(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
後続のデータ信号が存在しないことを示す前記第2の制御信号に応答して、前記第2の制御信号と第3の制御信号との間の前記時間間隔の一部の間に、前記モバイルデバイスの無線周波数フロントエンドの一部をオフにする、請求項15に記載の方法。
前記増幅器、前記アナログフィルタ、および前記ADCが、第2の制御信号を受信するように調整せよとの第3のコマンド信号を制御プロセッサから受信するようにさらに構成され、
前記第2の制御信号が、送信時間間隔(TTI)内に後続のデータ信号が存在しないことを示す表示を含み、
前記表示に応答して、カウンタが最大値にリセットされ、
前記カウンタが、データを含まない後続の連続するTTIごとにデクリメントされ、
帯域幅が、前記カウンタがゼロに到達するまで前記第2の帯域幅において維持され、
前記カウンタがゼロに到達すると、前記調整可能なRFフロントエンドが前記第1の帯域幅に遷移される、請求項30に記載のモバイルデバイス。
前記増幅器、前記アナログフィルタ、および前記ADCが、第2の制御信号を受信するように調整せよとの第3のコマンド信号を前記制御プロセッサから受信するようにさらに構成され、
前記第2の制御信号が、送信時間間隔(TTI)内に後続のデータ信号が存在しないことを示し、
後続のデータ信号が存在しないことを示す前記第2の制御信号に応答して、前記増幅器、前記アナログフィルタ、および前記ADCのうちの少なくとも1つが、前記TTIの一部の間にオフにされるように構成される、請求項30に記載のモバイルデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付の図面に関連して以下に述べる詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書に記載される概念が実施され得る唯一の構成を表すことが意図されるものではない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解を提供するための具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの具体的な詳細なしにこれらの概念が実施される場合があることは当業者には明らかであろう。いくつかの例では、よく知られている構造および構成要素は、そのような概念を不明瞭にすることを避けるためにブロック図形式で示されている。
【0015】
本明細書に記載される技法は、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMA、および他のネットワークなどの様々なワイヤレス通信ネットワークに使用され得る。「ネットワーク」および「システム」という用語は多くの場合に互換的に使用される。CDMAネットワークは、ユニバーサル地上無線アクセス(UTRA)、cdma2000などの無線技術を実装し得る。UTRAは、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))およびCDMAの他の変形を含む。cdma2000は、IS-2000、IS-95、およびIS-856規格をカバーする。TDMAネットワークは、Global System for Mobile Communications(GSM(登録商標))などの無線技術を実装し得る。OFDMAネットワークは、進化型UTRA(E-UTRA)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、IEEE802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、Flash-OFDMAなどの無線技術を実装し得る。UTRAおよびE-UTRAは、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)の一部である。3GPPロングタームエボリューション(LTE)およびLTE-Advanced(LTE-A)は、E-UTRAを使用するUMTSの新リリースである。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTE、LTE-A、およびGSM(登録商標)は、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)という名前の組織からの文書に記載されている。CDMA2000およびUMBは、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)という名前の組織からの文書に記載されている。本明細書に記載される技法は、上述のワイヤレスネットワークおよび無線技術、ならびに次世代(たとえば、第5世代(5G))ネットワークなどの他のワイヤレスネットワークおよび無線技術に使用され得る。
【0016】
本開示は、利用可能なシステム帯域幅が増加するにつれて、制御チャネルシグナリングの対応する増加なしに、データ信号によって利用される帯域幅が増加され得る(それによって、データレートが増加され得る)ことを認識する。狭帯域制御信号および広帯域データ信号を利用するフレームフォーマットが開示されている。フレームフォーマットは、1つの帯域幅における制御信号、およびより広い帯域幅におけるデータ信号を受信するために、モバイルデバイス受信機において行われる調整を提供する。受信機は、制御信号を受信し、次いでデータ信号を受信するために帯域幅および電力消費を増加させるために、低電力モードを利用し得る。受信機時間を様々な信号帯域幅に合わせることを可能にするために、制御信号とデータ信号との間に遷移間隔または期間が挿入され得る。
【0017】
ワイヤレス通信受信機における電力消費は、受信される信号帯域幅に応じて増減する(scale with)。本開示は、一般に、異なる帯域幅の制御信号およびデータ信号を使用するワイヤレス通信ネットワークに関する。そのようなネットワーク内の受信機は、電力消費を低減するために異なる帯域幅を利用し、またそれに合うよう調整するために提供される。たとえば、制御信号が従来のシステムよりも狭い帯域幅を占有する可能性があるため、ワイヤレスデバイスの電力消費が低減され得る。
【0018】
図1は、本開示の様々な態様によるワイヤレス通信ネットワーク100を示す。ワイヤレス通信ネットワーク100は、LTEネットワークでもよく、次世代(たとえば、5G)ネットワークでもよい。ワイヤレスネットワーク100は、いくつかの基地局110を含み得る。基地局110は、LTEコンテキスト内の拡張ノードBを含み得る。基地局はまた、基地トランシーバ局またはアクセスポイントと呼ばれ得る。
【0019】
基地局110は、図示されるようにユーザ機器(UE)120と通信する。UE120は、アップリンクおよびダウンリンクを介して基地局110と通信し得る。ダウンリンク(または、順方向リンク)は、基地局110からUE120への通信リンクを指す。アップリンク(または、逆方向リンク)は、UE120から基地局110への通信リンクを指す。
【0020】
UE120は、ワイヤレスネットワーク100全体に分散されていてもよく、各UE120は、固定であってもよく、モバイルであってもよい。UEはまた、端末、移動局、加入者ユニットなどと呼ばれ得る。UE120は、セルラー電話、スマートフォン、携帯情報端末、ワイヤレスモデム、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータなどであり得る。ワイヤレス通信ネットワーク100は、本開示の様々な態様が適用されるネットワークの一例である。他の例はWLANである。
【0021】
図2は、調整可能な受信機200のハイレベルブロック図である。調整可能な受信機200は、UE120に含まれ得る。調整可能な受信機200は、1つまたは複数のアンテナ210を含み得る。調整可能な受信機200が複数のアンテナ210を含む場合、多入力多出力通信(MIMO)のための任意の技法が使用され得る。便宜上、本説明は、本説明が各アンテナおよびその関連構成要素に当てはまることを理解しながら、1つのアンテナ210aおよびその関連構成要素に焦点を当てる。
【0022】
この例では、調整可能な受信機200は、RFフロントエンド212aを含む。この例では、RFフロントエンド212aは、図示されるようにアンテナ210aと通信する増幅器215a、ミキサ220a、アナログフィルタ225a、およびアナログ-デジタル変換器(ADC)230aを含む。調整可能な受信機200は、アンテナ210aにおいて受信信号が増幅器215aによって増幅され、次いで局部発振器(LO)240とともにミキサ220aによってベースバンドに直接ダウンコンバートされるゼロ中間周波数(IF)アーキテクチャを使用する。低雑音増幅器(LNA)などの無線周波数(RF)増幅器は、増幅器215aの一例である。
【0023】
アナログフィルタ225aは、調整可能な帯域幅を有するローパスフィルタであり得る。受信信号は、典型的には、所望のデータ搬送信号、干渉、および雑音の合計である。いくつかのシナリオでは、アナログフィルタ225aの帯域幅は、エイリアシングを防止し、所望の信号を比較的少ない歪みでADC230aに通過させ、帯域外干渉および雑音を減衰させるように設定される。
【0024】
ADC230aは、その入力においてアナログ信号を受信し、デジタル出力を生成するために、アナログ信号をサンプリングしてデジタル化する。ADC230aのサンプリングレートは、信号のエイリアシングを防止または十分に制限するのに十分であり、一般に、入力信号の最高周波数成分の少なくとも2倍である。ADC230aのサンプリングレートは、異なる入力帯域幅を有する信号に従って所望のサンプリングレートを満たすように調整可能であり得る。
【0025】
調整可能な受信機200は、ベースバンドプロセッサ245をさらに含む。ベースバンドプロセッサ245は、すべての受信チェーンから信号を受信し、受信信号の復調および復号化を実行する(必要に応じて)。
【0026】
調整可能な受信機はさらに、制御プロセッサ255を含む。制御プロセッサ255は、調整可能な受信機200の動作を指示し得る。制御プロセッサ255は、増幅器215、アナログフィルタ225、ADC230、および/またはベースバンドプロセッサ245用の1つまたは複数のコマンド信号(破線で示される)を生成する。コマンド信号はまた、本明細書では、ワイヤレスチャネルを介して送信されるアップリンクおよびダウンリンク制御信号からの名称を区別するために、内部制御信号と呼ばれ得る。
【0027】
調整可能な受信機200は、メモリ250をさらに含む。メモリ250は、情報および/または命令を記憶することができる任意の電子構成要素であり得る。たとえば、メモリ250は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、RAM内のフラッシュメモリデバイス、光記憶媒体、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EPROM)、レジスタ、またはそれらの組合せを含み得る。ある実施形態では、メモリ250は、非一時的コンピュータ可読媒体を含む。
【0028】
命令またはコードは、ベースバンドプロセッサ245および/または制御プロセッサ255によって実行可能なメモリ250に記憶され得る。「命令」および「コード」という用語は、任意のタイプのコンピュータ可読ステートメントを含むように広く解釈されるべきである。たとえば、「命令」および「コード」という用語は、1つまたは複数のプログラム、ルーチン、サブルーチン、関数、手順などを指し得る。「命令」および「コード」は、単一のコンピュータ可読ステートメント、または多くのコンピュータ可読ステートメントを含み得る。
【0029】
制御プロセッサ255は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、あるいは本明細書に記載の機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを使用して実装され得る。制御プロセッサ255はまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは他の任意のそのような構成として実装され得る。
【0030】
増幅器215、アナログフィルタ225、および/またはADC230は、調整可能な受信機200が帯域幅に応じて電力消費が変化するように異なる帯域幅の信号を受信するように適応できるように、調整可能なパラメータを有する構成要素であり得る。電力消費は、一般に、帯域幅が低減するにつれて低減する。たとえば、増幅器215およびアナログフィルタ225は調整可能な帯域幅を有し得、帯域幅は、対応するコマンド信号に従って設定される。さらに、ADC230は調整可能なサンプリングレートを有し得、サンプリングレートは、対応するコマンド信号に従って設定される。
【0031】
調整可能な受信機200が、比較的狭帯域の信号とそれに続く比較的広帯域の信号とを予期する例示的なシナリオを考慮する。狭帯域信号を受信する前に、制御プロセッサ255は、それに応じて増幅器215およびアナログフィルタ225の帯域幅を設定し、それに応じてADC230のサンプリングレートを設定し得る。狭帯域信号を受信した後、広帯域信号を受信する前に、制御プロセッサ255は、より広い帯域幅に対応するために増幅器215およびアナログフィルタ225の帯域幅を広げることができ、また、より広い帯域幅にも対応するためにADCのサンプリングレートを上げることができる。受信されるべき信号の帯域幅が大きくなればなるほど、信号を処理するためにより多くの電力が必要となる。
【0032】
図2のゼロIFアーキテクチャは、様々な帯域幅の信号を受信するように調整することができる多くの受信機アーキテクチャの1つであることが理解される。本開示による多くの異なる受信機アーキテクチャは、パラメータが調整され得る様々な組合せの増幅器、フィルタ、およびADCを使用し得る。
【0033】
本開示は、任意のタイプの変調方式を対象としているが、直交周波数分割多重化(OFDM)が代表的な変調として使用される。OFDMは、送信された信号の帯域幅の調整を直接的な方法で可能にする柔軟な変調方式である。
【0034】
OFDM変調は、いくつかの副搬送波を利用する。副搬送波間の間隔は固定されてもよく、利用される副搬送波の総数は、信号の帯域幅に応じて変更されてもよい。たとえば、副搬送波間の間隔は4kHzであり得、副搬送波の数は100であり得、この場合、信号帯域幅は、ガードバンドは一切数えずに、約400kHz(副搬送波の数×副搬送波間の間隔)である。したがって、OFDMを使用して帯域幅をスケーリングする1つの方法は、副搬送波の数をスケーリングすることである。副搬送波間の周波数間隔をスケーリングするなどの、OFDM信号の帯域幅をスケーリングするための他のよく知られている方法がある。OFDMは高速フーリエ変換(FFT)を用いて復調され、FFTの大きさは副搬送波の数に応じて変えられ得る。したがって、ベースバンドプロセッサ245は、復調を異なる信号帯域幅に適応させるために、アンテナ当たり少なくとも1つの調整可能なFFTを含み得る。制御プロセッサ255は、帯域幅に応じて変化するパラメータを有するOFDM信号にベースバンドプロセッサ245を適応させるために、FFTの大きさまたは他のパラメータを示すためにベースバンドプロセッサ245を制御し得る。OFDM信号が形成された後、それはRF搬送波と呼ばれることもある別個の単一の高周波数搬送波を用いて送信され得る。利用可能な時間-周波数リソースは、リソースブロックに分割され得る。各リソースブロックは、1つのOFDMシンボル期間内にN個の副搬送波(たとえば、12個の副搬送波)をカバーし得る。
【0035】
調整可能な受信機200の動作は、
図3を参照してさらに説明される。
図3は、図示されたフレームフォーマットの受信中の、RFフロントエンド212aなどの例示的なRFフロントエンドのフレームフォーマット310および対応する電力消費360を示す。フレームフォーマット310は、時間が送信時間間隔(TTI)に分割されるTDMフォーマットである。制御信号およびデータ信号は、TTI内で時分割多重化される。
図3は、このフレームフォーマット310内の送信信号の例示的なシーケンスを示す。
【0036】
TTIは、無線リンク上での送信の持続時間を指す場合がある。TTIは、上位ネットワーク層から無線リンク層に渡されるデータブロックの大きさに関連し得る。いくつかの実施形態では、OFDMシンボルなどのデータシンボルの持続時間は固定され、各TTIの間にあらかじめ定められた数のデータシンボル期間が存在する。たとえば、各TTIは、例として、8、10、または12個のシンボル期間など、任意の数のシンボル期間であり得る。
【0037】
ワイヤレス通信システムにおいて、ダウンリンク制御信号は、データセッションの確立、維持、または終了に関連するUEのための情報を含み得る。たとえば、TTIにおけるダウンリンク制御信号は、TTIにおいてダウンリンクデータ信号が続くかどうかに関する情報をUEに提供し得、そうである場合、制御信号はデータ信号の帯域幅を示し得る。
【0038】
フレームフォーマット310は、UE受信機における電力消費を低減する目的で設計されている。制御信号315は、各TTIの始めに送信される。制御信号は、データ信号と比較して比較的狭い帯域幅を使用する。制御信号の帯域幅は、制御情報を意図されたUEに伝達するのに十分であり、比較的少量の制御情報のために、データ信号のために使用されるより大きい帯域幅を使用する必要はない。TTIにおいて、制御信号は、制御信号に続くデータ信号があるかどうかを示す。いくつかの実施形態では、データ信号のために使用される帯域幅は可変であり、この場合、制御信号はまた、後続のデータ信号のために使用される帯域幅を示す。あるいは、いくつかの実施形態では、データ信号は常に特定の帯域幅(全帯域幅など)を占有し、この場合、データ信号の帯域幅が理解または暗示され、制御信号が帯域幅情報を伝達する必要はない。
【0039】
送信された信号の各々は、単一の搬送波周波数f
cを使用して送信される。単一の搬送波の使用は、キャリアアグリゲーションを使用するシステムと比較して受信機を単純化する。キャリアアグリゲーションは、典型的には複数のLOの使用を必要とするが、本明細書に記載されるシグナリング方式は1つのLOのみを使用することができる。しかしながら、本開示で説明した手法はまた、複数の搬送波周波数に適用され得る。
【0040】
フレームフォーマット310などの本明細書で開示されるフレームフォーマットは、送信エンティティまたは受信エンティティにおいて使用されるアンテナの数にかかわらず、適用され得る。たとえば、SISOシステムにおいて、信号は送信アンテナから送信され、受信アンテナにおいて受信される。別の例として、MIMOシステムにおいて、図示されるフレームフォーマットは、少なくとも1つのアンテナから送信される。複数のアンテナのうちの各アンテナは、同じまたは異なるパイロット構造を送信し得る。一実施形態では、図示されるフレームフォーマット310は、受信アンテナによって受信され、複数のアンテナからの信号の和である複合信号の一部であり得る。
【0041】
この例では、n番目のTTI(TTI
n)において、制御信号315は、指定されたUEに対して、TTIにおいてデータが後続しないことを示す。調整可能な受信機200は、制御信号315を受信するために使用され得る。調整可能な受信機200がTTI
nにおいて制御信号315を受信した後、RFフロントエンド構成要素215、225、および230は、制御プロセッサ255によって一時的にオフまたはシャットダウンされ得、調整可能な受信機200を「マイクロスリープ」の状態にする。たとえば、スイッチは、増幅器215、アナログフィルタ225、および/またはADC230、ならびにその電源などの構成要素間に配置され得、構成要素への電力を遮断するために、スイッチは一定時間開かれている。「マイクロスリープ」の別の例は、構成要素を、低減された容量で動作するために低減された電力量を受け取るアイドル状態にすることである。
【0042】
様々な信号の受信中の、調整可能な受信機200内のRFフロントエンド212aなどのRFフロントエンドのRF電力消費360が
図3に示されている。たとえば、TTI
nにおける制御信号315の受信中、電力消費は365によって表される。データがないと決定した後、調整可能な受信機200はマイクロスリープの状態に遷移し、その遷移中の電力消費は370によって表される。電力消費の低減は、経時的な線形の低減として表されるが、電力消費の実際の低減は非線形であり得、それにもかかわらず経時的に低減する。マイクロスリープ状態にされた後のTTI
nの間隔の間、RF電力消費は、増幅器215、アナログフィルタ225、およびADC230がシャットダウンされたため、信号が受信されているときよりもはるかに低い。
【0043】
TTI
n+1の少し前に、制御プロセッサ255は、増幅器215、アナログフィルタ225、およびADC230に、TTI
n+1の間に制御信号315を受信する前に電源をオンにするように通知する。その遷移中の電力消費は375によって表され、TTI
n+1における制御信号315の受信中の電力消費は380によって表される。シャットダウンされた受信機200内の構成要素は、信号を受信するために十分にパワーアップするための時間を必要とする。
【0044】
この例では、TTI
n+1において、制御信号315の後にデータ信号325が続く。ベースバンドプロセッサ245は、制御信号315を復調し、制御信号情報を制御プロセッサ255に提供する。制御信号315内の情報は、データ信号が続くことを制御プロセッサ255に示す。いくつかのシナリオでは、データ信号325は、制御信号315よりも広い帯域幅である。それに応答して、制御プロセッサ255は、より広い帯域幅のために適切に調整するように増幅器215、アナログフィルタ225、およびADC230に通知する。すなわち、増幅器215とアナログフィルタ225の帯域幅が大きくなり、ADC230のサンプリングレートも高くなる。いくつかの実施形態では、制御プロセッサ255はまた、増加した帯域幅に応じて適応するようにベースバンドプロセッサ245に通知する。たとえば、OFDM信号の復調のために、制御プロセッサ255は、着信データ信号を復調するために、FFTの大きさまたは他のパラメータを適切に調整するようにベースバンドプロセッサ245に通知する。
【0045】
フレームフォーマット310は、ユーザ間に周波数分割多重化(FDM)をさらに提供し得る。たとえば、帯域幅Bのデータ信号325は、異なるユーザに割り振られた帯域幅Bの異なる部分を有する周波数領域において分割され得る。ユーザのためのRFフロントエンド212は、周波数領域において所望の部分の抽出および復調がOFDM技法を使用してデジタル的に実行される帯域幅Bに対して、依然として適切に調整され得る。
【0046】
一実施形態では、制御信号315は、データが続くことを示すだけでなく、データ信号325の帯域幅も示す。この場合、制御プロセッサ255は、帯域幅を決定する。他の実施形態では、データ信号325は、利用可能な帯域幅全体などの同じ帯域幅を常に占有し、この場合、データ信号帯域幅は特定の値であると理解されてよく、制御信号に表示を含める必要はない場合がある。データ信号の帯域幅が変化することが許可される場合、調整可能な受信機200の構成要素は、利用可能なシステム帯域幅全体を使用して受信するために常に同調するのではなく、対象のデータ信号の帯域幅をカバーするのに足りる十分な帯域幅を使用して受信するようにデータ信号からデータ信号へと調整される。
【0047】
調整可能な受信機200が異なる帯域幅に調整することを可能にするために、制御信号315とデータ信号325との間に遷移期間320がある。遷移期間320は、受信機200がある帯域幅から別の帯域幅に切り替わるので、切替え間隔と呼ばれ得る。切替え間隔は、OFDMシンボル期間などのシンボル期間の整数に量子化され得る。この遷移期間320の間の電力消費は385によって表され、データ信号325の受信中の電力消費は390によって表される。
【0048】
TTI
n+2において、データ信号325と次の制御信号315との間に遷移期間330が存在する。遷移期間330は、調整可能な受信機200の時間が、制御信号315のためのより小さい帯域幅に遷移することを可能にする。遷移期間330の間に消費される電力は、395によって表される。
【0049】
いくつかの従来のTDMシステムは、典型的には、受信機が調整することを可能にするために遷移期間320および330を含まない。1つの理由は、いくつかの従来のTDMシステムにおいては、制御信号がデータ信号と同じ帯域幅を使用して送信されるので、受信機は異なる帯域幅間で遷移する必要がないということである。したがって、遷移期間320および330の間に消費される電力は、いくつかの従来のシステムと比較して
図3における信号方式の電力ペナルティを表す。しかしながら、
図3に示されるフレームフォーマットにおける制御信号315の受信中には、実質的な電力節約がある。電力節約は、データ信号の受信中に消費されるRF電力と、制御信号の受信中に消費されるRF電力との間の電力の差異を含む。対応するエネルギー節約量は、電力曲線の下の面積として計算される。いくつかの条件下では、総エネルギー節約はエネルギーペナルティを上回り、この場合、フレームフォーマットおよび対応する調整可能な受信機200は、従来のTDMシステムと比較してバッテリ寿命を延ばす。
【0050】
図4は、制御信号およびデータ信号を受信するための例示的な方法400を示すフローチャートである。方法400は、調整可能な受信機200に実装され得、方法400は、調整可能な受信機200を参照して説明される。方法400において受信される信号は、基地局110または他のタイプのアクセスポイントによって送信される。命令またはコードは、方法400を実施するために、
図2の調整可能な受信機200内の制御プロセッサ255によって実行可能なメモリ250に記憶され得る。
【0051】
方法400は、ブロック410において開始する。ブロック410において、狭帯域制御信号が受信され、調整可能な受信機200によって処理される。
図3のシグナリング方式に示されるように、制御信号はその帯域幅が典型的にはデータ信号よりも小さいので、狭帯域制御信号と呼ばれる。ブロック415において、現在のTTIにおいてデータ信号が制御信号に続くかどうかの決定が行われる。制御信号はこの情報を含み、制御信号はこの情報を抽出するために復調される。
【0052】
現在のTTIにおいて制御信号に続くデータ信号がないと決定された場合、本方法はブロック440に進み、増幅器215、アナログフィルタ225、および/またはADC230などの特定のRFフロントエンド構成要素に供給される電力は、構成要素をマイクロスリープ状態にするために低減される。制御プロセッサ255は、前述したように、受信器200内の構成要素の状態を制御するために、それらに信号を送信し得る。ある期間の後、ブロック445において、構成要素は、ブロック410において別の制御信号を受信する準備をするためにパワーアップまたは「ウェイクアップ」するように指示される。受信機200は、RFフロントエンドの構成要素がウェイクアップするように要求するために、次のTTIの開始直前まで待機し得る。
【0053】
ブロック415において、データ信号が制御信号に続くと決定された場合、本方法はブロック420に進む。ブロック420において、受信機200のRFフロントエンド212aは、データ信号を受信するように調整される。前述したように、制御信号は、データ信号の予測される帯域幅に関する情報を含み得る。あるいは、データ信号の帯域幅は、特定の値であると理解され得る。どちらの場合も、RFフロントエンドが調整される。制御プロセッサ255は調整を制御する。ベースバンドプロセッサ245もまた、調整され得る。
【0054】
次に、ブロック425において、データ信号が受信され処理される。ブロック425においてデータ信号が受信された後、ブロック430においてRFフロントエンドが制御信号を受信するように調整され、本方法はブロック410に戻り、再び開始する。方法400は、通信セッションが所望される限り継続する。いくつかの実施形態では、各TTIの開始時に制御信号が送信され、各TTI内でさらなる制御信号は送信されない。他の実施形態では、少なくとも1つの追加制御信号が各TTIにおいて送信される。たとえば、TTIの開始時に制御信号があり、TTIの途中に別の制御信号があり得る。
【0055】
図5は、図示されたフレームフォーマットの受信中の別のフレームフォーマット510およびRFフロントエンド560の電力消費を示す図である。フレームフォーマット510は、時間が送信時間間隔(TTI)に分割され、制御信号とデータ信号が時分割多重化されるTDMフォーマットである。
図5は、このフレームフォーマット510内の送信された信号シーケンスを示す。
【0056】
フレームフォーマット510の送信信号シーケンスは、データ信号が送信された場合、データ信号として帯域幅を使用して次の制御信号が送信され、そのためRFフロントエンドを調整するための切替え時間または切替え間隔がないという点でフレームフォーマット310とは異なる。RFフロントエンドを調整する必要がないので、データ信号はTTI境界まで送信され得る。シグナリングフォーマットは、より狭帯域の制御信号を用いたエネルギー節約の可能性と引き換えに、切替えによるシグナングの無駄時間をなくすことができるという利点を得る。したがって、信号方式は、制御信号がデータ信号に続くかどうかに応じて、狭帯域制御信号および広帯域制御信号の両方を使用する。
【0057】
図5に示されるシグナリング方式と
図3に示されるシグナリング方式との間の類似点および相違点は、
図6を参照して理解され得る。
図6は、制御信号およびデータ信号を受信するための例示的な方法600を示すフローチャートである。
図6において、ブロック410〜425、440、および445は、
図4における対応するブロックと同じである。
【0058】
ブロック425においてデータ信号が受信された後、方法600はブロック610に進み、ここで広帯域制御信号が受信される。制御信号は、帯域幅が以前に受信されたデータ信号と同じであり、データ信号帯域幅が典型的には狭帯域制御信号帯域幅よりも大きいので、広帯域制御信号と呼ばれ得る。
図5のフレームフォーマット510における制御信号515は例示的な狭帯域制御信号であり、制御信号530は例示的な広帯域制御信号である。RFフロントエンドがデータ信号525を受信するように調整することを可能にするために、狭帯域制御信号515の後に遷移期間520が続く。帯域幅が同じであるため、データ信号525と制御信号530との間には遷移期間は必要ではない。
【0059】
図3に関して先に説明したように、フレームフォーマット510は、ユーザ間にFDMをさらに提供し得る。たとえば、帯域幅Bのデータ信号525は、異なるユーザに割り振られた帯域幅Bの異なる部分を有する周波数領域において分割され得る。同様に、制御信号530も同様に分割され得る。ユーザのためのRFフロントエンド212は、周波数領域において所望の部分の抽出および復調がOFDM技法を使用してデジタル的に実行される帯域幅Bに対して、依然として適切に調整され得る。
【0060】
次に、決定ブロック615において、TTIにおいてデータ信号が広帯域制御信号に続くかどうかの決定が行われる。データが広帯域制御信号に続く場合、一実施形態では、データは制御信号と同じ帯域幅において送信されるので、RFフロントエンドを調整する必要はなく、データ信号がブロック620において受信される。別の実施形態では、データは、一般に、制御信号帯域幅よりも大きいか、または小さい場合がある帯域幅Bにおいて送信されるので、RFフロントエンドがデータ信号を受信するように調整される遷移期間が存在し得る。
【0061】
一方、広帯域制御信号に続くデータ信号がない場合、方法600はブロック440に進む。ブロック440において、増幅器215、アナログフィルタ225、および/またはADC230などの特定のRFフロントエンド構成要素に提供される電力は、構成要素をマイクロスリープ状態にするために低減される。ある期間の後、ブロック445において、構成要素は、ブロック410において別の制御信号を受信する準備をするためにパワーアップまたは「ウェイクアップ」するように指示される。受信機200は、RFフロントエンドの構成要素がウェイクアップするように要求するために、次のTTIの開始直前まで待機し得る。ウェイクアッププロセスの一部として、RFフロントエンドの帯域幅およびサンプリングレートは、狭帯域制御信号を受信するように設定される。命令またはコードは、方法600を実施するために制御プロセッサ255によって実行可能な調整可能な受信機200のメモリ250に記憶され得る。
【0062】
図7は、FDMシステムのための例示的なフレームおよび信号構造を示す。所与のUEに対して指定されたデータの搬送波周波数は固定されておらず、変化する場合がある。FDM方式では異なるUEのデータ信号が異なる周波数帯域で同時に送信され得るように、全システム帯域幅が複数の周波数帯域に分割され得る。たとえば、UE
1 710のためのデータ信号とUE
2 720のためのデータ信号とは、TTI
1の間に時間的には重複するが、周波数においては重複しない。
図7に示されるデータ信号の各々の中心周波数の搬送波信号は、様々なデータ信号を送信するために使用される。
【0063】
所与のUEに対してデータ信号のために割り振られた帯域幅は、たとえば、UE
1に宛てられたデータ信号710と730とを比較することによって示されるように、経時的に変化する場合がある。基地局は、たとえば、送信のために利用可能なデータ量対時間の変動のために、特定のUEのための帯域幅を変更することを決定し得る。
【0064】
いくつかの従来のFDM方式は、異なるUEに割り振られた全信号内の副搬送波の異なるグループを用いて、ダウンリンク送信のための全利用可能帯域幅を使用してOFDM信号を送信する。その結果、各UEは通常、UEに割り振られた副搬送波のグループを抽出するために、帯域幅全体を処理する。これと比較して、RF搬送波周波数が送信ごとに変化することが許可される場合、各UEは、その信号のためにどのRF搬送波が使用されているかを通知される。しかしながら、複数のRF搬送波による手法の利点は、データ信号が異なるRF搬送波を使用することが許可される場合には、帯域幅がより効率的に使用され得ることであり、そのため、各UEは帯域幅全体を処理する必要がなく、専用のRF搬送波を使用することができる。
【0065】
図8は、可変帯域幅を有するFDMをサポートするための、UE120と基地局110との間のシグナリング態様を示すプロトコル図である。この例では、制御信号は、データ信号から異なるチャネルを介して送信される。制御チャネルは、一例として、異なる周波数帯域内にあってもよく、異なるタイムスロット内にあってもよい。制御信号は、中心周波数(中心周波数が動的である場合)、および関連するデータ信号の帯域幅を示す。次いで、データ信号は、指定された帯域幅と中心周波数を使用して送信される。制御信号とデータ信号との間の時間間隔において、UE120の受信機はデータ信号帯域幅に同調される。このプロセスは、基地局110とUE120との間で伝達するデータがある限り繰り返される。
【0066】
基地局110は、利用可能なスペクトル帯域幅を効率的に利用するために、異なるUE120にわたってこのプロセスを調整し得る。この調整されたプロセスの一例は、
図7に関して説明されている。
【0067】
図9は、可変帯域幅シグナリングをサポートするための、UE120と基地局110との間のシグナリング態様を示すプロトコル図である。まず、UE120は、機能メッセージ(capability message)を基地局110に送信する。機能メッセージは、UE120のいくつかのパラメータおよび機能に対応する1つまたは複数の指示を提供し得る。機能メッセージは、UE120が様々な帯域幅の信号間を動的に切り替えることができるかどうかの表示を含み得る。機能メッセージは、基地局110が、UE120がそのRFフロントエンドを調整することを可能にするために、制御信号とデータ信号との間の時間間隔を挿入または予約することによって応答できるようにするために、UE120の切替えレイテンシの表示をさらに含み得る。時間間隔は、UEによって
示される切替えレイテンシに対応する。
【0068】
次に、基地局110は、機能メッセージに応答して応答メッセージを送信する。応答メッセージは、いくつかのパラメータおよび機能に対応する1つまたは複数の表示を提供し得る。たとえば、応答メッセージは、動的な帯域幅切替えがアクティブ化されたことを示し得る。動的な帯域幅切替えは、接続中に必要に応じて頻繁にアクティブ化または非アクティブ化され得る。したがって、動的な帯域幅切替えがアクティブ化または非アクティブ化されたことを示すメッセージは、必要に応じて頻繁に基地局110によって送信され得る。
【0069】
応答メッセージはまた、TTIにおける制御信号と対応するデータ信号との間の時間オフセットを示し得る。時間オフセットは、機能メッセージに示されている切替えレイテンシに基づき得る。時間オフセットは、制御信号を復号し、RFフロントエンドが帯域幅を切り替えることを許可するために必要なレイテンシに対応する。応答メッセージはまた、
図5に示されるように、帯域幅が次の制御信号のためのデータ信号の広い帯域幅に維持されているかどうかを示し得、または、
図3に示されるように、狭い帯域幅に戻る。あるいは、前の制御信号はまた、
図5に示されるように、帯域幅が次の制御信号のためのデータ信号の広い帯域幅に維持されているかどうかを示し得、または、
図3に示されるように、狭い帯域幅に戻る。
【0070】
あるいは、基地局110は、動的な帯域幅切替えをアクティブ化しないことを決定し得る。動的な帯域幅切替えがアクティブ化されない場合、制御信号はデータ信号と同じ帯域幅を占有し、制御信号とデータ信号との間に時間オフセットは存在しない。
【0071】
機能メッセージと応答メッセージが交換された後、必要に応じて制御情報およびデータ情報の送信を進めることができる。
図9に示される例では、制御信号は、基地局110によって送信され、UE120によって受信される。次に、UE120は、そのRFフロントエンドを調整し、次いで、データ信号が基地局110によって送信され、UE120によって受信される。
【0072】
図10は、本開示の態様を実装するトランシーバ900のブロック図である。トランシーバ900は、前述のように、アンテナ210、ベースバンドプロセッサ245、メモリ250、およびコントローラ/プロセッサ255を備える。トランシーバは、RF受信(Rx)フロントエンド910をさらに含む。各RF Rxフロントエンド910は、
図2に関して説明したように、増幅器、アナログフィルタ、およびADCを含み得る。他のRF Rxフロントエンドアーキテクチャは、本開示と互換性がある。たとえば、いくつかのRF Rxフロントエンドアーキテクチャは、ほとんどの処理をアナログ領域において実行し、いくつかのRF Rxフロントエンドアーキテクチャは、ほとんどの処理をデジタル領域において実行する。さらに、いくつかのRF Rxフロントエンドアーキテクチャは、ほとんどの処理をベースバンドではなく中間周波数(IF)において実行する。これらのRF Rxフロントエンドは、制御信号とデータ信号帯域幅との違いに対応するために調整可能にされ得る。
【0073】
トランシーバは、RF送信(Tx)フロントエンド920をさらに含む。各RF Txフロントエンド920は、ベースバンドプロセッサからデジタルデータシンボルのストリームを受け取り、対応するアンテナ210を介する送信のために、デジタルデータシンボルをアナログ信号に変換する。
【0074】
トランシーバ900は、基地局110またはUE120のいずれかに適している。トランシーバ900が送信モードにあるとき、RF Txフロントエンド920が接続され、様々な帯域幅の信号を生成するために、コントローラ/プロセッサ255が、RF Txフロントエンド920ならびにベースバンドプロセッサ245を制御する。RF Txフロントエンド920とベースバンドプロセッサ245との組合せは、送信機の一例である。RF Rxフロントエンド910とベースバンドプロセッサ245との組合せは、受信機の一例である。RF Rxフロントエンド910は、先に説明したRFフロントエンド212を備え得る。
【0075】
OFDMシンボルを復調するための前述の機能に加えて、ベースバンドプロセッサ245は、OFDMシンボルを変調するようにさらに構成され得る。OFDMシンボルの変調は、当技術分野においてよく知られており、いくつかの実施形態では、周波数領域データを時間領域に変換するために逆FFT(IFFT)が実行される。上述したように、OFDM信号の帯域幅を変更するための様々な技法が存在する。ある技法は、OFDM信号を生成するために使用される副搬送波の数を変化させることを含む。
【0076】
情報および信号は、様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表され得る。たとえば、上記の説明全体にわたって参照される場合があるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0077】
図11は、別のフレームフォーマット1110を示す。フレームフォーマットは、時間がTTIと制御信号とに分割され、データ信号が時間多重化されるTDMフォーマットである。
図11は、このフレームフォーマット1110内で送信信号シーケンスを示す。
【0078】
制御信号1115は狭帯域制御信号である。ある実施形態では、基地局は、受信機の帯域幅切替え遅延に対して1つの完全なTTI持続時間を許容する。制御信号1115を使用するシグナリングのための少なくとも2つのオプションがある。第1のオプションでは、TTI
n内の制御信号1115は、TTI
n+1においてより広い帯域幅のデータを受信するために、RFフロントエンド帯域幅の拡大をトリガするための帯域幅切替えインジケータを有する。このオプションでは、TTI
n+1内の制御信号1115は、どの周波数範囲がTTI
n+1内のデータに割り振られているかを示す。第2のオプションでは、TTI
n+1におけるデータ無線ブロック割振り1125は、TTI
nにおける制御信号1115を使用して割り振られるか、事前スケジューリングされる。TTI
n+1に対して広い無線フロントエンド帯域幅が設定されると、スケジューリングは、後続のTTIのために通常(すなわち、事前スケジューリングなし)に戻ることができる。たとえば、TTI
n+2における制御信号1115は、TTI
n+2におけるデータリソース1135および1145の使用を示す。
【0079】
第1のオプションの利点は、基地局内のスケジューラは、インジケータを設定するためにUEが次のTTIにおいてスケジュールされることを知ることしか必要としないことである。基地局スケジューラは、事前スケジューリングを行う必要はなく、対応する複雑さの増加を回避する。第2のオプションの利点は、帯域幅切替えインジケータがないという点で制御チャネルリソースの節約があることである。
【0080】
受信機帯域幅エンベロープが
図11に示されている。受信機帯域幅エンベロープは、対象のフレームフォーマット内の調整可能な受信機200などの受信機によって利用される周波数範囲対時間を表す。遷移期間1120の間に、受信機帯域幅は、制御信号1115の受信のための比較的狭い帯域幅から、データの受信のための比較的広い帯域幅(この実施形態では、データにとって利用可能な全システム帯域幅または全帯域幅)に遷移し得る。同様に、遷移期間1130の間に、受信機帯域幅は、図示されるように、比較的広い帯域幅から比較的狭い帯域幅に遷移し得る。
【0081】
図12は、別のフレームフォーマット1210を示している。このフレームフォーマットでは、受信機帯域幅が制御信号を受信するための狭い帯域幅からデータ信号を受信するためのより広い帯域幅に遷移するために十分な時間があるように、データ信号はTTIの後半部分または一部のみに割り振られ得る。たとえば、TTI
nにおいて、制御信号1215は、TTI内の後半にデータ信号1225が存在することを示し得る。したがって、
図11における例よりも短いTTIの持続時間が、受信機の帯域幅切替えにとって利用可能であり得る。遷移期間1220の間、受信機の帯域幅は増加される。受信機のそのような例示的な増加は、
図12の受信機帯域幅エンベロープによって示される。
【0082】
受信機がTTI
n内のより広い帯域幅に遷移されると、周波数内の制御チャネルと多重化するオプションを含む、データ割振りがTTI全体に及ぶ可能性がある。たとえば、TTI
n+1内の制御信号1215は、データ信号1235および1245の帯域幅を示し得る。受信機がより高い帯域幅に送信した後に送信される制御信号は広帯域制御信号と呼ばれ得、いくつかの実施形態では、広帯域制御信号は、異なる周波数帯域で同時に送信される(すなわち、周波数分割多重化される)制御信号および1つまたは複数のデータ信号を参照する。広帯域制御信号の一例は、
図12のTTI
n+1における制御信号1215であり、この制御信号は、データ信号1235および1245と周波数分割多重化される。いくつかの実施形態では、広帯域制御信号が送信される時間間隔中、送信信号は、制御信号部分とデータ信号部分を含む。
【0083】
図12はまた、制御信号の受信のために受信機を狭帯域に戻すためのカウントダウンメカニズムを示す。TTI
n+2において、制御信号1215は、TTI
n+2内にデータがないことを示す。したがって、TTI
n+2は、たとえば
図2に関して先に説明したメカニズムを使用して、受信帯域幅を狭い帯域幅に戻すための候補である。しかしながら、受信機を帯域幅間で頻繁に遷移させるのではなく、カウントダウンメカニズムが使用される。送信するべきデータがない最初のTTIにおいては、カウンタは、4、3、2、1、または任意の整数値などの最大値に設定される。
図12の実施形態では、最大値は1である。カウンタは、データを含まない後続の連続したTTIごとにデクリメントされる。TTIがデータを含む場合、カウンタは最大値にリセットされる。
図12の例では、TTI
n+3において、送信するべきデータがない場合、カウンタはゼロにデクリメントされる。ゼロのカウンタ値は、受信機がその後その帯域幅を縮小させるべきであることを示す。たとえば、TTI
n+3では、受信機は図示されるようにその帯域幅を縮小する(受信機エンベロープは、遷移期間1230の間に広い帯域幅から狭い帯域幅に遷移する)。カウントダウンタイマの代替は、データを含まない最初のTTIにおいて受信機の帯域幅が狭い帯域幅に縮小されることである。
【0084】
図13は、別のフレームフォーマット1310を示す。フレームフォーマット1310は、フレームフォーマット1310では、受信機の実施形態がデータ割振りに従って帯域幅適応とともに拡張されることを除いて、フレームフォーマット1110と同様である。たとえば、
図11では、TTI
n+1の間、受信機帯域幅はシステム帯域幅または最大サポートデータ帯域幅に設定されているが、
図13では、TTI
n+1の間の受信機帯域幅は、中心周波数f
cに関して対称のままでありながらデータ信号1325を受信するためにちょうど十分な大きさに設定されている。
【0085】
さらに、
図11では、制御信号1115を使用するシグナリングのための少なくとも2つのオプションがある。第1のオプションでは、TTI
n内の制御信号1115は、TTI
n+1においてより広い帯域幅のデータを受信するためにちょうど十分な広さにするためのRFフロントエンド帯域幅の拡大をトリガするための帯域幅切替えインジケータと帯域幅情報とを有する。第2のオプションでは、TTI
n+1におけるデータ無線ブロック割振り1125は、TTI
nにおける制御信号1115を使用して割り振られるか、事前スケジューリングされる。TTI
n+1に対して広い無線フロントエンド帯域幅が設定されると、スケジューリングは、後続のTTIのために通常(すなわち、事前スケジューリングなし)に戻ることができる。たとえば、TTI
n+4における制御信号1115は、TTI
n+4におけるデータリソース1335の使用を示す。さらなる例として、TTI
n+2およびTTI
n+3における制御信号1115は、それぞれのTTI内にデータがないことを示しているので、受信機帯域幅は狭いままであり、受信機はマイクロスリープ状態に遷移し得る。
【0086】
図14は、別のフレームフォーマット1410を示す。このフレームフォーマット1410が使用されるとき、中心周波数は、TTIとは無関係に同じままではなくてもよい。このフレームフォーマットは、その中心周波数およびRFフロントエンド帯域幅を変化させることができる受信機の使用を容易にする。受信機帯域幅エンベロープが示される。
【0087】
受信機の帯域幅は、TTI
nにおける制御信号1415の中心の周波数の中心に置かれ、次いで、中心は、遷移期間1420の間に、データ信号1445の中心の周波数にシフトされる。
【0088】
制御信号1415を使用してデータ信号1445、1455、および1465の事前スケジューリングと組み合わされたこのフレームフォーマット1410は、制御信号1425が、データ信号1445、1455、および1465を受信するように構成された受信機によって無視され得ることを意味する。
図14に示されるように、データ信号に対する事前スケジューリングの部分TTIが実行され得る。たとえば、データ信号1445および1465は、TTI時間間隔の一部を占有し、データ信号の持続時間は、制御信号1415によって示され得る。データ信号1465の後、RFフロントエンドは、遷移期間1430の間に制御信号1435の帯域幅に再同調される。
【0089】
図15は、別のフレームフォーマット1510を示す。フレームフォーマット1510は、制御信号およびデータ信号がUEによって受信され、データ信号の受信に応答してUEによって確認応答メッセージ(ACK)が送信される例示的なTDMフォーマットである。ある実施形態では、先行するデータ信号のすべてまたは一部が正しく受信されたかどうかを示すためにACKが使用される。このフレームフォーマット1510において、受信機のRFフロントエンド帯域幅は、データ割振りを有していないTTIが受信されるまで、システム帯域幅または最大利用可能データ帯域幅に維持される。たとえば、TTI
n+2において、制御信号1535は、TTI内にデータが存在しないことを示すので、受信機は、図示されるように、遷移期間1530の間にその帯域幅を縮小することができる。保護期間は、ACKのいずれかの側に挿入され得る。たとえば、保護期間1544および1546は、ACK1445のいずれかの側に挿入される。
【0090】
フレームフォーマット1510に従ってデータ信号をスケジューリングする例示的な実施形態は、以下の通りである。TTI
n中の制御信号1515は、TTIのわずかな間、データ信号1565をスケジューリングするために使用され得る。制御信号1515を受信した後、受信機は、図示されるようにデータ信号1565を受信するために、そのRFフロントエンド帯域幅を遷移させる。代替として(図示せず)、TTI
nの制御信号1515は、
図11において説明された方式と同様に、帯域幅切替えインジケータまたは事前スケジューリング情報を搬送することができ、データ割振りはTTI
n+1まで延期される。この方式は、データ転送の遅延開始を犠牲にして、TTIのわずかな間だけ(1565のように)データRBの割振りを回避する。その後、TTI内の制御信号がTTI内にデータがないことを示すまで、RFフロントエンド帯域幅は広い帯域幅に維持される。狭帯域制御信号1525は、データ信号1575が存在することを示しているので、受信機は、データ信号を受信するように構成されている。制御信号1525は、利用可能な副搬送波のサブセットを使用し得、制御信号1525と同時にデータ信号1575の一部が残りの利用可能な副搬送波を占有し得る。制御信号1535は、TTI
n+2にデータがないことを示すので、受信機はそのRFフロントエンド帯域幅を縮小させ、また遷移期間1530の間にマイクロスリープ状態に遷移し得る。
【0091】
フレームフォーマット1510のいくつかの利点は、以下のものを含む。第1に、連続的なTTIデータ割振りのために、一旦RF帯域幅の拡大(データ無線ブロックの遅延開始を引き起こす)にオーバーヘッドが支払われると、後続のTTIにおいて、データ無線ブロックオーバーヘッドはない。第2に、
図12に関して説明したカウントダウンタイマまたは帯域幅切替えインジケータなどの、広帯域から狭帯域への遷移のための拡張も適用され得る。
【0092】
図16は、別のフレームフォーマット1610を示す。フレームフォーマット1610は、制御信号およびデータ信号がUEによって受信され、データ信号の受信に応じてUEによってACKが送信される例示的なTDMフォーマットである。フレームフォーマット1610に従ってデータ信号をスケジューリングする例示的な実施形態は、以下の通りである。TTI
n中の制御信号1615は、TTIのわずかな間、データ信号1620をスケジューリングするために使用され得る。制御信号1615を受信した後、受信機は、図示されるようにデータ信号1620を受信するために、そのRFフロントエンド帯域幅を遷移させる。受信機は、図示されるように、各制御信号の受信のために狭帯域の帯域幅に切り替えて戻る。たとえば、受信機は、遷移期間1640の間に狭い帯域幅に遷移し、次いで、図示されるように、狭い帯域幅を使用して制御信号1625を受信する。フレームフォーマット1610の利点は、帯域幅切替え動作がTTIにわたって同一であることを含み得る。
【0093】
図3および
図5におけるフレームフォーマットが、前述のように調整可能な受信機200を使用してどのように実装され得るかが理解されると、
図11〜
図16におけるフレームフォーマットが調整可能な受信機200を使用して簡単な方法で実装され得ることが容易に理解される。
【0094】
本明細書の開示に関連して記載された様々な例示的なブロックおよびモジュールは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGAまたは他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、あるいは本明細書に記載の機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せによって実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替として、プロセッサは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ(たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは他の任意のそのような構成)として実装され得る。
【0095】
本明細書で説明される機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せにおいて実装され得る。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実施される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、またはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。他の例および実装形態は、本開示および添付の特許請求の範囲の範囲内にある。たとえば、ソフトウェアの性質のために、上述の機能は、プロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤリング、またはこれらの任意の組合せによって実行されるソフトウェアを使用して実装され得る。機能を実装する特徴はまた、機能の部分が異なる物理的ロケーションにおいて実装されるように分散されることを含めて、様々な位置に物理的に位置していてもよい。また、特許請求の範囲を含めて本明細書で使用される場合、項目のリスト(たとえば、「〜の少なくとも1つ」あるいは「〜の1つまたは複数」などの句が後に続く項目のリスト)において使用される「または」は包括的リストを示すので、たとえば[A、B、またはCの少なくとも1つ]のリストは、AまたはBまたはCまたはABまたはACまたはBCまたはABC(すなわち、AおよびBおよびC)を意味する。
【0096】
当業者には既に理解されるように、および当面の特定の用途に応じて、本開示のデバイスの使用の材料、装置、構成、および使用法において、およびそれらに対して、それらの精神および範囲から逸脱することなしに多くの修正、置換、および変形が行われ得る。これに照らして、本明細書において図示および説明されている特定の実施形態はそのいくつかの例としてのものにすぎないため、本開示の範囲はそれらの特定の実施形態の範囲に限定されるべきではなく、むしろ、下記に添付されている特許請求項およびそれらの機能的な均等物の範囲と完全に同等であるべきである。