(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記目標位置の情報を、視覚的情報、聴覚的情報及び触覚的情報の少なくともいずれか、又はこれらを任意に組み合わせた情報として、報知部から報知されるように出力する、請求項1又は2に記載の基地装置。
前記少なくとも1つの飛行装置が複数であって、当該複数の飛行装置のバッテリの残量がいずれも所定以上である場合、前記目標位置は、当該複数の飛行装置それぞれの位置からの距離の平均が最小になる位置に決定される、請求項1から5のいずれかに記載の基地装置。
前記所定の条件は、前記少なくとも1つの飛行装置のいずれかのバッテリの残量が所定以下である場合、前記目標位置は、当該バッテリの残量が所定以下である飛行装置の近傍の位置に決定される、請求項1から5のいずれかに記載の基地装置。
前記少なくとも1つの飛行装置が複数であって、当該複数の飛行装置のバッテリの残量がいずれも所定以下である場合、前記目標位置は、当該複数の飛行装置について設定された優先順位に基づいて決定される、請求項1から5のいずれかに記載の基地装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一実施形態に係る基地装置は、飛行装置を停留させる停留装置とすることができる。ここで、飛行装置とは、例えばドローンのような、典型的には無人で小型の飛行装置とすることができる。また、飛行装置を停留させる停留装置とは、例えばドッキングステーションのような、飛行装置を停留させる基地のような用途で用いる装置としてよい。この停留装置は、飛行装置を停留させることにより、飛行装置と通信したり、飛行装置のバッテリを充電したりできるものとしてよい。
【0013】
以下、一実施形態に係る基地装置について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、一実施形態に係る基地装置を、飛行装置とともに示す斜視図である。
図1に示すように、一実施形態に係る基地装置1は、飛行装置を停留させる基地として、例えば飛行装置100A,100B,100C,及び100Dの少なくともいずれかを着地させて停留させることができる。また、基地装置1は、基地装置1に停留している状態の飛行装置100A,100B,100C,及び100Dを、離陸(離脱)させることができる。基地装置1を離脱した飛行装置100A,100B,100C,及び100Dは、空中を飛行及び/又は浮遊することができる。以下、飛行装置100A,100B,100C,及び100Dのそれぞれを特に区別しない場合、これらを単に「飛行装置100」と記すことがある。飛行装置100A,100B,100C,及び100Dは、同タイプの飛行装置としてもよいし、それぞれ異なるタイプの飛行装置としてもよい。
【0015】
図1に示す基地装置1は、最大4つまでの飛行装置100を停留させることができる。しかしながら、基地装置1に停留させることができる飛行装置100の数は限定されない。基地装置1は、その仕様又は必要などに応じて、少なくとも1つの任意の数の飛行装置100を停留させてよい。一実施形態に係る基地装置1の各機能部の構成については、さらに後述する。
【0016】
また、
図1に示す基地装置1は、それぞれの凹部において飛行装置100を停留させるように構成されている。しかしながら、基地装置1は、
図1に示すような構成に限定されず、飛行装置100を着地させて停留させることができれば、任意の構成としてよい。例えば、基地装置1は、
図1に示すような凹部を備えなくてもよい。また、例えば、基地装置1は、飛行装置100を停留させた状態で固定することができる任意のロック機構などを備えてもよい。
【0017】
一実施形態に係る基地装置1は、
図1に示すように、例えばトラックなどとすることができる移動手段200に設置されてよい。
図1に示す移動手段200は荷台を有し、基地装置1は、この荷台の上に設置されている。一実施形態において、移動手段200は、トラックに限定されず、セダン、SUV(Sport Utility Vehicle)、又はミニバンなど、各種の自動車とすることができる。これらの自動車のように、移動手段200が荷台を有さない場合、基地装置1は当該自動車の屋根の上などに設置されてよい。また、移動手段200は、トラクターにけん引されるトレーラーとしてもよい。この場合、基地装置1はトレーラーの荷台又は屋根などに設置されてよい。後述のように、移動手段200は、通常の自動車のように人間が運転(操縦)するものとしてもよいし、自動運転車のように人間が運転(操縦)しないものとしてもよい。
【0018】
図1においては、移動手段200は、自動車である例を示した。自動車とは、例えば、ガソリン車、ハイブリッド車、電気自動車、セダンタイプの車、トラック、バス、タクシー、AIやコンピュータなどにより自動運転される車なども含む。しかしながら、移動手段200は自動車に限定されず、陸上を走行する他の乗り物としてもよい。例えば、移動手段200は、オートバイ(モータサイクル)若しくはトライク又は自転車などとしてもよい。このような場合、基地装置1は、オートバイなどの任意の箇所に設置されてもよいし、オートバイなどにけん引されるトレーラー又は荷車(カート)に設置されてもよい。このように、基地装置1がトレーラー又は荷車(カート)に設置される場合、これらのトレーラー又は荷車(カート)は、人力でけん引してもよい。
【0019】
さらに、移動手段200は、自動車のように陸上を走行するものに限定されない。例えば、移動手段200は、水上を航行する船舶などとしてもよい。また、移動手段200は、例えば、空中を飛行及び/又は浮遊する飛行装置(子機としての飛行装置を停留させる親機としての飛行装置)としてもよい。
【0020】
一実施形態において、飛行装置100は、水平方向の移動速度が低くても空中に浮遊することが可能な各種の飛行機能を有する装置としてよい。例えば、飛行装置100は、典型的には無人で小型のヘリコプター、マルチコプター、ドローン、飛行船、気球、又は無人航空機(Unmanned Aerial Vehicles(UAV))と呼ばれる無人飛行体等としてよい。ここで、ドローンとは、種々の用途に使用されるものとしてよい。例えば、ドローンは、CCDイメージセンサを備え、飛行中の映像を撮像する用途を含むものとしてよい。また、ドローンは、例えば工場内で使用される部品を、ある場所から他の場所に運搬する用途を含むものとしてもよい。また、ドローンは、例えば農業において農薬散布などに使用されるとしてもよい。また、ドローンは、例えば物流において荷物を運搬するのに使用されるとしてもよい。また、ドローンは、例えば橋や建物などの構造物の状況をカメラなどで撮影するなどして確認する用途に使用されるとしてもよい。また、ドローンは、例えば太陽光パネルの状況を確認するために使用されるとしてもよい。また、ドローンは、例えば動物を追い払うために使用されるとしてもよい。また、ドローンは、例えば状況を監視するもモニタなどの監視装置として使用されるとしてもよい。また、ドローンは、軍事目的に使用されるとしてもよい。また、一実施形態において、飛行装置100は、無線による遠隔制御が可能なものとしてもよいし、自律制御(自動操縦)が可能なものとしてもよい。また、飛行装置100は、例えば外部機器から無線によって遠隔制御(自動操縦)されてもよい。本開示では、ドローンの大きさは、特に限定されない。ドローンの大きさは、例えば、数ミリメートルから数百メールの範囲など任意の大きさでよい。また、本開示は、ドローンとして、翼を有するものを含めてもよい。本開示では、ドローンの重さは、特に限定されない。例えば、ドローンの重さとして、数グラムから数百キログラムの範囲など任意の重さでよい。
【0021】
飛行装置100は、
図1に示すようなものに限定されず、任意の飛行装置としてよい。以下の説明において、飛行装置100は、
図1に示す4つのプロペラのような、1つ以上のプロペラ(ブレード又はローターなどとしてもよい)を含むドローンである例について説明する。一実施形態に係る飛行装置100の各機能部の構成については、さらに後述する。
【0022】
図2は、一実施形態に係る基地装置1と、飛行装置100とが行う通信について説明する図である。
【0023】
後述のように、一実施形態に係る基地装置1及び飛行装置100の双方は、それぞれに通信部を備えている。したがって、
図2に示すように、基地装置1と飛行装置100とは、例えばネットワークNを介して、互いに無線通信を行うことができる。ネットワークNは、有線、無線若しくは有線と無線との任意の組み合わせにより構成される。また、基地装置1及び飛行装置100は、それぞれ、ネットワークNを介してサーバ300と接続してもよい。サーバ300は、例えば基地装置1又は飛行装置100を運行する事業者によって管理される各種のサーバとしてもよい。また、サーバ300は、例えばクラウドサーバなどとしてもよい。例えば、本開示において、基地装置1及び飛行装置100の間、及び、飛行装置100とネットワークN間は無線であるとしてよい。また例えば、本開示において、サーバ300とネットワークNの少なくとも一部区間は有線であるとしてよい。本開示のネットワークNの構成としてこれら構成以外もとることができる。
【0024】
基地装置1及び飛行装置100は、それぞれ、サーバ300と通信することで、サーバ300に各種情報を送信することができる。また、基地装置1及び飛行装置100は、それぞれ、サーバ300と通信することで、サーバ300から各種情報を受信することができる。これにより、例えば飛行装置100は、基地装置1から直接情報を受信できない場合であっても、サーバ300を介することによって、基地装置1から送信された情報を受信することができる。同様に、例えば基地装置1は、飛行装置100から直接情報を受信できない場合であっても、サーバ300を介することによって、飛行装置100から送信された情報を受信することができる。
【0025】
次に、一実施形態に係る飛行装置100の機能的な構成について説明する。
【0026】
図3は、一実施形態に係る飛行装置100の構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図3に示すように、一実施形態に係る飛行装置100は、例えば、制御部110と、第1駆動部120−1、第2駆動部120−2、及び第N駆動部120−Nとを備える。さらに、一実施形態に係る飛行装置100は、例えば、通信部112と、記憶部114と、撮像部116と、センサ118と、バッテリ122と、位置情報取得部124となどを、適宜備えてもよい。上述した制御部110、通信部112、記憶部114、撮像部116、センサ118、及びバッテリ122は、飛行装置100における任意の箇所に設置又は内蔵してよい。
【0027】
制御部110は、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、例えばCPU(Central Processing Unit)のような、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。制御部110は、まとめて1つのプロセッサで実現してもよいし、いくつかのプロセッサで実現してもよいし、それぞれ個別のプロセッサで実現してもよい。プロセッサは、単一の集積回路として実現されてよい。集積回路は、IC(Integrated Circuit)ともいう。プロセッサは、複数の通信可能に接続された集積回路及びディスクリート回路として実現されてよい。プロセッサは、他の種々の既知の技術に基づいて実現されてよい。一実施形態において、制御部110は、例えばCPU及び当該CPUで実行されるプログラムとして構成してよい。制御部110において実行されるプログラム、及び、制御部110において実行された処理の結果などは、記憶部114に記憶してよい。
【0028】
通信部112は、無線通信をはじめとする各種の機能を実現することができる。通信部112は、例えばLTE(Long Term Evolution)等の種々の通信方式による通信を実現してよい。通信部112は、例えばITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)において通信方式が標準化されたモデムを含んでよい。また、通信部112は、例えばWiFi又はBluetooth(登録商標)等の種々の方式による無線通信を実現してもよい。通信部112は、例えばアンテナを介して、例えば基地装置1の通信部と無線通信してもよい。また、通信部112は、例えばアンテナを介して、例えばサーバ300の通信部と無線通信してもよい。通信部112が送受信する各種の情報は、例えば記憶部114に記憶してもよい。通信部112は、例えば電波を送受信するアンテナ及び適当なRF部などを含めて構成してよい。通信部112は、無線通信を行うための既知の技術により構成することができるため、より詳細なハードウェアの説明は省略する。
【0029】
一実施形態において、通信部112は、飛行装置100自身に関する各種の情報を、例えばサーバ300などの外部のデータベースに送信してもよい。例えば、通信部112は、飛行装置100の任意の時刻における位置情報などを、外部に送信してもよい。
【0030】
また、通信部112は、他の飛行装置の通信部と無線通信してもよい。この場合、通信部112は、飛行装置100自身に関する各種の情報を、他の飛行装置に送信してもよい。例えば、通信部112は、他の飛行装置に、飛行装置100自身の任意の時刻における位置情報などを送信してもよい。さらに、通信部112は、他の飛行装置に関する各種の情報を、当該他の飛行装置から受信してもよい。例えば、通信部112は、他の飛行装置から、当該他の飛行装置の任意の時刻における位置情報などを受信してもよい。
【0031】
記憶部114は、制御部110及び通信部112などから取得した各種情報を記憶する。また記憶部114は、制御部110によって実行されるプログラム等を記憶する。その他、記憶部114は、例えば制御部110による演算結果などの各種データも記憶する。さらに、記憶部114は、制御部110が動作する際のワークメモリ等も含むことができるものとして、以下説明する。
【0032】
記憶部114は、例えば半導体メモリ又は磁気ディスク等により構成することができるが、これらに限定されず、任意の記憶装置とすることができる。また、例えば、記憶部114は、本実施形態に係る飛行装置100に挿入されたメモリカードのような記憶媒体としてもよい。また、記憶部114は、制御部110として用いられるCPUの内部メモリであってもよい。
【0033】
撮像部116は、例えばCCDイメージセンサなどを含む、各種の撮像デバイスで構成してよい。撮像部116は、飛行装置100が空撮を行うためのカメラデバイスとしてもよい。撮像部116は、飛行装置100において、飛行装置100の外部に向けて取り付けられるようにしてよい。撮像部116は、飛行装置100を視点とする静止画又は動画を撮像することができる。撮像部116が撮像した静止画又は動画のデータは、制御部110に供給されてもよいし、記憶部114に記憶されてもよい。撮像部116は、例えばデジタルカメラなど、撮像を行うための既知の技術により構成することができるため、より詳細なハードウェアの説明は省略する。撮像部116は、必要に応じて任意の数だけ、任意の形態のものを設置してよい。
【0034】
センサ118は、飛行装置100において情報を取得することが求められる各種のセンサとしてよい。例えば、センサ118は、飛行装置100が飛行及び/又は浮遊する際、並びに基地装置1に停留する際に、飛行装置100の周囲に存在する物体を検出する近接センサとしてよい。この場合、センサ118は、飛行装置100に接近する所定の物体の有無、及び/又は、所定の物体が飛行装置100に接近している程度を検出してよい。センサ118が検出した飛行装置100に対する接近に関するデータは、制御部110に供給されてもよいし、記憶部114に記憶されてもよい。センサ118は、例えば超音波センサ又は赤外線センサとしてよい。しかしながら、センサ118は、飛行装置100に接近する所定の物体の有無、及び/又は、所定の物体が飛行装置100に接近している程度を検出することができる任意のデバイスとしてよい。以下、センサ118の一例として、超音波センサを採用する例について説明する。センサ118は、対象物の接近を検出するための既知の種々の技術により構成することができるため、より詳細なハードウェアの説明は省略する。
【0035】
センサ118を超音波センサとする場合、センサ118は、送波器によって超音波を対象物に向け発信し、その反射波を受波器で受信することにより、対象物の有無や対象物までの距離を検出することができる。具体的には、超音波の発信から受信までに要した時間と音速との関係を演算することにより、センサ118から対象物までの距離を算出する。
【0036】
センサ118は、例えば飛行装置100の前方から接近する他の飛行装置などの所定の対象物の近接を検出してよい。例えば、センサ118は、センサ118と所定の対象物との間の距離が、所定の距離以下になったことを検出してもよい。また、センサ118は、飛行装置100が基地装置1に着地する際、基地装置1において飛行装置100が着地する箇所の近接を検出してよい。例えば、センサ118は、基地装置1において飛行装置100が着地する箇所が、所定の距離以下になったことを検出してもよい。このようにして検出した結果に基づいて、制御部110は、飛行装置100が基地装置1に着地する際に、飛行装置100の飛行及び/又は浮遊を制御してもよい。
【0037】
第1駆動部120−1、第2駆動部120−2、及び第N駆動部120−Nは、それぞれ、例えば、電力によって回転駆動されるモータなどで構成してよい。以下、第1駆動部120−1、第2駆動部120−2、及び第N駆動部120−Nなどをそれぞれ区別しない場合、これらを単に「駆動部120」と記すことがある。
【0038】
駆動部120は、飛行装置100のプロペラを回転駆動する。より詳細には、第1駆動部120−1は、例えば飛行装置100の第1プロペラを回転駆動する。また、第2駆動部120−2は、例えば飛行装置100の第2プロペラを回転駆動する。同様に、第N駆動部120−Nは、例えば飛行装置100の第Nプロペラを回転駆動する。ここで、Nは1以上の整数としてよい。飛行装置100が備える駆動部120の数は、飛行装置100が備えるプロペラの数に対応させてよい。例えば、
図1に示す飛行装置100のように、4つのプロペラを有する場合、飛行装置100が備える駆動部120の数も4(N=4)としてよい。
【0039】
一実施形態において、制御部110は、駆動部120の単位時間当たりの回転数などを制御することで、飛行装置100の飛行及び/又は浮遊を制御してよい。例えば、制御部110は、全ての駆動部120が回転数を揃えて増すように制御することにより、飛行装置100を上昇させることができる。また、例えば、制御部110は、全ての駆動部120が回転数を揃えて減らすように制御することにより、飛行装置100を下降させることができる。さらに、制御部110は、複数の駆動部120の回転数が異なるように制御することにより、飛行装置100の進行方向を変化させることができる。飛行装置100がプロペラを用いて飛行する際の制御は、既知の各種の技術を採用することができるため、より詳細な説明は省略する。
【0040】
一実施形態において、駆動部120が回転駆動するものは、必ずしもプロペラに限定されない。一実施形態において、駆動部120は、例えばブレード又はローターなどを回転駆動してもよい。すなわち、駆動部120は、飛行装置100が飛行及び/又は浮遊するに際し、例えば揚力及び/又は推進力などの動力を発生する任意の要素を駆動する機能部としてよい。
【0041】
バッテリ122は、飛行装置100が各種の動作を行うための電力を供給する。バッテリ122は、例えば、リチウムポリマー(Li-Po)バッテリまたはリチウムイオン(Li-ion)バッテリなどとしてよい。その他、バッテリ122は、電力を供給する任意の機能部としてもよい。
図3においては、バッテリ122は制御部110に接続された例を示しているが、バッテリ122は飛行装置100において電力の供給が必要な各機能部に電力を供給してよい。なお、
図3の機能ブロックにおいて、飛行装置1が有する機能を実現するための各種機能部がさらに追加されるとしてもよい。例えば、物を運搬する飛行装置1であれば、物運搬機能部を有するとしてよい。例えば、農薬を産婦する飛行装置1であれば、農薬散布機能部を有するとしてよい。
【0042】
位置情報取得部124は、位置情報取得部124が存在する位置に関する情報を取得する。位置情報取得部124は、GNSS(Global Navigation Satellite System)技術等に基づいて、位置情報を取得するものとしてよい。GNSS技術は、例えばGPS(Global Positioning System)、GLONASS、Galileo、及び準天頂衛星(QZSS)等のいずれか衛星測位システムを含んでよい。位置情報取得部124は、例えばGPSモジュールなどの位置情報所得デバイスとしてよい。位置情報取得部124は、GPSモジュールなどに限定されず、位置に関する情報を取得可能な任意のデバイスによって構成してもよい。位置情報取得部124が取得する位置情報は、例えば、緯度情報、経度情報、及び高度情報の少なくともいずれかの情報を含んでよい。位置情報取得部124が取得する位置情報は、制御部110に供給される。位置情報取得部124から供給される位置情報に基づいて、制御部110は、飛行装置100の現在位置などを把握することができる。
【0043】
次に、一実施形態に係る基地装置1の機能的な構成について説明する。
【0044】
図4は、一実施形態に係る基地装置1の構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図4に示すように、一実施形態に係る基地装置1は、制御部10を備える。さらに、一実施形態に係る基地装置1は、例えば、通信部12と、記憶部14と、電力供給部16と、報知部18と、位置情報取得部24となどを、適宜備えてもよい。上述した制御部10、通信部12、記憶部14、電力供給部16、及び報知部18は、基地装置1における任意の箇所に設置又は内蔵してよい。
【0045】
制御部10は、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、例えばCPU(Central Processing Unit)のような、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。制御部10は、まとめて1つのプロセッサで実現してもよいし、いくつかのプロセッサで実現してもよいし、それぞれ個別のプロセッサで実現してもよい。プロセッサは、単一の集積回路として実現されてよい。集積回路は、IC(Integrated Circuit)ともいう。プロセッサは、複数の通信可能に接続された集積回路及びディスクリート回路として実現されてよい。プロセッサは、他の種々の既知の技術に基づいて実現されてよい。一実施形態において、制御部10は、例えばCPU及び当該CPUで実行されるプログラムとして構成してよい。制御部10において実行されるプログラム、及び、制御部10において実行された処理の結果などは、記憶部14に記憶してよい。一実施形態に係る基地装置1の制御部10の動作は、さらに後述する。
【0046】
通信部12は、無線通信をはじめとする各種の機能を実現することができる。通信部12は、例えばLTE(Long Term Evolution)等の種々の通信方式による通信を実現してよい。通信部12は、例えばITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)において通信方式が標準化されたモデムを含んでよい。また、通信部12は、例えばWiFi又はBluetooth(登録商標)等の種々の方式による無線通信を実現してもよい。通信部12は、例えばアンテナを介して、例えば飛行装置100の通信部112と無線通信してもよい。また、通信部12は、例えばアンテナを介して、例えばサーバ300の通信部と無線通信してもよい。通信部12が送受信する各種の情報は、例えば記憶部14に記憶してもよい。通信部12は、例えば電波を送受信するアンテナ及び適当なRF部などを含めて構成してよい。通信部12は、無線通信を行うための既知の技術により構成することができるため、より詳細なハードウェアの説明は省略する。
【0047】
一実施形態において、通信部12は、基地装置1自身に関する各種の情報を、例えばサーバ300などの外部のデータベースに送信してもよい。例えば、通信部12は、基地装置1の任意の時刻における位置情報などを、外部に送信してもよい。
【0048】
また、通信部12は、他の飛行装置の通信部と無線通信してもよい。この場合、通信部12は、基地装置1自身に関する各種の情報を、他の飛行装置に送信してもよい。例えば、通信部12は、他の飛行装置に、基地装置1自身の任意の時刻における位置情報などを送信してもよい。さらに、通信部12は、他の飛行装置に関する各種の情報を、当該他の飛行装置から受信してもよい。例えば、通信部12は、他の飛行装置から、当該他の飛行装置の任意の時刻における位置情報などを受信してもよい。
【0049】
記憶部14は、制御部10及び通信部12などから取得した各種情報を記憶する。また記憶部14は、制御部10によって実行されるプログラム等を記憶する。その他、記憶部14は、例えば制御部10による演算結果などの各種データも記憶する。さらに、記憶部14は、制御部10が動作する際のワークメモリ等も含むことができるものとして、以下説明する。
【0050】
記憶部14は、例えば半導体メモリ又は磁気ディスク等により構成することができるが、これらに限定されず、任意の記憶装置とすることができる。また、例えば、記憶部14は、本実施形態に係る基地装置1に挿入されたメモリカードのような記憶媒体としてもよい。また、記憶部14は、制御部10として用いられるCPUの内部メモリであってもよい。
【0051】
電力供給部16は、飛行装置100を基地装置1に停留させている間などに、飛行装置100のバッテリに電力を供給する。これにより、飛行装置100は、基地装置1に停留している間に、バッテリに電力を充電することができる。電力供給部16は、飛行装置100に対して無線による給電(無線充電)を行ってもよい。また、電力供給部16は、飛行装置100に給電する際に接続するための接点を備えてもよい。一実施形態において、飛行装置100が基地装置1に停留する際に、電力供給部16の接点が、基地装置1の接点に接触するように構成してもよい。また、一実施形態において、基地装置1は、例えば基地装置1が設置される移動手段200のバッテリ又は発電機などから、適宜電力の供給を受けることができるものとする。
【0052】
報知部18は、例えば制御部10から供給される所定の情報を、視覚的、聴覚的、及び/又は触覚的な情報として報知する。一実施形態において、報知部18は、例えば移動手段200の操縦者などに、位置情報などを視覚的に報知する表示部としてよい。ここで、表示部は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ、又は無機ELディスプレイ等の表示デバイスとしてよい。この場合、移動手段200の操縦者は、報知部18を視認するだけで、基地装置1が移動すべき位置に関する情報を認識することができる。
【0053】
また、一実施形態において、報知部18は、例えば移動手段200の操縦者などに、位置情報などを聴覚的に報知する出力部としてよい。ここで、出力部は、任意のスピーカなどとしてよい。この場合、移動手段200の操縦者は、報知部18から報知される音又は音声によって、基地装置1が移動すべき位置に関する情報を認識することができる。
【0054】
また、一実施形態において、報知部18は、例えば移動手段200の操縦者などに、位置情報などを触覚的に報知する出力部としてよい。ここで、出力部は、任意のバイブレータなどの触感呈示装置などとしてよい。この場合、移動手段200の操縦者は、報知部18から報知される振動などの触感によって、基地装置1が移動すべき位置に関する情報を認識することができる。例えば、移動手段200のステアリング又は移動手段200が操縦する際のシートに報知部18を内蔵させて、移動手段200が進むべき方向に対応する振動を、報知部18が発生するようにしてもよい。
【0055】
位置情報取得部24は、位置情報取得部124が存在する位置に関する情報を取得する。位置情報取得部24は、GNSS(Global Navigation Satellite System)技術等に基づいて、位置情報を取得するものとしてよい。GNSS技術は、例えばGPS(Global Positioning System)、GLONASS、Galileo、及び準天頂衛星(QZSS)等のいずれか衛星測位システムを含んでよい。位置情報取得部24は、例えばGPSモジュールなどの位置情報所得デバイスとしてよい。位置情報取得部24は、GPSモジュールなどに限定されず、位置に関する情報を取得可能な任意のデバイスによって構成してもよい。位置情報取得部24が取得する位置情報は、例えば、緯度情報、経度情報、及び高度情報の少なくともいずれかの情報を含んでよい。位置情報取得部24が取得する位置情報は、制御部10に供給される。位置情報取得部24から供給される位置情報に基づいて、制御部10は、基地装置1の現在位置などを把握することができる。
【0056】
また、一実施形態に係る基地装置1において、
図4に示すように、制御部10は、
図1に示したような移動手段200に接続されてもよい。この場合、制御部10は、例えば移動手段200を制御又は管理する制御部などに接続されるようにしてもよい。また、一実施形態に係る基地装置1が移動手段200に設置される場合、基地装置1自体は報知部18を備えずとも、移動手段200が所定の報知部を備えていればよい。この場合、制御部10は、移動手段200の報知部に接続されてもよいし、移動手段200の報知部を制御する制御部に接続されてもよい。
【0057】
以下、一実施形態に係る飛行装置100及び基地装置1の動作について説明する。
【0058】
まず、一実施形態に係る飛行装置100の動作について説明する。
図5は、一実施形態に係る飛行装置100の動作を説明するフローチャートである。
【0059】
図5に示す動作が開始する時点において、一実施形態に係る飛行装置100は、一実施形態に係る基地装置1に停留しているものとする。ここで、一実施形態に係る飛行装置100は、飛行に際して離陸前のスタンバイの状態としてもよい。
【0060】
図5に示す動作が開始すると、飛行装置100は、飛行装置100の飛行計画を、基地装置1から取得する(ステップS11)。より詳細には、ステップS11において、飛行装置100の通信部112は、基地装置1の通信部12から、飛行装置100の飛行計画の情報を受信する。ここで、基地装置1においては、各飛行装置100それぞれのための飛行計画を用意し、例えば記憶部14に記憶しておいてもよい。
【0061】
一実施形態において、ステップS11において取得される飛行装置100の飛行計画には、種々の情報を含めてよい。例えば、飛行装置100の飛行計画には、飛行装置100の運行スケジュール、飛行装置100の移動距離、及び飛行装置100の移動に必要な電池の容量などの少なくともいずれかを含んでよい。
【0062】
ステップS11において飛行計画を取得すると、飛行装置100は、基地装置1から離脱する(ステップS12)。より詳細には、ステップS12において、飛行装置100の制御部110は、基地装置1から離陸するように、駆動部120を制御する。また、基地装置1が所定のロック機構などで飛行装置100をロックしている場合、基地装置1は、飛行装置100のロックを解除する。
【0063】
ステップSS12において基地装置1から離脱すると、飛行装置100は、飛行及び/又は浮遊して所定の目的地に向かうなどしながら、各種情報を取得する(ステップS13)。より詳細には、ステップS13において、飛行装置100の制御部110は、撮像部116が飛行装置100からの静止画又は動画を撮像するように制御してよい。また、ステップS13において、飛行装置100の制御部110は、センサ118が飛行装置100における各種の情報を取得するように制御してよい。例えば、ステップS13において、センサ118を温度センサとして、制御部110は、飛行装置100が飛行及び/又は浮遊する位置における温度を取得するように制御してもよい。また、センサ118は、湿度センサ、気圧センサ、高度センサ、磁気センサ、又は放射線センサなど、各種のセンサとして、各種の情報を取得してよい。制御部110は、ステップS13において取得された各種情報を、記憶部114に記憶してもよい。
【0064】
一実施形態において、ステップS13において飛行装置100が取得する各種情報には、種々の情報を含めてよい。例えば、飛行装置100が取得する各種情報には、運行時の日時、運行の位置、高度、気圧、温度、湿度、バッテリ122の容量(残量)、各プロペラの回転数、運行距離、運行時間、故障又は不具合の有無、及び故障又は不具合の回数などの少なくともいずれかを含んでよい。
【0065】
ステップS13において各種情報を取得すると、飛行装置100は、当該取得した情報を、基地装置1に送信する(ステップS14)。より詳細には、ステップS14において、飛行装置100の制御部110は、ステップS13において取得された情報を、通信部112から送信するように制御する。このようにして飛行装置100の通信部112から送信された各種情報は、基地装置1の通信部12によって受信される。ステップS13において取得された各種情報が記憶部114に記憶された場合、制御部110は、記憶された情報を読み出して、基地装置1の通信部12に送信してもよい。また、ステップS14において、制御部110は、ステップS13において情報を取得したタイミングに続いて基地装置1に送信してもよい。一方、ステップS14において、制御部110は、ステップS13において情報を取得した情報をある程度記憶部114に蓄積してから、まとめて基地装置1に送信してもよい。また、ステップS14においては、制御部110は、飛行装置100のバッテリ122の残量に関する情報を、基地装置1の通信部12に送信してもよい。
【0066】
ステップS14において情報が基地装置1に送信されたら、飛行装置100は、基地装置1の情報を取得する(ステップS15)。より詳細には、ステップS15において、飛行装置100の通信部112は、基地装置1の通信部12から、基地装置1に関する情報を受信する。ステップS15において、飛行装置100は、基地装置1の位置の情報を受信してよい。また、ステップS15において、飛行装置100は、基地装置1に対する停留の可否に関する情報を受信してよい。例えば、飛行装置100は、基地装置1において停留する各種飛行装置のスケジュールに関する情報を受信してもよい。また、飛行装置100は、基地装置1において停留する各種飛行装置のスケジュールに基づいて、飛行装置100が基地装置1に停留することができるスケジュールに関する情報を受信してもよい。
【0067】
一実施形態において、ステップS15において飛行装置100が取得する基地装置1に関する情報には、種々の情報を含めてよい。
例えば、飛行装置100が取得する基地装置1に関する情報には、飛行装置100の収容台数、現在収容されている飛行装置100の数、基地装置1の位置における気象情報、及び日時情報などの少なくともいずれかを含んでよい。
【0068】
ステップS15において基地装置1の情報を取得したら、飛行装置100は、バッテリ122の残量が所定の残量以下であるか否かを判定する(ステップS16)。より詳細には、ステップS16において、飛行装置100の制御部110は、飛行装置100に電力を供給するバッテリ122の残量が、所定の残量以下になっているか否かを判定する。一実施形態において、ステップS16において、制御部110は、飛行装置100が停留する予定の基地装置1まで飛行可能なバッテリの残量があるか否かを判定してもよい。また、一実施形態において、制御部110は、飛行装置100が停留する予定の基地装置1まで飛行可能なバッテリの残量に所定の余裕を加味した残量があるか否かを判定してもよい。
【0069】
ステップS16においてバッテリ122の残量が所定の残量以下であると判定されない場合、飛行装置100の制御部110は、ステップS13に戻って処理を続行する。ステップS16においてNoと判定される場合、まだ飛行装置100を飛行及び/又は浮遊させて各種情報を取得してもバッテリ122には余裕があるため、飛行装置100の動作を継続する。
【0070】
一方、ステップS16においてバッテリ122の残量が所定の残量以下であると判定された場合、飛行装置100の制御部110は、ステップS17の処理を行う。ステップS16においてYesと判定される場合、これ以上飛行装置100を飛行及び/又は浮遊させると、基地装置1に帰還する前に飛行装置100のバッテリ122の残量が不足する可能性が出てくる。このため、飛行装置100は、基地装置1に帰還する必要がある。
【0071】
ステップS17において、飛行装置100は、基地装置1に帰還する動作を開始する。より詳細には、ステップS17において、飛行装置100の制御部110は、基地装置1に向かって(戻って)飛行するように制御する。この後、飛行装置100が基地装置1に到着したら、飛行装置100の制御部110は、飛行装置100に着地するように制御する。
【0072】
以上のように動作することで、飛行装置100は、基地装置1を離脱して、さらに基地装置1に帰還することができる。飛行装置100が離脱する基地装置1と、飛行装置100が帰還する基地装置1とは、同じ基地装置としてもよいし、異なる基地装置とすることもできる。
【0073】
次に、一実施形態に係る基地装置1の動作について説明する。
図6は、一実施形態に係る基地装置1の動作を説明するフローチャートである。
【0074】
以下説明する一実施形態に係る基地装置1は、
図1に示したように、移動手段200に設置されているものとする。また、以下説明する基地装置1が設置された移動手段200は、少なくとも部分的に自動運転を行うものとする。ここで、移動手段200が行う自動運転とは、例えばアメリカ自動車技術会(SAE International(Society of Automotive Engineers))によって定義される、レベル1(L1)〜レベル5(L5)の(レベル0(L0)を除く)いずれの自動運転としてもよい。
【0075】
図6に示す動作が開始する時点において、一実施形態に係る基地装置1は、一実施形態に係る飛行装置100が離脱した後であって、飛行装置100が帰還する前の状態であるものとする。すなわち、
図6に示す動作が開始する時点において、少なくとも1つの飛行装置100が飛行及び/又は浮遊している最中であり、当該飛行装置100がこれから基地装置1に帰還する飛行計画があるものとする。また、一実施形態に係る基地装置1は、1つ以上の飛行装置100を停留させることができる。当該1つ以上の飛行装置100が複数の場合、これらの飛行装置100は同種のものとしてもよいし、異なるタイプのものとしてもよい。
【0076】
以下、基地装置1に停留する予定の複数の飛行装置を特に区別しない場合、これらが異なるタイプの飛行装置であっても、単に「飛行装置100」と記すことがある。ここで、飛行装置100は、基地装置1に停留する予定の飛行装置として、基地装置1に登録されていてもよい。また、例えば、飛行装置100は、基地装置1に所属する飛行装置として、基地装置1に登録されていてもよい。また、例えば、飛行装置100は、基地装置1に所属する許可を申請して、当該申請が儒断された飛行装置として、基地装置1に登録されていてもよい。さらに、基地装置1に登録されている飛行装置100は、適宜、基地装置1と無線通信を行うことができるものとする。
【0077】
図6に示す動作が開始すると、基地装置1は、飛行装置100の各種情報を、飛行装置100から取得する(ステップS21)。より詳細には、ステップS21において、基地装置1の通信部12は、飛行装置100の通信部112から、飛行装置100に関する各種の情報を受信する。ステップS21において、基地装置1の通信部12は、
図5に示したステップS14において飛行装置100から基地装置1に送信された情報を受信してよい。また、基地装置1の制御部10は、受信した飛行装置100の情報を、例えば記憶部14に記憶してもよい。特に、ステップS14において、基地装置1の制御部10は、飛行装置100のバッテリ122の残量に関する情報を受信してよい。
【0078】
ステップS21において飛行装置100の情報を取得すると、基地装置1の制御部10は、当該取得した情報に基づいて、基地装置1が移動すべき目標位置を決定する(ステップS22)。以下、このように、基地装置1が移動すべき位置を、適宜、「目標位置」と記す。ステップS22においては、基地装置1が移動すべき目標位置を決定する際に、例えば1つ以上の飛行装置100それぞれのバッテリ122の残量に関する条件を含む所定の条件を加味してよい。基地装置1が移動すべき目標位置を決定する際に、例えば地域の天候に関する条件を加味してよい。この条件では、基地装置1は、天候が雨や風など悪い場合は、基地装置1が移動すべき目標位置として決定する可能性を低下させる。基地装置1が移動すべき目標位置を決定する際に、例えば地域の人の密集度合いに関する条件を加味してよい。この条件では、基地装置1は、人が多く密集する地域については、基地装置1が移動すべき目標位置として決定する可能性を低下させる。基地装置1が移動すべき目標位置を決定する際に、例えば地域の自動車などの交通量に関する条件を含む所定の条件を加味してよい。この条件では、基地装置1は、交通量が多い地域については、基地装置1が移動すべき目標位置として決定する可能性を低下させる。このように、一実施形態において、基地装置1の制御部10は、少なくとも1つの飛行装置100のバッテリ122の残量に関する条件を含む所定の条件に基づいて、基地装置1が移動すべき目標位置を決定する。ここで、一実施形態に係る基地装置1は、移動手段200を有しており、移動することができる。そこで、ステップS22において、基地装置1の制御部10は、飛行装置100から受信した各種情報に基づいて、基地装置1が移動すべき位置を決定する。ステップS22において目標位置が決定される態様については、さらに後述する。
【0079】
このように目標位置が決定されたら、基地装置1の制御部10は、さらに、当該決定された目標位置の情報を出力するように制御する(ステップS22)。ステップS22において、基地装置1の制御部10は、目標位置の情報を、移動手段200に出力する。より詳細には、基地装置1の制御部10は、目標位置の情報を、移動手段200の移動を制御する制御部に供給してよい。目標位置の情報を受信した移動手段200の制御部は、当該目標位置の情報に基づく位置を把握し、当該位置に移動手段200を移動させるように制御する。移動手段200は、上述したように自動運転を行う。したがって、一実施形態において、移動手段200は、例えば目標位置のような移動すべき位置が指定されれば、当該位置に向けて自動運転を行うことができる。この場合、移動手段200は、例えばGPS(Global Positioning System)によって現在位置を判別した上で、目標位置のような移動すべき位置に向けて自動運転を行ってもよい。このように、指定された位置に向かって自動運転を行うことに関する技術は既知であるため、より詳細な説明は省略する。
【0080】
ステップS22において移動手段200(及び基地装置1)が目標位置に移動したら、基地装置1の制御部10は、当該基地装置1に帰還する予定の飛行装置100が帰還したか否か判定する(ステップS24)。ステップS24において飛行装置100がまだ帰還していないと判定される場合、基地装置1の制御部10は、ステップS21に戻って処理を続行する。一方、ステップS24において飛行装置100が帰還したと判定される場合、基地装置1の制御部10は、ステップS25の処理を行う。
【0081】
ステップS25においては、基地装置1の制御部10は、帰還した飛行装置100のバッテリ122に電力を供給するための各種制御を行ってよい。例えば、基地装置1の制御部10は、電力供給部16が飛行装置100のバッテリ122に電力を供給するように制御する。これにより、ステップS25において、飛行装置100のバッテリ122が充電される。また、ステップS25においては、基地装置1の制御部10は、飛行装置100の制御部110と通信することにより、飛行装置100の次の飛行計画を供給するなどしてもよい。また、ステップS25においては、基地装置1の制御部10は、飛行装置100に対して各種のメンテナンスが行われるように制御を行ってもよい。一実施形態においては、ステップS25の後、基地装置1の制御部10は、飛行装置100が次の飛行を行うように制御してもよい。
【0082】
このように、一実施形態に係る基地装置1は、少なくとも1つの飛行装置100を停留させる。また、一実施形態に係る基地装置1の制御部10は、少なくとも1つの飛行装置100のバッテリ122の残量に関する条件を含む所定の条件に基づいて決定された、基地装置1が移動すべき目標位置の情報を出力する。一実施形態において、制御部10は、目標位置の情報を、移動手段200に出力してもよい。また、一実施形態において、移動手段200は、目標位置の情報に基づいて自動運転を行ってもよい。
【0083】
次に、上述のステップS22において目標位置を決定する態様について、さらに説明する。
【0084】
一実施形態に係る基地装置1は、1つ以上の飛行装置100を停留させることができる。そこで、一実施形態に係る基地装置1の制御部10は、例えば、1つ以上の飛行装置100から受信する情報に基づいて、当該1つ以上の飛行装置100にとって最適と考えられる位置として、目標位置を決定してよい。この場合、基地装置1の制御部10は、上述のように、例えば1つ以上の飛行装置100それぞれのバッテリ122の残量に関する条件を含む所定の条件に基づいて、目標位置を決定してもよい。
【0085】
例えば、基地装置1の制御部10は、少なくとも1つの飛行装置100が複数であって、当該複数の飛行装置100それぞれのバッテリ122の残量がいずれも所定の残量以上であることを、上述の所定の条件に含めてもよい。ここで、バッテリ122の所定の残量とは、例えば複数の飛行装置100それぞれが基地装置1まで飛行するのに必要な電力に基づいて、複数の飛行装置100それぞれにおいて適宜設定してよい。
【0086】
この場合、当該所定の条件が満たされた際に決定される目標位置は、当該複数の飛行装置100それぞれの位置からの距離の平均が最小になる位置としてもよい。すなわち、例えば基地装置1にこれから停留する予定の飛行装置100が4台ある場合、当該4台の飛行装置100と基地装置1との距離をそれぞれ測定し、これら4つの距離の平均が最小になるような位置を、目標位置としてもよい。
【0087】
これにより、一実施形態に係る基地装置1は、複数の飛行装置100それぞれの位置から平均的な位置に移動することができる。したがって、一実施形態に係る基地装置1は、複数の飛行装置100それぞれに対して停留し易い位置に存在することになる。このため、一実施形態に係る基地装置1は、複数の飛行装置100を停留させるのに好適であり、飛行装置100を運用する際の利便性を高めることができる。
【0088】
また、例えば、基地装置1の制御部10は、少なくとも1つの飛行装置100のいずれかのバッテリ122の残量が所定の残量以下であることを、上述の所定の条件に含めてもよい。ここでも、バッテリ122の所定の残量とは、当該少なくとも1つの飛行装置100が基地装置1まで飛行するのに必要な電力に基づいて、飛行装置100において適宜設定してよい。
【0089】
この場合、当該所定の条件が満たされた際に決定される目標位置は、バッテリ122の残量が所定の残量以下となった当該飛行装置100の近傍の位置としてもよい。すなわち、例えば1つの飛行装置100のバッテリ122の残量が、基地装置1まで飛行するのに必要な電力を賄うのに不足しつつある場合、当該飛行装置100の近傍の位置を、目標位置としてもよい。ここで、飛行装置100の近傍の位置とは、当該飛行装置100そのものの位置としてもよい。また、飛行装置100の近傍の位置とは、当該飛行装置100以外の他の飛行装置100の位置も加味した上で、当該飛行装置100のバッテリ122の残量が基地装置1まで飛行するのに必要な電力を賄うことができる範囲の位置としてもよい。
【0090】
これにより、一実施形態に係る基地装置1は、飛行装置100のバッテリ122の残量が少なくなると、その飛行装置100の近くまで移動することができる。したがって、一実施形態に係る基地装置1は、飛行装置100に対して停留し易い位置に存在することになる。このため、一実施形態に係る基地装置1は、飛行装置100を停留させるのに好適であり、飛行装置100を運用する際の利便性を高めることができる。
【0091】
また、例えば、基地装置1の制御部10は、少なくとも1つの飛行装置100が複数であって、当該複数の飛行装置100それぞれのバッテリ122の残量がいずれも所定の残量以下であることを、上述の所定の条件に含めてもよい。ここでも、バッテリ122の所定の残量とは、当該少なくとも1つの飛行装置100が基地装置1まで飛行するのに必要な電力に基づいて、飛行装置100において適宜設定してよい。
【0092】
この場合、当該所定の条件が満たされた際に決定される目標位置は、それぞれバッテリ122の残量が所定の残量以下となった当該複数の飛行装置100について設定された優先順位に基づく位置としてもよい。すなわち、例えば基地装置1にこれから停留する予定の飛行装置100が4台ある場合、当該4台の飛行装置100のそれぞれ優先順位が設定されているとする。このような優先順位は、基地装置1及び飛行装置100の少なくとも一方で予め設定されていてもよいし、必要になった時点で諸条件から規定してもよい。そして、例えば、設定された優先順位が最も高い飛行装置100の近傍の位置を、目標位置としてもよい。また、例えば、設定された優先順位が上位3位までの飛行装置100の位置に基づいて、これら3台の飛行装置100それぞれの位置からの距離の平均が最小となる位置を、目標位置としてもよい。
【0093】
これにより、一実施形態に係る基地装置1は、複数の飛行装置100それぞれの優先順位に応じた位置に移動することができる。したがって、一実施形態に係る基地装置1は、複数の飛行装置100のうち少なくとも1つに対して停留し易い位置に存在することになる。このため、一実施形態に係る基地装置1は、複数の飛行装置100のうち少なくとも1つを停留させるのに好適であり、飛行装置100を運用する際の利便性を高めることができる。
【0094】
以下、一実施形態に係る基地装置1の他の特徴について説明する。
【0095】
上述した実施形態においては、移動手段200は、少なくとも部分的に自動運転を行うものとして説明した。しかしながら、一実施形態において、移動手段200は、自動運転を行うものではなく、人間の操縦によって移動する手段としてもよい。この場合、例えば
図6のステップS22において、基地装置1の制御部10は、目標位置を、移動手段200に出力するのではなく、例えば報知部18から報知されるように出力してよい。上述のように、報知部18は、制御部10から供給される所定の情報を、視覚的、聴覚的、及び/又は触覚的な情報として報知することができる。したがって、移動手段200の操縦者は、報知部18から報知される情報に基づいて、目標位置すなわち基地装置1が移動すべき位置を把握することができる。したがって、一実施形態において、ステップS23に示した目標位置に移動する動作は、移動手段200が自律的に行うのではなく、人間が移動手段200を操縦することによって行ってもよい。また、一実施形態において、移動手段200は、自動運転を行うものではなく、人間が乗車していないものの無線通信などの遠隔操作により操縦されて移動する手段としてもよい。
【0096】
このように、一実施形態において、制御部10は、目標位置の情報を、報知部18から報知されるように出力してもよい。この場合、報知部18は、目標位置の情報を、視覚的又は聴覚的又は触覚的な情報として報知してもよい。
【0097】
また、上述の実施形態では、目標位置(基地装置1が移動すべき位置)は、ステップ22において、基地装置1の制御部10が決定するものとして説明した。しかしながら、基地装置1の制御部10は、通信部12から
図2に示したサーバ300などに必要な情報を送信し、(基地装置1の制御部10ではなく)サーバ300が目標位置を決定してもよい。この場合、さらにステップ22において、基地装置1の制御部10は、サーバ300が決定した目標位置に関する情報を、通信部12から受信してもよい。
【0098】
また、一実施形態に係る基地装置1において、飛行装置100のバッテリを充電するために、例えば基地装置1に太陽電池を接続して、太陽光を利用して発電する電力を、所定の蓄電池に充電しておいてもよい。また、基地装置1において飛行装置100のバッテリを充電する際には、非接触充電(例えば無線充電)としてもよいし、例えば接点によって接続した上で充電してもよい。
【0099】
一実施形態に係る基地装置1において、飛行装置100が停留することの可否について判定してもよい。例えば、予め所定の契約などによって所定の基地装置1おいて登録されている飛行装置100は、当該基地装置1に停留することを許可されるようにしてよい。この場合、例えば、予め所定の契約をしておらず所定の基地装置1おいて登録されていない飛行装置100は、当該基地装置1に停留することを許可されないようにしてよい。停留を許可されていない飛行装置100が基地装置1に停留を試みると、制御部10は、例えば停留した飛行装置100に所定のロック機構が作動しないなどの措置が講じられるように制御してもよい。
【0100】
上述のように、飛行装置100の停留の可否について判定する場合、複数の飛行装置100の識別も、種々の態様を想定することができる。例えば、基地装置1は、飛行装置100と直接無線通信などを行うことにより、複数の飛行装置100の識別を行ってもよい。また、例えば、基地装置1は、例えばサーバ300などの外部のデータベースから取得した情報に基づいて、複数の飛行装置100の識別を行ってもよい。また、例えば、基地装置1は、飛行装置100が接近した際に、飛行装置100に貼り付けされたQRコード(登録商標)を撮像部36によって読み取ることにより、複数の飛行装置100の識別を行ってもよい。また、例えば、飛行装置100にRFタグを貼り付けておくことによって、基地装置1からの電力供給を受けて(飛行装置100の電力を使わずに)、飛行装置100のRFタグを読み取ることにより、識別をしてもよい。
【0101】
上述した実施形態において、飛行装置100は、自動操縦によって自律的に飛行又は浮遊するものとしてもよいし、遠隔操作によって人間が操縦するものとしてもよい。
【0102】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能である。複数の機能部等は、1つに組み合わせられたり、分割されたりしてよい。上述した本開示に係る各実施形態は、それぞれ説明した各実施形態に忠実に実施することに限定されるものではなく、適宜、各特徴を組み合わせたり、一部を省略したりして実施され得る。
【0103】
上述した実施形態は、基地装置1としての実施のみに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態は、基地装置1のような機器の制御方法として実施してもよい。さらに、例えば、上述した実施形態は、基地装置1のような機器の制御プログラムとして実施してもよい。