【実施例】
【0036】
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0037】
易崩壊性造粒組成物1〜13
表1及び2に示す易崩壊性造粒組成物を調製し、イ.保形性について下記の評価方法にて評価し判定した。その結果も併せて表1及び2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
*1 マツモトマイクロスフェアM101 (松本油脂製薬社製)
*2 微細亜鉛華 (堺化学工業社製)
*3 メタシャインMT1080RG (日本板硝子社製)
*4 COSMETICA SUPER WHITE Nー8000S (CQV社製)
*5 KF−96−100CS (信越化学工業社製)
*6 ビニゾール2140L(固形分43%) (大同化成工業社製)
*7 セオラスPH F20JP (旭化成ケミカルズ社製)
【0041】
(製造方法)易崩壊性造粒組成物1〜13
A.成分(1)〜(12)を均一に混合する。
B.成分(13)〜(14)をAに加えて均一に分散する。
C.成分(15)〜(17)を精製水40質量部に分散する。
D.BにCを加えスーパーミキサーで造粒後、スピードミル(スクリーン径2mm)にて粉砕処理する。
E.Dを50℃で8時間の乾燥し、易崩壊性造粒組成物を得た。
尚、易崩壊性造粒組成物6に関してはスクリーン径0.8mm、易崩壊性造粒組成物7に関してはスクリーン径30mm、易崩壊性造粒組成物12に関してはスクリーン径0.5mmを使用した。
【0042】
実施例1〜7及び比較例1〜5:アイシャドウ
表1及び2に示す易崩壊性造粒組成物を組み合わせて表3及び表4に示すアイシャドウを調製し、ロ.境界の明瞭性、ハ.軽い伸び広がり、二.つけ色の均一性について下記の評価方法にて評価し判定した。その結果も併せて表3及び表4に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
(製造方法)
A.成分(1)〜(13)を均一に混合し、金皿に充填する。
B.Aを圧縮成型し、アイシャドウを得た。
【0046】
<評価方法>
イ.保形性
易崩壊性造粒組成物1〜13をそれぞれ3gを遠沈管に入れ、振盪機(ヤヨイ社製 YS−8D)でストローク幅80mm、1分間に180往復、10分間振盪させた各試料を300μmメッシュにかけ、通過せず残った試料の重さを量り、残存率を算出し、以下の判断基準に従って保形性を判定した。尚、残存率は300μmメッシュを通過せずに残ったものの重さを分子とし、仕込み量を分母として算出した。
(判定基準)
(判定):(残存率)
◎ :70%以上
〇 :50%以上70%未満
△ :30%以上50%未満
× :30%未満
【0047】
ロ.境界の明瞭性
実施例1〜7及び比較例1〜5ついて、易崩壊性造粒組成物同士が混色せず、圧縮成型した固形粉末化粧料の各色の境界がはっきりと見えるかどうかについて目視で評価し、以下の判定基準に従って境界の明瞭性を判定した。
(判定基準)
(判定)
◎ :境界が明瞭である
○ :混色は見られるが、境界が明瞭である
× :混色して各色の中間色になってしまい、境界が不明瞭である
【0048】
ハ.軽い伸び広がり
二.つけ色の均一性
化粧品評価専門パネル20名に、実施例1〜7及び比較例1〜5を使用してもらい、ハについては、塗付する際に肌上でざらつきを感じずに伸び広がるかどうか、ニについては肌上に塗布した際につけ色に色ムラがなく、化粧膜として色の均一性があるかを各自が以下の評価基準に従って4段階評価し評点を付し、全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
(評価基準)
(評点):(評価)
4 :非常に良い
3 :良い
2 :悪い
1 :非常に悪い
(判定基準)
(判定):(評点の平均点)
◎ :3点以上
○ :2.5点以上3点未満
△ :1.5点以上2.5点未満
× :1.5点未満
【0049】
表1及び2の結果から明らかなように、易崩壊性造粒組成物1〜8は、保形性において優れたものであった。これに対して、成分(A)を含有しない易崩壊性造粒組成物9は、成型することはできるものの、外的刺激に弱く、保形性に劣るものであった。また、キサンタンガムや結晶セルロースを用いた易崩壊性造粒組成物10および11では、成形効果が弱く保形性に満足できないものであった。また、平均粒子径の小さい易崩壊性造粒組成物12では成型できるものの、保形性に満足のいくものではなかった。さらに、成分(A)の含有量が少ない易崩壊性造粒組成物13は成形効果が弱く保形性に満足できないものであった。
【0050】
表3及び表4の結果から明らかなように、実施例1〜7のアイシャドウは、境界の明瞭性、軽い伸び広がり、つけ色の均一性の全ての項目において、比較例より優れたものであった。一方、比較例1〜5は、混合時に混色してしまい、境界の明瞭性に劣り外観の審美性に欠けるものであった。また、つけ色の均一性についても比較例1、2は満足のいくものではなかった。比較例5は、成分(A)の含有量が少なく、均一な易崩壊性組成物ができず、塗布時に色ムラがあり、化粧膜の均一性に劣るものであった。
【0051】
実施例8 アイブロウ
(成分) (%)
1.マイカ(平均粒子径10μm) 30
2.タルク(平均粒子径20μm) 残量
3.合成金雲母 5
4.窒化ホウ素*8 5
5.酸化亜鉛(平均粒子径1μm) 2
6.メタクリル酸メチルクロスポリマー*9 2
7.酸化チタン(平均粒子径0.25μm) 1.7
8.シリカ*10 1
9.黒色酸化鉄 10
10.赤色酸化鉄 2
11.ポリエチレン末*11 3
12.(PET/Al)ラミネート 2
13.ジメチルポリシロキサン*12 7.6
14.リンゴ酸ジイソステアリル 3
15.水添ポリイソブテン*13 1
16.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 1
17.アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン*6 0.5
18.易崩壊性造粒組成物1 10
*8 CCS102−JA BORON NITRIDE POWDER(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製)
*9 MR−7GC(綜研化学社製)
*10 サンスフェア NP−100(AGCエスアイテック社製)
*11 ミペロンPM−200(三井化学社製)
*12 KF−96−10CS(信越化学工業社製)
*13 パールリーム18(日油社製)
【0052】
(製造方法)
A.成分(1)〜(12)を均一に混合する。
B.成分(13)〜(16)を60℃で均一に溶解し、Aに加え均一に混合する。
C.成分(17)を精製水40質量部に均一に混合分散し、Bに加え均一に混合分散する。
D.Cをスーパーミキサーで造粒後、スピードミル(スクリーン径1mm)にて粉砕処理する。
E.Dを50℃で8時間の乾燥して平均粒子径1mmの易崩壊性造粒組成物を得た。
F.Eおよび成分(18)を均一に混合し、金皿に充填する。
G.Fを圧縮成型し、アイブロウを得た。
【0053】
得られたアイブロウは、境界の明瞭性、軽い伸び広がり、つけ色の均一性の全ての項目において、優れたものであった。
【0054】
実施例9 頬紅
(成分) (%)
1.6%ラウリン酸亜鉛処理タルク(平均粒子径10μm) 15
2.タルク(平均粒子径10μm) 残量
3.合成金雲母 10
4.窒化ホウ素*8 3
5.マイカ 10
6.酸化亜鉛(平均粒子径0.3μm) 2
7.酸化チタン(平均粒子径0.27μm) 1.7
8.シリカ*14 1
9.赤色226号 2
10.黄色酸化鉄 2
11.エチルヘキサン酸セチル 3
12.ジメチルポリシロキサン*12 2
13.ミネラルオイル 3
14.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン*15 2
15.ポリパーフルオロメチルイソプロピルエーテル 2
16.易崩壊性造粒組成物1 10
17.易崩壊性造粒組成物8 10
*14 シリカマイクロビード P−1505(日揮触媒化成社製)
*15 シリコンKF−56(信越化学工業社製)
【0055】
(製造方法)
A.成分(1)〜(10)を均一に混合する。
B.成分(11)〜(15)をAに加え均一に混合する。
C.Bをヘンシェルミキサーにて粉砕した後、成分(16)〜(17)を加え均一に混合する。
D.Cを圧縮成形し、頬紅を得た。
【0056】
得られた頬紅は、境界の明瞭性、軽い伸び広がり、つけ色の均一性の全ての項目において優れたものであった。
【0057】
実施例10 ボディパウダー
(成分) (%)
1.マイカ(平均粒子径10μm) 残量
2.タルク (平均粒子径10μm) 20
3.ラウロイルリシン 9
4.(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー*16 9
5.球状ナイロン*17 4
6.メタクリル酸メチルクロスポリマー*9 3.5
7.合成金雲母 2
8.酸化チタン(平均粒子径0.15μm) 2
9.酸化亜鉛(平均粒子径3μm) 3.5
10.黒色酸化鉄 0.1
11.黄色酸化鉄 0.1
12.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 2
13.ジメチルポリシロキサン*12 0.2
14.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.3
15.スクワラン 0.3
16.アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン*6 1.5
17.易崩壊性造粒組成物4 25
*16 KSP―101(信越化学工業社製)
*17 オルガソール2002D(アトフィナ社製)
【0058】
(製造方法)
A.成分(1)〜(11)を均一に混合する。
B.Aに成分(12)〜(15)を加えて均一に分散する。
C.成分(16)を精製水20質量部に分散する。
D.BにCを加えスーパーミキサーで造粒する。
E.Dを50℃で8時間の乾燥し、分級機にかけて平均粒子径30mmの易崩壊性造粒組成物を得た。
F.Eに成分(17)を加え均一に混合し、圧縮成形した。
【0059】
得られたボディパウダーは、境界の明瞭性、軽い伸び広がり、つけ色の均一性の全ての項目において優れたものであった。
【0060】
実施例11 白粉
(成分) (%)
1.アモジメチコン(2%)処理マイカ(平均粒子径10μm) 残量
2.タルク (平均粒子径10μm) 20
3.ラウロイルリシン 9
4.ポリメチルシルセスキオキサン 9
5.球状ナイロン*17 4
6.メタクリル酸メチルクロスポリマー 3.5
7.合成金雲母 2
8.酸化チタン(平均粒子径0.25μm) 1.5
9.酸化亜鉛(平均粒子径0.3μm) 3.5
10.カーボンブラック 0.01
11.黄色酸化鉄 0.2
12.赤色酸化鉄 0.1
13.リンゴ酸ジイソステアリル 2
14.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 4
15.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 1
16.セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.3
17.アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体エマルジョン*6 1.5
18.易崩壊性造粒組成物2 25
【0061】
(製造方法)
A.成分(1)〜(12)を均一に混合する。
B.Aに成分(13)〜(16)を加えて均一に分散する。
C.成分(17)を精製水20質量部に分散する。
D.BにCを加えスーパーミキサーで造粒する。
E.Dを50℃で8時間の乾燥し、分級機にかけて平均粒子径30mmの易崩壊性造粒組成物を得た。
F.Eに成分(18)を加え均一に混合し、圧縮成形した。
【0062】
得られた白粉は、境界の明瞭性、軽い伸び広がり、つけ色の均一性の全ての項目において優れたものであった。