特許第6980405号(P6980405)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーの特許一覧

特許6980405固形廃棄物用袋ユニット及び固形廃棄物用袋ユニットを備える分析器
<>
  • 特許6980405-固形廃棄物用袋ユニット及び固形廃棄物用袋ユニットを備える分析器 図000002
  • 特許6980405-固形廃棄物用袋ユニット及び固形廃棄物用袋ユニットを備える分析器 図000003
  • 特許6980405-固形廃棄物用袋ユニット及び固形廃棄物用袋ユニットを備える分析器 図000004
  • 特許6980405-固形廃棄物用袋ユニット及び固形廃棄物用袋ユニットを備える分析器 図000005
  • 特許6980405-固形廃棄物用袋ユニット及び固形廃棄物用袋ユニットを備える分析器 図000006
  • 特許6980405-固形廃棄物用袋ユニット及び固形廃棄物用袋ユニットを備える分析器 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6980405
(24)【登録日】2021年11月19日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】固形廃棄物用袋ユニット及び固形廃棄物用袋ユニットを備える分析器
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/20 20060101AFI20211202BHJP
   G01N 35/00 20060101ALI20211202BHJP
【FI】
   B65D5/20 B
   G01N35/00 Z
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-85003(P2017-85003)
(22)【出願日】2017年4月24日
(65)【公開番号】特開2017-197290(P2017-197290A)
(43)【公開日】2017年11月2日
【審査請求日】2020年2月4日
(31)【優先権主張番号】16167271.2
(32)【優先日】2016年4月27日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ・ペーター
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・クネヒト
(72)【発明者】
【氏名】レンナート・ベールマン
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ブレンドリ
【審査官】 日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】 実公平6−2961(JP,Y2)
【文献】 特開2005−98960(JP,A)
【文献】 特開2009−1423(JP,A)
【文献】 特開平7−137752(JP,A)
【文献】 特開2004−224549(JP,A)
【文献】 特開2008−230681(JP,A)
【文献】 米国特許第5028147(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00−79/02,81/18−81/30,
81/38,85/88
B65D 5/36, 5/20
B65F 1/00− 1/16
B65D 30/00−33/38
G01N 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析器(140)の固形廃棄物用の固形廃棄物用袋ユニット(128)であって、
袋体(130)と、
前記袋体(130)内部の底部に配置される挿入体(100)と、を備え、
前記袋体(130)は、オートクレーブ処理が可能である材料から作られ、
前記挿入体(100)は、折り畳み可能であり、
前記挿入体(100)は、前側壁部(104)と、後側壁部(106)と、2つの側壁部(108)と、を備え、
前記前側壁部(104)及び前記後側壁部(106)は、展開状態において互いに対向し、
前記2つの側壁部(108)は、前記展開状態において互いに対向し、
前記挿入体(100)は、底部(112)を更に備え、
前記挿入体(100)は、折畳状態において、前記前側壁部(104)及び前記後側壁部(106)が前記底部(112)上に配置され、前記側壁部(108)が前記底部(112)に隣接して配置されるように、折り畳み可能であり、
前記前側壁部(104)、前記後側壁部(106)、及び前記側壁部(108)は、前記底部(112)の中心部(120)を押すことによって、折畳状態から展開状態に展開可能であり、
前記前側壁部(104)及び前記後側壁部(106)は、それぞれ、凹部(118)を備え、
前記凹部(118)は、前記挿入体(100)の折畳状態において開口部(122)を形成し、
前記底部(112)の前記中心部(120)は、折畳状態において前記開口部(122)から露出する、
固形廃棄物用袋ユニット(128)。
【請求項2】
前記袋体(130)は、可撓性材料から作られる、請求項に記載の固形廃棄物用袋ユニット(128)。
【請求項3】
前記挿入体(100)は、前記固形廃棄物用袋ユニット(128)が最低容量で折り畳み可能となるように折り畳み可能である、請求項又はに記載の固形廃棄物用袋ユニット(128)。
【請求項4】
前記袋体(130)は、上部(132)と、下部(134)と、を備え、
前記上部(132)は、開口部(136)を備え、
前記挿入体(100)は、前記下部(134)に配置される、請求項1乃至のいずれか一項に記載の固形廃棄物用袋ユニット(128)。
【請求項5】
前記挿入体(100)は、前記袋体(130)に固定される、請求項1乃至のいずれか一項に記載の固形廃棄物用袋ユニット(128)。
【請求項6】
前記挿入体(100)は、ボール紙又はプラスチック材料から作られる、請求項1乃至のいずれか一項に記載の固形廃棄物用袋ユニット(128)。
【請求項7】
消耗品を使用するように構成された分析装置(142)と、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の固形廃棄物用袋ユニット(128)と、を備える分析器(140)。
【請求項8】
コンパートメント(144)を更に備え、
前記固形廃棄物用袋ユニット(128)は、前記コンパートメント(144)内部に設置される、請求項に記載の分析器(140)。
【請求項9】
前記挿入体(100)は、前記コンパートメント(144)に対して正確に嵌合又は滑合するような寸法を有する、請求項に記載の分析器(140)。
【請求項10】
分析器(140)の固形廃棄物の除去方法であって、
請求項1乃至に記載の固形廃棄物用袋ユニット(128)を設けるステップと、
前記分析器(140)のコンパートメント(144)内部に前記固形廃棄物用袋ユニット(128)を設置するステップと、
前記固形廃棄物用袋ユニット(128)内部に固形廃棄物を収集するステップと、
前記固形廃棄物用袋ユニット(128)が少なくとも部分的に充填されているときに、前記コンパートメント(144)から前記固形廃棄物用袋ユニット(128)を取り外すことによって固形廃棄物を除去するステップと、を含む方法。
【請求項11】
記挿入体(100)は、固形廃棄物用袋ユニット(128)が設けられているときには折畳状態にあり、
前記方法が、前記挿入体(100)を展開するステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記挿入体(100)は、前記固形廃棄物用袋ユニット(128)が前記コンパートメント(144)内部に設置されているときに展開される、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析器の固形廃棄物用の固形廃棄物用袋ユニット、及び固形廃棄物用袋ユニットを備える分析器に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の分析器は、ハイスループット試料処理を可能とする自動試料処理システムに基づいている。当該システムによって、試料処理スループットの大幅な増加のみならず、分析不可能な試料の数の減少、及び手作業の必要性の低下が可能となり、試料処理中の操作者の「離席時間」の生産的利用が可能となる。
【0003】
米国特許第8,357,538号において、プレ分析システムとしての自動分析器を開示する。当該システムは、操作中に、ピペット先端及びピペットラック等の複数の消耗品を使用する。ラックは、全てのピペットが取り外されると、1つ以上の固形廃棄物容器内部で保管可能である。更に、使用済みピペットは、固形廃棄物容量を最小限にするために廃棄される前に、ラック内部で保管可能である。通常、固形廃棄物用袋は、容器内に挿入されることによって、固形廃棄物を受ける。
【0004】
このような自動分析器の使用によって、取り扱いについての利点をもたらす。それにもかかわらず、未だに幾つかの欠点がある。分析器内における使い捨て固形廃棄物用廃棄袋は、その機能が限定される。ロバスト性が限定され、当該袋の折り目によって容量が減少する。材料が厚くなればなるほど袋全体が固くなるという相関関係があり、結果として、容量が少なくなる。代案として、内部に袋体を有する段ボール箱が容量に関してはより優れているが、内部の袋体には、鋭く尖った消耗品によって穴が開く場合があり、側壁部のみがボール紙から作られ、底部がそうではないときには、液体が落ちる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第8,357,538号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明は、固形廃棄物用袋ユニットの改善、及びこのような改善された固形廃棄物用袋ユニットを備える分析器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような問題は、独立項の特徴を有する固形廃棄物用袋ユニット及び分析器によって解決される。単独又は任意の組み合わせで実現可能な本発明の実施形態が、従属項に開示される。
【0008】
以下で使用されるように、用語「有する」、「備える」、若しくは「含む」(「have」「comprise」若しくは「include」)、又はそれらの文法上の変化形はいずれも、包括的に使用される。従って、これらの用語は、これらの用語によって示される特徴の他に、本明細書で述べられる要素に更なる特徴が存在しない状態と、1つ以上の更なる特徴が存在する状態と、の両方を言及することができる。一例として、「Aは、Bを有する」、「Aは、Bを備える」、及び「Aは、Bを含む」という表現は、Bの他にAに更なる要素が存在しない状態(即ち、Aが唯一かつ排他的にBから構成される状態)と、要素C、要素C及びD、又は更に別の要素等の、1つ以上の更なる要素がBの他にAに存在する状態と、の両方を言及することができる。
【0009】
更に、用語「少なくとも1つ」、「1つ以上」、又はある特徴若しくは要素が1つ以上存在することを示す同様の表現は、一般的に、それぞれの特徴又は要素を紹介する際に一度だけ使用されるものである。以下において、多くの場合、それぞれの特徴又は要素に言及するときに、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」という表現は、当該特徴又は要素が一度以上述べられる場合であっても繰り返されない。
【0010】
本明細書において使用される用語「袋体」は、実験器具等の分析器の固形廃棄物を受けるように構成された任意の種類の袋体を示す。
【0011】
本明細書において使用される用語「固形廃棄物」は、分析器の消耗品の消耗から生じる任意の種類の固形の廃棄物を示す。このような消耗品は、廃棄可能又は使い捨て製品である、ピペット先端、ラック、試料容器等である。
【0012】
本明細書において使用される用語「挿入体」は、固形廃棄物を受けるように構成された任意の種類の容器を示す。特に、挿入体は、任意の鋭利な固形廃棄物の貫通に耐える材料から作られる。
【0013】
本発明によれば、分析器の固形廃棄物用の固形廃棄物用袋ユニットは、袋体と、挿入体と、を備え、袋体は、袋体内部に配置される。従って、挿入体は、固形廃棄物が袋体の底部及び下側等の重要な部分において袋体と接触しないように、固形廃棄物用袋ユニット内に挿入される任意の固形廃棄物による貫通から袋体を保護するように構成される。言うまでもなく、挿入体が固形廃棄物に付着する任意の液体に接触する可能性がある場合には、挿入体は、液体に耐える必要があり、液体による分解から保護する必要がある。
【0014】
挿入体は、折り畳み可能であってもよい。従って、挿入体が折畳状態にある場合には、組み合わされた袋体及び挿入体が、コンパクトに流通及び保管可能である。更に、挿入体は、使用直前に展開可能である。従って、固形廃棄物用袋ユニットは、その取り扱いが容易である。
【0015】
袋体は、可撓性材料から作られてもよい。従って、袋体は、要求に応じて、コンパクト化及び膨張可能である。
【0016】
特に、挿入体は、固形廃棄物用袋ユニットが最低容量で折り畳み可能となるように折り畳み可能である。従って、使用前には、固形廃棄物用袋ユニットは、その輸送及び保管を容易にするように可能な限り小さい。
【0017】
挿入体は、前側壁部と、後側壁部と、2つの側壁部と、を備え、前側壁部及び後側壁部は、展開状態において互いに対向し、2つの側壁部は、展開状態において互いに対向してもよい。従って、挿入体は、その壁部が固形廃棄物用袋ユニットに対して剛性を付与するように使用中に安定する切り石状又は矩形状に配置可能である。
【0018】
前側壁部及び後側壁部は、それぞれ、接続壁部により側壁部に接続可能である。従って、全ての壁は、互いに連なり、挿入体は、それで覆われる部分において固形廃棄物が袋体を損傷し得るいかなる隙間も有さない。
【0019】
挿入体は、底部を更に備え、挿入体は、折畳状態において、前側壁部及び後側壁部が底部上に配置され、側壁部が底部に隣接して配置されるように、折り畳み可能である。従って、挿入体は、非常にコンパクトな形状に折り畳み可能である。
【0020】
前側壁部、後側壁部、及び側壁部は、底部の中心部を押すことによって、折畳位置から展開位置に移動可能である。従って、挿入体は、1回の動作又は手の動きで展開可能である。
【0021】
前側壁部及び後側壁部は、それぞれ、凹部を備え、凹部は、挿入体の折畳状態において開口部を形成し、底部の中心部は、折畳状態において開口部から露出可能である。従って、開口部を通じて中心部を容易に押すことが可能である。
【0022】
凹部は、矩形状、多角形状、又は半円状に形成可能である。従って、凹部及び開口部は、結果として、挿入体の取り扱いがそれぞれの用途に適応するように個々に成形可能である。
【0023】
挿入体は、折畳状態において略平坦な八角形状を有してもよい。従って、挿入体の折り目は、挿入体の操作性を向上するように設計可能である。
【0024】
袋体は、上部と、下部と、を備え、上部は、開口部を備え、挿入体は、下部に配置可能である。言い換えれば、袋体は、上半分と、下半分と、を備えてもよい。特に、固形廃棄物によって袋体が損傷される可能性は、上部よりも下部において非常に高くなり、これは、固形廃棄物の重量により袋体にかかる圧力が袋体の上から下に増加するからである。従って、ほとんどの用途について、確実に袋体を保護するために、挿入体を下部又は下半分に配置するだけで十分である。
【0025】
袋体は、開口部に対向する底部を更に備え、挿入体は、底部に配置可能である。従って、挿入体によって、袋体の最も重要な部分が確実に保護される。
【0026】
挿入体は、袋体に固定可能である。従って、損傷し得る袋体の任意の重要な部分を露出させる可能性がある、挿入体の袋体に対する移動を防止可能である。
【0027】
挿入体は、接着剤で袋体に固定可能である。従って、挿入体は、既知の手段によって袋体に確実にかつ容易に固定可能である。
【0028】
袋体は、オートクレーブ処理が可能である材料から作られ、挿入体は、被覆ボール紙又はプラスチック材料から作られてもよい。医療固形廃棄物等の実験室固形廃棄物をオートクレーブ処理する必要がある場合に、固形廃棄物用袋ユニット全体がオートクレーブ処理可能である。
【0029】
挿入体は、箱体であってもよい。従って、挿入体は、固形廃棄物を受けるために理想的に設計可能である。
【0030】
本発明によれば、分析器は、消耗品を使用するように構成された分析装置と、上述の固形廃棄物用袋ユニットと、を備える。
【0031】
分析器は、コンパートメントを更に備え、固形廃棄物用袋ユニットは、コンパートメント内部に設置可能である。従って、本発明の固形廃棄物用袋ユニットは、挿入体を備えない従来の固形廃棄物用袋として使用可能である。
【0032】
分析器は、分析装置を少なくとも部分的に収容するように構成されたケーシングを更に備え、コンパートメントは、ケーシング内部又はそれに隣接して配置可能である。従って、固形廃棄物は、ケーシング内部又はその近くで容易に除去可能である。その結果、固形廃棄物用袋ユニット及びその内部の固形廃棄物は、分析器の周囲に晒されず、いずれの生物学的危害も最小化される。
【0033】
コンパートメントは、中空ブロックとして実質的に形成可能である。従って、袋体は、袋体の受取容量を最大化するようにコンパートメントに対して接合可能である。
【0034】
ブロックは、略円筒状又は矩形状に形成可能である。従って、ブロックは、最大容量でそれぞれの用途に対して個々に設計及び適応可能である。
【0035】
コンパートメントは、固形廃棄物用袋ユニットをコンパートメント内部に配置できる挿入開口部を備えてもよい。従って、固形廃棄物用袋ユニットは、コンパートメント内部に容易に設置可能である。
【0036】
コンパートメントは、枠体であってもよい。従って、固形廃棄物用袋ユニットに対して剛性を付与する構成部材となるために、密閉要素としてコンパートメントを設計する必要はない。
【0037】
挿入体は、コンパートメントに対して正確に嵌合又は滑合するような寸法を有してもよい。従って、挿入体は、コンパートメントの形状に適応可能であり、コンパートメントの全容量を固形廃棄物の受け取りに使用可能である。
【0038】
分析器は、固形廃棄物用袋ユニットの充填状態を検出するように構成されたセンサを更に備えてもよい。従って、固形廃棄物用袋ユニットに対する過負荷を防止可能である。
【0039】
本発明によれば、分析器の固形廃棄物の除去方法は、以下のステップを、特に以下の所与の順番で含む:
− 上述の固形廃棄物用袋ユニットを設けるステップと、
− 分析器のコンパートメント内部に固形廃棄物用袋ユニットを設置するステップと、
− 固形廃棄物用袋ユニット内部に固形廃棄物を収集するステップと、
− 固形廃棄物用袋ユニットが少なくとも部分的に充填されているときに、コンパートメントから固形廃棄物用袋ユニットを取り外すことによって固形廃棄物を除去するステップ。
【0040】
挿入体は、折り畳み可能であり、挿入体は、固形廃棄物用袋ユニットが設けられているときには折畳状態にあり、本方法は、挿入体を展開するステップを更に含んでもよい。
【0041】
挿入体は、固形廃棄物用袋ユニットがコンパートメント内部に設置されているとき、又はその設置中に展開可能である。
【0042】
本発明の認定を要約すれば、以下の実施形態が開示されている:
実施形態1:分析器の固形廃棄物用の固形廃棄物用袋ユニットであって、
袋体と、
挿入体と、を備え、
挿入体は、袋体内部に配置される。
【0043】
実施形態2:挿入体は、折り畳み可能である、実施形態1に記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0044】
実施形態3:袋体は、可撓性材料から作られる、実施形態2に記載の固形廃棄物用袋ユニット
【0045】
実施形態4:挿入体は、固形廃棄物用袋ユニットが最低容量で折り畳み可能となるように折り畳み可能である、実施形態2又は3に記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0046】
実施形態5:挿入体は、前側壁部と、後側壁部と、2つの側壁部と、を備え、
前側壁部及び後側壁部は、展開状態において互いに対向し、
2つの側壁部は、展開状態において互いに対向する、実施形態2乃至4のいずれか1つに記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0047】
実施形態6:前側壁部及び後側壁部は、それぞれ、接続壁部により側壁部に接続される、実施形態5に記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0048】
実施形態7:挿入体は、底部を更に備え、
挿入体は、折畳状態において、前側壁部及び後側壁部が底部上に配置され、側壁部が底部に隣接して配置されるように、折り畳み可能である、実施形態5又は6に記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0049】
実施形態8:前側壁部、後側壁部、及び側壁部は、底部の中心部を押すことによって、折畳位置から展開位置に移動可能である、実施形態7に記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0050】
実施形態9:前側壁部及び後側壁部は、それぞれ、凹部を備え、
凹部は、挿入体の折畳状態において開口部を形成し、
底部の中心部は、折畳状態において開口部から露出する、実施形態8に記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0051】
実施形態10:凹部は、矩形状、多角形状、又は半円状に形成される、実施形態9に記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0052】
実施形態11:挿入体は、折畳状態において略平坦な八角形状を有する、実施形態2乃至10のいずれか1つに記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0053】
実施形態12:袋体は、上部と、下部と、を備え、
上部は、開口部を備え、
挿入体は、下部に配置される、実施形態1乃至11のいずれか1つに記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0054】
実施形態13:袋体は、開口部に対向する底部を更に備え、
挿入体は、底部に配置される、実施形態12に記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0055】
実施形態14:挿入体は、袋体に固定される、実施形態1乃至13のいずれか1つに記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0056】
実施形態15:挿入体は、接着剤で袋体に固定される、実施形態14に記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0057】
実施形態16:袋体は、オートクレーブ処理が可能である材料から作られ、
挿入体は、被覆ボール紙又はプラスチック材料から作られる、実施形態1乃至15のいずれか1つに記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0058】
実施形態17:固形廃棄物用袋ユニットは、オートクレーブ処理が可能である材料から作られ、
挿入体は、被覆ボール紙又はプラスチック材料から作られる、実施形態1乃至15のいずれか1つに記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0059】
実施形態18:挿入体は、箱体である、実施形態1乃至17のいずれか1つに記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0060】
実施形態19: 消耗品を使用するように構成された分析装置と、
実施形態1乃至18のいずれか1つに記載の固形廃棄物用袋ユニットと、を備える分析器。
【0061】
実施形態20:コンパートメントを更に備え、
固形廃棄物用袋ユニットは、コンパートメント内部に設置される、実施形態19に記載の分析器。
【0062】
実施形態21:分析装置を少なくとも部分的に収容するように構成されたケーシングを更に備え、
コンパートメントは、ケーシング内部又はそれに隣接して配置される、実施形態20に記載の分析器。
【0063】
実施形態22:コンパートメントは、中空ブロックとして実質的に形成される、実施形態20又は21に記載の分析器。
【0064】
実施形態23:ブロックは、略円筒状又は矩形状に形成される、実施形態22に記載の分析器。
【0065】
実施形態24:コンパートメントは、固形廃棄物用袋ユニットがコンパートメント内部に配置される挿入開口部を備える、実施形態20乃至23のいずれか1つに記載の分析器。
【0066】
実施形態25:コンパートメントは、枠体である、実施形態20乃至24のいずれか1つに記載の分析器。
【0067】
実施形態26:挿入体は、コンパートメントに対して正確に嵌合又は滑合するような寸法を有する、実施形態20乃至25のいずれか1つに記載の分析器。
【0068】
実施形態27:固形廃棄物用袋ユニットの充填状態を検出するように構成されたセンサを更に備える、実施形態19乃至26のいずれか1つに記載の分析器。
【0069】
実施形態28:分析器の固形廃棄物の除去方法であって、
− 実施形態1乃至18のいずれか1つに記載の固形廃棄物用袋ユニットを設けるステップと、
− 分析器のコンパートメント内部に固形廃棄物用袋ユニットを設置するステップと、
− 固形廃棄物用袋ユニット内部に固形廃棄物を収集するステップと、
− 固形廃棄物用袋ユニットが少なくとも部分的に充填されているときに、コンパートメントから固形廃棄物用袋ユニットを取り外すことによって固形廃棄物を除去するステップと、を含む方法。
【0070】
実施形態29:挿入体は、折り畳み可能であり、挿入体は、固形廃棄物用袋ユニットが設けられているときには折畳状態にあり、本方法は、挿入体を展開するステップを更に含む、実施形態28に記載の方法。
【0071】
実施形態30:挿入体は、固形廃棄物用袋ユニットがコンパートメント内部に設置されているときに展開される、実施形態29に記載の方法。
【0072】
本発明の更なる特徴及び実施形態が、好ましくは従属請求項と併せて、後述の実施形態の説明において更に詳細に開示される。各特徴は、当業者によって認識されるように、単独で実現可能であると共に、任意の実行可能な組み合わせでも実現可能である。実施形態は、図において概略的に示される。これらの図において、同一の符号は、同一の要素、又は機能的に同一な要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0073】
図1】挿入体の斜視図である。
図2】挿入体の更なる斜視図である。
図3】挿入体の平面図である。
図4】固形廃棄物用袋ユニットの斜視図である。
図5】分析器の斜視図である。
図6】分析器の更なる斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
図1は、挿入体100の斜視図を示す。挿入体100は、箱体102である。挿入体100は、ボール紙又はプラスチック材料から作られる。一実施形態において、挿入体100は、被覆ボール紙材料から作られる。挿入体100は、折り畳み可能である。図1は、展開状態の挿入体100を示す。展開状態において、挿入体100は、以下で更に詳細に説明されるように、片側が開いた略切り石状又はする略矩形状に形成される。挿入体100は、前側壁部104と、後側壁部106と、2つの側壁部108と、を備える。前側壁部104及び後側壁部106は、展開状態において互いに対向する。更に、2つの側壁部108は、展開状態において互いに対向する。前側壁部104及び後側壁部106は、それぞれ、接続壁部110により側壁部108に接続される。各側壁部108は、前側壁部104及び後側壁部106それぞれよりも大きくてもよい。前側壁部104及び後側壁部106は、矩形状である。接続壁部110は、三角形状である。挿入体100は、底部112を更に備える。従って、挿入体100は、展開状態において、開いた頂部114を備える。
【0075】
前側壁部104と、後側壁部106と、2つの側壁部108と、接続壁部110と、底部112との間にそれぞれ形成される接続線116は、折り目として機能する。前側壁部104及び後側壁部106は、それぞれ、凹部118を備える。凹部118は、矩形状、多角形状、又は半円状に形成される。図1に示す例示的実施形態において、凹部118は、半円状に形成される。
【0076】
図2は、挿入体100の更なる斜視図を示す。特に、図2は、折畳状態の挿入体100を示す。挿入体100は、接続線116により折り畳み可能であることによって、折畳状態において、前側壁部104及び後側壁部106は底部112上に配置され、側壁部108は底部112に隣接して配置される。言い換えれば、前側壁部104及び後側壁部106は、底部112上に配置されるように内方に折り畳み可能である一方、側壁部108は、底部に隣接又は近接して配置されるように外方に折り畳み可能である。従って、挿入体100は、折畳状態において、略平坦な八角形状を有する。
【0077】
図3は、挿入体100の平面図を示す。特に、図3は、折畳状態の挿入体100を示す。前側壁部104、後側壁部106、及び側壁部108は、底部112の中心部120を押すことによって、折畳位置から展開位置に移動可能である。凹部118は、挿入体100の折畳状態において開口部122を構成する。底部112の中心部120は、折畳状態において開口部122から露出する。従って、中心部120は、例えば人間の手によって開口部122を通じて押されてもよい。中心部120が開口部122を通じて押されるときに、結果として生じる力は、底部112の角部124に隣接する挿入体の部分に対して矢印126で示す方向に外方に働く。このような力によって、前側壁部104、後側壁部106、及び側壁部108が、以下で更に詳細に説明するように、展開位置に移動する。
【0078】
図4は、固形廃棄物用袋ユニット128の斜視図である。固形廃棄物用袋ユニット128は、袋体130と、挿入体100と、を備える。袋体130は、可撓性材料から作られる。袋体130の材料は、オートクレーブ処理が可能である。例えば、袋体130は、ポリエチレン又はポリプロピレンから作られる。袋体130は、上部132と、下部134と、を備える。上部132は、開口部136を備える。袋体130は、開口部136と対向する底部138を更に備える。挿入体100は、袋体130内部に配置される。特に、挿入体100は、下部134に配置される。とりわけ、挿入体100は、底部138に配置される。挿入体100は、袋体130に固定される。挿入体100は、接着剤により袋体130に固定される。袋体130が可撓性材料から作られ、挿入体100が折り畳み可能であるため、固形廃棄物用袋ユニット128は、最小容量で折り畳み可能である。尚、図4は、膨張状態の袋体130、及び折畳状態の挿入体100を示す。
【0079】
図5は、分析器140の斜視図である。分析器140は、消耗品(不図示)及び固形廃棄物用袋ユニット128を使用するように構成された分析装置142を備える。分析装置142は、試料の調製及び分析等の処理を行うことを可能とする試料処理装置と、試料をピペットで取ることを可能とするピペット装置と、を備えてもよい。従って、消耗品は、試料を含む試料容器が設けられるピペット先端又はラックであってもよい。分析器140は、コンパートメント144を更に備える。コンパートメント144は、中空ブロック146として実質的に形成される。特に、ブロック146は、略円筒状又は矩形状に形成される。例えば、コンパートメント144は、枠体である。固形廃棄物用袋ユニット128は、コンパートメント144内部に設置される。従って、コンパートメント144は、挿入開口部148を備え、挿入開口部148を通じて、固形廃棄物用袋ユニット128がコンパートメント144内部に設置される。挿入体100は、コンパートメント144に対して正確に嵌合又は滑合するような寸法を有する。分析器140は、分析装置142を少なくとも部分的に収容するように構成されたケーシング150を更に備える。コンパートメント144は、ケーシング150内部、又はそれに隣接して配置される。任意に、分析器140は、固形廃棄物用袋ユニット128の充填状態を検出するように構成されたセンサ152を更に備えてもよい。センサ152は、充填状態を検出するように構成された光学センサであってもよい。例えば、光学センサは、固形廃棄物用袋ユニット128内の固形廃棄物の所定レベルを検出する光バリアに接続可能である。従って、袋体130は、光が袋体130を伝搬可能となるように、透明であってもよい。その代わりに、センサ152は、固形廃棄物用袋ユニット128及びその内部の固形廃棄物の重量によって充填状態を検出する重量センサであってもよい。図5は、コンパートメント144内部に設置される直前の固形廃棄物用袋ユニット128を示す。この状態において、袋体130が膨張されると同時に、挿入体100が折畳状態にある。固形廃棄物用袋ユニット128は、その底部138がコンパートメント144の挿入開口部148上にある状態で配置される。
【0080】
図6は、分析器140の更なる斜視図を示す。特に、図6は、コンパートメント144内部への設置工程中における固形廃棄物用袋ユニット128を示す。従って、固形廃棄物用袋ユニット128は、例えば分析器140の操作者によって、挿入開口部148を通じてコンパートメント144内に移動される。挿入工程中、中心部120は、例えば操作者の手によって、開口部122を通じて押される。これによって、底部112は、前側壁部104、後側壁部106、及び側壁部108よりも挿入方向下方に更に押圧される。袋体128がコンパートメント144の内面に接すると、そこに摩擦力が働く。押力及び摩擦力から生じる力は、底部112の角部124に隣接する挿入体100の部分に対して矢印126で示す方向に外方に働く。このような力によって、前側壁部104、後側壁部106、及び側壁部108が、図6に示すように真っすぐになるように、展開状態に移動する。そして、固形廃棄物用袋ユニット128は、コンパートメント144内部に完全に設置される。この状態において、袋体128の底部138は、コンパートメント144の底部154に接触する。
【0081】
コンパートメント144内部への固形廃棄物用袋ユニット128の設置は、分析器140の固形廃棄物の除去方法の一部であってもよい。この方法によれば、固形廃棄物用袋ユニット128には、上述のように、折畳状態の挿入体100が設けられ、固形廃棄物用袋ユニット128は、コンパートメント144内部に設置される。固形廃棄物用袋ユニット128がコンパートメント144内部に設置されるときに、挿入体100は、上述のように展開される。そして、分析装置142は、その使用準備が完了し、固形廃棄物を固形廃棄物用袋ユニット128内部に収集可能となる。固形廃棄物用袋ユニット128が少なくとも部分的に充填されているときには、固形廃棄物用袋ユニット128をコンパートメント144から取り外すことによって、固形廃棄物が分析器140から除去可能である。従って、固形廃棄物用袋ユニット128は、それがコンパートメント144内に挿入される方向とは反対の方向に移動する。続いて、固形廃棄物を含む固形廃棄物用袋ユニット128がオートクレーブ処理可能である。
【符号の説明】
【0082】
100 挿入体
102 箱体
104 前側壁部
106 後側壁部
108 側壁部
110 接続壁部
112 底部
114 頂部
116 接続線
118 凹部
120 中心部
122 開口部
124 角部
126 矢印
128 固形廃棄物用袋ユニット
130 袋体
132 上部
134 下部
136 開口部
138 底部
140 分析器
142 分析装置
144 コンパートメント
146 ブロック
148 挿入開口部
150 ケーシング
152 センサ
154 底部
図1
図2
図3
図4
図5
図6