(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記順位決定部は、前記複数の検索結果から遷移するリンク先における、前記検索クエリの出現頻度が高くなる程、前記関連度が低下し、前記関連クエリの出現頻度が高くなる程、前記関連度が増大する傾向で前記関連度を算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
ユーザにより入力された検索クエリと、前記検索クエリおよび前記検索クエリと関連付けられた関連クエリを含む推薦クエリと、前記検索クエリと関連付けられた複数の検索結果とを取得する取得部と、
前記推薦クエリと前記複数の検索結果の各々との関連度であって、前記複数の検索結果から遷移するリンク先における前記推薦クエリの出現頻度が高くなる程、増大する傾向で前記関連度を算出し、前記算出した関連度が低い前記検索結果が上位に配置されるように、前記複数の検索結果の表示順位を決定する順位決定部と
を備え、
前記順位決定部は、前記複数の検索結果から遷移するリンク先における前記検索クエリの出現頻度と、前記複数の検索結果から遷移するリンク先の利用実績と、前記関連度とに基づいて、前記表示順位を決定し、
前記順位決定部が、前記検索クエリの出現頻度と、前記利用実績と、前記関連度とに基づいて前記表示順位を決定する場合における、前記関連度の重みを調節する調節部をさらに備え、
前記調節部は、前記検索結果の利用実績が上昇している場合には、前記関連度の重みを増大させ、前記検索結果の利用実績が下降している場合には、前記関連度の重みを低減させる、
情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。
【0010】
[第1実施形態]
<概要>
以下、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態の情報処理装置は、ユーザにより入力された検索クエリに応じた検索結果を表示するための情報を生成する。この検索結果を表示するための情報は、検索クエリおよびこの検索クエリと関連付けられた文字列である関連クエリを含む推薦クエリの情報と、検索結果の情報とを含む。この検索結果の情報においては、推薦クエリとの関連度に基づいて、検索結果の掲載位置(表示順位)が決定される。例えば、この検索結果の情報においては、推薦クエリとの関連度が低い検索結果が上位に配置され、推薦クエリとの関連度が高い検索結果が下位に配置される。本実施形態では、情報処理装置が、商品等のコンテンツの検索結果を提供する検索サーバである例について説明する。
【0011】
<システム構成>
図1は、本実施形態の検索サーバ1(情報処理装置)の機能ブロック図である。検索サーバ1は、ネットワークNWを介して、端末装置T等と接続されている。ネットワークNWは、例えば、WAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)、インターネット、専用回線、無線基地局、プロバイダ等を含む。
【0012】
端末装置Tは、検索サーバ1により提供される検索サービスを利用するユーザによって操作される。端末装置Tは、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォンなどの携帯電話やタブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)などのコンピュータ装置である。端末装置Tは、ユーザの操作に基づいて動作するブラウザまたはアプリケーションプログラムが、例えば、情報提供を要求する検索クエリを検索サーバ1に送信し、この検索クエリと関連付けられた情報を検索サーバ1から受信する。
【0013】
検索サーバ1は、端末装置Tから入力された検索クエリと関連付けられた検索結果のページ情報を端末装置Tに送信する。検索サーバ1は、検索クエリと、この検索クエリと関連付けられたサイトのページを参照するための参照情報とを関連付けた検索データを用いて、検索結果のページ情報を生成する。参照情報は、例えば、URL(Uniform Resource Locator)を含む。
【0014】
検索サーバ1は、例えば、通信部10(取得部)と、検索部11と、推薦クエリ決定部12と、順位決定部14と、検索結果生成部16(生成部)と、調節部18と、記憶部20とを備える。通信部10は、ネットワークNWを介して、端末装置T等と通信する。通信部10は、ネットワークNWを介して、端末装置Tから検索クエリを受信し、検索結果のページ情報を端末装置Tに送信する。通信部10は、例えば、NIC等の通信インターフェースを含む。
【0015】
記憶部20は、例えば、検索クエリと関連付けられたサイトのページを参照するための参照情報を含む検索データD1と、推薦クエリの情報を含む推薦クエリデータD2とを記憶する。記憶部20は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置等により実現される。また、記憶部20の一部または全部は、NASや外部のストレージサーバ等、検索サーバ1がアクセス可能な外部装置であってもよい。
【0016】
検索部11は、記憶部20に記憶された検索データD1から、通信部10を介して取得された検索クエリと関連付けられたサイトのページの情報を検索して取得する。検索クエリと関連付けられたサイトのページの情報は、例えば、このサイトのページのURL、このページに表示された商品のタイトル情報、商品の画像の情報等を含む。
【0017】
推薦クエリ決定部12は、通信部10を介して取得された検索クエリに応じて、この検索クエリと、この検索クエリと関連付けられた関連クエリとの組である少なくとも1つの推薦クエリを決定する。尚、推薦クエリは、検索クエリの表記ゆれを考慮して検索クエリの文字列の一部が変更されたクエリと、関連クエリとの組であってもよい。例えば、検索クエリが「イヤフォン」である場合、表記ゆれを考慮して検索クエリの文字列の一部が変更されたクエリは「イヤホン」等である。「イヤフォン」と「イヤホン」とは同一の物体を示すものであるため、推薦クエリ決定部12の処理において、これらのクエリは同一のものとして取り扱われる。
【0018】
順位決定部14は、検索部11により取得されたサイトのページの情報と、推薦クエリ決定部12によって決定された推薦クエリとの関連度に基づいて、検索結果ページにおける各サイトのページの情報の表示順位を決定する。例えば、順位決定部14は、検索結果ページにおいて、推薦クエリとの関連度が低い商品のサイトのページの情報が上位に配置され、推薦クエリとの関連度が高い商品のサイトのページの情報が下位に配置されるように、表示順位を決定する。
【0019】
順位決定部14は、商品のサイトのページの各々における推薦クエリの文字列の出現頻度に基づいて関連度を算出する。順位決定部14は、例えば、商品のサイトのページの各々に含まれる各種フィールド(商品名、商品説明、スペック情報等)における推薦クエリの文字列の出現頻度に基づいて関連度を算出する。出現頻度が高いものほど関連度が高く設定され、出現頻度が低いものほど関連度が低く設定される。すなわち、順位決定部14は、複数の検索結果から遷移するリンク先における推薦クエリの出現頻度が高くなる程、関連度が増大する傾向で関連度を算出する。
【0020】
順位決定部14は、商品のサイトのページの各々において、検索クエリの出現頻度が高くなる程低下し、関連クエリの出現頻度が高くなる程増大する傾向で関連度を算出してもよい。また、順位決定部14は、商品のサイトのページの各々に含まれる各種フィールドごとに重みを付けて関連度を算出してもよい。
【0021】
また、順位決定部14は、関連度に加えてまたは代えて、商品のサイトのページの各々のクリック数、クリック率(CTR:Click Trough Rate)、顧客転換率(CVR:Conversion Rate)等の利用実績を考慮して、検索結果ページにおける各サイトのページの情報の表示順位を決定してもよい。この場合、順位決定部14は、まず、利用実績に基づいて、各サイトのページをスコアリングする(利用実績が良いものほど高くスコアリングする等)。次に、順位決定部14は、各サイトのページに推薦クエリが出現するとペナルティを課す(スコアをマイナスする)ように再スコアリングする。スコアリングに利用される推薦クエリの数は予め定義される。尚、順位決定部14は、利用実績に基づくスコアリングを行った後、所定の順位以上(例えば、上位の10位以内のサイトのページ)に対してのみ、推薦クエリに基づく再スコアリングを行ってもよい。これにより、スコアリングに伴う処理負荷を軽減することができる。
【0022】
検索結果生成部16は、推薦クエリ決定部12により決定された推薦クエリと、順位決定部14により決定された表示順位に基づいて配置された商品のサイトのページの情報を含む検索結果とを同時に表示する検索結果ページを生成する。すなわち、検索結果生成部16は、複数の検索結果を表示するための情報であって、推薦クエリ決定部12により決定された推薦クエリとの関連度が低い検索結果を優先的に表示するための情報を生成する。検索結果生成部16は、生成した検索結果ページを、通信部10を介して、端末装置Tに送信する。
【0023】
調節部18は、順位決定部14のスコアリング処理において、関連度が高い商品のサイトのページにどの程度のペナルティ(重み)を課すのか(どの程度、スコアをマイナスするのか)を調節する処理を行う。調節部18は、例えば、検索結果の利用実績が上昇している場合には、関連度の重みを増大させ、検索結果の利用実績が下降している場合には、関連度の重みを低減させる、この調節処理は、例えば、日次、週次等の所定のタイミングで実施されるバッチ処理であってよい。
【0024】
検索サーバ1の各機能部は、例えば、コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0025】
<検索処理>
以下において、検索サーバ1の検索処理について説明する。
図2は、検索サーバ1の検索処理の流れの一例を示す図である。
図3は、推薦クエリデータD2の一例を示す図である。
図4は、実施形態の検索結果ページP1の一例を示す図である。
【0026】
通信部10は、ユーザが端末装置Tを操作することにより入力された検索クエリを取得する(S101)。次に、推薦クエリ決定部12は、通信部10を介して取得された検索クエリに応じて、この検索クエリと、この検索クエリと関連付けられた関連クエリとの組である少なくとも1つの推薦クエリを決定する(S103)。推薦クエリ決定部12により決定される推薦クエリの数は予め定義される。
【0027】
推薦クエリ決定部12は、記憶部20に記憶された推薦クエリデータD2を参照し、推薦クエリを決定する。
図3に示す推薦クエリデータD2は、例えば、「検索クエリ」と、「推薦クエリ」と、過去に推薦クエリが検索された回数(履歴)を示す「検索数」とが関連付けられたデータを含む。推薦クエリ決定部12は、通信部10を介して取得された検索クエリが「イヤフォン」である場合、推薦クエリデータD2に対して検索クエリ「イヤフォン」と関連付けられている推薦クエリを検索する。
【0028】
例えば、決定される推薦クエリの数が4つと定義されている場合、推薦クエリ決定部12は、推薦クエリデータD2において検索クエリ「イヤフォン」と関連付けられている推薦クエリの内、検索数が多い順の4つの推薦クエリを、検索クエリの推薦クエリとして決定する。
図3に示す例では、推薦クエリ決定部12は、「Bluetooth(登録商標) イヤホン」、「製品A イヤホン」、「ブルートゥース(登録商標) イヤホン」、および「イヤホン カナル」を推薦クエリとして決定する。
【0029】
次に、検索部11は、通信部10を介して取得された検索クエリを用いて、検索データD1に対して検索を行い、商品のサイトのページの情報を取得する(S105)。尚、検索部11は、上述の推薦クエリ決定部12による推薦クエリの決定処理と並行して、検索処理を実行してもよい。次に、順位決定部14は、検索部11により取得された商品のサイトのページの情報の各々について、推薦クエリとの関連度を算出する(S107)。
【0030】
次に、順位決定部14は、算出した関連度に基づいて、検索結果ページにおける商品のサイトのページの情報の表示順位を決定する(S109)。順位決定部14は、推薦クエリとの関連度が低い商品のサイトのページの情報が上位に配置され、推薦クエリとの関連度が高い商品のサイトのページの情報が下位に配置されるように、表示順位を決定する。
【0031】
次に、検索結果生成部16は、推薦クエリ決定部12により決定された推薦クエリと、順位決定部14により決定された表示順位に従って配置された商品のサイトのページの情報を含む検索結果と、を含む検索結果ページを生成し、端末装置Tに送信する(S111)。以上により、本フローチャートの処理が終了する。
【0032】
図4は、ユーザが端末装置Tを操作して、クエリ入力欄E1に検索クエリ「イヤフォン」を入力して検索ボタンB1を押下した場合に生成される検索結果ページP1の例を示す。
図4に示すように、検索結果ページP1の推薦クエリ表示領域R1には、推薦クエリ(
図4では「関連検索ワード」として表示)として、「Bluetooth イヤホン」、「製品A イヤホン」、「ブルートゥース イヤホン」、および「イヤホン カナル」がリンクとして表示されている。ユーザは、これらの推薦クエリのいずれかをクリックすることで、クリックした推薦クエリを検索クエリとした場合の検索結果ページに遷移することができる。
【0033】
検索結果ページP1の検索結果表示領域R2には、推薦クエリとの関連度が低い商品のサイトのページの情報が上位に配置され、推薦クエリとの関連度が高い商品のサイトのページの情報が下位に配置された検索結果が表示されている。すなわち、
図4に示す例では、「イヤホンG」、「イヤホンF」、「イヤホンA」の順に関連度が低下するように、商品のサイトのページの情報が配置されている。また、
図4に示す例では、検索結果ページP1の右から左方向に向かう程、関連度が低下するように、商品のサイトのページの情報が配置されている。
【0034】
図5および
図6は、上述の検索サーバ1の検索処理により、ユーザに提供される商品の情報量(例えば、商品数)が増大することを説明する図である。
図5は、従来の検索処理によりユーザに提供される検索結果ページP10、P12、およびP14と、本実施形態の検索処理によりユーザに提供される検索結果ページP20、P22、およびP24とを示す。
【0035】
従来の検索処理によりユーザに提供される検索結果ページP10では、ユーザにより入力された検索クエリが「イヤフォン」である場合、例えば、検索クエリ「イヤフォン」との関連度および各商品のサイトのページのクリック数等の実績値に基づいて、検索結果に含まれる商品のサイトのページの情報が決定される。検索結果ページP10では、「Bluetooth イヤフォン」と関連する5個の商品のサイトのページの情報と、「製品A イヤフォン」と関連する5個の商品のサイトのページの情報と、「(普通の)イヤフォン」と関連する10個の商品のサイトのページの情報とが表示される。
【0036】
ユーザが、検索結果ページP10に含まれる推薦クエリ「Bluetooth イヤフォン」のリンクを押下した場合、「Bluetooth イヤフォン」を検索クエリとした場合の検索結果ページP12に遷移する。この検索結果ページP12では、「Bluetooth イヤフォン」と関連する20個の商品のサイトのページの情報が表示される。また、検索結果ページP10に含まれる推薦クエリ「製品A イヤフォン」のリンクを押下した場合、「製品A イヤフォン」を検索クエリとした場合の検索結果ページP14に遷移する。この検索結果ページP14では、「製品A イヤフォン」と関連する20個の商品のサイトのページの情報が表示される。
【0037】
一方、本実施形態の検索処理によりユーザに提供される検索結果ページP20では、ユーザにより入力された検索クエリが「イヤフォン」である場合、推薦クエリ、「Bluetooth イヤフォン」および「製品A イヤフォン」との関連度および各商品のサイトのページのクリック数等の実績値に基づいて、検索結果に含まれる商品のサイトのページの情報が決定される。検索結果ページP20では、「Bluetooth イヤフォン」と関連する1個の商品のサイトのページの情報と、「製品A イヤフォン」と関連する1個の商品のサイトのページの情報と、「(普通の)イヤフォン」と関連する18個の商品のサイトのページの情報とが表示される。推薦クエリとの関連度が高い「Bluetooth イヤフォン」と関連する商品のサイトのページの情報および「製品A イヤフォン」と関連する商品のサイトのページの情報は下位に配置されるため、表示される商品のサイトのページの情報の数が、上述の従来の検索結果ページP10の場合よりも少ない。
【0038】
ユーザが、検索結果ページP20に含まれる推薦クエリ「Bluetooth イヤフォン」のリンクを押下した場合、「Bluetooth イヤフォン」を検索クエリとした場合の検索結果ページP22に遷移する。この検索結果ページP22では、「Bluetooth イヤフォン」と関連する20個の商品のサイトのページの情報が表示される。また、検索結果ページP20に含まれる推薦クエリ「製品A イヤフォン」のリンクを押下した場合、「製品A イヤフォン」を検索クエリとした場合の検索結果ページP24に遷移する。この検索結果ページP24では、「製品A イヤフォン」と関連する20個の商品のサイトのページの情報が表示される。
【0039】
図6は、
図5に示す検索結果ページにおいて商品のサイトのページの情報が表示された回数の合計を示す図である。従来の検索結果ページP10、P12、およびP14において、「Bluetooth イヤフォン」と関連する商品のサイトのページの情報の表示数はP10(5個)、P12(20個)の合計25回であり、「製品A イヤフォン」と関連する商品のサイトのページの情報の表示数はP10(5個)、P14(20個)の合計25回であり、「(普通の)イヤフォン」と関連する商品のサイトのページの情報の表示数はP10(10個)の合計10回である。ここで、検索クエリ「イヤフォン」に対するユーザの検索意図の分布が、「Bluetooth イヤフォン」が20%であり、「製品A イヤフォン」が20%であり、「(普通の)イヤフォン」が60%であると仮定すると、ユーザ間の表示数の平均値は、16回(25×0.2+25×0.2+10×0.6)となる。
【0040】
一方、本実施形態の検索結果ページP20、P22、およびP24において、「Bluetooth イヤフォン」と関連する商品のサイトのページの情報の表示数はP20(1個)、P22(20個)の合計21回であり、「製品A イヤフォン」と関連する商品のサイトのページの情報の表示数はP20(1個)、P24(20個)の合計21回であり、「(普通の)イヤフォン」と関連する商品のサイトのページの情報の表示数はP20(18個)の合計18回である。この場合、ユーザ間の表示数の平均値は、19.2回(21×0.2+21×0.2+18×0.6)となる。
【0041】
上述のとおり、従来の検索結果ページP10、P12、およびP14におけるユーザ間の表示数の平均値は16回であるのに対して、本実施形態の検索結果ページP20、P22、およびP24にユーザ間の表示数の平均値は19.2回であり、本実施形態の検索処理によりユーザに提供されるページ数(情報量)が増大することが分かる。
【0042】
<調節処理>
以下において、検索サーバ1における調節処理について説明する。上述のとおり、本実施形態の検索サーバ1における検索処理においては、推薦クエリとの関連度が低い商品のサイトのページの情報が上位に配置され、推薦クエリとの関連度が高い商品のサイトのページの情報が下位に配置される。しかしながら、関連度が低い商品のサイトのページの情報ばかりを検索結果ページP1の上位に配置すると、ユーザの検索意図とは異なる検索結果が提供されることになり、検索精度の低下につながる場合がある。このため、検索サーバ1においては、関連度が高い商品のサイトのページの情報にどの程度のペナルティを課すのかを調節する処理を行う。この調節処理は、例えば、日次、週次等の所定のタイミングで実施されるバッチ処理であってよい。
【0043】
図7は、検索サーバ1の調節処理の流れ一例を示すフローチャートである。まず、調節部18は、対象とするサイト(例えば、ショッピングサイトA)のアクセスログを参照し、本実施形態の検索処理を実施することで、従来の検索処理を実施した場合よりも商品のサイト全体のクリック数が増大しているか否かを判定する(S201)。
【0044】
本実施形態の検索処理を実施することで商品のサイト全体のクリック数が増大している場合、本実施形態における表示順位の制御が有効に機能していることが想定される。このため、調節部18は、順位決定部14のスコアリング処理において関連度が高い商品のサイトのページに課すペナルティの度合を強める(S203)。一方、本実施形態の検索処理を実施することで商品のサイト全体のクリック数が減少している場合、本実施形態における表示順位の制御が有効に機能していないことが想定される。このため、調節部18は、順位決定部14のスコアリング処理において関連度が高い商品のサイトのページに課すペナルティの度合を弱める(S205)。以上により、本フローチャートの処理が終了する。
【0045】
尚、上述のペナルティの調節処理は、商品のカテゴリごと、ユーザのカテゴリごと、検索クエリごと、またはこれらの任意の2つの以上の組み合わせごとに行ってもよい。例えば、商品のカテゴリごとにペナルティの調節処理を行う場合には、カテゴリ「家電」の場合にはペナルティを強める或いは弱める度合を高め、カテゴリ「ファッション」の場合にはペナルティを強める或いは弱める度合をカテゴリ「家電」の場合よりも下げるように制御する。
【0046】
また、例えば、ユーザのカテゴリごとにペナルティの調節処理を行う場合には、ユーザが使用する端末装置Tの種類が「パソコン」の場合にはペナルティを強める或いは弱める度合を高め、端末装置Tの種類が「スマートフォン」の場合にはペナルティを強める或いは弱める度合を端末装置Tの種類が「パソコン」の場合よりも下げるように制御する。また、ユーザの属性が「男性」の場合にはペナルティを強める或いは弱める度合を高め、ユーザの属性が「女性」の場合にはペナルティを強める或いは弱める度合を属性が「男性」の場合よりも下げるように制御する。
【0047】
また、例えば、検索クエリごとにペナルティの調節処理を行う場合には、検索クエリが「イヤフォン」のように特定の商品を示す用語である場合にはペナルティを強める或いは弱める度合を高め、検索クエリが「ゴルフ」のように特定の商品を示すものではなく広義の用語である場合にはペナルティを強める或いは弱める度合を検索クエリが「イヤフォン」の場合よりも下げるように制御する。
【0048】
以上において説明した本実施形態の検索サーバ1によれば、検索処理におけるユーザの負担を軽減するとともに、ユーザに提供する情報量を増大させることができる。
【0049】
尚、上記においては商品の情報を提供するショッピングサイトの例を説明したが、オークションサイト、社内文書検索システム等、情報の検索処理を伴うサービスであれば、本実施形態を適用可能である。
【0050】
また、上記においてはユーザによって入力される検索キーワードの数が1つである例を説明したが、検索キーワードの数は2つ以上であってもよい。この場合、推薦クエリは、2つ以上の検索キーワードと、1つの関連キーワードを含むものであってよい。また、上記においては、1つの推薦クエリにおいて、1つの検索クエリに関連付けされる関連キーワードの数が1つである例を説明したが、関連キーワードの数は2つ以上であってもよい。
【0051】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態の検索サーバは、第1実施形態と比較して、複数の検索結果の表示順位の決定機能を有しておらず(順位決定部を備えておらず)、検索サーバとは物理的に分離された検索支援サーバ(情報処理装置)によって表示順位の決定機能が実現されている点が異なる。このため、構成などについては第1実施形態で説明した図および関連する記載を援用し、詳細な説明を省略する。
【0052】
<システム構成>
図8は、本実施形態における検索サーバ2および検索支援サーバ3の利用環境を説明する図である。検索サーバ2と、検索支援サーバ3とはネットワークNWを介して接続されている。
【0053】
<検索サーバ>
検索部11は、記憶部20に記憶された検索データD1から、通信部10を介して取得された検索クエリと関連付けられたサイトのページの情報を検索して取得する。検索部11は、検索クエリと、この検索クエリと関連付けられた複数のページの情報とを、通信部10を介して検索支援サーバ3に送信する。
【0054】
推薦クエリ決定部12は、通信部10を介して取得された検索クエリに応じて、この検索クエリと、この検索クエリと関連付けられた関連クエリとの組である少なくとも1つの推薦クエリを決定する。推薦クエリ決定部12は、決定した推薦クエリの情報を、通信部10を介して検索支援サーバ3に送信する。
【0055】
<検索支援サーバ>
検索支援サーバ3は、例えば、通信部30と、順位決定部32とを備える。通信部30は、ネットワークNWを介して、検索サーバ2等と通信する。通信部30は、ネットワークNWを介して、検索サーバ2から、検索クエリと、この検索クエリと関連付けられた複数のページの情報と、推薦クエリの情報とを受信し、複数のページの情報の表示順位の情報を検索サーバ2に送信する。通信部30は、例えば、NIC等の通信インターフェースを含む。
【0056】
順位決定部32は、検索支援サーバ3から受信した検索クエリと、この検索クエリと関連付けられた複数のページの情報と、推薦クエリの情報とに基づいて関連度を算出し、算出した関連度に基づいて、検索結果ページにおける各サイトのページの情報の表示順位を決定する。順位決定部32は、決定した表示順位の情報を、通信部10を介して検索サーバ2に送信する。
【0057】
以上において説明した本実施形態の検索サーバ2および検索支援サーバ3によれば、検索処理におけるユーザの負担を軽減するとともに、ユーザに提供する情報量を増大させることができる。
【0058】
以上において説明したいくつかの実施形態の情報処理装置によれば、ユーザにより入力された検索クエリを取得する取得部と、前記取得部により取得された検索クエリと、前記検索クエリと関連付けられた関連クエリとを含む推薦クエリを決定する推薦クエリ決定部と、複数の検索結果を表示するための情報であって、前記推薦クエリ決定部により決定された推薦クエリとの関連度が低い検索結果を優先的に表示するための情報を生成する生成部とを備えることで、検索処理におけるユーザの負担を軽減するとともに、ユーザに提供する情報量を増大させることができる。
【0059】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。