(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1開口に前記第1無機半導体材料をエピタキシャル成長させる際には前記第2開口を、前記第2開口に前記第2無機半導体材料をエピタキシャル成長させる際には前記第1開口を、それぞれハードマスクを用いて覆う
請求項1に記載の受光素子の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示における実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。
1.実施形態(互いに異なる無機半導体材料で構成された光電変換層を有する受光素子の例)
2.変形例1(平面視で異なる互いに異なる大きさの光電変換層を有する例)
3.変形例2(光入射面側が平坦である例)
4.変形例3(縦方向分光の例)
5.適用例1(撮像素子の例)
6.適用例2(電子機器の例)
7.応用例1(内視鏡手術システムへの応用例)
8.応用例2(移動体への応用例)
【0015】
<実施の形態>
[構成]
図1は、本開示の一実施の形態の受光素子(受光素子1)の断面構成を表したものである。受光素子1は、例えばIII−V族半導体などの無機半導体材料を用いた赤外線センサ等に適用されるものであり、例えば2次元配置された複数の受光単位領域P(画素P1,P2,P3,P4,P5…Pn)を含んでいる。尚、
図1では、5つの画素P(画素P1〜P5)に相当する部分の断面構成について示している。
【0016】
受光素子1はROIC(readout integrated circuit)基板11を有している。受光素子1では、このROIC基板11上に、第1電極21、第1コンタクト層22、光電変換層23、第2コンタクト層24および第2電極25がこの順に設けられている。第1電極21、第1コンタクト層22、光電変換層23および第2コンタクト層24は、画素P毎に分離して設けられ、第2電極25は複数の画素Pに共通して設けられている。受光素子1には、第2電極25側から光電変換層23に光(例えば可視領域および赤外領域の波長の光)が入射するようになっている。例えば、画素P1〜P3で可視領域の波長の光が光電変換され、画素P4,P5で赤外領域の波長の光が光電変換される。
【0017】
受光素子1は、第1電極21とROIC基板11との間に保護膜12を有しており、保護膜12には、第1電極21に接続された貫通電極12Eが設けられている。受光素子1は、隣り合う画素Pの間に絶縁膜13を有している。受光素子1は、第2電極25上に、パッシベーション膜14およびカラーフィルタ層15をこの順に有しており、受光素子1では、このカラーフィルタ層15およびパッシベーション膜14を通過した光が光電変換層23に光が入射するようになっている。以下、各部の構成について説明する。なお、画素P1〜P5は、光電変換層23を除いて同様の構成を有しているので、光電変換層23以外の各部の説明は、各画素Pで共通する。
【0018】
ROIC基板11は、例えば、シリコン(Si)基板とシリコン基板上の多層配線層により構成されており、この多層配線層にROICが設けられている。多層配線層のうち保護膜12に近い位置には、画素P毎に例えば銅(Cu)を含む電極が設けられ、この電極が貫通電極12Eに接している。
【0019】
第1電極21は、光電変換層23で発生した信号電荷(正孔または電子、以下便宜上、信号電荷が正孔であるとして説明する。)を読みだすための電圧が供給される電極(アノード)であり、画素P毎に設けられている。第1電極21は、平面視で第1コンタクト層22よりも小さく、第1コンタクト層22の略中央部に接している。1つの画素Pに対して1つの第1電極21が配置され、隣り合う画素Pでは、保護膜12により第1電極21が電気的に分離されている。
【0020】
第1電極21は、例えば、チタン(Ti),タングステン(W),窒化チタン(TiN),白金(Pt),金(Au),ゲルマニウム(Ge),パラジウム(Pd),亜鉛(Zn),ニッケル(Ni)およびアルミニウム(Al)のうちのいずれかの単体、またはそれらのうちの少なくとも1種を含む合金により構成されている。第1電極21は、このような構成材料の単膜であってもよく、あるいは、2種以上を組み合わせた積層膜であってもよい。
【0021】
第1コンタクト層22は、第1電極21と光電変換層23との間に設けられ、これらに接している。1つの画素Pに対して1つの第1コンタクト層22が配置され、隣り合う画素Pでは、絶縁膜13により第1コンタクト層22が電気的に分離されている。第1コンタクト層22は、光電変換層23で発生した信号電荷が移動する領域であり、例えば、p型の不純物を含む無機半導体材料により構成されている。第1コンタクト層22には、例えば、Zn(亜鉛)等のp型の不純物を含むInP(インジウムリン)を用いることができる。例えば、第1コンタクト層22では、第1電極21との接触面が画素P間で同一平面上に配置されている。即ち、複数の第1コンタクト層22の第1電極21との接触面は、同一平面を構成している。
【0022】
第1電極21と第2電極25との間の光電変換層23は、所定の波長の光を吸収して、信号電荷を発生させるものであり、III−V族半導体などの無機半導体材料を含んでいる。光電変換層23を構成する無機半導体材料としては、例えば、Ge(ゲルマニウム),InGaAs(インジウムガリウム砒素),Ex.InGaAs,InAsSb(インジウム砒素アンチモン),InAs(インジウム砒素),InSb(インジムアンチモン)およびHgCdTe(水銀カドミウムテルル)等が挙げられる。1つの画素Pに対して1つの光電変換層23が配置され、隣り合う画素Pでは、絶縁膜13により光電変換層23が電気的に分離されている。具体的には、画素P1には光電変換層23A、画素P2には光電変換層23B、画素P3には光電変換層23C、画素P4には光電変換層23D、画素P5には光電変換層23Eがそれぞれ設けられている。即ち、光電変換層23A〜23Eはそれぞれ、平面視で異なる位置に配置されている。本実施の形態では、光電変換層23A(または光電変換層23B〜23D)に含まれる無機半導体材料と光電変換層23Eに含まれる無機半導体材料とが異なっている。詳細は後述するが、これにより、広い波長帯域にわたって光電変換を行うことが可能となる。ここでは、光電変換層23Eが本技術の第1光電変換層の一具体例、光電変換層23A(または光電変換層23B〜23D)が本技術の第2光電変換層の一具体例に相当する。
【0023】
光電変換層23A,23B,23Cは、主に可視領域の波長の光を光電変換するものである。光電変換層23Aでは青色波長域の光(例えば波長500nm以下)、光電変換層23Bでは緑色波長域の光(例えば波長500nm〜600nm)、光電変換層23Cでは赤色波長域の光(例えば波長600nm〜800nm)が、それぞれ吸収されて信号電荷が発生するようになっている。この光電変換層23A〜23Cは、例えばi型のIII−V族半導体により構成されている。光電変換層23A〜23Cに用いられるIII−V族半導体としては、例えば、InGaAs(インジウムガリウム砒素)が挙げられる。例えば、光電変換層23A,23B,23Cそれぞれの厚みは互いに異なっている。例えば、光電変換層23Aの厚みが最も薄く、光電変換層23Bおよび光電変換層23Cの順に厚くなっている。例えば、光電変換層23Aの厚みは500nm以下、光電変換層23Bの厚みは700nm以下、光電変換層23Cの厚みは800nm以下である。
【0024】
光電変換層23Dは、主に短赤外領域の波長の光(例えば波長1μm〜10μm)を光電変換するものである。この光電変換層23Dは、例えばi型のIII−V族半導体により構成されており、例えば、InGaAs(インジウムガリウム砒素)により構成されている。光電変換層23Dは、例えば、光電変換層23A〜23Cよりも厚くなっており、光電変換層23Dの厚みは、例えば1μm〜10μmである。
【0025】
光電変換層23Eは、主に中赤外領域の波長の光(例えば波長3μm〜10μm)を光電変換するものである。この光電変換層23Eは、例えば光電変換層23A〜23Dとは異なるi型のIII−V族半導体により構成されている。具体的には、光電変換層23Eには、InAsSb(インジウム砒素アンチモン)またはInSb(インジムアンチモン)等を用いることができる。このように、画素P(画素P5)で、他の画素Pの光電変換層23とは異なる無機半導体材料を用いることにより、より長波長領域の光の光電変換を行うことが可能となる。したがって、広い波長帯域にわたって、高い光電変換効率を実現することができる。光電変換層23Eの厚みは、例えば光電変換層23A〜23Cの厚みとは異なっており、例えば3μm〜10μmである。
【0026】
第2コンタクト層24は、光電変換層23と第2電極25との間に設けられ、これらに接している。1つの画素Pに対して1つの第2コンタクト層24が配置され、隣り合う画素Pでは、絶縁膜13により第2コンタクト層24が電気的に分離されている。第2コンタクト層24は、第2電極25から排出される電荷が移動する領域であり、例えば、n型の不純物を含む化合物半導体により構成されている。第2コンタクト層24には、例えば、Si(ケイ素)等のn型の不純物を含むInP(インジウムリン)を用いることができる。
【0027】
第2電極25は、例えば各画素Pに共通の電極として、第2コンタクト層24上(光入射側)に、第2コンタクト層24に接するように設けられている。第2電極25は、光電変換層23で発生した電荷のうち、信号電荷として用いられない電荷を排出するためのものである(カソード)。例えば、正孔が、信号電荷として第1電極21から読み出される場合には、この第2電極25を通じて例えば電子を排出することができる。第2電極25は、例えば赤外線などの入射光を透過可能な導電膜により構成されている。第2電極25には、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)またはITiO(In
2O
3−TiO
2)等を用いることができる。
【0028】
保護膜12は、ROIC基板11の一方の面(光入射側の面)を覆うように設けられている。保護膜12は、例えば、無機絶縁材料により構成されている。この無機絶縁材料としては、例えば、窒化シリコン(SiN),酸化アルミニウム(Al
2O
3),酸化ケイ素(SiO
2)および酸化ハフニウム(HfO
2)等が挙げられる。保護膜12は、複数の膜からなる積層構造を有していてもよい。保護膜12に設けられた貫通電極12Eは、ROIC基板11の配線と第1電極21とを接続するためのものであり、画素P毎に設けられている。貫通電極12Eは、例えば、銅により構成されている。
【0029】
絶縁膜13は、例えば、各画素Pにおいて、第1コンタクト層22の側面、光電変換層23の側面および第2コンタクト層24の側面を覆っている。この絶縁膜13は、隣り合う光電変換層23を画素P毎に分離するためのものであり、隣り合う光電変換層23の間の領域は絶縁膜13により埋められている。絶縁膜13は、例えば、酸化シリコン(SiO
X)または酸化アルミニウム(Al
2O
3)等の酸化物を含んで構成されている。複数の膜からなる積層構造により絶縁膜13を構成するようにしてもよい。絶縁膜13は、例えば酸窒化シリコン(SiON),炭素含有酸化シリコン(SiOC),窒化シリコン(SiN)およびシリコンカーバイド(SiC)などのシリコン(Si)系絶縁材料により構成するようにしてもよい。
【0030】
パッシベーション膜14は、第2電極25を覆い、第2電極25とカラーフィルタ層15との間に設けられている。このパッシベーション膜14は、反射防止機能を有していてもよい。パッシベーション膜14には、例えば窒化シリコン(SiN),酸化アルミニウム(Al
2O
3),酸化ケイ素(SiO
2)および酸化タンタル(Ta
2O
3)等を用いることができる。
【0031】
カラーフィルタ層15は、パッシベーション膜14上(パッシベーション膜14の光入射面側)に設けられている。カラーフィルタ層15は、例えば、画素P1に青色フィルタ、画素P2に緑色フィルタ、画素P3に赤色フィルタを有している。画素P4,P5では、例えば赤外領域の波長の光が光電変換されるので、カラーフィルタ層15は、画素P4,P5に可視光カットフィルタを有していてもよい。
【0032】
受光素子1は、カラーフィルタ層15上に、入射光を光電変換層23に向けて集光するためのオンチップレンズ(例えば後述の
図8のオンチップレンズ17)を有していてもよい。
【0033】
[受光素子1の製造方法]
受光素子1は、例えば次のようにして製造することができる。
図2A〜
図3Cは、受光素子1の製造工程を工程順に表したものである。
図2A〜
図3Cでは、画素P3〜P5に対応する領域を示している。
【0034】
まず、例えばシリコン(Si)よりなる基板31を用意し、この基板31上に、例えば酸化シリコン(SiO
2)または窒化シリコン(SiN)よりなる絶縁膜13を成膜する。
【0035】
次に、
図2Aに示したように、成膜した絶縁膜13の各画素Pに対応する領域に開口(画素P3〜P5に対応する開口13C〜13E)を形成し、この開口に第2コンタクト層24を形成する。具体的には、以下のように行う。まず、絶縁膜13を、例えばフォトリソグラフィおよびドライエッチングを用いてパターニングし、開口13C〜13Eを形成する。開口13C〜13Eは、画素P毎に形成され、かつ、互いに開口幅の異なる部分a1,a2を含んでいる。部分a2は、後の工程で光電変換層23が形成される開口部分であり、形成される光電変換層23の厚みに応じて画素P毎に深さが調整されている。このように部分a2の深さにより、光電変換層23の厚みを調整し、容易に受光素子1を製造することができる。部分a1は、部分a2よりも高アスペクト比を有し、部分a2内にトレンチまたは孔として形成されている。部分a1のアスペクト比は、例えば、1.5以上である。部分a1は、部分a2から絶縁膜13を貫通し、基板31の一部(絶縁膜13側の一部)にも設けられている。
【0036】
部分a1のうち、露出されている基板51の面に、例えばアルカリ異方性エッチングを施しておく。このエッチングでは、例えばシリコン基板(基板31)の結晶面方位依存性が強く、(111)面方向のエッチングレートが著しく低い。このため、エッチング処理面は(111)面でエッチングがストップし、複数の(111)面が形成される。
【0037】
エッチング処理を行った後、基板31の複数の(111)面から、絶縁膜13の部分a1にかけて、InPよりなるバッファ層32をMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法またはMBE(Molecular Beam Epitaxy)法を用いて形成する。このように、基板31の面に対して傾斜した複数の(111)面からバッファ層32をエピタキシャル成長させることにより、バッファ層32の欠陥密度を低減することができる。これは、傾斜した(111)面とバッファ層32との界面を起点に、積層欠陥は成膜方向に成長するが、このとき、この積層欠陥は絶縁膜13の壁にぶつかり成長が止まるためである。バッファ層32を部分a1に形成した後、部分a2に、例えばInPをエピタキシャル成長させ、第2コンタクト層24を形成する(
図2A)。
【0038】
続いて、各開口(開口13C〜13E)に光電変換層23を形成する(
図2B,2C)。光電変換層23は、例えばハードマスク33を用いて形成する。具体的には、以下のようにして開口13C〜13Eに光電変換層23C〜23Eを形成する。まず、開口13Eをハードマスク33で覆った状態で、開口13C,13Dに例えばInGaAs(インジウムガリウム砒素)からなる光電変換層23C,23Dをエピタキシャル成長により形成する。その後、開口13C,13Dをハードマスク33で覆った状態で、開口13Eに例えばInAsSb(インジウム砒素アンチモン)またはInSb(インジムアンチモン)からなる光電変換層23Eをエピタキシャル成長により形成する。
【0039】
光電変換層23を形成した後、
図2Dに示したように、光電変換層23上に例えばInPをエピタキシャル成長させ、第1コンタクト層22を形成する。続いて、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学機械研磨)により、第1コンタクト層22の表面を平坦化しておく。
【0040】
次に、平坦化された第1コンタクト層22の表面に、第1電極21の構成材料を成膜した後、フォトリソグラフィおよびエッチングを用いて、これをパターニングする。これにより第1電極21が形成される(
図2E)。
【0041】
続いて、保護膜12および貫通電極12Eを形成する。具体的には、保護膜12を第1電極21上および絶縁膜13上に成膜した後、この保護膜12のうち第1電極21の中央部分に対応する領域に、例えばフォトリソグラフィおよびドライエッチングを用いて貫通孔を形成する。その後、この貫通孔に例えば銅からなる貫通電極12Eを形成する。
【0042】
次いで、
図3Aに示したように、この貫通電極12EをROIC基板11の電極に接合させる。この接合は、例えばCu−Cu接合により行う。続いて、基板31を例えば研磨機により薄膜化し、薄膜化された基板31とバッファ層32とを例えばエッチングにより除去して、第2コンタクト層24表面を露出させる(
図3B)。
【0043】
最後に、
図3Cに示したように、第2電極25、パッシベーション膜14およびカラーフィルタ層15をこの順に形成して
図1に示した受光素子1を完成させる。
【0044】
[受光素子1の動作]
受光素子1では、カラーフィルタ層15、パッシベーション膜14、第2電極25および第2コンタクト層24を介して、光電変換層23へ光(例えば可視領域および赤外領域の波長の光)が入射すると、この光が光電変換層23において吸収される。これにより、光電変換層23では正孔(ホール)および電子の対が発生する(光電変換される)。このとき、例えば第1電極21に所定の電圧が印加されると、光電変換層23に電位勾配が生じ、発生した電荷のうち一方の電荷(例えば正孔)が、信号電荷として第1コンタクト層22に移動し、第1コンタクト層22から第1電極21へ収集される。この信号電荷が、ROIC基板11によって読み出される。
【0045】
[受光素子1の作用・効果]
本実施の形態の受光素子1では、画素P1〜P4の光電変換層23A〜23Dと、画素P5の光電変換層23Eとが互いに異なる無機半導体材料により構成されている。また、光電変換層23A〜23Dの間でも、互いに異なる厚みに調整可能である。これにより、光電変換層23A〜23E(画素P1〜P5)各々で、光電変換可能な波長帯域を設定し易くなる。例えば、光電変換層23A(画素P1)で青色波長域の光、光電変換層23B(画素P2)で緑色波長域の光、光電変換層23C(画素P3)で赤色波長域の光、光電変換層23D(画素P4)で短赤外領域の波長の光、光電変換層23E(画素P5)で中赤外領域の波長の光がそれぞれ光電変換されるように構成することができる。以下、これについて説明する。
【0046】
図4は、比較例に係る受光素子(受光素子100)の断面構成を表している。この受光素子100は、隣り合う画素Pの間が絶縁膜で分離されておらず、全ての画素Pに共通して、第1コンタクト層122、光電変換層123、第2コンタクト層124および第2電極125が設けられている。第1電極121は、画素P毎に分離されている。
【0047】
図5A〜5Cは、この受光素子100の製造工程を表している。受光素子100は、まず、基板124A上に、例えばエピタキシャル成長により、光電変換層123および第1コンタクト層122を形成した後(
図5A)、保護膜12および貫通電極(図示せず)を形成する。次いで、この貫通電極と、ROIC基板11の電極とを、例えばCu−Cu接合により接合する(
図5B)。その後、例えば基板124Aを薄膜化して、第2コンタクト層124を形成する(
図5C)。最後に、例えば第2電極125、パッシベーション膜およびカラーフィルタ層を形成することにより受光素子100が形成される。
【0048】
このように形成する受光素子100では、画素P間で、光電変換層123の構成材料を異ならせたり、あるいは、光電変換層123の厚みを異ならせたりすることは困難である。したがって、受光素子100では、全ての画素Pで同じ波長域の光が光電変換され、画素P間で互いに異なる波長域の光を選択的に光電変換することはできない。
【0049】
これに対し、受光素子1には、互いに異なる構成材料、または異なる厚みの光電変換層23A〜23Eが設けられているので、画素P間で異なる波長域の光を選択的に光電変換することができる。例えば、画素P1〜P3では可視領域の波長の光、画素P4では短赤外領域の波長の光、画素P5では中赤外領域の波長の光がそれぞれ選択的に光電変換される。このような受光素子1は、画素P毎に設けられた絶縁膜13の開口(例えば
図2Aの開口13C〜13E)に光電変換層23を形成することで、容易に形成することができる。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態の受光素子1では、光電変換層23A〜23Dと光電変換層23Eとが互いに異なる無機半導体材料を含むようにしたので、光電変換層23A〜23Dと光電変換層23Eとの間で、光電変換可能な波長帯域をずらすことができる。また、光電変換層23A〜23Dの間でも、互いの厚みを異ならせるようにしたので、光電変換可能な波長帯域をずらすことができる。よって、広い波長帯域にわたって光電変換を行うことが可能となる。
【0051】
以下、上記実施の形態の変形例および適用例について説明するが、以降の説明において上記実施の形態と同一構成部分については同一符号を付してその説明は適宜省略する。
【0052】
<変形例1>
図6は、上記実施の形態の変形例1に係る受光素子(受光素子1A)の断面構成を表したものである。受光素子1Aのように、互いに異なる幅(幅W3,W4)の光電変換層23が設けられていてもよい。この点を除き、受光素子1Aは受光素子1と同様の構成および効果を有している。
【0053】
例えば、受光素子1Aは、光電変換層23Cの幅W3よりも、光電変換層23Dの幅W4が大きくなっている。例えば、光電変換層23A,23Bの幅は幅W3と略同じであり、光電変換層23Eの幅は幅W4よりも大きくなっている。光電変換層23Cと光電変換層23Dとは、例えば平面視での大きさが異なっており、その長さ(幅W3,W4と直交する方向の大きさ)も異なっている。光電変換層23Cと光電変換層23Dとは、幅W3,W4および長さのどちらか一方のみが異なっていてもよい。
【0054】
<変形例2>
図7は、変形例2に係る受光素子(受光素子1B)の断面構成を表したものである。上記実施の形態では、ROIC基板11側の面(具体的には、第1コンタクト層22の第1電極21との接触面)が平坦である場合を例示したが、光入射側の面が平坦であってもよい。具体的には、受光素子1Bのように、第2コンタクト層24の第2電極25との接触面が画素P間で、同一平面上に設けられていてもよい。即ち、受光素子1Bでは、複数の第2コンタクト層24の第2電極25との接触面が、同一平面を構成している。この点を除き、受光素子1Bは受光素子1と同様の構成および効果を有している。
【0055】
図8に示したように、受光素子1Bは、オンチップレンズ(オンチップレンズ17)を有していてもよい。オンチップレンズ17は、例えば、カラーフィルタ層15上に、パッシベーション膜16を介して設けられている。このように、光入射面側が平坦な受光素子1Bでは、オンチップレンズ17の焦点設計が容易であり、オンチップレンズ17を容易に形成することができる。
【0056】
受光素子1Bは、例えば次のようにして製造することができる。
図9A〜
図10Cは、受光素子1Bの製造工程を工程順に表したものである。
図9A〜
図10Cでは、画素P1〜P3に対応する領域を示している。
【0057】
まず、上記実施の形態で説明したのと同様にして、絶縁膜13の各画素Pに対応する領域に開口(画素P1〜P3に対応する開口13A〜13C)を形成し、この開口に第2コンタクト層24を形成する(
図9A)。このとき、部分a2の深さを、画素P間で同じにしておくことにより、第2コンタクト層24の第2電極25との接触面が画素P間で同一平面上に配置されるようになる。
【0058】
次に、各開口(開口13A〜13C)に光電変換層23を形成する(
図9B)。光電変換層23A〜23Cは、例えばInGaAs(インジウムガリウム砒素)をエピタキシャル成長させた後、エッチングにより画素P間で厚みを調整することにより形成する。
【0059】
光電変換層23を形成した後、
図9Cに示したように、光電変換層23上に第1コンタクト層22および第1電極21をこの順に形成する。続いて、保護膜12および貫通電極12Eを形成した後、
図10Aに示したように、この貫通電極12EをROIC基板11の電極に接合させる。
【0060】
その後、基板31を薄膜化し、薄膜化された基板31とバッファ層32とを例えばエッチングにより除去して、第2コンタクト層24表面を露出させる(
図10B)。
【0061】
最後に、
図10Cに示したように、第2電極25、パッシベーション膜14およびカラーフィルタ層15をこの順に形成して
図7に示した受光素子1Bを完成させる。
【0062】
本変形例のように、画素P間で光入射面側の面が平坦であってもよく、この場合にも、上記実施の形態と同等の効果を得ることができる。加えて、オンチップレンズ17の焦点設計が容易になる。
【0063】
<変形例3>
図11は、変形例3に係る受光素子(受光素子1C)について、画素P5の断面構成を表したものである。本変形例のように、光電変換層23Eの厚み方向に、別の光電変換層(光電変換層23EA)を積層させるようにしてもよい。このような受光素子1Cでは、縦方向分光が可能となる。この点を除き、受光素子1Cは受光素子1と同様の構成および効果を有している。
【0064】
光電変換層23EA(第3光電変換層)は、光電変換層23Eの厚み方向に積層され、平面視で一部が光電変換層23Eに重なる位置に設けられている。光電変換層23EAは、光電変換層23Eとは異なる無機半導体材料により構成されている。例えば、光電変換層23EAは主に、短赤外領域の波長の光を光電変換するものであり、InGaAs(インジウムガリウム砒素)により構成されている。画素P5には、例えば、2つの光電変換層23EAが設けられており、これらは厚み方向の位置が同位置に配置されている。画素P5には、1つの光電変換層23EAを設けるようにしてもよく、あるいは、3つ以上の光電変換層23EAを設けるようにしてもよい。
【0065】
光電変換層23EAのROIC基板11との対向面には第1電極21Aが設けられ、第1電極21Aは絶縁膜13中の貫通電極12EAを介してROIC基板11に接続されている。光電変換層23EAと第1電極21Aとの間には、第1コンタクト層22Aが設けられている。光電変換層23EAの光入射面には、第2コンタクト層24Aおよび第2電極25がこの順に積層されている。
【0066】
図12は、受光素子1Cを製造する際の一工程を表したものである。受光素子1Cは、上記実施の形態で説明したのと同様にして形成することができる。
【0067】
受光素子1Cでは、
図13に示したように、1つの画素P5内で、例えば中赤外領域の波長の光L1が光電変換層23Eにより、例えば短赤外領域の波長の光L2が光電変換層23EAにより光電変換される。
【0068】
本変形例のように、1つの画素P内の積層方向に複数の光電変換層(例えば光電変換層23Eおよび光電変換層23EA)を設けるようにしてもよい。このような場合にも、上記第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。加えて、1つの画素P内での縦型分光が可能になるので、画素Pの微細化が容易となる。
【0069】
図11では、画素P5に光電変換層23EAを設ける場合を示したが、画素P5とともに、他の画素P(例えば画素P1〜P4)にも光電変換層23EAを設けるようにしてもよい。あるいは、画素P5には光電変換層23EAを設けずに、他の画素Pに光電変換層23EAを設けるようにしてもよい。
【0070】
<適用例1>
図14は、上記実施の形態等において説明した受光素子1(または、受光素子1A〜1C、以下、まとめて受光素子1という)の素子構造を用いた撮像素子2の機能構成を表したものである。撮像素子2は、例えば赤外線イメージセンサであり、例えば受光素子1を含む画素部10Pと、この画素部10Pを駆動する回路部20とを有している。回路部20は、例えば行走査部131、水平選択部133、列走査部134およびシステム制御部132を有している。
【0071】
画素部10Pは、例えば行列状に2次元配置された複数の画素P(受光素子1)を有している。画素Pには、例えば画素行ごとに画素駆動線Lread(例えば、行選択線およびリセット制御線)が配線され、画素列ごとに垂直信号線Lsigが配線されている。画素駆動線Lreadは、画素Pからの信号読み出しのための駆動信号を伝送するものである。画素駆動線Lreadの一端は、行走査部131の各行に対応した出力端に接続されている。
【0072】
行走査部131は、シフトレジスタやアドレスデコーダ等によって構成され、画素部10の各画素Pを、例えば行単位で駆動する画素駆動部である。行走査部131によって選択走査された画素行の各画素Pから出力される信号は、垂直信号線Lsigの各々を通して水平選択部133に供給される。水平選択部133は、垂直信号線Lsigごとに設けられたアンプや水平選択スイッチ等によって構成されている。
【0073】
列走査部134は、シフトレジスタやアドレスデコーダ等によって構成され、水平選択部133の各水平選択スイッチを走査しつつ順番に駆動するものである。この列走査部134による選択走査により、垂直信号線Lsigの各々を通して伝送される各画素の信号が順番に水平信号線135に出力され、当該水平信号線135を通して図示しない信号処理部等へ入力される。
【0074】
この撮像素子2では、
図15に示したように、例えば、画素部10Pを有する基板2Aと、回路部20を有する基板2B(例えば、
図1のROIC基板11)とが積層されている。但し、このような構成に限定されず、回路部20は、画素部10Pと同一の基板上に形成されていてもよいし、あるいは外部制御ICに配設されたものであってもよい。また、回路部20は、ケーブル等により接続された他の基板に形成されていてもよい。
【0075】
システム制御部132は、外部から与えられるクロックや、動作モードを指令するデータなどを受け取り、また、撮像素子2の内部情報などのデータを出力するものである。システム制御部132はさらに、各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータを有し、当該タイミングジェネレータで生成された各種のタイミング信号を基に行走査部131、水平選択部133および列走査部134などの駆動制御を行う。
【0076】
<適用例2>
上述の撮像素子2は、例えば赤外領域を撮像可能なカメラなど、様々なタイプの電子機器に適用することができる。
図16に、その一例として、電子機器3(カメラ)の概略構成を示す。この電子機器3は、例えば静止画または動画を撮影可能なカメラであり、撮像素子2と、光学系(光学レンズ)310と、シャッタ装置311と、撮像素子2およびシャッタ装置311を駆動する駆動部313と、信号処理部312とを有する。
【0077】
光学系310は、被写体からの像光(入射光)を撮像素子2へ導くものである。この光学系310は、複数の光学レンズから構成されていてもよい。シャッタ装置311は、撮像素子2への光照射期間および遮光期間を制御するものである。駆動部313は、撮像素子2の転送動作およびシャッタ装置311のシャッタ動作を制御するものである。信号処理部312は、撮像素子2から出力された信号に対し、各種の信号処理を行うものである。信号処理後の映像信号Doutは、メモリなどの記憶媒体に記憶されるか、あるいは、モニタ等に出力される。
【0078】
更に、本実施の形態等において説明した受光素子1は、下記電子機器(カプセル内視鏡および車両等の移動体)にも適用することが可能である。
【0079】
<応用例1(内視鏡手術システム)>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
【0080】
図17は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【0081】
図17では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
【0082】
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
【0083】
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
【0084】
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
【0085】
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
【0086】
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
【0087】
光源装置11203は、例えばLED(light emitting diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
【0088】
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
【0089】
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
【0090】
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
【0091】
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
【0092】
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
【0093】
図18は、
図17に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0094】
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
【0095】
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
【0096】
撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
【0097】
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
【0098】
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
【0099】
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
【0100】
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
【0101】
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
【0102】
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
【0103】
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
【0104】
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
【0105】
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
【0106】
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
【0107】
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
【0108】
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
【0109】
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
【0110】
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部11402に適用され得る。撮像部11402に本開示に係る技術を適用することにより、より鮮明な術部画像を得ることができるため、術者が術部を確実に確認することが可能になる。
【0111】
なお、ここでは、一例として内視鏡手術システムについて説明したが、本開示に係る技術は、その他、例えば、顕微鏡手術システム等に適用されてもよい。
【0112】
<応用例2(移動体)>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0113】
図19は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0114】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図19に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(Interface)12053が図示されている。
【0115】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0116】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0117】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0118】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0119】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0120】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0121】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0122】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12030に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0123】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図19の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0124】
図20は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0125】
図20では、撮像部12031として、撮像部12101、12102、12103、12104、12105を有する。
【0126】
撮像部12101、12102、12103、12104、12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102、12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0127】
なお、
図20には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0128】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0129】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0130】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0131】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0132】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、より見やすい撮影画像を得ることができるため、ドライバの疲労を軽減することが可能になる。
【0133】
更に、本実施の形態等において説明した受光素子1は、監視カメラ,生体認証システムおよびサーモグラフィ等の電子機器にも適用することが可能である。監視カメラは、例えばナイトビジョンシステム(暗視)のものである。受光素子1を監視カメラに適用することにより、夜間の歩行者および動物等を遠くから認識することが可能となる。また、受光素子1を車載カメラとして適用すると、ヘッドライトや天候の影響を受けにくい。例えば、煙および霧等の影響を受けずに、撮影画像を得ることができる。更に、物体の形状の認識も可能となる。また、サーモグラフィでは、非接触温度測定が可能となる。サーモグラフィでは、温度分布や発熱も検出可能である。加えて、受光素子1は、炎,水分またはガス等を検知する電子機器にも適用可能である。
【0134】
以上、実施の形態および適用例を挙げて説明したが、本開示内容は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態において説明した受光素子の層構成は一例であり、更に他の層を備えていてもよい。また、各層の材料や厚みも一例であって、上述のものに限定されるものではない。
【0135】
例えば、上記実施の形態等では、第1電極21と第1コンタクト層22とが接し、第2コンタクト層24と第2電極25とが接する場合について説明したが、第1電極21と第1コンタクト層22との間、あるいは、第2コンタクト層24と第2電極25との間に他の層が設けられていてもよい。
【0136】
更に、上記実施の形態等では、便宜上、信号電荷が正孔である場合について説明したが、信号電荷は電子であってもよい。第1コンタクト層22がn型の不純物を含み、第2コンタクト層24がp型の不純物を含んでいてもよい。
【0137】
また、上記実施の形態等において説明した効果は一例であり、他の効果であってもよいし、更に他の効果を含んでいてもよい。
【0138】
尚、本開示は、以下のような構成であってもよい。
(1)
平面視で異なる領域に配置され、絶縁膜により互いに分離された複数の光電変換層のうち、
基板上に、平面視で異なる領域に第1開口および第2開口を有する前記絶縁膜を形成し、
前記第1開口に、第1無機半導体材料を含有する第1光電変換層をエピタキシャル成長させて形成し、
前記第2開口に、前記第1無機半導体材料とは異なる第2無機半導体材料を含有する第2光電変換層をエピタキシャル成長させて形成する
受光素子の製造方法。
(2)
前記第1開口に前記第1無機半導体材料をエピタキシャル成長させる際には前記第2開口を、前記第2開口に前記第2無機半導体材料をエピタキシャル成長させる際には前記第1開口を、それぞれハードマスクを用いて覆う
前記(1)に記載の受光素子の製造方法。
(3)
前記第1光電変換層と前記第2光電変換層とを異なる厚みで形成する
前記(1)または(2)に記載の受光素子の製造方法。
(4)
更に、前記第1無機半導体材料とは異なる第3無機半導体材料を含み、前記第1光電変換層の厚み方向に設けられるとともに、平面視で前記第1光電変換層の一部に重なる第3光電変換層を形成する
前記(1)乃至(3)のうちいずれか1つに記載の受光素子の製造方法。
(5)
前記第1光電変換層および前記第2光電変換層の少なくとも一方は、赤外領域の波長の光を吸収して電荷を発生するように構成されている
前記(1)乃至(4)のうちいずれか1つに記載の受光素子の製造方法。
(6)
前記第1光電変換層および前記第2光電変換層の少なくとも一方は、可視領域の波長の光を吸収して電荷を発生するように構成されている
前記(1)乃至(5)のうちいずれか1つに記載の受光素子の製造方法。
(7)
前記第1無機半導体材料および前記第2無機半導体材料の少なくとも一方は、Ge,InGaAs,InGaAs,InAsSb,InAs,InSbおよびHgCdTeのうちのいずれか1つである
前記(1)乃至(6)のうちいずれか1つに記載の受光素子の製造方法。
(8)
更に、前記第1光電変換層、前記第2光電変換層それぞれに電気的に接続された第1電極を形成し、
各々の前記第1電極に電気的に接続されたROIC(readout integrated circuit)基板を接合する
前記(1)乃至(7)のうちいずれか1つに記載の受光素子の製造方法。
(9)
更に、前記第1電極と前記第1光電変換層、前記第2光電変換層それぞれとの間に第1コンタクト層を形成する
前
記(8)に記載の受光素子の製造方法。
(10)
複数の前記第1コンタクト層の前記第1電極との接触面を同一平面上に設ける
前記(9)に記載の受光素子の製造方法。
(11)
更に、前記第1光電変換層、前記第2光電変換層それぞれを間にして前記第1電極と対向する第2電極を形成する
前記(8)乃至(10)のうちのいずれか1つに記載の受光素子の製造方法。
(12)
更に、前記第2電極と前記第1光電変換層、前記第2光電変換層それぞれとの間に第2コンタクト層を形成する
前記(11)に記載の受光素子の製造方法。
(13)
複数の前記第2コンタクト層の前記第2電極との接触面を同一平面上に設ける
前記(12)に記載の受光素子の製造方法。
(14)
前記第2電極を、前記第1光電変換層および前記第2光電変換層に共通して設ける
前記(11)乃至(13)のうちいずれか1つに記載の受光素子の製造方法。
(15)
平面視で、前記第1光電変換層の大きさと前記第2光電変換層の大きさとが異なる
前記(1)乃至(14)のうちいずれか1つに記載の受光素子の製造方法。
【0139】
本出願は、日本国特許庁において2017年1月24日に出願された日本特許出願番号第2017−10187号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願の全ての内容を参照によって本出願に援用する。
【0140】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。