特許第6980345号(P6980345)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本車輌製造株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6980345-チュービング装置 図000002
  • 特許6980345-チュービング装置 図000003
  • 特許6980345-チュービング装置 図000004
  • 特許6980345-チュービング装置 図000005
  • 特許6980345-チュービング装置 図000006
  • 特許6980345-チュービング装置 図000007
  • 特許6980345-チュービング装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6980345
(24)【登録日】2021年11月19日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】チュービング装置
(51)【国際特許分類】
   E21B 7/20 20060101AFI20211202BHJP
   E02D 13/04 20060101ALI20211202BHJP
   E02D 7/20 20060101ALN20211202BHJP
【FI】
   E21B7/20
   E02D13/04
   !E02D7/20
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-214541(P2017-214541)
(22)【出願日】2017年11月7日
(65)【公開番号】特開2019-85765(P2019-85765A)
(43)【公開日】2019年6月6日
【審査請求日】2020年9月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(72)【発明者】
【氏名】栗本 真司
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀直
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−040434(JP,A)
【文献】 特開2012−026135(JP,A)
【文献】 特開2001−159287(JP,A)
【文献】 特開平07−197463(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0259984(US,A1)
【文献】 特開2014−201923(JP,A)
【文献】 特開2001−329775(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 7/20
E02D 13/04
E02D 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上に据え付けられるベースフレームと、該ベースフレームの上方に昇降シリンダを介して昇降可能に設けられたドライブフレームと、該ドライブフレームの上方にチャックシリンダを介して昇降可能に設けられたチャックフレームと、前記ベースフレーム、ドライブフレーム及びチャックフレームの中央部を鉛直方向に貫通するケーシング挿通孔とを備え、前記チャックフレームの上に、前記ケーシング挿通孔の内径に対応した内径を有する開口部を備えた作業デッキと、該作業デッキの外縁に沿って着脱可能に設けられた複数の手摺部材とを備えたチュービング装置において、前記ケーシング挿通孔に、前記作業デッキから取り外した前記複数の手摺部材を起立状態で収納する手摺保持器を着脱可能に設け
前記手摺保持器は、有底筒状の手摺収納部を備え、
前記手摺収納部の底面に、前記複数の手摺部材の支柱部の下端部をそれぞれ挿入する複数の手摺下部保持部が設けられていること
を特徴とするチュービング装置。
【請求項2】
地上に据え付けられるベースフレームと、該ベースフレームの上方に昇降シリンダを介して昇降可能に設けられたドライブフレームと、該ドライブフレームの上方にチャックシリンダを介して昇降可能に設けられたチャックフレームと、前記ベースフレーム、ドライブフレーム及びチャックフレームの中央部を鉛直方向に貫通するケーシング挿通孔とを備え、前記チャックフレームの上に、前記ケーシング挿通孔の内径に対応した内径を有する開口部を備えた作業デッキと、該作業デッキの外縁に沿って着脱可能に設けられた複数の手摺部材とを備えたチュービング装置において、前記ケーシング挿通孔に、前記作業デッキから取り外した前記複数の手摺部材を起立状態で収納する手摺保持器を着脱可能に設け、
前記手摺保持器は、有底筒状の手摺収納部を備え、
前記手摺収納部の上部に、前記複数の手摺部材の上部を保持する手摺上部保持部材が設けられている
ことを特徴とするチュービング装置。
【請求項3】
前記手摺収納部は、前記複数の手摺部材を互いに平行に隣接させて収納可能とし、前記手摺保持器は、前記手摺収納部の上端外周に設けられて前記ケーシング挿通孔の上部内径に対応した外径を有するリング状の踏み板を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載のチュービング装置。
【請求項4】
前記踏み板の上面と、前記手摺収納部に収納された手摺部材の上面とが面一になることを特徴とする請求項記載のチュービング装置。
【請求項5】
前記複数の手摺部材は、幅寸法が異なる2種類以上の手摺部材を有し、幅寸法が最大の手摺部材は、前記手摺収納部の中央部に収納されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のチュービング装置。
【請求項6】
前記手摺収納部の側面に複数の開口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のチュービング装置。
【請求項7】
前記手摺収納部の底面中央部に開口が設けられるとともに、該開口を覆う網状部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のチュービング装置。
【請求項8】
前記踏み板に、手摺保持器吊り上げ用の吊り部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載のチュービング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チュービング装置に関し、詳しくは、建築、土木の基礎工事で地中へのケーシングの圧入や引き抜きを行うチュービング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーシングチューブを回転させながら地中に圧入したり、引き抜いたりするチュービング装置では、ケーシングの挿入や着脱、コンクリートの注入などの作業をする際の転落事故を防止するため、チュービング装置本体の上面に設けた作業デッキの外縁に沿って手摺を設けることが行われている(例えば、特許文献1参照。)。一方、チュービング装置を輸送する際には、手摺やチュービング装置を作動させるために必要な各種油圧ホースを取り外すことから、これらの輸送性や保管性の向上が求められている。そこで、作業中以外は空洞状態となるケーシング挿通孔の上部に複数の油圧ホースを纏めて保持できるホース保持器が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−329775号公報
【特許文献2】特開2012−26135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、取り外した手摺は幅や高さ寸法が大きく、積み重ねると油圧ホースよりも嵩張り易いので、特許文献2に記載されるようなホース保持器を、手摺を収めるための収納部として流用する場合には、収納部をかなりの深さに形成しなければならず、この場合、積み重ねた手摺のうち下部に収納されている手摺を取り出す作業は容易でない上に、手摺を取り出した後の収納部に作業者が誤って転落するおそれがあるといった課題があった。
【0005】
そこで本発明は、複数の手摺部材をチュービング装置と一緒に輸送、保管することができ、且つ、取り扱いも容易な手摺保持器を備えたチュービング装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のチュービング装置は、地上に据え付けられるベースフレームと、該ベースフレームの上方に昇降シリンダを介して昇降可能に設けられたドライブフレームと、該ドライブフレームの上方にチャックシリンダを介して昇降可能に設けられたチャックフレームと、前記ベースフレーム、ドライブフレーム及びチャックフレームの中央部を鉛直方向に貫通するケーシング挿通孔とを備え、前記チャックフレームの上に、前記ケーシング挿通孔の内径に対応した内径を有する開口部を備えた作業デッキと、該作業デッキの外縁に沿って着脱可能に設けられた複数の手摺部材とを備えたチュービング装置において、前記ケーシング挿通孔に、前記作業デッキから取り外した前記複数の手摺部材を起立状態で収納する手摺保持器を着脱可能に設け、前記手摺保持器は、有底筒状の手摺収納部を備え、前記手摺収納部の底面に、前記複数の手摺部材の支柱部の下端部をそれぞれ挿入する複数の手摺下部保持部が設けられていることを特徴としている。また、前記手摺収納部の上部に、前記複数の手摺部材の上部を保持する手摺上部保持部材が設けられていることを特徴としている。
【0007】
また、前記手摺収納部は、前記複数の手摺部材を互いに平行に隣接させて収納可能とし、前記手摺保持器は、前記手摺収納部の上端外周に設けられて前記ケーシング挿通孔の上部内径に対応した外径を有するリング状の踏み板を備えていることを特徴とし、前記踏み板の上面と、前記手摺収納部に収納された手摺部材の上面とが面一になることを特徴としている。
【0008】
さらに、前記複数の手摺部材は、幅寸法が異なる2種類以上の手摺部材を有し、幅寸法が最大の手摺部材は、前記手摺収納部の中央部に収納されることを特徴としている。
【0009】
また、前記手摺収納部の側面に複数の開口が設けられていること、前記手摺収納部の底面中央部に開口が設けられるとともに、該開口を覆う網状部材が設けられていること、前記踏み板に、手摺保持器吊り上げ用の吊り部が設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明のチュービング装置によれば、作業時以外は上下に貫通した筒状開口部となるケーシング挿通孔内に手摺保持器を装着し、該手摺保持器に複数の手摺部材を纏めて収納しておくので、作業デッキに手摺部材を上げ下ろしする負担が解消されるだけでなく、輸送時、保管時の手摺部材を収納するためのスペースも必要なくなり、輸送性、保管性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一形態例を示すチュービング装置の側面図である。
図2】同じく平面図である。
図3】同じく取り外した手摺部材を手摺保持器に収納した状態を示すチュービング装置の平面図である。
図4】同じく手摺保持器の一部断面斜視図及び手摺部材の斜視図である。
図5】同じく手摺保持器の平面図である。
図6図5のVI−VI断面図である。
図7図5のVII−VII断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1乃至図7は、本発明のチュービング装置の一形態例を示している。本形態例に示すチュービング装置11は、図1及び図2に示すように、地上に据え付けられるベースフレーム12と、該ベースフレーム12の上方に昇降シリンダ13を介して昇降可能に設けられたドライブフレーム14と、該ドライブフレーム14の上方にチャックシリンダ15を介して昇降可能に設けられたチャックフレーム16とを備えており、前記ベースフレーム12、ドライブフレーム14及びチャックフレーム16の中央部には、鉛直方向に貫通して同軸上に配置されたケーシング挿通孔17が設けられている。
【0013】
チャックフレーム16の内周には、ケーシングチューブ(図示せず)を把持するための複数のチャック18が周方向に等間隔で設けられている。また、チャックフレーム16の上面には、ケーシング挿通孔17の内径に対応した内径を有する開口部19を備えた作業デッキ20が設けられている。さらに、チャックフレーム16の側面には、作業デッキ20に昇降するための梯子21が設けられている。また、開口部19の周縁と作業デッキ20の外縁とが接近している部分には、作業デッキ20の外方に張り出す拡幅デッキ20aが着脱可能に設けられている。
【0014】
作業デッキ20及び拡幅デッキ20aの外縁部には、複数の手摺部材22が着脱可能に設けられている。手摺部材22は、安全基準に対応した形状を有しており、高さ寸法を共通にして幅寸法が異なる3種類の第1手摺部材23、第2手摺部材24及び第3手摺部材25が用いられている。拡幅デッキ20aの中央部には幅寸法が最大の第1手摺部材23が4本、拡幅デッキ20aの両側部には幅寸法が最小の第2手摺部材24が4本、拡幅デッキ20aが設けられていない作業デッキ20の両側部分には、第2手摺部材24より僅かに幅広の第3手摺部材25が4本、合計で12本の手摺部材22が設けられている。
【0015】
第1手摺部材23、第2手摺部材24及び第3手摺部材25は、基本的に同一の形状を有しており、水平方向の把持部23a,24a,25aと、各把持部23a,24a,25aの両端に設けられた左右一対の支柱部23b,24b,25bと、各支柱部23b,24b,25bの下部に設けられた鍔部23c,24c,25cと、各支柱部23b,24b,25b間を連結する上下一対の横桟23d,24d,25dとで形成され、幅広の第1手摺部材23には、把持部23aの中央部と上下の横桟23d,23dとを連結する補強用の縦桟23eが設けられている。
【0016】
一方、作業デッキ20及び拡幅デッキ20aの外縁部には、各手摺部材22の支柱部23b,24b,25bに対応した位置に、筒状の手摺取付部材20bがそれぞれ設けられており、各手摺取付部材20bに対応した手摺部材22の支柱部23b,24b,25bの下部を手摺取付部材20bの内部に挿入し、鍔部23c,24c,25cが手摺取付部材20bの上端に当接した状態で抜け止め部材26を取り付けることにより、各手摺部材22が所定の位置にそれぞれ固定される。
【0017】
ケーシング挿通孔17の開口上部には、チュービング装置11を輸送する際に、作業デッキ20及び拡幅デッキ20aから取り外した手摺部材22を収納するための手摺保持器27が着脱可能に設けられている。
【0018】
手摺保持器27は、図3乃至図7に示すように、前記12本の手摺部材22、すなわち、各4本の第1手摺部材23、第2手摺部材24及び第3手摺部材25をそれぞれ起立させた状態で、互いに平行に、隣接させて横並びに収納可能な有底筒状の手摺収納部27aと、該手摺収納部27aの上端外周に、水平方向に張り出す状態で設けられ、前記ケーシング挿通孔17の上部内径に対応した外径を有し、上面が作業デッキ20の上面と略面一になるリング状の踏み板27bと、手摺収納部27aの下端に設けられたリング状の接地板27cとを備えている。
【0019】
手摺収納部27aは、8枚の側板27dを連結して平面視正八角形状に形成した筒部27eと、該筒部27eの下部内周に固着された底板27fとで形成されており、底板27fには、手摺下部保持部として、各手摺部材22の支柱部23b,24b,25bの下部を挿通可能な複数の挿通孔27gがそれぞれ対応した位置に設けられている。各手摺部材22は、鍔部23c,24c,25cが当接するまで支柱部23b,24b,25bの下部を挿通孔27gに挿通することによって手摺収納部27a内に収納された状態になる。
【0020】
筒部27eの深さ、すなわち、踏み板27bの上面と底板27fの上面との距離は、手摺収納部27a内に収納した手摺部材22の把持部23a,24a,25aの上面と踏み板27bの上面とが略面一になるように設定され、踏み板27bの上面から手摺部材22の上部が突出しないようにしている。また、底板27fと接地板27cとの距離は、鍔部23c,24c,25cから下方に突出した支柱部23b,24b,25bの下部の長さより僅かに大きくしている。
【0021】
複数の挿通孔27gは、正八角形状の底板27fにおける相対向する一組の対辺の内側に、すなわち、手摺収納部27aの中央部となる部分に、幅寸法が最大の第1手摺部材23に対応した4組の挿通孔27gが、その外側に隣接して第3手摺部材25に対応した各2組の挿通孔27gが、最も外側に幅寸法が最小の第2手摺部材24に対応した各2組の挿通孔27gが、それぞれ設けられている。
【0022】
また、手摺収納部27aの上部開口には、手摺上部保持部材として、各組の挿通孔27g同士を結ぶ直線に平行な方向に、複数の仕切部材27hが水平方向に掛け渡されている。隣接する仕切部材27h同士の間隔は、各手摺部材22の鍔部23c,24c,25cの外径より大きく設定され、仕切部材27h同士の間を通して各手摺部材22を手摺収納部27aに出し入れできるようにしている。また、仕切部材27h同士の間に各支柱部23b,24b,25bの上部を挟んで手摺部材22が大きく揺れ動かないようにするとともに、把持部23a,24a,25aが仕切部材27hより上に突出するように設定している。
【0023】
踏み板27bは、表面に滑り止め用の突起を設けた縞鋼板で形成され、この踏み板27bは、側板27dから放射状に突設された複数の立板27iと、該複数の立板27iの上部外端を囲繞したリング状の帯板27jとにより支持され、足場としての剛性が高められている。また、立板27iの外端は、ケーシング挿通孔17の開口形状や、ケーシング挿通孔17内に突出するチャック18などの位置に対応するように、上部に比べて下部の突出量が小さくなる形状に形成され、帯板27jの下端内周部分は段状に形成されている。
【0024】
また、踏み板27bには、前記立板27iの上端に対応した位置に、手摺保持器吊り上げ用の吊り部27kが周方向の複数箇所に設けられている。吊り部27kは、立板27iの上端に半円形の切欠き27mを形成するとともに、この切欠き27mに対応した位置の踏み板27bに丸孔27nを形成し、踏み板27bの下面に、丸孔27nを横切る方向の丸棒27oを溶着して形成されている。これにより、踏み板27bの上面から突出させない状態で吊り部27kを形成することができる。
【0025】
前記底板27fの中央部には略矩形の開口27pが設けられるとともに、該開口27pを覆う網目状のエキスパンドメタル27qが張設されており、手摺収納部27a内に雨水などが溜まることを防止しながら、上部開口から落下した工具などが更に下方に落下することを防止している。さらに、各側板27dには、複数の開口27rが設けられており、底板27fやエキスパンドメタル27qの上に落下した工具や枯れ葉などを取り出せるようにしている。
【0026】
このように形成された手摺保持器27を備えたチュービング装置11は、ケーシングチューブの圧入などの作業を行う際には、作業デッキ20及び拡幅デッキ20aの外縁部に、対応した幅寸法の手摺部材22をそれぞれ装着することにより、デッキからの転落事故を防止する。このとき、手摺保持器27は、接地板27cを接地させて地上に置かれた状態になっている。
【0027】
そして、作業終了後にチュービング装置11を輸送する際には、吊り部27kを使用してクレーンなどで手摺保持器27を吊り上げ、作業デッキ20の上方に移動させてケーシング挿通孔17の真上に位置合わせして手摺保持器27を降下させる。これにより、手摺保持器27が作業デッキ20の開口部19内に挿入され、帯板27jの下端がチャックフレーム16上面に設けた係合部(図示せず)に係合し、上下が開口したケーシング挿通孔17の上部側の所定位置に手摺保持器27が設置され、踏み板27bによって開口部19の周縁が閉塞されるとともに、手摺収納部27a内に手摺部材22を収納可能な状態になる。さらに、仕切部材27hによって手摺収納部27a内への転落も防止される。
【0028】
このように、ケーシング挿通孔17に着脱可能に装着した手摺保持器27に複数の手摺部材22を纏めて収納しておくことができるので、作業デッキ20に手摺部材22を上げ下ろしする負担が解消されるだけでなく、手摺部材22を輸送するための荷台スペースも必要なくなり、輸送性、保管性を向上させることができる。また、手摺収納部27aを平面視で正八角形に形成し、対向する対辺間に幅寸法が最大の第1手摺部材23を収納することにより、手摺保持器27の小型化を図ることができ、ケーシング挿通孔17の内周に装着されているチャック18やチャックカラーなどの部材を取り外す必要もなくなる。
【0029】
さらに、仕切部材27hの間を通して底板27fに設けた挿通孔27gに支柱部23b,24b,25bの下部を挿入するだけで手摺部材22を起立状態で互いに平行に隣接させて収納することができるので、手摺部材22の収納作業を容易に行うことができる。しかも、手摺収納部27aの上部に架け渡された複数の仕切部材27hと挿通孔27gとによって手摺部材22を起立状態に安定して保持することができる。また、仕切部材27hより上方に把持部23a,24a,25aを突出させることにより、手摺収納部27aからの手摺部材22の取り出しを容易に行うことができる。
【0030】
加えて、手摺部材22の上部や吊り部27kを作業デッキ20の上面より突出しないように形成することにより、輸送時の全体の高さを制限高さ以下にすることができ、作業時につまずくこともなくなる。
【0031】
なお、本発明は、前記形態例に限るものではなく、手摺部材の並びは任意であり、手摺部材の幅や高さ寸法などの条件に応じて手摺収納部や手摺部材を保持する部分の構造を適宜に形成することができる。さらに、輸送制限の範囲内であれば、把持部を踏み板から突出させた状態で手摺部材を収納することもでき、吊り部を突出させておくこともできる。
【符号の説明】
【0032】
11…チュービング装置、12…ベースフレーム、13…昇降シリンダ、14…ドライブフレーム、15…チャックシリンダ、16…チャックフレーム、17…ケーシング挿通孔、18…チャック、19…開口部、20…作業デッキ、20a…拡幅デッキ、20b…手摺取付部材、21…梯子、22…手摺部材、23…第1手摺部材(幅広手摺部材)、23a…把持部、23b…支柱部、23c…鍔部、23d…横桟、23e…縦桟、24…第2手摺部材、24a…把持部、24b…支柱部、24c…鍔部、24d…横桟、25…第3手摺部材、25a…把持部、25b…支柱部、25c…鍔部、25d…横桟、26…抜け止め部材、27…手摺保持器、27a…手摺収納部、27b…踏み板、27c…接地板、27d…側板、27e…筒部、27f…底板、27g…挿通孔、27h…仕切部材、27i…立板、27j…帯板、27k…吊り部、27m…切欠き、27n…丸孔、27o…丸棒、27p…開口、27q…エキスパンドメタル、27r…開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7