(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
関東ローム(JIS Z 8901、試験用粉体1の8種)を機能性膜に振りかけ、90°に傾けて除去した後に、残存粉塵の全領域に対する割合である粉塵付着率が5%以下である請求項9に記載の機能性生地。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<<生地コーティング用組成物>>
本発明の生地コーティング用組成物は、フルオロ基を有するアルコキシシラン又はその加水分解部分縮合物を含有する。本発明の生地コーティング用組成物は、生地に適用した場合に粉塵汚れに対して優れた防塵性を発揮する。
【0021】
(フルオロ基を有するアルコキシシラン又はその加水分解部分縮合物)
フルオロ基を有するアルコキシシラン又はその加水分解部分縮合物は、生地コーティング用組成物を生地に適用した場合に、粉塵汚れに対する防塵性及び撥水性を発揮する成分である。
【0022】
フルオロ基を有するアルコキシシランは、フルオロ基とアルコキシ基を有するシラン化合物であれば特に限定されない。フルオロ基としては、フルオロアルキル基、フルオロアリール基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロポリエーテル基等が好ましく、パーフルオロアルキル基がより好ましい。また、アルコキシ基は3つ以下であるものが好ましい。具体的には、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロドデシルトリメトキシシラン等が挙げられる。なかでも、粉塵汚れに対する防塵性及び撥水性の点で、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランが好ましい。
また、これらのフルオロ基を有するアルコキシシランは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、フルオロ基を有するアルコキシシランを少なくとも1種含んでいれば、フルオロ基を含まないアルコキシシランを併用しても良い。
【0023】
フルオロ基を有するアルコキシシランの加水分解部分縮合物としては、フルオロ基を有するアルコキシシランを既存の手法で加水分解縮合させることにより得られたものが挙げられる。フルオロ基を有するアルコキシシランとしては、前述した化合物を使用することができる。これらのフルオロ基を有するアルコキシシランは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して加水分解部分縮合してもよい。また、フルオロ基を有するアルコキシシランを少なくとも1種含んでいれば、フルオロ基を含まないアルコキシシランを併用して加水分解部分縮合してもよい。フルオロ基を有するアルコキシシランは、アルコキシ基が親水性、フルオロ基が疎水性を有するため、組成物中でミセルを形成する傾向があるが、加水分解部分縮合物として使用することで、ミセル化が抑制され、フルオロアルキル基を膜表面に配向させやすく、機能性膜の耐久性が向上する傾向にある。生地コーティング用組成物は、フルオロ基を有するアルコキシシランの加水分解部分縮合物を含むことが好ましい。
【0024】
フルオロ基を有するアルコキシシラン又はその加水分解部分縮合物の配合量は、特に限定されないが、固形分中の配合量としては、0.5〜70重量%が好ましく、1〜60重量%がより好ましく、3〜50重量%がさらに好ましく、7〜15重量%が特に好ましい。また、溶媒を含む生地コーティング用組成物中の配合量としては、0.1〜10重量%が好ましく、0.2〜5重量%がより好ましく、0.25〜3重量%がさらに好ましい。上記範囲内であると、粉塵汚れに対する防塵性と耐久性を両立した機能性膜が形成できる傾向にある。
【0025】
(フルオロ基を含まないアルコキシシラン又はその加水分解部分縮合物)
本発明の生地コーティング用組成物は、さらに、フルオロ基を含まないアルコキシシラン又はその加水分解部分縮合物を含むことが好ましい。フルオロ基を含まないアルコキシシラン又はその加水分解部分縮合物は、耐久性(耐摩耗性、硬度)を付与する成分であり、粉塵汚れに対する防塵性が経時的に低下することを抑制する。フルオロ基を含まないアルコキシシランの加水分解部分縮合物としては、フルオロ基を含まないアルコキシシランを加水分解と縮合反応して得られる加水分解部分縮合物であれば限定されないが、例えば、下記一般式(1)で表されるフルオロ基を含まないアルコキシシランを加水分解と縮合反応して得られるものが挙げられる。
SiR
14 (1)
一般式(1)中、R
1は、それぞれ水素、水酸基、アルコキシ基、脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基であり、1以上のR
1がアルコキシ基である。アルコキシ基、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基は、それぞれ置換基を有してよい。
【0026】
一般式(1)の4つのR
1のうち、1つのR
1がアルコキシ基である場合はモノアルコキシシラン、2つのR
1がアルコキシ基である場合はジアルコキシシラン、3つのR
1がアルコキシ基である場合はトリアルコキシシラン、4つのR
1がアルコキシ基である場合はテトラアルコキシシランであり、これらのいずれであってもよい。また、これらのアルコキシシランは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。トリアルコキシシラン又はテトラアルコキシシランを含有すると分岐構造の加水分解部分縮合物を得ることができ、分岐構造の加水分解部分縮合物は硬化して塗膜としたときの膜密度が高く、強度や耐湿熱性、耐熱性に優れる。ジアルコキシシランを用いることにより、加水分解部分縮合物の分子量を調整できる他、柔軟性が付与できる。モノアルコキシシランを用いることにより、加水分解部分縮合物の分子量を調整できる。
【0027】
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等のC
1−4アルコキシ基が挙げられる。
【0028】
脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のC
1−20アルキル基が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基や、ベンジル基等のアラルキル基が挙げられる。
【0029】
脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基が有する置換基としては、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリロキシ基、ビニル基、エポキシ基等の架橋性官能基、1級アミノ基、2級アミノ基、チオール基、及びスチリル基等が挙げられる。
【0030】
フルオロ基を含まないアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メトキシトリメチルシラン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリメトキシシリル)プロパン、ビス(トリエトキシシリル)プロパン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリメトキシシリル)オクタン、ビス(トリエトキシシリル)オクタン、ビス(トリエトキシシリル)エチレン、ビス(トリメトキシシリルメチル)エチレン、1−(トリエトキシシリル)−2−(ジエトキシメチルシリル)エタン等の脂肪族炭化水素基を有するシラン化合物;フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン等の芳香族炭化水素基を有するシラン化合物;ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]アミン、ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の2級アミノ基を有するシラン化合物;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン等の1級アミノ基を有するシラン化合物;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリル基を有するシラン化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のビニル基を有するシラン化合物;β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基を有するシラン化合物;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するシラン化合物;1,3,5−トリス(メチルジメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(メチルジエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(トリメトキシシリルエチル)イソシアヌレート、1,3−(ジ−2−プロペン−1−イル)−5−(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1−(2−プロペン−1−イル)−3,5−ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1,3−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1−グリシジルメチル−3,5−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1,3−ビス(グリシジルメチル)−5−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1−グリシジルメチル−3−(2−プロペン−1−イル)−5−(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1,3−ジメチル−5−(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等のイソシアヌレート基を有するシラン化合物等が挙げられる。これらの中でも、耐久性、基材適用性の観点から、テトラアルコキシシラン、脂肪族炭化水素基を有するシラン化合物、芳香族炭化水素基を有するシラン化合物が好ましく、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メトキシトリメチルシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランがより好ましい。
【0031】
フルオロ基を含まないアルコキシシラン又はその加水分解部分縮合物において、分子中のケイ素原子数に対する炭素原子数の比(C/Si比)は0.1〜4が好ましく、0.15〜3.0がより好ましく、0.2〜2.0がさらに好ましい。上記範囲内であると、機能性膜が粉塵汚れに対する防塵性、耐久性や基材適用性に優れる傾向がある。ここで、ケイ素原子数と炭素原子数は、それぞれ、原料のアルコキシシランの加水分解物1分子中に含まれるケイ素原子と炭素原子の数である。フルオロ基を含まないアルコキシシランを2種以上併用する場合は、各化合物の分子数をもとに炭素原子の総数とケイ素原子の総数を算出すれば、比を導くことができる。
【0032】
フルオロ基を含まないアルコキシシラン又はその加水分解部分縮合物の配合量は、特に限定されないが、固形分中、1〜90重量%が好ましく、5〜80重量%がより好ましく、10〜70重量%がさらに好ましい。上記範囲内であると、粉塵汚れに対する防塵性と耐久性を両立した機能性膜が形成できる傾向にある。
【0033】
フルオロ基を有するアルコキシシランの加水分解部分縮合物や、フルオロ基を含まないアルコキシシランの加水分解部分縮合物は、例えばアルコキシシランを酸性条件下で加水分解部分縮合させることにより作製することができる。加水分解部分縮合は、アルコキシシランのアルコキシ基の加水分解による水酸基の形成、及び、形成された水酸基同士の縮合反応により行われる。これらの反応は一段階で行うことができる。加水分解部分縮合物には、アルコキシ基が加水分解した水酸基が一部残存してもよい。
【0034】
反応時の温度条件は、特に限定されないが、好ましくは25〜200℃、より好ましくは30〜150℃、さらに好ましくは40〜120℃である。時間条件は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜72時間、より好ましくは0.1〜48時間、さらに好ましくは0.1〜36時間である。
【0035】
アルコキシシランの加水分解部分縮合反応においては、アルコキシシランのアルコキシ基の当量数以上の水を添加することが好ましい。水の添加量はアルコキシシランのアルコキシ基100モルに対し、100〜500,000モルが好ましく、500〜100,000モルがより好ましく、1,000〜50,000モルがさらに好ましい。
【0036】
加水分解部分縮合反応においては、使用するアルコキシシランの反応性に応じて触媒を使用してもよい。触媒としては、酸性触媒が挙げられ、具体的にはギ酸、酢酸、氷酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸等の有機酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム等のハロゲン化アルミニウム、硝酸アルミニウム等の無機酸、酸性シリカゲル、酸性シリカゾルが挙げられる。これらの中でも、成膜後に触媒が膜内に残存しない揮発性の酸が好ましく、沸点200℃以下の有機酸がより好ましく、ギ酸、酢酸がさらに好ましい。酸性触媒を使用することで、加水分解部分縮合反応が促進される、加水分解部分縮合物が安定化される、といった効果が得られる。
【0037】
加水分解部分縮合反応時のpHは、1〜7が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜4がさらに好ましい。この範囲とすることにより、所望の加水分解部分縮合物が得られる。
【0038】
触媒の添加量は、アルコキシシラン100重量部に対し、0.0001〜20重量部であることが好ましく、0.0001〜10重量部であることがより好ましい。この範囲とすることにより、加水分解部分縮合反応が速やかに進むうえ、加熱により除去しやすい。
【0039】
加水分解部分縮合反応は、溶媒を使用せずに行ってもよいが、必要に応じて溶媒を使用してもよい。このような溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール等のトリオール類;テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、3−メトキシブチル−1−アセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類を挙げることができる。これらの中では、加水分解部分縮合物を効率的に形成できることから、アルコール類、グリコール類、トリオール類等の水溶性有機溶媒が好ましく、アルコール類、グリコール類が特に好ましい。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、溶媒は、前述した水との混合液を用いてもよく、混合液として使用する場合、水と水溶性有機溶媒との混合液が好ましく、水とアルコールとの混合液がより好ましい。
【0040】
溶媒の配合量としては、アルコキシシラン100重量部に対し、1〜50000重量部が好ましく、10〜5000重量部がより好ましく、20〜1000重量部がさらに好ましい。
【0041】
加水分解部分縮合物が、水や水溶性有機溶媒の中で沈殿を生じない場合には、加水分解部分縮合物が得られたと判断できる。縮合反応が過剰に進行した場合は水溶性が低下し、水や水溶性有機溶媒の中でゲル化や懸濁が発生する。
【0042】
(無機粒子)
本発明の生地コーティング用組成物は、さらに、無機粒子を含有することが好ましい。無機粒子を含有することにより、機能性膜の表面に凹凸を形成させて、粉塵汚れの接地面積を低減させることができ、より防塵性に優れた機能性膜とすることができる。無機粒子は特に限定されないが、例えば、金属酸化物微粒子、窒化物、2種以上の金属元素から構成される複合酸化物、金属酸化物に異種の元素がドープされた化合物、単体金属、ハロゲン化物等が挙げられる。金属酸化物微粒子として、具体的には、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、酸化チタン(TiO
2)、酸化ケイ素(SiO
2)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、酸化鉄(Fe
2O
3、FeO、Fe
3O
4)、酸化銅(CuO、Cu
2O)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y
2O
3)、酸化ニオブ(Nb
2O
5)、酸化モリブデン(MoO
3)、酸化インジウム(In
2O
3、In
2O)、酸化スズ(SnO
2)、酸化タンタル(Ta
2O
5)、酸化タングステン(WO
3、W
2O
5)、酸化鉛(PbO、PbO
2)、酸化ビスマス(Bi
2O
3)、酸化セリウム(CeO
2、Ce
2O
3)、酸化アンチモン(Sb
2O
5、Sb
2O
5)、酸化ゲルマニウム(GeO
2、GeO)等が挙げられる。ハロゲン化物として、具体的には、フッ化銅(CuF、CuF2)、塩化銅(CuCl、CuCl2)、臭化銅(CuBr、CuBr2)、ヨウ化銅(CuI)、フッ化銀(Ag
2F、AgF、AgF
2、AgF
3)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)、ヨウ化銀(AgI)等が挙げられる。単体金属として、銅、銀、金等が挙げられる。これらの中でも、粉塵汚れに対する防塵性の観点から、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、酸化チタン(TiO
2)、酸化ケイ素(シリカ)が好ましい。無機粒子は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0043】
無機粒子の粒子径は、特に限定されないが、1〜1000nmが好ましく、10〜100nmがより好ましい。上記範囲内であると、粉塵汚れに対する防塵性に優れる。
【0044】
無機粒子は、反応性の置換基(反応性基)を有することが好ましく、反応性の置換基には有機反応性置換基が含まれていてもよい。有機反応性置換基としては、エポキシ基、メタクリル基、イソシアネート基等が挙げられる。例えば無機粒子がシリカの場合には、表面に多数の水酸基が存在しているので、水酸基とシランカップリング剤等で反応させることにより、反応性の置換基を導入することができる。
【0045】
無機粒子は、示差熱分析DTAにおいて、200℃〜600℃に正のDTAピークを有するものが好ましく、300℃〜600℃に正のDTAピークを有することがより好ましい。上記範囲内であると、機能性膜が耐久性に優れたものとなる。
【0046】
無機粒子の配合量は、固形分中、5〜90重量%が好ましく、10〜80重量%がより好ましく、20〜70重量%がさらに好ましい。上記範囲内であると、粉塵汚れに対する防塵性と耐久性に優れる傾向にある。
【0047】
本発明の生地コーティング用組成物は、任意に他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、例えば、密着性向上剤、エポキシ樹脂やアクリレート、メラミン等の硬化性樹脂、アクリル樹脂やポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂、導電性高分子、炭素材料、重合開始剤、レベリング剤、界面活性剤、光増感剤、消泡剤、中和剤、酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、増粘剤、溶媒等が挙げられる。
【0048】
本発明の生地コーティング用組成物は、生地と機能性膜との密着性を向上させる観点から、密着性向上剤を含むことが好ましい。密着性向上剤としては、特に限定されないが、例えば、エポキシシラン類、アミノシラン類、アクリルシラン類、ビニルシラン類、スチリルシラン類等のシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤や、アクリロイルイソシアネート、ブロックドイソシアネート等のイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。密着性向上剤の配合量としては、固形分中、0.1〜40重量%が好ましく、0.5〜30重量%がより好ましく、1〜20重量%がさらに好ましい。上記範囲内であると、生地と機能性膜との密着性に優れる傾向にある。
【0049】
レベリング剤としては特に限定されず、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエステル変性ポリジメチルシロキサン等のシロキサン系化合物;パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール等のフッ素系化合物;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、プロピレンオキシド重合体、エチレンオキシド重合体等のポリエーテル系化合物;ヤシ油脂肪酸アミン塩、ガムロジン等のカルボン酸;ヒマシ油硫酸エステル類、リン酸エステル、アルキルエーテル硫酸塩、ソルビタン脂肪酸エステル、スルホン酸エステル、コハク酸エステル等のエステル系化合物;アルキルアリールスルホン酸アミン塩、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホン酸塩化合物;ラウリルリン酸ナトリウム等のリン酸塩化合物;ヤシ油脂肪酸エタノールアマイド等のアミド化合物;アクリル系化合物等が挙げられる。
【0050】
レベリング剤の配合量は、組成物の固形分中、0.001〜5重量%が好ましく、0.01〜1重量%がより好ましく、0.05〜0.5重量%がさらに好ましい。
【0051】
溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)等のエチレングリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチル−1−アセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、マロン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、エチレングリコールエーテル類、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ケトン類及びエステル類が好ましく、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びメチルアミルケトンがより好ましい。これらの溶媒は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0052】
本発明の生地コーティング用組成物の固形分率は、特に限定されないが、0.1〜10重量%が好ましく、1〜8重量%がより好ましく、3〜5重量%がさらに好ましい。上記範囲内であると、液安定性が良くなる傾向がある。
【0053】
<<機能性生地>>
本発明の機能性生地は、生地と、本発明の生地コーティング用組成物の硬化物からなる機能性膜とを有するため、粉塵汚れに対して優れた防塵性を発揮する。
【0054】
<生地>
生地の形態としては、特に限定されないが、織物、不織布、メッシュ、編物等が挙げられる。生地の材質としては、特に限定されないが、天然繊維、合成繊維、再生繊維、機能性繊維、金属繊維、炭素繊維、ガラス繊維等が挙げられる。これらの中では、実用性の観点から、天然繊維、合成繊維、再生繊維、機能性繊維、及び金属繊維からなる群より選択される一つ以上であることが好ましい。天然繊維としては、綿、麻、絹、ウール等が挙げられる。合成繊維としては、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタン、ポリアミド等が挙げられる。再生繊維としては、レーヨン、キュプラ等が挙げられる。機能性繊維としては、紫外線遮蔽、蓄熱保温、吸湿、吸水・吸汗、撥水、防水、防炎、導電、抗菌防臭等の機能を付与した繊維等が挙げられる。金属繊維としては、スチール、ステンレス、銅、アルミニウム、金または銀等の他、アルミ等の金属を合成繊維等に蒸着したものが挙げられる。生地の材質は、単独でもよいし、2種以上の組合せであってもよい。
【0055】
<機能性膜>
機能性膜は、本発明の生地コーティング用組成物の硬化物からなる。
【0056】
機能性膜は、生地コーティング用組成物を生地に塗布した後、又は、生地コーティング用組成物に生地を含浸させた後に、生地コーティング用組成物を硬化させることにより得られる。生地コーティング用組成物を塗布する場合は、生地の少なくとも一つの面上に、直接塗布してもよいし、転写してもよいし、プライマー層等を予め基材上に設けた後で、その上に塗布してもよい。プライマー層としては、生地に対する塗布性や、生地と機能性膜との密着性を付与することができれば、特に限定されない。プライマー層は、バインダーを含むことが好ましく、ポリウレタン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、または、ポリ塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。また、架橋剤、触媒、界面活性剤、レベリング剤、顔料、染料等を適宜含むこともできる。本発明の機能性生地は、防水性や、生地に対する生地コーティング用組成物の塗布性、機能性膜と生地との密着性の観点から、機能性膜と生地との間に、プライマー層を有することが好ましい。
【0057】
生地への生地コーティング用組成物の塗布や、生地コーティング用組成物への生地の含浸は、一般的な方法により行うことができる。硬化条件は特に限定されないが、加熱硬化の場合には70〜1000℃で0.5〜130分間の条件が挙げられる。露光により硬化する場合には5〜2000mJ/cm
2の光照射量が挙げられる。
【0058】
機能性膜の水接触角は100〜140°であることが好ましく、100〜135°であることがより好ましい。上記範囲内であると、粉塵汚れに対する防塵性に優れる。ここで、水接触角は、液滴法によって測定することができる。
【0059】
関東ローム(JIS Z 8901、試験用粉体1の8種)を機能性膜に振りかけ、90°に傾けて除去した後に、機能性膜全領域に対する残存粉塵の付着割合である粉塵付着率は、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましい。
【0060】
機能性膜に粉塵を振りかける方法、並びに、付着した粉塵を除去する方法は特に限定されず、種々の方法を好適に用いることができる。例えば、粉塵を機能性膜に所定量振りかけてから、90°に傾けて台上3cmの高さから3回軽く落として叩く(タップする)ことにより、粉塵をふるい落とせばよい。また、機能性膜の画像撮影についても特に限定されず、機能性膜全領域について粉塵を視認可能な方法で複数の画像を撮影すればよい。撮影した画像の二値化処理についても特に限定されず、公知の画像処理ソフトウェア等を用いればよい。
【0061】
機能性膜は、ケイ素、酸素、炭素、及び、フッ素を含有する。ここで、各元素を含むことは、原料成分や、機能性膜の元素分析により確認することができる。また、各元素の含有量も、原料成分の配合量から算出することができ、機能性膜の元素分析によって求めることもできる。これらの4種の元素の含有量は、ケイ素が20〜50重量%、酸素が30〜60重量%、炭素が5〜25重量%、フッ素が0.1〜20重量%であることが好ましく、ケイ素が25〜35重量%、酸素が40〜55重量%、炭素が10〜20重量%、フッ素が1〜15重量%であることがさらに好ましい。また、該機能性膜は、無機粒子と、アルコキシシランの加水分解部分縮合物の硬化物を含むことが好ましい。
【0062】
本発明の機能性生地は、生地と、本発明の生地コーティング用組成物の硬化物からなる機能性膜とを有するため、粉塵汚れに対する防塵性に優れ、オーニングテント等のテント類、履物、鞄、皮革製品、作業服、防護服、アウトドアウェア、車体カバー、寝袋、レジャーシート、ブラインド、カーテン、カーペット、自動車や列車、船舶、航空機、ベビーカーなどの輸送機器の座席シートや天井材、壁材等の建造物の内装材、或いはベッド、ソファ等の表地等の布製品に好適に使用され得る。
【実施例】
【0063】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。以下、「部」又は「%」は特記ない限り、それぞれ「重量部」又は「重量%」を意味する。
【0064】
以下に、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
(1)アルコキシシラン
テトラエトキシシラン(TEOS)(多摩化学工業株式会社製)
メチルトリエトキシシラン(MTES)(東レ・ダウ株式会社製、OFS−6383)
フェニルトリエトキシシラン(PTES)(東京化成工業株式会社製)
ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン(HDFDTMOS)(東京化成工業株式会社製)
(2)無機粒子
無機粒子1(日産化学株式会社製、スノーテックス(登録商標) ST−OL、粒子径:45nm)
無機粒子2(合成例7にて製造、シリカ分散体、粒子径:100nm、反応性基:シラノール基、DTAピーク:340℃)
(3)密着性向上剤
ブロックイソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製、WM44−L70G)
(4)溶媒
エタノール(AP−7)(日本アルコール販売株式会社製)
純水(PW)
(5)生地
生地1(株式会社色染製、ポリエステルタフタ(ポリエステル))
生地2(帝人フロンティア株式会社製、シャガール(ポリエステル))
【0065】
(合成例1〜5)
室温で、500mLセパラブルフラスコに、水と酢酸とエタノールと、TEOS、MTES、及びPTESを表1記載の重量比で仕込み、60℃まで昇温後、36時間熟成させ、フルオロ基を含まないアルコキシシランの加水分解部分縮合物を得た。酢酸の配合量は、pH3〜4となる量とし、水とエタノールの配合量は、水とエタノールの重量比を50:50とし、反応液の固形分濃度が15重量%となる量とした。得られたフルオロ基を含まないアルコキシシランの加水分解部分縮合物における、分子中のケイ素原子数に対する炭素原子数の比(C/Si比)を合わせて表1に示す。
【0066】
(合成例6)
TEOS、MTES、及びPTESの代わりに、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン(HDFDTMOS)を使用した他は、上述した手法にて、フルオロ基を有するアルコキシシランの加水分解部分縮合物を合成した。
【0067】
(合成例7)
500mLセパラブルフラスコに、水35mLと28重量%アンモニア水10mLとエタノール120mLを仕込み、45℃まで昇温後、TEOS15gとエタノール20mLの混合液を30分かけて滴下し、20分間攪拌した。次に、減圧留去して、アンモニアを除去することにより、シリカゾル液を得た。このシリカゾル液に、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウ株式会社製、OFS−6040)1gを添加して、24時間攪拌することにより、無機粒子1を得た。粒子径は、マイクロトラック・ベル株式会社製Micro trac Nanotrac Wave UT151を用いて、動的光散乱法により測定した。DTAピークは、先述の手法で測定した(粒子径:100nm、反応性基:シラノール基、DTAピーク:340℃)。
【0068】
【表1】
【0069】
(実施例1〜15及び比較例1〜4)
合成例1〜6で作製したアルコキシシランの加水分解部分縮合物とともに、無機粒子等の各成分を、表2に記載の固形分比で配合し、水:エタノール=30:70(重量比)の溶液にて、表2記載の固形分に希釈することにより生地コーティング用組成物を作製した。なお、これらの生地コーティング用組成物はpH3〜4であった。
【0070】
実施例1〜15及び比較例3において、得られた生地コーティング用組成物を表1に記載の生地上に、バーコーターまたはディップにより塗布し、150℃で3分間加熱して硬化させ、機能性生地を得た。なお、実施例3及び比較例2、4では、生地として、表2に記載の生地上にバーコーターによりアクリル樹脂(日本カーバイド工業株式会社製、ニカゾール FX−3750、Tg:−45℃)を塗布した後、150℃で3分間加熱乾燥させることで、プライマー層を形成したものを使用した。比較例4では、プライマー層上にさらに、フッ素系樹脂(旭硝子株式会社製、AG−E082)をバーコーターにより塗布し、150℃で3分間加熱乾燥させた。
【0071】
実施例で作製した機能性生地は以下の方法で評価した。なお、比較例1、2及び4においては、機能性膜を形成しなかったため、比較例1は生地そのものの各物性を、比較例2はプライマー層の各物性を、比較例4はフッ素系樹脂層の各物性を、それぞれ評価した。結果を表2に示す。
【0072】
<水接触角>
液滴法に準拠し、協和界面化学株式会社製、DM−501Hiを用いて測定した。
【0073】
<粉塵付着率>
実施例1〜15及び比較例1〜4で作製した機能性生地を10cm×10cmの面積内に完全に収まるように機能性膜を上にして設置し、この面積全体に対して関東ローム(JIS Z 8901、試験用粉体1の8種)1gを機能性膜に振りかけた(機能性膜の面積1cm
2当たりの試験ほこりの使用量が10mgである)。機能性生地を90°に傾けて台上3cmの高さから3回軽く落として叩く(タップする)ことにより粉塵を除去した後に、写真撮影した。撮影した写真を画像ソフトで二値化処理し、機能性膜全領域に対する残存粉塵の付着割合を算出し、付着率とした。
【0074】
<DTA測定>
無機粒子を減圧乾燥機にて乾燥後、測定に供した。示差熱熱重量計(セイコーインスツルメンツ社製、TG/DTA6200)を用いて示差熱分析DTA測定を行った。測定条件は、空気雰囲気下、昇温速度10℃/分、40℃〜600℃の温度範囲とした。
【0075】
【表2】
【課題】生地に適用した場合に粉塵汚れに対して優れた防塵性を発揮することのできる生地コーティング用組成物、及び、該生地コーティング用組成物の硬化物からなる機能性膜を有する機能性生地を提供する。