特許第6980123号(P6980123)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6980123動力回収タービンを有する水素処理ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6980123
(24)【登録日】2021年11月18日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】動力回収タービンを有する水素処理ユニット
(51)【国際特許分類】
   C10G 45/00 20060101AFI20211202BHJP
   F02C 6/00 20060101ALI20211202BHJP
   F01K 25/10 20060101ALI20211202BHJP
   F02C 1/02 20060101ALI20211202BHJP
【FI】
   C10G45/00
   F02C6/00 B
   F01K25/10 Z
   F02C1/02
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-547180(P2020-547180)
(86)(22)【出願日】2019年3月15日
(65)【公表番号】特表2021-516715(P2021-516715A)
(43)【公表日】2021年7月8日
(86)【国際出願番号】US2019022433
(87)【国際公開番号】WO2019178457
(87)【国際公開日】20190919
【審査請求日】2020年10月30日
(31)【優先権主張番号】15/923,978
(32)【優先日】2018年3月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598055242
【氏名又は名称】ユーオーピー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】フレイ、スタンレー ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ハリス、ジェームズ ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンドコテ、ミシェル アール.
【審査官】 森 健一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2018/005184(WO,A1)
【文献】 特開2001−89769(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10G 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素処理プロセスにおいて動力を回収するための方法であって、
炭化水素供給ストリーム(130)を水素ストリーム(105)の第1の部分(120)と組み合わせて、組み合わせた供給ストリームを形成することと、
前記組み合わせた供給ストリームを加熱することと、
前記加熱された組み合わせた供給ストリーム(150)を、少なくとも2つの水素処理床(160、165)を有する水素処理反応ゾーン(155)に導入することと、
前記組み合わせた加熱された供給ストリーム(150)を、第1の水素処理条件で第1の水素処理触媒と接触させて、第1の水素処理されたストリームを形成することと、
前記水素ストリーム(105)の第2の部分(125)の第1の一部(200)を前記第1の水素処理されたストリームと組み合わせて、第1の急冷された水素処理されたストリーム(240)を形成することと、
前記第1の急冷された水素処理されたストリーム(240)を、第2の水素処理条件で第2の水素処理触媒と接触させて、第2の水素処理されたストリームを形成することと、
前記水素ストリーム(105)の前記少なくとも第2の部分(125)の少なくとも一部分を、動力回収タービン(190)を通して方向付けて、そこから電力を生成することと、を含む、方法。
【請求項2】
制御弁(220)、又は前記動力回収タービン(190)、若しくはその両方を使用して、前記水素ストリーム(105)の前記少なくとも前記第2の部分(125)の流量を制御することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
水素プロセッサにおいて動力を回収するための装置であって、
少なくとも2つの水素処理床(160、165)、供給物入口、水素入口、及び出口を有する水素処理反応ゾーン(155)であって、前記水素入口が、前記少なくとも2つの水素処理床(160、165)の間に位置付けされている、水素処理反応ゾーン(155)と、
前記供給物入口と流体連通しているチャージ加熱器(145)と、
前記水素入口と流体連通する水素ラインと、
前記水素ラインと流体連通している動力回収タービン(190)と、を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
水素処理ユニットにおいて、水素は、水素処理反応器内の複数のポイントにリサイクルされる。水素リサイクル流の一部分は、供給物と共に反応器入口に送られ、反応器流出液との熱交換を介して300℃〜400℃に加熱された後、通常は、燃焼加熱器を通して加熱して、反応のための水素を提供し、ヒートシンクを提供して、発熱性の高い脱硫、脱窒、飽和、及び水素化分解反応が熱を発生させる際の反応器内の温度上昇を最小限に抑える。水素処理された供給物がディーゼル範囲又はより重いほとんどの場合、リサイクル水素の残りは、典型的には、100℃未満の温度で反応器の長さに沿ったポイントに添加される。添加ポイントは、触媒不活性化率の増加、ガス化合物へのクラッキングの増加、及び暴走の可能性の増加により、望ましくないレベルに温度が上昇した触媒床の間である。添加される水素は、反応器ストリームよりも200℃〜350℃だけ低温であり、ストリームを冷却して許容範囲に戻す。多くの動作ユニットにおいて、スループットは、実際には、反応器温度を安全な範囲に維持するために、これらの添加された水素急冷ストリームから利用可能な冷却の量によって制限される。
【0002】
更に、従来の設計は、全てのリサイクル水素を、全ての反応器供給加熱器材及び反応器の全長を通る水素を得るために必要とされる圧力まで圧縮し、この水素の大きな分画が、急冷として使用されるとき加熱セクション及び反応器のセクションをバイパスしても、それによって、急冷水素温度制御弁を横切る圧縮機からリサイクルガスに添加されたエネルギーを浪費する。圧縮機の動力を節約するために必要とされる圧力まで反応器入口の水素及び急冷水素ストリームをただ圧縮することは、圧縮機に不必要な複雑さを追加するため、そして、いずれにしても触媒サイクル中に流れを変える必要があり、触媒が失活して温度上昇を床へ更には反応器内へシフトさせるため、通常は設計で行われない。
【0003】
したがって、改善された水素処理方法が必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本発明のプロセスの一実施形態の図解である。
図2】本発明のプロセスの別の実施形態の図解である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
既存の温度制御弁(temperature control valve、TCV)と並列に急冷水素ラインにタービンを設置することにより、そうでなければ弁を介して散逸されたエネルギーから相当量の電力が提供される。そのうえ、タービンは、圧縮機出口の温度から水素を更に冷却し、本質的に「不要冷却」を提供する。これは次に、同じ量の急冷水素流に対してより多くの冷却デューティを提供し、急冷ガスによって制限される水素処理反応ゾーンに、より多くの供給物が送られることを可能にする。それ自体生成された電気を支給するタービンシステムを備えた低温の急冷水素により、5%の範囲の供給能力の増加が可能である。
【0006】
タービンは、ポンプ又は圧縮機を駆動するように直接連結され得るが、しかしながら、必要とされるいくつかの追加の器材(連結、クラッチ、ベアリングシステム、ギアボックスなどの方法の)が与えられれば、電気の直接生成は、より便利となる可能性がある。
【0007】
いくつかの実施形態では、動力回収タービンは、新しいプラント又は既存のプラントにおいて制御弁と置き換えるために使用され得る。この場合、動力回収タービンは、水素ストリームの流れを制御する。他の実施形態では、動力回収タービンは、制御弁と並列に追加され得る。この場合、動力回収タービン又は制御弁のいずれかを、水素ストリームのための主要な流れ制御要素として使用することができる。
【0008】
動力制御タービンがTCVと並列に置かれると、動力回収タービンが利用できなくなった場合には、TCVはフロー制御を引き継ぐことができる。また、動力回収タービンをベース負荷し、より一定の流れのためのトリム制御を行うTCVを有することも可能であり、より正確かつ高効率のタービン設計を可能にする。
【0009】
いくつかの実施形態では、処理ユニット内のプロセスストリームの流量を制御し、プロセスストリームからエネルギーを回収するためのプロセスは、タービンを通る流れに対する抵抗を変化させるために、いくつか例を挙げると、可変ノズルタービン、入口可変ガイド翼、又は直接連結された可変電気負荷を使用してプロセスストリームの流量を制御するために、1つ以上の可変抵抗動力回収タービンを通るプロセスストリームの一部分を方向付けることを含む。
【0010】
可変抵抗タービンの回転に対する抵抗は、タービン上で回転する磁石(複数可)からの磁界内にある外部可変負荷電気回路によって変化させることができる。より多くの負荷が回路上に置かれると、タービンの回転に対する抵抗がより高い。このことにより、タービン全体でより多くの圧力低下が与えられ、プロセスストリームの流れが遅くなる。デバイスにおけるアルゴリズムはまた、タービンRPM及び回路上の負荷を測定することによって、デバイスを通る実際の流れを計算することもできる。回転流に対する抵抗はまた、可変位置入口ガイド翼によって変化させることができる。いくつかの実施形態では、動力は、ガイド翼又は電力生成回路上の可変負荷のいずれかによって可能になる流れに対する可変抵抗を有する動力回収タービンを介して生成される。ガイド翼位置、動力出力、及びRPMを使用して実際の流れを計算するためのアルゴリズムを使用することができる。
【0011】
動力回収タービンは、圧縮機出口から反応器への全圧力降下から最大量の動力を抽出するために、流れ自体を制御する能力を有することが望ましい。マルチタービンスキッドに出入りするように走っている急冷ラインを備えた高速かつシンプルな設置のために、複数のタービンを1台のプラットフォーム上に経済的に構築することができる。このタイプのより長い応答性の高い慣性温度制御システムは、制御弁よりも可変流動抵抗タービンの可能なより遅い制御動作によく適合している。タービンの遅い制御応答が問題である場合、タービンの使用は、遅い応答又は「緩い」制御ポイントアプリケーションに限定される。遅い応答のアプリケーションは、新しい(又は目標の)条件が元の(又は開始時の)条件と少なくとも10%異なる場合、変化の半分が完了するために、少なくとも1秒、又はそれ以上、例えば10秒、少なくとも1分、少なくとも10分、又は1時間以上の、元の(又は開始時の)定常状態条件から新しい(又は目標)定常状態条件(例えば、温度、圧力、流量)の中間(つまり、50%の差)に達する応答時間を有することが考えられる。
【0012】
米国特許第5,481,145号に示されているようなコンパクトタービンシステムは、そのコンパクトなサイズ、動作の単純さ、及びインフラストラクチャの必要性が低いため、このアプリケーションに特に有用である。ライン上の上流フィルタは、任意の粉塵からタービンを保護するために必要とされる可能性が高い。
【0013】
あるいは、単一のタービンを、資本コストを最小限に抑えるために、個々の床に分岐する前に、水素急冷ガスストリーム全体に配置することができる。この場合、下流弁(存在する場合)全体で圧力降下をとる必要があり、反応器に沿った圧力降下を利用しないため、潜在的な動力生成の一部が失われる。
【0014】
本発明の一態様は、水素処理プロセスにおいて動力を回収するための方法である。本方法は、炭化水素供給ストリームを水素ストリームの第1の部分と組み合わせて、組み合わせた供給ストリームを形成することを含む。組み合わせた供給ストリームは加熱され、加熱された組み合わせた供給ストリームは、少なくとも2つの水素処理床を有する水素処理反応ゾーンに導入される。組み合わせ加熱された供給ストリームは、第1の水素処理条件で第1の水素処理触媒と接触されて、第1の水素処理されたストリームを形成する。水素ストリームの第2の部分の少なくとも第1の一部は、第1の水素処理されたストリームと組み合わされて、第1の急冷された水素処理されたストリームを形成する。第1の急冷された水素処理されたストリームは、第2の水素処理条件で第2の水素処理触媒と接触されて、第2の水素処理されたストリームを形成する。水素ストリームの少なくとも第2の部分の少なくとも一部分は、動力回収タービンを通って方向付けられて、そこから電力を生成する。
【0015】
いくつかの実施形態では、水素ストリームの少なくとも第2の部分の流量は、制御弁、又は動力回収タービン、若しくはその両方を使用して制御される。
【0016】
いくつかの実施形態では、動力回収タービンを通って方向付けられた水素ストリームの第2の部分の一部分は、第2の部分の少なくとも第1の一部を含み、これは次いで、第1の水素処理されたストリームと組み合わされる。
【0017】
いくつかの実施形態では、水素処理反応ゾーンは、少なくとも3つの水素処理床を備える。水素ストリームの第2の部分の第2の一部は、第2の水素処理されたストリームと組み合わされて、第2の急冷された水素処理されたストリームを形成する。第2の急冷された水素処理されたストリームは、第3の水素処理条件で第3の水素処理触媒と接触されて、第3の水素処理されたストリームを形成する。水素ストリームの第2の部分の第1及び第2の一部は、水素ストリームの第2の部分を、水素ストリームの第2の部分が動力回収タービンを通って方向付けられた後に、少なくとも2つの一部に分割することによって形成される。いくつかの実施形態では、水素ストリームの第2の部分の第1の一部の流れのうちの少なくとも1つは、第1の制御弁、又は動力回収タービン、若しくはその両方を使用して制御され、水素ストリームの第2の部分の第2の一部の流れは、第2の制御弁、又は動力回収タービン、若しくはその両方を使用して制御される。
【0018】
いくつかの実施形態では、水素処理反応ゾーンは、少なくとも3つの水素処理床を備え、少なくとも2つの動力回収タービンが存在する。水素ストリームの第2の部分の第2の一部は、第2の水素処理されたストリームと組み合わされて、第2の急冷された水素処理されたストリームを形成する。第2の急冷された水素処理されたストリームは、第3の水素処理条件で第3の水素処理触媒と接触されて、第3の水素処理されたストリームを形成する。水素ストリームの第2の部分は、少なくとも2つの一部に分割され、第1の一部の少なくとも分画が、第1の動力回収タービンを通って方向付けられ、第2の一部の少なくとも分画が、第2の動力回収タービンを通って方向付けられる。いくつかの実施形態では、水素ストリームの第2の部分の第1の一部の第2の分画の流れのうちの少なくとも1つは、第1の制御弁、又は第1の動力回収タービン、若しくはその両方を使用して制御され、水素ストリームの第2の部分の第2の一部の第2の分画の流れは、第2の制御弁、又は第2の動力回収タービン、若しくはその両方を使用して制御される。
【0019】
いくつかの実施形態では、水素ストリームはリサイクル水素ストリームである。
【0020】
いくつかの実施形態では、動力回収タービンによって生成される電力は、直流である。
【0021】
いくつかの実施形態では、動力回収タービンは、水素処理床間の急冷として、水素処理反応ゾーンに送られる水素ストリームの部分上の主要な流れ制御要素である。他の実施形態では、制御弁は、水素処理床間の急冷として、水素処理反応ゾーンに送られる水素ストリームの部分上の主要な流れ制御要素である。いくつかの実施形態では、動力回収タービンは、水素処理床間の急冷として、水素処理反応ゾーンに送られる水素ストリームの個々の分岐上の主要な流れ制御デバイスである。他の実施形態では、流れ制御弁は、水素処理床間の急冷として、水素処理反応ゾーンに送られる水素ストリームの個々の分岐上の主要な流れ制御デバイスである。
【0022】
動力回収タービンを通して水素ガスの流れを方向付けることの1つの効果は、水素の温度の低下である。動力回収タービン出口を出る水素ストリームは、同じ出口圧力で制御弁を出る水素ストリームよりも低温である。これは、タービンが、制御弁よりも水素ストリームからより多くのエネルギーを抽出するために発生する。タービンは、タービンを駆動するための機械的及び熱エネルギーの損失を伴う、等エントロピー膨張を近似する。これは、システムからエネルギーが抽出されることなく又は熱が伝達されることなく圧力降下が行われる弁を通じた断熱的、高度に不可逆的な膨張と比較される。タービンからのより低い温度は、より高い出口温度をもたらす弁の場合よりも少ない水素で反応器床間の冷却が達成されることを可能にする。このより低い水素流要件により、水素の圧縮セクションにおいてエネルギー節約、又は代わりに、より低温の水素急冷ストリームにより温度制限がいくらか緩和されるため、高温により制限される反応器への炭化水素供給量を増加させることができる、のいずれかが可能になる。水素処理反応器床は、典型的には、望ましくないメタン化としての熱放出の自動伝播の可能性、及び、一旦開始すると壊滅的に急速に温度を上昇させ始め得るクラッキング反応の増加を回避するために高温限界を有する。
【0023】
いくつかの実施形態では、10%の設定値変更後に新しい設定値の50%に到達するためのプロセス変数変更応答時間は、少なくとも10秒である。他の実施形態では、10%の設定値変更後に新しい設定値の50%に到達するためのプロセス変数変更応答時間は、少なくとも1秒である。
【0024】
いくつかの実施形態では、方法は制御ステップを含む。いくつかの実施形態では、方法は、複数の圧力低減デバイスから情報を受信することであって、複数の圧力低減デバイスが、1つ以上の動力回収タービンと、制御弁と、又は、両方とも、を備える、受信することと、圧力低減デバイスの各々についての動力損失値又は動力生成値を決定することと、圧力低減デバイスの各々からの動力損失値又は動力生成値に基づいて、総動力損失値又は総動力生成値を決定することと、総動力損失値又は総動力生成値を少なくとも1つの表示画面上に表示することと、を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、方法は、総動力損失値又は総動力生成値に基づいて、水素処理反応ゾーン内の少なくとも1つのプロセスパラメータを調整することを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、方法は、プロセスパラメータが調整された後、圧力低減デバイスの各々についての更新された動力損失値又は更新された動力生成値を決定することと、圧力低減デバイスの各々からの更新された動力損失値又は更新された動力生成値に基づいて、水素処理反応ゾーンの更新された総動力損失値又は更新された総動力生成値を決定することと、更新された総動力損失値又は更新された総動力生成値を少なくとも1つの表示画面上に表示することと、を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、方法は、水素処理反応ゾーンの外側の条件に関連付けられた情報を受信することを含み、総動力損失値又は総動力生成値は、水素処理反応ゾーンの外側の条件に関連付けられた情報に一部基づいて決定される。
【0028】
いくつかの実施形態では、方法は、水素処理反応ゾーンのスループットに関連付けられた情報を受信することを含み、総動力損失値又は総動力生成値は、水素処理反応ゾーンのスループットに関連付けられた情報に一部基づいて決定される。
【0029】
いくつかの実施形態では、方法は、総動力損失値又は総動力生成値に基づいて、水素処理反応ゾーンの部分の少なくとも1つのプロセスパラメータを調整しながら、水素処理反応ゾーンのスループットを維持することを含む。
【0030】
本発明の別の態様は、水素処理反応ゾーンにおいて動力を回収するための装置である。一実施形態では、装置は、少なくとも2つの水素処理床、供給物入口、水素入口、及び出口を有する水素処理反応ゾーンであって、水素入口は、少なくとも2つの水素処理床の間に位置付けされている、水素処理反応ゾーンと、供給物入口と流体連通しているチャージ加熱器と、水素入口と流体連通している水素ラインと、水素ラインと流体連通している動力回収タービンと、を備える。
【0031】
いくつかの実施形態では、水素処理反応ゾーンは、少なくとも3つの水素処理床及び少なくとも2つの水素入口を有し、水素ラインは、少なくとも第1のライン及び第2ラインを形成する動力回収タービンの下流の少なくとも2つの一部に分割され、第1のラインが第1の水素入口と流体連通しており、第2のラインが第2の水素入口と流体連通している。
【0032】
いくつかの実施形態では、装置は、第1及び第2のラインのうちの少なくとも1つの上に制御弁を更に備える。
【0033】
いくつかの実施形態では、水素処理反応ゾーンは、少なくとも3つの水素処理床及び少なくとも2つの水素入口を有し、水素ラインは、少なくとも第1のライン及び第2のラインを形成する動力回収タービンの上流の少なくとも2つの一部に分割されており、第1のラインと流体連通している第1の動力回収タービン及び第2のラインと流体連通している第2の動力回収タービンがあり、第1のラインが第1の水素入口と流体連通しており、第2ラインが第2の水素入口と流体連通している。
【0034】
いくつかの実施形態では、装置は、第1のラインと流体連通し、かつ第1の動力回収タービンと並列に配置された第1の制御弁と、第1のラインと流体連通し、かつ第2の動力回収タービンと並列に配置された第2の制御弁と、を更に備える。
【0035】
図1は、プロセス100の一実施形態を示す。水素ストリーム105は、圧縮機110で圧縮される。圧縮された水素ストリーム115は、2つの部分、第1及び第2の水素ストリーム120及び125に分割される。第1の水素ストリーム120は、炭化水素供給ストリーム130と組み合わされ、熱交換器135を通して送られて、温度を上昇させる。部分的加熱供給ストリーム140は、燃焼加熱器145に送られて、燃焼加熱器145を出る加熱供給ストリーム150の温度を、水素処理反応ゾーン155の所望の入口温度まで上昇させる。
【0036】
第2の水素ストリーム125は、動力を生成し、第2の水素ストリーム125の圧力を低下させる動力回収タービン190に送られる。減圧された水素ストリーム195は、4つの一部、水素急冷ストリーム200、205、210、215に分割される。水素急冷ストリーム200、205、210、215の各々は、水素処理床に入る水素の流れを制御するために関連する制御弁220、225、230、235を有する。
【0037】
図示のように、水素処理反応ゾーン155は、5つの水素処理床160、165、170、175、及び180を有する。水素処理される水素及び炭化水素供給物を含有する加熱供給ストリーム150は、第1の水素処理床160に入り、そこで水素処理を受ける。第1の水素処理床160からの流出液は、第1の水素急冷ストリーム200と混合されて、第1の急冷された水素処理されたストリーム240を形成する。
【0038】
第1の急冷された水素処理されたストリーム240は、第2の水素処理床165に送られ、ここで更なる水素処理を受ける。第2の水素処理床165からの流出液は、第2の水素急冷ストリーム205と混合されて、第2の急冷された水素処理されたストリーム245を形成する。
【0039】
第2の急冷された水素処理されたストリーム245は、第3の水素処理床170に送られ、ここで更なる水素処理を受ける。第3の水素処理床170からの流出液は、第3の水素急冷ストリーム210と混合されて、第3の急冷された水素処理されたストリーム250を形成する。
【0040】
第3の急冷された水素処理されたストリーム250は、第4の水素処理床175に送られ、ここで更なる水素処理を受ける。第4の水素処理床175からの流出液は、第4の水素急冷ストリーム215と混合されて、第4の急冷された水素処理されたストリーム255を形成する。
【0041】
第4の急冷された水素処理されたストリーム255は、第5の水素処理床180に送られ、ここで更なる水素処理を受ける。第5の水処理床180からの流出液260は、供給物との熱交換、塩分を溶解及び抽出するための水洗浄、蒸気液体分離、ストリッピング、第2の段階の水素処理、蒸留、及び多くの組み合わせでのアミン処理などの、様々な処理ゾーンに送ることができる。
【0042】
この実施形態では、流出液は最初に、供給物との熱交換に行き、塩分を抽出及び溶解するために水洗浄し、空冷又は水冷凝縮熱交換、蒸気液体分離を行い、後続のストリッピング、及び蒸留分別にリサイクルガス並びに液体を提供する。リサイクルガスストリームは、硫化水素を除去するためにアミン処理され、リサイクルガス圧縮機での再圧縮の前又は後に補給水素と組み合わされ、反応器入口の炭化水素ストリームとの組み合わせを介して、又は反応器の長さに沿った急冷ガスストリームとして反応器に戻される。
【0043】
図2は、プロセス300の別の実施形態を示す。水素ストリーム305は、圧縮機310で圧縮される。圧縮された水素ストリーム315は、第1及び第2の部分、水素ストリーム320及び325に分割される。第1の水素ストリーム320は、炭化水素供給ストリーム330と混合され、熱交換器335を通して送られて、温度を上昇させる。部分的加熱供給ストリーム340は、燃焼加熱器345に送られて、燃焼加熱器345を出る供給ストリーム350の温度を、水素処理反応ゾーン355の所望の入口温度まで上昇させる。
【0044】
第2の水素ストリーム325は、4つの水素急冷ストリーム390、395、400、405に分割される。水素急冷ストリーム390、395、400、405の各々は、動力を生成し、水素処理床に入る水素の流れを制御するための動力回収タービン410、415、420、425、並びに水素処理床に入る水素の流れを制御するための制御弁430、435、440、445を有する。
【0045】
水素急冷ストリーム390、395、400、405は、動力回収タービン410、415、420、425、制御弁430、435、440、445のいずれか、又はその両方を通って方向付けられ得る。例えば、第1の水素急冷ストリーム390の第1の分画を、動力回収タービン410に向けることができ、第2の分画を、制御弁430に向けることができる。第1の分画は、0%から100%まで変化し得、第2の分画は、100%から0%まで変化し得る。したがって、水素急冷ストリーム390、395、400、405の流れは、動力回収タービン410、415、420、425、制御弁430、435、440、445、又はその両方によって制御され得、両方を含むシステムにおける優れたプロセスの柔軟性を可能にする。
【0046】
図示のように、水素処理反応ゾーン355は、5つの水素処理床360、365、370、375、及び380を有する。水素処理される水素及び炭化水素供給物を含有する供給ストリーム350は、第1の水素処理床360に入り、そこで水素処理を受ける。第1の水素処理床360からの流出液は、第1の水素急冷ストリーム390と混合されて、第1の急冷された水素処理されたストリーム450を形成する。
【0047】
第1の急冷された水素処理されたストリーム450は、第2の水素処理床365に送られ、ここで更なる水素処理を受ける。第2の水素処理床365からの流出液は、第2の水素急冷ストリーム395と混合されて、第2の急冷された水素処理されたストリーム455を形成する。
【0048】
第2の急冷された水素処理されたストリーム455は、第3の水素処理床370に送られ、ここで更なる水素処理を受ける。第3の水素処理床370からの流出液は、第3の水素急冷ストリーム400と混合されて、第3の急冷された水素処理されたストリーム460を形成する。
【0049】
第3の急冷された水素処理されたストリーム460は、第4の水素処理床375に送られ、ここで更なる水素処理を受ける。第4の水素処理床375からの流出液は、第4の水素急冷ストリーム405と混合されて、第4の急冷された水素処理されたストリーム465を形成する。
【0050】
第4の急冷された水素処理されたストリーム465は、第5の水素処理床380に送られ、ここで更なる水素処理を受ける。第5の水素処理床380からの流出液470は、上述のように、様々な処理ゾーンに送ることができる。
【0051】
この実施形態では、流出液は最初に、供給物との熱交換に行き、塩分を抽出及び溶解するために水洗浄し、空冷又は水冷凝縮熱交換、蒸気液体分離を行い、後続のストリッピング、及び蒸留分別にリサイクルガス並びに液体を提供する。リサイクルガスストリームは、硫化水素を除去するためにアミン処理され、リサイクルガス圧縮機での再圧縮の前又は後に補給水素と組み合わされ、反応器入口の炭化水素ストリームとの組み合わせを介して、又は反応器の長さに沿った急冷ガスストリームとして反応器に戻される。
【0052】
本発明のデバイス及びプロセスは、水素処理反応ゾーンで利用されるものとして企図されている。既知のように、このような水素処理反応ゾーンは、典型的には制御センタ内のコンピュータ上のプロセス制御システムを利用する。
【0053】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明されるプロセス制御システムは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ((digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)又は他のプログラム可能な論理デバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェア構成要素、又は本明細書に記載されている機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせ、を備えたコンピュータ上で実装又は実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよく、又はプロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせであってもよく、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、2つ以上のマイクロプロセッサ、又は前述の任意の他の組み合わせであってもよい。
【0054】
プロセス制御システムに関連付けられたプロセスのステップは、ハードウェアに直接含まれるアルゴリズム、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、又はこの2つの組み合わせで具現化されてもよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、又は当該技術分野において既知の任意の他の形式の記憶媒体内に存在してもよい。例示的な記憶媒体は、記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むプロセッサと通信している。これは、記憶媒体が、プロセッサと一体であるか、又はプロセッサに備わることを含む。プロセッサ及び記憶媒体は、ASIC内に存在してもよい。ASICは、ユーザ端末に存在してもよい。あるいは、プロセッサ及び記憶媒体は、ユーザ端末内の個別の構成要素として存在してもよい。これらのデバイスは、単に、コンピュータ可読記憶媒体の例示的で非限定的な例であることを意図するものである。プロセッサ及び記憶媒体又はメモリはまた、典型的には、入力チャネル、制御論理のプロセッサ、制御システム内の出力チャネル、及び制御センタ内のオペレータステーションの間のような、異なる構成要素、コンピュータプロセッサ、などの間の有線又は無線通信を可能にするハードウェア(例えば、ポート、インターフェース、アンテナ、増幅器、信号プロセッサなど)と通信している。
【0055】
コンピュータ及びプロセッサと通信しているとは、情報又はデータを送受信する能力を指す。データ又は情報の送信は、無線送信(例えば、Wi−Fi又はBluetoothによる)又は有線送信(例えば、イーサネットRJ45ケーブル又はUSBケーブルを使用する)であり得る。無線送信の場合、無線送受信機(例えば、Wi−Fi送受信機)は、各プロセッサ又はコンピュータと通信している。送信は、コンピュータの要求時に、コンピュータからの要求に応じて、又は他の方法で自動的に実行することができる。データは、任意の組み合わせで、プッシュ、プル、フェッチなどされ得、又は任意の他の様態で送信及び受信することができる。
【0056】
したがって、プロセス制御システムは、動力回収タービン190又は410、415、420、425によって生成された電気の量に関連して、動力回収タービン190又は410、415、420、425からの情報を受信することが企図されている。動力回収タービン190又は410、415、420、425は、生成された電気の量を(プロセッサを介して)決定することが企図されている。あるいは、情報を受信するプロセス制御システムは、動力回収タービン190又は410、415、420、425によって生成された電気の量を決定する。いずれの構成においても、動力回収タービン190又は410、415、420、425によって生成された電気の量は、制御センタ内のコンピュータと関連付けられた少なくとも1つの表示画面上に表示される。水素処理反応ゾーンが複数の動力回収タービン410、415、420、425を備える場合、プロセス制御システムは、動力回収タービン410、415、420、425の各々によって生成された電気の量に関連付けられた情報を受信することが更に企図されている。プロセス制御システムは、動力回収タービン410、415、420、425の各々に関連付けられた情報に基づいて生成された総電力を決定し、表示画面上に生成された総電力を表示する。生成された総電力は、個々の動力回収タービン190又は410、415、420、425によって生成された電力の量の代わりに、又はそれと併せて表示されてもよい。
【0057】
上述のように、動力回収タービン190又は410、415、420、425によって回収される電気エネルギーは、多くの場合、水素処理圧縮ゾーン内のストリームに加えられたストリームからエネルギーを除去する結果である。このため、本発明によるプロセスは、ストリーム(複数可)に加えられるエネルギーを低下させるために調整される処理反応及び圧縮ゾーンに関連付けられた様々な処理条件を提供することが企図されている。水素圧縮セクションを出る水素は、ある圧力に圧縮され、それにより、床間の各水素ストリームに加えて、供給熱交換器及び供給炉並びに最初の反応床を組み合わせた高圧反応器への流れを制御することができる。床間のタービン動力回収は、動力回収タービンから回収されたエネルギーが、経験的に決定された経済的に最適な量の上に設定されるので、流れ制御を依然として維持しながら圧縮機出口圧力を減少させる機会について信号を与え得る。このようにして、タービンは、タービン内で回収するよりも更に多くのエネルギーを節約する機会を伝えることができるが、代わりに、そもそもそのエネルギーの一部分をシステムに追加することはない。
【0058】
プロセス制御システムが、水素処理反応ゾーンのスループットに関連付けられた情報を受信し、電気は、典型的に水素処理反応ゾーン全体に加えられるエネルギーを表すため、タービン(複数可)の目標電力生成値を決定することが企図されている。目標電力生成値の決定は、電気が所定のレベル又はその付近にあるときに行われてもよい。換言すれば、生成された電気の量が所定のレベルを満たすか又は超える場合、プロセス制御システムは、1つ以上の処理条件を決定して、目標電力生成値に到達するまで生成される電気の量を調整及び低下させることができる。
【0059】
こうして、プロセス制御システムは、水素処理反応ゾーンに関連付けられた様々な処理条件に対する1つ以上の変化を分析して、水素処理反応ゾーンの動力回収タービンによって回収されるエネルギー量を低下させる。好ましくは、処理条件は、水素処理ゾーンのスループットを調整することなく調整される。これにより、水素処理反応ゾーンは同じスループットを有するが、同じスループットに関連付けられたより低い運転コストを有することが可能になる。プロセス制御ソフトウェアは、目標電力生成値と、生成された総電力との間の差を計算かつ表示画面上に表示し得る。
【0060】
例えば、プロセス制御ソフトウェアは、生成された総電力が所定のレベルを超えていることを認識し得る。したがって、プロセス制御ソフトウェアは、目標電力生成値を決定し得る。水素処理反応ゾーンに典型的に関連付けられた他のセンサ及びデータ収集デバイスから受信した他のデータ及び情報に基づいて、プロセス制御ソフトウェアは、加熱器内で消費される燃料の量を低下させることができると決定する場合がある。水素処理反応ゾーンのスループットを維持しながら、加熱器内で消費される燃料の量が低下される。これは、動力回収タービンによって生成される電気を低下し得る一方で、低い燃料消費量は、同じスループットに対してより低い運転コストを提供する。
【0061】
このため、本発明は、通常失われるエネルギーを、水素処理反応ゾーン内のどこかで使用される形態に変換するだけではなく、水素処理反応ゾーンには、水素処理反応ゾーン全体に関連付けられたエネルギー入力を低下させ、よりエネルギー効率の良いプロセスを利用することによって利益を高める機会が提供される。
【0062】
弁、ポンプ、フィルタ、冷却器などの様々な他の構成要素は、その詳細は十分に当業者の知識の範囲内であり、その説明は、本発明の実施形態を実践又は理解するために必要ではないと考えられるため、図面には示されていないことを、当業者は認識し、理解すべきである。
【0063】
前述の本発明の詳細な説明で、少なくとも1つの例示の実施形態が提示されてきたが、膨大な数の変更例が存在することを理解されたい。例示の実施形態又は複数の例示の実施形態は、あくまで例であり、いかなるようにも本発明の範囲、適用性、又は構成を制限することを意図しないこともまた理解されたい。むしろ、前述の詳細な説明は、当業者らに本発明の例示の実施形態を実装するのに簡便なロードマップを提供するであろう。添付の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱することなく、例示の実施形態に説明された要素の機能及び構成に様々な変更を加えることができるものと理解される。
【0064】
特定の実施形態
以下を特定の実施形態と併せて説明するが、この説明は、前述の説明及び添付の特許請求の範囲を例示するものであり、限定するものではないことが理解されるであろう。
【0065】
本発明の第1の実施形態は、水素処理プロセスにおいて動力を回収するための方法であり、炭化水素供給ストリームを水素ストリームの第1の部分と組み合わせて、組み合わせた供給ストリームを形成することと、組み合わせた供給ストリームを加熱することと、加熱された組み合わせた供給ストリームを、少なくとも2つの水素処理床を有する水素処理反応ゾーンに導入することと、組み合わせ加熱供給ストリームを、第1の水素処理条件で第1の水素処理触媒と接触させて、第1の水素処理されたストリームを形成することと、水素ストリームの第2の部分の第1の一部を第1の水素処理されたストリームと組み合わせて、第1の急冷された水素処理されたストリームを形成することと、第1の急冷された水素処理されたストリームを、第2の水素処理条件で第2の水素処理触媒と接触させて、第2の水素処理されたストリームを形成することと、水素ストリームの少なくとも第2の部分の少なくとも一部分を、動力回収タービンを通して方向付けて、そこから電力を生成することと、を含む。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、制御弁、又は動力回収タービン、若しくはその両方を使用して、水素ストリームの少なくとも第2の部分の流量を制御することを更に含む。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、第2の部分の一部分が、第2の部分の少なくとも第1の一部を含む。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、水素処理反応ゾーンが、少なくとも3つの水素処理床を備え、水素ストリームの第2の部分の第2の一部を第2の水素処理されたストリームと組み合わせて、第2の急冷された水素処理されたストリームを形成することと、第2の急冷された水素処理されたストリームを、第3の水素処理条件で第3の水素処理触媒と接触させて、第3の水素処理されたストリームを形成することと、を更に含み、水素ストリームの第2の部分の第1及び第2の一部が、水素ストリームの第2の部分を、水素ストリームの第2の部分が動力回収タービンを通って方向付けられた後に、少なくとも2つの一部に分割することによって形成される。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、第1の制御弁、又は動力回収タービン、若しくはその両方を使用して、水素ストリームの第2の部分の第1の一部の流れを制御することと、第2制御弁、又は動力回収タービン、若しくはその両方を使用して、水素ストリームの第2の部分の第2の一部の流れを制御することと、のうちの少なくとも1つを更に含む。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、水素処理反応ゾーンが、少なくとも3つの水素処理床を備え、少なくとも2つの動力回収タービンが存在し、水素ストリームの第2の部分の第2の一部を第2の水素処理された流れと組み合わせて、第2の急冷された水素処理されたストリームを形成することと、第2の急冷された水素処理されたストリームを、第3の水素処理条件で第3の水素処理触媒と接触させて、第3の水素処理されたストリームを形成することと、を更に含み、水素ストリームの第2の部分が、少なくとも2つの部分に分割され、第1の一部の分画が、第1の動力回収タービンを通って方向付けられ、第2の一部の少なくとも分画が、第2の動力回収タービンを通って方向付けられている。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、第1の制御弁、又は第1の動力回収タービン、若しくはその両方を使用して、水素ストリームの第2の部分の第1の一部の第2の分画の流れを制御することと、第2の制御弁、又は第2の動力回収タービン、若しくはその両方を使用して、水素ストリームの第2の部分の第2の一部の第2の分画の流れを制御することと、のうちの少なくとも1つを更に含む。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、水素ストリームはリサイクル水素ストリームである。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、動力回収タービンによって生成される電力は、直流である。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、動力回収タービンは、水素ストリームの第2の部分の全ての流れのための主要な流れ制御要素である。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、10%の設定値変更後に新しい設定値の50%に到達するためのプロセス変数変更応答時間は、少なくとも10秒である。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、10%の設定値変更後に新しい設定値の50%に到達するためのプロセス変数変更応答時間は、少なくとも1秒である。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、動力回収タービンは、水素ストリームの第2の部分の第1及び第2の一部の流れのための主要な流れ制御要素である。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、10%の設定値変更後に新しい設定値の50%に到達するためのプロセス変数変更応答時間は、少なくとも10秒である。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、10%の設定値変更後に新しい設定値の50%に到達するためのプロセス変数変更応答時間は、少なくとも1秒である。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、水素ストリームの第2の部分が、同じ出口圧力において、制御弁出口よりも動力回収タービン出口でより低温である。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、水素ストリームの第2の部分が、同じ出口圧力において、制御弁出口よりも動力回収タービン出口でより低温である。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、複数の圧力低減デバイスから情報を受信することであって、複数の圧力低減デバイスが、1つ以上の動力回収タービン、制御弁、又はその両方を備える、受信することと、圧力低減デバイスの各々についての動力損失値又は動力生成値を決定することと、圧力低減デバイスの各々からの動力損失値又は動力生成値に基づいて、総動力損失値又は総動力生成値を決定することと、総動力損失値又は総動力生成値を少なくとも1つの表示画面上に表示することと、を更に含む。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、総動力損失値又は総動力生成値に基づいて、水素処理反応ゾーン内の少なくとも1つのプロセスパラメータを調整することを更に含む。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、少なくとも1つの表示画面上に、総動力損失値又は総動力生成値を表示することを更に含む。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、少なくとも1つのプロセスパラメータが調整された後に、圧力低減デバイスの各々についての更新された動力損失値又は更新された動力生成値を決定することと、圧力低減デバイスの各々からの更新された動力損失値又は更新された動力生成値に基づいて、水素処理反応ゾーンのための更新された総動力損失値又は更新された総動力生成値を決定することと、更新された総動力損失値又は更新された総動力生成値を少なくとも1つの表示画面上に表示することと、を更に含む。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、水素処理反応ゾーンの外側の条件に関連付けられた情報を受信することを更に含み、総動力損失値又は総動力生成値は、水素処理反応ゾーンの外側の条件に関連付けられた情報に一部基づいて決定される。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、水素処理反応ゾーンのスループットに関連付けられた情報を受信することを更に含み、総動力損失値又は総動力生成値は、水素処理反応ゾーンのスループットに関連付けられた情報に一部基づいて決定される。本発明のある実施形態は、第1の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであって、この段落では、総動力損失値又は総動力生成値に基づいて、水素処理反応ゾーンの部分の少なくとも1つのプロセスパラメータを調整しながら、水素処理反応ゾーンのスループットを維持することを更に含む。
【0066】
本発明の第2の実施形態は、少なくとも2つの水素処理床、供給物入口、水素入口、及び出口を有し、水素入口は、少なくとも2つの水素処理床の間に位置付けされている、水素処理反応ゾーンと、供給物入口と流体連通しているチャージ加熱器と、水素入口と流体連通している水素ラインと、水素ラインと流体連通している動力回収タービンと、を備える、水素プロセッサにおいて動力を回収するための装置である。本発明のある実施形態は、第2の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか又は全てであって、この段落では、水素処理反応ゾーンが、少なくとも3つの水素処理床及び少なくとも2つの水素入口を有し、水素ラインが、少なくとも第1のライン及び第2のラインを形成する動力回収タービンの下流の少なくとも2つの一部に分割され、第1のラインが第1の水素入口と流体連通しており、第2のラインが第2の水素入口と流体連通している。本発明のある実施形態は、第2の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか又は全てであって、この段落では、第1及び第2のラインの少なくとも一方に制御弁を更に備える。本発明のある実施形態は、第2の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか又は全てであって、この段落では、水素処理反応ゾーンが、少なくとも3つの水素処理床及び少なくとも2つの水素入口を有し、水素ラインが、少なくとも第1のライン及び第2のラインを形成する動力回収タービンの上流の少なくとも2つの一部に分割されており、第1のラインと流体連通している第1の動力回収タービン及び第2のラインと流体連通している第2の動力回収タービンがあり、第1のラインが第1の水素入口と流体連通しており、第2ラインが第2の水素入口と流体連通している。本発明のある実施形態は、第2の実施形態からこの段落の前の実施形態までのうちの1つ、いずれか又は全てであって、この段落では、第1のラインと流体連通し、かつ第1の動力回収タービンと並列に配置された第1の制御弁と、第1のラインと流体連通し、かつ第2の動力回収タービンと並列に配置された第2制御弁と、を更に備える。
【0067】
更に説明することなく、前述の説明を用いて、当業者が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明を最大限に利用し、本発明の本質的な特性を容易に確認でき、本発明の様々な変更及び修正を行い、様々な使用及び条件に適合させることができると考えられる。したがって、先行する好ましい特定の実施形態は、単なる例示として解釈されるべきであり、いかなるようにも本開示の残りを限定するものではなく、添付の特許請求の範囲内に含まれる様々な修正及び同等の構成を網羅することを意図するものである。
【0068】
上記では、全ての温度は摂氏度で記載され、全ての部及び百分率は、別途記載のない限り、重量基準である。
図1
図2