【実施例1】
【0019】
本発明に係る被締付部材緊解機は、
図1から
図5に示すように、主に、レールR上を走行可能な車輪部12を有する搬送車10と、レールRの被締付部材Bを締め付ける又は緩める際に回転力を付与する締付工具20と、締付工具20に連結されるソケット30と、締付工具20を上下動可能とする駆動部50と、締付工具20の回転時に、締付工具20の軸心を移動可能とする移動手段60とを備えてなる。
【0020】
搬送車10は、
図1に示すように、被締付部材Bの締め付け作業又は緩め作業を行う所定位置まで鉄道線路のレールR上を走行可能とするものである。当該搬送車10における基台11の下方側には、レールR上を走行可能な一対の車輪部12と位置ずれ防止機構13とが設置される。
【0021】
また、搬送車10における基台11の上方側には、走行時における夫々のレールRの上方に位置するユニット部14と、搬送車10を操作する操作部15と、締付工具20及び駆動部50を制御する制御部16と、制御部16、ユニット部14に設置される締付工具20及び駆動部50等を駆動させる電源部17とが設置される。
【0022】
締付工具20は、
図2から
図5に示すように、制御部16及び電源部17に連結されており、レールRの被締付部材Bを締め付ける又は緩める際に回転力を付与するものである。当該締付工具20は、例えば、衝撃式締付工具、ナットランナ等からなり、制御部16の駆動制御情報によって、所定の回転数及び所定のトルクで回転し、駆動部50によって、所定の速度で上下動する。
【0023】
締付工具20は、各レールRにおける左右両端部に固定される被締付部材Bの位置に対応するようにして、ユニット部14内にて上下方向に設置されている。本実施例においては、夫々のレールRが左右2本の被締付部材Bによって固定されているため、ユニット部14には2台の締付工具20が設置されている。すなわち、ユニット部14は、レールRの本数に応じて搬送車10に複数設置されている。
【0024】
また、締付工具20は、ユニット部14内にて、後述する移動手段60に連結されており、レールRを固定する被締付部材Bと締付工具20の軸心相互が合致しない場合であっても、当該移動手段60によって移動可能となるよう構成されている。
【0025】
ソケット30は、締付工具20の下端に連結されており、レールRの被締付部材Bに嵌合することで、締付工具20から伝達される回転力によって、被締付部材Bを締め付ける又は緩めるものである。当該ソケット30は、締め付け作業又は緩め作業の際に、被締付部材Bに移動するまでの移動距離を短くするため、
図1に示すように、搬送車10の基台11から下方側へ突出するようにして締付工具20に設置されることが望ましいが、これに限られるものではない。
【0026】
ソケット30は、
図6及び
図7に示すように、締付工具20に連結されるソケット連結部31と、付勢手段33を介してソケット連結部31に対して可動可能となるソケット先端部32とから構成される。より詳細には、ソケット30は、ソケット連結部31がソケット先端部32に近接するよう下方へ可動させる作用力が付与された際に、ソケット連結部31とソケット先端部32との間で付勢手段33による付勢力を蓄積し、当該作用力が除去されると、蓄積された付勢力によって、ソケット連結部31を基準として、ソケット先端部32が下方へと可動するよう構成される。
【0027】
具体的には、同図に示すように、ソケット連結部31における上端部の中心部には、締付工具20の係合部(図示しない)を係合可能とする係合孔(図示しない)が形成されており、ソケット連結部31の下端部には下方へ突出する軸部34が設けられている。また、当該軸部34の下方側には、軸部34の軸心に直交するようにして案内ピン35が突出して設けられる。
【0028】
また、ソケット先端部32は、ソケット連結部31の軸部34を挿通し得るよう、略筒状に形成される基体部36を有してなり、当該基体部36には軸部34の案内ピン35を挿通し得る案内孔37が上下方向に形成されている。ソケット連結部31は、基体部36を介してソケット先端部32に連結される。また、基体部36は、下端部が外径方向へと拡径するよう形成されており、前記被締付部材頭部と対向する底面とを有し、この基体部36の底面38には、締付工具20の回転時に被締付部材頭部B1と摺接する誘導部39と、誘導部39から偏心して被締付部材頭部B1の外形に嵌合可能な嵌合部40とが形成されている。このとき、嵌合部40は、嵌合部40の中心が締付工具20の軸心に対して略同一直線上に位置するよう形成される。
【0029】
当該誘導部39は、基体部36の底面38に対して凹状となるよう段差を介して円形状に形成されるとともに、誘導部39の領域内にて、嵌合部40の中心とソケット30の軸心とが略同一直線状となるよう、嵌合部40が誘導部39の上方側に連設される。すなわち、誘導部39の中心が嵌合部40の中心から外径方向へ偏心するようにして形成されるとともに、被締付部材頭部B1の外形に嵌合するよう多角形状に形成される嵌合部40の開口部と誘導部39の一部が連通するようにして形成される。
【0030】
このとき、嵌合部40は、締付工具20の回転時に誘導部39の内側面が形成する回転軌跡の内側位置に近接して形成される。換言すると、誘導部39の領域内にて、誘導部39の内側面に近接又は接する位置で形成される。これにより、締付工具20の回転時に、被締付部材頭部B1が誘導部39の内側面に摺接することで、被締付部材頭部B1を嵌合部40へと誘導することができる。
【0031】
また、誘導部39は、被締付部材頭部B1の保持を容易にするために、基体部36の底面38に対して可能な範囲においてその径を大きく形成することが望ましい。さらに、誘導部39と嵌合部40の境界には、誘導部39から嵌合部40へと被締付部材頭部B1を円滑に誘導するためのテーパ部41を設けることが望ましい。
【0032】
このようにして構成されるソケット連結部31とソケット先端部32は、ソケット連結部31における軸部34の案内ピン35をソケット先端部32における基体部36の案内孔37に挿通するとともに、ソケット連結部31とソケット先端部32との間に付勢手段33となるバネ等の弾性部材を介在させることでソケット30が構成される。これにより、ソケット連結部31とソケット先端部32との軸心を同一直線状に配置することができ、締付工具20の回転力を同軸上にて、ソケット先端部32へと伝達することができる。
【0033】
駆動部50は、
図2から
図5に示すように、制御部16及び電源部17に連結されており、締付工具20を上下動可能とするものである。当該駆動部50は、ユニット部14内にて、締付工具20の回転時に、締付工具20の軸心を移動可能とする移動手段60に設置されている。換言すると、移動手段60は、ユニット部14内で駆動部50によって締付工具20とともに上下動可能となるよう構成されている。ここで、締付工具20、駆動部50及び移動手段60等を収容するユニット部14について説明する。
【0034】
ユニット部14は、
図1から
図5に示すように、下方が開口した略八角形状の筒状体14aから形成されており、上下方向に配設した状態で駆動部50を支持する上方支持板14b及び下方支持板14cが上方側及び下方側に設けられている。また、上方支持板14bと下方支持板14cとの間には、複数のガイド部14dが上下方向に設置されており、複数の可動テーブル等から構成される移動手段60におけるベース部61の端部にガイド部14dが設置される。また、当該ベース部61の略中央部には、駆動部50の下端部が連結される。これにより、移動手段60は、駆動部50に連結されるベース部61を介して上下動可能とされる。
【0035】
移動手段60は、
図5に示すように、主に、駆動部50に連結されるベース部61に対して可動可能に固定される第1可動テーブル62と、第1可動テーブル62と相違する方向へ可動可能に固定される第2可動テーブル63とから構成される。具体的には、ベース部61と第1可動テーブル62には、ベース部61に対して、締付工具20を前後方向(Y方向)へ移動させる前後方向移動手段が設けられる。また、第1可動テーブル62と第2可動テーブル63には、ベース部61に対して、締付工具20を左右方向(X方向)へ移動させる左右方向移動手段が設けられる。これにより、締付工具20は、ベース部61に対して、前後、左右方向へと移動可能とされる。
【0036】
より詳細には、ベース部61は、
図2及び
図5に示すように、前後方向に延びて略矩形状に形成されており、前後両端部がガイド部14dに摺動可能に連結されるとともに、略中央部が駆動部50に連結されている。また、
図2から
図5に示すように、ベース部61における下方の左右両端部には、前後方向移動手段を介して第1可動テーブル62が設置されている。前後方向移動手段は、例えば、ベース部61の前後方向(Y方向)に沿って設けられる第1レール64と、第1レール64に摺動可能とされる第1ブロック65とから構成されるが、ベース部61に対して第1可動テーブル62が前後方向(Y方向)に直動可能となるものであれば、これに限られるものではない。
【0037】
第1可動テーブル62は、
図2及び
図5に示すように、締付工具20を配設させるスペースを確保するよう、略L字状に形成される。具体的には、第1可動テーブル62は、ベース部61の下方にて、前後方向移動手段の第1ブロック65に連結される基端部66と、当該基端部66の一端から直交するよう延設される延設部67とからなる。
【0038】
また、
図4及び
図5に示すように、第1可動テーブル62の延設部67における下方には、左右方向移動手段を介して第2可動テーブル63が設置されている。左右方向移動手段は、例えば、延設部67の左右方向(X方向)に沿って設けられる第2レール68と、第2レール68に摺動可能とされる第2ブロック69とから構成されるが、第1可動テーブル62に対して第2可動テーブル63が左右方向(X方向)に直動可能となるものであれば、これに限られるものではない。
【0039】
第2可動テーブル63は、
図2及び
図5に示すように、略中央部に締付工具20を配設させるスペースを有して略四角状に形成される。具体的には、第2可動テーブル63は、第1可動テーブル62における延設部67の下方にて、一端部が左右方向移動手段の第2ブロック69に連結されるとともに、他端部が延設部67と同方向に突出して設けられる後述のテーブル支持部70に連結される。
【0040】
このようにして構成される移動手段60は、同図に示すように、ベース部61を介して対称となるように設置される。また、前方側に配設される第1可動テーブル62の延設部67と、後方側にて第1可動テーブル62の下方に設置されるテーブル支持部70との間に位置する第2可動テーブル63に締付工具20を配設させることができるので、省スペース化を図ることができる。
【0041】
また、これらの移動手段60は、締付工具20が前後方向移動手段、左右方向移動手段によって移動した際に、移動後の締付工具20の軸心を移動前の原点位置へと復帰させる原点復帰手段を備えてなる。
【0042】
原点復帰手段は、締付工具20が前後方向(Y方向)へ移動した際に、移動後の締付工具20の軸心を移動前の位置へと復帰させる前後方向原点復帰手段71と、締付工具20が左右方向(X方向)へ移動した際に、移動後の締付工具20の軸心を移動前の位置へと復帰させる左右方向原点復帰手段72とから構成される。
【0043】
前後方向原点復帰手段71は、ベース部61に対する第1可動テーブル62の移動に伴って、その移動分に相当する付勢力が蓄積されるとともに、第1可動テーブル62の移動後において、当該付勢力が作用することで第1可動テーブル62を移動前の位置へと復帰させるものである。
【0044】
具体的には、
図2、
図3、
図5及び
図8に示すように、ベース部61と第1可動テーブル62とがベース部61に対して摺動可能な連結部73によって連結され、当該連結部73の前後方向(Y方向)に設けられる前方端部74と後方端部75との間に連結部73を挿通する連結軸76が設けられている。また、前方端部74、後方端部75と連結部73との間には、連結軸76に沿って前後復帰用付勢手段77となるバネ等の弾性部材が夫々設けられており、連結部73の移動に応じて、当該バネが押圧されて収縮することで付勢力を蓄積できる構成としている。これにより、第1可動テーブル62における前後方向の移動後において、当該付勢力が作用してバネが伸長し連結部73を押圧することで、連結部73とともに第1可動テーブル62が協動し、移動前の位置へと復帰することができる。
【0045】
左右方向原点復帰手段72は、第1可動テーブル62に対する第2可動テーブル63の移動に伴って、その移動分に相当する付勢力が蓄積されるとともに、第2可動テーブル63の移動後において、当該付勢力が作用することで第2可動テーブル63を移動前の位置へと復帰させるものである。
【0046】
具体的には、同図に示すように、テーブル支持部70が連結される側の第2可動テーブル63における前方又は後方の側面部には、当該側面部を上下側面から抱持するようにしてピッチ調整部78が摺動可能に設置されている。また、当該ピッチ調整部78には、外側方向に進退可能となるよう把持部79が設けられており、第2可動テーブル63の側面部に形成される凹部80に把持部79を係合させることで、ピッチ調整部78を第2可動テーブル63に固着している。
【0047】
また、第1可動テーブル62の基端部66には、ピッチ調整部78の上端面側に向けて屈曲して形成されるアーム部81が設けられている。そして、当該アーム部81とピッチ調整部78とを左右復帰用付勢手段82となるバネ等の弾性部材で連結し、ピッチ調整部78が固着される第2可動テーブル63の移動に応じて、当該バネが伸長することで付勢力を蓄積できる構成としている。これにより、第2可動テーブル63における左右方向の移動後において、当該付勢力が作用してバネが収縮することで、ピッチ調整部78とともに第2可動テーブル63が協動し、移動前の位置へと復帰することができる。
【0048】
また、ピッチ調整部78は、
図5に示すように、テーブル支持部70に設けられる切欠部83内に設置されている。当該切欠部83は、第2可動テーブル63の移動に伴ってピッチ調整部78が移動することで切欠部83の両端部に当接し、これにより第2可動テーブル63の移動を規制するために設けられる。また、第2可動テーブル63の側面部には、複数個の凹部80が形成されており、凹部80に対する把持部79の係合位置を変更することでピッチ調整部78の設置位置を変更することができるよう構成している。これにより、左右方向(X方向)において、ベース部61に対する第2可動テーブル63の位置を予め調整することができる。
【0049】
本実施例においては、同図に示すように、前後方向原点復帰手段71及び左右方向原点復帰手段72は、ユニット部14内における一方の締付工具20に設置されるものであったが、これに限られるものではなく、各締付工具20に対して夫々設置することができるのは勿論である。また、締付工具20に対して、前後方向原点復帰手段71と左右方向原点復帰手段72のいずれか一方のみを設置することもできる。
【0050】
このようにしてユニット部14の移動手段60と原点復帰手段が構成されており、
図3及び
図4に示すようにして、締付工具20の係合部(図示しない)を下方側に配設した状態で、締付工具20が第2可動テーブル63の貫通孔(図示しない)に挿通されて設置されるとともに、当該係合部にソケット30が連結される。
【0051】
このようにして構成される被締付部材緊解機は、レールRを固定する所定位置における被締付部材Bの締め付け作業又は緩め作業の情報を入力するための作業情報入力装置(図示しない)を制御部16に備えてなる。そして、制御部16は、夫々の締付工具20、駆動部50への駆動制御情報を出力するとともに、操作パネル(図示しない)等からの作業情報を入力できるよう構成されている。
【0052】
次に、被締付部材緊解機を用いて行う被締付部材Bの締め付け作業について、
図2、
図6から
図8に基づいて説明する。まず、作業員によって、所定の被締付部材B位置までレールR上の搬送車10を走行させる。
【0053】
そして、搬送車10の上下方向(Z方向)において、被締付部材Bの軸心と、締付工具20の軸心とを略合致させた状態とし、制御部16から駆動制御情報が出力されると、締付工具20とともにソケット30が回転し、駆動部50によって両者が下降し始める。このとき、制御部16によって、複数の締付工具20を同時に下降させることもできるし、基準とする締付工具20のみを下降させることもできる。
【0054】
そして、ソケット30が回転しながら下降していくことから、ソケット先端部32の底面38が被締付部材頭部B1に当接すると、
図6に示すように、当該回転によって誘導部39内に被締付部材頭部B1が誘導された状態となる。そして、当該状態において、駆動部50によって締付工具20がさらに下降することから、被締付部材頭部B1をソケット先端部32の誘導部39にて下方へ押圧し、締付工具20がさらに下降することで、付勢手段33の付勢力が蓄積された状態となる。このとき、ソケット30においては、ソケット先端部32を被締付部材頭部B1に当接させてから、ソケット30を回転させることができるのは勿論である。
【0055】
また、ソケット先端部32においては、締付工具20に連結される前後方向移動手段及び左右方向移動手段が作用することで、当該回転によって誘導部39の内側面に被締付部材頭部B1が摺接するとともに、ソケット先端部32が連動して移動する。そして、ソケット先端部32が所定位置まで移動すると、被締付部材Bの軸心と締付工具20の軸心とが上下方向(Z方向)において近接した状態となる。後に、誘導部39と嵌合部40の境界に形成されるテーパ部41の領域に被締付部材頭部B1が位置するまでソケット先端部32が移動すると、当該テーパ部41に被締付部材頭部B1が誘導されて、被締付部材頭部B1の外形と嵌合部40とが合致し、且つ、被締付部材Bの軸心と締付工具20の軸心とが合致した状態となる。
【0056】
係る状態においては、駆動部50によって、締付工具20がさらに下降しているものの、被締付部材頭部B1と嵌合部40が嵌合する際、一時的にソケット先端部32の誘導部39と被締付部材頭部B1との当接状態が解除される。これにより、蓄積された付勢力が作用し、ソケット先端部32を下方へと可動させて、
図7に示すように、被締付部材頭部B1と嵌合部40の上端が当接し、嵌合部40との嵌合状態を維持する。
【0057】
そして、当該嵌合状態にて、駆動部50によって、締付工具20が回転しながらさらに下降することで、被締付部材Bの締め付けが行われる。そして、締付工具20が所定のトルクを検出するか、駆動部50による締付工具20の所定の下降時間を検出等することで、被締付部材Bの締め付け作業が終了する。
【0058】
締め付け作業終了後においては、駆動部50によって締付工具20が上方へと可動するとともに、前後方向移動手段及び左右方向移動手段の移動量に伴って、前後方向原点復帰手段71及び左右方向原点復帰手段72が作用して、締付工具20の軸心を移動前の原点位置へと復帰させる。
【0059】
一方、被締付部材Bの緩め作業においては、締付工具20の回転方向、駆動部50による締付工具20の可動が相違する点を除いて、被締付部材Bの締め付け作業と略同様であるので、その説明を省略する。
【0060】
以上、説明した本発明に係る被締付部材緊解機によれば、誘導部39と嵌合部40を有するソケット30と、締付工具20の軸心を移動可能とする移動手段60とを備えるので、被締付部材Bの配置間隔等によって、被締付部材Bの軸心と締付工具20の軸心が合致しない場合であっても、ソケット30が回転に伴って被締付部材B位置へと移動して両者の軸心を合致させることができ、容易に締め付け作業又は緩め作業を行うことができる。これにより、作業者の負担を軽減することができ、結果として、作業員の人員削減、設備投資の削減を図ることができる。
【実施例2】
【0061】
第2の実施例に係る被締付部材緊解機は、基本的な構成は第1の実施例と同様であるが、ソケット先端部32の構成が異なる。具体的には、
図9に示すように、誘導部39は、基体部36の底面38に対して凹状となるよう段差を介して形成され、ソケット先端部32の底面38の縁において嵌合部40の軸心側から径方向外側にわたって被締付部材頭部B1を嵌合可能となるよう底面38に凹設された凹設部42を有する。凹設部42は、締付工具20の回転時に被締付部材頭部B1に嵌合するように被締付部材頭部B1の最大外形よりも大きく凹設される。
【0062】
凹設部42を備えたソケット30が回転しながら下降すると、ソケット先端部32の底面38が被締付部材頭部B1に当接し、
図9に示すように、当該回転によって、凹設部42に嵌入される。そして、凹設部42に嵌入された被締付部材頭部B1の軸心が、凹設部42より内側にある場合は、回転力により被締付部材頭部B1が嵌合部40に引き寄せられる。一方、凹設部42に嵌入された被締付部材頭部B1の軸心が、凹設部42より外側にある場合は、回転力により被締付部材頭部B1が凹設部42から弾き出される。
【0063】
つまり、誘導部39の縁に前述の凹設部42を設けることで、被締付部材頭部B1を必ずしも誘導部39に収める必要がなくなり、被締付部材頭部B1の軸心が、凹設部42の縁より内側にあれば、ソケット30が回転に伴って被締付部材頭部B1位置へと移動して、容易に締付作業又は緩め作業を行うことができる。
【0064】
上記実施例1及び2において、搬送車10、ソケット30、移動手段60の構造等を適宜変更して実施することが可能である。例えば、搬送車10においては、作業員によって、所定の被締付部材Bの位置までレールR上を走行させるものであったが、搬送車10に車輪部12を駆動させる車輪駆動装置、被締付部材Bの位置を検出する検出装置等を設置して、被締付部材Bの位置まで搬送車10を自走させる構成とすることもできる。
【0065】
また、ソケット30においては、ソケット連結部31とソケット先端部32との間で付勢力を蓄積し得る付勢手段33を備えるものであったが、締付工具20の下降状態を制御部16によって制御することで、付勢手段33を備えない構成とすることもできる。具体的には、ソケット30が被締付部材頭部B1に当接するまで締付工具20が下降させ、当接後に当該下降を停止するよう制御するとともに、誘導部39から嵌合部40へと移動し、被締付部材頭部B1が略嵌合した状態で締付工具20を再度下降するよう制御する。このようにして、締付工具20を段階的に下降させて、被締付部材Bの締め付け作業又は緩め作業を行うこともできる。
【0066】
また、誘導部39においては、円形状に形成されるものであったが、これに限られるものではない。例えば、誘導部39を楕円形状とすることもできるし、多角形状、又はこれらの複数を適宜組み合わせた形状等、その他の形状とすることができるのは勿論である。例えば、誘導部39は、ソケット先端部32の底面視にて、嵌合部を40を中心とした外径方向に広がる2つの円弧等から形成することもできるし、これに限られない。このようにして、嵌合部40に対して複数の誘導部39を設けることで、被締付部材頭部B1が嵌合部40に嵌合するまでの作業時間を短縮することができる。誘導部39は、締付工具20の回転に応じて、内側面に摺接される被締付部材頭部B1を嵌合部40へと誘導し得る形状であればよい趣旨である。
【0067】
また、移動手段60においては、ベース部61に対して前後方向(Y方向)、左右方向(X方向)に移動するものに限られることなく、斜め方向を含んだあらゆる方向へ締付工具20の軸心が移動可能となるよう、ベース部61に継手等を設置した構成とすることができるのは勿論である。係る際において、第2可動テーブル63に締付工具20が設置されるものであったが、これに限られることなく、第1可動テーブル62に設置することができるのは勿論である。
【0068】
また、被締付部材緊解機は、搬送車10を用いてレールR上を走行させるものであったが、搬送車10を備えない構成とすることもできる。具体的には、ソケット30を有する締付工具20と、駆動部50と移動手段60とを少なくとも備えていればよい趣旨である。これにより、自動車工場等において、ライン上に搬送されるタイヤ等の被締付部材Bに対しても、締め付け作業又は緩め作業を行うことができる。係る際において、締付工具20の可動方向を上下又は左右動可能とすることができるのは勿論である。
【0069】
また、一部構成を省略することができるし、一部抽出した構成とすることができるのは勿論である。