【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人 情報通信研究機構「超並列型光ネットワーク基盤技術の研究開発/大規模データを省電力・オープン・伸縮自在に収容する超並列処理光技術」、委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
【文献】
Xi Chen et al.,Uniform Entropy Loading for Precoded DMT Systems in Fading Optical Channel[online],2018 Asia Communications and Photonics Conference(ACP),2018年12月,[検索日:2019.08.21],インターネット<URL:https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=8595905>
【文献】
Tsuyoshi Yoshida et al.,Technologies toward Implementation of Probabilistic Constellation Shaping[online],2018 European Conference on Optical Communication(ECOC),2018年11月,[検索日:2019.08.21],インターネット<URL:https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=8535228>
【文献】
Georg Bocherer et al.,Bandwidth Efficient and Rate-Matched Low-Density Parity-Check Coded Modulation,IEEE TRANSACTIONS ON COMMUNICATIONS,2015年12月,Vol.63,No.12,pp.4651-4665
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るサブチャネル多重光通信システムを示す構成図である。
サブチャネル多重光通信システムは、光送信装置1、光伝送路2及び光受信装置3を備えている。
光送信装置1は、サブチャネル符号化装置11、変換増幅器12、送信光源13及び光変調器14を備えている。
【0011】
サブチャネル符号化装置11は、後述する
図2に示すサブチャネル符号化装置である。
サブチャネル符号化装置11は、情報ビット列BSから、M×N(Mは、2以上の整数、Nは、1以上の整数)個のサブチャネル信号を生成する。
サブチャネル符号化装置11は、生成したM×N個のサブチャネル信号を多重化して、サブチャネル多重信号を生成し、サブチャネル多重信号を変換増幅器12に出力する。
変換増幅器12は、サブチャネル符号化装置11から出力されたサブチャネル多重信号を、デジタル信号からアナログ信号に変換し、アナログ信号を増幅する。
変換増幅器12は、増幅後のアナログ信号を光変調器14に出力する。
【0012】
送信光源13は、例えば、中心波長が1550nmの無変調光を発振し、発振した無変調光を光変調器14に出力する。
光変調器14は、例えば、偏波多重直交位相変調器によって実現される。
光変調器14は、送信光源13から出力された無変調光を、変換増幅器12から出力された増幅後のアナログ信号に従って変調することで、光信号を生成する。
光変調器14は、生成した光信号を光伝送路2に出力する。
【0013】
光伝送路2は、光クロスコネクト、伝送用光ファイバ及び光増幅器等を含んでいる。
光クロスコネクトは、波長選択スイッチ(Wavelength Selective Switch)、光カプラ、波長分離器、波長合波器等によって実現される。
伝送用光ファイバは、単一モードファイバ又は空間多重ファイバ等によって実現される。
光増幅器は、例えば、エルビウム添加光増幅器、又は、ラマン光増幅器によって実現される。
光伝送路2は、サブチャネル符号化装置11の光変調器14と、光受信装置3の後述する光受信器16との間に接続されている。
光伝送路2は、光変調器14から出力された光信号を伝送する。
【0014】
光受信装置3は、受信光源15、光受信器16、増幅変換器17及びサブチャネル復号装置18を備えている。
受信光源15は、例えば、中心波長が1550nmの無変調光を発振し、発振した無変調光を光受信器16に出力する。
光受信器16は、受信光源15から出力された無変調光を用いて、光伝送路2によって伝送された光信号をコヒーレント検波する。
光受信器16は、光信号のコヒーレント検波結果を示す電気信号を増幅変換器17に出力する。
【0015】
増幅変換器17は、光受信器16から出力された電気信号を増幅し、増幅後の電気信号を、アナログ信号からデジタル信号に変換する。
増幅変換器17は、デジタル信号をサブチャネル多重信号として、サブチャネル復号装置18に出力する。
サブチャネル復号装置18は、後述する
図4に示すサブチャネル復号装置である。
サブチャネル復号装置18は、増幅変換器17から出力されたサブチャネル多重信号を受信し、サブチャネル多重信号をM×N個のサブチャネル信号に分離する。
サブチャネル復号装置18は、分離したM×N個のサブチャネル信号から情報ビット列BSを復元する。
【0016】
図2は、実施の形態1に係るサブチャネル符号化装置11を示す構成図である。
図3は、実施の形態1に係るサブチャネル符号化装置11のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図2において、確率分布整形符号化部21は、例えば、
図3に示す確率分布整形符号化回路31によって実現される。
確率分布整形符号化部21は、M×N個のサブチャネルSC
1〜SC
M×NをN個のグループに分け、M×N個のサブチャネルSC
1〜SC
M×NのSNRに基づいて、それぞれのグループの送信変調シンボルの確率分布を整形する。また、確率分布整形符号化部21は、入力された情報ビット列BSをN個の整形後ビット列に変換する。以下、整形後ビット列に基づき、後述するシンボルマッピング部24−n−1〜24−n−Mによって生成される送信変調シンボルをサンプル平均して得られる確率分布のそれぞれをPD
nとする。n=1,2,・・・,Nである。サンプル平均は、時間平均を意味する。
サブチャネルSC
1〜SC
M×NのSNRは、例えば、確率分布整形符号化部21の内部メモリに格納されていてもよいし、外部から与えられるものであってもよい。
確率分布整形符号化部21は、情報ビット列BSを、送信変調シンボルの確率分布PD
1〜PD
Nに対応するN個の整形後ビット列SBS
1〜SBS
Nに変換する。
確率分布整形符号化部21は、N個の整形後ビット列SBS
1〜SBS
Nを、後述するサブチャネル信号生成部22の誤り訂正符号化部23に出力する。
【0017】
サブチャネル信号生成部22は、誤り訂正符号化部23、シンボルマッピング部24−1−1〜24−N−M及び信号生成処理部25−1〜25−N−Mを備えている。
サブチャネル信号生成部22は、整形後ビット列SBS
1〜SBS
Nから、M×N個のサブチャネルSC
1〜SC
M×Nにおけるそれぞれのサブチャネル信号SCS
1−1〜SCS
N−Mを生成する。
誤り訂正符号化部23は、例えば、
図3に示す誤り訂正符号化回路32によって実現される。
誤り訂正符号化部23は、確率分布整形符号化部21から出力された整形後ビット列SBS
n(n=1,・・・,N)に、冗長ビットであるパリティビットpb
nを付加することで、誤り訂正符号を含む誤り訂正符号化ビット列ECS
nを生成する。
誤り訂正符号化部23は、誤り訂正符号化ビット列ECS
nをM個の誤り訂正符号化ビット列ECS
n−1〜ECS
n−Mに分離する。
誤り訂正符号化部23は、分離したM×N個の誤り訂正符号化ビット列ECS
1−1〜ECS
N−Mのそれぞれをシンボルマッピング部24−1−1〜24−N−Mのそれぞれに出力する。
【0018】
シンボルマッピング部24−1−1〜24−N−Mのそれぞれは、例えば、
図3に示すシンボルマッピング回路33によって実現される。
シンボルマッピング部24−n−m(n=1,・・・,N;m=1,・・・,M)は、誤り訂正符号化部23により分離された誤り訂正符号化ビット列ECS
n−mから送信変調シンボルMS
n−mを生成する。
シンボルマッピング部24−n−mは、送信変調シンボルMS
n−mを信号生成処理部25−n−mに出力する。
【0019】
信号生成処理部25−1〜25−N−Mのそれぞれは、例えば、
図3に示す信号生成処理回路34によって実現される。
信号生成処理部25−n−mは、シンボルマッピング部24−n−mにより生成された送信変調シンボルMS
n−mからサブチャネル信号SCS
n−mを生成する。
信号生成処理部25−n−mは、生成したサブチャネル信号SCS
n−mを、後述する信号多重化部26に出力する。
【0020】
信号多重化部26は、例えば、
図3に示す信号多重化回路35によって実現される。
信号多重化部26は、信号生成処理部25−1−1〜25−N−Mにより生成されたサブチャネル信号SCS
1−1〜SCS
N−Mを多重化して、サブチャネル多重信号E
scmuxを生成する。
信号多重化部26は、生成したサブチャネル多重信号E
scmuxを変換増幅器12に出力する。
【0021】
図4は、実施の形態1に係るサブチャネル復号装置18を示す構成図である。
図5は、実施の形態1に係るサブチャネル復号装置18のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図4において、信号分離部41は、例えば、
図5に示す信号分離回路51によって実現される。
信号分離部41は、増幅変換器17から出力されたサブチャネル多重信号E
scmuxを受信する。
信号分離部41は、受信したサブチャネル多重信号E
scmuxをM×N個のサブチャネル信号SCS
1−1〜SCS
N−Mに分離する。
信号分離部41は、分離したそれぞれのサブチャネル信号SCS
1−1〜SCS
N−Mを、後述する整形後ビット列復元部42のシンボル復元部43−1−1〜43−N−Mのそれぞれに出力する。
【0022】
整形後ビット列復元部42は、シンボル復元部43−1−1〜43−N−M、対数事後確率比算出部44−1−1〜44−N−M及び誤り訂正復号部45を備えている。
整形後ビット列復元部42は、信号分離部41により分離されたM×N個のサブチャネル信号SCS
1−1〜SCS
N−Mから、N個の整形後ビット列SBS
1〜SBS
Nを復元する。
シンボル復元部43−1−1〜43−N−Mのそれぞれは、例えば、
図5に示すシンボル復元回路52によって実現される。
シンボル復元部43−n−mは、信号分離部41から出力されたサブチャネル信号SCS
n−mから、変調シンボルMS
n−mを復元する。
シンボル復元部43−n−mは、復元した変調シンボルMS
n−mを対数事後確率比算出部44−n−mに出力する。
【0023】
対数事後確率比算出部44−1−1〜44−N−Mのそれぞれは、例えば、
図5に示す対数事後確率比算出回路53によって実現される。
対数事後確率比算出部44−n−mは、シンボル復元部43−n−mにより復元された変調シンボルMS
n−mから、対数事後確率比である事後L値(以下、「LRP
n−m」と称する)を算出する。LRPは、“Logarithmic Ratio of a pоsteriоri Probabilities”の略である。
対数事後確率比算出部44−n−mは、算出したLRP
n−mを誤り訂正復号部45に出力する。
【0024】
誤り訂正復号部45は、例えば、
図5に示す誤り訂正復号回路54によって実現される。
誤り訂正復号部45は、対数事後確率比算出部44−1−1〜44−N−Mにより算出されたLRP
1−1〜LRP
N−Mから、整形後ビット列SBS
1〜SBS
Nを復元する。
誤り訂正復号45は、復元した整形ビット列SBS
1〜SBS
Nを確率分布整形復号部46に出力する。
【0025】
確率分布整形復号部46は、例えば、
図5に示す確率分布整形復号回路55によって実現される。
確率分布整形復号部46は、誤り訂正復号部45から出力された整形後ビット列SBS
1〜SBS
Nを情報ビット列BSに変換し、情報ビット列BSを外部に出力する。
なお、確率分布整形復号部46による情報ビット列BSへの変換は、整形後ビット列SBS
1〜SBS
Nの整形を終端して、情報ビット列BSを復元することを意味する。
【0026】
図2では、サブチャネル符号化装置11の構成要素である確率分布整形符号化部21、誤り訂正符号化部23、シンボルマッピング部24−1−1〜24−N−M、信号生成処理部25−1−1〜25−N−M及び信号多重化部26のそれぞれが、
図3に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、サブチャネル符号化装置11が、確率分布整形符号化回路31、誤り訂正符号化回路32、シンボルマッピング回路33、信号生成処理回路34及び信号多重化回路35によって実現されるものを想定している。
ここで、確率分布整形符号化回路31、誤り訂正符号化回路32、シンボルマッピング回路33、信号生成処理回路34及び信号多重化回路35のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0027】
サブチャネル符号化装置11の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、サブチャネル符号化装置11が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
【0028】
図6は、サブチャネル符号化装置11又はサブチャネル復号装置18が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
サブチャネル符号化装置11が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、確率分布整形符号化部21、誤り訂正符号化部23、シンボルマッピング部24−1−1〜24−N−M、信号生成処理部25−1−1〜25−N−M及び信号多重化部26の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ61に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ62がメモリ61に格納されているプログラムを実行する。
【0029】
また、
図3では、サブチャネル符号化装置11の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、
図6では、サブチャネル符号化装置11が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、サブチャネル符号化装置11における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0030】
図4では、サブチャネル復号装置18の構成要素である信号分離部41、シンボル復元部43−1−1〜43−N−M、対数事後確率比算出部44−1−1〜44−N−M、誤り訂正復号部45及び確率分布整形復号部46のそれぞれが、
図5に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、サブチャネル復号装置18が、信号分離回路51、シンボル復元回路52、対数事後確率比算出回路53、誤り訂正復号回路54及び確率分布整形復号回路55によって実現されるものを想定している。
ここで、信号分離回路51、シンボル復元回路52、対数事後確率比算出回路53、誤り訂正復号回路54及び確率分布整形復号回路55のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0031】
サブチャネル復号装置18の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、サブチャネル復号装置18が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
サブチャネル復号装置18が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、信号分離部41、シンボル復元部43−1−1〜43−N−M、対数事後確率比算出部44−1−1〜44−N−M、誤り訂正復号部45及び確率分布整形復号部46の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが、
図6に示すメモリ61に格納される。そして、
図6に示すプロセッサ62がメモリ61に格納されているプログラムを実行する。
【0032】
また、
図5では、サブチャネル復号装置18の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、
図6では、サブチャネル復号装置18が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、サブチャネル復号装置18における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0033】
次に、
図1に示すサブチャネル多重光通信システムの動作について説明する。
光伝送路2は、M×N個のサブチャネルからなる光信号を伝送する光伝送路であり、M×N個のサブチャネルにおけるそれぞれの光の伝送特性は、互いに異なる可能性がある。そのため、M×N個のサブチャネルにおけるそれぞれのSNRは、互いに異なる可能性がある。SNRを定義する上での雑音成分には、光デバイス及び電気デバイスにおけるそれぞれの非線形性に起因する信号成分の歪み、他のチャネル又は他のサブチャネルとの干渉、量子化誤差等、純粋に雑音ではない成分も近似的に含むものとする。
例えば、M×N=8で、光伝送路2にて、サブチャネルSC
1〜SC
8を伝送しており、サブチャネルSC
1〜SC
8におけるそれぞれの中心周波数f
1〜f
8が等間隔であり、f
1<f
2<・・・f
7<f
8である場合を想定する。
【0034】
この場合、サブチャネルSC
1〜SC
8のそれぞれに与えられるエントロピーが、サブチャネルSC
1〜SC
8におけるそれぞれのSNRに応じて決定されていれば、サブチャネルSC
1〜SC
8の合計での情報レートを増加させることが可能であり、あるいは、同じ情報レートでの雑音耐性を高めることが可能である。エントロピーは、送信変調シンボルの確率分布から求まる。
しかし、任意の通信路条件を想定して、サブチャネルSC
1〜SC
8におけるそれぞれのSNRに応じて、サブチャネルSC
1〜SC
8におけるそれぞれのエントロピーを決定するには、サブチャネル符号化装置11が、サブチャネルSC
1〜SC
8と同数の確率分布整形符号化部を実装している必要がある。また、サブチャネル復号装置18が、サブチャネルSC
1〜SC
8と同数の確率分布整形復号部を実装している必要がある。
【0035】
例えば、サブチャネルSC
1〜SC
8をグループ分けし、サブチャネルSC
1〜SC
8のそれぞれに与えられるエントロピーが、それぞれのグループ内でのSNRの平均値、又は、中央値に応じて決定されるケースを想定する。
例えば、光クロスコネクト装置を多段伝送する場合を考えると、光フィルタ特性により、M×N個のサブチャネルのSNRの中で、中心周波数が最も低いサブチャネルから数えてk番目に中心周波数が高いサブチャネルのSNRと、中心周波数が最も高いサブチャネルから数えてk番目に中心周波数が低いサブチャネルのSNRとが、概ね同一となる。k=1,2,・・・,M×Nである。
想定のケースでは、サブチャネルSC
1〜SC
8におけるそれぞれのSNRに応じてエントロピーが決定される場合と同等の情報レートあるいは雑音耐性が得られないことがある。しかし、サブチャネルSC
1〜SC
8におけるそれぞれのSNRが互いに異なっていても、サブチャネルSC
1〜SC
8を幾つかにグループ分けすると、それぞれのグループ内では、SNRの差分が極端に大きくはならないグループ化が可能となる。したがって、想定のケースでは、サブチャネルSC
1〜SC
8におけるそれぞれのSNRに応じて、サブチャネルSC
1〜SC
8におけるそれぞれのエントロピーを決定する場合と比べて、サブチャネルSC
1〜SC
8の合計での情報レートが、大きく劣化することはない。想定のケースでは、まったく確率分布整形部を備えていない場合又はサブチャネル分離していない場合よりも、サブチャネルSC
1〜SC
8の合計での情報レートを増加させることができる。
例えば、M×NサブチャネルをN個のグループに分け、グループ毎のSNRの平均値、又は、グループ毎のSNRの中央値に応じて、サブチャネルSC
1〜SC
8におけるそれぞれのエントロピーを決定する場合、サブチャネル符号化装置11は、N個のグループの整形後ビット列を生成する1つの確率分布整形符号化部21を実装していればよい。また、サブチャネル復号装置18は、確率分布整形符号化部21と逆の処理を行う1つの確率分布整形復号部46を実装していればよい。
したがって、想定のケースでは、サブチャネルSC
1〜SC
8よりも少ない数の確率分布整形符号化部及び確率分布整形復号部を実装することで、サブチャネルSC
1〜SC
8の合計での情報レートを増加させることが可能である。
【0036】
図7は、実施の形態1に係るサブチャネル符号化装置11の処理手順であるサブチャネル符号化方法を示すフローチャートである。
以下、
図7を参照しながら、
図2に示すサブチャネル符号化装置11の動作について説明する。
確率分布整形符号化部21は、M×N個のサブチャネルSC
1〜SC
M×NのSNRに基づいて、N個のグループ毎の情報レート及び送信変調シンボルのエントロピーのそれぞれを決定する。
また、確率分布整形符号化部21は、M×N個のサブチャネルSC
1〜SC
M×NのSNRに基づいて、送信変調シンボルの確率分布PD
1〜PD
Nを整形する(
図7のステップST1)。
【0037】
情報ビット列を、確率分布整形符号化した送信変調シンボル列に対応する整形後ビット列に変換する処理(Distribution Matching)自体は、例えば、以下の非特許文献2に開示されており、公知の技術である。ただし、M×N個のサブチャネルSC
1〜SC
M×NのSNRに基づいて、N個のグループの送信変調シンボルの確率分布PD
n(n=1,2,・・・,N)を決定する具体的な方法、及び、情報ビット列を、決定した複数サブチャネルの送信変調シンボルの確率分布PD
nに対応する、複数のサブチャネルの整形後ビット列SBS
1〜SBS
nに変換する具体的な方法は、非特許文献2に開示されていない。
[非特許文献2]
T.Yoshida他、“Hierarchical Distribution Matching for Probabilistically Shaped Coded Modulation”、Journal of Lightwave Technology、vol.37、no.6、pp.1579−1589、March 2019.
【0038】
以下、確率分布整形符号化部21による送信変調シンボルの確率分布整形符号化の一例を説明する。
確率分布整形符号化部21は、例えば、サブチャネルSC
1〜SC
M×Nを複数のグループに分け、それぞれのグループのSNRの平均値、又は、それぞれのグループのSNRの中央値を算出する。
確率分布整形符号化部21は、サブチャネルSC
1〜SC
M×Nにおけるそれぞれのエントロピーとして、それぞれのグループのSNRの平均値、又は、それぞれのグループのSNRの中央値が大きいほど、それぞれのグループに大きなエントロピーを与える。それぞれのグループのSNRの平均値、又は、それぞれのグループのSNRの中央値に応じて、エントロピーを決定する方法は、どのような方法でもよいが、例えば、上記の非特許文献1に開示されている、サブチャネルのSNRに応じてエントロピーを決定する方法を用いることができる。
【0039】
M×N個のサブチャネルSC
1〜SC
M×NをN個のグループに分けて求めたN個の代表的なSNRに対応するエントロピーをH
1〜H
Nとする。
エントロピーH
1〜H
Nを、それぞれのグループのシンボルレートによって重みづけ平均した値が、例えば、4.25ビット/複素シンボルであれば、情報ビット列BSは、最大で4.25ビット/複素シンボルで表される情報を含むことができる。後段のシンボルマッピング部24−n−1〜24−n−Mが、8種類の送信変調シンボル−7,−5,−3,−1,1,3,5,7を用いるケースを想定する。想定のケースでの変調は、8値パルス振幅変調(Pulse Amplitude Modulation:PAM)であり、8PAMと表記される。8種類の実シンボルによって通信できるビット数は、3ビットであり、情報レートは、3ビット/実シンボルである。これは、8種類のシンボルの出現確率が等しい場合に達成される。8種類の実シンボルが等しい確率で出現する場合、実シンボルの2元エントロピーは、3となり、2元エントロピーが情報レートの3(ビット/実シンボル)と等しい。一方で、実シンボルの出現確率を不均一とする場合には、実シンボルの2元エントロピーが3よりも小さくなる。
【0040】
例えば、“1”又は“−1”が最も数多く出現し、次に、“3”又は“−3”が多く出現し、次に、“5”又は“−5”が多く出現し、“7”又は“−7”が最も出現しないケースを想定する。シンボル振幅値の絶対値の二乗がエネルギーであり、“1”又は“−1”のエネルギーは1、“3”又は“−3”のエネルギーは9、“5”又は“−5”のエネルギーは25、“7”又は“−7”のエネルギーは49である。
確率分布整形符号化部21が、上記のように、送信変調シンボルの確率分布PD
1〜PD
Nを整形することによって、時間の経過に伴って、連続又は非連続で入力される、複数の情報ビット列BSに対応する平均エネルギーEが低下する。ここでの確率分布PD
1〜PD
Nの整形は、均等な確率分布ではなく、偏った確率分布としている。
確率分布整形の良さは、コンスタレーション利得G=(2^(SE)−1)d
min^2/(6E)によって定量化できる。SEは、2次元平面における周波数利用効率(ビット/シンボル)である。2次元平面は、複素平面である。直交振幅変調(Quadrature Amplitude Modulation:QAM)の同位相(In−phase)成分及び直交位相(Quadrature)成分のそれぞれに、独立に8PAMを用いた64QAMでは、6ビット/複素シンボルが最大値となる。d
minは、最小ユークリッド距離であり、この例では、d
min=2である。最小ユークリッド距離は、最小信号点間距離である。
確率分布整形符号化を行わない通常の4QAM、16QAM、64QAM、256QAM等では、G=0dBとなり、確率分布整形符号化を適用したQAMでは、コンスタレーション利得Gは、最大で1.53dBである。光ファイバ通信路は、近似的にガウシアンチャネルとみなすことができるが、ガウシアンチャネルにおける達成可能情報量(Achievable Information Rate)は、シャノン限界としてAIR=lоg
2(1+SNR)となることが知られている。ガウシアンチャネルは、加法性ガウシアン雑音通信路を意味する。確率分布整形を適用して、コンスタレーション利得Gを増加させることができれば、SNR対AIRの関係をシャノン限界に近づけることができる。即ち、あるSNRにおける情報レート増加させることができる、あるいは、或る情報レートを得るのに必要なSNRを低下させることができる。
【0041】
整形後の送信変調シンボル−7,−5,−3,−1,1,3,5,7の確率分布PD
n(n=1,2,・・・,N)の一例は、以下の通りである。N=2の例である。
、N=2の一例は、以下の通りである。
送信変調シンボル 確率分布PD
1
“1” → 0.4
“3” → 0.1
“−1” → 0.4
“−3” → 0.1
送信変調シンボル 確率分布PD
2
“1” → 0.2
“3” → 0.15
“5” → 0.1
“7” → 0.05
“−1” → 0.2
“−3” → 0.15
“−5” → 0.1
“−7” → 0.05
【0042】
確率分布整形符号化部21は、送信変調シンボルの確率分布PD
n(n=1,2,・・・,N)を決定すると、外部から与えられた情報ビット列BSを、決定した送信変調シンボル確率分布に対応するN個の整形後ビット列SBS
1〜SBS
Nに変換する(
図7のステップST2)。
確率分布整形符号化部21は、整形後ビット列SBS
1〜SBS
Nを誤り訂正符号化部23に出力する。
例えば、N=2である場合、確率分布整形符号化部21は、情報ビット列BSが、例えば、“1001”であれば、情報ビット列BSを、整形後ビット列SBS
1として、“01”を生成し、整形後ビット列SBS
2として、“0011”を生成する。
ここで、整形後ビット列SBS
1における“01”は、グレイ符号化した正実数2値変調シンボルにおけるそれぞれのシンボルが“(1,3)”であり、整形後ビット列SBS
2における“0011”は、同じく正実数4値変調シンボルにおけるそれぞれのシンボルが“(1,5)”である。
【0043】
図2に示すサブチャネル符号化装置11では、確率分布整形符号化部21が、情報ビット列BSに対応する平均エネルギーEが低下するように、送信変調シンボルの確率分布PD
n(n=1,2,・・・,N)を決定している。確率分布整形符号化部21が、送信変調シンボルの確率分布PD
nを決定することで、M×N個のサブチャネルSC
1〜SC
M×Nの合計での情報レートを増加させることができればよい。近似を含まないガウシアンチャネルであれば、情報ビット列BSの平均エネルギーEが極力低下するように、送信変調シンボルの確率分布PDをマクスウェル・ボルツマン分布と呼ばれる離散化したガウス分布に整形するのが最適である。しかし、光ファイバ通信路への適用及び実装を考慮すると、必ずしも、それが最適ではなく、それに限るものではない。例えば、情報ビット列BSが、複素数の送信変調シンボルに対応づけられるとき、確率分布整形符号化部21が、複素数の信号についての尖度等の高次のモーメントの時間平均が小さくなるように、送信変調シンボルの確率分布PDを決定するようにしてもよい。
【0044】
誤り訂正符号化部23は、確率分布整形符号化部21から出力された整形後ビット列SBS
1〜SBS
Nを取得する。
誤り訂正符号化部23は、整形後ビット列SBS
1〜SBS
nをまとめて誤り訂正符号情報ビット列IFECとして扱い、誤り訂正符号冗長ビット列であるパリティビット列PFECを算出する。そして、誤り訂正符号化部23は、算出したパリティビット列PFECをパリティビットpb
1〜pb
nに分離する。誤り訂正符号冗長ビット列からパリティビット列PFECを算出する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
誤り訂正符号化部23は、整形後ビット列SBS
nにパリティビットpb
nを付加することで、パリティビットpb
nを含む誤り訂正符号化ビット列ECS
n(n=1,2,・・・,N)を生成する(
図7のステップST3)。
図2に示すサブチャネル符号化装置11では、誤り訂正符号化部23が、誤り訂正冗長ビット列として、パリティビット列PFECを算出している。誤り訂正符号化部23においてパリティビットを生成するのに用いる誤り訂正符号としては、低密度パリティ検査符号、ハミング符号、BCH符号によるターボ積符号、RS符号、ポーラー符号等を用いることができる。
【0045】
例えば、N=2であり、整形後ビット列SBS
1=“01”及びSBS
2=“0011”であり、分離されたパリティビットpb
1=“01”及びpb
2=“10”であり、誤り訂正符号化ビット列ECS
1−1=“00”、ECS
1−1=“11”、ECS
2−1=“100” 、ECS
2−2=“111”である場合が一例として想定される。ここで、誤り訂正符号化ビット列ECS
1−1における“00”は、グレイ符号化した実数4値変調シンボルの“1”であり、誤り訂正符号化ビット列ECS
1−2における“11”は、グレイ符号化した実数4値変調シンボルの“−3”であり、誤り訂正符号化ビット列ECS
2−1における“100”は、グレイ符号化した実数8値変調シンボルの“−1”であり、誤り訂正符号化ビット列ECS
2−2における“011”は、グレイ符号化した実数8値変調シンボルの“5”である。この例では、パリティビットpb
1及びパリティビットpb
2を正/負を表す符号ビットとして用いている。パリティビットは、その確率分布を整形するのが困難であり、通常「0」「1」の発生確率が概略均等となることから、エネルギーに影響しない符号ビットに割り当てるのが、一般的である。
【0046】
誤り訂正符号化部23は、N個の誤り訂正符号化ビット列ECS
1〜ECS
Nを生成すると、それぞれの誤り訂正符号化ビット列ECS
1〜ECS
Nを、M個の誤り訂正符号化ビット列ECS
1−1〜ECS
1−M、ECS
2−1〜ECS
2−M、・・・、ECS
N−1〜ECS
N−Mに分離する(
図7のステップST4)。
誤り訂正符号化部23は、分離したM×N個の誤り訂正符号化ビット列ECS
1−1〜ECS
N−Mのそれぞれを、シンボルマッピング部24−1−1〜24−N−Mのそれぞれに出力する。
【0047】
シンボルマッピング部24−n−m(n=1,・・・,N;m=1,・・・,M)は、誤り訂正符号化部23から誤り訂正符号化ビット列ECS
n−mを受けると、誤り訂正符号化ビット列ECS
n−mに対してビット−シンボル変換を行うことによって、誤り訂正符号化ビット列ECS
n−mを送信変調シンボルMS
n−mに変換する(
図7のステップST5)。
誤り訂正符号化ビット列ECS
n−mのビット−シンボル変換として、例えば、パルス位置変調(PPM:Pulse Position Modulation)、2値位相変調(BPSK:Binary Phase Shift Keying)、4値位相変調(QPSK:Quadrature Phase Shift Keying)、直交振幅変調、振幅位相変調、セット分割、又は、多次元変調を用いることができる。
直交振幅変調には、例えば、8QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、16QAM、32QAM、64QAM、256QAM、512QAM及び1024QAMが含まれる。
【0048】
例えば、M=2、N=2であり、誤り訂正符号化ビット列CS
1−1=“00”、ECS
1−1=“11”、ECS
2−1=“100” 、ECS
2−2=“111”である場合が一例として想定される。
シンボルマッピング部24−1−mは、例えば、以下に示すように、誤り訂正符号化ビット列ECS
1−mから送信変調シンボルMS
1−mを生成する。
誤り訂正符号化ビット列ECS
1−m 送信変調シンボルMS
1−m
“00” → “1”
“01” → “3”
“10” → “−1”
“11” → “−3”
また、シンボルマッピング部24−2−mは、例えば、以下に示すように、誤り訂正符号化ビット列ECS
2−mから送信変調シンボルMS
2−mを生成する。
誤り訂正符号化ビット列ECS
2−m 送信変調シンボルMS
2−m
“000” → “1”
“001” → “3”
“010” → “5”
“011” → “7”
“100” → “−1”
“101” → “−3”
“110” → “−5”
“111” → “−7”
この場合、送信変調シンボルMS
1−1は、グレイ符号化した実数4値変調シンボルの“1”、送信変調シンボルMS
1−2は、グレイ符号化した実数4値変調シンボルの“−3”、送信変調シンボルMS
2−1は、グレイ符号化した実数8値変調シンボルの“−1”、送信変調シンボルMS
2−2は、グレイ符号化した実数8値変調シンボルの“5”となる。
シンボルマッピング部24−n−mは、生成した送信変調シンボルMS
n−mを信号生成処理部25−n−mに出力する。
【0049】
信号生成処理部25−n−mは、シンボルマッピング部24−n−mから送信変調シンボルMS
n−mを受けると、送信変調シンボルMS
n−mからサブチャネル信号SCS
n−mを生成する(
図7のステップST6)。
サブチャネル信号SCS
n−mは、送信変調シンボルMS
n−mに含まれている複数のシンボルのうち、例えば、隣り合う2つの実シンボルを複素シンボルとして扱う信号である。複素シンボルは、2次元シンボルである。
送信変調シンボルMS
n−mに含まれている複数の実シンボルが、例えば、“−1,5,1,−3,・・・・,−1,1,3,3,−5,−3”であれば、信号生成処理部25−n−mは、サブチャネル信号SCS
n−mとして、“(−1,5),(1,−3),・・・・,(−1,1),(3,3),(−5,−3)”を生成する。サブチャネル信号SCS
n−mは、送信変調シンボルMS
n−mに含まれているそれぞれのシンボルに、狭帯域のルートレイズドコサイン型低域通過フィルタ(RRC−LPF:Root Raised Cosine Low Pass Filter)をかけたものに相当する。
信号生成処理部25−n−mは、生成したサブチャネル信号SCS
n−mを信号多重化部26に出力する。
【0050】
信号多重化部26は、信号生成処理部25−1−1〜25−N−Mから、M×N個のチャネル信号SCS
1−1〜SCS
N−Mを受けると、M×N個のサブチャネル信号SCS
1−1〜SCS
N−Mを多重化して、サブチャネル多重信号E
scmuxを生成する(
図7のステップST7)。
信号多重化部26は、生成したサブチャネル多重信号E
scmuxを変換増幅器12に出力する。
以下、信号多重化部26によるサブチャネル多重信号E
scmuxの生成処理を具体的に説明する。
【0051】
信号多重化部26は、M×N個のサブチャネル信号SCS
1−1〜SCS
N−Mを直交基底で重ね、例えば、M×N個のサブチャネル信号SCS
1−1〜SCS
N−Mを周波数軸で多重化する。
例えば、M×N個のサブチャネル信号SCS
1−1〜SCS
N−Mのシンボル速度であるシンボルレートがB
s=8[Gsymbol/s]、RRCのロールオフ率がα=0.01、M×N=n
sc=8であるとする。
また、サブチャネルSC
1〜SC
8におけるそれぞれの中心周波数f
1〜f
8の間隔がdf
sc=B
s(1+α)=0.08[GHz]、サブキャリアSC
1〜SC
8を識別するインデックスをj=1,2,・・・,8とすると、サブチャネルSC
jの中心周波数f
jは、以下の式(1)のように表される。
サブチャネル多重信号E
scmuxは、以下の式(2)のように表される。
式(2)において、iは、時間軸上でのインデックスである。
【0052】
変換増幅器12は、サブチャネル符号化装置11の信号多重化部26から出力されたサブチャネル多重信号E
scmuxを取得する。
変換増幅器12は、取得したサブチャネル多重信号E
scmuxを、デジタル信号からアナログ信号に変換し、アナログ信号を増幅する。
変換増幅器12は、増幅後のアナログ信号を光変調器14に出力する。
【0053】
送信光源13は、例えば、中心波長が1550nmの無変調光を発振し、発振した無変調光を光変調器14に出力する。
光変調器14は、送信光源13から出力された無変調光を、変換増幅器12から出力された増幅後のアナログ信号に従って変調することで、光信号を生成する。
光変調器14は、生成した光信号を光伝送路2に出力する。
光伝送路2は、光変調器14から出力された光信号を光受信装置3まで伝送する。
【0054】
光受信装置3の受信光源15は、例えば、中心波長が1550nmの無変調光を発振し、発振した無変調光を光受信器16に出力する。
光受信器16は、受信光源15から出力された無変調光を用いて、光伝送路2によって伝送された光信号をコヒーレント検波する。
光受信器16は、光信号のコヒーレント検波結果を示す電気信号を増幅変換器17に出力する。
【0055】
増幅変換器17は、光受信器16から出力された電気信号を増幅し、増幅後の電気信号を、アナログ信号からデジタル信号に変換する。
増幅変換器17は、デジタル信号をサブチャネル多重信号E
scmuxとして、サブチャネル復号装置18に出力する。
【0056】
図8は、実施の形態1に係るサブチャネル復号装置18の処理手順であるサブチャネル復号方法を示すフローチャートである。
以下、
図8を参照しながら、
図4に示すサブチャネル復号装置18の動作について説明する。
信号分離部41は、増幅変換器17から出力されたサブチャネル多重信号E
scmuxを受信する。
信号分離部41は、受信したサブチャネル多重信号E
scmuxをM×N個のサブチャネル信号SCS
1−1〜SCS
N−Mに分離する(
図8のステップST11)。
信号分離部41によるサブチャネル多重信号E
scmuxの分離処理は、信号多重化部26によるチャネル信号SCS
1−1〜SCS
N−Mの多重化処理の逆処理である。
信号分離部41は、分離したそれぞれのサブチャネル信号SCS
1−1〜SCS
N−Mをシンボル復元部43−1−1〜43−N−Mのそれぞれに出力する。
【0057】
シンボル復元部43−n−mは、信号分離部41からサブチャネル信号SCS
n−mを受けると、サブチャネル信号SCS
n−mから変調シンボルMS
n−mを復元する(
図8のステップST12)。
シンボル復元部43−n−mによる変調シンボルMS
n−mの復元処理は、波形等化又は搬送波復元等、コヒーレント光通信にて公知の受信側デジタル信号処理により実現される。
シンボル復元部43−n−mは、復元した変調シンボルMS
n−mを対数事後確率比算出部44−n−mに出力する。
【0058】
対数事後確率比算出部44−n−mは、シンボル復元部43−n−mから、復元された変調シンボルMS
n−mを受けると、復元された変調シンボルMS
n−mから、事後L値であるLRP
n−mを算出する(
図8のステップST13)。
復元された変調シンボルMS
n−mからLRP
n−mを算出する処理自体は、例えば、以下の非特許文献3に開示されており、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
[非特許文献3]
G.Bocherer他、“Bandwidth Efficient and Rate−Matched Low−Density Parity−Check Coded Modulation”、IEEE Transactions on Communications、vol.63、no.12、pp.4651−4665、December 2015.
対数事後確率比算出部44−n−mは、算出したLRP
n−mを誤り訂正復号部45に出力する。
【0059】
LRP
n−mは、復元された変調シンボルMS
n−mに基づいて、誤り訂正符号化部23により生成された誤り訂正符号化ビット列ECS
n−mに含まれているビットが0である確率と、当該ビットが1である確率との比が、自然対数によって表されている値である。
LRP
n−mは、事前L値と外部L値との和で表される。事前L値は、対数事前確率比(Logarithmic Ratio of a priоri Probabilities)である。
事前L値は、シンボルマッピング部24−n−mにより生成された送信変調シンボルMS
n−mの確率分布とシンボルマッピング規則とに基づいて、誤り訂正符号化ビット列ECS
n−mに含まれているビットが0である確率と、当該ビットが1である確率との比が、自然対数によって表されている値である。
外部L値は、対数尤度比(Logarithmic Likelihood Ratio)である。外部L値は、送信変調シンボルMS
n−mの生起確率のずれが補償された状態で、誤り訂正符号化ビット列ECS
n−mに含まれているビットが0である確率と、当該ビットが1である確率との比が、自然対数によって表されている値である。
【0060】
誤り訂正復号部45は、対数事後確率比算出部44−1−1〜44−N−MからLRP
1−1〜LRP
N−Mを受けると、それぞれのLRP
1−1〜LRP
N−Mの誤りを訂正することで、N個の情報ビット列SBS
1〜SBS
Nのそれぞれを復元する(
図8のステップST14)。
LRP
1−1〜LRP
N−Mから、情報ビット列SBS
1〜SBS
Nを復元する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
誤り訂正復号部45は、復元したN個の情報ビット列SBS
1〜SBS
Nを確率分布整形復号部46に出力する。
【0061】
確率分布整形復号部46は、誤り訂正復号部45からN個の整形後ビット列SBS
1〜SBS
Nを受ける。
確率分布整形復号部46は、
図2に示す確率分布整形符号化部21における符号化と対になる復号を行い、整形を解く(
図8のステップST15)。
確率分布整形復号部46は、復元した整形後ビット列SBS
1〜SBS
Nを、復元した情報ビット列BSに変換する(
図8のステップST16)。
確率分布整形復号部46は、復元した情報ビット列BSを外部に出力する。
【0062】
以上の実施の形態1では、M×N個のサブチャネルをN個のグループに分け、M×N個のサブチャネルのSNRに基づいて、それぞれのグループの送信変調シンボルの確率分布を整形し、情報ビット列を、それぞれのグループの送信変調シンボルの確率分布に対応する整形後ビット列に変換する確率分布整形符号化部21と、整形後ビット列から、M×N個のサブチャネルにおけるそれぞれのサブチャネル信号を生成するサブチャネル信号生成部22と、サブチャネル信号生成部22により生成されたM×N個のサブチャネル信号を多重化して、サブチャネル多重信号を生成する信号多重化部26とを備えるように、サブチャネル符号化装置11を構成した。したがって、サブチャネル符号化装置11は、M×N個のサブチャネルと同数の確率分布整形符号化部を実装することなく、複数のサブチャネルの合計での情報レートを増加させることができる。
【0063】
また、実施の形態1では、サブチャネル多重信号をM×N個のサブチャネル信号に分離する信号分離部41と、信号分離部41により分離されたM×N個のサブチャネル信号から、N個のグループの整形後ビット列を復元する整形後ビット列復元部42と、整形後ビット列復元部42により復元されたN個のグループの整形後ビット列を情報ビット列に変換する確率分布整形復号部46とを備えるように、サブチャネル復号装置18を構成した。したがって、サブチャネル復号装置18は、M×N個のサブチャネルと同数の確率分布整形復号部を実装することなく、複数のサブチャネルの合計での情報レートを増加させることができる。
【0064】
図2に示すサブチャネル符号化装置11では、確率分布整形符号化部21が、M×N個のサブチャネルSC
1〜SC
M×NのSNRに基づいて、送信変調シンボルの確率分布PD
1〜PD
Nを決定し、情報ビット列BSを、送信変調シンボルの確率分布PD
nに対応する整形後ビット列SBS
nに変換している。
確率分布整形符号化部21は、例えば、情報ビット列BSと、整形後ビット列との対応関係を示すテーブルを備えるようにしてもよい。確率分布整形符号化部21が、当該テーブルを備えていれば、テーブルに含まれている複数の整形後ビット列の中から、入力された情報ビット列BSに対応している整形後ビット列SBS
1〜SBS
Nを取得し、取得した整形後ビット列SBS
1〜SBS
Nを誤り訂正符号化部23に出力する。
このテーブルは、テーブルのアドレス空間が小さい場合には単一のルックアップテーブルによって構成することが可能である。テーブルのアドレス空間が大きく、単一のルックアップテーブルによって構成できない場合にも、非特許文献2のように、階層化された複数の小型ルックアップテーブル群を用いて構成することが可能である。
【0065】
図4に示すサブチャネル復号装置18では、確率分布整形復号部46が、復元した整形後ビット列を情報ビット列を復元している。
確率分布整形復号部46は、例えば、復元した整形後ビット列と、復元した情報ビット列BSとの対応関係を示すテーブルを備えるようにしてもよい。確率分布整形復号部46が、当該テーブルを備えていれば、テーブルに含まれている複数の復元した情報ビット列BSの中から、復元した整形後ビット列SBS
1〜SBS
Nに対応している復元した情報ビット列BSを取得し、取得した復元した情報ビット列BSを外部に出力する。
このテーブルは、テーブルのアドレス空間が小さい場合には単一のルックアップテーブルによって構成することが可能である。テーブルのアドレス空間が大きく、単一のルックアップテーブルによって構成できない場合にも、非特許文献2のように、階層化された複数の小型ルックアップテーブル群を用いて構成することが可能である。
【0066】
実施の形態2.
実施の形態2では、確率分布整形符号化部21が、N個の確率分布整形符号化処理部72−1〜72−Nを備えているサブチャネル符号化装置11について説明する。
また、実施の形態2では、確率分布整形復号部46が、N個の確率分布整形復号処理部91−1〜91−Nを備えているサブチャネル復号装置18について説明する。
【0067】
図9は、実施の形態2に係るサブチャネル符号化装置11を示す構成図である。
図10は、実施の形態2に係るサブチャネル符号化装置11のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図9及び
図10において、
図2及び
図3と同一符号は同一又は相当部分を示すので詳細な説明を省略する。
情報ビット列分離部71は、例えば、
図10に示す情報ビット列分離回路81によって実現される。
情報ビット列分離部71は、1つの情報ビット列BSをN個の情報ビット列dBS
1〜dBS
Nに分離し、分離したそれぞれの情報ビット列dBS
1〜dBS
Nを確率分布整形符号化処理部72−1〜72−Nのそれぞれに出力する。
【0068】
M×N個のサブチャネルSC
1〜SC
M×Nは、N個のグループに分類されている。
例えば、サブチャネルSC
1〜SC
Nは、グループ(1)に分類され、サブチャネルSC
N+1〜SC
2Nは、グループ(2)に分類され、C
2N+1〜SC
3Nは、グループ(3)に分類されている。
また、C
M×(N−1)+1〜SC
M×Nは、グループ(N)に分類されている。
【0069】
確率分布整形符号化処理部72−1〜72−Nのそれぞれは、例えば、
図10に示す確率分布整形符号化処理回路82によって実現される。
確率分布整形符号化処理部72−n(n=1,・・・,N)は、グループ(n)に属するサブチャネルC
m×(n−1)+1〜SC
m×nのSNRに基づいて、送信変調シンボルの確率分布を決定する。以下、整形後ビット列に基づき、後段のシンボルマッピング部24−1−1〜24−N−Mにより生成される送信変調シンボルの確率分布をサンプル平均して得られる確率分布をPD
nとする。
確率分布整形符号化処理部72−nは、情報ビット列分離部71から出力された情報ビット列dBS
nを、整形後ビット列SBS
nに変換する。
確率分布整形符号化処理部72−nは、整形後ビット列SBS
nを誤り訂正符号化部23に出力する。
【0070】
図11は、実施の形態2に係るサブチャネル復号装置18を示す構成図である。
図12は、実施の形態2に係るサブチャネル復号装置18のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図11及び
図12において、
図4及び
図5と同一符号は同一又は相当部分を示すので詳細な説明を省略する。
誤り訂正復号部45は、実施の形態1と同様に、対数事後確率比算出部44−1−1〜44−N−Mにより算出されたLRP
1−1〜LRP
N−Mから、整形後ビット列SBS
1〜SBS
Nを復元する。
誤り訂正復号部45は、復元した整形後ビット列SBS
1〜SBS
Nのそれぞれを、確率分布整形復号処理部91−1〜91−Nのそれぞれに出力する。
【0071】
確率分布整形復号処理部91−1〜91−Nのそれぞれは、例えば、
図12に示す確率分布整形復号処理回路101によって実現される。
確率分布整形復号処理部91−nは、グループ(n)に属するサブチャネルC
m×(n−1)+1〜SC
m×nのSNRに基づいて、誤り訂正復号部45から出力された整形後ビット列SBS
nを、グループ(n)に属する情報ビット列dBS
nに変換する。
なお、確率分布整形復号処理部91−nによる情報ビット列dBS
nへの変換は、整形後ビット列SBS
nの整形を終端して、情報ビット列dBS
nを復元することを意味する。
【0072】
情報ビット列多重化部92は、例えば、
図12に示す情報ビット列多重化回路102によって実現される。
情報ビット列多重化部92は、確率分布整形復号処理部91−1〜91−Nにより復元されたN個の情報ビット列dBS
1〜 dBS
Nを多重化することで、1つの情報ビット列BSを復元する。
【0073】
図9では、サブチャネル符号化装置11の構成要素である情報ビット列分離部71、確率分布整形符号化処理部72−1〜72−N、誤り訂正符号化部23、シンボルマッピング部24−1−1〜24−N−M、信号生成処理部25−1−1〜25−N−M及び信号多重化部26のそれぞれが、
図10に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、サブチャネル符号化装置11が、情報ビット列分離回路81、確率分布整形符号化処理回路82、誤り訂正符号化回路32、シンボルマッピング回路33、信号生成処理回路34及び信号多重化回路35によって実現されるものを想定している。
ここで、情報ビット列分離回路81、確率分布整形符号化処理回路82、誤り訂正符号化回路32、シンボルマッピング回路33、信号生成処理回路34及び信号多重化回路35のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0074】
サブチャネル符号化装置11の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、サブチャネル符号化装置11が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
サブチャネル符号化装置11が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、情報ビット列分離部71、確率分布整形符号化処理部72−1〜72−N、誤り訂正符号化部23、シンボルマッピング部24−1−1〜24−N−M、信号生成処理部25−1−1〜25−N−M及び信号多重化部26の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが
図6に示すメモリ61に格納される。そして、
図6に示すプロセッサ62がメモリ61に格納されているプログラムを実行する。
【0075】
図11では、サブチャネル復号装置18の構成要素である信号分離部41、シンボル復元部43−1−1〜43−N−M、対数事後確率比算出部44−1−1〜44−N−M、誤り訂正復号部45、確率分布整形復号処理部91−1〜91−N及び情報ビット列多重化部92のそれぞれが、
図12に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、サブチャネル復号装置18が、信号分離回路51、シンボル復元回路52、対数事後確率比算出回路53、誤り訂正復号回路54、確率分布整形復号処理回路101及び情報ビット列多重化回路102によって実現されるものを想定している。
ここで、信号分離回路51、シンボル復元回路52、対数事後確率比算出回路53、誤り訂正復号回路54、確率分布整形復号処理回路101及び情報ビット列多重化回路102のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0076】
サブチャネル復号装置18の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、サブチャネル復号装置18が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
サブチャネル復号装置18が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、信号分離部41、シンボル復元部43−1−1〜43−N−M、対数事後確率比算出部44−1−1〜44−N−M、誤り訂正復号部45、確率分布整形復号処理部91−1〜91−N及び情報ビット列多重化部92の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが、
図6に示すメモリ61に格納される。そして、
図6に示すプロセッサ62がメモリ61に格納されているプログラムを実行する。
【0077】
光クロスコネクト装置を多段伝送する場合を考えると、光フィルタ特性により、M×N個のサブチャネルのSNRの中で、例えば、中心周波数が最も低いサブチャネルから数えてk番目に中心周波数が高いサブチャネルのSNRと、中心周波数が最も高いサブチャネルから数えてk番目に中心周波数が低いサブチャネルのSNRとは、概ね同一となる。
例えば、M×N=8、サブチャネルSC
1〜SC
8におけるそれぞれの中心周波数f
1〜f
8が等間隔であり、f
1<f
2<・・・f
7<f
8である場合を想定する。
この場合、サブチャネルSC
1とサブチャネルSC
8とは、概ねSNRが同一であり、サブチャネルSC
2とサブチャネルSC
7とは、概ねSNRが同一である。また、サブチャネルSC
3とサブチャネルSC
6とは、概ねSNRが同一であり、サブチャネルSC
4とサブチャネルSC
5とは、概ねSNRが同一である。
【0078】
したがって、サブチャネルSC
1〜SC
8に与えられるエントロピーが、以下のように決定されていれば、全てのサブチャネルの合計での情報レートを高めることが可能である。
サブチャネルSC
1とサブチャネルSC
8とに与えられるエントロピーが、サブチャネルSC
1のSNRとサブチャネルSC
8のSNRとの平均値に応じて決定される。
サブチャネルSC
2とサブチャネルSC
7とに与えられるエントロピーが、サブチャネルSC
2のSNRとサブチャネルSC
7のSNRとの平均値に応じて決定される。
サブチャネルSC
3とサブチャネルSC
6とに与えられるエントロピーが、サブチャネルSC
3のSNRとサブチャネルSC
6のSNRとの平均値に応じて決定される。
サブチャネルSC
4とサブチャネルSC
5とに与えられるエントロピーが、サブチャネルSC
4のSNRとサブチャネルSC
5のSNRとの平均値に応じて決定される。
【0079】
サブチャネルSC
1〜SC
8のそれぞれに与えられるエントロピーが、上記のように決定される場合、サブチャネル符号化装置11が、サブチャネルSC
1〜SC
8と同数の確率分布整形符号化部を実装している必要がなく、N(=4)個の確率分布整形符号化処理部72−1〜72−Nを実装していればよい。
また、サブチャネル復号装置18が、サブチャネルSC
1〜SC
8と同数の確率分布整形復号部を実装している必要がなく、N(=4)個の確率分布整形復号処理部91−1〜91−Nを実装していればよい。
【0080】
次に、
図9に示すサブチャネル符号化装置11の動作について説明する。ただし、情報ビット列分離部71及び確率分布整形符号化処理部72−1〜72−N以外は、
図2に示すサブチャネル符号化装置11と概ね同様であるため、ここでは、主に、情報ビット列分離部71及び確率分布整形符号化処理部72−1〜72−Nの動作について説明する。
M×N個のサブチャネルSC
1〜SC
M×Nは、N個のグループに分類されている。
図9に示すサブチャネル符号化装置11では、例えば、M=2、N=4、M×N=8であり、サブチャネルSC
1,SC
8がグループ(1)に分類され、サブチャネルSC
2,SC
7がグループ(2)に分類されている。また、サブチャネルSC
3,SC
6がグループ(3)に分類され、サブチャネルSC
4,SC
5がグループ(4)に分類されている。
【0081】
情報ビット列分離部71は、外部から1つの情報ビット列BSが与えられると、1つの情報ビット列BSを4個の情報ビット列dBS
1,dBS
2,dBS
3,dBS
4に分離する。
情報ビット列dBS
1は、グループ(1)に属するサブチャネルSC
1,SC
8によって伝送される情報ビット列であり、情報ビット列dBS
2は、グループ(2)に属するサブチャネルSC
2,SC
7によって伝送される情報ビット列である。
情報ビット列dBS
3は、グループ(3)に属するサブチャネルSC
3,SC
5によって伝送される情報ビット列であり、情報ビット列dBS
4は、グループ(4)に属するサブチャネルSC
4,SC
5によって伝送される情報ビット列である。
情報ビット列分離部71は、情報ビット列dBS
1を確率分布整形符号化処理部72−1に出力し、情報ビット列dBS
2を確率分布整形符号化処理部72−2に出力する。また、情報ビット列分離部71は、情報ビット列dBS
3を確率分布整形符号化処理部72−3に出力し、情報ビット列dBS
4を確率分布整形符号化処理部72−4に出力する。
情報ビット列分離部71による情報ビット列BSの分離は、例えば、4個の情報ビット列dBS
1,dBS
2,dBS
3,dBS
4の長さが、グループ(n)に属するサブチャネルに与えるエントロピーに応じて分離するようにすればよい。
【0082】
確率分布整形符号化処理部72−1は、グループ(1)に属するサブチャネルSC
1のSNR、又は、グループ(1)に属するサブチャネルSC
8のSNRに基づいて、情報ビット列分離部71から出力された情報ビット列dBS
1における送信変調シンボルの確率分布PD
1を整形する。
確率分布整形符号化処理部72−2は、グループ(2)に属するサブチャネルSC
2のSNR、又は、グループ(2)に属するサブチャネルSC
7のSNRに基づいて、情報ビット列分離部71から出力された情報ビット列dBS
2における送信変調シンボルの確率分布PD
2を整形する。
確率分布整形符号化処理部72−3は、グループ(3)に属するサブチャネルSC
3のSNR、又は、グループ(3)に属するサブチャネルSC
6のSNRに基づいて、情報ビット列分離部71から出力された情報ビット列dBS
3における送信変調シンボルの確率分布PD
3を整形する。
確率分布整形符号化処理部72−4は、グループ(4)に属するサブチャネルSC
4のSNR、又は、グループ(4)に属するサブチャネルSC
5のSNRに基づいて、情報ビット列分離部71から出力された情報ビット列dBS
4における送信変調シンボルの確率分布PD
4を整形する。
【0083】
確率分布整形符号化処理部72−1は、情報ビット列分離部71から出力された情報ビット列dBS
1を、送信変調シンボルの確率分布PD
1に対応する整形後ビット列SBS
1に変換し、整形後ビット列SBS
1を誤り訂正符号化部23に出力する。
確率分布整形符号化処理部72−2は、情報ビット列分離部71から出力された情報ビット列dBS
2を、送信変調シンボルの確率分布PD
2に対応する整形後ビット列SBS
2に変換し、整形後ビット列SBS
2を誤り訂正符号化部23に出力する。
確率分布整形符号化処理部72−3は、情報ビット列分離部71から出力された情報ビット列dBS
3を、送信変調シンボルの確率分布PD
3に対応する整形後ビット列SBS
3に変換し、整形後ビット列SBS
3を誤り訂正符号化部23に出力する。
確率分布整形符号化処理部72−4は、情報ビット列分離部71から出力された情報ビット列dBS
4を、送信変調シンボルの確率分布PD
4に対応する整形後ビット列SBS
4に変換し、整形後ビット列SBS
4を誤り訂正符号化部23に出力する。
【0084】
誤り訂正符号化部23は、実施の形態1と同様に、整形後ビット列SBS
n(n=1,2,3,4)に対する冗長ビットであるパリティビットpb
nを算出する。
誤り訂正符号化部23は、情報ビット列dBS
nにパリティビットpb
nを付加することで、パリティビットpb
nを含む誤り訂正符号化ビット列ECS
nを生成する。
誤り訂正符号化部23は、4個の誤り訂正符号化ビット列ECS
1〜ECS
4を生成すると、誤り訂正符号化ビット列ECS
1を、M=2個の誤り訂正符号化ビット列ECS
1−1,ECS
1−2に分離し、誤り訂正符号化ビット列ECS
2を、M=2個の誤り訂正符号化ビット列ECS
2−1,ECS
2−2に分離する。
また、誤り訂正符号化部23は、誤り訂正符号化ビット列ECS
3を、M=2個の誤り訂正符号化ビット列ECS
3−1,ECS
3−2に分離し、誤り訂正符号化ビット列ECS
4を、M=2個の誤り訂正符号化ビット列ECS
4−1,ECS
4−2に分離する。
【0085】
誤り訂正符号化部23は、誤り訂正符号化ビット列ECS
1−1をシンボルマッピング部24−1−1に出力し、誤り訂正符号化ビット列ECS
1−2をシンボルマッピング部24−1−2に出力する。
誤り訂正符号化部23は、誤り訂正符号化ビット列ECS
2−1をシンボルマッピング部24−2−1に出力し、誤り訂正符号化ビット列ECS
2−2をシンボルマッピング部24−2−2に出力する。
誤り訂正符号化部23は、誤り訂正符号化ビット列ECS
3−1をシンボルマッピング部24−3−1に出力し、誤り訂正符号化ビット列ECS
3−2をシンボルマッピング部24−3−2に出力する。
誤り訂正符号化部23は、誤り訂正符号化ビット列ECS
4−1をシンボルマッピング部24−4−1に出力し、誤り訂正符号化ビット列ECS
4−2をシンボルマッピング部24−4−2に出力する。
【0086】
次に、
図11に示すサブチャネル復号装置18の動作について説明する。ただし、確率分布整形復号処理部91−1〜91−N及び情報ビット列多重化部92以外は、
図4に示すサブチャネル復号装置18と概ね同様であるため、ここでは、主に、確率分布整形復号処理部91−1〜91−N及び情報ビット列多重化部92の動作について説明する。
誤り訂正復号部45は、実施の形態1と同様に、対数事後確率比算出部44−1−1〜44−N−Mにより算出されたLRP
1−1〜LRP
N−Mから、情報ビット列dBS
1〜dBS
Nを復元する。
誤り訂正復号部45は、復元した整形後ビット列SBS
1〜SBS
Nのそれぞれを、確率分布整形復号処理部91−1〜91−Nのそれぞれに出力する。
例えば、M=2、N=4であれば、誤り訂正復号部45は、LRP
1−1,LRP
1−2から、整形後ビット列SBS
1を復元し、復元した整形後ビット列SBS
1を確率分布整形復号処理部91−1に出力する。
誤り訂正復号部45は、LRP
2−1,LRP
2−2から、整形後ビット列SBS
2を復元し、復元した整形後ビット列SBS
2を確率分布整形復号処理部91−2に出力する。
誤り訂正復号部45は、LRP
3−1,LRP
3−2から、整形後ビット列SBS
3を復元し、復元した整形後ビット列SBS
3を確率分布整形復号処理部91−3に出力する。
誤り訂正復号部45は、LRP
4−1,LRP
4−2から、整形後ビット列SBS
4を復元し、復元した整形後ビット列SBS
4を確率分布整形復号処理部91−4に出力する。
【0087】
確率分布整形復号処理部91−1は、誤り訂正復号部45から出力された整形後ビット列SBS
1を情報ビット列dBS
1に変換し、情報ビット列dBS
1を情報ビット列多重化部92に出力する。
確率分布整形復号処理部91−2は、誤り訂正復号部45から出力された整形後ビット列SBS
2を情報ビット列dBS
2に変換し、情報ビット列dBS
2を情報ビット列多重化部92に出力する。
確率分布整形復号処理部91−3は、誤り訂正復号部45から出力された整形後ビット列SBS
3を情報ビット列dBS
3に変換し、情報ビット列dBS
3を情報ビット列多重化部92に出力する。
確率分布整形復号処理部91−4は、誤り訂正復号部45から出力された整形後ビット列SBS
4を情報ビット列dBS
4に変換し、情報ビット列dBS
4を情報ビット列多重化部92に出力する。
【0088】
情報ビット列多重化部92は、確率分布整形復号処理部91−1から出力された情報ビット列dBS
1と、確率分布整形復号処理部91−2から出力された情報ビット列dBS
2と、確率分布整形復号処理部91−3から出力された情報ビット列dBS
3と、確率分布整形復号処理部91−4から出力された情報ビット列dBS
4とを取得する。
情報ビット列多重化部92は、情報ビット列dBS
1と、情報ビット列dBS
2と、情報ビット列dBS
3と、情報ビット列dBS
4とを多重化することで、1つの情報ビット列BSを復元する。
【0089】
以上の実施の形態2では、M×N個のサブチャネルがN個のグループに分類されており、N個の確率分布整形符号化処理部72−1〜72−Nのそれぞれが、それぞれのグループに属するサブチャネルのSNRに基づいて、情報ビット列分離部71により分離されたそれぞれのグループに属するサブチャネルの送信変調シンボルの確率分布を決定し、それぞれのグループに属する情報ビット列を、それぞれの送信変調シンボルの確率分布に対応する整形後ビット列に変換するように、
図9に示すサブチャネル符号化装置11を構成した。したがって、
図9に示すサブチャネル符号化装置11は、M×N個のサブチャネルと同数の確率分布整形符号化部を実装することなく、M×N個のサブチャネルの合計での情報レートを増加させることができる。
【0090】
また、実施の形態2では、M×N個のサブチャネルがN個のグループに分類されており、N個の確率分布整形復号処理部91−1〜91−Nのそれぞれが整形後ビット列を情報ビット列に変換するように、
図11に示すサブチャネル復号装置18を構成した。したがって、
図11に示すサブチャネル復号装置18は、M×N個のサブチャネルと同数の確率分布整形復号部を実装することなく、M×N個のサブチャネルの合計での情報レートを増加させることができる。
【0091】
光クロスコネクト装置の多段伝送を考えると、M×N個のサブチャネルのSNRの中で、例えば、中心周波数が最も低いサブチャネルから数えてk番目に中心周波数が高いサブチャネルのSNRと、中心周波数が最も高いサブチャネルから数えてk番目に中心周波数が低いサブチャネルのSNRとは、概ねSNRが同一である。
また、周波数軸上で隣接する2つのサブチャネルにおけるそれぞれのSNRの分布は、互いに類似している。
したがって、例えば、M×N=8であるとき、サブチャネルSC
1,SC
8,SC
2,SC
7に与えられるエントロピーが、サブチャネルSC
1のSNR、サブチャネルSC
8のSNR、サブチャネルSC
2のSNR、又は、サブチャネルSC
7のSNRに応じて決定されるようにすることもできる。
また、サブチャネルSC
3,SC
6,SC
4,SC
5に与えられるエントロピーが、サブチャネルSC
3のSNR、サブチャネルSC
6のSNR、サブチャネルSC
4のSNR、又は、サブチャネルSC
5のSNRに応じて決定されるようにすることもできる。
サブチャネルSC
1〜SC
8のそれぞれに与えられるエントロピーが、上記のように決定される場合、サブチャネル符号化装置11が、サブチャネルSC
1〜SC
8と同数の確率分布整形符号化部を実装している必要がなく、2個の確率分布整形符号化処理部72−1〜72−2を実装していればよい。
また、サブチャネル復号装置18が、サブチャネルSC
1〜SC
8と同数の確率分布整形復号部を実装している必要がなく、2個の確率分布整形復号処理部91−1〜91−2を実装していればよい。
【0092】
実施の形態3.
実施の形態3では、
図2に示す確率分布整形符号化部21又は
図9に示す確率分布整形符号化処理部72−1〜72−Nと、誤り訂正符号化部23と、M×N個のシンボルマッピング部24−1−1〜24−N−Mと、M×N個の信号生成処理部25−1−1〜25−N−Mとの組が、複数並列に接続されているサブチャネル符号化装置11について説明する。
また、実施の形態3では、M×N個のシンボル復元部43−1−1〜43−N−Mと、M×N個の対数事後確率比算出部44−1−1〜44−N−Mと、誤り訂正復号部45と、
図4に示す確率分布整形復号部46又は
図11に示す確率分布整形復号処理部91−1〜91−Nとの組が、複数並列に接続されているサブチャネル復号装置18について説明する。
【0093】
図13は、実施の形態3に係るサブチャネル符号化装置11を示す構成図である。
図13において、
図2及び
図9と同一符号は同一又は相当部分を示すので詳細な説明を省略する。
情報ビット列分離部73は、外部から1つの情報ビット列BSが与えられると、1つの情報ビット列BSを(G+H)個の情報ビット列に分離する。
情報ビット列分離部73は、(G+H)個の情報ビット列のうち、G個の情報ビット列のそれぞれを、サブチャネル符号化装置110−1〜110−Gのそれぞれに出力する。
また、情報ビット列分離部73は、(G+H)個の情報ビット列のうち、H個の情報ビット列のそれぞれを、サブチャネル符号化装置120−1〜120−Hのそれぞれに出力する。
サブチャネル符号化装置110−1〜110−Gのそれぞれは、
図2に示す確率分布整形符号化部21と、
図2に示す誤り訂正符号化部23と、
図2に示すシンボルマッピング部24−1−1〜24−N−Mと、
図2に示す信号生成処理部25−1−1〜25−N−Mとを備えている。Gは、1以上の整数である。
サブチャネル符号化装置110−1〜110−GのそれぞれにおけるMは、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。また、サブチャネル符号化装置110−1〜110−GのそれぞれにおけるNは、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
サブチャネル符号化装置120−1〜120−Hのそれぞれは、
図9に示す情報ビット列分離部71と、
図9に示す確率分布整形符号化処理部72−1〜72−Nと、
図9に示す誤り訂正符号化部23と、
図9に示すシンボルマッピング部24−1−1〜24−N−Mと、
図9に示す信号生成処理部25−1−1〜25−N−Mとを備えている。Hは、1以上の整数である。
サブチャネル符号化装置120−1〜120−HのそれぞれにおけるMは、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。また、サブチャネル符号化装置120−1〜120−HのそれぞれにおけるNは、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
【0094】
図13に示すサブチャネル符号化装置11は、Hが2以上の整数であれば、サブチャネル符号化装置110−1〜110−Gを備えていてもよいし、サブチャネル符号化装置110−1〜110−Gを備えていなくてもよい。
図13に示すサブチャネル符号化装置11は、Gが2以上の整数であれば、サブチャネル符号化装置120−1〜120−Hを備えていてもよいし、サブチャネル符号化装置120−1〜120−Hを備えていなくてもよい。
【0095】
図14は、実施の形態3に係るサブチャネル復号装置18を示す構成図である。
図14において、
図4及び
図11と同一符号は同一又は相当部分を示すので詳細な説明を省略する。
サブチャネル復号装置130−1〜130−Gのそれぞれは、
図4に示すシンボル復元部43−1−1〜43−N−Mと、
図4に示す対数事後確率比算出部44−1−1〜44−N−Mと、
図4に示す誤り訂正復号部45と、
図4に示す確率分布整形復号部46とを備えている。
サブチャネル復号装置130−1〜130−GのそれぞれにおけるMは、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。また、サブチャネル復号装置130−1〜130−GのそれぞれにおけるNは、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
サブチャネル復号装置140−1〜140−Hのそれぞれは、
図11に示す情報ビット列多重化部92と、
図11に示すシンボル復元部43−1−1〜43−N−Mと、
図11に示す対数事後確率比算出部44−1−1〜44−N−Mと、
図11に示す誤り訂正復号部45と、
図11に示す確率分布整形復号処理部91−1〜91−Nとを備えている。
サブチャネル復号装置140−1〜140−HのそれぞれにおけるMは、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。また、サブチャネル復号装置140−1〜140−HのそれぞれにおけるNは、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
情報ビット列多重化部93は、サブチャネル復号装置130−1〜130−G及びサブチャネル復号装置140−1〜140−Hのそれぞれから出力された情報ビット列を多重化することで、1つの情報ビット列BSを復元する。
【0096】
図14に示すサブチャネル復号装置18は、Hが2以上の整数であれば、サブチャネル復号装置130−1〜130−Gを備えていてもよいし、サブチャネル復号装置130−1〜130−Gを備えていなくてもよい。
図14に示すサブチャネル復号装置18は、Gが2以上の整数であれば、サブチャネル復号装置140−1〜140−Hを備えていてもよいし、サブチャネル復号装置140−1〜140−Hを備えていなくてもよい。
【0097】
次に、
図13に示すサブチャネル符号化装置11の動作について説明する。
情報ビット列分離部73は、外部から1つの情報ビット列BSが与えられると、1つの情報ビット列BSを(G+H)個の情報ビット列に分離する。
情報ビット列分離部73は、(G+H)個の情報ビット列のうち、G個の情報ビット列のそれぞれを、サブチャネル符号化装置110−1〜110−Gのそれぞれに出力する。
また、情報ビット列分離部73は、(G+H)個の情報ビット列のうち、H個の情報ビット列のそれぞれを、サブチャネル符号化装置120−1〜120−Hのそれぞれに出力する。
【0098】
サブチャネル符号化装置110−1〜110−Gに含まれている誤り訂正符号化部23、シンボルマッピング部24−1−1〜24−N−M及び信号生成処理部25−1−1〜25−N−Mのそれぞれは、実施の形態1に記載の動作を行う。
サブチャネル符号化装置120−1〜120−Hに含まれている確率分布整形符号化処理部72−1〜72−N、誤り訂正符号化部23、シンボルマッピング部24−1−1〜24−N−M及び信号生成処理部25−1−1〜25−N−Mのそれぞれは、実施の形態2に記載の動作を行う。
【0099】
信号多重化部26は、サブチャネル符号化装置110−1〜110−G及びサブチャネル符号化装置120−1〜120−Hのそれぞれから出力されたチャネル信号を多重化して、サブチャネル多重信号E
scmuxを生成する。
信号多重化部26は、生成したサブチャネル多重信号E
scmuxを変換増幅器12に出力する。
【0100】
次に、
図14に示すサブチャネル復号装置18の動作について説明する。
信号分離部41は、増幅変換器17から出力されたサブチャネル多重信号E
scmuxを受信する。
信号分離部41は、受信したサブチャネル多重信号E
scmuxを(G+H)個のサブチャネル信号に分離する。
信号分離部41は、(G+H)個のサブチャネル信号のうち、G個のサブチャネル信号のそれぞれを、サブチャネル復号装置130−1〜130−Gのそれぞれに出力する。
また、信号分離部41は、(G+H)個のサブチャネル信号のうち、H個のサブチャネル信号のそれぞれを、サブチャネル復号装置140−1〜140−Hのそれぞれに出力する。
【0101】
サブチャネル復号装置130−1〜130−Gに含まれているシンボル復元部43−1−1〜43−N−M、対数事後確率比算出部44−1−1〜44−N−M、誤り訂正復号部45及び確率分布整形復号部46のそれぞれは、実施の形態1に記載の動作を行う。
サブチャネル復号装置140−1〜140−Hに含まれているシンボル復元部43−1−1〜43−N−M、対数事後確率比算出部44−1−1〜44−N−M、誤り訂正復号部45及び確率分布整形復号処理部91−1〜91−Nのそれぞれは、実施の形態2に記載の動作を行う。
【0102】
情報ビット列多重化部93は、サブチャネル復号装置130−1〜130−G及びサブチャネル復号装置140−1〜140−Hのそれぞれから出力された情報ビット列を多重化することで、1つの情報ビット列BSを復元する。
【0103】
以上の実施の形態3では、
図2に示す確率分布整形符号化部21又は
図9に示す確率分布整形符号化処理部72−1〜72−Nと、誤り訂正符号化部23と、M×N個のシンボルマッピング部24−1−1〜24−N−Mと、M×N個の信号生成処理部25−1−1〜25−N−Mとの組が、複数並列に接続されているように、サブチャネル符号化装置11を構成した。したがって、サブチャネル符号化装置11は、全てのサブチャネルと同数の確率分布整形符号化部を実装することなく、全てのサブチャネルの合計での情報レートを増加させることができる。
【0104】
また、実施の形態3では、M×N個のシンボル復元部43−1−1〜43−N−Mと、M×N個の対数事後確率比算出部44−1−1〜44−N−Mと、誤り訂正復号部45と、
図4に示す確率分布整形復号部46又は
図11に示す確率分布整形復号処理部91−1〜91−Nとの組が、複数並列に接続されているように、サブチャネル復号装置18を構成した。したがって、サブチャネル復号装置18は、全てのサブチャネルと同数の確率分布整形復号部を実装することなく、全てのサブチャネルの合計での情報レートを増加させることができる。
【0105】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。