(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の磁気抵抗効果素子は、前記第1の抵抗体と前記第2の抵抗体との前記搬送方向の間隔の中心が、前記第1の磁界発生部の前記搬送方向の中心よりも、前記第2の磁界発生部の前記搬送方向の中心から遠い位置に配置された、
請求項1または請求項2に記載の磁気センサ装置。
前記第2の磁界発生部と前記搬送路との間に設けられ、前記被検知物が前記搬送路を搬送されることにより生じる磁束密度の変化を抵抗値の変化として出力する第2の磁気抵抗効果素子を備え、
前記第2の磁気抵抗効果素子は、前記搬送方向に並んで配置された第3の抵抗体と第4の抵抗体とを有し、
前記第3の抵抗体と前記第4の抵抗体との前記搬送方向の間隔の中心が、前記第2の磁界発生部の搬送方向の中心と異なる位置に配置された、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の磁気センサ装置。
前記第1の磁界発生部の前記搬送方向と交差する方向における端部と、前記第2の磁界発生部の前記搬送方向と交差する方向における端部とに接続され、非磁性体により形成された固定部を備えた、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の磁気センサ装置。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る磁気センサ装置のY軸方向から見たZ−X断面図
【
図2】実施の形態1に係る磁気センサ装置のY−Z断面図
【
図3A】実施の形態1に係る磁気センサ装置の第1の磁界発生部に対して、第2の磁界発生部を配置する位置を説明する図
【
図3B】実施の形態1に係る磁気センサ装置の第1の磁界発生部に対して、第2の磁界発生部を配置する位置を説明する図
【
図3C】実施の形態1に係る磁気センサ装置の第1の磁界発生部に対して、第2の磁界発生部を配置する位置を説明する図
【
図4A】比較例に係る磁気センサ装置の第1の磁界発生部と第2の磁界発生部とから生成される磁界分布を示す図
【
図4B】実施の形態1に係る磁気センサ装置の第1の磁界発生部と第2の磁界発生部とから生成される磁界分布を示す図
【
図5】実施の形態1に係る磁気センサ装置が備える回路基板の回路図
【
図6】実施の形態1に係る磁気センサ装置の第1の磁気抵抗効果素子と第2の磁気抵抗効果素子とをX軸方向において配置する位置を示すグラフ
【
図7】実施の形態2に係る磁気センサ装置のY軸方向から見たZ−X断面図
【
図8】実施の形態2に係る磁気センサ装置のY−Z断面図
【0009】
以下、本開示の実施の形態に係る磁気センサ装置について、図面を用いて説明する。なお、以下の説明において、X軸方向を被検知物の搬送方向、即ち、磁気センサ装置の短手方向、Y軸方向を被検知物の搬送方向に直交する磁気センサ装置の長手方向、即ち読取幅方向、Z軸方向を搬送面であるXY面に鉛直な方向と定義し、適宜参照する。
【0010】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る磁気センサ装置100の、Y軸方向から見たZ−X断面図である。
図2は、磁気センサ装置100のY−Z断面図である。
図1は、
図2のI−I線断面、
図2は
図1のII−II線断面に相当する。
【0011】
磁気センサ装置100は、
図1および
図2に示すように、紙幣を含む紙葉状の被検知物8に含まれる磁性パターンを検出する装置であり、バイアス磁界を発生する第1の磁界発生部1a及び第2の磁界発生部1bと、磁束密度の変化を抵抗値の変化として出力する第1の磁気抵抗効果素子2a及び第2の磁気抵抗効果素子2bと、を備える。また、磁気センサ装置100は、第1の磁界発生部1aを収容する筐体3a及び金属シールド板4aと、第1の磁気抵抗効果素子2aが取り付けられた回路基板5aと、回路基板5aに接続された信号処理回路基板6aと、第2の磁界発生部1bを収容する筐体3b及び金属シールド板4bと、第2の磁気抵抗効果素子2bが取り付けられた回路基板5bと、回路基板5bに接続された信号処理回路基板6bと、を備える。
【0012】
第1の磁界発生部1a及び第2の磁界発生部1bは、搬送路7を搬送される被検知物8に交差する磁界を生成する。被検知物8は、磁性体を含む磁気インクにより磁性パターンが印字された紙幣などのシート状のものである。被検知物8の搬送方向は、+X軸方向である。第1の磁界発生部1aと搬送路7に対して反対側に、第2の磁界発生部1bが配置される。第1の磁界発生部1a及び第2の磁界発生部1bは、Z軸方向にN極とS極の磁極を有し、Y軸方向に長く、X軸方向に短く形成された直方体状の永久磁石で作製される。ここでは、第1の磁界発生部1a及び第2の磁界発生部1bは、ネオジウムボンド磁石である。第1の磁界発生部1a及び第2の磁界発生部1bは、第1の磁気抵抗効果素子2a及び第2の磁気抵抗効果素子2bにバイアス磁界を印加する。
【0013】
第1の磁界発生部1aと第2の磁界発生部1bとは、搬送路7に対向する磁極が異なる磁極となる向きに配置される。ここでは、第1の磁界発生部1aは、搬送路7に対向する磁極がN極であり、第2の磁界発生部1bは、搬送路7に対向する磁極がS極であるが、それぞれ反対でもよい。
【0014】
第1の磁界発生部1aと第2の磁界発生部1bとは、搬送方向であるX軸方向における中心が異なる位置に配置される。詳しくは、第1の磁界発生部1aのX軸方向の中心である中心線10aと第2の磁界発生部1bのX軸方向の中心である中心線10bとは、X軸方向において、一致しない位置に配置される。また、第1の磁界発生部1aと第2の磁界発生部1bとがX軸方向において、搬送路7を挟んで一部が対向する位置に配置される。
図3Aから
図3Cは、第1の磁界発生部1aに対して、第2の磁界発生部1bを配置する位置の範囲を説明する図である。
図3Aは、中心線10aと中心線10bとが一致した第1の磁界発生部1aと第2の磁界発生部1bである。
図3Bは、中心線10aに対して中心線10bを+X軸方向にずらした第1の磁界発生部1aと第2の磁界発生部1bである。
図3Cは、中心線10aに対して中心線10bを最大にずらした第1の磁界発生部1aと第2の磁界発生部1bである。
図3Cよりも、中心線10aに対して中心線10bを+X軸方向にずらすと、第1の磁界発生部1aと第2の磁界発生部1bとがX軸方向において、搬送路7を挟んで対向しない構成になり、X軸方向に印加する磁界が小さくなる。よって、第1の磁界発生部1aと第2の磁界発生部1bとは、中心線10aに対して、中心線10bを、
図3Aの位置よりずらして配置される。また、第1の磁界発生部1aと第2の磁界発生部1bとは、中心線10bを最大ずらした場合、
図3Cの位置に配置される。
【0015】
上記の構成により、搬送路7において、第1の磁界発生部1aと第2の磁界発生部1bとがX軸方向に印加する磁界を強くすることができる。
図4A及び
図4Bは、第1の磁界発生部1aと第2の磁界発生部1bとから生成される磁界分布を示す図である。
図4A及び
図4Bは、磁界分布を説明するために必要な構成要素を記載し、他は省略している。
図4Aに、比較例として第1の磁界発生部1aと第2の磁界発生部1bとのX軸方向における中心が一致する場合の搬送路7での磁界分布を示す。
図4Bに、磁気センサ装置100における搬送路7での磁界分布を示す。図中の矢印が磁力線を示す。
図4Aおよび
図4Bに示す通り、
図4Aでは、搬送路7において、Z軸方向に磁界が印加されていることがわかる。
図4Bでは、搬送路7において、X軸方向とZ軸方向に磁界が印加されていることがわかる。つまり、第1の磁界発生部1aと第2の磁界発生部1bとのX軸方向における中心が一致する場合と比較して、磁気センサ装置100は、X軸方向に印加する磁界を大きくすることができることがわかる。
【0016】
図1及び
図2に戻って、第1の磁気抵抗効果素子2aは、第1の磁界発生部1aと搬送路7との間に設けられる。第1の磁気抵抗効果素子2aは、被検知物8が搬送路7を搬送されることにより生じる磁束密度の変化を抵抗値の変化として出力する。第1の磁気抵抗効果素子2aは、Y軸方向に沿って複数配置される。同様に、第2の磁気抵抗効果素子2bは、第2の磁界発生部1bと搬送路7との間に設けられる。第2の磁気抵抗効果素子2bは、被検知物8が搬送路7を搬送されることにより生じる磁束密度の変化を抵抗値の変化として出力する。第2の磁気抵抗効果素子2bは、Y軸方向に沿って複数配置される。第1の磁気抵抗効果素子2a及び第2の磁気抵抗効果素子2bは、異方性磁気抵抗効果素子(AMR:Anisotropic MagnetoResistive effect)、巨大磁気抵抗効果素子(GMR:Giant MagnetoResistive effect)素子、トンネル磁気抵抗効果素子(TMR:Tunnel MagnetoResistive effect)を含む。第1の磁気抵抗効果素子2a及び第2の磁気抵抗効果素子2bは、印加されるバイアス磁界が大きい場合は、トンネル磁気抵抗効果素子を用いることが好ましい。特に、被検知物8に含まれる磁性パターンが磁性体の有無により2値のドットパターンが形成されている場合は、トンネル磁気抵抗効果素子を用いることが好ましい。第1の磁気抵抗効果素子2a及び第2の磁気抵抗効果素子2bの詳細については、後述する。
【0017】
筐体3a及び筐体3bは、樹脂、セラミック、非磁性金属などの非磁性体で作製され、上面が開口した箱状に形成されている。筐体3aは、第1の磁界発生部1aを収納する。同様に、筐体3bは、第2の磁界発生部1bを収納する。金属シールド板4aは、回路基板6aと第1の磁気抵抗効果素子2aの被検知物8の搬送路側を被覆して、保護する。同様に、金属シールド板4bは、回路基板6bと第2の磁気抵抗効果素子2bの被検知物8の搬送路側を被覆して、保護する。金属シールド板4a及び金属シールド板4bは、それ自体は磁化することなく、磁力線を透過する。
【0018】
回路基板5aは、第1の磁気抵抗効果素子2aを囲んで、第1の磁界発生部1aの上面に載置されている。回路基板5aは、
図5に示すように、第1の磁気抵抗効果素子2aに、電源電圧VDDと接地電圧GNDを印加し、第1の磁気抵抗効果素子2aの抵抗の変化を示す検出信号を出力する。詳細には、第1の磁気抵抗効果素子2aは、後述するように、第1の抵抗体21aと第2の抵抗体22aとを有する。回路基板5aにより、第1の抵抗体21aの一端には電源電圧VDDが印加される。第2の抵抗体22aの一端には接地電圧GNDが印加される。第1の抵抗体21aと第2の抵抗体22aとの他端は短絡され、各対の出力として出力信号線を介して回路基板5aに出力される。このような構成において、電源電圧VDDは、第1の抵抗体21aと第2の抵抗体22aとの抵抗値の比に応じて分圧され、出力信号線に検出信号として出力される。磁性体を有する被検知物8が搬送路7を通過することにより、第1の抵抗体21aと第2の抵抗体22aに印加される磁界が変化し、それにより、その抵抗値が変化して、分圧比が変化することで、検出信号の電圧が変化する。回路基板5aは、検出信号を信号処理回路基板6aに伝達し、信号処理回路基板6aは、検出信号を処理することにより、被検知物8の磁性パターンを検出することが可能となる。同様に、回路基板5bは、第2の磁気抵抗効果素子2bを囲んで、第2の磁界発生部1bの上面に載置されている。回路基板5bは、第2の磁気抵抗効果素子2bに、電源電圧VDDと接地電圧GNDを印加し、第2の磁気抵抗効果素子2bの抵抗の変化を示す検出信号を出力する。回路基板5bにおけるその他の詳細は、回路基板5aと同様である。
【0019】
信号処理回路基板6aは、筐体3aの下部に配置され、ケーブル9aを介して回路基板5aに接続され、回路基板5aの出力する検出信号を処理して、被検知物8の磁性パターンを検知する。同様に、信号処理回路基板6bは、筐体3bの下部に配置され、ケーブル9bを介して回路基板5bに接続され、回路基板5bの出力する検出信号を処理して、被検知物8の磁性パターンを検知する。
【0020】
なお、ここでは図示していないが、磁気センサ装置100は、鉄などの軟磁性体で板状に構成されたヨークを備えた構成としてもよい。ヨークは、第1の磁界発生部1a及び第2の磁界発生部1bに接続されるものであり、第1の磁界発生部1a及び第2の磁界発生部1bの発生する磁束を通過させるものである。
【0021】
第1の磁気抵抗効果素子2aは、X軸方向に並んで配置された第1の抵抗体21aと第2の抵抗体22aとを有する。第1の抵抗体21aと第2の抵抗体22aとのX軸方向の間隔の中心は、第1の磁界発生部1aのX軸方向の中心と異なる位置に配置される。詳しくは、第1の抵抗体21aと第2の抵抗体22aとのX軸方向の間隔の中心である中心線10dが、第1の磁界発生部1aのX軸方向の中心である中心線10aよりも、第2の磁界発生部1bのX軸方向の中心である中心線10bから遠い位置に配置される。同様に、第2の磁気抵抗効果素子2bは、X軸方向に並んで配置された第3の抵抗体21bと第4の抵抗体22bとを有する。第3の抵抗体21bと第4の抵抗体22bとのX軸方向の間隔の中心は、第2の磁界発生部1bのX軸方向の中心と異なる位置に配置される。詳しくは、第3の抵抗体21bと第4の抵抗体22bとのX軸方向の間隔の中心である中心線10eが、第2の磁界発生部1bのX軸方向の中心である中心線10bよりも、第1の磁界発生部1aのX軸方向の中心である中心線10aから遠い位置に配置される。
【0022】
第1の抵抗体21aと第2の抵抗体22aとは、回路基板5aにおいてブリッジ接続される。同様に、第3の抵抗体21bと第4の抵抗体22bとは、回路基板5bにおいてブリッジ接続される。
図6は、第1の磁気抵抗効果素子2aと第2の磁気抵抗効果素子2bとをX軸方向において配置する位置ごとのX軸方向に発生する磁束密度(Bx)を示すグラフである。縦軸にX軸方向のバイアス磁界の強さである磁束密度(Bx)、横軸に、磁気抵抗素子を配置するX軸方向の位置を示す。横軸は、X軸方向において中心線10aと中心線10bとの中心である中心線10cを0としている。破線で、第1の磁気抵抗効果素子2aに印加されるバイアス磁界を示す。実線で、第2の磁気抵抗効果素子2bに印加されるバイアス磁界を示す。なお、
図6は、X軸方向の長さがそれぞれ6mmの第1の磁界発生部1aと第2の磁界発生部1bにおいて、中心線10aを中心線10cからX軸方向にマイナス0.5mm、中心線10bを中心線10cからX軸方向にプラス0.5mmずらした場合である。
【0023】
図6に示すグラフより、第1の抵抗体21aにプラスの磁界を印加し、第2の抵抗体22aにマイナスの磁界を印加するために、中心線10dのX軸方向の位置は、グラフ中の矢印Aで示す位置とすることが好ましいことがわかる。矢印Aの位置に中心線10dが配置されると、第1の抵抗体21aは、矢印Aの位置より−X軸方向に配置され、これによりプラスの磁束が印加される。同様に、第2の抵抗体22aは、矢印Aの位置より+X軸方向に配置され、これによりマイナスの磁束が印加される。同様に、第3の抵抗体21bにマイナスの磁束を印加し、第4の抵抗体22bにプラスの磁束を印加するために、中心線10eのX軸方向の位置は、グラフ中の矢印Bで示す位置とすることが好ましいことがわかる。矢印Bの位置に中心線10eが配置されると、第3の抵抗体21bは、矢印Bの位置より−X軸方向に配置され、これによりマイナスの磁束が印加される。同様に、第4の抵抗体22bは、矢印Bの位置より+X軸方向に配置され、これによりプラスの磁束が印加される。つまり、グラフより、中心線10dが、中心線10aよりも、中心線10bから遠い位置に配置されることが好ましいことがわかる。同様に、中心線10eが、中心線10bよりも、中心線10aから遠い位置に配置されることが好ましいことがわかる。
【0024】
なお、ここでは中心線10aを中心線10cからX軸方向にマイナス0.5mm、中心線10bを中心線10cからX軸方向にプラス0.5mmずらした場合を示した。しかし、中心線10dと中心線10eとの好ましい位置は、中心線10aと中心線10bとを、中心線10cからずらした量によって変わる。そのため、中心線10aと中心線10bとを中心線10cからずらした量に応じて好適な位置を決定すればよい。このようにすることで、第1の磁界発生部1aと第2の磁界発生部1bとの中心線のずれ量の精度が低い場合においても、中心線10dと中心線10eとを配置する位置を調整することで、磁気抵抗効果素子の出力を求める値とすることができる。
【0025】
なお、ここでは、第1の磁気抵抗効果素子2aと第2の磁気抵抗効果素子2bとを両方備える構成としたが、必要に応じて第1の磁気抵抗効果素子2aのみを備える構成または第2の磁気抵抗効果素子2bのみを備える構成としてもよい。
【0026】
実施の形態1に係る磁気センサ装置100によれば、搬送路7においてX軸方向に印加する磁界を大きくすることができる。これにより、磁気抵抗効果素子が出力する搬送方向であるX軸方向の磁界の変化を大きくすることができる。この結果、被検知物8に含まれる磁性パターンの検出に優れる磁気センサ装置100を得ることができる。また、磁気センサ装置100をY軸方向に複数並べることで、+X軸方向に搬送された被検知物8に含まれる2次元の磁性パターンを検出できる。
【0027】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2に係る磁気センサ装置200について、図面を用いて説明する。
図7は、実施の形態2に係る磁気センサ装置200のY軸方向から見たZ−X断面図である。
図8は、実施の形態2に係る磁気センサ装置200の磁気センサ装置100のY−Z断面図である。
図7は、
図8のI−I線断面、
図8は
図7のII−II線断面に相当する。実施の形態2に係る磁気センサ装置200は、磁気センサ装置100にさらに固定部11を備えたものである。その他の構成は、実施の形態1と実質的に同様である。以下、上述の実施の形態で説明した構成と同一又は対応する構成については同一符号を付し、それらの構成の説明を繰り返し行わない。
【0028】
固定部11は、非磁性体により形成されたものである。第1の磁界発生部1aのX軸方向と交差する方向であるY軸方向における端部は固定部11に接続される。また、第2の磁界発生部1bのX軸方向と交差する方向であるY軸方向における端部は固定部11に接続される。これにより、第1の磁界発生部1aと第2の磁界発生部1bとを固定部11を介して接続することができる。よって、第1の磁界発生部1aと第2の磁界発生部1bとの位置決めを容易にすることができ、製造上の誤差の発生を低減することができる。
【0029】
実施の形態2に係る磁気センサ装置200においても、搬送路7において搬送方向(X軸方向)に印加する磁界を大きくすることができる。これにより、磁気抵抗効果素子が出力する搬送方向(X軸方向)の磁界の変化を大きくすることができる。また、第1の磁界発生部1aと第2の磁界発生部1bとの位置決めを容易にすることができる。
【0030】
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、この開示の範囲内とみなされる。
【0031】
本出願は、2020年3月30日に出願された、日本国特許出願特願2020−060272号に基づく。本明細書中に日本国特許出願特願2020−060272号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。
搬送路(7)を搬送される被検知物(8)に交差する磁界を生成する第1の磁界発生部(1a)と、第1の磁界発生部(1a)と搬送路(7)に対して反対側に配置され、被検知物(8)に交差する磁界を生成する第2の磁界発生部(1b)と、第1の磁界発生部(1a)と搬送路(7)との間に設けられ、被検知物(8)が搬送されることにより生じる磁束密度の変化を抵抗値の変化として出力する第1の磁気抵抗効果素子(2a)とを備える。第1の磁界発生部(1a)と第2の磁界発生部(1b)とは、搬送路(7)に対向する磁極が異なる磁極であり、被検知物(8)の搬送方向における中心が異なる位置に配置される。第1の磁気抵抗効果素子(2a)は、第1の抵抗体(21a)と第2の抵抗体(22a)とを有し、第1の抵抗体(21a)と第2の抵抗体(22a)との搬送方向の間隔の中心が、第1の磁界発生部(1a)の搬送方向の中心と異なる位置に配置されている。