(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ビルドユニットは、少なくとも第1のビルドユニットと第2のビルドユニットとをさらに備え、前記第1のビルドユニットは、前記第1の走査領域(812A)内に前記第1の固化部分(908, 909)を形成し、前記第2のビルドユニットは、前記第2の走査領域(812B)に前記第2の固化部分(907, 903)を形成する、請求項1に記載の方法。
前記第1の固化部分(908, 909)と前記第2の固化部分(907, 903)とのずれの度合い、および、前記第1の固化部分と前記第2の固化部分との重なり(913)の度合いのうちの前記少なくとも一方を検出することにより、ずれの値を決定するステップと、
前記ずれの値を用いて付加製造を較正するステップと
をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
前記第1の固化部分および前記第2の固化部分は、粉末の層に照射することにより形成され、前記第1の固化部分および前記第2の固化部分は、前記粉末の層における前記第1の走査領域および前記第2の走査領域に形成される唯一の固化部分である、請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
前記第1の固化部分(908, 909)および前記第2の固化部分(903, 907)は、粉末の層に照射することにより形成され、前記第1の固化部分および前記第2の固化部分は、前記第1の走査領域(812A)内または前記第2の走査領域(812B)内の第3の固化部分が形成される前に、前記第1の走査領域(812A)および前記第2の走査領域(812B)に形成される、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
前記第1の固化部分および前記第2の固化部分は、粉末の層に照射することにより形成され、前記第1の固化部分および前記第2の固化部分は、前記粉末の層における前記第1の走査領域および前記第2の走査領域に形成される唯一の固化部分である、請求項1〜10の何れか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に記載した態様は、上記に概要を記した例の態様と併せて記載されているが、様々な代替例、変更例、変形例、改善例、および/または実質的な均等物は、すでに知られているかどうか、または、現在は予期されない、もしくは現在は予期されないことがあり得るかどうかに拘わらず、少なくとも通常の当業者には明らかとなり得る。したがって、前述したような例の態様は、限定ではなく例示となるように意図されている。様々な変更が、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、行われ得る。そのため、本開示は、あらゆる知られている、または後で開発される代替例、変更例、変形例、改善例、および/または実質的な均等物を包含するように意図されている。
【0014】
図2は、本発明で使用可能な大規模なAM装置の一実施形態の例を示している。本装置は、位置決め可能システム(図示せず)と、照射放出方向付け装置401を備えるビルドユニット400と、層状ガス流帯域404と、構築されている物体415の下のビルドプレート(図示せず)とを備える。最大ビルド領域が、従来のシステムでのような粉末床による代わりに、位置決めシステム(図示せず)によって定められ、具体的な構築のためのビルド領域は、物体と共に動的に構築され得るビルド外被414に制限され得る。概して、本発明において使用される位置決めシステムは、ガントリーシステム、デルタロボット、ケーブルロボット、ロボットアームなどの任意の多次元位置決めシステムであり得る。照射放出方向付け装置401は、第2の位置決めシステム(図示せず)によってビルドユニット400の内側に独立して移動させられ得る。ビルドユニットの外部の周囲環境、つまり、「ビルド環境」または「閉じ込め帯域」は、酸素含有量が典型的な周囲空気に対して低減されるように制御でき、そのため環境は低い圧力になっている。一部の実施形態では、使用されるリコータは選択的なリコータである。選択的なリコータ411の一実施形態が
図2に示されている。
図2は例を示しているが、本発明が、単一の定置スキャナー、複数の定置スキャナー、および/または、複数の定置および/もしくは持ち運び可能ビルドユニットにも適用可能であることに留意されたい。
【0015】
レーザー発生源の場合、照射放出方向付け装置によって方向付けられるレーザー照射を含む光子から生じる照射発生源があり得る。照射発生源がレーザー発生源であるとき、照射放出方向付け装置は、例えばガルボスキャナーとでき、レーザー発生源はビルド環境の外部に位置付けられ得る。これらの状況において、レーザー照射は、例えば光ファイバーケーブルといった任意の適切な手段によって照射放出方向付け装置に伝えられ得る。照射発生源が電子発生源である場合、電子発生源は、照射放出方向付け装置によって方向付けられるeビームを含む電子から生じる。照射発生源が電子発生源である場合、照射放出方向付け装置は、例えば偏向コイルであり得る。本発明の実施形態による大規模な付加製造装置が動作している場合に照射放出方向付け装置がレーザービームを方向付けるとき、概して、実質的に層状のガス流帯域を提供するガス流装置404を含むことは有利である。電子ビームが、レーザーの代わりに、または、レーザーとの組み合わせで使用されてもよい。eビームは、照射のよく知られている発生源である。例えば、「Arrangement and Method for Producing a Three-Dimensional Product」という名称のLarssonの米国特許第7,713,454号(「Larsson」)は、eビームシステムを詳述しており、参照により本明細書に組み込まれている。
【0016】
ガス流装置404は、ガス流帯域403およびリコータ405へとガス流を提供できる加圧出口部分(図示せず)および真空入口部分(図示せず)にガスを提供できる。ガス流帯域404の上方には、不活性環境419を包含し得る包囲体418がある。リコータ405は、後板407と前板408とを備えるホッパ406を含み得る。リコータ405はまた、少なくとも1つの作動要素409と、少なくとも1つのゲート板410と、リコータブレード411と、アクチュエータ412と、リコータアーム413とを有している。リコータは装着板420に装着されている。
図2はまた、例えば付加製造またはMig/Tig溶接によって構築され得るビルド外被414と、形成されている物体415と、物体415を形成するために使用されるホッパ406に収容される粉末416とを示している。この具体的な例では、アクチュエータ412は、ゲート板410を前板408から離すように引っ張るために、作動要素409を作動させる。実施形態では、アクチュエータ412は例えば空圧アクチュエータとでき、作動要素409は双方向弁とできる。実施形態では、アクチュエータ412は例えば音声コイルとでき、作動要素409はバネとできる。前板408と後板407との間には、対応するゲート板が作動要素によって粉末ゲートから離すように引っ張られるとき、粉末を流すことができるホッパ隙間417もある。粉末416、後板407、前板408、およびゲート板410はすべて同じ材料であり得る。代替で、後板407、前板408、およびゲート板410はすべて同じ材料とでき、その材料は、例えばコバルトクロムなどの任意の所望の材料と相性の良い材料であり得る。本発明の一実施形態のこの具体的な例示において、ガス流帯域404におけるガス流は、x方向に流れるが、ビルドユニットに対して任意の所望の方向で流れてもよい。リコータブレード411はx方向において幅を有する。θ
2がおおよそ0であるときの照射放出ビームの方向は、この図においてz方向を定めている。ガス流帯域404におけるガス流は実質的に層状であり得る。照射放出方向付け装置401は、第2の位置決めシステム(図示せず)によって独立して移動可能であり得る。この例示は、ゲート板410を閉じた位置において示している。
【0017】
さらに、前述の選択的な粉末リコート機構405は、単一の粉末分配装置のみを含むが、粉末リコート機構が、複数の異なる材料の粉末を収容する複数の区画室を含み得ることも可能であることに留意されたい。
【0018】
ゲート板410が開位置にあるとき、ホッパにおける粉末は新たな粉末層521を作るために堆積させられ、その粉末層521は、実質的に均一な粉末層を作るためにリコータブレード511によって滑らかにさせられる。本発明のいくつかの実施形態では、実質的に均一な粉末層は、ビルドユニットが移動しているときに同時に照射されてもよく、これは、ビルドユニットの連続的な動作を可能にし、したがって、物体のより素早い生産を可能にする。
【0019】
図3は、ビルドプラットフォームの遠い側において描写されている、ビルドユニット302の詳細を含む製造装置300の側面図を示している。持ち運び可能なビルドユニット302は、照射ビーム方向付け機構506と、ガス入口およびガス出口(図示せず)がガス流をガス流帯域の方向538においてに提供している状態でのガス流機構532と、粉末リコート機構504とを備える。この例では、流れ方向は実質的にX方向に沿っている。ガス流帯域538の上方には、不活性環境542を包含する包囲体540が存在し得る。リコータプレート544に装着される粉末リコート機構504は、後板546と前板548とを含む粉末分配装置512を有する。粉末リコート機構504はまた、少なくとも1つの作動要素552と、少なくとも1つのゲート板516と、リコータブレード550と、アクチュエータ518と、リコータアーム508とを有している。この実施形態では、アクチュエータ518は、
図3に示されているように、ゲート板516を前板548から離すように引っ張るために、作動要素552を作動させる。ゲート板516が作動要素552によって前板548から離すように引っ張られるとき、粉末を回転するビルドプラットフォーム310へと流すことができる隙間564が前板548とゲート板516との間にもある。回転するビルドプラットフォーム310はモータ316によって回転可能に制御され得る。
【0020】
図3は、ゲート板516が開位置にある状態でビルドユニット302を示している。粉末分配装置512における粉末515は、新たな粉末の層554を作るために堆積させられ、粉末の層554は、実質的に均一な粉末層556を作るために、リコータブレード510によって、回転するビルドプラットフォーム310の上面(つまり、ビルド面または作業面)の一部分にわたって滑らかにされ、粉末層556は、次に、印刷物体330の一部である溶融層へと照射ビーム558によって照射される。一部の実施形態では、実質的に均一な粉末層556は、ビルドユニット302が移動しているときに同時に照射されてもよく、これは、ビルドユニット302の連続的な動作を可能にし、したがって、印刷物体または成長物体330のより時間効率の良い生産を可能にする。回転するビルドプラットフォーム310において構築されている物体330は、外側ビルド壁324と内側ビルド壁326とによって制約される粉末床314に示されている。本発明の一実施形態のこの具体的な例示において、ガス流帯域532におけるガス流は、x方向に流れるが、ビルドユニットに対して任意の所望の方向で流れてもよい。
【0021】
前述の選択的な粉末リコート機構504は、単一の粉末分配装置のみを含むが、粉末リコート機構が、複数の異なる材料の粉末を収容する複数の区画室を含み得ることも可能であることに留意されたい。
【0022】
本発明に従って使用され得る単一および/または複数のユニットのためのビルドユニットおよび位置決め機構についての追加の詳細は、2017年5月31日に出願された代理人整理番号037216.00103の「Additive Manufacturing Using a Mobile Build Volume」という名称の米国特許出願第15/610,177号、2017年5月31日に出願された代理人整理番号037216.00102の「Apparatus and Method for Continuous Additive Manufacturing」という名称の米国特許出願第15/609,965号、2017年5月31日に出願された代理人整理番号037216.00108の「Method for Real-Time Simultaneous Additive and Subtractive Manufacturing With a Dynamically Grown Build Wall」という名称の米国特許出願第15/610,113号、2017年5月31日に出願された代理人整理番号037216.00109の「Method for Real-Time Simultaneous and Calibrated Additive and Subtractive Manufacturing」という名称の米国特許出願第15/610,214号、2017年5月31日に出願された代理人整理番号037216.00110の「Apparatus and Method for Real-Time Simultaneous Additive and Subtractive Manufacturing with Mechanism to Recover Unused Raw Material」という名称の米国特許出願第15/609,747号、2017年1月13日に出願された代理人整理番号037216.00061の「Additive Manufacturing Using a Dynamically Grown Build Envelope」という名称の米国特許出願第15/406,444号、2017年1月13日に出願された代理人整理番号037216.00059の「Additive Manufacturing Us
ing a Mobile Build Volume」という名称の米国特許出願第15/406,467号、2017年1月13日に出願された代理人整理番号037216.00060の「Additive Manufacturing Using a Mobile Scan Area」という名称の米国特許出願第15/406,454号、2017年1月13日に出願された代理人整理番号037216.00062の「Additive Manufacturing Using a Selective Recoater」という名称の米国特許出願第15/406,461号、および、2017年1月13日に出願された代理人整理番号037216.00071の「Large Scale Additive Machine」という名称の米国特許出願第15/406,471号において見出すことができ、これらの開示内容は、参照により本明細書において組み込まれている。
【0023】
前述の付加機械の1つの利点は、一部の実施形態において、ビルドプレートが鉛直方向において(つまり、z方向において)静止できることである。これは、一部の機構にビルドプレートを上昇および下降させることを必要とし、そのため使用できる材料の量を制限してしまう先行技術の方法およびシステムと異なり、ビルドプレートに必要なだけの材料を支持させることができる。したがって、大規模な付加機械が大きなビルド外被内で物体を製造するのに特に適する。ビルド外被に関して、外被の精度および品質は比較的重要ではない可能性があり、そのため迅速なビルド技術が有利に使用される。概して、ビルド外被は、例えば、Mig溶接もしくはTig溶接によって、またはレーザー粉末堆積によってといった、任意の適切な手段によって構築され得る。壁が付加製造によって構築される場合、異なる照射放出方向付け装置が、物体を構築するために使用される壁を構築するために使用され得る。これは、壁を構築することが、特定の照射放出方向付け装置および方法によってより迅速に行われ得るため有利であり、一方、より遅くより正確な方向付け装置および方法は、物体を構築するために所望され得る。
【0024】
例えば、
図4に示されているように、本発明のシステムおよび方法は、1つまたは複数の物体を構築するために2つ以上のビルドユニットを使用できる。ビルドユニット、物体、およびそれらのそれぞれの大きさの数は、装置の物理的な空間構成のみによって制限される。
図8は、本発明の実施形態による大規模な付加製造機械800の上から下へ見下ろした図を示している。位置決めシステム801に装着される2つのビルドユニット802Aおよび802Bがある。ビルドユニットをz方向において移動するためのzクロスビーム803Aおよび803Bがある。ビルドユニットをx方向において移動するためのxクロスビーム804Aおよび804Bがある。ビルドユニット802Aおよび802Bは、ユニットをy方向において移動させる機構805Aおよび805Bによってxクロスビーム804Aおよび804Bに取り付けられている。形成されている物体はこの図では示されていない。ビルド外被(同じくこの図では示されていない)が、レーザー粉末堆積によることを含め、ビルドユニットの一方または両方を使用して構築され得る。ビルド外被は、例えば溶接によって構築されてもよい。概して、任意の数の物体およびビルド外被は、本発明の方法およびシステムを同時に用いて構築できる。
【0025】
前述したように、ビルドユニット(例えば、
図2および
図3に示されているようなもの)および/または複数のビルドユニットは、ビルド材料(例えば、粉末)を選択的に提供するために、および、ビルド材料を走査領域内で少なくとも部分的に溶解または焼結するために、使用されてもよい。AM装置を用いて製造されている構成要素の大きさが増大するにつれて、構成要素の一部分は、別の走査帯域へと移動するためにビルドユニットを必要とする可能性がある。さらに、AM構築物の単一のより大きな少なくとも部分的に固化された層を形成するために、構築物の一部分は2つ以上の走査帯域を連結させる必要があり得る。1つの単純化された例が
図4に示されている。
図4では、2つのビルドユニット802Aおよび802Bが、ビルドユニットをx、y、およびzの方向に沿って移動させることができる位置決めシステム801に装着されている。さらに、位置決めシステム801は、ビルドユニットを軸806および808の周りで回転させることができる。位置決めシステムは、ビルドユニットを正確に移動させるために、一連のモータおよびセンサに依拠し得る。例えば、
図4に示されているように、ビルドユニット802Aは、走査帯域812A内の領域を溶融することができる。次に、ビルドユニット802は、第2の走査帯域812Bへと移動して構築物の第2の部分を溶融し、より大きな溶融領域を両方の走査帯域812Aおよび812B内に形成することができる。同様に、ビルドユニットは、走査帯域814A内の領域を溶融でき、次に、移動して構築物の第2の部分を溶融し、より大きな溶融領域を両方の走査帯域814Aおよび814B内に形成することができる。ビルドユニット802Bが、走査帯域816A内の領域を溶融できる。次に、ビルドユニット802Bは、第2の走査帯域816Bへと移動して構築物の第2の部分を溶融し、より大きな溶融領域を両方の走査帯域816Aおよび816B内に形成することができる。さらに、ビルドユニット802Bを用いて第1の溶融領域を走査帯域818B内に形成し、ビルドユニット802Aを用いて溶融領域の第2の部分を走査帯域818A内に形成することが可能である。前述の例の筋書きが示しているように、持ち運び可能なビルドユニットおよび/または複数のビルドユニットを使用するAM構築物の層を溶融することは
、ビルドユニットの正確な位置決めを要求する。したがって、ビルドユニットを移動させるモータおよびセンサが正確に較正されることを確保することが益々重要になる。さらに、各々の走査帯域内の溶融領域が、後続の走査帯域内の連結される溶融領域と合致して適切に調和することを確保するために、ガルバノメータスキャナー、レーザー、および/またはeビームが較正されることを確保することも、必要であり得る。
【0026】
さらに、
図3に示されているようなAM装置が使用されるとき、AM装置は、持ち運び可能なビルドプラットフォーム310を較正するためにさらに必要であってもよい。したがって、本発明は、典型的なAM機械に加えて、持ち運び可能なビルドユニット、および、持ち運び可能なビルドプラットフォーム(例えば、
図3に示されているようなもの)と導通して使用される持ち運び可能なビルドユニットを有するAM機械に適用可能である。
【0027】
前述したように、ビルドユニット(例えば、
図2および
図3に示されているようなもの)は、ビルド材料(例えば、粉末)を選択的に提供するために、および、ビルド材料を走査領域内で少なくとも部分的に溶解または焼結するために、使用される。AM装置を用いて製造されている構成要素の大きさが増大するにつれて、構成要素の一部分は、別の走査帯域へと移動するためにビルドユニットを必要とする可能性がある。さらに、AM構築物の単一のより大きな少なくとも部分的に固化された層を形成するために、構築物の一部分は2つ以上の走査帯域を連結させる必要があり得る。
【0028】
位置決めシステムおよび/または走査システムを較正するために、
図5に示されているように、第1の走査帯域901が、同じビルドユニットの2つの異なる位置、または、2つのビルドユニットを用いる2つの異なる位置において、第2の走査帯域902の近くに形成され得る。
図5は正方形の走査帯域を示しているが、本発明がこのようなものとして限定されていないことに留意されたい。例えば、持ち運び可能で示された態様では(例えば、回転するビルドプラットフォーム)、
図3に示されているように、走査帯域は、例えば、パイ形状とされ得る、または、2つの円弧の形および/または円形の境界と、2つの直線の境界とを含み得る。さらに、別の態様では、走査帯域は、AM工程の間に形成されている物体に基づいて選択され得る三角形、円形、楕円形、または任意の他の形であってもよい。したがって、当業者は、本明細書を通じて言及された方法が、任意の形とされた境界を有する任意の形とされた走査帯域に適用可能であることを理解する。第1の走査帯域は、ビルドユニット(例えば、
図2および
図3に示されているようなビルドユニット400および/または302)の第1の場所における走査可能領域の一部分を表し得る、および/または、例えば、ビルドユニット302に関して
図3に示したビルドプラットフォーム310の第1の位置を表し得る。第2の走査帯域902は、ビルドユニット(例えば、
図2および
図3に示されているようなビルドユニット400および/または302)の第2の場所における走査可能領域の一部分を表し得る、および/または、例えば、ビルドユニット302に関して
図3に示したビルドプラットフォーム310の第2の位置を表し得る。走査可能領域は、照射発生源がビルドユニットの特定の場所においてビルド材料を少なくとも部分的に溶融することができる表面領域を表し得る。例えば、
図2を参照すると、走査可能領域は、ビルドユニット400がビルド表面415および/または416Bに対してただ1つの配向にある間に照射発生源402が動作できる(例えば、ビルド材料を溶融および/または焼結できる)粉末の表面領域416Bおよび/または溶融領域415を含み得る。別の言い方をすれば、領域901および902は、ビルドユニットおよび/またはプラットフォームがただ1つの静止配向にある間の全体の走査可能領域の少なく
とも一部分である表面を表し得る。
【0029】
図4に示しているように、走査領域の各々は、所望のAM構築物の各々の層をビルドユニット位置およびラスター走査領域へと分割するソフトウェアによって選択され得る。各々の走査領域812A〜812B、814A〜814B、816A〜816B、および/または818A〜818Bは、一連の固化線(図示せず)を用いて形成され得る。本発明に従って使用され得る走査方策についての追加の詳細は、2017年3月7日に出願された代理人整理番号037216.00070の「Triangle Hatch Pattern for Additive Manufacturing」という名称の米国特許出願第15/451,108号、2017年3月6日に出願された代理人整理番号037216.00078の「Leg Elimination Strategy for Hatch Pattern」という名称の米国特許出願第15/451043号、2017年3月15日に出願された代理人整理番号037216.00077の「Constantly Varying Hatch for Additive Manufacturing」という名称の米国特許出願第15/459,941号において見出すことができ、これらの開示は本明細書において参照により組み込まれている。
【0030】
位置決めシステムおよび/または走査システムを較正するために、
図5に示されているように、第1の走査帯域902が、同じビルドユニットの2つの異なる位置、または、2つのビルドユニットを用いる2つの異なる位置において、第2の走査帯域901の近くに、固化線902、903、906、907、および/もしくは912としての一連のマーキングで形成され得る。第2の走査帯域901は、固化線901、908、909、910、および/または911としての一連のマーキングで形成され得る。それぞれの走査区域における目盛りは、走査区域同士の間のずれを決定するために、視覚的に(手動で)使用される、および/または、検出器を使用するかのいずれかであり得る。したがって、ずれが決定されると、逸脱を補償するために修正が行われ得る。このような補償は、例えば、ビルドユニットを制御するためのずれの値であり得る、および/または、逸脱が大き過ぎるとして検出される場合および/もしくは視覚的に見られる場合、AM機械の手動での再較正が必要であることが決定され得る。
【0031】
本明細書を通じて、「固化される」および「固化」という用語が使用されることに留意されたい。しかしながら、固化は、ビルド材料の実際の溶解および固化に限定されない。例えば、全体を通じて言及されるマーキングは、照射発生源出力を低減することによって(つまり、ワット数における低減を通じて、照射発生源の焦点はずれを通じて、および/または、マーキングが形成される速度を増加させることで)形成され得る。したがって、固化および固化されるという用語は、ビルド材料の実際の固化の代わりに、薄黒くすること、マーキング、またはビルド材料におけるマーク形成と相互に置き換え可能に使用でき、それらを含み得る。一例では、マーキングは、ビルド材料(つまり、粉末)を単に薄黒くするように、低減された照射発生源出力において形成されてもよい。前述の低減した出力を用いて固化線をマークとして形成することにより、マークおよび/または薄黒くされた粉末は、位置合わせ動作が完了させられると、リコータを用いて除去され、新たな粉末で置き換えられてもよい。代替として、前述のマークおよび/または薄黒くされた粉末は、ビルド材料において保持され、位置合わせ動作が実施されると、構築された構成要素の一部分として完全および/または部分的に固化されてもよい。
【0032】
第1の走査帯域902における前述の一連のマーキング902、903、906、907、および/もしくは912、ならびに/または、第2の走査帯域における一連のマーキング901、908、909、910、および/もしくは911は、バーニヤスケールにおける固化線として形成されてもよい。前述の固化線を目盛りで形成することにより、各々の走査区域の間のより小さい逸脱を、著しい拡大を必要とすることなく検出させることができる。固化線は、固定された主目盛りの一定の割合で間隔が空けられ得る。一例として、走査帯域902および901の各々の内の各々の固化線は、各々の走査帯域における主目盛りの10分の9において間隔が空けられ得る。したがって、2つの走査帯域902および901が、ゼロ位置が合わせられた状態で隣接して形成されるとき、各々の走査帯域目盛りにおける第1のマークは、第1の主目盛りマークより10分の1だけ短くなる。したがって、前述の例では、全体で10個のマークが数えられるときに位置合わせがあることになる。走査帯域902と901とが、例えば固化線として形成された主目盛りの10分の1といった、小さな大きさで位置ずれされている場合、10分の1で元から位置ずれさせられるため、位置合わせされるマークの唯一の対は1番目の対である。同様に、例えば、2つの走査帯域が10分の5だけ位置ずれされている場合、走査線の5番目の対が位置合わせになる。先に述べたように、固化線を各々の走査帯域に形成するためにバーニヤの原理を用いることで、各々の走査区域の間のより小さい逸脱は、より抑えた拡大において検出することができる。例えば、
図5に示されているように、各々の区域における1つだけの線分の間で位置ずれを単に検出するより、マーク908、907、903、および/または909の間の位置合わせを検出することは、より容易であり得る。したがって、どの固化線が位置合わせされているかを決定することによって、Y方向におけるずれが決定され得る。さらに、固化線909および903は既知の長さを有し、そのため、距離913が、
図5に示された例ではx方向での寸法のずれを検出するために測定され得る。前述の例が、バーニヤスケールとしての固化線として形成された目盛りを開示している一方で、各々の区域におけるマーキングは、測定される各々の区域のマーキング同士の間に
ずれを有する単一のマーキングであってもよいことに留意されたい。さらに、マーキングの目盛りおよび間隔は、2つ以上の隣接するまたはほとんど隣接する走査区域のずれが測定されることを可能にする任意の所望のパターンまたは配列であってもよい。
【0033】
第1の走査帯域902におけるマーキング902、903、906、907、および/もしくは912、ならびに/または、第2の走査帯域901における一連のマーキング901、908、909、910、および/もしくは911は、AM構築物とは別の粉末の区域において固化線として形成されてもよいことが留意され、これは、構築工程の前、後、および/または最中のいずれかに較正の周期的および/または連続的な監視を可能にし得る。さらに、前述のマーキングは構築物自体の中に形成されてもよい。例えば、走査帯域901および902全体がAM構築物の層について固化されるという決定が行われてもよい。したがって、第1の走査帯域902におけるマーキング902、903、906、907、および/もしくは912、ならびに/または、第2の走査帯域901における一連のマーキング901、908、909、910、および/もしくは911は固化線として形成されてもよく、その後に、走査線がAM装置の較正状態を決定するために読み取られてもよく、ずれの決定が行われると、および/または、AM装置が較正値内にあることが決定されると、帯域901および/または902の残りがAM構築物の一部分を形成するために充填/固化されてもよく、さらに、ずれの決定が行われる場合、帯域901および/または902は、ビルドユニットの位置ずれを修正することを確保するために、新たなずれの値を用いて形成され得る。
【0034】
図6は、本発明の例の流れ図を示している。前述したように、本発明による補償工程は、AM装置の操作者によって実行され得る、および/または、較正は、監視システムによって周期的および/または連続的のいずれかで監視され得る。例えば、ステップ200では、較正目盛り(例えば、第1の走査帯域902におけるマーキング902、903、906、907、および/もしくは912、ならびに/または、第2の走査帯域901における一連のマーキング901、908、909、910、および/もしくは911)が固化線として形成され得る。手動の較正の場合、AM装置の操作者が走査区域同士の間のずれを読み取ることができる。ずれが読み取られると、ずれは、ずれに基づいてAM装置制御システムへと読み込まれ得る。ずれの値は、例えばテーブルから読み取られ、および/または、ずれの値に基づいて計算され得る。上記の工程が位置合わせ検出ユニットによってさらに実施され得ることに留意されたい。位置合わせ検出ユニットは、任意の知られている視覚に基づくセンサ、および/または、当技術で知られている密度測定センサを備え得る。センサは、マーキングの位置合わせおよび/またはずれを自動的に検出するためのコンピュータおよび/またはマイクロコンピュータに接続され得る。ステップ204では、適切なずれの値がAM装置の動作パラメータに適用された後、較正の特徴部(例えば、第1の走査帯域902におけるマーキング902、903、906、907、および/もしくは912、ならびに/または、第2の走査帯域901における一連のマーキング901、908、909、910、および/もしくは911)が固化線として再び形成され得る、ならびに、AM機械動作パラメータへのずれの値の組み込みのため、走査区域が許容可能な位置合わせにあることを検証するために読み取りおよび/または検出され得る。
【0035】
ステップ205では、第1の走査帯域902におけるAM装置固化線902、903、906、907、および/もしくは912、ならびに/または、第2の走査帯域901における一連のマーキング901、908、909、910、および/もしくは911の検出が、機械の健全性に関する傾向データを手動または自動のいずれかで生成するために、周期的または連続的に記憶および/または追跡され得る。例えば、ずれの値が特定のAM機械の動作周辺へと組み込まれると、前述の検出およびずれの値の生成ステップは、規則的な間隔で繰り返されてもよく、ずれの値が大きくなり過ぎたという決定、および/または、ずれの値が時間と共に徐々に増加しているという決定の場合、AM装置の構成要素が再較正、調節、および/または置き換えされる必要があることが決定され得る。前述したように、ステップ207および208では、機械動作が無しもしくは有りのいずれかのずれの値を用いて続けることができるかの決定が行われ得るか、または、AM装置の一部分が、より強力な保守動作を必要とする、もしくは、必要とすることになるかどうかの決定が行われ得る。さらに、例えばステップ206では、ビルドプラットフォームの様々な部分および/またはAM装置のテーブルが、ずれの値が、テーブルまたはビルドプラットフォームの一部分(例えば、帯域1)における位置ずれ、および、ビルドプラットフォームまたはテーブルの第2の部分(例えば、帯域2)において検出された別の位置ずれに基づいて調節される必要があるかどうかを決定するために、連続的または周期的に監視され得る。前述したように、機械動作が無しまたは有りのいずれかのずれの値を用いて続けることができるかどうか、または、AM装置の一部分が、較正、調節、および/もしくは交換などのより強力な保守動作を必要とする、もしくは、必要とすることになるかどうかを決定するために、ビルドプラットフォームまたはテーブルの様々な帯域または部分が監視され、時間に伴う傾向データとして手動または自動で監視され得る。さらに、AM装置の通常の動作の間、動作周辺が、テーブルの第2の部分(例えば、帯域2)ではなくテーブルまたはビルドプラットフォームの第1の部分(例えば、帯域1)において第1のずれの値を必要とすることが決定されてもよく、前述のずれの値は、後続のAM構築の間または現
在のAM構築の間に、機械動作へと実行され得る。前述したように、前述の工程全体は、固化線の自動化された形成を通じて実施されてもよく、固化線の位置合わせの画像を撮る。撮られた画像に基づいて、画像は比較され得、および/または、位置合わせが検出され、ずれ因子がマイクロコンピュータもしくはコンピュータによって計算され得る。ずれの値が決定されると、ガルバノメータ、電子ビーム、ならびに/または、レーザー発生源および/もしくは照射発生源案内装置が、ずれの値の決定に基づいて調節され得る。ずれの値の決定および適用は、例えば、構築物、複数のビルドユニット(例えば、
図2および
図3に示されているようなビルドユニット400および/もしくは302)、ならびに/またはビルドプラットフォーム(例えば、
図3に示したプラットフォーム310)の移動といった、他の装置動作に適用されてもよい。
【0036】
図7は、1つの走査帯域から別の走査帯域への起こり得る位置合わせの課題の様々な走査帯域の例を示している。図示された走査帯域が例示の目的のためのものにすぎないこと、および図示された例が排他的ではないことを当業者が理解するであろうことに留意されたい。さらに、
図7に示された位置合わせの課題は、例示の目的のために誇張されている。位置決めシステムおよび/または走査システムを較正するために、
図7に示されているように、第1の走査帯域701Aが、同じビルドユニットの2つの異なる位置、または、2つのビルドユニットを用いる異なる位置において、第2の走査帯域702Aの近くに、固化線710としての一連のマーキングで形成され得る。第2の走査帯域702Aは、固化線709としての一連のマーキングで形成され得る。前述したように、一連の固化線は、走査区域同士の間のずれを決定するために、視覚的に(手動で)使用される、および/または、検出器を使用する目盛り(例えば、バーニヤスケール)であり得る。走査区域703のグループは、スケールの観察者、ならびに/または、検出器/センサおよびコンピュータが、追加のずれの値が必要とされないことを決定できる例の状況を示している。図示されているように、部分708Aおよび706Bにおける前述の固化線は位置合わせでき、これは、2つの走査帯域701Aと702AとがY方向において適切に位置合わせされていることを表し得る。さらに、部分708Aおよび706Bにおける一連の固化は、既知の長さのものであり得る。したがって、長さ710Aおよび720Aが許容可能な範囲内にあるという決定が、視覚的に(手動で)、および/または、センサ/検出器の使用を通じてのいずれかで行われ得る。したがって、2つの走査帯域701Aおよび702AがX方向において適切に位置合わせされており、ずれの値をAM装置の動作パラメータへと組み込むことを必要としないという決定が行われ得る。前述の決定は、例えば、
図6に表されている工程の続きを通じて行われ得る。
【0037】
前述したように、上記の一連のマーキング708および/または710は、バーニヤスケールにおける固化線として形成されてもよい。前述の固化線を目盛りで形成することにより、各々の走査区域の間のより小さい逸脱を、著しい拡大を必要とすることなく検出させることができる。固化線は、先に説明したように、固定された主目盛りの一定の割合で間隔が空けられ得る。前述の例が、バーニヤスケールとしての固化線として形成された目盛りを開示している一方で、各々の区域におけるマーキングは、測定される各々の区域のマーキング同士の間にずれを有する単一のマーキングであってもよいことに留意されたい。さらに、マーキングの目盛りおよび間隔は、2つ以上の隣接するまたはほとんど隣接する走査区域のずれが測定されることを可能にする任意の所望のパターンまたは配列であってもよい。
【0038】
さらに、マーキング709および/または710は、AM構築物とは別の粉末の区域において固化線として形成されてもよいことが留意され、これは、構築工程の前、後、および/または最中のいずれかに較正の周期的および/または連続的な監視を可能にし得る。さらに、前述のマーキングは構築物自体の中に形成されてもよい。例えば、走査帯域701Aおよび702A全体がAM構築物の層について固化されるという決定が行われてもよい。したがって、第1の走査帯域701Aにおけるマーキング710および/または第2の走査帯域702Aにおける一連のマーキング709は固化線として形成されてもよく、その後に、走査線がAM装置の較正状態を決定するために読み取られてもよく、ずれの決定が行われると、および/または、AM装置が較正値内にあることが決定されると、帯域701Aおよび/または702Aの残りがAM構築物の一部分を形成するために充填/固化されてもよい。上記の例では、ずれの値が必要とされないことが決定される場合、帯域701Aおよび/または702Aは、AM構築物の一部分が固化されると、追加のずれの値が動作パラメータへと組み込まれることなく形成されてもよい。
【0039】
走査帯域715の第2の例のセットは、第1の走査帯域701Bと第2の走査帯域702Bとの間での起こり得る位置ずれを示している。第1の走査帯域701Bは、同じビルドユニットの2つの異なる位置、または、2つのビルドユニットを用いる異なる位置において、第2の走査帯域702Bの近くに、固化線711としての一連のマーキングで形成され得る。第2の走査帯域702Bは、固化線719としての一連のマーキングで形成され得る。前述したように、一連の固化線は、走査区域同士の間のずれを決定するために、視覚的に(手動で)、ならびに/または、検出器および/もしくはセンサを使用して読み取るように使用される目盛り(例えば、バーニヤスケール)であり得る。走査区域713のグループは、目盛りの観察者ならびに/または検出器/センサおよびコンピュータが、ずれの値が走査ユニット(例えば、ガルバノメータ)、および/またはビルドユニットを移動させるための位置決めシステムのいずれかの動作パラメータへと組み込まれるために必要とされることを決定できる例の状況を示している。図示されているように、部分706Bおよび708Bにおける前述の固化線は位置合わせでき、これは、2つの走査帯域701Bと702BとがY方向において適切に位置合わせされていることを表し得る。しかしながら、部分706Bおよび708Bにおける一連の固化線は、既知の長さのものであり得る。したがって、長さ710Bおよび720Bが許容可能な範囲の外にあるという決定が、視覚的に(手動で)、および/または、センサ/検出器の使用を通じてのいずれかで行われ得る。したがって、2つの走査帯域701Bおよび702BがX方向において適切に位置合わせされていないという決定が行われ得る。位置ずれが決定でき、ずれの値は、位置ずれを補償するためにAM装置の動作パラメータへと組み込まれ得る。前述の決定は、例えば、
図6に表されている工程の続きを通じて行われ得る。
【0040】
前述した例と同様に、マーキング711および/または719は、AM構築物とは別の粉末の区域において固化線として形成されてもよく、これは、構築工程の前、後、および/または最中のいずれかに較正の周期的および/または連続的な監視を可能にすることができる。さらに、前述のマーキングは構築物自体の中に形成されてもよい。例えば、走査帯域701Bおよび702B全体がAM構築物の層について固化されるという決定が行われてもよい。したがって、第1の走査帯域701Bにおけるマーキング711、および/または、第2の走査帯域702Bにおける一連のマーキング719は固化線として形成されてもよく、その後に、走査線がAM装置の較正状態を決定するために読み取られてもよく、ずれの決定が行われると、および/または、AM装置が較正値内にあることが決定されると、帯域701Aおよび/または702Aの残りがAM構築物の一部分を形成するために充填/固化されてもよく、さらに、ずれの決定が行われる場合、帯域701Aおよび/または702Bは、ビルドユニットの位置ずれを修正することを確保するために、新たなずれの値を用いて形成され得る。
【0041】
走査帯域723の第3の例のセットは、第1の走査帯域722と第2の走査帯域721との間での起こり得る位置ずれを示している。第1の走査帯域722は、同じビルドユニットの2つの異なる位置、または、2つのビルドユニットを用いる異なる位置において、第2の走査帯域721の近くに、固化線750としての一連のマーキングで形成され得る。第2の走査帯域721は、固化線760としての一連のマーキングで形成され得る。前述したように、一連の固化線は、走査区域同士の間のずれを決定するために、視覚的に(手動で)、ならびに/または、検出器および/もしくはセンサを使用して読み取るように使用される目盛り(例えば、バーニヤスケール)であり得る。走査区域723のグループは、目盛りの観察者ならびに/または検出器/センサおよびコンピュータが、ずれの値が走査ユニット(例えば、ガルバノメータ)、および/またはビルドユニットを移動させるための位置決めシステムのいずれかの動作パラメータへと組み込まれるために必要とされることを決定できる例の状況を示している。図示されているように、部分750および760における前述の固化線は部分716および718において位置合わせでき、これは、2つの走査帯域721と723とがX方向において適切に位置合わせされていないことを表し得る。しかしながら、部分716および718における一連の固化線は、既知の長さのものであり得る。したがって、長さ716および718が許容可能な範囲内にあるという決定が、視覚的に(手動で)、および/または、センサ/検出器の使用を通じてのいずれかで行われ得る。したがって、2つの走査帯域723および721が、X方向において適切に位置合わせされておらず、Y方向において適切に位置合わせされているという決定が行われ得る。位置ずれが決定でき、ずれの値は、位置ずれを補償するためにAM装置の動作パラメータへと組み込まれ得る。前述の決定は、例えば、
図6に表されている工程の続きを通じて行われ得る。
【0042】
前述した例と同様に、マーキング750および/または760は、AM構築物とは別の粉末の区域において固化線として形成されてもよく、これは、構築工程の前、後、および/または最中のいずれかに較正の周期的および/または連続的な監視を可能にすることができる。さらに、前述のマーキングは構築物自体の中に形成されてもよい。例えば、走査帯域723および721全体がAM構築物の層について固化されるという決定が行われてもよい。したがって、第1の走査帯域723におけるマーキング750、および/または、第2の走査帯域721における一連のマーキング760は固化線として形成されてもよく、その後に、走査線がAM装置の較正状態を決定するために読み取られてもよく、ずれの決定が行われると、および/または、AM装置が較正値内にあることが決定されると、帯域723および/または721の残りがAM構築物の一部分を形成するために充填/固化されてもよく、さらに、ずれの決定が行われる場合、帯域723および/または721は、ビルドユニットの位置ずれを修正することを確保するために、新たなずれの値を用いて形成され得る。
【0043】
この記述は、好ましい実施形態を含め、本発明を開示するために、ならびに、任意の装置またはシステムを作成および使用することと、任意の組み込まれた方法を実施することとを含め、当業者に本発明を実施させるために、例を用いている。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定められており、当業者に思い付く他の例を含み得る。このような他の例は、請求項の文字通りの文言と異なる構造的な要素を有する場合、または、請求項の文字通りの文言と非実質的な違いを伴う均等な構造的な要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるように意図されている。記載されている様々な実施形態からの態様と、各々のこのような態様についての他の知られている均等物とは、本出願の原理による追加の実施形態および技術を構築するために、当業者によって組み合わされて適合されてもよい。
【0044】
本発明のさらなる態様は、以下の項の主題によって提供される。
【0045】
[項1] 付加製造装置を較正するための方法であって、
第1の走査領域内に第1の固化部分を形成するステップであって、前記第1の走査領域内の前記固化部分は、ビルドユニットが第1の場所にある間にビルド材料に照射することにより形成される、ステップと、
第2の走査領域内に第2の固化部分を形成するステップであって、前記第2の走査領域内の前記第2の固化部分は、前記ビルドユニットが前記第1の場所と異なる第2の場所にある間にビルド材料に照射することにより形成され、前記装置は、前記第1の固化部分と前記第2の固化部分とのずれの度合い、および、前記第1の固化部分と前記第2の固化部分との重なりの度合いのうちの少なくとも一方に基づいて較正される、ステップと
を含む、方法。
【0046】
[項2] 前記ビルドユニットは、少なくとも第1のビルドユニットと第2のビルドユニットとをさらに備え、前記第1のビルドユニットは、前記第1の走査領域内に前記第1の固化部分を形成し、前記第2のビルドユニットは、前記第2の走査領域に前記第2の固化部分を形成する、任意の前項に記載の方法。
【0047】
[項3] 前記第1の固化部分は、第1の一連の固化線を備え、前記第2の固化部分は、第2の一連の固化線を備え、前記第1の一連の固化線と前記第2の一連の固化線とは、バーニヤスケールとして形成される、任意の前項に記載の方法。
【0048】
[項4] 前記第1の固化部分と前記第2の固化部分とのずれの度合い、および、前記第1の固化部分と前記第2の固化部分との重なりの度合いのうちの前記少なくとも一方を検出することにより、ずれの値を決定するステップと、
前記ずれの値を用いて前記付加製造を較正するステップと
をさらに含む、任意の前項に記載の方法。
【0049】
[項5] ガルバノメータおよび位置決め装置のうちの少なくとも一方の動作に前記ずれの値を適用するステップ
をさらに含む、任意の前項に記載の方法。
【0050】
[項6] 時間に関する前記ずれおよび前記重なりのうちの前記少なくとも一方の記憶に基づいて、傾向データを決定するステップと、
前記傾向データに基づいて、前記付加製造装置の少なくとも1つの構成要素の動作状態を決定するステップと
をさらに含む、任意の前項に記載の方法。
【0051】
[項7] 前記第1の固化部分および前記第2の固化部分は、粉末の層に照射することにより形成され、前記第1の固化部分および前記第2の固化部分は、前記粉末の層における前記第1の走査帯域および前記第2の走査帯域に形成される唯一の固化部分である、任意の前項に記載の方法。
【0052】
[項8] 前記第1の固化部分および前記第2の固化部分は、粉末の層に照射することにより形成され、前記第1の固化部分および前記第2の固化部分は、前記第1の走査帯域内または前記第2の走査帯域内の第3の固化部分が形成される前に、前記第1の走査帯域および前記第2の走査帯域に形成される、任意の前項に記載の方法。
【0053】
[項9] 付加製造装置を較正するための方法であって、
第1の走査領域内に第1の固化部分を形成するステップであって、前記第1の走査領域内の前記固化部分は、ビルドユニットが第1の場所にある間にビルド材料に照射することにより形成される、ステップと、
第2の走査領域内に第2の固化部分を形成するステップであって、前記第2の走査領域内の前記第2の固化部分は、ビルドユニットが前記第1の場所と異なる第2の場所にある間にビルド材料に照射することにより形成される、ステップと、
前記第1の固化部分および前記第2の固化部分を検出するステップと、
前記第1の固化部分と前記第2の固化部分との検出された位置合わせに基づいて、前記付加製造装置の位置合わせを決定するステップと
を含む、方法。
【0054】
[項10] 前記第1の固化部分は、第1の複数の固化線を備え、前記第2の固化部分は、第2の複数の固化線を備え、付加製造装置の位置合わせの決定は、
前記第1の複数の固化線のうちのどれが前記第2のセットの固化線と位置合わせされているかを決定することをさらに含み、第1の軸に沿った前記ビルドユニットの位置合わせが、前記第1の複数の固化線のうちの少なくとも1つと前記第2の複数の固化線のうちの少なくとも1つとの位置合わせに基づいて決定される、任意の前項に記載の方法。
【0055】
[項11] 前記ビルドユニットの位置合わせの前記決定は、
前記第1の複数の固化線のうちの前記少なくとも1つと前記第2の複数の固化線のうちの前記少なくとも1つとの間の間隔を決定することをさらに含み、第2の軸に沿った前記ビルドユニットの位置合わせが、前記間隔に基づいて決定される、任意の前項に記載の方法。
【0056】
[項12] 付加製造装置のための較正方法をコンピュータに実行させるように構成されるプログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記較正方法は、
第1の走査領域内に第1の固化部分を形成するステップであって、前記第1の走査領域内の前記固化部分は、ビルドユニットが第1の場所にある間にビルド材料に照射することにより形成される、ステップと、
第2の走査領域内に第2の固化部分を形成するステップであって、前記第2の走査領域内の前記第2の固化部分は、前記ビルドユニットが前記第1の場所と異なる第2の場所にある間にビルド材料に照射することにより形成され、前記装置は、前記第1の固化部分と前記第2の固化部分とのずれの度合い、および、前記第1の固化部分と前記第2の固化部分との重なりの度合いのうちの少なくとも一方に基づいて較正される、ステップと
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0057】
[項13] 前記ビルドユニットは、少なくとも第1のビルドユニットと第2のビルドユニットとをさらに備え、前記第1のビルドユニットは、前記第1の走査領域内に前記第1の固化部分を形成し、前記第2のビルドユニットは、前記第2の走査領域に前記第2の固化部分を形成する、任意の前項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0058】
[項14] 前記第1の固化部分は、第1の一連の固化線を備え、前記第2の固化部分は、第2の一連の固化線を備え、前記第1の一連の固化線と前記第2の一連の固化線とは、バーニヤスケールとして形成される、任意の前項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0059】
[項15] 前記第1の固化部分と前記第2の固化部分とのずれの度合い、および、前記第1の固化部分と前記第2の固化部分との重なりの度合いのうちの前記少なくとも一方を検出することにより、ずれの値を決定するステップと、
前記ずれの値を用いて前記付加製造を較正するステップと
をさらに含む、任意の前項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0060】
[項16] ガルバノメータおよび位置決め装置のうちの少なくとも一方の動作に前記ずれの値を適用するステップ
をさらに含む、任意の前項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0061】
[項17] 時間に関する前記ずれおよび前記重なりのうちの前記少なくとも一方の記憶に基づいて、傾向データを決定するステップと、
前記傾向データに基づいて、前記付加製造装置の少なくとも1つの構成要素の動作状態を決定するステップと
をさらに含む、任意の前項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0062】
[項18] 前記第1の固化部分および前記第2の固化部分は、粉末の層に照射することにより形成され、前記第1の固化部分および前記第2の固化部分は、前記粉末の層における前記第1の走査帯域および前記第2の走査帯域に形成される唯一の固化部分である、任意の前項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0063】
[項19] 前記第1の固化部分および前記第2の固化部分は、粉末の層に照射することにより形成され、前記第1の固化部分および前記第2の固化部分は、前記第1の走査帯域内または前記第2の走査帯域内の第3の固化部分が形成される前に、前記第1の走査帯域および前記第2の走査帯域に形成される、任意の前項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0064】
[項20] 前記第1の固化部分および前記第2の固化部分は、粉末の層へと焼結される、任意の前項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。