特許第6980120号(P6980120)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6980120リソース・トランスファー方法、装置、コンピュータ装置及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6980120
(24)【登録日】2021年11月18日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】リソース・トランスファー方法、装置、コンピュータ装置及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/32 20120101AFI20211202BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20211202BHJP
   H04W 4/80 20180101ALI20211202BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20211202BHJP
【FI】
   G06Q20/32 330
   G06Q50/30
   H04W4/80
   G07B15/00 G
【請求項の数】15
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2020-542813(P2020-542813)
(86)(22)【出願日】2019年4月12日
(65)【公表番号】特表2021-513705(P2021-513705A)
(43)【公表日】2021年5月27日
(86)【国際出願番号】CN2019082426
(87)【国際公開番号】WO2019214393
(87)【国際公開日】20191114
【審査請求日】2020年8月7日
(31)【優先権主張番号】201810436511.6
(32)【優先日】2018年5月9日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514187420
【氏名又は名称】テンセント・テクノロジー・(シェンジェン)・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ワン,グォイジャオ
【審査官】 竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】 特表2017−533528(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第107944926(CN,A)
【文献】 特開2018−022451(JP,A)
【文献】 特許第5858305(JP,B1)
【文献】 特開2011−108150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
H04W 4/80
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末により実行されるリソース・トランスファー方法であって、
前記端末が、
前記端末がリソース・トランスファー・インタラクション装置のセンシング範囲内にあるときに、近距離無線通信により、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信すること;
前記アプリケーションID選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを取得すること;
前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDに対応するリソース・トランスファー・データを取得し、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成することであって、前記リソース・トランスファー・データが前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージのカスタム・フィールドに位置すること;及び
前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージを前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に返し、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するリソース・トランスファーを完成するために用いられることを含む、リソース・トランスファー方法。
【請求項2】
請求項1に記載のリソース・トランスファー方法であって、
前記カスタム・フィールドは、第一カスタム・フィールド及び第二カスタム・フィールドを含み、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成することは、
前記リソース・トランスファー・データが所定の長さよりも大きいときに、前記リソース・トランスファー・データを第一セグメント・データと残りのデータに分割し;
前記第一セグメント・データを前記第一カスタム・フィールドに追加し;及び
前記残りのデータに対応するデータ長を取得し、前記データ長を前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージの第二カスタム・フィールドに追加することを含む、リソース・トランスファー方法。
【請求項3】
請求項2に記載のリソース・トランスファー方法であって、
前記第二カスタム・フィールドには、さらに、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置において前記残りのデータを記憶するためのファイルIDが含まれ、
前記リソース・トランスファー方法は、
前記端末が、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置により送信される、前記残りのデータを読み取るリクエストを受信し、前記残りのデータを前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に伝送することであって、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が、受信した前記残りのデータを前記ファイルIDに対応するファイルに格納するために用いられることをさらに含む、リソース・トランスファー方法。
【請求項4】
請求項1に記載のリソース・トランスファー方法であって、
前記端末が、
前記リソース・トランスファー・インタラクション装置により返されるリソース・トランスファー記録データを受信することであって、前記リソース・トランスファー記録データがリソース・トランスファー位置情報、リソース・トランスファー数値、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に対応する装置ID、及びリソース・トランスファー時間情報のうちの少なくとも1つを含むこと;及び
前記リソース・トランスファー記録データを記憶することをさらに含む、リソース・トランスファー方法。
【請求項5】
請求項4に記載のリソース・トランスファー方法であって、
前記リソース・トランスファー・インタラクション装置は、公共交通機関でのキャッシュ・レジスターであり、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDは、QRコード・アプリケーションIDであり、
前記公共交通機関でのキャッシュ・レジスターが開始キャッシュ・レジスターであるときに、前記リソース・トランスファー記録データは、乗車開始位置情報、乗車開始キャッシュ・レジスターID、及び乗車開始時間を含み、
前記公共交通機関でのキャッシュ・レジスターが停止キャッシュ・レジスターであるときに、前記リソース・トランスファー記録データは、乗車停止位置情報、乗車停止キャッシュ・レジスターID、乗車停止時間、及び乗車料金を含む、リソース・トランスファー方法。
【請求項6】
請求項1に記載のリソース・トランスファー方法であって、
サブ・アプリケーション・プログラムにより、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信し、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信した後のステップを完成し、前記サブ・アプリケーション・プログラムは、親アプリケーション・プログラムにより提供される支払い環境で実行される、リソース・トランスファー方法。
【請求項7】
請求項1に記載のリソース・トランスファー方法であって、
近距離無線通信により、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信する前に、
前記端末が、
近距離無線通信により、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するリソース・トランスファー環境選択リクエストを受信し;及び
前記リソース・トランスファー環境選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー環境を確定することをさらに含み、
前記アプリケーションID選択リクエストに基づいて、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを取得することは、
前記ターゲット・リソース・トランスファー環境に対応するターゲット・リソース・トランスファー環境ディレクトリ配下から、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを選択することで取得することを含む、リソース・トランスファー方法。
【請求項8】
リソース・トランスファー装置であって、
端末がリソース・トランスファー・インタラクション装置のセンシング範囲内にあるときに、近距離無線通信により、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信するためのIDリクエスト受信モジュール;
前記アプリケーションID選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを取得するためのID取得モジュール;
前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDに対応するリソース・トランスファー・データを取得し、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成するためのメッセージ生成モジュールであって、前記リソース・トランスファー・データが前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージのカスタム・フィールドに位置するメッセージ生成モジュール;及び
前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージを前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に返すためのリターン・モジュールであって、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するリソース・トランスファーを完成するために用いられるリターン・モジュールを含む、リソース・トランスファー装置。
【請求項9】
請求項に記載のリソース・トランスファー装置であって、
前記カスタム・フィールドは、第一カスタム・フィールド及び第二カスタム・フィールドを含み、
前記メッセージ生成モジュールは、
前記リソース・トランスファー・データが所定の長さよりも大きいときに、前記リソース・トランスファー・データを第一セグメント・データと残りのデータに分割し;
前記第一セグメント・データを前記第一カスタム・フィールドに追加し;及び
前記残りのデータに対応するデータ長を取得し、前記データ長を前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージの第二カスタム・フィールドに追加するためにさらに用いられる、リソース・トランスファー装置。
【請求項10】
請求項に記載のリソース・トランスファー装置であって、
前記第二カスタム・フィールドには、さらに、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置において前記残りのデータを記憶するためのファイルIDが含まれ、
前記リソース・トランスファー装置は、
前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信する、前記残りのデータを読み取るリクエストを受信し、前記残りのデータを前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に伝送するデータ伝送モジュールであって、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が、受信した前記残りのデータを前記ファイルIDに対応するファイルに格納するために用いられるデータ伝送モジュールをさらに含む、リソース・トランスファー装置。
【請求項11】
請求項に記載のリソース・トランスファー装置であって、
前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が返すリソース・トランスファー記録データを受信するための記録データ受信モジュールであって、前記リソース・トランスファー記録データがリソース・トランスファー位置情報、リソース・トランスファー数値、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に対応する装置ID、及びリソース・トランスファー時間情報のうちの少なくとも1つを含む記録データ受信モジュール;及び
前記リソース・トランスファー記録データを記憶するための記憶モジュールをさらに含む、リソース・トランスファー装置。
【請求項12】
請求項11に記載のリソース・トランスファー装置であって、
前記リソース・トランスファー・インタラクション装置は、公共交通機関でのキャッシュ・レジスターであり、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDは、QRコード・アプリケーションIDであり、
前記公共交通機関でのキャッシュ・レジスターが開始キャッシュ・レジスターであるときに、前記リソース・トランスファー記録データは、乗車開始位置情報、乗車開始キャッシュ・レジスターID、及び乗車開始時間を含み、
前記公共交通機関でのキャッシュ・レジスターが停止キャッシュ・レジスターであるときに、前記リソース・トランスファー記録データは、乗車停止位置情報、乗車停止キャッシュ・レジスターID、乗車停止時間、及び乗車料金を含む、リソース・トランスファー装置。
【請求項13】
コンピュータに、請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載のリソース・トランスファー方法を実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項14】
記憶器及び処理器を含むコンピュータ装置であって、
前記記憶器には、コンピュータ・プログラムが記憶されており、前記コンピュータ・プログラムは、前記処理器により実行されるときに、前記処理器に、請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載のリソース・トランスファー方法を実行させる、コンピュータ装置。
【請求項15】
コンピュータに、請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載のリソース・トランスファー方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年05月09日に中国専利局に出願した、出願番号が201810436511.6、発明の名称が「リソース・トランスファー方法、装置、コンピュータ装置及び記憶媒体」である中国特許出願に基づく優先権を主張するものであり、その全内容を参照によりここに援用する。
【0002】
本発明は、コンピュータ処理技術分野に関し、特にリソース・トランスファー方法、装置、コンピュータ装置及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
インターネットの発達に伴い、第三者支払ソフトウェアを採用して支払いをする人がますます増えている。従来の支付ソフトウェアによる支払いは、往々にして、QRコードをスキャンして支払いをする方法を採用する。最近では、近距離無線通信(例えば、NFC)に基づく決済方法が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、効率の高いリソース・トランスファー方法、装置、コンピュータ装置及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
端末が実行するリソース・トランスファー方法であって、
端末がリソース・トランスファー・インタラクション装置のセンシング範囲内にあるときに、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信し;
前記アプリケーションID選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを取得し;
前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDに対応するリソース・トランスファー・データを取得し、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成し、前記リソース・トランスファー・データが前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージのカスタム・フィールドに位置し;及び
前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージを前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に返し、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するリソース・トランスファーを完成するために用いられることを含む、リソース・トランスファー方法。
【0006】
リソース・トランスファー装置であって、
端末がリソース・トランスファー・インタラクション装置のセンシング範囲内にあるときに、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信するためのIDリクエスト受信モジュール;
前記アプリケーションID選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを取得するためのID取得モジュール;
前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDに対応するリソース・トランスファー・データを取得し、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成するためのメッセージ生成モジュールであって、前記リソース・トランスファー・データが前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージのカスタム・フィールドに位置するメッセージ生成モジュール;及び
前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージを前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に返すためのリターン・モジュールであって、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するリソース・トランスファーを完成するために用いられるリターン・モジュールを含む、リソース・トランスファー装置。
【0007】
記憶器及び処理器を含むコンピュータ装置であって、
前記記憶器には、コンピュータ・プログラムが記憶されており、前記コンピュータ・プログラムは、前記処理器により実行されるときに、前記処理器に、
端末がリソース・トランスファー・インタラクション装置のセンシング範囲内にあるときに、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信し;
前記アプリケーションID選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを取得し;
前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDに対応するリソース・トランスファー・データを取得し、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成し、前記リソース・トランスファー・データが前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージのカスタム・フィールドに位置し;及び
前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージを前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に返し、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するリソース・トランスファーを完成するために用いられるステップを実行させる、コンピュータ装置。
【0008】
コンピュータ・プログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータ・プログラムは、処理器により実行されるときに、前記処理器に、
端末がリソース・トランスファー・インタラクション装置のセンシング範囲内にあるときに、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信し;
前記アプリケーションID選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを取得し;
前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDに対応するリソース・トランスファー・データを取得し、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成し、前記リソース・トランスファー・データが前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージのカスタム・フィールドに位置し;及び
前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージを前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に返し、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するリソース・トランスファーを完成するために用いられるステップを実行させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】1つの実施例におけるリソース・トランスファー方法の適用シナリオを示す図である。
図2】1つの実施例におけるリソース・トランスファー方法のフローチャートである。
図3】1つの実施例においてアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成するフローチャートである。
図4】1つの実施例における乗車記録のインターフェースを示す図である。
図5】1つの実施例におけるリソース・トランスファー方法のフローチャートである。
図6】1つの実施例においてリソース・トランスファー・インタラクション装置が端末とインタラクションを行うタイミング図である
図7】もう1つの実施例におけるリソース・トランスファー方法のフローチャートである。
図8】1つの実施例におけるリソース・トランスファー装置の構成を示すブロック図である。
図9】もう1つの実施例におけるリソース・トランスファー装置の構成を示すブロック図である。
図10】またもう1つの実施例におけるリソース・トランスファー装置の構成を示すブロック図である。
図11】さらにもう1つの実施例におけるリソース・トランスファー装置の構成を示すブロック図である。
図12】他の実施例におけるリソース・トランスファー装置の構成を示すブロック図である。
図13】1つの実施例におけるコンピュータ装置の内部構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の目的、技術的手段及び効果をより明らかにするために、以下、図面及び実施例を参照しながら本発明について詳細に説明する。なお、理解すべきは、ここで説明される特定の実施例は本発明を説明するためにのみ用いられ、本発明を限定するために用いられないということである。
【0011】
図1は、1つの実施例におけるリソース・トランスファー方法の適用シナリオを示す図である。図1を参照するに、該リソース・トランスファー方法は、近距離無線通信システムに適用される。該近距離無線通信システムは、リソース・トランスファー・インタラクション装置110及び端末120を含む。リソース・トランスファー・インタラクション装置110及び端末120は、近距離無線通信(例えば、NFC通信)により通信を行い、リソース・トランスファー・インタラクション装置110は、近距離無線通信をサポートし得る、リソース・トランスファーを実現するための任意の装置であっても良く、例えば、公共交通機関でのキャッシュ・レジスター(レジとも言う)であっても良く、スーパーマーケットでのキャッシュ・レジスターなどであっても良い。端末120は、具体的には、移動端末であっても良く、移動端末は、具体的には、携帯電話、タブレットPC、ノートパソコンなどのうちの少なくとも1つであっても良い。端末120がリソース・トランスファー・インタラクション装置110のセンシング(識別)範囲内にあるときに、リソース・トランスファー・インタラクション装置110は、近距離無線通信により、端末120にアプリケーションID選択リクエストを送信し、端末120は、アプリケーションID選択リクエストを受信した後に、アプリケーションID選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを取得し、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDに対応するリソース・トランスファー・データを取得し、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及びリソース・トランスファー・データに基づいて、対応するアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成し、リソース・トランスファー・データは、アプリケーションID選択レスポンス・メッセージのカスタム・フィールドに位置し、そして、アプリケーションID選択レスポンス・メッセージをリソース・トランスファー・インタラクション装置110に返し、リソース・トランスファー・インタラクション装置110は、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及びリソース・トランスファー・データに基づいて、対応するリソース・トランスファーを完成するために用いられる。
【0012】
図2に示すように、1つの実施例において、端末により実行されるリソース・トランスファー方法が提供される。該リソース・トランスファー方法は、具体的には、以下のようなステップを含む。
【0013】
ステップS202:端末がリソース・トランスファー・インタラクション装置のセンシング範囲内にあるときに、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信する。
【0014】
そのうち、リソース・トランスファー・インタラクション装置とは、近距離無線通信をサポートし得る、リソース・トランスファーを実現するための装置を指し、例えば、公共交通機関でのキャッシュ・レジスターであっても良く、スーパーマーケットでのキャッシュ・レジスターなどであっても良い。近距離無線通信は、「Near Field Communication」とも称され、短距離の高周波数無線通信技術であり、電子装置間の非接触型ピア・ツー・ピア・データ伝送を可能にするものである。一般的な近距離無線通信は、NFC(Near Field Communication)通信、ブルートゥース通信などを含む。アプリケーションID選択リクエストとは、リソース・トランスファー・インタラクション装置が、近づいてきた端末に送信する指令を指し、次に使用しようとするアプリケーションID(application identifier、AID)を取得するために用いられ、アプリケーションIDは、1つのアプリケーションを一意に識別するために用いられる。アプリケーションIDは、登録済みアプリケーションプロバイダー識別子(Registered Application Provider Identifier、RID)及び専用アプリケーション拡張識別子(Proprietary Application Identifier Extension、PIX)からなる。リソース・トランスファー・インタラクション装置のセンシング範囲とは、リソース・トランスファー・インタラクション装置の近距離無線通信がカバーし得るカバレッジを指す。
【0015】
ステップS204:アプリケーションID選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを取得する。
【0016】
そのうち、端末は、リソース・トランスファー・インタラクション装置のアプリケーションID選択リクエストを受信した後に、次に使用しようとするターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを選択する。リソース・トランスファー・アプリケーションIDは、デビット・カード・アプリケーションID、クレジット・カード・アプリケーションID、電子マネー・アプリケーションID、QRコード・アプリケーションIDなどに分けることができる。アプリケーションIDを選択する目的は、後続のリソース・トランスファー・インタラクションを行う具体的なアプロケーションを示すことにある。ここでのターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDは、端末が選択した、次のリソース・トランスファー・インタラクションに用いられるアプリケーションを示すものである。例えば、選択されたターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDがQRコード・アプリケーションIDであるとすれば、次のインタラクティブ・データは、QRコード・アプリケーションIDに対応するQRコード・データである。
【0017】
ステップS206:ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDに対応するリソース・トランスファー・データを取得し、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及びリソース・トランスファー・データに基づいて、対応するアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成し、リソース・トランスファー・データは、アプリケーションID選択レスポンス・メッセージのカスタム・フィールドに位置する。
【0018】
そのうち、リソース・トランスファー・データとは、リソース・トランスファーを行うためのターゲット・データを指し、例えば、支払用ユーザー・アカウントを含む。支払用ユーザー・アカウントは、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションのユーザー・アカウントと関連付けられ、又は、同じであっても良い。アプリケーションID選択レスポンス・メッセージとは、端末がアプリケーションID選択リクエストに基づいて返すメッセージを指す。従来のアプリケーションID選択レスポンス・メッセージの役割は、端末が選択するアプリケーションIDを伝送するのみである。これに対して、本実施例では、端末は、選択したターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを伝送することに加えて、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDに対応するリソース・トランスファー・データを伝送するためにも用いられる。具体的には、端末は、リソース・トランスファー・データをアプリケーションID選択レスポンス・メッセージのカスタム・フィールドに追加し、リソース・トランスファー・データを含むアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成する。このようにして、その後、端末は、アプリケーションID選択レスポンス・メッセージを返すときに、リソース・トランスファー・データをリソース・トランスファー・インタラクション装置に伝送することができる。これにより、リソース・トランスファー・データのリソース・トランスファー・インタラクション装置への迅速な伝送を実現することができ、リソース・トランスファーの効率向上に有利である。
【0019】
ステップS208:アプリケーションID選択レスポンス・メッセージをリソース・トランスファー・インタラクション装置に返し、リソース・トランスファー・インタラクション装置は、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及びリソース・トランスファー・データに基づいて、対応するリソース・トランスファーを完成するために用いられる。
【0020】
そのうち、リソース・トランスファー・インタラクション装置は、受信したリソース・トランスファー・データに基づいて、対応する、ユーザー・アカウントのうちからのリソース・トランスファーを完成するために用いられる。端末は、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及びリソース・トランスファー・データに基づいて、対応するアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成した後に、アプリケーションID選択レスポンス・メッセージをリソース・トランスファー・インタラクション装置に返す。リソース・トランスファー・インタラクション装置がアプリケーションIDレスポンス・メッセージを受信してからリソース・トランスファー・データ・リクエストの読み取りを開始する従来の方法に比べ、直接、リソース・トランスファー・データをアプリケーションID選択レスポンス・メッセージに追加してリソース・トランスファー・インタラクション装置に返す本実施例における方法は、リソース・トランスファー・データをリソース・トランスファー・インタラクション装置に迅速に伝送する目的を実現し、リソース・トランスファーの効率を向上させることができる。
【0021】
上述のリソース・トランスファー方法により、端末がリソース・トランスファー・インタラクション装置のセンシング範囲内にあるときに、近距離無線通信によって、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信し、その後、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び対応するリソース・トランスファー・データを取得し、そして、リソース・トランスファー・データをアプリケーションID選択レスポンス・メッセージにおけるカスタム・フィールドに追加することで、アプリケーションID選択レスポンス・メッセージを返すときに、リソース・トランスファー・データをリソース・トランスファー・インタラクション装置に伝送することができる。このようにして、リソース・トランスファー・データのリソース・トランスファー・インタラクション装置への迅速な伝送を実現し、リソース・トランスファーの効率を向上させることができる。
【0022】
図3に示すように、1つの実施例において、カスタム・フィールドは、第一カスタム・フィールド及び第二カスタム・フィールドを含む。ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及びリソース・トランスファー・データに基づいて、対応するアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成することは、以下のようなステップを含む。
【0023】
ステップS206A:リソース・トランスファー・データが所定の長さよりも大きいかを判断し、「はい」の場合、ステップS206Bに進み、「いいえ」の場合、ステップS206Cに進む。
【0024】
そのうち、端末は、リソース・トランスファー・データの長さが所定の長さ(例えば、10バイト)よりも大きいかを判断し、「はい」の場合、リソース・トランスファー・データを第一セグメント・データと残りのデータに分割する必要がある。第一セグメント・データとは、リソース・トランスファー・データにおける前の所定の長さのデータを指し、残りのデータとは、第一セグメント・データ以外のデータを指す。例えば、所定の長さが10バイトであり、且つリソース・トランスファー・データが18バイトを有するとすれば、リソース・トランスファー・データの前の10バイトを第一セグメント・データとし、残りの8バイトを残りのデータとする。なお、リソース・トランスファー・データが所定の長さ以下の場合、全リソース・トランスファー・データを第一カスタム・フィールドに直接追加する。
【0025】
ステップS206B:リソース・トランスファー・データを第一セグメント・データと残りのデータに分割し、第一セグメント・データを第一カスタム・フィールドに追加し、残りのデータに対応するデータ長を取得し、該データ長をアプリケーションID選択レスポンス・メッセージの第二カスタム・フィールドに追加する。
【0026】
そのうち、リソース・トランスファー・データが所定の長さよりも大きいときに、端末は、リソース・トランスファー・データを2つの部分に分割し、1つは、第一セグメント・データであり、もう1つは、残りのデータである。残りのデータのデータ長を取得する。第一セグメント・データをアプリケーションID選択レスポンス・メッセージの第一カスタム・フィールドに追加し、残りのデータのデータ長をアプリケーションID選択レスポンス・メッセージの第二カスタム・フィールドに追加する。
【0027】
ステップS206C:リソース・トランスファー・データを第一カスタム・フィールドに直接追加する。
【0028】
そのうち、リソース・トランスファー・データが所定の長さ以下のときに、端末は、直接、リソース・トランスファー・データをアプリケーションID選択レスポンス・メッセージの第一カスタム・フィールドに追加する。
【0029】
1つの実施例において、第二カスタム・フィールドには、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置において前記残りのデータを記憶するためのファイルIDがさらに含まれる。該ファイルIDは、例えば、端末がリソース・トランスファー・インタラクション装置により送信されるリソース・トランスファー環境選択リクエストを受信したときにリソース・トランスファー環境選択リクエストから取得したものであっても良く、具体的には、後述する。上述のリソース・トランスファー方法は、さらに、端末が、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置により送信される、残りのデータを読み取るリクエストを受信し、前記残りのデータを前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に伝送することであって、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が、受信した残りのデータを前記ファイルIDに対応するファイルに格納するために用いられることを含む。
【0030】
そのうち、第二カスタム・フィールドには、残りのデータの長さが含まれることに加えて、リソース・トランスファー・インタラクション装置において残りのデータを記憶するためのファイルIDも含まれる。ファイルIDは、1つのファイルを一意に識別するために用いられ、即ち、第二カスタム・フィールドには、さらに、残りのデータを後でリソース・トランスファー・インタラクション装置の中のどのファイルに格納するかを指示するファイルIDが含まれる。リソース・トランスファー・インタラクション装置は、アプリケーションID選択レスポンス・メッセージを受信した後に、第二カスタム・フィールドにおける残りのデータの長さを読み取り、残りのデータの長さが0でない場合、端末に、残りのデータを読み取るリクエストを送信する。端末は、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信する、残りのデータを読み取るリクエストを受信した後に、残りのデータをリソース・トランスファー・インタラクション装置に伝送する。リソース・トランスファー・インタラクション装置は、受信した残りのデータを上述のファイルIDに対応するファイルに格納する。
【0031】
1つの実施例において、アプリケーションID(AID)選択レスポンス・メッセージの構造は、表1に示す通りである。
【0032】
【表1】
そのうち、上述のAID選択レスポンス・メッセージでは、9F46及び9F47のタグは、それぞれ、第一カスタム・フィールド及び第二カスタム・フィールドを表す。M(Mandatory)は、必須を表し、O(Optional)は、オプションを表す。DF(Dedicated File)名は、専用ファイル名である。PDOLとは、処理オプション・データ・オブジェクト・リスト(Processing Options Data Object List)を指す。伝送しようとするリソース・トランスファー・データが所定の長さ以下の場合、端末は、AID選択レスポンス・メッセージを用いて伝送を完了することができ、伝送するリソース・トランスファー・データが所定の長さよりも大きい場合、端末は、9F47のタグに、残りのデータの長さ、及び残りのデータを後で記憶するためのバイナリ・ファイル名を含める必要がある。リソース・トランスファー・インタラクション装置は、端末が返すAID選択レスポンス・メッセージを受信した後に、その中の9F47のタグにおける残りのデータの長さを読み取ることで、残りのデータの長さが0よりも大きいと判断した場合、残りのデータを読み取るリクエストの指令を開始し、その後、端末が、残りのデータを読み取るリクエストに基づいて送信する残りのデータを受信した後に、読み取った残りのデータをバイナリ・ファイル名に対応するファイルに格納する。1つの実施例において、リソース・トランスファー・インタラクション装置が残りのデータを読み取るリクエストの命令メッセージのフォーマットは、表2に示す通りである。
【0033】
【表2】
そのうち、CLAは、指令タイプを示し、INSは、指令タイプの指令コードを示し、P1、P2は、命令パラメータを示し、Lcは、データ・フィールドDataの長さを示し、該長さは、239バイトを超えず、Dataは、データ・フィールド又はレスポンス・データ・フィールドを示し、Leは、返されるデータの長さを示す。表2では、XXは、可変値を表す。1つの実施例において、残りのデータを読み取るリクエストの命令メッセージ、即ち、00B0100101010F08を例とする。そのうち、00は、CLAを示し、B0は、INSを示し、P1は、上3桁が100であり、下5桁がファイル識別子であり、10101というファイルを表し、0Fは、10101というファイルの先頭から16バイトシフトした位置から後続のデータを読み取ることを示し、08は、0Fバイトの位置から後へ8バイトを読み取ることを示す。よって、残りのデータを読み取るリクエストの前記命令メッセージは、10101というファイルの0F番目のバイトから後へ8バイトを取って返すと解釈される。
【0034】
端末が返す、残りのデータを読み取る前記リクエストに対応するレスポンス・メッセージは、例えば、伝送データ内容+9F47+04+バイナリ・ファイル名+残りの長さ(Remainder length)である。そのうち、伝送データ内容は、残りのデータであり、04とは、対応する指令タイプを指す。バイナリ・ファイル名とは、前記残りのデータを格納するためのファイル名を指す。毎回伝送されるデータの長さには制限があるため、残りのデータの長さが最大伝送長さよりも大きければ、端末は、残りのデータをさらに2つの部分に分割する必要がある。同様に、端末は、今回の伝送後の残りのデータの「残りの長さ」を伝送することができる。これにより、リソース・トランスファー・インタラクション装置は、次回、残りのデータを続けて読み取ることができる。なお、残りの長さ(Remainder lengt)が0になると、読み取りを停止する。
【0035】
1つの実施例において、上述のリソース・トランスファー方法は、さらに、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が返すリソース・トランスファー記録データを受信し、前記リソース・トランスファー記録データは、リソース・トランスファー位置情報、リソース・トランスファー数値、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に対応する装置ID、及びリソース・トランスファー時間情報のうちの少なくとも1つを含んでも良く、そして、前記リソース・トランスファー記録データを記憶することを含む。
【0036】
そのうち、端末においてもリソース・トランスファー記録データを保つことができるようにするために、リソース・トランスファー・インタラクション装置がリソース・トランスファー・データを受信した後にリソース・トランスファー記録データを端末に返すようにさせる。端末は、リソース・トランスファー・インタラクション装置が書き返すリソース・トランスファー記録データを受信し、その後、それを記憶する。安全に記憶するために、1つの実施例において、端末は、リソース・トランスファー記録データを受信した後に、リソース・トランスファー記録データを暗号化して記憶する。リソース・トランスファー記録データの書き返しが近距離無線通信により行われるため、ネットワークがない場合でも、リソース・トランスファー記録データの書き返しを実現することができる。1つの実施例において、端末におけるサブ・アプリケーション・プログラムにより、リソース・トランスファー・インタラクション装置とインタラクションを行い、端末が受信したリソース・トランスファー記録データをサブ・アプリケーション・プログラムに対応するファイル・ディレクトリ配下に格納する。物理カードに依存して書き戻しを行う従来の方法に対して、本実施例では、データを端末におけるサブ・アプリケーション・プログラムに書き戻すことを実現しており、即ち、データを仮想(バーチャル)カードに書き戻すことを実現している。
【0037】
1つの実施例において、端末は、ネットワークがあるときに、リソース・トランスファー記録データをサブ・アプリケーション・プログラムに対応するサーバーにアップロードすることができる。これにより、サーバーは、その後、収集したリソース・トランスファー記録データに基づいてユーザー行動分析を行うことができる。例えば、ユーザーの1日あたりのリソース・トランスファー記録データの発生回数をカウントし、所定の回数を超えた場合、悪意のあるリソース・トランスファーである可能性がある。
【0038】
乗車の適用シナリオの実施例において、上述のリソース・トランスファー・インタラクション装置は、公共交通機関でのキャッシュ・レジスターである。端末と、公共交通機関でのキャッシュ・レジスターとの間のインタラクション時間を短縮するために、乗車環境情報を記録するに必要な最小データ量を満たすデータ構造をデザインし、このデータ構造によってデータを書き戻すことができる。1つの実施例において、デザインされたデータ構造は、表3に示す通りである。
【0039】
【表3】
形成された上述のデータ構造は、公共交通機関でのキャッシュ・レジスターが端末に伝送する最小構造であり、乗車情報を記録するために用いられる。なお、上述のリソース・トランスファー方法は、リソース・トランスファーを行う任意のシナリオに適用することができる。
【0040】
1つの実施例において、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置は、公共交通機関でのキャッシュ・レジスターであり、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDは、QRコード・アプリケーションIDである。前記公共交通機関でのキャッシュ・レジスターが開始(出発)キャッシュ・レジスターであるときに、前記リソース・トランスファー記録データは、乗車開始位置情報、乗車開始キャッシュ・レジスターID及び乗車開始時間を含む。前記公共交通機関でのキャッシュ・レジスターが停止(到着)キャッシュ・レジスターであるときに、前記リソース・トランスファー記録データは、乗車停止位置情報、乗車停止キャッシュ・レジスターID、乗車停止時間及び乗車料金を含む。
【0041】
そのうち、乗車の適用シナリオにおいて、リソース・トランスファー・インタラクション装置は、公共交通機関でのキャッシュ・レジスターであり、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDは、QRコード・アプリケーションIDであり、対応するリソース・トランスファー・データは、QRコード・リソース・トランスファー・データである。地下鉄のように具体的な運賃を確定するにインバウンド及びアウトバウンド情報が必要な場合、公共交通機関でのキャッシュ・レジスターを開始キャッシュ・レジスターと停止キャッシュ・レジスターに分けることが要される。公共交通機関でのキャッシュ・レジスターが開始キャッシュ・レジスターであるときに、リソース・トランスファー記録データは、乗車開始位置情報、乗車開始キャッシュ・レジスターID及び乗車開始時間を含む。公共交通機関でのキャッシュ・レジスターが停止キャッシュ・レジスターであるときに、リソース・トランスファー記録データは、乗車停止位置情報、乗車停止キャッシュ・レジスターID、乗車停止時間及び乗車料金を含む。リソース・トランスファー記録データを端末に書き戻すことにより、ユーザーは、毎回の乗車記録をチェックすることができる。1つの実施例において、通常のバスのように乗車すると運賃を確定することができる場合、対応するリソース・トランスファー記録データは、乗車開始位置情報、乗車開始キャッシュ・レジスターID、乗車開始時間及び乗車料金を含む。なお、各シティの乗り物に適用することができる。図4は、1つの実施例において端末が乗車記録を表示するインターフェースを示す図である。
【0042】
アイテム取引の適用シナリオにおいて、上述のリソース・トランスファー・インタラクション装置は、販売者のキャッシュ・レジスターである。対応するリソース・トランスファー記録データは、購入時間、購入場所、アイテム情報、アイテム料金などを含む。
【0043】
1つの実施例において、サブ・アプリケーション・プログラムにより、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストの受信、及び、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストの受信後のステップを完成する。前記サブ・アプリケーション・プログラムは、親アプリケーション・プログラムにより提供される環境で実行される。
【0044】
そのうち、端末は、具体的には、端末におけるサブ・アプリケーション・プログラムにより、リソース・トランスファー・インタラクション装置とインタラクションを行い、サブ・アプリケーション・プログラムは、端末における親アプリケーション・プログラムにより提供される環境で実行される。親アプリケーション・プログラムは、サブ・アプリケーション・プログラムをホストするアプリケーション・プログラムであり、サブ・アプリケーション・プログラムを実現するための環境を提供する。親アプリケーション・プログラムは、ネイティブ・アプリケーション・プログラムである。ネイティブ・アプリケーション・プログラムは、直接、オペレーティング・システムで実行され得るアプリケーション・プログラムである。親アプリケーション・プログラムは、ソーシャル・アプリケーション・プログラム、サブ・アプリケーション・プログラムをサポートする専用アプリケーション・プログラム、ファイル管理アプリケーション・プログラム、電子メール・アプリケーション・プログラム、ゲーム・アプリケーション・プログラムなどであっても良い。
【0045】
サブ・アプリケーション・プログラムにより、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信することで、サブ・アプリケーション・プログラムは、アプリケーションID選択リクエストに基づいてターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを取得し、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDに対応するリソース・トランスファー・データを取得し、その後、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成する。リソース・トランスファー・データは、アプリケーションID選択レスポンス・メッセージのカスタム・フィールドに位置し、サブ・アプリケーション・プログラムは、アプリケーションID選択レスポンス・メッセージをリソース・トランスファー・インタラクション装置に返し、リソース・トランスファー・インタラクション装置は、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及びリソース・トランスファー・データに基づいて、対応するリソース・トランスファーを完成するために用いられる。
【0046】
1つの実施例において、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信する前に、さらに、次のようなことが含まれ、即ち、前記端末が近距離無線通信をサポートするかを検出し、「はい」のときに、端末がリソース・トランスファー・インタラクション装置のセンシング範囲内にあるときに、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信するステップに進み、「いいえ」のときに、前記端末は、QRコードを生成し、前記QRコードは、QRコード・リソース・トランスファー・データをキャリー(Carry)する。
【0047】
そのうち、幾つかの端末が近距離無線通信をサポートしない可能性があることを考慮して、このときに、リソース・トランスファー・インタラクション装置は、端末におけるQRコードをスキャンすることにより、リソース・トランスファー・データを得ることができる。従来の選択方法では、ユーザーが手動でどのリソース・トランスファー方法を用いるかを選択する必要がある。これに対して、本実施例では、端末が近距離無線通信をサポートするかを検出することによって自動で選択を行うことが提案されている。近距離無線通信をサポートする場合、近距離無線通信によるインタラクション方式を使用し、端末がリソース・トランスファー・インタラクション装置のセンシング範囲内にあるときに、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信するステップに進む。近距離無線通信をサポートしない場合、QRコードによるインタラクション方式を使用する。端末は、QRコードを生成し、該QRコードは、QRコード・リソース・トランスファー・データをキャリーし、リソース・トランスファー・インタラクション装置は、該QRコードをスキャンすることで、対応するQRコード・リソース・トランスファー・データを取得することができる。
【0048】
1つの実施例において、近距離無線通信は、HCEサービスを呼び出すことにより実現され、HCE(Host-based card emulation(ホスト・ベースド・カード・エミュレーション))は、端末におけるアプリケーションにより1つのカードをシミュレーションし、シミュレーションされた該カードを用いて、外部のリソース・トランスファー・インタラクション装置とインタラクションを行う。このようにして、ハードウェア無しのセキュア・エレメント(Secure Element、SE)の場合でも、依然として安全なデータ・インタラクションを実現することができる。1つの実施例において、近距離無線通信は、端末におけるサブ・アプリケーション・プログラムを用いて、HCEサービスのAPI(インターフェース)を呼び出すことにより実現される。そのうち、サブ・アプリケーション・プログラムとは、親アプリケーション・プログラムにより提供される実行環境に依存するプログラムを指し、親アプリケーション・プログラムは、サブ・アプリケーション・プログラムをホストするアプリケーション・プログラムであり、サブ・アプリケーション・プログラムを実現するための環境を提供する。親アプリケーション・プログラムは、ネイティブ・アプリケーション・プログラムである。ネイティブ・アプリケーション・プログラムは、直接、オペレーティング・システムで実行され得るアプリケーション・プログラムである。親アプリケーション・プログラムは、ソーシャル・アプリケーション・プログラム、サブ・アプリケーション・プログラムをサポートする専用アプリケーション・プログラム、ファイル管理アプリケーション・プログラム、電子メール・アプリケーション・プログラム、ゲーム・アプリケーション・プログラムなどであっても良い。
【0049】
もう1つの実施例において、近距離無線通信は、さらに、次のような方法で実現されても良く、即ち、SWP SIMカード(Single Wire Protocol Subscriber Identity Module(新しい仕様のSIMカード))をデータの安全記憶装置として使用し、カード番号及びパスワードをSWP SIMカードに保存し、カードのC6ピンによりNFC制御器と接続する。このような方法では、HCEシミュレーションバーチャルカードを使用する必要がなく、カード番号、パスワードなどの重要な情報をSWP SIMカードに直接記憶する。
【0050】
図5は、1つの実施例におけるリソース・トランスファーのフローを示す図である。まず、端末がサブ・アプリケーション・プログラムを実行し始めるときに、サブ・アプリケーション・プログラムは、端末がNFC機能をサポートするかを検出する。NFC機能をサポートしない場合、QRコードを直接生成し、QRコードを用いてリソース・トランスファー・データを伝送する。NFC機能をサポートする場合、サブ・アプリケーション・プログラムは、NFCが現在オンになっているかを判断する。NFC機能がオンになっていない場合、プロンプト・ボックスがポップアップし、システムを設定してNFC機能をオンにするようユーザーに促す。NFC機能がオンになっていると判断した後に、サブ・アプリケーション・プログラムは、NFCリソース・トランスファー環境を初期化し、その後、外部のリソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するリクエストを受信するまで待機する。リクエストを受信したら、リクエストに基づいてリソース・トランスファー・インタラクション装置とインタラクションを行い、そして、インタラクションが完了したかを判断し、「はい」の場合、リソース・トランスファー・データの伝送が完成したことを意味し、その後、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するリソース・トランスファー記録データを受信し、そして、受信したデータを暗号化してサブ・アプリケーション・プログラムに対応するファイル・ディレクトリ配下に格納する。
【0051】
1つの実施例において、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信する前に、さらに、次のようなことが含まれ、即ち、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するリソース・トランスファー環境選択リクエストを受信し、及び、前記リソース・トランスファー環境選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー環境を確定する。前記アプリケーションID選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを取得することは、ターゲット・リソース・トランスファー環境に対応するターゲット・リソース・トランスファー環境ディレクトリ配下から、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを選択して取得することを含む。
【0052】
そのうち、近距離無線通信によりインタラクションを行うときに、まず、リソース・トランスファー環境の選択を行う。端末は、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するリソース・トランスファー環境選択リクエストを受信し、リソース・トランスファー環境選択リクエストは、端末により選択されるターゲット・リソース・トランスファー環境を得るために用いられる。その後、端末は、ターゲット・リソース・トランスファー環境に対応するターゲット・リソース・トランスファー環境ディレクトリ配下において、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを選択して取得する。
【0053】
1つの実施例において、リソース・トランスファー環境を選択するときに、リソース・トランスファー環境選択リクエスト指令に使用される選択指令は、ファイル選択SELECT指令である。SELECT指令は、ファイル名、ファイル識別子、又は1つのアプリケーションの選択により、端末における対応するファイルを選択することで、リソース・トランスファー環境の設定を実現し、例えば、マスター・ファイル(Master File、MF)、従属ディレクトリを含むディレクトリ定義ファイル(Directory Definition File、DDF)、又は従属ディレクトリを含まないアプリケーション定義ファイル(Application Definition File、ADF)を選択する。DDFは、ディレクトリ入り口であり、その配下には、ADFがあっても良く、DDFがあっても良い。ADFは、ADF名を用いてアプリケーションを識別し、ADF名は、AIDであり、1つのAIDは、1つのアプリケーションを表す。
【0054】
1つの実施例において、リソース・トランスファー環境選択リクエストの命令メッセージは、表4に示す通りである。
【0055】
【表4】
そのうち、CLAは、指令タイプを示し、INSは、指令タイプの指令コードを表し、P1及びP2は、命令パラメータを示し、Lcは、データ・フィールドDataの長さを示し、該長さは、239バイトを超えず、Dataは、データ・フィールド又はレスポンス・データ・フィールドを示し、Leは、返されるデータの長さを示し、Leが00のときに、返されるのが最大データ長さであることを示し、該長さは、239バイトを超えない。
【0056】
端末は、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するリソース・トランスファー環境選択リクエストを受信した後に、先に、00A4がSELECT指令を表すと判断し、具体的なディレクトリ又はファイル名を選択する必要があると確定し、次に、P1を判断し、P1が00である場合、今回のリクエストがファイルの選択を要することを示し、具体的に選択されるファイル名は、Dataにより確定される。リクエストの意味内容を明確にした後に、端末は、端末の内部に前記ファイル名により示されるファイルが存在するかを判断し、存在する場合、ファイルが存在することを表すレスポンス・メッセージをリソース・トランスファー・インタラクション装置に送信し、存在しない場合、ファイルが存在しないことを表すレスポンス・メッセージをリソース・トランスファー・インタラクション装置に送信する。同様に、P1が04である場合、Dataに記述されるディレクトリを選択する必要があることを示す。リクエストの意味内容を明確にした後に、端末は、端末の内部に前記Dataにおいて示されるディレクトリが存在するかを判断し、このディレクトリがある場合、端末は、ディレクトリが存在することを表すレスポンス・メッセージをリソース・トランスファー・インタラクション装置に送信し、このディレクトリが存在しない場合、端末は、ディレクトリが存在しないことを表すレスポンス・メッセージをリソース・トランスファー・インタラクション装置に送信する。
【0057】
端末がリソース・トランスファー・インタラクション装置に送信する、リソース・トランスファー環境選択リクエストに対応するレスポンス・メッセージは、送り返すファイル制御情報(FCI)からなり、表5に示す通りである。
【0058】
【表5】
この表及び前述の各表から分かるように、リソース・トランスファー・インタラクション・プロセスにおけるレスポンス・メッセージの先頭は、すべて、6Fであり、続いて、84又はA5である。84の値は、固定した2PAY.SYS.DDF01を示す。このときに端末が返したメッセージは、例えば、6F840E2PAY.SYS.DDF01である。A5である場合、端末は、その中にFCI専用テンプレートが存在するかを判断し、FCI専用テンプレートがない場合、レスポンス・メッセージは、6F04A500であり、FCI専用テンプレートがある場合、A5の後ろにBF0Cが必要であり、続いて、端末は、その中にFCIカード発行機関カスタム・データが存在するかを判断し、FCIカード発行機関カスタム・データがない場合、レスポンス・メッセージは、6F0AA506BF0C00であり、FCIカード発行機関カスタム・データがある場合、端末の中に選択しないディレクトリ又はファイルが存在することを示し、BF0Cの後ろの61のタグは、複数組存在しても良く、各組は、ディレクトリ配下の詳細な情報を記述している。6F1EA51ABF0C14610411014F0810010101を例とすれば、6Fのタグの後ろにデータが存在し、長さが1Eバイト(10進数の場合、30バイトである)であり、A5は、その後ろにFCI専用テンプレートデータがあることを示し、長さが1Aバイト(10進数の場合、26バイトである)であり、BF0Cは、その後ろにFCIカード発行機関カスタム・データがあることを示し、長さが14バイト(10進数の場合、20バイトである)であり、その後ろには、61のタグがあり、それは、ディレクトリエントリーを記述しており、ディレクトリ名の長さは、4バイトであり、ディレクトリ名は、1101であり、1101というファイル・ディレクトリ配下には、ファイルがあるので、4Fタグで示され、ファイル名の長さは、8バイトであり、ファイル名は、10010101である。
【0059】
アプリケーションIDを選択するときに、リソース・トランスファー・インタラクション装置が発するアプリケーションID選択リクエストの命令メッセージは、表4における構造と一致しており、そのうち、リソース・トランスファー環境を選択するリクエストは、ターゲット・リソース・トランスファー環境ディレクトリを選択するために用いられ、アプリケーションID選択リクエストは、該ターゲット・リソース・トランスファー環境ディレクトリ配下の具体的なアプリケーションIDを選択するために用いられる。よって、アプリケーションAIDファイルは、リソース・トランスファー環境ファイル・ディレクトリ配下の1つのファイルと見なされても良く、ツリー構造である。
【0060】
図6は、1つの実施例においてリソース・トランスファー・インタラクション装置が端末とインタラクションを行うタイミング図である。まず、リソース・トランスファー・インタラクション装置が端末に、リソース・トランスファー環境の選択指令(リクエスト)を送信し、端末は、リソース・トランスファー環境のレスポンス・メッセージを返し、該リソース・トランスファー環境のレスポンス・メッセージには、選択されたリソース・トランスファー環境が含まれている。その後、リソース・トランスファー・インタラクション装置が端末に、アプリケーションIDの選択指令を送信し、端末は、アプリケーションIDのレスポンス・メッセージを返し、該レスポンス・メッセージには、選択されたターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及びリソース・トランスファー・データが含まれている。残りのリソース・トランスファー・データがあれば、リソース・トランスファー・インタラクション装置が端末に、残りのリソース・トランスファー・データを読み取るリクエストを送信し、端末は、リソース・トランスファー・データのレスポンス・メッセージを返し、レスポンス・メッセージには、残りのリソース・トランスファー・データが含まれている。最後に、リソース・トランスファー・インタラクション装置がリソース・トランスファー記録データを端末に送信し、端末は、リソース・トランスファー記録データを受信した後にそれを記憶し、また、受信成功のレスポンス・メッセージを返す。1つの実施例において、選択指令の命令メッセージ及び返されるレスポンス・メッセージは、TLV(Tag,Length,Value)フォマードを採用して伝送される。そのうち、Tagは、異なる指令を識別するために用いられ、Lengthは、指令の後ろのValueの長さを示し、Valueは、具体的な値を示す。
【0061】
図7は、1つの実施例におけるリソース・トランスファー方法を示す図である。該リソース・トランスファー方法は、具体的には、以下のようなステップを含む。
【0062】
ステップS601:端末が近距離無線通信をサポートするかを検出し、「はい」のときに、ステップS603に進み、「いいえ」のときに、ステップS602に進み;
ステップS602:QRコードを生成し、QRコードは、リソース・トランスファー・データをキャリーし;
ステップS603:端末がリソース・トランスファー・インタラクション装置のセンシング範囲内にあるときに、サブ・アプリケーション・プログラムは、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するリソース・トランスファー環境選択リクエストを受信し、サブ・アプリケーション・プログラムは、親アプリケーション・プログラムにより提供される環境で実行され;
ステップS604:リソース・トランスファー環境選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー環境を確定し;
ステップS605:近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信し;
ステップS606:ターゲット・リソース・トランスファー環境に対応するターゲット・リソース・トランスファー環境ディレクトリ配下から、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを選択して取得し;
ステップS607:ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDに対応するリソース・トランスファー・データを取得し、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及びリソース・トランスファー・データに基づいて、対応するアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成し、リソース・トランスファー・データは、アプリケーションID選択レスポンス・メッセージのカスタム・フィールドに位置し;
ステップS608:アプリケーションID選択レスポンス・メッセージをリソース・トランスファー・インタラクション装置に返し、リソース・トランスファー・インタラクション装置は、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及びリソース・トランスファー・データに基づいて、対応するリソース・トランスファーを完成するために用いられ;
ステップS609:リソース・トランスファー・インタラクション装置が返すリソース・トランスファー記録データを受信し、リソース・トランスファー記録データは、リソース・トランスファー位置情報、リソース・トランスファー数値、リソース・トランスファー・インタラクション装置に対応する装置ID、及びリソース・トランスファー時間情報のうちの少なくとも1つを含み;
ステップS610:リソース・トランスファー記録データを記憶する。
【0063】
上述のステップS601乃至S610は、サブ・アプリケーション・プログラムにより実行されても良い。
【0064】
図8は、1つの実施例におけるリソース・トランスファー装置を示す図である。該装置は、以下のようなものを含む。
【0065】
IDリクエスト受信モジュール802:端末がリソース・トランスファー・インタラクション装置のセンシング範囲内にあるときに、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信するために用いられ;
ID取得モジュール804:前記アプリケーションID選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを取得するために用いられ;
メッセージ生成モジュール806:前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDに対応するリソース・トランスファー・データを取得し、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成するために用いられ、前記リソース・トランスファー・データは、前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージのカスタム・フィールドに位置し;
リターン・モジュール808:前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージを前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に返すために用いられ、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置は、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するリソース・トランスファーを完成するために用いられる。
【0066】
1つの実施例において、前記カスタム・フィールドは、第一カスタム・フィールド及び第二カスタム・フィールドを含み、前記メッセージ生成モジュール806は、さらに、前記リソース・トランスファー・データが所定の長さよりも大きいときに、前記リソース・トランスファー・データを第一セグメント・データと残りのデータに分割し、前記第一セグメント・データを前記第一カスタム・フィールドに追加し、前記残りのデータに対応するデータ長を取得し、そして、前記データ長を前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージの第二カスタム・フィールドに追加するために用いられる。
【0067】
図9に示すように、1つの実施例において、前記第二カスタム・フィールドは、さらに、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置において前記残りのデータを記憶するためのファイルIDを含み、上述のリソース・トランスファー装置は、さらに、以下のようなものを含む。
【0068】
データ伝送モジュール807:前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信する、残りのデータを読み取るリクエストを受信し、前記残りのデータを読み取るリクエストに基づいて、前記残りのデータを前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に伝送するために用いられ、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置は、受信した残りのデータを前記ファイルIDに対応するファイルに格納するために用いられる。
【0069】
図10に示すように、1つの実施例において、上述のリソース・トランスファー装置は、さらに、以下のようなものを含む。
【0070】
記録データ受信モジュール810:前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が返すリソース・トランスファー記録データを受信するために用いられ、前記リソース・トランスファー記録データは、リソース・トランスファー位置情報、リソース・トランスファー数値、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に対応する装置ID、及びリソース・トランスファー時間情報のうちの少なくとも1つを含み;
記憶モジュール812:前記リソース・トランスファー記録データを記憶するために用いられる。
【0071】
1つの実施例において、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置は、公共交通機関でのキャッシュ・レジスターであり、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDは、QRコード・アプリケーションIDである。前記公共交通機関でのキャッシュ・レジスターが開始キャッシュ・レジスターであるときに、前記リソース・トランスファー記録データは、乗車開始位置情報、乗車開始キャッシュ・レジスターID及び乗車開始時間を含む。前記公共交通機関でのキャッシュ・レジスターが停止キャッシュ・レジスターであるときに、前記リソース・トランスファー記録データは、乗車停止位置情報、乗車停止キャッシュ・レジスターID、乗車停止時間及び乗車料金を含む。
【0072】
1つの実施例において、前記装置の実行主体は、端末におけるサブ・アプリケーション・プログラムであっても良い。サブ・アプリケーション・プログラムにより、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信し、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信した後のステップを完成する。前記サブ・アプリケーション・プログラムは、親アプリケーション・プログラムにより提供される支払い環境で実行される。
【0073】
図11に示すように、1つの実施例において、前記近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信する前に、さらに、以下のようなものが含まれる。
【0074】
検出モジュール801:前記端末が近距離無線通信をサポートするかを検出するために用いられ、「はい」のときに、端末がリソース・トランスファー・インタラクション装置のセンシング範囲内にあるときに、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信するステップに進み、「いいえ」のときに、前記端末は、QRコードを生成し、前記QRコードは、QRコード・リソース・トランスファー・データをキャリーする。
【0075】
図12に示すように、1つの実施例において、前記近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信する前に、さらに、以下のようなものが含まれる。
【0076】
環境リクエスト受信モジュール814:近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するリソース・トランスファー環境選択リクエストを受信するために用いられ;
確定モジュール816:前記リソース・トランスファー環境選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー環境を確定するために用いられる。
【0077】
前記ID取得モジュール804は、さらに、ターゲット・リソース・トランスファー環境に対応するターゲット・リソース・トランスファー環境ディレクトリ配下から、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを選択して取得するために用いられる。
【0078】
図13は、1つの実施例におけるコンピュータ装置の内部構成を示す図である。該コンピュータ装置は、具体的には、端末である。図13に示すように、該コンピュータ装置は、システム・バスにより接続される処理器、記憶器、及びネットワーク・インターフェースを含む。そのうち、記憶器は、不揮発性記憶媒体及びメモリを含む。該コンピュータ装置の不揮発記憶媒体は、オペレーティング・システムを記憶し、また、コンピュータ・プログラムを記憶しても良く、該コンピュータ・プログラムは、処理器により実行されるときに、処理器に、リソース・トランスファー装置を実現させることができる。該コンピュータ・プログラムは、上述のメモリに記憶されても良く、処理器により実行されるときに、処理器に、リソース・トランスファー装置を実現させることができる。なお、当業者が理解すべきは、図13に示す構成は、本発明の技術的手段に関連する部分の構成のブロック図に過ぎず、本発明の技術的手段が適用されるコンピュータ装置を限定するものでなく、具体的なコンピュータ装置は、図示よりも多い又は少ない部品を含んでも良く、又は、他の部品と組み合わせても良く、又は、異なる部品配置を有しても良いということである。
【0079】
1つの実施例において、本発明によるリソース・トランスファー装置は、コンピュータ・プログラムとして実現されても良い。コンピュータ・プログラムは、図13に示すようなコンピュータ装置で実行することができる。コンピュータ装置の記憶器には、該リソース・トランスファー装置を構成する各プログラム・モジュール、例えば、IDリクエスト受信モジュール802、ID取得モジュール804、メッセージ生成モジュール806、及びリターン・モジュール808が記憶されても良い。各プログラム・モジュールにより構成されるコンピュータ・プログラムは、処理器に、本明細書記載の本発明の各実施例に係るリソース・トランスファー装置におけるステップを実行させる。例えば、図13に示すコンピュータ装置は、図8に示すようなリソース・トランスファー装置のIDリクエスト受信モジュール802を用いて、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信することができ;ID取得モジュール804を用いて、前記アプリケーションID選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを取得することができ;メッセージ生成モジュール806を用いて、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDに対応するリソース・トランスファー・データを取得し、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成することができ、前記リソース・トランスファー・データは、前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージのカスタム・フィールドに位置し;及び、リターン・モジュール808を用いて、前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージを前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に返すことができ、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置は、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するリソース・トランスファーを完成するために用いられる。
【0080】
1つの実施例において、コンピュータ装置が提供され、それは、記憶器及び処理器を含む。前記記憶器には、コンピュータ・プログラムが記憶されており、前記コンピュータ・プログラムは、前記処理器により実行されるときに、前記処理器に、次のようなステップを実行させ、即ち、端末がリソース・トランスファー・インタラクション装置のセンシング範囲内にあるときに、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信し;前記アプリケーションID選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを取得し;前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDに対応するリソース・トランスファー・データを取得し、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成し、前記リソース・トランスファー・データは、前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージのカスタム・フィールドに位置し;及び、前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージを前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に返し、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するリソース・トランスファーを完成するために用いられる。
【0081】
1つの実施例において、前記カスタム・フィールドが第一カスタム・フィールド及び第二カスタム・フィールドを含み、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成することは、前記リソース・トランスファー・データが所定の長さよりも大きいときに、前記リソース・トランスファー・データを第一セグメント・データと残りのデータに分割し;前記第一セグメント・データを前記第一カスタム・フィールドに追加し;及び、前記残りのデータに対応するデータ長を取得し、前記データ長を前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージの第二カスタム・フィールドに追加する。
【0082】
1つの実施例において、前記第二カスタム・フィールドには、さらに、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置において前記残りのデータを記憶するためのファイルIDが含まれ、前記コンピュータ・プログラムは、さらに、前記処理器に、次のようなステップを実行させ、即ち、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信する、残りのデータを読み取るリクエストを受信し、前記残りのデータを前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に伝送し、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置は、受信した残りのデータを前記ファイルIDに対応するファイルに格納するために用いられる。
【0083】
1つの実施例において、前記コンピュータ・プログラムは、さらに、前記処理器に、次のようなステップを実行させ、即ち、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が返すリソース・トランスファー記録データを受信し、前記リソース・トランスファー記録データは、リソース・トランスファー位置情報、リソース・トランスファー数値、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に対応する装置ID、及びリソース・トランスファー時間情報のうちの少なくとも1つを含み;及び、前記リソース・トランスファー記録データを記憶する。
【0084】
1つの実施例において、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置は、公共交通機関でのキャッシュ・レジスターであり、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDは、QRコード・アプリケーションIDである。前記公共交通機関でのキャッシュ・レジスターが開始キャッシュ・レジスターであるときに、前記リソース・トランスファー記録データは、乗車開始位置情報、乗車開始キャッシュ・レジスターID及び乗車開始時間を含み、前記公共交通機関でのキャッシュ・レジスターが停止キャッシュ・レジスターであるときに、前記リソース・トランスファー記録データは、乗車停止位置情報、乗車停止キャッシュ・レジスターID、乗車停止時間及び乗車料金を含む。
【0085】
1つの実施例において、前記近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信する前に、前記コンピュータ・プログラムは、さらに、前記処理器に、次のようなステップを実行させ、即ち、前記端末が近距離無線通信をサポートするかを検出し、「はい」の場合、端末がリソース・トランスファー・インタラクション装置のセンシング範囲内にあるときに、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信するステップに進み、「いいえ」の場合、前記端末は、QRコードを生成し、前記QRコードは、QRコード・リソース・トランスファー・データをキャリーする。
【0086】
1つの実施例において、前記近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信する前に、前記コンピュータ・プログラムは、さらに、前記処理器に、次のようなステップを実行させ、即ち、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するリソース・トランスファー環境選択リクエストを受信し;及び、前記リソース・トランスファー環境選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー環境を確定する。前記アプリケーションID選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを取得することは、ターゲット・リソース・トランスファー環境に対応するターゲット・リソース・トランスファー環境ディレクトリ配下から、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを選択して取得することを含む。
【0087】
1つの実施例において、コンピュータ可読記憶媒体が提供され、その中には、コンピュータ・プログラムが記憶されており、前記コンピュータ・プログラムは、処理器により実行されるときに、前記処理器に、次のようなステップを実行させ、即ち、端末がリソース・トランスファー・インタラクション装置のセンシング範囲内にあるときに、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信し;前記アプリケーションID選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを取得し;前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDに対応するリソース・トランスファー・データを取得し、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成し、前記リソース・トランスファー・データは、前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージのカスタム・フィールドに位置し;及び、前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージを前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に返し、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置は、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するリソース・トランスファーを完成するために用いられる。
【0088】
1つの実施例において、前記カスタム・フィールドが第一カスタム・フィールド及び第二カスタム・フィールドを含み、前記前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションID及び前記リソース・トランスファー・データに基づいて、対応するアプリケーションID選択レスポンス・メッセージを生成することは、前記リソース・トランスファー・データが所定の長さよりも大きいときに、前記リソース・トランスファー・データを第一セグメント・データと残りのデータに分割し;前記第一セグメント・データを前記第一カスタム・フィールドに追加し;及び、前記残りのデータに対応するデータ長を取得し、前記データ長を前記アプリケーションID選択レスポンス・メッセージの第二カスタム・フィールドに追加することを含む。
【0089】
1つの実施例において、前記第二カスタム・フィールドには、さらに、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置において前記残りのデータを記憶するためのファイルIDが含まれ、前記コンピュータ・プログラムは、さらに、前記処理器に、次のようなステップを実行させ、即ち、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信する、残りのデータを読み取るリクエストを受信し、前記残りのデータを前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に伝送し、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置は、受信した残りのデータを前記ファイルIDに対応するファイルに格納する。
【0090】
1つの実施例において、前記コンピュータ・プログラムは、さらに、前記処理器に、次のようなステップを実行させ、即ち、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置が返すリソース・トランスファー記録データを受信し、前記リソース・トランスファー記録データは、リソース・トランスファー位置情報、リソース・トランスファー数値、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置に対応する装置ID、及びリソース・トランスファー時間情報のうちの少なくとも1つを含み;及び、前記リソース・トランスファー記録データを記憶する。
【0091】
1つの実施例において、前記リソース・トランスファー・インタラクション装置は、公共交通機関でのキャッシュ・レジスターであり、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDは、QRコード・アプリケーションIDである。前記公共交通機関でのキャッシュ・レジスターが開始キャッシュ・レジスターであるときに、前記リソース・トランスファー記録データは、乗車開始位置情報、乗車開始キャッシュ・レジスターID及び乗車開始時間を含み、前記公共交通機関でのキャッシュ・レジスターがキャッシュ・レジスターであるときに、前記リソース・トランスファー記録データは、乗車停止位置情報、乗車停止キャッシュ・レジスターID、乗車停止時間及び乗車料金を含む。
【0092】
1つの実施例において、前記近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信する前に、前記コンピュータ・プログラムは、さらに、前記処理器に、次のようなステップを実行させ、即ち、前記端末が近距離無線通信をサポートするかを検出し、「はい」のときに、端末がリソース・トランスファー・インタラクション装置のセンシング範囲内にあるときに、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信するステップに進み、「いいえ」のときに、前記端末は、QRコードを生成し、前記QRコードは、QRコード・リソース・トランスファー・データをキャリーする。
【0093】
1つの実施例において、前記近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するアプリケーションID選択リクエストを受信する前に、前記コンピュータ・プログラムは、さらに、前記処理器に、次のようなステップを実行させ、即ち、近距離無線通信により、リソース・トランスファー・インタラクション装置が送信するリソース・トランスファー環境選択リクエストを受信し;及び、前記リソース・トランスファー環境選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー環境を確定する。前記アプリケーションID選択リクエストに基づいて、ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを取得することは、ターゲット・リソース・トランスファー環境に対応するターゲット・リソース・トランスファー環境ディレクトリ配下から、前記ターゲット・リソース・トランスファー・アプリケーションIDを選択して取得することを含む。
【0094】
なお、当業者が理解すべきは、上述の実施例に係る装置における全部又は一部のフローは、コンピュータ・プログラムによって関連するハードウェアを指令することで実現されても良いということである。前記プログラムは、不揮発性コンピュータ可読取記憶媒体に記憶されても良く、該プログラムが実行されるときには、上述の各装置の実施例におけるフローが含まれても良い。そのうち、本発明による各実施例に使用される、記憶器、記憶、データベース又は他の媒体についてのいずれの参照は、不揮発性及び/又は揮発性記憶を含んでも良い。不揮発記憶器は、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能なプログラマブルROM(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)又はフレッシュメモリを含んでも良い。揮発性記憶器は、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は外部高速キャッシュメモリを含んでも良い。限定ではなく説明として、RAMは、様々な形で利用することができ、例えば、静的RAM(SRAM)、動的RAM(DRAM)、同期DRAM(SDRAM)、ダブル・データ・レートSDRAM(DDRSDRAM)、強化型SDRAM(ESDRAM)、同期リンク(Synchlink)DRAM(SLDRAM)、メモリ・バス(Rambus)直接RAM(RDRAM)、直接メモリ・バス動的RAM(DRDRAM)、及びメモリ・バス動的RAM(RDRAM)などである。
【0095】
また、上述の実施例における技術的特徴は、任意に組み合わせることができる。説明を簡潔にするために、上述の実施例における技術的特徴のすべての可能な組み合わせについては説明しないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、そのすべては、本明細書記載の範囲にあるとする。
【0096】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されず、本発明の趣旨を離脱しない限り、本発明に対するあらゆる変更は本発明の技術的範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13