【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、骨粗鬆症治療薬であるビスホスホネート剤が樹状細胞又はγδT細胞を刺激し、免疫反応が活性化される現象に着目した。
γδT細胞は、抗原刺激によりIFN−γ、TNF−α等のTh1サイトカインだけでなく、IL−4、IL−13等のTh2サイトカイン及びCXCL13等のケモカインを分泌し、全身の免疫反応を賦活化させる働きを持つ。しかしながら、γδT細胞は末梢血中には1〜5%しか存在せず、単にビスホスホネート剤を投与しただけでは充分な免疫反応を誘導できないと考えられる。
一方、粘膜上皮層及び真皮内には多数のγδT細胞が存在し、外敵の侵入に即座に反応し、自然免疫のような役割を担っている。
本発明者らは、当該観点に着目し、ビスホスホネート剤である免疫誘導促進剤を抗原とともに体表面上の投与(例えば、経皮投与又は経粘膜投与)によって直接生体に投与することで、樹状細胞又はγδT細胞を刺激し、抗原特異的な液性免疫を効果的に誘導できることを見出した。
【0012】
即ち、本発明は、液性免疫誘導のためのワクチン医薬組成物であって、抗原と、ビスホス ホネート剤である免疫誘導促進剤とを含み、上
記ビスホスホネート剤である免疫誘導促進剤は、エチドロネート、クロドロネート、チルドロネート、パミドロネート、ネリドロネート、アレンドロネート、イバンドロネート、ゾレドロネート、リセドロネート及びミノドロネートからなる群より選択される少なくとも一種であり、経皮投与
、舌下投与又経鼻投与されるものであるワクチン医薬組成物である。
上記ワクチン
医薬組成物は、舌下投与されるものであることが好ましい。
以下、本発明について詳述する。
【0013】
本発明のワクチン医薬組成物は、液性免疫誘導のために用いられるものである。
液性免疫誘導効果を定量的に測定する方法は特に限定されず、様々な方法が開発されているが、例えば、免疫評価用モデル動物を用いた免疫誘導実験及びELISA法(抗原特異的IgG抗体)により測定することができる。ELISA法のためのサンプルとしては、例えば、免疫評価用モデル動物の血液が挙げられる。
【0014】
本発明のワクチン医薬組成物は、抗原と、ビスホスホネート剤である免疫誘導促進剤とを含む。
上記抗原と、上記ビスホスホネート剤である免疫誘導促進剤とを含むことで、本発明のワクチン医薬組成物は、抗原特異的な液性免疫を効果的に誘導することができる。
【0015】
上記抗原は、感染症由来抗原であることが好ましい。
上記感染症由来抗原とは、被験生物体によって生じる免疫応答の標的であることができるあらゆる物質を指す。また、上記感染症由来抗原は、免疫担当細胞に接触した際に、免疫応答(例えば、免疫担当細胞の成熟、サイトカイン産生量、抗体産生等)の標的となる物質であってもよい。
【0016】
上記感染症由来抗原としては、感染性病原体及び感染性病原体由来の抗原であれば特に限定されない。
上記感染性病原体から罹る疾患としては特に限定されず、例えば、アデノウイルス(例えば、ヒトアデノウイルス)、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス、ヒトヘルペスウイルス、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス)、ピコルナウイルス(例えば、ポリオウイルス、風邪ウイルス、A型肝炎ウイルス)、ポックスウイルス(例えば、痘瘡ウイルス、ワクシニアウイルス、伝染性軟属腫ウイルス)、ピコルナウイルス(例えば、ライノウイルス、エンテロウイルス)、オルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、パラミクソウイルス(例えば、パラインフルエンザウィルス、おたふく風邪ウイルス、はしかウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ニューカッスル病ウイルス)、パルボウイルス(例えば、アデノ随伴ウイルス)、トガウイルス(例えば、風疹ウイルス)、コロナウイルス(例えば、SARSコロナウイルス)、ヘパドナウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス)、フラビウイルス(例えば、日本脳炎ウイルス、黄熱病ウイルス、デング熱ウイルス、西ナイル熱ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、マレーバレー脳炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、G型肝炎ウイルス)、ヘペウイルス(例えば、E型肝炎ウイルス)、パピローマウイルス(例えば、ヒト乳頭腫ウイルス)、カリシウイルス(例えば、ノロウイルス)、ラブドウイルス(例えば、狂犬病ウイルス、水疱性口内炎ウイルス)、フィロウイルス(例えば、エボラ出血熱ウイルス)、アレナウイルス(例えば、ラッサウイルス、D型肝炎ウイルス)、ブニヤウイルス(例えば、カリフォルニア脳炎ウイルス、リフトバレー熱ウイルス)、レオウイルス(例えば、ロタウイルス)、レトロウィルス(例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、成人T細胞白血病ウイルス)等のウイルス感染から罹る疾患等のウイルス疾患;エシェリキア属、エンテロバクター、サルモネラ、ブドウ球菌、赤痢菌、リステリア、アエロバクター、ヘリコバクター、クレブシエラ、プロテウス、シュードモナス、連鎖球菌、クラミジア、マイコプラズマ、肺炎球菌、ナイセリア、クロストリジウム、バシラス、コリネバクテリウム、マイコバクテリウム、カンピロバクター、ビブリオ、セラチア、プロビデンシア、クロモバクテリウム、ブルセラ、エルシニア、ヘモフィルス、ボルデテラ等の細菌感染から罹る疾患等の細菌疾患;クラミジア、カンジダ症、アスペルギルス症、ヒストプラスマ症、クリプトコックス髄膜炎等の真菌疾患;マラリア、ニューモシステイスカリニ肺炎、レーシュマニア症、クリプトスポリジウム症、トキソプラズマ症、トリパノソーマ感染等が挙げられる。
【0017】
上記ビスホスホネート剤である免疫誘導促進剤としては、例えば、骨粗鬆症治療薬として一般に使用されている、ビスホスホネート骨格を有し骨吸収抑制作用を示すものが挙げられる。具体的には例えば、エチドロネート、クロドロネート、チルドロネート、アレンドロネート、イバンドロネート、パミドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、ゾレドロネート、リセドロネート、ミノドロネート、シマドロネート、インカドロネート等が挙げられる。投与部位への刺激、炎症等の副作用が起きにくい点では、側鎖に窒素原子を含まない第一世代と呼ばれるエチドロネート、クロドロネート、チルドロネートが好ましい。また、液性免疫誘導効果が高い点では、側鎖に窒素原子を含む第二世代(アレンドロネート、イバンドロネート、パミドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート)及び第三世代(ゾレドロネート、リセドロネート、ミノドロネート、シマドロネート、インカドロネート)が好ましい。なお、これらの化合物は、塩の形態をとる化合物である。
なかでも、上記ビスホスホネート剤である免疫誘導促進剤としては、エチドロネート、クロドロネート、チルドロネート、パミドロネート、ネリドロネート、アレンドロネート、イバンドロネート、ゾレドロネート、リセドロネート及びミノドロネートからなる群より選択される少なくとも一種がより好ましい。
【0018】
本明細書にいう「塩」とは、任意の有機酸又は無機酸であってよいが、好ましくは薬学的に許容される塩である。
本明細書にいう「薬理学的に許容される塩」とは、投与対象に有害な作用を及ぼさず、かつ、ワクチン医薬組成物中の配合成分の薬理活性を消失させない塩を意味し、例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、リン酸塩)、有機酸塩(例えば、酢酸塩、フタル酸塩、TFA塩)、金属塩(例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩)、アルミニウム塩)、アミン塩(例えば、トリエチルアミン塩、ベンジルアミン塩、ジエタノールアミン塩、t−ブチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、アルギニン塩、ジメチルアンモニウム塩、アンモニウム塩)等が挙げられる。
【0019】
本発明のワクチン医薬組成物における上記ビスホスホネート剤である免疫誘導促進剤の含有量は特に限定されないが、上記抗原1重量部に対する好ましい下限が0.001重量部、好ましい上限が1000重量部である。上記含有量が0.001重量部未満であると、液性免疫誘導効果が充分に得られないことがある。上記含有量が1000重量部を超えると、安全性が問題となることがある。上記含有量のより好ましい下限は0.005重量部、より好ましい上限は500重量部であり、更に好ましい下限は0.01重量部、更に好ましい上限は100重量部である。
【0020】
本発明のワクチン医薬組成物は、上記ビスホスホネート剤である免疫誘導促進剤に加えて、本発明の効果を損なわない範囲内で、第二の免疫誘導促進剤を更に含有していてもよい。
上記第二の免疫誘導促進剤を併用することで、液性免疫を更に促進することができる。
【0021】
本発明のワクチン医薬組成物における上記第二の免疫誘導促進剤の含有量は特に限定されないが、上記抗原1重量部に対する好ましい下限が0.002重量部、好ましい上限が500重量部である。上記含有量が0.002重量部未満であると、液性免疫誘導効果が充分に得られないことがある。上記含有量が500重量部を超えると、安全性が問題となることがある。上記含有量のより好ましい下限は0.01重量部、より好ましい上限は200重量部であり、更に好ましい下限は0.05重量部、更に好ましい上限は100重量部である。
【0022】
本発明のワクチン医薬組成物は、必要に応じて、添加剤を含有していてもよい。上記添加剤は、基材の主成分、上記抗原及び上記ビスホスホネート剤である免疫誘導促進剤との適合性、意図する投与レジメン等に応じて、例えば、等張化剤、防腐殺菌剤、酸化防止剤、溶解剤、溶解補助剤、懸濁化剤、充填剤、pH調節剤、安定化剤、吸収促進剤、放出速度制御剤、着色剤、可塑剤、架橋剤、粘着剤等が挙げられる。これら添加剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0023】
本発明のワクチン医薬組成物は、皮内、皮下又は筋肉内に投与されてもよいが、体表面上に投与されることが好ましく、経皮投与又は経粘膜投与されることがより好ましい。即ち、本発明のワクチン医薬組成物は、皮内、皮下又は筋肉内投与用ワクチン医薬組成物であってもよいが、経皮投与用又は経粘膜投与用ワクチン医薬組成物であることが好ましい。本発明のワクチン医薬組成物を経皮投与又は経粘膜投与により対象に投与することで、抗原特異的な液性免疫を効果的に誘導することができる。経皮投与の場合は、非侵襲的な投与でも低侵襲的な投与でもよい。
本明細書にいう「対象」とは、実用段階においてワクチン医薬組成物を投与して免疫応答を誘導し得るいずれかの動物を意味する。上記対象は、典型的にはヒトを含む哺乳類(例えば、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウサギ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、サル、チンパンジー)である。特に好ましい対象は、ヒトである。
【0024】
<経粘膜投与用ワクチン医薬組成物>
上記経粘膜投与として、例えば、舌下投与、経鼻投与、頬側投与、直腸投与、膣投与等が挙げられる。
上記経粘膜投与用ワクチン医薬組成物の剤形は、例えば、ゲル剤(ゼリー剤)、クリーム剤、軟膏剤、硬膏剤等の半固形剤;液剤;散剤、細粒剤、顆粒剤、フィルム剤、錠剤、口腔内崩壊錠(凍結乾燥型)等の固形製剤;エアゾール剤等の粘膜用スプレー剤;吸引剤等であってよい。これらの組成物の区分、定義、性質、製法等は、当該技術分野において周知であり、例えば日本薬局方第16版を参照されたい。また、これらの材料としては特に限定されず、従来公知のものが使用できる。上記剤形のなかでも、液剤、固形製剤(口腔内崩壊錠(凍結乾燥型)、フィルム剤等)が好ましい。
上記経粘膜投与用ワクチン医薬組成物中の上記抗原及び上記ビスホスホネート剤である免疫誘導促進剤の含有量は特に限定されないが、上記抗原の含有量は0.01〜40重量%が好ましく、0.1〜30重量%がより好ましい。上記ビスホスホネート剤である免疫誘導促進剤の含有量は0.01〜40重量%が好ましく、0.1〜20重量%がより好ましい。
【0025】
上記液剤に用いられる溶媒としては、適量の水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール等が挙げられる。これらの溶媒に配合成分(即ち、上記抗原、上記ビスホスホネート剤である免疫誘導促進剤、必要に応じて上記第二の免疫誘導促進剤等)を分散又は溶解させることで、液剤を調製することができる。
【0026】
上記ゲル剤(ゼリー剤)に用いられる基材としては特に限定されないが、カルボキシビニルポリマー、ゲルベース、無脂肪性軟膏、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、デンプン、キサンタンガム、カラヤガム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、トラガント、アラビアゴム、タラガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、寒天、ジェランガム、グルコマンナン、ローカストビーンガム、グアーガム、カラギーナン、デキストリン、デキストラン、アミロース、カルボキシメチルセルロースカリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、プルラン、キトサン、カルボキシメチルスターチナトリウム、プランタゴ種皮、ガラクトマンナン、オイドラギット、カゼイン、アルギン酸アルキルエステル、ゼラチン、ポリエチレングリコール等のヒドロゲル基材等が挙げられる。これらの基材を溶媒に溶解し、上記配合成分を配合することで、流動性のあるゲル剤又は成形性のあるゲル剤を調製することができる。溶媒としては、好ましくは水であるが、グリセリン、プロピレングリコール等も用いることができる。
【0027】
上記クリーム剤に用いられる基材としては、親水軟膏、バニシングクリーム等の水/油型基材;親水ワセリン、精製ラノリン、アクアホール、オイセリン、ネオセリン、加水ラノリン、コールドクリーム、親水プラスチベース等の油/水型基材が挙げられる。これらの基材を油脂系溶媒又は水に入れてホモジナイザー等で高速攪拌させ、上記配合成分を配合することで、クリーム剤を調製することができる。
【0028】
上記フィルム剤に用いられる基材としては特に限定されないが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、デンプン、キサンタンガム、カラヤガム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、カンテン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、トラガント、アラビアゴム、ローカストビーンガム、グアーガム、カラギーナン、デキストリン、デキストラン、アミロース、カルボキシメチルセルロースカリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、プルラン、キトサン、カルボキシメチルスターチナトリウム、プランタゴ種皮、ガラクトマンナン、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS、メチルアクリレート−メタクリル酸−メチルメタアクリレートコポリマー、アクリル酸エチル−メタクリル酸メチルコポリマー、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、カゼイン、アルギン酸アルキルエステル等が挙げられる。これらの基材を水又はエタノール等の極性有機溶媒に溶解し、上記配合成分を配合し、薄膜塗工後に乾燥させることで、フィルム剤を調製することができる。
【0029】
上記散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤等に用いられる添加剤としては特に限定されないが、例えば、乳糖、コーンスターチ、結晶セルロース等の賦形剤、ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアゴム等の結合剤等が挙げられる。これらの添加剤を適量の水又はエタノール等の溶媒に添加し、上記配合成分を配合し、混合攪拌した後、造粒、乾燥、打錠等の工程を組み合わせることで、上記散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤等を調製することができる。必要であれば、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ショ糖等のコーティング剤を添加してもよい。
【0030】
上記口腔内崩壊錠(凍結乾燥型)に用いられる基材としては、ゼラチン、プルラン等の多糖類、ヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロゲル基材が挙げられる。また、マンニトール、トレハロース、ソルビトール、グリシン等の成形剤を用いてもよい。これらの基材及び成形剤を水に溶解し、上記配合成分を配合し、分注後に凍結乾燥させることで、口腔内崩壊錠(凍結乾燥型)を調製することができる。
【0031】
上記エアゾール剤としては、内容物として液剤、流動性が高いゲル剤、クリーム剤、散剤等の微粉末が挙げられる。これらの内容物を、噴霧デバイスを用いて気体中に固体又は液体の微粒子として分散させることにより、効率よく口腔粘膜、経鼻粘膜等の投与部位に投与することができる。
【0032】
<経皮投与用ワクチン医薬組成物>
上記経皮投与用ワクチン医薬組成物の剤形は、例えば、リニメント剤、ローション剤等の外用液剤;エアゾール剤等の外用スプレー剤;ゲル剤、テープ剤、パップ剤等の貼付剤;軟膏剤、硬膏剤、クリーム剤であってよい。これらの組成物の区分、定義、性質、製法等は、当該技術分野において周知であり、例えば日本薬局方第16版を参照されたい。また、これらの材料としては特に限定されず、従来公知のものが使用できる。上記剤形のなかでも、クリーム剤、貼付剤(テープ剤、パップ剤等)が好ましい。
上記経皮投与用ワクチン医薬組成物中(テープ剤の場合は、粘着剤層中)の上記抗原及び上記ビスホスホネート剤である免疫誘導促進剤の含有量は特に限定されないが、上記抗原の含有量は0.01〜40重量%が好ましく、0.1〜30重量%がより好ましい。上記ビスホスホネート剤である免疫誘導促進剤の含有量は0.01〜40重量%が好ましく、0.1〜20重量%がより好ましい。
【0033】
上記リニメント剤に用いられる基材としては、水、エタノール、脂肪油、硬パラフィン、軟パラフィン、液パラフィン、グリセリン、パラフィン油、蜜蝋、金属石鹸、粘液(mucilage)、天然油(例えば、アーモンド油、コーン油、ピーナッツ油、ヒマシ油、オリーブ油又はそれらの誘導体(例えば、ポリオキシルヒマシ油))、羊脂又はその誘導体、脂肪酸及び/又はそのエステル(例えば、ステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸イソプロピル)が挙げられる。
【0034】
上記ローション剤は、上記配合成分を水性の液中に微細に均質分散した製剤であり、懸濁性ローション剤と、乳濁性ローション剤とを含む。懸濁化剤としては、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ベントナイン等が挙げられる。乳化剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0035】
上記軟膏剤に用いられる基材としては、油脂類、ロウ、炭化水素化合物等の一般に疎水性基材として用いられるものが挙げられる。具体的には、黄色ワセリン、白色ワセリン、パラフィン、流動パラフィン、プラスチベース、シリコーン等の鉱物性基材、ミツロウ、動植物性油脂等の動植物性基材等が挙げられる。
【0036】
上記クリーム剤に用いられる基材としては、親水軟膏、バニシングクリーム等の水/油型基材;親水ワセリン、精製ラノリン、アクアホール、オイセリン、ネオセリン、加水ラノリン、コールドクリーム、親水プラスチベース等の油/水型基材が挙げられる。
【0037】
上記ゲル剤に用いられる基材としては特に限定されないが、例えば、カルボキシビニルポリマー、ゲルベース、無脂肪性軟膏、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、デンプン、キサンタンガム、カラヤガム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、トラガント、アラビアゴム、タラガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、寒天、ジェランガム、グルコマンナン、ローカストビーンガム、グアーガム、カラギーナン、デキストリン、デキストラン、アミロース、カルボキシメチルセルロースカリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、プルラン、キトサン、カルボキシメチルスターチナトリウム、プランタゴ種皮、ガラクトマンナン、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS、メチルアクリレート−メタクリル酸−メチルメタアクリレートコポリマー、アクリル酸エチル−メタクリル酸メチルコポリマー、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、カゼイン、アルギン酸アルキルエステル、ゼラチン、ポリエチレングリコール等のヒドロゲル基材等を用いることができる。
【0038】
上記パップ剤に用いられる基材としては、ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、カオリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、グリセリン、プロピレングリコール、水等が挙げられる。
【0039】
上記テープ剤は、配合成分(即ち、上記抗原、上記ビスホスホネート剤である免疫誘導促進剤、必要に応じて上記第二の免疫誘導促進剤等)を含有する粘着剤層と、上記粘着剤層を支持する支持体とを有することが好ましい。使用前に上記粘着剤層を露出させず、使用時に上記粘着剤層から容易に剥離できる剥離ライナーを更に有していてもよい。
【0040】
上記粘着剤層を形成する粘着剤は特に限定されないが、例えば、アクリル系重合体を含有するアクリル系粘着剤;ゴム系エラストマーを含有するゴム系粘着剤;シリコーンゴム、ジメチルシロキサンベース、ジフェニルシロキサンベース等のシリコーン系粘着剤;ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル系粘着剤;酢酸ビニル−エチレン共重合体等のビニルエステル系粘着剤;ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジメチルフタレート等のカルボン酸成分と、エチレングリコール等の多価アルコール成分とからなるポリエステル系粘着剤等が挙げられる。なかでも、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤が好ましい。抗原の拡散・放出性が良好であることより、ポリアクリル酸ナトリウムのような親水性基材が好ましい。
上記粘着剤層中の上記粘着剤の含有量は特に限定されないが、固形分として、上記粘着剤層の総重量の10〜90重量%が好ましく、20〜80重量%がより好ましい。
【0041】
上記アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを第1の単量体として含む重合体を主成分として含有することが好ましい。
上記第1の単量体としては、炭素数1〜18の直鎖状、分岐鎖状又は環状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。なかでも、炭素数4〜18の直鎖状、分岐鎖状又は環状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。更に、常温で粘着性を与えるために、重合体のガラス転移温度を低下させるモノマー成分の使用が更に好適であることから、炭素数4〜8の直鎖状、分岐鎖状又は環状アルキル基(例えば、ブチル、ペンチル、へキシル、シクロヘキシル、へプチル、オクチル、2−エチルヘキシル等が挙げられ、ブチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシルが好ましく、2−エチルヘキシルが特に好ましい)を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましい。
上記第1の単量体として、具体的には、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸シクロへキシル、メタクリル酸シクロへキシルが好ましく、アクリル酸2−エチルへキシルが特に好ましい。これら第1の単量体は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0042】
上記第1の単量体は、第2の単量体と共重合されていてもよく、このような第2の単量体としては、架橋剤を用いる際の架橋点となりうる官能基を有する単量体が挙げられる。架橋反応に関与できる官能基としては、水酸基、カルボキシル基、ビニル基等が挙げられ、水酸基、カルボキシル基が好ましい。
上記第2の単量体として、具体的には、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸等が挙げられる。なかでも、入手の容易性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ヒドロキシエチルエステル(特に、アクリル酸2−ヒドロキシエチル)が好ましく、アクリル酸が特に好ましい。これら第2の単量体は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0043】
上記第1の単量体及び第2の単量体は、更に、第3の単量体と共重合されていてもよい。
上記第3の単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニルアミド類;(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル等の(メタ)アクリル酸アルコキシエステル;ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチルアクリレート等の水酸基含有モノマー(第3の単量体としての使用なので架橋点とはしない);(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のアミド基を有する(メタ)アクリル酸誘導体;(メタ)アクリル酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルエステル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル;(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールエステル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキレングリコールエステル;(メタ)アクリロニトリル;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、アクリルアミドメチルスルホン酸等のスルホン酸を有するモノマー;ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン等のビニル基含有モノマー等が挙げられる。なかでも、ビニルエステル類、ビニルアミド類が好ましく、ビニルエステル類は酢酸ビニルが好ましく、ビニルアミド類はN−ビニル−2−ピロリドンが好ましい。これら第3の単量体は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0044】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(第1の単量体)と、上記架橋反応に関与できる官能基を有するビニルモノマー(第2の単量体)との共重合体の場合、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、上記架橋反応に関与できる官能基を有するビニルモノマーとの重量比は、99〜85:1〜15が好ましく、99〜90:1〜10がより好ましい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(第1の単量体)と、上記架橋反応に関与できる官能基を有するビニルモノマー(第2の単量体)と、これら以外の他のモノマー(第3の単量体)との共重合体の場合、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、上記架橋反応に関与できる官能基を有するビニルモノマーと、これら以外の他のモノマーとの重量比は、40〜94:1〜15:5〜50が好ましく、50〜89:1〜10:10〜40がより好ましい。
【0045】
重合反応は特に限定されず、従来公知の方法で行えばよく、例えば、重合開始剤(例えば、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル)を添加して、溶媒(例えば、酢酸エチル)中で上述した単量体を50〜70℃で5〜48時間反応させる方法が挙げられる。
【0046】
上記アクリル系粘着剤は、アクリル酸2−エチルへキシルエステル/アクリル酸/N−ビニル−2−ピロリドンの共重合体、アクリル酸2−エチルへキシルエステル/N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド/N−ビニル−2−ピロリドンの共重合体、アクリル酸2−エチルへキシルエステル/アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル/酢酸ビニルの共重合体、アクリル酸2−エチルへキシルエステル/アクリル酸の共重合体を含有することがより好ましく、アクリル酸2−エチルへキシルエステル/アクリル酸/N−ビニル−2−ピロリドンの共重合体を含有することが特に好ましい。
【0047】
上記アクリル系粘着剤には、紫外線照射、電子線照射等の放射線照射による物理的架橋処理を施してもよく、三官能性イソシアネート等のイソシアネート系化合物、有機過酸化物、有機金属塩、金属アルコラート、金属キレート化合物、多官能性化合物(例えば、多官能性外部架橋剤、ジ(メタ)アクリレート等の多官能性内部架橋用モノマー)等の架橋剤を用いた化学的架橋処理を施してもよい。
【0048】
上記ゴム系粘着剤を形成するゴム系エラストマーとしては、ポリイソブチレン−ポリブテン系、スチレン−ジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン系、ニトリル系、クロロプレン系、ビニルピリジン系、ポリイソブチレン系、ブチル系、イソプレン−イソブチレン系等が挙げられる。なかでも、上記配合成分に対する溶解性及び皮膚接着性の点から、ポリイソブチレン(PIB)、スチレン−ジエン−スチレンブロック共重合体(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS))が好ましい。これらゴム系エラストマーは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0049】
上記ゴム系粘着剤には、適度な粘着力及び上記配合成分に対する溶解性を得るために、同一成分又は異なる成分で平均分子量の異なるゴム系エラストマーを混合して使用することができる。例えば、平均分子量15万〜550万の高分子量のポリイソブチレンと、平均分子量1万〜15万の中分子量のポリイソブチレン及び/又は平均分子量500〜4000の低分子量のポリイソブチレンとの混合物が好ましい。高分子量のポリイソブチレンと、中分子量及び/又は低分子量のポリイソブチレンとの重量比は、10〜80(好ましくは20〜70):0〜90(好ましくは0〜80、より好ましくは10〜60)が好ましい。
【0050】
本明細書にいう「平均分子量」とは、Floryの粘度式から計算される粘度平均分子量を意味し、シュタウディンガーインデックス(J
0)を、20℃にてウベローデ粘度計のキャピラリー1のフロータイムからSchulz−Blaschke式により算出し、このJ
0値を用いて下記式により求めるものである。
【0051】
【数1】
【0052】
上記ゴム系粘着剤には、適度な粘着性を付与するために、例えば、ロジン系樹脂、ポリテルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂、キシレン樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂等の粘着付与剤が配合されていてもよい。これら粘着付与剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記粘着付与剤の含有量は、上記ゴム系粘着剤の総重量に基づいて50重量%以下が好ましく、5〜40重量%がより好ましい。
【0053】
上記シリコーン系粘着剤としては、ポリオルガノシロキサン系、ポリジメチルシロキサン系、ポリジメチルジフェニル−シロキサン系等からなるシリコーン系粘着剤が挙げられる。なかでも、Dow Corning Corporation社製のBIO PSAのような商業的に入手可能なシリコーン系粘着剤が好ましく使用される。
【0054】
上記粘着剤層は、皮膚透過性増強剤を更に含有していてもよい。
本明細書にいう「皮膚透過性増強剤」とは、経皮投与される抗原が皮膚を透過する効率を改善しうるあらゆる物質を指す。
上記皮膚透過性増強剤としては、室温(25℃)で液状である(即ち、流動性を有する)ことが好ましい。2種以上の皮膚透過性増強剤を混合して用いる場合には、最終的に混合物が室温(25℃)で液状となり、皮膚透過促進効果を有することが好ましい。このような有機液状成分としては、上記粘着剤層における相溶性の観点から、疎水性液状成分が好ましい。
【0055】
上記皮膚透過性増強剤としては、高級アルコール、脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルが挙げられる。
上記高級アルコールとしては、炭素数8〜18の高級アルコールが好ましく、炭素数8〜14の高級アルコールがより好ましい。上記脂肪酸エステルとしては、炭素数8〜18の脂肪酸と炭素数1〜18の1価アルコールとの脂肪酸エステルが好ましく、炭素数12〜16の脂肪酸と炭素数1〜18の1価アルコールとの脂肪酸エステルがより好ましい。なかでも、脂肪酸エステルが好ましく、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチルが特に好ましい。
【0056】
上記皮膚透過性増強剤は、具体的には、オレイルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール;グリセリン、エチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコール;オレイン酸、カプリル酸等の高級脂肪酸;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル等の脂肪酸エステル;セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル等の多塩基酸エステル;トリイソステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ソルビタン、ジカプリル酸プロピレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等の多価アルコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;スクアラン、流動パラフィン等の炭化水素;オリーブ油、ヒマシ油等の植物油;シリコーン油;N−メチルピロリドン、N−ドデシルピロリドン等のピロリドン類;デシルメチルスルホキシド等のスルホキシドが挙げられる。これら皮膚透過性増強剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0057】
上記アクリル系粘着剤又は上記ゴム系粘着剤を用いる場合、上記皮膚透過性増強剤として、例えば、ポリビニルピロリドン、クロスポビドン、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、又は、それらの混合物を用いることができる。なかでも、ポリビニルピロリドン、クロスポビドン、ポリプロピレングリコールが好ましい。
【0058】
上記粘着剤層中の上記皮膚透過性増強剤の含有量は特に限定されないが、上記粘着剤層の総重量の0.1〜70重量%が好ましく、1〜65重量%がより好ましく、5〜60重量%が更に好ましい。上記皮膚透過性増強剤の含有量が0.1重量%以上である場合、高い皮膚透過促進効果が得られる。上記皮膚透過性増強剤の含有量が70重量%以下である場合、上記粘着剤層全体の粘着力、凝集力の低下を抑制しつつ、高い皮膚透過促進効果が得られる。
【0059】
上記粘着剤層の厚みは特に限定されないが、10〜1000μmが好ましい。上記範囲の厚みとすることにより、上記粘着剤層に有効量の上記配合成分を含有させること、充分な粘着力を発揮させること、上記粘着剤層を形成すること等が容易となる。
【0060】
上記支持体は特に限定されないが、実質的に上記配合成分に対して不透過性を有するもの、即ち、上記粘着剤層に含まれる上記抗原、上記ビスホスホネート剤である免疫誘導促進剤、必要に応じて上記第二の免疫誘導促進剤等が支持体を通って背面から失われて含有量の低下を引き起こさないものが好ましい。
上記支持体としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、アイオノマー樹脂、金属箔等の単独フィルム又はこれらの積層フィルム等が挙げられる。なかでも、上記支持体は、上記粘着剤層との接着性(投錨性)を向上させるために、上述した材質からなる無孔のプラスチックフィルムと、多孔質フィルムとの積層フィルムであることが好ましい。この場合、上記粘着剤層は、多孔質フィルム側に形成されることが好ましい。
【0061】
上記多孔質フィルムとしては、上記粘着剤層との投錨性が向上するものであれば特に限定されず、例えば、紙、織布、不織布、編布、機械的に穿孔処理を施したシート等が挙げられる。なかでも、取り扱い性等の観点から、紙、織布、不織布が好ましい。上記多孔質フィルムの厚みは、投錨性向上、テープ剤の柔軟性及び貼付操作性等の点から、1〜200μmが好ましい。また、織布又は不織布の場合、上記多孔質フィルムの目付量は5〜30g/m
2が好ましく、6〜15g/m
2がより好ましい。
特に上記支持体としては、厚さ1.5〜6μmのポリエステルフィルム(好ましくは、ポリエチレンテレフタレートフィルム)と、目付量6〜15g/m
2のポリエステル(好ましくは、ポリエチレンテレフタレート)製不織布との積層フィルムが好ましい。
【0062】
上記剥離ライナーとしては、剥離処理が施され、充分に軽い剥離力を確保できれば特に限定されず、例えば、上記粘着剤層との接触面にシリコーン樹脂、フッ素樹脂等を塗布することによって剥離処理が施された、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等のフィルム、上質紙、グラシン紙等の紙、上質紙又はグラシン紙等とポリオレフィンとのラミネートフィルム等が挙げられる。
上記剥離ライナーの厚みは、10〜200μmが好ましく、25〜100μmがより好ましい。
特に上記剥離ライナーとしては、バリアー性、価格等の点から、ポリエステル(特に、ポリエチレンテレフタレート)樹脂からなるものが好ましい。この場合、取り扱い性の点から、厚みは25〜100μm程度であることが好ましい。
【0063】
<皮内、皮下又は筋肉内投与用ワクチン医薬組成物>
上記皮内、皮下又は筋肉内投与用ワクチン医薬組成物の剤型は、例えば、液剤、水溶性又は疎水性の懸濁剤、クリーム剤等の注射投与可能なある程度の流動性を有する剤型であればよい。これらの組成物の区分、定義、性質、製法等は、当該技術分野において周知であり、例えば日本薬局方第16版を参照されたい。また、これらの材料としては特に限定されず、従来公知のものが使用できる。
上記皮内、皮下又は筋肉内投与用ワクチン医薬組成物中の上記抗原及び上記ビスホスホネート剤である免疫誘導促進剤の含有量は特に限定されないが、上記抗原の含有量は0.01〜40重量%が好ましく、0.1〜30重量%がより好ましい。上記ビスホスホネート剤である免疫誘導促進剤の含有量は0.001〜30重量%が好ましく、0.01〜20重量%がより好ましい。
【0064】
上記液剤に用いられる溶媒としては、適量の水、生理食塩水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール等が挙げられる。これらの溶媒に上記配合成分を分散又は溶解させることで、液剤を調製することができる。
【0065】
上記水溶性懸濁剤に用いられる基材としては特に限定されないが、カルボキシビニルポリマー、ゲルベース、無脂肪性軟膏、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、デンプン、キサンタンガム、カラヤガム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、トラガント、アラビアゴム、タラガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、寒天、ジェランガム、グルコマンナン、ローカストビーンガム、グアーガム、カラギーナン、デキストリン、デキストラン、アミロース、カルボキシメチルセルロースカリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、プルラン、キトサン、カルボキシメチルスターチナトリウム、プランタゴ種皮、ガラクトマンナン、オイドラギット、カゼイン、アルギン酸アルキルエステル、ゼラチン、ポリエチレングリコール、等のヒドロゲル基材等が挙げられる。これらの基材を溶媒に溶解し、上記配合成分を配合することで、流動性のある懸濁剤を調製することができる。溶媒としては、好ましくは生理食塩水であるが、グリセリン、プロピレングリコール等も用いることができる。
【0066】
上記疎水性懸濁剤に用いられる基材としては、親水軟膏、バニシングクリーム等の水/油型基材;親水ワセリン、精製ラノリン、アクアホール、オイセリン、ネオセリン、加水ラノリン、コールドクリーム、親水プラスチベース等の油/水型基材が挙げられる。これらの基材を油脂系溶媒又は水に入れてホモジナイザー等で高速攪拌させ、上記配合成分を配合することで、油脂系懸濁剤を調製することができる。
【0067】
本発明のワクチン医薬組成物を対象に投与する際、上記抗原の治療上有効量は、疾患の重症度、対象の年齢及び相対的な健康、他の既知の要因等に依存して広範に変化しうるが、一般に、1日用量約0.1μg〜1g/kg体重で満足のいく結果が得られる。上記ビスホスホネート剤である免疫誘導促進剤は、上記抗原と同時又は逐次的に、好ましくは同時に投与される。
上記ビスホスホネート剤である免疫誘導促進剤の治療上有効量は、用いる具体的なビスホスホネート剤、他の免疫誘導促進剤の有無等に依存して広範に変化しうるが、一般に、1日用量約0.01μg〜1g/kg体重で満足のいく結果が得られる。
【0068】
なお、1日用量を1回で投与してもよいが、2回以上(例えば、2回、3回、4回、5回等)の複数回に分けて投与してもよい。1回あたりの連続投与時間は、1分間〜7日間の間で適宜選択されることが好ましい。投与間隔は、毎日〜1年に1回(例えば、1日1回、2日に1回、3日に1回、1週間に1回、2週間に1回、1月に1回、3月に1回、6月に1回、1年に1回)又はそれより長期の投与間隔から、患者の状態、疾患の重症度、治療目的か予防目的か等に応じて、適宜選択されることが好ましい。一般に、重度の疾患を現実に有する患者の治療目的では、より高頻度及び/又は高用量で本発明のワクチン医薬組成物を投与し、疾患を有さない患者の予防目的では、より低頻度及び/又は低用量で本発明のワクチン医薬組成物を投与することが好ましい。