(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Yが、フェニル、ピリジル、1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、及び[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンから選択される、請求項1に記載の抗体−薬物コンジュゲート化合物。
抗体が、3つの軽鎖超可変領域(HVR−L1、HVR−L2、及びHVR−L3)及び3つの重鎖超可変領域(HVR−H1、HVR−H2、及びHVR−H3)を含み、
HVR−L1が配列番号75のアミノ酸配列を含み;
HVR−L2が配列番号76のアミノ酸配列を含み;
HVR−L3が配列番号77のアミノ酸配列を含み;
HVR−H1が配列番号78のアミノ酸配列を含み;
HVR−H2が配列番号79のアミノ酸配列を含み;及び
HVR−H3が配列番号80のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の抗体−薬物コンジュゲート化合物。
抗体が、配列番号81のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域又は配列番号82のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、請求項27に記載の抗体−薬物コンジュゲート化合物。
抗体が、配列番号81のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、配列番号82のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、請求項27に記載の抗体−薬物コンジュゲート化合物。
抗体が、配列番号81のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域又は配列番号82のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、請求項33に記載の抗体−薬物コンジュゲート化合物。
抗体が、配列番号81のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域又は配列番号82のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、請求項35に記載の抗体−薬物コンジュゲート化合物。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、(S)−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 51aからの(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 2−(2−ブロモ−N−メチルアセトアミド)エチル(メチル)カルバメート 51の合成を示す。
【
図2】
図2は、(R)−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−5−(ジフェニルメチレンアミノ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキレラート 53aからのN−((R)−1−(クロロメチル)−3−(5−((R)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 53の合成を示す。
【
図3】
図3は、(S)−5−(5−(ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタン酸 57cからの1−((S)−5−アミノ−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)ペンタン−1,5−ジオン 53jの合成を示す。
【
図4】
図4は、(R)−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 53kからの非天然エナンチオマー,1−((R)−5−アミノ−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−((R)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)ペンタン−1,5−ジオン 53pの合成を示す。
【
図5】
図5は、(S)−(2−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)(2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)メタノン 54aからのN−(4−(((S)−1−(クロロメチル)−3−(6−((S)−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,5,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシ)ヘキサノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルオキシ)メチル)フェニル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 54の合成を示す。
【
図6】
図6は、(S)−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 51aからのN−((S)−1−((S)−1−(4−(((S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルオキシ)メチル)フェニルアミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イルアミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 55の合成を示す。
【
図7】
図7は、(S)−tert−ブチル 8−(6−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−ニトロベンジルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−6−オキソヘキシルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート 54gからの(S)−tert−ブチル 8−(6−((S)−5−(4−((S)−2−((S)−2−アミノ−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−6−オキソヘキシルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート 56dの合成を示す。
【
図8】
図8は、(S)−tert−ブチル 8−(6−((S)−5−(4−((S)−2−((S)−2−アミノ−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−6−オキソヘキシルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート 56dからのN−((S)−1−((S)−1−(4−(((S)−1−(クロロメチル)−3−(6−((S)−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,5,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシ)ヘキサノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルオキシ)メチル)フェニルアミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イルアミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 56の合成を示す。
【
図9】
図9は、(S)−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 51aからの(S)−5−(1−(クロロメチル)−5−(ジ−tert−ブトキシホスホリルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタン酸 57dの合成を示す。
【
図10】
図10は、6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸からの(S)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−メチルヘキサンアミド)エチル(メチル)カルバメート 57iの合成を示す。
【
図11】
図11は、(S)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−メチルヘキサンアミド)エチル(メチル)カルバメート 57iからの(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(ホスホノオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−メチルヘキサンアミド)エチル(メチル)カルバメート 57の合成を示す。
【
図12】
図12は、(S)−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 51aからの(S)−3−(5−((S)−5−(4−アミノベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート 58eの合成を示す。
【
図13】
図13は、(S)−3−(5−((S)−5−(4−アミノベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート 58eからの(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−((S)−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート 58の合成を示す。
【
図14】
図14は、(S)−tert−ブチル 5−(4−((S)−2−((S)−2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 55eからの(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−((S)−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 二水素リン酸塩 59の合成を示す。
【
図15】
図15は、(S)−tert−ブチル 5−アミノ−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 61aからの2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エチル(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(ホスホノオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルカルバメート 61の合成を示す。
【
図16】
図16は、51aからの2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)プロピル(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(ホスホノオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルカルバメート 62の合成を示す。
【
図17】
図17は、(S)−2,2,2−トリクロロエチル 6−(5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−(2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボニル)−2−メトキシフェノキシ)ヘキサン酸 54cからの(S)−3−(6−(4−((S)−2−(アセトキシメチル)ピロリジン−1−カルボニル)−5−アミノ−2−メトキシフェノキシ)ヘキサノイル)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート 65dの合成を示す。
【
図18】
図18は、(S)−2−(アリルオキシカルボニルアミノ)−6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサン酸 65eからのベンジルアルコールリジン65gの合成を示す。
【
図19】
図19は、(S)−3−(6−(4−((S)−2−(アセトキシメチル)ピロリジン−1−カルボニル)−5−アミノ−2−メトキシフェノキシ)ヘキサノイル)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート 65からの(S)−4−((S)−2−((S)−2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサンアミド)ベンジル 8−(6−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−メチルピペラジン−1−カルボニルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−6−オキソヘキシルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート 65kの合成を示す。
【
図20】
図20は、65kからのビス−トリフルオロ酢酸塩としての(S)−4−((S)−6−アミノ−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)ヘキサンアミド)ベンジル 8−(6−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−メチルピペラジン−1−カルボニルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−6−オキソヘキシルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート 65の合成を示す。
【
図21】
図21は、51aから調製された(S)−tert−ブチル 5−(ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 57aからの(S)−ジ−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル リン酸 66dの合成を示す。
【
図22】
図22は、(2E,2’E)−tert−ブチル 3,3’−(2−ニトロ−1,4−フェニレン)ジアクリル酸 66eからのN−(3−(2,5−ビス((E)−3−((S)−1−(クロロメチル)−5−ホスホノキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−3−オキソプロパ−1−エニル)フェニルアミノ)−3−オキソプロピル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 66の合成を示す。
【
図23】
図23は、(2E,2’E)−tert−ブチル 3,3’−(2−(3−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)プロパンアミド)−1,4−フェニレン)ジアクリル酸 66gからのN−(3−(2,5−ビス((E)−3−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−3−オキソプロパ−1−エニル)フェニルアミノ)−3−オキソプロピル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 67の合成を示す。
【
図24】
図24は、66d、67c、67dからの(S)−1−(クロロメチル)−3−((E)−3−(4−((E)−3−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−3−オキソプロパ−1−エニル)−2−(3−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)プロパンアミド)フェニル)アクリロイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 二水素リン酸塩 68の合成を示す。
【
図25】
図25は、SK−BR−3の3日目のインビトロ細胞生存率対Thio hu 抗CD22 HC A121C−MC−vc−PAB−(CBI二量体)101及びThio hu 抗Her2 HC A121C−MC−vc−PAB−(CBI二量体)102の濃度(μg/ml)のプロットにおける抗体−薬物コンジュゲートの有効性を示す。
【
図26】
図26は、SK−BR−3の3日目のインビトロ細胞生存率対Thio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−MC−vc−PAB−(CBI−PBD)103及びThio Hu 抗CD22 10F4v3 HC A118C−MC−vc−PAB−(CBI−PBD)104の濃度(μg/ml)のプロットにおける抗体−薬物コンジュゲートの有効性を示す。
【
図27】
図27は、SK−BR−3の3日目のインビトロ細胞生存率対Thio Hu 抗CD22 10F4v3 HC A118C−MC−vc−PAB−(CBI二量体)116及びThio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−MC−vc−PAB−(CBI二量体)117の濃度(μg/ml)のプロットにおける抗体−薬物コンジュゲートの有効性を示す。
【
図28】
図28は、EOL−1の3日目のインビトロ細胞生存率対Thio Hu抗CD33 15G15.33 HC A118C−MC−MMED−(CBI二量体phos)125の濃度(μg/ml)のプロットにおける抗体−薬物コンジュゲートの有効性を示す。
【
図29】
図29は、EOL−1の3日目のインビトロ細胞生存率対Thio Hu 抗MUC16 3A5 HC A118C−MC−ED−(CBI二量体DVB diphos)126及びThio Hu 抗CD33 15G15.33 HC A118C−MC−ED−(CBI二量体 DVB diphos)127の濃度(μg/ml)のプロットにおける抗体−薬物コンジュゲートの有効性を示す。
【
図30】
図30は、EOL−1の3日目のインビトロ細胞生存率対Thio Hu 抗CD33 15G15.33 HC A118C−MC−ED−(CBI 二量体 DVB diphos)127, Thio Hu 抗CD33 15G15.33 HC A118C−MC−ED−(CBI二量体 DVB phos)129,及びThio Hu 抗MUC16 3A5 HC A118C−MC−ED−(CBI 二量体 DVB phos)130の濃度(μg/ml)のプロットにおける抗体−薬物コンジュゲートの有効性を示す。
【
図31】
図31は、IVで1回、(1)ビヒクル:ヒスチジン緩衝液#8:20mMヒスチジン酢酸,pH5.5,240mMスクロース,0.02% PS 20,(2)Thio Hu 抗CD22 10F4v3 HC A118C−MC−MMED−(CBI 二量体 phos)110,(3)Thio Hu 抗CD22 10F4v3 HC A118C−MC−vc−PAB−(CBI二量体 MePip)108,(4)Thio Hu 抗CD22 10F4v3 HC A118C−MC−vc−PAB−(CBI二量体 phos)111,(5)Thio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−MC−MMED−(CBI二量体 phos)109,(6)Thio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−MC−vc−PAB−(CBI二量体 MePip)107,(7)Thio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−MC−vc−PAB−(CBI二量体 phos)112を投与された後の、CRL nu/nuマウスの乳房脂肪パッドに接種されたMMTV−HER2 Fo5トランスジェニック乳腺腫瘍においてインビボでフィットされた経時的腫瘍体積変化のプロットにおける抗体−薬物コンジュゲートの有効性を示す。ADCは10mg/kgで投与された。
【
図32】
図32は、IVで1回、(1)ビヒクル:ヒスチジン緩衝液#8:20mMヒスチジン酢酸,pH5.5,240mMスクロース,0.02% PS 20,(2)Thio Hu 抗CD22 10F4v3 HC A118C−DSE−(CBI二量体 phos)120,10mg/kg,(3)Thio Hu 抗CD22 10F4v3 HC A118C−DSE−(CBI二量体 phos)122,10mg/kg,(4)Thio Hu 抗CD22 10F4v3 HC A118C−MC−vc−PAB−(N10,PBD−CBI MePip)124,10mg/kg,(5)Thio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−DSE−(CBI二量体 phos)119,3mg/kg,(6)Thio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−DSE−(CBI二量体 phos)119,10mg/kg,(7)Thio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−DSP−(CBI二量体 phos)121,3mg/kg,(8)Thio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−DSP−(CBI二量体 phos)121,10mg/kg,(9)Thio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−MC−vc−PAB−(N10,PBD−CBI MePip)123,3mg/kg,(10)Thio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−MC−vc−PAB−(N10,PBD−CBI MePip)123、10mg/kgを投与された後の、CRL nu/nuマウスの乳房脂肪パッドに接種されたMMTV−HER2 Fo5トランスジェニック乳腺腫瘍においてインビボでのフィットされた経時的腫瘍体積変化のプロットにおける抗体−薬物コンジュゲートの有効性を示す。
【
図33】
図33は、IVで1回、(1)ビヒクル:ヒスチジン緩衝液#8:20mMヒスチジン酢酸,pH5.5,240mMスクロース,0.02% PS 20,(2)Thio Hu 抗CD33 15G15.33 HC A118C−MC−ED−(CBI二量体DVB diphos)127,3mg/kg,(3)Thio Hu 抗MUC16 3A5 HC A118C−MC−ED−(CBI二量体 DVB
diphos)126,3mg/kg,(4)Thio Hu 抗MUC16 3A5 HC A118C−MC−ED−(CBI二量体 DVB diphos)126,1mg/kgを投与された後の、C.B−17 SCIDマウスに接種されたOVCAR3X2.1ヒト卵巣腫瘍においてインビボでのフィットされた経時的腫瘍体積変化のプロットにおける抗体−薬物コンジュゲートの有効性を示す。
【
図34】
図34は、IVで1回、20μg/m2で、(1)ビヒクル:ヒスチジン緩衝液#8:20mMヒスチジン酢酸,pH5.5,240mMスクロース,0.02% PS 20,(2)Thio Hu 抗CD33 15G15.33 HC A118C−MC−MMED−(CBI二量体 phos)125,(3)Thio Hu 抗CD33 15G15.33 HC A118C−MC−ED−(CBI二量体 DVB diphos)127,(4)Thio Hu 抗MUC16 3A5 HC A118C−MC−MMED−(CBI二量体 phos)128,(5)Thio Hu 抗MUC16 3A5 HC A118C−MC−ED−(CBI二量体 DVB diphos)126を投与された後の、C.B−17 SCIDマウスに接種されたHL−60ヒト急性骨髄性白血病においてインビボでのフィットされた経時的腫瘍体積変化のプロットにおける抗体−薬物コンジュゲートの有効性を示す。
【
図35a】
図35aは、HL−60ヒト急性骨髄性白血病の腫瘍を有するSCIDマウスにおけるADC138の有効性を示す。ADC138は、ビヒクル群と比較して腫瘍増殖の用量依存的阻害を実証した。非標的性対照のADC135は、腫瘍増殖には影響を与えなかった。
【
図35b】
図35bは、HL−60ヒト急性骨髄性白血病の腫瘍を有するSCIDマウスにおけるADC139の有効性を示す。ADC139は、ビヒクル群と比較して腫瘍増殖の用量依存的阻害を実証した。非標的性対照のADC136は1mg/kgで腫瘍増殖に対して適度な効果を有したが、しかし、一致する用量でのADC139は、完全な腫瘍寛解が得られ、実質的により効果的であった。
【
図36】
図36は、Igrov−1卵巣腫瘍を有するSCIDマウスにおけるADC134の有効性を示す。ADC134は、ビヒクル群と比較して腫瘍増殖の用量依存的阻害を実証した。非標的性対照のADC137は、腫瘍増殖には影響を与えなかった。
【
図37】
図37は、N−(3−(2,5−ビス((E)−3−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−メチルピペラジン−1−カルボニルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−3−オキソプロパ−1−エニル)フェニルアミノ)−3−オキソプロピル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド(化合物番号69、表4)の合成を示す。
【
図38】
図38は、2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)プロピル 2,5−ビス((E)−3−((S)−1−(クロロメチル)−5−(ホスホノオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−3−オキソプロパ−1−エニル)フェニルカルバメート(表4、化合物番号72、
図38)の合成を示す。
【
図39】
図39は、[(1S)−1−(クロロメチル)−3−[(E)−3−[4−[(E)−3−[(1S)−1−(クロロメチル)−5−ホスホノオキシ−1,2−ジヒドロベンゾ[e]インドール−3−イル]−3−オキソ−プロパ−1−エニル]−2−[2−[2−(2,5−ジオキソピロール−1−イル)エトキシ]エトキシ]フェニル]プロパ−2−エノイル]−1,2−ジヒドロベンゾ[e]インドール−5−イル]二水素リン酸塩(化合物番号78、表4、
図39)の合成を示す。
【
図40】
図40は、[(1S)−1−(クロロメチル)−3−[(E)−3−[4−[(E)−3−[(1S)−1−(クロロメチル)−5−ホスホノオキシ−1,2−ジヒドロベンゾ[e]インドール−3−イル]−3−オキソ−プロパ−1−エニル]−2−[2−(2,5−ジオキソピロール−1−イル)エトキシ]フェニル]プロパ−2−エノイル]−1,2−ジヒドロベンゾ[e]インドール−5−イル]二水素リン酸塩(化合物番号79、表4、
図40)の合成を示す。
【
図41】
図41は、2−(2−ピリジルジスルファニル)プロピル N−[1−(クロロメチル)−3−[5−[1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロベンゾ[e]インドール−3−イル]−5−オキソ−ペンタノイル]−1,2−ジヒドロベンゾ[e]インドール−5−イル]カルバメート(化合物番号80、表4、
図41)の合成を示す。
【
図42-43】
図42〜43は、2−(2−ピリジルジスルファニル)プロピル 3−[6−[1−(クロロメチル)−5−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)オキシ−1,2−ジヒドロベンゾ[e]インドール−3−イル]−6−オキソ−ヘキソキシ]−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−11−オキソ−6a,7,8,9−テトラヒドロ−6H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−カルボキシレート,及び2−(2−ピリジルジスルファニル)プロピル 3−[6−[1−(クロロメチル)−5−ホスホノオキシ−1,2−ジヒドロベンゾ[e]インドール−3−イル]−6−オキソ−ヘキソキシ]−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−11−オキソ−6a,7,8,9−テトラヒドロ−6H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−カルボキシレート及び2−(2−ピリジルジスルファニル)プロピル 3−[6−[1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロベンゾ[e]インドール−3−イル]−6−オキソ−ヘキソキシ]−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−11−オキソ−6a,7,8,9−テトラヒドロ−6H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−カルボキシレート(化合物番号81〜83、表4、
図42〜43)の合成を示す。
【
図44】
図44は、(1S)−1−(クロロメチル)−3−((2E)−3−{4−((1E)−3−{(1S)−1−(クロロメチル)−5−[(6−メチル−β−D−グルコピラヌロノシル)オキシ]−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]インドール−3−イル}−3−オキソ−1−プロペニル)−2−[(3−{[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]アミノ}プロパノイル)アミノ]フェニル}−2−プロペノイル)−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]インドール−5−イル メチル β−D−グルコピラノシドウロン酸(化合物番号84、表4、
図44)の合成を示す。
【
図45】
図45は、(S)−(1−メチル−1H−ピロール−2,5−ジイル)ビス(((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)メタノン)(化合物番号15、表1、
図45)の合成を示す。
【
図46】
図46は、N−(2,5−ビス((E)−3−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−3−オキソプロパ−1−エニル)フェニル)アセトアミド(化合物番号16、表1、
図46)の合成を示す。
【
図47】
図47は、(S,2E,2’E)−3,3’−(2−メトキシ−1,4−フェニレン)ビス(1−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)プロパ−2−エン−1−オン)(化合物番号17、表1、
図47)の合成を示す。
【
図48】
図48は、(S,2E,2’E)−3,3’−(1−メチル−1H−ピロール−2,5−ジイル)ビス(1−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)プロパ−2−エン−1−オン)(化合物番号18、表1、
図48)の合成を示す。
【
図49】
図49は、(S)−3,3’−(2−メトキシ−1,4−フェニレン)ビス(1−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)プロパ−2−イン−1−オン)(化合物番号19、表1、
図49)の合成を示す。
【0013】
典型的な実施態様の詳細な説明
本発明の特定の実施態様について詳細に述べられ、その例は、付随する構造と式に示される。本発明は説明される実施態様と併せて説明されるが、それらの実施態様に本発明を限定するものではないことが理解されるであろう。一方、本発明は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれ得る全ての代替、改変、及び均等物を包含することを意図している。
【0014】
当業者は、本発明の実施において使用され得る本明細書に記載のものに類似するか又は等価な多くの方法及び材料を認識するであろう。本発明は、説明される方法と材料に決して限定されない。
【0015】
別に規定されない限り、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるように、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は同じ意味を持ち、Singleton et al (1994) Dictionary of Microbiology and Molecular Biology, 2nd Ed., J. Wiley & Sons, New York, NY; and Janeway, C., Travers, P., Walport, M., Shlomchik (2001) Immunobiology, 5th Ed., Garland Publishing, New Yorkと一致する。
【0016】
定義
特に明記しない限り、本明細書で使用する以下の用語と語句は、以下の意味を有することが意図される。
【0017】
商品名が本明細書で使用されるとき、出願人は、商品名製品の製剤、ジェネリック医薬品、及び商品名製品の活性薬学的成分を独立に包含することを意図する。
【0018】
用語「抗体」は本明細書において最も広範な意味で使用され、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、二量体、多量体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及びそれらが所望の生物学的活性を示すものであれば、抗体断片を特に網羅する。抗体は、マウス、ヒト、ヒト、キメラ、又は他の種に由来し得る。抗体は、特異的抗原を認識し結合することができる免疫系によって産生されるタンパク質である。(Janeway, C., Travers, P., Walport, M., Shlomchik (2001) Immuno Biology, 5th Ed., Garland Publishing, New York)。標的抗原は、複数の抗体のCDRによって認識され、エピトープとも呼ばれる多数の結合部位を一般的に有している。異なるエピトープに特異的に結合する抗体の各々は異なる構造を有している。従って、一つの抗原は、複数の対応する抗体を有し得る。抗体は、完全長の免疫グロブリン分子又は完全長免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、目的の標的の抗原に免疫特異的に結合する抗原結合部位を含む分子又はその部分を含み、そのような標的は、限定されないが、癌細胞又は自己免疫疾患に関連する自己免疫抗体を産生する細胞を含む。本明細書に開示される免疫グロブリンは、任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD及びIgA)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IGA1及びIgA2)又は免疫グロブリン分子のサブクラスとすることができる。免疫グロブリンは任意の種に由来することができる。しかしながら、一態様では、免疫グロブリンは、ヒト、マウス、又はウサギ起源のものである。
【0019】
「抗体断片」は、完全長抗体の一部、一般にはその抗原結合又は可変領域を含む。抗体断片の例は、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片;ダイアボディ、線形抗体;ミニボディー(Olafsen et al (2004) Protein Eng. Design & Sel. 17(4):315-323)、Fab発現ライブラリーによって生成された断片、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、CDR(相補性決定領域)、及び癌細胞抗原、ウイルス抗原又は微生物抗原に免疫特異的に結合する上記の何れかのエピトープ結合断片、単鎖抗体分子;及び抗体断片から形成される多重特異性抗体を含む。
【0020】
本明細書中で用いる用語「モノクローナル抗体」とは、実質的に均一な抗体の集団から得られた抗体を指し、すなわちこの集団を含む個々の抗体は、微量で存在し得る天然に生じる可能性のある突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は高度に特異的であって、単一の抗原部位に対するものである。更に、典型的には、異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を含む、ポリクローナル抗体製剤とは対照的に、各モノクローナル抗体は抗原上の単一の決定基に対して指向される。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体は、それらが、他の免疫グロブリンにより汚染されずに合成される点で有利である。修飾語「モノクローナル」は、抗体の実質的に均一な集団から得られる抗体の特徴を示し、何れかの特定の方法による抗体の生産を必要とすると解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って用いるべきモノクローナル抗体は、Kohler et al (1975) Nature, 256:495によって最初に記載されたハイブリドーマ方法によって作成されてもよく、あるいは組換えDNA方法によって作成されてもよい(例えば、米国特許第4816567号;米国特許第5807715号を参照)。モノクローナル抗体は、例えば、Clackson et al (1991) Nature, 352:624-628; Marks et al (1991) J. Mol. Biol., 222:581-597に記載された技術を用いてファージ抗体ライブラリーから単離してもよい。
【0021】
本明細書中のモノクローナル抗体は、具体的には、重鎖及び/又は軽鎖の一部分が特定の種に由来する又は特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一又は相同であるが、その(それらの)鎖の残部は別の種に由来する又は別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一又は相同である「キメラ」抗体、並びにそのような抗体の断片を、それらが望ましい生物学的活性を示す限り、包含し得る(米国特許第4816567号;及びMorrison et al (1984) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81:6851-6855)。本明細書における対象のキメラ抗体には、非ヒト霊長類(例えば旧世界ザル、類人猿など)及びヒト定常領域配列に由来する可変ドメイン抗原結合配列を含む霊長類化抗体が含まれる。
【0022】
本明細書において「インタクトな抗体」とは、VL及びVHドメイン、並びに軽鎖定常ドメイン(CL)及び重鎖定常ドメインン、CH1、CH2、及びCH3を含む、抗体である。定常ドメインは、天然配列定常ドメイン(例えば、ヒト天然配列定常ドメイン)又はそのアミノ酸配列変異体であり得る。インタクトな抗体は、抗体のFc定常領域(天然型配列Fc領域又はアミノ酸配列変異体Fc領域)に起因し得る生物学的活性を指す、1つ以上の「エフェクター機能」を有し得る。抗体エフェクター機能の例としては、C1q結合;補体依存性細胞傷害;Fcレセプター結合;抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC);ファゴサイトーシス;及び細胞表面レセプター、例えば、B細胞レセプター及びBCRなどのダウンレギュラーションが挙げられる。
【0023】
用語「Fc領域」は、定常領域の少なくとも一部を含む、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。その用語は、天然配列Fc領域と変異体Fc領域を含む。一実施態様において、ヒトIgG重鎖Fc領域はCys226又はPro230から重鎖のカルボキシル末端まで伸長する。しかし、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は存在しているか、又は存在していない場合がある。本明細書に明記されていない限り、Fc領域又は定常領域内のアミノ酸残基の番号付けは、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD, 1991に記載されるように、EUインデックスとも呼ばれるEU番号付けシステムに従う。
【0024】
「フレームワーク」又は「FR」は、超可変領域(HVR)残基以外の可変ドメイン残基を意味する。可変ドメインのFRは、一般的に4つのFRのドメイン:FR1、FR2、FR3、及びFR4からなる。従って、HVR配列及びFR配列は、一般に次のVH(又はVL)配列:FR1−H1(L1)−FR2−H2(L2)−FR3−H3(L3)−FR4に現れる。
【0025】
それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、インタクトな抗体は、異なる「クラス」に割り当てることができる。インタクトな免疫グロブリン抗体の5つの主要なクラスがあり:IgA,IgD,IgE,IgG,及びIgM;これらのうちの幾つかは、「サブクラス」(アイソタイプ)(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、及びIgA2)へと更に分割され得る。種々のクラスの抗体に対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、α、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。種々のクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造及び3次元構造は周知である。Ig形態はヒンジの修飾又はヒンジ欠損形態を含む(Roux et al (1998) J. Immunol. 161:4083-4090; Lund et al (2000) Eur. J. Biochem. 267:7246-7256;米国特許出願公開第2005/0048572号;米国特許出願公開第2004/0229310号)。
【0026】
「ヒト抗体」は、ヒト又はヒト細胞により産生されるか、又はヒト抗体のレパートリー又は他のヒト抗体をコードする配列を利用した非ヒト起源に由来する抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有するものである。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を特に除外する。
【0027】
「ヒトコンセンサスフレームワーク」とは、ヒト免疫グロブリンVL又はVHフレームワーク配列の選択において最も一般的に存在するアミノ酸残基を表すフレームワークである。一般的には、ヒト免疫グロブリンVL又はVH配列の選択は、可変ドメイン配列のサブグループからのものである。一般的には、配列のサブグループは、Kabatら、免疫学的に興味のあるタンパク質の配列(Sequences of Proteins of Immunological Interest)、第6版, NIH Publication 91-3242, Bethesda MD (1991), 1~3巻にあるサブグループである。一実施態様において、VLについて、サブグループは上掲のKabatらに記載のサブグループカッパIである。一実施態様において、VHについて、サブグループは上掲のKabatらにあるサブグループIIIである。
【0028】
「ヒト化」抗体は、非ヒトHVR由来のアミノ酸残基、及びヒトFR由来アミノ酸残基を含むキメラ抗体を指す。ある実施態様において、ヒト化抗体は、少なくとも一つ、典型的には二つの可変ドメインの実質的に全てを含み、HVR(例えば、CDR)の全て又は実質的に全てが非ヒト抗体のものに対応し、FRの全て又は実質的に全てがヒト抗体のものに対応する。ヒト化抗体は、任意で、ヒト抗体由来の抗体定常領域の少なくとも一部を含んでもよい。抗体の「ヒト化型」、例えば、非ヒト抗体は、ヒト化を遂げた抗体を指す。
【0029】
本明細書で使用される用語「超可変領域」又は「HVR」は、配列が超可変であるか、及び/又は構造的に定義されたループ(「超可変ループ」)を形成する抗体可変ドメインの各領域を指す。一般的に、天然型4鎖抗体は、VH(H1、H2、H3)に三つ、及びVL(L1、L2、L3)に三つの六つのHVRSを含む。HVRは、一般に超可変ループから及び/又は「相補性決定領域」(CDR)からのアミノ酸残基を含み、後者は最も高い配列可変性のものであり、及び/又は抗原認識に関与している。典型的な超可変ループはアミノ酸残基26−32(L1)、50−52(L2)、91−96(L3)、26−32(H1)、53−55(H2)、及び96−101(H3)で生じる。(Chothia and Lesk, J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987))。典型的なCDR(CDR−L1、CDR−L2、CDR−L3、CDR−H1、CDR−H2、及びCDR−H3)は、アミノ酸残基L1の24−34、L2の50−56、L3の89−97、H1の31−35B、H2の50−65、及びH3の95−102で生じる。(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991))。VHのCDR1の例外を除いて、CDRは一般的に超可変ループを形成するアミノ酸残基を含む。CDRは、抗原に接触する残基である「特異性決定残基」又は「SDR」も含む。SDRは、略称(abbreviated-)CDR、又はa−CDRと呼ばれる、CDRの領域内に含まれている。典型的なa−CDR(a−CDR−L1、a−CDR−L2、a−CDR−L3、a−CDR−H1、a−CDR−H2、及びa−CDR−H3)は、アミノ酸残基L1の31−34、L2の50−55、L3の89−96、H1の31−35B、H2の50−58、及びH3の95−102で生じる。(Almagro and Fransson, Front. Biosci. 13:1619-1633 (2008)を参照のこと)。特に断らない限り、可変ドメイン内のHVR残基及び他の残基(例えば、FR残基)は、上掲のKabatらに従い、本明細書において番号が付けられる。
【0030】
用語「可変領域」又は「可変ドメイン」は、抗体の抗原への結合に関与する抗体の重鎖又は軽鎖のドメインを指す。天然型抗体の可変重鎖ドメイン及び軽鎖(それぞれVH及びVL)は、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)と3つの超可変領域(HVR)を含む各ドメインを有し、一般的に似たような構造を有する。(例えば、Kindt et al. Kuby Immunology, 第6版, W.H. Freeman and Co., 91頁 (2007)を参照)。単一のVH又はVLドメインが、抗原結合特異性を付与するのに十分であり得る。更に、特定の抗原に結合する抗体は、相補的なVL又はVHドメインのそれぞれのライブラリーをスクリーニングするために、抗原に特異的に結合する抗体からのVH又はVLドメインを用いて単離することができる。例えば、Portolano et al., J. Immunol. 150:880-887 (1993); Clarkson et al., Nature 352:624-628 (1991)を参照。
【0031】
本明細書で使用される、用語「ベクター」は、それがリンクされている別の核酸を伝播することができる核酸分子を指す。この用語は、自己複製核酸構造としてのベクター、並びにそれが導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターを含む。ある種のベクターは、それらが動作可能なように連結されている核酸の発現を導くことができる。このようなベクターは、本明細書では「発現ベクター」と言う。
【0032】
「遊離システインアミノ酸」は、親抗体で操作され、チオール官能基(−SH)を有し、分子内又は分子間ジスルフィド架橋として対合されないシステインアミノ酸残基を指す。
【0033】
「リンカー」、「リンカーユニット」又は「連結(link)」は、抗体を薬剤部分に共有結合させる原子鎖を含む。様々な実施態様において、リンカーは2価のラジカルであり、Lとして特定される。
【0034】
置換基の数を示す場合には、用語「一以上」は、一の置換基から置換の可能性のある最高数までの範囲を指し、すなわち、置換基による1個の水素の置換から全ての水素の置換までを指す。用語「置換基」は、親分子の水素原子を置換する原子又は原子の基を意味する。用語「置換される」は、特定の基が一以上の置換基を有することを意味する。任意の基が複数の置換基を有していてもよく、様々な可能な置換基が提供される場合、置換基は独立に選択され、同じである必要は無い。用語「非置換」は、特定の基が置換基を有しないことを意味する。用語「必要に応じて置換された」は、特定の基が可能な置換基の群から独立に選択される、一以上の置換基により非置換である又は置換されることを意味する。置換基の数を示す場合には、用語「一以上」は、一の置換基から置換の可能性のある最高数までを意味し、すなわち、置換基による1個の水素の置換から全ての水素の置換までを意味する。
【0035】
用語「アルキル」は、本明細書において使用する場合、1〜12個の炭素原子の任意の長さの飽和直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基(C
1−C
12)を意味し、アルキル基は、下記の1個又は複数の置換基で独立に任意選択で置換されていてもよい。別の実施態様において、アルキル基は1から8の炭素原子(C
1−C
8)、又は1から6の炭素原子(C
1−C
6)である。アルキル基の例は、限定するものでないが、メチル(Me、−CH
3)、エチル(Et、−CH
2CH
3)、1−プロピル(n−Pr、n−プロピル、−CH
2CH
2CH
3)、2−プロピル(i−Pr、i−プロピル、−CH(CH
3)
2)、1−ブチル(n−Bu、n−ブチル、−CH
2CH
2CH
2CH
3)、2−メチル−1−プロピル(i−Bu、i−ブチル、−CH
2CH(CH
3)
2)、2−ブチル(s−Bu、s−ブチル、−CH(CH
3)CH
2CH
3)、2−メチル−2−プロピル(t−Bu、t−ブチル、−C(CH
3)
3)、1−ペンチル(n−ペンチル、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3)、2−ペンチル(−CH(CH
3)CH
2CH
2CH
3)、3−ペンチル(−CH(CH
2CH
3)
2)、2−メチル−2−ブチル(−C(CH
3)
2CH
2CH
3)、3−メチル−2−ブチル(−CH(CH
3)CH(CH
3)
2)、3−メチル−1−ブチル(−CH
2CH
2CH(CH
3)
2)、2−メチル−1−ブチル(−CH
2CH(CH
3)CH
2CH
3)、1−ヘキシル(−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3)、2−ヘキシル(−CH(CH
3)CH
2CH
2CH
2CH
3)、3−ヘキシル(−CH(CH
2CH
3)(CH
2CH
2CH
3))、2−メチル−2−ペンチル(−C(CH
3)2CH
2CH
2CH3)、3−メチル−2−ペンチル(−CH(CH
3)CH(CH
3)CH
2CH
3)、4−メチル−2−ペンチル(−CH(CH
3)CH
2CH(CH
3)
2)、3−メチル−3−ペンチル(−C(CH
3)(CH
2CH
3)2)、2−メチル−3−ペンチル(−CH(CH
2CH
3)CH(CH
3)
2)、2,3−ジメチル−2−ブチル(−C(CH
3)
2CH(CH
3)
2)、3,3−ジメチル−2−ブチル(−CH(CH
3)C(CH
3)
3、1−ヘプチル、1−オクチルなどを含む。
【0036】
用語「アルキレン」は、本明細書において使用する場合、1〜12個の炭素原子の任意の長さの飽和直鎖又は分岐鎖のニ価炭化水素基(C
1−C
12)を意味し、アルキレン基は、下記の1個又は複数の置換基で独立に任意選択で置換されていてもよい。別の実施態様において、アルキレン基は1から8個の炭素原子(C
1−C
8)、又は1から6個の炭素原子(C
1−C
6)である。アルキレン基の例は、限定しないが、メチレン(−CH
2−)、エチレン(−CH
2CH
2−)、プロピエン(−CH
2CH
2CH
2−)等を含む。
【0037】
用語「アルケニル」は、少なくとも1つの部位の不飽和、すなわち、炭素−炭素sp
2二重結合を有する、2〜8個の任意の長さの炭素原子の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基(C
2−C
8)を意味し、ここでアルケニル基は、本明細書に記載されている1個又は複数の置換基で独立に任意選択で置換されていてもよく、「cis」及び「trans」配向、又は代わりに、「E」及び「Z」配向を有する基が含まれる。例には、限定されないが、エチレン又はビニル(−CH=CH
2)、アリル(−CH
2CH=CH
2)などを含む。
【0038】
用語「アルケニレン」は、少なくとも1つの部位の不飽和、すなわち、炭素−炭素sp
2二重結合を有する、2〜8個の任意の長さの炭素原子の直鎖又は分岐鎖の二価炭化水素基(C
2−C
8)を意味し、ここでアルケニレン基は、本明細書に記載されている1個又は複数の置換基で独立に任意選択で置換されていてもよく、「cis」及び「trans」配向、又は代わりに、「E」及び「Z」配向を有する基が含まれる。例には、限定されないが、エチレニレン又はビニレン(−CH=CH−)、アリル(−CH
2CH=CH−)などを含む。
【0039】
用語「アルキニル」は、少なくとも1つの部位の不飽和、すなわち、炭素−炭素sp三重結合を有する、2〜8個の任意の長さの炭素原子の直鎖状又は分岐状の一価炭化水素基(C
2−C
8)を意味し、アルキニル基は、本明細書に記載されている1個又は複数の置換基で独立に任意選択で置換されていてもよい。その例は、限定されないが、エチニル(−C≡CH)、プロピニル(プロパルギル、−CH
2C≡CH)などを含む。
【0040】
用語「アルキニレン」は、少なくとも1つの部位の不飽和、すなわち、炭素−炭素sp三重結合を有する、2〜8個の任意の長さの炭素原子の直鎖状又は分岐状の二価炭化水素基(C
2−C
8)を意味し、アルキニレン基は、本明細書に記載されている1個又は複数の置換基で独立に任意選択で置換されていてもよい。その例は、限定されないが、エチニレン(−C≡C)、プロピニレン(プロパルギレン、−CH
2C≡C)などを含む。
【0041】
用語「炭素環」、「カルボシクリル」、「炭素環」及び「シクロアルキル」は、単環式環として3〜12個の炭素原子(C
3−C
12)、又は二環式環として7〜12個の炭素原子を有する、一価非芳香族の飽和又は部分不飽和環を意味する。7から12の原子を有する二環式炭素環は、例えばビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]又は[6,6]系として配置され得、9又は10の環原子を有する二環式炭素環は、ビシクロ[5,6]又は[6,6]系として、又はビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン及びビシクロ[3.2.2]ノナンのような架橋系として配置され得る。スピロ部分もこの定義の範囲内に含まれる。単環式炭素環の例には、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペンタ−1−エニル、1−シクロペンタ−2−エニル、1−シクロペンタ−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキサ−1−エニル、1−シクロヘキサ−2−エニル、1−シクロヘキサ−3−エニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル等が含まれる。炭素環基は本明細書に記載される一以上の置換基で独立に任意で置換される。
【0042】
「アリール」は、親芳香族環系の単一炭素原子から一つの水素原子を取り除くことによって誘導される6−20の炭素原子(C
6−C
20)の一価芳香族炭化水素基を意味する。幾つかのアリール基は「Ar」として例示構造において表される。アリールは飽和、部分的不飽和環、又は芳香族炭素環に縮合した芳香族環を含む二環式基を含む。典型的なアリール基には、限定されないが、ベンゼンから誘導された基(フェニル)、置換ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、インデニル、インダニル、1,2−ジヒドロナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル等が含まれる。アリール基は本明細書に記載される一以上の置換基で独立に任意で置換される。
【0043】
「アリーレン」は、親芳香族環系の単一炭素原子から一つの水素原子を取り除くことによって誘導される6−20の炭素原子(C
6−C
20)の二価芳香族炭化水素基を意味する。幾つかのアリーレン基は「Ar」として例示構造において表される。アリーレンは飽和、部分的不飽和環、又は芳香族炭素環に縮合した芳香族環を含む二環式基を含む。典型的なアリーレン基には、限定されないが、ベンゼンから誘導された基(フェニレン)、置換ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニレン、インデニレン、インダニレン、1,2−ジヒドロナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル等が含まれる。アリーレン基は本明細書に記載される一以上の置換基で任意で置換される。
【0044】
「複素環」、「ヘテロシクリル」及び「複素環式環」なる用語は、ここでは交換可能に使用され、少なくとも一の環原子が、窒素、酸素及び硫黄から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子がCであり、一又は複数の環原子は以下に記載の一又は複数の置換基で独立して置換されていてもよい、3から20の環原子の飽和又は部分的不飽和(つまり、環内に一又は複数の二重及び/又は三重結合を有する)炭素環式基を意味する。複素環は、3から7の環員(2から6の炭素原子とN、O、P、及びSから選択される1から4のヘテロ原子)を有する単環、又は7から10の環員(4から9の炭素原子とN、O、P、及びSから選択される1から6のヘテロ原子)を有する二環、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]、又は[6,6]系でありうる。複素環は、Paquette, Leo A.;"Principles of Modern Heterocyclic Chemistry" (W.A. Benjamin, New York, 1968)、特に1、3、4、6、7、及び9章;"The Chemistry of Heterocyclic Compounds, A series of Monographs"(John Wiley & Sons, New York, 1950 to present)、特に13、14、16、19、及び28巻;及びJ. Am. Chem. Soc. (1960) 82:5566に記載されている。「ヘテロシクリル」はまた複素環基に飽和、部分的不飽和環、又は芳香族炭素環又は複素環式環が縮合した基を含む。複素環式環の例には、限定されないが、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニルイミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、及びアザビシクロ[2.2.2]ヘキサニル、3H−インドリルキノジリニル及びN−ピリジルウレアが含まれる。スピロ部分もこの定義の範囲内に含まれる。2つの環原子がオキソ(=O)部分で置換されている複素環基の例はピリミジノイル及び1,1−ジオキソ−チオモルホリニルである。ここでの複素環基は本明細書に記載される一以上の置換基で独立に任意で置換される。
【0045】
「ヘテロアリール」なる用語は、5員、6員又は7員環の一価芳香族基を意味し、窒素、酸素、及び硫黄から独立に選択される一又は複数のヘテロ原子を含む5−20原子の縮合環系(少なくとも一が芳香族)を含む。ヘテロアリール基の例は、ピリジニル(例えば2−ヒドロキシピリジニルを含む)、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、ピリミジニル(例えば4−ヒドロキシピリミジニルを含む)、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シノリニル、インダゾリニル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、及びフロピリジニルである。ヘテロアリール基は本明細書に記載される一以上の置換基で独立に任意で置換される。
【0046】
複素環基又はヘテロアリール基は、可能である場合、炭素で結合(炭素結合)しても窒素で結合(窒素結合)してもよい。例えば、限定ではなく、炭素結合した複素環又はヘテロアリールは、ピリジンの2位、3位、4位、5位、又は6位、ピリダジンの3位、4位、5位、又は6、ピリミジンの2位、4位、5位、又は6、ピラジンの2位、3位、5位、又は6位、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロール又はテトラヒドロピロールのの2位、3位、4位、又は5位、オキサゾール、イミダゾール又はチアゾールの2位、4位、又は5位、イソオキサゾール、ピラゾール、又はイソチアゾールの3位、4位、又は5位、アジリジンの2位又は3位、アゼチジンの2位、3位、又は4位、キノリンの2位、3位、4位、5位、6位、7位、又は8位、あるいはイソキノリンの1位、3位、4位、5位、6位、7位、又は8位で結合する。
【0047】
例えば、限定ではなく、窒素が結合した複素環又はヘテロアリールは、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H−インダゾールの1位、イソインドール又はイソインドリンの2位、モルホリンの4位、及びカルバゾール又はβ−カルボリンの9位で結合する。
【0048】
用語「キラル」は、重ね合わせることができないという鏡像パートナーの性質を有する分子を指し、用語「アキラル」は、その鏡像パートナー上に重ね合わせることができる分子を指す。
【0049】
用語「立体異性体」は、同一の化学構造を有するが、原子又は基の空間配置の点で異なる化合物を指す。
【0050】
「ジアステレオマー」とは、二つ以上のキラル中心を持つ立体異性体であって、それらの分子が互いに鏡像関係にない立体異性体を指す。ジアステレオマーは、異なる物理的性質、例えば融点、沸点、スペクトル的性質及び反応性を有する。ジアステレオマーの混合物は、例えば電気泳動法及びクロマトグラフィーなどの高分解能分析手順の下で分離することができる。
【0051】
「エナンチオマー」とは、重ね合わせることができない互いの鏡像である、化合物の二つの立体異性体を指す。
【0052】
本明細書中で使用される立体化学的な規定及び規約は、一般に、 S. P. Parker, Ed., McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms (1984) McGraw-Hill Book Company, New York;及びEliel, E. and Wilen, S., Stereochemistry of Organic Compounds (1994) John Wiley & Sons, Inc., New Yorkに従う。多くの有機化合物が、光学活性形態で存在し、すなわち、これらは平面偏光の平面を回転する能力を有する。光学的に活性な化合物の記載において、接頭語のD及びL、又はR及びSは、そのキラル中心に関する分子の絶対配置を表示するために使用される。接頭語d及びl又は(+)及び(−)は、化合物による平面偏光の回転の符号を表し、(−)又はlは、この化合物が左旋性であることを意味する。(+)又はdの接頭語を持つ化合物は、右旋性である。所定の化学構造について、これらの立体異性体は、互いに鏡像対称であることを除いて同一である。特定の立体異性体はまた、エナンチオマーと呼ばれ、そのような異性体の混合物は、しばしばエナンチオマー混合物と呼ばれる。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物もしくはラセミ体と呼ばれ、これは、化学反応もしくはプロセスにおいて立体選択性もしくは立体特異性が存在しない場合に生じ得る。「ラセミ混合物」及び「ラセミ体」なる用語は、光学活性を有さない、2つのエナンチオマー種の等モル濃度の混合物をいう。
【0053】
「薬学的に受容可能な塩」なる語句は、本明細書中で使用される場合、抗体−薬剤コンジュゲート(ADC)の薬学的に受容可能な有機もしくは無機の塩をいう。典型的な塩としては、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酸性酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、及びパモ酸塩(pamoate)(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート)が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に受容可能な塩は、酢酸イオン、コハク酸イオンもしくは他の対イオンのような別の分子の包含を含み得る。対イオンは、親化合物上の電荷を安定化させる任意の有機部分もしくは無機部分であり得る。更に、薬学的に受容可能な塩は、1つより多くの荷電した原子をその構造内に有し得る。多数の荷電した原子がその薬学的に受容可能な塩の一部分である場合、多数の対イオンを有し得る。したがって、薬学的に受容可能な塩は、1以上の荷電した原子及び/又は1以上の対イオンを有し得る。
【0054】
以下の略称が、本明細書中で使用され、指定された定義を有する:BMEはβ−メルカプトエタノール、BocはN−(t−ブトキシカルボニル)、citはシトルリン(2−アミノ−5−ウレイドペンタン酸)、dapはドラプロイン(dolaproine)、DCCは1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、DCMはジクロロメタン、DEAはジエチルアミン、DEADはジエチルアゾジカルボキシレート、DEPCはジエチルホスホリルシアニデート、DIADはジイソプロピルアゾジカルボキシレート、DIEAはN,N−ジイソプロピルエチルアミン、dilはドライソロイシン(dolaisoleucine)、DMAはジメチルアセトアミド、DMAPは4−ジメチルアミノピリジン、DMEはエチレングリコールジメチルエーテル(もしくは1,2−ジメトキシエタン)、DMFはN,N−ジメチルホルムアミド、DMSOはジメチルスルホキシド、doeはドラフェニン(dolaphenine)、dovはN,N−ジメチルバリン、DTNBは5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)、DTPAはジエチレントリアミンペンタ酢酸、DTTはジチオトレイトール、EDCIは1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、EEDQは2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン、ES−MSはエレクトロスプレー質量分析、EtOAcは酢酸エチル、FmocはN−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)、glyはグリシン、HATUはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N、N、N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、HOBtは1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、HPLCは高速液体クロマトグラフィー、ileはイソロイシン、lysはリジン、MeCN(CH3CN)はアセトニトリル、MeOHはメタノール、Mtrは4−アニシルジフェニルメチル(もしくは4−メトキシトリチル)、norは(1S、2R)−(+)−ノルエフェドリン、PABはp−アミノベンジルカルバモイル、PBSはリン酸緩衝化生理食塩水(pH7)、PEGはポリエチレングリコール、Phはフェニル、Pnpはp−ニトロフェニル、MCは6−マレイミドカプロイル、pheはL−フェニルアラニン、PyBropはブロモトリ−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、SECはサイズ排除クロマトグラフィー、Suはスクシンイミド、TFAはトリフルオロ酢酸、TLCは薄層クロマトグラフィー、UVは紫外線、及びvalはバリン。
【0055】
システイン操作抗体
本発明の化合物は、野生型抗体又は親抗体の一以上のアミノ酸が、システインアミノ酸と置換される、システイン操作抗体を含む抗体−薬物コンジュゲートを含む。抗体の任意の形態は、そのように操作、すなわち変異導入されうる。例えば、親Fab抗体断片は、システイン操作Fabを形成するように操作され得、本明細書中で「チオFab(チオFab)」と呼ばれる。同様に、親モノクローナル抗体は、「ThioMab(チオMab)」を形成するように操作され得る。一部位変異は、チオFabにおいて1つの操作システイン残基を生じ、一方、IgG抗体のダイマーの性質に起因して、一部位変異は、ThioMabにおいて2つの操作システイン残基を生じる。置換された(「操作された」)システイン(Cys)残基を有する変異体は、新規に導入された操作チオール基の反応性について評価される。チオール反応性値は、0から1.0の範囲の相対的な数値の項であり、任意のシステイン操作抗体について測定され得る。本発明のシステイン操作抗体のチオール反応性値は、0.6〜1.0;0.7〜1.0;又は0.8〜1.0の範囲内である。
【0056】
鎖内又は分子間ジスルフィド結合を形成しないシステインアミノ酸を、抗体中の反応性部位に操作しうる(Junutula, et al., 2008b Nature Biotech., 26(8):925-932; Dornan et al (2009) Blood 114(13):2721-2729;米国特許第7521541号;米国特許第7723485号;国際公開第2009/052249号, Shen et al (2012) Nature Biotech., 30(2):184-191; Junutula et al (2008) Jour of Immun. Methods 332:41-52)。操作されたシステインチオールは、チオール反応性の、電子吸引基、例えばマレイミド又はα−ハロアミドを有する本発明のリンカー試薬又はリンカー−薬物中間体と反応して、システイン操作抗体(ThioMab)及び薬物部分とADCを形成しうる。
【0057】
よって、薬剤部分の位置は設計され、制御され、既知でありうる。薬物負荷は、操作されたシステインチオール基が典型的には高収率でチオール反応性リンカー試薬又はリンカー−薬物中間体と反応するので、制御されうる。重鎖又は軽鎖上の単一部位の置換によりシステインアミノ酸を導入するために体を操作することにより対称抗体上に二つの新しいシステインが得られる。2に近く、コンジュゲーション生成物ADCの均一性に近い薬物負荷を達成することができる。
【0058】
本発明のシステイン操作抗体は、好ましくは、野生型、親抗体のカウンターパートの抗原結合能力を保持する。従って、システイン操作抗体は、好ましくは特異的には、抗原に結合することが可能である。そのような抗原としては、例えば、腫瘍関連抗原(TAA)、細胞表面レセプタータンパク質及び他の細胞表面分子、膜貫通タンパク質、シグナル伝達タンパク質、細胞生存調節因子、細胞増殖調節因子、組織発達又は分化関連付けられている分子(例えば、既知であるか又は機能性に寄与すると疑われるもの)、リンホカイン、サイトカイン、細胞周期の調節に関与する分子、脈管形成に関与する分子、及び血管新生に関連付けられている分子(例えば、既知であるか又は機能性に寄与すると疑われるもの)を含む。腫瘍関連抗原は、クラスター分化因子(すなわちCDタンパク質)である可能性がある。システイン操作抗体が結合することができる抗原は、上記のカテゴリの何れかのサブセットのメンバーであり得、前記カテゴリの他のサブセットは(対象の抗原に関して)異なる特性を持つ他の分子/抗原を含む。
【0059】
システイン操作抗体は、鎖内ジスルフィド基の還元及び再酸化によるリンカー−薬物中間体とのコンジュゲーションのために調製される(実施例19)。
【0060】
癌の治療における本発明の抗体−薬物コンジュゲートに有用なシステイン操作抗体は、限定されないが、細胞表面レセプター及び腫瘍関連抗原(TAA)に対する抗体を含む。腫瘍関連抗原は、当技術分野で知られており、当該技術分野で周知の方法及び情報を使用して、抗体を生成する際に使用するために調製することができる。癌の診断及び治療のための効果的な細胞標的を発見する試みにおいて、研究者は、一つ以上の正常な非癌細胞上に比べて癌細胞の一つ以上の特定の型の表面上に特異的に発現された膜貫通ポリペプチド又はそうでなければ腫瘍関連ポリペプチドを同定しようとしてきた。しばしば、そのような腫瘍関連ポリペプチドは、非癌細胞の表面上に比べてより豊富に癌細胞の表面に発現している。そのような腫瘍関連細胞表面の抗原ポリペプチドの同定は、抗体ベースの治療を経由して破壊するために癌細胞を特異的に標的とする能力を生じさせてきた。
【0061】
腫瘍関連抗原TAAの例は、限定されないが、下にリストされたTAA(1)−(51)を含む。便宜上、これらの抗原に関連する情報で当該技術分野で知られている全ては以下にリストされ、国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)の核酸及びタンパク質の配列同定規則に従い、名前、代替名、Genbank受託番号及び主要参照文献を含む。TAA(1)−(51)に対応する核酸とタンパク質配列は、GenBankなどの公共のデータベースで利用可能である。抗体により標的とされる腫瘍関連抗原は引用文献で同定された配列に対して少なくとも約70%、80%、85%、90%、又は95%の配列同一性を含むか、又は引用文献に記載の配列を有するTAAとして、実質的に同一な生物学的特性又は特徴を示す全てのアミノ酸配列変異体及びアイソフォームを含む。たとえば、変異体配列を有するTAAは、一般に、リストされた対応する配列を持つTAAに特異的に結合する抗体に特異的に結合することができる。本明細書に具体的に引用される文献中の配列及び開示は参照により明示的に援用される。
【0062】
腫瘍関連抗原:
(1)BMPR1B(骨形成タンパク質レセプタータイプIB,Genbank受託番号NM_001203)
ten Dijke,P.,et al Science 264 (5155):101-104(1994),Oncogene 14 (11):1377-1382(1997));国際公開第2004063362号(請求項2);国際公開第2003042661号(請求項12);米国特許出願公開第2003134790−A1号(頁38−39);国際公開第2002102235号(請求項13;頁296);国際公開第2003055443号(頁91−92);国際公開第200299122号(実施例2;頁528−530);国際公開第2003029421号(請求項6);国際公開第2003024392号(請求項2;
図112);国際公開第200298358号(請求項1;頁183);国際公開第200254940号(頁100−101);国際公開第200259377号(頁349−350);国際公開第200230268号(請求項27;頁376);国際公開第200148204号(実施例;
図4)
NP_001194骨形成タンパク質レセプター,タイプIB/pid=NP_001194.1−
相互参照:MIM:603248;NP_001194.1;AY06599
(2)E16(LAT1,SLC7A5,Genbank受託番号NM_003486)
Biochem. Biophys. Res. Commun. 255 (2), 283-288 (1999), Nature 395 (6699):288-291 (1998), Gaugitsch, H.W., et al (1992) J. Biol. Chem. 267 (16):11267-11273);国際公開第2004048938号(実施例2);国際公開第2004032842号(実施例IV);国際公開第2003042661号(請求項12);国際公開第2003016475号(請求項1);国際公開第200278524号(実施例2);国際公開第200299074号(請求項19;頁127−129);国際公開第200286443号(請求項27;頁222,393);国際公開第2003003906号(請求項10;頁293);国際公開第200264798号(請求項33;頁93−95);国際公開第200014228号(請求項5;頁133−136);米国特許出願公開第2003224454号(
図3);国際公開第2003025138号(請求項12;頁150);
NP_003477溶質担体ファミリー7(カチオン性アミノ酸輸送体,y+
システム),メンバー5/pid=NP_003477.3−ホモサピエンス
相互参照:MIM:600182;NP_003477.3;NM_015923;NM_003486_1
(3)STEAP1(前立腺の6回膜貫通型上皮抗原,Genbank受託番号NM_012449)
Cancer Res. 61 (15), 5857-5860 (2001), Hubert, R.S., et al (1999) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 96 (25):14523-14528);国際公開第2004065577号(請求項6);国際公開第2004027049号(
図1L);欧州特許第1394274号(実施例11);国際公開第2004016225号(請求項2);国際公開第2003042661号(請求項12);米国特許出願公開第2003157089号(実施例5);米国特許出願公開第2003185830号(実施例5);米国特許出願公開第2003064397号(
図2);国際公開第200289747号(実施例5;頁618−619);国際公開第2003022995号(実施例9;
図13A,実施例53;頁173,実施例2;
図2A);
NP_036581 前立腺の6回膜貫通型上皮抗原
相互参照:MIM:604415;NP_036581.1;NM_012449_1
(4)0772P(CA125,MUC16,Genbank受託番号AF361486)
J. Biol. Chem. 276 (29):27371-27375 (2001));国際公開第2004045553号(請求項14);国際公開第200292836号(請求項6;
図12);国際公開第200283866号(請求項15;頁116−121);米国特許出願公開第2003124140号(実施例16);相互参照:GI:34501467;AAK74120.3;AF361486_1
(5)MPF(MPF,MSLN,SMR,巨核球増強因子、メソテリン,Genbank受託番号NM_005823)Yamaguchi, N., et al Biol. Chem. 269 (2), 805-808 (1994), Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 96 (20):11531-11536 (1999), Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 93 (1):136-140 (1996), J. Biol. Chem. 270 (37):21984-21990 (1995));国際公開第2003101283号(請求項14);(国際公開第2002102235号(請求項13;頁287−288);国際公開第2002101075号(請求項4;頁308−309);国際公開第200271928号(頁320−321);国際公開第9410312号(頁52−57);相互参照:MIM:601051;NP_005814.2;NM_005823_1
(6)Napi2b(NAPI−2B,NAPI−3B,NPTIIb,SLC34A2,溶質輸送体ファミリー34(リン酸ナトリウム),メンバー2,II型ナトリウム依存性リン酸トランスポーター3b,Genbank受託番号NM_006424)
J. Biol. Chem. 277 (22):19665-19672 (2002), Genomics 62 (2):281-284 (1999), Feild, J.A., et al (1999) Biochem. Biophys. Res. Commun. 258 (3):578-582);国際公開第2004022778号(請求項2);欧州特許第1394274号(実施例11);国際公開第2002102235号(請求項13;頁326);欧州特許第875569号(請求項1;頁17−19);国際公開第200157188号(請求項20;頁329);国際公開第2004032842号(実施例IV);国際公開第200175177号(請求項24;頁139−140);
相互参照:MIM:604217;NP_006415.1;NM_006424_1
(7)Sema5b(FLJ10372,KIAA1445,Mm.42015,SEMA5B,SEMAG,セマフォリン 5b Hlog,セマドメイン(sema domain),7回トロンボスポンジン反復(1型及び1型様),膜貫通ドメイン(TM)及び短い細胞質ドメイン(セマフォリン)5B,Genbank受託番号AB040878)
Nagase T., et al (2000) DNA Res. 7 (2):143-150);国際公開第2004000997号(請求項1);国際公開第2003003984号(請求項1);国際公開第200206339号(請求項1;頁50);国際公開第200188133号(請求項1;頁41−43,48−58);国際公開第2003054152号(請求項20);国際公開第2003101400号(請求項11);
受託番号:Q9P283;EMBL;AB040878;BAA95969.1.Genew;HGNC:10737;
(8)PSCA hlg(2700050C12Rik,C530008O16Rik,RIKEN cDNA 2700050C12,RIKEN cDNA 2700050C12 遺伝子,Genbank受託番号AY358628);Ross et al (2002) Cancer Res. 62:2546-2553;米国特許出願公開第2003129192号(請求項2);米国特許出願公開第2004044180号(請求項12);米国特許出願公開第2004044179号(請求項11);米国特許出願公開第2003096961号(請求項11);米国特許出願公開第2003232056号(実施例5);国際公開第2003105758号(請求項12);米国特許出願公開第2003206918号(実施例5);欧州特許第1347046号(請求項1);国際公開第2003025148号(請求項20);
相互参照:GI:37182378;AAQ88991.1;AY358628_1
(9)ETBR(エンドセリンタイプBレセプター,Genbank受託番号AY275463);
Nakamuta M., et al Biochem. Biophys. Res. Commun. 177, 34-39, 1991; Ogawa Y., et al Biochem. Biophys. Res. Commun. 178, 248-255, 1991; Arai H., et al Jpn. Circ. J. 56, 1303-1307, 1992; Arai H., et al J. Biol. Chem. 268, 3463-3470, 1993; Sakamoto A., Yanagisawa M., et al Biochem. Biophys. Res. Commun. 178, 656-663, 1991; Elshourbagy N.A., et al J. Biol. Chem. 268, 3873-3879, 1993; Haendler B., et al J. Cardiovasc. Pharmacol. 20, s1-S4, 1992; Tsutsumi M., et al Gene 228, 43-49, 1999; Strausberg R.L., et al Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 99, 16899-16903, 2002; Bourgeois C., et al J. Clin. Endocrinol. Metab. 82, 3116-3123, 1997; Okamoto Y., et al Biol. Chem. 272, 21589-21596, 1997; Verheij J.B., et al Am. J. Med. Genet. 108, 223-225, 2002; Hofstra R.M.W., et al Eur. J. Hum. Genet. 5, 180-185, 1997; Puffenberger E.G., et al Cell 79, 1257-1266, 1994; Attie T., et al, Hum. Mol. Genet. 4, 2407-2409, 1995; Auricchio A., et al Hum. Mol. Genet. 5:351-354, 1996; Amiel J., et al Hum. Mol. Genet. 5, 355-357, 1996; Hofstra R.M.W., et al Nat. Genet. 12, 445-447, 1996; Svensson P.J., et al Hum. Genet. 103, 145-148, 1998; Fuchs S., et al Mol. Med. 7, 115-124, 2001; Pingault V., et al (2002) Hum. Genet. 111, 198-206;国際公開第2004045516号(請求項1);国際公開第2004048938号(実施例2);国際公開第2004040000号(請求項151);国際公開第2003087768号(請求項1);国際公開第2003016475号(請求項1);国際公開第2003016475号(請求項1);国際公開第200261087号(
図1);国際公開第2003016494号(
図6);国際公開第2003025138号(請求項12;頁144);国際公開第200198351号(請求項1;頁124−125);欧州特許第522868号(請求項8;
図2);国際公開第200177172号(請求項1;頁297−299);米国特許出願公開第2003109676号;米国特許第6518404号(
図3);米国特許第5773223号(請求項1a;Col 31−34);国際公開第2004001004号;
(10)MSG783(RNF124,仮想タンパク質 FLJ20315,Genbank受託番号NM_017763);
国際公開第2003104275号(請求項1);国際公開第2004046342号(実施例2);国際公開第2003042661号(請求項12);国際公開第2003083074号(請求項14;頁61);国際公開第2003018621号(請求項1);国際公開第2003024392号(請求項2;
図93);国際公開第200166689号(実施例6);
相互参照:遺伝子座番号:54894;NP_060233.2;NM_017763_1
(11)STEAP2(HGNC_8639,IPCA−1,PCANAP1,STAMP1,STEAP2,STMP,前立腺癌関連遺伝子1,前立腺癌関連タンパク質1,前立腺の6回膜貫通型上皮抗原2,6回膜貫通型前立腺タンパク質,Genbank受託番号AF455138)
Lab. Invest. 82 (11):1573-1582 (2002));国際公開第2003087306号;米国特許出願公開第2003064397号(請求項1;
図1);国際公開第200272596号(請求項13;頁54−55);国際公開第200172962号(請求項1;
図4B);国際公開第2003104270号(請求項11);国際公開第2003104270号(請求項16);米国特許出願公開第2004005598号(請求項22);国際公開第2003042661号(請求項12);米国特許出願公開第2003060612号(請求項12;
図10);国際公開第200226822号(請求項23;
図2);国際公開第200216429号(請求項12;
図10);
相互参照:GI:22655488;AAN04080.1;AF455138_1
(12)TrpM4(BR22450,FLJ20041,TRPM4,TRPM4B,一過性レセプター電位カチオンチャネル,サブファミリーM,メンバー4,Genbank受託番号NM_017636)
Xu, X.Z., et al Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 98 (19):10692-10697 (2001), Cell 109 (3):397-407 (2002), J. Biol. Chem. 278 (33):30813-30820 (2003));米国特許出願公開第2003143557号(請求項4);国際公開第200040614号(請求項14;頁100−103);国際公開第200210382号(請求項1;
図9A);国際公開第2003042661号(請求項12);国際公開第200230268号(請求項27;頁391);米国特許出願公開第2003219806号(請求項4);国際公開第200162794号(請求項14;
図1A−D);
相互参照:MIM:606936;NP_060106.2;NM_017636_1
(13)CRIPTO(CR,CR1,CRGF,CRIPTO,TDGF1,奇形癌腫由来増殖因子,Genbank受託番号NP_003203又はNM_003212)
Ciccodicola, A., et al EMBO J. 8 (7):1987-1991 (1989), Am. J. Hum. Genet. 49 (3):555-565 (1991));米国特許出願公開第2003224411号(請求項1);国際公開第2003083041号(実施例1);国際公開第2003034984号(請求項12);国際公開第200288170号(請求項2;頁52−53);国際公開第2003024392号(請求項2;
図58);国際公開第200216413号(請求項1;頁94−95,105);国際公開第200222808号(請求項2;
図1);米国特許第5854399号(実施例2;Col 17−18);米国特許第5792616号(
図2);
相互参照:MIM:187395;NP_003203.1;NM_003212_1
(14)CD21(CR2(補体レセプター2)又はC3DR(C3d/エブスタインバーウイルスレセプター)又はHs.73792 Genbank受託番号M26004)
Fujisaku et al (1989) J. Biol. Chem. 264 (4):2118-2125); Weis J.J., et al J. Exp. Med. 167, 1047-1066, 1988; Moore M., et al Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 84, 9194-9198, 1987; Barel M., et al Mol. Immunol. 35, 1025-1031, 1998; Weis J.J., et al Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 83, 5639-5643, 1986; Sinha S.K., et al (1993) J. Immunol. 150, 5311-5320;国際公開第2004045520号(実施例4);米国特許出願公開第2004005538号(実施例1);国際公開第2003062401号(請求項9);国際公開第2004045520号(実施例4);国際公開第9102536号(
図9.1−9.9);国際公開第2004020595号(請求項1);
受託番号:P20023;Q13866;Q14212;EMBL;M26004;AAA35786.1.
(15)CD79b(CD79B,CD79β,IGb(免疫グロブリン関連β(immunoglobulin−associated beta)),B29,Genbank受託番号NM_000626又は11038674)
Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. (2003) 100 (7):4126-4131, Blood (2002) 100 (9):3068-3076, Muller et al (1992) Eur. J. Immunol. 22 (6):1621-1625);国際公開第2004016225号(請求項2,
図140);国際公開第2003087768号,米国特許出願公開第2004101874号(請求項1,頁102);国際公開第2003062401号(請求項9);国際公開第200278524号(実施例2);米国特許出願公開第2002150573号(請求項5,頁15);米国特許第5644033号;国際公開第2003048202号(請求項1,頁306及び309);国際公開第99/558658号,米国特許第6534482号(請求項13,
図17A/B);国際公開第200055351号(請求項11,頁1145−1146);
相互参照:MIM:147245;NP_000617.1;NM_000626_1
(16)FcRH2(IFGP4,IRTA4,SPAP1A(SH2ドメイン含有ホスファターゼアンカータンパク質1a),SPAP1B,SPAP1C,Genbank受託番号NM_030764,AY358130)
Genome Res. 13 (10):2265-2270 (2003), Immunogenetics 54 (2):87-95 (2002), Blood 99 (8):2662-2669 (2002), Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 98 (17):9772-9777 (2001), Xu, M.J., et al (2001) Biochem. Biophys. Res. Commun. 280 (3):768-775;国際公開第2004016225号(請求項2);国際公開第2003077836号;国際公開第200138490号(請求項5;
図18D−1−18D−2);国際公開第2003097803号(請求項12);国際公開第2003089624号(請求項25);
相互参照:MIM:606509;NP_110391.2;NM_030764_1
(17)HER2(ErbB2,Genbank受託番号M11730)
Coussens L., et al Science (1985) 230(4730):1132-1139); Yamamoto T., et al Nature 319, 230-234, 1986; Semba K., et al Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 82, 6497-6501, 1985; Swiercz J.M., et al J. Cell Biol. 165, 869-880, 2004; Kuhns J.J., et al J. Biol. Chem. 274, 36422-36427, 1999; Cho H.-S., et al Nature 421, 756-760, 2003; Ehsani A., et al (1993) Genomics 15, 426-429;国際公開第2004048938号(実施例2);国際公開第2004027049号(
図1I);国際公開第2004009622;国際公開第2003081210;国際公開第2003089904号(請求項9);国際公開第2003016475号(請求項1);米国特許出願公開第2003118592号;国際公開第2003008537号(請求項1);国際公開第2003055439号(請求項29;
図1A−B);国際公開第2003025228号(請求項37;
図5C);国際公開第200222636号(実施例13;頁95−107);国際公開第200212341号(請求項68;
図7);国際公開第200213847号(頁71−74);国際公開第200214503号(頁114−117);国際公開第200153463号(請求項2;頁41−46);国際公開第200141787号(頁15);国際公開第200044899号(請求項52;
図7);国際公開第200020579号(請求項3;
図2);米国特許第5869445号(請求項3;Col 31−38);国際公開第9630514号(請求項2;頁56−61);欧州特許第1439393号(請求項7);国際公開第2004043361号(請求項7);国際公開第2004022709号;国際公開第200100244号(実施例3;
図4);
受託番号:P04626;EMBL;M11767;AAA35808.1.EMBL;M11761;AAA35808.1.
(18)NCA(CEACAM6,Genbank受託番号M18728);
Barnett T., et al Genomics 3, 59-66, 1988; Tawaragi Y., et al Biochem. Biophys. Res. Commun. 150, 89-96, 1988; Strausberg R.L., et al Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 99:16899-16903, 2002;国際公開第2004063709;欧州特許第1439393号(請求項7);国際公開第2004044178号(実施例4);国際公開第2004031238号;国際公開第2003042661号(請求項12);国際公開第200278524号(実施例2);国際公開第200286443号(請求項27;頁427);国際公開第200260317号(請求項2);
受託番号:P40199;Q14920;EMBL;M29541;AAA59915.1.EMBL;M18728;
(19)MDP(DPEP1,Genbank受託番号BC017023)
Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 99 (26):16899-16903 (2002));国際公開第2003016475号(請求項1);国際公開第200264798号(請求項33;頁85−87);特公平5−003790号公報(
図6−8);国際公開第9946284号(
図9);
相互参照:MIM:179780;AAH17023.1;BC017023_1
(20)IL20Rα(IL20Ra,ZCYTOR7,Genbank受託番号AF184971);
Clark H.F., et al Genome Res. 13, 2265-2270, 2003; Mungall A.J., et al Nature 425, 805-811, 2003; Blumberg H., et al Cell 104, 9-19, 2001; Dumoutier L., et al J. Immunol. 167, 3545-3549, 2001; Parrish-Novak J., et al J. Biol. Chem. 277, 47517-47523, 2002; Pletnev S., et al (2003) Biochemistry 42:12617-12624; Sheikh F., et al (2004) J. Immunol. 172, 2006-2010;欧州特許第1394274号(実施例11);米国特許出願公開第2004005320号(実施例5);国際公開第2003029262号(頁74−75);国際公開第2003002717号(請求項2;頁63);国際公開第200222153号(頁45−47);米国特許出願公開第2002042366号(頁20−21);国際公開第200146261号(頁57−59);国際公開第200146232号(頁63−65);国際公開第9837193号(請求項1;頁55−59);
受託番号:Q9UHF4;Q6UWA9;Q96SH8;EMBL;AF184971;AAF01320.1.
(21)ブレビカン(BCAN,BEHAB,Genbank受託番号AF229053)
Gary S.C., et al Gene 256, 139-147, 2000; Clark H.F., et al Genome Res. 13, 2265-2270, 2003; Strausberg R.L., et al Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 99, 16899-16903, 2002;米国特許出願公開第2003186372号(請求項11);米国特許出願公開第2003186373号(請求項11);米国特許出願公開第2003119131号(請求項1;
図52);米国特許出願公開第2003119122号(請求項1;
図52);米国特許出願公開第2003119126号(請求項1);米国特許出願公開第2003119121号(請求項1;
図52);米国特許出願公開第2003119129号(請求項1);米国特許出願公開第2003119130号(請求項1);米国特許出願公開第2003119128号(請求項1;
図52);米国特許出願公開第2003119125号(請求項1);国際公開第2003016475号(請求項1);国際公開第200202634号(請求項1);
(22)EphB2R(DRT,ERK,Hek5,EPHT3,Tyro5,Genbank受託番号NM_004442)
Chan,J. and Watt, V.M., Oncogene 6 (6), 1057-1061 (1991) Oncogene 10 (5):897-905 (1995), Annu. Rev. Neurosci. 21:309-345 (1998), Int. Rev. Cytol. 196:177-244 (2000));国際公開第2003042661号(請求項12);国際公開第200053216号(請求項1;頁41);国際公開第2004065576号(請求項1);国際公開第2004020583号(請求項9);国際公開第2003004529号(頁128−132);国際公開第200053216号(請求項1;頁42);
相互参照:MIM:600997;NP_004433.2;NM_004442_1
(23)ASLG659(B7h,Genbank受託番号AX092328)
米国特許出願公開第20040101899号(請求項2);国際公開第2003104399号(請求項11);国際公開第2004000221号(
図3);米国特許出願公開第2003165504号(請求項1);米国特許出願公開第2003124140号(実施例2);米国特許出願公開第2003065143号(
図60);国際公開第2002102235号(請求項13;頁299);米国特許出願公開第2003091580号(実施例2);国際公開第200210187号(請求項6;
図10);国際公開第200194641号(請求項12;
図7b);国際公開第200202624号(請求項13;
図1A−1B);米国特許出願公開第2002034749号(請求項54;頁45−46);国際公開第200206317号(実施例2;頁320−321,請求項34;頁321−322);国際公開第200271928号(頁468−469);国際公開第200202587号(実施例1;
図1);国際公開第200140269号(実施例3;頁190−192);国際公開第200036107号(実施例2;頁205−207);国際公開第2004053079号(請求項12);国際公開第2003004989号(請求項1);国際公開第200271928号(頁233−234,452−453);国際公開第0116318号;
(24)PSCA(前立腺幹細胞抗原前駆体,Genbank受託番号AJ297436)
Reiter R.E., et al Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 95, 1735-1740, 1998; Gu Z., et al Oncogene 19, 1288-1296, 2000; Biochem. Biophys. Res. Commun. (2000) 275(3):783-788;国際公開第2004022709号;欧州特許第1394274号(実施例11);米国特許出願公開第2004018553号(請求項17);国際公開第2003008537号(請求項1);国際公開第200281646号(請求項1;頁164);国際公開第2003003906号(請求項10;頁288);国際公開第200140309号(実施例1;
図17);米国特許出願公開第2001055751号(実施例1;
図1b);国際公開第200032752号(請求項18;
図1);国際公開第9851805号(請求項17;頁97);国際公開第9851824号(請求項10;頁94);国際公開第9840403号(請求項2;
図1B);
受託番号:O43653;EMBL;AF043498;AAC39607.1.
(25)GEDA(Genbank受託番号AY260763);
AAP14954脂肪腫HMGIC融合パートナー様タンパク質(fusion−partner−like protein)/pid=AAP14954.1 − ホモ・サピエンス
種:ホモサピエンス(ヒト)
国際公開第2003054152号(請求項20);国際公開第2003000842号(請求項1);国際公開第2003023013号(実施例3,請求項20);米国特許出願公開第2003194704号(請求項45);
相互参照:GI:30102449;AAP14954.1;AY260763_1
(26)BAFF−R(B細胞活性化因子レセプター,BLySレセプター3,BR3,Genbank受託番号AF116456);BAFFレセプター/pid=NP_443177.1 − ホモサピエンス
Thompson, J.S., et al Science 293 (5537), 2108-2111 (2001);国際公開第2004058309号;国際公開第2004011611;国際公開第2003045422号(実施例;頁32−33);国際公開第2003014294号(請求項35;
図6B);国際公開第2003035846号(請求項70;頁615−616);国際公開第200294852号(Col 136−137);国際公開第200238766号(請求項3;頁133);国際公開第200224909号(実施例3;
図3);
相互参照:MIM:606269;NP_443177.1;NM_052945_1;AF132600
(27)CD22(B細胞レセプターCD22−Bアイソフォーム,BL−CAM,Lyb−8,Lyb8,SIGLEC−2,FLJ22814,Genbank受託番号AK026467);
Wilson et al (1991) J. Exp. Med. 173:137-146;国際公開第2003072036号(請求項1;
図1);
相互参照:MIM:107266;NP_001762.1;NM_001771_1
(28)CD79a(CD79A,CD79α,免疫グロブリン関連アルファ(immunoglobulin−associated alpha),免疫グロブリンベータ(CD79B)と共有結合性に相互作用し、IgM分子と表面上で複合体を形成し、B細胞分化に関与するシグナルを伝達するB細胞特異的タンパク質),等電点:4.84,分子量:25028 TM:2[P]遺伝子染色体:19q13.2,Genbank受託番号NP_001774.10)
国際公開第2003088808号;米国特許出願公開第20030228319号;国際公開第2003062401号(請求項9);米国特許出願公開第2002150573号(請求項4、頁13−14);国際公開第9958658号(請求項13、
図16);国際公開第9207574号(
図1);米国特許第5644033号; Ha et al (1992) J. Immunol. 148(5):1526-1531; Mueller et al (1992) Eur. J. Biochem. 22:1621-1625; Hashimoto et al (1994) Immunogenetics 40(4):287-295; Preud'homme et al (1992) Clin. Exp. Immunol. 90(1):141-146; Yu et al (1992) J. Immunol. 148(2) 633-637; Sakaguchi et al (1988) EMBO J. 7(11):3457-3464;
(29)CXCR5(バーキットリンパ腫レセプター1は、CXCL13ケモカインによって活性化され、リンパ球遊走及び体液性防御において機能し、HIV−2感染、おそらくエイズ、リンパ腫、骨髄腫、及び白血病の発症において役割を果たす、Gタンパク質共役型レセプター);372アミノ酸,等電点:8.54 分子量:41959 TM:7[P]遺伝子染色体:11q23.3,Genbank受託番号NP_001707.1)
国際公開第2004040000号;国際公開第2004015426号;米国特許出願公開第2003105292号(実施例2);米国特許第6555339号(実施例2);国際公開第200261087号(
図1);国際公開第200157188号(請求項20,頁269);国際公開第200172830号(頁12−13);国際公開第200022129号(実施例1,頁152−153,実施例2,頁254−256);国際公開第9928468号(請求項1,頁38);米国特許第5440021号(実施例2,col 49−52);国際公開第9428931号(頁56−58);国際公開第9217497号(請求項7,
図5);Dobner et al (1992) Eur. J. Immunol. 22:2795-2799; Barella et al (1995) Biochem. J. 309:773-779;
(30)HLA−DOB(ペプチドを結合しそれらをCD4+Tリンパ球に提示するMHCクラスII分子(Ia抗原)のベータサブユニット);273アミノ酸,等電点:6.56 分子量:30820 TM:1[P]遺伝子染色体:6p21.3,Genbank受託番号NP_002111.1)
Tonnelle et al (1985) EMBO J. 4(11):2839-2847; Jonsson et al (1989) Immunogenetics 29(6):411-413; Beck et al (1992) J. Mol. Biol. 228:433-441; Strausberg et al (2002) Proc. Natl. Acad. Sci USA 99:16899-16903; Servenius et al (1987) J. Biol. Chem. 262:8759-8766; Beck et al (1996) J. Mol. Biol. 255:1-13; Naruse et al (2002) Tissue Antigens 59:512-519;国際公開第9958658号(請求項13,
図15);米国特許第6153408号(Col 35−38);米国特許第5976551号(col 168−170);米国特許第6011146号(col 145−146);Kasahara et al (1989) Immunogenetics 30(1):66-68; Larhammar et al (1985) J. Biol. Chem. 260(26):14111-14119;
(31)P2X5(プリンレセプターP2Xリガンド開口型イオンチャネル5は、細胞外ATPにより開閉されるイオンチャネルであり、シナプス伝達及び神経発生に関与する可能性があり、欠乏は、特発性排尿筋不安定性の病態生理の一因となり得る;422アミノ酸),等電点:7.63,分子量:47206 TM:1[P]遺伝子染色体:17p13.3,Genbank受託番号NP_002552.2)
Le et al (1997) FEBS Lett. 418(1-2):195-199;国際公開第2004047749号;国際公開第2003072035号(請求項10);Touchman et al (2000) Genome Res. 10:165-173;国際公開第200222660号(請求項20);国際公開第2003093444号(請求項1);国際公開第2003087768号(請求項1);国際公開第2003029277号(頁82);
(32)CD72(B細胞分化抗原CD72,Lyb−2)PROTEIN SEQUENCE Full maeaity...tafrfpd(1..359;359アミノ酸),等電点:8.66,分子量:40225 TM:1[P]遺伝子染色体:9p13.3,Genbank受託番号NP_001773.1)
国際公開第2004042346号(請求項65);国際公開第2003026493号(頁51−52,57−58);国際公開第200075655号(頁105−106);Von Hoegen et al (1990) J. Immunol. 144(12):4870-4877; Strausberg et al (2002) Proc. Natl. Acad. Sci USA 99:16899-16903;
(33)LY64(リンパ球抗原64(RP105),ロイシンリッチリピート(LRR)ファミリーのI型膜タンパク質であり、B細胞の活性化及びアポトーシスを制御し、機能喪失は全身性エリテマトーデスの患者における疾患活性の上昇に関連する);661アミノ酸,等電点:6.20,分子量:74147 TM:1[P]遺伝子染色体:5q12,Genbank受託番号NP_005573.1)
米国特許出願公開第2002193567号;国際公開第9707198号(請求項11,頁39−42);Miura et al (1996) Genomics 38(3):299-304; Miura et al (1998) Blood 92:2815-2822;国際公開第2003083047号;国際公開第9744452号(請求項8,頁57−61);国際公開第200012130号(頁24−26);
(34)FcRH1(Fcレセプター様タンパク質1,C2タイプIg様ドメイン及びITAMドメインを含む免疫グロブリンFcドメインについての推定上のレセプターであり、B−リンパ球分化において役割を有し得る);429アミノ酸,等電点:5.28,分子量:46925 TM:1[P]遺伝子染色体:1q21−1q22,Genbank受託番号NP_443170.1)
国際公開第2003077836号;国際公開第200138490号(請求項6,
図18E−1−18−E−2);Davis et al (2001) Proc. Natl. Acad. Sci USA 98(17):9772-9777;国際公開第2003089624号(請求項8);欧州特許第1347046号(請求項1);国際公開第2003089624号(請求項7);
(35)IRTA2(免疫グロブリンスーパーファミリーレセプタートランスロケーション関連2(Immunoglobulin superfamily receptor translocation associated 2)、B細胞発生及びリンパ腫形成において役割を有し得る推定上の免疫レセプター;一部のB細胞悪性腫瘍においてトランスロケーションによる遺伝子の調節解除が発生する);977アミノ酸,等電点:6.88 分子量:106468 TM:1[P]遺伝子染色体:1q21,Genbank受託番号ヒト:AF343662,AF343663,AF343664,AF343665,AF369794,AF397453,AK090423,AK090475,AL834187,AY358085;マウス:AK089756,AY158090,AY506558;NP_112571.1
国際公開第2003024392号(請求項2,
図97); Nakayama et al (2000) Biochem. Biophys. Res. Commun. 277(1):124-127;国際公開第2003077836号;国際公開第200138490号(請求項3,
図18B−1−18B−2);
(36)TENB2(TMEFF2,tomoregulin,TPEF,HPP1,TR,増殖因子のEGF/ヘレグリンファミリー及びフォリスタチンに関連する推定上の膜貫通型プロテオグリカン);374アミノ酸,NCBI受託番号:AAD55776,AAF91397,AAG49451,NCBI RefSeq:NP_057276;NCBI Gene:23671;OMIM:605734;SwissProt Q9UIK5;Genbank受託番号AF179274;AY358907,CAF85723,CQ782436
国際公開第2004074320号(配列番号810);特開2004−113151号公報(配列番号2,4,8);国際公開第2003042661号(配列番号580);国際公開第2003009814号(配列番号411);欧州特許第1295944号(頁69−70);国際公開第200230268号(頁329);国際公開第200190304号(配列番号2706);米国特許出願公開第2004249130号;米国特許出願公開第2004022727号;国際公開第2004063355号;米国特許出願公開第2004197325号;米国特許出願公開第2003232350号;米国特許出願公開第2004005563号;米国特許出願公開第2003124579号;Horie et al (2000) Genomics 67:146-152; Uchida et al (1999) Biochem. Biophys. Res. Commun. 266:593-602; Liang et al (2000) Cancer Res. 60:4907-12; Glynne-Jones et al (2001) Int J Cancer. Oct 15;94(2):178-84;
(37)PMEL17(シルバーホモログ(silver homolog);SILV;D12S53E;PMEL17;(SI);(SIL);ME20;gp100)BC001414;BT007202;M32295;M77348;NM_006928; McGlinchey, R.P. et al (2009) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 106 (33), 13731-13736; Kummer, M.P. et al (2009) J. Biol. Chem. 284 (4), 2296-2306;
(38)TMEFF1(EGF様及び2つのフォリスタチン様ドメインを有する膜貫通型タンパク質1;Tomoregulin−1;H7365;C9orf2;C9ORF2;U19878;X83961)NM_080655;NM_003692; Harms, P.W. (2003) Genes Dev. 17 (21), 2624-2629; Gery, S. et al (2003) Oncogene 22 (18):2723-2727;
(39)GDNF−Ra1(GDNFファミリーレセプターアルファ1;GFRA1;GDNFR;GDNFRA;RETL1;TRNR1;RET1L;GDNFR−アルファ1;GFR−ALPHA−1;U95847;BC014962;NM_145793)NM_005264; Kim,M.H. et al (2009) Mol. Cell. Biol. 29 (8), 2264-2277; Treanor, J.J. et al (1996) Nature 382 (6586):80-83;
(40)Ly6E(リンパ球抗原6複合体、遺伝子座E;Ly67,RIG−E,SCA−2,TSA−1)NP_002337.1;NM_002346.2; de Nooij-van Dalen,A.G. et al (2003) Int. J. Cancer 103 (6), 768-774; Zammit,D.J. et al (2002) Mol. Cell. Biol. 22 (3):946-952;
(41)TMEM46(シサホモログ(shisa homolog)2(アフリカツメガエル);SHISA2)NP_001007539.1;NM_001007538.1; Furushima,K. et al (2007) Dev. Biol. 306 (2), 480-492; Clark,H.F. et al (2003) Genome Res. 13 (10):2265-2270;
(42)Ly6G6D(リンパ球抗原6複合体、遺伝子座G6D;Ly6−D,MEGT1)NP_067079.2;NM_021246.2; Mallya, M. et al (2002) Genomics 80 (1):113-123; Ribas,G. et al (1999) J. Immunol. 163 (1):278-287;
(43)LGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役型レセプター5;GPR49,GPR67)NP_003658.1;NM_003667.2;Salanti,G. et al (2009) Am. J. Epidemiol. 170 (5):537-545; Yamamoto,Y. et al (2003) Hepatology 37 (3):528-533;
(44)RET(retプロトオンコジーン;MEN2A;HSCR1;MEN2B;MTC1;(PTC);CDHF12;Hs.168114;RET51;RET−ELE1)NP_066124.1;NM_020975.4;Tsukamoto,H. et al (2009) Cancer Sci. 100 (10):1895-1901; Narita,N. et al (2009) Oncogene 28 (34):3058-3068;
(45)LY6K(リンパ球抗原6複合体、遺伝子座K;LY6K;HSJ001348;FLJ35226)NP_059997.3;NM_017527.3; Ishikawa,N. et al (2007) Cancer Res. 67 (24):11601-11611; de Nooij-van Dalen,A.G. et al (2003) Int. J. Cancer 103 (6):768-774;
(46)GPR19(Gタンパク質共役型レセプター19;Mm.4787)NP_006134.1;NM_006143.2;Montpetit, A. and Sinnett,D. (1999) Hum. Genet. 105 (1-2):162-164; O'Dowd, B.F. et al (1996) FEBS Lett. 394 (3):325-329;
(47)GPR54(KISS1レセプター;KISS1R;GPR54;HOT7T175;AXOR12)NP_115940.2;NM_032551.4; Navenot, J.M. et al (2009) Mol. Pharmacol. 75 (6):1300-1306; Hata, K. et al (2009) Anticancer Res. 29 (2):617-623;
(48)ASPHD1(アスパラギン酸β−ヒドロキシラーゼドメイン含有1;LOC253982)NP_859069.2;NM_181718.3; Gerhard, D.S. et al (2004) Genome Res. 14 (10B):2121-2127;
(49)チロシナーゼ(TYR;OCAIA;OCA1A;チロシナーゼ;SHEP3)NP_000363.1;NM_000372.4; Bishop,D.T. et al (2009) Nat. Genet. 41 (8):920-925; Nan, H. et al (2009) Int. J. Cancer 125 (4):909-917;
(50)TMEM118(リングフィンガータンパク質,膜貫通型2;RNFT2;FLJ14627)NP_001103373.1;NM_001109903.1; Clark, H.F. et al (2003) Genome Res. 13 (10):2265-2270; Scherer,S.E. et al (2006) Nature 440 (7082):346-351
(51)GPR172A(Gタンパク質共役型レセプター172A;GPCR41;FLJ11856;D15Ertd747e)NP_078807.1;NM_024531.3; Ericsson, T.A. et al (2003) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 100 (11):6759-6764; Takeda, S. et al (2002) FEBS Lett. 520 (1-3):97-101.
【0063】
親抗体はまた、アルブミン結合ペプチド(ABP)配列を有する融合タンパク質であってもよい(Dennis et al. (2002) “Albumin Binding As A General Strategy For Improving The Pharmacokinetics Of Proteins" J Biol Chem. 277:35035-35043;国際公開第01/45746号)。本発明の抗体は、(i) Dennis et al (2002) J Biol Chem. 277:35035-35043の表III及びIV、頁35038;(ii)米国特許出願公開第20040001827号の[0076];及び(iii)国際公開第01/45746号の頁12−13に記載のABP配列を有する融合タンパク質を含み、その全てが参照により本明細書に援用される。
【0064】
突然変異によるシステイン操作抗体を調製するため、出発ポリペプチドのアミノ酸配列変異体をコードするDNAが当技術分野で公知の種々の方法により調製される。これらの方法は、ポリペプチドをコードする前に調製したDNAの部位特異的(又はオリゴヌクレオチド介在性)変異誘発、PCR変異誘発、及びカセット変異誘発による調製を含むがこれらに限定されない。組換え抗体の変異体は、制限断片の操作によって、又はは合成オリゴヌクレオチドとの重複伸長PCRによっても構築されうる。変異誘発プライマーは、システインのコドンの置換をコードする。標準的な変異誘発法が、そのような変異システイン操作抗体をコードするDNAを生成するために用いることができる。一般的なガイダンスは、Sambrook et al Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989;及びAusubel et al Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing and Wiley-Interscience, New York, N.Y., 1993に見出すことができる。
【0065】
抗体は、例えば米国特許第4816567号で説明したように、組換え法及び組成物を用いて製造することができる。一実施態様において、単離された核酸は、抗体のVLを含むアミノ酸配列、及び/又は抗体のVHを含むアミノ酸配列(例えば、抗体の軽鎖及び/又は重鎖)をコードし得る。更なる実施態様において、そのような核酸を含む一以上のベクター(例えば、発現ベクター)が提供される。更なる実施態様において、そのような核酸を含む宿主細胞が提供される。一実施態様において、宿主細胞は以下を含む(例えば、以下で形質転換される):(1)抗体のVLを含むアミノ酸配列、及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクター、又は(2)抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第一ベクター、及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第二ベクター。一実施態様において、宿主細胞は、真核生物、例えばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又はリンパ系細胞(例えば、Y0、NS0、Sp20細胞)である。一実施態様において、方法は、上記のように、抗体の発現に適した条件下で、抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を培養することを含み、及び必要に応じて、宿主細胞(又は宿主細胞培養培地)から抗体を回収することを含む。
【0066】
組換え生産のために、例えば上述したように、抗体をコードする核酸が単離され、宿主細胞内での更なるクローニング及び/又は発現のために一以上のベクターに挿入される。このような核酸は、容易に単離され、従来の手順を用いて(例えば、抗体の重鎖と軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)配列決定することができる。抗体をコードするベクターのクローニング又は発現に適切な宿主細胞は、本明細書に記載の原核細胞又は真核細胞を含む。例えば、特に、グリコシル化及びFcエフェクター機能が必要ない場合には、抗体は細菌で産生することができる。細菌における抗体断片及びポリペプチドの発現については、例えば、米国特許第5648237号、第5789199号及び第5840523号を参照。(また、大腸菌における抗体の発現を説明している、Charlton, Methods in Molecular Biology, Vol. 248 (B.K.C. Lo, ed., Humana Press, Totowa, NJ, 2003), pp. 245-254も参照)。発現の後、抗体は可溶性画分において細菌の細胞ペーストから単離され、更に精製することができる。原核生物に加えて、糸状菌又は酵母菌のような真核微生物は、そのグリコシル化経路が、「ヒト化」されている菌類や酵母菌株を含む抗体をコードするベクターのための、適切なクローニング宿主又は発現宿主であり、部分的又は完全なヒトのグリコシル化パターンを有する抗体の生成をもたらす。Gerngross, Nat. Biotech. 22:1409-1414 (2004)、及びLi et al., Nat. Biotech. 24:210-215 (2006)を参照。グリコシル化抗体の発現に適した宿主細胞はまた、多細胞生物(無脊椎動物と脊椎動物)から派生している。無脊椎動物細胞の例としては、植物及び昆虫細胞が挙げられる。多数のバキュロウイルス株が同定され、これらは特にSpodoptera frugiperda細胞のトランスフェクションのために、昆虫細胞と組み合わせて使用することができる。米国特許第5959177号、米国特許第6040498号、米国特許第6420548号、米国特許第7125978号、米国特許第6417429号(トランスジェニック植物において抗体を産生するためのPLANTIBODIES
TM技術を記載している)に記載されるもののような植物細胞培養物もまた宿主として利用することができる。脊椎動物細胞も宿主として用いることができる。例えば、懸濁液中で増殖するように適応された哺乳動物細胞株は有用でありうる。有用な哺乳動物宿主細胞株の他の例は、SV40(COS−7)で形質転換されたサル腎臓CV1株;ヒト胚腎臓株(Graham et al., J. Gen Virol. 36:59 (1977)に記載された293細胞又は293細胞;ベビーハムスター腎臓細胞(BHK);マウスのセルトリ細胞(Mather, Biol. Reprod. 23:243-251 (1980)に記載されるTM4細胞);サル腎細胞(CV1);アフリカミドリザル腎細胞(VERO−76);ヒト子宮頚癌細胞(HELA);イヌ腎臓細胞(MDCK;バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A);ヒト肺細胞(W138);ヒト肝細胞(HepG2)、マウス乳腺腫瘍(MMT060562);例えば、Mather et al., Annals N.Y. Acad. Sci. 383:44-68 (1982)に記載されるTRI細胞;MRC5細胞;及びFS4細胞である。他の有用な哺乳動物宿主細胞株は、DHFR
− CHO細胞(Urlaub et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216 (1980))を含むチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞;及びY0、NS0及びSp2/0などの骨髄腫細胞株を含む。抗体産生に適した特定の哺乳動物宿主細胞系の総説については、例えば、Yazaki and Wu, Methods in Molecular Biology, Vol. 248 (B.K.C. Lo, ed., Humana Press, Totowa, NJ), pp. 255-268 (2003)を参照。
【0067】
部位特異的変異誘発法は、置換変異体、すなわち変異タンパク質を作製するための一つの方法である(Carter (1985) et al Nucleic Acids Res. 13:4431-4443; Ho et al (1989) Gene (Amst.) 77:51-59;及びKunkel et al (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:488)。出発DNAは、望ましい変異をコードするオリゴヌクレオチドをその出発DNAの一本鎖に最初にハイブリダイズすることで改変される。ハイブリダイゼーションの後、DNAポリメラーゼは、プライマーとしてハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドを使用し、テンプレートとして出発DNAの一本鎖を使用して、第二鎖全体を合成するために使用される。従って、所望の変異をコードするオリゴヌクレオチドが得られた二本鎖DNAに組み込まれる。部位特異的変異誘発法は、変異を誘発されるべきタンパク質を発現プラスミド内で発現する遺伝子内で行うことができ、得られたプラスミドは配列が決定され、望まれるシステイン置換変異生成の導入を確認する(Liu et al (1998) J. Biol. Chem. 273:20252-20260)。部位特異的プロトコールや形式は広く入手可能なもの、例えばQuikChange(登録商標)多重部位特異的変異生成キット(ストラタジーン、ラホーヤ、カリフォルニア州)である。
【0068】
PCR突然変異誘発はまた、出発ポリペプチドのアミノ酸配列変異体を作るのに適している。Higuchi, (1990) in PCR Protocols, pp.177-183, Academic Press; Ito et al (1991) Gene 102:67-70; Bernhard et al (1994) Bioconjugate Chem. 5:126-132; 及びVallette et al (1989) Nuc. Acids Res. 17:723-733を参照。簡単に説明すると、PCRにおける出発物質としてテンプレートDNAの少量が用いられる場合、テンプレートDNAの対応する領域とは配列が若干異なるプライマーが、プライマーがテンプレートとは異なる場所においてのみ、テンプレート配列とは異なる特異的DNA断片の比較的多量を産生するために用いることができる。
【0069】
変異体を調製するための別の方法であるカセット式変異誘発は、Wells et al (1985) Gene 34:315-323により記載される技術にもとずく。出発材料は、変異されるべき出発ポリペプチドを含むプラスミド(又は他のベクター)である。変異されるべき出発DNAのコドンが同定される。同定された変異部位のそれぞれの側にユニークな制限エンドヌクレアーゼ部位が存在する必要がある。そのような制限酵素部位が存在しない場合、それらは出発ポリペプチドDNAの適切な場所でそれらを導入するために、上記オリゴヌクレオチド媒介突然変異誘発法を用いて生成される場合がある。プラスミドDNAは、それを線形化するために、これらの部位で切断される。制限部位間のDNAの配列をコードするが、望まれる変異を含む二本鎖オリゴヌクレオチドは、標準的な方法を用いて合成され、ここでオリゴヌクレオチドの二本鎖は別々に合成され、標準的な技術を用いて一緒にハイブリダイズされる。この二本鎖オリゴヌクレオチドは、カセットと呼ばれる。このカセットは、それが直接プラスミドにライゲーションすることができるように、線状プラスミドの両端と一致する5’及び3’の両端を持つように設計されている。このプラスミドは、今や変異DNA配列を含む。コードされたシステインの置換を含む変異体DNAは、DNA配列決定により確認することができる。
【0070】
単一の変異はまた、PCRに基づく変異誘発によって、テンプレートとして二本鎖プラスミドDNAを用いたオリゴヌクレオチド指向性突然変異誘発によって生成される(Sambrook and Russel, (2001) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd edition; Zoller et al (1983) Methods Enzymol. 100:468-500; Zoller, M.J. and Smith, M. (1982) Nucl. Acids Res. 10:6487-6500)。
【0071】
ある実施態様において、一以上のアミノ酸改変を、本明細書で提供される抗体のFc領域に導入することができ、それによってFc領域変異体を生成する。Fc領域の変異体は、1つ又は複数のアミノ酸位置においてアミノ酸修飾(例えば置換)を含むヒトFc領域の配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4のFc領域)を含んでもよい。
【0072】
ある実施態様において、本発明は、インビボにおける抗体の半減期が重要であるが、ある種のエフェクター機能(例えば補体及びADCCなど)が不要又は有害である用途のための望ましい候補とならしめる、全てではないが一部のエフェクター機能を有する抗体変異体を意図している。インビトロ及び/又はインビボでの細胞毒性アッセイを、CDC活性及び/又はADCC活性の減少/枯渇を確認するために行うことができる。例えば、Fcレセプター(FcR)結合アッセイは、抗体がFcγR結合を欠くが(それゆえ、おそらくADCC活性を欠く)、FcRn結合能力を保持していることを確認するために行うことができる。
【0073】
CBI二量体薬物部分
本発明の抗体−薬物コンジュゲート化合物は、CBI二量体薬物部分Dを含む。CBI二量体薬物部分は、二つのCBI薬物単位又は1つのCBI薬物単位及び一つのPBD薬物単位から構成され得る。
CBI二量体薬物部分Dは式:
を有し、
ここで
R
1は、H,P(O)
3H
2,C(O)NR
aR
bから選択され;
R
2は、H,P(O)
3H
2,C(O)NR
aR
bから選択され;
R
a及びR
bは、H及び一以上のFで任意置換されたC
1−C
6アルキルから独立に選択され,
又はR
a及びR
bは、5又は6員複素環基を形成し;
Tは、C
3−C
12アルキレン,Y,(C
1−C
6アルキレン)−Y−(C
1−C
6アルキレン),(C
1−C
6アルキレン)−Y−(C
1−C
6アルキレン)−Y−(C
1−C
6アルキレン),(C
2−C
6アルケニレン)−Y−(C
2−C
6アルケニレン)及び(C
2−C
6アルキニレン)−Y−(C
2−C
6アルキニレン)から選択されるテザー基であり;
ここで、YはO、S、NR
1、アリール、及びヘテロアリールから独立に選択され;
ここで、アルキレン、アルケニレン、アリール、及びヘテロアリールは、F,OH,O(C
1−C
6アルキル),NH
2,NHCH
3,N(CH
3)
2,OP(O)
3H
2,及びC
1−C
6アルキルで独立に任意置換され、ここでアルキルは、一以上のFで任意置換され;
又はアルキレン、アルケニレン、アリール及びヘテロアリールは、Lへの結合で独立に任意置換され;
D’は
から選択される薬物部分であり、
ここで波線はTへの結合部位を示し;
X
1及びX
2は、O及びNR
3から独立に選択され、ここでR
3は、H及び一以上のFで任意置換されたC
1−C
6アルキルから選択され;
R
4は、H,CO
2Rであり、ここでRはC
1−C
6アルキル又はベンジルであり;及び
R
5は、H又はC
1−C
6アルキルである。
【0074】
ある実施態様において、Yは、フェニル、ピリジル、1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、又は[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンである。
【0075】
CBI二量体薬物部分D化合物は、表3のリンカーCBI薬物中間体を調製するために有用である表1のものを含む。
【0076】
CBI二量体薬物部分D化合物を調製するために有用なテザー試薬は表2のものが含まれる。
【0077】
リンカー
本発明の抗体−薬物コンジュゲート(ADC)化合物は、式:
を有するリンカーLを含み、
ここで、Strは抗体に共有結合したストレッチャー単位であり;Pepは2から12個のアミノ酸残基の任意のペプチド単位であり、Spは二量体の薬物部分に共有結合した任意のスペーサー単位であり、m及びnは0及び1から独立に選択され;
例示的な実施態様において、Strは、1,3−二置換、ピロリジン−2,5−ジオン(スクシンイミド)式:
を有し、
ここで、R
6は、C
1−C
10アルキレン,C
3−C
8カルボシクリル,O−(C
1−C
8アルキル),アリーレン,C
1−C
10アルキレン−アリーレン,アリーレン−C
1−C
10アルキレン,C
1−C
10アルキレン−(C
3−C
8カルボシクリル),(C
3−C
8カルボシクリル)−C
1−C
10アルキレン,C
3−C
8ヘテロシクリル,C
1−C
10アルキレン−(C
3−C
8ヘテロシクリル),(C
3−C
8ヘテロシクリル)−C
1−C
10アルキレン,C
1−C
10アルキレン−C(O)N(R
8)−C
2−C
6アルキレン−N(R
8),N(R
8)−(C
2−C
6アルキレン)及び(CH
2CH
2O)
r−CH
2からなる群から選択され;ここでR
8は、H又はC
1−C
6アルキルであり、rは1から10の範囲の整数である。
【0078】
Strストレッチャー単位の1,3−二置換型、ピロリジン−2,5−ジオンの実施態様が、表4に記載されるもののようなリンカー−薬物中間体のマレイミド基との抗体のシステインチオールのコンジュゲーションから形成することができる。
【0079】
別の例示的な実施態様において、Strは式:
を有し、
ここで、R
7は、C
1−C
10アルキレン,C
1−C
10アルキレン−O,N(R
8)−(C
2−C
6アルキレン)−N(R
8),N(R
8)−(C
2−C
6アルキレン),及び(CH
2CH
2O)
r−CH
2から選択され;ここでR
8はH又はC
1−C
6アルキルであり、rは1から10の範囲の整数である。
【0080】
別の例示的な実施態様において、Strは式:
を有し、
ここで、R
9は、C
1−C
10アルキレン,C
1−C
10アルキレン−O,(C
2−C
6アルキレン)−N(R
8),及び(CH
2CH
2O)
r−CH
2から選択され;ここでR
8は、H又はC
1−C
6アルキルであり、rは1から10の範囲の整数である。
【0081】
別の例示的な実施態様において、Lは、抗体のシステインアミノ酸とジスルフィド結合を形成し、R
9は、C
2−C
6アルキレン−Oであり、ここでアルキレンは、F,OH,O(C
1−C
6アルキル),NH
2,NHCH
3,N(CH
3)
2,OP(O)
3H
2,及びC
1−C
6アルキルと任意置換され、ここでアルキルは一以上のFと任意置換される。
【0082】
リンカー試薬及びリンカー−薬物中間体は、2から12個以上のアミノ酸残基のペプチド単位を有していてもよい。
【0083】
例示的な実施態様において、mが1であり、Pepは、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、リジン、アルギニン、バリン、及びシトルリンから独立に選択される2から12個のアミノ酸残基を含む。
【0084】
例示的な実施態様において、Pepはバリン−シトルリンである。
【0085】
ペプチド−リンカー試薬は、記載されるように調製された(国際公開第2012113847号;米国特許第7659241号;米国特許第7498298号;米国特許出願公開第2009/0111756号;米国特許出願公開第2009/0018086号;米国特許第6214345号; Dubowchik et al (2002) Bioconjugate Chem. 13(4):855-869)。
【0086】
例示的な実施態様において、Spは、パラ−アミノベンジル又はパラ−アミノベンジルオキシカルボニルを含む。
【0087】
表3は、表4のリンカーCBI薬物中間体を調製するために有用な例示的なリンカー試薬を示す。
【0088】
ADCに有用なリンカー−薬物中間体
抗体−薬物コンジュゲートを調製するための抗体へのコンジュゲーションに有用なリンカー−薬物中間体は、式:
を有し、
ここで、
Xは、マレイミド、チオール、アミノ、ブロミド、ブロモアセトアミド、ヨードアセトアミド、p−トルエンスルホン酸塩、ヨウ化物、ヒドロキシル、カルボキシル、ピリジルジスルフィド、及びN−ヒドロキシスクシンイミドから選択される反応性官能基である。
Lは、式:
を有するリンカーであり;
ここで、Strは反応性官能基Xに共有結合したストレッチャー単位であり;Pepは2から12個のアミノ酸残基の任意のペプチド単位であり、Spは二量体の薬物部分に共有結合した任意のスペーサー単位であり、m及びnは0及び1から独立に選択され;
Dは式:
を有する二量体薬物部分であり、
ここで
R
1は、H,P(O)
3H
2,C(O)NR
aR
b,又はLへの結合から選択され;
R
2は、H,P(O)
3H
2,C(O)NR
aR
b,又はLへの結合から選択され;
R
a及びR
bは、H及び一以上のFで任意置換されたC
1−C
6アルキルから独立に選択され、又はR
a及びR
bは、5又は6員複素環基を形成し;
Tは、C
3−C
12アルキレン,Y,(C
1−C
6アルキレン)−Y−(C
1−C
6アルキレン),(C
1−C
6アルキレン)−Y−(C
1−C
6アルキレン)−Y−(C
1−C
6アルキレン),(C
2−C
6アルケニレン)−Y−(C
2−C
6アルケニレン)及び(C
2−C
6アルキニレン)−Y−(C
2−C
6アルキニレン)から選択されるテザー基であり;
ここで、YはO、S、NR
1、アリール、及びヘテロアリールから独立に選択され;
ここで、アルキレン、アルケニレン、アリール、及びヘテロアリールは、F,OH,O(C
1−C
6アルキル),NH
2,NHCH
3,N(CH
3)
2,OP(O)
3H
2,及びC
1−C
6アルキルで独立に任意置換され、ここでアルキルは、一以上のFで任意置換され;
又はアルキレン、アルケニレン、アリール及びヘテロアリールは、Lへの結合で独立に任意置換され;
D’は、
から選択される薬物部分であり、
ここで波線はTへの結合部位を示し;
X
1及びX
2は、O及びNR
3から独立に選択され、ここでR
3は、H及び一以上のFで任意置換されたC
1−C
6アルキルから選択され;
R
4は、H,CO
2R、又はLへの結合であり、ここでRはC
1−C
6アルキル又はベンジルであり;及び
R
5は、H又はC
1−C
6アルキルである。
【0089】
実施例1〜18及び
図1〜24に例示されるように、表4のリンカー−薬物中間体は、リンカー試薬とCBI二量体薬物部分を結合させることによって調製された。
【0090】
抗体−薬物コンジュゲート(ADC)
本発明の抗体−薬物コンジュゲート(ADC)化合物は、強力なCBI二量体薬物部分に連結された腫瘍関連抗原に特異的な抗体を含み、癌を含む多数uの過剰増殖性疾患に効果的な治療活性を有するものが含まれる。薬物部分の生物学的活性は、抗体との結合によって調節される。本発明のADCは、CBI二量体薬物又は毒素の有効量を腫瘍細胞又は部位に選択的に送達し、それによって治療指数(「治療ウインドウ」)を増加させつつ、より大きな選択性、すなわちより低い有効用量を達成することができる。例示的な実施態様において、ADC化合物は、CBI二量体薬物部分に、リンカーによりコンジュゲートした、すなわち共有結合したシステイン操作抗体を含む。
【0091】
本発明の抗体−薬物コンジュゲート化合物は、式:
を有し、
ここで、
Abは抗体であり;
Lは、式:
を有するリンカーであり;
ここで、Strは抗体に共有結合したストレッチャー単位であり;Pepは2から12個のアミノ酸残基の任意のペプチド単位であり、Spは二量体の薬物部分に共有結合した任意のスペーサー単位であり、m及びnは0及び1から独立して選択され;
pは1から8の整数であり;
Dは式:
を有する二量体薬物部分であり、
ここで
R
1は、H,P(O)
3H
2,C(O)NR
aR
b,又はLへの結合から選択され;
R
2は、H,P(O)
3H
2,C(O)NR
aR
b,又はLへの結合から選択され;
R
a及びR
bは、H及び一以上のFで任意置換されたC
1−C
6アルキルから独立に選択され,
又はR
a及びR
bは、5又は6員複素環基を形成し;
Tは、C
3−C
12アルキレン,Y,(C
1−C
6アルキレン)−Y−(C
1−C
6アルキレン),(C
1−C
6アルキレン)−Y−(C
1−C
6アルキレン)−Y−(C
1−C
6アルキレン),(C
2−C
6アルケニレン)−Y−(C
2−C
6アルケニレン)及び(C
2−C
6アルキニレン)−Y−(C
2−C
6アルキニレン)から選択されるテザー基であり;
ここで、YはO、S、NR
1、アリール、及びヘテロアリールから独立に選択され;
ここで、アルキレン、アルケニレン、アリール、及びヘテロアリールは、F,OH,O(C
1−C
6アルキル),NH
2,NHCH
3,N(CH
3)
2,OP(O)
3H
2,及びC
1−C
6アルキルで独立に任意置換され、ここでアルキルは、一以上のFで任意置換され;
又はアルキレン、アルケニレン、アリール及びヘテロアリールは、Lへの結合で独立に任意置換され;
D’は
から選択される薬物部分であり、
ここで波線はTへの結合部位を示し;
X
1及びX
2は、O及びNR
3から独立して選択され、ここでR
3は、H及び一以上のFで任意置換されたC
1−C
6アルキルから選択され;
R
4は、H,CO
2Rであり、ここでRはC
1−C
6アルキル又はベンジルであり;及び
R
5はHである。
【0092】
一実施態様において、R
a及びR
bは、N−メチルピペラジニル、モルホリニル、ピペリジル、及びピロリジニルから選択される5又は6員複素環基を形成する。
【0093】
一実施態様において、薬物部分はほとんどの哺乳動物細胞種に見られるリソソームプロテアーゼであるカテプシンBにより切断可能なプロテアーゼ切断可能なペプチドリンカーを介して抗体に結合されうる(米国特許第6214345号; Dubowchik et al (2002) Bioconj. Chem. 13:855-869)。本発明は、任意の特定の作用機序によって限定又は定義されないが、ADCは、リンカーが切断されるまで薬物が不活性であるという点で、プロドラッグとして作用してもよい。ADCは、疾患が従来の化学療法によっては不十分に治療され得る腫瘍細胞の位置で特異的に活性薬物を濃縮することができる。他の実施態様において、薬物部分は、ジスルフィド基又はスクシンイミジル基などのような官能性を含むことができる非ペプチドの非プロテアーゼ切断可能リンカーを介して抗体に結合される。
【0094】
反応性のリンカー部分を介して抗体分子にコンジュゲートすることができる薬物部分の数は、本明細書に記載される方法によって導入される遊離システイン残基の数によって制限され得る。従って典型的なADCは、1、2、3、又は4つの操作されたシステインアミノ酸を有する抗体を含む(Lyon, R. et al (2012) Methods in Enzym. 502:123-138)。
【0095】
一実施態様において、抗体−薬物コンジュゲート化合物は、式:
を有し、
ここで、AA1及びAA2は、アミノ酸側鎖から独立に選択される。アミノ酸側鎖は、H,−CH
3,−CH
2(C
6H
5),−CH
2CH
2CH
2CH
2NH
2,−CH
2CH
2CH
2NHC(NH)NH
2,−CHCH(CH
3)CH
3、及び−CH
2CH
2CH
2NHC(O)NH
2から独立に選択される。
【0096】
一実施態様において、抗体−薬物コンジュゲート化合物は、式:
を有する。
【0097】
一実施態様において、抗体−薬物コンジュゲート化合物は、式:
を有する。
【0098】
一実施態様において、抗体−薬物コンジュゲート化合物は、式:
を有する。
【0099】
一実施態様において、抗体−薬物コンジュゲート化合物は、式:
を有する。
【0100】
一実施態様において、抗体−薬物コンジュゲート化合物は、式:
を有する。
【0101】
一実施態様において、抗体−薬物コンジュゲート化合物は、式:
を有する。
【0102】
一実施態様において、抗体−薬物コンジュゲート化合物は、式:
を有する。
【0103】
一実施態様において、抗体−薬物コンジュゲート化合物は、式:
を有する。
【0104】
ここで、R
7は、H及びC
1−C
12アルキルから独立に選択される。
【0105】
一実施態様において、pは約1、2、3、又は4である。
【0106】
一実施態様において、pは2である。
【0107】
一実施態様において、Dは、表1に記載の化合物から選択される部分又はその誘導体である。
【0108】
一実施態様において、Dは、表4に記載の化合物から選択される部分又はその誘導体である。
【0109】
一実施態様において、本発明は、表5に記載の分子から選択されたコンジュゲートに関する。
【0110】
ADCの薬物負荷
薬物負荷は、抗体あたりのCBI薬物部分の平均数である。薬物負荷は、抗体(Ab)あたり1から8の薬物におよび得る。すなわち、ここで、1、2、3、4、5、6、7、及び8の薬物部分が抗体に共有結合され得る。ADCの組成物は、1〜8個の範囲の薬物にコンジュゲートした抗体の集団を含む。コンジュゲート反応からのADCの調製における抗体あたりの薬物の平均数は、質量分析、ELISAアッセイ、電気泳動及びHPLCなどの一般的な手段により特徴づけられ得る。pの観点からADCの量的分布もまた決定され得る。ELISAにより、ADCの特定の調製物におけるpの平均値を決定することができる(Hamblett et al (2004) Clin. Cancer Res. 10:7063-7070; Sanderson et al (2005) Clin. Cancer Res. 11:843-852)。しかし、p(薬物)値の分布は、抗体−抗原結合及びELISAの検出限界によって識別可能ではない。また、薬物部分が重鎖若しくは軽鎖断片、又は特定のアミノ酸残基など抗体に結合されている場合、抗体−薬物コンジュゲートの検出のためのELISAアッセイは判断しない。場合によっては、均一なADCの分離、精製、及び特徴づけ(pは他の薬物負荷を伴うADCからの特定の何らかの値である)は、逆相HPLC又は電気泳動などの手段により達成され得る。
【0111】
幾つかの抗体−薬物コンジュゲートの場合、pは抗体の結合部位の数によって限定され得る。例えば、抗体は一又は複数のシステインチオール基のみを有するか、又はそれを介してリンカーが結合する一又は複数の十分に反応性のチオール基を有することができる。より高い薬物負荷、例えばp>5は、特定の抗体−薬物コンジュゲートの凝集、不溶化、毒性、又は細胞透過性の喪失を引き起こすことがある。
【0112】
典型的には、理論的最大値を下回る薬物部分がコンジュゲート反応の間に抗体にコンジュゲートされる。抗体は、例えば、リンカー−薬物中間体(X−L−D)又はリンカー試薬と反応しない多くのリジン残基を含むことができる。最も反応性のリジン基のみ、アミン反応性リンカー試薬と反応し得る。また、最も反応性のシステインチオール基のみが、チオール反応性リンカー試薬又はリンカー−薬物中間体と反応し得る。一般に、抗体は、もしあれば、薬物部分に連結することができる多くの遊離及び反応性のシステインチオール基を含まない。化合物の抗体におけるほとんどのシステインチオール残基はジスルフィド架橋として存在し、部分的又は完全な還元条件下でジチオスレイトール(DTT)又はTCEPなどの還元剤で還元されなければならない。ADCの負荷(薬剤/抗体比率、「DAR」)は、例えば、(i)抗体に対してリンカー薬物中間体又はリンカー試薬のモル過剰量を限定すること、(ii)コンジュゲートの反応時間又は温度を限定すること、及び(iii)システインチオール修飾のための部分的又は限定的還元条件を含む、幾つかの異なる方法で制御され得る。
【0113】
抗体の一以上の求核又は求電子基が、リンカー−薬物中間体、又はリンカー試薬、続いてCBI二量体薬物部分試薬と反応する場合、次いで、得られた生成物は、抗体に結合した薬物部分の分布、例えば、1、2、3などを有するADC化合物の混合物である。ポリマー逆相(PLRP)及び疎水性相互作用(HIC)などの液体クロマトグラフィー法は、薬物負荷値によって混合物中の化合物を分離することができる。単一薬物負荷値(p)を有するADCの調製物を単離することができるが、しかし、薬物部分は、抗体上の異なる部位で、リンカーを介して結合させることができるため、これらの単一負荷値のADCは依然として不均一な混合物であり得る。したがって、本発明の抗体−薬物コンジュゲート組成物は、抗体が一以上の薬物部分を有し、薬物部分が種々のアミノ酸残基で抗体に結合され得る抗体−薬物コンジュゲート化合物の混合物を含む。
【0114】
抗体−薬物コンジュゲートを調製する方法
本発明の典型的な抗体−薬物コンジュゲート(ADC)化合物101−139が、実施例20に従って、表4に示されるようにリンカー−薬物中間体51−68をから調製された。
【0115】
抗NaPi2b抗体
表5のADCの抗NaPi2b抗体は、米国特許第8,535,675号に従って、3つの軽鎖超可変領域(HVR−L1、HVR−L2及びHVR−L3)及び3つの重鎖超可変領域(HVR−H1、HVR−H2及びHVR−H3)を含む:
HVR−L1 RSSETLVHSSGNTYLE (配列番号75)
HVR−L2 RVSNRFS (配列番号76)
HVR−L3 FQGSFNPLT (配列番号77)
HVR−H1 GFSFSDFAMS (配列番号78)
HVR−H2 ATIGRVAFHTYYPDSMKG (配列番号79)
HVR−H3 ARHRGFDVGHFDF (配列番号80)
表5のADCの抗NaPi2b抗体は、配列番号81に示される軽鎖可変領域(VL)及び配列番号82に示される重鎖可変領域(VH)を含む。
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRSSETLVHSSGNTYLEWYQQKPGKAPKLLIYRVSNRFSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCFQGSFNPLTFGQGTKVEIKR(配列番号81)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFSFSDFAMSWVRQAPGKGLEWVATIGRVAFHTYYPDSMKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARHRGFDVGHFDFWGQGTLVTVSS(配列番号82)
【0116】
幾つかの実施態様において、本発明は、(a)配列番号78のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号79のアミノ酸配列を含むHVR−H2;(c)配列番号80のアミノ酸配列を含むHVR−H3;(d)配列番号75のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(e)配列番号76のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(f)配列番号77のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される、少なくとも一、二、三、四、五、又は六のHVRを含む抗NaPi2b抗体を提供する。
【0117】
一態様において、本発明は、(a)配列番号78のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号79のアミノ酸配列を含むHVR−H2;及び(c)配列番号80のアミノ酸配列を含むHVR−H3から選択される、少なくとも一つ、二つ、又は三つ全てのVH HVR配列を含む抗NaPi2b抗体を提供する。一実施態様において、抗体は、配列番号80のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む。その他の実施態様において、抗体は、配列番号80のアミノ酸配列を含むHVR−H3、及び配列番号77のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む。更なる実施態様において、抗体は、配列番号80のアミノ酸配列を含むHVR−H3、配列番号77のアミノ酸配列を含むHVR−L3、及び配列番号79のアミノ酸配列を含むHVR−H2を含む。更なる実施態様において、抗体は、(a)配列番号78のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号79のアミノ酸配列を含むHVR−H2;及び(c)配列番号80のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む。
【0118】
別の態様において、本発明は、(a)配列番号75のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(b)配列番号76のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(c)配列番号77のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される、少なくとも一つ、二つ、又は三つ全てのVL HVR配列を含む抗体を提供する。一実施態様において、抗体は、(a)配列番号75のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(b)配列番号76のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(c)配列番号77のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む。
【0119】
その他の態様において、本発明の抗体は、(a)(i)配列番号78のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(ii)配列番号79のアミノ酸配列を含むHVR−H2;及び(iii)配列番号80のアミノ酸配列を含むHVR−H3から選択される少なくとも一つのVH HVR配列、少なくとも二つのVH HVR配列、又は三つ全てのVH HVR配列を含むVHドメイン、及び(b)(i)配列番号75のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号76のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(c)配列番号77のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される少なくとも一つのVL HVR配列、少なくとも二つのVL HVR配列、又は三つ全てのVL HVR配列を含むVLドメインを含む。
【0120】
その他の態様において、本発明は、(a)配列番号78のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号79のアミノ酸配列を含むHVR−H2;(c)配列番号80のアミノ酸配列を含むHVR−H3;(d)配列番号75のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(e)配列番号76のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(f)配列番号77のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む抗体を提供する。
【0121】
上記実施態様の何れかにおいて、抗NaPi2b抗体はヒト化される。一実施態様において、抗NaPi2b抗体は、上記実施態様の何れかにおけるHVRを含み、更に、ヒトアクセプターフレームワーク、例えばヒト免疫グロブリンのフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークを含む。ある実施態様において、ヒトアクセプターフレームワークは、ヒトVLカッパIコンセンサス(VL
KI)フレームワーク及び/又はVHフレームワークVH
1である。ある実施態様において、ヒトアクセプターフレームワークは、以下の変異の何れか一を含む、ヒトVLカッパIコンセンサス(VL
KI)フレームワーク及び/又はVHフレームワークVH
1である。
【0122】
別の態様において、抗NaPi2b抗体は、配列番号82のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含む。ある実施態様において、配列番号82のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば保存的置換)、挿入、又は欠失を含むが、その配列を含む抗NaPi2b抗体はNaPi2bへ結合する能力を保持する。ある実施態様において、総計1から10のアミノ酸が、配列番号82において、置換され、挿入され、及び/又は欠失している。ある実施態様において、総計1から5のアミノ酸が、配列番号82において、置換され、挿入され、及び/又は欠失している。ある実施態様において、置換、挿入、又は欠失は、HVRの外側の領域で(すなわち、FRで)起きる。任意で、抗NaPi2b抗体は、配列番号82のVH配列を、その配列の翻訳後修飾を含め、包含する。特定の実施態様において、VHは、(a)配列番号78のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号79のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(c)配列番号80のアミノ酸配列を含むHVR−H3から選択される一、二、又は三つのHVRを含む。
【0123】
別の態様において、抗NaPi2b抗体が提供され、ここで該抗体は配列番号81のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。ある実施態様において、配列番号81のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば保存的置換)、挿入、又は欠失を含むが、その配列を含む抗NaPi2b抗体はNaPi2bへ結合する能力を保持する。ある実施態様において、総計1から10のアミノ酸が、配列番号81において、置換され、挿入され、及び/又は欠失している。ある実施態様において、総計1から5のアミノ酸が、配列番号81において、置換され、挿入され、及び/又は欠失している。ある実施態様において、置換、挿入、又は欠失は、HVRの外側の領域で(すなわち、FRで)起きる。任意で、抗NaPi2b抗体は、配列番号81のVL配列を、その配列の翻訳後修飾を含め、包含する。特定の実施態様において、VLは、(a)配列番号75のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(b)配列番号76のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(c)配列番号77のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される一、二、又は三つのHVRを含む。
【0124】
別の態様において、抗NaPi2b抗体が提供され、抗体は、上記の実施態様の何れかに記載のVH、及び上記の実施態様の何れかに記載のVLを含む。
【0125】
一実施態様において、抗体は、配列番号82及び配列番号81のそれぞれVH及びVL配列を、それらの配列の翻訳後修飾を含み含む。
【0126】
更なる態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に提供される抗NaPi2b抗体と同一エピトープに結合する抗体である。例えば、ある実施態様において、配列番号82のVH配列及び配列番号81のVL配列を含む抗NaPi2b抗体と同じエピトープに結合する抗体が提供される。
【0127】
本発明の更なる態様では、上記実施態様の何れかに記載の抗NaPi2b抗体は、ヒト抗体を含むモノクローナル抗体である。一実施態様において、抗NaPi2b抗体は、抗体断片、例えば、Fv、Fab、Fab’、scFv、ダイアボディ、又はF(ab’)
2断片である。その他の態様において、抗体は、全長抗体、例えば、本明細書において定義されるIgG1抗体、IgG2a抗体又は他の抗体クラス又はアイソタイプである。
【0128】
更なる態様にて、以下で説明されるように、上記実施態様の何れかに記載の抗NaPi2b抗体は、単独又は組み合わせで、任意の特徴を組み込むことができる。
【0129】
抗CD22抗体
表5のADCの抗CD22抗体は、米国特許第8226945号に従って、3つの軽鎖超可変領域(HVR−L1、HVR−L2及びHVR−L3)及び3つの重鎖超可変領域(HVR−H1、HVR−H2及びHVR−H3)を含む:
HVR−L1 RSSQSIVHSVGNTFLE (配列番号1)
HVR−L2 KVSNRFS (配列番号2)
HVR−L3 FQGSQFPYT (配列番号3)
HVR−H1 GYEFSRSWMN (配列番号4)
HVR−H2 GRIYPGDGDTNYSGKFKG (配列番号5)
HVR−H3 DGSSWDWYFDV (配列番号6)
【0130】
抗MUC16抗体
表5のADCの抗MUC16抗体は、米国特許第7989595号に従って、3つの軽鎖超可変領域(HVR−L1、HVR−L2及びHVR−L3)及び3つの重鎖超可変領域(HVR−H1、HVR−H2及びHVR−H3)を含む:
HVR−L1 KASDLIHNWLA (配列番号7)
HVR−L2 YGATSLET (配列番号8)
HVR−L3 QQYWTTPFT (配列番号9)
HVR−H1 GYSITNDYAWN (配列番号10)
HVR−H2 GYISYSGYTTYNPSLKS (配列番号11)
HVR−H3 ARWTSGLDY (配列番号12)
【0131】
表5のADCの抗MUC16抗体は、配列番号13の可変重鎖配列及び配列番号14の可変軽鎖配列を含む。
E V Q L V E S G G G L V Q P G G S L R L S C A A S G Y S I T N D Y A W N W V R Q A P G K G L E W V G Y I S Y S G Y T T Y N P S L K S R F T I S R D T S K N T L Y L Q M N S L R A E D T A V Y Y C A R W T S G L D Y W G Q G T L V T V S S (配列番号13)
D I Q M T Q S P S S L S A S V G D R V T I T C K A S D L I H N W L A W Y Q Q K P G K A P K L L I Y G A T S L E T G V P S R F S G S G S G T D F T L T I S S L Q P E D F A T Y Y C Q Q Y W T T P F T F G Q G T K V E I K R (配列番号14)
【0132】
一実施態様において、本発明のADCの抗MUC16抗体は、配列番号15−32から選択される軽鎖配列又は配列番号33−46から選択される重鎖配列に位置する一以上の遊離システインアミノ酸残基を含む、システイン操作ThioMabである。
【0133】
一実施態様において、抗MUC16システイン操作ThioMabは、配列番号47の重鎖配列を含むヒト化抗体である。
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYSITNDYAWNWVRQAPGKGLEWVGYISYSGYTTYNPSLKSRFTISRDTSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARWTSGLDYWGQGTLVTVSSCSTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
(配列番号47)
【0134】
一実施態様において、抗MUC16システイン操作ThioMabは、配列番号48の軽鎖配列を含むヒト化抗体である。
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASDLIHNWLAWYQQKPGKAPKLLIYGATSLETGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYWTTPFTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
(配列番号48)
【0135】
一実施態様において、抗MUC16システイン操作ThioMabは、配列番号49の重鎖配列を含むキメラ抗体である。
DVQLQESGPGLVNPSQSLSLTCTVTGYSITNDYAWNWIRQFPGNKLEWMGYINYSGYTTYNPSLKSRISITRDTSKNQFFLHLNSVTTEDTATYYCARWDGGLTYWGQGTLVTVSACSTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
(配列番号49)
【0136】
一実施態様において、抗MUC16システイン操作ThioMabは、配列番号50の軽鎖配列を含むキメラ抗体である。
DIQMTQSSSFLSVSLGGRVTITCKASDLIHNWLAWYQQKPGNAPRLLISGATSLETGVPSRFSGSGSGNDYTLSIASLQTEDAATYYCQQYWTTPFTFGSGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
(配列番号50)
【0137】
抗HER2抗体
ある実施態様において、表5のADCは、抗HER2抗体を含む。本発明の一実施態様において、本発明のADCの抗HER2抗体は、ヒト化抗HER2抗体、例えば、米国特許第5821337号の表3に記載されるhuMAb4D5−1,huMAb4D5−2,huMAb4D5−3,huMAb4D5−4,huMAb4D5−5,huMAb4D5−6,huMAb4D5−7及びhuMAb4D5−8を含む。それらの抗体は、HER2に結合するマウス抗体(4D5)の相補性決定領域を有するヒトフレームワーク領域を含む。ヒト化抗体huMAb4D5−8は、商品名ハーセプチン(登録商標)で市販されるトラスツズマブとも呼ばれる。本発明の別の実施態様において、本発明のADCの抗HER2抗体は、米国特許第7862817号に記載されているように、ヒト化抗HER2抗体、例えば、ヒト化2C4を含む。典型的なヒト化2C4抗体は、商品名PERJETA(登録商標)で市販されるペルツズマブである。
【0138】
表5のADCを調製するために使用されるシステイン操作Thiomab抗体は、重鎖の118アラニン部位(EU番号付け)に導入されたシステイン残基を有する。この部位は、連続番号付けによって121又はKabatの番号付けによって114の番号が付けられる。
【0139】
抗CD33抗体
表5のADCの抗CD33抗体15G15.33は、3つの軽鎖超可変領域(HVR−L1、HVR−L2及びHVR−L3)及び3つの重鎖超可変領域(HVR−H1、HVR−H2及びHVR−H3)を含む
HVR−L1 RSSQSLLHSNGYNYLD (配列番号51)
HVR−L2 LGVNSVS (配列番号52)
HVR−L3 MQALQTPWT (配列番号53)
HVR−H1 NHAIS (配列番号54)
HVR−H2 GIIPIFGTANYAQKFQG (配列番号55)
HVR−H3 EWADVFD (配列番号56)
【0140】
表5のADCの抗CD33抗体15G15.33は、配列番号57の軽鎖可変領域及び/又は配列番号58の重鎖可変領域を含む。
EIVLTQSPLSLPVTPGEPASISCRSSQSLLHSNGYNYLDWYLQKPGQSPQLLIYLGVNSV
SGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQALQTPWTFGQGTKVEIK
(配列番号57)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGIFSNHAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGTANY
AQKFQGRVTITADESTSTAFMELSSLRSEDTAVYYCAREWADVFDIWGQGTMVTVSS
(配列番号58)
【0141】
抗CD33抗体9C3及び他の実施態様
9C3−HVR L1 RASQGIRNDLG (配列番号59)
9C3−HVR L2 AASSLQS (配列番号60)
9C3−HVR L3 LQHNSYPWT (配列番号61)
9C3−HVR H1 GNYMS (配列番号62)
9C3−HVR H2 LIYSGDSTYYADSVKG (配列番号63)
9C3−HVR H3 DGYYVSDMVV (配列番号64)
【0142】
9C3 V
L
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIRNDLGWYQQKPGKAPKRLIYAASSLQSGVPSRF
SGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCLQHNSYPWTFGQGTKLEIK
(配列番号65)
【0143】
9C3 V
H
EVQLVESGGALIQPGGSLRLSCVASGFTISGNYMSWVRQAPGKGLEWVSLIYSGDSTYYADS
VKGRFNISRDISKNTVYLQMNSLRVEDTAVYYCVRDGYYVSDMVVWGKGTTVTVSS
(配列番号66)
【0144】
9C3.2 V
L
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIRNDLGWYQQKPGKAPKRLIYAASSLQSGVPSRF
SGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCLQHNSYPWTFGQGTKLEIK
(配列番号67)
【0145】
9C3.2 V
H
EVQLVESGGALIQPGGSLRLSCVASGFTISGNYMSWVRQAPGKGLEWVSLIYSGDSTYYADS
VKGRFTISRDISKNTVYLQMNSLRVEDTAVYYCVRDGYYVSDMVVWGKGTTVTVSS
(配列番号68)
【0146】
9C3.3 V
L
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIRNDLGWYQQKPGKAPKRLIYAASSLQSGVPSRF
SGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCLQHNSYPWTFGQGTKLEIK
(配列番号69)
【0147】
9C3.3 V
H
EVQLVESGGALIQPGGSLRLSCVASGFTISGNYMSWVRQAPGKGLEWVSLIYSGDSTYYADS
VKGRFSISRDISKNTVYLQMNSLRVEDTAVYYCVRDGYYVSDMVVWGKGTTVTVSS
(配列番号70)
【0148】
9C3.4 V
L
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIRNDLGWYQQKPGKAPKRLIYAASSLQSGVPSRF
SGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCLQHNSYPWTFGQGTKLEIK
(配列番号71)
【0149】
9C3.4 V
H
EVQLVESGGALIQPGGSLRLSCVASGFTISGNYMSWVRQAPGKGLEWVSLIYSGDSTYYADS
VKGRFAISRDISKNTVYLQMNSLRVEDTAVYYCVRDGYYVSDMVVWGKGTTVTVSS
(配列番号72)
【0150】
幾つかの実施態様において、本発明は、(a)配列番号62のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号63のアミノ酸配列を含むHVR−H2;(c)配列番号64のアミノ酸配列を含むHVR−H3;(d)配列番号59のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(e)配列番号60のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(f)配列番号61のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される、少なくとも一、二、三、四、五、又は六のHVRを含む抗CD33抗体を提供する。
【0151】
一態様において、本発明は、(a)配列番号62のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号63のアミノ酸配列を含むHVR−H2;及び(c)配列番号64のアミノ酸配列を含むHVR−H3から選択される、少なくとも一つ、二つ、又は三つ全てのVH HVR配列を含む抗体を提供する。一実施態様において、抗体は、配列番号64のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む。その他の実施態様において、抗体は、配列番号64のアミノ酸配列を含むHVR−H3、及び配列番号61のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む。更なる実施態様において、抗体は、配列番号64のアミノ酸配列を含むHVR−H3、配列番号61のアミノ酸配列を含むHVR−L3、及び配列番号63のアミノ酸配列を含むHVR−H2を含む。更なる実施態様において、抗体は、(a)配列番号62のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号63のアミノ酸配列を含むHVR−H2;及び(c)配列番号64のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む。
【0152】
別の態様において、本発明は、(a)配列番号59のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(b)配列番号60のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(c)配列番号61のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される、少なくとも一つ、二つ、又は三つ全てのVL HVR配列を含む抗体を提供する。一実施態様において、抗体は、(a)配列番号59のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(b)配列番号60のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(c)配列番号61のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む。
【0153】
その他の態様において、本発明の抗体は、(a)(i)配列番号62のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(ii)配列番号63のアミノ酸配列を含むHVR−H2;及び(iii)配列番号64のアミノ酸配列を含むHVR−H3から選択される少なくとも一つのVH HVR配列、少なくとも二つのVH HVR配列、又は三つ全てのVH HVR配列を含むVHドメイン、及び(b)(i)配列番号59のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号60のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(c)配列番号61のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される少なくとも一つのVL HVR配列、少なくとも二つのVL HVR配列、又は三つ全てのVL HVR配列を含むVLドメインを含む。
【0154】
その他の態様において、本発明は、(a)配列番号62のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号63のアミノ酸配列を含むHVR−H2;(c)配列番号64のアミノ酸配列を含むHVR−H3;(d)配列番号59のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(e)配列番号60のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(f)配列番号61のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む抗体を提供する。
【0155】
上記実施態様の何れかにおいて、抗CD33抗体はヒト化される。一実施態様において、抗CD33抗体は、上記実施態様の何れかにおけるHVRを含み、更に、ヒトアクセプターフレームワーク、例えばヒト免疫グロブリンのフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークを含む。ある実施態様において、ヒトアクセプターフレームワークは、ヒトVLカッパIコンセンサス(VL
KI)フレームワーク及び/又はVHフレームワークVH
1である。ある実施態様において、ヒトアクセプターフレームワークは、以下の変異の何れか一を含む、ヒトVLカッパIコンセンサス(VL
KI)フレームワーク及び/又はVHフレームワークVH
1である。
【0156】
その他の態様において、抗CD33抗体は、配列番号66、配列番号68、配列番号70又は配列番号72のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%,99%、又は100%の配列同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含む。ある実施態様において、配列番号66、配列番号68、配列番号70及び/又は配列番号72のアミノ酸配列に対して少なくとも90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%、又は99%同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば保存的置換)、挿入、又は欠失を含むが、その配列を含む抗CD33抗体はCD33へ結合する能力を保持する。ある実施態様において、総計1から10のアミノ酸が、配列番号66、配列番号68、配列番号70又は配列番号72において、置換され、挿入され、及び/又は欠失している。ある実施態様において、総計1から5のアミノ酸が、配列番号66、配列番号68、配列番号70又は配列番号72において、置換され、挿入され、及び/又は欠失している。ある実施態様において、置換、挿入、又は欠失は、HVRの外側の領域で(すなわち、FRで)起きる。任意で、抗CD33抗体は、配列番号66、配列番号68、配列番号70及び/又は配列番号72のVH配列を、その配列の翻訳後修飾を含め、包含する。特定の実施態様において、VHは、(a)配列番号62のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号63のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(c)配列番号64のアミノ酸配列を含むHVR−H3から選択される一、二、又は三つのHVRを含む。
【0157】
その他の態様において、抗CD33抗体が提供され、その抗体は、配列番号65、配列番号67、配列番号69及び/又は配列番号71のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%,99%、又は100%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。ある実施態様において、配列番号65、配列番号67、配列番号69及び/又は配列番号71のアミノ酸配列に対して少なくとも90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%、又は99%同一性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば保存的置換)、挿入、又は欠失を含むが、その配列を含む抗CD33抗体はCD33へ結合する能力を保持する。ある実施態様において、総計1から10のアミノ酸が、配列番号65、配列番号67、配列番号69及び/又は配列番号71において、置換され、挿入され、及び/又は欠失している。ある実施態様において、総計1から5のアミノ酸が、配列番号65、配列番号67、配列番号69及び/又は配列番号71において、置換され、挿入され、及び/又は欠失している。ある実施態様において、置換、挿入、又は欠失は、HVRの外側の領域で(すなわち、FRで)起きる。任意で、抗CD33抗体は、配列番号65、配列番号67、配列番号69及び/又は配列番号71のVL配列を、その配列の翻訳後修飾を含め、包含する。特定の実施態様において、VLは、(a)配列番号59のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(b)配列番号60のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(c)配列番号61のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される一、二、又は三つのHVRを含む。
【0158】
別の態様において、抗CD33抗体が提供され、抗体は、上記の実施態様の何れかに記載のVH、及び上記の実施態様の何れかに記載のVLを含む。
【0159】
一実施態様において、抗体は、配列番号66及び配列番号65のそれぞれVH及びVL配列を、それらの配列の翻訳後修飾を含み含む。一実施態様において、抗体は、配列番号68及び配列番号67のそれぞれVH及びVL配列を、それらの配列の翻訳後修飾を含み含む。一実施態様において、抗体は、配列番号70及び配列番号69のそれぞれVH及びVL配列を、それらの配列の翻訳後修飾を含み含む。一実施態様において、抗体は、配列番号72及び配列番号71のそれぞれVH及びVL配列を、それらの配列の翻訳後修飾を含み含む。
【0160】
更なる態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に提供される抗CD33抗体と同一エピトープに結合する抗体である。例えば、ある実施態様において、配列番号66,配列番号68,配列番号70,及び/又は配列番号72のVH配列及び配列番号65,配列番号67,配列番号69,及び/又は配列番号71のVL配列をそれぞれ含む抗CD33抗体と同じエピトープに結合する抗体が提供される。
【0161】
本発明の更なる態様では、上記実施態様の何れかに記載の抗CD33抗体は、ヒト抗体を含むモノクローナル抗体である。一実施態様において、抗CD33抗体は、抗体断片、例えば、Fv、Fab、Fab’、scFv、ダイアボディ、又はF(ab’)
2断片である。その他の態様において、抗体は、全長抗体、例えば、本明細書において定義されるIgG1抗体、IgG2a抗体又は他の抗体クラス又はアイソタイプである。
【0162】
更なる態様にて、以下で説明されるように、上記実施態様の何れかに記載の抗CD33抗体は、単独又は組み合わせで、任意の特徴を組み込むことができる。
【0163】
インビトロの細胞増殖アッセイ
一般に、抗体−薬剤コンジュゲート(ADC)の細胞毒性又は細胞増殖抑制効果は、細胞培養培地中で、レセプタータンパク質、例えばHER2を有する哺乳動物細胞を細胞培地中でADCの抗体に曝露し;その細胞を約6時間から約5日間のある期間にわたって培養し;細胞生存率を測定することにより測定される。細胞ベースのインビトロアッセイが、本発明のADCの生存率(増殖)、細胞毒性、及びアポトーシスの誘導(カスパーゼ活性化)を測定するために用いられる。
【0164】
抗体−薬物コンジュゲート(ADC)のインビトロでの効力を細胞増殖アッセイにより測定した(実施例21)。ADCは、腫瘍細胞増殖の阻害において驚くべきかつ予想外の効力を示した。ADCの効力は、細胞の標的抗原の発現と相関していた。
図25−30のデータは、試験したコンジュゲートは、細胞の表面に発現される特異的抗原に結合し、インビトロでこれらの細胞の死を引き起こすことが可能であることを実証している。
【0165】
CellTiter−Glo(登録商標)ルミネセンス細胞生存率アッセイは、鞘翅目ルシフェラーゼの組換え発現に基づいた市販の(Promega Corp.,Madison,WI)、均質なアッセイ法である(米国特許第5583024号;5674713号及び5700670号)。この細胞増殖アッセイは、代謝的に活性な細胞の指標である存在するATPの定量に基づいて、培養中の生存細胞の数を決定する(Crouch et al (1993) J. Immunol. Meth. 160:81-88;米国特許第6602677号)。CellTiter−Glo(登録商標)アッセイは、96ウェル形式で行い、自動化ハイスループットスクリーニング(HTS)に適応させた(Cree et al (1995) AntiCancer Drugs 6:398-404)。均質なアッセイ法では、血清添加培地で培養した細胞に直接単一試薬(CellTiter−Glo(登録商標)試薬)を追加することを含む。細胞洗浄、培地の除去及び複数のピペッティング工程は必要ない。システムは、試薬の添加及び混合の10分後に384−ウェルフォーマット中僅か15細胞/ウェルを検出した。細胞は、ADCで連続的に処理され得るか、又はそれらはADCで処理されてADCから分離されても良い。一般に、細胞は短時間、すなわち3時間処理され、連続的に処理された細胞と同様の効力の作用を示した。
【0166】
均質な「添加−混合−測定」の形式は、細胞の溶解と、存在するATPの量に比例する発光シグナルの生成とをもたらす。ATPの量は培養物中に存在する細胞の数に正比例する。CellTiter−Glo(登録商標)アッセイは、使用される細胞の型及び培地に依存して、一般には5時間よりも長い半減期を有する、ルシフェラーゼ反応により生成される「グロー型」の発光シグナルを生成する。生細胞は相対的な発光単位(RLU)に反映される。基質であるカブトムシルシフェリンは、組み換えホタルルシフェラーゼによって酸化的に脱炭酸され、ATPがAMPに付随して転換され、光子が生成する。
【0167】
細胞ベースのインビトロアッセイが、本発明のADCの生存率(増殖)、細胞毒性、及びアポトーシスの誘導(カスパーゼ活性化)を測定するために用いられる。一般に、抗体−薬剤コンジュゲート(ADC)の細胞毒性又は細胞増殖抑制効果は、細胞培地中でHer2又はMUC16ポリペプチドなどの抗原を発現する哺乳動物細胞をADCに曝露し;その細胞を約6時間から約5日間のある期間にわたって培養し;細胞生存率を測定することにより測定される。抗MUC16 ADCの細胞増殖アッセイのために有用な哺乳動物細胞は、(1)MUC16ポリペプチドを発現する細胞株OVCAR−3;(2)MUC16ポリペプチドの一部をその細胞表面上に安定して発現するように操作されたPC3由来細胞株(PC3/MUC16);(3)MUC16ポリペプチドを発現しない親PC3細胞株;及び(4);MUC16ポリペプチドを発現しないが、外因性MUC16発現を駆動するために使用されるベクターを保有するPC3細胞株(PC3/neo)を含む。
【0168】
図25は、SK−BR−3の3日目のインビトロ細胞生存率対Thio hu 抗CD22 HC A121C−MC−vc−PAB−(CBI二量体)101及びThio hu 抗Her2 HC A121C−MC−vc−PAB−(CBI二量体)102の濃度(μg/ml)のプロットにおける抗体−薬物コンジュゲートの有効性を示す。HER2抗原はSKBR3細胞において高度に発現される。抗Her2 ADC102は、線形、非用量応答性殺細胞活性を示すが、一方、対照の、オフターゲットの抗CD22 ADC101はあまり活性を示さない。
【0169】
図26は、SK−BR−3の3日目のインビトロ細胞生存率対Thio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−MC−vc−PAB−(CBI−PBD)103及びThio Hu 抗CD22 10F4v3 HC A118C−MC−vc−PAB−(CBI−PBD)104の濃度(μg/ml)のプロットにおける抗体−薬物コンジュゲートの有効性を示す。抗Her2 ADC 103は、線形、非用量応答性殺細胞活性を示すが、一方、対照の、オフターゲットの抗CD22 ADC 104はあまり活性を示さない。
【0170】
図27は、SK−BR−3の3日目のインビトロ細胞生存率対Thio Hu 抗CD22 10F4v3 HC A118C−MC−vc−PAB−(CBI二量体)116及びThio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−MC−vc−PAB−(CBI二量体)117の濃度(μg/ml)のプロットにおける抗体−薬物コンジュゲートの有効性を示す。抗Her2 ADC 117は、線形、非用量応答性殺細胞活性を示すが、一方、対照の、オフターゲットの抗CD22 ADC 116はあまり活性を示さない。
【0171】
図28は、EOL−1の3日目のインビトロ細胞生存率対中程度の用量応答性殺細胞活性を示すThio Hu抗CD33 15G15.33 HC A118C−MC−MMED−(CBI二量体phos)125の濃度(μg/ml)のプロットにおける抗体−薬物コンジュゲートの有効性を示す。
【0172】
図29は、EOL−1の3日目のインビトロ細胞生存率対Thio Hu 抗MUC16 3A5 HC A118C−MC−ED−(CBI二量体DVB diphos)126及びThio Hu 抗CD33 15G15.33 HC A118C−MC−ED−(CBI二量体DVB diphos)127の濃度(μg/ml)のプロットにおける抗体−薬物コンジュゲートの有効性を示す。抗CD33 ADC 127は、強力な、用量応答性殺細胞活性を示すが、一方、対照の、オフターゲットの抗MUC16 ADC 126はあまり活性を示さない。
【0173】
図30は、EOL−1の3日目のインビトロ細胞生存率対Thio Hu 抗CD33 15G15.33 HC A118C−MC−ED−(CBI二量体 DVB diphos)127,Thio Hu 抗CD33 15G15.33 HC A118C−MC−ED−(CBI二量体 DVB phos)129,及びThio Hu 抗MUC16 3A5 HC A118C−MC−ED−(CBI二量体DVB phos)130の濃度(μg/ml)のプロットにおける抗体−薬物コンジュゲートの有効性を示す。抗CD33 ADC 127及び129は、強力な、用量応答性殺細胞活性を示すが、一方、対照の、オフターゲットの抗MUC16 ADC 130はあまり活性を示さない。
【0174】
インビボでの有効性
本発明の抗体−薬物コンジュゲート(ADC)のインビボでの有効性は、マウスにおける腫瘍異種移植研究によって測定することができる(実施例22)。抗体−薬物コンジュゲート(ADC)のインビボでの有効性は、マウスにおける腫瘍増殖阻害を測定した(実施例21)。ADCは、腫瘍増殖の阻害において驚くべきかつ予想外の効力を示した。ADCの有効性は、腫瘍細胞の標的抗原の発現と相関していた。
【0175】
抗体−薬物コンジュゲートの有効性は、げっ歯類における癌細胞の同種移植片及び異種移植片を移植し、ADCを用いて腫瘍を治療することによってインビボで測定された。可変性の結果が、細胞株、癌細胞上に存在するレセプターへのADCの抗体結合の特異性、投薬計画、及びその他の要因に応じて予想される。ADCのインビボでの有効性は、Her2、MUC16、及びCD33などの腫瘍関連抗原を中等度から高レベル発現するトランスジェニック外植マウスモデルを用いて測定された。被験体を、ADCを用いて1回処置し、3〜6週間以上モニターし、腫瘍倍加までの時間、対数細胞死滅及び腫瘍の縮小を測定した。フォローアップ用量−応答及び複数用量実験が行われた。
【0176】
例えば、本発明の抗HER2 ADCのインビボでの有効性は、高発現性HER2トランスジェニック外植マウスモデルにより測定することができる(Phillips et al (2008) Cancer Res. 68:9280-90)。同種移植片は、ハーセプチン(登録商標)療法に反応しないか又は応答し難いFo5 mmtvトランスジェニックマウスから増殖される被験体は、特定の用量レベル(mg/kg)でのADCにより及びプラセボ緩衝液対照(ビヒクル)により一度処置され、2週間以上にわたってモニターされ、腫瘍倍加までの時間、対数細胞死滅及び腫瘍の縮小が測定された。
【0177】
図31は、IVで1回、(1)ビヒクル:ヒスチジン緩衝液#8:20mMヒスチジン酢酸,pH5.5,240mMスクロース,0.02% PS20,(2)Thio Hu 抗CD22 10F4v3 HC A118C−MC−MMED−(CBI二量体phos)110,(3)Thio Hu 抗CD22 10F4v3 HC A118C−MC−vc−PAB−(CBI二量体 MePip)108,(4)Thio Hu 抗CD22 10F4v3 HC A118C−MC−vc−PAB−(CBI二量体 phos)111,(5)Thio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−MC−MMED−(CBI二量体 phos)109,(6)Thio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−MC−vc−PAB−(CBI二量体 MePip)107,(7)Thio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−MC−vc−PAB−(CBI二量体 phos)112を投与された後の、CRL nu/nuマウスの乳房脂肪パッドに接種されたMMTV−HER2 Fo5トランスジェニック乳腺腫瘍においてインビボでフィットされた経時的腫瘍体積変化のプロットにおける抗体−薬物コンジュゲートの有効性を示す。ADCは10mg/kgで投与された。
【0178】
図32は、IVで1回、(1)ビヒクル:ヒスチジン緩衝液#8:20mMヒスチジン酢酸,pH5.5,240mMスクロース,0.02% PS 20,(2)Thio Hu 抗CD22 10F4v3 HC A118C−DSE−(CBI二量体 phos)120,10mg/kg,(3)Thio Hu 抗CD22 10F4v3 HC A118C−DSE−(CBI二量体 phos)122,10mg/kg,(4)Thio Hu 抗CD22 10F4v3 HC A118C−MC−vc−PAB−(N10,PBD−CBI MePip)124,10mg/kg,(5)Thio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−DSE−(CBI二量体 phos)119,3mg/kg,(6)Thio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−DSE−(CBI二量体 phos)119,10mg/kg,(7)Thio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−DSP−(CBI二量体 phos)121,3mg/kg,(8)Thio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−DSP−(CBI二量体 phos)121,10mg/kg (9)Thio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−MC−vc−PAB−(N10,PBD−CBI MePip)123,3mg/kg,(10)Thio Hu 抗Her2 4D5 HC A118C−MC−vc−PAB−(N10,PBD−CBI MePip)123、10mg/kgを投与された後の、CRL nu/nuマウスの乳房脂肪パッドに接種されたMMTV−HER2 Fo5トランスジェニック乳腺腫瘍においてインビボでのフィットされた経時的腫瘍体積変化のプロットにおける抗体−薬物コンジュゲートの有効性を示す。
【0179】
図33は、IVで1回、(1)ビヒクル:ヒスチジン緩衝液 #8:20mMヒスチジン酢酸,pH5.5,240mMスクロース,0.02% PS 20,(2)Thio Hu 抗CD33 15G15.33 HC A118C−MC−ED−(CBI二量体 DVB diphos)127,3mg/kg,(3)Thio Hu 抗MUC16 3A5 HC A118C−MC−ED−(CBI二量体DVB diphos)126,3mg/kg,(4)Thio Hu 抗MUC16 3A5 HC A118C−MC−ED−(CBI二量体 DVB diphos)126,1mg/kgを投与された後の、C.B−17 SCIDマウスに接種されたOVCAR3X2.1ヒト卵巣腫瘍においてインビボでのフィットされた経時的腫瘍体積変化のプロットにおける抗体−薬物コンジュゲートの有効性を示す。
【0180】
ADC126の抗MUC16抗体は、3A5及び11D10変異体を含み、国際公開第2007/001851号;米国特許第7989595号;米国特許第8449883号に記載され、その内容は参考として援用される。3A5モノクローナル抗体は、OVCAR−3スキャッチャード分析によって433pMの親和性でMUC16ポリペプチドの複数の部位に結合する(Chen et al (2007) Cancer Res. 67(10): 4924-4932)。
【0181】
図34は、IVで1回、20μg/m2で、(1)ビヒクル:ヒスチジン緩衝液#8:20mMヒスチジン酢酸,pH5.5,240mMスクロース,0.02% PS 20,(2)Thio Hu 抗CD33 15G15.33 HC A118C−MC−MMED−(CBI二量体phos)125,(3)Thio Hu 抗CD33 15G15.33 HC A118C−MC−ED−(CBI 二量体 DVB diphos)127,(4)Thio Hu 抗MUC16 3A5 HC A118C−MC−MMED−(CBI二量体phos)128,(5)Thio Hu 抗MUC16 3A5 HC A118C−MC−ED−(CBI二量体DVB diphos)126を投与された後の、C.B−17 SCIDマウスに接種されたHL−60ヒト急性骨髄性白血病においてインビボでのフィットされた経時的腫瘍体積変化のプロットにおける抗体−薬物コンジュゲートの有効性を示す。
【0182】
抗体−薬剤コンジュゲートの投与
本発明の抗体−薬剤コンジュゲートは治療されるべき疾患に適した任意の経路で投与され得る。ADCは典型的には非経口的に、すなわち点滴、皮下、筋肉内、静脈内、皮内、髄腔内及び硬膜外に投与される。
【0183】
薬学的製剤
本発明の治療用抗体−薬物コンジュゲート(ADC)の薬学的製剤は、典型的には、非経口投与、すなわちボーラス、静脈内、腫瘍内注射用に、薬学的に許容される非経口ビヒクルとともに単位用量の注射可能形態で調製される。所望の程度の純度を有する抗体−薬物コンジュゲート(ADC)は、任意で凍結乾燥製剤又は水溶液の形態で薬学的に許容される希釈剤、担体、賦形剤又は安定剤(Remington's Pharmaceutical Sciences (1980) 16th edition, Osol, A. Ed.)と混合される。
【0184】
抗体−薬物コンジュゲート治療
本発明の抗体−薬物コンジュゲートは、例えば腫瘍抗原の過剰発現によって特徴付けられる種々の疾患又は障害を治療するために用いられ得る。典型的な病気又は過剰増殖性疾患には、良性又は悪性固形腫瘍、白血病及びリンパ系悪性腫瘍などの血液疾患が含まれる。他には、神経細胞、グリア、星状、視床下部、マクロファージ、上皮性、間質性、胞胚腔(blastocoelic)、炎症性、血管新生及び自己免疫性を含む免疫に関する障害を含む。
【0185】
一般に、治療されるべき疾患又は障害は、癌などの過剰増殖性疾患である。ここで治療されるべき癌の例には、細胞腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、及び白血病又は悪性リンパ腫を含むがこれらに限定されない。このような癌のより具体的な例には、扁平上皮癌(例えば上皮の扁平細胞癌)、小細胞肺癌を含む肺癌、非小細胞肺癌、肺の腺癌及び肺の扁平上皮癌、腹膜の癌、肝細胞性癌、胃腸癌を含む胃(gastric、stomach)癌、膵癌、神経膠芽腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝癌、膀胱癌、肝細胞癌、乳癌、大腸癌、直腸癌、大腸直腸癌、子宮内膜ないし子宮細胞腫、唾液腺細胞腫、腎臓癌又は腎癌、前立腺癌、外陰部癌、甲状腺癌、肝細胞腫、食道細胞腫、肝細胞腫、肛門部の細胞腫、陰茎細胞腫、並びに頭部及び頚部の癌が含まれる。
【0186】
ADC化合物が治療において用いられ得る自己免疫性疾患は、リウマチ性疾患(例えば、関節リウマチ、シェーグレン症候群、強皮症、全身性エリテマトーデス(SLE)及びループス腎炎などの狼瘡、多発性筋炎/皮膚筋炎、クリオグロブリン血症、抗リン脂質抗体症候群、及び乾癬の関節炎など)、変形性関節症、自己免疫性胃腸及び肝臓疾患(例えば、炎症性腸疾患(例えば潰瘍性大腸炎及びクローン病)、自己免疫性胃炎及び悪性貧血、自己免疫性肝炎、原発性胆管萎縮症、原発性硬化性胆管炎、及び小児脂肪便病など)、血管炎(例えば、チャング−シュトラウス血管炎、ウェゲナー肉芽腫症及び多発性動脈炎を含むANCA−関連血管炎)、自己免疫性神経学的疾患(例えば、多発性硬化症、眼球クローヌスミオクローヌス症候群、重症筋無力症、視神経脊髄炎、パーキンソン病、アルツハイマー病、及び自己免疫性多発性神経炎など)、腎臓疾患(例えば、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、及びベルガー病など)、自己免疫性皮膚科疾患(例えば、乾癬、蕁麻疹、蕁麻疹、尋常性天疱瘡、類天疱瘡、及び皮膚紅班性狼瘡など)、血液系疾患(例えば、血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病、輸血後の紫斑病、及び自己免疫溶血性貧血など)、アテローム性動脈硬化、ブドウ膜炎、自己免疫性聴覚疾患(例えば、内耳疾患及び聴力障害など)、ベーチェット病、レイノー症候群、臓器移植及び自己免疫性内分泌系疾患(例えば、インスリン依存型糖尿病(IDDM)などの糖尿病関連の自己免疫性疾患、アジソン病及び自己免疫性甲状腺疾患(例えばグレーブス病及び甲状腺炎)など)が含まれる。より好ましい前記疾患には、例えば、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、ANCA関連血管炎、狼瘡、多発性硬化症、シェーグレン症候群、グレーブス病、IDDM、悪性貧血、甲状腺炎及び糸球体腎炎が含まれる。
【0187】
疾患の予防又は治療のために、ADCの適量は、上記のように治療する疾患のタイプ、疾患の重症度及び過程、予防を目的としてか治療を目的として分子を投与するのか、現在の治療法、患者の病歴、及び抗体への反応、注意深い医師の判断により決定されるであろう。分子は、患者に対して、単回、又は一連の治療にわたって適切に投与される。疾患の種類及び重症度に応じて、例えば一回以上の別個の投与によるか、連続注入によるかに関わらず、約1μg/kgから15mg/kg(例えば0.1から20mg/kg)の分子が患者への投与のための初期候補用量となり得る。1つの典型的な一日当たりの用量は上記した要因に応じて約1μg/kgから100mg/kg又はそれ以上の範囲である。患者に投与されるべきADCの典型的な投与量は患者の体重の約0.1から約10mg/kgの範囲である。
【0188】
製造品
本発明の他の実施態様において、上述した障害の治療に有用な物質を含む製造品又は「キット」が提供される。製造品は、容器とラベル又は容器上にある又は容器に付属する添付文書を含む。好適な容器は、例としてボトル、バイアル、シリンジ、ブリスター包装等を含む。容器はガラス又はプラスチックなどの様々な物質から形成されうる。容器は、疾患の治療のために有効である抗体−薬剤コンジュゲート(ADC)及び無菌のアクセスポートを有し得る(例えば、容器は皮下注射針による穴あきストッパーを有する静脈内溶液バッグ又はバイアルであってよい)。組成物中の少なくとも一の活性剤はADCである。ラベル又は添付文書は、組成物ががんのような選択した症状の治療のために使用されることを示している。或いは、又は加えて、製造品は、薬学的に許容可能な緩衝液、例えば注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンガー溶液及びデキストロース溶液を含む第二(又は第三)の容器を更に含んでもよい。製造品は、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針及びシリンジを含む、商業的及び使用者の観点から望まれる他の材料を更に含んでもよい。
【実施例】
【0189】
実施例1 (S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 2−(2−ブロモ−N−メチルアセトアミド)エチル(メチル)カルバメート 51
L. F. Tietze, J. M. von Hof, M. Mueller, B. Krewer, I. Schuberth, Angew. Chem. Int. Ed. (2010) 49:7336-7339の手順に従って、(S)−tert−ブチル1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート51aは、HClで脱保護され、グルタロイルジクロリドでアシル化された(
図1)。分取HPLCの代わりに、反応溶媒を真空下で除去し、得られた残留物をメタノールで粉砕し、オフホワイトの固体として、1,5−ビス((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)ペンタン−1,5−ジオン51bを得た(収率51%)。R
f=0.50(酢酸エチル/石油エーテル=2:1).NMR及びMSのデータは報告されている値と同じである。[α]
D26=−46.3°(c=0.41,DMA).
氷浴で冷却されたDMA(5mL)中の51bの溶液(650mg,1.15mmol)に、DIPEA(0.40mL,2.31mmol)及び4−ニトロフェニルクロロホルメート(302mg,1.50mmol)が添加された。混合物を室温まで温めて一晩攪拌した後で、tert−ブチル メチル(2−(メチルアミノ)エチル)カルバメート(652mg,3.00mmol)が添加された。混合物を7時間室温で撹拌し、次いで酢酸エチルと冷希NaHCO
3水溶液との間で再分配した。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、セライトを通して濾過した。溶媒を除去し、残留物を更に、酢酸エチルと石油エーテルの勾配混合物(v/v 1:1から4:1)、次いで溶離液として酢酸エチルのを使用するカラムクロマトグラフィーにより精製し、オフホワイトの固体として、Boc (S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル メチル(2−(メチルアミノ)エチル)カルバメート51c(359mg,40%)を得た;mp 157℃(dec.).[α]
D26=−45.4°(c=1.08,酢酸エチル).
1H NMR(DMSO)(回転異性体の混合物) δ10.35(s,1H),8.25(s,1H),8.08(d,J=8.2Hz,1H),8.02(s,1H),7.87−7.77(m,2H),7.58(t,J=7.6Hz,1H),7.50−7.42(m,2H),7.31(t,J=7.9Hz,1H),4.42(t,J=9.7Hz,1H),4.36−4.31(m,2H),4.25(d,J=10.3Hz,1H),4.19−4.13(m,2H),4.05(dd,J=2.9,11.0Hz,1H),3.98(dd,J=2.6,10.9Hz,1H),3.92(dd,J=7.2,10.9Hz,1H),3.79(dd,J=8.5,10.2Hz,1H),3.69(br s,1H),3.52−3.42(m,3H),3.21−2.79(m,6H,2NMe),2.75−2.67(m,2H),2.64−2.58(m,2H),2.00−1.93(m,2H),1.44−1.35(m,9H,Bu
t)ppm.HRMS(ESI) found m/z777.2801(M+H).C
41H
47Cl
2N
4O
7 requires 777.2816.
また、同じクロマトグラフィー分離から得られるのは、ビス−Bocで保護された51d及び白色固体として保護されていない回収された開始物質51bであった(15mg,2%)。51d(429mg,37%)がオフホワイトの固体として得られた。[α]
D26=−32.0°(c=1.00,酢酸エチル).
1H NMR(DMSO)(回転異性体の混合物)δ8.25(s,2H),7.95(d,J=8.4Hz,2H),7.87−7.76(m,2H),7.58(t,J=7.6Hz,2H),7.44(t,J=7.6Hz,2H),4.41(t,J=9.8Hz,2H),4.32(br s,2H),4.24(d,J=10.6Hz,2H),4.06−4.03(m,2H),3.98(dd,J=7.3,10.8Hz,2H),3.69(br s,2H),3.52−3.43(m,6H),3.21−2.79(m,12H,4NMe),2.75−2.69(m,2H),2.66−2.58(m,2H),1.99−1.95(m,2H),1.44−1.35(m,18H,2Bu
t)ppm.HRMS(ESI) found m/z1013.3991(M+Na).C
51H
64Cl
2N
6NaO
10 requires 1013.3991.
氷浴で冷却されたDCM(3mL)中の51cの溶液(200mg,0.26mmol)に、トリフルオロ酢酸、TFA(1.5mL)が滴下して添加された。混合物は室温まで温められ、2時間攪拌された。全ての揮発性成分が除去され、オフホワイトの固体として、(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルメチル(2−(メチルアミノ)エチル)カルバメート51eの粗トリフルオロ酢酸塩を得て、これは直接使用された。
1H NMR(DMSO)(回転異性体の混合物)δ10.36(s,1H),8.64(br s,1H),8.48(br s,1H),8.35(s,1H),8.08(d,J=8.1Hz,1H),8.01(s,1H),7.97(d,J=8.4Hz,1H),7.94−7.88(m,1H),7.78(d,J=8.4Hz,1H),7.61−7.57(m,2H),7.51−7.45(m,2H),7.34−7.30(m,1H),4.43(t,J=9.8Hz,1H),4.36−4.31(m,2H),4.26(d,J=10.4Hz,1H),4.18−4.14(m,2H),4.06(dd,J=2.9,11.0Hz,1H),4.00(dd,J=2.7,10.8Hz,1H),3.94(dd,J=7.5,11.0Hz,1H),3.89−3.84(m,1H),3.79(dd,J=8.1,10.8Hz,1H),3.63(t,J=5.7Hz,1H),3.33−3.30(m,6H,2NMe),2.78−2.55(m,6H),2.00−1.94(m,2H)ppm.HRMS(ESI) found m/z677.2306(M+H).C
36H
39Cl
2N
4O
5 requires 677.2292.
−5℃で、THF中の51eの溶液(4mL)に、DIPEAの液滴を添加し、続いてブロモアセチルブロミド(34μL,0.39mmol)をゆっくり添加し、次いでDIPEAの残り(合計で448μL,2.57mmol)を添加した。混合物は室温まで温められ、1時間攪拌された。全ての揮発性成分をロータリーエバポレーター、次いで、高真空ポンプで除去した。得られた残留物を酢酸エチルと共に攪拌し、濾液をクロマトグラフィーカラムにロードする前に、不溶固体が濾過された。酢酸エチル及び石油エーテルの勾配混合物(v/v 1:4から1:1)が溶離液として使用され、オフホワイトの固体として、(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 2−(2−ブロモ−N−メチルアセトアミド)エチル(メチル)カルバメート 51(80mg,39%);mp 167−170℃.[α]
D26=−64.0°(c=0.25,酢酸エチル)を得た。
1H NMR(DMSO)(回転異性体の混合物)δ10.39(s,1H),8.25−8.20(m,1H),8.08(d,J=8.3Hz,1H),8.01(s,1H),7.96(d,J=8.3Hz,1H),7.89(d,J=7.4Hz,0.34H),7.82(d,J=7.4Hz,0.66H),7.78(d,J=8.4Hz,1H),7.58(t,J=7.6Hz,1H),7.51−7.45(m,2H),7.31(t,J=7.6Hz,1H),4.42(t,J=9.6Hz,1H),4.36−4.31(m,1H),4.24(d,J=10.7Hz,1H),4.18−4.09(m,3H(CH
2Brを含む)),4.07−4.03(dd,J=2.8,10.9Hz,1H),4.00−3.97(dd,J=2.6,10.8Hz,1H),3.96−3.91(m,1H),3.82−3.75(m,1H),3.70−3.68(m,1H),3.58−3.43(m,3H),3.26−2.89(m,6H,2NMe),2.78−2.67(m,2H),2.65−2.55(m,2H),1.99−1.92(m,2H)ppm.HRMS(ESI) found m/z819.1316(M+Na).C
38H
38BrCl
2N
4O
6 requires 819.1322.
【0190】
実施例2 (11S,11aS)−tert−ブチル 8−(6−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−((S)−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−6−オキソヘキシルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート 52
実施例6の実験手順に従って、リンカー−薬物中間52が調製された(
図7及び8)。HPLC:純度96.7%;mp 210
oC(dec.);
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ10.03(s,1H(D
2Oと交換可能)),8.23−8.11(m,2H),8.09(d,J=7.3Hz,1H(D
2Oと交換可能)),7.85(d,J=8.5Hz,1H),7.80(d,J=8.3Hz,1H(D
2Oと交換可能)),7.66(d,J=8.6Hz,2H),7.59−7.44(m,3H),7.38(brt,J=7.6Hz,1H),7.04(s,1H),6.99(s,2H),6.69(s,1H),6.38(br s,1H(D
2Oと交換可能)),5.99(t,J=5.5Hz,1H(D
2Oと交換可能)),5.49−5.34(m,3H;D
2O交換後、d,1H,J=9.5Hz),5.20(s,2H),4.44−4.30(m,2H),4.26−4.13(m,3H),4.10−3.91(m,3H),3.88−3.76(m,1H),3.79(s,3H),3.53−3.44(m,1H),3.41−3.20(m,4H(水ピークにより部分的に不明瞭)),3.09−2.88(m,2H),2.66−2.42(m,2H(DMSOピークにより部分的に不明瞭)),2.25−1.24(m,21H),1.31(s,9H),1.24−1.11(m,2H),0.86(d,J=6.8Hz,3H),0.82(d,J=6.7Hz,3H).元素分析(C
55H
71ClN
8O
11・H
2O)Calc:C,61.53;H,6.85;N,10.44.Found:C,61.39;H,7.11;N,10.15.
【0191】
実施例3 N−((R)−1−(クロロメチル)−3−(5−((R)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 53
室温(r.t.)でTHF−H
2O(150mL/75mL)中の(R)−tert−ブチル1−(クロロメチル)−5−(ジフェニルメチレンアミノ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート53a(1.00g,2.01mmol)の攪拌溶液に酢酸(50mL)が添加され、混合物を一晩撹拌した(
図2)。19.5時間後、THFを真空下で除去し、混合物をEtOAcで希釈し、その層を十分に振盪し、次いで分離した。有機層を飽和NaHCO
3水溶液(4×)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を真空下で除去した。ヘキサン:EtOAc100:0から90:10を用いたシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる精製により、オレンジ色のゲル状固体として、(R)−tert−ブチル 5−アミノ−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート53b(382mg,57%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)8.01(d,J=8.4Hz,1H),7.64(d,J=8.0Hz,1H),7.42−7.38(m,1H),7.37(br s,1H),7.22−7.18(m,1H),5.91(s,2H),4.08−3.91(m,4H),3.66(dd,J=10.6,8.2Hz,1H),1.53(s,9H).
乾燥DMA中で53b(380mg,1.14mmol)、(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸(361mg,1.71mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI.HCl,765mg,3.99mmol)及びパラ−トルエンスルホン酸(TsOH,49mg,0.285mmol)の混合物(10mL)が、室温で一晩、窒素下で攪拌された。17時間後、溶媒を真空下で除去した。粗生成物をDCM:ヘキサン75:25から100:0次いでDCM:MeOH99:1から97:3を用いてシリカゲル上でカラムクロマトグラフィーによって精製し、生成物含有画分を乾燥するまで蒸発させた。次いで、得られた物質をEtOAcに溶解し、有機層をH
2O(2x)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を除去し、黄色い固体として、(R)−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−5−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 53c(282mg,47%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)9.86(s,1H),8.24(br s,1H),7.99(d,J=8.4Hz,1H),7.88(d,J=8.3Hz,1H),7.55−7.51(m,1H),7.43−7.39(m,1H),7.01(s,2H),4.21−4.11(m,2H),4.08−4.00(m,2H),3.87(dd,J=10.9,6.9Hz,1H),3.42(t,J=7.0Hz,2H),2.45(t,J=7.1Hz,2H),1.69−1.62(m,2H),1.56−1.54(m,2H),1.54(s,9H),1.35−1.28(m,2H).
トリフルオロ酢酸(3.9mL)及びH
2O(0.1mL)が、0℃で、DCM(4mL)中の53c(66mg,0.125mmol)の溶液に添加された。混合物は、0℃で1時間20分間攪拌され、次いで、氷及びH
2Oが添加された。混合物は、0℃で飽和NaHCO
3水溶液でpH8に塩基性化された。有機層と水層は分離され、有機層をH
2O(1×)で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、溶媒を真空下で除去し、黄色の固体として、(R)−N−(1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 53d(50mg,94%)を得て、これは精製せずに次の工程で使用された。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)9.70(s,1H),7.87(d,J=8.5Hz,1H),7.64(d,J=8.2Hz,1H),7.39(ddd,J=8.1,6.9,1.0Hz,1H),7.21−7.15(m,2H),7.01(s,2H),5.92(s,1H),4.02−3.96(m,1H),3.85(dd,J=10.8,3.5Hz,1H),3.69(t,J=9.3Hz,1H),3.63−3.55(m,2H),3.42(t,J=7.0Hz,2H),2.42(t,J=7.1Hz,2H),1.64(td,J=15.2,7.6Hz,2H),1.55(td,J=14.5,7.2Hz,2H),1.35−1.26(m,2H).
乾燥DMA中で53d(50mg,0.117mmol)、(R)−5−(1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタン酸 53e(56mg,0.161mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩EDCI.HCl(58mg,0.303mmol)及びTsOH(8mg,0.0465mmol)の混合物(2mL)が、室温で一晩、窒素下で攪拌された。19時間後、混合物をH
2Oで希釈し、溶液から固体が沈殿した。水性懸濁液が、EtOAc(1×),DCM(1×),DCM:MeOH95:5(1×)を用いて抽出され、混合有機物は乾燥され(Na
2SO
4)、溶媒を真空下で除去した。粗生成物は、DCM:MeOH100:0から94:6を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製され、黄色い固体として、N−((S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 53(15mg,17%,HPLC純度:82.3%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)10.35(s,1H),9.88(s,1H),8.58(s,1H),8.08(d,J=8.2Hz,1H),8.02(s,1H),7.96(d,J=8.3Hz,1H),7.92(d,J=8.4Hz,1H),7.78(d,J=8.3Hz,1H),7.55(t,J=7.4Hz,1H),7.51−7.47(m,1H),7.46−7.42(m,1H),7.33−7.30(m,1H),7.01(s,2H),4.42−4.28(m,3H),4.25−4.13(m,3H),4.01(ddd,J=19.6,10.9,2.6Hz,2H),3.90(dd,J=10.9,7.5Hz,1H),3.79(dd,J=10.8,8.1Hz,1H),3.43(t,J=6.7Hz,2H),2.77−2.57(m,4H),2.46−2.43(m,2H),2.01−1.96(m,2H),1.70−1.62(m,2H),1.60−1.53(m,2H),1.36−1.28(m,2H).HRMSm/z777.2186[(M+Na)
+,C
41H
40Cl
2N
4NaO
6として計算:777.2217].
【0192】
実施例3a 1−((S)−5−アミノ−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)ペンタン−1,5−ジオン 53j
10%Pd/C(1.5g)が、−20℃で、窒素下で、THF−25%NH
4HCO
2水溶液(60mL/23mL)中の(S)−5−(5−(ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタン酸57c(2.00g,4.57mmol)の攪拌溶液に添加された(
図3)。反応混合物を3.5時間、−15から−10℃で撹拌した。次いで、反応混合物を一晩−20℃に保った。17.5時間後、混合物を−10℃に温め、5時間、−1から−5℃で撹拌した。次いで、混合物を0℃に温め、そして、30分間この温度で撹拌し、次いでMeOHで希釈し、セライトを通して濾過し、セライトプラグをMeOHで洗浄し(3×)、固体が溶液から沈殿するまで、溶媒を真空下で濃縮した。次いで、これはH
2O(150mL)及びヘキサン(150mL)で希釈され、濃縮HClでpH1に酸性化されつつ室温で撹拌された。混合物を更に30分間撹拌し、固体を濾過により回収し、H
2O及びヘキサンで洗浄し、乾燥し、ベージュ色の固体として、(S)−5−(1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタン酸53h(1.43g,90%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)12.07(br s,1H),10.35(s,1H),8.08(d,J=8.0Hz,1H),7.98(s,1H),7.77(d,J=8.3Hz,1H),7.50−7.46(m,1H),7.33−7.29(m,1H),4.30(t,J=10.4Hz,1H),4.14−4.12(m,2H),3.98(dd,J=10.9,2.8Hz,1H),3.78(dd,J=10.8,7.8Hz,1H),2.63−2.45(m,2H),2.35(t,J=7.4Hz,2H),1.89−1.78(m,2H).
塩化水素ガス(HCl)が、室温で、乾燥ジオキサン(12mL)(3A以上のモレキュラーシーブ)中の(S)−tert−ブチル1−(クロロメチル)−5−(ジフェニルメチレンアミノ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート53f(425mg,0.855mmol)の溶液を通してバブリングされた。(
図3)。溶液から固体が沈殿し、溶媒は15分後に真空下で除去された。粗固体の(S)−1−(クロロメチル)−N−(ジフェニルメチレン)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−アミン53gは精製せずに次の工程で使用された。乾燥DMA(10mL)が、窒素下、室温で、53g、(S)−5−(1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタン酸53h(327mg,0.941mmol),EDCI.HCl(573mg,2.99mmol)及び3A(オングストローム)モレキュラーシーブの混合物に添加された。2日と19.5時間後、溶媒を真空下で除去した。粗物質は、DCM:MeOH100:0から90:10を使用して、シリカ上でゲルカラムクロマトグラフィーによって精製され、次いで物質は再びヘキサン:DCM100:0から50:50から0:100、次いでDCM:MeOH99:1から98:2を使用してクロマトグラフされ、1−((S)−1−(クロロメチル)−5−(ジフェニルメチレンアミノ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)ペンタン−1,5−ジオン53iを得た(193mg,31%、53fから2工程かけて)。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)10.35(s,1H),8.08(d,J=8.1Hz,1H),8.00(s,1H),7.84(t,J=9.0Hz,2H),7.79−7.74(m,3H),7.62−7.57(m,2H),7.54−7.46(m,4H),7.40−7.36(m,1H),7.33−7.29(m,1H),7.27−7.22(m,3H),7.09−7.08(m,2H),4.34−4.26(m,2H),4.22−4.12(m,4H),4.01−3.97(m,2H),3.83−3.76(m,2H),2.69−2.50(m,4H),1.93−1.86(m,2H).HRMSm/z726.2264[(M+H)
+,C
44H
38Cl
2N
3O
3として計算:726.2285].
室温(r.t.)でTHF−H
2O(24mL/12mL)中53i(190mg,0.261mmol)の攪拌溶液に、酢酸(HOAc,8mL)が添加され、混合物を一晩撹拌した。19時間後、混合物をH
2Oで希釈し、固体が沈殿した。THFを真空下で除去し、水性懸濁液は中性になるまでDIPEAで処理された。固体を乾燥させ、濾過により回収し、H
2Oで洗浄した。固体をDMF(1.5mL)に溶解し、固体を沈殿させ、MeOHで希釈した。溶媒をデカントし、ヘキサン:DCM90:10を固体に添加し、懸濁液を振盪し、溶媒をデカントした。このプロセスは、ヘキサン:EtOAc90:10、続いてヘキサン単独を用いて繰り返された。次いで、固体をDMF/THF中に溶解し、シリカゲルに吸着させ、生成物をDCM:MeOH100:0から90:10を用いて溶出した。物質は分取HPLC(カラム:Synergi−MAXRP4μ,21.20×250mm;流速:13mL/分;移動相:溶媒A:H
2O/TFApH2.5,溶媒B:MeCN/H
2O90:10;方法:アイソクラティック:溶媒A:溶媒B20:80,15分;波長:254nm、330nm)により更に精製され、白色固体として、1−((S)−5−アミノ−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)ペンタン−1,5−ジオン 53j,30mg,22%,HPLC純度:87.9%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)10.36(s,1H),8.08(d,J=8.1Hz,1H),8.04−8.02(m,2H),7.79−7.77(m,2H),7.69(d,J=8.3Hz,1H),7.51−7.47(m,1H),7.42(t,J=7.5Hz,1H),7.34−7.30(m,1H),7.23(t,J=7.6Hz,1H),5.91(s,2H),4.36−4.26(m,2H),4.19−4.13(m,3H),4.08−4.04(m,1H),4.01−3.93(m,2H),3.79(dd,J=10.7,8.2Hz,1H),3.70(dd,J=10.5,8.9Hz,1H),2.75−2.66(m,2H),2.63−2.54(m,2H),2.00−1.93(m,2H).HRMSm/z584.1456[(M+Na)
+,C
31H
29Cl
2N
3NaO
3として計算:584.1478].[α]
D28=−37.6
o(c=0.559,DMSO).
【0193】
実施例3b 1−((R)−5−アミノ−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−((R)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)ペンタン−1,5−ジオン 53p
トリエチルアミン(Et
3N,0.54mL,3.89mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.60mL,3.60mmol)が、0℃でDCM(100mL)中の(R)−tert−ブチル1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート53kの攪拌溶液に添加された(
図4)。反応物を、20分間、0℃で攪拌し、次いで、H
2Oで希釈し、層を分離し、水層をDCM(1×)で抽出した。混合した有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、溶媒を真空下で除去した。ヘキサン:EtOAc100:0から96:4を用いたシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる精製は、オレンジ色の泡状固体として、(R)−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−5−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 53l(1.30g,93%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,CDCl
3)8.30(br s,1H),8.03(d,J=8.5Hz,1H),7.76(d,J=8.4Hz,1H),7.62−7.58(m,1H),7.53−7.49(m,1H),4.32(br s,1H),4.20−4.15(m,1H),4.09−4.03(m,1H),3.92(dd,J=11.2,2.8Hz,1H),3.54−3.49(m,1H),1.61(s,9H).
乾燥THF(60mL、脱気)中の53lの溶液(1.30g,2.79mmol)が、窒素下で、Cs
2CO
3(1.27g,3.91mmol),BINAP(209mg,0.336mmol)及びPd(OAc)
2(63mg,0.281mmol)の混合物に添加された。次いでジフェニルメタンアミン(0.56mL、3.34mmol)を添加し、混合物を窒素下で一晩還流した。20時間後、反応温度を60−65℃に低下させ、反応物を1日間窒素下でこの温度で撹拌した。追加のTHF(10mL)が添加され、その混合物を別の日に同じ温度で撹拌し、再び混合物に更にTHF(25mL)を添加した。別の日の後、Pd(OAc)
2(19mg,0.0846mmol),BINAP(52mg,0.0835mmol)及びTHF(30mL)の追加部分が添加され、その混合物を窒素下で一晩70℃で加熱した。更なる28時間後、Pd(OAc)
2(31mg,0.138mmol),BINAP(104mg,0.167mmol)の追加部分が再び添加され、反応は22時間続けられた。次いで、反応混合物を室温に冷却し、DCMで希釈し、セライトを通して濾過し、洗浄液に色が存在しなくなるまでセライトプラグをDCMで洗浄し、濾液を真空下で蒸発させた。ヘキサン:DCM100:0から50:50を用いたシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる精製は、黄色い泡状固体として、(R)−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−5−(ジフェニルメチレンアミノ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 53a(1.19g,85%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)7.85(d,J=8.3Hz,1H),7.80(d,J=8.4Hz,1H),7.75(d,J=7.2Hz,2H),7.61−7.57(m,1H),7.54−7.49(m,3H),7.37−7.33(m,1H),7.30−7.23(m,3H),7.06(d,J=6.8Hz,2H),4.13−4.02(m,2H),4.00−3.94(m,2H),3.77(dd,J=10.9,7.5Hz,1H),1.46(s,9H),1H(観測されず)。[α]
D27=+101
o(c=1.04,DCM).
塩化水素ガス(HCl(g))が、室温で、乾燥ジオキサン(10mL)(3A以上のモレキュラーシーブ)中の53a(300mg,0.604mmol)の溶液を通してバブリングされた。10分後、溶液から固体が沈殿し、溶媒は20分後に真空下で除去された。粗固体(R)−1−(クロロメチル)−N−(ジフェニルメチレン)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−アミン 53mを、精製せずに次の工程に使用した。
炭素上のパラジウム、10%Pd/C(690mg)が、−10℃で、窒素下で、THF−25%NH
4HCO
2水溶液(40mL/16mL)中の(R)−5−(5−(ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタン酸53n(1.38g,3.15mmol)の攪拌溶液に添加された。反応混合物を3時間、−10から−5℃で撹拌した。次いで、反応混合物を一晩−20℃に保った。−20℃で15時間後、混合物を、MeOHで希釈し、セライトで濾過し、セライトプラグをMeOHで洗浄し、そして溶媒は、真空下で、固体が溶液から沈殿するまで濃縮された。次いで、懸濁液はH
2O(130mL)及びヘキサン(100mL)で希釈され、濃縮HClでpH1に酸性化されつつ室温で撹拌された。混合物を、30分間攪拌し沈降させ、ヘキサンをデカントした。追加のヘキサン(120mL)が添加され、混合物は更に30分間撹拌され、ヘキサンを再びデカントし、次いで固体を濾過により収集し、H
2O及びヘキサンで洗浄し、乾燥し、ベージュ色の固体として、(R)−5−(1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタン酸 53e(925mg,84%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)12.06(br s,1H),10.35(s,1H),8.08(d,J=8.0Hz,1H),7.98(s,1H),7.77(d,J=8.3Hz,1H),7.50−7.46(m,1H),7.33−7.29(m,1H),4.30(t,J=10.5Hz,1H),4.14−4.12(m,2H),3.98(dd,J=10.9,2.8Hz,1H),3.78(dd,J=10.8,7.9Hz,1H),2.63−2.45(m,2H),2.35(t,J=7.4Hz,2H),1.89−1.78(m,2H).
乾燥DMA(8mL)が、窒素下、室温で、前の反応からの53m、53e(241mg,0.693mmol)、EDCI.HCl(404mg,2.11mmol)及び3Aモレキュラーシーブの混合物に添加された。反応混合物は一晩撹拌された。19.5時間後、混合物をH
2Oで希釈し、得られた懸濁液を濾過した。水性濾液をEtOAcで抽出し(3×)、濾過した固体をEtOAc/MeOHに溶解し、EtOAc抽出物と混合した。混合した有機溶液をシリカゲルに吸着させ、生成物は、ヘキサン:DCM50:50から0:100、次いでDCM:MeOH99.5:0.5から97:3を用いて溶出され、暗黄色固体として、1−((R)−1−(クロロメチル)−5−(ジフェニルメチレンアミノ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−((R)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)ペンタン−1,5−ジオン 53o(155mg,35%,53aから2工程かけて)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)10.35(s,1H),8.08(d,J=8.0Hz,1H),8.00(s,1H),7.85(t,J=8.9Hz,2H),7.79−7.74(m,3H),7.62−7.57(m,2H),7.54−7.46(m,4H),7.40−7.36(m,1H),7.33−7.29(m,1H),7.27−7.22(m,3H),7.09−7.08(m,2H),4.34−4.27(m,2H),4.22−4.11(m,4H),4.02−3.97(m,2H),3.83−3.76(m,2H),2.69−2.51(m,4H),1.93−1.85(m,2H),NMRスペクトルは、53iのそれと一致した。HRMSm/z748.2077[(M+Na)
+,C
44H
37Cl
2N
3NaO
3として計算:748.2104].
室温(r.t.)でTHF−H2O(12mL/6mL)中53o(80mg,0.110mmol)の攪拌溶液に、酢酸(HOAc,4mL)が添加され、混合物を一晩撹拌した。18時間後、混合物をH
2Oで希釈し、固体が沈殿した。THFは、真空下で除去され、水性懸濁液はpH8になるまでDIPEAで処理され、更なる固体の沈殿を生じた。固体を濾過により回収し、乾燥させ、DCM:MeOH100:0から97:3を使用するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製し、黄褐色の固体として、1−((R)−5−アミノ−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−((R)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)ペンタン−1,5−ジオン 53p(20mg,32%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)10.36(s,1H),8.08(d,J=8.2Hz,1H),8.04−8.02(m,2H),7.79−7.77(m,2H),7.69(d,J=8.3Hz,1H),7.51−7.47(m,1H),7.42(t,J=7.5Hz,1H),7.34−7.30(m,1H),7.23(t,J=7.6Hz,1H),5.91(s,2H),4.36−4.26(m,2H),4.19−4.13(m,3H),4.08−4.04(m,1H),4.01−3.93(m,2H),3.79(dd,J=10.7,8.3Hz,1H),3.71(dd,J=10.5,8.9Hz,1H),2.75−2.66(m,2H),2.63−2.53(m,2H),2.00−1.93(m,2H)、NMRスペクトルは、53jのそれと一致した。
【0194】
実施例4 N−(4−(((S)−1−(クロロメチル)−3−(6−((S)−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,5,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシ)ヘキサノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルオキシ)メチル)フェニル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 54
無水THF(140mL)中の、Terceletal(2003)J.Med.Chem46:2132−2151の手順により調製された(S)−(2−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)(2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)メタノン54a(7.6g,28.6mmol)とジ−t−ブチルジカーボネート(12.48g,57.2mmol)の混合物が、18時間、窒素雰囲気中で還流下で撹拌された。反応混合物は室温まで冷却され、2NのNaOH(57.2mL,114mmol)及びMeOH(70mL)が添加された。混合物を、6時間、室温で撹拌した。揮発物は、35−40℃(浴温度)で、減圧下で蒸発させた。氷水(250mL)が添加され、0℃でpHは8−9に調整された。混合物を石油エーテル−酢酸エチル(20:1)(2x400mL)と共に室温で15分間攪拌した。有機層は分離され、廃棄された。水層をDCM(4×300mL)で抽出し、混合した抽出物を乾燥し(MgSO
4)、減圧下で蒸発させ、ピンクホワイトの固体として、(S)−tert−ブチル 5−ヒドロキシ−2−(2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボニル)−4−メトキシフェニルカルバメート 54b(9.36g,89%)を得た;mp 154−156
oC;
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ9.51(s,1H),8.90(s,1H),7.27(s,1H),6.91(s,1H),4.73(t,J=5.8Hz,1H),4.16−4.02(m,1H),3.73(s,3H),3.64−3.34(m,4H),1.99−1.60(m,4H),1.43(s,9H).元素分析(C
18H
26N
2O
6)Calc:C,59.00;H,7.15;N,7.65.Found:C,58.94;H,7.31;N,7.39.
乾燥DMA(7mL)中、54b(2.88g,7.87mmol)とTerceletal(2003)J.Med.Chem46:2132−2151の手順により調製された2,2,2−トリクロロエチル6−ブロモヘキサノエート(3.86g,11.8mmol)の溶液に、無水K
2CO
3(2.61g,18.9mmol)が添加された。得られた混合物を、68時間、室温で撹拌した。それを氷水(600mL)に注ぎ、生成物を酢酸エチル(600mL)中に抽出した。抽出物を、冷(0℃)の2NのNa
2CO
3水溶液(2×400mL)及び水(400mL)で連続的に洗浄し、次いで、乾燥させた(MgSO
4)。溶媒を蒸発させると褐色油を与え、これはSiO
2カラムクロマトグラフィー(DCM:酢酸エチル=2:1)により精製され、淡黄色の泡状物として、純粋な(S)−2,2,2−トリクロロエチル 6−(5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−(2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボニル)−2−メトキシフェノキシ)ヘキサノエート 54c(3.62g,76%)を得た;mp 36−39
oC;
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ9.90(s,1H),7.33(s,1H),6.93(s,1H),4.89(s,2H),4.74(t,J=5.8Hz,1H),4.17−4.02(m,1H),3.94(t,J=6.4Hz,2H),3.73(s,3H),3.63−3.26(m,4H),2.55−2.46(m,2H(DMSOピークにより部分的に不明瞭)),2.00−1.55(m,8H),1.53−1.36(m,11H).元素分析(C
26H
37N
2O
8)Calc:C,51.03;H,6.09;N,4.58.Found:C,51.33;H,6.21;N,4.35.
乾燥DCM(12mL)中の54c(3.62g,5.92mmol)の溶液に、デス・マーチン・ペルヨージナン(DMP:1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードキソール−3(1H)−オン、CASReg.No.87413−09−0)(3.27g,7.70mmol)が室温で15分間少量ずつ添加された。反応混合物を、45分間、室温で撹拌した。それをDCM(800mL)で希釈し、10%Na
2S
2O
3(100mL)、冷(0
oC)NaHCO
3溶液(400mL)、及び水(300mL)で連続的に洗浄し、次いで乾燥(MgSO
4)した。溶媒を蒸発させると琥珀色の固体を与え、これはSiO
2カラムクロマトグラフィー(石油エーテル−酢酸エチル=3:4)により精製され、粘着性の泡状物として、(S)−tert−ブチル 11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−8−(6−オキソ−6−(2,2,2−トリクロロエトキシ)ヘキシルオキシ)−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート 54d(2.61g,72%)を得た;
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ7.03(s,1H),6.67(s,1H),6.38(s,1H),5.41(s,1H),4.89(s,2H),4.06−3.87(m,2H),3.79(s,3H),3.52−3.43(m,1H),3.42−3.28(m,1H(水ピークにより部分的に不明瞭)),3.27−3.20(m,1H),2.08−1.82(m,5H),1.81−1.71(m,2H),1.71−1.61(m,2H),1.53−1.40(m,3H),1.31(s,9H).HRMS(ESI)m/zC
26H
35Cl
3N
2NaO
8として計算:631.1351, found :631.1361[MNa
+].
アセトン−水(3:2)(100mL)中の54dの撹拌溶液(1.80g,2.95mmol)に、窒素下で、Zn(7.72g,118mmol)及びNH
4Cl(6.32g,118mmol)が添加された。混合物を室温で28時間撹拌した。上清をデカントし、Zn残留物はNaHCO
3水溶液(3×100mL)で洗浄された。洗浄液及び上清を合わせ、DCMで攪拌した(300mL、次いで2×100mL)。DCM層は分離され、廃棄された。水層は、0℃で、濃塩酸でpH<1に酸性化された。生成物はDCM中に抽出され(400mL;2x200mL)、乾燥し(MgSO
4)され、蒸発させ、無色の泡状物として、(S)−tert−ブチル 8−(5−ヒドロペルオキシヘキサ−5−エニルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート 54e(1.34g,95%)を得た;mp 65−67
oC;
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ11.99(br s,1H),7.04(s,1H),6.67(s,1H),6.37(br s,1H),5.41(d,J=9.4Hz,1H),4.06−3.87(m,2H),3.79(s,3H),3.53−3.19(m,3H(水ピークにより部分的に不明瞭)),2.22(t,J=7.2Hz,2H),2.09−1.81(m,4H),1.80−1.67(m,2H),1.62−1.49(m,2H),1.49−1.37(m,2H),1.31(s,9H).元素分析(C
24H
34N
2O
8・1/4H
2O)Calc:C,59.68;H,7.20;N,5.80.Found:C,59.37;H,7.20;N,5.62.
DMA(7mL)中の54e(1.16g,2.42mmol)、(S)−1−(クロロメチル)−5−(4−ニトロベンジルオキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール 54f(893mg,2.42mmol),EDCI.HCl(1.39g,7.26mmol)、及び無水TsOH(83mg,0.48mmol)は、4時間、窒素雰囲気下で室温で攪拌された。水(120mL)が添加され、混合物は室温で15分間撹拌された。沈殿した固体は濾過され、水(4x40mL)、0.01%NH
4OH(4x40mL)、及び石油エーテル(4x40mL)で連続的に洗浄され、次いで乾燥され、淡黄色の固体として、N−Boc−(S)−8−(6−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−ニトロベンジルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−6−オキソヘキシルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−5(10H)−オン 54g(1.71g,85%)を得た;mp 130−133
oC;
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ8.30(d,J=8.8Hz,2H),8.23(d,J=8.1Hz,1H),8.18(s,1H),7.92−7.82(m,3H),7.57(td,J=8.2,1.1Hz,1H),7.43(t,J=8.0Hz,1H),7.03(s,1H),6.69(s,1H),6.39(br s,1H),5.51−5.35(m,3H),4.36(t,J=9.5Hz,1H),4.28−4.15(m,2H),4.10−3.90(m,3H),3.85(dd,J=11.1,7.8Hz,1H),3.79(s,3H),3.52−3.42(m,1H),3.42−3.20(m,2H(水ピークにより部分的に不明瞭)),2.68−2.50(m,2H(DMSOピークにより部分的に不明瞭)),2.11−1.95(m,1H),1.95−1.75(m,5H),1.
75−1.61(m,2H),1.59−1.45(m,2H),1.31(s,9H).元素分析(C
44H
49ClN
4O
10)Calc:C,63.72;H,5.96;N,6.76.Found:C,63.33;H,5.97;N,6.92.
THF(90mL)、アセトン(70mL)、及び水(40mL)の混合物中の54gの撹拌溶液(1.70g,2.05mmol)に、窒素下で、Zn(2.68g,41.0mmol)及びNH
4Cl(4.39g,82.0mmol)が添加された。混合物を、室温で45分間撹拌し、次いでセライトを通して濾過し、THFで数回洗浄した濾液は室温で減圧下で約60mLに濃縮された。0.01%のNH
4OH(400mL)の溶液が添加され、混合物は室温で15分間撹拌された。固体を回収し、0.01%NH
4OH(3x100mL)、水(3x100mL)及び石油エーテル(3x100mL)で連続的に洗浄された。固体は乾燥されて54dのアニリン誘導体(1.16g,100%)を与え、乾燥DMA(2mL)中で6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸(253mg,1.20mmol),EDCI.HCl(576mg,3.00mmol)及び無水TsOH(34.4mg,0.20mmol)で処理された。混合物を、室温で窒素下で17時間撹拌した。NaHCO
3溶液(50mL)が添加され、混合物を室温で30分間撹拌した。固体を収集し、水で洗浄し、乾燥させ、シリカカラムクロマトグラフィー(DCM:酢酸エチル=1:1)により精製し、黄色の固体として、純粋な(S)−tert−ブチル 8−(6−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)ベンジルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−6−オキソヘキシルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート 54h(194mg,33%)を得た;mp 128−132
oC;
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ9.91(s,1H),8.20−8.11(m,2H),7.84(d,J=8.3Hz,1H),7.62(d,J=8.5Hz,2H),7.54(brt,J=8.1Hz,1H),7.47(d,J=8.5Hz,2H),7.38(brt,J=8.0Hz,1H),7.04(s,1H),7.00(s,2H),6.69(s,1H),6.38(br s,1H),5.45−5.37(m,1H),5.20(s,2H),4.36(t,J=10.2Hz,1H),4.26−4.13(m,2H),4.10−3.92(m,3H),3.88−3.79(m,1H),3.79(s,3H),3.52−3.30(m,4H),3.24(brt,J=8.9Hz,1H),2.66−2.50(m,2H(DMSOピークにより部分的に不明瞭)),2.28(t,J=7.3Hz,2H),2.08−1.95(m,1H),1.95−1.76(m,5H),1.76−1.64(m,2H),1.64−1.20(m,8H),1.31(s,9H).元素分析(C
54H
62ClN
5O
11)Calc:C,65.35;H,6.30;N,7.06.Found:C,65.08;H,6.39;N,6.67.
窒素雰囲気下で−10から−11℃で攪拌されたDCM(15mL)中のN−(4−(((S)−1−(クロロメチル)−3−(6−((S)−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,5,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシ)ヘキサノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルオキシ)メチル)フェニル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 54h(204mg,0.21mmol)の溶液に、2.5%の水を含有するTFA(15ml)が(30分かけて)滴下された。添加後、混合物を4時間、更にこの温度で撹拌した。混合物を、氷、DCM、及び十分に飽和したNaHCO
3溶液の混合物に注ぎ、0℃でpH7−8を得た。混合物を室温で15分間撹拌した。DCM層を分離し、更にNaHCO
3水溶液及び水で洗浄し、次いで乾燥した(MgSO
4)。溶媒を25℃(浴温度)で蒸発させ、黄色の固体を得た(172mg,94%の材料が回収された)。この粗生成物を分取HPLC(Synergi−MaxRPカラム)により精製し(30%ギ酸アンモニウム緩衝液pH=3.5;70%水性(10%)アセトニトリル;流速:13mL/分で溶出)、54(30mg,16%)を得た,HPLC:98.8%純度;mp 190
oC(dec.);[α
20D+320
o(c0.100,DCM);
1H NMR[CDCl
3]δ8.29(d,J=8.3Hz,1H),8.18(s,1H),7.69−7.63(m,2H),7.61−7.44(m,6H),7.37(brt,J=7.3Hz,2H),6.82(s,1H),6.66(s,2H),5.24(s,2H),4.34−4.19(m,2H),4.19−4.00(m,3H),3.99−3.92(m,1H),3.89(s,3H),3.86−3.78(m,1H),3.76−3.70(m,1H),3.63−3.49(m,3H),3.42(t,J=10.8Hz,1H),2.68−2.47(m,2H),2.40−2.27(m,3H),2.12−1.92(m,5H),1.92−1.82(m,2H),1.82−1.71(m,2H),1.71−1.54(m,4H(水ピークにより部分的に不明瞭)),1.43−1.32(m,2H).HRMS(ESI)m/zC
49H
52ClN
5NaO
8として計算:896.3397, found :896.3375[MNa
+].
【0195】
実施例5 N−((S)−1−((S)−1−(4−(((S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルオキシ)メチル)フェニルアミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イルアミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 55
室温で、炭酸カリウム、K
2CO
3(2.50g,18.1mmol)が、DMF(12mL)中の(S)−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 51a(2.01g,6.02mmol)及び1−(ブロモメチル)−4−ニトロベンゼン(5.20g,24.1mmol)に添加された(
図6)。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、EtOAc及びH
2Oで希釈し、層を分離した。有機層をH
2O(3×)、かん水(1×)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を真空下で除去した。ヘキサン:EtOAc100:0から96:4を用いたシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる2回の精製により、山吹色固体として、(S)−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−5−(4−ニトロベンジルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 55a(2.17g,77%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,CDCl
3)8.31−8.27(m,3H),7.85(br s,1H),7.72(d,J=8.4Hz,2H),7.67(d,J=8.3Hz,1H),7.54(ddd,J=8.2,6.8,1.2Hz,1H),7.38(ddd,J=8.2,6.8,1.1Hz,1H),4.28−4.25(m,1H),4.16−4.10(m,1H),4.02−3.92(m,2H),3.45(t,J=10.6Hz,1H),1.60(s,9H).HRMSm/z491.1338[(M+Na)
+,C
25H
25ClN
2NaO
5として計算:491.1344].
還元法A:55a(1.53g,3.26mmol)が、THF−アセトン(75mL/60mL)に溶解された。55aが溶解するとH
2O(30mL)が添加された。NH
4Cl(10.5g,196mmol)及びZn粉末(6.40g,97.9mmol)を添加し、得られた混合物を1時間窒素下で室温で撹拌した。次いで、反応混合物を、セライトを通して濾過し、セライトプラグをDCMで洗浄し、混合した濾液をH
2O(1x)で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)で洗浄し、溶媒を真空下で除去し、オレンジ色の固体として化合物55bを得た。粗生成物を精製せずに次の工程に使用した。
還元法B:THF−MeOH−H
2O(150mL/50mL/20mL)中の55aの溶液にマーキュリー−アルミニウムアマルガムが添加された。15分後、反応混合物を、DCMで希釈し、セライトを通して濾過し、セライトプラグをDCMで洗浄した。有機物を、H
2Oで洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、溶媒を真空下で除去し、オレンジ色の固体として、(S)−tert−ブチル 5−(4−アミノベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 55bを得た。生成物を精製せずに次の工程に使用した。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)8.06(d,J=8.6Hz,1H),7.80(d,J=8.3Hz,1H),7.53−7.49(m,1H),7.34−7.30(m,1H),7.19(d,J=8.2Hz,2H),6.60(d,J=8.4Hz,2H),5.16(s,2H),5.04(d,J=1.3Hz,2H),4.18−4.05(m,3H),4.00−3.97(m,1H),3.81(dd,J=10.9,6.9Hz,1H),1.56(s,9H),1H(観測されず)。
DMA(15mL)中の(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−5−ウレイドペンタン酸(Fmoc−L−シトルリン、3.26g,8.20mmol)及び2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ,CASReg.No.16357−59−8,3.12g,12.6mmol)の混合物が、室温で窒素下で20分間攪拌された。次いでDMA(15mL)中の55b(2.77g,6.31mmol)の溶液が添加され、得られた混合物を窒素で洗浄し、一晩攪拌したままにした。16時間後、反応混合物を氷の上に注ぎ、H
2Oで希釈した。得られた沈殿物を濾過し、H
2Oで洗浄し、DCM/MeOHに溶解し、乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を真空下で除去した。粗生成物を粉砕することによって精製し、生成物はヘキサン:EtOAc94:6により沈殿させ、溶媒をデカントし、そのプロセスは、ヘキサン:EtOAc90:10、次いでヘキサン:EtOAc95:5を用いて繰り返された。材料は、その後、DCM:MeOH100:0から95:5を使用してシリカゲル上でカラム処理され、黄色い固体として、(S)−tert−ブチル 5−(4−((S)−2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 55c(4.23g,79%、55aから2工程かけて、HPLC純度:95.3%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)10.12(s,1H),8.12(d,J=8.4Hz,1H),7.89(d,J=7.5Hz,2H),7.82(d,J=8.3Hz,1H),7.77−7.74(m,2H),7.70−7.67(m,3H),7.55−7.49(m,3H),7.42(t,J=7.4Hz,2H),7.37−7.31(m,3H),6.00(t,J=5.7Hz,1H),5.43(s,2H),5.22(s,2H),4.29−4.27(m,2H),4.24−4.05(m,6H),4.01−3.98(m,1H),3.82(dd,J=10.9,7.0Hz,1H),3.09−2.92(m,2H),1.74−1.35(m,4H),1.55(s,9H).HRMSm/z840.3101[(M+Na)
+,C
46H
48ClN
5NaO
7として計算:840.3134].
ピペリジン(1.5mL,10%v/v)が、室温でDMF(15mL)中の55c(4.18g,5.11mmol)の攪拌溶液に添加された。反応混合物を1時間撹拌した。得られた懸濁液は、ヘキサン:EtOAc90:10(100mL)で希釈され、10分間攪拌した。二つの層が形成され、最上層をデカントした。保持された下部層中の溶媒を真空下で除去した。DCM:MeOH100:0から85:15を用いたシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる精製は、黄色の粉末として、(S)−tert−ブチル 5−(4−((S)−2−アミノ−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 55d(2.97g,97%,HPLC純度:99.1%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)9.93(br s,1H),8.12(d,J=8.3Hz,1H),7.82(d,J=8.3Hz,1H),7.70(d,J=8.6Hz,2H),7.55−7.48(m,3H),7.37−7.33(m,1H),5.94(t,J=5.7Hz,1H),5.37(s,2H),5.22(s,2H),4.19−4.05(m,4H),4.01−3.98(m,1H),3.82(dd,J=10.9,7.0Hz,1H),3.04−2.91(m,2H),1.71−1.36(m,4H),1.55(s,9H),3H(観測されず)。HRMSm/z596.2627[(M+H)
+,C
31H
39ClN
5O
5として計算:596.2634].
DMA(15mL)中の(S)−2,5−ジオキソピロリジン−1−イル2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−3−メチルブタノアート(Fmoc−Val−OSu,3.19g,7.31mmol)及び55d(2.91g,4.87mmol)の混合物が、窒素下、室温で一晩攪拌された。20時間後、ヘキサン:EtOAc80:20(150mL)が添加され、その懸濁液を30分間撹拌した。次いで、溶媒を、固体を残してデカントした。これはヘキサン:EtOAc75:25を用いて複数回繰り返された。次いで固体はDCM:MeOH75:25に懸濁され、そして懸濁液を超音波処理した。懸濁液をヘキサン(200mL)で希釈し、固体を濾過し、ヘキサン:EtOAcを65:35で洗浄し、乾燥させ、オレンジ色の粉末として、(S)−tert−ブチル 5−(4−((S)−2−((S)−2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 55e(3.79g,85%,HPLC純度:92.4%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)10.12(s,1H),8.14−8.12(m,2H),7.89(d,J=7.5Hz,2H),7.82(d,J=8.4Hz,1H),7.75(t,J=7.6Hz,2H),7.66(d,J=8.5Hz,2H),7.55−7.48(m,3H),7.45−7.30(m,6H),5.98(t,J=5.7Hz,1H),5.41(s,2H),5.22(s,2H),4.45(dd,J=13.6,7.7Hz,1H),4.36−4.04(m,6H),4.02−3.90(m,2H),3.82(dd,J=10.8,6.9Hz,1H),3.08−2.91(m,2H),2.05−1.96(m,1H),1.76−1.34(m,4H),1.55(s,9H),0.89(d,J=6.8Hz,3H),0.86(d,J=6.8Hz,3H).HRMSm/z939.3808[(M+Na)
+,C
51H
57ClN
6NaO
8として計算:939.3819].
Boc除去法A:0℃で、DCM(10mL)中の55eの懸濁液(685mg,0.747mmol)に、TFA(9.5mL)を少量ずつ添加した。反応混合物を1時間45分間0℃で攪拌した。次いでNH
3水溶液(0.25%、100mL)が0℃で混合物に少量ずつ添加され、次いでpHが9−10になるまで濃縮されたNH
3水溶液が添加された。ヘキサン:EtOAc90:10が次いで添加され、混合物は0℃で40分間攪拌され、懸濁液を超音波処理し、沈殿物を濾過により回収し、H
2O,H
2O:MeOH80:20,ヘキサン:EtOAc60:40,ヘキサン:Et
2O50:50、ヘキサンで洗浄し、乾燥させ、褐色の固体として、(9H−フルオレン−9−イル)メチル (S)−1−((S)−1−(4−(((S)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルオキシ)メチル)フェニルアミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イルアミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバメート 55f(364mg,60%)を得た。
Boc除去法B:DCM(40mL)中のBF
3.Et
2O(0.07mL,0.552mmol)が0℃で55eの懸濁液に添加された。1時間50分後懸濁液は、室温で真空下でほんの僅かのDCMが残るまで濃縮された。沈殿が溶解するまで少量のMeOHが添加され、次いで溶液をH
2Oで希釈した。固体が析出し、H
2Oをデカントした。ヘキサン:EtOAc90:10(20mL)が添加され、そして懸濁液は超音波処理され、固体を濾過により回収した。固体がH
2O及びヘキサンにより洗浄され、乾燥され、茶色の固体として、(9H−フルオレン−9−イル)メチル (S)−1−((S)−1−(4−(((S)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルオキシ)メチル)フェニルアミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イルアミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバメート 55f(66mg,70%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)10.10(s,1H),8.12(d,J=7.6Hz,1H),8.00(d,J=8.3Hz,1H),7.89(d,J=7.4Hz,2H),7.74(t,J=7.7Hz,2H),7.64(d,J=8.5Hz,2H),7.58(d,J=8.3Hz,1H),7.46−7.37(m,5H),7.34−7.30(m,2H),7.13−7.09(m,1H),6.55(s,1H),5.97(t,J=5.7Hz,1H),5.41(s,2H),5.17(s,2H),4.43(dd,J=13.0,7.5Hz,1H),4.34−4.21(m,3H),3.95−3.90(m,2H),3.83(dd,J=10.7,3.4Hz,1H),3.70−3.66(m,1H),3.61−3.51(m,2H),3.08−2.90(m,2H),2.04−1.96(m,1H),1.76−1.33(m,4H),0.89(d,J=6.8Hz,3H),0.86(d,J=6.8Hz,3H),2H(観測されず)。HRMSm/z839.3266[(M+Na)
+,C
46H
49ClN
6NaO
6として計算:839.3294].
DMA(10mL)中の55f(485mg,0.593mmol),53h(206mg,0.593mmol),EDCI.HCl(293mg,1.48mmol)及びTsOH(26mg,0.151mmol)の混合物は窒素で洗浄され、一晩室温で攪拌された。19.5時間後、反応混合物はH
2Oで希釈され、得られた固体は濾過により回収され、H
2O及びヘキサン:EtOAc50:50で洗浄された。DCM:MeOH100:0から90:10を用いたシリカゲルのプラグ上で濾過カラムクロマトグラフィーは、次の工程で未精製で使用される
(9H−フルオレン−9−イル)メチル (S)−1−((S)−1−(4−(((S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルオキシ)メチル)フェニルアミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イルアミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバメート 55g(391mg)を得た。HRMSm/z1144.4169[(M−H)
+,C
64H
64Cl
2N
7O
9として計算:1144.4148].
ピペリジン(0.39mL,3.95mmol)が、室温でDMF(6mL)中の55gの懸濁液(910mg,0.793mmol)に添加された。10分後、混合物は真空下で濃縮された。DCM:MeOH95:5から85:15を用いるシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによる精製と続く分取HPLCによる更なる精製(カラム:Synergi−MAXRP4μ,21.20×250mm;流速:12ml/分;移動相A:H
2O/TFApH2.47,溶媒B:MeCN/H
2O90:10;方法:勾配、溶媒A:溶媒B60:40から22:78から60:40,24分;波長:254nm,330nm)は、クリーム色の固体として、(S)−2−((S)−2−アミノ−3−メチルブタンアミド)−N−(4−(((S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルオキシ)メチル)フェニル)−5−ウレイドペンタンアミド トリフルオロアセタート 55h(75mg,9%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)10.35(s,1H),10.24(s,1H),8.69(d,J=7.7Hz,1H),8.20(s,1H),8.15(d,J=8.4Hz,1H),8.09−8.02(m,4H),7.86(d,J=8.4Hz,1H),7.78(d,J=8.4Hz,1H),7.65(d,J=8.5Hz,2H),7.57−7.47(m,3H),7.40−7.37(m,1H),7.34−7.30(m,1H),6.04(t,J=5.8Hz,1H),5.48(br s,2H),5.22(s,2H),4.57−4.51(m,1H),4.40−4.33(m,2H),4.25−4.14(m,4H),4.03−3.98(m,2H),3.85(dd,J=10.7,7.6Hz,1H),3.79(dd,J=10.3,8.6Hz,1H),3.66(t,J=5.2Hz,2H),3.09−2.97(m,2H),2.75−2.57(m,4H),2.11−2.06(m,1H),2.01−1.96(m,2H),1.78−1.70(m,1H),1.68−1.58(m,1H),1.53−1.40(m,2H),0.95(d,J=6.8Hz,3H),0.94(d,J=6.8Hz,3H).HRMSm/z924.3672[(M+H)
+,C
49H
56Cl
2N
7O
7として計算:924.3613].
DMF(3mL)中のジイソプロピルエチルアミン、DIPEA(10mg,0.0774mmol)が、55h(74mg,0.0712mmol)及び2,5−ジオキソピロリジン−1−イル 6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノエート(33mg,0.107mmol)に添加され、得られた混合物は窒素下で室温で攪拌された。5.5時間後、追加の部分のDIPEA(0.9mg,0.00693mmol)及び2,5−ジオキソピロリジン−1−イル 6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノエート(4.4mg,0.0143mmol)が添加された。更に1時間後、追加の部分の2,5−ジオキソピロリジン−1−イル 6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノエート(8mg,0.0259mmol)が添加され、混合物は一晩−20℃に保たれた。15時間後、混合物は室温に温められ、追加の部分の2,5−ジオキソピロリジン−1−イル 6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノエート(4.4mg,0.0143mmol)が添加された。更に1時間後、追加の部分の2,5−ジオキソピロリジン−1−イル 6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノエート(7.5mg,0.0243mmol)が添加された。1時間後、ヘキサン:EtOAc95:5(25mL)、続いてDCM(5mL)が添加され、混合物は20分間撹拌された。この期間にわたり、溶液から固体が沈殿した。混合物を沈降させ、次いで溶媒がデカントされた。次いで、ヘキサン:DCM95:5が添加され、懸濁液は撹拌され、静置され、溶媒がデカントされ、固体は乾燥された。分取HPLCによる精製(カラム:Synergi−MAXRP4μ,21.20×250mm;流速:13ml/分;移動相A:H
2O/TFApH2.47,溶媒B:MeCN/H
2O90:10;方法:アイソクラチック、溶媒A:溶媒B35:65、35分;波長:254nm、330nm)は、淡黄色粉末として、N−((S)−1−((S)−1−(4−(((S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルオキシ)メチル)フェニルアミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イルアミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 55(13.7mg,17%,HPLC純度:92.5%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)10.35(s,1H),10.02(s,1H),8.19(s,1H),8.15(d,J=8.3Hz,1H),8.08(d,J=8.1Hz,2H),8.02(s,1H),7.86(s,1H),7.81−7.77(m,2H),7.66(d,J=8.5Hz,2H),7.57−7.53(m,1H),7.50−7.47(m,3H),7.40−7.36(m,1H),7.33−7.30(m,1H),6.99(s,2H),5.97(t,J=5.5Hz,1H),5.40(br s,2H),5.21(s,2H),4.42−4.32(m,3H),4.22−4.14(m,4H),4.03−3.98(m,2H),3.87−3.77(m,2H),3.34(t,J=7.0Hz,2H),3.07−3.05(m,2H),2.76−2.59(m,4H),2.22−2.08(m,2H),2.02−1.92(m,3H),1.74−1.57(m,2H),1.51−1.33(m,6H),1.23−1.14(m,3H),0.85(d,J=6.7Hz,3H),0.82(d,J=6.8Hz,3H).HRMSm/z1115.4170[(M−H)
+,C
59H
65Cl
2N
8O
10として計算:1115.4206].
【0196】
実施例6 N−((S)−1−((S)−1−(4−(((S)−1−(クロロメチル)−3−(6−((S)−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,5,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシ)ヘキサノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルオキシ)メチル)フェニルアミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イルアミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 56
(S)−tert−ブチル 8−(6−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−ニトロベンジルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−6−オキソヘキシルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート54g(829mg,1.00mmol)が(上記54hの合成について報告された方法により)対応するアニリンへ還元され(Zn/NH
4Cl)、乾燥DMA(3mL)に溶解された。この溶液に、(S)−2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−5−ウレイドペンタン酸(Fmoc−L−シトルリン,1.19g,3.00mmol)及び2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリンEEDQ(0.99g,4.00mmol)を乾燥DMA(4mL)中で室温で40分間攪拌することにより形成された混合物が添加された。最終反応混合物は室温で窒素雰囲気下で19時間撹拌された。混合物に水が注がれ室温で5時間撹拌された。固体が回収され、水で複数回洗浄され、乾燥させ、シリカカラムクロマトグラフィー(0−5%からのDCM−MeOH勾配)により精製され、ベージュ色の固体として、(S)−tert−ブチル 8−(6−((S)−5−(4−((S)−2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−6−オキソヘキシルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート 56a(0.91g,77%),mp 172
oC;
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ10.10(s,1H),8.22−8.11(m,2H),7.94−7.62(m,8H),7.59−7.46(m,3H),7.46−7.27(m,5H),7.04(s,1H),6.69(s,1H),6.39(br s,1H),5.99(t,J=5.6Hz,1H),5.51−5.32(m,3H),5.22(s,2H),4.42−3.90(m,10H),3.88−3.75(m,1H),3.79(s,3H),3.53−3.18(m,3H),3.15−2.87(m,2H),2.66−2.44(m,2H(DMSOピークにより部分的に不明瞭)),2.11−1.20(m,14H),1.31(s,9H)を得た。元素分析(C
65H
72ClN
7O
12・1/2H
2O)Calc:C,65.73;H,6.20;N,8.26.Found:C,65.64;H,6.19;N,8.27.
0℃で、窒素雰囲気下で、乾燥DMA(9mL)中のN−Fmoc56a(0.91g,0.77mmol)の攪拌溶液に、DMA(1.0mmol(mL溶液あたり))中のピペリジンの溶液(3.85mL,3.85mmol)が添加された。添加後、混合物はこの温度で2時間更に攪拌され、次いで、酢酸エチル−石油エーテル(1:10)(150mL)の混合物に注がれ、30分間0℃で撹拌された。溶媒は不溶性物質からデカントされ廃棄された。洗浄工程は、室温で追加の酢酸エチル−石油エーテル(1:3)(2x150mL)を用いて繰り返された。固体は回収され、酢酸エチル−石油エーテル(1:3)で洗浄され、乾燥され、無色の固体として、(S)−tert−ブチル 8−(6−((S)−5−(4−((S)−2−アミノ−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−6−オキソヘキシルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート 56b(0.73g,99%);mp 223
oC(dec.);
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ10.60−9.30(br s,3H),8.24−8.12(m,2H),7.84(d,J=8.2Hz,1H),7.70(d,J=8.5Hz,2H),7.54(brt,J=7.5Hz,1H),7.50(d,J=8.5Hz,2H),7.39(brt,J=7.6Hz,1H),7.04(s,1H),6.69(s,1H),6.39(br s,1H),5.93(t,J=5.7Hz,1H),5.47−5.28(m,3H),5.21(s,2H),4.36(t,J=10.8Hz,1H),4.28−4.13(m,2H),4.10−3.92(m,3H),3.90−3.77(m,1H),3.79(s,3H),3.54−3.20(m,3H(水ピークにより部分的に不明瞭)),3.06−2.89(m,2H),2.70−2.49(m,3H(DMSOピークにより部分的に不明瞭)),2.10−1.25(m,14H),1.31(s,9H)を得た。元素分析(C
50H
62ClN
7O
10・3/4H
2O)Calc:C,61.91;H,6.60;N,10.11.Found:C,62.05;H,6.96;N,10.08.
乾燥DMA(7mL)中のアミン56b(0.73g,0.763mmol)及び(S)−2,5−ジオキソピロリジン−1−イル2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−3−メチルブタノアート(Fmoc−Val−Osu,0.50g,1.15mmol)の混合物が室温で窒素雰囲気下で18時間攪拌された。溶媒は不溶性物質からデカントされ、洗浄工程は追加の酢酸エチル−石油エーテル(1:1)(2×100mL)を用いて繰り返された。無色の固体は乾燥され、(S)−tert−ブチル 8−(6−((S)−5−(4−((S)−2−((S)−2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−6−オキソヘキシルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート 56c(0.89g,91%);mp 191
oC(dec.);
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ10.11(s,1H),8.22−8.08(m,3H),7.92−7.81(m,3H),7.74(t,J=7.4Hz,2H),7.65(d,J=8.4Hz,2H),7.54(brt,J=7.2Hz,1H),7.48(d,J=8.4Hz,2H),7.46−7.35(m,4H),7.32(brt,J=7.4Hz,2H),7.04(s,1H),6.69(s,1H),6.39(br s,1H),5.97(br s,1H),5.47−5.34(m,3H),5.21(s,2H),4.53−4.13(m,7H),4.10−3.75(m,5H),3.79(s,3H),3.53−3.20(m,3H(水ピークにより部分的に不明瞭)),3.10−2.87(m,2H),2.69−2.45(m,2H(DMSOピークにより部分的に不明瞭)),2.10−1.25(m,15H),1.31(s,9H),0.88(d,J=6.8Hz,3H),0.85(d,J=6.7Hz,3H)を得た。元素分析(C
70H
81ClN
8O
13・3/4H
2O)Calc:C,65.10;H,6.44;N,8.68.Found:C,64.85;H,6.48;N,8.67.
0℃で、窒素雰囲気下で、乾燥DMA(6mL)中のN−Fmoc化合物56c(0.89g,0.70mmol)の攪拌溶液に、DMA中のピペリジンの溶液(1.0mmol(mL溶液あたり))(3.48mL,3.48mmol)が添加された。添加後、混合物はこの温度で1.5時間更に攪拌された。酢酸エチル−石油エーテル(1:10)(90mL)の混合物が添加され、混合物は0℃で10分間撹拌された。溶媒層は不溶性物質からデカントされ廃棄された。洗浄工程は、室温で追加の酢酸エチル−石油エーテル(1:2)(2x90mL)を用いて繰り返された。無色の固体が後に残され、(S)−tert−ブチル 8−(6−((S)−5−(4−((S)−2−((S)−2−アミノ−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−6−オキソヘキシルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート 56d(0.68g,93%)を得た;mp 225
oC(dec.);
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ10.16(s,1H(D
2Oと交換可能)),8.23−8.07(m,3H,D
2O交換後2H),7.84(d,J=8.2Hz,1H),7.65(d,J=8.5Hz,2H),7.59−7.45(m,3H),7.37(brt,J=7.5Hz,1H),7.04(s,1H),6.69(s,1H),6.38(br s,1H(D
2Oと交換可能)),5.96(t,J=5.8Hz,1H(D
2Oと交換可能)),5.45−5.30(m,3H,D
2O交換後d,1H,J=9.6Hz),5.21(s,2H),4.41(br s,D
2O交換後dd,J=8.4,5.4Hz,1H),4.36(brt,J=10.7Hz,1H),4.26−4.13(m,2H),4.10−3.91(m,3H),3.88−3.76(m,1H),3.79(s,3H),3.53−3.43(m,1H),3.41−3.20(m,2H),3.09−2.88(m,3H),2.70−2.50(m,2H(DMSOピークにより部分的に不明瞭)),2.10−1.20(m,15H),1.31(s,9H),0.88(d,J=6.9Hz,3H),0.79(d,J=6.8Hz,3H),2H(観測されず)。元素分析(C
55H
71ClN
8O
11・H
2O)Calc:C,61.53;H,6.85;N,10.44.Found:C,61.39;H,7.11;N,10.15.
乾燥DMA(6mL)中のアミン56d(0.68g,0.64mmol)及び2,5−ジオキソピロリジン−1−イル6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノアート(マレイミド−Osu,0.50g,1.61mmol)の混合物が、0℃で窒素雰囲気下で、1時間攪拌された。酢酸エチル−石油エーテルの混合物(1:2)(90mL)が添加され、混合物が0℃で15分間攪拌された。溶媒層は不溶性物質からデカントされ廃棄された。洗浄工程は、室温で追加の酢酸エチル−石油エーテル(1:1)(90mL)を用い、続いて純粋な酢酸エチル(50mL)を用いて繰り返された。後に残されたベージュ色の固体は乾燥され、(S)−tert−ブチル 8−(6−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−((S)−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−6−オキソヘキシルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート 52(0.72g,90%)を得た;HPLC:純度96.7%;mp 210
oC(dec.);
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ10.03(s,1H(D
2Oと交換可能)),8.23−8.11(m,2H),8.09(d,J=7.3Hz,(D
2Oと交換可能),1H),7.85(d,J=8.5Hz,1H),7.80(d,J=8.3Hz,H(D
2Oと交換可能),),7.66(d,J=8.6Hz,2H),7.59−7.44(m,3H),7.38(brt,J=7.6Hz,1H),7.04(s,1H),6.99(s,2H),6.69(s,1H),6.38(br s,1H(D
2Oと交換可能)),5.99(t,J=5.5Hz,1H(D
2Oと交換可能)),5.49−5.34(m,3H,D
2O交換後d,1H,J=9.5Hz),5.20(s,2H),4.44−4.30(m,2H),4.26−4.13(m,3H),4.10−3.91(m,3H),3.88−3.76(m,1H),3.79(s,3H),3.53−3.44(m,1H),3.41−3.20(m,4H(水ピークにより部分的に不明瞭)),3.09−2.88(m,2H),2.66−2.42(m,2H(DMSOピークにより部分的に不明瞭)),2.25−1.24(m,21H),1.31(s,9H),1.24−1.11(m,2H),0.86(d,J=6.8Hz,3H),0.82(d,J=6.7Hz,3H)を得た。元素分析(C
55H
71ClN
8O
11・H
2O)Calc:C,61.53;H,6.85;N,10.44.Found:C,61.39;H,7.11;N,10.15.
−10から−12℃(浴温度)で、DCM(10mL)中のN−
tBoc誘導体52(125mg,0.10mmol)の攪拌溶液に、TFA中の2.5%の水の溶液(10mL)が10分間かけて滴下された。添加後、混合物を3時間、更にこの温度で撹拌した。冷(−25℃)酢酸エチル−石油エーテル(1:10)(300mL)が添加され、続いて−10℃(浴温度)でNaHCO
3の飽和水溶液がゆっくり添加され、pH6−7を与えた。有機層が除去され、洗浄工程は、追加の酢酸エチル−石油エーテル(1:1)(300mL)を用いて繰り返された。固体が回収され、水及び酢酸エチルで複数回連続的に洗浄され、乾燥させ、淡黄色の固体(102mg)として粗生成物を得た。これは、分取HPLC[ジェネンテック]により精製され、N−((S)−1−((S)−1−(4−(((S)−1−(クロロメチル)−3−(6−((S)−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,5,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−8−イルオキシ)ヘキサノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルオキシ)メチル)フェニルアミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イルアミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 56(4.1mg,3.6%)を得た;
HRMS(ESI)m/zC
60H
72ClN
9NaO
11として計算:1152.4932, found :1152.4906[MNa
+].
C
60H
73ClN
9O
11として計算:1130.5113, found :1130.5077[MH
+].
【0197】
実施例7 (S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(ホスホノオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−メチルヘキサンアミド)エチル(メチル)カルバメート57
室温でDMF(5mL)中の(S)−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 51a(2.00g,5.99mmol)の溶液に、臭化ベンジル(7.13mL,59.90mmol)、ヨウ化カリウムKI(50mg,0.30mmol)及び炭酸カリウムK
2CO
3(4.14g,30.00mmol)が添加された。
図9を参照。混合物は2時間撹拌され、次いで酢酸エチルで希釈された。沈殿物が濾過された。濾液は酢酸エチルと水との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水及びかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、セライトを通して濾過した。溶媒はロータリーエバポレーターにより除去され、過剰の臭化ベンジルは排出された。得られた残留物は、溶離液として酢酸エチルと石油エーテルの混合物(V/V1:10)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製され、白色固体として、(S)−tert−ブチル 5−(ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 57a(1.97g,78%);mp 186−188℃を得た。
1H NMR(CDCl
3)δ8.29(d,J=8.3Hz,1H),7.86(br s,1H),7.65(d,J=8.29Hz,1H),7.55−7.49(m,3H),7.45−7.41(m,2H),7.38−7.31(m,2H),5.26(s,2H),4.26(br s,1H),4.13(t,J=10.8Hz,1H),4.00−3.92(m,2H),3.44(t,J=10.5Hz,1H),1.61(s,9H)ppm.LRMS(APCI) found m/z424.8(M+H).C
25H
27ClNO
3 requires 424.2.(Boger D., Ishizakilb T., Kitos P. and Suntornwat O., (1990) J. Org. Chem., 55, 5823-5832.)
酢酸エチル及び石油エーテルの混合物(v/v1:1)によるでさらなる溶出は、黄色油として、
図9に示されるシクロプロピル生成物(345mg,19%)を得た。(Lajiness J. and Boger D., (2011) J. Org. Chem., 76, 583-587.)
氷浴で冷却されたDCM(15mL)中の57aの溶液(1.60g,3.77mmol)に、ジオキサン中の4NのHCl(40mL)が添加された。混合物は室温まで温められ、3時間撹拌された。全ての揮発性成分は排出され、塩酸塩として、(S)−5−(ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール57bを得た。塩はTHF(15mL)に溶解され、氷浴中で冷却された。グルタル酸無水物(646mg,5.66mmol),DMAP(46mg,0.38mmol)及びピリジン(5mL)が添加され、得られた混合物は室温で4時間撹拌された。全ての揮発性成分が排出された後、残留物は希釈NaHCO
3水溶液に溶解され、酢酸エチルで3回洗浄された。水相は1NのHClを用いてpH2に酸性化され、酢酸エチルで3回抽出された。混合した酢酸エチル抽出物は水及びかん水で洗浄され、無水Na
2SO
4で乾燥させ、MeOH及び酢酸エチル(v/v 1:10)の混合物を用いたシリカゲルパッド洗浄を通して濾過された。溶媒が除去され、オフホワイトの固体として、(S)−5−(5−(ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタン酸 57c(978mg,59%)を得た。
−10℃で、THF(20mL)中の57cの溶液(978mg,2.23mmol)に、25%水性ギ酸アンモニウム(20mL)、続いてPd−C触媒(10%、湿潤、500mg)が添加され、混合物は7時間−10℃で撹拌された。追加のPd−C触媒(500mg)が添加され、その混合物は同じ温度で一晩撹拌された。
触媒はセライトを通して濾過され、セライトはTHFで洗浄された。THFは、濾液から排出され、残りの水溶液は酢酸エチルで3回抽出された。混合された抽出物を水及びかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、濾過した。溶媒を除去して、オフホワイトの固体として、(S)−5−(1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタン酸 53h(487mg,63%)を得た;
1H NMR(DMSO)δ12.08(br s,1H),10.35(br s,1H),8.08(d,J=8.0Hz,1H),7.98(s,1H),7.77(d,J=8.3Hz,1H),7.50−7.46(m,1H),7.33−7.29(m,1H),4.30(t,J=10.5Hz,1H),4.14−4.12(m,2H),3.98(dd,J=2.8,10.9Hz,1H),3.78(dd,J=7.8,10.8Hz,1H),2.63−2.54(m,2H),2.34(t,J=7.4Hz,2H),1.99−1.83(m,2H)ppm.LRMS(APCI) found m/z348.6(M+H).C
18H
19ClNO
4 requires 348.1.
THF(15mL)中の53hの溶液(500mg,1.44mmol)に、テトラゾール(アセトニトリル中に3%、51mL,17.25mmol)、続いてジ−tert−ブチル−N,N−ジイソプロピル ホスホルアミジット(5.73mL,17.25mmol)が添加された。混合物は室温で一晩撹拌され、次いで、氷浴中で冷却され、H
2O
2(30%水溶液,3.53mL,34.5mmol)が滴下された。得られた混合物は室温まで温められ、5時間撹拌された。反応物は、氷浴で冷却しながら10%水性亜硫酸ナトリウムの添加によりクエンチされた。有機揮発性物質はロータリーエバポレーターで除去され、懸濁油を含む水相を得た。石油エーテルが添加され、混合物は半時間攪拌された。形成されら沈殿物は濾過により回収され、水及び石油エーテルで洗浄され、真空下で乾燥させ、オフホワイトの泡として、(S)−5−(1−(クロロメチル)−5−(ジ−tert−ブトキシホスホリルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタン酸 57d(660mg,85%)を得た;
1H NMR(DMSO)δ12.07(br s,1H),8.56(s,1H),8.04(d,J=8.2Hz,1H),7.93(d,J=8.4Hz,1H),7.60−7.56(m,1H),7.50−7.46(m,1H),4.38(t,J=9.8Hz,1H),4.32−4.26(m,1H),4.20−4.18(m,1H),4.02(dd,J=2.9,11.0Hz,1H),3.90(dd,J=7.1,11.0Hz,1H),2.67−2.53(m,2H),2.34(t,J=7.4Hz,2H),1.87−1.78(m,2H),1.481及び1.476(2×s,18H)ppm.
31PNMR(DMSO)δ−15.46ppm.HRMS(ESI) found m/z562.1719(M+Na).C
26H
35ClNNaO
7P requires 562.1732.
氷浴中で冷却されたDCM(20mL)中の6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸(1.00g,4.73mmol)の懸濁液に、1滴のDMFが添加され、次いで塩化オキサリル(2.03mL,23.67mmol)が滴下された。
図10を参照。混合物は室温まで温められ、一晩攪拌され、暗褐色の溶液を得た。全ての揮発性成分は、ロータリーエバポレーター、次いで、高真空ポンプで除去された。得られた残留物はDCM(5mL)に溶解され、溶媒はロータリーエバポレーター、次いで、高真空ポンプで除去された。上記の溶解及び除去手順はもう一度繰り返され、暗褐色の油として粗6−マレイミドカプロイル塩化物を得た。氷浴中で冷却されたDCM(5mL)中のtert−ブチルメチル(2−(メチルアミノ)エチル)カルバメートの溶液(891mg,4.73mmol)に、上記で作製されたDCM(20mL)中の粗6−マレイミドカプロイル塩化物の溶液が滴下された。得られた混合物は室温まで温められ、一晩攪拌された。DCMは除去され、残留物は酢酸エチルに溶解された。溶液はNaHCO
3水溶液で洗浄し、冷たい5%クエン酸水溶液及びかん水で洗浄し、次いで、無水Na
2SO
4で乾燥させ、酢酸エチルを用いたシリカゲルパッド洗浄を通して濾過された。溶媒が除去され、褐色油として、tert−ブチル 2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−メチルヘキサンアミド)エチル(メチル)カルバメート57eを得た;
1H NMR(DMSO)(回転異性体の混合物)δ7.006&7.005(2×s,1H),3.39−3.36(m,4H),3.29−3.25(m,2H),2.92−2.75(m,6H,2NMe),2.21(t,J=7.38Hz,2H),1.50−1.44(m,4H),1.37(s,9H),1.24−1.16(m,2H)ppm.HRMS(ESI) found m/z382.2338(M+H).C
19H
32N
3O
5 requires 382.2336.
氷浴で冷却されたDCM(5mL)中の51eの溶液(274mg,0.72mmol)に、TFA(5mL)が滴下して添加された。混合物は同じ温度で2時間温められ、全ての揮発性成分はロータリーエバポレーター、次いで、高真空ポンプで除去された。得られた残留物、6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−メチル−N−(2−(メチルアミノ)エチル)ヘキサンアミド トリフルオロアセタート 57fはそのまま使用された。
室温で、51a(200mg,0.60mmol)がDCM(5mL)に溶解され、DIPEA(0.3mL,1.72mmol)、続いて4−ニトロフェニルクロロホルマート(145mg,0.72mmol)が添加され、(S)−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−5−((4−ニトロフェノキシ)カルボニルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 57gを形成した。混合物を5時間撹拌した後、DCM(5mL)中の粗い57f及びDIPEA(0.7mL,4.02mmol)の溶液が添加され、明るい黄色の溶液が得られ、これを一晩撹拌した。全ての揮発性成分が除去された。残留物は酢酸エチルに溶解され、5%アンモニア水溶液及びかん水で洗浄された。得られた粗物質は、酢酸エチル、DCM、及び石油エーテル(v/v/v 1:2:1)の混合物、続いて酢酸エチル及びDCM(v/v 1:2)を溶離液として使用するカラムクロマトグラフィーにより更に精製され、オフホワイトの固体として、(S)−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−5−((2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−メチルヘキサンアミド)エチル)(メチル)カルバモイルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 57hを得た;mp 53−56℃.
1H NMR(CDCl
3)(回転異性体の混合物)δ8.04(br s,1H),7.86−7.78(m,1H),7.72−7.68(m,1H),7.53−7.48(m,1H),7.40−7.34(m,1H),6.67(s,2H),4.25(br s,1H),4.46−4.10(m,1H),4.06−3.98(m,1H),3.92−3.72(明らかなd,J=11.2Hz,1H),3.72−3.42(m,7H),3.28,3.10,3.09,2.99(4×s,6H,2NMe),2.38−2.21(m,2H),1.67−1.54(m,4H),1.57(s,9H),1.33−1.25(m,2H)ppm.HRMS(ESI) found m/z641.2728(M+H).C
33H
42ClN
4O
7 requires 641.2737.
氷浴で冷却されたDCM(2mL)中の57hの溶液(110mg,0.17mmol)に、TFA(2mL)が滴下して添加された。混合物は同じ温度で2時間温められ、次いで、全ての揮発性成分が除去された。得られた残留物は、酢酸エチルと冷希釈NaHCO
3水溶液との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、セライトを通して濾過した。溶媒が除去され、黄色い固体として、(S)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−メチルヘキサンアミド)エチル(メチル)カルバメート 57i(86mg,92%)を得て、これが更に精製することなくそのまま使用された;
1H NMR(CDCl
3)(回転異性体の混合物)δ7.76(d,J=8.4Hz,1H),7.63−7.59(m,1H),7.48−7.41(m,1H),7.25−7.20(m,1H),6.79(s,1H),6.68(s,2H),4.01−3.94(m,1H),3.88−3.78(m,3H),3.74−3.68(m,2H),3.62−3.47(m,5H),3.28,3.10,3.06,3.00(4×s,6H,2NMe),2.38−2.21(m,2H),1.69−1.50(m,4H),1.33−1.25(m,2H)ppm.HRMS(ESI) found m/z541.2217(M+H).C
28H
34ClN
4O
5 requires 541.2212.
氷浴中で冷却されたDMA(3mL)中の57iの溶液(83mg,0.15mmol)に、(S)−5−(1−(クロロメチル)−5−(ジ−tert−ブトキシホスホリルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタン酸 57d(99mg,0.18mmol)、続いてEDCI塩酸塩(88mg,0.46mmol)、次いでp−トルエンスルホン酸(2.6mg,0.015mmol)が添加された。
図11を参照。混合物は室温まで温められ、一晩攪拌された。混合物は、酢酸エチルと冷希釈NaHCO
3水溶液との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、セライトを通して濾過した。溶媒は除去され、得られた残留物は石油エーテルで粉砕された。得られた固体は、DCM及びイソプロパノールから再沈殿され、黄色い固体として、(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(ジ−tert−ブトキシホスホリルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−メチルヘキサンアミド)エチル(メチル)カルバメート 57j(116mg,71%);mp 81℃(dec.)を得た。
1H NMR(CDCl
3)(回転異性体の混合物)δ8.63(s,1H),8.36(s,1H),8.23(d,J=8.5Hz,1H),7.89−7.82(m,1H),7.72−7.67(m,2H),7.54−7.50(m,2H),7.43−7.39(m,2H),6.66(s,2H),4.34−4.25(m,4H),4.10−4.05(m,2H),3.98−3.93(m,2H),3.72−3.69(m,2H),3.50−3.46(m,5H),3.28,3.10,3.09,2.99(4×s,6H,2NMe),2.79−2.73(m,2H),2.70−2.62(m,2H),2.38−2.32(m,1H),2.27−2.20(m,3H),1.67−1.54(m,3H),1.56(s,9H),1.55(s,9H),1.33−1.25(m,4H)ppm.
31PNMR(CDCl
3)δ−15.71ppm.HRMS(ESI) found m/z1084.3755(M+Na).C
54H
66Cl
2N
5NaO
11P requires 1084.3766.
氷浴で冷却されたDCM(1mL)中の57jの溶液(55mg,0.052mmol)に、TFA(1mL)が滴下して添加された。混合物は同じ温度で1.5時間温められ、次いで、全ての揮発性成分が除去された。得られた残留物は、DCM及び酢酸エチルから再沈殿され、灰色の固体として、(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(ホスホノオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−メチルヘキサンアミド)エチル(メチル)カルバメート 5733mg,67%,HPLC純度:89%)を得た;mp 191−194℃(dec.).
1H NMR(DMSO)(回転異性体の混合物)δ8.49(s,1H),8.23−8.21(m,1H),8.10(d,J=8.4Hz,1H),7.95−7.76(m,3H),7.59−7.53(m,2H),7.45−7.39(m,2H),6.97,6.96,6.94,6.90(4×s,2H(合計),マレイミド基),4.34−4.21(m,4H),4.06−4.01(m,2H),3.95−3.85(m,2H),3.71−3.61(m,2H),3.54−3.30(m,5H),3.23,3.18,3.04,3.00,2.97,2.95,2.89,2.85(8×s,6H (合計),2NMe),2.37−2.28(m,2H),2.19(d,J=7.4Hz,1H),2.00−1.95(m,2H),1.50−1.40(m,5H),1.25−1.15(m,5H)ppm.
31PNMR(DMSO)δ−5.79ppm.HRMS(ESI) found m/z972.2488(M+Na).C
46H
50Cl
2N
5NaO
11P requires 972.2514.
【0198】
実施例8 (S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−((S)−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート 58
CH
2Cl
2(80mL)中の(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−((S)−2−(S)−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 51a(3.338g,10mmol)、4−メチルピペラジン−1−カルボニルクロリド塩酸塩(5.98g,30mmol),Et
3N(3.5g,35mmol)及びDMAP(1.34g,11mmol)の混合物が室温で2日間攪拌された。
図12を参照。混合物は水で洗浄され、溶媒を乾燥させ、真空下で除去され、(S)−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−5−(4−メチルピペラジン−1−カルボニルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 58a(Boger D.L. et al, Synthesis, (1999), 1505-1509)を定量的収率で得た:mp 98℃;
1H NMR(CDCl
3)δ8.11(br,1H),7.84(d,J=8.4Hz,1H),7.70(d,J=8.4Hz,1H),7.50(ddd,J=8.2,6.9,1.1Hz,1H),7.37(ddd,J=8.1,6.9,1.0Hz,1H),4.34−4.20(m,1H),4.17−4.10(m,1H),4.01−3.98(m,1H),3.94(dd,J=9.6,2.4Hz,1H),3.87−3.80(br,2H),3.68−3.60(br,2H),3.47(t,J=10.8Hz,1H),2.57−2.48(m,4H),2.83(s,3H),1.58(s,9H);MS(APCI+)m/z461.2MH
+.元素分析CalcdforC
24H
30ClN
3O
4:C,62.7;H,6.6;N,9.1.Found:C,62.5;H,6.8;N,9.2%.
CH
2Cl
2(50mL)中の58aの溶液(2.30g,5mmol)が、0℃で4時間、過剰のトリフルオロ酢酸(TFA)で処理され、その混合物は冷NH
3水溶液で中和された。ヘキサンで希釈すると、固体の沈殿を生じ、これは濾過により回収され、水及びヘキサンで洗浄され、乾燥され、(S)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート 58b(1.60g,89%)を得た:mp 144−147℃;
1H NMR(CDCl
3)δ7.69(d,J=8.4Hz,1H),7.63(d,J=8.4Hz,1H),7.45(ddd,J=8.3,6.9,1.2Hz,1H),7.25(ddd,J=8.4,6.8,1.2Hz,1H),6.82(s,1H),5.30(s,1H),4.17−4.05(m,2H),4.03−3.96(m,2H),3.89−3.77(m,4H),3.54(t,J=10.9Hz,1H),3.20−2.90(m,4H),2.76(s,3H).元素分析CalcdforC
19H
22ClN
3O
2:C,63.4;H,6.2;N,11.7.Found:C,63.2;H,6.2;N,11.5%.
ジオキサン(30mL)中の溶液55a(4.689g,10mmol)はHCl(ジオキサン中に4M、10mL)で処理され、混合物は室温で一晩撹拌された。水酸化アンモニウムが添加され、溶媒が除去され、(S)−1−(クロロメチル)−5−(4−ニトロベンジルオキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール54fを得て、CH
2Cl
2(50mL)中のグルタル酸無水物(3.4g,30mmol)と混合された。0℃に冷却後、Et
3N(5.05g,50mmol)が添加され、混合物はゆっくりと温められ、室温で一晩撹拌された。希釈HClが添加されて固体を得て、これを濾過により回収し、水及びCH
2Cl
2で洗浄し、乾燥し、(S)−5−(1−(クロロメチル)−5−(4−ニトロベンジルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタン酸 58c(2.95g,61%)を得た:
1H NMR(DMSO−d
6)δ12.07(br s,1H),8.30(brd,J=8.8Hz,2H),8.24(d,J=8.1Hz,1H),8.17(s,1H),7.89−7.85(m,3H),7.57(ddd,J=8.2,6.9,1.1Hz,1H),7.43(ddd,J=8.1,7.1,1.0Hz,1H),5.46(s,2H),4.34(t,J=9.7Hz,1H),4.25−4.13(m,2H),4.01(dd,J=11.0,2.8Hz,1H),3.85(dd,J=10.9,7.4Hz,1H),2.66−2.57(m,1H),2.55−2.46(m,1H),2.35(t,J=7.3Hz,2H),1.87−1.79(m,2H).
DMA(25mL)中の58b(1.33g,3.7mmol)と58c(1.63g,3.38mmol)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI.HCl,3.26g,17.0mmol)の混合物が室温で一晩撹拌された。混合物はNaHCO
3水溶液で希釈され、得られた沈殿物は水及びメタノールで連続的に洗浄され乾燥された。シリカ上でクロマトグラフィー処理され、最初にEtOAc/MeOH9:1、次いでEtOAc/MeOH4:1で溶出され、(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−ニトロベンジルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート 58d(0.98g,35%)を得た:
1H NMR(CDCl
3)δ8.35(s,1H),8.33−8.27(m,3H),8.17(s,1H),7.85(d,J=8.3Hz,1H),7.73−7.68(m,4H),7.58−7.49(m,2H),7.45−7.38(m,2H),5.33(q,J=13.0Hz,2H),4.39−4.27(m,4H),4.14−4.06(m,2H),4.01−3.95(m,2H),3.83−3.77(m,2H),3.64−3.59(m,2H),3.48(dt,J=10.5,7.3Hz,2H),2.85−2.65(m,4H),2.55−2.47(m,4H),2.38(s,3H),2.28−2.21(m,2H).
0℃で、THF(35mL)、MeOH(15mL)及び水(5mL)の混合物中の58dの懸濁液(0.41g,5mmol)は、アルミニウムアマルガム(2g)で処理され、撹拌した混合物は3時間かけて室温まで温められた。MeOHで希釈した後、混合物はセライトを通じて濾過され、濾液は蒸発乾固され、(S)−3−(5−((S)−5−(4−アミノベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート 58e(0.31g,78%)を得て、これが次の工程で直接使用された:
1H NMR(CDCl
3)δ8.37(s,1H),8.26(d,J=8.2Hz,1H),8.18(s,1H),7.86(d,J=8.3Hz,1H),7.67(d,J=8.3Hz,1H),7.60(d,J=8.3Hz,1H),7.49−7.43(m,2H),7.39(brt,J=7.6Hz,1H),7.34−7.26(m,3H),6.68(d,J=8.3Hz,2H),5.10(q,J=10.9Hz,2H),4.32−4.15(m,4H),4.07−3.97(m,2H),3.94−3.90(m,2H),3.86−3.79(m,2H),3.66−3.60(m,2H),3.50−3.40(m,2H),2.77−2.58(m,4H),2.56−2.48(m,4H),2.27(s,3H),2.22−2.14(m,2H).
2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ,0.58g,2.3mmol)及び(S)−2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−5−ウレイドペンタン酸(Fmoc−L−citrulline,0.69g,1.7mmol)の混合物は、全固体が溶解するまで10分間窒素下で乾燥DMA中で攪拌された。
図13を参照。粗い58e(0.31g,0.39mmol)が添加され、撹拌が一晩続けられた。混合物はEtOAcで希釈され、水が添加され、生成物を沈殿させ、これを濾過により回収し、沸騰するMeOH中で粉砕しし、粗い(S)−3−(5−((S)−5−(4−((S)−2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル−4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート 58f(0.62g,>100%)を得て、これが室温で30分間、乾燥DMF(20mL)中のピペリジン(50mg,0.59mmol)で処理された。EtOAc、ヘキサン及び水で希釈すると、沈殿物が得られ、これは濾過により回収され、ヘキサン及び水で洗浄され、粗い(S)−3−(5−((S)−5−(4−((S)−2−アミノ−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル−4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート 58g(0.33g,89%,HPLCにより純度85%)を得て、これが乾燥DMA(10mL)中のFmoc−Val−OSu(N−α−Fmoc−L−バリンN−ヒドロキシスクシンイミドエステル0.23g,0.53mmol)の1.5当量で一晩処理された。EtOAc及び水で希釈して固体が得られ、これは濾過により回収され、乾燥され、粗い(S)−3−(5−((S)−5−(4−((S)−2−((S)−2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル−4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート 58h(0.38g,85%)を得た:
1H NMR(DMSO−d
6)δ10.11(s,1H),8.24−8.11(m,3H),7.96(d,J=8.4Hz,1H),7.90−7.80(m,4H),7.74(t,J=7.4Hz,2H),7.65(d,J=8.4Hz,2H),7.61−7.53(m,2H),7.50−7.36(m,6H),7.32(t,J=7.5Hz,2H),5.97(t,J=5.4Hz,1H),5.40(s,2H),5.20(s,2H),4.44−4.19(m,9H),4.08−3.81(m,5H),3.74−3.70(br,2H),3.50−3.42(br,2H),3.07−2.89(m,2H),2.77−2.55(m,4H),2.52−2.36(m,4H),2.25(s,3H),2.03−1.94(m,3H),1.76−1.53(m,2H),1.49−1.30(m,2H),0.87(dd,J=11.2,6.8Hz,6H).
粗い58h(0.38g,0.3mmol)を、1時間室温でDMF中でピペリジンと反応させ、混合物はEtOAc及び水で希釈され、固体が得られ、これが回収され、乾燥され、(S)−3−(5−((S)−5−(4−((S)−2−((S)−2−アミノ−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート 58i(0.23g,73%,HPLCにより純度83%)を得た:
1H NMR(CDCl
3)δ9.34(br,1H),8.35(br s,1H),8.28(d,J=8.1Hz,1H),8.14(s,1H),8.02(s,1H),7.86(d,J=8.2Hz,1H),7.75(d,J=7.5Hz,1H),7.70(d,J=7.6Hz,1H),7.65−7.60(m,2H),7.54−7.47(m,2H),7.46−7.33(m,4H),7.29(td,J=7.4,1.3Hz,1H),5.20(br s,2H),5.17−5.09(m,1H),4.82−4.73(m,1H),4.59−4.50(m,1H),4.33−4.15(m.3H),4.07−4.01(m,1H),3.98−3.90(m,2H),3.86−3.76(m,3H),3.65−3.57(m,2H),3.55−3.39(m,3H),3.25(br s,1H),2.81−2.60(m,3H),2.59−2.41(m,6H),2.37(s,3H),2.27−2.16(m,3H),1.55−1.48(m,2H),0.98(d,J=6.7Hz,3H),0.83(d,J=6.6Hz,3H).
乾燥DMF(10mL)中の粗い58i(0.105g,0.1mmol)及び2,5−ジオキソピロリジン−1−イル6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸(62mg,0.2mmol)の混合物が室温で一晩撹拌され、混合物はEtOAc及び水で希釈され、固体が得られ、これが回収されて乾燥され、粗物質(70mg,HPLCにより純度71%)が得られ、これがprep−HPLCにより精製され、(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−((S)−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート 58を得た。MSm/z1243.4[(M+H)
+,C
65H
76Cl
2N
10O
11として計算:1243.5].
【0199】
実施例9 (S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−((S)−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル−二水素リン酸塩 59
DMF(10mL)中の(S)−tert−ブチル−5−(4−((S)−2−((S)−2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 55(1.00g,1.09mmol)の溶液に、ピペリジン(1.08mL,10.90mmol)が添加された。
図14を参照。混合物は室温で2時間温められ、次いで、全ての揮発性成分が排出された。得られた残留物はエーテルで粉砕され、白色固体として、(S)−tert−ブチル 5−(4−((S)−2−((S)−2−アミノ−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 59a(700mg,92%)を得た。
1H NMR(DMSO)δ10.17(s,1H),8.17(d,J=8.0Hz,1H),8.12(d,J=8.4Hz,1H),7.82(d,J=8.4Hz,1H),7.66(d,J=8.6Hz,2H),7.55−7.49(m,3H),7.37−7.33(m,1H),5.98(t,J=5.7Hz,1H),5.41(s,2H),5.22(s,2H),4.51−4.48(m,1H),4.19−3.98(m,4H),3.84−3.80(m,1H),3.08−2.90(m,3H),1.99−1.91(m,2H),1.75−1.65(m,2H),1.55(s,9H),1.49−1.33(m,2H),0.89(d,J=6.8Hz,3H),0.80(d,J=6.8Hz,3H)ppm.
DMSO(10mL)中の59a(688mg,0.99mmol)、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸(SuOMC,320mg,1.04mmol)及びDIPEA(190μL,1.09mmol)の混合物は一晩室温で攪拌された。全ての揮発性成分排出された。得られた残留物は酢酸エチルで粉砕され、オフホワイトの固体として、(S)−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−5−(4−((S)−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 59b(832mg,95%)を得た。
1H NMR(DMSO)δ10.03(s,1H),8.13−8.08(m,2H),7.83−7.79(m,2H),7.66(d,J=8.4Hz,2H),7.55−7.48(m,3H),7.35(t,J=7.5Hz,1H),6.99(s,2H),5.97(t,J=5.4Hz,1H),5.41(s,2H),5.21(s,2H),4.43−4.38(m,1H),4.22−3.98(m,4H),3.84−3.80(m,1H),3.38−3.33(m,3H),3.08−2.90(m,2H),2.24−2.06(m,2H),2.01−1.91(m,1H),1.74−1.14(m,10H),1.55(s,9H),0.86(d,J=6.8Hz,3H),0.83(d,J=6.7Hz,3H)ppm.HRMS(ESI) found m/z910.3897(M+Na).C
46H
58ClN
7NaO
9 requires 910.3877.
氷浴で冷却されたDCM(2mL)中の57bの懸濁液(100mg,0.11mmol)に、TFA(2mL)が添加された。混合物は3時間氷浴中で攪拌された。全ての揮発性成分が排出された。得られた残留物はTHFに溶解され、酢酸エチルと冷5%アンモニア水溶液との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物は、水及びかん水で洗浄され、無水Na
2SO
4で乾燥され、セライトを通じて濾過され、溶媒が除去され、緑がかった茶色の固体として、N−((S)−1−((S)−1−(4−(((S)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルオキシ)メチル)フェニルアミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イルアミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 59c(80mg,90%)が得られ、これが直接使用された。
1H NMR(DMSO)δ10.02(s,1H),8.09−8.07(m,1H),7.99(d,J=8.3Hz,1H),7.80(d,J=8.5Hz,1H),7.65(d,J=8.3Hz,2H),7.56(d,J=8.3Hz,1H),7.45(d,J=8.4Hz,2H),7.38(t,J=7.1Hz,1H),7.09(t,J=7.4Hz,1H),6.99(s,2H),5.97(br s,1H),5.41(s,2H),5.16(s,2H),4.46−4.35(m,1H),4.21−4.17(m,1H),3.96−3.87(m,1H),3.84−3.80(m,1H),3.70−3.65(m,1H),3.60−3.49(m,1H),3.38−3.33(m,3H),3.06−2.92(m,2H),2.22−2.08(m,2H),2.02−1.92(m,1H),1.75−1.14(m,10H),0.86(d,J=6.7Hz,3H),0.82(d,J=6.7Hz,3H)ppm.HRMS(ESI) found m/z810.3332(M+Na).C
41H
50ClN
7NaO
7 requires 810.3352.
室温で、DMA(3mL)中の59c(75mg,0.095mmol)及び(S)−5−(1−(クロロメチル)−5−(ジ−tert−ブトキシホスホリルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタン酸 57d(62mg,0.11mmol)の溶液に、EDCI塩酸塩(40mg,0.21mmol)、次いで、パラ−トルエンスルホン酸(1.6mg,0.0095mmol)が添加された。混合物を5時間撹拌した後、更なるEDCI塩酸塩(35mg,0.18mmol)が添加され、混合物は一晩撹拌された。全ての揮発性成分排出された。得られた残留物はTHFに溶解され、酢酸エチルと冷希釈NaHCO
3水溶液との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物は、水及びかん水で洗浄され、無水Na
2SO
4で乾燥され、セライトを通じて濾過され、溶媒が除去され、茶色い固体として、ジ−tert−ブチル−(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−((S)−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル−リン酸 59(104mg,83%)が得られ、これが直接使用された。
1H NMR(DMSO)δ10.03(s,1H),8.60(s,1H),8.19−7.38(m,14H),6.87(s,2H),5.97(br s,1H),5.40(s,2H),5.20(br s,2H),4.45−3.82(m,10H),3.38−3.33(m,3H),3.07−2.90(m,2H),2.75−2.50(m,2H),2.20−2.08(m,4H),2.02−1.92(m,2H),1.75−1.10(m,12H),1.48(s,18H),0.86−0.82(m,6H)ppm.
31PNMR(DMSO)δ−15.46ppm.HRMS(ESI) found m/z1331.5071(M+Na).C
67H
83Cl
2N
8NaO
13P requires 1331.5086.
氷浴で冷却されたDCM(2mL)中の59dの懸濁液(95mg,0.073mmol)に、TFA(1mL)が添加された。混合物は1.5時間氷浴中で攪拌された。全ての揮発性成分が排出された。得られた残留物は酢酸エチルで粉砕され、青灰色の固体(77mg,90%)が得られ、更に分取HPLC(カラム:Synergi−MaxRP4μ,250×21.20mm:移動相:A/B=30:70(A:H
2O−TFApH2.56,B:90%水中のアセトニトリル);流速13mL/分)により精製され、オフホワイトの固体として、(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−((S)−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル−二水素リン酸塩59(5mg,HPLC純度97%)を得た。
1H NMR(DMSO)δ10.04(s,1H),8.49(s,1H),8.19−8.09(m,4H),7.87−7.81(m,2H),7.66(d,J=8.5Hz,2H),7.56−7.48(m,4H),7.40−7.36(m,2H),6.98(s,2H),6.01(br s,1H),5.43(br s,2H),5.22(s,2H),4.42−3.34(m,2H),4.25−4.12(m,4H),4.03−3.98(m,2H),3.88−3.81(m,2H),3.38−3.33(m,3H),3.10−2.90(m,2H),2.75−2.55(m,4H),2.20−2.08(m,2H),2.00−1.92(m,2H),1.75−1.10(m,12H),0.88−0.81(m,6H)ppm.
31PNMR(DMSO)δ−5.60ppm.HRMS(ESI) found m/z1219.3794(M+Na).C
59H
6
7Cl
2N
8NaO
13P requires 1219.3834.
【0200】
実施例10 N−((S)−1−((S)−1−(4−(((S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルオキシ)メチル)フェニルアミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イルアミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 60
(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−((S)−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル−二水素リン酸塩 59は酵素的に脱リン酸化され、60を得た。
【0201】
実施例11 2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エチル(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(ホスホノオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル カルバメート 61
乾燥DCM(30mL)中のトリホスゲンの溶液(136mg,0.458mmol)が、(S)−tert−ブチル−5−アミノ−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 61a(150mg,0.451mmol)及びDMAP(386mg,3.16mmol)の混合物に室温で添加された。
図15を参照。45分後に、DCM(10mL)中の2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エタノール(Chem.Eur.J.(2006)12:3655−3671)の溶液(350mg,1.87mmol)が添加され、反応混合物は一晩撹拌された。20時間後、混合物をMeOH(30mL)で希釈し、溶媒を真空下で除去した。ヘキサン:DCM100:0から0:100、次いでDCM:EtOAc100:0から95:5を使用するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる精製は、化合物61bと出発物質2−(ピリジン−2−イルジスルホニル)エタノールの混合物(389mg)を得た。この混合物が次の工程で使用された。DMF(1.5mL)中のTBDMSCl(262mg,1.74mmol)の溶液が、0℃で、DMF(4mL)中の生成物61b、2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エタノール及びイミダゾール(118mg,1.74mmol)に添加された。混合物は室温に温められ、45分間撹拌され、次いでEtOAc及びH
2Oで希釈された。この層は分離され、有機層をH
2O(3×)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を真空下で除去した。ヘキサン:DCM50:50から0:100、次いでDCM:EtOAc98:2から94:6を使用したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる精製は、淡黄色の泡状固体として、(S)−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−5−((2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エトキシ)カルボニルアミノ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 61b(190mg,77%、61aから2工程かけて)を得た。
1H NMRδ(400MHz,CDCl
3)8.49(br s,1H),8.48−8.47(m,1H),7.84(d,J=8.4Hz,1H),7.71(t,J=7.0Hz,2H),7.63(t,J=7.3Hz,1H),7.54−7.50(m,1H),7.40(ddd,J=8.2,6.8,1.1Hz,1H),7.09(ddd,J=7.3,4.9,1.0Hz,1H),6.93(br s,1H),4.48(t,J=6.3Hz,2H),4.31−4.27(m,1H),4.15−4.10(m,1H),4.04−3.98(m,1H),3.91(dd,J=11.1,2.4Hz,1H),3.45(t,J=10.7Hz,1H),3.13(t,J=6.3Hz,2H),1.60(s,9H).
0℃で、DCM(9.5mL)中の61b(180mg,0.330mmol)の溶液に、TFA(4.8mL)がゆっくりと添加され、混合物はこの温度で1時間撹拌された。次いで、反応混合物はDCM及びH
2Oで希釈され、pHが7−8になるまで飽和NaHCO
3水溶液で中和された。層は分離され、有機層をH
2O(1×)で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、溶媒を真空下で除去し、黄色の固体として、(S)−2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エチル−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルカルバメート 61c(113mg,77%)が得られ、これは精製せずに次の工程で使用された。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)9.52(s,1H),8.48−8.46(m,1H),7.88(d,J=8.4Hz,1H),7.83−7.78(m,2H),7.64(d,J=8.2Hz,1H),7.39(ddd,J=8.1,6.9,1.0Hz,1H),7.25(ddd,J=6.5,4.8,2.2Hz,1H),7.14(ddd,J=8.2,6.8,1.0Hz,1H),7.09(s,1H),5.94(br s,1H),4.33(t,J=6.2Hz,2H),4.02−3.96(m,1H),3.85(dd,J=10.8,3.5Hz,1H),3.70(t,J=9.3Hz,1H),3.63−3.55(m,2H),3.18(t,J=6.1Hz,2H).
DMA(6mL)中の(S)−5−(1−(クロロメチル)−5−(ジ−tert−ブトキシホスホリルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタン酸 57d(135mg,0.250mmol)の溶液が、室温で窒素下で、61c(110mg,0.247mmol)及びEDCI.HCl(116mg,0.605mmol)の混合物に添加され、その混合物は一晩撹拌された。18.5時間後、DMA(0.5mL)中の57d(40mg,0.0741mmol)及び固体EDCI.HCl(28.4mg,0.148mmol)の追加溶液が、窒素下、室温で攪拌された。更に6時間後、DMA(0.5mL)中の57d(7mg,0.0130mmol)の追加部分及び固体EDCI.HCl(24mg,0.125mmol)が添加され、混合物は更に2日間と16.5時間攪拌された。次いで、混合物はH
2Oで希釈され、固体が沈殿した。固体は、濾過により回収され、H
2O、飽和NaHCO
3水溶液、H
2O及びヘキサンで洗浄された。固体はEtOAcに溶解され、溶液を飽和NaHCO
3水溶液(3×)及びH
2O(1×)で洗浄し、次いで乾燥し(Na
2SO
4)、溶媒を真空下で除去した。次いで固体はDCMに再溶解され、更なる飽和NaHCO
3水溶液(3×)で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、溶媒を真空下で除去した。固体は、ヘキサン:EtOAc95:5から90:10で粉砕され、ベージュ色の固体として、2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エチル(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(ジ−tert−ブトキシホスホリルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルカルバメート 61d(117mg,HPLC純度:86.1%)が得られ、これは精製せずに次の工程で使用された。HRMSm/z989.2289[(M+Na)
+,C
47H
53Cl
2N
4NaO
8PS
2として計算:989.2312].
TFA(1mL)が、0℃でDCM(2mL)中の61dの撹拌溶液に滴下され、混合物は70分間この温度で撹拌された。次いで、溶媒は25℃にて真空下で除去された。得られた黒色残留物はDCMに溶解され、溶液はEtOAcで希釈された。DCMは真空下で除去され、EtOAc中の懸濁液を得た。固体が濾過により回収され、EtOAcとヘキサンで粉砕され、乾燥し、緑色の固体を得た。これは、分取HPLC(カラム:Synergi−MAXRP4μ,21.20×250mm;流速:12ml/分;移動相:溶媒A:H
2O/TFApH2.6,溶媒B:MeCN/H
2O90:10;方法:勾配,溶媒A:溶媒B60:40から2:98,24分;波長:254nm,330nm)により更に精製され、61が得られた(16mg,8%、61cから2工程かけて、HPLC純度:97.2%)。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)9.69(s,1H),8.57−8.46(m,3H),8.09(d,J=8.3Hz,1H),8.01(d,J=8.5Hz,1H),7.91(dd,J=8.3,2.4Hz,2H),7.82(d,J=3.3Hz,2H),7.59−7.52(m,2H),7.47−7.40(m,2H),7.27−7.23(m,1H),4.42−4.22(m,8H),4.06−4.01(m,2H),3.90(td,J=11.2,7.4Hz,2H),3.19(t,J=6.0Hz,2H),2.77−2.59(m,4H),2.01−1.94(m,2H).2つのプロトンは観測されなかった。
31PNMRδ(400MHz,DMSO−d
6)−6.01.HRMSm/z877.1053[(M+Na)
+,C
39H
37Cl
2N
4NaO
8PS
2として計算:877.1060].[α]
D24=−42.3
o(c=0.213,DMSO).
【0202】
実施例12 2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)プロピル(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(ホスホノオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルカルバメート 62
トリエチルアミン、Et
3N(0.92mL,6.62mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.03mL,6.11mmol)が、0℃で、DCM(160mL)中の51a(1.70g,5.09mmol)の溶液に添加された。
図16を参照。反応物を、20分間、0℃で攪拌し、次いで、H
2Oで希釈し、層を分離し、水層をDCM(1×)で抽出した。混合した有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、溶媒を真空下で除去した。ヘキサン:EtOAc100:0から95:5を用いたシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる精製により、ベージュ色の泡状固体として、(S)−tert−ブチル−1−(クロロメチル)−5−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 62a(2.20g,93%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,CDCl
3)8.30(br s,1H),8.03(d,J=8.5Hz,1H),7.76(d,J=8.4Hz,1H),7.62−7.59(m,1H),7.53−7.49(m,1H),4.32(br s,1H),4.21−4.15(m,1H),4.09−4.03(m,1H),3.92(dd,J=11.2,2.8Hz,1H),3.54−3.49(m,1H),1.61(s,9H).
乾燥THF(60mL)中の62a(2.15g,4.61mmol)の溶液が、窒素下で、密封管中で、Cs
2CO
3(2.10g,6.44mmol),BINAP(430mg,0.690mmol)及びPd(OAc)
2(155mg,0.690mmol)の混合物に添加された。ジフェニルメタンアミン(1.0mL,5.98mmol)が反応混合物に添加され、10分間混合物に窒素がバブリングされた。密封されたチューブは、4日間、60−65℃で加熱された。次いで、反応混合物を室温に冷却し、DCMで希釈し、セライトを通して濾過し、洗浄液に色が存在しなくなるまでセライトプラグをDCMで洗浄し、濾液を真空下で蒸発させた。ヘキサン:DCM100:0から50:50を用いたシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる残留物の精製により、黄色泡状固体として、(S)−tert−ブチル−1−(クロロメチル)−5−(ジフェニルメチレンアミノ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 53f(2.09g,91%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)7.85(d,J=8.4Hz,1H),7.80(d,J=8.4Hz,1H),7.75(d,J=7.3Hz,2H),7.61−7.57(m,1H),7.54−7.49(m,3H),7.37−7.33(m,1H),7.30−7.23(m,3H),7.06(d,J=6.7Hz,2H),4.14−4.02(m,2H),3.99−3.94(m,2H),3.77(dd,J=10.8,7.4Hz,1H),1.46(s,9H),1H(観測されず)。HRMSm/z497.1984[(M+H)
+,C
31H
30ClN
2O
2として計算:497.1990].[α]
D28=−101.5
o(c=0.995,DCM).
室温(r.t.)でTHF及びH
2O(195mL/98mL)中53f(1.30g,2.62mmol)の攪拌溶液に、氷酢酸、HOAc(65mL)が添加され、混合物が一晩撹拌された。18時間後、反応混合物は真空下で濃縮され、30℃以上に加熱することなく、ほとんどのTHFを除去した。次いで、混合物はEtOAc(200mL)で希釈され、有機層が分離され、飽和NaHCO
3水溶液で洗浄され(4×、洗浄液のpHが8になるまで)、乾燥され(Na
2SO
4)、溶媒は真空下で除去された。ヘキサン:DCM100:0から90:10を用いたシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる残留物の精製により、黄色泡状固体として、(S)−tert−ブチル−5−アミノ−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 61a(503mg,58%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)8.01(d,J=8.4Hz,1H),7.64(d,J=8.0Hz,1H),7.40(ddd,J=8.1,6.8,0.9Hz,1H),7.36(br s,1H),7.20(ddd,J=8.1,6.8,1.1Hz,1H),5.91(s,2H),4.11−3.91(m,4H),3.66(dd,J=10.6,8.2Hz,1H),1.53(s,9H).
乾燥THF(10mL)中の2−メルカプトプロパン酸(3.02g,28.5mmol)の溶液が、0℃で乾燥THF(40mL)中のLiAlH
4(1.29g,34.0mmol)の攪拌懸濁液に滴下された。反応混合物は室温に温められ、3時間撹拌された。次いで、混合物を0℃に冷却し、H2O(5mL)及び5%NaOH水溶液(3mL)でクエンチされた。混合物は0℃で20分間攪拌され、セライトを通じて濾過し、セライトプラグはEt
2O(3x)で洗浄し、混合した有機物は乾燥され(Na
2SO
4)、濾過され、溶媒が除去されて、2−メルカプトプロパン−1−オール(944mg)を得て、これは精製せずに次の工程で使用された。MeOH(7mL)中の1,2−ジ(ピリジン−2−イル)ジスルファン(Bioorg. Med. Chem. Lett. (2011) 21:4985-4988.)(470mg,5.10mmol)の溶液が室温でMeOH(4mL)中の2−メルカプトプロパン−1−オールの溶液に添加され、混合物は一晩攪拌された。17.5時間後、溶媒を真空下で除去した。ヘキサン:DCM50:50から0:100、次いでDCM:EtOAc99:1から75:25を使用するアルミナ(中性)上のカラムクロマトグラフィーによる精製により、黄色油として、2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)プロパン−1−オール(528mg,18%,2−メルカプトプロパン酸から2工程かけて)を得た。
1H NMRδ(400MHz,CDCl
3)8.50(ddd,J=5.0,1.8,0.9Hz,1H),7.57(ddd,J=8.0,7.4,1.8Hz,1H),7.39(td,J=8.1,1.0Hz,1H),7.15(ddd,J=7.4,5.0,1.1Hz,1H),5.93(dd,J=8.8,5.8Hz,1H),3.68(ddd,J=12.5,8.8,3.8Hz,1H),3.40(ddd,J=12.4,7.8,5.8Hz,1H),3.14−3.06(m,1H),1.31(d,J=6.9Hz,3H).
乾燥DCM(40mL)中のトリホスゲンの溶液(127mg,0.428mmol)が、61a(250mg,0.751mmol)及びDMAP(551mg,4.51mmol)の混合物に室温で添加された。すぐに黄色い固体が沈殿した。30分後に、DCM(6mL)中の2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)プロパン−1−オール(420mg,2.09mmol)の溶液が添加され、沈殿物は溶解された。反応混合物は一晩攪拌したままにした。18時間後、1MのNaOH(30mL)が添加され、混合物は撹拌された。次いで、層は分離され、有機層は乾燥され(Na
2SO
4)、MeOH(15mL)で希釈され、シリカゲルに吸収された。生成物は、ヘキサン:DCM100:0から50:50から0:100、次いでDCM:EtOAc99:1から92:8を使用して溶出された。次いで、物質は、ヘキサン:DCM100:0から50:50から0:100、次いでDCM:EtOAc98:2から95:5を使用して、シリカゲル上で再びクロマトグラム処理された。これは、62b及び2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)プロパン−1−オール(385mg)を得た。この混合物が次の工程で使用された。DMF(1mL)中のTBDMSCl(81mg,0.535mmol)の溶液が、0℃で、DMF(2mL)中の62b及び2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)プロパン−1−オール、及びイミダゾールの攪拌混合物に添加された。混合物は室温に温められ、50分間撹拌され、次いでEtOAc及びH
2Oで希釈された。混合物は攪拌され、層が分離され、有機層をH
2O(3×)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を真空下で除去した。ヘキサン:DCM50:50から0:100、次いでDCM:EtOAc95:5から94:6を使用したシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる精製は、淡黄色の泡状固体として、(1S)−tert−ブチル−1−(クロロメチル)−5−((2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)プロポキシ)カルボニルアミノ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 62b(295mg,70%、61aから2工程かけて)を得た。
1H NMRδ(400MHz,CDCl
3)8.49(br s,1H),8.46(ddd,J=4.8,1.7,0.8Hz,1H),7.86(d,J=8.4Hz,1H),7.75−7.73(m,2H),7.64−7.60(m,1H),7.54(ddd,J=8.1,6.9,1.0Hz,1H),7.42(ddd,J=8.2,6.8,1.1Hz,1H),7.08(ddd,J=7.4,4.9,0.8Hz,1H),6.97(br s,1H),4.37−4.28(m,3H),4.17−4.11(m,1H),4.05−3.99(m,1H),3.92(dd,J=11.1,2.5Hz,1H),3.47(t,J=10.7Hz,1H),3.38−3.30(m,1H),1.62(s,9H),1.41(d,J=6.9Hz,3H).HRMSm/z582.1265[(M+Na)
+,C
27H
30ClN
3NaO
4S
2として計算:582.1258].
0℃で、DCM(14mL)中の62b(285mg,509mmol)の溶液に、TFA(7mL)がゆっくりと添加され、混合物はこの温度で1時間撹拌された。次いで、反応混合物はDCM及びH
2Oで希釈され、pHが7になるまで飽和NaHCO
3水溶液で中和された。層は分離され、有機層をH
2O(1×)で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、溶媒を真空下で除去し、黄色の固体として、(S)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルカルバメート 2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)プロピル 62c(220mg,94%)が得られ、これは精製せずに次の工程で使用された。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)9.52(s,1H),8.45(ddd,J=4.8,1.7,0.8Hz,1H),7.88(d,J=8.5Hz,1H),7.85−7.83(m,1H),7.79−7.75(m,1H),7.64(d,J=8.2Hz,1H),7.39(ddd,J=8.1,6.8,1.0Hz,1H),7.23(ddd,J=7.3,4.8,1.0Hz,1H),7.15(ddd,J=8.1,6.8,1.0Hz,1H),7.08(s,1H),5.93(br s,1H),4.24−4.13(m,2H),4.02−3.96(m,1H),3.85(dd,J=10.8,3.5Hz,1H),3.70(t,J=9.3Hz,1H),3.63−3.55(m,2H),3.43−3.36(m,1H),1.34(d,J=6.9Hz,3H).
DMA(10mL)中の(S)−5−(1−(クロロメチル)−5−(ジ−tert−ブトキシホスホリルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタン酸 57d(365mg,0.676mmol)の溶液が、62c(215mg,0.467mmol)及びEDCI.HCl(268mg,1.40mmol)の混合物に室温で添加された。TsOHが添加され(16mg,0.0929mmol)、混合物を窒素下(及び3Aモレキュラーシーブ上で)、一晩撹拌された。27.5時間後、混合物をEtOAc及びH2Oで希釈し、よく振盪し、層を分離した。有機層を飽和NaHCO
3水溶液(3×)、かん水(1×)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を真空下で除去した。得られた残留物はDCMに溶解され、溶液から固体が沈殿するまでヘキサンで希釈された。溶媒は真空下で除去され、固体はヘキサン:EtOAc95:5で粉砕され、黄褐色の固体として、2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)プロピル(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(ジ−tert−ブトキシホスホリルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルカルバメート 62d(372mg)が得られ、これは精製せずに次の工程で使用された。HRMSm/z1003.2445[(M+Na)
+,C
48H
55Cl
2N
4NaO
8PS
2として計算:1003.2468].
0℃で、DCM(7mL)中の62d(上述で調製)の攪拌溶液に、TFA(3.5mL)をゆっくり添加した。混合物はこの温度で1時間撹拌された。次いで、溶媒を25℃にて真空下で除去した。得られた暗緑色の残留物はDCMに溶解され、溶液はEtOAcで希釈され、溶液から固体を沈殿させた。溶媒は、30℃で真空下で除去され、残留物は再びDCMに溶解され、EtOAcで希釈された。DCMは真空下で除去され、EtOAc中の懸濁液を得た。固体が濾過により回収され、次いで固体はEtOAc及びヘキサンで洗浄され、乾燥され、緑色の固体を得た。これは、分取HPLC(カラム:Synergi−MAXRP4μ,21.20×250mm;流速:12ml/分;移動相:溶媒A:H
2O/ギ酸アンモニウム緩衝液pH3.5,溶媒B:MeCN/H
2O90:10;方法:勾配,溶媒A:溶媒B25:75から0:100,19分かけて)により更に精製され、クリーム粉末として、2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)プロピル(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(ホスホノオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルカルバメート 62(78mg,19%、62cから2工程かけて,HPLC純度:87.4%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)9.69(s,1H),8.56(s,1H),8.48(s,1H),8.44(d,J=4.5Hz,1H),8.15(d,J=8.3Hz,1H),8.00(d,J=8.5Hz,1H),7.90(d,J=8.4Hz,1H),7.85−7.76(m,3H),7.55−7.48(m,2H),7.44−7.40(m,1H),7.36−7.32(m,1H),7.24−7.21(m,1H),4.41−4.14(m,8H),4.05−3.99(m,2H),3.91(dd,J=10.8,7.2Hz,1H),3.85−3.81(m,1H),3.37−3.28(m,1H),2.74−2.57(m,4H),1.98−1.95(m,2H),1.34(d,J=6.7Hz,3H),2つのプロトンは観測されなかった。
31PNMRδ(400MHz,DMSO−d
6)−5.09.HRMSm/z891.1221[(M+Na)
+,C
40H
39Cl
2N
4NaO
8PS
2として計算:891.1216]
【0203】
実施例13 (S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−メチルヘキサンアミド)エチル(メチル)カルバメート 63
(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(ホスホノオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−メチルヘキサンアミド)エチル(メチル)カルバメート 57は酵素的に脱リン酸化され63を得た。
【0204】
実施例14 2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エチル(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルカルバメート 64
2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エチル(S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(ホスホノオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イルカルバメート 61は酵素的に脱リン酸化され64を得た。
【0205】
実施例15 (11aS)−4−((S)−6−アミノ−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)ヘキサンアミド)ベンジル 8−(6−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−メチルピペラジン−1−カルボニルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−6−オキソヘキシルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート 65
乾燥DCM(10mL)中の(S)−2,2,2−トリクロロエチル6−(5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−(2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボニル)−2−メトキシフェノキシ)ヘキサン酸54cの攪拌溶液に、無水酢酸(1.29mL,13.6mmol)及びトリエチルアミン(2.27mL,16.3mmol)が室温で添加された。
図17を参照。反応混合物は更に4時間撹拌された。乾燥MeOH(1.5mL)が添加され、混合物は30分間撹拌された。酢酸エチル(200mL)が添加され、酢酸エチル層が分離され、水で数回洗浄された。酢酸エチル溶液は乾燥され(MgSO
4)、蒸発させ、淡黄色の接着剤として、(S)−2,2,2−トリクロロエチル 6−(4−(2−(アセトキシメチル)ピロリジン−1−カルボニル)−5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−メトキシフェノキシ)ヘキサン酸 65a(1.8g,100%)を得た;
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ8.82(br s,1H),7.27(s,1H),6.86(s,1H),4.89(s,2H),4.39−4.20(m,3H),3.93(t,J=6.4Hz,2H),3.74(s,3H),3.50−3.33(m,2H),2.10−1.94(m,4H),1.92−1.61(m,7H),1.53−1.42(m,2H),1.43(s,9H),2H(DMSOピークにより部分的に不明瞭)。HRMS(ESI)m/zC
28H
39Cl
3N
2NaO
9として計算:675.1613, found :675.1603[MNa
+].Calc.forC
28H
40Cl
3N
2O
9:653.1794, found :653.1778[MH
+].
アセトン(20mL)、及び水(12mL)及びTHF(12mL)の混合物中の65a(1.76g,2.69mmol)の撹拌溶液に、窒素下で、Zn(7.06g,108mmol)及びNH
4Cl(11.6g,216mmol)が添加された。混合物を室温で23時間撹拌した。酢酸エチル(100mL)が添加され、混合物は15分間撹拌された。有機層はデカントされた。抽出は、追加の酢酸エチル(2×100mL)で繰り返された。混合有機溶液は水(2×100mL)で洗浄され、乾燥させ(MgSO
4)、セライトを通じて濾過し、蒸発させ、粘着性の無色の泡状物として、(S)−6−(4−(2−(アセトキシメチル)ピロリジン−1−カルボニル)−5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−メトキシフェノキシ)ヘキサン酸 65b(1.36g,96%)を得た;
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ11.49(非常にbr s,1H),8.83(s,1H),7.27(s,1H),6.86(br s,1H),4.39−4.02(m,3H),3.93(t,J=6.4Hz,2H),3.74(s,3H),3.51−3.33(m,2H(水ピークにより部分的に不明瞭)),2.21(t,J=7.1Hz,2H),2.11−1.93(m,4H),1.90−1.66(m,5H),1.62−1.50(m,2H),1.50−1.35(m,2H),1.43(s,9H)。元素分析(C
26H
38N
2O
9.)Calc:C,59.76;H,7.33;N,5.36.Found:C,59.66;H,7.49;N,5.29.
乾燥DMA(5mL)中の65b(0.87g,2.41mmol)及び(S)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート 58b(1.26g,2.41mmol)の攪拌溶液に、0℃で、窒素下、p−ジオキサン(1.21mL,4.82mmol)中の4MのHCl、続いてEDCI.HCl(1.39g,7.23mmol)及び無水TsOH(83mg,0.48mmol)が添加された。反応混合物は、21時間窒素下で0℃で攪拌され、次いで、酢酸エチル(500mL)及び水(500mL)の間で分配された。酢酸エチル層が分離され、水層は更に酢酸エチル(200mL)で抽出された。混合された酢酸エチル抽出物は、水(200mL)、飽和NaHCO
3溶液(2×200mL)及び水(200mL)で連続的に洗浄された。酢酸エチル層は乾燥され、蒸発させ、ベージュ色の固体泡として、(S)−3−(6−(4−((S)−2−(アセトキシメチル)ピロリジン−1−カルボニル)−5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−メトキシフェノキシ)ヘキサノイル)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート65cを得た;mp 84−87
oC;
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ8.84(br s,1H),8.21(s,1H),7.95(d,J=8.3Hz,1H),7.81(d,J=8.3Hz,1H),7.58(brt,J=7.7,1H),7.46(brt,J=8.1Hz,1H),7.29(s,1H),6.86(s,1H),4.40(t,J=10.0Hz,1H),4.36−3.86(m,10H),3.83−3.74(m,1H),3.73(s,3H),3.54−3.36(m,4H),2.67−2.34(m,6H(DMSOピークにより部分的に不明瞭)),2.26(s,3H),2.02(br s,3H),1.93−1.62(m,8H),1.60−1.47(m,2H),1.42(s,9H).元素分析(C
45H
58ClN
5O
10・1 1/2H
2O)Calc:C,60.63;H,6.90;N,7.86.Found:C,60.39;H,6.66;N,8.08.
0℃で、窒素雰囲気下で、DCM(20mL)中の65c(2.17g,2.51mmol)の攪拌溶液に、TFA(20mL)が添加された。添加後、混合物は、2.5時間、この温度で更に撹拌された。混合物は、0℃で、NaHCO
3(50g)、水(700mL)及びDCM(500mL)の混合物に注がれ、15分間撹拌された(pHは約8)。DCM層は分離され、NaHCO
3水溶液(200mL)及び水(200mL)で洗浄され、次いで乾燥された(MgSO
4)。溶媒を蒸発させ、淡褐色固体泡として、(S)−3−(6−(4−((S)−2−(アセトキシメチル)ピロリジン−1−カルボニル)−5−アミノ−2−メトキシフェノキシ)ヘキサノイル)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート 65dを得た;mp 62
oC;
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ8.21(s,1H),7.95(d,J=8.3Hz,1H),7.81(d,J=8.3Hz,1H),7.57(brt,J=7.6Hz,1H),7.46(brt,J=7.2Hz,1H),6.67(s,1H),6.37(s,1H),5.09(s,2H),4.41(t,J=9.7Hz,1H),4.36−4.20(m,3H),4.17−4.00(m,3H),3.97−3.86(m,3H),3.81−3.70(m,2H),3.63(s,3H),3.54−3.32(m,5H),2.66−2.34(m,6H(DMSOピークにより部分的に不明瞭)),2.26(s,3H),2.08−1.96(m,1H),2.10(s,3H),1.93−1.63(m,7H),1.57−1.45(m,2H).元素分析(C
40H
50ClN
5O
8・1/2H
2O)Calc:C,62.13;H,6.65;N,9.06.Found:C,62.12;H,6.76;N,8.77.
乾燥DMA(10mL)中の(S)−2−(アリルオキシカルボニルアミノ)−6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサン酸65e65e(3.30g,10.0mmol)及びEEDQ(3.71g,15.0mmol)の混合物は、室温で、窒素下、15分間攪拌された。
図18を参照。この予め調製された混合物に、4−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)アニリン(DMF中で対応するp−ニトロベンジルアルコール及びTBDMSClから調製され;その後乾燥DMA(3mL)中でZn/NH
4Cl)(2.37g,10.0mmol)を使用して還元された)の溶液が添加された。最終反応混合物は、23時間、窒素下、室温で攪拌された。混合物は、酢酸エチル(500mL)及び水(500mL)の間で分配された。酢酸エチル層は分離され、飽和NaHCO
3水溶液(2×200mL)及び水(300mL)で洗浄され、次いで乾燥された(MgSO
4)。溶媒を蒸発させて、橙色の油状物が得られ、シリカカラムクロマトグラフィー(10−15%の石油エーテル−酢酸エチルの勾配)により精製し、粘着性のベージュ色の固体泡としてTBDMS保護リジン65f(4.87g,89%)を得た;;
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ9.97(s,1H),7.55(d,J=8.50Hz,2H),7.44(d,J=7.8Hz,1H),7.21(d,J=8.5Hz,2H),6.75(t,J=5.3Hz,1H),5.99−5.82(m,1H),5.28(brd,J=17.2Hz,1H),5.17(brd,J=10.5Hz,1H),4.64(s,2H),4.46(d,J=5.2Hz,2H),4.12−4.02(m,1H),2.93−2.83(m,2H),1.70−1.52(m,2H),1.46−1.20(m,4H),1.35(s,9H),0.89(s,9H),0.06(s,6H).HRMS(ESI)m/zC
28H
47N
3NaO
6Siとして計算:572.3126, found :572.3136[MNa
+].
THF(30mL)中の65f(4.81g,8.75mmol)の攪拌溶液に、室温で、THF(17.5mL,17.5mmol)中のフッ化テトラブチルアンモニウムの1M溶液が添加された。添加後、混合物は更に2.5時間この温度で撹拌された。NH
4Cl水溶液(300mL)が添加され、生成物は酢酸エチル(500mL)中に抽出された。酢酸エチルを水(2×100mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO
4)。溶媒を蒸発させて、ベージュ色の固体としてベンジルアルコールリジン65g(3.81g,100%)を得た;mp 101−103
oC;
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ9.94(s,1H),7.52(d,J=8.4Hz,2H),7.44(d,J=7.8Hz,1H),7.23(d,J=8.4Hz,2H),6.76(t,J=5.4Hz,1H),5.97−5.84(m,1H),5.29(brd,J=17.2Hz,1H),5.17(brd,J=10.4Hz,1H),5.08(t,J=5.7Hz,1H),4.47(d,J=5.3Hz,2H),4.43(d,J=5.7Hz,2H),4.13−4.03(m,1H),2.96−2.82(m,2H),1.72−1.52(m,2H),1.46−1.20(m,4H),1.36(s,9H).HRMS(ESI)m/zC
22H
33N
3NaO
6として計算:458.2262, found :458.2272[MNa
+];C
22H
33N
3KO
6として計算:474.2001, found :474.1998[MK
+].
乾燥DCM(15mL)中の65d(764mg,1.00mmol)及びDMAP(367mg,3.00mmol)の攪拌溶液に、室温で窒素下で、乾燥DCM中のジホスゲンの溶液(0.05mmol/mLあたり,12mL,0.60mmol)が添加され、混合物は更に20分間撹拌された。
図19を参照。この混合物に、乾燥DCM(80mL)中の65g(3.97g,9.13mmol)の溶液が添加された。最終反応混合物は、48時間、窒素下、室温で攪拌された。混合物は、酢酸エチル(500mL)及び水(300mL)の間で分配された。酢酸エチル層が分離され、水層は酢酸エチル(2×200mL)で抽出された。混合された酢酸エチル溶液は追加の水(2×100mL)で洗浄され、乾燥された(MgSO
4)。30℃(浴温度)で溶媒を蒸発させるとオレンジ色の油が得られ、シリカカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−MeOH=10:1)により精製し、淡いオレンジ色の固体として、(S)−3−(6−(4−((S)−2−(アセトキシメチル)ピロリジン−1−カルボニル)−5−((4−((S)−2−(アリルオキシカルボニルアミノ)−6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサンアミド)ベンジルオキシ)カルボニルアミノ)−2−メトキシフェノキシ)ヘキサノイル)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート 65h(1.04g,85%)を得た;mp 90−93
oC;
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ10.04(s,1H),9.10(br s,1H),8.21(s,1H),7.95(d,J=8.3Hz,1H),7.81(d,J=8.3Hz,1H),7.63−7.53(m,3H),7.51−7.42(m,2H),7.32(d,J=8.5Hz,2H),7.21(br s,1H),6.85(br s,1H),6.79−6.72(m,1H),5.97−5.83(m,1H),5.29(brd,J=17.2Hz,1H),5.17(brd,J=10.4Hz,1H),5.08−4.96(m,2H),4.52−4.37(m,3H),4.37−3.85(m,10H),3.83−3.66(m,2H),3.74(s,3H),3.54−3.41(m,2H),3.41−3.23(m,2H(水ピークにより部分的に不明瞭)),2.95−2.83(m,2H),2.66−2.34(m,6H(DMSOピークにより部分的に不明瞭)),2.25(s,3H),2.07−1.92(m,4H),1.87−1.45(m,11H),1.45−1.20(m,4H),1.35(s,9H).HRMS(ESI)m/zC
63H
82ClN
8O
15として計算:1225.5583, found :1225.5557[MH
+];C
63H
81ClN
8NaO
15として計算:1247.5402, found :1247.5401[MNa
+];C
63H
81ClKN
8O
15として計算:1263.5142, found :1263.5141[MK
+].
DCM(20mL)及びMeOH(10mL)中の65h(1.01g,0.824mmol)及びK
2CO
3(1.14g,8.24mmol)の混合物は室温で1時間40分間撹拌された。混合物はDCM(200mL)で希釈され、10分間氷水(200mL)で攪拌された。DCM層は分離され、水層はDCM(2×100mL)で抽出された。混合されたDCM溶液は追加の水(200mL)で洗浄され、乾燥された(MgSO
4)。25℃(浴温度)で溶媒を蒸発させるとベージュ色の固体として、(S)−3−(6−(5−((4−((S)−2−(アリルオキシカルボニルアミノ)−6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサンアミド)ベンジルオキシ)カルボニルアミノ)−4−((S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボニル)−2−メトキシフェノキシ)ヘキサノイル)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート 65i(0.94g,96%)を得た;mp 104−107
oC;
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ10.04(s,1H),9.17(br s,1H),8.21(s,1H),7.95(d,J=8.4Hz,1H),7.80(d,J=8.3Hz,1H),7.63−7.53(m,3H),7.51−7.42(m,2H),7.38−7.21(m,3H),6.93(s,1H),5.32(t,J=5.4Hz,1H),5.98−5.83(m,1H),5.30(brd,J=17.2Hz,1H),5.17(brd,J=11.7Hz,1H),5.03(s,2H),4.73(t,J=5.7Hz,1H),4.52−4.36(m,3H),4.36−4.17(m,2H),4.17−3.85(m,6H),3.83−3.66(m,2H),3.73(s,3H),3.61−3.40(m,4H),3.40−3.20(m,2H(水ピークにより部分的に不明瞭)),2.94−2.83(m,2H),2.67−2.34(m,6H(DMSOピークにより部分的に不明瞭)),2.25(s,3H),1.96−1.45(m,12H),1.45−1.20(m,4H),1.35(s,9H).HRMS(ESI)m/zC
61H
80ClN
8O
14として計算:1183.5477, found :1183.5445[MH
+];C
61H
79ClN
8NaO
14として計算:1205.5296, found :1205.5256[MNa
+];C
61H
79ClKN
8O
14として計算:1221.5036, found :1221.5026[MK
+].
乾燥DCM(20mL)中の65i(0.92g,0.78mmol)の攪拌溶液に、0℃で、デス・マーチン・ペルヨージナン(DMP:1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードキソール−3(1H)−オン,CASReg.No.87413−09−0)(492mg,1.16mmol)が少量ずつ(8分間かけて)添加された。添加が完了した後、反応混合物は、0℃で2時間、次いで室温で45時間更に攪拌された。混合物はDCM(100mL)で希釈され、室温で、10分間、10%Na
2S
2O
3(100mL)で攪拌された。得られた混合物は、DCM(400mL)及び飽和NaHCO
3溶液(400mL)との間で分配された。DCM層は分離され、水層はDCM(2×200mL)で更に抽出された。混合されたDCM溶液は、NaHCO
3水溶液(200mL)及び水(200mL)で更に洗浄され、次いで乾燥された(MgSO
4)。25℃(浴温度)で溶媒を蒸発させ、淡褐色の固体が得られ、これはSiO
2カラムクロマトグラフィーにより精製され(DCM−酢酸エチル−MeOH=15:15:1、15:15:3までの勾配)、淡黄色固体として、(S)−4−((S)−2−(アリルオキシカルボニルアミノ)−6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサンアミド)ベンジル 8−(6−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−メチルピペラジン−1−カルボニルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−6−オキソヘキシルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート 65j(0.64g,70%)を得た;mp 137
oC(dec.);
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ10.02(s,1H),8.21(s,1H),7.95(d,J=8.4Hz,1H),7.80(d,J=8.3Hz,1H),7.65−7.38(m,5H),7.18(d,J=7.0Hz,2H),7.03(s,1H),6.82−6.63(m,2H),6.49(不明瞭に分離したd,J=4.7Hz,1H(D
2Oと交換可能)),5.96−5.82(m,1H),5.46(不明瞭に分離したdd,J=9.8,4.7Hz,D
2O交換後d,J=10.1Hz,1H),5.27(brd,J=17.1Hz,1H),5.21−5.10(m,2H),4.81(brd,J=12.3Hz,1H),4.51−4.17(m,5H),4.13−3.84(m,4H),3.84−3.67(m,2H),3.77(s,3H),3.55−3.20(m,6H(水ピークにより部分的に不明瞭)),2.66−2.30(m,6H(DMSOピークにより部分的に不明瞭)),2.26(s,3H),2.10−1.20(m,16H),1.35(s,9H).HRMS(ESI)m/zC
61H
78ClN
8O
14として計算:1181.5321, found :1181.5286[MH
+];C
61H
77ClN
8NaO
14として計算:1203.5140, found :1203.5130[MNa
+];C
61H
77ClKN
8O
14として計算:1219.4879, found :1219.4861[MK
+].
0℃で、窒素雰囲気下で、乾燥DCM(15mL)中の65j(623mg,0.53mmol)の攪拌溶液に、ピロリジン(0.86mL,10.5mmol)、続いてPd(Ph
3P)
4(30mg,9.8%Pd)が添加された。添加後、反応混合物は、室温で5時間更に攪拌された。混合物は石油エーテル(100mL)で希釈され、室温で30分間撹拌された。溶媒は、不溶性物質からデカントされ、洗浄工程はDCM−石油エーテル(1:10)(100mL)で繰り返された。後に残された粘着性の固体はDCM(200mL)に溶解され、水(3×100mL)で洗浄され、次いで、乾燥させ(MgSO
4)、ベースライン物質を除去するために短いたSiO
2カラムに通された。必要とされる化合物を、DCM−MeOH勾配を(2から5%)を用いて溶出した。25℃(浴温度)で溶媒を蒸発させて、淡黄色固体泡(472mg,82%)を得て、これが次の工程で直接使用された。この粗アミンは、乾燥DMA(8mL)中でFmoc−val−Osu(N−α−Fmoc−L−valineN−ヒドロキシスクシンイミドエステル,550mg,1.26mmol)により室温で窒素雰囲気下で処理され、混合物は5時間撹拌された。酢酸エチル−石油エーテル(1:10、100mL)が添加され、混合物は室温で20分間撹拌された。溶媒は不溶性物質からデカントされ、洗浄工程は追加の酢酸エチル−石油エーテル(1:10、2×50mL)で繰り返された。後に残された粘着性の固体は乾燥され、SiO
2カラムクロマトグラフィー(DCM−酢酸エチル−MeOH=20:10:3)により精製され、無色の固体として、(S)−4−((S)−2−((S)−2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサンアミド)ベンジル 8−(6−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−メチルピペラジン−1−カルボニルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−6−オキソヘキシルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート 65k(246mg,47%)を得た;mp 143
oC(dec.);
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ10.03(s,1H(D
2Oと交換可能)),8.21(s,1H),8.05(brd,J=7.5Hz,1H(D
2Oと交換可能)),7.95(d,J=8.5Hz,1H),7.87(d,J=7.4Hz,2H),7.81(d,J=8.3Hz,1H),7.72(t,J=7.0Hz,2H),7.62−7.25(m,10H,D
2O交換後9H),7.18(不明瞭に分離したd,J=5.8Hz,2H),7.04(s,1H),6.70(br s,2H,D
2O交換後1H),6.50(br s,1H(D
2Oと交換可能)),5.53−5.40(m,D
2O交換後d,J=9.9Hz,1H),5.15(brd,J=12.4Hz,1H),4.82(brd,J=12.3Hz,1H),4.46−4.16(m,7H),4.07−3.85(m,4H),3.83−3.67(m,2H),3.76(s,3H),3.56−3.23(m,5H(水ピークにより部分的に不明瞭)),2.93−2.79(m,2H),2.64−2.32(m,6H(DMSOピークにより部分的に不明瞭)),2.25(s,3H),2.09−1.20(m,17H),1.35(s,9H),0.87(d,J=7.0Hz,3H),0.83(d,J=6.8Hz,3H).HRMS(ESI)m/zC
77H
93ClN
9O
15として計算:1418.6474, found :1418.6420[MH
+];C
77H
92ClN
9NaO
15として計算:1440.6294, found :1440.6231[MNa
+];C
77H
92ClKN
9O
15として計算:1456.6033, found :1456.6021[MK
+].
0℃で、窒素雰囲気下で、乾燥DMA(2mL)中の65k(224mg,0.158mmol)の攪拌溶液に、N,N−ジメチルアセトアミド中のピペリジンの溶液(DMA,1.0mmol(mLあたり),1.58mL,1.58mmol)が添加された。
図20を参照。添加後、混合物はこの温度で更に1時間45分攪拌された。酢酸エチル−石油エーテル(1:5,50mL)の混合物が添加され、混合物は0℃で20分間撹拌された。溶媒層は不溶性物質からデカントされ廃棄された。洗浄工程は、室温で追加の酢酸エチル−石油エーテル(1:5,2x30mL)を用いて繰り返された。後に残された淡黄色固体は乾燥され、(S)−4−((S)−2−((S)−2−アミノ−3−メチルブタンアミド)−6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサンアミド)ベンジル 8−(6−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−メチルピペラジン−1−カルボニルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−6−オキソヘキシルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート 65l(173mg,99%)を得た;mp 74
oC(dec.);
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ10.09(s,1H(D
2Oと交換可能)),8.21(s,1H),8.08(br s,1H(D
2Oと交換可能)),7.96(d,J=8.4Hz,1H),7.81(d,J=8.2Hz,1H),7.66−7.42(m,4H),7.19(不明瞭に分離したd,J=7.5Hz,2H),7.04(s,1H),6.71(br s,2H,D
2O交換後1H),6.49(br s,1H(D
2Oと交換可能)),5.52−5.40(m,D
2O交換後d,J=10.6Hz,1H),5.16(brd,J=12.1Hz,1H),4.81(brd,J=11.7Hz,1H),4.49−4.18(m,4H),4.10−3.85(m,3H),3.85−3.67(m,2H),3.77(s,3H),3.59−3.22(m,5H(水ピークにより部分的に不明瞭)),3.03−2.97(m,D
2O交換後d,J=4.8Hz,1H),2.91−2.81(m,2H),2.71−2.33(m,7H(DMSOピークにより部分的に不明瞭)),2.25(s,3H),2.11−1.20(m,17H),1.34(s,9H),0.86(d,J=6.5Hz,3H),0.76(d,J=6.7Hz,3H),2H(観測されず)。HRMS(ESI)m/zC
62H
83ClN
9O
13として計算:1196.5793, found :1196.5804[MH
+];C
62H
82ClN
9NaO
13として計算:1218.5613, found :1218.5612[MNa
+];C
62H
82ClKN
9O
13として計算:1234.5352, found :1234.5359[MK
+].
乾燥DMA(6mL)中の65l(173mg,0.158mmol)及び2,5−ジオキソピロリジン−1−イル2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノアート(マレイミド−Osu,122mg,0.395mmol)の混合物が、0℃で窒素雰囲気下で、1時間45分攪拌された。酢酸エチル−石油エーテルの混合物(1:5,50mL)が添加され、得られた混合物が0℃で15分間攪拌された。溶媒層は不溶性物質からデカントされ廃棄された。洗浄工程は、室温で追加の酢酸エチル−石油エーテル(1:5,2x30mL)を用いて繰り返された。後に残された固体は乾燥され、シリカカラムクロマトグラフィー(DCM−酢酸エチル−MeOH=20:10:3)により精製され、淡黄色の固体として、(S)−4−((S)−6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)ヘキサンアミド)ベンジル 8−(6−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−メチルピペラジン−1−カルボニルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−6−オキソヘキシルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート 65m(152mg,69%)を得た;HPLC:純度90.6%;mp 120
oC;
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ9.95(s,D
2O,1H(D
2Oと交換可能)),8.21(s,1H),8.01(d,J=7.4Hz,1H(D
2Oと交換可能)),7.95(d,J=8.4Hz,1H),7.85−7.73(m,2H,D
2O交換後1H),7.63−7.50(m,3H),7.46(t,J=7.7Hz,1H),7.17(不明瞭に分離したd,J=8.4Hz,2H),7.04(s,1H),6.98(s,2H),6.81−6.66(m,2H,D
2O交換後1H),6.49(不明瞭に分離したd,J=5.3Hz,1H(D
2Oと交換可能)),5.51−5.41(m,D
2O交換後d,J=9.9Hz,1H),5.15(d,J=12.6Hz,1H),4.81(brd,J=11.3Hz,1H),4.41(t,J=9.7Hz,1H),4.37−4.27(m,2H),4.27−4.13(m,2H),4.10−3.85(m,3H),3.85−3.63(m,2H),3.77(s,3H),3.60−3.21(m,8H(水ピークにより部分的に不明瞭),1H),2.92−2.81(m,2H),2.67−2.33(m,6H(DMSOピークにより部分的に不明瞭)),2.26(s,3H),2.23−1.11(m,25H),1.30(s,9H),0.84(d,J=6.8Hz,3H),0.81(d,J=6.7Hz,3H).HRMS(ESI)m/zC
72H
94ClN
10O
16として計算:1389.6532, found :1389.6478[MH
+];C
72H
94ClN
10NaO
16として計算:706.3212, found :706.3244[MH
+Na
+];C
72H
93ClN
10Na
2O
16として計算:717.3122, found :717.3121[MNa
+Na
+].
0℃(浴温度)で、DCM(0.4mL)中の65m(32.2mg,0.023mmol)の攪拌溶液に、窒素下で、TFA(0.8mL)が添加され、続いてTFA中の2%の水の溶液(0.8mL)が添加された。添加後、混合物は更に8時間この温度で撹拌された。酢酸エチル−石油エーテル(1:5,25mL)が添加され、混合物は0℃で15分間攪拌された。沈殿した固体は回収され、酢酸エチル−石油エーテル(1.5、2×30ml)で洗浄され、乾燥させて粗生成物(30mg)を得て、これが分取HPLC[SynergiMaxRPカラム;水−TFA(pH=2.56;95%から55%)/10%H
2O(CH
3CN(5%から45%)中);流速:12mL/分]により精製され、ガラス状固体として、(S)−4−((S)−6−アミノ−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)ヘキサンアミド)ベンジル 8−(6−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−メチルピペラジン−1−カルボニルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−6−オキソヘキシルオキシ)−11−ヒドロキシ−7−メトキシ−5−オキソ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[e]ピロロ[1,2−a][1,4]ジアゼピン−10(5H)−カルボキシレート 65をビス−トリフルオロ酢酸塩(22.2mg,64%)として得た;HPLC:純度97.1%;mp 114
oC;[α]
D+43.6
o(c0.275,MeOH);
1H NMR[(CD
3)
2SO]δ9.97(s,1H),9.90(br s,1H),8.73(br s,2H),8.27(s,1H),8.09(d,J=7.6Hz,1H),8.04−7.93(m,2H),7.89(d,J=8.4Hz,1H),7.82(d,J=7.9Hz,1H),7.74−7.50(m,5H),7.46(brt,J=7.6Hz,1H),7.22(m,2H),7.04(s,1H),7.00(s,2H),6.75(s,1H),6.51(br s,1H),5.52−5.40(m,1H),5.18−5.04(m,1H),4.94−4.82(m,1H),4.48−3.70(m,14H),3.43−3.20(m,4H(水ピークにより部分的に不明瞭)),3.17−3.05(m,3H),2.89(s,3H),2.82−2.70(m,2H),2.66−2.48(m,2H(DMSOピークにより部分的に不明瞭)),2.25−1.08(m,25H),0.91−0.77(m,6H),2H(観測されず)。HRMS(ESI)m/zC
67H
86ClN
10O
14として計算:1289.6008, found :1289.5975[MH
+];C
67H
85ClN
10NaO
14として計算:1311.5827, found :1311.5772[MNa
+];C
67H
85ClN
10Na
2O
14として計算:667.2860, found :667.2874[MNa
+Na
+];C
67H
86ClN
10NaO
14として計算:656.2950, found :656.2963[MH
+Na
+];C
67H
87ClN
10O
14として計算:645.3040, found :645.3052[MH
+H
+].
【0206】
実施例16 N−(3−(2,5−ビス((E)−3−((S)−1−(クロロメチル)−5−ホスホノキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−3−オキソプロパ−1−エニル)フェニルアミノ)−3−オキソプロピル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 66
氷浴中で冷却されたDCM(15mL)中の、実施例7の51aから調製された(S)−tert−ブチル5−(ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 57aの溶液(1.595g,3.76mmol)に、ジオキサン(40mL)中の4NのHClが添加された。
図21を参照。混合物は室温まで温められ、2時間攪拌された。全ての揮発性成分は排出された。得られた残留物は、酢酸エチルと5%の冷アンモニア水溶液との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、セライトを通して濾過した。溶媒は除去され、茶色のガム状物として、(S)−5−(ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール 57bを得て、これが直接使用された;
1H NMR(DMSO)δ8.04(d,J=8.2Hz,1H),7.61(d,J=8.3Hz,1H),7.53(d,J=7.2Hz,2H),7.45−7.34(m,4H),7.14(t,J=7.3Hz,1H),6.60(s,1H),5.24(s,2H),3.96−3.92(m,1H),3.84(dd,J=3.4,10.7Hz,1H),3.70(t,J=9.3Hz,1H),3.60(dd,J=2.4,10.0Hz,1H),3.55(t,J=10.3Hz,1H)ppm.HRMS(ESI) found m/z324.1150(M+H).C
20H
19ClNO requires 324.1150.
中間体57bは氷浴中で冷却され、ピリジン(15mL)、続いてトリフルオロ酢酸無水物(3.14mL,22.57mmol)が添加された。得られた混合物は10分間撹拌され、氷が添加された。混合物は酢酸エチルと水との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、セライトを通して濾過した。溶媒は除去され、得られた残留物は、溶離液として酢酸エチルと石油エーテルの混合物(v/v 1:10)を用いるカラムクロマトグラフィーにより精製され、白色固体として、(S)−1−(5−(ベンジルオキシ)−1−(クロロメチル)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−2,2,2−トリフルオロエタノン 66a(1.11g,70%)を得た;mp 167−170℃.
1H NMR(CDCl
3)δ8.37(d,J=8.3Hz,1H),8.05(s,1H),7.72(d,J=8.2Hz,1H),7.61−7.54(m,3H),7.49−7.42(m,3H),7.39−7.35(m,1H),5.30(ABq,J=11.7,15.7Hz,2H),4.63−4.59(m,1H),4.43−4.38(m,1H),4.15−4.09(m,1H),3.97−3.93(m,1H),3.49(dd,J=9.9,11.3Hz,1H)ppm.HRMS(ESI) found m/z442.0799(M+Na).C
22H
17ClF
3NNaO
2 requires 442.0795.
−10℃で、THF(20mL)中の66a(1.10g,2.62mmol)の溶液に、25%水性ギ酸アンモニウム(20mL)、続いてPd−C触媒(10%、湿潤、550mg)が添加され、混合物は2時間撹拌され、その後追加のPd−C触媒(550mg)が添加された。得られた混合物は一晩、−10℃で撹拌され、触媒はセライトを通して濾過された。THFは濾液から除去され、残留物は酢酸エチルと水との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、セライトを通して濾過した。溶媒は除去され、得られた残留物は、溶離液として酢酸エチルと石油エーテルの混合物(v/v 1:5)を用いるカラムクロマトグラフィーにより精製され、オフホワイトの固体として、(S)−1−(1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−2,2,2−トリフルオロエタノン 66b(758mg,88%)を得た;mp 209−212℃.
1H NMR(CDCl
3)δ8.33(d,J=8.2Hz,1H),8.10(s,1H),7.85(s,1H),7.64(d,J=8.2Hz,1H),7.60−7.56(m,1H),7.51−7.47(m,1H),4.60−4.56(m,1H),4.41−4.36(m,1H),4.00−3.95(m,1H),3.93−3.90(m,1H),3.44(dd,J=9.8,11.3Hz,1H)ppm.HRMS(ESI) found m/z352.0331(M+Na).C
15H
11ClF
3NNaO
2 requires 352.0323.
THF(15mL)中の66b(250mg,0.76mmol)の溶液に、テトラゾール(アセトニトリル中に3%,13.5mL,4.55mmol)、続いてジ−tert−ブチル−N,N−ジイソプロピルホスホルアミジット(1.51mL,4.55mmol)が添加された。混合物は室温で一晩撹拌され、次いで、氷浴中で冷却され、H
2O
2(30%水溶液,0.78mL,7.58mmol)が滴下された。得られた混合物は室温まで温められ、5時間撹拌された。反応物は、氷浴で冷却しながら10%水性亜硫酸ナトリウムの添加によりクエンチされた。有機揮発性物質はロータリーエバポレーターで除去された。得られた混合物は酢酸エチルと水との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、セライトを通して濾過した。溶媒は除去され、得られた残留物は、溶離液として酢酸エチル及び石油エーテルの勾配混合物(v/v 1:6から1:3)を用いるFlorisil(登録商標)(USSilica)カラムクロマトグラフィーにより精製され、無色の油状物として、(S)−ジ−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−3−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル リン酸 66c(367mg,93%)を得た;
1H NMR(DMSO)δ8.44(d,J=1.0Hz,1H),8.11(d,J=8.1Hz,1H),8.06(d,J=8.2Hz,1H),7.69−7.65(m,1H),7.63−7.59(m,1H),4.61−4.56(m,1H),4.46−4.41(m,1H),4.15−4.12(m,1H),4.06−4.00(m,1H),1.50(s,9H),1.48(s,9H)ppm.
31PNMR(DMSO)δ−15.54ppm.HRMS(ESI) found m/z544.1236(M+Na).C
23H
28ClF
3NNaO
5P requires 544.1238.
氷浴で冷却されたMeOH(2mL)中の66c(239mg,0.46mmol)の溶液に、CsCO
3(298mg,0.92mmol)及び数滴の水が添加された。混合物は1時間氷浴中で撹拌され、次いで酢酸エチルと水との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水及びかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、セライトを通して濾過し、溶媒が除去された。得られた残留物は酢酸エチルに溶解され、Florisil(登録商標)(USSilica)カラムクロマトグラフィーのパッドを通して濾過され、オフホワイトのガム状物として、(S)−ジ−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル リン酸 66d(183mg,94%)を得て、これが精製せずに次の工程で使用された;
1H NMR(DMSO)δ8.08(d,J=8.4Hz,1H),7.58(d,J=8.3Hz,1H),7.46−7.42(m,1H),7.25−7.21(m,1H),7.13(d,J=0.8Hz,1H),4.00−3.93(m,1H),3.87−3.78(m,2H),3.54−3.42(m,2H),1.50(s,9H),1.49(s,9H)ppm.
31PNMR(DMSO)δ−15.58ppm.HRMS(ESI) found m/z426.1587(M+H).C
21H
30ClNO
4P requires 426.1595.
2,5−ジブロモニトロベンゼン(5.0g,17.8mmol)及びアクリル酸t−ブチル(7.75mL,53.40mmol)がトリエチルアミン(50mL)に溶解された。
図22を参照。フラスコは溶液を通して窒素ガスをバブリングすることにより流され、次いでトリ−p−トリルホスフィン(433mg,1.42mmol)及び酢酸パラジウム(80mg,0.36mmol)が窒素気流下で添加された。混合物は窒素下で一晩還流で撹拌された。トリエチルアミンは排出された。得られた残留物は酢酸エチルに溶解され、シリカゲルのパッドを通して濾過された。濾液は濃縮され、クロマトグラフィーカラムにロードされた。酢酸エチルと石油エーテルの混合物(1:10)が溶離剤として使用され、白色固体として、(2E,2’E)−tert−ブチル 3,3’−(2−ニトロ−1,4−フェニレン)ジアクリル酸 66e(5.85g,88%)を得た;mp 123−124℃.
1H NMR(CDCl
3)δ8.14(d,J=1.7Hz,1H),7.99(d,J=15.8Hz,1H),7.74(dd,J=1.7,8.2Hz,1H),7.66(d,J=8.1Hz,1H),7.58(d,J=16.0Hz,1H),6.50(d,J=16.0Hz,1H),6.36(d,J=15.8Hz,1H),1.58(s,9H),1.56(s,9H)ppm.HRMS(ESI) found m/z398.1574(M+Na).C
20H
25NNaO
6 requires 398.1574.
氷浴で冷却されたアセトン(40mL)中の66e(5.85g,15.58mmol)の溶液に、亜鉛粉末(8.15g,125.0mmol)、続いて水中(20mL)のNH
4Cl(3.33g,62.30mmol)の溶液が添加された。混合物は室温で1時間撹拌された。追加の亜鉛粉末(4.00g)及び水中(10mL)の追加のNH
4Cl(1.7g)が添加された。1時間後、酢酸エチル(100mL)が添加され、上部の透明な溶液はデカンティングにより回収された。洗浄及びデカンティング工程は更に2回繰り返された。混合された有機溶液を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、シリカゲルのパッドを通して濾過した。溶媒が除去され、黄色のガム状物として、(2E,2’E)−tert−ブチル 3,3’−(2−アミノ−1,4−フェニレン)ジアクリル酸 66f(5.46g,100%)を得た;mp 73−75℃.
1H NMR(CDCl
3)δ7.68(d,J=15.8Hz,1H),7.46(d,J=16.0Hz,1H),7.37(d,J=8.1Hz,1H),6.92(dd,J=1.5,8.1Hz,1H),6.81(d,J=1.4Hz,1H),6.33(d,J=16.0Hz,1H),6.31(d,J=15.8Hz,1H),3.99(br s,2H),1.53(s,9H),1.51(s,9H)ppm.HRMS(ESI) found m/z368.1830(M+Na).C
20H
27NNaO
4 requires 368.1832.
DMA(25mL)中の66f(2.73g,7.90mmol),3−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)プロパン酸(Fmoc−ベタ−アラニン,3.69g,11.85mmol),EDCI塩酸塩(7.58g,39.50mmol)及びp−トルエンスルホン酸(136mg,0.79mmol)の混合物は室温で一晩撹拌された。混合物は酢酸エチルと水との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、セライトを通して濾過した。溶媒が除去され、白色固体として、(2E,2’E)−tert−ブチル 3,3’−(2−(3−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)プロパンアミド)−1,4−フェニレン)ジアクリル酸 66g(4.89g,97%)を得た;mp 102−105℃.
1H NMR(CDCl
3)δ7.87(s,1H),7.70−7.66(m,2H),7.62−7.52(m,4H),7.44(br s,1H),7.38−7.34(m,3H),7.29−7.25(m,2H),6.41(d,J=16.0Hz,1H),6.34(d,J=15.7Hz,1H),4.42(br s,2H),4.19(t,J=6.4Hz,1H),3.59(br s,2H),2.67(br s,2H),1.53(s,9H),1.51(s,9H)ppm.HRMS(ESI)はm/z661.2878(M+Na)を見いだした。C
38H
42N
2NaO
7 requires 661.2884.
氷浴で冷却されたDCM(4mL)中の66g(530mg,0.83mmol)の溶液に、TFA(1mL,12.98mmol)が添加された。混合物は室温まで温められ、一晩攪拌され、白色の懸濁液を得た。酢酸エチルが添加され、より多くの固体を沈殿させ、これを濾過により回収し、酢酸エチルと石油エーテルで洗浄し、白色固体として、(2E,2’E)−3,3’−(2−(3−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)プロパンアミド)−1,4−フェニレン)ジアクリル酸 66h(404mg,92%)を得た。mp 282℃(dec.).
1H NMR(DMSO)δ12.46(br s,1H),9.92(s,1H),7.89−7.84(m,3H),7.74−7.68(m,4H),7.58−7.54(m,2H),7.44−7.38(m,3H),7.31−7.28(m,2H),6.54(dd,J=3.2,16.0Hz,2H),4.30(d,J=6.5Hz,2H),4.22(t,J=6.8Hz,1H),3.30(br s,2H),2.83−2.79(m,2H)ppm.HRMS(ESI) found m/z549.1643(M+Na).C
30H
26N
2NaO
7 requires 549.1632.
DMA(2mL)中の66d(178mg,crude,ca.0.42mmol),66h(55mg,0.10mmol),EDCI塩酸塩(160mg,0.84mmol)及びp−トルエンスルホン酸(1.8mg,0.01mmol)の混合物は室温で一晩撹拌された。混合物は、酢酸エチルと冷希釈NaHCO
3水溶液との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、セライトを通して濾過した。溶媒は除去され、残留物は、MeOH及び酢酸エチルの勾配混合物(v/v 0.25−5%)を用いるFlorisil(登録商標)(USSilica)カラムクロマトグラフィーにより精製され、黄色い固体として、(9H−フルオレン−9−イル)メチル 3−(2,5−ビス((E)−3−((S)−1−(クロロメチル)−5−(ジ−tert−ブトキシホスホリルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−3−オキソプロパ−1−エニル)フェニルアミノ)−3−オキソプロピルカルバメート 66i(62mg,44%)を得た;
1H NMR(DMSO)δ10.04(s,1H),8.67(s,2H),8.11−8.05(m,3H),7.97(d,J=8.2Hz,2H),7.88−7.82(m,4H),7.78(d,J=8.4Hz,1H),7.73−7.67(m,3H),7.63−7.58(m,2H),7.53−7.47(m,3H),7.38(t,J=7.4Hz,2H),7.30−7.24(m,4H),4.60−4.50(m,4H),4.42−4.35(m,2H),4.30(d,J=6.7Hz,2H),4.22(t,J=6.6Hz,1H),4.06−3.93(m,4H),3.40−3.33(m,2H),2.63−2.59(m,2H),1.50(2×s,18H),1.47(2×s,18H)ppm.
31PNMR(DMSO)δ−15.45ppm.HRMS(ESI) found m/z1341.4677(M+H).C
72H
81Cl
2N
4O
13P
2 requires 1341.4647.
DMF(1mL)中の66i(60mg,0.045mmol)の溶液に、ピペリジン(44μL,0.45mmol)が添加された。混合物は室温で3時間温められ、次いで、全ての揮発性成分が排出された。得られた残留物はエーテル及び石油エーテルの混合物(v/v 1:1)で粉砕され、白色固体として、遊離アミン66j(44mg,96%)を得た。
1H NMR(DMSO)δ8.68(s,2H),8.11−8.05(m,3H),7.98(d,J=8.4Hz,2H),7.91−7.86(m,2H),7.78−7.85(m,1H),7.70(d,J=15.3Hz,1H),7.63−7.58(m,2H),7.51(t,J=7.9Hz,2H),7.26(d,J=15.3Hz,2H),4.66−4.52(m,4H),4.44−4.35(m,2H),4.07−3.95(m,4H),2.95(t,J=6.5Hz,2H),2.56−2.50(m,2H),1.50−1.49(m,36H)ppm.
31PNMR(DMSO)δ−15.42,15.45ppm.HRMS(ESI) found m/z1119.3981(M+H).C
57H
71Cl
2N
4O
11P
2 requires 1119.3966.
DMSO(1mL)中の59a(40mg,0.036mmol)、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル 6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸(SuOMC,12mg,0.037mmol)及びDIPEA(6.8μL,0.039mmol)の混合物は一晩室温で攪拌され、全ての揮発性成分は排出された。得られた残留物はエーテルで粉砕され、黄色い固体として、ビス (ジ−tert−ブチルホスファート) N−(3−(2,5−ビス((E)−3−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−3−オキソプロパ−1−エニル)フェニルアミノ)−3−オキソプロピル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 66k(32mg,67%)を得た。
1H NMR(DMSO)δ10.02(s,1H),8.67(s,2H),8.11−8.05(m,3H),7.98−7.92(m,3H),7.85−7.75(m,2H),7.70(d,J=15.3Hz,1H),7.63−7.58(m,2H),7.51(t,J=7.9Hz,2H),7.26(dd,J=4.4,15.4Hz,2H),6.96(s,2H),4.66−4.52(m,4H),4.44−4.35(m,2H),4.07−3.95(m,4H),3.45−3.30(m,4H),2.52−2.50(m,2H),2.08(t,J=7.2Hz,2H),1.50−1.40(m,40H),1.33−1.25(m,2H)ppm.
31PNMR(DMSO)δ−15.42,15.45ppm.HRMS(ESI) found m/z1334.4515(M+Na).C
67H
81Cl
2N
5NaO
14P
2 requires 1334.4525.
氷浴で冷却されたDCM(1mL)中の66k(30mg,0.02mmol)の溶液に、TFA(1mL,12.98mmol)が添加された。混合物は室温まで温められ、3時間攪拌された。全ての揮発成分は排出され、得られた残留物は酢酸エチルで粉砕され、黄色い固体として、N−(3−(2,5−ビス((E)−3−((S)−1−(クロロメチル)−5−ホスホノキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−3−オキソプロパ−1−エニル)フェニルアミノ)−3−オキソプロピル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 66(20mg,80%,HPLC純度95%)を得た;
1H NMR(DMSO)δ10.01(s,1H),8.59(s,2H),8.16−8.08(m,3H),7.97−7.90(m,3H),7.88−7.73(m,2H),7.69(d,J=14.5Hz,1H),7.61−7.55(m,2H),7.46(t,J=7.3Hz,2H),7.29−7.24(d,J=14.0Hz,2H),6.97(s,2H),4.62−4.52(m,3H),4.40−4.30(m,3H),4.05−3.90(m,4H),3.43−3.37(m,2H),3.24−3.18(m,2H),2.61−2.55(m,2H),2.08(br s,2H),1.54−1.44(m,4H),1.27−1.15(m,2H)ppm.
31PNMR(DMSO)δ−5.81ppm.HRMS(ESInegative) found m/z1086.2067(M−H).C
51H
48Cl
2N
5O
14P
2 requires 1086.2056.
【0207】
実施例17 N−(3−(2,5−ビス((E)−3−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−3−オキソプロパ−1−エニル)フェニルアミノ)−3−オキソプロピル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 67
DCM(30mL)中の(2E,2’E)−tert−ブチル3,3’−(2−(3−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)プロパンアミド)−1,4−フェニレン)ジアクリル酸 66g(4.89g,7.66mmol)の溶液に、ピペリジン(4.5mL,45.50mmol)が添加された。
図23を参照。混合物は室温で5時間温められ、次いで、全ての揮発性成分がロータリーエバポレーターによって除去された。溶離液として酢酸エチル、次いでTEA,MeOH、酢酸エチル(v/v 1:10:100)の混合物を使用するカラムクロマトグラフィーにより、白色固体として、(2E,2’E)−tert−ブチル3,3’−(2−(3−アミノプロパンアミド)−1,4−フェニレン)ジアクリル酸 67a(2.33g,73%)を得た。mp 62−63℃.
1H NMR(CDCl
3)δ11.04(s,1H),8.32(d,J=1.4Hz,1H),7.91(d,J=15.7Hz,1H),7.55(d,J=16.1Hz,1H),7.54(d,J=8.0Hz,1H),7.24(dd,J=1.5,8.2Hz,1H),6.42(d,J=16.0Hz,1H),6.34(d,J=15.7Hz,1H),3.18(d,J=5.6Hz,2H),2.52(t,J=5.6Hz,2H),1.53(s,18H)ppm.HRMS(ESI) found m/z417.2394(M+H).C
23H
33N
2O
5 requires 417.2384.
DMSO(10mL)中の67a(1.00g,2.40mmol)、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル 6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸(SuOMC,740mg,2.40mmol)及びDIPEA(460μL,2.64mmol)の混合物は一晩室温で攪拌された。全ての揮発性成分排出された。得られた残留物は、溶離液として酢酸エチルと石油エーテルの混合物(v/v 2:1)、続いて酢酸エチルを単独でを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製され、白色固体として、(2E,2’E)−tert−ブチル 3,3’−(2−(3−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−1,4−フェニレン)ジアクリル酸 67b(1.00g,68%)を得た。mp 69−72℃.
1H NMR(CDCl
3)δ7.95(s,1H),7.73(s,1H),7.65(d,J=15.9Hz,1H),7.61(d,J=8.2Hz,1H),7.53(d,J=16.0Hz,1H),7.37(d,J=8.2Hz,1H),6.69(br s,1H),6.64(s,2H),6.39(d,J=16.0Hz,1H),6.38(d,J=15.8Hz,1H),3.68−3.63(m,2H),3.43(d,J=7.0Hz,2H),2.69(d,J=5.5Hz,2H),2.21(t,J=7.3Hz,2H),1.67−1.50(m,4H),1.53(s,9H),1.52(s,9H),1.31−1.24(m,2H)ppm.HRMS(ESI) found m/z632.2931(M+Na).C
33H
43N
3NaO
8 requires 632.2942.
氷浴で冷却されたDCM(4mL)中の67b(500mg,0.82mmol)の溶液に、TFA(2mL)が滴下して添加された。混合物は室温まで温められ、4時間攪拌された。全ての揮発性成分は排出された後に、得られた残留物は酢酸エチルで粉砕され、白色固体として、(2E,2’E)−3,3’−(2−(3−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−1,4−フェニレン)ジアクリル酸 67c(380mg,93%)を得た。mp 257−261℃.
1H NMR(DMSO)δ12.47(s,2H),9.90(s,1H),7.89−7.83(m,2H),7.71−7.67(m,2H),7.57−7.53(m,2H),6.99(s,2H),6.53(d,J=15.9Hz,2H),3.36−3.30(m,4H),2.54−2.50(m,2H),2.06(t,J=7.3Hz,2H),1.52−1.42(m,4H),1.22−1.17(m,2H)ppm.HRMS(ESI) found m/z520.1683(M+Na).C
25H
27N
3NaO
8 requires 520.1690.
氷浴中で冷却されたDCM(5mL)中の、実施例7の51aから調製された(S)−tert−ブチル1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート51a(298mg,0.89mmol)の溶液に、ジオキサン(10mL)中の4NのHClが添加された。混合物は室温まで温められ、3時間撹拌された。全ての揮発性成分は排出され、塩酸塩として、(S)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−オール67dが得られ、67c(185mg,0.37mmol),EDCI塩酸塩(428mg,2.23mmol),p−トルエンスルホン酸(6mg,0.037mmol)及びDMA(5mL)が添加された。混合物が室温で6時間撹拌された後、追加のEDCI塩酸塩(285mg,1.49mmol)及びp−トルエンスルホン酸(6mg,0.037mmol)が添加された。混合物は一晩攪拌され、次いで酢酸エチルと水との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、セライトを通して濾過した。溶媒は除去され、得られた残留物は溶離液としてMeOH及び酢酸エチルの勾配混合物(v/v 1−15%)を使用するカラムクロマトグラフィーにより更に精製され、黄色い固体として、67(160mg,46%,HPLC純度96%)を得た;mp 230−234℃(dec).
1H NMR(DMSO)δ10.43(s,1H),10.40(s,1H),10.00(s,1H),8.14−8.08(m,5H),7.95(br s,1H),7.83−7.75(m,5H),7.68(d,J=15.2Hz,1H),7.52(t,J=7.4Hz,2H),7.35(t,J=7.6Hz,2H),7.28−7.23(dd,J=5.2,15.2Hz,2H),6.95(s,2H),4.58−4.45(m,4H),4.29−4.20(m,2H),4.04−3.97(m,2H),3.88−3.80(m,2H),3.43−3.37(m,2H),3.23(d,J=6.9Hz,2H),2.60−2.56(m,2H),2.09(d,J=7.1Hz,2H),1.50−1.40(m,2H),1.40−1.30(m,2H),1.24−1.14(m,2H)ppm.HRMS(ESI)はm/z950.2672(M+Na)を見いだした。C
51H
47Cl
2N
5NaO
8 requires 950.2694.
【0208】
実施例18 (S)−1−(クロロメチル)−3−((E)−3−(4−((E)−3−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−3−オキソプロパ−1−エニル)−2−(3−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)プロパンアミド)フェニル)アクリロイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 二水素リン酸塩 68
氷浴中で冷却されたMeOH及び酢酸エチル(1mL)中の(S)−ジ−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−3−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル−リン酸 66c(125mg,0.24mmol)の溶液に、CsCO
3(298mg,0.92mmol)及び数滴の水が添加された。混合物は1時間氷浴中で撹拌され、次いで酢酸エチルと水との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水及びかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、セライトを通して濾過し、溶媒が除去された。得られた残留物は酢酸エチルに溶解され、Florisil(登録商標)(USSilica)のパッドを通して濾過された。溶媒を除去するとオフホワイトのガム状物として、(S)−ジ−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル リン酸 66dが得られ、これが精製せずに次の工程で使用された。
氷浴中で冷却されたDCM(2mL)中の、実施例7の51aから調製された(S)−tert−ブチル 1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−カルボキシレート 51a(80mg,0.24mmol)の溶液に、ジオキサン(4mL)中の4NのHClが添加された。混合物は室温まで温められ、2時間撹拌された。全ての揮発性成分は排出され、(S)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−オール 67dは直接使用された。
塩−氷浴中(−10℃)で冷却されたDMA(2mL)中の66d及び67dの溶液(各々は上記のように調製)に、(2E,2’E)−3,3’−(2−(3−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−1,4−フェニレン)ジアクリル酸 67c(119mg,0.24mmol)、次いでEDCI塩酸塩(276mg,1.44mmol)及びp−トルエンスルホン酸(4mg,0.024mmol)が添加された。混合物は室温まで温められ、一晩攪拌され、その後、氷上に注がれた。得られた沈殿物は濾過により回収され、水で洗浄され、真空下で乾燥された。MeOH及びDCMの勾配混合物(v/v 2−10%)を使用するFlorisil(登録商標)(USSilica)クロマトグラフィーカラムによる精製により黄色い固体(50mg)が得られ、これはLC−MSにより、ジ−tert−ブチル((S)−1−(クロロメチル)−3−((E)−3−(4−((E)−3−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル)−2−(3−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)プロパンアミド)フェニル)アクリロイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル)リン酸 68a及びジ−tert−ブチル((S)−1−(クロロメチル)−3−((E)−3−(4−((E)−3−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル)−3−(3−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)プロパンアミド)フェニル)アクリロイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル)リン酸68b(HPLCによりそれぞれ20%及び23%)、67(HPLCにより44%)、及び66(HPLCにより8%)の混合物として同定された。混合物は分取HPLC(カラム:Synergi−MAX(登録商標)RP4μ、250×21.20mm;移動相:A/B=25%から0%まで(A:ギ酸アンモニウムpH3.45、B:水中の90%のアセトニトリル):流速12mL/分、勾配法;波長:254nm、325nm)により更に精製され、黄色い固体として、68a及び68bの混合物(18mg,8%)を得た。HRMS(ESI)はm/z1142.3577(M+Na)を見いだした。C
59H
64Cl
2N
5NaO
11P requires 1142.3609.
氷浴で冷却されたDCM(0.5mL)中の68aと68b(17mg,0.015mmol)の溶液に、TFA(0.5mL)が滴下して添加された。混合物は室温まで温められ、3時間攪拌された。全ての揮発性成分は排出された。得られた残留物は酢酸エチルで粉砕され、オレンジ色の固体として、(S)−1−(クロロメチル)−3−((E)−3−(4−((E)−3−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−3−オキソプロパ−1−エニル)−2−(3−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)プロパンアミド)フェニル)アクリロイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 二水素リン酸塩 68及びリン酸位置異性体、(S)−1−(クロロメチル)−3−((E)−3−(4−((E)−3−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−3−オキソプロパ−1−エニル)−3−(3−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)プロパンアミド)フェニル)アクリロイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル 二水素リン酸塩 68cの混合物を得た(11mg,72%,HPLC純度:95%,異性体の比率は1:1)。
1H NMR(DMSO)δ10.45(s,1H),10.01(s,1H),8.58(s,1H),8.15−7.23(m,17H),6.95(s,2H),4.60−3.80(m,10H),3.43−3.37(m,2H),3.27−3.18(m,2H),2.60−2.50(m,2H),2.10−2.00(m,2H),1.55−1.35(m,4H),1.20−1.10(m,2H)ppm.
31PNMR(DMSO)δ−5.81ppm.HRMS(ESInegative) found m/z1006.2394(M−H).C
51H
47Cl
2N
5O
11P requires 1006.2392.
【0209】
実施例23 N−(3−(2,5−ビス((E)−3−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−メチルピペラジン−1−カルボニルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−3−オキソプロパ−1−エニル)フェニルアミノ)−3−オキソプロピル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド(化合物第69号、表4、
図37)
DMA(2mL)中の1(新たに上記の手順により作製)の192mg(0.53mmol)に、2(100mg,0.20mmol),EDCI塩酸塩(231mg,1.21mmol)及びp−トルエンスルホン酸(3.5mg,0.020mmol)が添加された。混合物は一晩撹拌され、次いでアンモニア水と氷の混合物に注がれた。得られた沈殿物は濾過により回収され、水で洗浄され、乾燥され、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製された。MeOH及びDCMの反応混合物(v/v 1−15%)が溶離液として使用され、黄色い固体として、N−(3−(2,5−ビス((E)−3−((S)−1−(クロロメチル)−5−(4−メチルピペラジン−1−カルボニルオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−3−オキソプロパ−1−エニル)フェニルアミノ)−3−オキソプロピル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド(30mg,13%,HPLC純度96%)を得た。mp 268℃(dec).
1H NMR(CDCl
3)δ8.60(s,1H),8.46(s,1H),8.42(s,1H),7.87−7.84(m,3H),7.75−7.60(m,5H),7.40−7.33(m,5H),7.22(br s,1H),6.77(t,J=15.3Hz,2H),6.56(s,2H),4.46−4.40(m,2H),4.30−4.25(m,2H),4.11−4.00(m,2H),3.95−3.90(m,7H),3.68(明らかなs,6H),3.53−3.46(m,3H),3.38(t,J=7.0Hz,2H),2.73(明らかなs,2H),2.59−2.55(m,8H),2.42(s,6H),2.28(t,J=7.0Hz,2H),1.56−1.49(m,2H),1.31−1.23(m,2H)ppm.HRMS(ESI) found m/z1180.4416(M+H).C
63H
68Cl
2N
9O
10 requires 1180.4416.
【0210】
実施例24 2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)プロピル2,5−ビス((E)−3−((S)−1−(クロロメチル)−5−(ホスホノオキシ)−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−3−オキソプロパ−1−エニル)フェニルカルバメート(表4、化合物番号72、
図38)
1(新たに上記の手順により作製)の207mg(0.49mmol)に、2(70mg,0.15mmol),EDCI塩酸塩(233mg,1.22mmol)、p−トルエンスルホン酸(3mg,0.015mmol)及びDMA(0.5mL)が添加された。混合物を一晩撹拌した後、DMAのほとんどが真空下で除去され、残留物は酢酸エチルと水との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、セライトのパッドを通して濾過した。溶媒が除去され、得られた残留物は最小限のDCMに溶解され、ヘプタンを添加することによって沈殿させ、粗生成物(156mg)が得られ、これは更に分取HPLC(カラム:Synergi−MaxRP4μ、250×21.20mm;移動相:A/B=25%から1%まで(A:ギ酸アンモニウムpH3.45、B:水中の90%のアセトニトリル):流速12mL/分、勾配法;波長:254nm、325nm)により精製され、黄色い固体として、3(78mg,40%)を得た。
1H NMR(DMSO)δ9.67(s,1H),8.67(s,2H),8.43(d,J=4.5Hz,1H),8.11−8.06(m,3H),7.97(明らかなd,J=8.5Hz,2H),7.92(d,J=15.3Hz,1H),7.84−7.76(m,3H),7.70(d,J=15.3Hz,2H),7.61(t,J=7.6Hz,2H),7.51(t,J=7.7Hz,2H),7.28(d,J=15.3Hz,1H),7.27(d,J=15.3Hz,1H),7.23−7.19(m,1H),4.62−4.53(m,4H),4.43−4.37(m,2H),4.23−4.13(m,2H),4.05−3.95(m,4H),3.42−3.37(m,1H),1.51(s,9H),1.50(s,9H),1.49(s,9H),1.48(s,9H),1.34(d,J=6.5Hz,3H)ppm.
31PNMR(DMSO)δ−15.46(s)and−15.48(s)ppm.HRMS(ESI) found m/z1297.3471(M+Na).C
63H
74Cl
2N
4NaO
12P
2S
2 requires 1297.3489.
氷浴で冷却されたDCM(2mL)中の3(60mg,0.047mmol)の溶液に、TFA(1mL,6.49mmol)が添加された。混合物は室温まで温められ、3時間攪拌された。全ての揮発成分は排出され、得られた残留物は酢酸エチルで粉砕され、黄色い固体として、4(49mg,99%,HPLC純度100%)を得た。
1H NMR(DMSO)δ9.65(s,1H),8.59(s,2H),8.46−8.44(m,1H),8.15−8.08(m,3H),7.96−7.90(m,3H),7.82−7.70(m,3H),7.70(d,J=15.6Hz,1H),7.59(t,J=6.8Hz,2H),7.48(t,J=7.5Hz,2H),7.31−7.22(m,3H),5.75(s,1H),4.64−4.53(m,4H),4.40−4.33(m,3H),4.25−4.15(m,3H),4.06−3.93(m,3H),1.35−1.32(m,3H)ppm.
31PNMR(DMSO)δ−5.95(s)ppm.HRMS(ESI) found m/z1073.0949(M+Na).C
47H
42Cl
2N
4NaO
12P
2S
2 requires 1073.0985.
【0211】
実施例25 [(1S)−1−(クロロメチル)−3−[(E)−3−[4−[(E)−3−[(1S)−1−(クロロメチル)−5−ホスホノオキシ−1,2−ジヒドロベンゾ[e]インドール−3−イル]−3−オキソ−プロパ−1−エニル]−2−[2−[2−(2,5−ジオキソピロール−1−イル)エトキシ]エトキシ]フェニル]プロパ−2−エノイル]−1,2−ジヒドロベンゾ[e]インドール−5−イル]二水素リン酸塩(化合物番号78、表4、
図39)
中間体3
1(新たに上記の手順により作製)の76mg(0.18mmol)に、2(18mg,0.045mmol),EDCI塩酸塩(69mg,0.36mmol)、p−トルエンスルホン酸(0.8mg,0.005mmol)及びDMA(0.25mL)が添加された。混合物を一晩撹拌した後、DMAのほとんどが真空下で除去され、残留物は酢酸エチルと水との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、セライトのパッドを通して濾過した。溶媒が除去され、得られた残留物は最小限のDCMに溶解され、ヘプタンを添加することによって沈殿させ、粗生成物(54mg)が得られ、これは更に分取HPLC(カラム:Synergi−MaxRP4μ,250×21.20mm;移動相:A/B=20%から1%まで(A:ギ酸アンモニウムpH3.45、B:水中の90%のアセトニトリル):流速12mL/分、勾配法;波長:254nm、325nm)により精製され、黄色い固体として、3(17mg,30%)を得た。
1H NMR(CDCl
3)δ8.72(br s,2H),8.23(d,J=8.4Hz,2H),7.96(d,J=15.2Hz,1H),7.83(d,J=15.3Hz,1H),7.71(d,J=8.2Hz,2H),7.54−7.50(m,3H),7.42−7.39(m,2H),7.26−7.12(m,3H),6.95−6.88(m,1H),6.67(s,2H),4.57−4.52(m,2H),4.47−4.38(m,2H),4.28−4.24(m,2H),4.16−4.09(m,2H),4.00−3.94(m,4H),3.78(明らかなs,4H),3.55−.348(m,2H),1.57(s,36H)ppm.
31PNMR(CDCl
3)δ−15.64(s)ppm.HRMS(ESI) found m/z1238.3862(M+Na).C
62H
73Cl
2N
3NaO
14P
2 requires 1238.3837.
氷浴で冷却されたDCM(1mL)中の3(16mg,0.013mmol)の溶液に、TFA(0.5mL,3.24mmol)が添加された。混合物は室温まで温められ、3時間攪拌された。全ての揮発性成分は排出され、得られた残留物は酢酸エチルで粉砕され、黄色い固体として、化合物78(13mg,100%,HPLC純度100%)を得た。
1H NMR(DMSO)δ8.60(s,2H),8.12(d,J=8.4Hz,2H),7.95−7.87(m,4H),7.72(d,J=15.1Hz,1H),7.61−7.57(m,2H),7.53−7.45(m,4H),7.38−7.32(m,2H),6.97(s,2H),4.60−4.48(m,4H),4.30−4.28(m,4H),4.08−3.88(m,6H),3.68−3.58(m,4H).
31PNMR(DMSO)δ−5.94(s)ppm.HRMS(ESI) found m/z1014.1301(M+Na).C
46H
41Cl
2N
3NaO
14P
2 requires 1014.1333.
【0212】
実施例26 [(1S)−1−(クロロメチル)−3−[(E)−3−[4−[(E)−3−[(1S)−1−(クロロメチル)−5−ホスホノオキシ−1,2−ジヒドロベンゾ[e]インドール−3−イル]−3−オキソ−プロパ−1−エニル]−2−[2−(2,5−ジオキソピロール−1−イル)エトキシ]フェニル]プロパ−2−エノイル]−1,2−ジヒドロベンゾ[e]インドール−5−イル]二水素リン酸塩(化合物番号79、表4、
図40)
中間体3
1(新たに上記の手順により作製)の52mg(0.12mmol)に、2(11mg,0.031mmol),EDCI塩酸塩(35mg,0.18mmol)、p−トルエンスルホン酸(0.5mg,0.003mmol)及びDMA(0.25mL)が添加された。混合物を一晩撹拌した後、DMAのほとんどが真空下で除去され、残留物は酢酸エチルと水との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、セライトのパッドを通して濾過した。溶媒が除去され、得られた残留物は最小限のDCMに溶解され、ヘプタンを添加することによって沈殿させ、粗生成物(71mg)が得られ、これは更に分取HPLC(カラム:Synergi−MaxRP4μ,250×21.20mm;移動相:A/B=20%から1%まで(A:ギ酸アンモニウムpH3.45、B:水中の90%のアセトニトリル):流速12mL/分、勾配法;波長:254nm、300nm)により精製され、黄色い固体として、3(15mg,42%)を得た。
1H NMR(CDCl
3)δ8.71(br s,2H),8.25(d,J=8.4Hz,2H),7.95(d,J=15.5Hz,1H),7.83(d,J=15.3Hz,1H),7.72(d,J=8.2Hz,2H),7.60−7.52(m,3H),7.46−7.40(m,2H),7.28−7.20(m,2H),7.13−6.99(m,2H),6.78(s,2H),4.64−4.60(m,2H),4.51−4.45(m,2H),4.38−4.32(m,2H),4.15−4.05(m,4H),4.00−3.95(m,2H),3.57−3.49(m,2H),1.58(s,36H)ppm.
31PNMR(CDCl
3)δ−15.67(s)ppm.HRMS(ESI) found m/z1194.3606(M+Na).C
60H
69Cl
2N
3NaO
13P
2 requires 1194.3575.
化合物番号79
氷浴で冷却されたDCM(0.5mL)中の3(13mg,0.011mmol)の溶液に、TFA(0.2mL,1.30mmol)が添加された。混合物は室温まで温められ、0.5時間攪拌された。ジエチルエーテルが添加され、沈殿物を得て、これは濾過され、酢酸エチルで洗浄され、黄色い固体として、4(化合物番号79)(8.4mg,80%,HPLC純度90%)を得た。
1H NMR(DMSO)δ8.59(s,2H),8.13(d,J=8.3Hz,2H),7.97−7.82(m,4H),7.71(d,J=15.1Hz,1H),7.60−7.52(m,3H),7.49−7.44(m,3H),7.35−7.24(m,2H),7.08(s,2H),4.65−4.50(m,4H),4.40−4.30(m,4H),4.05−3.90(m,6H).
31PNMR(DMSO)δ−5.81(s)ppm.HRMS(ESI) found m/z970.1036(M+Na).C
44H
37Cl
2N
3NaO
13P
2 requires 970.1071.
【0213】
実施例27 2−(2−ピリジルジスルファニル)プロピル−N−[1−(クロロメチル)−3−[5−[1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロベンゾ[e]インドール−3−イル]−5−オキソ−ペンタノイル]−1,2−ジヒドロベンゾ[e]インドール−5−イル]カルバメート(化合物番号80、表4、
図41)
乾燥DMA(2mL)中の62c((31.0mg,0.0674mmol,新たに上記の手順により作製)、53h(23.0mg,0.0674mmol,新たに上記の手順により作製)、EDCI.HCl(38.7mg,0.202mmol)及びTsOH(2.3mg,0.0135mmol)の混合物は、窒素下で、室温で一晩攪拌された。18時間後、反応混合物はEtOAc及びH
2Oで希釈され、良く混合された。この層は分離され、有機層をH
2O(3×)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を真空下で除去した。粗生成物はDCM:MeOH100:0から98:2を使用するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製され、続いてジイソプロピルエーテルで粉砕され、クリーム色の固体として、化合物1(化合物番号80、26.0mg、49%,HPLC純度:95.2%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)10.36(s,1H),9.69(s,1H),8.56(s,1H),8.44(d,J=4.3Hz,1H),8.08(d,J=8.0Hz,1H),8.02−8.00(m,2H),7.92(d,J=8.3Hz,1H),7.85−7.77(m,3H),7.57−7.53(m,1H),7.51−7.47(m,1H),7.45−7.41(m,1H),7.34−7.30(m,1H),7.24−7.21(m,1H),4.42−4.29(m,3H),4.25−4.13(m,5H),4.05−3.97(m,2H),3.91(dd,J=11,7.2Hz,1H),3.79(dd,J=11,8.3Hz,1H),3.43−3.36(m,1H),2.77−2.56(m,4H),2.01−1.93(m,2H),1.34(d,J=6.7Hz,3H).HRMSm/z811.1542[(M+Na)
+,C
40H
38Cl
2N
4NaO
5S
2として計算:811.1553].
【0214】
実施例28 2−(2−ピリジルジスルファニル)プロピル 3−[6−[1−(クロロメチル)−5−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)オキシ−1,2−ジヒドロベンゾ[e]インドール−3−イル]−6−オキソ−ヘキソキシ]−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−11−オキソ−6a,7,8,9−テトラヒドロ−6H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−カルボキシレート,及び2−(2−ピリジルジスルファニル)プロピル 3−[6−[1−(クロロメチル)−5−ホスホノオキシ−1,2−ジヒドロベンゾ[e]インドール−3−イル]−6−オキソ−ヘキソキシ]−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−11−オキソ−6a,7,8,9−テトラヒドロ−6H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−カルボキシレート、及び2−(2−ピリジルジスルファニル)プロピル 3−[6−[1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロベンゾ[e]インドール−3−イル]−6−オキソ−ヘキソキシ]−6−ヒドロキシ−2−メトキシ−11−オキソ−6a,7,8,9−テトラヒドロ−6H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−カルボキシレート(化合物番号81〜83、表4、
図42〜43)
乾燥DMA(15mL)中の1(1.40g,4.00mmol、以下の文献の手順に従って調製:J.Med.Chem.2003,46,2132−2151)、2(1.31g,5.22mmol、以下の文献の手順に従って調製:国際公開第2004065491号(A1))及びK
2CO
3(829mg,6.00mmol)の混合物は室温で43時間攪拌された。次いで、混合物はEtOAc及びH
2Oで希釈され、良く混合され、層は分離された。有機層をH
2O(3×)、かん水(1×)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を真空下で除去した。粗生成物は、EtOAc:Hex50:50から67:33から100:0を使用してシリカ上のカラムクロマトグラフィーによって精製され、黄色の油状物として、化合物3(1.74g,84%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,CDCl
3)8.77(br s,1H),7.79(s,1H),6.82(s,1H),6.02−5.92(m,1H),5.36(dq,J=17.2,1.5Hz,1H),5.26(dq,J=10.4,1.2Hz,1H),4.69−4.60(m,2H),4.47−4.39(m,1H),4.28(br s,1H),4.09−4.05(m,2H),3.83(s,3H),3.90−3.80(m,1H),3.74−3.70(m,1H),3.65−3.59(m,1H),3.54−3.47(m,1H),2.25(t,J=7.4Hz,2H),2.20−2.15(m,1H),1.93−1.84(m,3H),1.81−1.72(m,1H),1.70−1.63(m,3H),1.53−1.47(m,2H),1.44(s,9H).HRMSm/z543.2666[(M+Na)
+,C
27H
40N
2NaO
8として計算:543.2677].
Et
3N(1.32mL,9.47mmol)が、室温で乾燥DMF(6mL)中の3(821mg,1.58mmol)の溶液に添加された。無水酢酸(0.75mL,7.93mmol)が添加され、混合物は室温で4.5時間撹拌された。反応混合物は0℃に冷却され、乾燥MeOH(1mL)が添加され、混合物は15分間0℃で撹拌された。EtOAc(120mL)が添加され、混合物はH
2O(2×)、かん水(1×)で洗浄され、乾燥され(Na
2SO
4)、溶媒は真空下で除去され、化合物4(891mg,定量的)が得られ、これは精製せずに次の工程で使用された。
1H NMRδ(400MHz,CDCl
3)8.88(br s,1H),7.82(s,1H),6.81(s,1H),6.01−5.91(m,1H),5.36(dq,J=17.2,1.5Hz,1H),5.25(dq,J=10.4,1.3Hz,1H),4.65−4.62(m,2H),4.61−4.54(m,1H),4.32−4.22(m,2H),4.09−4.06(m,2H),3.83(s,3H),3.55−3.47(m,2H),2.26−2.23(m,2H),2.18−2.12(m,1H),2.07(s,3H),1.97−1.77(m,5H),1.70−1.63(m,2H),1.54−1.47(m,2H),1.44(s,9H).HRMSm/z585.2774[(M+Na)
+,C
29H
42N
2NaO
9として計算:585.2783].
ピロリジン(1.6mL,19.2mmol)が、室温で乾燥DMF(20mL)中の4(1.06g,1.88mmol)の溶液に添加された。次いで、Pd(PPh
3)
4(109mg,0.0943mmol)が添加され、反応混合物は室温で40分間攪拌された。反応混合物は0.25MHCl溶液(2x75mL)で洗浄され、乾燥され(Na
2SO
4)、溶媒は真空下で除去された。粗生成物は、EtOAc:Hex50:50から100:0を使用してシリカ上のカラムクロマトグラフィーによって精製され、黄色の油状物として、化合物5(726mg,81%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)6.67(s,1H),6.35(s,1H),5.08(s,2H),4.35−4.30(m,1H),4.13−4.06(m,2H),3.87(t,J=6.4Hz,2H),3.63(s,3H),3.50−3.44(m,1H),3.42−3.35(m,1H),2.21(t,J=7.2Hz,2H),2.07−2.00(m,1H),2.01(s,3H),1.89−1.82(m,1H),1.77−1.67(m,4H),1.59−1.51(m,2H),1.44−1.36(m,2H),1.39(s,9H).HRMSm/z501.2573[(M+Na)
+,C
25H
38N
2NaO
7として計算:501.2571].
ジホスゲン(0.22mL,1.82mmol)が、窒素下で、室温で乾燥DMF(25mL)中の5(726mg,1.52mmol)及びDMAP(557mg,4.56mmol)の混合物に添加された。30分後に、乾燥DCM(25mL)中の6の溶液(2.60g,12.9mmol;新たに上記の手順により作製−数字はアルコールに以前は割り当てられていない)が添加され、混合物は室温で一晩撹拌された。18時間後、反応混合物は、H
2O(1×)で洗浄され、乾燥され(Na
2SO
4)、溶媒は真空下で除去された。粗生成物は、DCM:EtOAc100:0から95:5から94:6を使用してシリカ上のカラムクロマトグラフィーによって過剰の6が溶出するまで精製され、次いでEtOAc:Hex70:30を使用して精製され、淡黄色の油状物として、化合物7(920mg,86%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)9.16(br s,1H),8.45−8.43(m,1H),7.83−7.78(m,2H),7.25−7.21(m,1H),7.15(d,J=2.8Hz,1H),6.87(s,1H),4.29(br s,1H),4.17−3.99(m,4H),3.92(t,J=6.4Hz,2H),3.75(s,3H),3.42−3.30(m,3H),2.20(t,J=7.2Hz,2H),2.06−1.95(m,4H),1.83(br s,1H),1.77−1.68(m,4H),1.58−1.49(m,2H),1.43−1.36(m,2H),1.39(s,9H),1.29(d,J=6.8Hz,3H).HRMSm/z706.2832[(M+H)
+,C
34H
48N
3O
9S
2として計算:706.2826].
DCM−MeOH(34mL/17mL)中の7(949mg,1.34mmol)及びK
2CO
3(1.85g,13.4mmol)の混合物が室温で45分間攪拌された。混合物はDCMで希釈され、氷H
2O(200mL)中に注がれ、よく混合され、層は分離された。水層はDCMで抽出され(1×)、混合した有機層は乾燥され(Na
2SO
4)、溶媒は真空下で除去された。粗生成物は、DCM:EtOAc100:0から50:50を使用してシリカ上のカラムクロマトグラフィーによって精製され、淡黄色の油状物として、化合物8(808mg,91%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)9.20(br s,1H),8.44(d,J=4.7Hz,1H),7.81−7.80(m,2H),7.25−7.20(m,2H),6.94(s,1H),4.75(t,J=5.6Hz,1H),4.17−3.99(m,3H),3.92(t,J=6.4Hz,2H),3.74(s,3H),3.60−3.46(m,2H),3.37−3.20(m,3H),2.20(t,J=7.2Hz,2H),1.93−1.76(m,3H),1.75−1.68(m,3H),1.58−1.51(m,2H),1.44−1.36(m,2H),1.39(s,9H),1.29(d,J=6.9Hz,3H).HRMSm/z664.2721[(M+H)
+,C
32H
46N
3O
8S
2として計算:664.2724].
(ジアセトキシヨード)ベンゼン(259mg,0.804mmol)が、室温で乾燥DMF(10mL)中の8(349mg,0.526mmol)及びTEMPO(82.2mg,0.526mmol)の混合物に添加され、反応混合物は一晩撹拌された。24時間後、混合物はDCMと飽和Na
2S
2O
3水溶液で希釈され、良く混合された。この層は分離され、有機層は、飽和Na
2S
2O
3水溶液(1×)、飽和NaHCO
3水溶液(1×)で洗浄され、乾燥され(Na
2SO
4)、溶媒は真空下で除去された。粗生成物は、EtOAc:Hex70:30から100:0を使用してシリカ上のカラムクロマトグラフィーによって精製され、白色泡として、化合物9(248mg,71%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)8.45−8.43(m,1H),7.79−7.69(m,1H),7.51−7.48(m,1H),7.24−7.20(m,1H),7.10(s,1H),6.96及び6.91(2s,1H),6.55(t,J=5.9Hz,1H),5.46(dd,J=8.9,6.1Hz,1H),4.31−4.21(m,1H),4.02−3.84(m,3H),3.80及び3.79(2s,3H),3.52−3.46(m,1H),3.40−3.18(m,3H),2.19−2.13(m,2H),2.09−2.00(m,1H),1.96−1.85(m,3H),1.70−1.67(m,2H),1.56−1.45(m,2H),1.40−1.34(m,2H),1.38及び1.37(2s,9H),1.15−1.10(m,3H).HRMSm/z662.2592[(M+H)
+,C
32H
44N
3O
8S
2として計算:662.2564].
ジオキサン(11mL)中の9(254mg,0.384mmol)及び4MのHClの混合物が室温で1時間15分間攪拌された。溶媒は25〜30℃で真空下で除去され、化合物10(162mg,70%)を得て、これは精製せずに次の工程で使用された。
乾燥DMA(5mL)中の10(161mg,0.266mmol)、58b(195mg,0.542mmol,新たに上記の手順により作製)、EDCI.HCl(253mg,1.32mmol)及びTsOH(19.5mg,0.113mmol)の混合物は、窒素下で、室温で一晩攪拌された。23時間後、反応混合物はEtOAc及び飽和NaHCO
3水溶液で希釈され、良く混合された。層は分離され、水層はEtOAc(1×)で抽出された。混合された有機層をH
2O(1×)、かん水(1×)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、溶媒を真空下で除去した。粗生成物はDCM:MeOH100:0から93:7を使用するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製され、その物質はDCM:MeOH99:1から94:6を使用して再びカラム処理され、淡黄色の泡として、化合物11(化合物番号81,118mg,47%,HPLC純度:98.0%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)8.43−8.41(m,1H),8.22(s,1H),7.96(d,J=8.4Hz,1H),7.83(d,J=8.4Hz,1H),7.73−7.66(m,1H),7.61−7.56(m,1H),7.51−7.45(m,2H),7.22−7.17(m,1H),7.10(s,1H),6.97及び6.92(2s,1H),6.56(t,J=6.0Hz,1H),5.46(dd,J=9.1,6.2Hz,1H),4.42−4.20(m,4H),4.05−3.76(m,7H),3.80及び3.79(2s,3H),3.52−3.47(m,1H),3.38−3.11(m,4H),2.09−1.99(m,1H),1.94−1.88(m,3H),1.77−1.74(m,2H),1.65−1.62(m,2H),1.48−1.42(m,2H),1.35−1.23(m,1H),1.15−1.10(m,3H),9H(DMSOピークにより部分的に不明瞭).HRMSm/z969.3070[(M+Na)
+,C
47H
55ClN
6NaO
9S
2として計算:969.3053].
乾燥DMA(5mL)中の10(162mg,0.267mmol)、66d(178mg,0.418mmol,新たに上記の手順により作製)、EDCI.HCl(184mg,0.960mmol)及びTsOH(11mg,0.0639mmol)の混合物は、窒素下で、室温で一晩攪拌された。18.5時間後、反応混合物はEtOAc及びH
2Oで希釈され、良く混合された。層は分離され、有機層は飽和NaHCO
3水溶液(1×)、H
2O(1×)、かん水(1×)で洗浄され、乾燥され(Na
2SO
4)、溶媒は真空下で除去された。粗生成物は、EtOAc:MeOH100:0から95:5を使用してシリカ上のカラムクロマトグラフィーによって精製され、黄色の残留物を得た。これは、分取HPLC(カラム:Synergi−MAXRP4μ,21.20×250mm;流速:12ml/分;移動相:溶媒A:H
2O/ギ酸アンモニウム緩衝液pH3.45,溶媒B:MeCN/H
2O90:10;方法:勾配,溶媒A:溶媒B90:10から10:90から0:100,30分かけて)により更に精製され、白い泡として12(89.3mg,33%,HPLC純度:99.5%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)8.56(s,1H),8.43−8.41(m,1H),8.04(d,J=8.2Hz,1H),7.92(d,J=8.4Hz,1H),7.73−7.67(m,1H),7.60−7.56(m,1H),7.51−7.45(m,2H),7.22−7.17(m,1H),7.10(s,1H),6.98及び6.92(2s,1H),6.55(t,J=5.6Hz,1H),5.47−5.44(m,1H),4.40−4.36(m,1H),4.30−4.19(m,3H),4.04−3.86(m,4H),3.86−3.75(m,1H),3.80及び3.79(2s,3H),3.52−3.46(m,1H),3.38−3.22(m,3H),3.21−3.15(m,1H),2.09−1.99(m,1H),1.94−1.85(m,3H),1.78−1.74(m,2H),1.69−1.60(m,2H),1.55−1.40(m,2H),1.47and1.47(2s,18H),1.28−1.23(m,1H),1.15−1.10(m,3H).HRMSm/z1035.3162[(M+Na)
+,C
49H
62ClN
4NaO
11PS
2として計算:1035.3175].
乾燥DCM(2mL)中の12(84.0mg,0.0829mmol)及びTFA(1mL)の混合物が室温で40分間攪拌された。次いで、溶媒は25℃で真空下で除去され、緑色の残留物を得た。残留物はDCMに溶解され、溶液はEtOAcで希釈され、DCMは真空下で除去され、白色の固体を得て、残りの溶媒はデカントされた。このプロセスは繰り返され、得られた固体はEtOAcで粉砕され、乾燥され、白色の固体として、化合物13(化合物番号82,43.8mg,59%,HPLC純度:93.8%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)8.47(s,1H),8.44−8.42(m,1H),8.08(d,J=8.3Hz,1H),7.90(d,J=8.3Hz,1H),7.74−7.68(m,1H),7.58−7.54(m,1H),7.51−7.48(m,1H),7.47−7.43(m,1H),7.22−7.18(m,1H),7.10(s,1H),6.98and6.93(2s,1H),5.46(d,J=9.5Hz,1H),4.39−4.18(m,4H),4.04−3.95(m,3H),3.90−3.85(m,1H),3.84−3.76(m,1H),3.80及び3.80(2s,3H),3.52−3.47(m,1H),3.40−3.27(m,3H),3.21−3.15(m,1H),2.10−2.02(m,1H),1.94−1.88(m,3H),1.78−1.74(m,2H),1.69−1.60(m,2H),1.48−1.42(m,2H),1.35−1.23(m,1H),1.16−1.10(m,3H),3H(観測されず)。HRMSm/z923.1938[(M+Na)
+,C
41H
46ClN
4NaO
11PS
2として計算:923.1923].
乾燥DMA(3mL)中の10(45.0mg,0.0743mmol),67d(24.3mg,新たに上記の手順により作製)、EDCI.HCl(42.7mg,0.223mmol)及びTsOH(3mg,0.0174mmol)の混合物は、窒素下で、室温で5時間攪拌された。67d(24.3mg,0.0899mmol)及びEDCI.HCl(16.0mg,0.0835mmol)の付加的部分が混合物に添加され、反応物をは室温で撹拌された。22時間後、反応混合物は、EtOAcで希釈され、H
2O(2×)、かん水(1×)で洗浄され、乾燥され(Na
2SO
4)、溶媒は真空下で除去された。粗生成物は、EtOAcを使用してシリカ上のカラムクロマトグラフィーによって精製され、緑色の粉末を得た。これは、EtOAcをもう一度使用するシリカゲル上でカラムクロマトグラフィーを行って更に精製され、ベージュ色の固体として、化合物14(化合物番号83,8.3mg,13.5%,HPLC純度:81.2%)を得た。
1H NMRδ(400MHz,DMSO−d
6)10.33(s,1H),8.43−8.42(m,1H),8.07(d,J=8.1Hz,1H),7.98(s,1H),7.77(d,J=8.4Hz,1H),7.74−7.67(m,1H),7.50−7.46(m,2H),7.33−7.29(m,1H),7.24−7.18(m,1H),7.10(s,1H),6.98及び6.92(2s,1H),6.56(t,J=6.0Hz,1H),5.47−5.44(m,1H),4.33−4.21(m,2H),4.15−4.13(m,2H),4.05−3.93(m,3H),3.90−3.75(m,2H),3.80及び3.79(2s,3H),3.52−3.47(m,1H),3.38−3.13(m,4H),2.10−1.99(m,1H),1.94−1.89(m,3H),1.77−1.74(m,2H),1.66−1.62(m,2H),1.52−1.41(m,2H),1.32−1.24(m,1H),1.15−1.10(m,3H).HRMSm/z843.2258[(M+Na)
+,C
41H
45ClN
4NaO
8S
2として計算:843.2260].
【0215】
実施例29 (1S)−1−(クロロメチル)−3−((2E)−3−{4−((1E)−3−{(1S)−1−(クロロメチル)−5−[(6−メチル−β−D−グルコピラヌロノシル)オキシ]−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]インドール−3−イル}−3−オキソ−1−プロペニル)−2−[(3−{[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]アミノ}プロパノイル)アミノ]フェニル}−2−プロペノイル)−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]インドール−5−イル メチルβ−D−グルコピラノシドウロン酸(化合物番号84、表4、
図44)
トリクロロアセトイミド酸(1)は文献の手順に従って調製された: L. Lazar, E. Mezoe, M. Herczeg, A. Liptak, S. Antus, A. Borbas, Tetrahedron 2012, 68, 7386-7399; L. Tietze, H. Schuster, K. Schmuck, I. Schuberth, F. Alves, Bioorg. & Med. Chem. 2008, 16, 6312-6318.
無水CH
2Cl
2(20mL)中のトリクロロアセトイミド酸(1)(360mg,0.75mmol),フェノール−CBI(2,最初の特許出願中の化合物51a)(200mg,0.60mmol)及び活性化モレキュラーシーブ4Å(1g)の懸濁液は室温で1時間攪拌された。混合物はー10℃へ冷却され、次いでBF
3.OEt
2(40μl,0.3mmol)が滴下された。温度は、1時間、−10℃と−5℃の間に保持され、次いで、これは0℃で30分間撹拌された。続いてBF
3.OEt
2(0.24mL,1.8mmol)が0℃で滴下され、温度を室温に上昇させ、それを2時間撹拌した。次いで、懸濁液はセライト上で濾過され、溶媒を蒸発させて、粗CBI−グルクロニド(3)を得て、これは精製せずに次の工程で使用された。無水DMA(4mL)中のアミン(3)及びビス酸(4、最初の特許出願中の化合物66h)(126mg,0.24mmol)の溶液は0℃に冷却された。次いで、pTsOH(17mg,0.096mmol)及びEDCI
.HCl(276mg,1.44mmol)が添加され、温度を室温に上昇させ、それを16時間撹拌した。溶媒は減圧下で除去され、残留物はカラムクロマトグラフィー(SiO
2,CH
2Cl
2/MeOH0−2%)次いで(SiO
2,CH
2Cl
2/MeOH1−2%)により精製され、黄色い固体として、(1S)−1−(クロロメチル)−3−((2E)−3−{4−((1E)−3−{(1S)−1−(クロロメチル)−5−[(2,3,4−トリ−O−アセチル−6−メチル−β−D−グルコピラヌロノシル)オキシ]−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]インドール−3−イル}−3−オキソ−1−プロペニル)−2−[(3−{[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]アミノ}プロパノイル)アミノ]フェニル}−2−プロペノイル)−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]インドール−5−イル メチル2,3,4−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドウロン酸(5)(127mg,27%)を得た。
1H NMR(300MHz,[(CD
3)
2SO])d10.04(s,1H,NH),8.38(br s,2H),8.11(d,J=8.1Hz,1H),7.97(d,J=8.5Hz,2H),7.93(d,J=8.2Hz,2H),7.83−7.88(m,4H),7.78(d,J=7.6Hz,1H),7.68−7.72(m,3H),7.59(t,J=7.5Hz,2H),7.45−7.48(m,3H),7.38(t,J=7.4Hz,2H),7.25−7.29(m,4H),5.85(d,J=7.7Hz,1H),5.83(d,J=7.8Hz,1H),5.62−5.65(m,2H),5.32(t,J=8.7Hz,2H),5.14(t,J=9.6Hz,2H),4.78(t,J=8.2Hz,2H),4.55(m,4H),4.31−4.38(m,4H),4.22(t,J=6.9Hz,1H),4.01−4.03(m,2H),3.91−3.96(m,2H),3.65(s,3H),3.63(s,3H),3.36−3.38(m,2H),2.59−2.64(m,2H),1.98−2.03(m,18H);LC−MS(ESI)C
82H
79Cl
2N
4O
25として計算:(M+H)
+m/z1591.4, found m/z1591.4;C
82H
78Cl
2N
4O
25として計算:Na(M+Na)
+m/z1613.4, found m/z1613.4.
無水DMF(5mL)中の誘導体(5)(110mg,0.07mmol)及びピペリジン(468mL,0.7mmol)の溶液は室温で30分間撹拌された。溶媒は室温で減圧下で除去され、残留物は冷Et
2Oで粉砕され、粗い(1S)−3−{(2E)−3−[2−[(3−アミノプロパノイル)アミノ]−4−((1E)−3−{(1S)−1−(クロロメチル)−5−[(2,3,4−トリ−O−アセチル−6−メチル−β−D−グルコピラヌロノシル)オキシ]−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]インドール−3−イル}−3−オキソ−1−プロペニル)フェニル]−2−プロペノイル}−1−(クロロメチル)−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]インドール−5−イル メチル2,3,4−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドウロン酸(6)(86mg,90%)を得て、これは精製せずに次の工程で使用された。
1H NMR(300MHz,[(CD
3)
2SO]d8.38(br s,2H),8.10(d,J=8.4Hz,1H),7.98(d,J=8.4Hz,2H),7.94(d,J=8.4Hz,2H),7.90(s,1H),7.88(d,J=15.1Hz,1H),7.76(d,J=7.6Hz,1H),7.70(d,J=15.1Hz,1H),7.59(t,J=7.9Hz,2H),7.47(t,J=7.9Hz,2H),7.27(dd,J=3.4,15.3Hz,2H),5.85(d,J=7.8Hz,1H),5.84(d,J=7.8Hz,1H),5.63−5.68(m,2H),5.32(dd,J=7.8,9.6Hz,2H),5.14(dt,J=1.5,9.6Hz,2H),4.79(d,J=9.6Hz,2H),4.56−4.60(m,4H),4.29−4.41(m,2H),4.02−4.04(m,2H),3.92−3.97(m,2H),3.67(s,6H),2.93(t,J=6.4Hz,2H),2.03−2.04(m,18H),2H(DMSOピーク下),NH及びNH
2は観測されなかった。
MeOH/CH
2Cl
2(10mL)の(1:1)混合物中のアミン(6)(110mg,0.08mmol)の攪拌溶液に、0℃で、MeOH(1mL)中のNaOMe(8.7mg,0.16mmol)の溶液が滴下され、反応混合物は2時間0℃で攪拌された。次いで、AcOH(8滴)が添加され、溶媒は室温で減圧下で除去され、高真空下で乾燥され、オレンジ色の固体として、(1S)−3−{(2E)−3−[2−[(3−アミノプロパノイル)アミノ]−4−((1E)−3−{(1S)−1−(クロロメチル)−5−[(6−メチル−β−D−グルコピラヌロノシル)オキシ]−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]インドール−3−イル}−3−オキソ−1−プロペニル)フェニル]−2−プロペノイル}−1−(クロロメチル)−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]インドール−5−イル メチル−β−D−グルコピラノシドウロン酸(7)を得て、これは精製せずに次の工程で使用された。無水DMF(5mL)中のアミン(7)とN−スクシンイミジル−6−マレイミドヘキサン酸(24mg,0.077mmol)の撹拌溶液にDIEA(78mL,0.1mmol)が添加され、混合物は室温で一晩撹拌された。次いで、溶媒は室温で減圧下で除去され、残留物はカラムクロマトグラフィー(SiO
2,EtOAc/MeOH10−20%)次いで2回(SiO
2,EtOAc/MeOH15%)により精製され、黄色い固体として、(1S)−1−(クロロメチル)−3−((2E)−3−{4−((1E)−3−{(1S)−1−(クロロメチル)−5−[(6−メチル−β−D−グルコピラヌロノシル)オキシ]−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]インドール−3−イル}−3−オキソ−1−プロペニル)−2−[(3−{[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]アミノ}プロパノイル)アミノ]フェニル}−2−プロペノイル)−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]インドール−5−イル メチル−β−D−グルコピラノシドウロン酸 8(化合物番号84)(31mg,34%)を得た。HPLC純度95.9%;
1H NMR(300MHz,[(CD
3)
2SO]d10.01(s,1H),8.32(s,2H),8.31(d,J=8.6Hz,2H),8.09(d,J=8.2Hz,1H),7.89−7.95(m,3H),7.84(t,J=7.6Hz,2H),7.77(d,J=8.0Hz,1H),7.70(d,J=15.1Hz,1H),7.58(t,J=7.9Hz,2H),7.43(t,J=8.0Hz,2H),7.27(d,J=15.6Hz,2H),6.96(s,2H),5.67(d,J=5.3Hz,1H),5.66(d,J=5.3Hz,1H),5.45(d,J=5.6Hz,2H),5.35(d,J=4.6Hz,2H),5.16(d,J=7.5Hz,2H),4.52−4.62(m,4H),4.33(br s,2H),3.99−4.04(m,4H),3.93(dd,J=7.4,10.5Hz,2H),3.68(s,3H),3.67(s,3H),3.37−3.48(m,8H),2.57−2.61(m,2H),2.09(t,J=7.3Hz,2H),1.41−1.54(m,4H),1.14−1.23(m,4H);HRMS(ESI)C
65H
67Cl
2N
5NaO
20として計算:(M+Na
+)m/z1330.3649; found m/z1330.3600.
【0216】
実施例30 (S)−(1−メチル−1H−ピロール−2,5−ジイル)ビス(((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)メタノン)(化合物番号15、表1、
図45)
NMP(10mL)中の1(500mg,3.22mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミドジ−tert−ブチル アセタール(2,5.24g,25.77mmol)が100℃まで加熱され、一晩撹拌された。ほとんどの揮発性成分は減圧下で除去され、得られた残留物は酢酸エチルと水との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、シリカのパッドを通して濾過した。溶媒は除去され、3は、蒼白色の結晶性固体(331mg,38%)として得られた;
1H NMR(DMSO)δ12.26(s,1H),6.68(d,J=2.0Hz,2H),1.51(s,18H)ppm.HRMS(ESI) found m/z290.1362(M+Na).C
14H
21NNaO
4 requires 290.1363.
MeCN(1mL)中の3(50mg,0.18mmol),K
2CO
3(52mg,0.37mmol),MeI(0.12mL,1.87mmol)及びヨウ化テトラブチルアモニウム(3.5mg,0.0094mmol)と水(0.01mL)の混合物は35〜40℃で加熱され、3日間攪拌された。反応混合物は酢酸エチルと水との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、シリカのパッドを通して濾過した。溶媒は除去され、4は、蒼白色の油状物として得られ、これは、数時間で無色の結晶性固体となった;
1H NMR(CDCl
3)δ6.77(s,2H),4.21(s,3H),1.56(s,18H)ppm.HRMS(ESI) found m/z304.1512(M+Na).C
15H
23NNaO
4 requires 304.1519.
DCM(1mL)中の4(45mg,0.16mmol)の溶液に、室温で、TFA(0.5mL,6.49mmol)が添加された。混合物は3時間撹拌され、ピンク色の溶液を得た。全ての揮発性成分は排出され、得られた残留物は石油エーテルで粉砕され、ピンク色の固体として5(25mg,93%)を得た。
1H NMR(DMSO)δ12.81(s,2H),6.80(s,2H),4.15(s,3H)ppm.HRMS(ESInegative) found m/z168.0306(M−H).C
7H
6NO
4 requires 168.0302.
DCM(2mL)中のBoc−CBI−OH(Comp51a,130mg,0.39mmol)の溶液に、室温で、ジオキサン中の4NのHCl(2mL)が添加された。混合物は2.5時間撹拌された。全ての揮発性成分は排出され、得られた残留物(6)はそのまま直接使用された。
DMA(2mL)中の6(上記で作製)、5(22mg,0.13mmol)、EDCI塩酸塩(150mg,0.78mmol)及びp−トルエンスルホン酸(2.2mg,0.013mmol)の混合物は室温で一晩撹拌された。ほとんどの揮発性成分は除去され、得られた残留物は酢酸エチルと水との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、セライトのパッドを通して濾過した。溶媒は除去され、得られた残留物は溶離液としてMeOH及びDCM(v/v 2%)の混合物を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製され、オフホワイトの固体として、7(化合物番号15、表1)(60mg,77%)を得た。
1H NMR(DMSO)δ10.43(s,2H),8.12(d,J=8.3Hz,2H),7.83(d,J=8.3Hz,2H),7.73(br s,2H),7.52(dd,J=1.0,8.0Hz,2H),7.37(dd,J=0.4,8.0Hz,2H),6.77(s,2H),4.62−4.57(m,2H),4.31−4.27(m,2H),4.10−4.07(m,2H),4.02−4.00(m,2H),3.88−3.85(m,5H)ppm.HRMS(ESI) found m/z622.1255(M+Na).C
33H
27Cl
2N
3NaO
4 requires 622.1271.
【0217】
実施例31 N−(2,5−ビス((E)−3−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)−3−オキソプロパ−1−エニル)フェニル)アセトアミド(化合物番号16、表1、
図46)
氷浴中のTHF(5mL)及びピリジン(5mL)中の1(66f,500mg,1.45mmol)の溶液に、塩化アセチル(0.50mL,7.03mmol)が添加された。混合物は室温まで温められ、一晩攪拌された。全ての揮発性成分は排出され、得られた残留物は酢酸エチルと重炭酸ナトリウム水溶液との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、セライトのパッドを通して濾過した。溶媒は除去され、得られた残留物は、溶離液として酢酸エチルと石油エーテルの混合物(v/v 1:2)を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製され、オフホワイトの固体として、2(475mg,85%)を得た;
1H NMR(CDCl
3)δ8.00(s,1H),7.70(d,J=15.8Hz,1H),7.55−7.51(m,2H),7.31(明らかなd,J=8.6Hz,2H),6.40(d,J=16.0Hz,1H),6.37(d,J=15.8Hz,1H),2.25(s,3H),1.54(s,9H),1.53(s,9H)ppm.HRMS(ESI) found m/z410.1921(M+Na).C
22H
29NNaO
5 requires 410.1938.
DCM(5mL)中の2(470mg,1.21mmol)の溶液に、室温で、TFA(2.5mL,32.40mmol)が添加された。混合物は3時間撹拌され、白色懸濁液を得た。追加のDCMが添加され、より多くの固体を沈殿させ、これを濾過により回収し、酢酸エチル及び石油エーテルで洗浄した。3は白色固体(290mg,87%)として得られた。
1H NMR(DMSO)δ12.40(br s,2H),9.89(s,1H),7.85(d,J=8.3Hz,1H),7.70(明らかなd,J=16.0Hz,2H),7.57−7.53(m,2H),6.54(d,J=15.9Hz,1H),6.53(d,J=16.0Hz,1H),2.09(s,3H)ppm.HRMS(ESI) found m/z298.0672(M+Na).C
14H
13NNaO
5 requires 298.0686.
DCM(3mL)中のBoc−CBI−OH(Comp51a,291mg,0.87mmol)の溶液に、室温で、ジオキサン中の4NのHCl(3mL)が添加された。混合物は2.5時間撹拌された。全ての揮発性成分は排出され、得られた残留物(4)はそのまま直接使用された。
DMA(3mL)中の4(上記で作製)、3(80mg,0.29mmol)、EDCI塩酸塩(334mg,1.74mmol)及びp−トルエンスルホン酸(5mg,0.029mmol)の混合物は室温で一晩撹拌された。全ての揮発性成分は排出され、得られた残留物はメタノールで数回粉砕され、粗生成物(123mg)を得て、これをTHFに溶解させ、MeOHの添加により沈殿させ、黄色の固体として5(化合物番号16、表1)(96mg,47%,HPLC純度97%)を得た;
1H NMR(DMSO)δ10.43(s,2H),9.97(s,1H),8.12−8.07(m,5H),7.85−7.81(m,4H),7.74(明らかなd,J=6.7Hz,1H),7.68(d,J=15.4Hz,1H),7.73(t,J=7.4Hz,2H),7.35(t,J=7.5Hz,2H),7.26(dd,J=3.2,15.3Hz,2H),4.58−4.46(m,4H),4.28−4.22(m,2H),4.05−3.98(m,2H),3.88−3.82(m,2H),2.15(s,3H)ppm.HRMS(ESI) found m/z728.1662(M+Na).C
40H
33Cl
2N
3NaO
5 requires 728.1689.
【0218】
実施例32 (S,2E,2’E)−3,3’−(2−メトキシ−1,4−フェニレン)ビス(1−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)プロパ−2−エン−1−オン)(化合物番号17、表1、
図47)
ドライアイス−MeCN浴中のー30℃から−40℃での乾燥THF(12mL)中の1(2.50g,13.30mmol)の溶液に、N
2下で、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(BF
3・Et
2O,4.92mL,39.90mmol)が滴下された。混合物を10分間−30℃で撹拌した後、
tBuONO(2.39mL,19.94mmol)が滴下された。反応混合物は室温まで温められ、1.5時間攪拌され、懸濁液を得た。石油エーテル(50mL)が添加され、追加の沈殿物を得た。上清はデカンテーションにより除去され、残された固体は石油エーテルで洗浄され、白色の固体を得た。この固体は乾燥MeCN(20mL)に溶解され、氷浴中で冷却された。KI(11.00g,66.26mmol)及びI
2(6.00g,23.64mmol)が添加された。反応混合物は室温で4時間撹拌され、その後飽和Na
2S
2O
3水溶液(50mL)が添加され、反応をクエンチした。混合物を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、セライトのパッドを通して濾過した。溶媒は除去され、得られた残留物は、溶離液として酢酸エチルと石油エーテルの混合物(v/v 1:9)を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製され、蒼白色の固体として、2(2.83g,71%)を得た;
1H NMR(CDCl
3)δ7.50(d,J=8.5Hz,1H),7.16(d,J=2.2Hz,1H),6.84(dd,J=2.2,8.5Hz,1H),5.39(s,1H)ppm.
再蒸留トリエチルアミン(5mL)中の2(500mg,1.67mmol),tert−ブチルアクリレート(0.728mL,5.02mmol),酢酸パラジウム(II)(7.5mg,0.033mmol)及びトリ−オルト−トリルホスフィン(41mg,0.13mmol)はN
2下で一晩還流で加熱され、濃い灰色の懸濁液を得た。全ての揮発性成分が排出された。得られた残留物は酢酸エチルに溶解され、沈殿物は濾過された。濾液を蒸発させ、得られた残留物は、溶離液として酢酸エチルと石油エーテルの混合物(v/v 1:6)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製され、オフホワイトの固体として、3(160mg,28%)を得た。
1H NMR(DMSO)δ10.43(s,1H),7.75(d,J=16.4Hz,1H),7.63(d,J=8.4Hz,1H),7.45(d,J=16.0Hz,1H),7.18(d,J=8.0Hz,1H),7.07(d,J=0.8Hz,1H),6.56(d,J=16.4Hz,1H),6.41(d,J=15.6Hz,1H),1.483(s,9H),1.478(s,9H)ppm.HRMS(ESI) found m/z369.1687(M+Na).C
20H
26NaO
5 requires 369.1672.
DMF(2mL)中の3(160mg,0.46mmol)の溶液に、K
2CO
3(254mg,1.84mmol)及びMeI(0.28mL,4.50mmol)が添加された。混合物は一晩、室温で撹拌され、沈殿物は濾過された。得られた濾液を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、セライトのパッドを通して濾過した。溶媒は除去され、得られた残留物は、溶離液として酢酸エチルと石油エーテルの混合物(v/v 1:10)を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製され、無色の油状物として、4(72mg,43%)を得た;
1H NMR(CDCl
3)δ7.87(d,J=16.2Hz,1H),7.54(d,J=15.9Hz,1H),7.49(d,J=8.0Hz,1H),7.10(dd,J=1.3,8.0Hz,1H),7.00(d,J=1.2Hz,1H),6.47(d,J=16.1Hz,1H),6.38(d,J=15.9Hz,1H),3.91(s,3H),1.539(s,9H),1.533(s,9H)ppm.HRMS(ESI) found m/z383.1838(M+Na).C
21H
28NaO
5 requires 383.1829.
DCM(2mL)中の4(70mg,0.19mmol)の溶液に、室温で、TFA(1mL,12.98mmol)が添加された。混合物は2.5時間撹拌され、白色懸濁液を得た。全ての揮発性成分は排出され、得られた残留物はDCMで粉砕され、白色の固体として5(41mg,85%)を得た。
1H NMR(DMSO)δ12.41(br s,2H),7.80(d,J=16.2Hz,1H),7.72(d,J=8.0Hz,1H),7.58(d,J=16.0Hz,1H),7.41(d,J=1.2Hz,1H),7.30(dd,J=1.0,8.1Hz,1H),6.47(d,J=16.0Hz,1H),6.38(d,J=16.1Hz,1H),3.92(s,3H)ppm.HRMS(ESI) found m/z271.0573(M+Na).C
13H
12NaO
5 requires 271.0577.
DCM(2mL)中のBoc−CBI−OH(Comp51a,161mg,0.48mmol)の溶液に、室温で、ジオキサン中の4NのHCl(2mL)が添加された。混合物は2.5時間撹拌された。全ての揮発性成分は排出され、得られた残留物(6)はそのまま直接使用された。
DMA(1mL)中の6(上記で作製)、5(40mg,0.16mmol)、EDCI塩酸塩(185mg,0.97mmol)及びp−トルエンスルホン酸(2.8mg,0.016mmol)の混合物は室温で一晩撹拌された。全ての揮発性成分は排出され、得られた残留物はメタノールで粉砕され、黄色の固体を得て、これをTHFに溶解させ、メタノールの添加により沈殿させ、黄色の固体として7(化合物番号17、表1)(45mg,41%,HPLC純度98%)を得た;
1H NMR(DMSO)δ10.43(s,2H),8.12−8.10(m,4H),8.00−7.95(m,2H),7.85−7.80(m,2H),7.72(d,J=15.4Hz,1H),7.54−7.50(m,4H),7.37−7.26(m,4H),4.57−4.45(m,4H),4.28−4.22(m,2H),4.00−3.99(m,5H),3.90−3.83(m,2H)ppm.HRMS(ESI) found m/z701.1596(M+Na).C
39H
32Cl
2N
2NaO
5 requires 701.1580.
【0219】
実施例33 (S,2E,2’E)−3,3’−(1−メチル−1H−ピロール−2,5−ジイル)ビス(1−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)プロパ−2−エン−1−オン)(化合物番号18、表1、
図48)
1は文献の方法を使用して調製された(参考:Russ J Org Chem, 2007, 43, 855-860)。
2
MeCN(2mL)中の1(50mg,0.41mmol),K
2CO
3(112mg,0.81mmol),MeI(0.25mL,4.06mmol)及びヨウ化テトラブチルアモニウム(7.5mg,0.020mmol)と水(0.02mL)の混合物は40℃で加熱され、3時間攪拌された。ほとんどの揮発性成分は減圧下で除去され、得られた残留物は酢酸エチルと水との間で再分配された。水相を酢酸エチルで3回抽出した。混合された有機抽出物を水、続いてかん水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、シリカのパッドを通して濾過した。溶媒は除去され、白色の固体として2(47mg,84%)が得られ;報告されたものと同一の
1H NMRスペクトルを得た(参考:C. E. Loader, G. H. Barnett and H. J. Anderson, Can. J. Chem., 1982, 60, 383)。
4
DCM(3mL)中の2(40mg,0.29mmol)及びメチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセタート(3,400mg,1.20mmol)の混合物は2日間攪拌され、黄色い溶液を得た。混合物は、溶離液として酢酸エチルと石油エーテルの勾配混合物(v/v =1:5,1:4及び1:3)を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製され、黄色い固体として4(63mg,87%)を得た;
1H NMR(CDCl
3)δ7.61(d,J=15.6Hz,2H),6.70(s,2H),6.26(d,J=15.6Hz,2H),3.79(s,6H),3.73(s,3H)ppm.HRMS(ESI) found m/z272.0898(M+Na).C
13H
15NNaO
4 requires 272.0893.
5
EtOH(2mL)及びTHF(1mL)中の4(60mg,0.24mmol)及びKOH(100mg,1.78mmol)の混合物は、70℃で2時間攪拌された。混合物を乾燥するまで減圧下で蒸発させた。得られた残留物は水に溶解されpH5まで1NのHClで酸性化され、黄色の沈殿物を得、これを濾過によって回収し、その後、水及び石油エーテルで洗浄され、黄色の固体として5(51mg,96%)を得た;
1H NMR(DMSO)δ12.20(s,2H),7.54(d,J=15.6Hz,2H),6.89(s,2H),6.30(d,J=15.6Hz,2H),3.70(s,3H)ppm.HRMS(ESI) found m/z244.0590(M+Na).C
11H
11NNaO
4 requires 244.0580.
7
DCM(2mL)中のBoc−CBI−OH(Comp51a,200mg,0.60mmol)の溶液に、室温で、ジオキサン中の4NのHCl(10mL)が添加された。混合物は2時間撹拌された。全ての揮発性成分は排出され、得られた残留物(6,comp67d)はそのまま直接使用された。
DMA(2mL)中の6(上記で作製)、5(49mg,0.22mmol)、EDCI塩酸塩(255mg,1.33mmol)及びp−トルエンスルホン酸(3.8mg,0.022mmol)の混合物は室温で一晩撹拌された。溶媒は除去され、得られた残留物は、MeOHと酢酸エチルの混合物(v/v 3%)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製され、粗生成物は酢酸エチルにより粉砕され、オレンジ色の固体として7(60mg,41%,HPLC100%)を得た;
1H NMR(DMSO)δ10.41(s,2H),8.11(d,J=8.2Hz,4H),7.81(d,J=8.3Hz,2H),7.70(d,J=14.9Hz,2H),7.50(t,J=7.4Hz,2H),7.33(t,J=7.5Hz,2H),7.12(s,2H),7.01(d,J=14.9Hz,2H),4.49−4.42(m,4H),4.24−4.19(m,2H),4.01−3.97(m,2H),3.85−3.82(m,5H)ppm.HRMS(ESInegative) found m/z650.1600(M−H).C
37H
30Cl
2N
3O
4 requires 650.1619.
【0220】
実施例34 (S)−3,3’−(2−メトキシ−1,4−フェニレン)ビス(1−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[e]インドール−3(2H)−イル)プロパ−2−イン−1−オン)(化合物番号19、表1、
図49)
2
化合物2は、米国特許第2007/49758号に記載されたものに基づいて修飾された手順により合成された。DCM(100mL)中の1(5.50g,25.00mmol)及び酢酸銀(I)(6.26g,37.5mmol)の懸濁液に、DCM(150mL)中のヨード溶液(6.98g,27.50mmol)が滴下された。得られた混合物は室温で一晩撹拌され、次いでセライトのパッドを通して濾過された。濾液を蒸発させ、得られた残留物は、溶離液として酢酸エチルと石油エーテルの混合物(v/v 1:10)を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製され、白色の固体として、2(966mg,11%)を得た;;mp 97−99℃.
1H NMR(CDCl
3)δ7.342(d,J=8.3Hz,1H),7.339(d,J=2.0Hz,1H),7.00(dd,J=2.0,8.3Hz,1H),5.32(s,1H)ppm.
13CNMR(CDCl
3,100.6MHz)δ155.70,139.46(CH),131.80(CH),124.44(CH),94.65,85.52ppm.
3
DMF(4mL)中の2(270mg,0.78mmol)の溶液に、K
2CO
3(162mg,1.17mmol)及びMeI(0.24mL,3.90mmol)が添加された。混合物は室温で2時間攪拌された。混合物はシリカゲルのパッドを通して濾過され、濾液を蒸発させて、無色油状物として3(277mg,99%)を得た;
1H NMR(CDCl
3)δ7.45(d,J=8.1Hz,1H),7.09(d,J=1.8Hz,1H),7.04(dd,J=1.8,8.1Hz,1H),3.87(s,3H)ppm.
4
再蒸留トリエチルアミン(5mL)中の3(274mg,0.76mmol)、tert−ブチルプロピオル酸(0.314mL,2.28mmol),ヨウ化銅(I)(5.8mg,0.030mmol),酢酸パラジウム(II)(3.4mg,0.015mmol)及びトリフェニルホスフィン(12mg,0.046mmol)はN
2下で一晩60℃で加熱され、浅黒い懸濁液を得た。全ての揮発性成分が排出された。得られた残留物はDCMに溶解され、沈殿物は濾過された。濾液を蒸発させ、得られた残留物は、溶離液としてDCMと石油エーテルの混合物(v/v 1:1)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製され、オフホワイトの固体として、4(195mg,72%)を得た。
1H NMR(CDCl
3)δ7.48(d,J=7.9Hz,1H),7.13(d,J=7.9Hz,1H),7.06(s,1H),3.89(s,3H),1.545(s,9H)及び1.514(s,9H)ppm.HRMS(ESI) found m/z379.1510(M+Na).C
21H
24NaO
5 requires 379.1516.
5
DCM(2mL)中の4(100mg,0.28mmol)の溶液に、室温で、TFA(1mL,12.98mmol)が添加された。混合物は2.5時間撹拌され、白色懸濁液を得た。全ての揮発性成分は排出され、得られた残留物はDCMと石油エーテルの混合物(v/v=1:1)で粉砕され、白色の固体として5(66mg,85%)を得た。
1H NMR(DMSO)δ13.92(br s,2H),7.61(d,J=7.9Hz,1H),7.37(明らかなs,1H),7.25(dd,J=1.1,7.9Hz,1H),3.90(s,3H)ppm.
7
DCM(3mL)中のBoc−CBI−OH(Comp51a,267mg,0.80mmol)の溶液に、室温で、ジオキサン中の4NのHCl(3mL)が添加された。混合物は2.5時間撹拌された。全ての揮発性成分は排出され、得られた残留物(6)はそのまま直接使用された。
DMA(1mL)中の6(上記で作製)、5(65mg,0.27mmol)、EDCI塩酸塩(306mg,1.60mmol)及びp−トルエンスルホン酸(4.6mg,0.027mmol)の混合物は室温で一晩撹拌された。全ての揮発性成分は排出され、得られた残留物はメタノールで粉砕され、黄色の固体を得て、これをTHFに溶解させ、メタノールの添加により沈殿させ、黄色の固体として7(140mg,78%,HPLC純度99%)を得た;
1H NMR(DMSO)δ10.52(s,2H),8.12(d,J=8.4Hz,2H),7.90−7.85(m,4H),7.76(d,J=7.9Hz,1H),7.56−7.50(m,3H),7.41−7.37(m,3H),4.63−4.49(m,4H),4.29−4.21(m,2H),4.09−4.06(m,2H),4.01(s,3H),3.99−3.94(m,1H),3.91−3.86(m,1H)ppm.HRMS(ESI) found m/z697.1267(M+Na).C
39H
28Cl
2N
2NaO
5 requires 697.1267.
【0221】
実施例19 還元及び再酸化によるコンジュゲーションのためのシステイン操作抗体の調製
特定の条件下で、システイン操作抗体は、DTT(クレランド試薬、ジチオトレイトール)又はTCEP(トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩;Getz et al (1999) Anal. Biochem. Vol 273:73-80; Soltec Ventures, Beverly, MA)などの還元剤で処理することにより、表4のものなどの本発明のリンカー−薬物中間体とのコンジュゲーションのための反応を行い得る。CHO細胞で発現される全長システイン操作モノクローナル抗体(ThioMab)(Gomez et al (2010) Biotechnology and Bioeng. 105(4):748-760; Gomez et al (2010) Biotechnol. Prog. 26:1438-1445)は、例えば、約50倍過剰のDTTで室温で一晩還元され、新たに導入されたシステイン残基と培養培地中に存在するシステインとの間に形成され得るジスルフィド結合を還元する。
軽鎖アミノ酸はKabatに従って番号付けされる(Kabat et al., Sequences of proteins of immunological interest, (1991) 5th Ed., US Dept of Health and Human Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD)。重鎖アミノ酸は、Kabatシステムと記された場合を除いてEU番号付けシステムに従って番号付けされる(Edelman et al (1969) Proc. Natl. Acad of Sciences 63(1):78-85)。一文字アミノ酸略語が使用される。
CHO細胞で発現された全長のシステイン操作モノクローナル抗体(ThioMab)は、細胞培養条件によって、システイン付加体(システイン)を有するか又は操作されたシステインにグルタチオン付加される。操作されたシステインの反応性チオール基を遊離させるために、ThioMabを、pHが約8.0にて、500mMのホウ酸ナトリウム及び500mM塩化ナトリウムに溶解させ、1mMのTCEP(トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(Getz et al (1999) Anal. Biochem. Vol 273:73-80; Soltec Ventures, Beverly, MA)の約50〜100倍過剰で約1〜2時間37℃で還元する。あるいは、DTTを還元試薬として用いることができる。鎖間ジスルフィド結合の形成は、非還元SDS−PAGEによるか、又は逆相HPLC PLRPカラムクロマトグラフィーを変性させるの何れかによってモニターした。還元されたThioMabは10mM酢酸ナトリウムpH5で希釈され、HiTrap SP FFカラム上にロードされ、0.3M塩化ナトリウムを含むPBS、又は150mMの塩化ナトリウムを含む50mMのTris−Cl、pH7.5で溶出した。
ジスルフィド結合は、再酸化を行うことで、親Mabに存在するシステイン残基の間で再確立された。溶出され還元されたThioMabは、室温で一晩、pH7で3時間若しくは50mMのTris−Cl中でpH7.5で3時間、15×若しくは2mMのデヒドロアスコルビン酸(DHAA)で、又は2mMの硫酸銅水溶液(CuSO
4)で処理された。当技術分野で知られている他のオキシダント、すなわち酸化剤、及び酸化条件が使用されてもよい。周囲の空気酸化もまた有効であり得る。この穏やかな、部分酸化工程は、高忠実度で効率的に鎖内ジスルフィドを形成する。緩衝液はセファデックスG25樹脂上で溶出によって交換され、1mMのDTPAを含むPBSで溶出される。チオール/Abの値が、溶液の280nmでの吸光度から還元された抗体濃度を決定すること及びDTNB(Aldrich,Milwaukee,WI)との反応によるチオール濃度を決定すること、及び412nmでの吸光度の決定によりチェックされる。
液体クロマトグラフィー/質量分析は、拡張された質量範囲でTSQ量子トリプル四重極
TM質量分析計で行った(Thermo Electron,San Jose California)。サンプルは75℃に加熱したPRLP−S(登録商標)、1000A、マイクロボアカラム(50mm×2.1mm,Polymer Laboratories,Shropshire,UK)でクロマトグラフィーにかけた。30−40%のBの直線勾配(溶媒A:0.05%TFA水溶液:アセトニトリル中0.04%のTFA)が用いられ、溶離液は、エレクトロスプレー源を使用して直接イオン化された。データは、Xcalibur(登録商標)データシステムによって収集され、デコンボリューションは、ProMass(登録商標)(Novatia,LLC,NewJersey)を用いて行った。LC/MS分析の前に、抗体又は薬剤コンジュゲート(50マイクログラム)がPNGase F(2単位/ml;PROzyme,San Leandro,CA)により37℃で2時間処理され、N結合型糖を除去した。
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)のサンプルが、ブチルHIC NPRカラム(2.5ミクロンの粒子サイズ、4.6mm×3.5cm)(東ソーバイオサイエンス)に注入され、0.8ml/分で0から70%のBの線形勾配で溶出した(A:50mMリン酸カリウム中1.5Mの硫酸アンモニウム、pH7、B:50mMのリン酸カリウムpH7、20%イソプロパノール)。多波長検出器とChemstationソフトウエアを備えたAgilent 1100シリーズHPLCシステムが、抗体当たりの薬剤の異なる比率を有する抗体種を分離し、定量化するために使用された。
【0222】
実施例20 抗体へのリンカー薬物中間体のコンジュゲーション
実施例19の還元と再酸化法の後、抗体をPBS(リン酸緩衝生理食塩水)緩衝液に溶解し、氷上で冷却した。マレイミド又はブロモ酢酸などのチオール反応性官能基を含む、限定されないが表4の51〜58を含む、リンカー−薬物中間体の、過剰の約1.5モルから20当量がDMSOに溶解され、アセトニトリルと水で希釈され、PBS中で冷却され還元され再酸化された抗体に添加された。約1時間後、過剰のマレイミドを添加して反応を停止させ、未反応抗体のチオール基を覆った。コンジュゲーション混合物がロードされ、HiTrap SP Ffカラムを通して溶出され、過剰な薬物−リンカー中間体及び他の不純物を除去した。反応混合物を遠心限外濾過により濃縮し、システイン操作抗体−薬物コンジュゲートを精製し、PBS中でのG25樹脂を通する溶出によって脱塩し、無菌条件下で0.2μmのフィルターを通して濾過し、貯蔵のために凍結した。
上記の手順で、表3のシステイン操作型抗体−薬物コンジュゲートが調製された。
【0223】
実施例21 インビトロ細胞増殖アッセイ
ADCの有効性は、以下のプロトコルを用いて細胞増殖アッセイにより測定した(CELLTITER GLOTM Luminescent Cell Viability Assay,Promega Corp.Technical Bulletin TB288;Mendoza et al (2002) Cancer Res. 62:5485-5488):
1.培地に約10
4細胞(SKBR−3,BT474,MCF7又はMDA−MB−468)を含む細胞培養物の100μlのアリコートを、96ウェルの不透明壁のプレートの各ウェルに沈着させた。
2.コントロールウェルは細胞無しで培地を含有して調製した。
3.ADCを実験ウェルに添加し、3−5日間インキュベートした。
4.プレートを約30分間室温にて平衡化した。
5.各ウェル中に存在する細胞培養培地の容積に等しい容積のCELLTITER GLOTM試薬を加えた。
6.内容物をオービタルシェーカーで2分間混合して細胞溶解を誘導した。
7.プレートは、発光シグナルを安定化させるために10分間室温でインキュベートした。
8.発光を記録し、RLU=相対発光単位としてグラフにて報告された。
データは、標準偏差誤差バーと共に、反復の各組について発光の平均値としてプロットされている。プロトコルはCELLTITER GLOTM発光細胞の変形である。
培地:SK−BR−3は50/50/10%FBS/グルタミン/250μg/mL G−418で生育し、OVCAR−3はRPMI/20%FBS/グルタミンで生育する。
【0224】
実施例22 高発現HER2トランスジェニック外植マウス及び他の腫瘍モデルにおける腫瘍増殖阻害、インビボでの有効性
第0日目の単一処置の前に、腫瘍は確立され、体積で150〜200mm
3まで増殖させた。腫瘍体積は、次式に従ってキャリパーを用いて測定した:V(mm
3)=0.5A×B
2、ここでA及びBは、それぞれ、長い及び短い直径である。腫瘍体積が3000mm
3に到達する前に、又は腫瘍が切迫した潰瘍の兆候を示したとき、マウスを安楽死させた。各実験群(1群あたり10匹のマウス)から収集されたデータは、平均±SEとして表した。
Fo5マウス乳腺腫瘍モデルが、前述のように単一用量の静脈注射後に、本発明の抗体−薬物コンジュゲートのインビボ有効性を評価するために採用され(Phillips GDL, Li GM, Dugger DL, et al. Targeting HER2-Positive Breast Cancer with Trastuzumab-DM1, an Antibody-Cytotoxic Drug Conjugate. (2008) Cancer Res. 68:9280-90)、参照により本明細書に組み込まれる。抗Her2 ADCは、
図31及び32に示されるように、Fo5モデル、ヒトHER2遺伝子が、マウス乳腺腫瘍ウイルスプロモーター(MMTV−HER2)の転写制御下で乳腺上皮において過剰発現されるトランスジェニックマウスモデルを用いて試験された。HER2過剰発現は乳腺腫瘍の自発的な増殖を引き起こす。これらの樹立動物(樹立#5[Fo5])の一匹の乳腺腫瘍は腫瘍断片(〜2×2mmの大きさ)の連続移植によってFVBマウスの後の世代に伝播される。全ての研究は、実験動物の管理と使用に関するガイドラインに従って実施された。各抗体−薬物コンジュゲート(単一用量)は、研究の開始、及び移植後第14日に9匹の動物に静脈内投与した。初期腫瘍サイズは約200mm
3の体積であった。本発明による抗体−薬物コンジュゲートとコントロールによる時間の経過による腫瘍増殖阻害の測定は
図31〜34に示される。
OVCAR−3乳房脂肪パッド移植有効性モデルが、単回静脈内投与後の腫瘍体積を評価し、腹腔内腫瘍を有するマウスから切除され、その後、レシピエントマウスの乳房脂肪パッドに連続的に継代された腫瘍を用いて、記載されているように(Chen et al. (2007) Cancer Res 67:4924-4932)使用された。
抗Napi2B抗体−薬物コンジュゲート(ADC)の有効性は、Igrov−1(ヒト卵巣癌)のマウス異種移植モデルにおいて調べられた。
メスのC.B−17 SCIDベージュマウス(Charles River Laboratories;San Diego,CA)はそれぞれ、00万のIgrov−1細胞を胸部乳房脂肪パッド領域に接種された。異種移植腫瘍が100〜300mm
3の平均腫瘍容積に達したとき(第0日と称す)、動物は、各々7〜10匹ずつの群に無作為化され、ADCの単回静脈内注射を受けた。マウスの腫瘍及び体重は、研究を通して週に1〜2回測定された。マウスは、体重の減少が、その出発重量の>20%であった場合速やかに安楽死させた。全ての動物は、腫瘍が3000mm
3に達したか、切迫した潰瘍の兆候を示す前に、安楽死させた。抗Napi2B抗体−薬物コンジュゲート(ADC134)は、ビヒクル群と比較して腫瘍増殖の用量依存的阻害を実証した。非標的性対照(ADC135)は、腫瘍増殖には影響を与えなかった(
図36)。
抗CD33抗体−薬物コンジュゲート(ADC)の有効性は、HL−60又はEOL−1(ヒト急性骨髄性白血病)のマウス異種移植モデルにおいて調べられた。HL−60細胞株は、ATCCから入手され(American Type Culture Collection;Manassas,VA)、EOL−1細胞株は、DSMZに由来する(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures;Braunschweig,Germany)。
メスのC.B−17 SCIDマウス(Charles River Laboratories;Hollister,CA)はそれぞれ、HL−60又はEOL−1の500万細胞を脇腹領域に皮下接種された。異種移植腫瘍が100〜300mm
3の平均腫瘍容積に達したとき(第0日と称す)、動物は、各々7〜10匹ずつの群に無作為化され、ADCの単回静脈内注射を受けた。ADCの投与の前の約4時間で、動物は、腹腔内に、腫瘍細胞の可能な非特異的抗体結合部位をブロックする抗gD対照抗体の過剰量(30mg/kg)が投与された。マウスの腫瘍及び体重は、研究を通して週に1〜2回測定された。マウスは、体重の減少が、その出発重量の>20%であった場合速やかに安楽死させた。全ての動物は、腫瘍が3000mm
3に達したか、切迫した潰瘍の兆候を示す前に、安楽死させた。
【0225】
前述の発明は、明確な理解の目的のために例示及び実施例によってある程度詳細に説明されてきたが、これらの説明や例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。明細書全体を通して引用された全ての特許、特許出願、及び参考文献は、出典明示により援用される。