特許第6980157号(P6980157)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧

特許6980157アレーアンテナ装置およびビーム合成方法
<>
  • 特許6980157-アレーアンテナ装置およびビーム合成方法 図000002
  • 特許6980157-アレーアンテナ装置およびビーム合成方法 図000003
  • 特許6980157-アレーアンテナ装置およびビーム合成方法 図000004
  • 特許6980157-アレーアンテナ装置およびビーム合成方法 図000005
  • 特許6980157-アレーアンテナ装置およびビーム合成方法 図000006
  • 特許6980157-アレーアンテナ装置およびビーム合成方法 図000007
  • 特許6980157-アレーアンテナ装置およびビーム合成方法 図000008
  • 特許6980157-アレーアンテナ装置およびビーム合成方法 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6980157
(24)【登録日】2021年11月18日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】アレーアンテナ装置およびビーム合成方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/08 20060101AFI20211202BHJP
【FI】
   H04B7/08 422
   H04B7/08 372A
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2021-528558(P2021-528558)
(86)(22)【出願日】2019年6月20日
(86)【国際出願番号】JP2019024471
(87)【国際公開番号】WO2020255324
(87)【国際公開日】20201224
【審査請求日】2021年6月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】特許業務法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】紀平 一成
(72)【発明者】
【氏名】深沢 徹
【審査官】 川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−209734(JP,A)
【文献】 特開2013−219742(JP,A)
【文献】 特表2013−507080(JP,A)
【文献】 特表2005−515690(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2093584(EP,A1)
【文献】 Reza Abdolee et al.,Digital Beam-forming Implementation for Downlink Smart Antenna System,2009 52nd IEEE International Midwest Symposium on Circuits and System,2009年,pp.615-619,ISSN 1548-3746
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/02 − 7/12
H01Q 3/00 − 3/46
H01Q 21/00 − 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナ素子と、
複数のアンテナ素子にそれぞれ対応したディジタル信号を生成する変換部と、
前記ディジタル信号を直交検波する直交検波部と、
直交検波された前記ディジタル信号に基づいてビーム合成信号を生成するビーム形成部と、
を備えたアレーアンテナ装置であって、
前記ビーム形成部は、
時系列な数値の数値列データである重み係数から、乗算対象の数値を逐次切り替えて、前記乗算対象の数値を、直交検波された前記ディジタル信号に乗算する切り替え部と、
前記乗算対象の数値が乗算された各アンテナ素子の前記ディジタル信号を加算する加算部と、
加算された前記ディジタル信号を、前記乗算対象の数値が切り替えられる時間長ごとに積分して前記ビーム合成信号を生成する積分部と、
を備えたことを特徴とするアレーアンテナ装置。
【請求項2】
前記重み係数は、−1、0および+1のいずれかの値をとる数値の数値列データであること
を特徴とする請求項1記載のアレーアンテナ装置。
【請求項3】
前記重み係数を構成する数値は、−1または+1のいずれかの値をとる数値の数値列データであること
を特徴とする請求項1記載のアレーアンテナ装置。
【請求項4】
前記重み係数は、前記ビーム合成信号の複素振幅位相レベルが既定値と一致するように数値が設定された数値列データであること
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項記載のアレーアンテナ装置。
【請求項5】
前記積分部は、同一の信号情報が受信される時間間隔に同期して積分を行うこと
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項記載のアレーアンテナ装置。
【請求項6】
複数のアンテナ素子が信号を受信するステップと、
変換部が、複数のアンテナ素子のそれぞれに対応したディジタル信号を生成するステップと、
直交検波部が、前記ディジタル信号を直交検波するステップと、
ビーム形成部が、直交検波された前記ディジタル信号に基づいてビーム合成信号を生成するステップと、
を備えたビーム合成方法であって、
切り替え部が、時系列な数値の数値列データである重み係数から、乗算対象の数値を逐次切り替えて、前記乗算対象の数値を、直交検波された前記ディジタル信号に乗算するステップと、
加算部が、前記乗算対象の数値が乗算された各アンテナ素子の前記ディジタル信号を加算するステップと、
積分部が、加算された前記ディジタル信号を、前記乗算対象の数値が切り替えられる時間長ごとに積分して前記ビーム合成信号を生成するステップと、
を備えたことを特徴とするビーム合成方法。
【請求項7】
前記重み係数は、−1、0および+1のいずれかの値をとる数値の数値列データであること
を特徴とする請求項6記載のビーム合成方法。
【請求項8】
前記重み係数を構成する数値は、−1または+1のいずれかの値をとる数値の数値列データであること
を特徴とする請求項6記載のビーム合成方法。
【請求項9】
前記重み係数は、前記ビーム合成信号の複素振幅位相レベルが既定値と一致するように数値が設定された数値列データであること
を特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項記載のビーム合成方法。
【請求項10】
前記積分部は、同一の信号情報が受信される時間間隔に同期して積分を行うこと
を特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項記載のビーム合成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレーアンテナ装置およびビーム合成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディジタルビームフォーミング(以下、DBFと記載する)は、ディジタル信号処理を用いて、複数のアンテナ素子の信号を合成する方式である。DBFは、アナログ信号処理を用いて、複数のアンテナ素子の信号を合成する場合に比べてアナログ給電回路を簡素化することができ、低損失化も期待できる。一般的なDBF方式のアレーアンテナ装置は、アンテナ素子ごとにA/D変換器またはD/A変換器が必要であるので、データ量が膨大になってディジタル演算の回路規模が増大する。
【0003】
この問題に対処する従来の技術が、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された受信装置は、DBF方式のアレーアンテナ装置であり、ビーム合成に必要な重み係数を算出するウエイト演算を、低速なA/D変換器および低速な処理回路で行い、主信号系の信号処理を、アナログのベースバンド移相器および高速なA/D変換器で行うことで、ディジタル演算の回路規模の削減を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−192807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アレーアンテナ装置が、無線システムから要求される装置としてのダイナミックレンジに対応するためには、十数ビット程度の分解能のディジタル信号と同等の分解能を有する重み係数の積和演算をリアルタイムに行う必要があり、ディジタル演算の有効ビット数に比例した回路規模が必要である。これは、特許文献1に記載の受信装置においても同様である。特に、アンテナ素子数の多い大規模なアレーアンテナにおいては、ディジタル演算の回路規模の増大が顕在化する。
【0006】
本発明は上記課題を解決するものであり、ディジタル演算の回路規模を削減することができるアレーアンテナ装置およびビーム合成方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るアレーアンテナ装置は、複数のアンテナ素子と、複数のアンテナ素子にそれぞれ対応したディジタル信号を生成する変換部と、ディジタル信号を直交検波する直交検波部と、直交検波されたディジタル信号に基づいてビーム合成信号を生成するビーム形成部を備えており、ビーム形成部は、時系列な数値の数値列データである重み係数から、乗算対象の数値を逐次切り替えて、乗算対象の数値を、直交検波されたディジタル信号に乗算する切り替え部と、乗算対象の数値が乗算された各アンテナ素子のディジタル信号を加算する加算部と、加算されたディジタル信号を、乗算対象の数値が切り替えられる時間長ごとに積分してビーム合成信号を生成する積分部を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、時系列な数値の数値列データである重み係数から、乗算対象の数値を逐次切り替えて、乗算対象の数値を、直交検波されたディジタル信号に乗算し、乗算対象の数値が乗算された各アンテナ素子のディジタル信号を加算し、加算したディジタル信号を、乗算対象の数値が切り替えられる時間長ごとに積分してビーム合成信号を生成する。時系列な数値ごとの重み係数を各アンテナ素子のディジタル信号に乗算することにより、当該ディジタル信号に乗算される重み係数のビット数が削減されるので、ディジタル演算の回路規模を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係るアレーアンテナ装置の構成を示すブロック図である。
図2図1の切り替え部の構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態1に係るビーム合成方法を示すフローチャートである。
図4】実施の形態1における重み係数、同相成分および直交成分の概要を示す図である。
図5図5Aは、従来のアレーアンテナ装置におけるA/D変換される前の受信信号の時間波形を示す図である。図5Bは、従来のアレーアンテナ装置によってA/D変換された受信信号を示す図である。図5Cは、従来のアレーアンテナ装置における重み係数を示す図である。図5Dは、従来のアレーアンテナ装置の出力信号を示す図である。
図6図6Aは、実施の形態1に係るアレーアンテナ装置におけるA/D変換される前のアナログの受信信号の時間波形を示す図である。図6Bは、実施の形態1に係るアレーアンテナ装置によってA/D変換された受信信号を示す図である。図6Cは、実施の形態1に係るアレーアンテナ装置における重み係数を示す図である。図6Dは、実施の形態1に係るアレーアンテナ装置の出力信号を示す図である。
図7】実施の形態1における重み係数、同相成分および直交成分の別の概要を示す図である。
図8図8Aは、実施の形態1におけるDBF部の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。図8Bは、実施の形態1におけるDBF部の機能を実現するソフトウェアを実行するハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るアレーアンテナ装置の構成を示すブロック図である。図1に示すアレーアンテナ装置は、例えば、受信用のDBFアンテナ装置であって、アンテナ素子1−k、増幅部2−k、DC部3−k、AD変換部4−k、DDC部5−k、切り替え部6−k、加算部7、積分部8、同期部9、ビット変換部10、励振分布設定部11、数値制御発振部12、90度移相部13および局部発振部14を備えている。kは、正の自然数であり、k=1,2,・・・,Kである。以下、数値制御発振部12はNCO12と記載し、局部発振部14はLO部14と記載する。
【0011】
アンテナ素子1−kは、アレーアンテナを構成する複数のアンテナ素子である。アレーアンテナに到来した高周波信号は、アンテナ素子1−kによって受信される。増幅部2−kは、アンテナ素子1−kによって受信された信号を増幅し、増幅した受信信号をDC部3−kに出力する。
【0012】
DC(ダウンコンバータ)部3−kは、LO部14によって生成された局部発振信号を用いて、増幅部2−kによって増幅された信号を、低周波数帯あるいはベースバンド帯の信号に周波数変換する。AD変換部4−kは、アンテナ素子1−kに対応したディジタル信号を生成する変換部であって、DC部3−kから出力されたアナログの受信信号をディジタル信号にA/D変換する。
【0013】
DDC(デジタルダウンコンバータ)部5−kは、AD変換部4−kによって生成されたディジタル信号を同相成分と直交成分に分離する直交検波部である。例えば、DDC部5−kは、同相用の検波器と直交用の検波器とを備える。同相用の検波器は、NCO12によって生成された発振信号を用いて、AD変換部4−kによって生成されたディジタル信号から同相成分(Iチャネル、実部)を分離する。90度移相部13は、NCO12によって生成された発振信号を90度移相する。直交用の検波器は、90度移相された発振信号を用いて、AD変換部4−kによって生成されたディジタル信号から直交成分(Qチャネル、虚部)を分離する。同相成分Xiおよび直交成分Xqは、各DDC部5−kからDBF部15に出力される。
【0014】
DBF部15は、アンテナ素子1−1〜1−Kに対応し、DDC部5−1〜5−Kによって直交検波されたディジタル信号に基づいて、ビーム合成信号を生成するビーム形成部である。図1に示すように、DBF部15は、切り替え部6−k、加算部7、積分部8、同期部9、ビット変換部10および励振分布設定部11を備える。なお、DBF部15とは別に設けられた信号処理部が、同期部9、ビット変換部10および励振分布設定部11を備え、この信号処理部と信号のやり取りが可能なDBF部15が、切り替え部6−k、加算部7および積分部8のみを備えてもよい。
【0015】
切り替え部6−kは、重み係数Wから乗算対象の数値を逐次切り替えて、乗算対象の数値を、直交検波されたディジタル信号Xに乗算する。ここで、重み係数Wは、各アンテナ素子1−kのディジタル信号Xに与える振幅位相データを、時系列な数値の数値列データに変換したものである。
【0016】
また、重み係数Wは、振幅および位相からなる数値ベクトル(複素重み係数)であり、同相成分(実部)Wiと直交成分(虚部)Wqがある。例えば、重み係数Wは、ビーム合成信号の複素振幅位相レベルが既定値と一致するように数値が設定された数値列データである。既定値は、ビーム合成信号の目標の複素振幅位相レベルに相当する値である。数値列データを構成する数値には、例えば、−1,0,+1の3値がある。
【0017】
例えば、切り替え部6−kは、DDC部5−kから出力されたディジタル信号Xの同相成分Xiおよび直交成分Xqに対し、重み係数Wの同相成分Wiおよび直交成分Wqから乗算対象の数値を逐次切り替えて複素乗算を実行する。同相成分Wiが時系列な数値の数値列データ[1,0,・・・,0]であり、直交成分Wqが時系列な数値の数値列データ[0,1,・・・,1]である場合、切り替え部6−kは、同相成分Wiの最初の時刻の数値“1”を乗算対象の数値に切り替え、直交成分Wqの最初の時刻の数値“0”を乗算対象の数値に切り替えて、同相成分Xiおよび直交成分Xqに乗算する。次に、同相成分Wiの次の時刻の数値“0”が乗算対象の数値に切り替えられ、直交成分Wqの次の時刻の数値“1”が乗算対象の数値に切り替えられて、同相成分Xiおよび直交成分Xqに乗算される。同様な処理が、同相成分Wiの最終時刻の数値“0”が乗算対象の数値に切り替えられ、直交成分Wqの最終時刻の数値“1”が乗算対象の数値に切り替えられるまで繰り返される。切り替え部6−kによって乗算対象の数値ごとの重み係数Wが乗算された各アンテナ素子1−kのディジタル信号は、加算部7に出力される。
【0018】
加算部7は、重み係数Wの乗算対象の数値が乗算された各アンテナ素子1−kのディジタル信号を加算する。例えば、同相成分Wiが[1,0,・・・,0]であり、直交成分Wqが[0,1,・・・,1]である場合に、加算部7は、同相成分Wiの最初の時刻の数値“1”および直交成分Wqの最初の時刻の数値“0”が乗算された各アンテナ素子1−kのディジタル信号を加算し、続いて、同相成分Wiの次の時刻の数値“0”および直交成分Wqの次の時刻の数値“1”が乗算された各アンテナ素子1−kのディジタル信号を加算する。この処理が、相成分Wiの最終時刻の数値“0”および直交成分Wqの最終時刻の数値“1”が乗算された各アンテナ素子1−kのディジタル信号が加算されるまで繰り返される。
【0019】
積分部8は、加算部7によって算出されたディジタル信号を、重み係数Wの乗算対象の数値が切り替えられる時間長ごとに積分してビーム合成信号を生成する。例えば、積分部8は、切り替え部6−kによって重み係数Wから乗算対象の数値が今回の数値に切り替えられてから次の時刻の数値が乗算対象の数値に切り替えられるまでの時間長ごとに、加算信号を時間積分する。これにより、加算信号に対して、重み係数Wの数値列データを構成する数値の数に等しい回数の時間積分が実行される。ビーム合成信号は、出力信号として積分部8から図示しない後段の装置に出力される。
【0020】
同期部9は、積分部8とビット変換部10の各動作を時刻同期させる。なお、切り替え部6−kは、ビット変換部10によって生成された重み係数Wを入力して動作するので、切り替え部6−kは、積分部8と時刻同期して動作している。
【0021】
ビット変換部10は、励振分布設定部11に設定された振幅位相分布(複素重み係数)を、時系列な数値の数値列データに変換する。なお、振幅位相分布を当該数値列データに変換する処理を“ビット変換”と呼び、数値列データの各時刻の数値がビットの要素である。例えば、ビットの要素には、−1,0,+1のいずれかの数値が割り当てられる。
【0022】
励振分布設定部11は、目標の放射パターンを実現するために、アンテナ素子1−1〜1−Kの励振分布を示す振幅位相データAn(n=1,2,・・・,K)を設定する。励振分布には振幅分布および位相分布がある。例えば、振幅分布は、テイラー分布あるいはチェビシェフ分布に代表されるように、サイドローブレベルが低減されるように設定された振幅分布である。位相分布には、ビーム走査あるいはヌル点を形成するための分布がある。
【0023】
振幅位相データAnは、目標の放射パターンを実現するために必要な開口分布、すなわち、振幅および位相からなる数値ベクトル(複素数)である。DBFにおいて、振幅位相データAnは、通常、12ビットまたは16ビットといったビット幅で離散化された情報として利用される。
【0024】
図2は、図1の切り替え部6−kの構成を示すブロック図である。図2に示すように、切り替え部6−kは、複素乗算器61−kおよびS/P変換器62−kを備えている。
複素乗算器61−kは、ディジタル信号Xの同相成分Xiおよび直交成分Xqに対し、S/P変換器62−kから出力された重み係数Wの同相成分Wiと直交成分Wqを用いた複素乗算を実行する。これにより、アンテナ素子1−1〜1−Kの信号の振幅および位相が調整される。
【0025】
S/P変換器62−kは、ビット変換部10から出力された重み係数Wの数値列データを、複素乗算器61−kに入力されたディジタル信号Xの同相成分Xiと直交成分Xqにそれぞれ対応する重み係数Wの同相成分Wiと直交成分Wqの数値列データに変換する、いわゆるシリアル(S)−パラレル(P)変換を実行する。
例えば、同相成分Wiが[1,0,・・・,0]であり、直交成分Wqが[0,1,・・・,1]である場合、S/P変換器62−kは、同相成分Wiである[1,0,・・・,0]から乗算対象の数値を最初の数値“1”に切り替え、直交成分Wqの最初の数値“0”を複素乗算器61−kに出力する。複素乗算器61−kは、同相成分Wiの数値“1”と直交成分Wqの数値“0”を用いて、同相成分Xiおよび直交成分Xqを複素乗算する。
【0026】
次に、実施の形態1に係るビーム合成方法について説明する。
図3は、実施の形態1に係るビーム合成方法を示すフローチャートであり、図1に示すアレーアンテナ装置からビーム合成信号が出力されるまでの一連の処理を示している。
まず、励振分布設定部11が、ビーム合成に関する励振分布を設定する(ステップST1)。励振分布は、アンテナ素子1−kのそれぞれに対応した信号に付与される振幅位相データである。例えば、K=8である場合、アンテナ素子ごとに、8つの振幅位相データが設定される。
【0027】
ビット変換部10が、励振分布設定部11によって設定された振幅位相データをビット変換する(ステップST2)。例えば、ビット変換部10は、振幅位相データを、時系列な数値の数値列データに変換する。当該数値列データは、例えば、ビーム合成信号の複素振幅レベルが既定値と一致するように設定された数値の時系列データである。なお、既定値とは、ビーム合成信号の複素振幅レベルの目標値である。
【0028】
図4は、実施の形態1における重み係数W、同相成分Wiおよび直交成分Wqの概要を示す図である。例えば、ビット変換部10は、振幅位相データを時間軸方向に分割して、各時刻のビットの要素として0または1を割り当てる。図4に示す重み係数W、同相成分Wiおよび直交成分Wqは、時間軸方向に5分割された振幅位相データから生成される。ビット変換部10によって、例えば、同相成分Wiの数値列データである[1,0,1,0,1]と直交成分Wqの数値列データである[1,1,1,1,1]が生成される。
【0029】
また、重み係数Wは、同相成分Wiと直交成分Wqからなる複素数であり、W=Wi+j×Wqで表される。jは虚数単位である。例えば、同相成分Wiが[1,0,1,0,1]であり、直交成分Wqが[1,1,1,1,1]である場合に、Wiの最初の数値“1”とWqの最初の数値“1”から、このときの重み係数Wは、W=1+j×1という複素数となる。続いて、Wiの次の数値“0”とWqの次の数値“1”から、重み係数Wが、W=0+j×1という複素数となる。同様に、Wiのさらに次の数値“1”とWqのさらに次の数値“1”から、重み係数Wが、W=1+j×1という複素数となり、Wiの次の数値“0”とWqの次の数値“1”から、重み係数Wが、W=0+j×1という複素数となり、最後に、Wiの次の数値“1”とWqの次の数値“1”から、重み係数Wが、W=1+j×1という複素数となる。従って、WiおよびWqから乗算対象の数値が切り替えられる時間長ごとの積分で、重み係数Wは、W=3+j×5となる。
【0030】
積分回数は、重み係数Wを時間軸方向に分割する数と等しい。
実施の形態1に係るアレーアンテナ装置では、積分回数を可能な限り多くとり、重み係数Wである数値列データのビット当たりの電圧分解能を小さくすることで、精緻なビーム合成を、簡単な積和演算と積分処理によって実現することができる。
【0031】
アンテナ素子1−kは、アレーアンテナに到来した高周波信号を受信する。増幅部2−kは、アンテナ素子1−kによって受信された信号を増幅してDC部3−kに出力する。DC部3−kは、LO部14からの局部発振信号を用いて、増幅部2−kによって増幅された信号の周波数を周波数変換する。
【0032】
図5Aは、従来のアレーアンテナ装置におけるA/D変換前の受信信号(アナログ値)の時間波形を示す図であり、図6Aは、実施の形態1に係るアレーアンテナ装置におけるA/D変換前の受信信号(アナログ値)の時間波形を示す図である。図5Aおよび図6Aに示す受信信号は同一であるものとする。
【0033】
従来のアレーアンテナ装置は、例えば、切り替え部6−kと積分部8を備えておらず、その代わりに各アンテナ素子の信号に対応する重み係数を乗算する乗算器をアンテナ素子ごとに備える点で、実施の形態1に係るアレーアンテナ装置と異なる。
【0034】
AD変換部4−kは、DC部3−kから出力されたアナログの入力信号(受信信号)をサンプリングすることにより、アナログの入力信号を、ディジタル信号にA/D変換する(ステップST3)。
【0035】
図5Bは、従来のアレーアンテナ装置によってA/D変換された受信信号を示す図であり、図5Aの受信信号からサンプリングされたディジタル信号を示している。A/D変換による入力信号のサンプリングは、通常、ある信号状態(シンボル)に対して数サンプルである。図5Bの例では、従来のアレーアンテナ装置が、図5Aに示した受信信号(入力信号)から時間間隔を空けて1サンプルずつサンプリングしている。
【0036】
図6Bは、実施の形態1に係るアレーアンテナ装置によってA/D変換された受信信号を示す図であり、図6Aの受信信号からサンプリングされた信号を示している。AD変換部4−kは、アナログの受信信号から、重み係数Wにおける数値の数分(数値列データのビット数)の入力信号をサンプリングする。例えば、AD変換部4−kは、図6Bに示すように、図6Aに示した受信信号(入力信号)の振幅が高い信号状態である時間間隔で、10サンプルの信号をサンプリングしている。なお、振幅が高い信号状態である時間間隔は、同一の信号情報が受信される時間間隔に相当する。
【0037】
なお、振幅が低い信号状態である時間間隔においても10サンプルの信号がサンプリングされるが、サンプリング点が図6Bに示す時間範囲から外れるため、図6Bにおいて、全てのサンプリング点の記載を省略している。また、振幅が低い信号状態である時間間隔は、同一の信号情報が受信される時間間隔に相当する。
さらに、図4を用いて説明したように、重み係数Wが時間軸方向に5分割される場合、AD変換部4−kによって入力信号から5サンプルの信号がサンプリングされる。
【0038】
DDC部5−kは、AD変換部4−kによって生成されたディジタル信号Xを同相成分Wiと直交成分Wqに分離する。例えば、DDC部5−kは、AD変換部4−kによって生成されたディジタル信号Xから、同相成分(Iチャネル、実部)Xiと、直交成分(Qチャネル、虚部)Wqを分離する。ディジタル信号Xの同相成分Xiと直交成分Xqは、DBF部15に出力される。
【0039】
図5Cは、従来のアレーアンテナ装置における重み係数Wを示す図であって、図5Bに示したディジタル信号に対応する重み係数Wを示している。例えば、図5Aに示した受信信号からサンプリングされた2つのディジタル信号のそれぞれに対応する重み係数が設定される。
【0040】
DBF15において、切り替え部6−kは、重み係数Wから乗算対象の数値を逐次切り替えて、DDC部5−kから出力された信号Xと乗算対象の数値の乗算処理を行う(ステップST4)。図6Cは、実施の形態1に係るアレーアンテナ装置の重み係数Wを示す図である。重み係数Wの数値列データは、図6Cに示すように、AD変換部4−kによって入力信号がサンプリングされた時間間隔に設定された数値から構成されている。図6Cの例では、重み係数Wとして0または1の数値が割り当てられている。
【0041】
例えば、S/P変換器62−kが、ビット変換部10から入力した重み係数Wのうち、同相成分Wiから乗算対象の数値を選択し、これに対応する数値を直交成分Wqから乗算対象の数値として選択して複素乗算器61−kに出力する。複素乗算器61−kは、ディジタル信号Xの同相成分Xiおよび直交成分Xqと、同相成分Wiおよび直交成分Wqの乗算対象の数値とを複素乗算する。重み係数Wは、同相成分Wiおよび直交成分Wqからなる複素数(W=Wi+j×Wq)であるので、重み係数Wと信号Xが複素乗算された値Yは、Y=W×X=(Wi+j×Wq)×(Xi+j×Xq)で表される。*は複素共役である。
【0042】
次に、加算部7は、アンテナ素子1−kに対応して重み係数Wが乗算されたディジタル信号を加算する(ステップST5)。例えば、加算部7は、切り替え部6−1〜6−Kによって重み係数Wから乗算対象の数値が切り替えられる度に、乗算対象の数値が複素乗算された各アンテナ素子1−kのディジタル信号Xを加算する。加算部7によって算出されたディジタル信号は、積分部8に出力される。
【0043】
積分部8は、加算部7によって加算されたディジタル信号を、重み係数Wの乗算対象の数値が切り替えられる時間長ごとに積分する(ステップST6)。例えば、積分部8は、図6Aに示した受信信号の振幅が高い信号状態の時間間隔、すなわち、同一の信号情報が受信される時間間隔に同期して、加算されたディジタル信号を積分する。この積分処理によってアンテナ素子1−kのビーム合成信号が生成される。積分部8によって生成されたビーム合成信号は、出力信号として出力される(ステップST7)。
【0044】
この後、DBF部15が、前述の処理を全ての入力信号(受信信号)に行ったか否かを確認する(ステップST8)。全ての入力信号を処理していた場合(ステップST8;YES)は、図3の処理が終了する。一方、未処理の入力信号があった場合(ステップST8;NO)、ステップST3の処理に戻り、前述の処理が繰り返される。
【0045】
図5Dは、従来のアレーアンテナ装置の出力信号を示す図である。従来のアレーアンテナ装置が備えるDBF部は、直交検波されたディジタル信号に重み係数を乗算してから、各アンテナ素子のディジタル信号を加算することで、図5Dに示す出力信号(ビーム合成信号)を生成していた。すなわち、従来のアレーアンテナ装置では、アンテナ素子ごとに入力信号と重み係数の乗算が必要であり、重み係数の乗算回数×アンテナ素子数の次元でビット幅が増大する。このため、ディジタル演算の回路規模の増大を回避できなかった。例えば、固定小数点演算では16ビットの入力信号に対して16ビットの重み係数を乗算すると、これらのビット数が合わさった32ビットが必要となる。
【0046】
図6Dは、実施の形態1に係るアレーアンテナ装置の出力信号を示す図である。積分部8が、図6Cに示した積分区間にわたって加算信号を時間積分することで、図6Dに示す出力信号(ビーム合成信号)が生成される。この出力信号は、図5Dに示した出力信号と同一である。実施の形態1に係るアレーアンテナ装置においては、時系列な数値ごとの重み係数Wを各アンテナ素子1−kのディジタル信号に乗算することにより、重み係数Wの乗算処理が実質的に加算処理に置き換えられる。このため、16ビットの入力信号に対して16ビットの重み係数を乗算する場合であっても、16ビットで瞬時に乗算処理を行うことが可能である。また、実施の形態1に係るアレーアンテナ装置では、加算信号の積分に必要なダイナミックレンジを確保すればよく、ディジタル演算の回路規模を大幅に削減することができる。
【0047】
重み係数Wの数値列データの数値として0か1の値を取る数値を割り当てた場合、図4に示した第1象限のベクトルで重み係数Wを表現することはできるが、それ以外の象限のベクトルを表現できない。そこで、第2象限から第4象限までのいずれかのベクトルで重み係数Wを表現するために、重み係数Wの数値列データの数値に−1,0および1の3値のいずれかを割り当ててもよい。
【0048】
また、図6Bでは、1つのシンボル内(ある信号状態の時間間隔)で複数の入力信号をオーバーサンプリング、すなわち高速サンプリングする場合を示したが、同一シンボル(同一の信号)を複数回受信した結果をディジタル信号としてサンプリングしてもよい。
【0049】
さらに、重み係数Wの数値列データを構成する数値として−1か+1の1ビットで表現が可能な数値を割り当ててもよい。
図7は、実施の形態1における重み係数、同相成分および直交成分の別の概要を示す図である。例えば、ビット変換部10は、振幅位相データを時間軸方向に分割して、各時刻のビットの要素として、−1または+1を割り当てる。図7に示すように、重み係数W、同相成分Wiおよび直交成分Wqは、時間軸方向に5分割された振幅位相データから生成されている。ビット変換部10によって、例えば、同相成分Wiの数値列データである[1,−1,1,−1,1]と直交成分Wqの数値列データである[1,1,−1,1,1]とが、瞬時的に生成される。
【0050】
積分部8によって同相成分Wiの数値列データ[1,−1,1,−1,1]が5回時間積分されると、1−1+1−1+1=1となり、直交成分Wqの数値列データ[1,1,−1,1,1]が5回時間積分されると、1+1−1+1+1=3となることから、重み係数Wとして、同相成分Wiおよび直交成分Wqを用いたW=1+j×3という値が実現される。なお、重み係数Wの数値列データを構成する数値として0が設定されないため、重み係数Wの表現に制約がある。しかしながら、−1か+1の2値、すなわち1ビットで重み係数Wを表現できるので、ディジタル信号に乗算される重み係数Wのビット数が削減されて、ディジタル演算の回路規模を削減することができる。
【0051】
次に、実施の形態1に係るアレーアンテナ装置のDBF部15の機能を実現するハードウェア構成について説明する。
DBF部15における、切り替え部6−k、加算部7、積分部8、同期部9、ビット変換部10および励振分布設定部11の機能は、処理回路により実現される。すなわち、DBF部15は、図3に示したステップST1からステップST8の処理を実行するための処理回路を備える。処理回路は、専用のハードウェアであってもよいが、メモリに記憶されたプログラムを実行する、CPU(Central Processing Unit)であってもよい。
【0052】
図8Aは、DBF部15の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。図8Bは、DBF部15の機能を実現するソフトウェアを実行するハードウェア構成を示すブロック図である。図8Aおよび図8Bにおいて、入力インタフェース100は、DDC部5−kから切り替え部6−kに入力されるディジタル信号を中継するインタフェースであり、USB(Unversal Serial Bus)ポートまたはシリアルポートといった信号入力ポートである。出力インタフェース101は、積分部8から後段の装置へ出力される信号を中継するインタフェースであり、USBポートまたはシリアルポートといった信号入力ポートである。
【0053】
上記処理回路が図8Aに示す専用のハードウェアである場合、処理回路102は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)またはこれらを組み合わせたものが該当する。なお、切り替え部6−k、加算部7、積分部8、同期部9、ビット変換部10および励振分布設定部11の機能を別々の処理回路で実現してもよいし、これらの機能をまとめて1つの処理回路で実現してもよい。
【0054】
上記処理回路が図8Bに示すプロセッサ103である場合、切り替え部6−k、加算部7、積分部8、同期部9、ビット変換部10および励振分布設定部11の機能は、ソフトウェア、ファームウェアまたはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述されてメモリ104に記憶される。プロセッサ103は、メモリ104に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、切り替え部6−k、加算部7、積分部8、同期部9、ビット変換部10および励振分布設定部11の機能を実現する。すなわち、DBF部15は、プロセッサ103により実行されるときに、図3に示したステップST1からステップST8の処理が結果的に実行されるプログラムを記憶するためのメモリ104を備える。これらのプログラムは、切り替え部6−k、加算部7、積分部8、同期部9、ビット変換部10および励振分布設定部11の手順または方法をコンピュータに実行させるものである。メモリ104は、コンピュータを、切り替え部6−k、加算部7、積分部8、同期部9、ビット変換部10および励振分布設定部11として機能させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
【0055】
メモリ104には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically−EPROM)などの不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVDなどが該当する。
【0056】
なお、切り替え部6−k、加算部7、積分部8、同期部9、ビット変換部10および励振分布設定部11の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、切り替え部6−k、加算部7および積分部8については、プロセッサ103が、メモリ104に記憶されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現し、同期部9、ビット変換部10および励振分布設定部11については専用のハードウェアとしての処理回路でその機能を実現してもよい。このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせによって、上記機能のそれぞれを実現することができる。
【0057】
以上のように、実施の形態1に係るアレーアンテナ装置およびビーム合成方法では、時系列な数値の数値列データである重み係数Wから乗算対象の数値を逐次切り替えて、乗算対象の数値を、直交検波されたディジタル信号に乗算し、乗算対象の数値が乗算された各アンテナ素子1−kのディジタル信号を加算し、加算されたディジタル信号を、乗算対象の数値が切り替えられる時間長ごとに積分してビーム合成信号を生成する。時系列な数値ごとの重み係数Wを各アンテナ素子1−kのディジタル信号に乗算することにより、当該ディジタル信号に乗算される重み係数のビット数が削減されるので、ディジタル演算の回路規模を削減することができる。
【0058】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明に係るアレーアンテナ装置は、ディジタル演算の回路規模を削減することができるので、様々な無線システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0060】
1−k,1−1〜1−K アンテナ素子、2−k,2−1〜2−K 増幅部、3−k,3−1〜3−K DC部、4−k,4−1〜4−K AD変換部、5−k,5−1〜5−K DDC部、6−k,6−1〜6−K 切り替え部、7 加算部、8 積分部、9 同期部、10 ビット変換部、11 励振分布設定部、12 数値制御発振部(NCO)、13 90度移相部、14 局部発振部(LO部)、15 DBF部、61−k 複素乗算器、62−k S/P変換器、100 入力インタフェース、101 出力インタフェース、102 処理回路、103 プロセッサ、104 メモリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8