(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の交通信号灯器は、灯器本体に上記表示灯を設置する必要がある。このため、上記表示灯やこれに接続される配線類などを設置するための構造やスペースを必要とするという問題がある。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、信号灯器に変更を加えることなく、多様な色覚に対応可能な信号灯器の点灯制御装置およびこれを備えた信号機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る点灯制御装置は、発光色が異なる3つの灯具を有する信号灯器の点灯制御装置であって、検出部と、制御部とを具備する。
上記検出部は、上記3つの灯具のうち、第1の光度で点灯させる点灯指令が出力されている灯具を検出することが可能に構成される。
上記制御部は、上記点灯指令が出力されていない他の2つの灯具を前記第1の光度よりも低い第2の光度でそれぞれ発光させる発光指令を生成することが可能に構成される。
【0009】
上記点灯制御装置においては、点灯指令が出力されている灯具は第1の光度で点灯し、点灯指令が出力されていない他の2つの灯具は、第1の光度よりも低い第2の光度で発光するように制御される。このように明るさに差をもたせて各灯具を発光させることにより、健常な色覚を有する者にとっては灯色の誤認を防ぐことができ、赤と黄が同じように見える色覚多様性を有する者にとっては位置情報から灯色を適切に認識することができる。
上記点灯制御装置によれば、各灯具の発光量を制御するように構成されているため、信号灯器に特別な構成を必要とすることはなく、したがって既存の信号灯器を用いて色覚の多様性に適切に対応することができる。
【0010】
上記制御部は、判断部と、出力部とを有してもよい。
上記判断部は、上記検出部の出力に基づいて上記3つの灯具のうち前記第2の光度で発光させる2つの灯具を判断する。上記出力部は、上記判断部の出力に基づいて上記発光指令を生成する。
【0011】
上記点灯制御装置は、信号制御機と上記信号灯器との間を接続する給電ラインをさらに具備してもよい。上記検出部および上記制御部は、上記信号制御機と上記信号灯器との間に上記給電ラインとは並列的に接続される。
これにより、給電ラインから各灯具の発光に必要な電力を得ることができる。
【0012】
この場合、上記給電ラインは、上記制御部から出力された発光指令の上記信号制御機への入力を遮断するアイソレータを有してもよい。
これにより、制御部の出力が信号制御機へ入力されることを防止して、各灯具を適切に発光させることができる。
【0013】
上記検出部は、3つの灯具のうち、上記第1の光度で点滅させる点滅指令が出力されている灯具を検出することが可能に構成されてもよい。上記制御部は、上記点滅指令が出力されていない他の2つの灯具を上記第2の光度でそれぞれ点滅させる点滅発光指令を生成することが可能に構成される。
これにより、赤または黄の点滅灯にも多様な色覚に対応することが可能となる。
【0014】
この場合、上記制御部は、上記点滅発光指令を上記点滅指令と同期して生成するように構成されてもよい。
点滅指令が出力されている灯具の滅灯時に、点滅指令が出力されていない他の2つの灯具も滅灯させるようにすることで、色覚多様性を有する者に対する点滅灯具の認識性を高めることができる。
【0015】
上記点灯制御装置は、補助電源をさらに具備してもよい。上記補助電源は、上記制御部において、上記点滅指令が出力されている灯具の滅灯時に上記3つの灯具を上記第2の光度で発光させる発光信号を生成するのに必要な電力を供給することが可能に構成される。
このような構成によっても、色覚多様性を有する者に対する点滅灯具の認識性を高めることができる。
【0016】
本発明の一形態に係る信号機は、信号灯器と、点灯制御装置とを具備する。
上記信号灯器は、発光色が異なる3つの灯具を有する。
上記点灯制御装置は、検出部と、制御部とを有する。
上記検出部は、上記3つの灯具のうち、第1の光度で点灯させる点灯指令が出力されている灯具を検出することが可能に構成される。
上記制御部は、上記点灯指令が出力されていない他の2つの灯具を前記第1の光度よりも低い第2の光度でそれぞれ発光させる発光指令を生成することが可能に構成される。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、信号灯器に変更を加えることなく、多様な色覚に対応することが可能な信号灯器を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0020】
<第1の実施形態>
[信号機の全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る交通用の信号機1を示す正面図である。
【0021】
信号機1は、車両用の信号灯器2と、信号灯器2を制御する信号制御装置100とを備える。信号灯器2および信号制御装置100は、支柱3に取り付けられ、これらは電線ケーブルを介して接続される。
なお図示せずとも、信号機1は、歩行者用の信号灯器や矢印灯等を備えていてもよい。典型的には、歩行者用の信号灯器は支柱3に設置され、矢印灯は信号灯器2の下部に設置される。
【0022】
信号灯器2は、道路上に設置され、車両や通行人に停止表示、通行可能表示その他の交通管制情報を視認させるための三灯式交通信号灯として構成される。
信号灯器2は、青色灯具2G、黄色灯具2Yおよび赤色灯具2Rの3つの灯具と、これらの灯具を共通に支持する筐体21とを有する。
【0023】
各灯具2G,2Y,2Rは、筐体21の所定位置に取り付けられ、
図1において左から順に、青色灯具2G、黄色灯具2Yおよび赤色灯具2Rが配置されている。各灯具2G,2Y,2Rは、それぞれ青色(緑色)、黄色および赤色に発光可能なLED(Light Emitting Diode)素子の集合体を光源とするLED式信号灯で構成される。なおこれに限られず、各灯具は電球式の信号灯で構成されてもよい。
【0024】
筐体21は、典型的には金属材料で構成され、水平方向に長手方向を有する立体形状を有する。筐体21は、アーム(腕金)4を介して支柱3に固定される。
【0025】
図2は、信号機1の回路構成を示すブロック図である。
信号制御装置100は、信号制御機10と、点灯制御装置50とを有する。点灯制御装置50は、信号灯器2の中に配置されてもよいし、信号制御機10の中に配置されてもよい。
【0026】
信号制御機10は、商用電源を電力源に用いて、予め設定された点灯時間(現示秒数)や周期で各灯具2G,2Y,2Rの発光を制御する。信号制御機10は、灯具2G,2Y,2Rへ点灯指令を出力することが可能な個別端子部10G,10Y,10Rと、灯具2G,2Y,2Rに共通な共通端子部COM(例えばグランド端子)を有し、各灯具2G,2Y,2Rは、個別端子部10G,10Y,10Rと共通端子部COMとの間に電気的に接続される。
【0027】
点灯制御装置50は、後述するように、信号制御機10から点灯指令が出力されている灯具(以下、現示色灯具ともいう)だけでなく、信号制御機10から点灯指令が出力されていない灯具(非現示色灯具ともいう)をも所定の光度で発光させることが可能に構成される。
【0028】
図3A〜Cは、信号灯器2の概略正面図であり、Aは青色灯具3Gの点灯状態を、Bは黄色灯具3Yの点灯状態を、そしてCは赤色灯具2Rの点灯状態をそれぞれ示している。本実施形態では、3つの灯具のうち1つの灯具(現示色灯具)が第1の光度で点灯している間は、他の2つの灯具(非現示色灯具)は上記第1の光度よりも低い第2の光度で発光するように制御される。これにより、夜間時においても灯具の位置関係から点灯色を容易に把握することができ、例えば、赤色と黄色とが同じように見える色覚多様性を有する者に対して位置情報から点灯色を容易に認識させることができる。
【0029】
ここで、第1の光度は、信号灯器2の点灯(現示)に必要な明るさを意味し、第2の光度は、色覚健常者に対して信号灯器2の灯色を誤認させない明るさを意味する。
従来の電球式の交通信号灯器では、西日が当たった際(灯器表面で10,000lxを想定)、点灯色と非点灯色の輝度比が15:1以上であれば、西日による誤認をしない信号灯器と認められる仕様がある(太陽ファントム;ISO 16508:1999 CIE S 006.1/E)。
そこで本実施形態では、第1の光度と第2の光度の比は、15:1以上に設定される。すなわち、非現示色灯具は、現示色灯具の1/15以下の明るさで発光するように制御される。例えば、第1の光度が300cd(カンデラ)の場合、第2の光度は20cd以下に設定される。
なお、第2の光度は、上記の例に限られず、信号灯器2の設置高さや設置場所、設置方向等に応じて適宜設定することが可能である。
【0030】
[点灯制御装置]
続いて、点灯制御装置50の詳細について説明する。
【0031】
図2に示すように、点灯制御装置50は、信号制御機10と信号灯器2との間に設置される。点灯制御装置50は、検出部51と、制御部52と、給電ライン54とを有する。
【0032】
給電ライン54は、信号制御機10と信号灯器2との間を接続し、信号灯器2の各灯具2G,2Y,2Rへ点灯指令を入力する3本の信号線54G、54Y、54Rを含む。信号制御機10は、灯色信号として各点灯色に対応した交流電源(点灯指令S0)が供給される。点灯指令S0は、3つの灯具2G,2Y,2Rのうちいずれか1つの灯具に入力され、灯色信号を入力された灯具は第1の光度で点灯するように構成される。
【0033】
検出部51および制御部52は、信号制御機10と信号灯器2との間に給電ライン54とは並列的に接続される。
【0034】
検出部51は、給電ライン54に接続され、3つの灯具2G,2Y,2Rのうち、点灯指令S0が出力されている灯具を検出することが可能に構成される。本実施形態において検出部51は、検出線55G,55Y,55Rを介して入力される給電ライン54の各信号線54G,54Y,54Rのうちいずれの信号線に信号制御機10からの点灯指令S0が入力されているかを検出する。検出部51は、グランド電位等を基準電位とする電圧検出回路で構成され、各信号線54G,54Y,54Rの電位から現在の信号灯色を判別する。
【0035】
制御部52は、点灯指令S0が出力されていない他の2つの灯具を第1の光度よりも低い第2の光度でそれぞれ発光させる発光指令S1を生成することが可能に構成される。本実施形態において制御部52は、判断部521と、出力部522とを有する。
【0036】
判断部521は、検出部51の出力に基づいて、3つの灯具2G,2Y,2Rのうち第2の光度で発光させる2つの灯具を判断することが可能に構成される。
一方、出力部522は、判断部521の出力に基づいて、第2の光度で発光させる2つの灯具に出力される発光指令S1を生成することが可能に構成される。
【0037】
上述のように、点灯制御装置50は、点灯指令S0が出力されている灯具に対しては第1の光度で発光(点灯)させ、それ以外の灯具に対しては第1の光度の1/15以下に減光された第2の光度で発光させるように構成される。判断部521は、検出部51の出力を基に、減光して発光させる灯色を判断し、出力部522は、減光して発光させるための信号波形(発光指令S1)を発生させ、これを該当する灯具へ供給する。判断部521は、例えば、論理回路あるいはCPU(Central Processing Unit)を含むコンピュータ等で構成される。出力部522は、例えば、スイッチング素子等で構成される。
【0038】
検出部51および制御部52(判断部521、出力部522)は、電源補助ライン56を介して供給される電源を用いて駆動される。電源補助ライン56は、検出線55G,55Y,55Rを介して給電ライン54に接続される。給電ライン54の信号線54G,54Y,54Rのいずれか1つには信号制御機10からの点灯指令S0が出力されているため、一の灯具に対する点灯指令S0を基に、他の灯具の発光指令S1の生成に必要な電力が賄われる。
【0039】
出力部522において生成された発光指令S1は、点灯指令S0が出力されていない給電ライン54(信号線54G,54Y,54Rのうちいずれか2つの信号線)へ供給される。例えば
図3Aにしめすように、青色灯具2Gに点灯指令S0が入力されているときは、黄色灯具2Yおよび赤色灯具2Rと接続される信号線54Y,54Rへ発光指令S1が入力される。これにより、黄色灯具2Yおよび赤色灯具2Rは、青色灯具2Gの1/15以下の明るさで発光することが可能となる。
【0040】
給電ライン54の各信号線54G,54Y,54Rおよび、電源補助ライン56を構成する検出線55G,55Y,55Rからの分岐線にはそれぞれ、アイソレータ53が設置される。これにより、給電ライン54においては制御部52(出力部522)からの発光指令S1が信号制御機10へ入力されるのを防止でき、電源補助ライン56においては一の信号線に出力された点灯指令S0の他の信号性への混入を防止して、検出部51における適正な信号検出と信号制御機10における適正な動作が確保される。
【0041】
出力部522は、点灯指令S0の交流波形を変形させることで、発光指令S1を生成するように構成される。点灯指令S0は、典型的には、
図4Aに示すような連続的な交流波形を有する。出力部522は、
図4Bに示すように点灯指令S0を間引いた離散的な波形に変形することで発光指令S1を生成することができる。この波形よれば、発光指令S1により、現示色(例えば青色)の1/16の明るさで非現示色(例えば黄色、赤色)が発光する。
【0042】
発光指令S1は、点灯指令S0を間引く方法以外に、
図5に示すように点灯指令S0の所定位相成分のみを抽出する位相制御、あるいは、
図6に示すように点灯指令S1を所定のデューティ比で変調するパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)等が用いられてもよい。
【0043】
[信号機の動作]
次に、以上のように構成される信号機1の典型的な動作について説明する。
【0044】
図7は、点灯制御装置50において実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0045】
点灯制御装置50は、検出部51において、信号灯器2の現在の点灯色、すなわち、3つの灯具2G,2Y,2Rのうち信号制御機10から点灯指令が出力されている灯具を検出する(ステップ101)。
【0046】
続いて、点灯制御装置50は、判断部521において、点灯指令が出力されていない他の2つの灯具を判別し、出力部522において、判別された2つの灯具を第2の光度で発光させる発光指令S1を出力する(ステップ102,103)。
【0047】
点灯制御装置50は、例えば、点灯色が青色の場合(
図3A)は、黄色灯具2Yおよび赤色灯具2Rに対する発光指令S1を生成し、点灯色が黄色の場合(
図3B)は、青色灯具2Gおよび赤色灯具2Rに対する発光指令S1を生成し、点灯色が赤色の場合(
図3C)は、青色灯具2Gおよび黄色灯具2Yに対する発光指令S1を生成する。
【0048】
制御部52において生成された発光指令S1は、給電ライン54を介して信号灯器2の所定の2つの灯具へ供給される。これにより、給電ライン54を構成する3つの信号線54G,54Y,54Rのうち、1の信号線には点灯指令S0が出力され、他の2の信号線には発光指令S1が出力される。
【0049】
以上のように、本実施形態の信号機1においては、点灯指令が出力されている灯具は第1の光度で点灯し、点灯指令が出力されていない他の2つの灯具は、第1の光度よりも低い第2の光度で発光するように制御される。このように明るさに差をもたせて各灯具2G,2Y,2Rを発光させることにより、健常な色覚を有する者にとっては灯色の誤認を防ぐことができ、赤と黄が同じように見える色覚多様性を有する者にとっては位置情報から灯色を適切に認識することができる。
【0050】
本実施形態によれば、点灯制御装置50により、各灯具2G,2Y,2Rの発光量を制御するように構成されているため、信号灯器2に特別な構成を必要とすることはなく、したがって既存の信号灯器を用いて色覚の多様性に対応可能なユニバーサルデザイン信号機を構成することができる。
【0051】
特に、点灯制御装置50が信号制御機10と信号灯器2との間に取り付け可能に構成されているため、既存の信号機に点灯制御装置50を追加的に接続することで、本実施形態の信号機1を構成することができる。
【0052】
さらに本実施形態によれば、信号制御機10と信号灯器2との間を接続する給電ライン54を備えているため、検出部51における点灯色の検出および制御部52における発光指令S1の生成に必要な電力を、給電ライン54から簡便に取得することができる。
【0053】
<第2の実施形態>
図8は、本発明の第2の実施形態に係る信号機の動作の一例を示すフローチャートである。
以下、第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付しその説明を省略または簡略化する。
【0054】
本実施形態では、夜間等において赤色または黄色の灯色を所定周期で点滅させる点滅信号機としての機能をも備える信号機について説明する。
【0055】
本実施形態の信号機は、第1の実施形態と同様な構成の点灯制御装置50を有する。本実施形態の点灯制御装置50は、検出部51において、3つの灯具2G,2Y,2Rのうち、第1の光度で点滅させる点滅指令が出力されている灯具を検出することが可能に構成される(ステップ201)。点滅指令は、信号制御機10から出力され、典型的には、黄色灯具2Yおよび赤色灯具2Rのいずれか一方に点滅指令が出力される。
【0056】
点灯制御装置50は、制御部52において、点滅指令が出力されていない他の2つの灯具を上記第2の光度でそれぞれ点滅させる点滅発光指令を生成することが可能に構成される(ステップ202,203)。これにより、点滅灯色を灯具の位置情報から容易に把握することができるため、夜間時における赤または黄の点滅灯にも多様な色覚に対応することが可能となる。
【0057】
本実施形態において制御部52は、点滅発光指令を前記点滅指令と同期して生成するように構成される。このように、点滅指令が出力されている灯具の滅灯時に、点滅指令が出力されていない他の2つの灯具も滅灯させるようにすることで、色覚多様性を有する者に対する点滅灯具の認識性を高めることができる。
【0058】
<第3の実施形態>
図9は、本発明の第3の実施形態に係る信号機31の構成を示すブロック図、
図10は、信号機31の動作の一例を示すフローチャートである。
以下、第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付しその説明を省略または簡略化する。
【0059】
本実施形態の信号機31は、第2の実施形態と同様に、夜間等において赤色または黄色の灯色を所定周期で点滅させる点滅信号機としての機能をも備える。
【0060】
本実施形態において点灯制御装置50は、
図9に示すように、補助電源57をさらに備える。補助電源57は、電源補助ライン56を介して給電ライン54に電気的に接続された充放電可能な蓄電池あるいはキャパシタ、およびそれらの充放電回路等で構成される。補助電源57は、蓄電された電力を検出部51および制御部52に供給することが可能に構成される。
【0061】
本実施形態の点灯制御装置50は、
図10に示すように、検出部51において、3つの灯具2G,2Y,2Rのうち、第1の光度で点滅させる点滅指令が出力されている灯具を検出することが可能に構成される(ステップ301)。点滅指令は、信号制御機10から出力され、典型的には、黄色灯具2Yおよび赤色灯具2Rのいずれか一方に点滅指令が出力される。
【0062】
点灯制御装置50は、制御部52において、点滅指令が出力されていない他の2つの灯具を上記第2の光度でそれぞれ発光させる発光指令S2を生成することが可能に構成される(ステップ302,303)。これにより、第2の実施形態と同様に、点滅灯色を灯具の位置情報から容易に把握することができるため、夜間時における赤または黄の点滅灯にも多様な色覚に対応することが可能となる。
【0063】
本実施形態においては、補助電源57に充電された電力を用いて発光指令S2を生成することができるため、点滅灯の滅灯時に給電ライン54の電力が消失しても、点滅灯具以外の2つの灯具を常に第2の光度で発光させることができる。
【0064】
これに加えて、本実施形態では、点灯制御装置50は、点滅灯具の滅灯時において、当該点滅灯具をも上記第2の光度で発光させるように構成される。これにより、点滅灯具の滅灯時において他の2つの灯具のみが発光する状態を無くすことができるため、灯色の誤認を防止することができる。
【0065】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
【0066】
例えば以上の実施形態では、点灯指令または点滅指令が出力されていない2つの灯具を共通に第2の光度で発光させるようにしたが、これら2つの灯具間において光度差があってもよい。この場合も、各灯具の光度は、第1の光度の1/15以下の光度とすることが好ましい。
【0067】
また、点灯指令または点滅指令が出力されていない2つの灯具を第2の光度で発光させる際、これら灯具の全てのLED素子を発光させてもよいし、これら灯具の一部のLED素子(例えば、灯具の周縁部あるいは中央部のみ)を発光させるようにしてもよい。