特許第6980265号(P6980265)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6980265
(24)【登録日】2021年11月19日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 17/06 20060101AFI20211202BHJP
   F25D 17/08 20060101ALI20211202BHJP
【FI】
   F25D17/06 304
   F25D17/08 303
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-227662(P2017-227662)
(22)【出願日】2017年11月28日
(65)【公開番号】特開2019-95167(P2019-95167A)
(43)【公開日】2019年6月20日
【審査請求日】2020年10月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】片桐 賢宏
(72)【発明者】
【氏名】加藤 隆
(72)【発明者】
【氏名】岡部 裕一
【審査官】 西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平7−253267(JP,A)
【文献】 実開昭49−10158(JP,U)
【文献】 特開2015−55377(JP,A)
【文献】 実開平5−40783(JP,U)
【文献】 特開2003−172572(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0217287(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2007−0107953(KR,A)
【文献】 中国特許出願公開第106196840(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 17/06 − 17/08
F25D 25/00 − 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に開口を有する複数の容器が上下に配置された貯蔵領域と、
仕切板で前記貯蔵領域と区切られた冷却室と、
前記仕切板の下部に設けられた冷気帰還口と、
前記冷却室内に配置された冷却器と、
前記仕切板の上部に設けられたファン及び少なくとも下向きに設けられた吹出口を有するファンカバーと、
を備え、
前記容器の後側面が前記仕切板と所定の間隔だけ離間して配置され、
前記ファンにより送風される冷気の流れにより、前記貯蔵領域内の冷気が前記冷気帰還口を介して前記冷却室内に流入して上向きに流れ、前記冷却器を通過して前記ファンの吸引側に達し、前記ファンの吐出側から前記ファンカバーに設けられた前記吹出口を介して前記貯蔵領域内に送風され、
前記吹出口から下向きに送風された冷気が、前記開口から各々の前記容器に一部流れながら、前記仕切板及び前記容器の後側面の間の空間を下向きに流れ、再び前記冷気帰還口を介して前記冷却室内に流入する流動サイクルが形成されることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記冷却器が配置された位置を除き、前記仕切板に断熱材が取り付けられていないことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
複数の前記容器のうちの少なくとも一部の前記容器において、前記容器の後側面の下部に面取りされた傾斜面を有することを特徴とする請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記ファンカバーの下側が前記ファンの外周に沿って円弧状に形成され、前記複数の吹出口がファン外周に配置されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記ファンが軸流ファンであり、
更に、前記ファンカバーのファン軸方向に吹出口が設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記貯蔵領域内の温度を冷蔵、チルド及び冷凍の温度域に切り替え可能なことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷蔵庫に関し、特に、冷却器により冷却された冷気を庫内で循環させる機構に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫では、一般的に、冷却器により冷却された冷気がファンにより庫内を循環し、これにより貯蔵された食物等を所定の温度に保つことができる。このような冷蔵庫において、冷気を各容器に供給するための冷蔵用ダクトが設けられたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−172572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の冷蔵庫では、冷却器を通過した冷気が冷蔵用ダクト内を流れ、冷蔵用ダクトに設けられた吹出口から、食品等が収納される容器に吹き出すようになっている。このような冷蔵用ダクトを設けた場合、冷気が流れる冷蔵用ダクトと貯蔵領域の温度差による結露を防ぐため、冷蔵用ダクトの貯蔵領域と間の仕切板部分の全面に断熱材を取り付ける必要があり、このため、庫内の容積効率が低下する問題が生じる。また、各容器に冷気を供給する吹出ノズルを設けた場合には、部品点数が増えて構造が複雑になり、容積効率が更に低下する問題が生じる。
【0005】
従って、本発明の目的は、上記の課題を解決するものであり、冷却器が配置された冷却室及び食品等が貯蔵される貯蔵領域の間の仕切板に生じる結露を効果的に抑えながら、高い容積効率を有する冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の冷蔵庫は、
上面に開口を有する複数の容器が上下に配置された貯蔵領域と、
仕切板で前記貯蔵領域と区切られた冷却室と、
前記仕切板の下部に設けられた冷気帰還口と、
前記冷却室内に配置された冷却器と、
前記仕切板の上部に設けられたファン及び少なくとも下向きに設けられた吹出口を有するファンカバーと、
を備え、
前記容器の後側面が前記仕切板と所定の間隔だけ離間して配置され、
前記ファンにより送風される冷気の流れにより、前記貯蔵領域内の冷気が前記冷気帰還口を介して前記冷却室内に流入して上向きに流れ、前記冷却器を通過して前記ファンの吸引側に達し、前記ファンの吐出側から前記ファンカバーに設けられた前記吹出口を介して前記貯蔵領域内に送風され、
前記吹出口から下向きに送風された冷気が、前記開口から各々の前記容器に一部流れながら、前記仕切板及び前記容器の後側面の間の空間を下向きに流れ、再び前記冷気帰還口を介して前記冷却室内に流入する流動サイクルが形成されることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、仕切板の上部に設けられたファンカバーの下向きに設けられた吹出口により、貯蔵領域において、冷却器を通過して除湿された冷気が、仕切板各々の容器に一部流れながら、仕切板及び容器の後側面の間の空間を仕切板に沿って、よどみなく下向きに流れる。これにより、仕切板に断熱材を設けなくとも結露を効果的に抑制することができる。よって、冷却器が配置された冷却室及び食品等が貯蔵される貯蔵領域の間の仕切板に生じる結露を効果的に抑えながら、高い容積効率を有する冷蔵庫を提供することができる。
【0008】
また、本発明は、
前記冷却器が配置された位置を除き、前記仕切板に断熱材が取り付けられていないことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、仕切板の冷却器が配置された位置に断熱材を取り付けることにより、より効果的に仕切板に生じる結露を抑制することができるとともに、仕切板のその他の領域には、断熱材が取り付けられていないので、高い容積効率を有する冷蔵庫を提供することができる。
【0010】
また、本発明は、
複数の前記容器のうちの少なくとも一部の前記容器において、前記容器の後側面の下部に面取りされた傾斜面を有することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、容器の後側面の下部に面取りされた傾斜面を有するので、傾斜面を有する容器の下側に配置された容器の開口上部が更に大きくあけられ、仕切り板の吹出口から下向きに流入した冷気を、傾斜面に沿ってスムーズに容器の内部に流入させることができる。
【0012】
また、本発明は、
前記ファンカバーの下側が前記ファンの外周に沿って円弧状に形成され、前記複数の吹出口がファン外周に配置されている。
【0013】
本発明によれば、複数の吹出口がファン外周に配置されているので、貯蔵領域の幅方向及び下方向において均一な下向きの冷気の流れを実現できる。
【0014】
また、本発明は、
前記ファンが軸流ファンであり、
更に、前記ファンカバーのファン軸方向に吹出口が設けられていることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、ファンが軸流ファンであっても、ファンカバーの下向きに設けられた吹出口により、下向きに冷気を吹き出すことができるとともに、更に、軸方向に吹出口を設けることにより、貯蔵領域の前方向にも冷気を供給することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明においては、冷却器が配置された冷却室及び食品等が貯蔵される貯蔵領域の間の仕切板に生じる結露を効果的に抑えながら、高い容積効率を有する冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明1つの実施形態に係る冷蔵庫の外形を模式的に示す斜視図である。
図2図1に示す冷蔵庫のA−A側面断面図及びB−B側面断面図である。
図3】本発明の1つの実施形態に係るファン及びファンカバーを模式的に示す図である。
図4図3に示すファン及びファンカバーのC−C側面断面図である。
図5】従来の冷蔵庫の内部構造の一例を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。同様の機能を有する対応する部材については、全図で同じ参照番号を付す。
(本発明の1つの実施形態に冷蔵庫)
図1は、本発明1つの実施形態に係る冷蔵庫の外形を模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示す冷蔵庫のA−A側面断面図及びB−B側面断面図である。図2において、庫内の冷気の流れを矢印で模式的に示す。
本実施形態の冷蔵庫2は、前側に開口部4Aを有する筐体4と、この開口部4Aを開閉する扉6とを備える。
【0019】
<庫内の構造>
筐体4の内部である庫内は、仕切板30で区切られた貯蔵領域10と、冷却室20とを備える。貯蔵領域10では、上面に開口を有する複数の容器12A〜12Eが上下に配置されている。容器12A〜12Eは引き出し式の容器であって、扉6を開いて、容器12A〜12Eを前方側に引き出すことにより、食物等の出し入れをすることができる。容器12A〜12Eが収納位置にある場合、容器12A〜12Eの後側面12A1〜12E1が仕切板30と所定の間隔だけ離間して配置されている。
【0020】
仕切板30で貯蔵領域10と区切られた冷却室20では、仕切板30の下部に設けられた冷気帰還口32と、冷却室20内に配置された冷却器34と、仕切板30の上部に設けられたファン40及びファンカバー42とが配置されている。
【0021】
冷却室20内の冷気の流れを説明すると、ファン40により形成された冷気の流れにより、貯蔵領域10内の冷気が冷気帰還口32から冷却室20内に流入し、冷却室20内を上昇する。そして、冷却器34を通過するときに冷気が冷却される。このとき、冷気中の水分が凝縮して冷却器34側に霜となって付着するので、乾燥した冷気となる、乾燥した冷気が冷却室20の上部に配置されたファン40の吸引側に到達し、後述するように、ファンカバー42に設けられた吹出口から、貯蔵領域10内に流出する。
【0022】
本実施形態では、冷却器34が配置された位置にだけ仕切板30に断熱材36が取り付けられ、仕切板30のその他の領域には、断熱材36が取り付けられていない。ファンカバー42に設けられた吹出口から、冷気が貯蔵領域10内に吹き出されて、仕切板30に沿って下側に流れるが、乾燥した冷気なので、断絶材が無くとも仕切板30が結露するおそれはない。
【0023】
図3は、本発明1つの実施形態に係るファン40及びファンカバー42を模式的に示す図である。図3(b)が貯蔵領域10側から見た平面図であり、図3(a)はその左側面図、図3(c)は、その底面図である。図4は、図3に示すファン及びファンカバーのC−C側面断面図である。ファンカバー42から吹き出された冷気の流れを矢印で模式的に示す。
【0024】
本実施形態では、軸流ファンであるファン40が、ファンカバー42で覆われている。冷却室20内の冷気がファン40の吸入口から吸い込まれ、ファン40の軸方向に吐出されて、ファンカバー42の内面に沿って流れ、下記に示す吹出口から貯蔵領域10内に吹き出される。
図3(b)に示すように、ファンカバー42は、両側面及び上面は平板状に形成され、下側がファン40の外周に沿って円弧状に形成されている。下側の円弧状部分には、複数の吹出口44Aがファン外周に配置されている。ファン40から軸方向に吐出された冷気は、ファンカバー42の内壁に沿って下方に流れ、吹出口44Aを介して、ファン40の軸中心から半径方向下向きに吹き出される(図3(b)の矢印参照)。
【0025】
本実施形態によれば、ファンカバー42の下側がファン40の外周に沿って円弧状に形成され、複数の吹出口44Aがファン外周に配置されているので、貯蔵領域10の幅方向において均一な下向きの冷気の流れを実現できる。
【0026】
また、ファンカバー42の両側面にも複数の吹出口44Bが設けられている。これにより、ファン40の軸方向に吐出された冷気が、ファンカバー40の内壁に沿って左右方向に流れて、吹出口44Bを介して、ファンカバー42の左右側面から外側へ吹き出される(図3(b)の矢印参照)。これにより、貯蔵領域10の幅方向に冷気を供給することができる。
更に、ファンカバー42のファン40を覆う前面に複数の吹出口44Cが設けられている。これにより、ファン40の軸方向に吐出された冷気が、そのまま前側に流れ、吹出口44Cを介して、ファンカバー42から外側へ吹き出される(図4の矢印参照)。
【0027】
本実施形態によれば、ファン40が軸流ファンであっても、ファンカバー42の下向きに設けられた吹出口44Aにより、下向きに冷気を吹き出すことができるとともに、更に、軸方向に吹出口44Cを設けることにより、貯蔵領域10の前方向にも冷気を供給することができる。
ファンカバー42から主に下向き及び左右横向きに冷気を吹き出す場合には、ファン40として、軸流ファンだけでなく遠心ファンを用いることもできる。
【0028】
<庫内の冷気の流れ>
上記の構成により、図2の矢印に示すように、ファン40により送風される冷気の流れにより、貯蔵領域10内の冷気が、冷気帰還口32を介して冷却室20内に流入する。そして、流入した冷気が上向きに流れ、冷却器34を通過し、乾燥した冷気となる。乾燥した冷気は、ファン40の吸引側に達し、ファン40の吐出側から吹出口44A〜44Cを介して、貯蔵領域10内に流入する。
主に吹出口44B、44Cから流入した乾燥した冷気が、最上部に配置された容器12Aに流入する。
【0029】
主に吹出口44Aから下向きに流入した乾燥した冷気が、仕切板30及び容器12B〜12Dの後側面12B1〜12D1の間の空間を下向きに流れる。このとき、下向きに流れる冷気の一部が、矢印Xで示す領域から各々の容器12B〜12Dに流入する。容器12B〜12Dに分岐しながら、仕切板30及び容器12B〜12Dの後側面12B1〜12D1の間の空間を下向きに流れた冷気は、最下部に配置された容器12Eに流入する。各容器12A〜12Eに流れた冷気は、容器12A〜12Eの前側面及び扉6の内面の間、及び容器12Eの下側を流れて、再び冷気帰還口32を介して冷却室20内に流入する。これにより一連の流動サイクルが形成される。
【0030】
ここで、本実施形態では、容器12A〜12Eのうち容器12B〜12Dにおいて、容器12B〜12Dの後側面の下部に面取りされた傾斜面14B〜14Dを有する。これにより、傾斜面14B〜14Dを有する容器12B〜12Dの下側に配置された容器12C〜12Eの開口上部(矢印X参照)が更に大きくあけられ、ファンカバーの吹出口44A等から下向きに流入した冷気を、傾斜面14B〜14Dに沿ってスムーズに容器12C〜12Eの内部に流入させることができる。
【0031】
一方、図5は、従来の冷蔵庫の内部構造の一例を示す側面断面図である。図5に示す従来の冷蔵庫では、ファン140及び冷却器134が配置された第1の流路領域120と、貯蔵領域110への冷気を吹き出す吹出ダクトとして機能する第2の流路領域122が設けられている。このため、第1の流路領域120及び第2の流路領域122を仕切るための第1の仕切板130と、第2の流路領域122及び貯蔵領域110を仕切るための第2の仕切板138を備える。このように、流路領域(つまり、冷却室)が二重構造になっているので、容積効率が低下する。
【0032】
また、第2の流路領域122及び貯蔵領域110を仕切るための第2の仕切板138が結露するのを防ぐため、その全面に断熱材136が取り付けられている。このため、容積効率が低下する。
更に、冷気を容器112B〜112D内に流入させるための吹出ノズル146を備える場合には、容積効率が更に低下する可能性がある。また、矢印Yで示す吹出ノズル46の下流側の領域では、冷気の流れがよどむ可能性があり、第1の仕切板130も断熱材を取り付ける必要な場合ある。そのときには、容積効率が更に低下する。
【0033】
本実施形態によれば、仕切板30及び容器12A〜12Eの後側面12A1〜12E1の間の空間を、ファンカバー42から下向きに吹き出され冷気が、容器12A〜12Eに一部流れながら下向きに流れる流路として用いることができるので、二重構造の冷却室(流路領域)を設ける必要がなく、容積効率が高まる。
また、ファンカバー42から冷却器34を通過して除湿された冷気が下向きに吹き出されるので、仕切板30に断熱材を設けなくとも結露を抑制することができる。これによっても、容積効率が高まる。
【0034】
特に、特別なノズル等を設けることなく、開口を介して下向きに流れる冷気の一部を容器12A〜12Eの中に流入させることができるので、下向きの冷気の流れによどみが生じるおそれもなく、仕切板30に断熱材を設けなくとも、結露を効果的に抑制することができる。
以上のように、本実施形態では、冷却器34が配置された冷却室20及び食品等が貯蔵される貯蔵領域10の間の仕切板20に生じる結露を効果的に抑えながら、高い容積効率を有する冷蔵庫2を提供することができる。
【0035】
本実施形態では、図2に示すように、仕切板30には、冷却器34が配置された位置にだけ、断熱材36が取り付けられている。これにより、より効果的に仕切板30に生じる結露を抑制することができるとともに、仕切板30のその他の領域には断熱材が取り付けられていないので、高い容積効率を有する冷蔵庫2を提供することができる。
更に、冷却器34が配置された領域より上側においては、冷却室20の幅を狭めて、貯蔵領域10の容積をより大きくするようにすることができる。
【0036】
本実施形態に係る冷蔵庫では、温度センサにより検出されたデータに基づいて、貯蔵領域10内の温度が所定の温度になるように、冷却器34の熱交換チューブ内と連通したコンプレッサのフィードバック制御を行う。特に、本実施形態に係る冷蔵庫では、切替スイッチにより、制御温度を3種類の温度帯、つまり(1)冷蔵、(2)チルド、(3)冷凍の温度帯に切り替えることができるようになっている。これにより、使用者が最適な温度帯を選択することで、幅広い用途や食品に対応することができる。
【0037】
上記の実施形態では、1つの扉6で開閉される1つの貯蔵領域10を有する場合を示しているが、これに限られるものではなく、複数の扉、複数の貯蔵領域を有する冷蔵庫においても、個々の貯蔵領域において、同様の構造を適用することができる。
【0038】
本発明の実施の形態、実施の態様を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施の形態、実施の態様における要素の組合せや順序の変化等は請求された本発明の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【符号の説明】
【0039】
2 冷蔵庫
4 筐体
6 扉
10 貯蔵領域
12A〜E 容器
12A1〜E1 容器の後側面
14B〜D 傾斜面
20 冷却室
30 仕切板
32 冷気帰還口
34 冷却器
36 断熱材
40 ファン
42 ファンカバー
44A〜C 吹出口
102 冷蔵庫
104 本体
106 扉
110 貯蔵領域
112A〜E 容器
120 第1の流路領域
122 第2の流路領域(吹出ダクト)
130 第1の仕切板
132 冷気帰還口
134 冷却器
136 断熱材
138 第2の仕切板
140 ファン
142 ファンカバー
146 吹出ノズル
図1
図2
図3
図4
図5