(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、相対的に厚いスライス厚に対応する画像と薄いスライス厚に対応する画像を効果的に切り換えて閲覧することができるインタフェースを提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、厚いスライス厚に対応する画像群の画像から薄いスライス厚に対応する画像群の画像を生成し、厚いスライス厚の画像群の画像と薄いスライス厚の画像群の画像を自由に切り換えることのできる手段を提供することにより、医師がより正確な診断結果を導き出せるように補助するだけでなく、読影補助システムによる分析の正確度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述したような本発明の目的を達成し、後述する本発明の特徴的な効果を実現するための本発明の特徴的な構成について、以下のように説明する。
【0009】
本発明の一実施形態(aspect)によると、コンピュータ装置が実行する画像提供方法は、(a)前記コンピュータ装置が、被写体に属する第1スライス厚の連続的な体積に対して生成された一連の画像のうちの少なくとも一部を含む第1画像群を取得するか、前記コンピュータ装置と連動する他の装置が前記第1画像群を取得するように支援する段階、(b)前記コンピュータ装置が、前記第1画像群のうちの一画像または前記被写体に属する第2スライス厚の連続的な体積に対して生成される一連の画像を含む第2画像群のうちの一画像を現在の閲覧画像として提供するか、前記コンピュータ装置と連動する他の装置が提供するように支援する段階、(c)前記コンピュータ装置が、入力装置の第1特定入力に応じ、前記第1特定入力に与えられた方向性に基づき、前記現在の閲覧画像として提供される画像を次の閲覧に提供されるように定められた個別の画像に繰り返し更新するか、前記他の装置が更新するように支援する(c1)プロセス、および前記入力装置の第2特定入力に応じ、前記現在の閲覧画像を前記第1画像群に属する画像と前記第2画像群に属する画像との間で切り換えるか、前記他の装置が切り換えるように支援する(c2)プロセスを実行する段階を含む。
【0010】
好ましくは、前記第2スライス厚は、前記第1スライス厚よりも薄くてよい。
【0011】
好ましくは、前記第1画像群は、前記被写体に属する第1スライス厚の連続的な体積に対して生成された一連の画像のうちの少なくとも一部を平面に投影することによって生成され、前記第2画像群は、SR(Super−Resolution)により、前記第1画像群から生成されてよい。
【0012】
本発明の他の実施形態によると、コンピュータ装置が、本開示書に示された方法を実行するように実現された命令語を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0013】
本発明のさらに他の実施形態によると、互いに異なるスライス厚の被写体情報に基づいて生成された画像を提供するコンピュータ装置が提供されるが、前記コンピュータ装置は、ユーザ入力を受信する通信部、および第1スライス厚の連続的な体積に対して生成された一連の画像のうちの少なくとも一部を含む第1画像群を取得するか、前記コンピュータ装置と連動する他の装置が前記第1画像群を取得するように支援するプロセス、前記第1画像群のうちの一画像または前記被写体に属する第2スライス厚の連続的な体積に対して生成される一連の画像を含む第2画像群のうちの一画像を現在の閲覧画像として提供するか、前記コンピュータ装置と連動する他の装置が提供するように支援するプロセス、入力装置の第1特定入力に応じ、前記第1特定入力に与えられた方向性に基づき、前記現在の閲覧画像として提供される画像を次の閲覧に提供されるように定められた個別の画像に繰り返し更新するか、前記他の装置が更新するように支援するプロセス、および前記入力装置の第2特定入力に応じ、前記現在の閲覧画像を前記第1画像群に属する画像と前記第2画像群に属する画像との間で切り換えるか、前記他の装置が切り換えるように支援するプロセスを実行するプロセッサを含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一実施形態によると、読影者が、薄いスライス厚に対応する画像が必要でないと判断した領域に対しては厚いスライス厚に対応する画像を用いることで読影の速度を高め、より精密な判断が求められる領域に対しては再構成された薄いスライス厚の画像を用いて読影を行うようにするインタフェースにより、読影の正確度を高めるとともに、読影にかかる時間を節減する効果がある。
【0015】
すなわち、本発明によると、最終的には、医療スタッフが診断にかける時間を節約して読影の速度と質を高め、医療現場におけるワークフロー(work flow)の発展に繋がる潜在的な効果が期待できる。
【0016】
さらに、本発明は、従来から病院で利用されてきた医療画像、例えば、3次元的に取得される超音波画像やMRI画像などにもそのまま活用可能であるため、本発明の方法が特定の形式の画像やプラットフォームに従属するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0018】
後述する本発明の詳細な説明は、本発明の目的、技術的解法、ならびに長所を明確にするために、発明を実施することのできる特定の実施形態を例示した添付の図面を参照しながら説明する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施することができるように詳しく説明される。
【0019】
本発明の詳細な説明および特許請求の範囲の全般にわたって用いられる用語である「画像」または「画像データ」は、離散的な画像要素(例えば、2次元画像ではピクセル、3次元画像ではボクセル)で構成された多次元データを意味する。例えば、「画像」は、コーンビーム(cone−beam)コンピュータ断層撮影(computed tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、超音波、または本発明の技術分野において公知の任意の他の医療画像システムによって収集された被写体、すなわち、被検体(subject)の医療画像であってよい。また、画像は、非医療的な脈絡で提供されるものであってもよく、例えば、リモートセンシングシステム(remote sensing system)や電子顕微鏡(electron microscopy)などが挙げられてよい。
【0020】
本発明の詳細な説明および特許請求の範囲の全般にわたって用いられる用語である「画像」とは、(例えば、ビデオ画面に表示された)肉眼で確認することのできる画像、または(例えば、CT、MRI検出器などのピクセル出力に対応するファイルのような)画像のデジタル表現物を意味する用語である。
【0021】
説明の便宜のために、添付の図面では、コーンビーム断層撮影(Cone−Beam Computed Tomography:CBCT)の画像データを例示的な画像形式(modality)として示した。しかし、当業者であれば、本発明の多様な実施形態で利用される画像形式が、X線画像、MRI、CT、PET(Positron Emission Tomography)、PET−CT、SPECT、SPECT−CT、MR−PET、3D超音波画像などを含み、3次元的画像およびこれから派生するスライス画像であれば、例示的に挙げられた形式に限定されないという点を理解することができるであろう。
【0022】
本発明の詳細な説明および特許請求の範囲の全般にわたって用いられる用語である「DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine:医療用デジタル画像および通信)」標準は、医療用機器においてデジタル画像表現と通信に利用される多様な標準を総称した用語であり、これは米国放射線医会(ACR)と米国電機工業会(NEMA)で構成された連合委員会で発表された。
【0023】
本発明の詳細な説明および特許請求の範囲の全般にわたって用いられる用語である「医療用画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication System:PACS)」は、DICOM標準に合うように保存、加工、通信を行うシステムを意味するものであり、X線、CT、MRIのようなデジタル医療画像装備から得られた医療画像はDICOM形式で保存され、ネットワークを介して病院内外の端末に送信可能であり、これに読影結果や診療記録が追加されてもよい。
【0024】
本発明の詳細な説明および特許請求の範囲の全般にわたって用いられる用語である「学習」あるいは「ラーニング」は、順序を踏んだコンピューティング(computing)によって機械学習(machine learning)を実行することを意味するものであり、人間の教育活動のような精神的作用を意味するものではないということは、当業者であれば容易に理解することができるであろう。
【0025】
本明細書の詳細な説明および特許請求の範囲の全般にわたって用いられる用語である「含む」という単語とこの変形は、他の技術的特徴、付加物、構成要素、または段階を除外することを意図するものではない。さらに、「1つ」または「1」は1つ以上という意味で使用されるものであり、「また他の」は少なくとも2番目以上に限定される。
【0026】
当業者であれば、本発明の他の目的、長所、および特性が、一部は本説明書から、さらに一部は本発明の実施形態から、明らかにすることが可能であろう。以下で説明する例示および図面は実施形態として提供されるが、これによって本発明が限定されることはない。したがって、特定の構造や機能に関し、本発明で開示する詳細事項が限定的な意味として解釈されてはならず、当業者が実質的に適切な任意の詳細構造として本発明を多様に実施できるように指針を提供するための代表的な基礎資料として解釈されなければならない。
【0027】
また、本発明は、本明細書に表示される実施形態のすべての可能な組み合わせを含む。本発明の多様な実施形態は、互いに異なるが、互いに排他的である必要はないことが理解されなければならない。例えば、ここに記載されている特定の形状、構造、および特性は、一実施形態に関連するものであり、本発明の思想および範囲を逸脱しない限り、他の実施形態によって実現されてよい。また、開示されるそれぞれの実施形態内の個別の構成要素の位置または配置は、本発明の思想および範囲を逸脱しない限り、変更可能であることが理解されなければならない。したがって、後述する詳細な説明は、限定的な意味として解釈されてはならず、本発明の範囲は、適切に説明されるのであれば、特許請求の範囲が主張するものと均等なすべての範囲とともに、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。図面における類似の参照符号は、多側面にわたって同一あるいは類似の機能を示す。
【0028】
本明細書において異なって表示されるか文脈において明らかに矛盾しない限り、単数で示される項目は、その文脈で特別な要求がない限り、複数の意味合いも含む。さらに、本発明の説明において、関連する公知の構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にし得ると判断される場合には、これについての詳細な説明は省略する。
【0029】
以下、当業者が本発明を容易に実施できるようにするために、本発明の好ましい実施形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明における、画像提供方法を実行するコンピュータ装置の構成の一例を概略的に示した概念図である。
【0031】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係るコンピュータ装置100は、通信部110およびプロセッサ120を含み、前記通信部110を通じて外部コンピュータ装置(図示せず)と直接的あるいは関接的に通信してよい。
【0032】
具体的に、前記コンピュータ装置100は、典型的なコンピュータハードウェア(例えば、コンピュータプロセッサ、メモリ、ストレージ、入力/出力装置、その他の従来のコンピュータ装置の構成要素を含むことができる装置、ルータ、スイッチなどのような電子通信装置、ネットワークアタッチトストレージ(Network−Attached Storage:NAS)およびストレージエリアネットワーク(Storage Area Network:SAN)のような電子情報ストレージシステム)とコンピュータソフトウェア(すなわち、コンピュータ装置が特定の方式によって機能するようにする命令語)との組み合わせを利用することによって所望するシステム性能を達成するものであってよい。
【0033】
このようなコンピュータ装置の通信部110は、連動する他のコンピュータ装置と要求および応答を送受信してよく、一例として、このような要求と応答は、同一のTCP(Transmission Control Protocol)セッション(session)によって実行されてよいが、これに限定されることはなく、例えば、UDP(User Datagram Protocol)データグラム(datagram)として送受信されてもよい。さらに広い意味での前記通信部110として、命令語または指示などを伝達するためのキーボード、マウス、その他の外部入力装置、プリンタ、ディスプレイ、その他の外部出力装置が含まれてもよい。
【0034】
また、コンピュータ装置のプロセッサ120は、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)またはTPU(Tensor Processing Unit)、キャッシュメモリ(cache memory)、データバス(data bus)などのハードウェア構成を含んでよい。さらに、オペレーティングシステムや、特定の目的を実行するアプリケーションのソフトウェア構成をさらに含んでもよい。
【0035】
図2は、本発明における、画像提供方法を実行するコンピュータ装置のハードウェアまたはソフトウェア構成要素の一例を示したブロック図である。
【0036】
図2に示された個別のモジュールは、例えば、コンピュータ装置100に含まれた通信部110やプロセッサ120、または前記通信部110およびプロセッサ120の連動によって実現されてよいことは、当業者であれば理解できるであろう。
【0037】
図2を参照しながら、本発明に係る方法および装置の構成について簡単に説明すると、コンピュータ装置100は、構成要素として、画像取得モジュール210を含んでよい。画像取得モジュール210は、データベースに予め保存されているか画像撮影のための専用機器から取得される、第1画像群に含まれる画像を取得してよい。第1画像群に含まれる画像は、被写体に属する第1スライス厚の連続的な体積を平面に投影することによって生成された画像であってよい。第1画像群の画像は、被写体の軸位像(axial image)であってよい。また、添付の図面では、説明の便宜上、胸部のCT画像に基づいて第1画像群および第2画像群の画像が生成されることを例示しているが、これに限定されることはなく、一般的な3次元医療画像すべてに適用可能であるという点が理解できるであろう。第1画像群に属する画像は、保存領域を節約し、一般的に読影速度を高めるために比較的厚い第1スライス厚の体積の情報に基づいて生成された画像であってよい。
【0038】
取得された第1画像群の画像は画像生成モジュール220に伝達されてよく、画像生成モジュール220は、伝達された画像に基づいて少なくとも1つの第2画像群の画像を生成してよい。第2画像群の画像は、第1スライス厚に比べて薄い第2スライス厚に対応する画像であってよい。
【0039】
画像生成モジュール220は、大量の第1画像群の画像と、これに対応する第2画像群の画像に基づいて学習された人工ニューラルネットワークを含んでよい。画像生成モジュール220は、第1画像群の画像から抽出された特徴に合った第2画像群の画像を再生成する構成からなるが、その一例として、第1画像群の画像から第2画像群の画像を生成するように構成された深層ニューラルネットワークである完全畳み込みニューラルネットワークを利用してよい。また、画像生成モジュール220は、第1スライス厚および第2スライス厚をパラメータとして受け、受信した第1画像群の画像から第2スライス厚に対応する第2画像群の画像を生成するように学習されてよい。このような画像生成モジュール220は、第1スライス厚の第1訓練用画像および第2スライス厚の第2訓練用画像を含む複数の訓練用画像の対を訓練データとして利用して予め学習されたものであってよい。
【0040】
一方、低い解像度の画像を高い解像度の画像に変換する、すなわち、解像度を高める技法であるSR(Super−Resolution:超解像)が可能であるという点は広く知られているが、このSRは、例えば、非特許文献1(Chao Dong etal.著、「Image Super−Resolution Using Deep Convolutional Networks」、arXiv preprint arXiv:1501.00092v3、2015)に例示されたとおりである。この文献で説明されたSRの技法も、入力画像の特徴を抽出し、特徴に合った出力画像を再生成するものであるため、当業者であれば、SR技法の適用によって第2画像群の画像が生成可能であるという点を理解することができるであろう。
【0041】
画像保存および送信モジュール230は、生成された第2画像群の画像を保存してよい。画像保存および送信モジュール230は、第2画像群の画像を、生成の基となった第1画像群の画像にマッチングしてデータベースに保存してよい。また、画像保存および送信モジュール230は、生成された第2画像群の画像間の相互位置関係に基づいて第2画像群の画像を整列し、整列結果に基づいて第2画像群の画像を保存してよい。例えば、画像保存モジュール230は、第2画像群の画像の物理的位置の順に、すなわち、画像に対応する深さ値の順に画像を整列し、整列された画像をデータベースに保存してよい。
【0042】
画像保存および送信モジュール230は、データベースに保存された第1画像群の画像または第2画像群の画像を外部エンティティ(entity)に提供してよい。外部エンティティに提供するときに、画像保存および送信モジュール230は、所定のディスプレイ装置などを通じて提供するか、備えられた通信部を通じて外部エンティティに第1画像群の画像または第2画像群の画像を提供してよい。画像保存および送信モジュール230は、読影者の要求にしたがい、第1画像群の画像または第2画像群の画像を選択的に外部エンティティに提供してよい。
【0043】
ここで、外部エンティティとは、前記コンピュータ装置100の使用者、管理者、前記被検体を担当する担当医療専門家などを含んでよく、この他にも、前記第1画像群の画像から算出された第2画像群の画像を必要とする主体であればすべて含まれるものと理解されなければならない。例えば、前記外部エンティティは、前記第2画像群の画像を活用する別途のAI(Aritifical Intelligence:AI)ハードウェアおよび/またはソフトウェアモジュールを含む外部のAI装置であってよい。また、外部エンティティにおける「外部(external)」とは、前記第1画像群の画像および第2画像群の画像のうちの少なくとも1つを利用するAIハードウェアおよび/またはソフトウェアモジュールが前記コンピュータ装置100と一体化する実施形態を排除することを意図したものではなく、本発明の方法を実行するハードウェアおよび/またはソフトウェアモジュールの結果物である第2画像群の画像が他の方法の入力データとしても活用可能であることを示唆するように利用されたものであることを明らかにしておく。つまり、前記外部エンティティは、コンピュータ装置100自体であってもよい。
【0044】
なお、このように生成された第2画像群の画像は、今後、医師の読影および診断を容易にするために活用されるようになるであろう。
【0045】
マッチングされて保存された第1画像群の画像および第2画像群の画像に基づき、画像保存および送信モジュール230は、読影者が画像を効果的に閲覧することのできる手段を提供する。読影の正確性を向上させるために、厚いスライス厚に対応する画像および薄いスライス厚に対応する画像の両方を被写体から個別に生成して保存して読影者が必要に応じて独立する2つの画像を交互に確認していた従来の方式は、2つの画像が互いにマッチングされておらず、読影者が独立する画像を交互に直接確認しなければならないため、読影に断絶が生じることがあった。本願発明の場合は、第1画像群の画像と第2画像群の画像が互いにマッチングされており、第2画像群の画像は相互位置関係に基づいて整列されているため、画像読影過程において断絶がなく、迅速かつ正確に読影を実行することができる手段を提供することが可能となる。
【0046】
図2に示した構成要素は、説明の便宜上、1つのコンピュータ装置で実現されるように示されているが、本発明の方法を実行するコンピュータ装置100は、複数の装置が互いに連動するように構成されてもよいという点が理解されなければならない。
【0047】
以下、本発明に係る画像提供方法の一実施形態について、
図3〜5を参照しながらさらに詳しく説明する。
【0048】
図3は、一実施形態における、画像提供方法を説明するためのフローチャートである。
【0049】
図3を参照すると、コンピュータ装置は、段階S100で、被写体に属する第1スライス厚の連続的な体積に対して生成された一連の画像のうちの少なくとも一部を含む第1画像群を取得するか、コンピュータ装置と連動する他の装置が第1画像群を取得するように支援してよい。一実施形態よると、第1画像群は、被写体に属する第1スライス厚の連続的な体積に対して生成された一連の画像のうちの少なくとも一部を平面に投影することによって生成されてよい。
【0050】
段階S200で、コンピュータ装置は、第1画像群のうちの一画像または被写体に属する第2スライス厚の連続的な体積に対して生成される一連の画像を含む第2画像群のうちの一画像を現在の閲覧画像として提供するか、前記コンピュータ装置と連動する他の装置が提供するように支援してよい。一実施形態によると、第2スライス厚は、第1スライス厚よりも薄くてよい。第2画像群は、SR(Super−Resolution)により、第1画像群から生成されてよい。
【0051】
段階S300で、コンピュータ装置は、入力装置の第1特定入力に応じ、第1特定入力に与えられた方向性に基づき、現在の閲覧画像として提供される画像を次の閲覧に提供されるように定められた個別の画像に繰り返し更新するか、他の装置が更新するように支援するプロセスを実行してよい。第1特定入力は、現在の閲覧画像を更新するための入力であり、方向性を有する任意の入力であってよい。例えば、第1特定入力は、方向性を有するマウススクロールによる入力、またはキーボードの方向キーを利用した入力であってよい。上方向のマウススクロール入力が実行された場合、コンピュータ装置は、現在の閲覧画像に対して軸方向に真上の位置に対応する画像に現在の閲覧画像を更新してよい。これとは反対に、下方向のマウススクロール入力が実行された場合、コンピュータ装置は、現在の閲覧画像の軸方向に真下の位置に対応する画像に現在の閲覧画像を更新してよい。第1特定入力が提示された例示に限定されることはなく、方向性を有する入力を提供することのできる任意の方式を含んでよい。
【0052】
段階S300で、コンピュータ装置は、入力装置の第2特定入力に応じ、現在の閲覧画像を第1画像群に属する画像と第2画像群に属する画像との間で切り換えるか、他の装置が切り換えるように支援するプロセスを実行してよい。例えば、現在の閲覧画像が第1画像群の画像の場合に第2特定入力が実行された場合、コンピュータ装置は、現在の閲覧画像に対応する第2画像群に含まれた画像に現在の閲覧画像を切り換えてよい。上述したように、第2画像群の画像は、第1画像群の画像にマッチングされているため、画像の切り換えを遅滞なく実行することができ、これによって読影の断絶を防ぐことができる。
【0053】
一実施形態によると、第2特定入力は、トグルキー(toggle key)方式によって実行されてよい。例えば、第1画像群が現在の閲覧画像として提供される状況で、トグルキーに基づいて第2特定入力が受信された場合、コンピュータ装置は、第2特定入力を受信した時点に提供される現在の閲覧画像に対応する第2画像群に属する画像を現在の閲覧画像として提供してよい。以後、トグルキーに基づいて第2特定入力が再び受信された場合、第2特定入力を再び受信した時点の現在の閲覧画像に対応する第1画像群の画像を現在の閲覧画像として提供してよい。
【0054】
他の実施形態によると、第2特定入力に対応する所定のユーザ入力が維持される間、コンピュータ装置は、第2画像群に含まれた画像を現在の閲覧画像として提供してよい。より具体的に、第1画像群に含まれた画像が現在の閲覧画像として提供されている状況で、第2特定入力が開始され、3秒間が維持された場合、コンピュータ装置は、第2特定入力を受信した時点に提供される現在の閲覧画像に対応する第2画像群の画像を現在の画像として提供してよく、第2特定入力が維持される3秒間にわたり、第2画像群の画像を現在の画像として提供してよい。第2特定入力が維持される状況で、第1特定入力が実行される場合、コンピュータ装置は、第2画像群の画像で、現在の閲覧画像を更新する動作を実行してよい。つまり、第2特定入力が維持される状況で上方向に対応する第1特定入力が受信される場合、コンピュータ装置は、現在の閲覧画像の軸方向に真上の位置に対応する第2画像群の画像に現在の閲覧画像を更新してよい。
【0055】
コンピュータ装置によって画像が提供される方式の具体的な例については、
図5を参照しながらより詳しく説明する。
【0056】
図4は、一実施形態における、第2画像群の画像が生成されて保存される方式を説明するための図である。
【0057】
コンピュータ装置は、上述したように、予め保存された第1画像群に含まれた画像410から第2画像群に対応する画像421、422、423、424、425を生成してよい。例えば、画像410は、5mmのスライス厚に対応する第1画像群に含まれる画像であってよい。画像421、422、423、424、425は、1mmのスライス厚に対応する第2画像群に含まれる画像であってよい。5枚の画像421、422、423、424、425は、5mmのスライス厚に対応する画像410に基づいて生成されてよい。コンピュータ装置は、画像410および画像421、422、423、424、425を互いにマッチングし、マッチングされた画像をデータベースに保存してよい。例えば、画像410に基づいて生成された画像421、422、423、424、425は、画像410とマッチングされて保存され、画像421、422、423、424、425は、それぞれの物理的位置情報(例えば、対応する深さ情報の順)に基づいて整列されて保存されてよい。画像410と画像421、422、423、424、425をマッチングする方式は、画像の識別番号どうしをマッチングする方式であってよい。例えば、画像410に対応する識別番号がA1であり、画像421、422、423、424、425に対応する識別番号がB1、B2、B3、B4、B5である場合、A1とB1〜B5とをマッチングしてデータベース上に保存してよい。このような方式により、第2画像群に含まれるすべての画像は、対応する第1画像群の画像とマッチングされてデータベースに保存され、第2画像群に含まれる画像は、相互間の位置関係情報に基づいて整列されてデータベースに保存されてよい。
【0058】
図5は、一実施形態における、コンピュータ装置による画像提供方法が適用された一例を示した図である。
【0059】
図5を参照すると、画像510、520は、出力装置を通じて読影者に提供される画像であってよい。第1特定入力531は、読影者が現在の閲覧画像512を更新するための入力であって、マウスのスクロール、キーボードの方向ボタンなどのように方向性を提供する任意の入力を含んでよい。
【0060】
5mmのスライス厚に対応する第1画像群の画像512が初期画像として読影者に提供される状況で、読影者から第1特定入力531を受信する場合、コンピュータ装置は画像512を更新してよい。より詳しく説明すると、読影者は、上方向のマウススクロール入力によって現在の閲覧画像512よりも深さ軸に5mm上位に対応する画像513を閲覧したり、下方向のマウススクロール入力によって現在の閲覧画像512よりも深さ軸に5mm下位に対応する画像511を閲覧したりすることができる。
【0061】
より細密な読影のために、現在閲覧中の5mmのスライス厚に対応する画像510よりも薄いスライス厚の画像520を閲覧しなければならない場合、読影者は、第2特定入力532によって画像を切り換えてよい。例えば、現在の閲覧画像512を閲覧している途中に読影者から第2特定入力532を受信する場合、コンピュータ装置は、現在の閲覧画像512にマッチングされて予め保存された画像521、522、523、524、525のうちのいずれか1つを提供してよい。提示された図面において、画像521、522、523、524、525は、画像512に基づいて生成された1mmのスライス厚の画像であってよく、画像526、527は、画像513に基づいて生成された1mmのスライス厚の画像であってよい。
【0062】
一実施形態によると、コンピュータ装置は、第2特定入力532が維持される間に切り換えられた画像520を提供し、第2特定入力532が終了する場合、再び画像510を提供してよい。第2特定入力532が維持される状況で、読影者は、第1特定入力531によって閲覧画像521、522、523、524、525、526間の更新を実行してよい。画像の更新方式は、画像510に対して説明した方式と同じであってよい。
【0063】
第2特定入力532が中断された場合、中断された時点に、現在の閲覧画像525に対応する画像510に画像が切り換えられてよい。
【0064】
他の実施形態によると、第2特定入力532は、トグルキー方式によって実行されてよい。例えば、読影者は、第2特定入力532を実行する場合に、該当の入力を維持しなくても、第2特定入力532が再び受信されるまで切り換えられた画像520の閲覧を維持してよい。
【0065】
上述した実施形態の説明に基づき、当業者であれば、本発明の方法および/またはプロセス、またはその段階が、ハードウェア、ソフトウェア、または特定の用例に適合したハードウェアおよびソフトウェアの任意の組み合わせによって実現可能であるという点を明確に理解することができるであろう。前記ハードウェアは、汎用コンピュータおよび/または専用コンピュータ装置、または特定のコンピュータ装置または特定のコンピュータ装置の特別な形態または構成要素を含んでよい。前記プロセスは、内部および/または外部メモリを有する、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、組み込みマイクロコントローラ、プログラマブルデジタル信号プロセッサ、またはその他のプログラマブル装置によって実現されてよい。また、あるいは代案として、前記プロセスは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブルゲートアレイ(programmable gate array)、プログラマブルアレイロジック(Programmable Array Logic:PAL)、または電子信号を処理するために構成されることのできる任意の他の装置または装置の組み合わせによって実施されてよい。さらに、本発明の技術的解法の対象物または先行技術に寄与する部分は、多様なコンピュータ構成要素によって実行可能なプログラム命令語の形態で実現されて機械読み取り可能な記録媒体に記録されてよい。前記機械読み取り可能な記録媒体は、プログラム命令語、データファイル、データ構造などを単独または組み合わせて含んでよい。前記機械読み取り可能な記録媒体に記録されるプログラム命令語は、本発明のために特別に設計されて構成されたものであっても、コンピュータソフトウェア分野の当業者に公知の使用可能なものであってもよい。機械読み取り可能な記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスク、および磁気テープのような磁気媒体、CD−ROM、DVD、Blu−ray(登録商標)のような光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような光磁気媒体(magneto−optical media)、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令語を記録して実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令語の例には、上述した装置のうちのいずれか1つだけでなく、プロセッサ、プロセッサアーキテクチャ、または異なるハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせによる異種結合、または他のいずれかのプログラム命令語を実行することのできる機械上で実行されるために記録およびコンパイルまたはインタプリタされることのできる、Cのような構造的プログラミング言語、C++のようなオブジェクト志向プログラミング言語、または高級または低級プログラミング言語(アセンブリ語、ハードウェア技術言語、およびデータベースプログラミング言語および技術)を使用して生成されてよく、機械語コードやバイトコードはもちろん、インタプリタなどを使用してコンピュータによって実行されることのできる高級言語コードもこれに含まれる。
【0066】
したがって、本発明に係る一実施形態では、上述した方法およびその組み合わせが1つ以上のコンピュータ装置によって実行されるときに、その方法および方法の組み合わせが各段階を実行させる実行可能なコードとして実施されてよい。他の実施形態では、前記方法は、前記段階を実行するシステムによって実施されてよく、方法は、装置にわたって多様な状態に分散されても、すべての機能が1つの専用、独立型装置、または他のハードウェアに統合されてもよい。さらに他の実施形態では、上述したプロセスと関連する段階を実行する手段は、上述した任意のハードウェアおよび/またはソフトウェアを含んでよい。このようなすべての順次結合および組み合わせは、本発明の範囲内に属するように意図されたものである。
【0067】
例えば、上述したハードウェア装置は、本発明に係る処理を実行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成されてよく、その逆も同じである。前記ハードウェア装置は、プログラム命令語を記録するためのROM/RAMのようなメモリと結合し、前記メモリに記録された命令語を実行するように構成されるMPU、CPU、GPU、TPUのようなプロセッサを含んでよく、外部装置と信号をやり取りすることのできる通信部を含んでよい。さらに、前記ハードウェア装置は、開発者によって作成された命令語を伝達するためのキーボード、マウス、またはその他の外部入力装置を含んでよい。
【0068】
以上のように、実施形態について、具体的な構成要素などのような特定の事項と限定された実施形態および図面に基づいて説明したが、これは本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、本発明がこのような実施形態に限定されてはならず、当業者であれば、このような記載から多様な修正および変形が可能であろう。
【0069】
したがって、本発明の思想は、上述した実施形態に局限されて定められてはならず、添付の特許請求の範囲と均等であるか等価的に変更されたすべてのものは、本発明の思想の範囲に属する。
【0070】
このように均等であるか等価的に変形されたものには、例えば、本発明に係る方法を実施したときと同じ結果を導き出すことのできる、論理的に同値(logically equivalent)の方法が含まれてよく、本発明の真意および範囲が上述した実施形態に制限されてはならず、法律に基づいて許容可能な最も広い意味として解釈されなければならない。