特許第6980139号(P6980139)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6980139特別車両運行システム及び特別車両運行方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6980139
(24)【登録日】2021年11月18日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】特別車両運行システム及び特別車両運行方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20211202BHJP
【FI】
   G06Q50/30
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-573069(P2020-573069)
(86)(22)【出願日】2020年7月15日
(86)【国際出願番号】JP2020027503
【審査請求日】2020年12月25日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】特許業務法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齊川 義則
(72)【発明者】
【氏名】香林 さやか
(72)【発明者】
【氏名】吉田 和史
【審査官】 田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−162209(JP,A)
【文献】 特開2006−018550(JP,A)
【文献】 特開2015−182653(JP,A)
【文献】 特開2006−327239(JP,A)
【文献】 列車ダイヤ研究会,列車ダイヤと運行管理 (改訂版),日本,東京:成山堂書店,2012年05月28日,ISBN 978-4-425-76152-4, p.136−138
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運行が予定されている列車の乗客数を予測し、予測した前記乗客数を示す乗客数情報を出力する乗客予測部と、
前記乗客予測部が出力する前記乗客数情報に基づいて、前記列車における特別車両の車両数を決定し、決定した前記特別車両の前記車両数を示す車両数情報を出力する車両数決定部と、
前記車両数決定部が出力する前記車両数情報に基づいて、前記列車における前記特別車両を配置する位置を決定し、決定した位置を示す配置位置情報を出力する配置位置決定部と、
前記配置位置決定部が出力する前記配置位置情報に基づいて、前記配置位置情報が示す位置に配置される車両に設けられた付帯設備である座席、照明装置、及び音響装置のうちの少なくとも1つの仕様を予め定められた仕様に変更するための車両仕様変更指示情報を生成し、生成した前記車両仕様変更指示情報を出力する車両仕様変更指示部と、を備え、
前記乗客予測部は、予め定められた複数の乗客種別に基づいて、運行が予定されている前記列車に乗車する複数の乗客のそれぞれの前記乗客種別を予測して、予測した前記乗客種別毎の前記乗客数を予測することにより、予測した前記乗客種別毎の前記乗客数を示す前記乗客数情報を出力し、
前記車両数決定部は、予め定められた複数種類の前記特別車両のうちから、前記乗客予測部が出力する前記乗客数情報に基づいて、複数の前記乗客種別のそれぞれに対応する前記特別車両の種類毎に前記特別車両の前記車両数を決定し、決定した種類毎の前記特別車両の前記車両数を示す前記車両数情報を出力すること
を特徴する特別車両運行システム。
【請求項2】
運行が予定されている列車の乗客数を予測し、予測した前記乗客数を示す乗客数情報を出力する乗客予測部と、
前記乗客予測部が出力する前記乗客数情報に基づいて、前記列車における特別車両の車両数を決定し、決定した前記特別車両の前記車両数を示す車両数情報を出力する車両数決定部と、
を備え
前記乗客予測部は、予め定められた複数の乗客種別に基づいて、運行が予定されている前記列車に乗車する複数の乗客のそれぞれの前記乗客種別を予測して、予測した前記乗客種別毎の前記乗客数を予測することにより、予測した前記乗客種別毎の前記乗客数を示す前記乗客数情報を出力し、
前記車両数決定部は、予め定められた複数種類の前記特別車両のうちから、前記乗客予測部が出力する前記乗客数情報に基づいて、複数の前記乗客種別のそれぞれに対応する前記特別車両の種類毎に前記特別車両の前記車両数を決定し、決定した種類毎の前記特別車両の前記車両数を示す前記車両数情報を出力すること
を特徴する特別車両運行システム。
【請求項3】
前記車両数決定部が出力する前記車両数情報に基づいて、前記列車における前記特別車両を配置する位置を決定し、決定した位置を示す配置位置情報を出力する配置位置決定部と、
前記配置位置決定部が出力する前記配置位置情報に基づいて、前記配置位置情報が示す位置に配置される車両を予め定められた仕様に変更するための車両仕様変更指示情報を生成し、生成した前記車両仕様変更指示情報を出力する車両仕様変更指示部と、
を備えたこと
を特徴する請求項記載の特別車両運行システム。
【請求項4】
前記車両数決定部が出力する前記車両数情報に基づいて、前記列車における前記特別車両を配置する位置を決定し、決定した位置を示す配置位置情報を出力する配置位置決定部と、
前記配置位置決定部が出力する前記配置位置情報に基づいて、前記列車が到着予定の駅に到着したときのプラットホームおける前記特別車両の停車位置を推定し、推定した前記特別車両の前記停車位置を示すプラットホーム位置情報を出力するプラットホーム位置取得部と、
前記プラットホーム位置取得部が出力する前記プラットホーム位置情報に基づいて、前記特別車両に乗車予定の乗客を前記プラットホームおける前記特別車両の前記停車位置に誘導するための出力信号を生成し、前記列車が到着予定の前記駅に到着するより前の予め定められた時点に、生成した前記出力信号を出力装置に出力して、前記出力装置に前記出力信号に対応する出力を行わせる出力生成部と、
を備えたこと
を特徴する請求項記載の特別車両運行システム。
【請求項5】
前記車両数決定部が出力する前記車両数情報に基づいて、前記特別車両に乗車するための乗車券の発券数を決定し、決定した前記発券数を示す発券数情報を出力する発券数決定部と、
前記発券数決定部が出力する前記発券数情報に基づいて、前記特別車両に乗車するための前記乗車券の予約又は購入の依頼を受け付ける依頼受付部と、
を備えたこと
を特徴する請求項記載の特別車両運行システム。
【請求項6】
前記車両数決定部が出力する前記車両数情報に基づいて、前記列車における前記特別車両を配置する位置を決定し、決定した位置を示す配置位置情報を出力する配置位置決定部と、
前記配置位置決定部が出力する前記配置位置情報に基づいて、前記列車が到着予定の駅に到着したときのプラットホームおける前記特別車両の停車位置を推定し、推定した前記特別車両の前記停車位置を示すプラットホーム位置情報を出力するプラットホーム位置取得部と、
前記プラットホーム位置取得部が出力する前記プラットホーム位置情報に基づいて、前記特別車両に乗車するための前記乗車券の予約又は購入した乗客を、前記プラットホームおける前記特別車両の前記停車位置に誘導するための誘導情報を生成し、生成した前記誘導情報を当該乗客が所持する携帯端末に送信する誘導送信部と、
を備えたこと
を特徴する請求項記載の特別車両運行システム。
【請求項7】
乗客予測部が、運行が予定されている列車の乗客数を予測し、予測した前記乗客数を示す乗客数情報を出力する乗客予測ステップと、
車両数決定部が、前記乗客予測ステップにより出力される前記乗客数情報に基づいて、前記列車における特別車両の車両数を決定し、決定した前記特別車両の前記車両数を示す車両数情報を出力する車両数決定ステップと、
を備え、
前記乗客予測部は、予め定められた複数の乗客種別に基づいて、運行が予定されている前記列車に乗車する複数の乗客のそれぞれの前記乗客種別を予測して、予測した前記乗客種別毎の前記乗客数を予測することにより、予測した前記乗客種別毎の前記乗客数を示す前記乗客数情報を出力し、
前記車両数決定部は、予め定められた複数種類の前記特別車両のうちから、前記乗客予測ステップにより出力される前記乗客数情報に基づいて、複数の前記乗客種別のそれぞれに対応する前記特別車両の種類毎に前記特別車両の前記車両数を決定し、決定した種類毎の前記特別車両の前記車両数を示す前記車両数情報を出力すること
を特徴する特別車両運行方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、特別車両運行システム及び特別車両運行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
列車に乗車する乗客のニーズは、乗客毎に多様化している。乗客のニーズの中には、例えば、一般車両が有する仕様とは異なる特別な仕様を有する特別車両に乗車することにより快適に移動したいというものがある。
【0003】
ところで、列車の予約数を予測することにより、列車の増発、又は列車編成車両の増減を行うことを可能にする技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−295532号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
列車毎の車両数が予め定められた運行計画に従って列車が運行される場合、特別車両に乗車したいという乗客のニーズに対応するために特別車両の数を増やしてしまうと、通勤時間帯等の列車が混雑する時間帯では、一般車両が混雑してしまう。
特許文献1に記載された技術(以下「従来技術」)は、特別車両及び一般車両について考慮されたものではないため、従来技術では、特別車両に乗車したいという乗客のニーズに対応しつつ、一般車両が混雑してしまうという問題点を解決することができない。
【0006】
この開示は、上述の問題点を解決するためのもので、予め定められた列車の運行計画において、特別車両に乗車したいという乗客のニーズに対応しつつ、一般車両の混雑を抑制することを可能にする特別車両運行システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の特別車両運行システムは、運行が予定されている列車の乗客数を予測し、予測した乗客数を示す乗客数情報を出力する乗客予測部と、乗客予測部が出力する乗客数情報に基づいて、列車における特別車両の車両数を決定し、決定した特別車両の車両数を示す車両数情報を出力する車両数決定部と、車両数決定部が出力する車両数情報に基づいて、列車における特別車両を配置する位置を決定し、決定した位置を示す配置位置情報を出力する配置位置決定部と、配置位置決定部が出力する配置位置情報に基づいて、配置位置情報が示す位置に配置される車両に設けられた付帯設備である座席、照明装置、及び音響装置のうちの少なくとも1つの仕様を予め定められた仕様に変更するための車両仕様変更指示情報を生成し、生成した車両仕様変更指示情報を出力する車両仕様変更指示部と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、予め定められた列車の運行計画において、特別車両に乗車したいという乗客のニーズに対応しつつ、一般車両の混雑を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態1に係る特別車両運行システムの要部の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態1に係る特別車両運行システムの処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1及び図2を参照して、実施の形態1に係る特別車両運行システム1について説明する。
図1を参照して、実施の形態1に係る特別車両運行システム1の要部の構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る特別車両運行システム1の要部の構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
特別車両運行システム1は、乗客予測部10、車両数決定部20、配置位置決定部21、車両仕様変更指示部30、車両仕様制御部31、プラットホーム位置取得部40、出力生成部50、出力装置51、発券数決定部60、依頼受付部61、誘導送信部62、及び携帯端末63を備える。
特別車両運行システム1が備える乗客予測部10、車両数決定部20、配置位置決定部21、車両仕様変更指示部30、車両仕様制御部31、プラットホーム位置取得部40、出力生成部50、出力装置51、発券数決定部60、依頼受付部61、誘導送信部62、及び携帯端末63のそれぞれは、情報の送受信が可能なネットワーク70を介して接続されている。
例えば、ネットワーク70は、無線LAN(Local Area Network)、LTE(Long Term Evolution)、若しくはBT(Bluetooth(登録商標))等の無線通信ネットワーク、又は、有線LAN、又は若しくは所定のプロトコルに用いた通信を行う信号線等の有線通信ネットワークである。
【0013】
なお、配置位置決定部21、車両仕様変更指示部30、車両仕様制御部31、プラットホーム位置取得部40、出力生成部50、出力装置51、発券数決定部60、依頼受付部61、誘導送信部62、及び携帯端末63は、特別車両運行システム1にとって、必須の構成ではない。
実施の形態1では、特別車両運行システム1は、配置位置決定部21、車両仕様変更指示部30、車両仕様制御部31、プラットホーム位置取得部40、出力生成部50、出力装置51、発券数決定部60、依頼受付部61、誘導送信部62、及び携帯端末63を備えるものとして説明する。
【0014】
乗客予測部10は、運行が予定されている列車の乗客数を予測する。乗客予測部10は、乗客予測部10が予測した乗客数を示す乗客数情報を出力する。
具体的には、例えば、乗客予測部10は、過去における同一の時刻帯に運行された列車の乗客数に基づいて、運行が予定されている列車の乗客数を予測する。
乗客予測部10が、運行が予定されている列車の乗客数を予測する方法は、過去における同一の時刻帯に運行された列車の乗客数に基づく方法に限定されるものではない。
【0015】
乗客予測部10は、例えば、プロセッサ及びメモリ、又は、処理回路を有するコンピュータにより構成される。乗客予測部10は、プロセッサ、メモリ、及び処理回路を有するコンピュータにより構成されたものであってもよい。
プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又はDSP(Digital Signal Processor)を用いたものである。
【0016】
また、メモリは、例えば、半導体メモリ又は磁気ディスクを用いたものである。より具体的には、メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、SSD、又は、HDDを用いたものである。
【0017】
また、処理回路は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、SoC(System−on−a−Chip)、又は、システムLSI(Large−Scale Integration)を用いたものである。
【0018】
車両数決定部20は、例えば、プロセッサ及びメモリ、又は、処理回路を有するコンピュータにより構成される。車両数決定部20は、プロセッサ、メモリ、及び処理回路を有するコンピュータにより構成されたものであってもよい。
車両数決定部20は、乗客予測部10が出力する乗客数情報に基づいて、列車における特別車両の車両数を決定する。車両数決定部20は、車両数決定部20が決定した特別車両の車両数を示す車両数情報を出力する。
ここで、特別車両とは、例えば、一般車両が有する仕様(以下「一般仕様」という。)とは異なる特別な仕様(以下「特別仕様」という。)を有する車両である。
【0019】
例えば、車両数決定部20は、乗客数情報が示す運行が予定されている列車の乗客数(以下「予測列車乗客数」という。)を、当該列車における予め運行計画により定められた車両数、すなわち、一般車両の車両数で除した値(以下「車両乗客数」という。)に基づいて、列車における特別車両の車両数を決定する。
具体的には、例えば、まず、車両数決定部20は、運行が予定されている列車の全てが一般車両であるものとする。車両数決定部20は、車両乗客数が予め定められた閾値より大きい場合は、特別車両の車両数を「0」とし、車両乗客数が当該閾値以下である場合は、特別車両の車両数を「1」として、残りの車両を一般車両にする。車両乗客数が当該閾値以下である場合、車両数決定部20は、予測列車乗客数を一般車両の車両数で除した値である車両乗客数が、閾値以下の間、特別車両の車両数を順次増加させる。
【0020】
車両数決定部20は、列車における特別車両の車両数を決定する際に、特別車両に乗車可能な乗客数(以下「特別車両乗客数」という。)を考慮して、予測列車乗客数から特別車両乗客数を減じた数を、一般車両の車両数で除した値を車両乗客数とし、当該車両乗客数に基づいて、列車における特別車両の車両数を決定してもよい。
【0021】
以上のように構成することにより、特別車両運行システム1は、予め定められた列車の運行計画において、特別車両に乗車したいという乗客のニーズに対応しつつ、一般車両の混雑を抑制することができる。
【0022】
乗客予測部10は、予め定められた複数の乗客種別に基づいて、運行が予定されている列車に乗車する複数の乗客のそれぞれの乗客種別を予測するものであってもよい。
具体的には、例えば、乗客予測部10は、過去における同一の時刻帯に運行された列車の乗客の乗客種別毎の乗客数に基づいて、運行が予定されている列車の乗客数を予測する。乗客予測部10が、運行が予定されている列車の乗客の乗客種別毎の乗客数を予測する方法は、過去における同一の時刻帯に運行された列車の乗客の乗客種別毎の乗客数に基づく方法に限定されるものではない。
乗客予測部10は、乗客予測部10が予測した乗客種別毎の乗客数を予測することにより、予測した乗客種別毎の乗客数を示す乗客数情報を出力する。
ここで、乗客種別とは、通勤若しくは出張等のビジネス客、旅行、観光、若しくは帰省等の行楽客等である。
【0023】
乗客予測部10が乗客種別毎の乗客数を示す乗客数情報を出力するものである場合、例えば、車両数決定部20は、予め定められた複数種類の特別車両のうちから、乗客予測部10が出力する乗客数情報に基づいて、複数の乗客種別のそれぞれに対応する特別車両の種類毎に特別車両の車両数を決定する。車両数決定部20は、車両数決定部20が決定した種類毎の特別車両の車両数を示す車両数情報を出力する。
ここで、乗客種別に対応する特別車両とは、例えば、乗客種別がビジネス客である場合、ビジネス客が快適に過ごすことができる仕様(以下「ビジネス仕様」という。)を有する特別車両であり、乗客種別が行楽客である場合、行楽客が快適に過ごすことができる仕様(以下「行楽仕様」という。)等を有する特別車両である。
【0024】
以上のように構成することにより、特別車両運行システム1は、予め定められた列車の運行計画において、特別車両に乗車したいという乗客のニーズに対応しつつ、一般車両の混雑を抑制することができる。
【0025】
上述のとおり、特別車両運行システム1は、配置位置決定部21を備えるものであってもよい。
配置位置決定部21は、例えば、プロセッサ及びメモリ、又は、処理回路を有するコンピュータにより構成される。配置位置決定部21は、プロセッサ、メモリ、及び処理回路を有するコンピュータにより構成されたものであってもよい。
配置位置決定部21は、車両数決定部20が出力する車両数情報に基づいて、列車における特別車両を配置する位置を決定する。配置位置決定部21は、配置位置決定部21が決定した位置を示す配置位置情報を出力する。列車における特別車両を配置する位置とは、具体的には、例えば、当該列車における特別車両の号車番号である。
乗客予測部10が乗客種別毎の乗客数を示す乗客数情報を出力するものである場合、例えば、配置位置決定部21は、車両数決定部20が出力する車両数情報に基づいて、複数の乗客種別のそれぞれに対応する特別車両を配置する位置を決定し、配置位置決定部21が決定した位置を示す配置位置情報を出力する。
【0026】
上述のとおり、特別車両運行システム1は、車両仕様変更指示部30を備えるものであってもよい。
車両仕様変更指示部30は、例えば、プロセッサ及びメモリ、又は、処理回路を有するコンピュータにより構成される。車両仕様変更指示部30は、プロセッサ、メモリ、及び処理回路を有するコンピュータにより構成されたものであってもよい。
車両仕様変更指示部30は、配置位置決定部21が出力する配置位置情報に基づいて、配置位置情報が示す位置に配置される車両を予め定められた仕様に変更するための車両仕様変更指示情報を生成する。車両仕様変更指示部30は、車両仕様変更指示部30が生成した車両仕様変更指示情報を出力する。
具体的には、例えば、車両仕様変更指示部30は、配置位置情報が示す位置に配置される車両を特別仕様に変更するための車両仕様変更指示情報と、当該車両以外の車両を一般仕様に変更するための車両仕様変更指示情報とを出力する。
【0027】
車両仕様変更指示部30が出力する車両仕様変更指示情報は、例えば、車両毎に設けられた車両仕様制御部31により取得される。具体的には、車両仕様変更指示部30は、車両仕様変更指示情報を、車両仕様変更指示情報に対応する車両に設けられた車両仕様制御部31に出力し、車両仕様制御部31は、車両仕様変更指示部30が出力する車両仕様変更指示情報を取得する。
配置位置決定部21が、複数の乗客種別のそれぞれに対応する特別車両を配置する位置を示す配置位置情報を出力するものである場合、例えば、車両仕様変更指示部30が出力する車両の仕様を特別仕様に変更するための車両仕様変更指示情報は、車両の仕様をビジネス仕様又は行楽仕様に変更するための情報である。
【0028】
車両仕様制御部31は、例えば、プロセッサ及びメモリ、又は、処理回路を有するコンピュータにより構成される。車両仕様変更指示部30は、プロセッサ、メモリ、及び処理回路を有するコンピュータにより構成されたものであってもよい。
車両仕様制御部31は、ネットワーク70を介して車両仕様変更指示部30から車両仕様変更指示情報を取得する。車両仕様制御部31は、車両仕様制御部31が取得した車両仕様変更指示情報に基づいて、車両毎に設けられた座席、照明装置、表示装置、音響装置等の付帯設備を制御する制御信号を生成する。
車両仕様制御部31が生成する制御信号とは、付帯設備の状態又は動作を、一般仕様から特別仕様に変更するための信号、又は、特別仕様から一般仕様に変更するための信号である。
車両仕様制御部31は、車両仕様制御部31が生成した制御信号を付帯設備に出力する。
【0029】
例えば、車両仕様制御部31が出力する制御信号が、座席の状態を一般仕様から特別仕様に変更するための信号である場合、車両仕様制御部31は、制御信号に基づいて座席に備えられたモータを動作させて、座席を、乗客が、列車の進行方向(以下、単に「進行方向」という。)に直交する方向(以下「進行直交方向」という。)に向いて進行方向に並んで着席する状態(以下「ロングシート」という。)から、乗客が、進行方向に向いて進行直交方向に並んで着席する状態(以下「クロスシート」という。)に変更する。同様に、車両仕様制御部31が出力する制御信号が、座席の状態を特別仕様から一般仕様に変更するための信号である場合、車両仕様制御部31は、制御信号に基づいて座席に備えられたモータを動作させて、座席をクロスシートからロングシートに変更する。
【0030】
具体的には、例えば、配置位置決定部21が、乗客種別に対応する特別車両を配置する位置を示す配置位置情報を出力するものであって、車両仕様制御部31が出力する制御信号が座席の状態を一般仕様からビジネス仕様に変更するための信号である場合、例えば、車両仕様制御部31は、制御信号に基づいて座席に備えられたモータを動作させて、座席をロングシートからクロスシートに変更する。また、車両仕様制御部31が出力する制御信号が座席の状態を一般仕様から行楽仕様に変更するための信号である場合、例えば、車両仕様制御部31は、制御信号に基づいて座席に備えられたモータを動作させて、座席を、ロングシートから、乗客が、進行方向に向いて進行直交方向に並んで着席する座席と進行方向の逆方向に向いて進行直交方向に並んで着席する座席とが対となり、当該対の座席に着席した乗客が対面する座席の状態(以下「ボックスシート」という。)に変更する。
車両仕様制御部31は、座席の状態を一般仕様から特別仕様に変更するための信号である場合、例えば、座席の一部をロングシートからクロスシートに変更し、座席の他の一部をロングシートからボックスシートに変更するものであってもよい。
【0031】
例えば、車両仕様制御部31が出力する制御信号が、座席の状態を一般仕様から特別仕様に変更するための信号である場合、車両仕様制御部31は、制御信号に基づいて座席に備えられたモータを動作させることにより座席を跳ね上げて、スーツケース、自転車、ゴルフバッグ、又はスキー用品等の大型の手荷物を収納する空間を作ってもよい。
【0032】
また、例えば、車両仕様制御部31が出力する制御信号が照明装置の状態を一般仕様から特別仕様に、又は特別仕様から一般仕様に変更するための信号である場合、車両仕様制御部31は、制御信号に基づいて照明装置が発する明かりの照度又は色温度を変更する。
具体的には、例えば、車両仕様制御部31が出力する制御信号が照明装置の状態を一般仕様からビジネス仕様に変更するための信号である場合、例えば、車両仕様制御部31は、照明装置が発する明かりの色温度が高くなるように変更する。車両仕様制御部31が明かりの色温度が高くなるように変更することにより、乗客は、書類又は書籍等の文字を読みやすくなる。また、車両仕様制御部31が出力する制御信号が照明装置の状態を一般仕様から行楽仕様に変更するための信号である場合、例えば、車両仕様制御部31は、照明装置が発する明かりの色温度が低くなるように変更する。車両仕様制御部31が明かりの色温度が低くなるように変更することにより、乗客がリラックスしやすくなる。
【0033】
また、例えば、車両仕様制御部31が出力する制御信号が表示装置の動作を一般仕様から特別仕様に、又は特別仕様から一般仕様に変更するための信号である場合、車両仕様制御部31は、制御信号に基づいて表示装置が表示する表示内容を変更する。車両が複数の表示装置を備える場合、車両仕様制御部31は、制御信号に基づいて複数の表示装置のうちの予め定められた表示装置を動作させるものであってもよい。
具体的には、例えば、車両仕様制御部31が出力する制御信号が表示装置の表示内容を一般仕様からビジネス仕様に変更するための信号である場合、例えば、車両仕様制御部31は、車両内の側壁面に設置された表示装置に最新の時事情報を表示させる。このように構成することにより、特別車両運行システム1は、乗客に快適な環境を提供することができる。また、車両仕様制御部31が出力する制御信号が表示装置の表示内容を一般仕様から行楽仕様に変更するための信号である場合、例えば、車両仕様制御部31は、車両内の天井面に設置された表示装置に青空又は夜空等を模擬した表示画像を表示させる。このように構成することにより、特別車両運行システム1は、乗客に快適な環境を提供することができる。
【0034】
また、例えば、車両仕様制御部31が出力する制御信号が音響装置の動作を一般仕様から特別仕様に、又は特別仕様から一般仕様に変更するための信号である場合、車両仕様制御部31は、制御信号に基づいて音響装置が出力する音声内容を変更する。音響装置は、単に音声を出力する装置に限定されるものではなく、ノイズキャンセラとして動作するものであってもよい。ノイズキャンセラとして動作する音響装置は、例えば、座席の近傍に備えられたマイクから音声信号を受けて、当該音声信号の逆位相の音声信号を生成して出力する。このように構成することにより、当該座席に着席した乗客の耳に、他の座席に着席する乗客の話声等の雑音が届かいないようにすることができる。
具体的には、例えば、車両仕様制御部31が出力する制御信号が、音響装置が出力する音声内容を一般仕様からビジネス仕様に変更するための信号である場合、例えば、車両仕様制御部31は、音響装置をノイズキャンセラとして動作させる。このように構成することにより、特別車両運行システム1は、乗客に快適な環境を提供することができる。また、車両仕様制御部31が出力する制御信号が、音響装置の表示内容を一般仕様から行楽仕様に変更するための信号である場合、例えば、車両仕様制御部31は、音響装置にゆったりとしたテンポの背景音楽を出力させる。このように構成することにより、特別車両運行システム1は、乗客に快適な環境を提供することができる。
【0035】
また、例えば、車両仕様制御部31が出力する制御信号がカーテン、ブラインド、又は遮光シールド等の外光抑制装置の状態を一般仕様から特別仕様に、又は特別仕様から一般仕様に変更するための信号である場合、車両仕様制御部31は、制御信号に基づいて外光抑制装置の状態を変更する。
具体的には、例えば、車両仕様制御部31が出力する制御信号が外光抑制装置の状態を一般仕様からビジネス仕様に変更するための信号である場合、例えば、車両仕様制御部31は、窓からの外光を遮断するように外光抑制装置の状態を変更する。車両仕様制御部31が窓からの外光を遮断するように外光抑制装置の状態を変更することにより、乗客は、書類又は書籍等の文字を読みやすくなる。
【0036】
以上のように構成することにより、特別車両運行システム1は、車両の仕様を簡単に変更することができる。
なお、車両仕様変更指示部30が出力する車両仕様変更指示情報は、車両を予め定められた仕様に変更することが可能な情報であればよく、車両に設けられた付帯設備について個々の付帯設備の状態又は動作を変更するための情報であってもよく、そのような情報でなくてもよい。
具体的には、例えば、車両仕様変更指示情報が、車両に設けられた付帯設備について個々の付帯設備の状態又は動作を変更するための情報である場合、車両仕様制御部31は、車両仕様変更指示情報に対応する制御信号を、車両仕様変更指示情報毎に生成して出力する。車両仕様変更指示情報が、車両に設けられた付帯設備について個々の付帯設備の状態又は動作を変更するための情報でない場合、具体的には、例えば、車両仕様変更指示情報が、車両の仕様を一般仕様か特別仕様かに変更することを示す情報である場合、車両仕様制御部31は、車両仕様変更指示情報に基づいて、個々の付帯設備に対応する予め定められた制御信号を生成して出力する。
【0037】
上述のとおり、特別車両運行システム1は、配置位置決定部21に加えて、プラットホーム位置取得部40、出力生成部50、及び出力装置51を備えるものであってもよい。
プラットホーム位置取得部40及び出力生成部50は、例えば、プロセッサ及びメモリ、又は、処理回路を有するコンピュータにより構成される。プラットホーム位置取得部40及び出力生成部50は、プロセッサ、メモリ、及び処理回路を有するコンピュータにより構成されたものであってもよい。
【0038】
プラットホーム位置取得部40は、配置位置決定部21が出力する配置位置情報に基づいて、列車が到着予定の駅に到着したときのプラットホームおける特別車両の停車位置を推定する。プラットホーム位置取得部40は、プラットホーム位置取得部40が推定した特別車両の停車位置を示すプラットホーム位置情報を出力する。
【0039】
出力生成部50は、プラットホーム位置取得部40が出力するプラットホーム位置情報に基づいて、特別車両に乗車予定の乗客をプラットホームおける特別車両の停車位置に誘導するための出力信号を生成する。出力生成部50は、列車が到着予定の駅に到着するより前の予め定められた時点に、出力生成部50は、出力生成部50が生成した出力信号を出力装置51に出力して、出力装置51に出力信号に対応する出力を行わせる。
【0040】
出力装置51は、例えば、プラットホーム又は駅のコンコース等の駅構内に設置されている。出力装置51は、例えば、ディスプレイ等の表示装置、又は、スピーカ等の音声出力装置である。
以上のように構成することにより、特別車両運行システム1は、特別車両に乗車予定の乗客に、プラットホームおける特別車両の停車位置を知らしめることができる。
【0041】
上述のとおり、特別車両運行システム1は、発券数決定部60及び依頼受付部61を備えるものであってもよい。
発券数決定部60及び依頼受付部61は、例えば、プロセッサ及びメモリ、又は、処理回路を有するコンピュータにより構成される。発券数決定部60及び依頼受付部61は、プロセッサ、メモリ、及び処理回路を有するコンピュータにより構成されたものであってもよい。
【0042】
発券数決定部60は、車両数決定部20が出力する車両数情報に基づいて、特別車両に乗車するための乗車券の発券数を決定する。発券数決定部60は、発券数決定部60が決定した発券数を示す発券数情報を出力する。なお、例えば、1両の特別車両に乗車可能な乗客数は、予め定められている。
【0043】
依頼受付部61は、発券数決定部60が出力する発券数情報に基づいて、特別車両に乗車するための乗車券の予約又は購入の依頼を受け付ける。例えば、依頼受付部61は、特別車両に乗車するための乗車券の予約又は購入を希望する乗客が、駅構内に設置された券売機、又は、当該乗客が利用可能な情報端末若しくは携帯端末63等の端末を操作することにより、特別車両に乗車するための乗車券の予約又は購入の依頼を受け付ける。
【0044】
以上のように構成することにより、特別車両運行システム1は、特別車両に乗車するための乗車券の予約又は購入の依頼を適正数だけ受け付けることができる。
なお、乗客予測部10は、依頼受付部61が受け付けた特別車両に乗車するための乗車券の予約又は購入の依頼に基づいて、運行が予定されている列車の乗客数について、再度、予測し直してもよい。
また、車両数決定部20は、乗客予測部10が予測し直すことにより、新たに生成した乗客数情報に基づいて、列車における特別車両の車両数を決定し直してもよい。
【0045】
上述のとおり、特別車両運行システム1は、配置位置決定部21、発券数決定部60、及び依頼受付部61に加えて、プラットホーム位置取得部40、誘導送信部62、及び携帯端末63を備えるものであってもよい。
プラットホーム位置取得部40及び誘導送信部62は、例えば、プロセッサ及びメモリ、又は、処理回路を有するコンピュータにより構成される。プラットホーム位置取得部40及び誘導送信部62は、プロセッサ、メモリ、及び処理回路を有するコンピュータにより構成されたものであってもよい。
【0046】
誘導送信部62は、プラットホーム位置取得部40が出力するプラットホーム位置情報に基づいて、特別車両に乗車するための乗車券の予約又は購入した乗客を、プラットホームおける特別車両の停車位置に誘導するための誘導情報を生成する。誘導送信部62は、誘導送信部62が生成した誘導情報を当該乗客が所持する携帯端末63に送信する。
この場合、例えば、依頼受付部61は、特別車両に乗車するための乗車券の予約又は購入の依頼を受け付ける際に、当該乗車券を用いて特別車両に乗車予定の乗客に連絡可能なメールアドレス等の連絡先を示す情報を取得する。
携帯端末63は、例えば、携帯電話、スマートフォン、又はタブレット端末等の携帯可能な端末である。
【0047】
以上のように構成することにより、特別車両運行システム1は、特別車両に乗車予定の乗客に、プラットホームおける特別車両の停車位置を知らしめることができる。
なお、誘導送信部62は、例えば、乗客が乗車予定の列車が到着するより前の予め定められた時点に、誘導情報を送信する。
誘導送信部62が誘導情報を送信するタイミングは、乗客が乗車予定の列車が到着するより前の予め定められた時点に限定されるものではない。
例えば、誘導送信部62は、携帯端末63の現在位置、すなわち、携帯端末63を所持する乗客の現在位置を示す現在位置情報を携帯端末63から取得し、現在位置情報が示す現在位置が予め定められた領域内に位置した際に、誘導情報を送信するものであってもよい。
【0048】
図2を参照して、実施の形態1に係る特別車両運行システム1の動作について説明する。
図2は、実施の形態1に係る特別車両運行システム1の処理の一例を示すフローチャートである。特別車両運行システム1は、例えば、予め定められた運行計画における複数の列車のそれぞれついて、当該フローチャートの処理を実行する。
【0049】
まず、ステップST201にて、乗客予測部10は、乗客数を予測する。
次に、ステップST202にて、乗客予測部10は、乗客数情報を出力する。
次に、ステップST203にて、車両数決定部20は、特別車両の車両数を決定する。
次に、ステップST204にて、車両数決定部20は、車両数情報を出力する。
次に、ステップST205にて、配置位置決定部21は、特別車両を配置する位置を決定する。
次に、ステップST206にて、配置位置決定部21は、配置位置情報を出力する。
次に、ステップST207にて、車両仕様変更指示部30は、車両仕様変更指示情報を生成する。
次に、ステップST208にて、車両仕様変更指示部30は、車両仕様変更指示情報を出力する。
次に、ステップST209にて、車両仕様制御部31は、制御信号を生成する。
次に、ステップST210にて、車両仕様制御部31は、制御信号を出力する。
【0050】
次に、ステップST211にて、プラットホーム位置取得部40は、特別車両の停車位置を推定する。
次に、ステップST212にて、プラットホーム位置取得部40は、プラットホーム位置情報を出力する。
次に、ステップST213にて、発券数決定部60は、特別車両に乗車するための乗車券の発券数を決定する。
次に、ステップST214にて、発券数決定部60は、発券数情報を出力する。
次に、ステップST215にて、依頼受付部61は、特別車両に乗車するための乗車券の予約又は購入の依頼を受け付ける。
次に、ステップST216にて、出力生成部50は、乗客を特別車両の停車位置に誘導するための出力信号を生成する。
次に、ステップST217にて、出力生成部50は、出力信号を出力装置51に出力する。
次に、ステップST218にて、誘導送信部62は、誘導情報を生成する。
次に、ステップST219にて、誘導送信部62は、誘導情報を送信する。
ステップST219の後、特別車両運行システム1は、当該フローチャートの処理を終了する。
【0051】
なお、特別車両運行システム1が配置位置決定部21を備えていない場合、ステップST205からステップST212までの処理、及び、ステップST216からステップST219までの処理は省略される。
また、特別車両運行システム1が車両仕様変更指示部30及び車両仕様制御部31を備えていない場合、ステップST207からステップST210までの処理は省略される。
また、特別車両運行システム1がプラットホーム位置取得部40を備えていない場合、ステップST211及びステップST212の処理、並びに、ステップST216からステップST219までの処理は省略される。
また、特別車両運行システム1が発券数決定部60及び依頼受付部61を備えていない場合、ステップST213からステップST215までの処理は省略される。
また、特別車両運行システム1が出力生成部50を備えていない場合、ステップST216及びステップST217の処理は省略される。
また、特別車両運行システム1が誘導送信部62を備えていない場合、ステップST218及びステップST219の処理は省略される。
【0052】
また、ステップST215の処理より前にステップST214の処理が実行され、ステップST214の処理より前にステップST213の処理が実行され、ステップST213の処理より前にステップST204の処理が実行されれば、ステップST213からステップST215までの処理の順序は任意である。
また、ステップST217の処理より前にステップST216の処理が実行され、ステップST219の処理より前にステップST218の処理が実行され、ステップST216及びステップST218の処理より前にステップST212の処理が実行されれば、ステップST216からステップST219までの処理の順序は任意である。
【0053】
以上のように、実施の形態1に係る特別車両運行システム1は、運行が予定されている列車の乗客数を予測し、予測した乗客数を示す乗客数情報を出力する乗客予測部10と、乗客予測部10が出力する乗客数情報に基づいて、列車における特別車両の車両数を決定し、決定した特別車両の車両数を示す車両数情報を出力する車両数決定部20と、を備えた。
このように構成することにより、特別車両運行システム1は、予め定められた列車の運行計画において、特別車両に乗車したいという乗客のニーズに対応しつつ、一般車両の混雑を抑制することができる。
【0054】
また、実施の形態1に係る特別車両運行システム1は、上述の構成に加えて、車両数決定部20が出力する車両数情報に基づいて、列車における特別車両を配置する位置を決定し、決定した位置を示す配置位置情報を出力する配置位置決定部21と、配置位置決定部21が出力する配置位置情報に基づいて、配置位置情報が示す位置に配置される車両を予め定められた仕様に変更するための車両仕様変更指示情報を生成し、生成した車両仕様変更指示情報を出力する車両仕様変更指示部30と、を備えた。
このように構成することにより、特別車両運行システム1は、予め定められた列車の運行計画において、特別車両に乗車したいという乗客のニーズに対応しつつ、一般車両の混雑を抑制することができる。また、特別車両運行システム1は、車両の仕様を簡単に変更することができる。
【0055】
また、実施の形態1に係る特別車両運行システム1は、上述の構成において、乗客予測部10は、予め定められた複数の乗客種別に基づいて、運行が予定されている列車に乗車する複数の乗客のそれぞれの乗客種別を予測して、予測した乗客種別毎の乗客数を予測することにより、予測した乗客種別毎の乗客数を示す乗客数情報を出力し、車両数決定部20は、予め定められた複数種類の特別車両のうちから、乗客予測部10が出力する乗客数情報に基づいて、複数の乗客種別のそれぞれに対応する特別車両の種類毎に特別車両の車両数を決定し、決定した種類毎の特別車両の車両数を示す車両数情報を出力するように構成した。
このように構成することにより、特別車両運行システム1は、予め定められた列車の運行計画において、特別車両に乗車したいという乗客のニーズに対応しつつ、一般車両の混雑を抑制することができる。
【0056】
また、実施の形態1に係る特別車両運行システム1は、上述の構成に加えて、車両数決定部20が出力する車両数情報に基づいて、列車における特別車両を配置する位置を決定し、決定した位置を示す配置位置情報を出力する配置位置決定部21と、配置位置決定部21が出力する配置位置情報に基づいて、列車が到着予定の駅に到着したときのプラットホームおける特別車両の停車位置を推定し、推定した特別車両の停車位置を示すプラットホーム位置情報を出力するプラットホーム位置取得部40と、プラットホーム位置取得部40が出力するプラットホーム位置情報に基づいて、特別車両に乗車予定の乗客をプラットホームおける特別車両の停車位置に誘導するための出力信号を生成し、列車が到着予定の駅に到着するより前の予め定められた時点に、生成した出力信号を出力装置51に出力して、出力装置51に出力信号に対応する出力を行わせる出力生成部50と、を備えた。
このように構成することにより、特別車両運行システム1は、予め定められた列車の運行計画において、特別車両に乗車したいという乗客のニーズに対応しつつ、一般車両の混雑を抑制することができる。また、特別車両運行システム1は、特別車両に乗車予定の乗客に、プラットホームおける特別車両の停車位置を知らしめることができる。
【0057】
また、実施の形態1に係る特別車両運行システム1は、上述の構成に加えて、車両数決定部20が出力する車両数情報に基づいて、特別車両に乗車するための乗車券の発券数を決定し、決定した発券数を示す発券数情報を出力する発券数決定部60と、発券数決定部60が出力する発券数情報に基づいて、特別車両に乗車するための乗車券の予約又は購入の依頼を受け付ける依頼受付部61と、を備えた。
このように構成することにより、特別車両運行システム1は、予め定められた列車の運行計画において、特別車両に乗車したいという乗客のニーズに対応しつつ、一般車両の混雑を抑制することができる。また、特別車両運行システム1は、特別車両に乗車するための乗車券の予約又は購入の依頼を適正数だけ受け付けることができる。
【0058】
また、実施の形態1に係る特別車両運行システム1は、上述の構成に加えて、車両数決定部20が出力する車両数情報に基づいて、列車における特別車両を配置する位置を決定し、決定した位置を示す配置位置情報を出力する配置位置決定部21と、配置位置決定部21が出力する配置位置情報に基づいて、列車が到着予定の駅に到着したときのプラットホームおける特別車両の停車位置を推定し、推定した特別車両の停車位置を示すプラットホーム位置情報を出力するプラットホーム位置取得部40と、プラットホーム位置取得部40が出力するプラットホーム位置情報に基づいて、特別車両に乗車するための乗車券の予約又は購入した乗客を、プラットホームおける特別車両の停車位置に誘導するための誘導情報を生成し、生成した誘導情報を当該乗客が所持する携帯端末63に送信する誘導送信部62と、を備えた。
このように構成することにより、特別車両運行システム1は、予め定められた列車の運行計画において、特別車両に乗車したいという乗客のニーズに対応しつつ、一般車両の混雑を抑制することができる。また、特別車両運行システム1は、特別車両に乗車予定の乗客に、プラットホームおける特別車両の停車位置を知らしめることができる。
【0059】
なお、これまでの説明において、特別車両は、ビジネス客又は行楽客等の乗客が乗車する車両であるものとして説明したが、特別車両は、乗客が乗車する車両に限定されるものではない。
例えば、特別車両は、紫外線、アルコール、若しくは、次亜塩素酸等を用いた消毒作業、又は、室内機器の点検、若しくは修理等のメンテナンス作業等の作業を行うための無人車両であってもよい。通常、列車の運行中には乗客が乗車している車両では消毒作業又はメンテナンス作業等の作業を行うことができないが、運行中の列車のうち一部の車両を無人車両にすることにより、運行中の列車でも消毒作業又はメンテナンス作業等の作業を行うことができる。この場合、例えば、車両仕様制御部31は、消毒作業又はメンテナンス作業等の作業を行う設備に対して、当該作業を行わせるための制御信号を出力する。また、当該場合、車両仕様制御部31は、プラットホームに列車が到着した際に、無人車両である特別車両の乗降ドアを開閉しないようにするための制御信号を出力してもよい。
【0060】
また、例えば、特別車両は、荷物のみを積み込む貨物車両であってもよい。車両仕様制御部31は、一般車両を特別車両である貨物車両に変更するための制御信号を出力する。
具体的には、例えば、車両仕様制御部31は、座席の配置をロングシートからクロスシート又はボックスシートに変更し、更に、座席を跳ね上げて荷物を収納する空間を作るための制御信号を出力する。
プラットホームから貨物車両である特別車両への荷物の搬入作業、又は、貨物車両である特別車両からプラットホームへの荷物の搬出作業は、自走式ロボットが行ってもよいし、荷物の所有者である乗客が自ら行ってもよいし、駅係員又は貨物車両である特別車両の乗務員が行ってもよい。
特別車両が貨物車両である場合、発券数決定部60は、貨物車両である特別車両に荷物を載せるための荷物券の発券数を決定し、発券数を示す発券数情報を出力する。また、依頼受付部61は、発券数決定部60が出力する発券数情報に基づいて、貨物車両である特別車両に荷物を載せるための荷物券の予約又は購入の依頼を受け付ける。
【0061】
また、これまでの説明において、特別車両の乗客は、ビジネス客又は行楽客等であるものとして説明したが、特別車両の乗客は、ビジネス客又は行楽客に限定されるものではない。
例えば、特別車両の乗客は、妊婦、高齢者、身体障碍者、又は、癌若しくは糖尿病等の予め定められた基礎疾患を有する者(以下「特定疾患保有者」という。)等の身体的弱者であってもよい。特別車両の乗客が身体的弱者である場合、特別車両に乗車することにより、一般車両に乗車するのと比較して、乗客の密集を避けることができ、細菌又はウィルス等による感染症の身体的弱者への飛沫感染リスクを低減させることができる。
【0062】
また、なお、本開示はその開示の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本開示の特別車両運行システムは、予め定められた運行計画に従った列車の運行に適用することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 特別車両運行システム、10 乗客予測部、20 車両数決定部、21 配置位置決定部、30 車両仕様変更指示部、31 車両仕様制御部、40 プラットホーム位置取得部、50 出力生成部、51 出力装置、60 発券数決定部、61 依頼受付部、62 誘導送信部、63 携帯端末、70 ネットワーク。
【要約】
特別車両運行システム(1)は、運行が予定されている列車の乗客数を予測し、予測した乗客数を示す乗客数情報を出力する乗客予測部(10)と、乗客予測部(10)が出力する乗客数情報に基づいて、列車における特別車両の車両数を決定し、決定した特別車両の車両数を示す車両数情報を出力する車両数決定部(20)と、を備えた。
図1
図2