【課題を解決するための手段】
【0007】
このような問題は、独立項の特徴を有する固形廃棄物用袋ユニット及び分析器によって解決される。単独又は任意の組み合わせで実現可能な本発明の実施形態が、従属項に開示される。
【0008】
以下で使用されるように、用語「有する」、「備える」、若しくは「含む」(「have」「comprise」若しくは「include」)、又はそれらの文法上の変化形はいずれも、包括的に使用される。従って、これらの用語は、これらの用語によって示される特徴の他に、本明細書で述べられる要素に更なる特徴が存在しない状態と、1つ以上の更なる特徴が存在する状態と、の両方を言及することができる。一例として、「Aは、Bを有する」、「Aは、Bを備える」、及び「Aは、Bを含む」という表現は、Bの他にAに更なる要素が存在しない状態(即ち、Aが唯一かつ排他的にBから構成される状態)と、要素C、要素C及びD、又は更に別の要素等の、1つ以上の更なる要素がBの他にAに存在する状態と、の両方を言及することができる。
【0009】
更に、用語「少なくとも1つ」、「1つ以上」、又はある特徴若しくは要素が1つ以上存在することを示す同様の表現は、一般的に、それぞれの特徴又は要素を紹介する際に一度だけ使用されるものである。以下において、多くの場合、それぞれの特徴又は要素に言及するときに、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」という表現は、当該特徴又は要素が一度以上述べられる場合であっても繰り返されない。
【0010】
本明細書において使用される用語「袋体」は、実験器具等の分析器の固形廃棄物を受けるように構成された任意の種類の袋体を示す。
【0011】
本明細書において使用される用語「固形廃棄物」は、分析器の消耗品の消耗から生じる任意の種類の固形の廃棄物を示す。このような消耗品は、廃棄可能又は使い捨て製品である、ピペット先端、ラック、試料容器等である。
【0012】
本明細書において使用される用語「挿入体」は、固形廃棄物を受けるように構成された任意の種類の容器を示す。特に、挿入体は、任意の鋭利な固形廃棄物の貫通に耐える材料から作られる。
【0013】
本発明によれば、分析器の固形廃棄物用の固形廃棄物用袋ユニットは、袋体と、挿入体と、を備え、袋体は、袋体内部に配置される。従って、挿入体は、固形廃棄物が袋体の底部及び下側等の重要な部分において袋体と接触しないように、固形廃棄物用袋ユニット内に挿入される任意の固形廃棄物による貫通から袋体を保護するように構成される。言うまでもなく、挿入体が固形廃棄物に付着する任意の液体に接触する可能性がある場合には、挿入体は、液体に耐える必要があり、液体による分解から保護する必要がある。
【0014】
挿入体は、折り畳み可能であってもよい。従って、挿入体が折畳状態にある場合には、組み合わされた袋体及び挿入体が、コンパクトに流通及び保管可能である。更に、挿入体は、使用直前に展開可能である。従って、固形廃棄物用袋ユニットは、その取り扱いが容易である。
【0015】
袋体は、可撓性材料から作られてもよい。従って、袋体は、要求に応じて、コンパクト化及び膨張可能である。
【0016】
特に、挿入体は、固形廃棄物用袋ユニットが最低容量で折り畳み可能となるように折り畳み可能である。従って、使用前には、固形廃棄物用袋ユニットは、その輸送及び保管を容易にするように可能な限り小さい。
【0017】
挿入体は、前側壁部と、後側壁部と、2つの側壁部と、を備え、前側壁部及び後側壁部は、展開状態において互いに対向し、2つの側壁部は、展開状態において互いに対向してもよい。従って、挿入体は、その壁部が固形廃棄物用袋ユニットに対して剛性を付与するように使用中に安定する切り石状又は矩形状に配置可能である。
【0018】
前側壁部及び後側壁部は、それぞれ、接続壁部により側壁部に接続可能である。従って、全ての壁は、互いに連なり、挿入体は、それで覆われる部分において固形廃棄物が袋体を損傷し得るいかなる隙間も有さない。
【0019】
挿入体は、底部を更に備え、挿入体は、折畳状態において、前側壁部及び後側壁部が底部上に配置され、側壁部が底部に隣接して配置されるように、折り畳み可能である。従って、挿入体は、非常にコンパクトな形状に折り畳み可能である。
【0020】
前側壁部、後側壁部、及び側壁部は、底部の中心部を押すことによって、折畳位置から展開位置に移動可能である。従って、挿入体は、1回の動作又は手の動きで展開可能である。
【0021】
前側壁部及び後側壁部は、それぞれ、凹部を備え、凹部は、挿入体の折畳状態において開口部を形成し、底部の中心部は、折畳状態において開口部から露出可能である。従って、開口部を通じて中心部を容易に押すことが可能である。
【0022】
凹部は、矩形状、多角形状、又は半円状に形成可能である。従って、凹部及び開口部は、結果として、挿入体の取り扱いがそれぞれの用途に適応するように個々に成形可能である。
【0023】
挿入体は、折畳状態において略平坦な八角形状を有してもよい。従って、挿入体の折り目は、挿入体の操作性を向上するように設計可能である。
【0024】
袋体は、上部と、下部と、を備え、上部は、開口部を備え、挿入体は、下部に配置可能である。言い換えれば、袋体は、上半分と、下半分と、を備えてもよい。特に、固形廃棄物によって袋体が損傷される可能性は、上部よりも下部において非常に高くなり、これは、固形廃棄物の重量により袋体にかかる圧力が袋体の上から下に増加するからである。従って、ほとんどの用途について、確実に袋体を保護するために、挿入体を下部又は下半分に配置するだけで十分である。
【0025】
袋体は、開口部に対向する底部を更に備え、挿入体は、底部に配置可能である。従って、挿入体によって、袋体の最も重要な部分が確実に保護される。
【0026】
挿入体は、袋体に固定可能である。従って、損傷し得る袋体の任意の重要な部分を露出させる可能性がある、挿入体の袋体に対する移動を防止可能である。
【0027】
挿入体は、接着剤で袋体に固定可能である。従って、挿入体は、既知の手段によって袋体に確実にかつ容易に固定可能である。
【0028】
袋体は、オートクレーブ処理が可能である材料から作られ、挿入体は、被覆ボール紙又はプラスチック材料から作られてもよい。医療固形廃棄物等の実験室固形廃棄物をオートクレーブ処理する必要がある場合に、固形廃棄物用袋ユニット全体がオートクレーブ処理可能である。
【0029】
挿入体は、箱体であってもよい。従って、挿入体は、固形廃棄物を受けるために理想的に設計可能である。
【0030】
本発明によれば、分析器は、消耗品を使用するように構成された分析装置と、上述の固形廃棄物用袋ユニットと、を備える。
【0031】
分析器は、コンパートメントを更に備え、固形廃棄物用袋ユニットは、コンパートメント内部に設置可能である。従って、本発明の固形廃棄物用袋ユニットは、挿入体を備えない従来の固形廃棄物用袋として使用可能である。
【0032】
分析器は、分析装置を少なくとも部分的に収容するように構成されたケーシングを更に備え、コンパートメントは、ケーシング内部又はそれに隣接して配置可能である。従って、固形廃棄物は、ケーシング内部又はその近くで容易に除去可能である。その結果、固形廃棄物用袋ユニット及びその内部の固形廃棄物は、分析器の周囲に晒されず、いずれの生物学的危害も最小化される。
【0033】
コンパートメントは、中空ブロックとして実質的に形成可能である。従って、袋体は、袋体の受取容量を最大化するようにコンパートメントに対して接合可能である。
【0034】
ブロックは、略円筒状又は矩形状に形成可能である。従って、ブロックは、最大容量でそれぞれの用途に対して個々に設計及び適応可能である。
【0035】
コンパートメントは、固形廃棄物用袋ユニットをコンパートメント内部に配置できる挿入開口部を備えてもよい。従って、固形廃棄物用袋ユニットは、コンパートメント内部に容易に設置可能である。
【0036】
コンパートメントは、枠体であってもよい。従って、固形廃棄物用袋ユニットに対して剛性を付与する構成部材となるために、密閉要素としてコンパートメントを設計する必要はない。
【0037】
挿入体は、コンパートメントに対して正確に嵌合又は滑合するような寸法を有してもよい。従って、挿入体は、コンパートメントの形状に適応可能であり、コンパートメントの全容量を固形廃棄物の受け取りに使用可能である。
【0038】
分析器は、固形廃棄物用袋ユニットの充填状態を検出するように構成されたセンサを更に備えてもよい。従って、固形廃棄物用袋ユニットに対する過負荷を防止可能である。
【0039】
本発明によれば、分析器の固形廃棄物の除去方法は、以下のステップを、特に以下の所与の順番で含む:
− 上述の固形廃棄物用袋ユニットを設けるステップと、
− 分析器のコンパートメント内部に固形廃棄物用袋ユニットを設置するステップと、
− 固形廃棄物用袋ユニット内部に固形廃棄物を収集するステップと、
− 固形廃棄物用袋ユニットが少なくとも部分的に充填されているときに、コンパートメントから固形廃棄物用袋ユニットを取り外すことによって固形廃棄物を除去するステップ。
【0040】
挿入体は、折り畳み可能であり、挿入体は、固形廃棄物用袋ユニットが設けられているときには折畳状態にあり、本方法は、挿入体を展開するステップを更に含んでもよい。
【0041】
挿入体は、固形廃棄物用袋ユニットがコンパートメント内部に設置されているとき、又はその設置中に展開可能である。
【0042】
本発明の認定を要約すれば、以下の実施形態が開示されている:
実施形態1:分析器の固形廃棄物用の固形廃棄物用袋ユニットであって、
袋体と、
挿入体と、を備え、
挿入体は、袋体内部に配置される。
【0043】
実施形態2:挿入体は、折り畳み可能である、実施形態1に記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0044】
実施形態3:袋体は、可撓性材料から作られる、実施形態2に記載の固形廃棄物用袋ユニット
【0045】
実施形態4:挿入体は、固形廃棄物用袋ユニットが最低容量で折り畳み可能となるように折り畳み可能である、実施形態2又は3に記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0046】
実施形態5:挿入体は、前側壁部と、後側壁部と、2つの側壁部と、を備え、
前側壁部及び後側壁部は、展開状態において互いに対向し、
2つの側壁部は、展開状態において互いに対向する、実施形態2乃至4のいずれか1つに記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0047】
実施形態6:前側壁部及び後側壁部は、それぞれ、接続壁部により側壁部に接続される、実施形態5に記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0048】
実施形態7:挿入体は、底部を更に備え、
挿入体は、折畳状態において、前側壁部及び後側壁部が底部上に配置され、側壁部が底部に隣接して配置されるように、折り畳み可能である、実施形態5又は6に記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0049】
実施形態8:前側壁部、後側壁部、及び側壁部は、底部の中心部を押すことによって、折畳位置から展開位置に移動可能である、実施形態7に記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0050】
実施形態9:前側壁部及び後側壁部は、それぞれ、凹部を備え、
凹部は、挿入体の折畳状態において開口部を形成し、
底部の中心部は、折畳状態において開口部から露出する、実施形態8に記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0051】
実施形態10:凹部は、矩形状、多角形状、又は半円状に形成される、実施形態9に記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0052】
実施形態11:挿入体は、折畳状態において略平坦な八角形状を有する、実施形態2乃至10のいずれか1つに記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0053】
実施形態12:袋体は、上部と、下部と、を備え、
上部は、開口部を備え、
挿入体は、下部に配置される、実施形態1乃至11のいずれか1つに記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0054】
実施形態13:袋体は、開口部に対向する底部を更に備え、
挿入体は、底部に配置される、実施形態12に記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0055】
実施形態14:挿入体は、袋体に固定される、実施形態1乃至13のいずれか1つに記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0056】
実施形態15:挿入体は、接着剤で袋体に固定される、実施形態14に記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0057】
実施形態16:袋体は、オートクレーブ処理が可能である材料から作られ、
挿入体は、被覆ボール紙又はプラスチック材料から作られる、実施形態1乃至15のいずれか1つに記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0058】
実施形態17:固形廃棄物用袋ユニットは、オートクレーブ処理が可能である材料から作られ、
挿入体は、被覆ボール紙又はプラスチック材料から作られる、実施形態1乃至15のいずれか1つに記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0059】
実施形態18:挿入体は、箱体である、実施形態1乃至17のいずれか1つに記載の固形廃棄物用袋ユニット。
【0060】
実施形態19: 消耗品を使用するように構成された分析装置と、
実施形態1乃至18のいずれか1つに記載の固形廃棄物用袋ユニットと、を備える分析器。
【0061】
実施形態20:コンパートメントを更に備え、
固形廃棄物用袋ユニットは、コンパートメント内部に設置される、実施形態19に記載の分析器。
【0062】
実施形態21:分析装置を少なくとも部分的に収容するように構成されたケーシングを更に備え、
コンパートメントは、ケーシング内部又はそれに隣接して配置される、実施形態20に記載の分析器。
【0063】
実施形態22:コンパートメントは、中空ブロックとして実質的に形成される、実施形態20又は21に記載の分析器。
【0064】
実施形態23:ブロックは、略円筒状又は矩形状に形成される、実施形態22に記載の分析器。
【0065】
実施形態24:コンパートメントは、固形廃棄物用袋ユニットがコンパートメント内部に配置される挿入開口部を備える、実施形態20乃至23のいずれか1つに記載の分析器。
【0066】
実施形態25:コンパートメントは、枠体である、実施形態20乃至24のいずれか1つに記載の分析器。
【0067】
実施形態26:挿入体は、コンパートメントに対して正確に嵌合又は滑合するような寸法を有する、実施形態20乃至25のいずれか1つに記載の分析器。
【0068】
実施形態27:固形廃棄物用袋ユニットの充填状態を検出するように構成されたセンサを更に備える、実施形態19乃至26のいずれか1つに記載の分析器。
【0069】
実施形態28:分析器の固形廃棄物の除去方法であって、
− 実施形態1乃至18のいずれか1つに記載の固形廃棄物用袋ユニットを設けるステップと、
− 分析器のコンパートメント内部に固形廃棄物用袋ユニットを設置するステップと、
− 固形廃棄物用袋ユニット内部に固形廃棄物を収集するステップと、
− 固形廃棄物用袋ユニットが少なくとも部分的に充填されているときに、コンパートメントから固形廃棄物用袋ユニットを取り外すことによって固形廃棄物を除去するステップと、を含む方法。
【0070】
実施形態29:挿入体は、折り畳み可能であり、挿入体は、固形廃棄物用袋ユニットが設けられているときには折畳状態にあり、本方法は、挿入体を展開するステップを更に含む、実施形態28に記載の方法。
【0071】
実施形態30:挿入体は、固形廃棄物用袋ユニットがコンパートメント内部に設置されているときに展開される、実施形態29に記載の方法。
【0072】
本発明の更なる特徴及び実施形態が、好ましくは従属請求項と併せて、後述の実施形態の説明において更に詳細に開示される。各特徴は、当業者によって認識されるように、単独で実現可能であると共に、任意の実行可能な組み合わせでも実現可能である。実施形態は、図において概略的に示される。これらの図において、同一の符号は、同一の要素、又は機能的に同一な要素を示す。