAGTGGCCCCAGGGCCACCCTGACCTGGCATCTAAGGCTGCTCCAGCCCAGACAGCACTGCCGTTCCTGGGAAGCCTGGGCTCCACCAGACCACAGGTCCAGGGCACAGCCCACAGGAGCCACCCACACACAGCTCACAGGAAGAAGATAAGCTCCAGACCCCAGGGCGGGACCTGCCTTCCTGCCACCACTTACACACAGGCCAGGGAGCTGTTCCCACACAGATCAACCCCAAACCGGGACTGCCTGGCACTAGGGTCACTGCCATTTCCCTCTCCATTCCCTCCCAGTGCCTCTGTGCTCCCTCCTTCTGGGGAACACCCTGTGCAGCCCCTCCCTGCAGCCCACACGCTGGGGAGACCCCACCCTGCCTCGGGCCTTTTCTACCTGCTGCACTTGCCGCCCACCCAAACAACCCTGGGTACGTGACCCTGCAGTCCTCACCCTGATCTGCAACCAGACCCCTGTCCCTCCCTCTAAACACCCCTCCCAGGCCAACTCTGCACCTGCAGGCCCTCCGCTCTTCTGCCACAAGAGCCTCAGGTTTTCCTACCTGTGCCCACCCCCTAACCCCTCCTGCCCACAACTTGAGTTCTTCCTCTCCTGGAGCCCTTGAGCCATGGCACTGACCCTACACTCCCACCCACACACTGCCCATGCCATCACCTTCCTCCTGGACACTCTGACCCCGCTCCCCTCCCTCTCAGACCCGGCCCTGGTATTTCCAGGACAAAGGCTCACCCAAGTCTTCCCCATGCAGGCCCTTGCCCTCACTGCCTGGTTACACGGGAGCCTCCTGTGCGCAGAAGCAGGGAGCTCAGCTCTTCCACAGGCAGAAGGCACTGAAAGAAATCAGCCTCCAGTGCCTTGACACACGTCCGCCTGTGTCTCTCACTGCCTGCACCTGCAGGGAGGCTCCGCACTCCCTCTAAAGATGAGGGATCCAGGCAGCAACATCACGGGAGAATGCAGGGCTCCCAGACAGCCCAGCCCTCTCGCAGGCCTCTCCTGGGAAGAGACCTGCAGCCACCACTGAACAGCCACGGAGGTCGCTGGATAGTAACCGAGTCAGTGACCGACCTGGAGGGCAGGGGAGCAGTGAACCGGAGCCCATACCATAGGGACAGAGACCAGCCGCTAACATCCCGAGCCCCTCACTGGCGGCCCCAGAACACCCCGTGGAAAGAGAACAGACCCACAGTCCCACCTGGAACAGGGCAGACACTGCTGAGCCCCCAGCACCAGCCCCAAGAAACACTAGGCAACAGCATCAGAGGGGGCTCCTGAGAAAGAGAGGAGGGGAGGTCTCCTTCACCATCAAATGCTTCCCTTGACCAAAAACAGGGTCCACGCAACTCCCCCAGGACAAAGGAGGAGCCCCCTGTACAGCACTGGGCTCAGAGTCCTCTCTGAGACAGGCTCAGTTTCAGACAACAACCCGCTGGAATGCACAGTCTCAGCAGGAGAGCCAGGCCAGAGCCAGCAAGAGGAGACTCGGTGACACCAGTCTCCTGTAGGGACAGGAGGATTTTGTGGGGGTTCGTGTCACTGTGCAAACCCATGAAAACCCCAAGGGAGTTTGGAACAGCAAGCACAGTGACACAACCCCATTCAAAAACCCCTACTGCAAACGCACCCACTCCTGGGACTGAGGGGCTGGGGGAGCGTCTGGGAAGTATGGCCTAGGGGTGTCCATCAATGCCCAAAATGCACCAGACTCTCCCCAAGACATCACCCCACCAGCCAGTGAGCAGAGTAAACAGAAAATGAGAAGCAGCTGGGAAGCTTGCACAGGCCCCAAGGAAAGAGCTTTGGCAGGTGTGCAAGAGGGGATGTGGGCAGAGCCTCAGCAGGGCCTTTTGCTGTTTCTGCTTTCCTGTGCAGAGAGTTCCATAAACTGGTATTCAAGATCAATGGCTGGGAGTGAGCCCAGGAGGACAGTGTGGGAAGAGCACAGGGAAGGAGGAGCAGCCGCTATCCTACACTGTCATCTTTTGAAAGTTTGCCCTGTGCCCACAATGCTGCATCATGGGATGCTTAACAGCTGATGTAGACACAGCTAAAGAGAGAATCAGTGAAATGGATTTGCAGCACAGATCTGAATAAATCCTCCAGAATGTGGAGCAGCACAGAAGCAAGCACACAGAAAGTGCCTGATGCCAAGGCAAAGTTCAGTGGGCACCTTCAGGCATTGCTGCTGGGCACAGACACTCTGAAAAGCACTGGCAGGAACTGCCTGTGACAAAGCAGAACCCTCAGGCAATGCCAGCCCTAGAGCCCTTCCTGAGAACCTCATGGGCAAAGATGTGCAGAACAGCTGTTTGTCATAGCCCCAAACTATGGGGCTGGACAAAGCAAACGTCCATCTGAAGGAGAACAGACAAATAAACGATGGCAGGTTCATGAAATGCAAACTAGGACAGCCAGAGGACAACAGTAGAGAGCTACAGGCGGCTTTGCGGTTGAGTTCATGACAATGCTGAGTAATTGGAGTAACAGAGGAAAGCCCAAAAAATACTTTTAATGTGATTTCTTCTAAATAAAATTTACACCCGGCAAAATGAACTATCTTCTTAAGGGATAAACTTTCCCCTGGAAAAACTATAAGGAAAATCAAGAAAACGATGATCACATAAACACAGTGGTGGTTACTTCTACTGGGGAAGGAAGAGGGTATGAGCTGAGACACACAGAGTCGGCAAGTCTCCTAACAAGAACAGAACAAATACATTACAGTACCTTGAAAACAGCAGTTAAACTTCTAAATCGCAAGAAGAGGAAAATGCACACACCTGTGTTTAGAAAATTCTCAGTCCAGCACTGTTCATAATAGCAAAGACATTAACCCAGGTTGGATAAATAAGCGATGACACAGGCAATTGCACAATGATACAGACATACATTCAGTATATGAGACATCGATGATGTATCCCCAAAGAAATGACTTTAAAGAGAAAAGGCCTGATGTGTGGTGGCAATCACCTCCCTGGGCATCCCCGGACAGGCTGCAGGCTCACTGTGTGGCAGGGCAGGCAGGCACCTGCTGGCAGCTCCTGGGGCCTGATGTGGAGCAGGCACAGAGCTGTATATCCCCAAGGAAGGTACAGTCAGTGCATTCCAGAGAGAAGCAACTCAGCCACACTCCCTGGCCAGAACCCAAGATGCACACCCATGCACAGGGAGGCAGAGCCCAGCACCTCCGCAGCCACCACCACCTGCGCACGGGCCACCACCTTGCAGGCACAGAGTGGGTGCTGAGAGGAGGGGCAGGGACACCAGGCAGGGTGAGCACCCAGAGAAAACTGCAGAAGCCTCACACATCCCTCACCTGGCCTGGGCTTCACCTGACCTGGACCTCACCTGGCCTCGGGCCTCACCTGCACCTGCTCCAGGTCTTGCTGGAGCCTGAGTAGCACTGAGGCTGTAGGGACTCATCCAGGGTTGGGGAATGACTCTGCAACTCTCCCACATCTGACCTTTCTGGGTGGAGGCACCTGGTGGCCCAGGGAATATAAAAAGCCCCAGAATGATGCCTGTGTGATTTGGGGGCAATTTATGAACCCGAAAGGACATGGCCATGGGGTGGGTAGGGACAGTAGGGACAGATGTCAGCCTGAGGTGAAGCCTCAGGACACAGGTGGGCATGGACAGTGTCCACCTAAGCGAGGGACAGACCCGAGTGTCCCTGCAGTAGACCTGAGAGCGCTGGGCCCACAGCCTCCCCTCGGGGCCCTGCTGCCTCCTCAGGTCAGCCCTGGACATCCCGGGTTTCCCCAGGCCTGGCGGTAGGATTTTGTTGAGGTCTGTGTCACTGTGCATGGCAGCTACTGCCAGCCCGCAGCCACTGGCTACTGAGGATGCCGATTCTGAGAATAGCAGCTTCTACTACTATGACTACCTGGATGAAGTAGCTTTCATGCTCAGCGAGGTTAGCCAGCATCTAGACTATGCCCACAGTGTCACAGAGTCCATCAAAAACCCATGCCTGGGAGCCTCCCACCACAGCCCTCCCTGCGGGGGACCGCTGCATGCCGTGTTAGGATTTTGATCGAGGACACGGCGCCATGGGTATGGTGGCTACCACAGCAGTGCAGCCCATGACCCAAACACACGGGGCAGCAGAAACAATGGACAGGCCCACAAGTGACCATGATGGGCTCCAGCCCACCAGCCCCAGAGACCATGAAACAGATGGCCAAGGTCACCCTACAGGTCATCCAGATCTGGCTCCAAGGGGTCTGCATCGCTGCTGCCCTCCCAACGCCAAACCAGATGGAGACAGGGCCGGCCCCATAGCACCATCTGCTGCCGTCCACCCAGCAGTCCCGGAAGCCCCTCCCTGAACGCTGGGCCACGTGTGTGAACCCTGCGAGCCCCCCATGTCAGAGTAGGGGCAGCAGGAGGGCGGGGCTGGCCCTGTGCACTGTCACTGCCCCTGTGGTCCCTGGCCTGCCTGGCCCTGACACCTGAGCCTCTCCTGGGTCATTTCCAAGACATTCCCAGGGACAGCCGGAGCTGGGAGTCGCTCATCCTGCCTGGCTGTCCTGAGTCCTGCTCATTTCCAGACCTCACCAGGGAAGCCAACAGAGGACTCACCTCACACAGTCAGAGACAACGAACCTTCCAGAAATCCCTGTTTCTCTCCCCAGTGAGAGAAACCCTCTTCCAGGGTTTCTCTTCTCTCCCACCCTCTTCCAGGACAGTCCTCAGCAGCATCACAGCGGGAACGCACATCTGGATCAGGACGGCCCCCAGAACACGCGATGGCCCATGG
GGACAGCCCAGCCCTTCCCAGACCCCTAAAAGGTATCCCCACCTTGCACCTGCCCCAGGGCTCAAACTCCAGGAGGCCTGACTCCTGCACACCCTCCTGCCAGATATCACCTCAGCCCCCTCCTGGAGGGGACAGGAGCCCGGGAGGGTGAGTCAGACCCACCTGCCCTCAATGGCAGGCGGGGAAGATTCAGAAAGGCCTGAGATCCCCAGGACGCAGCACCACTGTCAATGGGGGCCCCAGACGCCTGGACCAGGGCCTGTGTGGGAAAGGCCTCTGGCCACACTCAGGGGGATTTTGTGAAGGGCCCTCCCACTGTGGAGGTTAGCCAGCATCTAGACTATGCCCACAGTGATGAAACCAGCATCAAAAACCGACCGGACTCGCAGGGTTTATGCACACTTCTCGGCTCGGAGCTCTCCAGGAGCACAAGAGCCAGGCCCGAGGGTTTGTGCCCAGACCCTCGGCCTCTAGGGACACCCGGGCCATCTTAGCCGATGGGCTGATGCCCTGCACACCGTGTGCTGCCAAACAGGGGCTTCAGAGGGCTCTGAGGTGACTTCACTCATGACCACAGGTGCCCTGGTCCCTTCACTGCCAGCTGCACCAGACCCTGTTCCGAGAGATGCCCCAGTTCCAAAAGCCAATTCCTGGGGCCGGGAATTACTGTAGACACCAGCCTCATTCCAGTACCTCCTGCCAATTGCCTGGATTCCCATCCTGGCTGGAATCAAGAGGGCAGCATCCGCCAGGCTCCCAACAGGCAGGACTCCCACACACCCTCCTCTGAGAGGCCGCTGTGTTCCGCAGGGCCAGGCCGCAGACAGTTCCCCTCACCTGCCCATGTAGAAACACCTGCCATTGTCGTCCCCACCTGGCAAAGACCACTTGTGGAGCCCCCAGCCCCAGGTACAGCTGTAGAGAGAGTCCTCGAGGCCCCTAAGAAGGAGCCATGCCCAGTTCTGCCGGGACCCTCGGCCAGGCCGACAGGAGTGGACGCTGGAGCTGGGCCCACACTGGGCCACATAGGAGCTCACCAGTGAGGGCAGGAGAGCACATGCCGGGGAGCACCCAGCCTCCTGCTGACCAGAGACCCGTCCCAGAGCCCAGGAGGCTGCAGAGGCCTCTCCAGGGGGACACAGTGCATGTCTGGTCCCTGAGCAGCCCCCAGGCTCTCTAGCACTGGGGGCCCCTGGCACAGCTGTCTGGACCCTCCCTGTTCCCTGGGAAGCTCCTCCTGACAGCCCCGCCTCCAGTTCCAGGTGTGGATTTTGTCAGGGGGTGCCACACTGTGCTGCATACCCTGCTGGACCTGCAAGTATTCGGCAACAGTCGGAAGGATGCTGTGGTTAGCTTTGGCAAAGTTTTCCTGCCACCACAGTGGTGCCGCCCATATCAAAAACCAGGCCAAGTAGACAGACCCCTGCCACGCAGCCCCAGGCCTCCAGCTCACCTGCTTCTCCTGGGGCTCTCAAGGCTGCTGTCTGCCCTCTGGCCCTCTGTGGGGAGGGTTCCCTCAGTGGGAGGTCTGTGCTCCAGGGCAGGGATGACTGAGATAGAAATCAAAGGCTGGCAGGGAAAGGCAGCTTCCCGCCCTGAGAGGTGCAGGCAGCACCACAGAGCCATGGAGTCACAGAGCCACGGAGCCCCCAGTGTGGGCGTGTGAGGGTGCTGGGCTCCCGGCAGGCCCAGCCCTGATGGGGAAGCCTGCCCCGTCCCACAGCCCAGGTCCCCAGGGGCAGCAGGCACAGAAGCTGCCAAGCTGTGCTCTACGATCCTCATCCCTCCAGCAGCATCCACTCCACAGTGGGGAAACTGAGCCTTGGAGAACCACCCAGCCCCCTGGAAACAAGGCGGGGAGCCCAGACAGTGGGCCCAGAGCACTGTGTGTATCCTGGCACTAGGTGCAGGGACCACCCGGAGATCCCCATCACTGAGTGGCCAGCCTGCAGAAGGACCCAACCCCAACCAGGCCGCTTGATTAAGCTCCATCCCCCTGTCCTGGGAACCTCTTCCCAGCGCCACCAACAGCTCGGCTTCCCAGGCCCTCATCCCTCCAAGGAAGGCCAAAGGCTGGGCCTGCCAGGGGCACAGTACCCTCCCTTGCCCTGGCTAAGACAGGGTGGGCAGACGGCTGCAGATAGGACATATTGCTGGGGCATCTTGCTCTGTGACTACTGGGTACTGGCTCTCAACGCAGACCCTACCAAAATCCCCACTGCCTCCCCTGCTAGGGGCTGGCCTGGTCTCCTCCTGCTGTCCTAGGAGGCTGCTGACCTCCAGGATGGCTTCTGTCCCCAGTTCTAGGGCCAGAGCAGATCCCAGGCAGGCTGTAGGCTGGGAGGCCACCCCTGTCCTTGCCGAGGTTCAGTGCAGGCACCCAGGACAGGAAATGGCCTGAACACAGGGATGACTGTGCCATGCCCTACCTAAGTCCGCCCCTTTCTACTCTGCAACCCCCACTCCCCAGGTCAGCCCATGACGACCAACAACCCAACACCAGAGTCACTGCCTGGCCCTGCCCTGGGGAGGACCCCTCAGCCCCCACCCTGTCTAGAGGAGTTGGGGGGACAGGACACAGGCTCTCTCCTTATGGTTCCCCCACCTGGCTCCTGCCGGGACCCTTGGGGTGTGGACAGAAAGGACGCCTGCCTAATTGGCCCCCAGGAACCCAGAACTTCTCTCCAGGGACCCCAGCCCGAGCACCCCCTTACCCAGGACCCAGCCCTGCCCCTCCTCCCCTCTGCTCTCCTCTCATCACTCCATGGGAATCCAGAATCCCCAGGAAGCCATCAGGAAGGGCTGAAGGAGGAAGCGGGGCCGCTGCACCACCGGGCAGGAGGCTCCGTCTTCGTGAACCCAGGGAAGTGCCAGCCTCCTAGAGGGTATGGTCCACCCTGCCTGGGGCTCCCACCGTGGCAGGCTGCGGGGAAGGACCAGGGACGGTGTGGGGGAGGGCTCAGGGCCCTGCAGGTGCTCCATCTTGGATGAGCCCATCCCTCTCACCCACCGACCCGCCCACCTCCTCTCCACCCTGGCCACACGTCGTCCACACCATCCTGAGTCCCACCTACACCAGAGCCAGCAGAGCCAGTGCAGACAGAGGCTGGGGTGCAGGGGGGCCGCCAGGGCAGCTTTGGGGAGGGAGGAATGGAGGAAGGGGAGGTCAGTGAAGAGGCCCCCCTCCCCTGGGTCTAGGATCCACCTTTGGGACCCCCGGATCCCATCCCCTCCAGGCTCTGGGAGGAGAAGCAGGATGGGAGATTCTGTGCAGGACCCTCTCACAGTGGAATACCTCCACAGCGGCTCAGGCCAGATACAAAAGCCCCTCAGTGAGCCCTCCACTGCAGTGCAGGGCCTGGGGGCAGCCCCTCCCACAGAGGACAGACCCAGCACCCCGAAGAAGTCCTGCCAGGGGGAGCTCAGAGCCATGAAGGAGCAAGATATGGGGACCCCAATACTGGCACAGACCTCAGCTCCATCCAGGCCCACCAGGACCCACCATGGGTGGAACACCTGTCTCCGGCCCCTGCTGGCTGTGAGGCAGCTGGCCTCTGTCTCGGACCCCCATTCCAGACACCAGACAGAGGGACAGGCCCCCCAGAACCAGTGTTGAGGGACACCCCTGTCCAGGGCAGCCAAGTCCAAGAGGCGCGCTGAGCCCAGCAAGGGAAGGCCCCCAAACAAACCAGGAGGTTTCTGAAGCTGTCTGTGTCACAGTCGGGCATAGCCACGGCTACCACAATGACACTGGGCAGGACAGAAACCCCATCCCAAGTCAGCCGAAGGCAGAGAGAGCAGGCAGGACACATTTAGGATCTGAGGCCACACCTGACACTCAAGCCAACAGATGTCTCCCCTCCAGGGCGCCCTGCCCTGTTCAGTGTTCCTGAGAAAACAGGGGCAGCCTGAGGGGATCCAGGGCCAGGAGATGGGTCCCCTCTACCCCGAGGAGGAGCCAGGCGGGAATCCCAGCCCCCTCCCCATTGAGGCCATCCTGCCCAGAGGGGCCCGGACCCACCCCACACACCCAGGCAGAATGTGTGCAGGCCTCAGGCTCTGTGGGTGCCGCTAGCTGGGGCTGCCAGTCCTCACCCCACACCTAAGGTGAGCCACAGCCGCCAGAGCCTCCACAGGAGACCCCACCCAGCAGCCCAGCCCCTACCCAGGAGGCCCCAGAGCTCAGGGCGCCTGGGTGGATTTTGTACAGCCCCGAGTCACTGTGCTGCATACCCTGCTGGACCTGCAAGTATTCGGCAACCACAGTGAGAAAAGCTATGTCAAAAACCGTCTCCCGGCCACTGCTGGAGGCCCAGCCAGAGAAGGGACCAGCCGCCCGAACATACGACCTTCCCAGACCTCATGACCCCCAGCACTTGGAGCTCCACAGTGTCCCCATTGGATGGTGAGGATGGGGGCCGGGGCCATCTGCACCTCCCAACATCACCCCCAGGCAGCACAGGCACAAACCCCAAATCCAGAGCCGACACCAGGAACACAGACACCCCAATACCCTGGGGGACCCTGGCCCTGGTGACTTCCCACTGGGATCCACCCCCGTGTCCACCTGGATCAAAGACCCCACCGCTGTCTCTGTCCCTCACTCAGGGCCTGCTGAGGGGCGGGTGCTTTGGAGCAGACTCAGGTTTAGGGGCCACCATTGTGGGGCCCAACCTCGACCAGGACACAGATTTTTCTTTCCTGCCCTGGGGCAACACAGACTTTGGGGTCTGTGCAGGGAGGACCTTCTGGAAAGTCACCAAGCACAGAGCCCTGACTGAGGTGGTCTCAGGAAGACCCCCAGGAGGGGGCTTGTGCCCCTTCCTCTCATGTGGACCCCATGCCCCCCAAGATAGGGGCATCATGCAGGGCAGGTCCTCCATGCAGCCACCACTAGGCAACTCCCTGGCGCCGGTCCCCACTGCGCCTCCATCCCGGCTCTGGGGATGCAGCCACCATGGCCACACCAGGCAGCCCGGGTCCAGCAACCCTGCAGTGCCCAAGCCCTTGGCAGGATTCCCAGAGGCTGGAGCCCACCCCTCCTCATCCCCCCACACCTGCACACACACACCTACCCCCTGCCCAGTCCCCCTCCAGGAGGGTTGGAGCCGCCCATAGGGTGGGGGCTCCAGGTCTCACTCACTCGCTTCCCTTCCTGGGCAAAGGAGCCTCGTGCCCCGGTCCCCCCTGACGGCGCTGGGCACAGGTGTGGGTACTGGGCCCCAGGGCTCCTCCAGCCCCAGCTGCCCTGCTCTCCCTGGGAGGCCTGGGCACCACCAGACCACCAGTCCAGGGCACAGCCCCAGGGAGCCGCCCACTGCCAGCTCACAGGAAGAAGATAAGCTTCAGACCCTCAGGGCCGGGAGCTGCCTTCCTGCCACCCCTTCCTGCCCCAGACCTCCATGCCCTCCCCCAACCACTTACACACAAGCCAGGGAGCTGTTTCCACACAGTTCAACCCCAAACCAGGACGGCCTGGCACTCGGGTCACTGCCATTTCTGTCTGCATTCGCTCCCAGCGCCCCTGTGTTCCCTCCCTCCTCCCTCCTTCCTTTCTTCCTGCATTGGGTTCATGCCGCAGAGTGCCAGGTGCAGGTCAGCCCTGAGCTTGGGGTCACCTCCTCACTGAAGGCAGCCTCAGGGTGCCCAGGGGCAGGCAGGGTGGGGGTGAGGCTTCCAGCTCCAACCGCTTCGCTACCTTAGGACCGTTATAGTTAGGCGCGCCGTCGACCAATTCTCATGTTTGACAGCTTATCATCGAATTTCTACGTA
【0159】
毒素コード配列
本明細書に記載の操作されたD領域を構築するための毒素(例えば、μ−コノトキシンおよびタランチュラ毒素ProTxII)のヌクレオチドコード配列(DNAおよびアミノ酸(AA))の例を、表4に記載している。
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【0160】
操作されたD領域を構築するための毒素ヌクレオチドコード配列を含むDNA断片の例を以下に提示する。
【0161】
TX−DH1166(配列番号232)には、D1−1からD6−6に相当する位置に挿入される毒素コード配列が含まれる:
TACGTAGCCGTTTCGATCCTCCCGAATTGACTAGTGGGTAGGCCTGGCGGCCGCTGCCATTTCATTACCTCTTTCTCCGCACCCGACATAGATACCGGTGGATTCGAATTCTCCCCGTTGAAGCTGACCTGCCCAGAGGGGCCTGGGCCCACCCCACACACCGGGGCGGAATGTGTACAGGCCCCGGTCTCTGTGGGTGTTCCGCTAACTGGGGCTCCCAGTGCTCACCCCACAACTAAAGCGAGCCCCAGCCTCCAGAGCCCCCGAAGGAGATGCCGCCCACAAGCCCAGCCCCCATCCAGGAGGCCCCAGAGCTCAGGGCGCCGGGGCGGATTTTGTACAGCCCCGAGTCACTGTGGAGAGAAGCTGCAATGGCAGACGCGGCTGCAGCAGCAGATGGAGCCGCGATCATAGCAGGTGCTGCCACAGTGAGAAAAACTGTGTCAAAAACCGTCTCCTGGCCCCTGCTGGAGGCCGCGCCAGAGAGGGGAGCAGCCGCCCCGAACCTAGGTCCTGCTCAGCTCACACGACCCCCAGCACCCAGAGCACAACGGAGTCCCCATTGAATGGTGAGGACGGGGACCAGGGCTCCAGGGGGTCATGGAAGGGGCTGGACCCCATCCTACTGCTATGGTCCCAGTGCTCCTGGCCAGAACTGACCCTACCACCGACAAGAGTCCCTCAGGGAAACGGGGGTCACTGGCACCTCCCAGCATCAACCCCAGGCAGCACAGGCATAAACCCCACATCCAGAGCCGACTCCAGGAGCAGAGACACCCCAGTACCCTGGGGGACACCGACCCTGATGACTCCCCACTGGAATCCACCCCAGAGTCCACCAGGACCAAAGACCCCGCCCCTGTCTCTGTCCCTCACTCAGGACCTGCTGCGGGGCGGGCCATGAGACCAGACTCGGGCTTAGGGAACACCACTGTGGCCCCAACCTCGACCAGGCCACAGGCCCTTCCTTCCTGCCCTGCGGCAGCACAGACTTTGGGGTCTGTGCAGAGAGGAATCACAGAGGCCCCAGGCTGAGGTGGTGGGGGTGGAAGACCCCCAGGAGGTGGCCCACTTCCCTTCCTCCCAGCTGGAACCCACCATGACCTTCTTAAGATAGGGGTGTCATCCGAGGCAGGTCCTCCATGGAGCTCCCTTCAGGCTCCTCCCCGGTCCTCACTAGGCCTCAGTCCCGGCTGCGGGAATGCAGCCACCACAGGCACACCAGGCAGCCCAGACCCAGCCAGCCTGCAGTGCCCAAGCCCACATTCTGGAGCAGAGCAGGCTGTGTCTGGGAGAGTCTGGGCTCCCCACCGCCCCCCCGCACACCCCACCCACCCCTGTCCAGGCCCTATGCAGGAGGGTCAGAGCCCCCCATGGGGTATGGACTTAGGGTCTCACTCACGTGGCTCCCCTCCTGGGTGAAGGGGTCTCATGCCCAGATCCCCACAGCAGAGCTGGTCAAAGGTGGAGGCAGTGGCCCCAGGGCCACCCTGACCTGGACCCTCAGGCTCCTCTAGCCCTGGCTGCCCTGCTGTCCCTGGGAGGCCTGGACTCCACCAGACCACAGGTCCAGGGCACCGCCCATAGGTGCTGCCCACACTCAGTTCACAGGAAGAAGATAAGCTCCAGACCCCCAAGACTGGGACCTGCCTTCCTGCCACCGCTTGTAGCTCCAGACCTCCGTGCCTCCCCCGACCACTTACACACGGGCCAGGGAGCTGTTCCACAAAGATCAACCCCAAACCGGGACCGCCTGGCACTCGGGCCGCTGCCACTTCCCTCTCCATTTGTTCCCAGCACCTCTGTGCTCCCTCCCTCCTCCCTCCTTCAGGGGAACAGCCTGTGCAGCCCCTCCCTGCACCCCACACCCTGGGGAGGCCCAACCCTGCCTCCAGCCCTTTCTCCCCCGCTGCTCTTCCTGCCCATCCAGACAACCCTGGGGTCCCATCCCTGCAGCCTACACCCTGGTCTCCACCCAGACCCCTGTCTCTCCCTCCAGACACCCCTCCCAGGCCAACCCTGCACATGCAGGCCCTCCCCTTTTCTGCTGCCAGAGCCTCAGTTTCTACCCTCTGTGCCTACCCCCTGCCTCCTCCTGCCCACAACTCGAGCTCTTCCTCTCCTGGGGCCCCTGAGCCATGGCACTGACCGTGCACTCCCACCCCCACACTGCCCATGCCCTCACCTTCCTCCTGGACACTCTGACCCCGCTCCCCTCTTGGACCCAGCCCTGGTATTTCCAGGACAAAGGCTCACCCAAGTCTTCCCCATGCAGGCCCTTGCCCTCACTGCCCGGTTACACGGCAGCCTCCTGTGCACAGAAGCAGGGAGCTCAGCCCTTCCACAGGCAGAAGGCACTGAAAGAAATCGGCCTCCAGCACCCTGATGCACGTCCGCCTGTGTCTCTCACTGCCCGCACCTGCAGGGAGGCTCGGCACTCCCTGTAAAGACGAGGGATCCAGGCAGCAACATCATGGGAGAATGCAGGGCTCCCAGACAGCCCAGCCCTCTCGCAGGCCTCTCCTGGGAAGAGACCTGCAGCCACCACTGAACAGCCACGGAGCCCGCTGGATAGTAACTGAGTCAGTGACCGACCTGGAGGGCAGGGGAGCAGTGAACCGGAGCCCAGACCATAGGGACAGAGACCAGCCGCTGACATCCCGAGCCCCTCACTGGCGGCCCCAGAACACCGCGTGGAAACAGAACAGACCCACATTCCCACCTGGAACAGGGCAGACACTGCTGAGCCCCCAGCACCAGCCCTGAGAAACACCAGGCAACGGCATCAGAGGGGGCTCCTGAGAAAGAAAGGAGGGGAGGTCTCCTTCACCAGCAAGTACTTCCCTTGACCAAAAACAGGGTCCACGCAACTCCCCCAGGACAAAGGAGGAGCCCCCTGTACAGCACTGGGCTCAGAGTCCTCTCCCACACACCCTGAGTTTCAGACAAAAACCCCCTGGAAATCATAGTATCAGCAGGAGAACTAGCCAGAGACAGCAAGAGGGGACTCAGTGACTCCCGCGGGGACAGGAGGATTTTGTGGGGGCTCGTGTCACTGTGAGGATATTGTAGCAGCAGATGGTGCTATACCCACAGTGACACAGCCCCATTCAAAAACCCCTGCTGTAAACGCTTCCACTTCTGGAGCTGAGGGGCTGGGGGGAGCGTCTGGGAAGTAGGGCCTAGGGGTGGCCATCAATGCCCAAAACGCACCAGACTCCCCCCCAGACATCACCCCACTGGCCAGTGAGCAGAGTAAACAGAAAATGAGAAGCAGCTGGGAAGCTTGCACAGGCCCCAAGGAAAGAGCTTTGGCGGGTGTGCAAGAGGGGATGCGGGCAGAGCCTGAGCAGGGCCTTTTGCTGTTTCTGCTTTCCTGTGCAGATAGTTCCATAAACTGGTGTTCAAGATCGATGGCTGGGAGTGAGCCCAGGAGGACAGTGTGGGAAGGGCACAGGGAAGGAGAAGCAGCCGCTATCCTACACTGTCATCTTTCAAGAGTTTGCCCTGTGCCCACAATGCTGCATCATGGGATGCTTAACAGCTGATGTAGACACAGCTAAAGAGAGAATCAGTGAAATGGATTTGCAGCACAGATCTGAATAAATTCTCCAGAATGTGGAGCCACACAGAAGCAAGCACAAGGAAAGTGCCTGATGCAAGGGCAAAGTACAGTGTGTACCTTCAGGCTGGGCACAGACACTCTGAAAAGCCTTGGCAGGAACTCCCTGCAACAAAGCAGAGCCCTGCAGGCAATGCCAGCTCCAGAGCCCTCCCTGAGAGCCTCATGGGCAAAGATGTGCACAACAGGTGTTTCTCATAGCCCCAAACTGAGAATGAAGCAAACAGCCATCTGAAGGAAAACAGGCAAATAAACGATGGCAGGTTCATGAAATGCAAACCCAGACAGCCAGAAGGACAACAGTGAGGGTTACAGGTGACTCTGTGGTTGAGTTCATGACAATGCTGAGTAATTGGAGTAACAAAGGAAAGTCCAAAAAATACTTTCAATGTGATTTCTTCTAAATAAAATTTACAGCCGGCAAAATGAACTATCTTCTTAAGGGATAAACTTTCCACTAGGAAAACTATAAGGAAAATCAAGAAAAGGATGATCACATAAACACAGTGGTCGTTACTTCTACTGGGGAAGGAAGAGGGTATGAACTGAGACACACAGGGTTGGCAAGTCTCCTAACAAGAACAGAACAAATACATTACAGTACCTTGAAAACAGCAGTTAAAATTCTAAATTGCAAGAAGAGGAAAATGCACACAGCTGTGTTTAGAAAATTCTCAGTCCAGCACTGTTCATAATAGCAAAGACATTAACCCAGGTTGGATAAATAAACGATGACACAGGCAATTGCACAATGATACAGACATACATTCAGTATATGAGACATTGATGATGTATCCCCAAAGAAATGACTTTAAAGAGAAAAGGCCTGATATGTGGTGGCACTCACCTCCCTGGGCATCCCCGGACAGGCTGCAGGCACACTGTGTGGCAGGGCAGGCTGGTACCTGCTGGCAGCTCCTGGGGCCTGATGTGGAGCAGGCACAGAGCCGTATCCCCCCGAGGACATATACCCCCAAGGACGGCACAGTTGGTACATTCCGGAGACAAGCAACTCAGCCACACTCCCAGGCCAGAGCCCGAGAGGGACGCCCATGCACAGGGAGGCAGAGCCCAGCTCCTCCACAGCCAGCAGCACCCGTGCAGGGGCCGCCATCTGGCAGGCACAGAGCATGGGCTGGGAGGAGGGGCAGGGACACCAGGCAGGGTTGGCACCAACTGAAAATTACAGAAGTCTCATACATCTACCTCAGCCTTGCCTGACC
TGGGCCTCACCTGACCTGGACCTCACCTGGCCTGGACCTCACCTGGCCTAGACCTCACCTCTGGGCTTCACCTGAGCTCGGCCTCACCTGACTTGGACCTTGCCTGTCCTGAGCTCACATGATCTGGGCCTCACCTGACCTGGGTTTCACCTGACCTGGGCTTCACCTGACCTGGGCCTCATCTGACCTGGGCCTCACTGGCCTGGACCTCACCTGGCCTGGGCTTCACCTGGCCTCAGGCCTCATCTGCACCTGCTCCAGGTCTTGCTGGAACCTCAGTAGCACTGAGGCTGCAGGGGCTCATCCAGGGTTGCAGAATGACTCTAGAACCTCCCACATCTCAGCTTTCTGGGTGGAGGCACCTGGTGGCCCAGGGAATATAAAAAGCCTGAATGATGCCTGCGTGATTTGGGGGCAATTTATAAACCCAAAAGGACATGGCCATGCAGCGGGTAGGGACAATACAGACAGATATCAGCCTGAAATGGAGCCTCAGGGCACAGGTGGGCACGGACACTGTCCACCTAAGCCAGGGGCAGACCCGAGTGTCCCCGCAGTAGACCTGAGAGCGCTGGGCCCACAGCCTCCCCTCGGTGCCCTGCTACCTCCTCAGGTCAGCCCTGGACATCCCGGGTTTCCCCAGGCCTGGCGGTAGGATTTTGTTGAGGTCTGTGTCACTGTGGTATTACGATTGCAACTGCAGCAGATGGCGCGACCATAGCAGGTGCTGCTATTATACCCACAGTGTCACAGAGTCCATCAAAAACCCATCCCTGGGAACCTTCTGCCACAGCCCTCCCTGTGGGGCACCGCCGCGTGCCATGTTAGGATTTTGACTGAGGACACAGCACCATGGGTATGGTGGCTACCGCAGCAGTGCAGCCCGTGACCCAAACACACAGGGCAGCAGGCACAACAGACAAGCCCACAAGTGACCACCCTGAGCTCCTGCCTGCCAGCCCTGGAGACCATGAAACAGATGGCCAGGATTATCCCATAGGTCAGCCAGACCTCAGTCCAACAGGTCTGCATCGCTGCTGCCCTCCAATACCAGTCCGGATGGGGACAGGGCTGGCCCACATTACCATTTGCTGCCATCCGGCCAACAGTCCCAGAAGCCCCTCCCTCAAGGCTGGGCCACATGTGTGGACCCTGAGAGCCCCCCATGTCTGAGTAGGGGCACCAGGAAGGTGGGGCTGGCCCTGTGCACTGTCCCTGCCCCTGTGGTCCCTGGCCTGCCTGGCCCTGACACCTGGGCCTCTCCTGGGTCATTTCCAAGACAGAAGACATTCCCAGGACAGCTGGAGCTGGGAGTCCATCATCCTGCCTGGCCGTCCTGAGTCCTGCGCCTTTCCAAACCTCACCCGGGAAGCCAACAGAGGAATCACCTCCCACAGGCAGAGACAAAGACCTTCCAGAAATCTCTGTCTCTCTCCCCAGTGGGCACCCTCTTCCAGGGCAGTCCTCAGTGATATCACAGTGGGAACCCACATCTGGATCGGGACTGCCCCCAGAACACAAGATGGCCCACAGGGACAGCCCCACAGCCCAGCCCTTCCCAGACCCCTAAAAGGCGTCCCACCCCCTGCATCTGCCCCAGGGCTCAAACTCCAGGAGGACTGACTCCTGCACACCCTCCTGCCAGACATCACCTCAGCCCCTCCTGGAAGGGACAGGAGCGCGCAAGGGTGAGTCAGACCCTCCTGCCCTCGATGGCAGGCGGAGAAGATTCAGAAAGGTCTGAGATCCCCAGGACGCAGCACCACTGTCAATGGGGGCCCCAGACGCCTGGACCAGGGCCTGCGTGGGAAAGGCCTCTGGGCACACTCAGGGGGATTTTGTGAAGGGTCCTCCCACTGTGGAGAGGCTTAGCTGTGGCTTCCCTAAGAGCTGCCGCAGCAGGCAAAGCAAGCCTCACAGATGCTGCCACAGTGATGAACCCAGCATCAAAAACCGACCGGACTCCCAAGGTTTATGCACACTTCTCCGCTCAGAGCTCTCCAGGATCAGAAGAGCCGGGCCCAAGGGTTTCTGCCCAGACCCTCGGCCTCTAGGGACATCTTGGCCATGACAGCCCATGGGCTGGTGCCCCACACATCGTCTGCCTTCAAACAAGGGCTTCAGAGGGCTCTGAGGTGACCTCACTGATGACCACAGGTGCCCTGGCCCCTTCCCCACCAGCTGCACCAGACCCCGTCATGACAGATGCCCCGATTCCAACAGCCAATTCCTGGGGCCAGGAATCGCTGTAGACACCAGCCTCCTTCCAACACCTCCTGCCAATTGCCTGGATTCCCATCCCGGTTGGAATCAAGAGGACAGCATCCCCCAGGCTCCCAACAGGCAGGACTCCCACACCCTCCTCTGAGAGGCCGCTGTGTTCCGTAGGGCCAGGCTGCAGACAGTCCCCCTCACCTGCCACTAGACAAATGCCTGCTGTAGATGTCCCCACCTGGAAAATACCACTCATGGAGCCCCCAGCCCCAGGTACAGCTGTAGAGAGAGTCTCTGAGGCCCCTAAGAAGTAGCCATGCCCAGTTCTGCCGGGACCCTCGGCCAGGCTGACAGGAGTGGACGCTGGAGCTGGGCCCATACTGGGCCACATAGGAGCTCACCAGTGAGGGCAGGAGAGCACATGCCGGGGAGCACCCAGCCTCCTGCTGACCAGAGGCCCGTCCCAGAGCCCAGGAGGCTGCAGAGGCCTCTCCAGGGGGACACTGTGCATGTCTGGTCCCTGAGCAGCCCCCCACGTCCCCAGTCCTGGGGGCCCCTGGCACAGCTGTCTGGACCCTCTCTATTCCCTGGGAAGCTCCTCCTGACAGCCCCGCCTCCAGTTCCAGGTGTGGATTTTGTCAGGGGGTGTCACACTGTGTACAGCCAGAAGTGGATGTGGACTTGCGATAGTGAGAGGAAGTGCAGTGAGGGTATGGTATGCCGGCTGTGGTGTAAGAAGAAGCTCTGGCACAGTGGTGCTGCCCATATCAAAAACCAGGCCAAGTAGACAGGCCCCTGCTGTGCAGCCCCAGGCCTCCAGCTCACCTGCTTCTCCTGGGGCTCTCAAGGCTGCTGTTTTCTGCACTCTCCCCTCTGTGGGGAGGGTTCCCTCAGTGGGAGATCTGTTCTCAACATCCCACGGCCTCATTCCTGCAAGGAAGGCCAATGGATGGGCAACCTCACATGCCGCGGCTAAGATAGGGTGGGCAGCCTGGCGGGGACAGGACATCCTGCTGGGGTATCTGTCACTGTGCCTAGTGGGGCACTGGCTCCCAAACAACGCAGTCCTTGCCAAAATCCCCACGGCCTCCCCCGCTAGGGGCTGGCCTGATCTCCTGCAGTCCTAGGAGGCTGCTGACCTCCAGAATGGCTCCGTCCCCAGTTCCAGGGCGAGAGCAGATCCCAGGCCGGCTGCAGACTGGGAGGCCACCCCCTCCTTCCCAGGGTTCACTGCAGGTGACCAGGGCAGGAAATGGCCTGAACACAGGGATAACCGGGCCATCCCCCAACAGAGTCCACCCCCTCCTGCTCTGTACCCCGCACCCCCCAGGCCAGCCCATGACATCCGACAACCCCACACCAGAGTCACTGCCCGGTGCTGCCCTAGGGAGGACCCCTCAGCCCCCACCCTGTCTAGAGGACTGGGGAGGACAGGACACGCCCTCTCCTTATGGTTCCCCCACCTGGCTCTGGCTGGGACCCTTGGGGTGTGGACAGAAAGGACGCTTGCCTGATTGGCCCCCAGGAGCCCAGAACTTCTCTCCAGGGACCCCAGCCCGAGCACCCCCTTACCCAGGACCCAGCCCTGCCCCTCCTCCCCTCTGCTCTCCTCTCATCACCCCATGGGAATCCAGAATCCCCAGGAAGCCATCAGGAAGGGCTGAGGGAGGAAGTGGGGCCACTGCACCACCAGGCAGGAGGCTCTGTCTTTGTGAACCCAGGGAGGTGCCAGCCTCCTAGAGGGTATGGTCCACCCTGCCTATGGCTCCCACAGTGGCAGGCTGCAGGGAAGGACCAGGGACGGTGTGGGGGAGGGCTCAGGGCCCCGCGGGTGCTCCATCTTGGATGAGCCTATCTCTCTCACCCACGGACTCGCCCACCTCCTCTTCACCCTGGCCACACGTCGTCCACACCATCCTAAGTCCCACCTACACCAGAGCCGGCACAGCCAGTGCAGACAGAGGCTGGGGTGCAGGGGGGCCGACTGGGCAGCTTCGGGGAGGGAGGAATGGAGGAAGGGGAGTTCAGTGAAGAGGCCCCCCTCCCCTGGGTCCAGGATCCTCCTCTGGGACCCCCGGATCCCATCCCCTCCAGGCTCTGGGAGGAGAAGCAGGATGGGAGAATCTGTGCGGGACCCTCTCACAGTGGAATACCTCCACAGCGGCTCAGGCCAGATACAAAAGCCCCTCAGTGAGCCCTCCACTGCAGTGCTGGGCCTGGGGGCAGCCGCTCCCACACAGGATGAACCCAGCACCCCGAGGATGTCCTGCCAGGGGGAGCTCAGAGCCATGAAGGAGCAGGATATGGGACCCCCGATACAGGCACAGACCTCAGCTCCATTCAGGACTGCCACGTCCTGCCCTGGGAGGAACCCCTTTCTCTAGTCCCTGCAGGCCAGGAGGCAGCTGACTCCTGACTTGGACGCCTATTCCAGACACCAGACAGAGGGGCAGGCCCCCCAGAACCAGGGATGAGGACGCCCCGTCAAGGCCAGAAAAGACCAAGTTGCGCTGAGCCCAGCAAGGGAAGGTCCCCAAACAAACCAGGAGGATTTTGTAGGTGTCTGTGTCACTGTGAGCTGCAACTGCAGCAGCAAATGGAGCCGCGACCATAGCAGGTGCTGCCACAGTGACACTCGCCAGGTCAAAAACCCCATCCCAAGTCAGCGGAATGCAGAGAGAGCAGGGAGGACATGTTTAGGATCTGAGGCCGCACCTGACACCCAGGCCAGCAGACGTCTCCTGTCCACGGCACCCTGCCATGTCCTGCATTTCTGGAAGAACAAGGGCAGGCTGAAGGGGGTCCAGGACCAGGAGATGGGTCCGCTCTACCCAGAGAAGGAGCCAGGCAGGACACAAGCCCCCACGCGTGGGCTCGTAGTTTGACGTGCGTGAAGTGTGGGTAAGAAAGTACGTA
【0162】
TX−DH17613(配列番号233)には、D1−7からD6−13に相当する位置に挿入される毒素コード配列が含まれる:
GCGGCCGCTGCCATTTCATTACCTCTTTCTCCGCACCCGACATAGATTACGTAACGCGTGGGCTCGTAGTTTGACGTGCGTGAAGTGTGGGTAAGAAAGTCCCCATTGAGGCTGACCTGCCCAGAGGGTCCTGGGCCCACCCAACACACCGGGGCGGAATGTGTGCAGGCCTCGGTCTCTGTGGGTGTTCCGCTAGCTGGGGCTCACAGTGCTCACCCCACACCTAAAACGAGCCACAGCCTCCGGAGCCCCTGAAGGAGACCCCGCCCACAAGCCCAGCCCCCACCCAGGAGGCCCCAGAGCACAGGGCGCCCCGTCGGATTTTGTACAGCCCCGAGTCACTGTGGAGAGATGCAATGGCAGACGCGGCTGCAGCAGATGGCGCGATCATAGCAGGTGCTGCCACAGTGAGAAAAGCTTCGTCAAAAACCGTCTCCTGGCCACAGTCGGAGGCCCCGCCAGAGAGGGGAGCAGCCACCCCAAACCCATGTTCTGCCGGCTCCCATGACCCCGTGCACCTGGAGCCCCACGGTGTCCCCACTGGATGGGAGGACAAGGGCCGGGGGCTCCGGCGGGTCGGGGCAGGGGCTTGATGGCTTCCTTCTGCCGTGGCCCCATTGCCCCTGGCTGGAGTTGACCCTTCTGACAAGTGTCCTCAGAGAGTCAGGGATCAGTGGCACCTCCCAACATCAACCCCACGCAGCCCAGGCACAAACCCCACATCCAGGGCCAACTCCAGGAACAGAGACACCCCAATACCCTGGGGGACCCCGACCCTGATGACTCCCGTCCCATCTCTGTCCCTCACTTGGGGCCTGCTGCGGGGCGAGCACTTGGGAGCAAACTCAGGCTTAGGGGACACCACTGTGGGCCTGACCTCGAGCAGGCCACAGACCCTTCCCTCCTGCCCTGGTGCAGCACAGACTTTGGGGTCTGGGCAGGGAGGAACTTCTGGCAGGTCACCAAGCACAGAGCCCCCAGGCTGAGGTGGCCCCAGGGGGAACCCCAGCAGGTGGCCCACTACCCTTCCTCCCAGCTGGACCCCATGTCTTCCCCAAGATAGGGGTGCCATCCAAGGCAGGTCCTCCATGGAGCCCCCTTCAGGCTCCTCTCCAGACCCCACTGGGCCTCAGTCCCCACTCTAGGAATGCAGCCACCACGGGCACACCAGGCAGCCCAGGCCCAGCCACCCTGCAGTGCCCAAGCCCACACCCTGGAGGAGAGCAGGGTGCGTCTGGGAGGGGCTGGGCTCCCCACCCCCACCCCCACCTGCACACCCCACCCACCCTTGCCCGGGCCCCCTGCAGGAGGGTCAGAGCCCCCATGGGATATGGACTTAGGGTCTCACTCACGCACCTCCCCTCCTGGGAGAAGGGGTCTCATGCCCAGATCCCCCCAGCAGCGCTGGTCACAGGTAGAGGCAGTGGCCCCAGGGCCACCCTGACCTGGCCCCTCAGGCTCCTCTAGCCCTGGCTGCCCTGCTGTCCCTGGGAGGCCTGGGCTCCACCAGACCACAGGTCTAGGGCACCGCCCACACTGGGGCCGCCCACACACAGCTCACAGGAAGAAGATAAGCTCCAGACCCCCAGGCCCGGGACCTGCCTTGCTGCTACGACTTCCTGCCCCAGACCTCGTTGCCCTCCCCCGTCCACTTACACACAGGCCAGGAAGCTGTTCCCACACAGACCAACCCCAGACGGGGACCACCTGGCACTCAGGTCACTGCCATTTCCTTCTCCATTCACTTCCAATGCCTCTGTGCTTCCTCCCTCCTCCTTCCTTCGGGGGAGCACCCTGTGCAGCTCCTCCCTGCAGTCCACACCCTGGGGAGACCCGACCCTGCAGCCCACACCCTGGGGAGACCTGACCCTCCTCCAGCCCTTTCTCCCCCGCTGCTCTTGCCACCCACCAAGACAGCCCTGGGGTCCTGTCCCTACAGCCCCCACCCAGTTCTCTACCTAGACCCGTCTTCCTCCCTCTAAACACCTCTCCCAGGCCAACCCTACACCTGCAGGCCCTCCCCTCCACTGCCAAAGACCCTCAGTTTCTCCTGCCTGTGCCCACCCCCGTGCTCCTCCTGCCCACAGCTCGAGCTCTTCCTCTCCTAGGGCCCCTGAGGGATGGCATTGACCGTGCCCTCGCACCCACACACTGCCCATGCCCTCACATTCCTCCTGGCCACTCCAGCCCCACTCCCCTCTCAGGCCTGGCTCTGGTATTTCTGGGACAAAGCCTTACCCAAGTCTTTCCCATGCAGGCCTGGGCCCTTACCCTCACTGCCCGGTTACAGGGCAGCCTCCTGTGCACAGAAGCAGGGAGCTCAGCCCTTCCACAGGCAGAAGGCACTGAAAGAAATCGGCCTCCAGCGCCTTGACACACGTCTGCCTGTGTCTCTCACTGCCCGCACCTGCAGGGAGGCTCGGCACTCCCTCTAAAGACGAGGGATCCAGGCAGCAGCATCACAGGAGAATGCAGGGCTACCAGACATCCCAGTCCTCTCACAGGCCTCTCCTGGGAAGAGACCTGAAGACGCCCAGTCAACGGAGTCTAACACCAAACCTCCCTGGAGGCCGATGGGTAGTAACGGAGTCATTGCCAGACCTGGAGGCAGGGGAGCAGTGAGCCCGAGCCCACACCATAGGGCCAGAGGACAGCCACTGACATCCCAAGCCACTCACTGGTGGTCCCACAACACCCCATGGAAAGAGGACAGACCCACAGTCCCACCTGGACCAGGGCAGAGACTGCTGAGACCCAGCACCAGAACCAACCAAGAAACACCAGGCAACAGCATCAGAGGGGGCTCTGGCAGAACAGAGGAGGGGAGGTCTCCTTCACCAGCAGGCGCTTCCCTTGACCGAAGACAGGATCCATGCAACTCCCCCAGGACAAAGGAGGAGCCCCTTGTTCAGCACTGGGCTCAGAGTCCTCTCCAAGACACCCAGAGTTTCAGACAAAAACCCCCTGGAATGCACAGTCTCAGCAGGAGAGCCAGCCAGAGCCAGCAAGATGGGGCTCAGTGACACCCGCAGGGACAGGAGGATTTTGTGGGGGCTCGTGTCACTGTGAGGATATTGTACTAATCGGAGCAGGCAGGGTGTATGCTATACCCACAGTGACACAGCCCCATTCAAAAACCCCTACTGCAAACGCATTCCACTTCTGGGGCTGAGGGGCTGGGGGAGCGTCTGGGAAATAGGGCTCAGGGGTGTCCATCAATGCCCAAAACGCACCAGACTCCCCTCCATACATCACACCCACCAGCCAGCGAGCAGAGTAAACAGAAAATGAGAAGCAAGCTGGGGAAGCTTGCACAGGCCCCAAGGAAAGAGCTTTGGCGGGTGTGTAAGAGGGGATGCGGGCAGAGCCTGAGCAGGGCCTTTTGCTGTTTCTGCTTTCCTGTGCAGAGAGTTCCATAAACTGGTGTTCGAGATCAATGGCTGGGAGTGAGCCCAGGAGGACAGCGTGGGAAGAGCACAGGGAAGGAGGAGCAGCCGCTATCCTACACTGTCATCTTTCGAAAGTTTGCCTTGTGCCCACACTGCTGCATCATGGGATGCTTAACAGCTGATGTAGACACAGCTAAAGAGAGAATCAGTGAGATGGATTTGCAGCACAGATCTGAATAAATTCTCCAGAATGTGGAGCAGCACAGAAGCAAGCACACAGAAAGTGCCTGATGCAAGGACAAAGTTCAGTGGGCACCTTCAGGCATTGCTGCTGGGCACAGACACTCTGAAAAGCCCTGGCAGGAACTCCCTGTGACAAAGCAGAACCCTCAGGCAATGCCAGCCCCAGAGCCCTCCCTGAGAGCCTCATGGGCAAAGATGTGCACAACAGGTGTTTCTCATAGCCCCAAACTGAGAGCAAAGCAAACGTCCATCTGAAGGAGAACAGGCAAATAAACGATGGCAGGTTCATGAAATGCAAACCCAGACAGCCACAAGCACAAAAGTACAGGGTTATAAGCGACTCTGGTTGAGTTCATGACAATGCTGAGTAATTGGAGTAACAAAGTAAACTCCAAAAAATACTTTCAATGTGATTTCTTCTAAATAAAATTTACACCCTGCAAAATGAACTGTCTTCTTAAGGGATACATTTCCCAGTTAGAAAACCATAAAGAAAACCAAGAAAAGGATGATCACATAAACACAGTGGTGGTTACTTCTGCTGGGGAAGGAAGAGGGTATGAACTGAGATACACAGGGTGGGCAAGTCTCCTAACAAGAACAGAACGAATACATTACAGTACCTTGAAAACAGCAGTTAAACTTCTAAATTGCAAGAAGAGGAAAATGCACACAGTTGTGTTTAGAAAATTCTCAGTCCAGCACTGTTCATAATAGCAAAGACATTAACCCAGGTCGGATAAATAAGCGATGACACAGGCAATTGCACAATGATACAGACATATATTTAGTATATGAGACATCGATGATGTATCCCCAAATAAACGACTTTAAAGAGATAAAGGGCTGATGTGTGGTGGCATTCACCTCCCTGGGATCCCCGGACAGGTTGCAGGCTCACTGTGCAGCAGGGCAGGCGGGTACCTGCTGGCAGTTCCTGGGGCCTGATGTGGAGCAAGCGCAGGGCCATATATCCCGGAGGACGGCACAGTCAGTGAATTCCAGAGAGAAGCAACTCAGCCACACTCCCCAGGCAGAGCCCGAGAGGGACGCCCACGCACAGGGAGGCAGAGCCCAGCACCTCCGCAGCCAGCACCACCTGCGCACGGGCCACCACCTTGCAGGCACAGAGTGGGTGCTGAGAGGAGGGGCAGGGACACCAGGCAGGGTGAGCACCCAGAGAAAACTGCAGACGCCTCACACATCCACCTCAGCCTCCCCTGACCTGGACCTCACTGGCCTGGGCCTCACTTAACCTGGGCTTCACCTGACCTTGGCCTCACCTGACTTGGACCTCGCCTGTCCCAAGCTTTACCTGACCTGGGCCTCAACTCACCTGAACGTCTCCTGACCTGGGTTTAACCTGTCCTGGAACTCACCTGGCCTTGGCTTCCCCTGACCTGGACCTCATCTGGCCTGGGCTTCACCTGGCCTGGGCCTCACCTGACCTGGACCTCATCTGGCCTGGACCTCACCTGGCCTGGACTTCACCTGGCCTGGGCTTCACCTGACCTGGACCTCACCTGGCCTCGGGCCTCACCTGCACCTGCTCCAGGTCTTGCTGGAGCCTGAGTAGCACTGAGGGTGCAGAAGCTCATCCAGGGTTGGGGAATGACTCTAGAAGTCTCCCACATCTGACCTTTCTGGGTGGAGGCAGCTGGTGGCCCTGGGAATATAAAAATCTCCAGAATGATGACTCTGTGATTTGTGGGCAACTTATGAACCCGAAAGGACATGGCCATGGGGTGGGTAGGGACATAGGGACAGATGCCAGCCTGAGGTGGAGCCTCAGGACACAGGTGGGCACGGACACTATCCACATAAGCGAGGGATAGACCCGAGTGTCCCCACAGCAGACCTGAGAGCGCTGGGCCCACAGCCTCCCCTCAGAGC
CCTGCTGCCTCCTCCGGTCAGCCCTGGACATCCCAGGTTTCCCCAGGCCTGGCGGTAGGATTTTGTTGAGGTCTGTGTCACTGTGGTATTACGATTGCAACTGCAGCAGATGGGCTCGCGACCATAGCAGGTGCTGCTATTATAACCACAGTGTCACAGAGTCCATCAAAAACCCATGCCTGGAAGCTTCCCGCCACAGCCCTCCCCATGGGGCCCTGCTGCCTCCTCAGGTCAGCCCCGGACATCCCGGGTTTCCCCAGGCTGGGCGGTAGGATTTTGTTGAGGTCTGTGTCACTGTGGTATTACTATGAGAGATGCAATGGCAGACGCGGCTGCAGCAGATGGCGCGATCATAGCAGGTGCTGCTATTATAACCACAGTGTCACAGAGTCCATCAAAAACCCATCCCTGGGAGCCTCCCGCCACAGCCCTCCCTGCAGGGGACCGGTACGTGCCATGTTAGGATTTTGATCGAGGAGACAGCACCATGGGTATGGTGGCTACCACAGCAGTGCAGCCTGTGACCCAAACCCGCAGGGCAGCAGGCACGATGGACAGGCCCGTGACTGACCACGCTGGGCTCCAGCCTGCCAGCCCTGGAGATCATGAAACAGATGGCCAAGGTCACCCTACAGGTCATCCAGATCTGGCTCCGAGGGGTCTGCATCGCTGCTGCCCTCCCAACGCCAGTCCAAATGGGACAGGGACGGCCTCACAGCACCATCTGCTGCCATCAGGCCAGCGATCCCAGAAGCCCCTCCCTCAAGGCTGGGCACATGTGTGGACACTGAGAGCCCTCATATCTGAGTAGGGGCACCAGGAGGGAGGGGCTGGCCCTGTGCACTGTCCCTGCCCCTGTGGTCCCTGGCCTGCCTGGCCCTGACACCTGAGCCTCTCCTGGGTCATTTCCAAGACAGAAGACATTCCTGGGGACAGCCGGAGCTGGGCGTCGCTCATCCTGCCCGGCCGTCCTGAGTCCTGCTCATTTCCAGACCTCACCGGGGAAGCCAACAGAGGACTCGCCTCCCACATTCAGAGACAAAGAACCTTCCAGAAATCCCTGCCTCTCTCCCCAGTGGACACCCTCTTCCAGGACAGTCCTCAGTGGCATCACAGCGGCCTGAGATCCCCAGGACGCAGCACCGCTGTCAATAGGGGCCCCAAATGCCTGGACCAGGGCCTGCGTGGGAAAGGCCTCTGGCCACACTCGGGGATTTTGTGAAGGGCCCTCCCACTGTGGAGAGGCTTTGTGGCTTCCCTAAGAGCTGCAGCAGGCAAAAGCCTCACAGATGCTGCCACAGTGATGAACCCAGTGTCAAAAACCGGCTGGAAACCCAGGGGCTGTGTGCACGCCTCAGCTTGGAGCTCTCCAGGAGCACAAGAGCCGGGCCCAAGGATTTGTGCCCAGACCCTCAGCCTCTAGGGACACCTGGGTCATCTCAGCCTGGGCTGGTGCCCTGCACACCATCTTCCTCCAAATAGGGGCTTCAGAGGGCTCTGAGGTGACCTCACTCATGACCACAGGTGACCTGGCCCTTCCCTGCCAGCTATACCAGACCCTGTCTTGACAGATGCCCCGATTCCAACAGCCAATTCCTGGGACCCTGAATAGCTGTAGACACCAGCCTCATTCCAGTACCTCCTGCCAATTGCCTGGATTCCCATCCTGGCTGGAATCAAGAAGGCAGCATCCGCCAGGCTCCCAACAGGCAGGACTCCCGCACACCCTCCTCTGAGAGGCCGCTGTGTTCCGCAGGGCCAGGCCCTGGACAGTTCCCCTCACCTGCCACTAGAGAAACACCTGCCATTGTCGTCCCCACCTGGAAAAGACCACTCGTGGAGCCCCCAGCCCCAGGTACAGCTGTAGAGACAGTCCTCGAGGCCCCTAAGAAGGAGCCATGCCCAGTTCTGCCGGGACCCTCGGCCAGGCCGACAGGAGTGGACGCTGGAGCTGGGCCCACACTGGGCCACATAGGAGCTCACCAGTGAGGGCAGGAGAGCACATGCCGGGGAGCACCCAGCCTCCTGCTGACCAGAGGCCCGTCCCAGAGCCCAGGAGGCTGCAGAGGCCTCTCCAGGGAGACACTGTGCATGTCTGGTACCTAAGCAGCCCCCCACGTCCCCAGTCCTGGGGGCCCCTGGCTCAGCTGTCTGGGCCCTCCCTGCTCCCTGGGAAGCTCCTCCTGACAGCCCCGCCTCCAGTTCCAGGTGTGGATTTTGTCAGGCGATGTCACACTGTGTACTGCCAGAAGTGGATGTGGACTAGCGATAGTGAGAGGAAGTGCTGTGAGGGTATGGTAAGCCGGCTGTGGTGTAAGAAGAAGCTCTGGCACAGTGGTGCCGCCCATATCAAAAACCAGGCCAAGTAGACAGGCCCCTGCTGCGCAGCCCCAGGCATCCACTTCACCTGCTTCTCCTGGGGCTCTCAAGGCTGCTGTCTGTCCTCTGGCCCTCTGTGGGGAGGGTTCCCTCAGTGGGAGGTCTGTGCTCCAGGGCAGGGATGATTGAGATAGAAATCAAAGGCTGGCAGGGAAAGGCAGCTTCCCGCCCTGAGAGGTGCAGGCAGCACCACGGAGCCACGGAGTCACAGAGCCACGGAGCCCCCATTGTGGGCATTTGAGAGTGCTGTGCCCCCGGCAGGCCCAGCCCTGATGGGGAAGCCTGTCCCATCCCACAGCCCGGGTCCCACGGGCAGCGGGCACAGAAGCTGCCAGGTTGTCCTCTATGATCCTCATCCCTCCAGCAGCATCCCCTCCACAGTGGGGAAACTGAGGCTTGGAGCACCACCCGGCCCCCTGGAAATGAGGCTGTGAGCCCAGACAGTGGGCCCAGAGCACTGTGAGTACCCCGGCAGTACCTGGCTGCAGGGATCAGCCAGAGATGCCAAACCCTGAGTGACCAGCCTACAGGAGGATCCGGCCCCACCCAGGCCACTCGATTAATGCTCAACCCCCTGCCCTGGAGACCTCTTCCAGTACCACCAGCAGCTCAGCTTCTCAGGGCCTCATCCCTGCAAGGAAGGTCAAGGGCTGGGCCTGCCAGAAACACAGCACCCTCCCTAGCCCTGGCTAAGACAGGGTGGGCAGACGGCTGTGGACGGGACATATTGCTGGGGCATTTCTCACTGTCACTTCTGGGTGGTAGCTCTGACAAAAACGCAGACCCTGCCAAAATCCCCACTGCCTCCCGCTAGGGGCTGGCCTGGAATCCTGCTGTCCTAGGAGGCTGCTGACCTCCAGGATGGCTCCGTCCCCAGTTCCAGGGCGAGAGCAGATCCCAGGCAGGCTGTAGGCTGGGAGGCCACCCCTGCCCTTGCCGGGGTTGAATGCAGGTGCCCAAGGCAGGAAATGGCATGAGCACAGGGATGACCGGGACATGCCCCACCAGAGTGCGCCCCTTCCTGCTCTGCACCCTGCACCCCCCAGGCCAGCCCACGACGTCCAACAACTGGGCCTGGGTGGCAGCCCCACCCAGACAGGACAGACCCAGCACCCTGAGGAGGTCCTGCCAGGGGGAGCTAAGAGCCATGAAGGAGCAAGATATGGGGCCCCCGATACAGGCACAGATGTCAGCTCCATCCAGGACCACCCAGCCCACACCCTGAGAGGAACGTCTGTCTCCAGCCTCTGCAGGTCGGGAGGCAGCTGACCCCTGACTTGGACCCCTATTCCAGACACCAGACAGAGGCGCAGGCCCCCCAGAACCAGGGTTGAGGGACGCCCCGTCAAAGCCAGACAAAACCAAGGGGTGTTGAGCCCAGCAAGGGAAGGCCCCCAAACAGACCAGGAGGATTTTGTAGGTGTCTGTGTCACTGTGTGCAACTGCAGCAGATGGCGCGACCATAGCAGGTGCTGCCACAGTGACACTCACCCAGTCAAAAACCCCATTCCAAGTCAGCGGAAGCAGAGAGAGCAGGGAGGACACGTTTAGGATCTGAGACTGCACCTGACACCCAGGCCAGCAGACGTCTCCCCTCCAGGGCACCCCACCCTGTCCTGCATTTCTGCAAGATCAGGGGCGGCCTGAGGGGGGGTCTAGGGTGAGGAGATGGGTCCCCTGTACACCAAGGAGGAGTTAGGCAGGTCCCGAGCACTCTTAATTAAACGACGCCTCGAATGGAACTACTACAACGAATGGTTGCTCTACGTAATGCATTCGCTACCTTAGGACCGTTATAGTTAGGCGCGCC
【0163】
TX−DH114619(配列番号234)には、D1−14からD6−19に相当する位置に挿入される毒素コード配列が含まれる:
TACGTATTAATTAAACGACGCCTCGAATGGAACTACTACAACGAATGGTTGCTCTCCCCATTGAGGCTGACCTGCCCAGAGAGTCCTGGGCCCACCCCACACACCGGGGCGGAATGTGTGCAGGCCTCGGTCTCTGTGGGTGTTCCGCTAGCTGGGGCTCACAGTGCTCACCCCACACCTAAAATGAGCCACAGCCTCCGGAGCCCCCGCAGGAGACCCCGCCCACAAGCCCAGCCCCCACCCAGGAGGCCCCAGAGCTCAGGGCGCCCCGTCGGATTTTGTACAGCCCCGAGTCACTGTGGAGAGATGCTGCAATGGCAGACGCGGCTGCAGCAGCAGATGGTGCCGCGATCATAGCAGGTGCTGCCACAGTGAGAATAGCTACGTCAAAAACCGTCCAGTGGCCACTGCCGGAGGCCCCGCCAGAGAGGGCAGCAGCCACTCTGATCCCATGTCCTGCCGGCTCCCATGACCCCCAGCACGCGGAGCCCCACAGTGTCCCCACTGGATGGGAGGACAAGAGCTGGGGATTCCGGCGGGTCGGGGCAGGGGCTTGATCGCATCCTTCTGCCGTGGCTCCAGTGCCCCTGGCTGGAGTTGACCCTTCTGACAAGTGTCCTCAGAGAGACAGGCATCACCGGCGCCTCCCAACATCAACCCCAGGCAGCACAGGCACAAACCCCACATCCAGAGCCAACTCCAGGAGCAGAGACACCCCAATACCCTGGGGGACCCCGACCCTGATGACTTCCCACTGGAATTCGCCGTAGAGTCCACCAGGACCAAAGACCCTGCCTCTGCCTCTGTCCCTCACTCAGGACCTGCTGCCGGGCGAGGCCTTGGGAGCAGACTTGGGCTTAGGGGACACCAGTGTGACCCCGACCTTGACCAGGACGCAGACCTTTCCTTCCTTTCCTGGGGCAGCACAGACTTTGGGGTCTGGGCCAGGAGGAACTTCTGGCAGGTCGCCAAGCACAGAGGCCACAGGCTGAGGTGGCCCTGGAAAGACCTCCAGGAGGTGGCCACTCCCCTTCCTCCCAGCTGGACCCCATGTCCTCCCCAAGATAAGGGTGCCATCCAAGGCAGGTGCTCCTTGGAGCCCCATTCAGACTCCTCCCTGGACCCCACTGGGCCTCAGTCCCAGCTCTGGGGATGAAGCCACCACAAGCACACCAGGCAGCCCAGGCCCAGCCACCCTGCAGTGCCCAAGCACACACTCTGGAGCAGAGCAGGGTGCCTCTGGGAGGGGCTGAGCTCCCCACCCCACCCCCACCTGCACACCCCACCCACCCCTGCCCAGCGGCTCTGCAGGAGGGTCAGAGCCCCACATGGGGTATGGACTTAGGGTCTCACTCACGTGGCTCCCATCATGAGTGAAGGGGCCTCAAGCCCAGGTTCCCACAGCAGCGCCTGTCGCAAGTGGAGGCAGAGGCCCGAGGGCCACCCTGACCTGGTCCCTGAGGTTCCTGCAGCCCAGGCTGCCCTGCTGTCCCTGGGAGGCCTGGGCTCCACCAGACCACAGGTCCAGGGCACCGGGTGCAGGAGCCACCCACACACAGCTCACAGGAAGAAGATAAGCTCCAGACCCCCAGGGCCAGAACCTGCCTTCCTGCTACTGCTTCCTGCCCCAGACCTGGGCGCCCTCCCCCGTCCACTTACACACAGGCCAGGAAGCTGTTCCCACACAGAACAACCCCAAACCAGGACCGCCTGGCACTCAGGTGGCTGCCATTTCCTTCTCCATTTGCTCCCAGCGCCTCTGTCCTCCCTGGTTCCTCCTTCGGGGGAACAGCCTGTGCAGCCAGTCCCTGCAGCCCACACCCTGGGGAGACCCAACCCTGCCTGGGGCCCTTCCAACCCTGCTGCTCTTACTGCCCACCCAGAAAACTCTGGGGTCCTGTCCCTGCAGTCCCTACCCTGGTCTCCACCCAGACCCCTGTGTATCACTCCAGACACCCCTCCCAGGCAAACCCTGCACCTGCAGGCCCTGTCCTCTTCTGTCGCTAGAGCCTCAGTTTCTCCCCCCTGTGCCCACACCCTACCTCCTCCTGCCCACAACTCTAACTCTTCTTCTCCTGGAGCCCCTGAGCCATGGCATTGACCCTGCCCTCCCACCACCCACAGCCCATGCCCTCACCTTCCTCCTGGCCACTCCGACCCCGCCCCCTCTCAGGCCAAGCCCTGGTATTTCCAGGACAAAGGCTCACCCAAGTCTTTCCCAGGCAGGCCTGGGCTCTTGCCCTCACTTCCCGGTTACACGGGAGCCTCCTGTGCACAGAAGCAGGGAGCTCAGCCCTTCCACAGGCAGAAGGCACTGAAAGAAATCGGCCTCCAGCACCTTGACACACGTCCGCCCGTGTCTCTCACTGCCCGCACCTGCAGGGAGGCTCCGCACTCCCTCTAAAGACAAGGGATCCAGGCAGCAGCATCACGGGAGAATGCAGGGCTCCCAGACATCCCAGTCCTCTCACAGGCCTCTCCTGGGAAGAGACCTGCAGCCACCACCAAACAGCCACAGAGGCTGCTGGATAGTAACTGAGTCAATGACCGACCTGGAGGGCAGGGGAGCAGTGAGCCGGAGCCCATACCATAGGGACAGAGACCAGCCGCTGACATCCCGAGCTCCTCAATGGTGGCCCCATAACACACCTAGGAAACATAACACACCCACAGCCCCACCTGGAACAGGGCAGAGACTGCTGAGCCCCCAGCACCAGCCCCAAGAAACACCAGGCAACAGTATCAGAGGGGGCTCCCGAGAAAGAGAGGAGGGGAGATCTCCTTCACCATCAAATGCTTCCCTTGACCAAAAACAGGGTCCACGCAACTCCCCCAGGACAAAGGAGGAGCCCCCTATACAGCACTGGGCTCAGAGTCCTCTCTGAGACACCCTGAGTTTCAGACAACAACCCGCTGGAATGCACAGTCTCAGCAGGAGAACAGACCAAAGCCAGCAAAAGGGACCTCGGTGACACCAGTAGGGACAGGAGGATTTTGTGGGGGCTCGTGTCACTGTGAGGATATTGTAGTGGTAGCAGCAGATGGGGTAGCTGCTACTCCCACAGTGACACAGACCCATTCAAAAACCCCTACTGCAAACACACCCACTCCTGGGGCTGAGGGGCTGGGGGAGCGTCTGGGAAGTAGGGTCCAGGGGTGTCTATCAATGTCCAAAATGCACCAGACTCCCCGCCAAACACCACCCCACCAGCCAGCGAGCAGGGTAAACAGAAAATGAGAGGCTCTGGGAAGCTTGCACAGGCCCCAAGGAAAGAGCTTTGGCGGGTGTGCAAGAGGGGATGCAGGCAGAGCCTGAGCAGGGCCTTTTGCTGTTTCTGCTTTCCTGTGCAGAGAGTTCCATAAACTGGTGTTCAAGATCAGTGGCTGGGAATGAGCCCAGGAGGGCAGTCTGTGGGAAGAGCACAGGGAAGGAGGAGCAGCCGCTATCCTACACTGTCATCTTTCAAAAGTTTGCCTTGTGACCACACTATTGCATCATGGGATGCTTAAGAGCTGATGTAGACACAGCTAAAGAGAGAATCAGTGAGATGAATTTGCAGCATAGATCTGAATAAACTCTCCAGAATGTGGAGCAGTACAGAAGCAAACACACAGAAAGTGCCTGATGCAAGGACAAAGTTCAGTGGGCACCTTCAGGCATTGCTGCTGGGCACAGACACTCTGAAAAGCCTTGGCAGGATCTCCCTGCGACAAAGCAGAACCCTCAGGCAATGCCAGCCCCAGAGCCCTCCCTGAGAGCGTCATGGGGAAAGATGTGCAGAACAGCTGATTATCATAGACTCAAACTGAGAACAGAGCAAACGTCCATCTGAAGAACAGTCAAATAAGCAATGGTAGGTTCATGCAATGCAAACCCAGACAGCCAGGGGACAACAGTAGAGGGCTACAGGCGGCTTTGCGGTTGAGTTCATGACAATGCTGAGTAATTGGAGTAACAGAGGAAAGCCCAAAAAATACTTTTAATGTGATTTCTTCTAAATAAAATTTACACCAGGCAAAATGAACTGTCTTCTTAAGGGATAAACTTTCCCCTGGAAAAACTACAAGGAAAATTAAGAAAACGATGATCACATAAACACAGTTGTGGTTACTTCTACTGGGGAAGGAAGAGGGTATGAGCTGAGACACACAGAGTCGGCAAGTCTCCAAGCAAGCACAGAACGAATACATTACAGTACCTTGAATACAGCAGTTAAACTTCTAAATCGCAAGAACAGGAAAATGCACACAGCTGTGTTTAGAAAATTCTCAGTCCAGCACTATTCATAATAGCAAAGACATTAACCCAGGTTGGATAAATAAATGATGACACAGGCAATTGCACAATGATACAGACATACATTTAGTACATGAGACATCGATGATGTATCCCCAAAGAAATGACTTTAAAGAGAAAAGGCCTGATGTGTGGTGGCACTCACCTCCCTGGGATCCCCGGACAGGTTGCAGGCACACTGTGTGGCAGGGCAGGCTGGTACATGCTG
GCAGCTCCTGGGGCCTGATGTGGAGCAAGCGCAGGGCTGTATACCCCCAAGGATGGCACAGTCAGTGAATTCCAGAGAGAAGCAGCTCAGCCACACTGCCCAGGCAGAGCCCGAGAGGGACGCCCACGTACAGGGAGGCAGAGCCCAGCTCCTCCACAGCCACCACCACCTGTGCACGGGCCACCACCTTGCAGGCACAGAGTGGGTGCTGAGAGGAGGGGCAGGGACACCAGGCAGGGTGAGCACCCAGAGAAAACTGCAGAAGCCTCACACATCCACCTCAGCCTCCCCTGACCTGGACCTCACCTGGTCTGGACCTCACCTGGCCTGGGCCTCACCTGACCTGGACCTCACCTGGCCTGGGCTTCACCTGACCTGGACCTCACCTGGCCTCCGGCCTCACCTGCACCTGCTCCAGGTCTTGCTGGAACCTGAGTAGCACTGAGGCTGCAGAAGCTCATCCAGGGTTGGGGAATGACTCTGGAACTCTCCCACATCTGACCTTTCTGGGTGGAGGCATCTGGTGGCCCTGGGAATATAAAAAGCCCCAGAATGGTGCCTGCGTGATTTGGGGGCAATTTATGAACCCGAAAGGACATGGCCATGGGGTGGGTAGGGACATAGGGACAGATGCCAGCCTGAGGTGGAGCCTCAGGACACAGTTGGACGCGGACACTATCCACATAAGCGAGGGACAGACCCGAGTGTTCCTGCAGTAGACCTGAGAGCGCTGGGCCCACAGCCTCCCCTCGGTGCCCTGCTGCCTCCTCAGGTCAGCCCTGGACATCCCGGGTTTCCCCAGGCCAGATGGTAGGATTTTGTTGAGGTCTGTGTCACTGTGGTATTATGATTACGAGAGAGCTTGCAATGGCAGACGCGGCTGCAGCAGATGGGCTCGCGATCATAGCAGGTGCTGCTATCGTTATACCCACAGTGTCACACGGTCCATCAAAAACCCATGCCACAGCCCTCCCCGCAGGGGACCGCCGCGTGCCATGTTACGATTTTGATCGAGGACACAGCGCCATGGGTATGGTGGCTACCACAGCAGTGCAGCCCATGACCCAAACACACAGGGCAGCAGGCACAATGGACAGGCCTGTGAGTGACCATGCTGGGCTCCAGCCCGCCAGCCCCGGAGACCATGAAACAGATGGCCAAGGTCACCCCACAGTTCAGCCAGACATGGCTCCGTGGGGTCTGCATCGCTGCTGCCCTCTAACACCAGCCCAGATGGGGACAAGGCCAACCCCACATTACCATCTCCTGCTGTCCACCCAGTGGTCCCAGAAGCCCCTCCCTCATGGCTGAGCCACATGTGTGAACCCTGAGAGCACCCCATGTCAGAGTAGGGGCAGCAGAAGGGCGGGGCTGGCCCTGTGCACTGTCCCTGCACCCATGGTCCCTCGCCTGCCTGGCCCTGACACCTGAGCCTCTTCTGAGTCATTTCTAAGATAGAAGACATTCCCGGGGACAGCCGGAGCTGGGCGTCGCTCATCCCGCCCGGCCGTCCTGAGTCCTGCTTGTTTCCAGACCTCACCAGGGAAGCCAACAGAGGACTCACCTCACACAGTCAGAGACAAAGAACCTTCCAGAAATCCCTGTCTCACTCCCCAGTGGGCACCTTCTTCCAGGACATTCCTCGGTCGCATCACAGCAGGCACCCACATCTGGATCAGGACGGCCCCCAGAACACAAGATGGCCCATGGGGACAGCCCCACAACCCAGGCCTTCCCAGACCCCTAAAAGGCGTCCCACCCCCTGCACCTGCCCCAGGGCTAAAAATCCAGGAGGCTTGACTCCCGCATACCCTCCAGCCAGACATCACCTCAGCCCCCTCCTGGAGGGGACAGGAGCCCGGGAGGGTGAGTCAGACCCACCTGCCCTCGATGGCAGGCGGGGAAGATTCAGAAAGGCCTGAGATCCCCAGGACGCAGCACCACTGTCAATGGGGGCCCCAGACGCCTGGACCAGGGCCTGCGTGGGAAAGGCCGCTGGGCACACTCAGGGGGATTTTGTGAAGGCCCCTCCCACTGTGGAGAGGCTTGCTTGTGGCTTCCCTAAGAGCTGCAGCAGGCAAGCTAAGCCTCACAGATGCTGCCACAGTGATGAAACTAGCATCAAAAACCGGCCGGACACCCAGGGACCATGCACACTTCTCAGCTTGGAGCTCTCCAGGACCAGAAGAGTCAGGTCTGAGGGTTTGTAGCCAGACCCTCGGCCTCTAGGGACACCCTGGCCATCACAGCGGATGGGCTGGTGCCCCACATGCCATCTGCTCCAAACAGGGGCTTCAGAGGGCTCTGAGGTGACTTCACTCATGACCACAGGTGCCCTGGCCCCTTCCCCGCCAGCTACACCGAACCCTGTCCCAACAGCTGCCCCAGTTCCAACAGCCAATTCCTGGGGCCCAGAATTGCTGTAGACACCAGCCTCGTTCCAGCACCTCCTGCCAATTGCCTGGATTCACATCCTGGCTGGAATCAAGAGGGCAGCATCCGCCAGGCTCCCAACAGGCAGGACTCCCGCACACCCTCCTCTGAGAGGCCGCTGTGTTCCGCAGGGCCAGGCCCTGGACAGTTCCCCTCACCTGCCACTAGAGAAACACCTGCCATTGTCGTCCCCACCTGGAAAAGACCACTCGTGGAGCCCCCAGCCCCAGGTACAGCTGTAGAGAGACTCCCCGAGGGATCTAAGAAGGAGCCATGCGCAGTTCTGCCGGGACCCTCGGCCAGGCCGACAGGAGTGGACACTGGAGCTGGGCCCACACTGGGCCACATAGGAGCTCACCAGTGAGGGCAGGAGAGCACATGCCGGGGAGCACCCAGCCTCCTGCTGACCAGAGGCCCGTCCCAGAGCCCAGGAGGCTGCAGAGGCCTCTCCAGGGGGACACTGTGCATGTCTGGTCCCTGAGCAGCCCCCCACGTCCCCAGTCCTGGGGGCCCCTGGCACAGCTGTCTGGACCCTCCCTGTTCCCTGGGAAGCTCCTCCTGACAGCCCCGCCTCCAGTTCCAGGTGTGGATTTTGTCAGGGGGTGTCACACTGTGTACTGCCAGAAGTGGATGTGGACTTGCGATAGTGAGAGGAAGAGCTGTGAGGGTATGGTATGCCGGCTGTGGAGTAAGAAGAAGCTCTGGCACAGTGGTGCTGCCCATATCAAAAACCAGGCCAAGTAGACAGGCCCCTGCTGTGCAGCCCCAGGCCTCCACTTCACCTGCTTCTCCTGGGGCTCTCAAGGTCACTGTTGTCTGTACTCTGCCCTCTGTGGGGAGGGTTCCCTCAGTGGGAGGTCTGTTCTCAACATCCCAGGGCCTCATGTCTGCACGGAAGGCCAATGGATGGGCAACCTCACATGCCGCGGCTAAGATAGGGTGGGCAGCCTGGCGGGGGACAGTACATACTGCTGGGGTGTCTGTCACTGTGCCTAGTGGGGCACTGGCTCCCAAACAACGCAGTCCTCGCCAAAATCCCCACAGCCTCCCCTGCTAGGGGCTGGCCTGATCTCCTGCAGTCCTAGGAGGCTGCTGACCTCCAGAATGTCTCCGTCCCCAGTTCCAGGGCGAGAGCAGATCCCAGGCCGGCTGCAGACTGGGAGGCCACCCCCTCCTTCCCAGGGTTCACTGGAGGTGACCAAGGTAGGAAATGGCCTTAACACAGGGATGACTGCGCCATCCCCCAACAGAGTCAGCCCCCTCCTGCTCTGTACCCCGCACCCCCCAGGCCAGTCCACGAAAACCAGGGCCCCACATCAGAGTCACTGCCTGGCCCGGCCCTGGGGCGGACCCCTCAGCCCCCACCCTGTCTAGAGGACTTGGGGGGACAGGACACAGGCCCTCTCCTTATGGTTCCCCCACCTGCCTCCGGCCGGGACCCTTGGGGTGTGGACAGAAAGGACACCTGCCTAATTGGCCCCCAGGAACCCAGAACTTCTCTCCAGGGACCCCAGCCCGAGCACCCCCTTACCCAGGACCCAGCCCTGCCCCTCCTCCCCTCTGCTCTCCTCTCATCACCCCATGGGAATCCGGTATCCCCAGGAAGCCATCAGGAAGGGCTGAAGGAGGAAGCGGGGCCGTGCACCACCGGGCAGGAGGCTCCGTCTTCGTGAACCCAGGGAAGTGCCAGCCTCCTAGAGGGTATGGTCCACCCTGCCTGGGGCTCCCACCGTGGCAGGCTGCGGGGAAGGACCAGGGACGGTGTGGGGGAGGGCTCAGGGCCCTGCGGGTGCTCCTCCATCTTCGGTGAGCCTCCCCCTTCACCCACCGTCCCGCCCACCTCCTCTCCACCCTGGCTGCACGTCTTCCACACCATCCTGAGTCCTACCTACACCAGAGCCAGCAAAGCCAGTGCAGACAAAGGCTGGGGTGCAGGGGGGCTGCCAGGGCAGCTTCGGGGAGGGAAGGATGGAGGGAGGGGAGGTCAGTGAAGAGGCCCCCTTCCCCTGGGTCCAGGATCCTCCTCTGGGACCCCCGGATCCCATCCCCTCCTGGCTCTGGGAGGAGAAGCAGGATGGGAGAATCTGTGCGGGACCCTCTCACAGTGGAATATCCCCACAGCGGCTCAGGCCAGACCCAAAAGCCCCTCAGTGAGCCCTCCACTGCAGTCCTGGGCCTGGGTAGCAGCCCCTCCCACAGAGGACAGACCCAGCACCCCGAAGAAGTCCTGCCAGGGGGAGCTCAGAGCCATGAAAGAGCAGGATATGGGGTCCCCGATACAGGCACAGACCTCAGCTCCATCCAGGCCCACCGGGACCCACCATGGGAGGAACACCTGTCTCCGGGTTGTGAGGTAGCTGGCCTCTGTCTCGGACCCCACTCCAGACACCAGACAGAGGGGCAGGCCCCCCAAAACCAGGGTTGAGGGATGATCCGTCAAGGCAGACAAGACCAAGGGGCACTGACCCCAGCAAGGGAAGGCTCCCAAACAGACGAGGAGGATTTTGTAGCTGTCTGTATCACTGTGTGCAACTGCAGCAGATGGGCTCGCGACCATAGCAGGTGCTGCCACAGTGACACTCGCCAGGTCAAAAACCCCGTCCCAAGTCAGCGGAAGCAGAGAGAGCAGGGAGGACACGTTTAGGATCTGAGGCCGCACCTGACACCCAGGGCAGCAGACGTCTCCCCTCCAGGGCACCCTCCACCGTCCTGCGTTTCTTCAAGAATAGGGGCGGCCTGAGGGGGTCCAGGGCCAGGCGATAGGTCCCCTCTACCCCAAGGAGGAGCCAGGCAGGACCCGAGCACCGATGCATCTAACGCAGTCATGTAATGCTGGGTGACAGTCAGTTCGCCTACGTA
【0164】
TX−DH120126(配列番号235)には、D1−20からD1−26に相当する位置に挿入される毒素コード配列が含まれる:
TACGTAATGCATCTAACGCAGTCATGTAATGCTGGGTGACAGTCAGTTCGCCTCCCCATTGAGGCTGACCTGCCCAGACGGGCCTGGGCCCACCCCACACACCGGGGCGGAATGTGTGCAGGCCCCAGTCTCTGTGGGTGTTCCGCTAGCTGGGGCCCCCAGTGCTCACCCCACACCTAAAGCGAGCCCCAGCCTCCAGAGCCCCCTAAGCATTCCCCGCCCAGCAGCCCAGCCCCTGCCCCCACCCAGGAGGCCCCAGAGCTCAGGGCGCCTGGTCGGATTTTGTACAGCCCCGAGTCACTGTGGAGAGAGCTTGCAATGGCAGACGCGGCTGCAGCAGATGGGCTCGCGATCATAGCAGGTGCTGCCACAGTGAGAAAAACTGTGTCAAAAACCGACTCCTGGCAGCAGTCGGAGGCCCCGCCAGAGAGGGGAGCAGCCGGCCTGAACCCATGTCCTGCCGGTTCCCATGACCCCCAGCACCCAGAGCCCCACGGTGTCCCCGTTGGATAATGAGGACAAGGGCTGGGGGCTCCGGTGGTTTGCGGCAGGGACTTGATCACATCCTTCTGCTGTGGCCCCATTGCCTCTGGCTGGAGTTGACCCTTCTGACAAGTGTCCTCAGAAAGACAGGGATCACCGGCACCTCCCAATATCAACCCCAGGCAGCACAGACACAAACCCCACATCCAGAGCCAACTCCAGGAGCAGAGACACCCCAACACTCTGGGGGACCCCAACCGTGATAACTCCCCACTGGAATCCGCCCCAGAGTCTACCAGGACCAAAGGCCCTGCCCTGTCTCTGTCCCTCACTCAGGGCCTCCTGCAGGGCGAGCGCTTGGGAGCAGACTCGGTCTTAGGGGACACCACTGTGGGCCCCAACTTTGATGAGGCCACTGACCCTTCCTTCCTTTCCTGGGGCAGCACAGACTTTGGGGTCTGGGCAGGGAAGAACTACTGGCTGGTGGCCAATCACAGAGCCCCCAGGCCGAGGTGGCCCCAAGAAGGCCCTCAGGAGGTGGCCACTCCACTTCCTCCCAGCTGGACCCCAGGTCCTCCCCAAGATAGGGGTGCCATCCAAGGCAGGTCCTCCATGGAGCCCCCTTCAGACTCCTCCCGGGACCCCACTGGACCTCAGTCCCTGCTCTGGGAATGCAGCCACCACAAGCACACCAGGAAGCCCAGGCCCAGCCACCCTGCAGTGGGCAAGCCCACACTCTGGAGCAGAGCAGGGTGCGTCTGGGAGGGGCTAACCTCCCCACCCCCCACCCCCCATCTGCACACAGCCACCTACCACTGCCCAGACCCTCTGCAGGAGGGCCAAGCCACCATGGGGTATGGACTTAGGGTCTCACTCACGTGCCTCCCCTCCTGGGAGAAGGGGCCTCATGCCCAGATCCCTGCAGCACTAGACACAGCTGGAGGCAGTGGCCCCAGGGCCACCCTGACCTGGCATCTAAGGCTGCTCCAGCCCAGACAGCACTGCCGTTCCTGGGAAGCCTGGGCTCCACCAGACCACAGGTCCAGGGCACAGCCCACAGGAGCCACCCACACACAGCTCACAGGAAGAAGATAAGCTCCAGACCCCAGGGCGGGACCTGCCTTCCTGCCACCACTTACACACAGGCCAGGGAGCTGTTCCCACACAGATCAACCCCAAACCGGGACTGCCTGGCACTAGGGTCACTGCCATTTCCCTCTCCATTCCCTCCCAGTGCCTCTGTGCTCCCTCCTTCTGGGGAACACCCTGTGCAGCCCCTCCCTGCAGCCCACACGCTGGGGAGACCCCACCCTGCCTCGGGCCTTTTCTACCTGCTGCACTTGCCGCCCACCCAAACAACCCTGGGTACGTGACCCTGCAGTCCTCACCCTGATCTGCAACCAGACCCCTGTCCCTCCCTCTAAACACCCCTCCCAGGCCAACTCTGCACCTGCAGGCCCTCCGCTCTTCTGCCACAAGAGCCTCAGGTTTTCCTACCTGTGCCCACCCCCTAACCCCTCCTGCCCACAACTTGAGTTCTTCCTCTCCTGGAGCCCTTGAGCCATGGCACTGACCCTACACTCCCACCCACACACTGCCCATGCCATCACCTTCCTCCTGGACACTCTGACCCCGCTCCCCTCCCTCTCAGACCCGGCCCTGGTATTTCCAGGACAAAGGCTCACCCAAGTCTTCCCCATGCAGGCCCTTGCCCTCACTGCCTGGTTACACGGGAGCCTCCTGTGCGCAGAAGCAGGGAGCTCAGCTCTTCCACAGGCAGAAGGCACTGAAAGAAATCAGCCTCCAGTGCCTTGACACACGTCCGCCTGTGTCTCTCACTGCCTGCACCTGCAGGGAGGCTCCGCACTCCCTCTAAAGATGAGGGATCCAGGCAGCAACATCACGGGAGAATGCAGGGCTCCCAGACAGCCCAGCCCTCTCGCAGGCCTCTCCTGGGAAGAGACCTGCAGCCACCACTGAACAGCCACGGAGGTCGCTGGATAGTAACCGAGTCAGTGACCGACCTGGAGGGCAGGGGAGCAGTGAACCGGAGCCCATACCATAGGGACAGAGACCAGCCGCTAACATCCCGAGCCCCTCACTGGCGGCCCCAGAACACCCCGTGGAAAGAGAACAGACCCACAGTCCCACCTGGAACAGGGCAGACACTGCTGAGCCCCCAGCACCAGCCCCAAGAAACACTAGGCAACAGCATCAGAGGGGGCTCCTGAGAAAGAGAGGAGGGGAGGTCTCCTTCACCATCAAATGCTTCCCTTGACCAAAAACAGGGTCCACGCAACTCCCCCAGGACAAAGGAGGAGCCCCCTGTACAGCACTGGGCTCAGAGTCCTCTCTGAGACAGGCTCAGTTTCAGACAACAACCCGCTGGAATGCACAGTCTCAGCAGGAGAGCCAGGCCAGAGCCAGCAAGAGGAGACTCGGTGACACCAGTCTCCTGTAGGGACAGGAGGATTTTGTGGGGGTTCGTGTCACTGTGAGCATATTGTCGGAGCAGGCAGTGCTATTCCCACAGTGACACAACCCCATTCAAAAACCCCTACTGCAAACGCACCCACTCCTGGGACTGAGGGGCTGGGGGAGCGTCTGGGAAGTATGGCCTAGGGGTGTCCATCAATGCCCAAAATGCACCAGACTCTCCCCAAGACATCACCCCACCAGCCAGTGAGCAGAGTAAACAGAAAATGAGAAGCAGCTGGGAAGCTTGCACAGGCCCCAAGGAAAGAGCTTTGGCAGGTGTGCAAGAGGGGATGTGGGCAGAGCCTCAGCAGGGCCTTTTGCTGTTTCTGCTTTCCTGTGCAGAGAGTTCCATAAACTGGTATTCAAGATCAATGGCTGGGAGTGAGCCCAGGAGGACAGTGTGGGAAGAGCACAGGGAAGGAGGAGCAGCCGCTATCCTACACTGTCATCTTTTGAAAGTTTGCCCTGTGCCCACAATGCTGCATCATGGGATGCTTAACAGCTGATGTAGACACAGCTAAAGAGAGAATCAGTGAAATGGATTTGCAGCACAGATCTGAATAAATCCTCCAGAATGTGGAGCAGCACAGAAGCAAGCACACAGAAAGTGCCTGATGCCAAGGCAAAGTTCAGTGGGCACCTTCAGGCATTGCTGCTGGGCACAGACACTCTGAAAAGCACTGGCAGGAACTGCCTGTGACAAAGCAGAACCCTCAGGCAATGCCAGCCCTAGAGCCCTTCCTGAGAACCTCATGGGCAAAGATGTGCAGAACAGCTGTTTGTCATAGCCCCAAACTATGGGGCTGGACAAAGCAAACGTCCATCTGAAGGAGAACAGACAAATAAACGATGGCAGGTTCATGAAATGCAAACTAGGACAGCCAGAGGACAACAGTAGAGAGCTACAGGCGGCTTTGCGGTTGAGTTCATGACAATGCTGAGTAATTGGAGTAACAGAGGAAAGCCCAAAAAATACTTTTAATGTGATTTCTTCTAAATAAAATTTACACCCGGCAAAATGAACTATCTTCTTAAGGGATAAACTTTCCCCTGGAAAAACTATAAGGAAAATCAAGAAAACGATGATCACATAAACACAGTGGTGGTTACTTCTACTGGGGAAGGAAGAGGGTATGAGCTGAGACACACAGAGTCGGCAAGTCTCCTAACAAGAACAGAACAAATACATTACAGTACCTTGAAAACAGCAGTTAAACTTCTAAATCGCAAGAAGAGGAAAATGCACACACCTGTGTTTAGAAAATTCTCAGTCCAGCACTGTTCATAATAGCAAAGACATTAACCCAGGTTGGATAAATAAGCGATGACACAGGCAATTGCACAATGATACAGACATACATTCAGTATATGAGACATCGATGATGTATCCCCAAAGAAATGACTTTAAAGAGAAAAGGCCTGATGTGTGGTGGCAATCACCTCCCTGGGCATCCCCGGACAGGCTGCAGGCTCACTGTGTGGCAGGGCAGGCAGGCACCTGCTGGCAGCTCCTGGGGCCTGATGTGGAGCAGGCACAGAGCTGTATATCCCCAAGGAAGGTACAGTCAGTGCATTCCAGAGAGAAGCAACTCAGCCACACTCCCTGGCCAGAACCCAAGATGCACACCCATGCACAGGGAGGCAGAGCCCAGCACCTCCGCAGCCACCACCACCTGCGCACGGGCCACCACCTTGCAGGCACAGAGTGGGTGCTGAGAGGAGGGGCAGGGACACCAGGCAGGGTGAGCACCCAGAGAAAACTGCAGAAGCCTCACACATCCCTCACCTGGCCTGGGCTTCACCTGACCTGGACCTCACCTGGCCTCGGGCCTCACCTGCACCTGCTCCAGGTCTTGCTGGAGCCTGAGTAGCACTGAGGCTGTAGGGACTCATCCAGGGTTGGGGAATGACTCTGCAACTCTCCCACATCTGACCTTTCTGGGTGGAGGCACCTGGTGGCCCAGGGAATATAAAAAGCCCCAGAATGATGCCTGTGTGATTTGGGGGCAATTTATGAACCCGAAAGGACATGGCCATGGGGTGGGTAGGGACAGTAGGGACAGATGTCAGCCTGAGGTGAAGCCTCAGGACACAGGTGGGCATGGACAGTGTCCACCTAAGCGAGGGACAGACCCGAGTGTCCCTGCAGTAGACCTGAGAGCGCTGGGCCCACAGCCTCCCCTCGGGGCCCTGCTGCCTCCTCAGGTCAGCCCTGGACATCCCGGGTTTCCCCAGGCCTGGCGGTAGGATTTTGTTGAGGTCTGTGTCACTGTGGTATTACTATGAGAGGCTTGCTTGTGGCTTCCCTAAGAGCTGCAGCAGGCAAGCTAAGCCTCACAGATGCTGCTATTACTACCACAGTGTCACAGAGTCCATCAAAAACCCATGCCTGGGAGCCTCCCACCACAGCCCTCCCTGCGGGGGACCGCTGCATGCCGTGTTAGGATTTTGATCGAGGACACGGCGCCATGGGTATGGTGGCTACCACAGCAGTGCAGCCCATGACCCAAACACACGGGGCAGCAGAAACAATGGACAGGCCCACAAGTGACCATGATGGGCTCCAGCCCACCAGCCCCAGAGACCATGAAACAGATGGCCAAGGTCACCCTACAGGTCATCCAGATCTGGCTCCAAGGGGTCTGCATC
GCTGCTGCCCTCCCAACGCCAAACCAGATGGAGACAGGGCCGGCCCCATAGCACCATCTGCTGCCGTCCACCCAGCAGTCCCGGAAGCCCCTCCCTGAACGCTGGGCCACGTGTGTGAACCCTGCGAGCCCCCCATGTCAGAGTAGGGGCAGCAGGAGGGCGGGGCTGGCCCTGTGCACTGTCACTGCCCCTGTGGTCCCTGGCCTGCCTGGCCCTGACACCTGAGCCTCTCCTGGGTCATTTCCAAGACATTCCCAGGGACAGCCGGAGCTGGGAGTCGCTCATCCTGCCTGGCTGTCCTGAGTCCTGCTCATTTCCAGACCTCACCAGGGAAGCCAACAGAGGACTCACCTCACACAGTCAGAGACAACGAACCTTCCAGAAATCCCTGTTTCTCTCCCCAGTGAGAGAAACCCTCTTCCAGGGTTTCTCTTCTCTCCCACCCTCTTCCAGGACAGTCCTCAGCAGCATCACAGCGGGAACGCACATCTGGATCAGGACGGCCCCCAGAACACGCGATGGCCCATGGGGACAGCCCAGCCCTTCCCAGACCCCTAAAAGGTATCCCCACCTTGCACCTGCCCCAGGGCTCAAACTCCAGGAGGCCTGACTCCTGCACACCCTCCTGCCAGATATCACCTCAGCCCCCTCCTGGAGGGGACAGGAGCCCGGGAGGGTGAGTCAGACCCACCTGCCCTCAATGGCAGGCGGGGAAGATTCAGAAAGGCCTGAGATCCCCAGGACGCAGCACCACTGTCAATGGGGGCCCCAGACGCCTGGACCAGGGCCTGTGTGGGAAAGGCCTCTGGCCACACTCAGGGGGATTTTGTGAAGGGCCCTCCCACTGTGGAGAGGCTTTGCTGTGGCTTCCCTAAGAGCTGCCGCAGCAGGCAATGCAAGCCTCACAGATGCTGCCACAGTGATGAAACCAGCATCAAAAACCGACCGGACTCGCAGGGTTTATGCACACTTCTCGGCTCGGAGCTCTCCAGGAGCACAAGAGCCAGGCCCGAGGGTTTGTGCCCAGACCCTCGGCCTCTAGGGACACCCGGGCCATCTTAGCCGATGGGCTGATGCCCTGCACACCGTGTGCTGCCAAACAGGGGCTTCAGAGGGCTCTGAGGTGACTTCACTCATGACCACAGGTGCCCTGGTCCCTTCACTGCCAGCTGCACCAGACCCTGTTCCGAGAGATGCCCCAGTTCCAAAAGCCAATTCCTGGGGCCGGGAATTACTGTAGACACCAGCCTCATTCCAGTACCTCCTGCCAATTGCCTGGATTCCCATCCTGGCTGGAATCAAGAGGGCAGCATCCGCCAGGCTCCCAACAGGCAGGACTCCCACACACCCTCCTCTGAGAGGCCGCTGTGTTCCGCAGGGCCAGGCCGCAGACAGTTCCCCTCACCTGCCCATGTAGAAACACCTGCCATTGTCGTCCCCACCTGGCAAAGACCACTTGTGGAGCCCCCAGCCCCAGGTACAGCTGTAGAGAGAGTCCTCGAGGCCCCTAAGAAGGAGCCATGCCCAGTTCTGCCGGGACCCTCGGCCAGGCCGACAGGAGTGGACGCTGGAGCTGGGCCCACACTGGGCCACATAGGAGCTCACCAGTGAGGGCAGGAGAGCACATGCCGGGGAGCACCCAGCCTCCTGCTGACCAGAGACCCGTCCCAGAGCCCAGGAGGCTGCAGAGGCCTCTCCAGGGGGACACAGTGCATGTCTGGTCCCTGAGCAGCCCCCAGGCTCTCTAGCACTGGGGGCCCCTGGCACAGCTGTCTGGACCCTCCCTGTTCCCTGGGAAGCTCCTCCTGACAGCCCCGCCTCCAGTTCCAGGTGTGGATTTTGTCAGGGGGTGCCACACTGTGTACTGCCAGAAGTGGATGTGGACTTGCGATAGTGAGAGGAAGTGCTGTGAGGGTATGGTATGCCGGCTGTGGTGTAAGAAGAAGCTCTGGCACAGTGGTGCCGCCCATATCAAAAACCAGGCCAAGTAGACAGACCCCTGCCACGCAGCCCCAGGCCTCCAGCTCACCTGCTTCTCCTGGGGCTCTCAAGGCTGCTGTCTGCCCTCTGGCCCTCTGTGGGGAGGGTTCCCTCAGTGGGAGGTCTGTGCTCCAGGGCAGGGATGACTGAGATAGAAATCAAAGGCTGGCAGGGAAAGGCAGCTTCCCGCCCTGAGAGGTGCAGGCAGCACCACAGAGCCATGGAGTCACAGAGCCACGGAGCCCCCAGTGTGGGCGTGTGAGGGTGCTGGGCTCCCGGCAGGCCCAGCCCTGATGGGGAAGCCTGCCCCGTCCCACAGCCCAGGTCCCCAGGGGCAGCAGGCACAGAAGCTGCCAAGCTGTGCTCTACGATCCTCATCCCTCCAGCAGCATCCACTCCACAGTGGGGAAACTGAGCCTTGGAGAACCACCCAGCCCCCTGGAAACAAGGCGGGGAGCCCAGACAGTGGGCCCAGAGCACTGTGTGTATCCTGGCACTAGGTGCAGGGACCACCCGGAGATCCCCATCACTGAGTGGCCAGCCTGCAGAAGGACCCAACCCCAACCAGGCCGCTTGATTAAGCTCCATCCCCCTGTCCTGGGAACCTCTTCCCAGCGCCACCAACAGCTCGGCTTCCCAGGCCCTCATCCCTCCAAGGAAGGCCAAAGGCTGGGCCTGCCAGGGGCACAGTACCCTCCCTTGCCCTGGCTAAGACAGGGTGGGCAGACGGCTGCAGATAGGACATATTGCTGGGGCATCTTGCTCTGTGACTACTGGGTACTGGCTCTCAACGCAGACCCTACCAAAATCCCCACTGCCTCCCCTGCTAGGGGCTGGCCTGGTCTCCTCCTGCTGTCCTAGGAGGCTGCTGACCTCCAGGATGGCTTCTGTCCCCAGTTCTAGGGCCAGAGCAGATCCCAGGCAGGCTGTAGGCTGGGAGGCCACCCCTGTCCTTGCCGAGGTTCAGTGCAGGCACCCAGGACAGGAAATGGCCTGAACACAGGGATGACTGTGCCATGCCCTACCTAAGTCCGCCCCTTTCTACTCTGCAACCCCCACTCCCCAGGTCAGCCCATGACGACCAACAACCCAACACCAGAGTCACTGCCTGGCCCTGCCCTGGGGAGGACCCCTCAGCCCCCACCCTGTCTAGAGGAGTTGGGGGGACAGGACACAGGCTCTCTCCTTATGGTTCCCCCACCTGGCTCCTGCCGGGACCCTTGGGGTGTGGACAGAAAGGACGCCTGCCTAATTGGCCCCCAGGAACCCAGAACTTCTCTCCAGGGACCCCAGCCCGAGCACCCCCTTACCCAGGACCCAGCCCTGCCCCTCCTCCCCTCTGCTCTCCTCTCATCACTCCATGGGAATCCAGAATCCCCAGGAAGCCATCAGGAAGGGCTGAAGGAGGAAGCGGGGCCGCTGCACCACCGGGCAGGAGGCTCCGTCTTCGTGAACCCAGGGAAGTGCCAGCCTCCTAGAGGGTATGGTCCACCCTGCCTGGGGCTCCCACCGTGGCAGGCTGCGGGGAAGGACCAGGGACGGTGTGGGGGAGGGCTCAGGGCCCTGCAGGTGCTCCATCTTGGATGAGCCCATCCCTCTCACCCACCGACCCGCCCACCTCCTCTCCACCCTGGCCACACGTCGTCCACACCATCCTGAGTCCCACCTACACCAGAGCCAGCAGAGCCAGTGCAGACAGAGGCTGGGGTGCAGGGGGGCCGCCAGGGCAGCTTTGGGGAGGGAGGAATGGAGGAAGGGGAGGTCAGTGAAGAGGCCCCCCTCCCCTGGGTCTAGGATCCACCTTTGGGACCCCCGGATCCCATCCCCTCCAGGCTCTGGGAGGAGAAGCAGGATGGGAGATTCTGTGCAGGACCCTCTCACAGTGGAATACCTCCACAGCGGCTCAGGCCAGATACAAAAGCCCCTCAGTGAGCCCTCCACTGCAGTGCAGGGCCTGGGGGCAGCCCCTCCCACAGAGGACAGACCCAGCACCCCGAAGAAGTCCTGCCAGGGGGAGCTCAGAGCCATGAAGGAGCAAGATATGGGGACCCCAATACTGGCACAGACCTCAGCTCCATCCAGGCCCACCAGGACCCACCATGGGTGGAACACCTGTCTCCGGCCCCTGCTGGCTGTGAGGCAGCTGGCCTCTGTCTCGGACCCCCATTCCAGACACCAGACAGAGGGACAGGCCCCCCAGAACCAGTGTTGAGGGACACCCCTGTCCAGGGCAGCCAAGTCCAAGAGGCGCGCTGAGCCCAGCAAGGGAAGGCCCCCAAACAAACCAGGAGGTTTCTGAAGCTGTCTGTGTCACAGTCTGCTGCAACTGCAGCAGCAAATGGTGCCGCGACCATAGCAGGTGCTGCCACAATGACACTGGGCAGGACAGAAACCCCATCCCAAGTCAGCCGAAGGCAGAGAGAGCAGGCAGGACACATTTAGGATCTGAGGCCACACCTGACACTCAAGCCAACAGATGTCTCCCCTCCAGGGCGCCCTGCCCTGTTCAGTGTTCCTGAGAAAACAGGGGCAGCCTGAGGGGATCCAGGGCCAGGAGATGGGTCCCCTCTACCCCGAGGAGGAGCCAGGCGGGAATCCCAGCCCCCTCCCCATTGAGGCCATCCTGCCCAGAGGGGCCCGGACCCACCCCACACACCCAGGCAGAATGTGTGCAGGCCTCAGGCTCTGTGGGTGCCGCTAGCTGGGGCTGCCAGTCCTCACCCCACACCTAAGGTGAGCCACAGCCGCCAGAGCCTCCACAGGAGACCCCACCCAGCAGCCCAGCCCCTACCCAGGAGGCCCCAGAGCTCAGGGCGCCTGGGTGGATTTTGTACAGCCCCGAGTCACTGTGGGTATAGTGGGGAGAGGCTTTGTGGCTTCCCTAAGAGCTGCAGCAGGCAAAAGCCTCACAGATGCTGCAGCTACTACCACAGTGAGAAAAGCTATGTCAAAAACCGTCTCCCGGCCACTGCTGGAGGCCCAGCCAGAGAAGGGACCAGCCGCCCGAACATACGACCTTCCCAGACCTCATGACCCCCAGCACTTGGAGCTCCACAGTGTCCCCATTGGATGGTGAGGATGGGGGCCGGGGCCATCTGCACCTCCCAACATCACCCCCAGGCAGCACAGGCACAAACCCCAAATCCAGAGCCGACACCAGGAACACAGACACCCCAATACCCTGGGGGACCCTGGCCCTGGTGACTTCCCACTGGGATCCACCCCCGTGTCCACCTGGATCAAAGACCCCACCGCTGTCTCTGTCCCTCACTCAGGGCCTGCTGAGGGGCGGGTGCTTTGGAGCAGACTCAGGTTTAGGGGCCACCATTGTGGGGCCCAACCTCGACCAGGACACAGATTTTTCTTTCCTGCCCTGGGGCAACACAGACTTTGGGGTCTGTGCAGGGAGGACCTTCTGGAAAGTCACCAAGCACAGAGCCCTGACTGAGGTGGTCTCAGGAAGACCCCCAGGAGGGGGCTTGTGCCCCTTCCTCTCATGTGGACCCCATGCCCCCCAAGATAGGGGCATCATGCAGGGCAGGTCCTCCATGCAGCCACCACTAGGCAACTCCCTGGCGCCGGTCCCCACTGCGCCTCCATCCCGGCTCTGGGGATGCAGCCACCATGGCCACACCAGGCAGCCCGGGTCCAGCAACCCTGCAGTGCCCAAGCCCTTGGCAGGATTCCCAGAGGCTGGAGCCCACCCCTCCTCATCCCCCCACACCTGCACACACACACCTACCCCCTGCCCAGTCCCCCTCCAGGAGGGTTGGAGCCGCCCATAGGGTGGGGGCTCCAGGTCTCACTCACTCGCTTCCCTTCCTGGGCAAAGGAGCCTCGTGCCCCGGTCCCCCCTGACGGCGCTGGGCACAGGTGTGGGTACTGGGCCCCAGGGCTCCTCCAGCCCCAGCTGCCCTGCTCTCCCTGGGAGGCCTGGGCACCACCAGACCACCAGTCCAGGGCACAGCCCCAGGGAGCCGCCCACTGCCAGCTCACAGGAAGAAGATAAGCTTCAGACCCTCAGGGCCGGGAGCTGCCTTCCTGCCACCCCTTCCTGCCCCAGACCTCCATGCCCTCCCCCAACCACTTACACACAAGCCAGGGAGCTGTTTCCACACAGTTCAACCCCAAACCAGGACGGCCTGGCACTCGGGTCACTGCCATTTCTGTCTGCATTCGCTCCCAGCGCCCCTGTGTTCCCTCCCTCCTCCCTCCTTCCTTTCTTCCTGCATTGGGTTCATGCCGCAGAGTGCCAGGTGCAGGTCAGCCCTGAGCTTGGGGTCACCTCCTCACTGAAGGCAGCCTCAGGGTGCCCAGGGGCAGGCAGGGTGGGGGTGAGGCTTCCAGCTCCAACCGCTTCGCTACCTTAGGACCGTTATAGTTAGGCGCGCCGTCGACCAATTCTCATGTTTGACAGCTTATCATCGAATTTCTACGTA
【0165】
DNA構築物
通例、一つ以上のヌクレオチドコード配列であって、その各々が対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部(例えば、ACKR2ポリペプチドの細胞外部分または毒素ペプチドの一部)をコードする該配列を含むポリヌクレオチド分子を、好適な宿主細胞で複製するために、ベクター、好ましくはDNAベクターに挿入する。
【0166】
一つ以上のヌクレオチドコード配列は、そのサイズによって、業者から入手可能なcDNA源から直接クローニングすることができ、またはGenBankから入手可能な公開配列に基づいてインシリコで設計することができる。あるいは、細菌人工染色体(BAC)ライブラリーから、対象遺伝子由来の異種ヌクレオチドコード配列を得ることができる(例えば、異種ACKR2遺伝子または毒素コード配列)。BACライブラリーは、100〜150kbの平均インサートサイズを含み、300kbの大きさのインサートを保有し得る(Shizuya,et al.,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 89:8794−8797;Swiatek,et al.,1993,Genes and Development 7:2071−2084;Kim,et al.,1996,Genomics 34 213−218、これらの文献は参照により本明細書に援用される)。例えばヒトおよびマウスのゲノムBACライブラリーが構築されており、市販されている(例えば、Invitrogen社、カールスバッド、カリフォルニア州)。ゲノムBACライブラリーは、異種コード配列ならびに転写制御領域の供給源として利用することもできる。
【0167】
あるいは、異種ヌクレオチドコード配列は、酵母人工染色体(YAC)から単離、クローニング、および/または移転されてもよい。完全な異種遺伝子または座位をクローニングし、1個または数個のYAC内に含有させてもよい。複数のYACが使用され、重複相同性の領域を含有する場合、それらを酵母宿主株内で再結合させて、完全な座位を提示する1つの構築物を生成してもよい。哺乳類選択カセットを用いた改良によりYACのアームをさらに改変し、当技術分野に公知の方法および/または本明細書に記載される方法により、構築物を胚性幹細胞または胚に導入することを補助してもよい。
【0168】
上述したように、イムノグロブリン重鎖遺伝子座の操作されたD領域の構築に用いるためのDNA配列およびアミノ酸配列の例を、表3および表4にそれぞれ示している。他の異種ヌクレオチドコード配列もまた、GenBankデータベースまたは当技術分野に公知の他の配列データベースに見出すことができる。例えば、ヒトACKR2のmRNA配列とアミノ酸配列はそれぞれ、GenBank登録番号NM_001296.4およびNP_001287.2に見出すことができ、これらは参照により本明細書に援用される。さらに、例えば、α−コノトキシンのDNA配列およびアミノ酸配列は、GenBank登録番号JX177132.1およびAFR68318.1にそれぞれ見出すことができ、δ−コノトキシンのDNA配列およびアミノ酸配列はGenBank登録番号KR013220.1およびAKD43185.1にそれぞれ見出すことができ、κ−コノトキシンのDNA配列およびアミノ酸配列は、GenBank登録番号DQ311073.1およびABD33865.1にそれぞれ見出すことができ、μ−−コノトキシンのDNA配列およびアミノ酸配列はGenBank登録番号AY207469.1およびAAO48588.1にそれぞれ見出すことができ、ならびに/またはω−コノトキシンのDNA配列およびアミノ酸配列はGenBank登録番号M84612.1およびAAA81590.1にそれぞれ見出すことができ、これらの全ては参照により本明細書に援用される。さらに、例えば、タランチュラのチリアンコモンタランチュラ(Grammostola Spatulata)由来の毒素の配列は、GenBank登録番号1TYK_Aおよび1LUP_Aに見出すことができ、SGTX−Iの配列はGenBank登録番号1LA4_Aに見出すことができ、フエントキシン−IV(HWTX−IV)の配列はGenBank登録番号P83303.2に見出すことができ、プロトキシン−I(ProTxI)の配列はGenBank登録番号2M9L_Aに見出すことができ、プロトキシン−2(ProTxII)の配列はGenBank登録番号P83476.1に見出すことができ、これらの全ては参照により本明細書に援用される。
【0169】
本明細書に記載の一つ以上のヌクレオチドコード配列を含むDNA構築物は、一部の実施形態では、トランスジェニック非ヒト動物において、イムノグロブリン遺伝子セグメント(例えば、VおよびJ)との組み換えのための組み換えシグナル配列(RSS)に動作可能に連結された(すなわち、5’RSSおよび3’RSSと隣接している)ヒトACKR2ポリペプチドの細胞外部分をコードする、ヒトACKR2のDNA配列を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の一つ以上のヌクレオチドコード配列を含むDNA構築物は、トランスジェニック非ヒト動物において、イムノグロブリン遺伝子セグメント(例えば、VおよびJ)との組み換えのための組み換えシグナル配列(RSS)に動作可能に連結された(すなわち、5’RSSおよび3’RSSと隣接している)μ−コノトキシンペプチドおよび/またはタランチュラ毒素ペプチドの一部をコードする、毒素DNA配列を含む。組み換えシグナル配列は、自然界(例えば、ゲノム)で見出される組み換えシグナル配列と同一であるか、もしくは実質的に同一であってもよく、または人の手によって操作(例えば、最適化)されてもよい。一部の実施形態では、RSSは元来のゲノム的なものであり、自然界で見出されるイムノグロブリン重鎖遺伝子座(例えば、ヒトまたは齧歯類のイムノグロブリン重鎖遺伝子座)に見られる配列を含む。例えば、DNA構築物は、対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部(例えば、異種ACKR2ポリペプチドの細胞外部分または毒素ペプチドの一部)をコードするヌクレオチドコード配列の5’−隣接領域および/または3’−隣接領域に位置する、組み換えシグナル配列を含むことができ、該組み換えシグナル配列は、ヌクレオチドコード配列をV遺伝子セグメントおよび/またはJ遺伝子セグメントと組み換えることができる形で、ヌクレオチドコード配列に動作可能に連結されている。一部の実施形態では、組み換えシグナル配列は、通例のD遺伝子セグメントに自然に会合する配列(すなわち、自然界で見出されるRSS)を含む。一部の実施形態では、組み換えシグナル配列は、通例のD遺伝子セグメントに自然には会合しない配列を含む。一部の実施形態では、組み換えシグナル配列は、V遺伝子セグメントおよびJ遺伝子セグメントとの組み換えのために最適化された配列を含む。一部の実施形態では、一つ以上のヌクレオチドコード配列であって、その各々が対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部(例えば、ACKR2ポリペプチドの細胞外部分または毒素ペプチドの一部)をコードする該配列に、動作可能に連結された組み換えシグナル配列は、その配列が得られる動物における組み換えレベルと同等のレベルか、該組み換えレベルよりも高いレベルか、または低いレベルでの組み換えを与える。一つ以上のヌクレオチドコード配列の組み換えを最適化するのに追加の隣接配列が有用である場合、かかる配列を、既存の配列をプローブとして使用してクローニングすることができる。非イムノグロブリンポリペプチド(例えばACKR2または毒素)のヌクレオチドコード配列を含む重鎖可変領域の組み換えおよび/または発現を最大化するために必要な追加の配列は、所望の結果に応じてゲノム配列または他の供給源から得ることができる。
【0170】
種々の実施形態では、本明細書に記載の一つ以上のヌクレオチドコード配列はそれぞれ、最適化されたRSSと5’および/または3’で隣接している。使用することができる最適化されたRSSの例を、図2に提示し、また実施例1で説明する。
【0171】
種々の実施形態では、本明細書に記載の一つ以上のヌクレオチドコード配列はそれぞれ、図2に示された5’RSSに対して少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える)同一の配列を有する最適化されたRSSと5’で隣接している。
【0172】
種々の実施形態では、本明細書に記載の一つ以上のヌクレオチドコード配列はそれぞれ、図2に示された5’RSSに対して実質的に同一であるか、または同一である配列を有する最適化されたRSSと5’で隣接している。
【0173】
種々の実施形態では、一つ以上のヌクレオチドコード配列はそれぞれ、図2に示された3’RSSに対して少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える)同一の配列を有する最適化されたRSSと3’で隣接している。
【0174】
種々の実施形態では、本明細書に記載の一つ以上のヌクレオチドコード配列はそれぞれ、図2に示された5’RSSに対して実質的に同一であるか、または同一である配列を有する最適化されたRSSと3’で隣接している。
【0175】
種々の実施形態では、本明細書に記載の一つ以上のヌクレオチドコード配列はそれぞれ、図2に示された5’RSSおよび3’RSSに対して少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える)同一の配列を有する最適化されたRSS(それぞれ5’RSSおよび3’RSS)と5’および3’で隣接している。
【0176】
種々の実施形態では、本明細書に記載の一つ以上のヌクレオチドコード配列はそれぞれ、図2に示された5’RSSおよび3’RSSに対して実質的に同一であるか、または同一である配列を有する最適化されたRSS(それぞれ5’RSSおよび3’RSS)と5’および3’で隣接している。
【0177】
種々の実施形態では、本明細書に記載の一つ以上のヌクレオチドコード配列はそれぞれ、図2から選択される5’RSSおよび3’RSSと隣接している。
【0178】
DNA構築物は、当技術分野に公知の方法を使用して調製することができる。例えば、DNA構築物は、大きなプラスミドの一部として調製することができる。そのような調製により、当技術分野で公知のように、効率的な方法で正しい構築物のクローニングと選択が可能となる。本明細書に記載されるヌクレオチドコード配列を1つ以上含有するDNA断片は、プラスミド上の便利な制限酵素部位の間に位置づけることができ、それによって、所望される動物への組み込みのために、残りのプラスミド配列からそれらを簡便に単離することができる。
【0179】
プラスミドの調製と宿主生物体の形質転換とに使用される様々な方法が当技術分野に公知である。原核細胞と真核細胞の両方に適した他の発現システム、ならびに一般的な組み換え法に関しては、以下を参照のこと:Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.,ed.by Sambrook,J.et al.,Cold Spring Harbor Laboratory Press:1989。
【0180】
操作されたD領域を有する非ヒト動物の生成
一つ以上のヌクレオチドコード配列の組み込みの結果として生じる特定の抗原への結合を誘導するための重鎖CDR3多様性によって特徴付けられる抗体を発現する、非ヒト動物が提供され、該一つ以上のヌクレオチドコード配列は、その各々が対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部(例えば、ACKR2などの非定型ケモカイン受容体の細胞外部分または毒素ペプチドの一部)を非ヒト動物のゲノムにおけるイムノグロブリン重鎖可変領域内にコードする。本明細書に記述された適切な例には齧歯類、特にマウスが含まれる。
【0181】
一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列は、一部の実施形態では、異種(例えば、ヒト、クモ、サソリ、カタツムリ、タランチュラ、イソギンチャクなど)由来の遺伝物質を含み、該異種ヌクレオチドコード配列はそれぞれ、異種由来の遺伝物質のコードされた部分を備えた対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部(例えば、ACKRポリペプチドの細胞外部分、または毒素ペプチドの一部)をコードする。一部の実施形態では、本明細書に記載の異種ヌクレオチドコード配列は、対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部(例えば、異種ACKRポリペプチドの細胞外部分または毒素ペプチドの一部)をコードする異種のヌクレオチドコード配列を含み、対象の非イムノグロブリンポリペプチドの該一部は、本明細書に記載の非ヒト動物のB細胞によって発現されるイムノグロブリン重鎖、特に重鎖CDR3に見られるものである。該異種ヌクレオチドコード配列を含む、非ヒト動物、非ヒト胚、および細胞を作製するための非ヒト動物、胚、細胞および標的化構築物も提供される。
【0182】
種々の実施形態では、一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列は、非ヒト動物のゲノム内のイムノグロブリン重鎖可変領域のD領域に挿入される。一部の実施形態では、イムノグロブリン重鎖可変領域のD領域(またはその一部)は欠失されていない(すなわちインタクトである)。一部の実施形態では、イムノグロブリン重鎖可変領域のD領域(またはその一部)は、改変、破壊、欠失、または、一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列(例えば、一つ以上の異種ACKR2または一つ以上の異種毒素ヌクレオチドコード配列)と置換される。一部の実施形態では、D領域の全てまたは実質的に全てが、一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列と置換されており、一部の実施形態では、一つ以上の通例のD遺伝子セグメントが、イムノグロブリン重鎖可変領域のD領域で欠失も置換もされていない。一部の実施形態では、本明細書に記載のD領域は合成D領域であり、該合成D領域は、本明細書に記載の一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列を含む。一部の実施形態では、D領域はヒトD領域である。一部の実施形態では、D領域はマウスD領域である。一部の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域(またはその一部)は、該操作されたD領域(またはその一部)が一つ以上のV遺伝子セグメントおよび/または一つ以上のJ遺伝子セグメントに動作可能に連結するように、イムノグロブリン重鎖可変領域に挿入される。一部の実施形態では、一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列を、イムノグロブリン重鎖可変領域の二つのコピーのうちの一つに挿入し、該一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列(すなわち、操作されたD領域)に対してヘテロ接合性である非ヒト動物を生じさせる。一部の実施形態では、一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列(すなわち、操作されたD領域)に対してホモ接合性である非ヒト動物が提供される。一部の実施形態では、一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列(すなわち、操作されたD領域)に対してヘテロ接合性である非ヒト動物が提供される。
【0183】
一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、そのゲノム内に(例えば、ランダムに組み込まれた)一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列を含むD領域を備えたヒトイムノグロブリン重鎖可変領域を含有する。したがって、こうした非ヒト動物は、操作されたD領域を含むヒトイムノグロブリン重鎖導入遺伝子を有するとして説明され得る。操作されたD領域は、例えば、PCR、ウェスタンブロット、サザンブロット、制限酵素断片長多型(RFLP)、またはアレルの獲得もしくは欠失アッセイを含む、様々な方法を使用して検出することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、本明細書に記載の操作されたD領域に対してヘテロ接合性である。一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、本明細書に記載の操作されたD領域に対してホモ接合性である。一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、本明細書に記載の操作されたD領域に対してヘミ接合性である。一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、本明細書に記載の操作されたD領域の一つ以上のコピーを含む。
【0184】
一部の実施形態では、本明細書で開示される一つ以上の異種ACKRヌクレオチドコード配列は、異種ACKR2ヌクレオチドコード配列である。一部の実施形態では、一つ以上の異種ACKR2ヌクレオチドコード配列はヒト型である。
【0185】
一部の実施形態では、本明細書に記載の一つ以上の異種毒素ヌクレオチドコード配列は、異種μ−コノトキシンヌクレオチドコード配列、異種タランチュラ毒素ヌクレオチドコード配列、および/またはこれらの組み合わせである。
【0186】
種々の実施形態では、本明細書に記載の一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列には、一つ以上のヌクレオチドコード配列であって、その各々が表3または表4に示された一つ以上のヌクレオチドコード配列に対して少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える)同一の配列を有する該配列が含まれる。
【0187】
種々の実施形態では、本明細書に記載の一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列には、一つ以上のヌクレオチドコード配列であって、その各々が表3または表4に示された一つ以上のヌクレオチドコード配列と実質的に同一であるか、または同一である配列を有する該配列が含まれる。
【0188】
種々の実施形態では、本明細書に記載の一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列は、表3および/または表4から選択される。
【0189】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列であって、その各々が表3または表4に示された一つ以上のヌクレオチドコード配列に対して少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える)同一の配列を有する該異種ヌクレオチドコード配列が含まれる。
【0190】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列であって、その各々が表3または表4に示された一つ以上のヌクレオチドコード配列と実質的に同一であるか、または同一である配列を有する該異種ヌクレオチドコード配列が含まれる。
【0191】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、5個、10個、15個、20個、または25個の異種ACKR2ヌクレオチドコード配列であって、その各々が表3に示された5個、10個、15個、20個、または25個のACKR2ヌクレオチドコード配列と同一の配列を有する該異種ヌクレオチドコード配列が含まれる。
【0192】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、5個、10個、15個、20個、25個、または26個の異種毒素ヌクレオチドコード配列であって、その各々が表4に示された5個、10個、15個、20個、25個、または26個の毒素ヌクレオチドコード配列と同一の配列を有する該異種ヌクレオチドコード配列が含まれる。
【0193】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列であって、その各々が5’組み換えシグナル配列(5’RSS)と3’組み換えシグナル配列(3’RSS)とに隣接しており、該5’RSSおよび3’RSSはそれぞれ、図2に示された5’RSSおよび3’RSSに対して少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える)同一の配列を有する、該異種ヌクレオチドコード配列が含まれる。
【0194】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列であって、その各々が5’組み換えシグナル配列(5’RSS)と3’組み換えシグナル配列(3’RSS)とに隣接しており、該5’RSSおよび3’RSSはそれぞれ、図2に示された5’RSSおよび3’RSSと実質的に同一であるか、または同一である配列を有する、該異種ヌクレオチドコード配列が含まれる。
【0195】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、一つ以上の異種ヌクレオチドコード配列であって、その各々が5’組み換えシグナル配列(5’RSS)と3’組み換えシグナル配列(3’RSS)とに隣接しており、該5’RSSおよび3’RSSは図2から選択される、該異種ヌクレオチドコード配列が含まれる。
【0196】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、
(a)配列番号59と5’で隣接し、配列番号60と3’で隣接した配列番号39;
(b)配列番号69と5’で隣接し、配列番号70と3’で隣接した配列番号7;
(c)配列番号77と5’で隣接し、配列番号78と3’で隣接した配列番号1;
(d)配列番号87と5’で隣接し、配列番号88と3’で隣接した配列番号33;
(e)配列番号95と5’で隣接し、配列番号96と3’で隣接した配列番号3;および
(f)配列番号103と5’で隣接し、配列番号104と3’で隣接した配列番号5が含まれる。
【0197】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、
(a)配列番号61と5’で隣接し、配列番号62と3’で隣接した配列番号41;
(b)配列番号71と5’で隣接し、配列番号72と3’で隣接した配列番号15;
(c)配列番号79と5’で隣接し、配列番号80と3’で隣接した配列番号37;
(d)配列番号81と5’で隣接し、配列番号82と3’で隣接した配列番号13;
(e)配列番号89と5’で隣接し、配列番号90と3’で隣接した配列番号29;
(f)配列番号97と5’で隣接し、配列番号98と3’で隣接した配列番号11;および
(g)配列番号105と5’で隣接し、配列番号106と3’で隣接した配列番号9が含まれる。
【0198】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、
(a)配列番号63と5’で隣接し、配列番号64と3’で隣接した配列番号43;
(b)配列番号73と5’で隣接し、配列番号74と3’で隣接した配列番号23;
(c)配列番号83と5’で隣接し、配列番号84と3’で隣接した配列番号17;
(d)配列番号91と5’で隣接し、配列番号92と3’で隣接した配列番号35;
(e)配列番号99と5’で隣接し、配列番号100と3’で隣接した配列番号19;および
(f)配列番号107と5’で隣接し、配列番号108と3’で隣接した配列番号21が含まれる。
【0199】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、
(a)配列番号65と5’で隣接し、配列番号66と3’で隣接した配列番号45;
(b)配列番号75と5’で隣接し、配列番号76と3’で隣接した配列番号31;
(c)配列番号85と5’で隣接し、配列番号86と3’で隣接した配列番号25;
(d)配列番号93と5’で隣接し、配列番号94と3’で隣接した配列番号49;
(e)配列番号101と5’で隣接し、配列番号102と3’で隣接した配列番号27;および
(f)配列番号67と5’で隣接し、配列番号68と3’で隣接した配列番号47が含まれる。
【0200】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、一つ以上のDNA断片であって、その各々が、配列番号131、配列番号132、配列番号133、配列番号134、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるDNA断片に対して少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える)同一の配列を有する、該断片が含まれる。
【0201】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、一つ以上のDNA断片であって、その各々が、配列番号131、配列番号132、配列番号133、配列番号134、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるDNA断片に対して実質的に同一であるか、または同一である配列を有する、該断片が含まれる。
【0202】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、配列番号131、配列番号132、配列番号133、および配列番号134のうちのいずれか一つが含まれる。
【0203】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、配列番号131、配列番号132、配列番号133、および配列番号134が含まれる。一部の特定の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、5’から3’の方向に、配列番号131、配列番号132、配列番号133、および配列番号134が含まれる。
【0204】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、
(a)配列番号59と5’で隣接し、配列番号60と3’で隣接した配列番号180;
(b)配列番号69と5’で隣接し、配列番号70と3’で隣接した配列番号182;
(c)配列番号77と5’で隣接し、配列番号78と3’で隣接した配列番号184;
(d)配列番号87と5’で隣接し、配列番号88と3’で隣接した配列番号186;
(e)配列番号95と5’で隣接し、配列番号96と3’で隣接した配列番号188;および
(f)配列番号103と5’で隣接し、配列番号104と3’で隣接した配列番号190が含まれる。
【0205】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、
(a)配列番号61と5’で隣接し、配列番号62と3’で隣接した配列番号192;
(b)配列番号71と5’で隣接し、配列番号72と3’で隣接した配列番号194;
(c)配列番号79と5’で隣接し、配列番号80と3’で隣接した配列番号196;
(d)配列番号81と5’で隣接し、配列番号82と3’で隣接した配列番号198;
(e)配列番号89と5’で隣接し、配列番号90と3’で隣接した配列番号200;
(f)配列番号97と5’で隣接し、配列番号98と3’で隣接した配列番号202;および
(g)配列番号105と5’で隣接し、配列番号106と3’で隣接した配列番号204が含まれる。
【0206】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、
(a)配列番号63と5’で隣接し、配列番号64と3’で隣接した配列番号206;
(b)配列番号73と5’で隣接し、配列番号74と3’で隣接した配列番号208;
(c)配列番号83と5’で隣接し、配列番号84と3’で隣接した配列番号210;
(d)配列番号91と5’で隣接し、配列番号92と3’で隣接した配列番号212;
(e)配列番号99と5’で隣接し、配列番号100と3’で隣接した配列番号214;および
(f)配列番号107と5’で隣接し、配列番号108と3’で隣接した配列番号216が含まれる。
【0207】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、
(a)配列番号65と5’で隣接し、配列番号66と3’で隣接した配列番号218;
(b)配列番号75と5’で隣接し、配列番号76と3’で隣接した配列番号220;
(c)配列番号85と5’で隣接し、配列番号86と3’で隣接した配列番号222;
(d)配列番号93と5’で隣接し、配列番号94と3’で隣接した配列番号224;
(e)配列番号101と5’で隣接し、配列番号102と3’で隣接した配列番号226;
(f)配列番号109と5’で隣接し、配列番号110と3’で隣接した配列番号228;および
(g)配列番号67と5’で隣接し、配列番号68と3’で隣接した配列番号230が含まれる。
【0208】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、一つ以上のDNA断片であって、その各々が、配列番号232、配列番号233、配列番号234、配列番号235、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるDNA断片に対して少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える)同一の配列を有する、該断片が含まれる。
【0209】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、一つ以上のDNA断片であって、その各々が、配列番号232、配列番号233、配列番号234、配列番号235、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるDNA断片に対して実質的に同一であるか、または同一である配列を有する、該断片が含まれる。
【0210】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、配列番号232、配列番号233、配列番号234、および配列番号235のうちのいずれか一つが含まれる。
【0211】
種々の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、配列番号232、配列番号233、配列番号234、および配列番号235が含まれる。一部の特定の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域には、5’から3’の方向に、配列番号232、配列番号233、配列番号234、および配列番号235が含まれる。
【0212】
種々の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物によって産生される抗体には、表3または表4に示されたアミノ酸配列に対して少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える)同一のアミノ酸配列であるか、または該アミノ酸配列を含む、アミノ酸配列を有するCDR3を備えた重鎖可変領域が含まれる。
【0213】
種々の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物によって産生される抗体には重鎖可変領域が含まれ、該領域は、表3または表4に示されたアミノ酸配列に対して実質的に同一であるかまたは同一である、アミノ酸配列であるかまたは該アミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有するCDR3を備える。
【0214】
種々の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物によって産生される抗体には、重鎖可変領域が含まれ、該領域は、表3または表4に示されたアミノ酸配列であるかまたは該アミノ酸配列を含むアミノ酸配列のバリアント(すなわち、その体細胞変異されたバリアント)であるアミノ酸配列を有するCDR3を備える。
【0215】
非ヒト動物であって、そのゲノムが、操作されたD領域を備えたイムノグロブリン重鎖可変領域を含む、該非ヒト動物を作製する組成物および方法であって、該操作されたD領域が一つ以上のヌクレオチドコード配列を含み、その配列の各々が、対象のポリペプチドの一部をコードする、例えば、対象のポリペプチドの特定の多形形態、対象のポリペプチドのアレルバリアント(例えば、単一アミノ酸の差異)、または対象のポリペプチドの代替的にスプライシングされたアイソフォームのヌクレオチドコード配列などである、該組成物および方法が提供されており、これには、一つ以上の非ヒト重鎖定常領域遺伝子に動作可能に連結されたヒトV遺伝子セグメントおよびJ遺伝子セグメントを含有するイムノグロブリン重鎖遺伝子座に由来する、こうしたヌクレオチドコード配列によってコードされるアミノ酸配列を有するCDR3を含む、重鎖可変領域を備えた抗体を発現する、非ヒト動物を作製するための組成物および方法が含まれる。一部の実施形態では、かかる抗体を内因性エンハンサーおよび/または内因性制御配列の制御下で発現する非ヒト動物を作製するための組成物および方法も提供されている。一部の実施形態では、かかる抗体を異種エンハンサーおよび/または異種制御配列の制御下で発現する非ヒト動物を作製するための組成物および方法も提供されている。方法には、一つ以上のヌクレオチドコード配列であって、その各々が対象のポリペプチドの一部をコードする該配列か、または一つ以上のDNA断片であって、その各々が対象のポリペプチドの一部をコードする複数のヌクレオチドコード配列をそれぞれ含有する該断片を、対象のポリペプチドの該一部を含む抗体を発現するように、非ヒト動物のゲノムにおいて挿入することが含まれる。
【0216】
一部の実施形態では、方法には、異種ACKR2ポリペプチドの細胞外部分に相当する6個のヌクレオチドコード配列を含む約10,050bpのDNA、異種ACKR2ポリペプチドの細胞外部分に相当する7個のヌクレオチドコード配列を含む約9,768bpのDNA、異種ACKR2ポリペプチドの細胞外部分に相当する6個のヌクレオチドコード配列を含む約9,788bpのDNA、および/または異種ACKR2ポリペプチドの細胞外部分に相当する6個のヌクレオチドコード配列を含む約11,906bpのDNAを挿入することが含まれる。合わせると、こうしたDNAは、異種ACKR2ポリペプチドの細胞外部分に相当する25個のコード配列を含む。一部の実施形態では、方法には、異種ACKR2ポリペプチドの細胞外部分に相当するヌクレオチドコード配列の各々に隣接する組み換えシグナル配列をさらに備えたDNAを挿入することが含まれる。異種ACKR2ポリペプチドの細胞外部分に相当し、上述の組み換えシグナル配列に隣接しているヌクレオチドコード配列を含む遺伝物質を、非ヒト動物のゲノムに挿入し、したがって、異種ACKR2ポリペプチドの細胞外部分に相当するヌクレオチドコード配列と、隣接するV遺伝子セグメントおよびJ遺伝子セグメントとの組み換えを可能にするのに必要な組み換えシグナル配列と、を含む操作されたD領域を有する非ヒト動物を作製することができる。
【0217】
一部の実施形態では、方法には、一つ以上の毒素(例えば、μ−コノトキシンおよび/またはタランチュラ毒素)の一部に相当する6個のヌクレオチドコード配列を含む約9,812bpのDNA、一つ以上の毒素(例えば、μ−コノトキシンおよび/またはタランチュラ毒素)の一部に相当する7個のヌクレオチドコード配列を含む約9,512bpのDNA、一つ以上の毒素(例えば、μ−コノトキシンおよび/またはタランチュラ毒素)の一部に相当する6個のヌクレオチドコード配列を含む約9,691bpのDNA、および/または一つ以上の毒素(例えば、μ−コノトキシンおよび/またはタランチュラ毒素)の一部に相当する7個のヌクレオチドコード配列を含む約11,896bpのDNAを挿入することが含まれる。合わせると、こうしたDNAは、一つ以上の毒素ペプチドの一部に相当する26個のコード配列を含む。一部の実施形態では、方法には、一つ以上の毒素ペプチドの一部に相当するヌクレオチドコード配列の各々に隣接する組み換えシグナル配列をさらに備えたDNAを挿入することが含まれる。一つ以上の毒素ペプチドの一部に相当し、上述の組み換えシグナル配列に隣接しているヌクレオチドコード配列を含む遺伝物質を、非ヒト動物のゲノムに挿入し、したがって、一つ以上の毒素ペプチドの一部に相当するヌクレオチドコード配列と、隣接するV遺伝子セグメントおよびJ遺伝子セグメントとの組み換えを可能にするのに必要な組み換えシグナル配列と、を含む操作されたD領域を有する非ヒト動物を作製することができる。
【0218】
必要に応じて、対象の異種ポリペプチドの一部に相当するヌクレオチドコード配列は、非ヒト動物における発現用に最適化されたコドンを含むように改変され得る(例えば、米国特許第5,670,356号および同第5,874,304号)。コドン最適化配列は合成配列であり、非コドン最適化親ポリヌクレオチドによってコードされる同一ポリペプチド(または完全長ポリペプチドと実質的に同じ活性を有する完全長ポリペプチドの生物学的に活性な断片)をコードすることが好ましい。一部の実施形態では、対象の異種ポリペプチドの一部に相当するヌクレオチドコード配列は、特定の細胞型(例えば、齧歯類細胞)に対してコドン使用頻度を最適化するように改変された配列を含み得る。例えば、非ヒト動物(例えば、齧歯類)のゲノムに挿入される、対象の異種ポリペプチドの一部に相当するヌクレオチドコード配列のコドンは、非ヒト動物の細胞における発現用に最適化され得る。このような配列はコドン最適化配列として記述される場合がある。
【0219】
対象の異種ポリペプチドの一部に相当するヌクレオチドコード配列を、該ヌクレオチドコード配列がV遺伝子セグメントおよびJ遺伝子セグメント(例えば、複数のV遺伝子セグメントおよびJ遺伝子セグメント)に動作可能に連結するように、D領域に挿入することによって、ゲノムの比較的最小限の改変が利用され、その結果、非ヒト動物における対象の異種ポリペプチドの一部に相当するアミノ酸配列を有するCDR3により特徴付けられる重鎖を備えた抗体を発現させる。
【0220】
ノックアウトおよびノックインを含むトランスジェニック非ヒト動物を生成する方法は、当技術分野に公知である(例えば、Gene Targeting:A Practical Approach,Joyner,ed.,Oxford University Press,Inc.(2000)を参照のこと)。例えば、トランスジェニック齧歯類の生成には、任意選択的に、一つ以上の内因性齧歯類遺伝子(または遺伝子セグメント)の遺伝子座の破壊と、一部の実施形態では内因性齧歯類遺伝子(または遺伝子セグメント)と同じ位置での、その齧歯類のゲノムへの一つ以上の異種遺伝子(または遺伝子セグメントもしくはヌクレオチドコード配列)の導入とが含まれていてもよい。一部の実施形態では、対象の異種ポリペプチドの一部に相当するヌクレオチドコード配列は、齧歯類のゲノムにおいて、ランダムに挿入されたイムノグロブリン重鎖遺伝子座のD領域に導入される。一部の実施形態では、対象の異種ポリペプチドの一部に相当するヌクレオチドコード配列は、齧歯類のゲノムにおける内因性イムノグロブリン重鎖遺伝子座のD領域に導入され、一部の特定の実施形態では、内因性イムノグロブリン重鎖遺伝子座は、一つ以上の定常領域遺伝子(例えば、ヒト型またはマウス型)に動作可能に連結されたヒト遺伝子セグメント(例えば、Vおよび/またはJ)を含むように変更、改変、または操作される。
【0221】
齧歯類であって、そのゲノムが、操作された多様性クラスター(すなわち、D領域)を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備えた該齧歯類を作製するために、齧歯類胚性幹(ES)細胞への組み込み用の標的化ベクターを構築するための戦略の例を示す概略図(等尺度ではない)であって、該多様性クラスターが一つ以上のヌクレオチドコード配列を含み、その配列の各々が異種ACKR2ポリペプチドの一部(例えば、D6ケモカインデコイ受容体の細胞外部分)をコードする該概略図を、図3Aおよび図3Bに提供し、または、その配列の各々が毒素ペプチドの一部(例えば、μ−コノトキシンペプチドおよび/またはタランチュラ毒素ペプチドの一部)をコードする該概略図を、図7Aおよび図7Bに提供している。図に示すように、DNA断片であって、それぞれ様々な数のヌクレオチドコード配列を含み、その配列の各々が異種ACKR2ポリペプチドの細胞外部分をコードするか(図3A図3B)、またはその配列の各々が毒素ペプチドの一部をコードする(図7A図7B)該断片が、部位特異的組み換え認識部位(例えばloxP)と隣接している選択カセット(例えば、ネオマイシン)と共に等温アセンブリを用いて合わせてアセンブルされる。DNA断片の連続ライゲーションを利用する代替的な戦略を、図4Aおよび図4B(ACKR2ヌクレオチドコード配列用)ならびに図8Aおよび図8B(毒素ヌクレオチドコード配列)にそれぞれ示す。DNA断片には、イムノグロブリン重鎖遺伝子座に組み込まれると、これらのヌクレオチドコード配列の各々をV遺伝子セグメントおよびJ遺伝子セグメントとの組み換えを可能にするように隣接させる(5’および3’)、組み換えシグナル配列が含まれる。組み換えシグナル配列を、ゲノム源から得てもよいか、または、動作可能に連結したV遺伝子セグメントとJ遺伝子セグメントとを有するヌクレオチドコード配列の効率的な組み換えを提供するように、本明細書に記載のとおりに最適化してもよい。ヌクレオチドコード配列それ自体を、抗体配列の親和性成熟の間に体細胞超変異が生じるように最適化してもよく、その体細胞超変異のレベルは、通例のD遺伝子セグメントを含むイムノグロブリン重鎖遺伝子座を備えた野生型非ヒト動物か、または通例のヒトD遺伝子セグメントを含むヒトイムノグロブリン重鎖(および/または軽鎖)遺伝子座に対してトランスジェニックである非ヒト動物で見られる体細胞超変異のレベルとほぼ同じか、または該レベルよりも高いレベルであるようにする。アセンブルされたDNA断片(すなわち、操作されたD領域)は、一旦アセンブルされると、ゲノム重鎖可変領域DNA(例えば、ヒト型)を含むBACベクターにライゲーションされて、イムノグロブリン重鎖遺伝子座への組み込み用に標的化ベクターを作製する。ライゲーションは、操作されたD領域がVゲノムDNAと5’で隣接し、JゲノムDNAおよび非ヒト(例えば、齧歯類)ゲノム重鎖定常領域DNA(例えば、イントロンエンハンサーおよびIgM定常領域遺伝子)と3’で隣接するように行われる。非ヒト細胞(例えば、齧歯類胚性幹細胞)のゲノムへの組み込み用の最終的な標的化ベクターは、VゲノムDNA(例えば、一つ以上のV遺伝子セグメントを含む)、操作されたD領域、3’JゲノムDNA、および非ヒト(例えば、齧歯類)ゲノム重鎖定常領域DNAを含み、これらの全ては、一旦非ヒト動物のゲノムに組み込まれると、V遺伝子セグメントと、操作されたD領域内のヌクレオチドコード配列と、J遺伝子セグメントとの間の組み換えを可能にするように動作可能に連結される。
【0222】
標的化ベクターは、齧歯類(例えば、マウス)胚性幹細胞に導入され、その結果、標的化ベクターに含まれる配列(すなわち、操作されたD領域)によって、非ヒト細胞または非ヒト動物(例えば、マウス)が、挿入されたヌクレオチドコード配列によりコードされるアミノ酸を有するCDR3を含む抗体を発現する能力を得るようになる。
【0223】
本明細書に記載のように、操作されたD領域が、齧歯類ゲノムの内因性イムノグロブリン重鎖遺伝子座(例えば、ヒト可変領域遺伝子セグメントを含むように操作された内因性イムノグロブリン重鎖遺伝子座)に導入された、トランスジェニック齧歯類を生成する。イムノグロブリンはマウス細胞で発現し、該イムノグロブリンは、操作されたD領域由来のヌクレオチドコード配列によってコードされるアミノ酸を含むCDR3を有する。イムノグロブリンは、マウス定常領域をさらに含み、したがって、齧歯類の免疫システムの種々の免疫細胞に対して必要なエフェクター機能を提供する。齧歯類ゲノムの内因性イムノグロブリン重鎖遺伝子座が標的化ベクターにより標的化されない場合には、操作されたD領域は、内因性マウスイムノグロブリン重鎖遺伝子座の位置以外の位置でイムノグロブリン重鎖遺伝子座に挿入される(例えば、ランダムに挿入される)のが好ましい。このような場合、非ヒト動物により産生される抗体が、挿入済の操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖遺伝子座由来の遺伝子セグメントおよび配列を利用するように、内因性マウスイムノグロブリン重鎖遺伝子座が欠失されるか、または非機能的になる可能性がある(例えば、標的欠失、標的挿入、標的置換などによる)。
【0224】
一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物のゲノムは、一つ以上のヒトイムノグロブリン重鎖遺伝子および/または軽鎖遺伝子をさらに備える(例えば、米国特許第8,502,018号、米国特許第8,642,835号、米国特許第8,697,940号、米国特許第8,791,323号、および米国特許出願公開第2013/0096287A1号を参照されたく、これらの文献は参照により本明細書に援用される)。あるいは、操作されたD領域は、例えばVELOCIMMUNE(登録商標)株などの異なる改変株の胚性幹細胞に導入され得る(例えば米国特許第8,502,018号または米国特許第8,642,835号を参照されたく、これらの文献は参照により本明細書に援用される)。一部の実施形態では、操作されたD領域は、米国特許第8,697,940号および第8,642,835号(これらの文献は参照により本明細書に援用される)に記載される改変株の胚性幹細胞に導入されてもよい。
【0225】
一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物のゲノムは、米国特許出願公開第2011−0195454A1号、同第2012−0021409A1号、同第2012−0192300A1号、同第2013−0045492A1号、同第2013−0185821A1号、同第2013−0198880A1号、同第2013−0302836A1号、同第2015−0059009A1号;国際特許出願公開第WO2011/097603号、同第WO2012/148873号、同第WO2013/134263号、同第WO2013/184761号、同第WO2014/160179号、同第WO2014/160202号(これらの全ては参照により本明細書に援用される)に記載されている一つ以上のヒトイムノグロブリン軽鎖遺伝子または遺伝子座(例えば、トランスジェニック型、内因型など)を(例えば、交雑または複数の遺伝子標的化戦略を介して)さらに含む。
【0226】
単一の再構成された軽鎖、例えば、再構成された軽鎖可変領域を含む軽鎖の遺伝子工学を説明してきた。例えば、単一の再構成された可変遺伝子配列V:Jを含む普遍的軽鎖マウス(ULC)の生成、およびこれらのマウスにおける抗原特異的抗体の生成については、米国特許出願第13/022,759号、同第13/093,156号、同第13/412,936号、同第13/488,628号、同第13/798,310号、および同第13/948,818号(それぞれ米国特許出願公開第2011/0195454号、同第2012/0021409号、同第2012/0192300号、同第2013/0045492号、同第US20130185821号、および同第US20130302836号)に記載されており、これらの文献の各々は、その全体が参照により本明細書に援用される。米国特許出願公開第2011/0195454号、同第2012/0021409号、同第2012/0192300号、および同第2013/0045492に記載の操作された共通軽鎖マウスは、二つ以下のVL遺伝子セグメント、または単一の再構成されたヒトイムノグロブリン軽鎖可変領域配列を含めた軽鎖選択肢(例えば、共通軽鎖または普遍的軽鎖(「ULC」))の限定されたレパートリーをコードする核酸配列を含んでいた。こうした限定されたレパートリーを実現するために、マウスを操作して、未変性マウス軽鎖可変ドメインを作製または再構成する能力を非機能的または実質的に非機能的にした。一態様では、これを、例えばマウスの軽鎖可変領域遺伝子セグメントを欠失することによって実現した。前述したように、続いて、外来性可変領域遺伝子セグメントが内因性マウス軽鎖定常領域遺伝子と結合し、再構成されたリバースキメラ軽鎖遺伝子(ヒト可変、マウス定常)を形成することができるような方法で、内因性マウス軽鎖定常ドメインに動作可能に連結した、選択された外来性の好適な軽鎖可変領域遺伝子セグメント、好ましくはヒト軽鎖可変領域遺伝子セグメントによって、内因性マウス遺伝子座を改変することができる。種々の実施形態では、軽鎖可変領域を体細胞変異することができる。種々の実施形態では、軽鎖可変領域が体細胞変異を得る能力を最大化するために、適正なエンハンサーがマウスに保持される。一態様では、内因性マウスκ軽鎖遺伝子セグメントをヒトκ軽鎖遺伝子セグメントと置き換えるようにマウスκ軽鎖遺伝子座を改変する際に、マウスκイントロンエンハンサーとマウスκ3’エンハンサーとが、機能的に維持されるか、または破壊されていない。
【0227】
したがって、リバースキメラ(ヒト可変、マウス定常)軽鎖の限定されたレパートリーを発現する遺伝子操作マウスが提供され、該軽鎖は、本明細書に記載の遺伝子操作されたD領域(またはその一部)によってコードされるアミノ酸を備えた多様なリバースキメラ(ヒト可変、マウス定常)重鎖と会合する。種々の実施形態では、内因性マウスκ軽鎖遺伝子セグメントが欠失し、内因性マウスCκ遺伝子に動作可能に連結された、単一(または二つ)の再構成されたヒト軽鎖領域と置き換えられる。再構成されたヒト軽鎖領域の体細胞超変異を最大化するための実施形態では、マウスκイントロンエンハンサーとマウスκ3’エンハンサーとが維持される。種々の実施形態では、マウスはまた、非機能的なκ軽鎖遺伝子座か、または該遺伝子座の欠失、もしくは該遺伝子座がκ軽鎖を作製できないようにする欠失を含む。
【0228】
したがって、一実施形態では、本明細書において、非ヒト動物(例えば齧歯類、例えばマウスまたはラット)であって、そのゲノム(例えば、その生殖細胞系)に、好ましくはヒト軽鎖可変遺伝子セグメントの限定されたレパートリー由来の、好ましくはヒト軽鎖可変領域、すなわち単一の再構成されたヒト軽鎖可変領域の限定されたレパートリーを含む、該非ヒト動物が提供され、そこで、該非ヒト動物はまた、そのゲノム(例えば、その生殖細胞系)に、操作されたD領域を備えたイムノグロブリン重鎖可変領域を含み、該操作されたD領域には、一つ以上のヌクレオチド配列であって、その各々が対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部をコードする該ヌクレオチド配列が含まれる。
【0229】
ヒト軽鎖可変領域遺伝子配列の限定されたレパートリー由来の、ヒト軽鎖可変ドメイン、すなわち単一のヒト軽鎖可変ドメインの限定されたレパートリーを発現する遺伝子操作された動物が提供される。一実施形態では、単一の再構成されたV/Jヒト軽鎖配列は、Vκ1−39JκおよびVκ3−20Jκ(例えばVκ1−39Jκ5およびVκ3−20Jκ1)から選択される。一部の実施形態では、本明細書に開示される非ヒト動物は、全ての内因性機能性V遺伝子セグメントおよび全ての内因性機能性J遺伝子セグメントを単一の再構成されたV/J軽鎖配列と置換したものを含めた改変された軽鎖遺伝子座を備え、そこで、該単一の再構成されたV/J軽鎖配列は内因性軽鎖定常領域遺伝子と動作可能に連結されている。一部の実施形態では、改変された軽鎖遺伝子座は、非ヒト動物の生殖細胞系ゲノム内にある。一実施形態では、非ヒト動物は、その生殖細胞系ゲノムに、軽鎖定常領域遺伝子配列に動作可能に連結された単一の再構成された軽鎖可変遺伝子配列を含み、そこで、該単一の再構成された軽鎖可変領域遺伝子配列は、ヒト生殖細胞系V遺伝子セグメントおよびヒト生殖細胞系J遺伝子セグメント(例えば、ヒト生殖細胞系Vκ1−39およびヒト生殖細胞系Jκ5またはヒト生殖細胞系Vκ3−20およびJκ1)を含む。一部の実施形態では、本明細書に開示される非ヒト動物は、B細胞(例えば、クラススイッチを受けなかったB細胞)であって、そのゲノムに、内因性軽鎖定常領域遺伝子に動作可能に連結された単一の再構成されたV/J軽鎖配列を含む該B細胞を含み、該単一の再構成されたV/J軽鎖は、非ヒト動物の生殖細胞系ゲノムに見られる内因性軽鎖定常領域遺伝子に動作可能に連結された単一の再構成されたV/J軽鎖配列に比べて、体細胞変異を含まない。他の実施形態では、本明細書に開示される非ヒト動物は、B細胞(例えば、クラススイッチを受けたB細胞)であって、そのゲノムに、内因性軽鎖定常領域遺伝子に動作可能に連結された単一の再構成されたV/J軽鎖配列を含む該B細胞を含み、該単一の再構成されたV/J軽鎖は、非ヒト動物の生殖細胞系ゲノムに見られる内因性軽鎖定常領域遺伝子に動作可能に連結された単一の再構成されたV/J軽鎖配列に比べて、体細胞変異を含む。
【0230】
したがって、遺伝子改変された非ヒト動物が、該動物を作製するための方法および組成物と共に提供され、そこで該遺伝子改変は、操作されたD領域と単一の再構成された軽鎖遺伝子座とを含み、該動物は、遺伝子操作された単一再構成軽鎖(例えば、操作された共通軽鎖(ULC))をさらに発現し、該軽鎖は、非ヒト動物の組織または細胞において、操作されたD領域によりコードされたアミノ酸を含む重鎖と会合することができる。
【0231】
トランスジェニック創始非ヒト動物を、そのゲノム中の操作されたD領域の存在に基づいて、および/または該非ヒト動物の組織または細胞におけるヌクレオチドコード配列によりコードされたアミノ酸を含有する抗体の発現に基づいて、特定することができる。次いでトランスジェニック創始非ヒト動物を使用して、操作されたD領域を担持する別の非ヒト動物と交配させ、それによって各々が1コピー以上の操作されたD領域を担持する一連の非ヒト動物を作製することができる。また、操作されたD領域を担持するトランスジェニック非ヒト動物を、所望される他の導入遺伝子(例えばヒトイムノグロブリン遺伝子)を担持する他のトランスジェニック非ヒト動物とさらに交配させてもよい。
【0232】
トランスジェニック非ヒト動物はまた、導入遺伝子の発現の制御または誘導を可能にする選択されたシステムを含有するように生成されてもよい。システムの例としては、バクテリオファージP1のCre/loxPリコンビナーゼシステム(例えば、Lakso,M.et al.,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:6232−6236を参照のこと)および出芽酵母のFLP/Frtリコンビナーゼシステム(O’Gorman,S.et al,1991,Science 251:1351−1355)が挙げられる。こうした動物は、例えば、一方は選択された改変(例えば、操作されたD領域)を含む導入遺伝子を含有し、他方はリコンビナーゼ(例えば、Creリコンビナーゼ)をコードする導入遺伝子を含有する、2種のトランスジェニック動物を交配することによって、「ダブル」トランスジェニック動物を構築することにより提供され得る。
【0233】
本明細書に記載の非ヒト動物は、上述のように調製されるかまたは当技術分野に公知の方法用いて調製されて、多くの場合、当該非ヒト動物の使用目的に応じて、追加のヒト遺伝子もしくはヒト化遺伝子を含み得る。かかる追加のヒト遺伝子またはヒト化遺伝子の遺伝物質は、上述の遺伝的改変を有する細胞(例えば胚性幹細胞)のゲノムのさらなる改変を介して、または所望される他の遺伝子改変系統を用いた当技術分野に公知の交配技術を介して、導入される場合がある。一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、トランスジェニックヒトイムノグロブリン重鎖遺伝子および軽鎖遺伝子をさらに備えるように調製される(例えば、Murphy,A.J.et al.,(2014)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.111(14):5153−5158;米国特許第8,502,018号、米国特許第8,642,835号、米国特許第8,697,940号、米国特許第8,791,323号、および米国特許出願公開第2013/0096287A1号を参照されたく、これらの文献は参照により本明細書に援用される)。一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、米国特許出願公開第2011−0195454A1号、同第2012−0021409A1号、同第2012−0192300A1号、同第2013−0045492A1号、同第2013−0185821A1号、同第2013−0198880A1号、同第2013−0302836A1号、同第2015−0059009A1号;国際特許出願公開第WO2011/097603号、同第WO2012/148873号、同第WO2013/134263号、同第WO2013/184761号、同第WO2014/160179号、同第WO2014/160202号(これらの文献の全ては参照により本明細書に援用される)に記載されている一つ以上のヒトイムノグロブリン軽鎖遺伝子または遺伝子座(例えば、トランスジェニック型、内因型など)をさらに備えるように調製される。
【0234】
一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、本明細書に記述されるように、標的化ベクターを、改変された系統由来の細胞へと導入することにより調製されてもよい。一例を挙げると、上述の標的化ベクターは、VELOCIMMUNE(登録商標)マウスに導入されてもよい。VELOCIMMUNE(登録商標)マウスは、完全ヒト可変領域とマウス定常領域とを有する抗体を発現する。一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、ヒトイムノグロブリン遺伝子(可変領域遺伝子および/または定常領域遺伝子)をさらに備えるように調製される。一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、本明細書に記載されるように、操作されたD領域と異種(例えばヒト)由来の遺伝物質とを備え、そこで、該遺伝物質は、一つ以上のヒト重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域の全部または一部をコードする。
【0235】
例えば、本明細書に記載されるように、操作されたD領域を備えた非ヒト動物は、以下の文献に記載される一つ以上の改変を(例えば、交雑または複数の遺伝子標的化戦略を介して)さらに備えていてもよい:Murphy,A.J.et al.,2014,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.111(14):5153−5158;米国特許第8,502,018号;米国特許第8,642,835号;米国特許第8,697,940号;米国特許第8,791,323号;米国特許出願公開第2011−0195454A1号;同第2012−0021409A1号;同第2012−0192300A1号;同第2013−0045492A1号;同第2013−0096287A1号;同第2013−0185821A1号;同第2013−0198880A1号;同第2013−0302836A1号;同第2015−0059009A1号;国際特許出願公開第WO2011/097603号、同第WO2012/148873号、同第WO2013/134263号、同第WO2013/184761号、同第WO2014/160179号、または同第WO2014/160202号、これらの出願の全てはその全体が参照により本明細書に援用される。一部の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域を備えた齧歯類は、ヒト化イムノグロブリン重鎖および/または軽鎖の可変領域遺伝子座を備えた齧歯類と交配される(例えば、米国特許第8,502,018号または米国特許第8,642,835号を参照されたく、これらの文献は参照により本明細書に援用される)。一部の実施形態では、本明細書に記載の操作されたD領域を備えた齧歯類は、米国特許出願公開第2011−0195454A1号、同第2012−0021409A1号、同第2012−0192300A1号、同第2013−0045492A1号、同第2013−0185821A1号、同第2013−0198880A1号、同第2013−0302836A1号、同第2015−0059009A1号;国際特許出願公開第WO2011/097603号、同第WO2012/148873号、同第WO2013/134263号、同第WO2013/184761号、同第WO2014/160179号、同第WO2014/160202号(これらの全ては参照により本明細書に援用される)に記載されているヒト化イムノグロブリン軽鎖遺伝子または遺伝子座を備えた齧歯類と交配される。
【0236】
マウス(すなわち、ヒトV遺伝子セグメントおよびJ遺伝子セグメントと動作可能に連結されており、これらの全てが一つ以上のマウス重鎖定常領域遺伝子に動作可能に連結されている、操作されたD領域を有するマウス)において、操作されたD領域を利用する実施形態が本明細書で広範囲に論じられているが、操作されたD領域を備えた他の非ヒト動物も提供される。一部の実施形態では、こうした非ヒト動物は、内因性V遺伝子セグメントとJ遺伝子セグメントとに動作可能に連結した操作されたD領域を備える。一部の実施形態では、こうした非ヒト動物は、ヒト化V遺伝子セグメントとJ遺伝子セグメントとに動作可能に連結した操作されたD領域を備える。こうした非ヒト動物には、本明細書に開示される対象のポリペプチドの一部に相当するヌクレオチドコード配列によってコードされるアミノ酸を含む、CDR3を有する抗体を発現するように遺伝子改変され得る動物のいずれかが含まれ、例えば、マウス、ラット、ウサギ、ブタ、ウシ(例えば、雌牛、雄牛、バッファロー)、シカ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、ネコ、イヌ、フェレット、霊長類(例えば、マーモセット、アカゲザル)などの哺乳類が含まれる。例えば、好適な遺伝子改変可能ES細胞が直ちに利用可能でない非ヒト動物については、遺伝子改変を含む非ヒト動物を作るために他の方法が採用される。このような方法には、例えば、非ES細胞ゲノム(例えば、線維芽細胞または人工多能性細胞)を改変すること、および体細胞核移植(SCNT)を利用して好適な細胞、例えば除核卵母細胞、に遺伝子改変されたゲノムを導入すること、および改変された細胞(例えば、改変された卵母細胞)を胚の形成に好適な条件下で非ヒト動物に懐胎させることが挙げられる。
【0237】
非ヒト動物ゲノム(例えば、ブタ、雌牛、齧歯類、ニワトリなどのゲノム)の改変方法には、例えば、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(transcription activator−like effector nuclease、TALEN)、またはCasタンパク質(すなわち、CRISPR/Casシステム)を用い、ゲノムを改変して、本明細書に記載の操作されたD領域を含める方法が挙げられる。非ヒト動物の生殖細胞系ゲノムを改変するための方法の指針は、例えば、米国特許出願公開第2015−0376628A1号、同第2016−0145646A1号、および同第2016−0177339A1号に見出すことができ、これらの文献は参照により本明細書に援用される。
【0238】
一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は哺乳類である。一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、例えば、トビネズミ上科またはネズミ上科の小哺乳類である。一部の実施形態では、本明細書に記載の遺伝子改変された動物は齧歯類である。一部の実施形態では、本明細書に記載の齧歯類は、マウス、ラット、およびハムスターから選択される。一部の実施形態では、本明細書に記載の齧歯類はネズミ上科から選択される。一部の実施形態では、本明細書に記載の遺伝子改変動物は、ヨルマウス科(例えば、マウス様のハムスター)、キヌゲネズミ科(例えば、ハムスター、New Worldラットおよびマウス、ハタネズミ)、ネズミ科(純種のマウスおよびラット、アレチネズミ、トゲマウス、タテガミネズミ)、アシナガマウス科(キノボリマウス、ロックマウス、オジロラット、マダガスカルラットおよびマウス)、トゲヤマネ科(例えば、トゲヤマネ)、およびメクラネズミ科(例えば、メクラネズミ、タケネズミ、および高原モグラネズミ)から選択された科由来である。一部の特定の実施形態では、本明細書に記載の遺伝子改変齧歯類は、純種のマウスまたはラット(ネズミ科)、アレチネズミ、トゲマウス、およびタテガミネズミから選択される。一部の実施形態では、本明細書に記載の遺伝子改変マウスはネズミ科のメンバー由来のものである。一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は齧歯類である。一部のある実施形態では、本明細書に記載の齧歯類はマウスおよびラットから選択される。一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物はマウスである。
【0239】
一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、C57BL/A、C57BL/An、C57BL/GrFa、C57BL/KaLwN、C57BL/6、C57BL/6J、C57BL/6ByJ、C57BL/6NJ、C57BL/10、C57BL/10ScSn、C57BL/10Cr、およびC57BL/Olaから選択されるC57BL系のマウスである齧歯類である。一部の実施形態では、本明細書に記載のマウスは、129P1、129P2、129P3、129X1、129S1(例えば、129S1/SV、129S1/SvIm)、129S2、129S4、129S5、129S9/SvEvH、129/SvJae、129S6(129/SvEvTac)、129S7、129S8、129T1、129T2の系統からなる群から選択される129系である(例えば、Festing et al.,1999,Mammalian Genome 10:836;Auerbach,W.et al.,2000,Biotechniques 29(5):1024−1028,1030,1032を参照のこと)。一部の実施形態では、本明細書に記載の遺伝子改変マウスは、前述の129系と前述のC57BL/6系との混合である。一部の実施形態では、本明細書に記載のマウスは、前述の129系の混合、または前述のBL/6系の混合である。一部の実施形態では、本明細書に記述された混合の129系は129S6(129/SvEvTac)系である。一部の実施形態では、本明細書に記載のマウスはBALB系(例えばBALB/c系)である。一部の実施形態では、本明細書に記載のマウスは、BALB系と前述の別系統の混合である。
【0240】
一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物はラットである。一部の特定の実施形態では、本明細書に記載のラットは、Wistarラット、LEA系統、Sprague Dawley系統、Fischer系統、F344、F6、およびDark Agoutiから選択される。一部の実施形態では、本明細書に記述されたラット系は、ウィスター、LEA、Sprague Dawley、フィッシャー、F344、F6、およびDark Agoutiから成る群から選択された二つ以上の系の混合である。
【0241】
操作された多様性クラスターを有する非ヒト動物の利用方法
様々なインビトロ技術およびインビボ技術が、抗体ベースの治療薬を生み出すために開発されてきた。詳細には、インビボ技術は、ヒトイムノグロブリン遺伝子を備えたトランスジェニック動物(すなわち齧歯類)であって、該遺伝子が、該動物のゲノムにランダムに組み込まれている(例えば、米国特許第5,569,825号を参照のこと)か、または、該動物の内因性イムノグロブリン定常領域と動作可能に連結した内因性イムノグロブリン遺伝子座に寸分たがわずに配置されている、該動物の生成を特徴としてきた(例えば、米国特許第8,502,018号、同第8,642,835号、同第8,697,940号、および同第8,791,323号を参照のこと)。これら両方のアプローチは、ヒトへの使用に有望な抗体治療候補の生成に、よい結果をもたらしてきた。さらに、これら両方のアプローチは、インビボで生成された抗体レパートリーから抗体候補が選択されるという点で、インビトロアプローチよりも優れており、この選択には、宿主免疫システムの内部環境内での抗原に対する親和性および特異性の選択が含まれる。このように、抗体は、インビトロ技術に付随し得る人工環境またはインシリコ予測ではなく、自然提示された抗原に(関連する生物学的エピトープおよび表面内で)結合するものである。インビボ技術から得られるロバストな抗体レパートリーにも関わらず、複合体(例えば、膜貫通ポリペプチド)または細胞質抗原に対する抗体は、依然として分かりにくいままである。さらに、種間(例えば、ヒトとマウス)で高い配列同一性を共有するポリペプチドに対する抗体を生成することも、免疫寛容に起因して未だ課題のままである。
【0242】
したがって、本明細書で特に説明されるのは、通例とは異なる配列(すなわち、自然界で見られる通例のD遺伝子セグメントまたはD遺伝子セグメントではない)から生成されるCDR(特にCDR3)に多様性を付加した抗体の生成によって特徴付けられるインビボシステムが、一つ以上のヌクレオチドコード配列(すなわち合成配列)であって、その各々が対象のポリペプチドの一部をコードする該配列を用いて構築され得るという認識である。こうした付加された多様性は、特定の抗原(例えば、膜貫通ポリペプチド)への結合を誘導することができる。例えば、本明細書に記載されるように、一つ以上の炎症性サイトカイン(例えば、β−ケモカイン)を遮断する抗体を、操作されたD領域を備えたイムノグロブリン重鎖遺伝子座を含むように操作された非ヒト動物により生成することができ、該操作されたD領域には、一つ以上のヌクレオチドコード配列が含まれ、その配列の各々がサイトカイン受容体(例えば、β−ケモカイン受容体)の細胞外部分をコードする。また本明細書に記載されるように、イオンチャネル(例えば、Naチャネル)の活性および/または機能を遮断または阻害する抗体を、操作されたD領域を備えたイムノグロブリン重鎖遺伝子座を含むように操作された非ヒト動物により生成することができ、該操作されたD領域には、一つ以上のヌクレオチドコード配列が含まれ、その配列の各々が毒素(例えば、μ−コノトキシンおよび/またはタランチュラ毒素)の一部をコードする。V遺伝子セグメント、ヌクレオチドコード配列、およびJ遺伝子セグメントの組み換えの際に、該ヌクレオチドコード配列によって部分的にコードされる配列を有するCDR3領域を含む重鎖可変コード配列が形成され、それによって該ヌクレオチドコード配列に関連する特定の抗原への結合が誘導される。
【0243】
本明細書に記載の非ヒト動物は、ヒト抗体を作製するのに利用することができ、該ヒト抗体は、本明細書に記載される非ヒト動物の細胞の遺伝物質によってコードされる一つ以上の可変領域核酸配列由来の可変ドメインを含んでいる。例えば、本明細書の非ヒト動物は、非ヒト動物が該β−ケモカイン(またはNaチャネルポリペプチドの全部または一部)に対して免疫反応を発達させるのに十分な条件下かつ期間の間、β−ケモカイン(またはNaチャネルポリペプチドの全部または一部)より免疫化される。抗体は、非ヒト動物(または一つ以上の細胞、例えば、一つ以上のB細胞)から単離され、例えば、親和性、特異性、エピトープマッピング、リガンド−受容体相互作用の阻害能力、受容体活性の阻害能力などを測定する、種々のアッセイを用いて特徴付けられる。種々の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物によって産生される抗体は、非ヒト動物から単離された一つ以上のヒト可変領域ヌクレオチド配列由来である一つ以上のヒト可変ドメインを含む。一部の実施形態では、抗薬剤抗体(例えば、抗イディオタイプ抗体)が、本明細書に記載の非ヒト動物に生じ得る。
【0244】
本明細書に記載の非ヒト動物は、様々なアッセイに有用なヒト抗体を産生するための、改良されたインビボシステムと生物学的物質(例えば、細胞)の供給源とを提供する。種々の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物を使用して、一つ以上のサイトカインを標的にする治療法、および/またはサイトカイン活性を調節する治療法、および/またはサイトカインと他の結合パートナー(例えば、サイトカイン受容体)との相互作用を調節する治療法を開発する。種々の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物を使用して、一つ以上のイオンチャネルを標的にする治療法、および/またはイオンチャネル活性を調節する治療法、および/またはイオンチャネルと他の結合パートナーとの相互作用を調節する治療法を開発する。種々の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物を使用して、一つ以上のヒトサイトカインポリペプチドまたはイオンチャネル(例えば、カリウムチャネル、カルシウムチャネル、またはナトリウムチャネル)を結合させる候補治療薬(例えば、抗体、siRNAなど)を特定、スクリーニング、および/または開発する。種々の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物を使用して、一つ以上のヒトβ−ケモカインポリペプチドの活性を遮断するか、一つ以上のヒト電位開口型ナトリウム(Na)チャネルの活性を遮断する、候補治療薬(例えば、抗体、siRNAなど)をスクリーニングかつ開発する。種々の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物を使用して、一つ以上のヒトβ−ケモカインポリペプチドの拮抗薬および/もしくは作動薬、または一つ以上のヒトNaチャネルの拮抗薬および/もしくは作動薬の結合プロファイルを決定する。一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物を使用して、一つ以上のヒトβ−ケモカインポリペプチドを結合させるか、または一つ以上のヒトNaチャネルを結合させる、一つ以上の候補治療抗体のエピトープを決定する。
【0245】
種々の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物を使用して、抗−β−ケモカインまたは抗−Na抗体の薬物動態プロファイルを決定する。種々な実施形態では、本明細書に記載の一つ以上の非ヒト動物および一つ以上の対照または参照非ヒト動物がそれぞれ、一つ以上の候補治療薬抗−β−ケモカインまたは抗−Na抗体に、様々な用量(例えば、0.1mg/kg、0.2mg/kg、0.3mg/kg、0.4mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/mg、7.5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、40mg/kg、または50mg/kgまたはそれを超える用量)で曝露される。候補治療薬抗体は、経口および非経口投与経路を含む、任意の望ましい投与経路で投薬される場合がある。非経口経路は、例えば、静脈内、動脈内、門脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、髄腔内、くも膜下腔内、側脳室内、頭蓋内、胸腔内または注入のその他の経路を含む。非注射経路は、例えば、経口、経鼻、経皮、肺、直腸、口腔、膣、眼を含む。投与は、連続注入、局所投与、インプラント(ゲル、膜など)からの持続放出、および/または静脈内注射による場合もある。非ヒト動物(ヒト化および対照)から血液が様々な時点(例えば、0時間、6時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、または最大30日またはそれ以上の日数)で単離される。様々なアッセイは、総IgG、抗治療抗体反応、凝集などを含むがこれらに限定されない、本明細書に記述された非ヒト動物から取得されたサンプルを使用して、投与された候補治療抗体の薬物動態プロファイルを決定するために実施される場合がある。
【0246】
種々の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物を使用して、β−ケモカイン活性(または、β−ケモカインシグナル伝達もしくはβ−ケモカイン媒介相互作用)を遮断または調節する治療効果と、本明細書に記載される非ヒト動物の細胞の細胞変化の結果としての遺伝子発現への影響、または該細胞のβ−ケモカイン受容体の密度への影響とを測定する。種々の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物またはそれから単離された細胞は、ヒトβ−ケモカインポリペプチド(またはヒトβ−ケモカインポリペプチドの一部)を結合させる候補治療薬に曝され、それに続くある期間の後に、β−ケモカイン依存プロセス(または相互作用)、例えば、リガンド−受容体相互作用またはβ−ケモカインシグナル伝達への影響について分析される。
【0247】
種々の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物を使用して、Naチャネル活性(または、Naチャネルシグナル伝達、もしくはNa媒介相互作用、もしくはNaチャネル活動電位)を遮断または調節する治療効果と、本明細書に記載される非ヒト動物の細胞の細胞変化の結果としての遺伝子発現への影響、または該細胞のNaチャネル密度への影響とを測定する。種々の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物またはそれから単離された細胞は、ヒト−Naチャネル(またはヒトNaチャネルの一部)を結合させる候補治療薬に曝され、それに続くある期間の後に、Naチャネル依存プロセス(または相互作用)、例えば、リガンド−受容体相互作用またはNaチャネル活動電位への影響について分析される。
【0248】
種々の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、電位開口型ナトリウムチャネル(例えば、Na1.7)に作用するヒト抗体を作製するのに利用され得る。こうしたヒト抗体は、本明細書に記載の改変とは異なる改変、例えば、米国特許第8,871,996号、同第8,486,647号(これらの文献は参照により本明細書に援用される)に記載の改変を有する非ヒト動物において試験および/または開発されてもよい。
【0249】
本明細書に記載の非ヒト動物は、一つ以上のβ−ケモカイン(またはNaチャネル)を結合させる抗体を発現し、したがって、細胞、細胞株、および細胞培養物を、例えば、ヒトβ−ケモカイン(またはNaチャネル)拮抗薬または作動薬の結合または機能をアッセイする、結合アッセイおよび機能アッセイに使用するための抗−β−ケモカイン(または抗−Na)抗体の供給源として作用するように生成することができ、特にそこで、該拮抗薬または作動薬は、ヒトβ−ケモカイン配列(またはヒトNaチャネル配列)もしくはエピトープに対して特異的であるか、またはリガンド−受容体相互作用(結合)に機能するヒトβ−ケモカイン配列(またはヒトNaチャネル配列)もしくはエピトープに対して特異的である。種々の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物から単離された細胞を使用して、候補治療抗体またはsiRNAが結合するβ−ケモカインエピトープ(またはNaチャネルエピトープ)を決定することができる。
【0250】
本明細書に記載の非ヒト動物由来の細胞は、その場限りで単離して使用するか、または多世代にわたって培養物中で維持することができる。種々の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物由来の細胞は(例えば、ウイルスの使用によって)不死化され、培養物中(例えば、連続培養物中)で無期限に維持される。
【0251】
本明細書に記載の非ヒト動物は、一つ以上のβ−ケモカインポリペプチド(またはNaチャネル)を結合させる抗体のバリアントを生成するためのインビボシステムを提供するものである。こうしたバリアントには、二つ以上のβ−ケモカインポリペプチド(またはNaチャネル)によって共有される共通エピトープに対して、所望の機能性、特異性、低交差反応性を有する抗体が含まれる。一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物を利用して、所望の機能性または改良された機能性に対してスクリーニングされる一連のバリアント抗体をもたらす抗体のパネルを生成する。
【0252】
本明細書に記載の非ヒト動物は、抗−β−ケモカイン(または抗−Na)抗体ライブラリーを生成するためのインビボシステムを提供する。こうしたライブラリーは、所望のエフェクター機能に基づいて異なるFc領域に移植され得る、および/または当技術分野で公知の技術(例えば、部位特異的変異誘導、エラープローンPCRなど)を用いて可変領域配列の親和性成熟の供給源として使用され得る、重鎖および軽鎖の可変領域配列の供給源を提供する。
【0253】
本明細書に記載の非ヒト動物は、薬剤またはワクチンの分析および検査のためのインビボシステムを提供する。種々の実施形態では、候補薬剤またはワクチンが本明細書に記載の一つ以上の非ヒト動物に送達され、その後、該非ヒト動物をモニターして、薬剤もしくはワクチンに対する免疫反応、薬剤もしくはワクチンの安全性プロファイル、または疾患もしくは症状に対する効果および/もしくは疾患もしくは症状の一つ以上の兆候に対する効果のうちの一つ以上を算出してもよい。安全性プロファイルを算出するために使用される例示的方法には、毒性、至適用量濃度、抗体(すなわち抗薬剤)反応、薬剤またはワクチンの有効性、および潜在的リスク因子の測定が含まれる。このような薬剤またはワクチンはこのような非ヒト動物で改善および/または開発される場合がある。
【0254】
ワクチンの有効性は、数多くの方法で算出され得る。簡潔に述べると、本明細書に記載の非ヒト動物は当技術分野で公知の方法を使用して免疫化され、その後ワクチンに曝露されるか、またはすでに感染した非ヒト動物にワクチンが投与される。ワクチンに対する非ヒト動物の応答を、その非ヒト動物(またはそれらから単離された細胞)のモニタリングを行うことにより、および/またはそれらに対して一つ以上のアッセイを行うことにより測定して、ワクチンの有効性を決定することができる。ワクチンに対する非ヒト動物の応答は、続いて、当技術分野に公知の、および/または本明細書に記載の一つ以上の手段を使用して、対照動物と比較される。
【0255】
ワクチンの有効性は、ウイルス中和アッセイによりさらに算出されてもよい。簡潔に述べると、本明細書に記載の非ヒト動物を免疫化し、免疫後の様々な日数で血清を採取する。血清の連続希釈物をウイルスとプレインキュベートし、その間に、そのウイルスに特異的な血清中の抗体が、ウイルスに結合することになる。続いて、ウイルス/血清の混合物を許容細胞に添加して、プラークアッセイまたはマイクロ中和アッセイにより感染性を算出する。血清中の抗体がウイルスを中和する場合、対照群と比較して、プラーク数が少ないか、または相対ルシフェラーゼ単位が低くなる。
【0256】
本明細書に記載の非ヒト動物は、癌および/または炎症性疾患で使用する抗体ベースの治療薬の開発および特徴付けをするための、改良されたインビボシステムを提供する。以前から、炎症は癌と関連があるとされてきた(例えば、Grivennikov,S.I.et al.,2010,Cell 140:883−99;Rakoff−Nahoum,S.,2006,Yale J.Biol.Med.79:123−30に概説されている)。実際、腫瘍成長環境は、一つには種々の炎症性メディエータの浸潤により特徴付けられている。また、持続する炎症により、癌の発症する可能性がより高くなり得る。したがって、一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、抗癌治療薬および/または抗炎症治療薬を開発および/または特定するためのインビボシステムを提供する。種々の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物または対照非ヒト動物(例えば、本明細書に記載の遺伝子改変とは異なる遺伝子改変を有するもの、または遺伝子改変を有さないもの(すなわち野生型)など)に腫瘍(または腫瘍細胞)を移植し、続いて一つ以上の候補治療薬を投与し得る。一部の実施形態では、候補治療薬には多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)または抗体カクテルが含まれ得る。一部の実施形態では、候補治療薬には、例えば、逐次的にまたは同時に投与される二つ以上の単一特異性抗体の投与などの併用療法が含まれる。腫瘍は、非ヒト動物内の一つ以上の場所で定着するのに十分な時間が与えられた後に、一つ以上の候補治療薬を投与され得る。腫瘍細胞増殖、成長、生存などは、候補治療薬の投与前と後の両方で測定される場合がある。望ましい場合には、治療薬候補の細胞毒性もまた、非ヒト動物で測定されてもよい。
【0257】
本明細書に記載の非ヒト動物は、疼痛(例えば、神経障害性)の治療に使用するか、または鎮痛剤として使用する抗体ベースの治療薬の開発および特徴付けをするための、改良されたインビボシステムを提供する。一部の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物は、抗疼痛治療薬を開発および/または特定するためのインビボシステムを提供する。種々の実施形態では、本明細書に記載の非ヒト動物または対照非ヒト動物(例えば、本明細書に記載の遺伝子改変とは異なる遺伝子改変を有するもの(例えば米国特許第8,871,996号および同第8,486,647号に記載される改変などであり、この文献は参照により本明細書に援用される)、または遺伝子改変を有さないもの(すなわち野生型)など)が、疼痛刺激(例えば、切開性、化学的誘導などであり、例えば、Recognition and Alleviation of Pain in Laboratory Animals.Washington D.C.:National Academies Press,2009.Printを参照のこと)を受けた後に、一つ以上の候補治療薬を投与され得る。一部の実施形態では、候補治療薬には多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)または抗体カクテルが含まれ得る。一部の実施形態では、候補治療薬には、例えば、逐次的にまたは同時に投与される二つ以上の単一特異性抗体の投与などの併用療法が含まれる。十分な期間が与えられた後に、一つ以上の候補治療薬を投与され得る。疼痛処理および/または疼痛治療効果の評価に通常関連する種々の測定値および/または試験値が、候補治療薬を用いた投与前および投与後の両方に記録され得る。
キット
【0258】
本明細書にはまた、本明細書に記載の少なくとも一つの非ヒト動物、非ヒト細胞、DNA断片、および/または標的化ベクターで満たされた容器を一つ以上備えたパックまたはキットが記載されている。キットは、任意の適用可能な方法(例えば調査方法)において使用されてもよい。医薬品および生物製品の製造、使用または販売を規制する政府機関により規定されたフォームの通知書を任意でかかる容器に関連づけてもよく、その通知書は、(a)ヒト投与に関する製造、使用または販売に関する当局による承認、(b)使用に関する説明書、またはその両方、または2つ以上の実体の間の物質および/または生物製品(例えば本明細書に記載される非ヒト動物または非ヒト細胞)の移送を支配する契約書、を反映している。
【0259】
記載される実施形態の他の特徴は以下の例示的な実施形態の記述の過程で明らかになるはずであり、該例示的な実施形態は、例示のために与えられ、その限定を意図するものではない。
【実施例】
【0260】
以下の実施例は、本明細書に開示される方法および組成物をどのように作製し使用するかを当業者に説明するために提供されており、発明者がその発明としてみなすものの範囲を限定することを意図するものではない。別途示されていない限り、温度は摂氏で示され、圧力は大気圧またはその近くである。
実施例1 D6ケモカインデコイ受容体のヌクレオチドコード配列をイムノグロブリン重鎖可変領域内に含む操作された多様性クラスターの構築
【0261】
本実施例は、齧歯類(例えば、マウス)などの非ヒト動物のゲノム内への挿入用に標的化ベクターを構築する方法の例を示したものである。詳細には、本実施例で説明される方法は、齧歯類(例えば、マウス)胚性幹(ES)細胞のゲノム内への挿入用に標的化ベクターを生成して、齧歯類であって、そのゲノムが、操作された重鎖多様性(D)領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、該操作されたD領域が一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部をコードする、該齧歯類を生成することを示している。この実施例では、非定型ケモカイン受容体(ACKR)、例えばD6ケモカインデコイ受容体の細胞外ドメインのコード配列を、イムノグロブリン重鎖可変領域へ組み込むための標的化ベクターの構築に利用した。以下に説明するように、VDJ組み換えの際に、該コード配列から生成されたVCDR3を有する抗体が発現するように、該コード配列を、通例のD遺伝子セグメントの場所に重鎖可変(V)セグメントおよび重鎖接合(J)セグメントと動作可能に連結して配置した。
【0262】
イムノグロブリン重鎖可変領域への挿入用にD6ケモカインデコイ受容体の細胞外ドメイン由来のコード配列を含む標的化ベクターを、VELOCIGENE(登録商標)技術(例えば、米国特許第6,586,251号、およびValenzuela et al.,2003,Nature Biotech.21(6):652−659を参照されたく、これらの文献は参照により本明細書に援用される)、および当技術分野で公知の分子生物技術を用いて作製した。本実施例に記載の方法を用いて、任意の所望のポリペプチドに由来するコード配列の任意の集合か、または所望されるコード配列(またはコード配列断片)の組み合わせを利用することができる。D6ケモカインデコイ受容体の細胞外ドメイン由来のコード配列を用いて標的化ベクターを構築するための代替的で非限定的な戦略の例を、図3および図4に記載している。
【0263】
簡潔に述べると、それぞれが数個のD6コード配列を含む一連の4個のDNA断片(D−DH1116、D−DH17613、D−DH114619、およびDDH120126)を、デノボDNA合成により作製した(表5、Blue Heron Biotech社、ワシントン州ボセル)。様々な制限酵素部位および/または重複領域(約40bpであり、多数の制限酵素部位を含有)が各々のDNA断片の末端に含まれており、続くタンデムクローニングを可能にした(以下を参照のこと)。単一ヒトDセグメント(すなわち、D6−25)は、D6デコイケモカイン受容体の細胞外ドメインの一部に対応するヌクレオチドコード配列を含むように操作されたD領域で、インタクトな状態のままであった。イムノグロブリン遺伝子セグメント(例えば、Dセグメント)は、一部の実施形態では、最適以下か、または欠陥のある組み換えシグナル配列(例えば、7量体配列および/または9量体配列)に会合することができ、こうしたDセグメントの使用頻度は、野生型、通常型、または欠陥がないとして特徴付けられる組み換えシグナル配列と会合するDセグメントの使用頻度よりも、実質的に低くなるようになる。したがって、こうしたDセグメント(例えば、D6−25、図2に示すRSS配列)は、ヌクレオチドコード配列であって、その各々が対象の非イムノグロブリンポリペプチドまたはその一部(例えば、D6ケモカインデコイ受容体)をコードする該配列を含むようにD領域を操作する際に、インタクトなままであるか、または欠失され得る。
【0264】
イムノグロブリンは、体細胞超変異と称される細胞機構に関与し、この機構は、その標的への高い親和性によって特徴付けられる親和性成熟抗体バリアントを生成するものである。体細胞超変異は、抗体可変領域のCDR内で生じることが多いが、変異は、ホットスポット、例えばRGYW活性化誘導シチジンデアミナーゼ(AID)ホットスポット(例としてLi,Z.et al.,2004,Genes Dev.18:1−11;Teng,G.and F.N.Papavasiliou,2007,Annu.Rev.Genet.41:107−20を参照されたく、これらの文献は参照により本明細書に援用される)と称される特定の配列モチーフを優先的に標的にする。各々のD6コード配列の核酸配列はこうしたホットスポット配列を天然に含んでいたが、B細胞受容体のクローン選択の間に体細胞超変異能力を最適化するように、選択されたD6コード配列に人工ホットスポットを導入した。SHM向けの人工ホットスポットをD6コード配列にインシリコで導入した後に、デノボ合成した。図1には、本明細書に記載のD6コード配列で用いられる天然ホットスポットおよび人工ホットスポットの分析例を記載している。
【0265】
V(D)J組み換えを、組み換えシグナル配列(RSS)と称されるDNA配列と隣接させることによって誘導し、これらの配列は、Vコード配列、Dコード配列、およびJコード配列に対して正確な位置でDNAを確実に再構成するものである。各RSSは、7個のヌクレオチド(7量体)保存ブロックからなり、該ブロックはコード配列と隣接し、それに非保存スペーサー(12bpまたは23bp)と、9個のヌクレオチド(9量体)の第二の保存ブロックとが続いている。D6コード配列の各々を、最適化されたRSSで設計し、より適切な組み換え頻度と均等な使用とを可能にした。端的に言うと、DRSS配列における7量体および9量体をコンセンサス配列(図2)と置換した。非機能的な「ORFのみ」DセグメントのRSS配列を修復して、D6コード配列との使用を可能にした。本明細書に記載されるように、「ORFのみ」とは、少なくとも一つのオープンリーディングフレームに翻訳され得るが、少なくとも一つの非機能的RSS配列(RAGリコンビナーゼによって認識されない)を有し得るコード配列を含む、Dセグメントのことである。発明者らが認識したのは、スペーサー、コード末端配列、隣接遺伝子間配列などからの予測不可能な影響に少なくとも部分的に起因して、全てのD6コード配列を均等な頻度で使用することが、最適化された7量体および9量体によって保証されなかった点である。体細胞超変異ホットスポットに関して上述したように、最適化されたRSSをインシリコで設計した後に、D6 DNA断片をデノボ合成した。
【0266】
D6 DNA断片を調製して、各断片内に設計された制限酵素部位と重複領域とを利用して、タンデムで合わせてアセンブルした。D6−DH1166断片とネオマイシンカセットを担持するプラスミドとを調製して、AgeIおよびEcoRIを用いた制限消化によってライゲーションした(図3A上側)。AgeI/EcoRI消化プラスミドとD6−DH1166断片とを、製造業者の説明書に従ってDNAリガーゼを用いて合わせてライゲーションした。ライゲーション産物と残留D6 DNA断片とをSnaBIで消化した。D6 DNA断片を組み込むために、BACベクター(pBACE3.6)をNotIとAscIとで別々に消化した(図3A中央)。D6−DH1166/ネオマイシンカセットのライゲーション産物と残留D6 DNA断片とを、前述したように一段階等温アセンブリを用いてアセンブルした(図3A下側、Barnes,W.M.,1994,Proc.Natl.Acad.Sci.91(6):2216−20;Gibson,D.G.et al.,2009,Nat.Methods 6(5):343−5;Gibson,D.G.et al.,2010,Nat.Methods 7(11):901−3)。続いて、アセンブルしたD6 DNA断片(図3B上側)をPI−SceIとI−CeuIとで消化し、約50kbのヒト可変領域ゲノムDNAおよびヒトJクラスターをそれぞれ適合性末端(compatible end)を介して含む5’相同アームと3’相同アームとを備えたBACクローンと合わせてライゲーションした(図3B中央)。最終の標的化ベクターには、5’から3’に向けて、ヒト可変領域DNAを含めた約50kbの5’相同アーム、ネオマイシンカセット、D6ケモカインデコイ受容体の25個の細胞外コード配列を含めた約41kbのDNA断片、ヒトJクラスター、マウス重鎖イントロンエンハンサー(Ei)、マウスIgM定常領域遺伝子、およびlox部位が含まれた(図3B下側)。
【0267】
あるいは、上述のD6 DNA断片は、上述した分子技法とは異なる、当技術分野でまだ公知ではない分子技法を用いることによってアセンブルされてもよい。例えば、D6 DNA断片はタンデム配置されるため、断片の末端に所望通りに設計された種々の制限部位/重複領域を使用することによって、様々に設計(例えば、コード配列の順序)され得る。連続ライゲーションによる上述のD6 DNA断片アセンブリの代替的な方法の例を、図4Aおよび図4Bに記載している。
【0268】
上述のD6−D標的化ベクターをマウス胚性幹(ES)細胞に導入して、操作された多様性クラスター(例えば操作されたD領域)を備えたイムノグロブリン重鎖遺伝子座を含む改変されたES細胞を生成した。
【表5】
【0269】
実施例2 D6ケモカインデコイ受容体のヌクレオチドコード配列をイムノグロブリン重鎖可変領域内に含む操作された多様性クラスターを有する齧歯類の生成
本実施例は、非ヒト動物(例えば、齧歯類)であって、そのゲノムが、操作された重鎖多様性(D)領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、該操作されたD領域は、一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が非イムノグロブリンポリペプチドの一部、詳細には、例えばD6ケモカインデコイ受容体などの非定型ケモカイン受容体(ACKR)の細胞外部分をコードする、該非ヒト動物の生成について説明している。
【0270】
実施例1に記載したD6−D標的化ベクターが適正にアセンブルされたことと、D6 DNA断片がBAC DNAの多様性クラスターに標的挿入されたこととを、標的化ベクターの構築の間、表6に記載されたプライマーを使用したシーケンシングおよびポリメラーゼ鎖反応により確認した。標的BAC DNAを、ポリメラーゼ鎖反応により確認し、続いて、F1ハイブリッド(129S6SvEvTac/C57BL6NTac)マウス胚性幹(ES細胞)にエレクトロポレーションを介して導入した後に、選択培地で培養した。エレクトロポレーションに使用されるES細胞は、ゲノムであって、齧歯類イムノグロブリン重鎖定常領域(例えば、IgM)に動作可能に連結されたヒトV遺伝子セグメントおよびJ遺伝子セグメントを含み、ヒトD領域の全てまたは一部を欠失(すなわち、欠損)し、ならびに一つ以上のマウスAdam6遺伝子をコードする挿入配列(例えば、米国特許第8,642,835号および同第8,697,940号を参照のこと)を含有する、該ゲノムを有していた。エレクトロポレーションの10日後に薬剤耐性コロニーを採取し、D6コード配列がイムノグロブリン可変領域の多様性クラスターに適切に組み込まれたことを検出するプライマー/プローブのセットを使用して(表7(F:フォワードプライマー、P:プローブ、R:リバースプライマー)および図5)、前述したように、適正な標的化に関してTAQMANTMおよび核型分析でスクリーニングした(Valenzuela et al.,上掲;Frendewey,D.et al.,2010,Methods Enzymol.476:295−307)。
【0271】
VELOCIMOUSE(登録商標)方法(DeChiara,T.M.et al.,2010,Methods Enzymol.476:285−294;Dechiara,T.M.,2009,Methods Mol.Biol.530:311−324;Poueymirou et al.,2007,Nat.Biotechnol.25:91−99)を使用したが、そこで、標的ES細胞を、コンパクションを起こしていない8細胞期のSwiss Webster胚に注入して、操作されたD領域にヘテロ接合性であり、D6コード配列の組み換えから生成されるCDR3領域を含む重鎖可変領域を備えた抗体を発現する、健康な完全ES細胞由来のF0世代マウスを生成した。F0世代のヘテロ接合性のオスを、C57Bl6/NTacのメスと交配してF1ヘテロ接合体を作製し、このF1ヘテロ接合体同士を交雑させてF2世代ホモ接合体を生成し、また表現型解析のために野生型マウスと交配した。
【0272】
例えば、ES細胞段階でまたは胚中で、除去されていない標的化構築物によって導入された任意のlox付加選択カセットを除去するために、薬剤選択カセットを、リコンビナーゼの添加を引き続き行うによって(例えば、Cre処理によって)、またはCre deleterマウス系統に交配させることによって(例えば、国際特許出願公開第WO 2009/114400号を参照のこと)、任意選択的に除去することができる。任意選択的に、選択カセットをマウス内に保持する。
【0273】
まとめると、本実施例は、齧歯類(例えば、マウス)であって、そのゲノムが、操作された重鎖多様性(D)領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、該操作されたD領域は、一つ以上のヌクレオチド配列を包含することによって特徴付けられ、その配列の各々が、例えばD6ケモカインデコイ受容体などの非定型ケモカイン受容体(ACKR)の細胞外部分をコードする該齧歯類の生成について説明している。D6コード配列を通例のDセグメントの場所に挿入するための本明細書に記載の戦略により、複数の抗体であって、その各々が、D6コード配列の組み換えから生成された重鎖CDR3を備える該抗体を発現する齧歯類の構築が可能になる。ヒトVセグメントおよびJセグメントの存在と合わせて活用されて、本明細書に記載の齧歯類は、一つ以上のCCLを結合させる多様性によって特徴付けられるヒト抗体ベースの治療薬を生成するためのインビボシステムを提供し、一部の実施形態では、ヒトが使用するための抗体ベースの抗炎症剤を提供する。
【表6】
【表7-1】
【表7-2】
【0274】
実施例3 一つ以上の毒素ペプチドのヌクレオチドコード配列をイムノグロブリン重鎖可変領域内に含む操作された多様性クラスターの構築
本実施例は、齧歯類(例えば、マウス)などの非ヒト動物のゲノム内への挿入用に標的化ベクターを構築する方法の例を示したものである。詳細には、本実施例で説明される方法は、齧歯類(例えば、マウス)胚性幹(ES)細胞のゲノム内への挿入用に標的化ベクターを生成して、齧歯類であって、そのゲノムが、操作された重鎖多様性(D)領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、該操作されたD領域が一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が非イムノグロブリンポリペプチドの一部をコードする、該齧歯類を生成することを示している。この実施例では、二つの毒素(例えば、例としてμ−コノトキシンなどのコノトキシン、および例としてProTxIIなどのタランチュラ毒素)のコード配列を、イムノグロブリン重鎖可変領域に組み込むための標的化ベクターの構築に利用した。以下に説明するように、VDJ組み換えの際に、該コード配列から生成されたCDR3を有する抗体を発現するように、該コード配列を、通例のD遺伝子セグメントの場所に重鎖可変(V)セグメントおよび重鎖接合(J)セグメントと動作可能に連結して配置した。
【0275】
イムノグロブリン重鎖可変領域に挿入するための、μ−コノトキシンおよびタランチュラ毒素(例えば、ProTxII)由来のコード配列を含む標的化ベクターを、実施例1に上述したとおりに作製した。本明細書に記載の方法を用いて、任意の所望のコノトキシン(例えば、α−コノトキシン、δ−コノトキシン、κ−コノトキシン、μ−コノトキシン、および/またはω−コノトキシン)、タランチュラ毒素(例えば、ProTxI、ProTxII、フエントキシン−IV(HWTX−IV)など)に由来するコード配列の任意の集合、または所望されるコード配列(またはコード配列断片)の組み合わせを利用することができる。μ−コノトキシンおよびタランチュラ毒素由来のコード配列を用いて標的化ベクターを構築するための戦略の例を、図7Aおよび図7Bに記載している。
【0276】
簡潔に述べると、それぞれが数個のμ−コノトキシン(μCTX)およびタランチュラ毒素(ProTxII)のコード配列を含む一連の4個のDNA断片を、デノボDNA合成により作製した(表8、Blue Heron Biotech社、ワシントン州ボセル)。実施例1に記載したように、様々な制限酵素部位および/または重複領域が各々のDNA断片の末端に含まれており、続くタンデムクローニングを可能にした。総計26個の毒素コード配列を、操作されたD領域の構築に利用したが、これには、全体のDコード配列の置換と、Dコード配列への挿入(すなわち、部分的にのみDを置き換えること)とが含まれた。毒素コード配列の挿入を、D位置の1−26、2−2、2−8、2−15、2−21、3−3、3−9、3−10、3−16、および3−22で、対応する毒素コード配列を用いて行う一方、D配列の毒素コード配列との置換は、D位置の1−1、1−7、1−14、1−20、4−4、4−11、4−17、4−23、5−5、5−12、5−18、5−24、6−6、6−13、6−19、および6−25で行った(表8を参照のこと)。挿入の場合に、毒素配列をオープンリーディングフレーム2(ORF2)に挿入し、Dコンセンサス配列と隣接させた(例えば、図2を参照のこと)。天然の隣接D配列を保持することにより、天然の可撓性リンカー配列が得られ、および/またはD2セグメントにジスルフィド結合を使用して、コードされた毒素ペプチドの環化がもたらされる。実施例1に記載のD6コード配列を用いて構築される操作されたD領域とは対照的に、D6−25は、毒素コード配列を含むD領域を構築する際に、完全長μCTX KIIIA(μCTX−KIIIA fl;配列番号228、表8を参照のこと)で置換された。
【0277】
実施例1に示したように、各々の毒素コード配列の核酸配列は、かかるホットスポット配列を天然に含んでいたが、B細胞受容体のクローン選択の間に体細胞超変異の性能を最適化するために、選択された毒素コード配列にインシリコで人工ホットスポットを導入した後に、デノボ合成を行った(図6A図6Lを参照のこと)。さらに、毒素コード配列の各々を最適化されたRSSを用いてインシリコで設計した後に、デノボ合成を行い、より適切な組み換え頻度と均等な使用とを可能にした(図2)。毒素DNA断片のアセンブリを実施例1に記載したとおりに調製した(図7Aおよび図7Bを参照のこと)。
【0278】
あるいは、上述の毒素DNA断片は、上述した分子技法とは異なる、当技術分野でまだ公知ではない分子技法を用いることによってアセンブルされてもよい。例えば、毒素DNA断片はタンデム配置されるため、断片の末端に所望通りに設計された種々の制限部位/重複領域を使用することによって、様々に設計され得る(例えば、コード配列の順序)。連続ライゲーションによる上述の毒素DNA断片アセンブリの代替的な方法の例を、図8Aおよび図8Bに記載している。
【0279】
上述のTX−D標的化ベクターをマウス胚性幹(ES)細胞に導入して、操作された多様性クラスターを備えたイムノグロブリン重鎖遺伝子座を含む改変されたES細胞を生成した。
【表8】
【0280】
実施例4 一つ以上の毒素ペプチドのヌクレオチドコード配列をイムノグロブリン重鎖可変領域内に含む操作された多様性クラスターを有する齧歯類の生成
本実施例は、非ヒト動物(例えば、齧歯類)であって、そのゲノムが、操作された重鎖多様性(D)領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、該操作されたD領域は、一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が非イムノグロブリンポリペプチドの一部、詳細には、例えばコノトキシン(例えば、μ−コノトキシン)、タランチュラ毒素(例えば、ProTxII)、またはこれらの組み合わせなどの毒素をコードする、該非ヒト動物の生成について説明している。
【0281】
実施例3に記載したTX−D標的化ベクターが適正にアセンブルされたことと、毒素DNA断片がBAC DNAの多様性クラスターに標的挿入されたこととを、標的化ベクターの構築の間、表6に記載されたプライマーを使用したシーケンシングおよびポリメラーゼ鎖反応により確認した。標的BAC DNAを、ポリメラーゼ鎖反応により確認し、続いて、F1ハイブリッド(129S6SvEvTac/C57BL6NTac)マウス胚性幹(ES細胞)にエレクトロポレーションを介して導入した後に、選択培地で培養した。エレクトロポレーションに使用されるES細胞は、齧歯類イムノグロブリン重鎖定常領域(例えば、IgM)に動作可能に連結されたヒトV遺伝子セグメントおよびJ遺伝子セグメントを含み、D領域を欠失(すなわち、欠損)し、ならびに一つ以上のマウスAdam6遺伝子をコードする挿入配列(例えば、米国特許第8,642,835号および同第8,697,940号を参照のこと)を含有する、ゲノムを有していた。エレクトロポレーションの10日後に薬剤耐性コロニーを採取し、毒素コード配列がイムノグロブリン可変領域の多様性クラスターに適切に組み込まれたことを検出するプライマー/プローブのセットを使用して(表7および図5)、前述のとおりに適正な標的化に関して、TAQMANTMおよび核型分析でスクリーニングした(Valenzuela et al.,上掲;Frendewey,D.et al.,2010,Methods Enzymol.476:295−307)。
【0282】
VELOCIMOUSE(登録商標)方法(DeChiara,T.M.et al.,2010,Methods Enzymol.476:285−294;Dechiara,T.M.,2009,Methods Mol.Biol.530:311−324;Poueymirou et al.,2007,Nat.Biotechnol.25:91−99)を用いたが、そこで、標的ES細胞を、コンパクションを起こしていない8細胞期のSwiss Webster胚に注入して、操作されたD領域にヘテロ接合性であり、毒素コード配列の組み換えから生成されるCDR3領域を含む重鎖可変領域を備えた抗体を発現する、健康な完全ES細胞由来のF0世代マウスを生成した。F0世代のヘテロ接合性のオスを、C57Bl6/NTacのメスと交配してF1ヘテロ接合体を作製し、このF1ヘテロ接合体同士を交雑させてF2世代ホモ接合体を生成し、また表現型解析のために野生型マウスと交配した。
【0283】
例えば、ES細胞段階でまたは胚中で、除去されていない標的化構築物によって導入された任意のlox付加選択カセットを除去するために、薬剤選択カセットを、リコンビナーゼの添加を引き続き行うによって(例えば、Cre処理によって)、またはCre deleterマウス系統に交配させることによって(例えば、国際特許出願公開第WO 2009/114400号を参照のこと)、任意選択的に除去することができる。任意選択的に、選択カセットをマウス内に保持する。
【0284】
まとめると、本実施例は、齧歯類(例えば、マウス)であって、そのゲノムが、操作された重鎖多様性(D)領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、該操作されたD領域は、一つ以上のヌクレオチド配列を包含することによって特徴付けられ、その配列の各々が、例えばμ−コノトキシン、ProTxII、またはこれらの組み合わせなどの毒素ペプチドの一部をコードする、該齧歯類の生成について説明している。毒素コード配列を通例のDセグメントの場所に挿入するための本明細書に記載の戦略により、毒素コード配列の組み換えから生成される重鎖CDR3を備えるように構成された抗体を発現する、齧歯類の構築が可能になる。ヒトVセグメントおよびJセグメントの存在と合わせて活用されて、本明細書に記載の齧歯類は、イオンチャネル(例えば、Na1.7などの電位開口型ナトリウムチャネル)への結合を誘導する多様性によって特徴付けられるヒト抗体ベースの治療薬を生成するためのインビボシステムを提供し、一部の実施形態では、ヒトが使用するための抗体ベースの抗疼痛剤を提供する。
【0285】
実施例5 操作された多様性クラスターを有する齧歯類の表現型評価
本実施例は、齧歯類(例えば、マウス)であって、そのゲノムが、操作された重鎖多様性(D)領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備え、該操作されたD領域は、一つ以上のヌクレオチド配列を含み、その配列の各々が非イムノグロブリンポリペプチドの一部をコードする、該齧歯類における種々の免疫細胞集団の特徴について説明している。この実施例では、実施例3に記載の毒素コード配列(例えば、μ−コノトキシンおよびタランチュラ毒素)を含む操作されたD領域に対してホモ接合性の齧歯類を、フローサイトメトリーにより分析して、数種の蛍光標識された抗体を用いて、採取された脾臓および骨髄における免疫細胞を同定する。本実施例はまた、実施例1に記載のACKR2(D6ケモカインデコイ受容体としても知られる)の細胞外部分のコード配列を含む操作されたD領域に対してヘテロ接合性のマウスから採取された脾臓および骨髄において、免疫細胞を同定することについても示している。下記に説明するように、本明細書に記載の操作されたD領域を含有するマウスは、対照の操作されたマウスと比べて、脾臓区画および骨髄区画において同様のB細胞レベルを示している。重要なことに、この実施例がさらに明らかにするのは、本明細書に記載の操作されたD領域を含有するマウスが、B細胞の免疫反応にいかなる欠陥も欠損も含まないB細胞の発生と成熟を示し、挿入されたコード配列の再構成から生成されたCDR3領域と、隣接するイムノグロブリン遺伝子セグメント(すなわち、ヒトVおよびJ)とを含む抗体を産生することである。
【0286】
簡潔に述べると、脾臓および大腿骨を、VELOCIMMUNE(登録商標)マウス(n=3、26% C57BL/6 22% 129S6/SvEvTac 50% Balb/cAnNTac;例えば米国特許第8,502,018号、同第8,642,835号を参照のこと)、および6579ho/1293hoマウス(「TX−D ho」、n=3;38% C57BL/6NTac 36% 129S6/SvEvTac 25% Balb/cAnNTac;複数の、ヒトVセグメントと、通例のDセグメントの場所に毒素コード配列を含む操作されたDセグメントと、齧歯類重鎖エンハンサーおよび調節領域を含む齧歯類イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結されたJセグメントとを備え、かつ一つ以上のマウスAdam6遺伝子(例えば、米国特許第8,642,835号および同第8,697,940号)をコードする挿入されたヌクレオチド配列を備えた、イムノグロブリン重鎖遺伝子座に対してホモ接合性であり;ならびに齧歯類κ軽鎖エンハンサーを含む齧歯類Cκ領域遺伝子に動作可能に連結されたヒトVκ遺伝子セグメントおよびJκ遺伝子セグメントを備えたホモ接合イムノグロブリンκ軽鎖遺伝子座に対してホモ接合性であるマウス)から採取した。骨髄を遠心分離により大腿骨から収集した。脾臓および骨髄の調製物由来の赤血球を、ACK溶解緩衝液(Gibco)で溶解し、続いて2%のFBSを含む1×PBSで洗浄した。単離された細胞(1×10個)を、選択された抗体カクテルと共に4℃で30分間インキュベートした。染色1:ラット抗マウスCD43−FITC(Biolegend 121206、クローン1B11)、ラット抗マウスc−kit−PE(Biolegend 105808、クローン2B8)、ラット抗マウスIgM−PeCy(eBiosciences 25−5790−82、クローンII/41)、ラット抗マウスIgD−PerCP−Cy5.5(Biolegend 405710、クローン11−26c.2a)、ラット抗マウスCD3−PB(Biolegend 100214、クローン17−A2)、ラット抗マウスB220−APC(eBiosciences 17−0452−82、クローンRA3−6B2)、およびラット抗マウスCD19−APC−H7(BD 560143、クローン1D3)。染色2:ラット抗マウスkappa−FITC(BD 550003、クローン187.1)、ラット抗マウスlambda−PE(Biolegend 407308、クローンRML−42)、ラット抗マウスIgM−PeCy(eBiosciences 25−5790−82、クローンII/41)、ラット抗マウスIgD−PerCP−Cy5.5(Biolegend 405710、クローン11−26c.2a)、ラット抗マウスCD3−PB(Biolegend 100214、クローン17−A2)、ラット抗マウスB220−APC(eBiosciences 17−0452−82、クローンRA3−6B2)、およびラット抗マウスCD19−APC−H7(BD 560143、クローン1D3)。染色3:ラット抗マウスCD23−FITC(Biolegend 101606、クローンB3B4)、ラット抗マウスCD93(Biolegend 136504、クローンAA4.1)、ラット抗マウスIgM−PeCy(eBiosciences 25−5790−82、クローンII/41)、ラット抗マウスIgD−PerCP−Cy5.5(Biolegend 405710、クローン11−26c.2a)、ラット抗マウスCD19−V450(BD 560375、クローン1D3)、ラット抗マウスCD21/35−APC(BD 558658、クローン7G6)、およびラット抗マウスB220−APC−eFl780(eBioscences 47−0452−82、クローンRA3−6B2)。染色した後に、細胞を洗浄し、2%のホルムアルデヒドに固定した。データ収集をBD LSRFORTESSA(商標)フローサイトメーターで行い、FLOWJO(商標)ソフトウェアを用いて分析した。代表的な結果を図9A図9Dおよび図10A図10Dに記載している。
【0287】
同様の実験では、脾臓および大腿骨を、VELOCIMMUNE(登録商標)マウス(n=3、26% C57BL/6 23% 129SvEvTac 51% Balb/cAnNTac;例えば米国特許第8,502,018号、同第8,642,835号を参照のこと)、および6590hetマウス(「D6−D het」、n=3;75% C57BL/6 25% 129SvEvTac;複数の、ヒトVセグメントと、通例のDセグメントの場所にD6ケモカインデコイ受容体コード配列を含む操作されたDセグメントと、齧歯類重鎖エンハンサーおよび調節領域を含む齧歯類イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結されたJセグメントとを備え、かつ一つ以上のマウスAdam6遺伝子(例えば、米国特許第8,642,835号および同第8,697,940号)をコードする挿入されたヌクレオチド配列を備えた、イムノグロブリン重鎖遺伝子座に対してヘテロ接合性のマウス)から採取し、フローサイトメトリーにより分析した(上述したとおり)。代表的な結果を図11A図11Dおよび図12A図12Dに記載している。
【0288】
別の同様の実験では、脾臓および大腿骨を、VELOCIMMUNE(登録商標)マウス(n=3、38% C57BL/6 36% 129SvEvTac 25% Balb/cAnNTac;例えば米国特許第8,502,018号、同第8,642,835号を参照のこと)、および6590ho/1293hoマウス(「D6−D ho」、n=3;38% C57BL/6 36% 129SvEvTac 25% Balb/cAnNTac)であって、複数の、ヒトVセグメントと、一つ以上の通例のDセグメントの場所にD6ケモカインデコイ受容体コード配列を含む操作されたDセグメントと、齧歯類重鎖エンハンサーおよび調節領域を含む齧歯類イムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結されたJセグメントとを備え、かつ一つ以上のマウスAdam6遺伝子(例えば、米国特許第8,642,835号および同第8,697,940号)をコードする挿入されたヌクレオチド配列を備えた、イムノグロブリン重鎖遺伝子座に対してヘテロ接合性であり;齧歯類κ軽鎖エンハンサーを含む齧歯類Cκ領域遺伝子に動作可能に連結されたヒトVκ遺伝子セグメントおよびJκ遺伝子セグメントを備えたイムノグロブリンκ軽鎖遺伝子座に対してホモ接合性であるマウスから採取し、フローサイトメトリーにより分析した(上述したとおり)。代表的な結果を図13A図13Dおよび図14A図14Dに記載している。
【0289】
これらの結果から、TX−D hoマウスが、対照の操作されたマウスと比べて、脾臓区画および骨髄区画において同様のB細胞のパーセンテージを示したことが明らかになった。一部のTX−D hoマウスに対しては、Igλ陽性細胞のパーセンテージが対照より高くなっていた(例えば、図9Cおよび図10Dを参照のこと)。全体的には、脾臓におけるB細胞成熟は、TX−D hoマウスにおいて、対照の操作されたマウスと比べた場合に、正常な進行を示した。
【0290】
D6−D hetマウスも、脾臓区画および骨髄区画の両方において同様のB細胞のパーセンテージを示した(図11A図12D)。D6−D hetマウスはまた、対照マウスに比べて、同様の軽鎖比を有するように思われた(図11Cおよび図12D)。さらにD6−D hetは、概して正常なB細胞の発生と成熟とを示した。
【0291】
実施例6 操作されたD領域におけるコード配列のヒト遺伝子の使用および再構成
この実施例は、本明細書に記載の操作されたD領域を含有する齧歯類におけるヒトV(D)J遺伝子セグメントの使用について、NGS(Next Generation Sequencing)抗体レパートリー分析を用いて明らかにするものである。詳細には、毒素コード配列を含む操作されたD領域に対してホモ接合性のマウス、およびACKR2コード配列を含む操作されたD領域に対してヘテロ接合性のマウスのソートされた脾臓およびソートされていない骨髄から単離されたRNAで、RT−PCRシーケンシングを行った。下記に示すように、通例のDセグメントの場所に毒素コード配列を含む操作されたD領域を保有するマウスに由来する分析配列で、全ての操作されたDセグメントを観察した。さらに以下に示すように、ACKR2(D6ケモカインデコイ受容体)の細胞外部分のコード配列を含む操作されたD領域を保有するマウスに由来する分析配列で、多数の操作されたDセグメント(すなわち、25個のうちの16個)を観察した。
【0292】
簡潔に記載すると、脾臓および骨髄を6579ho/1293hoマウス(「TX−D ho」、n=3;上掲)から採取し、マウス抗CD19磁気ビースとMACS(登録商標)カラム(Miltenyi Biotech社)を用いた磁気細胞選別により、B細胞を全脾細胞から陽性濃縮した。RNeasy Plus RNA単離キット(Qiagen社)を用いて、製造業者の説明書に従って、ソートされた脾細胞およびソートされていない全骨髄において濃縮されたB細胞からトータルRNAを単離した。続いて、SuperScript III Reverse Transcriptase(Thermo Fisher Scientific社)とマウスIgM定常領域プライマー(表9、IgM RT)を用いて、製造業者の説明書に従って、トータルRNAからイムノグロブリン重鎖(μ鎖、IgM)cDNAを合成した。Vリーダー配列にアニールするように設計されたVファミリー特異的プライマー(表9、VH multi−1、2、3、4、5、および6)と、IgM定常領域にアニールするように設計されたプライマー(表9、IgM PCR1)との混合物を利用した、マルチプレックスPCR戦略を用いて、IgM cDNAを増幅した。約450bp〜800bpの範囲のPCR産物をPippin Prep(SAGE Science社)を用いて単離した後、PCR2プライマー(表9、PCR2−FおよびPCR2−R、「XXXXXX」は、シーケンシングライブラリーを区別し、同時に複数のライブラリーをシーケンシングすることを可能にするための6個のヌクレオチドインデックスである)を用いた第二のPCRを行って、シーケンシングアダプターとインデックスとを結合させる。約490bp〜800bpの範囲のPCR産物をKAPA Library Quantification Kit(KAPA Biosystems社)を用いたqPCRにより単離、精製、および定量して、MiSeqシーケンサー(Illumina社)に装填し、MiSeq Reagent Kits v3(2×300サイクル)を用いてシーケンシングを行った。表9には、レパートリーライブラリー構築物に使用される選択されたプライマーの配列が記載されている。
【0293】
バイオインフォマティクス分析として、Raw Illumina配列をデマルチプレックスし、特性、長さ、および対応する定常領域遺伝子プライマーへの一致性に基づいてフィルタリングした。オーバーラップペアードエンドリードを合わせて、自社開発パイプラインを用いて分析した。そのパイプラインは、IgBLAST(NCBI、v2.2.25+)の局所的インストールを用いて、再構成された軽鎖配列をヒト生殖細胞系V遺伝子セグメントとJ遺伝子セグメントのデータベースにアライメントし、終止コドンの存在と共に生産的接合部および非生産的接合部を示した。CDR3配列と予想される非テンプレートヌクレオチドとを、IMGT(International Immunogenetics Information System)に定義される境界を用いて抽出した。代表的な結果を、表10(各々のVファミリー特異的プライマー混合物を用いた配列リードの中の毒素コード配列に対する一致総数)と図15図17とに記載している。
【0294】
これらの結果から、分析された配列の大多数がV領域配列のCDR3領域内に毒素配列を含有することが分かった。詳細には、複数の毒素コード配列を通例のDセグメントの場所に含む操作されたD領域を保有するマウスにおいて、生産的再構成箇所に対応する配列の約87%が、CDR3領域内に毒素アミノ酸配列を含んでいた。さらに、これらのマウスにおいて、通例のDセグメントの場所内に配置された26個の毒素コード配列の全てを様々な頻度で検出した。観察された最も利用された毒素コード配列は、短いμCTX four(4)−アミノ酸ループSmIIIa(D位置D2−15)、μCTX−SmIIIA midi insert(D位置D3−16)、およびμCTX−PIIIA midi(D位置D3−22)であった。
【0295】
同様の実験では、ヒトVセグメント、操作されたDセグメント、およびヒトJセグメントの使用について、6590hetマウス(「D6−D het」、n=3;上掲)において、上述のNGS(Next Generation Sequencing)抗体レパートリー分析を用いて分析した。RT−PCRシーケンシングを、ソートされた脾臓およびソートされていない骨髄から単離されたRNAで、上述のマルチプレックスPCR戦略を用いて行った。代表的な結果を表11(骨髄および脾臓から増幅されたRNAにおけるヌクレオチド(NT)配列リードの中のインフレームのアミノ酸(AA)配列の数)、表12(脾臓および骨髄由来の増幅されたRNAにおける選択されたD6コード配列の割合(全てのVファミリーを合わせたものであり、定量的なVの使用を反映していない))、および図18図20に記載している。
【0296】
これらの結果から、骨髄および脾臓から増幅されたRNAにおいて使用されるD6コード配列の大多数は、長さ約30〜40のヌクレオチドであることが分かった。詳細には、D6−D hetマウスから分析された配列において、最も長いD6コード配列(例えばNterm+EC3(216nt))と最も短いD6コード配列(例えばEC1−N(9nt))を最初のうちには観察しなかった。発明者らは、操作されたD領域由来のD6コード配列の使用を評価する際に、ある限度を確認した。例えば、発明者らが指摘するのは、完全長(または完全長よりも長い)の長いD6コード配列(例えば、D6 Nterm+EC3、D位置D4−4;配列番号33)は、ゲルサイズ選択工程に起因して配列から除外されるおそれがあり(上記を参照のこと)、短いD6コード配列(例えば、D6 EC1、D位置D5−5;配列番号3)はトリミング選択工程に起因して除外されるおそれがあることである。しかしながら、短いD6コード配列に対しては、配列の徒手調査により、増幅されたRNAから得られた配列の中に、これらのD6コード配列が実際には存在することが示されていた。さらに発明者らは、データベースと比較した際に、選択されたJセグメント(例えば、J1)とD6コード配列との間の類似性に起因した、配列の不適切なアライメントを確認した。こうした配列の類似性によって、短いD配列の確認と、特定のデータベースによる多義的アノテーションの可能性とがもたらされた。その結果、いくつかの配列には、手によるアライメントを行うことによる個別の分析が必要になった。D6−D hetマウスから分析した全ての配列のうちの約50%〜60%のアミノ酸配列が、インフレームであり、増幅された重鎖のCDR3領域内のD6コード配列を利用していた。さらには、25個のうちの16個のD6操作Dセグメントは、RNA由来の増幅された配列で検出されたが(表12)、D6 Nterm(D3−3)、D6 Nterm+EC3(D4−4)、D6 EC1(D5−5)、D6 EC1−N(D1−7)、D6 EC1−S(D5−12)、D6 Nterm−S(D6−13)、D6 Nterm−EC3(D3−16)、D6 EC1+EC2(D4−17)、およびD6 EC3−C(D4−23)は、分析した配列内では検出されなかった。上述したように、これらのD6コード配列の一部、特に、長いD6コード配列の使用は、分析した一連の配列において確認することができなかった。全体として、D6コード配列の使用において、骨髄由来のサンプルと脾臓由来のサンプル間で大きな違いは見られなかった。また、分析した配列の中で、D6コード配列の再構成に対する負の選択バイアスも見られなかった。
【0297】
まとめると、この実施例が明らかにするのは、非イムノグロブリンポリペプチド(例えば、D6ケモカインデコイ受容体または一つ以上の毒素)のコード配列を通例のDセグメントの場所に含む、操作されたD領域の存在によって特徴付けられる、操作されたイムノグロブリン重鎖遺伝子座を保有するマウスは、操作されたコード配列を隣接したヒトVセグメントおよびJセグメントと再構成して、機能性重鎖を形成できることである。さらに、提供される操作されたマウスは、いくつかのヒトVセグメントファミリーおよびJセグメントファミリーとの関連で、合成D領域内に操作された複数のコード配列を利用する、ロバストな抗体レパートリーを示している。
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【0298】
実施例7 操作されたD領域を含有する齧歯類における抗体の生成
本実施例は、齧歯類であって、そのゲノムが、本明細書に記載の操作されたD領域を含むイムノグロブリン重鎖可変領域を備えた、該齧歯類における抗体の生成について示す。本実施例に記載される方法、および/または当技術分野で周知の免疫化の方法を使用して、本明細書に記載の操作されたD領域を含有する齧歯類を、ポリペプチドまたはその断片(例えば、所望のエピトープ由来のペプチド)で、または所望される場合にはポリペプチドまたはその断片の組み合わせで、免疫化することができる。
【0299】
簡潔に述べると、本明細書に記載の操作されたD領域を含むマウスのコホートを、当技術分野で公知の免疫化方法を用いて対象の抗原に曝露する。抗体免疫反応を、ELISA免疫アッセイ(すなわち血清力価)でモニターする。
【0300】
単一の再構成された可変遺伝子配列V:Jを含む普遍的軽鎖マウス(普遍的軽鎖またはULCマウスとも称される)(例えば、Vκ1−39Jκ5またはVκ3−20Jκ1の共通軽鎖マウス)の生成、およびこれらのマウスにおける抗原特異的抗体の生成については、米国特許出願第13/022,759号、同第13/093,156号、同第13/412,936号、同第13/488,628号、同第13/798,310号、および同第13/948,818号(それぞれ米国特許出願公開第2011/0195454号、同第2012/0021409号、同第2012/0192300号、同第2013/0045492号、同第US20130185821号、および同第US20130302836号)に記載されており、これらの文献の各々は、その全体が参照により本明細書に援用される。具体的には、遺伝子操作されたVκ1−39Jκ5カッパ軽鎖(1633 HOまたは1634 HO)、または遺伝子操作されたVκ3−20Jκ1カッパ軽鎖(1635 HOまたは1636 HO)を生殖細胞系で発現するマウスを作製した。
【0301】
単一の再構成されたヒト生殖細胞系軽鎖領域(ULC Vκ1−39Jκ5;1633または1634)または(ULC Vκ3−20Jκ1;1635または1636)を含有するVELOCIMMUNE(登録商標)マウスを、改変されたIgG定常領域を担持するマウスと交配させる。具体的には、こうしたULCマウスを、複数の、ヒトVセグメントと、通例のDセグメントの場所に毒素コード配列を含む操作されたDセグメントと、マウス重鎖エンハンサーおよび調節領域含むマウスイムノグロブリン重鎖定常領域に動作可能に連結されたJセグメントとを含有し、かつ一つ以上のマウスAdam6遺伝子(例えば米国特許第8,642,835号および同第8,697,940号)をコードする挿入されたヌクレオチド配列を含有する、ホモ接合イムノグロブリン重鎖遺伝子座を備えたゲノムを有するマウスと交配させて、毒素コード配列を含む重鎖遺伝子座に対してヘテロ接合性またはホモ接合性の子孫マウス、および普遍的軽鎖に対してヘテロ接合性またはホモ接合性の子孫マウスを得た。図21に示すように、毒素コード配列を含む操作されたD領域に対してホモ接合性であり、かつ普遍的軽鎖(6579HO/1634HO)に対してホモ接合性であるマウスは、可溶性タンパク質で免疫化した後に、対照動物(1460/1634)と同様の抗体反応を有した。
【0302】
実施例8 操作されたD領域を含有する齧歯類において産生される抗体を発現する細胞の単離および/または該抗体をコードする核酸の単離
所望の免疫反応が得られた場合、脾細胞(および/または他のリンパ組織)を採取し、マウス骨髄腫細胞と融合して、それらの活性を保持し、不死化ハイブリドーマ細胞株を形成する。ハイブリドーマ細胞株を(例えば、ELISAアッセイにより)スクリーニングし、選択して、抗原特異的抗体を産生するハイブリドーマ細胞株を特定する。ハイブリドーマは、所望される相対結合親和性とアイソタイプに関してさらに特徴付けされてもよい。この技術を使用して、数種の抗原特異的キメラ抗体(すなわち、ヒト可変ドメインと齧歯類定常ドメインとを保有する抗体)を得る。
【0303】
完全ヒト抗体の調製を目的として、重鎖と軽鎖の可変領域をコードするDNAを、単離しても、重鎖と軽鎖の望ましいアイソタイプ(定常領域)に連結してもよい。かかる抗体タンパク質を、CHO細胞などの細胞中で産生することができる。続いて、完全ヒト抗体を、相対結合親和性および/または対象の抗原の中和活性に関して特徴付ける。
【0304】
抗原特異的キメラ抗体、または軽鎖と重鎖の可変ドメインをコードするDNAを、抗原特異的リンパ球から直接単離してもよい。最初に、ヒト可変領域と齧歯類定常領域とを有する高親和性のキメラ抗体を単離し、親和性、選択性、エピトープなどの望ましい特性に関して特徴付けし、選択する。齧歯類定常領域を所望のヒト定常領域で置換し、完全ヒト抗体を作製する。選択される定常領域は特定の用途に従い様々になり得る一方で、可変領域には高親和性抗原結合性と標的特異性の特性が含まれている。また、例えば、米国特許第7,582,298号(該文献はその全体が参照により本明細書に具体的に援用される)に記載されるように、骨髄腫細胞に融合されることなく、抗原特異的抗体を抗原陽性B細胞(免疫化マウス由来)から直接単離することもできる。この方法を使用して、数種の完全ヒト抗原特異的抗体(すなわち、ヒト可変ドメインとヒト定常ドメインとを保有する抗体)を作製する。
均等
【0305】
本発明の少なくとも一つの実施形態のこのような記述されたいくつかの側面を持つ、様々な修正、変更、および改善を当業者であれば容易に思いつくことが当業者には理解されるはずである。このような修正、変更、および改善は本開示の一部であることが意図され、本発明の精神および範囲内であることが意図される。従って、前述の説明および図面は例示のみとしてのものであり、本発明は以下の請求項によって詳細に記述される。
【0306】
請求項で請求項を変更するための「第一の」、「第二の」、「第三の」などの順序の用語の使用は、それ自体は一つの請求項要素の別の要素に対する優位性、先行、もしくは順序、または方法の行為が実施される時間的順序を暗示せず、特定の名称を持つ一つの請求項要素を(順序の用語の使用以外は)同じ名称を持つ別の要素から区別して請求項要素を区別するための標識としてのみ使用される。
【0307】
本明細書および本特許請求の範囲において、「a」および「an」という冠詞は、そうではないことが明確に示されない限り、複数の指示対象を含むと理解されるべきである。群の一つ以上の要素の間に「または」を含む請求項または記述は、そうではないことが示されるかまたはそうでなければ文脈から明らかでない限り、一つ、二つ以上、または群のすべての要素が、所定の生成物またはプロセスに存在する、用いられる、またはそうでなければ関連する場合に満足される。本発明は、群の正確に一つの要素が所定の生成物またはプロセスに存在する、用いられる、またはそうでなければ関連する実施形態を含む。本発明は、二つ以上、または群の要素全体が所定の生成物またはプロセスに存在する、用いられる、またはそうでなければ関連する実施形態も含む。さらに、本発明は、別途指定されない限り、または矛盾または不一致が起こることが当業者には明らかでない限り、変形、組み合わせ、および記載された請求項の一つ以上からの一つ以上の限定、要素、句、記述用語などが、同じ基礎請求項に依存する別の請求項(または関連する任意のその他の請求項)に導入される並べ替えすべてを網羅することを理解すべきである。記載されたような要素が存在する場合(例えば、マーカッシュ群または類似の形式で)、要素の各サブグループも開示され、任意の要素を群から除去することができる。当然のことながら、一般的に、本発明、または本発明の態様が特定の要素、特徴などを含むとして言及される場合、本発明のある実施形態または本発明の態様は、このような要素、特徴などから成る、または実質的にそれらから成る。簡潔にするために、これらの実施形態はすべての場合において、多くの言葉では本明細書に特に記述されていない。これも当然のことながら、本発明の任意の実施形態または態様は、特定の除外が明細書に列挙されているかどうかにかかわらず、請求項から明示的に除外される可能性がある。
【0308】
当業者であれば、アッセイまたは本明細書に記述されたその他のプロセスで得られた値に起因する一般的な標準偏差または誤差を認識するであろう。
【0309】
本発明の背景を説明し、その実践に関して追加的詳細を提供するための本明細書の出版物、ウェブサイトおよびその他の参考資料は、参照により本明細書に組み込まれる。
図1A
図1B
図1C-1】
図1C-2】
図1D
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図6J
図6K
図6L
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図13C
図13D
図14A
図14B
図14C
図14D
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]