(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6980251
(24)【登録日】2021年11月19日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】カップ状容器への小袋供給方法
(51)【国際特許分類】
B65B 5/08 20060101AFI20211202BHJP
【FI】
B65B5/08
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-116835(P2017-116835)
(22)【出願日】2017年6月14日
(65)【公開番号】特開2019-1497(P2019-1497A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2020年6月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000136387
【氏名又は名称】株式会社フジキカイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】余吾 篤也
(72)【発明者】
【氏名】松尾 智子
【審査官】
吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−037253(JP,A)
【文献】
特開2018−016386(JP,A)
【文献】
特開昭59−166034(JP,A)
【文献】
特開2006−016041(JP,A)
【文献】
特開平08−085508(JP,A)
【文献】
特開平08−113218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カップ状容器への小袋供給方法であって、
食材が包装された複数の小袋が重なった物品となるよう、前記カップ状容器の開口の大きさに対応し、上方が開放した開放部を有するとともに前後に開口が形成された樋状の収容具に、
前記小袋を前記収容具の収容領域に収容させるに際し、前記小袋の中央部を保持し、前記収容具における前記開放部の開口端縁に前記小袋を当接させ、保持した前記小袋の中央部を起点として変形して折れ曲がるようにして前記小袋を上方から収容し、
該収容具には前記物品の縁部が前記収容具の収容領域から外側へ飛び出すのを規制して前記複数の小袋を重ねると共に小袋の一部を変形し複数の小袋を抱き合わせて収容され、
前記収容具における開口の一方端である送出口が、前記カップ状容器の開口で覆われた状態となるように位置づけ、
前記収容具に収容した前記物品を前記収容具の送出口からカップ状容器に向けて供給し、
前記物品を前記カップ状容器の開口から底面に達する位置まで詰めるようにしたカップ状容器への小袋供給方法。
【請求項2】
前記収容具における収容領域内において、前記物品の縁部を引掛けて、前記物品の移動を規制して前記収容領域から外側へ飛び出すのを規制するようにした請求項1に記載のカップ状容器への小袋供給方法。
【請求項3】
前記収容具の送出口から、前記物品を前記カップ状容器の開口に向けて押し出すようにした請求項1または請求項2に記載のカップ状容器への小袋供給方法。
【請求項4】
前記収容具を複数並べ、複数の前記カップ状容器に一括で前記物品を供給するようにした請求項1から請求項3のいずれかに記載のカップ状容器への小袋供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カップ状容器への小袋供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カップ状容器に味噌と具材とを収容したインスタント食品であるカップみそ汁がコンビニなどで販売されており、その需要が高まりつつある。このようなカップみそ汁は、味噌とその具材とがそれぞれの収容量に応じて大きさの異なる小袋や商品品種などによって異なる小袋がカップ状容器内に詰め合わされて蓋が閉められている。そして、このカップ状容器への小袋の詰め合わせ作業および蓋閉め作業は、従来では複数の作業者による手作業に頼っており、生産効率に問題があり、また生産数にも限りがある。これは、味噌や具材などの食品の性状などに応じて袋素材や袋サイズが異なる複数の小袋を、カップ状容器の口から容器内へ纏めて供給することが困難で、これまでは手作業に頼らざるを得なかった。昨今人手不足が深刻化してきており、このような多くの作業者による手作業に代わる自動化技術の開発が希求されている。そして、このようなカップ状容器内への詰め合わせ作業を自動化する提案はいまだになされていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、カップ状容器への食材が包装された複数の小袋供給の自動化が可能なカップ状容器への小袋供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明のカップ状容器への小袋供給方法は次の手段をとる。先ず請求項1に係る発明は、カップ状容器への小袋供給方法であって、食材が包装された複数の小袋(P)が重なった物品(W)となるよう、前記カップ状容器(70)の開口(72)の大きさに対応した樋状の収容具(50)に収容し、食材が包装された複数の小袋(P)が重なった物品(W)となるよう、前記カップ状容器(70)の開口(72)の大きさに対応し、
上方が開放した開放部(55)を有するとともに前後に開口が形成された樋状の収容具(50)に、
前記小袋(P)を前記収容具(50)の収容領域(51)に収容させるに際し、前記小袋(P)の中央部を保持し、前記収容具における前記開放部(55)の開口端縁(56)に前記小袋(P)を当接させ、保持した前記小袋(P)の中央部を起点として変形して折れ曲がるようにして前記小袋(P)を上方から収容し、該収容具(50)には前記物品(W)の縁部(PL、PR)が前記収容具(50)の収容領域(51)から外側へ飛び出すのを規制して前記複数の小袋(P)を重ねると共に小袋(P)の一部を変形し複数の小袋(P)を抱き合わせて収容され、
前記収容具(50)における開口の一方端である送出口(52)が、前記カップ状容器(70)の開口(72)で覆われた状態となるように位置づけ、前記収容具(50)に収容した前記物品(W)を前記収容具(50)の送出口(52)からカップ状容器(70)に向けて供給し、前記物品(W)を前記カップ状容器(70)の開口(72)から底面(74)に達する位置まで詰めるようにした。
【0005】
この請求項1に係る発明によれば、カップ状容器(70)に対し、複数の小袋(P)を各小袋(P)が抱き合わされた状態でばらけることなくカップ状容器(70)の底部(74)まで良好に供給することができる。カップ状容器(70)に供給する際に、カップ状容器(70)の開口(72)周りと引っ掛かることなく、物品(W)をまとめて良好に供給することができる。カップ状容器(70)への食材が包装された複数の小袋供給の自動化技術を得ることができる。
【0007】
また、収容具(50)の収容領域(51)に小袋(P)を重ね合わせて効率的に物品(W)とすることができる。複数の小袋(P)を収容具(50)に収容した状態のままカップ状容器(70)の開口(72)まで良好に案内することができる。
【0009】
また、小袋(P)を開放部(55)の開口端縁(56)に接触させて収容させることから、開放部(55)より大きなサイズの小袋(P)でも良好に収容具(50)へ収容することができる。特に小袋(P)の中央部を保持して収容具(50)内に入れるので、小袋(P)の開口端縁(56)との接触時に小袋(P)が変形して保持部に接触応力が伝わりにくく袋の保持が離脱しない。
【0010】
次に、
請求項1に従属する請求項2に係る発明は、前記収容具(50)における収容領域(51)内において、前記物品(W)の縁部(PL、PR)を引掛けて、
前記収容領域(51)から外側へ飛び出すのを規制するようにした。
【0011】
この
請求項2に係る発明によれば、物品(W)が収容具(50)の収容領域(51)から外側へ飛び出すことなく収容状態を維持することができ、複数の小袋(P)の収容具(50)内での重ね合わせを良好に行うことができる。
【0012】
次に、
請求項1または請求項2に従属する請求項3に係る発明は、前記収容具(50)の送出口(52)から、前記物品(W)を前記カップ状容器(70)の開口(72)に向けて押し出すようにした。
【0013】
この
請求項3に係る発明によれば、物品(W)をカップ状容器(70)の後方からプッシャなどにより押し出すだけの簡単な工程によりカップ状容器(70)に複数の小袋(P)をまとめた状態で供給することができる。
【0014】
次に、請求項1から
請求項3に従属する請求項4に係る発明は、前記収容具(50)を複数並べ、複数の前記カップ状容器(70)に一括で前記物品(W)を供給するようにした。
【0015】
この
請求項4に係る発明によれば、複数のカップ状容器(70)への供給を一度に行えるので、生産効率の高い処理を行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上記各発明の手段をとることにより、性状や大きさが異なる食材が包装された複数の小袋をカップ状容器へ人手によることなく、自動供給可能な小袋供給方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態に係るカップ状容器への小袋供給装置の全工程を示した全体斜視図である。
【
図2】同装置における小袋供給工程を示した拡大斜視図である。
【
図3】同装置における位置決め工程と小袋詰め工程を示した拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明のカップ状容器への小袋供給方法についての実施形態としての小袋供給装置に関して図面を用いて説明する。本実施形態ではインスタント食品のカップみそ汁自動生産ラインを例示するものであって、カップ状容器に生みそを充填した袋とみそ汁に入れられる具材を包装した複数の小袋を供給する小袋供給装置を示す。
【0019】
本実施形態に係る小袋供給装置は、
図1〜3に示すように、コンベヤ10の搬送面12上に配設された複数の樋状の収容具50に対し、各ロボット40(第1ロボット41〜第3ロボット43)の先端に設けられたハンド部40H(第1ハンド部41H〜第3ハンド部43H)でみそ、具材との夫々に分けて袋詰めされた小袋P(第1小袋P1〜第3小袋P3)を複数個に順次重ねた物品Wとして収容(小袋収容工程A)し、この収容具50における物品Wを送出する送出口52と、カップ状容器70の開口72とが互いに指向するように位置づけ(位置決め工程B)、収容領域51における物品Wを収容具50の送出口52からカップ状容器70に向けて供給(小袋供給工程C)し、物品Wがカップ状容器70の底面74に達する位置まで詰める(小袋詰め工程D)一連の工程を行う装置である。
【0020】
コンベヤ10は、駆動源により周回するベルト等の無端索体を備える。係るコンベヤ10は、間欠的に作動するものであり、無端索体が搬送方向への移動と停止を繰り返して周回する。
【0021】
コンベヤ10の搬送方向と交差する左右のうち、一方側には食材が包装された小袋Pを供給する供給部21,22,23がそれぞれ設けられている。供給部は、食材の種類ごとに設けられており、本実施形態では、第1小袋供給部21、第2小袋供給部22、第3小袋供給部23がコンベヤ10の搬送方向の上流側から下流側に向けて並んでいる。なお、第1小袋供給部21及び第2小袋供給部22は、具材供給部となっている。第1小袋供給部21及び第2小袋供給部22では、第1小袋P1、第2小袋P2が複数行複数列(実施例では4列)に整列されており、順次コンベヤ10に向かって送られる。生みそを充填した第3小袋P3を供給する第3供給部23は、多列縦形充填包装機により充填包装されて横シールにより1袋ずつ区画された第3小袋P3の連包品が下方に連なって支持され、1袋分の長さが送り出される毎に、各袋の連結としての横シールの中間位置が切断されて個々の袋に分断された第3小袋P3として送り出される。またコンベヤ10の搬送方向における第3小袋供給部23の下流側には、カップ状容器70を供給するカップ積層部30が設けられている。カップ積層部30は、複数個が積み重ねられたカップ状容器70が複数列(実施例では4列)で並んでいる。
【0022】
コンベヤ10の搬送方向の交差する左右のうち他方側には、各小袋Pを収容具50に収容するためのロボット40が搬送方向に沿って配設されている。ロボット40は、それぞれ第1小袋供給部21に対応して第1ロボット41が、第2小袋供給部22に対応して第2ロボット42が、第3小袋供給部23に対応して第3ロボット43が、配設されている。第4ロボット44は、カップ積層部30の下方の位置に配設されている。なお、第1ロボット41〜第3ロボット43は、各貯留部に対しコンベヤ10を挟んで対向するように配設したが、これに限らず各供給部に対応し、収容具に対して小袋を供給可能な適宜位置に配設されていればよい。各ロボット40の先端には、小袋P及びカップ状容器70を保持するハンド部40Hを有している。各ロボット40は、係るハンド部40Hが3次元空間内を自在に移動可能に構成されている。
【0023】
第1ロボット41の第1ハンド部41Hは、コンベヤ10の搬送方向に沿った支持体に対し、一対の挟持片45a,45bが複数組配設され、適宜駆動手段によって各挟持片45a,45bを相互に上下方向に近接離間可能に構成される。各挟持片45a,45bは、第1小袋供給部21の第1小袋P1の列間隔に対応している。第2ハンド部42H及び第3ハンド部43Hも同様である。第4ロボット44は、カップ積層部30の積層下方から、カップ状容器70の側面73を吸着保持して抜き出し、カップ状容器70の開口72と、収容具50の送出口52とが指向するように横向きに寝かせる姿勢でその保持状態を維持した後に、カップ状容器70内への物品の供給を終えた後に、カップ状容器70を起立させる姿勢に切り替えることができる。
【0024】
コンベヤ10には、複数の収容具50が1組となって配設されている。本例では、4個の収容具50が、各供給部の小袋Pの列間隔に対応した間隔で搬送方向に並んで隣接されている。
【0025】
収容具50は、薄板状部材による、一対の隔壁体によって構成される。一対の隔壁体は、外周縁部がカップ状容器の開口に対応した形状と大きさで形成されて、内壁が外側に膨らむ湾曲壁50aを備え、隔壁体の周回方向の端部に取付部50bが設けられ、スリット54を挟んで互いに対称で配設される。各湾曲壁50aのスリット54を下方として、コンベヤ10に前記取付部50bにより取付けられ、搬送方向に交差する左右方向に開口を有し、上方が開放する収容具として構成される。これにより、収容具50は、横向きに寝かせた上方側に小袋Pを上方から収容可能な上方の開放部55が設けられている。また、収容具50は、対向する湾曲壁50aの間が略樋状とされ、複数の小袋Pが積み重ねられた物品Wを収容可能な収容領域51として構成される。湾曲壁50aの上方端縁は、収容領域側へ向けて突出させて、小袋Pの幅方向両端縁である、左端PL右端PRが収容領域51から外側へ飛び出すのを引っ掛けて規制する規制部53として構成される。収容具50は、長手方向の一側方が収容領域51における物品Wを排出するための送出口52となり、該送出口52の他側方から、物品Wの後方を押出部材60によって押送してカップ状容器70の開口72に向けて供給する。
【0026】
コンベヤ10の搬送方向の交差する左右のうち、本実施形態の一組の収容具50と同数の第4ロボット44と対向する位置には、押出部材60が構成される。押出部材60は、4本の棒状部材が垂下状に設けられ上端が板状部材で連結されている。押出部材60の4本の棒状部材は、1組の各収容部のスリット54を通過可能に位置付けられている。そして、押出部材60は、図示を省略する駆動手段によってコンベヤ10の搬送方向の交差する左右に移動可能に構成される。
【0027】
次に、小袋供給装置におけるカップ状容器への小袋供給方法の作用について説明する。上記小袋供給装置は、小袋収容工程A、位置決め工程B、小袋供給工程C、小袋詰め工程Dの順に行われる。
【0028】
小袋収容工程Aは、
図1、2に示すように、小袋Pを収容具50の収容領域51内に収容し複数の小袋P(第1小袋P1〜第3小袋P3)を重ね合わせた物品Wとする工程である。そして、コンベヤ10の走行により、1組の収容具50が第1〜第4ロボットによる作業ステーションに対応して停止する。第1ロボット41は、第1ハンド部41Hを第1小袋供給部21の最前列にある第1小袋P1の位置に移動させ、第1ハンド部41Hの挟持片45a,45bで第1小袋P1の中央部をそれぞれ挟持(保持)する。そして、第1ハンド部41Hが各第1小袋P1を挟持したまま収容具50の開放部55の直上に移動する。そして、第1ハンド部41Hが各第1小袋P1を挟持した状態のまま、開放部55に向かって下方に移動する。このとき、挟持片45a,45bに挟持された第1小袋P1は、その左端PLと右端PRが開口端縁56に当接するため、挟持された中央部を起点として変形し折れ曲がるようにして収容領域51内に収容される。第1ハンド部41Hは、第1小袋P1が収容領域51内に収容されると挟持片45a,45bによる第1小袋P1の挟持を解除した上で、初期の位置に戻る。同様に、第2ロボット42における第2ハンド部42Hも第2小袋P2を収容具50の収容領域51内に収容して第1小袋P1の上に積み重ねる。同様に、第3ロボット43における第3ハンド部43Hも第3小袋P3を収容具50の収容領域51内に収容して第1小袋P1、第2小袋P2の上に積み重ねる。各小袋P1〜P3を積み重ねていく中で第1小袋P1〜第3小袋P3のいずれかが左右にずれ動いたとしても各小袋P1〜P3のいずれかの縁部が規制部53に引っ掛かり、収容領域51から外側へ飛び出すのが規制される。なお、収容具50内において、重ね合わされた小袋P(第1小袋P1〜第3小袋P3)が物品Wであり、一番下の小袋P1が上に重なる小袋を抱き込んで包みこむようになっている。また、第1小袋P1〜第3小袋P3におけるいずれかの縁部(左端PLと右端PR)が、物品Wの縁部に相当する。
【0029】
位置決め工程Bは、
図1、3に示すように、収容具50の送出口52と、カップ状容器70の開口72とが互いに指向するように位置づけられる工程である。収容具50は、収容領域51内に第1小袋P1〜第3小袋P3の各小袋Pが積み重ねられてなる物品Wの状態で、第4ロボット44の位置に移動する。そして、カップ積層部30の下方に位置する第4ロボット44は、第4ハンド部44Hがカップ状容器70の側面73を吸引具等の保持手段で保持して抜き出し、カップ状容器70の開口72と、収容具50の送出口52とが指向するように横向き姿勢に寝かせる。ここで、送出口52は、開口72で覆われた状態となる。
【0030】
小袋供給工程Cは、収容領域51における物品W(複数の小袋P)を収容具50の送出口52からまとめてカップ状容器70に向けて供給する工程である。カップ状容器70の開口72が収容具50の送出口52を覆っている状態で、押出部材60がコンベヤ10の搬送方向と交差する左右方向に移動する。そして、押出部材60は、物品W(第1小袋P1〜第3小袋P3)を送出口52から押し出すことでカップ状容器70に供給する。押出部材60は、収容具50における他側方から収容領域51とスリット54との間を上下方向に跨ぐように収容具50前進して進入する。そのため、押出部材60は、収容領域51内の物品Wをまとめてカップ状容器70に供給する。すなわち、押出部材60は、収容領域51内で積み重ねられた第1小袋P1〜第3小袋P3のいずれも取り残すことなくカップ状容器70に供給すると共に、物品Wをカップ状容器70における底面にまで達するようになっている。
【0031】
カップ状容器70内に、物品Wが供給されると、第4ハンド部44Hによってカップ状容器70を起立させる姿勢に切り替える。
【0032】
小袋詰め工程Dは、物品Wをカップ状容器70に供給した後、カップ状容器70の開口72より上方に物品Wの一部がはみ出している部位を、カップ状容器70の開口内に押し込む工程である。物品Wが供給されたカップ状容器70は、起立した状態において、詰め部材80が開口72から底面74に向かって進入することで、物品Wにおけるカップ状容器70の開口72より上方にはみ出している部位をカップ状容器70の開口72内に押し込むようになっている。なお、この際、詰め部材80にカップ状容器70の開口72と対応する蓋供給装置を持たせ、該蓋により物品Wにおけるカップ状容器70の開口72より上方にはみ出している部位をカップ状容器70の開口72内に押し込みつつ、カップ状容器70の開口72に蓋を供給するようにしてもよい。
【0033】
以上のようなカップ状容器への小袋供給方法は、次のような効果がある。
・樋状の収容具50に小袋Pを個々に収容して積み重ね物品Wとし、カップ状容器70の開口72を収容具50における送出口52に臨むようにして、積み重ねた複数の小袋Pを物品Wとしてまとめて収容具50の送出口52からカップ状容器70に供給するようにしたので、カップ状容器70への食品具材が包装された複数の小袋供給の自動化を図り、生産性を向上させるカップ状容器への小袋供給方法を提供することができる。
【0034】
本発明は、以上に例示した各実施例の構成に限定されるものではなく、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得るものであって、例えば以下のようにも変更実施可能である。
・収容具50は、複数個一組となっていなくても良い。すなわち、一個ずつの供給処理方法でもよい。
・位置決め工程Bにおいて収容具50の送出口52とカップ状容器70の開口72とが互いに指向している関係は、送出口52と開口72とが直接接続されるもの以外に、ガイド部材などの別部材を介して接続されていてもよい。
・小袋の供給時には、収容具50とカップ状容器70の姿勢を立てた状態で行うようにしても良い。
・押出部材60による物品Wを押し出してカップ状容器70に供給する態様以外に、物品Wの供給態様に制限されることはなく、種々の供給態様を採用することができる。
・収容具50における規制部53は、実施形態に例示した形態とは異なる適宜引っ掛かり部を設けるようにしても良い。例えば溝部を設けて引っ掛かり部を形成するようにしてもよい。
・ロボットは、実施形態に示すアーム式ロボットで無くてもよい。
・更には、ロボットに代えた移載装置でも良い。
・第1ハンド部41H〜第3ハンド部43Hは、挟持片45a,45bで小袋Pの中央部を挟持することで保持していたが、挟持片45a,45bに替えて吸着ヘッドにより小袋Pの中央部を吸着することで保持してもよい。
・収容具50は一対の隔壁体を例示したが、一体的な構成であってもよい。
【符号の説明】
【0035】
50:収容具 51:収容領域 52:送出口 55:開放部 56:開口端縁
70:カップ状容器 72:開口 74:底面
A:小袋収容工程 B:位置決め工程 C:小袋供給工程 D:小袋詰め工程
P:小袋 PR:右端 PL:左端 W:物品