(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回転圧入装置によって被圧入部材を回転圧入する際には、回転圧入を適切に実施するために、被圧入部材に様々な付属装置が装着される。このような付属装置を作動させるため、回転圧入装置本体やその他の外部供給装置と付属装置とを供給部材で接続し、回転圧入装置本体等から供給部材を介して付属装置へと供給が行われる。ここで、付属装置は被圧入部材に装着されるのであるから、被圧入部材を回転圧入する際には、付属装置と被圧入部材とは一体的に回転されることになるが、回転圧入装置本体等は被圧入部材と一体的に回転するわけではない。このため、供給部材を付属装置に接続したまま回転圧入を行おうとすると、供給部材が付属装置や被圧入部材に巻き付いて損傷してしまうおそれがあり、回転圧入の際には供給部材を付属装置から一旦分離する必要がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、付属装置に供給部材を接続したままで、被圧入部材を回転圧入しながら回転圧入装置から付属装置へと供給を行うことが可能な回転圧入装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1実施態様は、装置本体と、前記装置本体に対して回転され、被圧入部材を保持し、保持した前記被圧入部材と共に回転して前記被圧入部材を回転圧入する回転保持部と、を具備し、前記被圧入部材に装着され前記被圧入部材と共に回転する付属装置に供給部材が接続され、前記供給部材を介して前記付属装置へと前記付属装置を作動させるための供給が行なわれ、前記回転保持部は、前記供給部材が接続される接続部を有する、ことを特徴とする回転圧入装置である。
【0007】
本実施態様では、供給部材は付属装置と回転保持部とに接続されるようになっており、被圧入部材の回転圧入時には、付属装置、被圧入部材及び回転保持部が共に回転されるようになっている。このため、被圧入部材の回転圧入の際にも、供給部材が付属装置や被圧入部材に巻き付いてしまうことがなく、付属装置に供給部材を接続したままで、被圧入部材を回転圧入しながら回転圧入装置から付属装置へと供給を行うことが可能となっている。
【0008】
本発明の第2実施態様は、回転圧入に関連する情報を検知する検知部と、前記検知部によって検知された前記回転圧入に関連する情報に基づいて前記付属装置への供給を制御する制御部と、をさらに具備することを特徴とする回転圧入装置である。
本実施態様では、回転圧入の状況に応じて、付属装置への供給を変化させることができ、付属装置を適切に作動させて、最適な回転圧入を行うことが可能となっている。
【0009】
本発明の第3実施態様は、前記回転保持部は前記回転保持部を作動させるための供給を行う本体供給部を有し、前記本体供給部は前記付属装置への供給を行う付属供給部を兼ねている、ことを特徴とする回転圧入装置である。
本実施態様では、回転保持部を作動させるための供給を行う本体供給部によって、付属装置への供給も行うようにしているため、回転保持部の構成の単純化及び小型化が可能となっている。
【0010】
本発明の第4実施態様は、前記回転保持部は、前記回転保持部を作動させるための供給を行う本体供給部と、前記付属装置への供給を行う前記本体供給部とは別個の付属供給部と、を有する、ことを特徴とする回転圧入装置である。
【0011】
本実施態様では、本体供給部によって回転保持部を作動させるための供給を行い、本体供給部とは別個の付属供給部によって付属装置への供給を行っているため、付属装置を回転保持部とは別個独立に作動させることが可能となっている。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、付属装置に供給部材を接続したままで、被圧入部材を回転圧入しながら回転圧入装置から付属装置へと供給を行うことが可能となっている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1乃至
図6を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1乃至
図6を参照して、本実施形態の回転圧入システムについて説明する。
図1乃至
図4を参照して、本実施形態の回転圧入装置10の概略について説明する。
【0015】
図1乃至
図4に示されるように、回転圧入装置10は、鋼管杭98に圧入力を付与するためのマスト部20と、鋼管杭98を把持して回転力を付与するためのチャック部30と、から形成されている。
【0016】
マスト部20において、リーダーマスト21にはチャック部30のチャックフレーム31が連結されている。リーダーマスト21にはメインシリンダ22が配設されており、メインシリンダ22によってリーダーマスト21に対してチャックフレーム31が上下方向に移動自在である。
【0017】
チャック部30において、チャックフレーム31には、回転保持部としてのチャック32と、チャック回転油圧モータ33とが配設されている。チャック32は、その中心軸が上下方向に延びる略円環状をなし、チャック回転油圧モータ33によってチャックフレーム31に対してその中心軸を中心として回転自在である。チャックフレーム31及びチャック32には、鋼管杭98が挿通可能な杭挿通孔34が上下方向に延設されている。
【0018】
チャック32には、本体保持部としてのチャッククランプ部35が配設されている。チャッククランプ部35には、チャック爪部36及びチャック開閉シリンダ37が配設されている。各チャック開閉シリンダ37によって対応する各チャック爪部36が径方向に開閉自在である。チャック爪部36が径方向内向きに閉作動されることで、チャッククランプ部35によって鋼管杭98が把持され、チャック爪部36が径方向外向きに開作動されることで、チャッククランプ部35から鋼管杭98が解放される。
【0019】
図1及び
図5を参照して、付属装置としての打下アタッチメント60の概略について説明する。
図1及び
図5に示されるように、打下アタッチメント60は、鋼管杭98を把持する付属保持部としての打下クランプ部61と、チャッククランプ部35によって把持される打下本体部68と、から形成されている。
【0020】
打下クランプ部61について、打下アタッチメント60は、略円管状をなし、鋼管杭98の天端部(上端部)に共軸に連結可能である。即ち、打下アタッチメント60の先端部(下端部)には、打下クランプ部61が配設されている。打下クランプ部61は鋼管杭98の天端部に挿入可能である。打下クランプ部61には、固定爪部62と可動爪部63とが配設されている。固定爪部62及び可動爪部63の径方向外側部には、夫々、鋼管杭98の内周面に係止可能な複数の把持爪64が配設されている。さらに、打下クランプ部61には、打下クランプ部開閉シリンダ67が配設されている。打下クランプ部開閉シリンダ67によって、固定爪部62に対して可動爪部63が径方向に開閉自在である。打下クランプ部61が鋼管杭98に挿入され、固定爪部62に対して可動爪部63が径方向外向きに閉作動され、把持爪64が鋼管杭98の内周面に係止されることで、打下クランプ部61によって鋼管杭98が把持される。一方、固定爪部62に対して可動爪部63が径方向内向きに開作動され、把持爪64による鋼管杭98の内周面の係止が解除されることで、打下クランプ部61から鋼管杭98が解放される。
【0021】
打下本体部68について、打下アタッチメント60の天端側の打下本体部68は鋼管杭98と略同外径の円管状をなす。打下本体部68については、回転圧入装置10の杭挿通孔34に挿通可能であり、チャッククランプ部35によって把持可能である。
【0022】
図1乃至
図5を参照して、回転圧入システムの油圧駆動機構について説明する。
図1に示されるように、回転圧入システムには、チャック32から鋼管杭98に圧入力を付与するための圧入用油圧回路が形成されている。
【0023】
即ち、回転圧入システムでは、油圧を供給するパワーユニット88が用いられる。パワーユニット88は、回転圧入装置10のマスト部20に配設されているパワーユニット接続口23に接続される。パワーユニット接続口23は、本体油圧ライン24、電動の本体油圧制御バルブ25、本体油圧制御バルブ25から分岐する圧入油圧ライン26を介して、マスト部20のメインシリンダ22に接続されている。パワーユニット88から、本体油圧ライン24、本体油圧制御バルブ25、圧入油圧ライン26を介して、メインシリンダ22に油圧が供給される。そして、本体油圧制御バルブ25を開閉作動させることで、パワーユニット88からメインシリンダ22へと供給される油圧が制御されて、マスト部20に対してチャック部30が上下方向に駆動され、チャック32から鋼管杭98に付与される圧入力が調整される。
【0024】
また、回転圧入システムには、チャック32から鋼管杭98に回転力を付与するための回転用油圧回路が形成されている。
即ち、パワーユニット接続口23は、本体油圧ライン24、本体油圧制御バルブ25、本体油圧制御バルブ25から分岐する回転油圧ライン52を介して、チャック部30のチャック回転油圧モータ33に接続されている。パワーユニット88から、本体油圧ライン24、本体油圧制御バルブ25、回転油圧ライン52を介して、チャック回転油圧モータ33に油圧が供給される。そして、本体油圧制御バルブ25を開閉作動させることで、パワーユニット88からチャック回転油圧モータ33へと供給される油圧が制御され、チャックフレーム31に対してチャック32が回転駆動され、チャック32から鋼管杭98に付与される回転力が調整される。
【0025】
図1乃至
図5に示されるように、回転圧入システムには、チャッククランプ部35によって鋼管杭98を把持するためのチャック開閉用油圧回路が形成されている。
即ち、回転圧入装置10のチャック32には、作動油を貯留する作動油タンク39が配設されている。作動油タンク39には、本体供給部及び油圧供給部としてのチャック油圧システム38が接続されている。チャック油圧システム38では、作動油タンク39に接続され、油圧を供給するための電動のチャック油圧ポンプ40が配設されている。チャック油圧ポンプ40は、電動のチャック開閉油圧制御バルブ41、チャック開閉油圧ライン42を介して、チャック開閉シリンダ37に接続されている。チャック油圧ポンプ40から、チャック開閉油圧制御バルブ41、チャック開閉油圧ライン42を介して、チャック開閉シリンダ37に油圧が供給される。そして、チャック開閉油圧制御バルブ41を開閉作動させることで、チャック油圧ポンプ40からチャック開閉シリンダ37に供給される油圧が制御されて、チャック32に対してチャック爪部36が開閉駆動され、チャッククランプ部35によって鋼管杭98に付与される把持力が調整される。
【0026】
また、回転圧入システムには、打下クランプ部61によって鋼管杭98を把持するためのアタッチメント用油圧回路が形成されている。
即ち、回転圧入装置10のチャック32では、チャック油圧システム38が付属供給部を兼ね、チャック油圧ポンプ40は、電動のアタッチメント油圧制御バルブ43、アタッチメント油圧ライン44を介して、油圧接続部としての油圧接続口45に接続されている。アタッチメント油圧制御バルブ43は、開作動でアタッチメント油圧ライン44の供給ラインを開、解放ラインを閉とし、閉作動で供給ラインを閉、解放ラインを開とし、停止状態で供給ライン及び解放ラインを開とする。油圧接続口45には油圧供給部材90の一端部が接続される。油圧供給部材90には油圧供給ライン91が形成されている。油圧供給部材90の他端部は打下アタッチメント60の油圧接続カプラー65に接続される。油圧接続カプラー65は、打下クランプ部開閉油圧ライン66を介して、打下クランプ部開閉シリンダ67に接続されている。チャック油圧ポンプ40から、チャック32のアタッチメント油圧ライン44、油圧供給部材90の油圧供給ライン91、打下アタッチメント60の打下クランプ部開閉油圧ライン66を介して、打下クランプ部開閉シリンダ67に油圧が供給される。そして、アタッチメント油圧制御バルブ43を開閉作動させることで、打下クランプ部開閉シリンダ67に供給される油圧が制御され、打下クランプ部61の固定爪部62に対して可動爪部63が開閉駆動され、打下クランプ部61によって鋼管杭98に付与される把持力が調整される。
【0027】
図1及び
図6を参照して、回転圧入システムの電力供給機構について説明する。
図1及び
図6に示されるように、油圧の供給に用いられるパワーユニット88については、マスト部20への電力の供給にも用いられる。パワーユニット88は回転圧入装置10のパワーユニット接続口23に接続される。パワーユニット88から、マスト部20に配設されている本体電気制御盤27、本体油圧制御バルブ25等へと電力が供給される。
【0028】
また、回転圧入システムでは、チャック32に電力を供給するための電源装置89が用いられる。電源装置89は、チャック32に配設されている電気接続機構としての電力供給トロリー46に接続される。チャック32に電源装置89を接続したままで、チャックフレーム31に対してチャック32を回転させることが可能である。電源装置89から、チャック油圧システム38をなすチャック油圧ポンプ40、チャック開閉油圧制御バルブ41、アタッチメント油圧制御バルブ43、チャック電気制御盤47等へと電力が供給される。
【0029】
図1及び
図6を参照して、回転圧入システムの電気的制御機構について説明する。
図1及び
図6に示されるように、回転圧入装置10のマスト部20において、圧入油圧ライン26には、検知部としての圧入力センサ28が配設されている。圧入力センサ28は、マスト部20のメインシリンダ22に供給される油圧に基づいて、チャック32から鋼管杭98に付与される圧入力値を検知する。また、回転油圧ライン52には、検知部としての回転力センサ29が配設されている。回転力センサ29は、チャック回転油圧モータ33に供給される油圧に基づいて、チャック32から鋼管杭98に付与される回転力値を検知する。圧入力センサ28及び回転力センサ29は、夫々、検知した圧入力値及び回転力値を制御部としての本体電気制御盤27に送信する。
【0030】
また、アタッチメント油圧ライン44には、検知部としての把持力センサ48が配設されている。把持力センサ48は、打下クランプ部開閉シリンダ67に供給される油圧に基づいて、打下クランプ部61から鋼管杭98に付与される把持力値を検知する。把持力センサ48は、検知した把持力値をチャック電気制御盤47に送信する。チャック電気制御盤47は、受信した把持力値を本体電気制御盤27へと送信する。
【0031】
本体電気制御盤27は、圧入力センサ28及び回転力センサ29から圧入力値及び回転力値を受信し、チャック電気制御盤47から把持力値を受信する。そして、本体電気制御盤27は、検知された圧入力値及び回転力値に基づいて把持力の目標値を算出し、目標値と検知された把持力値とを比較する。本体電気制御盤27は、目標値と検知された把持力値との比較結果に基づいた油圧制御信号を、チャック電気制御盤47に送信する。チャック電気制御盤47は、受信した油圧制御信号に基づいてアタッチメント油圧制御バルブ43を開閉作動し、打下クランプ部開閉シリンダ67へと供給される油圧を制御して、打下クランプ部61によって鋼管杭98に付与される把持力を調整する。
【0032】
次に、本実施形態の回転圧入システムを用いた鋼管杭98の回転圧入方法について説明する。
回転圧入システムによって鋼管杭98を地盤に回転圧入する際には、回転圧入装置10の上下方向が鉛直方向に略一致するように回転圧入装置10を配置する。そして、クレーン等によって回転圧入装置10の杭挿通孔34に鋼管杭98を挿通し、チャック32によって鋼管杭98を把持する。続いて、回転圧入装置10において、マスト部20に対してチャック部30を下方向に移動させて、チャック32から鋼管杭98に圧入力を付与すると共に、チャックフレーム31に対してチャック32を回転させて、チャック32から鋼管杭98に回転力を付与する。このようにして鋼管杭98に回転圧入力を付与することで、鋼管杭98を地盤へと回転圧入する。マスト部20に対してチャック部30が下限位置付近まで移動された場合には、チャック32から鋼管杭98を解放する。そして、マスト部20に対してチャック部30を上限位置付近まで移動させて、再度チャック32によって鋼管杭98を把持し、さらにチャック32から鋼管杭98に回転圧入力を付与して、鋼管杭98を地盤へと回転圧入する。
【0033】
上述したように鋼管杭98が順次回転圧入され、チャック32による鋼管杭98の把持が鋼管杭98の天端部付近まで達した場合には、さらに鋼管杭98を地盤へと回転圧入するため、鋼管杭98に打下アタッチメント60を連結する。即ち、クレーン等によって、鋼管杭98の天端部に打下クランプ部61を挿入し、鋼管杭98に打下アタッチメント60を載置する。続いて、打下アタッチメント60の油圧接続カプラー65に油圧供給部材90の一端部を接続し、チャック32の油圧接続口45に油圧供給部材90の他端部を接続する。そして、チャック32のアタッチメント油圧制御バルブ43を閉作動して、チャック油圧ポンプ40から、チャック32のアタッチメント油圧ライン44、油圧供給部材90の油圧供給ライン91、打下アタッチメント60の打下クランプ部開閉油圧ライン66を介して、打下クランプ部開閉シリンダ67に油圧を供給し、打下クランプ部61によって鋼管杭98の天端部を把持する。
【0034】
続いて、チャック32によって打下アタッチメント60を把持し、打下アタッチメント60に回転圧入力を付与することで、打下アタッチメント60に連結された鋼管杭98に回転圧入力を付与し、鋼管杭98を地盤へと回転圧入する。この際、打下アタッチメント60に油圧を供給するための油圧供給部材90は、打下アタッチメント60の油圧接続カプラー65とチャック32の油圧接続口45とに接続されており、打下アタッチメント60、鋼管杭98及びチャック32は一体的に回転されるため、油圧供給部材90が打下アタッチメント60や鋼管杭98に巻き付いてしまうことはない。
【0035】
マスト部20に対してチャック部30が下限位置付近まで移動された場合には、チャック32から打下アタッチメント60を解放する。そして、マスト部20に対してチャック部30を上限位置付近まで移動させて、チャック32によって再度打下アタッチメント60を把持し、鋼管杭98を地盤へと回転圧入する。このようにして、順次鋼管杭98を地盤へと回転圧入していく。
【0036】
鋼管杭98の圧入深度が増大するのに応じて、地盤からの土圧が増大し、地盤の硬度も増大する傾向にあるため、地盤から鋼管杭98の先端部に作用する先端抵抗が増大する。また、地盤に接する鋼管杭98の周面の面積も増大し、地盤から鋼管杭98の周面に作用する周面摩擦抵抗も増大する。このため、地盤から鋼管杭98へと作用される圧入抵抗及び回転抵抗が増大し、鋼管杭98を回転圧入するのに必要な圧入力及び回転力も増大する。この結果、打下クランプ部61によって鋼管杭98を確実に把持するのに必要な把持力も増大することとなる。
【0037】
これに対して、本体電気制御盤27は、圧入力センサ28及び回転力センサ29によって検知された圧入力値及び回転力値を常時監視しており、検知された圧入力値及び回転力値の増大に応じて、打下クランプ部61から鋼管杭98に付与される把持力の目標値を適宜更新する。本体電気制御盤27は、把持力の目標値が増大された場合には、油圧を増大させる油圧制御信号をチャック電気制御盤47に送信し、チャック電気制御盤47は、受信した油圧制御信号に応じて、アタッチメント油圧制御バルブ43を閉作動させ、打下クランプ部開閉シリンダ67へと油圧を供給して、打下クランプ部61から鋼管杭98に付与される把持力を増大させる。ここで、チャック32の油圧接続口45と打下アタッチメント60の油圧接続カプラー65とは油圧供給部材90によって常時接続されており、チャック油圧システム38から打下クランプ部開閉シリンダ67に適宜油圧を供給することが可能である。本体電気制御盤27は、把持力センサ48によって検知される把持力値が把持力の目標値に達した場合には、アタッチメント油圧制御バルブ43を停止させ、チャック油圧ポンプ40から打下クランプ部開閉シリンダ67へと供給される油圧を停止する。このようにして、鋼管杭98に付与される圧入力値及び回転力値に応じた適切な把持力で、打下クランプ部61によって鋼管杭98が把持される。
【0038】
また、鋼管杭98の回転圧入に際し、鋼管杭98の内周面に対して打下クランプ部61の把持爪64がずれたり滑ったりすることで、打下クランプ部61から鋼管杭98に付与される把持力が減少する場合がある。この場合には、打下クランプ部61によって鋼管杭98に付与される把持力を増大させ、打下クランプ部61によって鋼管杭98を把持し直す必要がある。
【0039】
これに対して、本体電気制御盤27は、把持力センサ48によって検知される把持力を常時監視している。ここで、打下アタッチメント60の油圧接続カプラー65とチャック32の油圧接続口45とは油圧供給部材90によって常時接続されているため、チャック油圧システム38に配設されている把持力センサ48によって、打下クランプ部61による把持力を常時検知することが可能である。本体電気制御盤27は、把持力センサ48によって検知される把持力が目標値未満となった場合には、油圧を増大させる油圧制御信号をチャック電気制御盤47に送信し、打下クランプ部61から鋼管杭98に付与される把持力を増大させ、打下クランプ部61によって鋼管杭98を把持し直す。
このようにして、打下アタッチメント60を用いて鋼管杭98に回転圧入力を付与して、順次地盤に鋼管杭98を回転圧入し、鋼管杭98の回転圧入を完了する。
【0040】
本実施形態の回転圧入システムは以下の効果を奏する。
本実施形態の回転圧入システムでは、打下アタッチメント60に油圧を供給するための油圧供給部材90は、打下アタッチメント60の油圧接続カプラー65とチャック32の油圧接続口45とに接続されている。打下アタッチメント60を用いて鋼管杭98を回転圧入する際には、打下アタッチメント60、鋼管杭98及びチャック32が一体的に回転されるため、油圧供給部材90が打下アタッチメント60や鋼管杭98に巻き付いてしまうことはない。このため、チャック32と打下アタッチメント60とに油圧供給部材90を接続したままで、打下アタッチメント60を用いて鋼管杭98を回転圧入しながら、チャック32から打下アタッチメント60に油圧を供給することが可能となっている。
【0041】
なお、打下アタッチメント60に油圧供給部材90を接続するための油圧接続カプラー65を回転自在カプラーとし、油圧供給部材90に対して打下アタッチメント60を回転可能とすることで、パワーユニット88のような外部供給装置と打下アタッチメント60とに油圧供給部材90を接続したままで、打下アタッチメント60を用いて鋼管杭98を回転圧入しながら、外部供給装置から油圧供給部材90を介して打下アタッチメント60に油圧を供給することも考えられる。しかしながら、油圧接続カプラー65として回転自在カプラーを用いたとしても、外部供給装置と打下アタッチメント60とに油圧供給部材90を接続したままで、打下アタッチメント60を用いて鋼管杭98を回転圧入する場合には、油圧供給部材90が打下アタッチメント60や鋼管杭98に巻き付いてしまうおそれがあり、このような巻き付きが発生しないように常時監視する必要がある。また、回転自在カプラーでは、回転シール部によって油圧をシールすることになるため、特に供給される油圧が高い場合には、油圧を供給しながら油圧供給部材90に対して打下アタッチメント60を回転することで、回転シール部から早期に油漏れが発生する可能性があり、環境汚染の原因となるおそれがある。本実施形態では、以上述べたような監視を省略すると共に、環境汚染を防止することも可能となっている。
【0042】
さらに、本体電気制御盤27によって圧入力及び回転力が常時監視されると共に、チャック32と打下アタッチメント60とが油圧供給部材90によって常時接続されているため、チャック油圧システム38から打下クランプ部開閉シリンダ67に適宜油圧を供給することが可能となっている。このため、鋼管杭98の圧入深度や地盤の状態に応じて、チャッククランプ部35から鋼管杭98に付与される圧入力や回転力が増大された場合には、チャック油圧システム38から打下クランプ部開閉シリンダ67に油圧を供給することで、打下クランプ部61から鋼管杭98に付与される把持力を増大させることができ、鋼管杭98の圧入深度や地盤の状態に応じて、打下クランプ部61によって鋼管杭98を適切に把持することが可能となっている。
【0043】
また、打下アタッチメント60とチャック32とが油圧供給部材90によって常時接続されているため、チャック油圧システム38に配設されている把持力センサ48によって、打下クランプ部61から鋼管杭98に付与される把持力を常時検知して、本体電気制御盤27によって常時監視することが可能となっている。このため、打下アタッチメント60を用いた鋼管杭98の回転圧入の際に、鋼管杭98の内周面に対して打下クランプ部61の把持爪64がずれたり滑ったりして、打下クランプ部61から鋼管杭98に付与される把持力が減少した場合でも、チャック油圧システム38から打下クランプ部開閉シリンダ67に油圧を供給することで、打下クランプ部61から鋼管杭98に付与される把持力を増大させ、打下クランプ部61によって鋼管杭98を把持し直すことが可能となっている。
【0044】
加えて、チャック油圧システム38によって、チャック開閉シリンダ37に油圧を供給して、チャッククランプ部35によって鋼管杭98を把持するようにすると共に、打下クランプ部開閉シリンダ67にも油圧を供給し、打下クランプ部61によって鋼管杭98を把持するようにしている。即ち、チャック32による鋼管杭98の把持のためのチャック油圧システム38を打下クランプ部61による鋼管杭98の把持にも用いるようにしており、チャック32の構成を簡単化し、チャック32を小型化することが可能となっている。
【0045】
図7を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
図7に示されるように、本実施形態の回転圧入システムにおいて、チャック32には、チャック油圧システム38及びアタッチメント油圧システム49が配設されている。チャック油圧システム38は、第1実施形態と同様に、作動油タンク39に接続され、チャック油圧ポンプ40及びチャック開閉油圧制御バルブ41から形成されており、チャック開閉油圧ライン42を介してチャック開閉シリンダ37に接続されている。さらに、アタッチメント油圧システム49は、作動油タンク39に接続され、電動のアタッチメント油圧ポンプ51及びアタッチメント油圧制御バルブ43から形成されており、アタッチメント油圧ライン44を介して油圧接続口45に接続されている。
【0046】
このように、本実施形態の回転圧入システムでは、打下クランプ部61によって鋼管杭98を把持するためのアタッチメント用油圧回路が、チャッククランプ部35によって鋼管杭98を把持するためのチャック開閉用油圧回路とは別個独立に形成されている。このため、打下クランプ部61をチャッククランプ部35とは別個独立に作動させることが可能となっている。
【0047】
本実施形態では、チャック油圧システム38とアタッチメント油圧システム49とに共通の作動油タンク39を用いているが、チャック油圧システム38とアタッチメント油圧システム49とに別々の作動油タンクを用いるようにしてもよい。
【0048】
以上の各実施形態では、地盤に回転圧入される被圧入部材としては、鋼製かつ管状の鋼管杭が用いられているが、その他の様々な部材を用いることが可能である。
【0049】
また、被圧入部材に装着され被圧入部材と共に回転される付属装置としては、打下アタッチメントが用いられているが、その他の様々な付属装置を用いることが可能である。例えば、地盤を掘削するためのオーガアタッチメントを用いることが可能であり、オーガアタッチメントにおいて、鋼管杭を把持するクランプ機構及び地盤を掘削する掘削機構を用いる場合には、チャック油圧システムから、油圧供給部材を介して、オーガアタッチメントのクランプ機構及び掘削機構に油圧を供給して、油圧によりクランプ機構及び掘削機構を作動させるようにしてもよい。
【0050】
さらに、回転圧入装置から付属装置に油圧を供給するようにしているが、付属装置には様々な供給対象を供給することが可能である。例えば、付属装置としてオーガアタッチメントを用い、オーガアタッチメントにおいて地盤の掘削の際の摩擦を低減するエア潤滑システムを用いる場合には、チャックのエア接続口にエア供給部材を接続して、チャックのエアコンプレッサから、エア供給部材を介して、オーガアタッチメントのエア潤滑システムにエアを供給するようにしてもよい。また、付属装置に電動油圧制御バルブ等の電気駆動機構を用いる場合には、チャックの電気接続口に電力供給部材を接続し、電源装置から電力供給トロリーを介してチャックに供給される電力を、電力供給部材を介して、付属装置の電気駆動機構に供給するようにしてもよい。この場合には、チャックの電気制御盤を電気供給部材を介して付属装置の電気駆動機構に接続し、チャックの電気制御盤によって付属装置の電気駆動機構を制御するようにしてもよい。