(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記回転伝達部ガイドの上記ガイド側ストッパーは、上記円筒部の上記円筒部分の外径よりも外側まで広がるような扇形状に形成されている請求項1乃至4の何れか1項に記載の操作装置。
上記回転伝達部ガイドの上記ガイド側ストッパーは、上記円筒部の上記円筒部分の外径よりも外側において上記ハンドル側ストッパーの少なくとも一部と当接する当接領域を有する請求項1乃至5の何れか1項に記載の操作装置。
上記回転伝達部ガイドの上記ガイド側ストッパーは、上記円筒部の上記円筒部分の半径方向外側まで形成され且つ上記円筒部分の半径方向の外面と接続されている延伸部を備えている請求項1乃至6の何れか1項に記載の操作装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、操作装置のカバーを薄型化するために、回転軸部ガイドのストッパーがハンドルに向けて突出する長さを短くする場合、回転軸部ガイドのストッパーの耐久性が低下するという問題が生じる。さらに、ハンドルのストッパーが回転軸部ガイドのストッパーのより根元に接触することになるため、回転軸部ガイドのストッパーの耐久性がさらに低下するという問題が生じる。また、特に、ハンドルのストッパーが金属で構成され、回転軸部ガイドのストッパーが樹脂で構成されている場合には、回転軸部ガイドのストッパーの耐久性が低下する問題がより顕著となる。
【0006】
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、ガイド側ストッパーがハンドルに向けて突出する長さを短くしても耐久性を向上させることができ、ハンドル側ストッパーとガイド側ストッパーとが配置される領域の外周を覆うカバーの厚みを薄くすることができる操作装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、ハンドルの回転により洗浄水タンク内に配置された排水弁を作動させる操作装置であって、洗浄水タンクの外側において回転可能に配置される上記ハンドルであって、上記ハンドルの基部から洗浄水タンクに向けて突出するハンドル側ストッパーを備える上記ハンドルと、上記ハンドルに接続されると共に上記洗浄水タンクの壁面を貫通して配置され、上記ハンドルの回転を上記洗浄水タンク内まで伝達する回転伝達部と、上記回転伝達部を回転可能に支持する回転伝達部ガイドであって、内側で上記回転伝達部を回転可能に支持する円筒部と、上記円筒部の上記洗浄水タンクの外側に配置される円筒部分から上記ハンドルに向けて突出するように形成され、且つ上記ハンドルの上記ハンドル側ストッパーと当接することで上記ハンドルの回転範囲を制限させるガイド側ストッパーと、を備える上記回転伝達部ガイドと、上記洗浄水タンクの上記壁面の外側に配置され、且つ上記ハンドルの上記ハンドル側ストッパーと上記回転伝達部ガイドの上記ガイド側ストッパーとが配置される領域の外周を覆うカバーと、を有し、上記回転伝達部ガイドの上記ガイド側ストッパーは、上記円筒部の上記洗浄水タンクの外側に配置される円筒部分の外径よりも大きな外径の部分を有するように形成されることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、洗浄水タンクの壁面の外側に配置され、且つハンドルのハンドル側ストッパーと回転伝達部ガイドのガイド側ストッパーとが配置される領域の外周を覆うカバーが設けられ、回転伝達部ガイドのガイド側ストッパーは、円筒部の洗浄水タンクの外側に配置される円筒部分の外径よりも大きな外径の部分を有するように形成されている。これにより、ハンドルのハンドル側ストッパーと回転伝達部ガイドのガイド側ストッパーとが当接するときに、ガイド側ストッパーにかかる応力を分散させて低減させることができる。よって、本発明によれば、ガイド側ストッパーがハンドルに向けて突出する長さを短くしても耐久性を向上させることができ、ハンドル側ストッパーとガイド側ストッパーとが配置される領域の外周を覆うカバーの厚みを薄くすることができる。従って、洗浄水タンクの壁面の外側に配置されるカバーのデザイン性をより向上させることができる。
【0008】
本発明において、好ましくは、上記ハンドルは金属製であり、上記回転伝達部ガイドは樹脂製である。
このように構成された本発明においては、ハンドルが金属製であり、回転伝達部ガイドが樹脂製である場合に、ガイド側ストッパーにかかる応力を分散させて低減させることができる。よって、ガイド側ストッパーを樹脂製とする場合であっても、ガイド側ストッパーが金属製のハンドルに向けて突出する長さを短くすると共に耐久性を向上させることができ、ハンドル側ストッパーとガイド側ストッパーとが配置される領域の外周を覆うカバーの厚みを薄くすることができる。従って、洗浄水タンクの壁面の外側に配置されるカバーのデザイン性をより向上させることができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、上記回転伝達部ガイドの上記ガイド側ストッパーの半径方向の幅は、上記円筒部の上記円筒部分の半径方向の幅よりも大きい。
このように構成された本発明においては、ガイド側ストッパーの半径方向の幅は、円筒部の円筒部分の半径方向の幅よりも大きいので、ガイド側ストッパーにかかる応力をより分散させて低減させることができると共に、ガイド側ストッパーの耐久性をより向上させることができる。
【0010】
本発明において、好ましくは、上記回転伝達部ガイドの上記ガイド側ストッパーは、中抜き空間を形成している。
このように構成された本発明においては、回転伝達部ガイドのガイド側ストッパーを樹脂製とする場合に、成形体のガイド側ストッパーの内部に空洞が発生することを抑制し、ガイド側ストッパーの強度が低下することを抑制することができる。よって、より強固で信頼性の高いガイド側ストッパーを提供することができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、上記回転伝達部ガイドの上記ガイド側ストッパーは、上記円筒部の上記円筒部分の外径よりも外側まで広がるような扇形状に形成されている。
このように構成された本発明においては、ガイド側ストッパーが円筒部の円筒部分の一部の円弧形状から外側に広がるような扇形状に形成されている。これにより、ガイド側ストッパーと円筒部の円筒部分との間における応力集中をしにくくし、ガイド側ストッパーにかかる応力を分散させて低減させることができる。
また、ガイド側ストッパーは、円筒部の円筒部分の外径よりも外側の領域においても円周方向に対称な扇形状に形成されている。これにより、ハンドルの一方の回転方向の制限と、他方の回転方向の制限との両方の制限の機能を果たすことができる。また、ガイド側ストッパーの外径を大きくしていない場合と同様のハンドルの回転範囲を確保することができる。
さらに、例えばハンドルを左側用ハンドルから右側用ハンドルに変更した場合等、ハンドルの回転方向が逆となる場合においても、扇形状のガイド側ストッパーに右側用ハンドルのハンドル側ストッパーを当接させることによりハンドルの回転を同様の回転範囲に制限することができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、上記回転伝達部ガイドの上記ガイド側ストッパーは、上記円筒部の上記円筒部分の外径よりも外側において上記ハンドル側ストッパーの少なくとも一部と当接する当接領域を有する。
このように構成された本発明においては、ガイド側ストッパーは、円筒部の円筒部分の外径よりも外側においてハンドル側ストッパーの少なくとも一部と当接する当接領域を有するので、ガイド側ストッパーにかかる応力をより低減させることができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、上記回転伝達部ガイドの上記ガイド側ストッパーは、上記円筒部の上記円筒部分の半径方向外側まで形成され且つ上記円筒部分の半径方向の外面と接続されている延伸部を備えている。
このように構成された本発明においては、延伸部により、ガイド側ストッパーと円筒部の円筒部分とが接続されている領域を増加させることができ、ガイド側ストッパーにかかる応力をより分散させてより低減させることができる。さらに、ガイド側ストッパーの強度を高めることができ、ガイド側ストッパーの耐久性をより向上させることができる。
【0014】
つぎに、本発明は、上記操作装置を備えた洗浄水タンク装置である。
このように構成された本発明においては、カバーの厚みを薄くすることができる操作装置を備えた洗浄水タンク装置を提供することができる。
【0015】
つぎに、本発明は、上記洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器である。
このように構成された本発明においては、カバーの厚みを薄くすることができる操作装置を備えた水洗大便器を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の操作装置によれば、ガイド側ストッパーがハンドルに向けて突出する長さを短くしても耐久性を向上させることができ、ハンドル側ストッパーとガイド側ストッパーとが配置される領域の外周を覆うカバーの厚みを薄くすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
つぎに、添付図面により、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置の操作装置、この操作装置を備えた洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器について説明する。
まず、
図1により、本発明の一実施形態による操作装置を備えた洗浄水タンク装置が適用された水洗大便器について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による操作装置を備えた洗浄水タンク装置が適用された水洗大便器において、便座及び便蓋を取り外した状態を示す斜視図である。以下、本発明の実施形態における説明において、水洗大便器を使用する使用者側(水洗大便器を使用するために水洗大便器の前に立っている使用者側)から見て手前側を前方側とし、使用者から見て奥側を後方側とし、水洗大便器を前方から見て右側を右側とし、前方から見て左側を左側として説明している。
【0019】
図1に示すように、符号1は、サイホン作用を利用してボウル部内の汚物を吸い込んで排水トラップ管路から一気に外部に排出する、いわゆる、サイホン式の水洗大便器であり、この水洗大便器1は、陶器製の便器本体2を備え、この便器本体2には、ボウル部4と、このボウル部4の下部と連通する排水トラップ管路6がそれぞれ形成されている。
便器本体2のボウル部4の上縁部には、内側にオーバーハングしたリム8と、便器本体2の後方側の内部に形成される導水路9から供給される洗浄水を吐水する第1吐水口10が形成され、この第1吐水口10から吐水された洗浄水は、旋回しながら下降してボウル部4を洗浄するようになっている。
【0020】
ボウル部4の下方には、溜水面が鎖線W0で示された溜水部12が形成されている。この溜水部12の下方には、排水トラップ管路6の入口6aが開口し、この入口6aから後方の排水トラップ管路6は排水ソケット(図示せず)を介して床下の排出管(図示せず)に接続されている。
また、ボウル部4の溜水面W0の上方位置には、便器本体2の後方側の内部に形成される導水路9から供給される洗浄水を吐水する第2吐水口14が形成され、この第2吐水口14から吐水される洗浄水が溜水部12の溜水を上下方向に旋回させる旋回流を生じさせるようになっている。
【0021】
便器本体2の後方側の上面には、便器本体2に供給する洗浄水を貯水する洗浄水タンク装置16が設けられている。
なお、本実施形態では、上述したサイホン式の水洗大便器に洗浄水タンク装置16を適用した例について説明するが、このようなサイホン式の水洗大便器に限定されず、ボウル部内の水の落差による流水作用で汚物を押し流す、いわゆる、洗い落し式の水洗大便器等の他のタイプの水洗便器にも適用可能である。
【0022】
つぎに、
図2により、洗浄水タンク装置16について説明する。
図2は、本発明の一実施形態による操作装置を備えた洗浄水タンク装置の内部構造を示す正面断面図である。なお、
図2においては、洗浄水タンク18の満水水位及び死水水位をWL及びDWLで示している。
洗浄水タンク装置16は、水洗大便器1を洗浄する洗浄水を貯水する洗浄水タンク18を備え、この洗浄水タンク18の底部には、便器本体2の導水路9と連通する排水口20が形成され、洗浄水タンク18内の洗浄水が便器本体2の導水路9へと供給されるようになっている。
【0023】
洗浄水タンク装置16は、給水源からの洗浄水を洗浄水タンク18内に供給する洗浄水供給装置である洗浄水供給装置22と、洗浄水タンク18に貯えられた洗浄水について排水口20を開放して便器本体2の導水路9に流出させる排水弁装置24と、洗浄水タンク18の左側の壁面である側壁18aの上部に取付けられる操作装置26とを備えている。
【0024】
排水弁装置24は、洗浄水タンク18内に配置されている。排水弁装置24の構成については、従来の排水弁装置の構成と同様であるため、具体的な説明は省略するが、排水弁装置24はいわゆる直動式の排水弁装置であり、排水弁装置24内で後述する鎖30が排水弁装置24の排水弁(弁体)に接続しており、鎖30が上下方向に移動する移動量が排水弁装置24の排水弁の上下方向の移動量に対応するようになっている。ハンドル28の回動操作を行うことにより、鎖30が連動して排水弁装置24の排水弁を引き上げ、排水弁を作動させた状態とし、水洗大便器1へ洗浄水の供給が開始され、排水口20が所定時間開放され、洗浄水タンク18内の洗浄水が便器本体2の導水路9に一定量排出されるようになっている。
【0025】
つぎに、
図2乃至
図8を参照して、本発明の一実施形態による操作装置26の詳細について説明する。
図3は本発明の一実施形態による操作装置の分解斜視図であり、
図4は本発明の一実施形態による操作装置を側面から示す側面図であり、
図5は本発明の一実施形態による操作装置が洗浄水タンクの壁面に取付けられている状態において操作装置の内部構造を示す中央断面図であり、
図6は本発明の一実施形態による操作装置のハンドルの第1突起部及び第2突起部を示す斜視図であり、
図7は本発明の一実施形態による操作装置の回転伝達部ガイドのガイド側ストッパーを示す斜視図であり、
図8はハンドルが初期位置にある場合における
図4のVIII−VIII線に沿った断面図である。
【0026】
操作装置26は、洗浄水タンク18の外側において回転可能に配置されるハンドル28と、使用者がハンドル28の回転操作を行った場合に、ハンドル28を待機状態の位置に戻すように力を作用させるばね(図示せず)と、ハンドル28の回転を洗浄水タンク18内まで伝達する回転伝達部であるアーム部材32と、アーム部材32と排水弁装置24とを連結し、且つ自身の移動により排水弁装置24の排水弁(図示せず)を開閉させる鎖30と、アーム部材32を回転可能に支持する回転伝達部ガイド34と、ハンドル28の取付基部を覆うように形成され且つハンドル28と洗浄水タンク18の側壁18aとの間に配置されるカバー36と、回転伝達部ガイド34を洗浄水タンク18に対して固定するナット38と、を備えている。
【0027】
操作装置26は、ハンドル28を手前側に引き上げる方向に回転操作を行うことによりハンドル28に連結されたアーム部材32が回動して、アーム部材32の先端に取付けられた鎖30を引上げ、鎖30が接続された排水弁装置24の排水弁を物理的に引き上げる機構を形成している。
【0028】
ハンドル28は、ハンドル28の中央部においてアーム部材32と連結されている。ハンドル28は、洗浄水タンク18の左側の側壁18aに取付けられる左側用のハンドルであり、使用者が手指等で回転操作するための持ち手部分28aが形成されている。使用者が持ち手部分28aを持って手前側に引き上げるように回転させることにより、ハンドル28がアーム部材32を回転させるようになっている。なお、ハンドル28は、洗浄水タンク18の右側の側壁18bに取り付けられる右側ハンドルであってもよい。
【0029】
図6に示すように、ハンドル28は、ハンドル28の基部から洗浄水タンク18に向けて突出するハンドル側ストッパーである第1突起部40と、同様にハンドル28の基部から洗浄水タンク18に向けて突出するハンドル側ストッパーである第2突起部42とを備えている。ハンドル28は、金属製であるが、樹脂製であってもよい。後述するように、ガイド側ストッパー46が半径方向外側に拡張されているので、第1突起部40及び第2突起部42はつば部48に対応する位置よりも半径方向外側に配置されることができる。
【0030】
図2に示すように、アーム部材32は、ハンドル28と接続されると共に、洗浄水タンク18の外側から内側まで、側壁18aに形成された四角形の開口18cを貫通して延びるように配置される。アーム部材32は、洗浄水タンク18の左右方向に水平に配置される。アーム部材32は棒状に形成され、途中で2段階に折れ曲がっている。アーム部材32は、洗浄水タンク18の外部においてハンドル28と嵌合され、洗浄水タンク18の内部の鉤状部32aにおいて鎖30に接続される。アーム部材32は、金属製とすることにより、耐久性が高く、頑丈に形成されることができる。
【0031】
図5に示すように、カバー36は、洗浄水タンク18の側壁18aの外側に配置され、且つハンドル28の第1突起部40又は第2突起部42と回転伝達部ガイド34のガイド側ストッパー46とが配置される領域の外周を覆うように形成される。カバー36の厚みTは、洗浄水タンク18の左右方向に延びるカバー36の長さに相当し、ハンドル28が側壁18aの壁面から突出している距離に相当している。カバー36の厚みTが低減されることにより、ハンドル28が側壁18aから突出している印象を使用者に与えることを抑制し、カバー36のデザイン性、及びカバー36及びハンドル28のトータルのデザイン性、例えば使用者に与える美観を向上させることができる。カバー36は、ハンドル28の第1突起部40又は第2突起部42と回転伝達部ガイド34のガイド側ストッパー46とを覆うように形成されるので、ガイド側ストッパー46の厚みH1(
図7参照)を低減することにより、カバー36の厚みTを低減することができる。
【0032】
図2及び
図3に示すように、ナット38は、洗浄水タンク18の内側において回転伝達部ガイド34の外周面に螺合され且つ洗浄水タンク18の側壁18aを、後述する回転伝達部ガイド34のつば部48との間で挟み込むようにして回転伝達部ガイド34を洗浄水タンク18に対して固定する。
【0033】
図7に示すように、回転伝達部ガイド34は、内側でアーム部材32を回転可能に支持する円筒部44と、ハンドル28が回転操作されたとき及びハンドル28が回転操作されていないときにハンドル28の第1突起部40又は第2突起部42と当接することでハンドル28の回転範囲を制限させるガイド側ストッパー46と、を備える。回転伝達部ガイド34は、樹脂製である。
【0034】
円筒部44は、洗浄水タンク18の外側に配置される円筒部分であるつば部48と、側壁18aの開口18cを貫通する貫通部50と、つば部48の裏面から貫通部50に向けて斜面状に延びるリブ51とを備えている。つば部48は、円筒部44とその中心軸線が共通している。つば部48は、円筒部44のハンドル28側の先端部を形成している。つば部48は、円筒部44の貫通部50の外径よりも大きな外径を有している。洗浄水タンク18の外側に配置される円筒部分は、つば部48の形状に限られず、その外径が貫通部50とほぼ同じ外径であってもよい。リブ51は、ナット38が回転伝達部ガイド34を締めるとき、つば部48と側壁18aとの間でつぶされて回転伝達部ガイド34を洗浄水タンク18に対して正確な位置に位置決めし且つがたつきを抑えて固定させることができる。
【0035】
ガイド側ストッパー46は、円筒部44のつば部48からハンドル28に向けて突出するように形成されている。ガイド側ストッパー46は、つば部48の外径D1(中心軸線Cからの外径)よりも大きな外径D2(中心軸線Cからの外径)の部分を有するように形成される。ガイド側ストッパー46は、円筒部44のつば部48の外径よりも外側まで広がるような扇形状に形成されている。ガイド側ストッパー46の半径方向の幅W1は、円筒部44のつば部48の半径方向の幅W2よりも大きい。ガイド側ストッパー46のつば部48からの厚みH1は、ガイド側ストッパー46の洗浄水タンク18の左右方向に延びる長さに相当し、従来のガイド側ストッパー46の厚みよりも短い。ガイド側ストッパー46のつば部48からの厚みH1は、つば部48の厚みH2よりも大きい。
【0036】
ガイド側ストッパー46は、その一方の第1側面54の第1当接領域(図示せず)において第1突起部40と当接する。第1側面54と第1突起部40とは、第1突起部40の先端のみが当接することを防ぐように第1当接領域において平面状に当接する。また、ガイド側ストッパー46は、他方の第2側面56の第2当接領域58において第2突起部42と当接する。第2側面56と第2突起部42とは、第2突起部42の先端のみが当接することを防ぐように第2当接領域58において平面状に当接する。よって、ハンドル28と回転伝達部ガイド34とを近づけること等により、第1突起部40の先端のみ又は第2突起部42の先端のみがガイド側ストッパー46の基部のコーナー部分46aに当接することにより応力がコーナー部分46aに集中し、ガイド側ストッパー46を破損させる又はひびを生じさせることを抑制することができる。
【0037】
このように、ガイド側ストッパー46は、つば部48の外径D1よりも外側において第1突起部40の少なくとも一部と当接する当接領域である第1当接領域を有する。さらに、ガイド側ストッパー46は、つば部48の外径D1よりも外側において第2突起部42の少なくとも一部と当接する当接領域である第2当接領域58を有する。当接する領域をつば部48より外側に配置することにより、ガイド側ストッパー46にかかる応力を低下させることができる。また、第1当接領域から第2当接領域58までのハンドル28の回転範囲を維持した状態でガイド側ストッパー46の強度(耐久性)を向上させることができる。
【0038】
ガイド側ストッパー46は、つば部48の半径方向外側まで形成され且つつば部48の半径方向の外面と接続されている延伸部46bを備えている。さらに、ガイド側ストッパー46は、円弧状且つ柱状の中抜き空間52を形成している。中抜き空間52は、半径方向に同心円状に並んで形成されている。
【0039】
本発明の一実施形態による操作装置26は、使用者が主に左手によって操作しやすいように洗浄水タンク18の左側の側壁18aに左側用のハンドル28が取付けられる操作装置であるが、使用者が主に右手によって操作しやすいように洗浄水タンク18の右側の側壁18bに右側用のハンドル28が取付けられる操作装置であってもよい。このように、例えばハンドル28を左側用のハンドルから右側用のハンドルに変更した場合等、ハンドル28の回転方向が逆となる場合においても、扇形状のガイド側ストッパー46の第1側面54及び第2側面56にハンドル28の第1突起部40及び第2突起部42を当接させることによりハンドル28の回転を同様の回転角度範囲に制限することができる。
【0040】
つぎに、
図1、
図2、
図8及び
図9を参照して、本発明の一実施形態による操作装置の動作(作用)を説明する。
図9はハンドルが回転終了位置にある場合における
図4のVIII−VIII線に沿った断面図である。
先ず、
図1、
図2、
図8及び
図9により、本発明の一実施形態による操作装置を備えた洗浄水タンク装置及びこの洗浄水タンク装置が適用された水洗大便器において、操作装置26により洗浄動作が実行される様子を説明する。
【0041】
図8に示すように、使用者がハンドル28の操作を開始する前の初期状態においては、ハンドル28は初期位置にあり、停止しており、ハンドル28の第1突起部40がガイド側ストッパー46の第1側面54に当接している。
図2に示すように、アーム部材32の先端の鉤状部32aは、下向きの待機位置(初期位置)にあり、鎖30に連結された排水弁(図示せず)が排水口20を閉止している状態となっている。このとき洗浄水タンク18内の初期水位が満水水位WLとなっている。
【0042】
使用者が、洗浄動作をさせるため、ハンドル28の操作を開始する場合、矢印A1で示すように、使用者がハンドル28を手前に引き上げるように回転させることにより、アーム部材32の鉤状部32aが、アーム部材32の軸線を中心に、矢印A1の方向に回転する。よって、鎖30が鉤状部32aにより引き上げられ、排水弁が上昇し、排水口20を開放させる。これにより、洗浄水タンク18内の洗浄水が排水口20から便器本体2の導水路9に向けて排水され、便器洗浄が行われる。
【0043】
使用者が、ハンドル28を手前に引き上げるように回転させることにより、第2突起部42が矢印A2で示すように回転される。
図9に示すように、使用者が、ハンドル28を所定角度分まで回転させるとき、第2突起部42がガイド側ストッパー46の第2側面56に当接する。ハンドル28は回転終了位置となる。よって、ハンドル28の回転が停止され、ハンドル28の回転角度を所定の範囲に制限することができる。すなわち、排水弁の引き上げ高さを所定の高さに規定することができ、1回の便器洗浄に用いられる洗浄水の最大量を所定量に規定することができる。
【0044】
第2突起部42は、ガイド側ストッパー46の第2側面56の第2当接領域58に当接する。ガイド側ストッパー46は、つば部48の外径D1よりも大きな外径D2の部分を有するように形成されている。これにより、ハンドル28の第2突起部42とガイド側ストッパー46とが当接するときに、ガイド側ストッパー46にかかる応力を分散させて低減させることができる。さらに、第2突起部42の少なくとも一部は、つば部48の外径D1よりも外側に広がる第2当接領域58においてガイド側ストッパー46と当接するので、ガイド側ストッパー46にかかる応力をより低減させることができる。
【0045】
使用者がハンドル28から手を放す又は使用者がハンドル28を戻すように回転させることにより、ハンドル28は
図8に示すような初期位置に戻る。このとき、第1突起部40は、ガイド側ストッパー46の第1側面54の第1当接領域に当接する。このときも、第1突起部40が、ガイド側ストッパー46と第2突起部42との作用と同様に、第1突起部40とガイド側ストッパー46とが当接するときに、ガイド側ストッパー46にかかる応力が分散されて低減される。
【0046】
なお、本実施形態においては、操作装置26は、ハンドル28の回転を洗浄水タンク18内まで伝達する回転伝達部であるアーム部材32と、アーム部材32と排水弁装置24とを連結し、且つ自身の移動により排水弁装置24の排水弁(図示せず)を開閉させる鎖30と、を備えているアーム式の操作装置を構成しているが、他の実施形態においては、操作装置26は、ハンドル28の回転を洗浄水タンク18内まで伝達する回転伝達部と、この回転伝達部と排水弁装置24とを連結し、且つ自身の移動により排水弁装置24の排水弁(図示せず)を開閉させるワイヤと、を備えたワイヤ式の操作装置により構成されていてもよい。例えば、回転伝達部は回転を伝達するギヤやワイヤを引き上げるプーリ等により構成される。
【0047】
上述のように、本発明の一実施形態による操作装置26によれば、洗浄水タンク18の側壁18aの外側に配置され、且つハンドル28の第1突起部40と回転伝達部ガイド34のガイド側ストッパー46とが配置される領域の外周を覆うカバー36が設けられ、回転伝達部ガイド34のガイド側ストッパー46は、円筒部44の洗浄水タンク18の外側に配置される円筒部分であるつば部48の外径よりも大きな外径の部分を有するように形成されている。これにより、ハンドル28の第1突起部40と回転伝達部ガイド34のガイド側ストッパー46とが当接するときに、ガイド側ストッパー46にかかる応力を分散させて低減させることができる。よって、本実施形態の構成によれば、ガイド側ストッパー46がハンドル28に向けて突出する長さを短くしても耐久性を向上させることができ、第1突起部40とガイド側ストッパー46とが配置される領域の外周を覆うカバー36の厚みを薄くすることができる。従って、洗浄水タンク18の側壁18aの外側に配置されるカバー36のデザイン性をより向上させることができる。
【0048】
また、本発明の一実施形態による操作装置26によれば、ハンドル28が金属製であり、回転伝達部ガイド34が樹脂製である場合に、ガイド側ストッパー46にかかる応力を分散させて低減させることができる。よって、ガイド側ストッパー46を樹脂製とする場合であっても、ガイド側ストッパー46が金属製のハンドル28に向けて突出する長さを短くすると共に耐久性を向上させることができ、第1突起部40とガイド側ストッパー46とが配置される領域の外周を覆うカバー36の厚みを薄くすることができる。従って、洗浄水タンク18の壁面の外側に配置されるカバー36のデザイン性をより向上させることができる。
【0049】
また、本発明の一実施形態による操作装置26によれば、ガイド側ストッパー46の半径方向の幅W1は、円筒部44のつば部48の半径方向の幅W2よりも大きいので、ガイド側ストッパー46にかかる応力をより分散させて低減させることができると共に、ガイド側ストッパー46の耐久性をより向上させることができる。
【0050】
また、本発明の一実施形態による操作装置26によれば、回転伝達部ガイド34のガイド側ストッパー46を樹脂製とする場合に、成形体のガイド側ストッパー46の内部に空洞が発生することを抑制し、ガイド側ストッパー46の強度が低下することを抑制することができる。よって、より強固で信頼性の高いガイド側ストッパー46を提供することができる。
【0051】
また、本発明の一実施形態による操作装置26によれば、ガイド側ストッパー46が円筒部44のつば部48の一部の円弧形状から外側に広がるような扇形状に形成されている。これにより、ガイド側ストッパー46と円筒部44のつば部48との間における応力集中をしにくくし、ガイド側ストッパー46にかかる応力を分散させて低減させることができる。
また、ガイド側ストッパー46は、円筒部44のつば部48の外径よりも外側の領域においても円周方向に対称な扇形状に形成されている。これにより、ハンドル28の一方の回転方向の制限と、他方の回転方向の制限との両方の制限の機能を果たすことができる。また、ガイド側ストッパー46の外径を大きくしていない場合と同様のハンドル28の回転範囲を確保することができる。
さらに、例えばハンドル28を左側用ハンドルから右側用ハンドルに変更した場合等、ハンドル28の回転方向が逆となる場合においても、扇形状のガイド側ストッパー46に右側用ハンドルの第1突起部40を当接させることによりハンドル28の回転を同様の回転範囲に制限することができる。
【0052】
また、本発明の一実施形態による操作装置26によれば、ガイド側ストッパー46は、円筒部44のつば部48の外径よりも外側において第1突起部40の少なくとも一部と当接する第1当接領域及び/又は第2突起部42の少なくとも一部と当接する第2当接領域58を有するので、ガイド側ストッパー46にかかる応力をより低減させることができる。
【0053】
また、本発明の一実施形態による操作装置26によれば、延伸部46bにより、ガイド側ストッパー46と円筒部44のつば部48とが接続されている領域を増加させることができ、ガイド側ストッパー46にかかる応力をより分散させてより低減させることができる。さらに、ガイド側ストッパー46の強度を高めることができ、ガイド側ストッパー46の耐久性をより向上させることができる。
【0054】
つぎに、本発明は、上記操作装置26を備えたことと特徴とする洗浄水タンク装置16である。
このように構成された本発明においては、上記操作装置26を備えた洗浄水タンク装置16を提供することができる。
【0055】
つぎに、本発明は、上記洗浄水タンク装置16を備えたことを特徴とする水洗大便器1である。
このように構成された本発明においては、上記操作装置26を備えた洗浄水タンク装置16を備えている水洗大便器1を提供することができる。