【文献】
Li, Weixia, et al,Biological activity evaluation and structure-activity relationships analysis of ferulic acid and caffeic acid derivatives for anticancer,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2012年,Vol.22(19),p.6085-6088
【文献】
Alza, Natalia P., et al,Synthesis and cholinesterase inhibition of cativic acid derivatives,Bioorganic & Medicinal Chemistry,2014年,Vol.22(15),p.3838-3849
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ラタノプロステンブノドの効率的且つ経済的な製造方法を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、前記製造方法に用いられる中間体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態は、下記化学式1で表されるラタノプロステンブノドの製造方法に関するものであって、本発明の製造方法は、
(i)下記化学式3で表される化合物を、下記化学式4で表される化合物とエステル化反応させて、下記化学式5で表される化合物を収得する段階;及び
(ii)下記化学式5で表される化合物のブロミドをニトロ化反応させる段階を含む。
【0009】
【化3】
【0010】
【化4】
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】
以下、本発明の製造方法を下記反応式2を参照してより詳しく説明する。なお、下記反応式2で表された方法は、代表的に用いられた方法を例示したものであるに過ぎず、反応試薬、反応条件などは場合に応じて適宜変更されてよい。
【0014】
【化7】
【0015】
第1段階:化学式5で表される化合物の合成
化学式5で表される化合物は、化学式3で表される化合物を化学式4で表される化合物と塩基の存在下でエステル化反応させて製造することができる。
【0016】
前記塩基としては、水酸化ナトリウム、炭酸カリウムなどが用いられてよく、特に、炭酸カリウムを用いて行うことが好ましい。
【0017】
このとき、反応溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムイミドなどが用いられてよく、特に、ジメチルホルムイミドを用いて行うことが好ましい。
【0018】
反応温度は、約40〜50℃の範囲が適合し、反応時間は、約2時間が好ましい。
【0019】
第2段階:化学式1で表される化合物の製造
化学式1で表される化合物は、化学式5で表される化合物のブロミドをニトロ化反応させて製造することができる。
【0020】
前記ニトロ化反応は、硝酸塩を用いて置換反応させて行なってよい。前記硝酸塩としては、硝酸銀(AgNO3)を用いることが好ましい。硝酸塩を用いる場合、置換反応の際に生成された臭化銀(AgBr)が沈澱されて副反応を低減させることができる。
【0021】
このとき、反応溶媒としては、アセトニトリルが好ましい。
【0022】
反応温度は、約30〜40℃の範囲が適合し、反応時間は、約40〜50時間の範囲が好ましい。
【0023】
本発明の一実施形態において、前記化学式3で表される化合物は、下記化学式2で表される化合物のイソプロピルエステル基を加水分解反応させて製造することができる。
【0024】
【化8】
【0025】
前記加水分解反応は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム・一水和物などを用いて行われてよく、特に、水酸化リチウム・一水和物を用いて行うことが好ましい。
【0026】
このとき、反応溶媒としては、エタノール、メタノール、水、又はこれらの混合溶媒などが用いられてよく、特に、メタノールと水との混合溶媒が好ましい。
【0027】
反応温度は、室温が適合し、反応時間は、15〜20時間の範囲が好ましい。
【0028】
本発明の一実施形態は、ラタノプロステンブノドの製造中間体である下記化学式5で表される化合物に関するものである。
【0029】
【化9】
【0030】
本発明の一実施形態は、前記化学式5で表される化合物の製造方法に関するものであって、本発明の一実施形態に係る製造方法は、
(i)下記化学式3で表される化合物を下記化学式4で表される化合物とエステル化反応させる段階を含む。
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】
前記化学式5で表される化合物の製造方法に関する詳細な説明は、ラタノプロステンブノドの製造方法に関連して上述した第1段階と同一であるので、重複を避けるために具体的な説明を省略する。
【発明の効果】
【0034】
本発明の製造方法によれば、化学式1で表されるラタノプロステンブノドを副反応を低減しながら効率的且つ経済的に製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明することにする。なお、これらの実施例は、単に発明を説明するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではないことは当業者にとって自明である。
【0036】
製造例1:化学式3で表される化合物の製造
ラタノプロスト(2)(30g)をメタノール(600mL)に溶かした後、水(120mL)と水酸化リチウム・一水和物(14.55g)を加え、室温で約15時間撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(エチルアセテート:メタノール=15:1)にて観測した。反応完了後、反応溶媒を濃縮し、1M塩化アンモニウム(300mL)、2M硫酸水素ナトリウム(300mL)及びエチルアセテート(300mL)を加え、約15〜20分間撹拌した。有機層を分離し無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、ろ過後に減圧濃縮した。得られた残留物をシリカゲルを用いたクロマトグラフィー(エチルアセテート:メタノール=5:1)にて精製して、純粋なラタノプロスト酸((Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−((R)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンチル)シクロペンチル)ヘプト−5−エン酸)(3)(23.9g、88%)を収得した。
【0037】
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) : 7.30-7.25 (2H, m), 7.20-7.14 (3H, m), 5.53-5.30 (2H, m), 4.16-4.08 (5H, m), 3.95-3.94 (1H, m), 3.74-3.66 (1H, m), 2.84-2.60 (2H, m), 2.36-2.31 (2H, t, J = 6.7 Hz), 2.27-2.23 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.18-2.10 (2H, q, J = 7.3 Hz), 1.88-1.86 (2H, m), 1.84-1.47 (8H, m), 1.40-1.32 (2H, m);
13C NMR (300 MHz, CDCl
3) : δ = 177.5, 142.2, 129.6, 129.5, 128.6, 126.0, 78.7, 74.6, 71.7, 52.6, 51.9, 42.6, 38.9, 35.3, 33.2, 32.2, 29.2, 26.8, 26.5, 24.8, 14.3.。
【0038】
実施例1:化学式5で表される化合物の製造
化学式3で表される化合物(22.8g)をジメチルホルムイミド(342mL)に溶かした後、炭酸カリウム(24.2g)及び1,4−ジブロモブタン(4)(37.8g)を加え、約40〜50℃で約2時間加熱撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(エチルアセテート100%)にて観測した。反応完了後、飽和塩化ナトリウム水溶液(684mL)及びエチルアセテート(684mL)を加え、約15〜20分間撹拌した。有機層を分離して飽和塩化ナトリウム水溶液(456mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、ろ過後に減圧濃縮した。得られた残留物をシリカゲルを用いたクロマトグラフィー(エチルアセテート100%)にて精製して、純粋な4−ブロモブチル(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−((R)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンチル)シクロペンチル)ヘプト−5−エノエート(5)(25.5g、83%)を収得した。
【0039】
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) : 7.31-7.16 (5H, m), 5.51-5.35 (2H, m), 4.17 (1H, s), 4.12-4.08 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.95 (1H, s), 3.69-3.65 (1H, m), 3.45-3.41 (2H, t, J = 6.5 Hz), 2.85-2.63 (2H, m), 2.60 (1H, s), 2.38-2.30 (3H, m), 2.28-2.07 (3H, m), 1.98-1.59 (14H, m), 1.56-1.47 (1H, m), 1.44-1.25 (2H, m);
13C NMR (300 MHz, CDCl3) : δ = 174.0, 142.2, 129.6, 129.5, 128.6, 128.5, 126.0, 79.0, 74.9, 71.4, 69.6, 53.1, 52.0, 42.7, 39.2, 35.9, 33.8, 33.2, 32.3, 29.8, 29.4, 27.4, 27.1, 26.8, 25.0.。
【0040】
実施例2:化学式1で表される化合物の製造
化学式5で表される化合物(25.5g)をアセトニトリル(382mL)に溶かした後、硝酸銀(16.5g)を加え、約30〜40℃で約40〜50時間加熱撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:エタノール=5:1)にて観測した。反応完了後、反応物の温度を室温に冷却させ、不溶性固体をセルライトろ過を施して除去した。ろ過液を減圧濃縮し、エチルアセテート(382mL)及び水(382mL)を加え、約15〜20分間撹拌した。有機層を分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液(382mL)を加え、約10〜15分間撹拌した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、ろ過後に減圧濃縮した。得られた残留物をシリカゲルを用いたクロマトグラフィー(ヘキサン:エタノール=5:1)にて精製して、純粋な4−(ニトロオキシ)ブチル(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−((R)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンチル)シクロペンチル)ヘプト−5−エノエート(1)(14.0g、56.8%)を収得した。
【0041】
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) : 7.31-7.26 (2H, m), 7.21-7.15 (3H, m), 5.51-5.34 (2H, m), 4.49-4.45 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.16-4.15 (1H, m), 4.12-4.08 (2H, t, J = 6.0 Hz), 3.95-3.94 (1H, m), 3.67 (1H, m), 2.85-2.75 (1H, m), 2.72-2.62 (2H, m), 2.40-2.38 (1H, d, J = 5.8 Hz), 2.35-2.30 (2H, t, J = 7.3 Hz), 2.28-2.21 (1H, m), 2.17-2.09 (2H, m), 1.87-1.86 (2H, m), 1.84-1.58 (12H, m), 1.56-1.47 (1H, m), 1.43-1.27 (2H, m);
13C NMR (300 MHz, CDCl
3) : δ = 173.9, 142.2, 129.6, 129.5, 128.5, 128.5, 125.9, 78.9, 74.9, 72.7, 71.4, 63.6, 53.0, 52.0, 42.6, 39.2, 35.9, 33.9, 32.2, 29.7, 27.1, 26.7, 25.1, 24.9, 23.8.。