特許第6980182号(P6980182)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6980182
(24)【登録日】2021年11月19日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】超音波ミスト
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/40 20060101AFI20211202BHJP
   B05D 3/12 20060101ALI20211202BHJP
   C23C 16/26 20060101ALI20211202BHJP
   C23C 16/448 20060101ALI20211202BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20211202BHJP
   C01B 32/156 20170101ALN20211202BHJP
【FI】
   H01L21/368 L
   B05D3/12 F
   C23C16/26
   C23C16/448
   H01L21/205
   !C01B32/156
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-232113(P2017-232113)
(22)【出願日】2017年12月1日
(65)【公開番号】特開2019-102648(P2019-102648A)
(43)【公開日】2019年6月24日
【審査請求日】2020年11月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】511187214
【氏名又は名称】株式会社FLOSFIA
(72)【発明者】
【氏名】香取 重尊
(72)【発明者】
【氏名】四戸 孝
(72)【発明者】
【氏名】井川 拓人
【審査官】 長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第107359277(CN,A)
【文献】 特開2016−216332(JP,A)
【文献】 特開2006−227179(JP,A)
【文献】 特開2011−023596(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/40
C23C 16/448
C23C 16/26
B05D 3/12
H01L 21/205
C01B 32/156
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成膜原料と2種以上の溶媒とを少なくとも含む超音波ミストであって、前記溶媒が、第1の溶媒としての芳香族系溶媒と、第1の溶媒より沸点および25℃における粘度が高い第2の溶媒としての非プロトン性極性溶媒とを、第1の溶媒と第2の溶媒との体積比が5:1〜1:1となるように含み、前記成膜原料が環式有機化合物であることを特徴とする超音波ミスト。
【請求項2】
第1の溶媒の25℃における粘度が、1.0mPa・s以下である請求項1記載の超音波ミスト
【請求項3】
第2の溶媒の25℃における粘度が、1.5mPa・s以上である請求項1または2に記載の超音波ミスト。
【請求項4】
第1の溶媒に対する前記成膜原料の25℃における溶解度が、第2の溶媒に対する前記成膜原料の25℃における溶解度よりも高い請求項1〜3のいずれかに記載の超音波ミスト。
【請求項5】
第1の溶媒と第2の溶媒との体積比が4:1〜7:3である請求項1〜4のいずれかに記載の超音波ミスト。
【請求項6】
第1の溶媒の沸点が、180℃以下である請求項1〜のいずれかに記載の超音波ミスト。
【請求項7】
第2の溶媒の沸点が、200℃以上である請求項1〜のいずれかに記載の超音波ミスト。
【請求項8】
成膜原料を含むミストを用いて、基体上に成膜する方法であって、前記ミストとして、請求項1〜のいずれかに記載の超音波ミストを用いることを特徴とする成膜方法。
【請求項9】
前記成膜を、前記ミストをキャリアガスを用いて前記基体上まで搬送し、ついで、前記基体上で前記ミストを反応させて、前記基体上に膜を形成することにより行う請求項記載の成膜方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜原料を含むミストを用いる成膜等に有用な超音波ミストに関する。
【背景技術】
【0002】
液体材料を用いて、半導体膜、絶縁膜等を基体上に成膜する技術が知られており、例えば、スプレー法やスピンコート法等を用いて基体上に成膜する方法が一般的に用いられている。中でも、近年では、フラーレン等の有機材料を簡便に成膜する方法として、フラーレン等の有機材料を溶媒に分散又は溶解させた原料溶液を用いて基体上に成膜することも検討されている。フラーレンはグラファイトと比較して熱伝導率が約100倍低いため、フラーレン膜は通常の炭素膜に比べて好適な熱保護膜としての利用が期待されている。また、フラーレンは電気伝導率が非常に低いため、絶縁膜としての利用や、カラーフィルターの高抵抗ブラックマトリックスとしての用途が期待されている。また、フラーレンは有機n型半導体分子として優れた特性を有することから、有機半導体薄膜としての利用も期待されている。
【0003】
このような有機材料の成膜方法として、特許文献1には、真空蒸着法またはキャスト法を用いて、フラーレン膜を形成することが記載されている。また、キャスト法を用いて成膜する場合の溶媒として、ベンゼン、トルエン、メシチレン等の芳香族炭化水素が例示されている。しかしながら、特許文献1に記載のキャスト法で得られた膜は、表面が粗く、部分的に凝集が生じて膜質が均一でないなど、品質に問題があった。また、キャスト法によって成膜を行う場合には、基板上に形成された塗膜は、そのままでは電子輸送の妨げになる有機溶媒や酸素、水等の残留物が生じてしまうため、熱処理を行う必要があった。そして、熱処理を行った場合には、加熱による相分離によって有機半導体層のネットワーク構造が偶発的に形成されるため、十分な電荷輸送経路が確保できず、有機半導体膜の特性が劣化してしまう課題もあった。なお、真空蒸着法を用いる場合には、真空装置が必要であり、また、高温(500℃以上)で加熱しながら蒸着するため、使用できる基板が制限されてしまうなど、工業的に有用な方法ではなかった。
【0004】
非特許文献1では、フラーレン誘導体(PCBM)と、溶媒としてのクロロベンゼンとを含む原料溶液から、ミストデポジション法を用いて、フラーレン誘導体(PCBM)を含む薄膜を形成することが記載されている。しかしながら、非特許文献1に記載の方法では、ミスト同士が凝集して膜質が低下したり、基板到達前にミスト中の溶媒が蒸発してしまい、安定的に良好な成膜を行うことが困難である問題があった。また、例えば、フラーレンを成膜する場合には、フラーレンそのものを成膜することはできず、フラーレンを化学修飾したフラーレン誘導体でなければ成膜できないため、フラーレン本来の特性を保持した膜を得ることが困難であった。
【0005】
そのため、上記した問題がなく、高い成膜品質で安定的に成膜を行うことができる、工業的に有用な成膜方法が待ち望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平06−029514号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】池之上卓己; 藤田静雄. 超音波噴霧法による透明導電膜および有機薄膜太陽電池の作製.材料,2012,61.9:777−782.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、高い成膜品質で、工業的有利に成膜することができる新規な超音波ミストを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、成膜原料と2種以上の溶媒とを少なくとも含む超音波ミストであって、前記溶媒が、第1の溶媒と、第1の溶媒より沸点および25℃における粘度が高い第2の溶媒とを、第1の溶媒と第2の溶媒との体積比が5:1〜1:1となるように含む超音波ミストを用いて成膜すると、高い成膜品質で、安定的に成膜を行うことができ、例えば、フラーレンそのものを成膜する場合には、フラーレン本来の特性を保持したまま安定的に成膜できることを知見し、このような超音波ミストが、上記した従来の問題を一挙に解決できるものであることを見出した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 成膜原料と2種以上の溶媒とを少なくとも含む超音波ミストであって、前記溶媒が、第1の溶媒と、第1の溶媒より沸点および25℃における粘度が高い第2の溶媒とを、第1の溶媒と第2の溶媒との体積比が5:1〜1:1となるように含むことを特徴とする超音波ミスト。
[2] 第1の溶媒の25℃における粘度が、1.0mPa・s以下である前記[1]記載の超音波ミスト
[3] 第2の溶媒の25℃における粘度が、1.5mPa・s以上である前記[1]または[2]に記載の超音波ミスト。
[4] 第1の溶媒に対する前記成膜原料の25℃における溶解度が、第2の溶媒に対する前記成膜原料の25℃における溶解度よりも高い前記[1]〜[3]のいずれかに記載の超音波ミスト。
[5] 第1の溶媒と第2の溶媒との体積比が4:1〜7:3である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の超音波ミスト。
[6] 前記成膜原料が、有機化合物を含む前記[1]〜[5]のいずれかに記載の超音波ミスト。
[7] 前記成膜原料が、環式有機化合物を含む前記[1]〜[6]のいずれかに記載の超音波ミスト。
[8] 第1の溶媒の沸点が、180℃以下である前記[1]〜[7]のいずれかに記載の超音波ミスト。
[9] 第1の溶媒が、芳香系溶媒である前記[1]〜[8]のいずれかに記載の超音波ミスト。
[10] 第2の溶媒の沸点が、200℃以上である前記[1]〜[9]のいずれかに記載の超音波ミスト。
[11] 第2の溶媒が、非プロトン性極性溶媒である前記[1]〜[10]のいずれかに記載の超音波ミスト。
[12] 成膜原料を含むミストを用いて、基体上に成膜する方法であって、前記ミストとして、前記[1]〜[11]のいずれかに記載の超音波ミストを用いることを特徴とする成膜方法。
[13] 前記成膜を、前記ミストをキャリアガスを用いて前記基体上まで搬送し、ついで、前記基体上で前記ミストを反応させて、前記基体上に膜を形成することにより行う前記[12]記載の成膜方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明の超音波ミストは、高品質な膜を工業的有利に成膜することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例において用いた成膜装置の概略構成図である。
図2】実施例における紫外可視吸収測定の結果を示す図である。
図3】実施例におけるI−V特性の測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の超音波ミストは、成膜原料と2種以上の溶媒とを少なくとも含む超音波ミストであって、前記溶媒が、第1の溶媒と、第1の溶媒より沸点および25℃における粘度が高い第2の溶媒とを、第1の溶媒と第2の溶媒との体積比が5:1〜1:1となるように含むことを特長とする。
【0014】
前記成膜原料は、超音波による霧化が可能なものであれば、特に限定されない。有機化合物を含んでいてもよいし、金属または金属化合物等の無機物を含んでいてもよい。本発明においては、前記成膜原料が、有機化合物を含むのが好ましい。前記有機化合物は、環式有機化合物であっても、非環式有機化合物であってもよいが、本発明においては、環式有機化合物であるのが好ましい。前記環式有機化合物としては、例えば、多環式有機化合物または単環式有機化合物等が挙げられる。前記多環式有機化合物としては、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、メチルナフタレン、エチルナフタレン、ナフタセン、ペンタセン、ピレン、ピセン、トリフェニレン、アンタンスレン、アセナフセン、アセナフチレン、ベンゾピレン、ベンゾフルオレン、ベンゾフェナンスレン、ベンゾフルオロアニセン、ベンゾペリレン、コロネン、クリセン、ヘキサベンゾペリレン、フタロシアニン、ペリレン、ペリノン、アントラキノン、キナクリドン、キナクリドンキノン、ジオキサジン、インジゴ、チオインジゴ、ピランスロン、アンスアンスロン、フラバンスロン、インダンスロン、イソインドリノン、キノフタロンまたはフラーレン等が挙げられる。前記単環式有機化合物としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、フェノール、アルキルフェノール、レゾルシン、ジフェニル、ジフェニルエーテル、アルキルベンゼン、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジンまたはクメン等が挙げられる。本発明においては、前記有機化合物が、環式有機化合物であるのが好ましく、多環式有機化合物であるのがより好ましく、フラーレンであるのが最も好ましい。
【0015】
前記フラーレンは、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、化学修飾されたフラーレン誘導体であっても、化学修飾されていないフラーレンであってもよいが、本発明においては、化学修飾されていないフラーレンであるのが好ましい。前記フラーレンとしては、例えば、C36フラーレン、C60フラーレン、C70フラーレン、C76フラーレン、C78フラーレン、C82フラーレン、C84フラーレン、C90フラーレン、C96フラーレン等が挙げられる。本発明においては、前記フラーレンがC60フラーレンであるのが好ましい。
【0016】
前記超音波ミスト中の前記成膜原料の配合割合は、特に限定されないが、好ましくは、0.001重量%〜80重量%であり、より好ましくは、0.01重量%〜80重量%である。
【0017】
第1の溶媒は、溶媒として用いることができ、第2の溶媒よりも沸点および25℃における粘度が低いものであれば、特に限定されない。水等の無機溶媒であってもよいし、有機溶媒であってもよい。前記水としては、より具体的には、例えば、純水、超純水、水道水、井戸水鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水、海水などが挙げられる。前記有機溶媒としては、より具体的には、例えば、芳香族系溶媒、エーテル系溶媒、鎖式アミド系溶媒、鎖式炭酸エステル系溶媒、鎖式カルバミン酸エステル、カーボネート系溶媒などが挙げられる。前記芳香族系溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼ鎖式カルボン酸エステル系溶媒ン、エチルベンゼン、エチルトルエン類、エチルキシレン類、ジエチルベンゼン類、プロピルベンゼン類等のアルキルベンゼン類、あるいはメチルナフタレン類、エチルナフタレン類、ジメチルナフタレン類等のアルキルナフタレン類、その他アルキルビフェニル類、アルキルアントラセン類、アルキルビフェニルエーテル等が挙げられる。前記エーテル系溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ブチルメチルエーテル、ブチルエチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ヘキシルメチルエーテル、オクチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジシクロペンチルエーテル等の脂肪族エーテル類;アニソール、フェニルエチルエーテル等の脂肪族−芳香族エーテル類;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等の環状エーテル類等が挙げられる。前記鎖状アミド系溶媒としては、例えば、N、N−ジメチルアセトアミド、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジエチルホルムアミド、N、N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミドまたはメチルイミダゾリジノン等が挙げられる。前記鎖式炭酸エステル系溶媒としては、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸メチルプロピル等が挙げられる。前記鎖式カルボン酸エステル系溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチルあるいはトリメチル酢酸エチル等が挙げられる。前記鎖式カルバミン酸エステルとしては、例えば、N,N−ジエチルカルバミン酸メチルあるいはN,N−ジエチルカルバミン酸エチル等が挙げられる。前記カーボネート系溶媒としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられる。本発明においては、第2の溶媒が芳香族系溶媒であるのが好ましく、トリメチルベンゼンであるのがより好ましい。前記トリメチルベンゼンとしては、例えば、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン等が挙げられる。本発明においては、前記トリメチルベンゼンが、1,3,5−トリメチルベンゼンであるのが好ましい。
【0018】
第1の溶媒の25℃における粘度は、第2の溶媒の25℃における粘度よりも低ければ、特に限定されないが、本発明においては、1.0mPa・s以下であるのが好ましい。第1の溶媒の25℃における粘度の下限も特に限定されないが、0.5mPa・s以上であるのが好ましい。なお、「粘度」とは、JIS Z8803に準拠して測定された粘度をいう。また、第1の溶媒の沸点は、第2の溶媒の沸点よりも低ければ、特に限定されない。第1の溶媒の沸点、200℃以下であるのが好ましく、180℃以下であるのがより好ましい。ここで、沸点とは、大気圧下における沸点をいう。また、本発明においては、第1の溶媒に対する前記成膜原料の25℃における溶解度が、第2の溶媒に対する前記成膜原料の25℃における溶解度よりも高いのが好ましい。ここで、溶解度とは、25℃において、第1の溶媒1.0mL中に溶解した前記成膜原料の質量(mg)を意味する。本発明においては、便宜上、第1の溶媒1.0mL中に前記有機化合物を投入していき、飽和濃度以上になった時点で残存する成膜原料の量を前記成膜原料の投入量から差し引いて測定することができる。第1の溶媒に対する前記成膜原料の25℃における溶解度は、1.0mg/mL以上であるのが好ましく、1.5mg/mL以上であるのがより好ましい。
【0019】
第2の溶媒は、溶媒として用いることができ、沸点および25℃における粘度が第1の溶媒よりも高いものであれば、特に限定されない。本発明においては、第2の溶媒が、有機溶媒であるのが好ましく、非プロトン性極性溶媒であるのがより好ましい。前記非プロトン性極性溶媒としては、例えば、ラクタム系溶媒、ラクトン系溶媒、スルホキシド系溶媒、有機リン系溶媒、グリコール系溶媒、およびセロソルブ系溶媒から選ばれる1種または2種以上の溶媒等が挙げられる。前記ラクタム系溶媒としては、例えば、N-メチル−ピロリドン、2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム等が挙げられる。前記ラクトン系溶媒としては、β―ラクトン類、γ―ラクトン類、δ―ラクトン類、ε―ラクトン類などのラクトン類などが挙げられ、具体的には、例えば、γ―ブチロラクトン、γ―バレロラクトン、γ―カプロラクトン、γ―カプリロラクトン、γ―ラウロラクトンなどのγ―ラクトン類、δ―バレロラクトンなどのδ―ラクトン類、又はε―カプロラクトンなどのε―ラクトン類等が挙げられる。前記スルホキシド系溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、メチルフェニルスルホキシドまたはテトラメチレンスルホキシド等が挙げられる。前記有機リン系溶媒としては、テトラメチルホスホリックアミドまたはヘキサメチルホスホリックアミド等が挙げられる。前記グリコール系溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等が挙げられる。前記セロソルブ系溶媒としては、エチルセロソルブアセテートまたはメチルセロソルブアセテート等が挙げられる。本発明においては、第2の溶媒が、ラクタム系溶媒であるのが好ましく、2−ピロリドンであるのがより好ましい。
【0020】
第2の溶媒の25℃における粘度は、第1の溶媒の25℃における粘度よりも高ければ、特に限定されないが、本発明においては、1・5mPa・s以上であるのが好ましく、3.0mPa・s以上であるのがより好ましく、5.0mPa・s以上であるのが最も好ましい。なお、「粘度」とは、JIS Z8803に準拠して測定された粘度をいう。第2の溶媒の沸点は、第1の溶媒の沸点よりも高ければ、特に限定されないが、本発明においては、180℃以上であるのが好ましく、200℃以上であるのがより好ましい。ここで、沸点とは、大気圧下における沸点をいう。また、第2の溶媒に対する前記成膜原料の25℃における溶解度は、1.0mg/mL未満であるのが好ましい。ここで、溶解度とは、25℃において、前記第2の溶媒1.0mL中に溶解した前記成膜原料の質量(mg)を意味する。本発明においては、便宜上、第2の溶媒1.0mL中に前記成膜原料を投入していき、飽和濃度以上になった時点で残存する有機化合物の量を前記成膜原料の投入量から差し引いて測定することができる。
【0021】
前記超音波ミスト中の第1の溶媒の配合割合は、特に限定されないが、0.0001モル%〜90モル%が好ましく、0.001モル%〜50モル%がより好ましい。前記超音波ミスト中の第2の溶媒の配合割合は、特に限定されないが、好ましくは、0.01モル%〜99モル%であり、より好ましくは、 1モル%〜95モル%である。本発明においては、前記超音波ミスト中、第1の溶媒と第2の溶媒との体積比が、5:1〜1:1であれば、特に限定されないが、本発明においては、より良好且つ安定的に成膜を行うことができるため、5:1〜2:1であるのが好ましく4:1〜7:3であるのが最も好ましい。
【0022】
前記超音波ミストは、さらに、添加剤が含まれていてもよい。前記添加剤は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、酸、塩基、溶媒等であってよく、公知の添加剤であってよい。無機材料であってもよいし、有機材料であってもよい。前記酸としては、例えば、弗酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、酢酸、炭酸、蟻酸、安息香酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、亜硫酸、次亜硫酸、亜硝酸、次亜硝酸、亜リン酸、次亜リン酸等のプロトン酸またはこれらの混合物等が挙げられる。また、前記塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムまたはこれらの混合物等が挙げられる。前記溶媒は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、前記非プロトン性極性溶媒または前記芳香族無極性溶媒以外の有機溶媒であってもよいし、無機溶媒であってもよい。有機溶媒と無機溶媒の混合溶媒であってもよい。前記有機溶媒としては、例えば、アルコール類、エステル類、エーテル類等があげられる。前記無機溶媒としては、水等が挙げられ、より具体的には、例えば、純水、超純水、水道水、井戸水鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水、海水などが挙げられる。
【0023】
前記超音波ミストは、前記成膜原料と、第1の溶媒と、第2の溶媒とを少なくとも混合して得られる溶液を、超音波振動を用いて霧化することにより得られる。前記混合手段は特に限定されず、公知の混合手段であってよい。前記超音波振動の周波数は、特に限定されないが、本発明においては、0.1MHz〜5.0MHzであるのが好ましく、1.0MHz〜5.0MHzであるのがより好ましい。また、前記超音波ミストの粒径は、特に限定されず、数mm程度であってもよいが、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは100nm〜10μmである。
【0024】
本発明の超音波ミストを用いることにより、高い成膜品質で、工業的有利に、良質な膜を成膜することができる。より具体的には、例えば、前記超音波ミストから、基体上に直接または他の層を介して、公知の成膜手段を用いて、成膜を行うことができる。前記成膜手段は、特に限定されないが、本発明においては、ミストCVD法が好ましく、より具体的には、前記超音波ミストをキャリアガスで前記基体上まで搬送し(搬送工程)、前記基体上で前記超音波ミストを反応させて、前記基体上に成膜する(成膜工程)方法等が挙げられる。以下、このような好ましい成膜方法についてより詳細に説明する。
【0025】
(基体)
前記基体は、成膜する膜を支持できるものであれば特に限定されない。前記基体の材料も、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の基体であってよく、有機化合物であってもよいし、無機化合物であってもよい。多孔質構造体であってもよい。
【0026】
また、表面の一部または全部の上に、金属膜、半導体膜、導電性膜および絶縁性膜の少なくとも1種の膜が形成されているものも、前記基体として好適に用いることができる。前記金属膜の構成金属としては、例えば、ガリウム、鉄、インジウム、アルミニウム、バナジウム、チタン、クロム、ロジウム、ニッケル、コバルト、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、シリコン、イットリウム、ストロンチウムおよびバリウムから選ばれる1種または2種以上の金属などが挙げられる。半導体膜の構成材料としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムのような元素単体、周期表の第3族〜第5族、第13族〜第15族の元素を有する化合物、金属酸化物、金属硫化物、金属セレン化物、または金属窒化物等が挙げられる。また、前記導電性膜の構成材料としては、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化インジウム(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(In)、酸化タングステン(WO)などが挙げられるが、本発明においては、導電性酸化物からなる導電性膜であるのが好ましく、スズドープ酸化インジウム(ITO)膜であるのがより好ましい。前記絶縁性膜の構成材料としては、例えば、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(Si)、酸窒化シリコン(Si)などが挙げられるが、絶縁性酸化物からなる絶縁性膜であるのが好ましく、チタニア膜であるのがより好ましい。
【0027】
なお、金属膜、半導体膜、導電性膜および絶縁性膜の形成手段は、特に限定されず、公知の手段であってよい。このような形成手段としては、例えば、ミストCVD法、スパッタ法、CVD法(気相成長法)、SPD法(スプレー熱分解堆積法)、蒸着法、ALD(原子層堆積)法、塗布法(例えばディッピング、滴下、ドクターブレード、インクジェット、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、ロールコーター、エアーナイフコート、カーテンコート、ワイヤーバーコート、グラビアコート、インクジェット塗布等)などが挙げられる。
【0028】
前記基体の形状としては、どのような形状のものであってもよく、あらゆる形状に対して有効であり、例えば、平板や円板等の板状、繊維状、棒状、円柱状、角柱状、筒状、螺旋状、球状、リング状などが挙げられるが、本発明においては、基板が好ましい。基板の厚さは、本発明においては特に限定されないが、0.5μm〜100mmが好ましく、1μm〜10mmがより好ましい。前記基板は、板状であって、成膜する膜の支持体となるものであれば特に限定されない。絶縁体基板であってもよいし、半導体基板であってもよいし、金属基板や導電性基板であってもよい。本発明においては、前記基板が、ガラス基板であるのが好ましい。
【0029】
本発明においては、前記基体が、前記導電性膜を表面の一部または全部に含むのが好ましく、前記基体がガラス基板であり、さらに、前記導電性膜を表面の一部または全部に含むのがより好ましく、前記基体がガラス基板であり、さらに、スズドープ酸化インジウム膜を、表面の一部または全部に含むのが最も好ましい。
【0030】
(搬送工程)
搬送工程では、キャリアガスでもって前記超音波ミストを前記基体まで搬送する。前記キャリアガスとしては、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、窒素やアルゴン等の不活性ガス、または水素ガスやフォーミングガス等の還元ガスなどが好適な例として挙げられる。また、キャリアガスの種類は1種類であってよいが、2種類以上であってもよく、流量を下げた希釈ガス(例えば10倍希釈ガス等)などを、第2のキャリアガスとしてさらに用いてもよい。また、キャリアガスの供給箇所も1箇所だけでなく、2箇所以上あってもよい。キャリアガスの流量は、特に限定されないが、0.01〜20L/分であるのが好ましく、1〜10L/分であるのがより好ましい。希釈ガスの場合には、希釈ガスの流量が、0.001〜2L/分であるのが好ましく、0.1〜1L/分であるのがより好ましい。
【0031】
(成膜工程)
成膜工程では、基体上で前記超音波ミストを反応させることによって、基体上に、成膜する。前記反応は、前記超音波ミストが反応さえすればそれでよく、物理的な反応であってもよいし、化学的な反応であってもよい。乾燥による反応であってもよいが、熱による熱反応が好ましく、熱反応は、熱でもって前記超音波ミストが反応すればそれでよく、反応条件等も本発明の目的を阻害しない限り特に限定されない。本工程では、前記熱反応を、通常、300℃以下で行うが、本発明においては、210℃以下が好ましい。なお、下限については、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、100℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましい。また、熱反応は、本発明の目的を阻害しない限り、真空下、非酸素雰囲気下、還元ガス雰囲気下および酸素雰囲気下のいずれの雰囲気下で行われてもよいが、非酸素雰囲気下または酸素雰囲気下で行われるのが好ましい。また、大気圧下、加圧下および減圧下のいずれの条件下で行われてもよいが、本発明においては、大気圧下で行われるのが好ましい。なお、膜厚は、成膜時間を調整することにより、設定することができる。
【0032】
また、本発明においては、前記基体上に、直接、成膜してもよいし、バッファ層(緩衝層)や応力緩和層等の他の層を介して成膜してもよい。バッファ層(緩衝層)や応力緩和層等の他の層の形成手段は、特に限定されず、公知の手段であってよいが、本発明においては、ミストCVD法が好ましい。
【0033】
上記のようにして成膜することで、高い成膜品質で、工業的有利に成膜を行うことができる。また、得られる膜の膜厚も、成膜時間を調整することにより、容易に調整することができる。
【実施例】
【0034】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】
(実施例1)
1.成膜装置
図1を用いて、本実施例で用いた成膜装置1を説明する。成膜装置1は、キャリアガスを供給するキャリアガス源2aと、キャリアガス源2aから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁3aと、キャリアガス(希釈)を供給するキャリアガス(希釈)供給源2bと、キャリアガス(希釈)供給手段2bから送り出されるキャリアガス(希釈)の流量を調節するための流量調節弁3bと、原料溶液4aが収容されるミスト発生源4と、水5aが入れられる容器5と、容器5の底面に取り付けられた超音波振動子6と、ホットプレート8と、ホットプレート8上に載置された基板10と、ミスト発生源4から基板10近傍までをつなぐ供給管9とを備えている。
【0036】
2.原料溶液の作製
C60フラーレンをメシチレン(粘度:約1.0mPa・s、25℃におけるC60フラーレンの溶解度:1.5mg/mL)および2−ピロリドン(粘度:約13.3mPa・s、25℃におけるC60フラーレンの溶解度:約0mg/mL)に混合し、これを原料溶液とした。なお、溶液中のメシチレンと2−ピロリドンの混合比は、3:1(体積比)とし、溶液中のC60フラーレンの濃度は1.4×10−3mol/Lとした。
【0037】
3.成膜準備
上記2.で得られた原料溶液4aを、ミスト発生源4内に収容した。次に、基板10として、ガラス/ITO基板(20mm×25mm)をホットプレート8上に設置し、ホットプレート8を作動させて基板10の温度を210℃にまで昇温させた。次に、流量調節弁3aおよび3bを開いて、キャリアガス供給源2aから供給されるキャリアガスの流量を2.0L/分に、キャリアガス(希釈)2bから供給されるキャリアガス(希釈)の流量を4.0L/分に調節した。なお、キャリアガスとして窒素を用いた。
【0038】
4.フラーレン膜の成膜
次に、超音波振動子6を2.4MHzで振動させ、その振動を、水5aを通じて原料溶液4aに伝播させることによって、原料溶液4aを霧化させてミスト4bを生成させた。このミスト4bが、キャリアガスによって、供給管9内を通って、基板10へと搬送され、大気圧下、210℃にて、基板10近傍でミストが熱反応して、基板10上にフラーレン膜が形成された。なお、得られたフラーレン膜の膜厚は約50nmであった。
【0039】
5.評価
上記4.にて得られたフラーレン膜につき、紫外可視吸収測定を行った。その結果を図2に示す。図2から分かるように、得られたフラーレン膜は、波長300nm〜400nmの間に吸光ピークを有していた。また、得られたフラーレン膜につき、トランジスタ出力特性を測定した。その結果を図3に示す。図3からわかるように、得られたフラーレン膜は、ゲート電圧が0Vから60Vまで増加するに従ってドレイン電流が変調しており、良好なn型半導体特性を有していた。
【0040】
(実施例2)
成膜温度を、180℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、フラーレン膜を成膜した。得られたフラーレン膜につき、実施例1と同様にして、紫外吸収測定を行った。その結果を図2に示す。図2から分かるように、実施例2で得られたフラーレン膜は、波長300nm〜400nmの間に吸光ピークを有していた。
【0041】
(実施例3〜4)
実施例3、実施例4として、実施例1の成膜温度をそれぞれ150℃、120℃としたこと以外は、それぞれ実施例1と同様にして、フラーレン膜を成膜した。得られたそれぞれのフラーレン膜につき、実施例1と同様にして、紫外可視吸光測定を行ったところ、得られたフラーレン膜はいずれも、波長300nm〜400nmの間に吸光ピークを有していた。
【0042】
(実施例5〜8)
実施例5〜8として、実施例1〜4のメシチレンと2−ピロリドンとの混合比をそれぞれ、4:1(体積比)としたこと以外は、実施例1〜4とそれぞれ同様にして、フラーレン膜を成膜した。得られたそれぞれのフラーレン膜につき、実施例1と同様にして、紫外可視吸光測定を行ったところ、得られたフラーレン膜は、いずれも波長300nm〜400nmの間に吸光ピークを有していた。
【0043】
(実施例9〜12)
実施例9〜12として、実施例1〜4のメシチレンと2−ピロリドンとの混合比をそれぞれ、7:3(体積比)としたこと以外は、実施例1〜4とそれぞれ同様にして、フラーレン膜を成膜した。得られたそれぞれのフラーレン膜につき、実施例1と同様にして、紫外可視吸光測定を行ったところ、得られたフラーレン膜は、いずれも波長300nm〜400nmの間に吸光ピークを有していた。
【0044】
(比較例1)
メシチレンと2―ピロリドンとの混合比を、10:1(体積比)としたこと以外は、実施例1と同様にして、成膜を行った。その結果、膜質が非常に悪く、成膜レートも実施例1の1/10以下であった。
【0045】
(比較例2)
メシチレンと2−ピロリドンの混合比を、2:3(体積比)としたこと以外は、実施例1と同様にして、成膜を行った。その結果、ミストがほとんど生成されず、成膜することができなかった。
【0046】
(比較例3)
メシチレンのみを溶媒として用いたこと以外は、実施例1と同様にして、成膜を行った。その結果、膜が全く付かず、密着性も悪かった。また、成膜レートも実施例1の1/10以下であった。
【0047】
(比較例4)
2−ピロリドンのみを溶媒として用いたこと以外は、実施例1と同様にして、成膜を行った。しかしながら、C60フラーレンが溶媒にほとんど溶けず、さらに霧化することも困難であり、成膜することができなかった。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の超音波ミストを用いることにより、高い成膜品質で、工業的有利に成膜することができ、特に、低温、大気圧および非真空で成膜することができるので、基板等の制限もなく、種々の幅広い分野に利用可能である。また、本発明の超音波ミストを用いて得られた膜を、例えば光電変換装置等に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 成膜装置
2a キャリアガス源
2b キャリアガス(希釈)源
3a 流量調節弁
3b 流量調節弁
4 ミスト発生源
4a 原料溶液
4b ミスト
5 容器
5a 水
6 超音波振動子
8 ホットプレート
9 供給管
10 基板

図1
図2
図3