(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記溶液(SP)中の前記溶媒(S)の全体濃度が、前記溶液の総重量を基準として、少なくとも20重量%である、および/または、前記溶液(SP)の総重量を基準として、これは70重量%を超えない、請求項1または2に記載の溶液(SP)。
前記溶液が、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、脂肪族モノエーテルおよびモノエステルからなる群から選択される少なくとも1種の化合物(EthyGly)と;
グリセロール、
その脂肪族モノ−およびジ−エステル;
その脂肪族モノ−およびジ−エーテル;
グリセロールカーボネート;
脂肪族アルデヒド由来のグリセロールアセタールからなる群から選択される少なくとも1種の化合物(Gly)と
を含む混合物(PHA)を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶液(SP)。
前記溶液(SP)中の前記混合物(PHA)の全体濃度が、前記溶液(SP)の総重量を基準として、少なくとも1重量%である、および/または、前記溶液(SP)の総重量を基準として、これは20重量%を超えない、請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶液(SP)。
前記膜が、平らなシートの形態または管状の膜の形態であり、前記管状の膜は、3mmよりも大きい直径を有する管状膜;0.5mm〜3mmに含まれる直径を有するキャピラリー膜;または0.5mm未満の直径を有する中空繊維の場合がある、請求項14または15に記載の微細孔膜。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】中空繊維膜製造のために使用される中空繊維紡糸機の簡略化されたスキームである。
【
図2】繊維押出流れと平行な面を通る紡糸口金(環状ダイ)の概略的な切断部である。
【
図3】繊維の押出流れに垂直な面を通る紡糸口金(環状ダイ)の概略的な切断部である。
【0012】
[発明の概要]
かくして、本発明は、
− ポリマー(PSI)の全ての繰り返し単位の50モル%超が、以下の式(R
PSI−1)および(R
PSI−2):
(式中、
− 各E’は、互いにおよび各存在において等しいかもしくは異なり、式(E’−1)〜(E’−3):
のものからなる群から選択され、
− 各R’は、ハロゲン、アルキル、アルケニル、
アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ若しくはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリ若しくはアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミン、および四級アンモニウムからなる群から独立して選択され;
− j’は、ゼロまたは1〜4の整数であり、
− Tは、結合または1つ以上のヘテロ原子を任意選択的に含む二価基であり;好ましくはTは、結合、
−CH
2−、−C(O)−、−C(CH
3)
2−、−C(CF
3)
2−、−C(=CCl
2)−、−C(CH
3)(CH
2CH
2COOH)−、および次式の基:
からなる群から選択される)のものからなる群から選択される繰り返し単位(R
PSI)である繰り返し単位を有する、少なくとも1種のスルホンポリマー[ポリマー(PSI)];
− 少なくとも1種の極性有機溶媒[溶媒(S)];および
− 少なくとも1種のエチレングリコール化合物[化合物(EthyGly)]と少なくとも1種のグリセロール化合物[化合物(Gly)]とを含有する、1〜6個の炭素原子を有する多価脂肪族アルコール若しくはその誘導体の少なくとも1種の混合物[混合物(PHA)];
を含有する、ポリアリールエーテルスルホンポリマー溶液[溶液(SP)]に関する。
【0013】
出願人は、驚くべきことには、非溶媒誘起相分離法(NIPS法)によって上述した溶液(SP)を処理して膜(特には中空繊維膜)を得る場合に、非常に小さい大きさのボイドによって特徴付けられる海綿状の微細構造の結果として、および大きなフィンガー状のボイドが実質的に存在しないことの結果として、非常に優れた性能が得られることを見出した。
【0014】
本発明は、更に、
(i)上述したスルホンポリマー溶液[溶液(SP)]を調製する工程と;
(ii)前記溶液(SP)を処理してフィルムにする工程と;
(iii)前記フィルムを非溶媒浴に接触させる工程と;
を含む、ポリアリールエーテルスルホンポリマー膜の製造方法にも関する。
【0015】
本発明のまた別の目的は、20〜90%の重量空隙率(εm)を有し、かつ細孔を含む微細孔膜であって、前記細孔の少なくとも90体積%が5μm未満の平均孔径を有する微細孔膜である。
【0016】
細孔(「ボイド」ともいう)は、微細孔膜の割断表面からSEM写真を撮影することで測定することができる。割断部は、膜を通る流れの意図される方向と平行な方向に微細孔膜を液体窒素中で折ることで得られ、前記条件での割断は、形状および形態の保存を確実にし、延性変形を回避するために有効である。
【0017】
本発明のこのおよび他の目的、利点、ならびに特徴は、本発明の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解され、かつ正しく評価されるであろう。
【0018】
ポリマー(PSI)
ポリマー(PSI)において、上述の好ましい実施形態(R
PSI−1)および(R
PSI−2)の繰り返し単位は、単独と混合物のいずれで存在していてもよい。
【0019】
より具体的には、ポリマー(PSI)の繰り返し単位(R
PSI)は、次式(R
PSI−1a)、(R
PSI−1b)、(R
PSI−1c)、(R
PSI−2a)、(R
PSI−2b)、および(R
PSI−2c):
(式中、R’、J’、およびTは、上で定義した通りの意味を有する)のいずれかの繰り返し単位である。
【0020】
上述の好ましい実施形態の繰り返し単位(R
PSI−1a)、(R
PSI−1b)、(R
PSI−1c)、(R
PSI−2a)、(R
PSI−2b)、および(R
PSI−2c)は、単独と混合物のいずれで存在していてもよい。
【0021】
より好ましい繰り返し単位(R
PSI)は、式(R
PSI−1a)および(R
PSI−2a)のものであり、任意選択的に式(R
PSI−1b)、(R
PSI−2b)、(R
PSI−1c)、および(R
PSI−2c)の繰り返し単位と組み合わされていてもよい。
【0022】
最も好ましい繰り返し単位(R
PSI)は式(R
PSI−1a)のものであり、任意選択的に式(R
PSI−1b)および(R
PSI−1c)の繰り返し単位と組み合わされていてもよい。
【0023】
繰り返し単位(R
PSI)において、それぞれのフェニレン部分は、独立して、繰り返し単位中でR’と異なる他の部分に対して1,2−、1,4−または1,3−結合を有していてもよい。好ましくは、前記フェニレン部分は、1,3−または1,4−結合を有し、より好ましくは、これらは1,4−結合を有する。更に、繰り返し単位(R
PSI)((R
PSI−1)、(R
PSI−2)、(R
PSI−1a)、(R
PSI−1b)、(R
PSI−1c)、(R
PSI−2a)、(R
PSI−2b)、および(R
PSI−2c)を含む)において、j’は各存在においてゼロである。すなわち、フェニレン部分は、ポリマーの主鎖における結合を可能にするもの以外の置換基を有さない。
【0024】
ポリマー(PSI)は、上で詳述した繰り返し単位(R
PSI)に加えて、Ar−SO
2−Ar’基(ArおよびAr’は、互いに等しいかもしくは異なり、芳香族基である)を含む繰り返し単位(R
S)を含んでいてもよく、前記繰り返し単位(R
s)は、通常次式(S1):
(S1):−Ar
5−(T’−Ar
6)
n−O−Ar
7−SO
2−[Ar
8−(T−Ar
9)
n−SO
2]
m−Ar
10−O−
(式中:
− Ar
5、Ar
6、Ar
7、Ar
8、およびAr
9は、互いにおよび各存在において等しいかまたは異なり、独立して、芳香族単核もしくは多核基であり;
− TおよびT’、互いにおよび各存在において等しいかまたは異なり、独立して、結合、または1つ以上のヘテロ原子を任意選択的に含む二価基であり;好ましくは、TおよびT’は、結合、−CH
2−、−C(O)−、−C(CH
3)
2−、−C(CF
3)
2−、−C(=CCl
2)−、−C(CH
3)(CH
2CH
2COOH)−、−SO
2−、および次式の基:
から選択され、最も好ましくは、T’は結合、−SO
2−、または−C(CH
3)
2−であり、Tは結合であり;
− nおよびmは、互いに等しいかまたは異なり、独立して、ゼロまたは1〜5の整数である)を満たす。
【0025】
繰り返し単位(R
S)は、とりわけ、以下の式(S−A)〜(S−D):
(式中、
− 各R’は、互いに等しいかまたは異なり、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され;
− j’は、ゼロであるか、または0〜4の整数であり;
− TおよびT’は、互いに等しいかまたは異なり、結合、または1個以上のヘテロ原子を任意選択的に含む二価基であり;好ましくはTおよびT’は、結合、−CH
2−、−C(O)−、−C(CH
3)
2−、−C(CF
3)
2−、−C(=CCl
2)−、−C(CH
3)(CH
2CH
2COOH)−、−SO
2−、および次式の基:
からなる群から選択され、最も好ましくは、T’は結合、−SO
2−または−C(CH
3)
2−であり、Tは結合である)のものからなる群から選択することができる。繰り返し単位(R
S)において、それぞれのフェニレン部分は、独立して、繰り返し単位中でR’とは異なる他の部分に対して1,2−、1,4−または1,3−結合を有していてもよい。好ましくは、前記フェニレン部分は1,3−または1,4−結合を有し、より好ましくは、これらは1,4−結合を有する。また、繰り返し単位(R
S)において、j’は各存在においてゼロである。すなわち、フェニレン部分はポリマー主鎖中での結合を可能にするもの以外の置換基を有さない。
【0026】
式(S−D)の繰り返し単位(R
S)は、好ましくは、次の繰り返し単位:
およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0027】
上で詳述した式(S−C)を満たす繰り返し単位(R
S)は、好ましくは、次の単位:
およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0028】
ポリマー(PSI)は、通常、少なくとも20000、好ましくは少なくとも30000、より好ましくは少なくとも40000の重量平均分子量を有する。
【0029】
重量平均分子量(M
w)および数平均分子量(M
n)は、ASTM D5296を使用するポリスチレン標準で校正されたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により見積もることができる。
【0030】
多分散性指数(PDI)は、ここでは数平均分子量(M
n)に対する重量平均分子量(M
w)の比率として表現される。
【0031】
ポリマー(PSI)は、通常、2.5未満、好ましくは2.4未満、より好ましくは2.2未満の多分散指数を有する。この比較的狭い分子量分布は、同様の分子量を有する分子鎖と、ポリマー特性に悪影響を有し得るオリゴマーフラクションが実質的にないこととが合わされた全体的効果の表れである。
【0032】
ポリマー(PSI)は、有利には、少なくとも200℃、好ましくは少なくとも210℃、より好ましくは少なくとも220℃のガラス転移温度(T
g)を有する。そのようなガラス転移温度はポリマー(PSI)の使用温度範囲を広げるために有利である。
【0033】
ガラス転移温度(T
g)は、通常、ASTM D3418に従ってDSCにより決定される。
【0034】
ポリマー(PSI)は、上で詳述した繰り返し単位(R
PSI)を、ポリマー(PSI)の全ての繰り返し単位に対して50モル%超、好ましくは60モル%超、より好ましくは75モル%超、更に好ましくは80モル%超の量で含む。
【0035】
単位(R
PSI)とは異なる繰り返し単位がポリマー(PSI)中に存在する場合、これは通常上で詳述した繰り返し単位(R
S)から選択され、その結果、ポリマー(PSI)は、上で詳述した繰り返し単位(R
PSI)と、任意選択的な上で詳述した繰り返し単位(R
S)とから本質的になる。
【0036】
末端鎖、欠陥、および繰り返し単位(R
PSI)と繰り返し単位(R
S)以外の少量(ポリマー(PSI)の全ての繰り返し単位に対して1モル%未満)の繰り返し単位が存在していてもよく、この存在はポリマー(PSI)の特性に実質的に悪影響を及ぼさない。
【0037】
通常、実質的に全ての繰り返し単位が上で詳述した繰り返し単位(R
PSI)であるポリマー(PSI)を使用すると繰り返し単位と良好な結果を得ることができると理解される。
【0038】
列挙されている量の繰り返し単位(R
PSI)と組み合わされた「実質的に」という表現は、ここでは少量(通常1モル%未満、好ましくは0.5モル%未満)の他の繰り返し単位が、例えば使用されるモノマーの低い純度の結果として許容され得ることを意味する。
【0039】
溶液(SP)中のポリマー(PSI)の全体濃度は、溶液の総重量を基準として、少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも12重量%であるべきである。典型的には、溶液中のポリマー(PSI)の濃度は、溶液(SP)の総重量を基準として、50重量%を超えず、好ましくは、これは40重量%を超えず、より好ましくは、これは30重量%を超えない。
【0040】
溶液(SP)の総重量に対して15〜25重量%、より好ましくは16〜22重量%の範囲であるポリマー(PSI)の濃度が特に有利であることが見出された。
【0041】
溶媒(S)
溶液(SP)は、極性有機溶媒[溶媒(S)]の中にポリマー(PSI)を含む。
【0042】
用語「溶媒」は、その通常の意味で本明細書において用いられる。すなわち、これは、もう1つの物質(溶質)を溶解させて分子レベルで一様に分散した混合物を形成することができる物質を意味する。高分子溶質の場合には、得られる混合物が透明であり、かつ相分離が系の中でみられない場合の溶媒中のポリマーの溶液を意味することが一般的である。相分離は、そのポイントで溶液がポリマー凝集体の形成のために濁るまたは曇るようになる、「曇点」と多くの場合言われる、ポイントであると解釈される。
【0043】
本発明の組成物中で、単独でまたは組み合わせて使用され得る溶媒(S)の例示的な実施形態としては、特には:
− 芳香族炭化水素、より具体的には、特に、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、アルキルベンゼンの混合物からなる石油留分、などの芳香族炭化水素;
− 脂肪族または芳香族ハロゲン化炭化水素、より具体的には、特に、テトラクロロエチレン、ヘキサクロロエタンなどの全塩素化炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、トリクロロエチレン、1−クロロブタン、1,2−ジクロロブタンなどの部分塩素化炭化水素;モノクロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンまたは異なるクロロベンゼン類の混合物など;
− 脂肪族、脂環式または芳香族エーテルオキシド、より具体的には、ジエチルオキシド、ジプロピルオキシド、ジイソプロピルオキシド、ジブチルオキシド、メチルテルチオブチルエーテル、ジペンチルオキシド、ジイソペンチルオキシド、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルベンジルオキシド;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF);
− 特にはピリジンおよびアニリンなどの芳香族アミン;
− メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン;
− イソプロピルアセテート、n−ブチルアセテート、メチルアセトアセテート、ジメチルフタレート、γ−ブチロラクトンなどの直鎖または環状エステル;
− N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジエチルホルムアミド、またはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの直鎖または環状カルボキサミド;
− 有機カーボネート、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネート;
− リン酸トリメチル、リン酸トリエチルなどのリン酸エステル;
− ジメチルスルホキシド(DMSO);並びに
− 次の式(I
de)のジエステル、式(I
ea)のエステルアミド、または式(I
da)のジアミド:
R
1−OOC−A
de−COO−R
2(I
de)
R
1−OOC−A
ea−CO−NR
3R
4(I
ea)
R
5R
6N−OC−A
da−CO−NR
5R
6(I
da)
(式中:
− R
1およびR
2は、互いに等しいかまたは異なり、独立して、C
1〜C
20炭化水素基からなる群から選択され;
− R
3、R
4、R
5およびR
6は、互いにおよび各存在において等しいかまたは異なり、独立して、水素、置換されている可能性があるC
1〜C
36炭化水素基からなる群から選択され、R
3およびR
4は、それらが結合している窒素原子を含む環状部分(前記環状部分は、置換されている可能性があるおよび/または1つ以上の追加のヘテロ原子を含む可能性がある、ならびにそれらの混合である)の一部であってもよいことが理解され;
− A
de、A
ea、およびA
daは、互いに等しいかまたは異なり、独立して、直鎖もしくは分岐の二価アルキレン基である)
が挙げられる。
【0044】
特定の実施形態によれば、溶媒(S)は、NMP、DMAc、ピリジン、アニリン、1,1,2−トリクロロエタン、および1,1,2,2−テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン(THF)、1,4ジオキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、およびクロロベンゼンからなる群のうちの少なくとも1つである。
【0045】
溶媒(S)がNMPである場合に非常に優れた結果が得られた。
【0046】
本発明の代替の実施形態によれば、溶媒(S)は、場合により式(I
da)のジアミドとの混合物である、式(I
de)のジエステルまたは式(I
ea)のエステルアミドのうちの少なくとも1種であり、式(I
de)、(I
ea)、および(I
da)中のAは、C
3〜C
10の分岐二価アルキレンである。
【0047】
この第1の代替の実施形態によれば、Aは好ましくは、以下のもの:
− 式MG
a−CH(CH
3)−CH
2−CH
2−またはMG
b−CH
2−CH
2−CH(CH
3)−のA
MG基、
− 式ES
a−CH(C
2H
5)−CH
2−、またはES
b−CH
2−CH(C
2H
5)−のA
ES基;および
− それらの混合物;
からなる群から選択される。
【0048】
この実施形態の1つのより好ましい変形形態では、溶媒(S)は、場合によりDMSOに加えて:
(i)場合により式(II
de)の少なくとも1種のジエステルと組み合わされた、少なくとも1種のジエステル(I’
de)および少なくとも1種のジエステル(I’’
de);または
(ii)場合により少なくとも1種の式(II
ea)のエステルアミドと組み合わされた、少なくとも1種のエステルアミド(I’
ea)および少なくとも1種のエステルアミド(I’’
ea);
(iii)場合により少なくとも1種の式(II
ea)のエステルアミドおよび/または少なくとも1種の式(II
da)のジアミドと組み合わされた、少なくとも1種のエステルアミド(I’
ea)、少なくとも1種のジアミド(I’
da)、少なくとも1種のエステルアミド(I’’
ea)、および少なくとも1種のジアミド(I’’
da);または
(iv)(i)と(ii)および/または(iii)との組み合わせ
を含み、
これらの中で、
− (I’
de)は、R
1−OOC−A
MG−COO−R
2であり、
− (I’
ea)は、R
1−OOC−A
MG−CO−NR
3R
4であり、
− (I’
da)は、R
5R
6N−OC−A
MG−CO−NR
5R
6であり、
− (I’’
de)は、R
1−OOC−A
ES−COO−R
2であり、
− (I’’
ea)は、R
5R
6N−OC−A
ES−CO−NR
5R
6であり;
− (II
de)は、R
1−OOC−(CH
2)
4−COO−R
2であり、
− (II
ea)は、R
1−OOC−(CH
2)
4−CO−NR
3R
4であり、
− (II
da)は、R
5R
6N−OC−(CH
2)
4−CO−NR
5R
6であり、
これらの式の中で
− A
MGは、式MG
a−CH(CH
3)−CH
2−CH
2−またはMG
b−CH
2−CH
2−CH(CH
3)−のものであり、
− A
ESは、式ES
a−CH(C
2H
5)−CH
2−またはES
b−CH
2−CH(C
2H
5)−のものであり、R
1およびR
2は、互いに等しいかまたは異なり、独立して、C
1〜C
20アルキル、C
1〜C
20アリール、C
1〜C
20アルキアリール、C
1〜C
20アリールアルキル基からなる群から選択され;
− R
3、R
4、R
5、およびR
6は、互いにおよび各存在において等しいかまたは異なり、C
1〜C
20アルキル、C
1〜C
20アリール、C
1〜C
20アルキアリール、C
1〜C
20アリールアルキル基(すべての前記基は、1つ以上の置換基を含む可能性があり、1つ以上のヘテロ原子を有する可能性がある)から、ならびに(1)R
3およびR
4またはR
5およびR
6と(2)それらが結合している窒素原子とを両方とも含む環状部分(前記環状部分は、1つ以上のヘテロ原子、例えば酸素原子または追加の窒素原子を含む可能性がある)からなる群から選択される。
【0049】
上述の式(I’
de)、(I’’
de)、および(II
de)、(I’
ea)、(I’’
ea)および(II
ea)、(I’
da)、(I’’
da)および(II
da)において、R
1およびR
2は好ましくはメチル基であり、一方、R
3、R
4、R
5およびR
6は、互いに及び存在において等しいかもしくは異なり、好ましくは、メチル、エチル、ヒドロキシエチルからなる群から選択される。
【0050】
この実施形態のこの好ましい変形形態では、溶媒(S)は、好ましくは、場合によりDMSOと組み合わされて、(i)、(ii)、(iii)、または(iv)の混合物のいずれかから本質的になる。他の少量の成分は、それらが溶媒(S)の特性を実質的に変えないという条件で、好ましくは溶媒(S)の全体重量の1重量%を超えない量で存在してもよい。
【0051】
この変形形態によれば、溶媒(S)は、場合によりDMSOに加えて:
(j)
− 70〜95重量%の式(I’
de)のジエステルと、
− 5〜30重量%の式(I’’
de)のジエステルと、
− 0〜10重量%の、上で詳述した式(II
de)のジエステルと、
から本質的になるジエステル混合物;または
(jj)
− 70〜95重量%の式(I’
ea)のエステルアミドと、
− 5〜30重量%の式(I’’
ea)のエステルアミドと、
− 0〜10重量%の、上で詳述した式(II
ea)のエステルアミドのいずれかと、
から本質的になるエステルアミド混合物;または
(jjj)
− (I’
da)が(I’
ea)および(I’
da)の累積秤量の0.01〜10重量%を表す状態で、70〜95重量%の式(I’
ea)エステルアミドおよび式(I’
da)のジアミドと、
− (I’’
da)が(I’’
ea)および(I’’
da)の累積秤量の0.01〜10重量%を表す状態で、5〜30重量%の式(I’’
ea)のエステルアミドおよび式(I’’
da)のジアミドと、
− 0〜10重量%の、上で詳述した式(II
ea)のエステルアミドおよびジアミド(II
da)のいずれかと、
から本質的になるエステルアミド/ジアミド混合物;または
上で詳述した(j)と(jj)および/または(jjj)との混合物
を含む(またはこれらから本質的になる)ことができる。
【0052】
Aが分岐である有用なジエステルを主成分とする混合物の例は、Solvayによって商品化されている、RHODIASOLV(登録商標)IRIS溶媒である。
【0053】
RHODIASOLV(登録商標)IRIS溶媒は、エチルコハク酸ジメチルと2−メチルグルタル酸ジメチルとから本質的になる(80重量%超)ジエステルの混合物である。
【0054】
ある別の実施形態においては、溶媒(S)は、場合により式(I
da)のジアミド(式(I
de)、(I
ea)および(I
da)の中のAは式(CH
2)
rの直鎖二価アルキレン基であり、rは2〜4の整数である)との混合物である、式(I
de)のジエステルまたは式(I
ea)のエステルアミドのうちの少なくとも1種である。
【0055】
この実施形態の変形形態では、溶媒(S)は、場合によりDMSOに加えて:
(k)式(III
4de)のジエステル、式(III
3de)のジエステル、および式(III
2de)のジエステルの少なくとも1種;または
(kk)エステルアミド(III
4ea)、エステルアミド(III
3ea)、および式(III
2ea)のエステルアミドの少なくとも1種;または
(kkk)式(III
4ea)のエステルアミド、式(III
3ea)のエステルアミド、および式(III
2ea)のエステルアミドの少なくとも1つ、ならびに式(III
4da)のジアミド、式(III
3da)のジアミド、および式(III
2da)のジアミドの少なくとも1種;または
(kv)(k)と(kk)および/または(kkk)との組み合わせ
を含み、
これらの中で、
− (III
4de)は、R
1−OOC−(CH
2)
4−COO−R
2であり、
− (III
3de)は、R
1−OOC−(CH
2)
3−COO−R
2であり、
− (III
2de)は、R
1−OOC−(CH
2)
2−COO−R
2であり、
− (III
4ea)は、R
1−OOC−(CH
2)
4−CO−NR
3R
4であり、
− (III
3ea)は、R
1−OOC−(CH
2)
3−CO−NR
3R
4であり、
− (III
2ea)は、R
1−OOC−(CH
2)
2−CO−NR
3R
4であり、
− (III
4da)は、R
5R
6N−OC−(CH
2)
4−CO−NR
5R
6であり、
− (III
3da)は、R
5R
6N−OC−(CH
2)
3−CO−NR
5R
6であり、
− (III
2da)は、R
5R
6N−OC−(CH
2)
2−CO−NR
5R
6であり、
これらの式の中で、R
1およびR
2は、互いに等しいかまたは異なり、独立して、C
1〜C
20アルキル、C
1〜C
20アリール、C
1〜C
20アルキアリール、C
1〜C
20アリールアルキル基であり;
− R
3、R
4、R
5およびR
6は、互いにおよび各存在において等しいかまたは異なり、C
1〜C
20アルキル、C
1〜C
20アリール、C
1〜C
20アルキアリール、C
1〜C
20アリールアルキル基(すべての前記基は、1つ以上の置換基を含む可能性があり、1つ以上のヘテロ原子を有する可能性がある)から、ならびに(1)R
3およびR
4またはR
5およびR
6と(2)それらが結合している窒素原子とを両方とも含む環状部分(前記環状部分は、1つ以上のヘテロ原子、例えば酸素原子または追加の窒素原子を含む可能性がある)からなる群から選択される。
【0056】
上述の式(III
4de)、(III
3de)、(III
2de)、(III
4ea)、(III
3ea)、および(III
2ea)、(III
4da)、(III
3da)、および(III
2da)において、R
1およびR
2は好ましくはメチル基であり、一方、R
3、R
4、R
5およびR
6は、互いに等しいかまたは異なり、好ましくは、メチル、エチル、ヒドロキシエチルからなる群から選択される。
【0057】
この実施形態のある種の好ましい変形形態によれば、溶媒(S)は、場合によりDMSOに加えて:
(I)アジピン酸ジメチル(r=4)と、グルタル酸ジメチル(r=3)と、コハク酸ジメチル(r=2)とから本質的になるジエステル混合物;または
(II)H
3COOC−(CH
2)
4−CO−N(CH
3)
2と、H
3COOC−(CH
2)
3−CO−N(CH
3)
2と、H
3COOC−(CH
2)
2−CO−N(CH
3)
2とから本質的になるエステルアミド混合物;または
(III)アジピン酸ジエチル(r=4)と、グルタル酸ジエチル(r=3)とコハク酸ジエチル(r=2)とのジステル混合物;または
(Iv)H
5C
2OOC−(CH
2)
4−CO−N(CH
3)
2と、H
5C
2OOC−(CH
2)
3−CO−N(CH
3)
2と、H
5C
2OOC−(CH
2)
2−CO−N(CH
3)
2とから本質的になるエステルアミド混合物;または
(v)アジピン酸ジイソブチル(r=4)と、グルタル酸ジイソブチル(r=3)と、コハク酸ジイソブチル(r=2)との混合物;または
(vI)H
9C
4OOC−(CH
2)
4−CO−N(CH
3)
2と、H
9C
4OOC−(CH
2)
3−CO−N(CH
3)
2と、H
9C
4OOC−(CH
2)
2−CO−N(CH
3)
2とから本質的になるエステルアミド混合物;または
(vII)それらの混合物
を含むことができる。
【0058】
セクション(I)で上に列挙された変形形態の例示的な実施形態は、
− 9〜17重量%のアジピン酸ジメチルと;
− 59〜67重量%のグルタル酸ジメチルと;
− 20〜28重量%のコハク酸ジメチルと;
から本質的になるジエステル混合物である。
【0059】
Aが直鎖である有用なジエステルを主成分とする混合物の例は、Solvayによって市販されている、RHODIASOLV(登録商標)RPDE溶媒である。
【0060】
RHODIASOLV(登録商標)RPDE溶媒は、グルタル酸ジメチルとコハク酸ジメチルとを本質的に含む(70重量%超)ジエステルの混合物である。
【0061】
ある別の実施形態によれば、溶媒(S)は、ジメチルスルホキシド(DMSO)と式(I
de)のジエステルおよび式(I
ea)のエステル−アミドからなる群から選択される少なくとも1種の溶媒とを含む。
【0062】
式(I
de)および(I
ea)の溶媒とDMSOとの間の重量比は、これらの実施形態では、好ましくは1/99〜99/1、好ましくは20/80〜80/20、より好ましくは70/30〜30/70である。当業者は、本発明の組成物における溶媒(S)の特性を適切に調整するために適切な重量比を選択するであろう。
【0063】
溶液(SP)中の溶媒(S)の全体濃度は、溶液の総重量を基準として、少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも30重量%であるべきである。典型的には、溶液中の溶媒(S)の濃度は、溶液(SP)の総重量を基準として、70重量%を超えず、好ましくは、これは65重量%を超えず、より好ましくは、これは60重量%を超えない。
【0064】
混合物(PHA)
組成物は、1〜6個の炭素原子を有する(ポリ)ヒドロキシル脂肪族アルコールまたはその誘導体の少なくとも1種の混合物[混合物(PHA)]を含み、前記混合物(PHA)は、少なくとも1種のエチレングリコール化合物[化合物(EthyGly)]と少なくとも1種のグリセロール化合物[化合物(Gly)]とを含む。
【0065】
「エチレングリコール化合物」または化合物(EthyGly)という表現は、エチレングリコール並びにその二量体および三量体だけでなく、エチレングリコール化合物が少なくとも1つのフリーのヒドロキシル基を有する限り、モノエーテルおよびモノエステル誘導体も包含することが意図されている。
【0066】
「グリセロール化合物」または化合物(Gly)という表現は、グリセロールおよびその二量体だけでなく、グリセロール化合物が少なくとも1つのフリーのヒドロキシル基を有する限り、モノエーテル、ジエーテル、モノエステル、およびジエステル誘導体も包含することが意図されている。
【0067】
好ましい化合物(EthyGly)は、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、脂肪族モノエーテル、およびモノエステル、特にはメチル、エチル、またはブチルモノエーテル、およびアセチルモノエステルからなる群から選択される。エチレングリコールは、その性能/入手し易さ/コストのバランスの観点から、依然として最適な化合物である。
【0068】
好ましい化合物(Gly)は
、
グリセロール、
その脂肪族モノ−およびジ−エステル、特にはモノアセチルグリセロール、ジアセチルグリセロール;
その脂肪族モノ−およびジ−エーテル、特にはメチル、エチル、またはブチルモノ−エーテルまたはジ−エーテル(特にはモノ−ter−ブチルグリセロール、ジ−ter−ブチルグリセロール等);
グリセロールカーボネート;
脂肪族アルデヒド(ブタナール、ペンタナール、ヘキサナール、オクタナール、およびデカナールのグリセロールアセタール等)由来のグリセロールアセタール
からなる群から選択され;グリセロールは、その性能/入手し易さ/コストのバランスの観点から、依然として最適な化合物である。
【0069】
出願人は、混合物(PHA)の添加が、最適な膜の形態を得るために特に有益であることを見出した。この理論に拘束されるものではないが、溶液(SP)へのある量の混合物(PHA)の添加は、分離/凝固の速度を増大させ、その結果より有利な膜の形態が得られると通常理解される。
【0070】
溶液(SP)中の混合物(PHA)の全体濃度は、溶液の総重量を基準として、少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも2重量%であるべきである。典型的には、溶液中のポリマー(PSI)の濃度は、溶液(SP)の総重量を基準として20重量%を超えず、好ましくは、これは15重量%を超えず、より好ましくは、これは14重量%を超えない。
【0071】
化合物(EthyGly)と化合物(Gly)との重量比は、通常、10:90〜90:10、好ましくは20:80〜80:20、より好ましくは30:70〜70:30に含まれる。
【0072】
溶液(SP)
溶液(SP)は、細孔形成剤、造核剤、充填材等の、追加の成分を含有していてもよい。
【0073】
通常、特に溶液(SP)が中空繊維膜の製造用である場合には、細孔形成剤[形成剤(A)]が使用されるであろう。
【0074】
好適な細孔形成剤は、特には、少なくとも200の分子量を有するポリビニルピロリドン(PVP)およびポリエチレングリコール(PEG)である。
【0075】
細孔形成剤が溶液(SP)に添加される場合、これは典型的には0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜40重量%の範囲の量で存在する。
【0076】
PEG細孔形成剤が使用される場合、それらの量は、通常、溶液(SP)の総重量に対して30〜40重量%であり;PVP細孔形成剤が使用される場合、その量は、通常、溶液(SP)の総重量に対して2〜10重量%である。
【0077】
形成剤(A)が上で詳述したポリエチレングリコール(PEG)である溶液(SP)で特に良好な結果が得られた。
【0078】
方法
上で説明したように、本発明は更に、
(i)上述したポリアリールエーテルスルホンポリマー溶液[溶液(SP)]を調製する工程と;
(ii)前記溶液(SP)を処理してフィルムにする工程と;
(iii)前記フィルムを非溶媒浴に接触させる工程と;
を含む、ポリアリールエーテルスルホンポリマー膜の製造方法に関する。
【0079】
溶液(SP)は、任意の従来の方法によって工程(i)で調製することができる。例えば、溶媒(S)がポリマー(PSI)に添加され、引き続き混合物(PHA)および場合によっては形成剤(A)が添加されてもよく、または好ましくは、ポリマー(PSI)は、溶媒(S)と接触する前に形成剤(A)および混合物(PHA)と混合されてもよい。成分を混ぜ合わせる接触の順序に関連した特異的な効果は存在しないであろう。
【0080】
工程(i)は、通常、有利には少なくとも25℃、好ましくは少なくとも30℃、より好ましくは少なくとも40℃、さらにより好ましくは少なくとも45℃の温度で行われる。工程(i)は、通常、有利には180℃未満、好ましくは170℃未満、より好ましくは160℃未満、さらにより好ましくは150℃未満の温度で行われる。当然溶液(SP)の調製工程(i)のためにより高い温度を用いることもできるものの、それらは実用的なおよび/または経済的な観点から好ましくない。
【0081】
溶液(SP)を得るのに必要な混合時間は、成分の溶解の速度、温度、混合装置の効率、調製中の溶液(SP)の粘度等に依存して大幅に変わり得る。
【0082】
任意の好適な混合装置が用いられ得る。好ましくは、混合装置は、最終的な膜に欠陥を生じさせ得る溶液(SP)中に閉じ込められた空気の量を減らすように選択される。ポリマー(P)と溶媒(S)と混合物(PHA)との混合は、好都合には、任意選択的に不活性雰囲気下に保持された密閉容器中で実施されてもよい。不活性雰囲気、より正確には窒素雰囲気が、溶液(SP)の調製のために特に有利であることが分かった。
【0083】
通常、本発明の方法の工程(ii)中の溶液の温度での溶液(SP)へのポリマー(PSI)の溶解度は、溶液(SP)の総重量に対して、10重量%を超える、好ましくは12重量%を超える、さらに好ましくは15重量%を超えるべきである。
【0084】
用語「溶解度」は、所定の温度で溶解して系の中にいかなる相分離も存在させることなく透明な均一溶液を与える、溶液の重量当たりのポリマーの重量の観点から測定される、ポリマーの最大量として本明細書では定義される。
【0085】
このため、工程(ii)は、室温を超える温度で行われてもよい。均一な透明溶液(SP)が調製されるとすぐに、溶液(SP)はフィルムへと処理される。
【0086】
用語「フィルム」は、本明細書では溶液(SP)の処理後に得られる溶液(SP)の層を意味するために用いられる。膜の最終形態に応じて、フィルムは、平らな膜を製造すべき場合には平らであってもよく、あるいは管状または中空繊維膜を得るべき場合には管状の形状であってもよい。
【0087】
処理工程(ii)中の温度は、調製工程(i)中の温度と同じであっても同じでなくてもよい。処理工程(ii)中の溶液(SP)の温度は、典型的には180℃を超えず、好ましくは、これは170℃を超えず、より好ましくは、これは160℃を超えず、さらにより好ましくは、これは150℃を超えない。
【0088】
溶液(SP)の処理工程(ii)の際に、処理温度についての下方境界は、溶液(SP)が十分な溶解性および粘度特性を維持したままである限り、決定的に重要であるわけではない。周囲温度をとりわけ用いることができる。
【0089】
しかし、実用的な観点からは、処理工程(ii)中の溶液(SP)の温度は、通常は30℃〜70℃、好ましくは30℃〜50℃に含まれる。
【0090】
処理工程(ii)の温度での溶液(SP)の粘度は典型的には少なくとも1Pa.sである。前記条件における溶液(SP)の粘度は典型的には100Pa.sを超えない。この粘度ウィンドウは、特には溶液(SP)の中のポリマー(PSI)、混合物(PHA)、形成剤(A)、および溶媒(S)の相対的な比率を調整することで、及び上述した温度の追加的な調整により、適合させることができる。
【0091】
溶液(SP)をフィルムへと処理するために、キャスティングおよび湿式紡糸法などの従来の手法を使用することができる。
【0092】
製造される膜の最終形態に応じて、様々なキャスティング手法を使用することができる。最終製品が平らな膜である場合、ポリマー溶液は、キャスティングナイフまたはドローダウンバーを用いて、平らな支持体、典型的にはプレート、ベルト、または布上にフィルムとして、または別の微孔質支持膜としてキャストされる。
【0093】
したがって、その第1実施形態においては、本発明の方法は、溶液(SP)を支持体上にキャストして平らなフィルムにする工程(ii)を含む。
【0094】
中空繊維およびキャピラリー膜は、いわゆる湿式紡糸法によって得ることができる。そのような方法において、溶液(SP)は、通常、紡糸口金、すなわち、少なくとも2つの同心キャピラリー(溶液(SP)の通過のための第1の外側キャピラリー、および一般に「ルーメン」と言われる、支持流体の通過のための第2の内側キャピラリー)を含む環状ノズルを通してポンプ送液される。ルーメンは、溶液(SP)のキャスティングのための支持体として働き、中空繊維またはキャピラリー前駆体の穴を開いた状態に維持する。ルーメンは、繊維の紡糸の条件で気体、または好ましくは液体であってもよい。ルーメンおよびその温度の選択は、それらが膜における細孔のサイズおよび分布に著しい影響を及ぼし得るため、最終的な膜に必要とされる特性に依存する。通常、ルーメンは、ポリマー(PSI)についての強い非溶媒ではないか、あるいは、ポリマー(PSI)についての溶媒または弱い溶媒を含有する。ルーメンは、典型的には、ポリマー(PSI)についての非溶媒および溶媒(S)と混和性である。ルーメンの温度は、通常、溶液(SP)の温度に近似している。
【0095】
紡糸口金の出口で、空気中でのまたは制御された雰囲気中での短い滞留時間後に、中空繊維またはキャピラリー前駆体は非溶媒と接触し、より具体的にはこれは通常は非溶媒浴中に浸漬され、この中でポリマーは析出して中空繊維またはキャピラリー膜を形成する。
【0096】
したがって、その第2実施形態では、本発明の方法は、ポリマー溶液を支持流体周りにキャストして管状フィルムにする工程(ii)を含む。ポリマー溶液のキャスティングは、典型的には紡糸口金を通して行われる。支持流体は、最終的な中空繊維膜またはキャピラリー膜の穴を形成する。支持流体が液体である場合、非溶媒浴中への繊維前駆体の浸漬は、有利なことには繊維の内部から支持流体を除去することにもなる。
【0097】
この実施形態によれば、支持流体は、通常は、ポリマー(PSI)についての非溶媒から、より具体的には水および脂肪族アルコールから、好ましくは例えば1〜6個の炭素原子などの短い鎖を有する脂肪族アルコールから、より好ましくはメタノール、エタノール、およびイソプロパノール、並びにこれらを含む混合物から選択される。
【0098】
前記好ましい非溶媒のブレンド物、すなわち水および1種以上の脂肪族アルコールを含むブレンド物を使用することができる。
【0099】
好ましくは、支持流体は、
− 水、
− 上に定義されたような脂肪族アルコール、およびそれらの混合物、
からなる群から選択される。
【0100】
最も好ましくは、支持流体は水である。
【0101】
管状膜は、それらのより大きい直径のために、中空繊維膜の製造のために用いられる方法とは異なる方法を用いて製造される。
【0102】
その第3実施形態では、本発明の方法は、ポリマー溶液を支持管状材上にキャストして管状フィルムにする工程(ii)を含む。
【0103】
上で詳述したいずれかの形態の膜を得るための溶液(SP)の処理が完了した後、前記フィルムは、工程(iii)で非溶媒と接触させられる。この工程は、通常、溶液(SP)からのポリマー(P)の析出を誘導するために有効である。析出したポリマー(PSI)は、その結果最終的な膜構造を有利に形成する。
【0104】
本明細書における用語「非溶媒」は、溶液または混合物の所定の成分を溶解させることができない物質を意味すると解釈される。
【0105】
ポリマー(PSI)のための好適な非溶媒は、水および脂肪族アルコール、好ましくは例えば1〜6個の炭素原子などの短い鎖を有する脂肪族アルコール、より好ましくはメタノール、エタノールおよびイソプロパノールである。前記好ましい非溶媒のブレンド物、すなわち水および1種以上の脂肪族アルコールを含むブレンド物を使用することができる。好ましくは、非溶媒浴の非溶媒は、
− 水、
− 上に定義されたような脂肪族アルコール、およびそれらの混合物
からなる群から選択される。さらに加えて、非溶媒浴は、非溶媒に加えて(例えば上で詳述した、水、脂肪族アルコール、または水と脂肪族アルコールとの混合物に加えて)少量(非溶媒浴の総重量に対して、典型的には最大40重量%、通常25〜40重量%)のポリマー(PSI)のための溶媒を含んでいてもよい。溶媒/非溶媒混合物の使用は、有利なことには、膜の空隙率を制御することを可能にする。非溶媒は、通常、溶液(SP)の調製のために使用される溶媒(S)と混和性のものの中から選択される。好ましくは、本発明の方法における非溶媒は水である。水は最も安価な非溶媒であり、これは大量に使用することができる。溶媒(S)は、有利には水に混和性かつ可溶性であるように選択され、これは本発明の方法の追加の利点である。
【0106】
析出浴中の非溶媒は、通常、少なくとも0℃の、好ましくは少なくとも15℃の、より好ましくは少なくとも20℃の温度に保持される。析出浴中の非溶媒は通常、90℃未満の、好ましくは70℃未満の、より好ましくは60℃未満の温度に保持される。
【0107】
キャストフィルムと非溶媒浴との間の温度勾配は、それが溶液(SP)からのポリマー(PSI)の析出の速度に影響を及ぼすため、最終的な膜における細孔径および/または細孔分布に影響を及ぼし得る。析出が急速である場合には、非溶媒と接触するキャストフィルムの表面上にスキンが一般に生じ、それは典型的には、ポリマー溶液の大部分で非溶媒の拡散を減速させ、非対称構造の膜をもたらす。析出が遅い場合には、非溶媒との接触時に形成される溶媒を豊富に含む液相の細孔形成液滴は、通常、ポリマー溶液が流体のままである一方で、凝集する傾向がある。結果として膜は、より均一な、対称的な構造を有するだろう。非溶媒浴の適切な温度は、日常的な実験で各具体的な場合について決定することができる。
【0108】
細孔形成剤は、通常、工程(iii)における非溶媒浴中で膜から完全にとはいかないまでも、少なくとも部分的に除去される。
【0109】
析出浴から取り出されるとすぐに、膜はさらなる処理、例えばすすぎを受けてもよい。最後の工程として、膜は典型的には乾燥させられる。
【0110】
本発明は更に、上述した方法によって得られる膜に関する。
【0111】
そのため、本発明のまた別の目的は、上で詳述したポリマー(PSI)を含む微細孔膜であり、前記膜は、20〜90%の重量空隙率(εm)を有し、かつ細孔を含み、前記細孔の少なくとも90体積%が5μm未満の平均孔径を有する。
【0112】
用語「膜」は、その通常の意味で本明細書では用いられる。すなわち、これは、これと接触する化学種の浸透を緩和する、個別の、通常は薄い界面を意味する。この界面は、分子的に均一である。すなわち、構造が完全に均一(稠密な膜)であってもよいし、またはこれは、例えば有限寸法のボイド、穴もしくは細孔を含み、化学的にもしくは物理的に不均一であってもよい(多孔質膜)。
【0113】
本発明の方法に従って製造される膜は多孔質膜であり、これは、通常、これらの平均孔径と空隙率(すなわち多孔質である膜全体の割合)によって特徴付けられる。
【0114】
その厚さ全体にわたって一様な構造を有する膜は、一般に対称膜として知られており;厚さ全体にわたって均一に分布していない細孔を有する膜は、一般に非対称膜として知られている。非対称膜は、薄い選択的な層(厚さ0.1〜1μm)と、支持体として働き、そして膜の分離特性にほとんど影響を及ぼさない高多孔質の厚い層(厚さ100〜200μm)とで特徴付けられる。
【0115】
膜は、平らなシートの形態であっても管状の形態であってもよい。管状の膜は、3mmよりも大きい直径を有する管状膜;0.5mm〜3mmに含まれる直径を有するキャピラリー膜;および0.5mm未満の直径を有する中空繊維;におけるそれらの寸法に基づいて分類される。多くの場合、キャピラリー膜は中空繊維とも呼ばれる。
【0116】
大きい表面積のコンパクトなモジュールが必要とされる用途では中空繊維が特に有利であるのに対して、大きい流束が必要とされる場合には平らなシート膜が一般に好ましい。
【0117】
膜は、その用途に応じて、機械的抵抗性を向上させるために支持されてもよい。支持体材料は、膜の選択性に対して最小限の影響を有するように選択される。
【0118】
典型的には、本発明の膜は非対称構造を有する。
【0119】
膜の重量空隙率は、20〜90%、好ましくは30〜80%の範囲であってもよい。
【0120】
説明したように、細孔(「ボイド」とも呼ばれる)の平均径は、微細孔膜の割断表面からSEM写真を撮影することで測定することができる。割断部は、膜を通る流れの意図される方向と平行な方向に微細孔膜を液体窒素中で折ることで得られ;前記条件での割断は、形状および形態の保存を確実にし、延性変形を回避するために有効である。
【0121】
適切な倍率/解像度で撮影されたSEM写真の手動若しくは自動の分析によって、細孔の平均径に関するデータを得ることができる。
【0122】
「平均径」という表現は、球形については実際の幾何直径が平均径とみなされる一方で、非球形の細孔断面については、平均径は最も長い軸とこれに垂直な最も短い軸との間の平均とみなして計算されることを示すことが意図されている。
【0123】
細孔は、少なくとも0.001μm、少なくとも0.005μm、少なくとも0.01μmの平均径を有し得る。細孔は、最大5μm、好ましくは最大4μm、更に好ましくは最大3μmの平均径を有していてもよい。
【0124】
本発明の微細孔膜は、1barの圧力および23℃の温度で、通常少なくとも300、少なくとも400、より好ましくは少なくとも500/l(h×m
2)の水の流束の透過率を有する。
【0125】
参照により本明細書に組み込まれる特許、特許出願、および刊行物のいずれかの開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合は、本記載が優先するものとする。
【0126】
本発明を、これから以下の実施例に関連してより詳細に記載するが、その目的は例示にすぎず、本発明の範囲を限定することは意図していない。
【0127】
原材料
PSIは、顆粒または「ソフトペレット」の形態で入手可能な、94000〜99000のMwおよび1.7〜1.8の多分散指数を有する次の分子式:
のポリスルホンイソソルビドポリマーであり;ドープ溶液の調製のために使用する前に、PSIは水分を除去するために50℃で2時間オーブンの中で乾燥される。
【0128】
Solvay Specialty Polymersにより製造されたVERADEL(登録商標)3000Pポリエーテルスルホン(PESU)。
【0129】
Solvay Specialty Polymersにより製造されたUDEL(登録商標)3500Pポリスルホン(PSU)。
【0130】
PEG 200は、Sigma−Aldrichから購入したポリエチレングリコールM
w200である。
【0131】
PEG 6000は、Sigma−Aldrichから購入したポリエチレングリコールM
w6000である。
【0132】
PVP K10は、Sigma−Aldrichから購入したポリビニルピロリドンM
w10000である。
【0133】
PVP K90は、Sigma−Aldrichから購入したポリビニルピロリドンM
w360000である。
【0134】
エチレングリコール(EthyGly)はSigma−Aldrichから購入する。
【0135】
グリセロール(Gly)はSigma−Aldrichから購入する。
【0136】
膜製造のためのスルホンポリマーの溶液を製造するための基本手順。
表1に列挙されている成分を含有する溶液(SP)は、次の手順に従って調製した。
【0137】
PSIポリマー、多価アルコール、および細孔形成剤を、最初に2lのガラス瓶に入れ、次いで溶媒を室温で添加した。
【0138】
その後、瓶を加熱オイルバスの中に入れ、溶解を促進させるためにIKAヘッドスターラーモデルRW20Digitalを使用して化合物を混合した。様々な成分を最適に分散させるために、最初に非常に速い速度(2000rpm)を使用した。その後、完全に溶解させるために、低い速度(200〜300rpm)で2時間維持した。最後に、気泡を取り除くために、少なくとも12時間瓶を紡糸工程の温度(試験に応じて30℃または80℃)に置いたままにした。
【0139】
成分は次の表1に列挙されている。
【0140】
【0141】
溶液(SP)の粘度の決定
粘度の値を測定する目的で、同心円筒構成(Couette)のRheometric Scientificの「RFS III」レオゴニオメーターを使用して、回転定常状態のせん断測定を行った。流動曲線は、得られる最も低いせん断速度(0.02s
−1)から、装置が到達可能な最大トルクによって規定される最も高い速度まで掃引することで得た。全ての検討した事例において、極めて大きいニュートン範囲が観察された。次の表2中にまとめられている粘度の値は、30℃での流動曲線のニュートン流動の平坦部(Newtonian plateau)を表す。
【0142】
【0143】
中空繊維膜製造の基本手順
図1は、中空繊維膜製造のために使用される中空繊維紡糸機の簡略化されたスキームであり、この中で、1は供給ポンプを備えたドープ溶液槽であり、2は同様に注入ポンプを備えたボア流体槽であり、3は紡糸口金または環状ダイであり、4は生じた中空繊維であり、5はエアギャップであり、6は凝固浴であり、7はそのようにして得た中空繊維である。
【0144】
図2は、繊維押出流れと平行な面を通る紡糸口金(環状ダイ)の概略的な切断部であり、この中で、1はボア流体ダイであり、2はドープ溶液を供給する環状ダイである。
【0145】
図3は、繊維の押出流れに垂直な面を通る紡糸口金(環状ダイ)の概略的な切断部であり、この中で、1は押出/紡糸されたボア流体であり、2は押出/紡糸されたドープ溶液であり、3は紡糸/環状ダイの本体である。
【0146】
ポリマー中空繊維は、上で詳述した通り、ドープ溶液を環状の隙間(
図1中の紡糸口金3)から押し出すことにより形成した。環の中央で、ボア流体として1〜10ml/分の範囲の流量で供給される水を共押出することにより、中空繊維の崩壊を防いだ。回転(凝固)水浴(
図1の6)によって、相反転による凝固を生じさせることができた。装置の温度は、30℃の温度に維持するようにPIDシステムによって制御した。押出部で使用した紡糸口金の形状は、800μmの内径(ID
sp)、1600μmの外径(OD
sp)、および300μmのボア直径を有するものを使用した。
【0147】
中空繊維膜の特性評価
水の流束透過率の測定:
所定の圧力で各膜を通る水の流束(J)は、単位面積当たりおよび単位時間当たりに透過する体積と定義される。この流束は、次式:
によって計算される。V(l)は透過体積であり、A(m
2)は膜面積であり、Δt(h)は運転時間である。そのため、Jはl/(h×m
2)単位で測定される。水の流束の測定は、1barの一定窒素圧力下でクロスフロー構成を用いて室温(23℃)で行った。製造した膜から約35cm
2の総面積で中空繊維の3つの試験片を切り取り、水/グリセロールの80/20w/w溶液の中に保存した後、これらを乾燥させてからガラス製の試験ホルダーの中に入れた。繊維をルーメン−シェル(イン−アウト)構成で試験した。結果を表3にまとめる。
【0148】
【0149】
重量空隙率および孔径
膜の空隙率(εm)は、下で詳述する重量測定法に従って決定した。完全に乾燥した膜片を秤量し、イソプロピルアルコール(IPA)を24時間浸み込ませた。この時間の後に過剰の液体をティッシュペーパーで取り除き、膜の重量を再度測定した。最後に、サンプルの乾燥した状態と濡れた状態の重量から、次の式:εm(%)=
(式中、W
wは濡れた状態の膜の重量であり、W
dは乾燥した状態の膜の重量であり、ρ
wはIPAの密度(0.785g/cm
3)であり、ρ
Pはポリマーの密度(使用したポリマー(PSI)については1.37g/cm
3に相当)である)を使用して膜の空隙率を評価することができる。全ての膜の種類について、少なくとも3回の測定を行い、その後、平均値および対応する標準偏差を計算した。
【0150】
膜を通る意図される流れと平行な方向に、膜のサンプルを液体窒素の中で折り、細孔径を決定するために手作業で分析した。結果は表4に示されている。
【0151】
【0152】
破断圧力(破壊圧力)
破断圧力(破壊圧力)は、繊維が破断するまで圧力を増加させながらポロシメーターを使用して測定した。
【0153】
【0154】
機械的(引張)試験
押出した繊維に関しての全ての試験は、ASTM D3032に従って、125mmの初期長L0および125mm/分の速度で行った。
【0155】
全ての試験した繊維は、追加的な処理なしに水の中で保存した。試験の間、繊維を濡れた状態に維持した。各試験は、複数の繊維の試料について少なくとも4〜5回繰り返すことを含んでいた。
【0156】
これらの測定から、みかけ弾性率および破断ひずみを決定した。
【0157】