(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弱酸が、リン酸、メタリン酸、ヘキサメタリン酸、クエン酸、ホウ酸、亜硫酸、酢酸及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
前記カルシウム錯化剤が、ヘキサメタリン酸ナトリウム及び結合多座キレート形成リガンドからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜5の少なくとも1つに記載の方法。
前記結合多座キレート形成リガンドが、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、o−フェナントロリン、シュウ酸及びこれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
前記カルシウム錯化剤又は前記共役塩基の含有量が、前記炭酸カルシウム粒子の100重量部を基準として0.1重量部〜25.0重量部の範囲内であり、前記弱酸の含有量が、前記炭酸カルシウム粒子の100重量部を基準として0.1重量部〜30.0重量部の範囲内であり、及び/又は、前記炭酸カルシウムが5未満のアスペクト比を有し、及び/又は、前記炭酸カルシウムが球状炭酸カルシウムを含み、及び/又は、前記大粒子が少なくとも1つの熱可塑性ポリマーを含み、及び/又は、前記大粒子が少なくとも1つの吸収性ポリマーを含むことを特徴とする、請求項1〜7の少なくとも1つに記載の方法。
前記吸収性ポリマーが、25℃、0.1%ポリマー濃度で、クロロホルム中で測定して0.3dl/g〜8.0dl/gの範囲の固有粘度を呈することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
前記大粒子がポリ−D、ポリ−L、及び/又はポリ−D,L−乳酸を含み、及び/又は、前記大粒子が500g/mol〜1000000g/molの範囲の数平均分子量を有する少なくとも1つの吸収性ポリエステルを含むことを特徴とする、請求項1〜9の少なくとも1つに記載の方法。
前記大粒子が少なくとも1つのポリアミドを含み、及び/又は、前記大粒子が少なくとも1つのポリウレタンを含むことを特徴とする、請求項1〜10の少なくとも1つに記載の方法。
前記複合粉末の総重量に基づいて、前記複合粉末が、40.0重量%〜80.0重量%のPLLA及び20.0重量%〜60.0重量%の炭酸カルシウム粒子を含むことを特徴とする、請求項1〜12の少なくとも1つに記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明において、微細構造とは材料の微視的特性を指す。それらはとりわけ、分解可能な微細構造及び構造を含む。液体中並びに気体中では、後者は提供されない。ここで、個々の原子又は分子は無秩序状態にある。非晶質固体は大部分において、隣接原子の領域内に構造的短距離秩序を有するが、長距離秩序を有しない。結晶質固体は一方、短距離領域だけでなく長距離領域においても規則正しい格子構造を有する。
【0025】
本発明の範囲内において、大粒子は、基本的にさらなる制限を受けない少なくとも1つのポリマーを含む。しかし、好ましくは、それは熱可塑性ポリマー、適切にはバイオポリマー、ゴム、特に天然ゴムもしくは合成ゴム、及び/又はポリウレタンである。
【0026】
この文脈における「熱可塑性ポリマー」という用語は、特定の温度範囲内、好ましくは25℃から350℃の範囲内で(熱可塑的に)変形することができるプラスチックを指す。この操作は可逆的であり、すなわち材料のいわゆる熱分解が過熱によって開始しない限り、冷却して溶融状態に再加熱することによっていつでも繰り返すことができる。この特徴により、熱可塑性ポリマーは熱硬化性プラスチック及びエラストマーとは異なる。
【0027】
用語「バイオポリマー」は、生物起源の原料(再生可能原料)からなる、及び/又は生分解性(生物起源及び/又は生分解性ポリマー)である材料を意味する。この用語はしたがって、生分解性であるか又は生分解性ではないバイオベースのバイオポリマー、並びに、生分解性である石油ベースのポリマーを包含する。このように、従来の石油ベース材料、並びに、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリ塩化ビニル(PVC)等の生分解性ではない各プラスチックに対して限定がなされる。
【0028】
用語「ゴム」は、室温(25℃)でゴム弾性を有する高分子量の非架橋ポリマー材料を意味する。より高い温度で、又は変形力の影響下で、ゴムはますます粘性流を示し、したがって適切な条件下でその形成を可能にする。
【0029】
ゴム弾性挙動は、かなり低い温度依存性の比較的低い剪断弾性率によって特徴付けられる。それはエントロピーの変化によって引き起こされる。ゴム弾性材料を伸張することにより、より規則正しい構成を採用することを余儀なくされ、その結果、エントロピーが減少する。力を除去した後、ポリマーはそれゆえ、それらの元の位置に戻り、エントロピーは再び増加する。
【0030】
用語「ポリウレタン」(PU、DIN略語:PUR)は、ジオール又はポリオールとポリイソシアネートとの重付加反応によって形成されるプラスチック又は合成樹脂を意味する。ウレタン基はポリウレタンの特徴である。
【0031】
本発明の範囲内では、熱可塑性ポリマーを使用することが特に好ましい。特に好適なポリマーには、以下のポリマーが含まれる。すなわち、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−(ジエン)−スチレンコポリマー、アクリロニトリル−メタクリレートコポリマー、アクリロニトリル−メチルメタクリレートコポリマー、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−スチレンコポリマー、芳香族ポリエステル、アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステルコポリマー、ブタジエン−スチレンコポリマー、セルロースアセテート、セルロースアセトブチレート、セルロースアセトプロピオネート、水和セルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースニトレート、セルロースプロピオネート、セルローストリアセテート、ポリ塩化ビニル、エチレン−アクリル酸コポリマー、エチレン−アクリル酸ブチルコポリマー、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー、エチレン−アクリル酸エチルコポリマー、エチレン−メタクリレートコポリマー、エチレン−メタクリル酸コポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、エチレン−ブテンコポリマー、エチルセルロース、ポリスチレン、ポリフルオロエチレンプロピレン、メチルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレンコポリマー、メチルセルロース、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド6、ポリアミド6−3−T、ポリアミド6−テレフタル酸コポリマー、ポリアミド66、ポリアミド69、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6I、ポリアミドMXD6、ポリアミドPDA−T、ポリアミド、ポリアリールエーテル、ポリアリールエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリアリールアミド、ポリアミンビスマレイミド、ポリアリレート、ポリブテン−1、ポリブチルアクリレート、ポリベンズイミダゾール、ポリビスマレイミド、ポリオキサジアゾベンゾイミダゾール、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリエステルカーボネート、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエチレンオキシド、ポリアリールエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリイソブチレン、ポリイソシアヌレート、ポリイミドスルホン、ポリメタクリルイミド、ポリメタクリレート、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−イソプレンコポリマー、スチレン−無水マレイン酸コポリマー、スチレン−無水マレイン酸−ブタジエンコポリマー、スチレン−メチルメタクリレートコポリマー、スチレンメチルスチレンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、塩化ビニル−エチレンコポリマー、塩化ビニル−メタクリレートコポリマー、塩化ビニル−無水マレイン酸コポリマー、塩化ビニル−マレイミドコポリマー、塩化ビニル−メチルメタクリレートコポリマー、塩化ビニル−オクチルアクリレートコポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニル−塩化ビニリデンコポリマー及び塩化ビニル−塩化ビニリデン−アクリロニトリルコポリマーである。
【0032】
さらに、以下のゴムの使用も特に有利である。すなわち、天然ポリイソプレン、特にシス−1,4−ポリイソプレン(天然ゴム;NR)及びトランス−1,4−ポリイソプレン(グッタペルカ)、主として天然ゴム;ニトリルゴム(ブタジエンとアクリロニトリルとのコポリマー);ポリ(アクリロニトリル−コ−1,3−ブタジエン;NBR;いわゆるブナN−ゴム);ブタジエンゴム(ポリブタジエン;BR);アクリルゴム(ポリアクリルゴム、ACM、ABR);フッ素ゴム(FPM);スチレン−ブタジエンゴム(スチレンとブタジエンとのコポリマー;SBR);スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム(スチレン、イソプレン及びブタジエンのコポリマー;SIBR);ポリブタジエン;合成イソプレンゴム(ポリイソプレン;IR)、エチレン−プロピレンゴム(エチレンとプロピレンとのコポリマー;EPM);エチレン−プロピレン−ジエンゴム(エチレン、プロピレン及びジエン成分のターポリマー;EPDM);ブチルゴム(イソブチレンとイソプレンとのコポリマー;IIR);エチレン−酢酸ビニルゴム(エチレンと酢酸ビニルとのコポリマー;EVM);エチレン−メタクリレートゴム(エチレンとメタクリレートとのコポリマー;AEM);ポリクロロメチルオキシラン(エピクロロヒドリンポリマー;CO)、エチレンオキシド(オキシラン)−クロロメチルオキシラン(エピクロロヒドリンポリマー;ECO)、エピクロロヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテルターポリマー(GECO)、エピクロロヒドリン−アリルグリシジルエーテルコポリマー(GCO)及びプロピレンオキシド−アリルグリシジルエーテルコポリマー(GPO)等のエポキシゴム;ポリノルボルネンゴム(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(2−ノルボルネン)のポリマー;PNR);ポリアルケニレン(シクロオレフィンのポリマー);ポリマー鎖にメチル置換基を有するシリコーンゴム(MQ;例えばジメチルポリシロキサン)、ポリマー鎖にメチルビニル及びビニル置換基を有するシリコーンゴム(VMQ)、ポリマー鎖にフェニル及びメチル置換基を有するシリコーンゴム(PMQ)、ポリマー鎖にフッ素及びメチル基を有するシリコーンゴム(FMQ)、ポリマー鎖にフッ素、メチル及びビニル置換基を有するシリコーンゴム(FVMQ)等のシリコーンゴム(Q);ポリウレタンゴム;ポリスルフィドゴム;臭素ブチルゴム(BIIR)及び塩素ブチルゴム(CIIR)等のハロゲンブチルゴム;塩素ポリエチレン(CM);塩素スルホニルポリエチレン(CSM);水和ニトリルゴム(HNBR);及びポリホスファゼンである。
【0033】
特に好ましいニトリルゴムとしては、アクリロニトリル、ブタジエン及びメタクリル酸等のカルボン酸の統計的ターポリマーが挙げられる。この文脈において、ニトリルゴムは、ポリマーの総重量に基づいて、以下の主成分を含むのが好ましい。15.0重量%〜42.0重量%のアクリロニトリルポリマー;1.0重量%〜10.0重量%のカルボン酸、そして残りは大部分がブタジエンである(例えば38.0重量%〜75.0重量%)。典型的には、組成は、20.0重量%〜40.0重量%のアクリロニトリルポリマー、3.0重量%〜8.0重量%のカルボン酸であり、40.0重量%〜65.0重量%又は67.0重量%がブタジエンである。特に好ましいニトリルゴムは、アクリロニトリル、ブタジエン及びカルボン酸のターポリマーを含み、アクリロニトリルの含有量は35.0重量%未満であり、カルボン酸の含有量は10.0重量%未満であり、ブタジエンの含有量はその残りに対応する。さらにより好ましいニトリルゴムは、以下の量を含み得る:20.0重量%〜30.0重量%のアクリロニトリルポリマー、4.0重量%〜6.0重量%のカルボン酸、そして残りの大部分はブタジエンである。
【0034】
窒素含有ポリマー、特にポリアミドの使用は、本発明の範囲内で特に好ましい。ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド6、ポリアミド6−3−T、ポリアミド6−テレフタル酸コポリマー、ポリアミド66、ポリアミド69、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6I、ポリアミドMXD6及び/又はポリアミドPDA−T、特にポリアミド12が特に好ましい。
【0035】
さらに、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、特に1000kg/mol超、好ましくは2000kg/mol超、特に好ましくは3000kg/mol超、特に5000kg/mol超の平均分子量を有するものも、本発明の目的に特に有益である。平均分子量は、10000kg/mol以下であることが好ましい。特に適した超高分子量ポリエチレンの密度は0.94〜0.99g/cm
3の範囲内である。特に適した超高分子量ポリエチレンの結晶化度は、50%〜90%の範囲内である。特に適した超高分子量ポリエチレンの引張強度は、30N/mm
2〜50N/mm
2の範囲内である。特に適した超高分子量ポリエチレンの引張弾性率は、800N/mm
2〜2700N/mm
2の範囲内である。特に適した超高分子量ポリエチレンの融点範囲は135℃〜155℃の範囲内である。
【0036】
さらに、吸収性ポリマーの使用も特に好都合である。用語「再吸収/吸収」(ラテン語resorbere=「吸う」)は、生物学的システム、特に人間の体内への物質の吸収であると理解される。現在、注目されているのは、特に吸収性インプラントを製造するのに使用できるそれらの材料である。
【0037】
本発明による特に好ましい吸収性ポリマーは、乳酸、ヒドロキシ酪酸及び/又はグリコール酸、好ましくは乳酸及び/又はグリコール酸、特に乳酸の繰り返し単位を含む。ポリ乳酸が特に好ましい。
【0038】
「ポリ乳酸」(ポリラクチド)によって、乳酸単位から構成されるポリマーが理解される。前記ポリ乳酸は通常、乳酸の縮合によって調製されるが、適切な条件下でのラクチドの開環重合中にも得られる。
【0039】
本発明による特に適した吸収性ポリマーは、ポリ(グリコリド−コ−L−ラクチド)、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(L−ラクチド−コ−ε−カプロラクトン)、ポリ(L−ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(L−ラクチド−コ−D,L−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)並びにポリ(ジオキサノン)を含み、本発明によれば、乳酸ポリマー、特にポリ−D−、ポリ−L−又はポリ−D,L−乳酸、とりわけポリ−L−乳酸(PLLA)及びポリ−D,L−乳酸が特に好ましく、特にポリ−L−乳酸(PLLA)の使用が非常に有利である。
【0040】
本発明によれば、ポリ−L−乳酸(PLLA)は、好ましくは以下の構造を有し、
【化1】
式中、nは整数、好ましくは10より大きい整数である。
【0041】
ポリ−D,L−乳酸は、好ましくは以下の構造を有し、
【化2】
式中、nは整数、好ましくは10より大きい整数である。
【0042】
本発明の目的に適した乳酸ポリマーは、例えば、Evonik Nutrition&Care GmbHからResomer(登録商標)GL903、Resomer(登録商標)L206S、Resomer(登録商標)L207S、Resomer(登録商標)R208G、Resomer(登録商標)L209S、Resomer(登録商標)L210、Resomer(登録商標)L210S、Resomer(登録商標)LC703S、Resomer(登録商標)LG824S、Resomer(登録商標)LG855S、Resomer(登録商標)LG857S、Resomer(登録商標)LR704S、Resomer(登録商標)LR706S、Resomer(登録商標)LR708、Resomer(登録商標)LR927S、Resomer(登録商標)RG509S、及びResomer(登録商標)X206Sの商品名で市販されている。
【0043】
本発明の目的に特に有益な吸収性ポリマーは、好ましくは吸収性ポリエステル、好ましくは乳酸ポリマー、特に好ましくはポリ−D−、ポリ−L−又はポリ−D,L−乳酸、特にポリ−L−乳酸であり、好ましくは、狭い分布のポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィー又は末端基滴定により決定される、500g/mol超、好ましくは1000g/mol超、特に好ましくは5000g/mol超、適切には10000g/mol超、特に25000g/mol超の数平均分子量(Mn)を有する。他方、好ましい吸収性ポリマーの数平均は、1000000g/mol未満、適切には500000g/mol未満、好ましくは100000g/mol未満、特に50000g/mol未満である。500g/mol〜50000g/molの範囲内の数平均分子量が、本発明の範囲内で特に実証されている。
【0044】
好ましくは吸収性ポリエステル、好ましくは乳酸ポリマー、特に好ましくはポリ−D−、ポリ−L−又はポリ−D,L−乳酸、特にポリ−L−乳酸である、好ましい吸収性ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは狭い分布のポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーにより決定され、好ましくは750g/mol〜5000000g/mol、好ましくは750g/mol〜1000000g/mol、特に好ましくは750g/mol〜500000g/mol、特に750g/molから250000g/molの範囲であり、前記ポリマーの多分散度は、好ましくは1.5〜5の範囲である。
【0045】
好ましくは乳酸ポリマー、特に好ましくはポリ−D−、ポリ−L−又はポリ−D,L−乳酸、特にポリ−L−乳酸である、特に適した吸収性ポリマーの固有粘度は、特に25℃、0.1%のポリマー濃度のクロロホルム中で測定され、0.3dl/g〜8.0dl/g、好ましくは0.5dl/g〜7.0dl/g、特に好ましくは0.8dl/g〜2.0dl/g、特に0.8dl/g〜1.2dl/gの範囲である。
【0046】
さらに、好ましくは乳酸ポリマー、特に好ましくはポリ−D−、ポリ−L−又はポリ−D,L−乳酸、特にポリ−L−乳酸である、特に適した吸収性ポリマーの固有粘度は、30℃、0.1%ポリマー濃度のヘキサフルオロ−2−プロパノール中で測定され、1.0dl/g〜2.6dl/g、特に1.3dl/g〜2.3dl/gの範囲である。
【0047】
本発明の範囲内で、さらにポリマー、好ましくは熱可塑性ポリマー、好ましくは乳酸ポリマー、特に好ましくはポリ−D−、ポリ−L−又はポリ−D,L−乳酸、特にポリ−L−乳酸は、20℃超、好ましくは25℃超、より好ましくは30℃超、特に好ましくは35℃超、特に40℃超のガラス転移温度を有することが極めて有利である。本発明の非常に好ましい実施形態の範囲内で、ポリマーのガラス転移温度は、35℃〜70℃の範囲内、好ましくは55℃〜65℃の範囲内、特に60℃〜65℃の範囲内である。
【0048】
さらに、ポリマー、好ましくは熱可塑性ポリマー、好ましくは乳酸ポリマー、特に好ましくはポリ−D−、ポリ−L−又はポリ−D,L−乳酸、特にポリ−L−乳酸は、50℃超、好ましくは少なくとも60℃、より好ましくは150℃超、特に好ましくは130℃〜210℃の範囲内、特に175℃〜195℃の範囲内である融点を示すことが、特に適している。
【0049】
ポリマーのガラス温度及び溶融温度は、DSCと略される示差走査熱量測定によって確立されるのが好ましい。この文脈において、以下の手順が特にそれ自体で実証されている。
【0050】
Mettler−Toledo DSC 30Sで窒素下のDSC測定を行う。較正は好ましくはインジウムを用いて行われる。測定は、好ましくは乾燥無酸素窒素(流速:好ましくは40ml/分)下で行われる。試料重量は、好ましくは15mg〜20mgの間になるように選択される。試料を最初に0℃から試験すべきポリマーの溶融温度より高い温度に好ましくは加熱し、次に0℃に冷却し、そして2回目は0℃から10℃/分の加熱速度で前記温度に加熱する。
【0051】
ポリアミド、UHMWPE並びに吸収性ポリマー、とりわけポリ酪酸、ポリグリコール酸(PGA)、乳酸ポリマー(PLA)及び乳酸コポリマー等の吸収性ポリマーが、乳酸ポリマー及び乳酸コポリマー、本発明により特にそれ自体で実証された、特にポリ−L−ラクチド、ポリ−D,L−ラクチド、D,L−PLA及びPGAのコポリマーを伴う熱可塑性ポリマーとして特に好ましい。
【0052】
本発明の目的のためには、特に以下のポリマーが特に適している。
1)ポリ−L−ラクチド(PLLA)であって、好ましくは0.5dl/g〜2.5dl/gの範囲内、好ましくは0.8dl/g〜2.0dl/gの範囲内、特に0.8dl/g〜1.2dl/gの範囲(各回25℃のクロロホルム中0.1%で測定)内の固有粘度を有し、好ましくは60℃〜65℃の範囲のガラス転移温度を有し、さらに好ましくは180℃〜185℃の範囲の融点を有し、さらに好ましくはエステル末端である。
2)ポリ(D,L−ラクチド)であって、好ましくは1.0dl/g〜3.0dl/gの範囲内、好ましくは1.5dl/g〜2.5dl/gの範囲内、特に1.8dl/g〜2.2dl/gの範囲(各回25℃のクロロホルム中0.1%で測定)内の固有粘度を有し、好ましくは55℃〜60℃の範囲のガラス転移温度を有する。
ここで最良の結果は、好ましくは0.5dl/g〜2.5dl/gの範囲内、好ましくは0.8dl/g〜2.0dl/gの範囲内、特に0.8dl/g〜1.2dl/gの範囲(各回25℃でクロロホルム中0.1%で測定)内の固有粘度を有し、好ましくは60℃〜65℃の範囲のガラス転移温度を有し、さらにより好ましくは180℃〜185℃の範囲の融点を有し、さらにエステル末端が好ましい、ポリ−L−ラクチドを使用して得られる。
【0053】
本発明の範囲内において、本発明による前記複合粉末の製造に使用可能な複合粉末の小粒子は、少なくとも1つの炭酸カルシウム、特に沈降炭酸カルシウム粒子を含む。
【0054】
本発明の範囲内で、前記複合粉末の製造に使用可能な小粒子は、抑制炭酸カルシウムを含み、抑制炭酸カルシウムは、炭酸カルシウム粒子を、それぞれその総重量に関して、少なくとも0.1重量%の少なくとも1つのカルシウム錯化剤及び/又はアルカリ金属塩もしくは弱酸のカルシウム塩である少なくとも1つの共役塩基と、少なくとも0.1重量%の少なくとも1つの弱酸との混合物を含む組成物で被覆するプロセスによって入手可能である。
【0055】
この文脈において「抑制炭酸カルシウム」とは、添加剤を含まない同じポリマーと比較して、ポリマーの中の添加剤として減速し、最良の場合は、ポリマーの熱分解、特に酸触媒分解を完全に抑制する、炭酸カルシウムを意味する。
【0056】
被覆される炭酸カルシウム粒子、特に沈降炭酸カルシウム粒子の形態は、いかなるさらなる制限も受けず、具体的な用途に適合させることができる。しかし、好ましくは、偏三角面体、菱面体、針状、板状又は球体状(球状)の粒子が使用される。
【0057】
本発明の非常に特に好ましい実施形態の範囲内では、球状沈降炭酸カルシウム粒子が使用され、なぜならそれらは典型的には等方性特性プロファイルを示すからである。したがって好都合には、得られた複合粉末の粒子は、好ましい等方性の特性プロファイルによって等しく優れている。
【0058】
本発明によれば、用語「炭酸カルシウム粒子」はまた、例えば炭酸カルシウムを粉砕することによって入手可能である粒子のフラグメントを含む。フラグメント、特にボールフラグメントの小部分(fraction)は、それぞれ、好ましくは沈降炭酸カルシウムの総量に関連して、好ましくは95%未満、好ましくは75%未満、特に好ましくは50%未満、特に25%未満である。
【0059】
炭酸カルシウム、特に沈降炭酸カルシウム粒子のアスペクト比(側面比)は、好ましくは5未満、好ましくは4未満、特に好ましくは3未満、好ましくは2未満、さらにより好ましくは1.5未満、特に好ましくは1.0〜1.25の範囲、好ましくは1.1未満、特に1.05未満である。
【0060】
炭酸カルシウム、特に沈降炭酸カルシウム粒子のアスペクト比(側面比)は、この文脈において、最大粒径と最小粒径との比率を意味する。それは平均値(数平均)として電子顕微鏡像により確立されるのが好ましい。この文脈において、球状炭酸カルシウム粒子については、好ましくは、0.1μm〜40.0μmの範囲、特に0.1μm〜30.0μmの範囲の粒径を有する粒子のみが考慮される。菱面体炭酸カルシウム粒子の場合、好ましくは0.1μm〜30.0μmの範囲、特に0.1μm〜20.0μmの範囲の粒径を有する粒子のみが考慮される。他の炭酸カルシウム粒子については、好ましくは0.1μm〜2.0μmの範囲の粒径を有する粒子のみが考慮される。
【0061】
さらに、好ましくは全粒子の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%が、5未満、好ましくは4未満、特に好ましくは3未満、より好ましくは2未満、さらにより好ましくは1.5未満、非常に特に好ましくは1.0〜1.25の範囲、好ましくは1.1未満、特に1.05未満のアスペクト比(側面比)を有する。
【0062】
さらに、球状炭酸カルシウム粒子が非常に適切である。
【0063】
本発明によれば、好ましくは、球状炭酸カルシウム粒子は、好都合には主として単一部分で提供される。さらに、粒子の特性が基本的に修正されない限り、完全粒子形状、特に完全球体形状からのわずかな逸脱が許容される。このように、粒子の表面は時折の欠如又は追加の付着を含み得る。
【0064】
本発明の特に好ましい変形の範囲内で、炭酸カルシウム粒子、特に沈降炭酸カルシウム粒子は、好ましくは球形で実質的に非晶質である。この文脈における「非晶質」という用語は、原子が少なくとも部分的に規則正しい構造を形成しないが不規則パターンを形成し、したがって短距離秩序のみを有するが長距離秩序を有しない、そのような炭酸カルシウム変性物を指す。これにより、原子が短距離秩序と長距離秩序との両方を有する、方解石、バテライト及びアラゴナイト等の炭酸カルシウムの結晶変性物は、区別されなければならない。
【0065】
本発明のこの好ましい変形の範囲内で、結晶質部分の存在は、分類的に除外されない。好ましくは、結晶性炭酸カルシウムの割合は、50重量%未満、特に好ましくは30重量%未満、極めて特に好ましくは15重量%未満、しかし特に10重量%未満である。本発明の特に好ましい変形の範囲内で、結晶性炭酸カルシウムの割合は、それぞれ炭酸カルシウムの総重量に関して、8.0重量%未満、好ましくは6.0重量%未満、適切には4.0重量%未満、特に好ましくは2.0重量%未満、極めて特に好ましくは1.0重量%未満、特に0.5重量%未満である。
【0066】
非晶質及び結晶質小部分を確立するために、内部標準、好ましくは石英を用いた、リートベルト解析と組み合わせたX線回折が、特にそれ自体で実証されている。
【0067】
本発明のこの好ましい実施形態の範囲内で、好ましくは非晶質の炭酸カルシウム粒子は、好ましくは球状炭酸カルシウム粒子の表面に配置されることが好ましい少なくとも1つの物質、特に少なくとも1つの界面活性物質によって好ましく安定化される。本発明における「界面活性物質」は、好都合には、境界表面(水/炭酸カルシウム粒子)においてそれらの溶液からそれら自体を強く富化し、したがって好ましくは25℃で測定される表面張力を減少させる有機化合物を意味する。さらなる詳細については、技術文献、特にRompp−Lexikon Chemie/出版者Jurgen Falbe;Manfred Regitz、Eckard Amelingmeierによる改訂;シュツットガルト、ニューヨーク;Thieme;第2巻:Cm−G。第10版(1997);キーワード:「界面活性剤」、を参照のこと。
【0068】
好ましくは、物質、特に界面活性物質は、100g/mol超、好ましくは125g/mol超、特に150g/mol超のモル質量を有し、式R−X
nを満たす。
【0069】
残基Rは、必要に応じて、少なくとも1個、好ましくは少なくとも2個、好ましくは少なくとも4個、特に好ましくは少なくとも6個、特に少なくとも8個の炭素原子を含む残基、好ましくはさらに残基Xを含み得る脂肪族又は脂環式残基を表し、必要に応じて1つ以上のエーテルリンクを有し得る。
【0070】
残基Xは、少なくとも1個の酸素原子並びに少なくとも1個の炭素原子、硫黄原子、リン原子及び/又は窒素原子、好ましくは少なくとも1個のリン原子及び/又は少なくとも1個の炭素原子を含む基を表す。以下の基が特に好ましい。
カルボン酸基 −COOH、
カルボン酸エステル基 −COO
−、
スルホン酸基 −SO
3H、
スルホン酸エステル基 −SO
3−、
硫酸水素基 −OSO
3H、
硫酸エステル基 −OSO
3−、
ホスホン酸基 −PO
3H
2、
ホスホン酸エステル基 −PO
3H
−、−PO
32−、
アミノ基 −NR
1R
2並びに
アンモニウム基 −N
+R
1R
2R
3
特にカルボン酸基、カルボン酸エステル基、ホスホン酸基及びホスホン酸エステル基が好ましい。
【0071】
この文脈において、残基R
1、R
2及びR
3は互いに独立して水素又は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表す。残基R
1、R
2及びR
3のうちの1つはまた、残基Rであり得る。
【0072】
前述のアニオンにとって好ましい対イオンは、金属カチオン、特にアルカリ金属カチオン、好ましくはナトリウムイオン及びカリウムイオン、並びにアンモニウムイオンである。
【0073】
前述のカチオンについての好ましい対イオンは、ヒドロキシイオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン、硫酸水素イオン、硫酸イオン及びハロゲン化物イオン、特に塩化物イオン及び臭化物イオンである。
【0074】
nは、好ましくは1〜20の範囲内、好ましくは1〜10の範囲内、特に1〜5の範囲内の整数を表す。
【0075】
本発明の目的に特に適した物質は、アルキルカルボン酸、アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、好ましくは1〜4個のエチレングリコールエーテル単位を有するアルキルエーテル硫酸塩、好ましくは2〜20個のエチレングリコールエーテル単位を有する脂肪アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、場合により置換されていてもよいアルキルホスホン酸、場合により置換されていてもよいアルキルホスホネート、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、N−メチルグルカミド、アクリル酸のホモポリマー及びコポリマー並びにそれらの対応する塩形態及びブロックコポリマーを含む。
【0076】
特に有利な物質の第1群は、場合により置換されていてもよいアルキルホスホン酸、特にアミノ−トリ−(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチレン−(1,1−ジホスホン酸)、エチレンジアミン−テトラ−(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミン−テトラ−(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミン−ペンタ−(メチレンホスホン酸)、並びに、特に上記の酸の、場合により置換されていてもよいアルキルホスホネートである。前記化合物は、金属イオン及び石防止剤のための多機能隔離手段として知られている。
【0077】
さらに、アクリル酸のホモポリマー及びコポリマー、好ましくはホモポリマー、並びにそれらの対応する塩形態も、特に1000g/〜10000g/molの範囲内の重量平均分子量を有するものであることが特にそれ自体で実証されている。
【0078】
さらに、ブロックコポリマー、好ましくは二重親水性ブロックコポリマー、特にポリエチレンオキシド又はポリプロピレンオキシドの使用が特に適切である。
【0079】
好適には界面活性物質の小部分は、基本的に自由に選択され得、それぞれの用途のために特に調整され得る。しかし、粒子の炭酸カルシウム含有量に基づいて、0.1重量%〜5.0重量%の範囲内、特に0.3重量%〜1.0重量%の範囲内であることが好ましい。
【0080】
好ましくは球状、好ましくは非晶質の炭酸カルシウム粒子は、それ自体既知の方法で、例えばカルシウムカチオンを含む溶液中でのジアルキルカーボネート又はアルキレンカーボネートの加水分解により調製され得る。
【0081】
非安定化球状炭酸カルシウム粒子の調製は、例えば国際公開第2008/122358号に詳細に記載されており、その開示は、特に前記非安定化球状炭酸カルシウム粒子の調製の特に好都合な変形に関するものであり、参照により本明細書に明示的に援用される。
【0082】
ジアルキルカーボネート又はアルキレンカーボネートの加水分解は、水酸化物の存在下で有用に行われる。
【0083】
カルシウムイオンを含有する本発明の目的に好ましい物質は、ハロゲン化カルシウム、好ましくは塩化カルシウム、臭化カルシウム、特に塩化カルシウム、並びに水酸化カルシウムである。本発明の第1の特に好ましい実施形態の範囲内で、塩化カルシウムが使用される。本発明のさらに特に好ましい実施形態においては、水酸化カルシウムが使用される。
【0084】
本発明の第1の特に好ましい実施形態の範囲内で、ジアルキルカーボネートが使用される。特に適したジアルキルカーボネートは、3〜20個、好ましくは3〜9個の炭素原子、特にジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジ−イソプロピルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジ−sec−ブチルカーボネート、及びジ−tert−ブチルカーボネートを含み、ジメチルカーボネートがこの文脈において非常に好ましい。
【0085】
本発明の別の特に好ましい態様においては、アルキレンカーボネートを反応させる。特に好都合なアルキレンカーボネートは、3〜20個、好ましくは3〜9個、特に好ましくは3〜6個の炭素原子を含み、特に3〜8個、好ましくは4〜6個、特に5個の、好ましくは2個の酸素原子、そうでなければ炭素原子を有する環を含むそれらの化合物を含む。プロピレンカーボネート(4−メチル−1,3−ジオキソラン)は、この文脈において特にそれ自体で実証されている。
【0086】
アルカリ金属水酸化物、特に水酸化ナトリウム及び水酸化カルシウムは、特に適した水酸化物であることがわかった。本発明の第1の特に好ましい実施形態の範囲内で、水酸化ナトリウムが使用される。本発明の別の特に好ましい実施形態の範囲内で、水酸化カルシウムが使用される。
【0087】
さらに、反応混合物中のカルシウムイオン、好ましくは塩化カルシウムの、水酸化物イオン、好ましくはアルカリ金属水酸化物に対するモル比は、好ましくは0.5:1よりも大きく、特に好ましくは>0.5:1から1:1の範囲内、特に0.6:1から0.9:1の範囲内にある。
【0088】
反応混合物中のカルシウムイオン、好ましくは塩化カルシウムのジアルキルカーボネート及び/又はアルキレンカーボネートに対するモル比は、好ましくは0.9:1.5〜1.1:1の範囲内、特に好ましくは0.95:1〜1:0.95の範囲内である。本発明の特に好都合な変形の範囲内で、ジアルキルカーボネート及び/又はアルキレンカーボネート及びカルシウムイオン、特に塩化カルシウムが、等モルであるように使用される。
【0089】
本発明の第1の特に好ましい変形において、水酸化物イオン源として使用されるのは水酸化カルシウムではない。反応のための成分は以下の濃度で有利に使用される。
a)Ca
2+:>10mmol/l〜50mmol/l、好ましくは15mmol/l〜45mmol/l、特に17mmol/l〜35mmol/l
b)ジアルキルカーボネート及び/又はアルキレンカーボネート:>10mmol/l〜50mmol/l、好ましくは15mmol/l〜45mmol/l、特に17mmol/l〜35mmol/l
c)OH
−:20mmol/l〜100mmol/l、好ましくは20mmol/l〜50mmol/l、特に好ましくは25mmol/l〜45mmol/l、特に28mmol/l〜35mmol/l
【0090】
それぞれ示されている濃度は、反応混合物中の所与の成分の濃度に関連している。
【0091】
本発明のさらに特に好ましい変形の範囲内で、水酸化カルシウム好ましい石灰水、特に飽和石灰水が水酸化物イオン源として使用される。反応のための成分は以下の濃度で有利に使用される。
a)Ca(OH)
2:>5mmol/l〜25mmol/l、好ましくは7.5mmol/l〜22.5mmol/l、特に8.5mmol/l〜15.5mmol/l
b)ジアルキルカーボネート及び/又はアルキレンカーボネート:>5mmol/l〜25mmol/l、好ましくは7.5mmol/l〜22.5mmol/l、特に8.5mmol/l〜15.5mmol/l
【0092】
それぞれ示されている濃度は、反応混合物中の前記成分の濃度に関連している。
【0093】
成分の反応は、好ましくは15℃〜30℃の範囲内の温度で行われる。
【0094】
炭酸カルシウム粒子の具体的なサイズは、それ自体、既知の方法で過飽和を介して制御することができる。
【0095】
炭酸カルシウム粒子は、前述の条件下で反応混合物から沈降する。
【0096】
好ましくは非晶質の炭酸カルシウム粒子は、好都合には好ましい界面活性物質を反応混合物に添加することによって安定化される。
【0097】
物質の前記添加は、炭酸カルシウム粒子を形成するための反応の開始前に、すなわち反応物の添加前に行われるべきではなく、反応物を混合した後の好ましくは1分以降に、好ましくは2分以降に、適切には3分以降に、特に好ましくは4分以降に、特に5分以降に行われるべきである。さらに添加時点は、沈降の終了直前に、かつ、好ましくは非晶質炭酸カルシウムの結晶変性物への変換の開始直前に、好ましくは界面活性物質が添加されるように選択されるべきであり、このようにして「安定化球状非晶質炭酸カルシウム粒子」の収率及び純度を最大にすることができる。好ましくは界面活性物質を先に添加すると、通常、所望の安定化球状非晶質炭酸カルシウム粒子とは別に、副生成物として超微細非晶質炭酸カルシウム粒子を含む二峰性生成物が得られる。好ましくは界面活性物質を後で添加する場合、所望の「安定化炭酸カルシウム粒子」の結晶変性物への変換はすでに開始されている。
【0098】
この理由のために、界面活性物質は、好ましくは11.5以下、より好ましくは11.3以下、特に11.0以下のpH値で添加される。それぞれ反応温度、好ましくは25℃で測定されるときの、11.5〜10.0の範囲、好ましくは11.3〜10.5の範囲、特に11.0〜10.8の範囲のpH値での添加が特に好ましい。
【0099】
得られた、安定化された、好ましくは球状非晶質炭酸カルシウム粒子は、それ自体既知の方法で、例えば遠心分離によって脱水して乾燥することができる。アセトンでの洗浄及び/又は真空乾燥キャビネット内での乾燥はもはや絶対に必要ではない。
【0100】
乾燥することによって、「低い構造含水量を有する炭酸カルシウム粒子」が「安定化炭酸カルシウム粒子」から入手可能である。
【0101】
本発明の目的のために、得られた炭酸カルシウム粒子は、それらが所望の残留含水量を有するように乾燥させるのが好ましい。このために、炭酸カルシウム粒子を最初に好ましくは150℃までの温度で予備乾燥し、そして次に炭酸カルシウム粒子を好ましくは150℃を超え250℃までの範囲の温度、好ましくは170℃〜230℃の範囲、特に好ましくは180℃〜220℃の範囲、特に190℃〜210℃の範囲で乾燥する手順が特に有効であると実証されている。乾燥は好ましくは循環空気乾燥キャビネット内で行われる。したがって、炭酸カルシウム粒子は少なくとも3時間、特に好ましくは少なくとも6時間、特に少なくとも20時間、乾燥するのが好都合である。
【0102】
本発明の別の特に好ましい変形の範囲内で、好ましくは、沈降炭酸カルシウム粒子は実質的に結晶質、特に実質的に方解石質である。本発明のこの好ましい変形の範囲内で、他の、特に非晶質部分の存在は、分類的に排除されない。好ましくは、他の非結晶性炭酸カルシウム変性物の割合は、50重量%未満、特に好ましくは30重量%未満、特に好ましくは15重量%未満、しかし特に10重量%未満である。さらに、非方解石質炭酸カルシウム変性物の割合は、好ましくは50重量%未満、特に好ましくは30重量%未満、特に好ましくは15重量%未満、特に10重量%未満である。
【0103】
非晶質及び結晶質小部分を確立するために、リートベルト解析と組み合わせた内部標準、好ましくは酸化アルミニウムを用いたX線回折は、それ自体で特に実証されている。
【0104】
小粒子の平均粒径は、0.01μm〜1.0mmの範囲内、好ましくは0.05μm〜50.0μmの範囲内、特に2.5μm〜30.0μmの範囲内である。
【0105】
本発明の特に好ましい実施形態の範囲内で、小粒子の平均粒径は、3.0μm超、好ましくは4.0μm超、好都合には5.0μm超、好都合には6.0μm超、好ましくは7.0μm超、特に好ましくは8.0μm超、さらにより好ましくは9.0μm超、特に好ましくは10.0μm超、さらにより好ましくは11.0μm超、とりわけ12.0μm超、特に13.0μm超である。
【0106】
偏三角面体炭酸カルシウム粒子を含む小粒子について、小粒子の平均粒径は、好ましくは0.05μm〜5.0μmの範囲内、好ましくは0.05μm〜2.0μmの範囲内、好ましくは1.75μm未満、特に好ましくは1.5μm未満、特に1.2μm未満である。さらに、この場合の平均粒径は、好ましくは0.1μm超、好ましくは0.2μm超、特に0.3μm超である。
【0107】
さらに、小粒子の平均粒径が1.0μm〜5.0μmの範囲内、好ましくは4.5μm未満、特に好ましくは4.0μm未満、特に3.5μm未満である偏三角面体炭酸カルシウム粒子を含む小粒子もまた特に、それ自体で実証されている。さらに、この場合の平均粒径は、好ましくは1.5μm超、好ましくは2.0μm超、特に3.0μm超である。
【0108】
菱面体炭酸カルシウム粒子を含む小粒子について、小粒子の平均粒径は、好ましくは0.05μm〜30.0μmの範囲内、好ましくは0.05μm〜2.0μmの範囲内、好ましくは1.75μm未満、特に好ましくは1.5μm未満、特に1.2μm未満である。さらに、この場合の平均粒径は、好ましくは0.1μm超、好ましくは0.2μm超、特に0.3μm超である。
【0109】
さらに、平均粒径が好ましくは1.0μm〜30.0μmの範囲内、好ましくは1.0μm〜20.0μmの範囲内、好ましくは18.0μm未満、特に好ましくは16.0μm未満、特に14.0μm未満である菱面体炭酸カルシウム粒子を含む小粒子も、特にそれ自体で実証されている。さらにこの場合、平均粒径は、好ましくは2.5μm超、好ましくは4.0μm超、特に6.0μm超である。
【0110】
針状炭酸カルシウム粒子を含む小粒子について、小粒子の平均粒径は、好ましくは0.05μm〜2.0μmの範囲内、好ましくは1.5μm未満、特に好ましくは1.0μm未満、特に0.75μm未満である。さらに、この場合の平均粒径は、好ましくは0.1μm超、好ましくは0.2μm超、特に0.3μm超である。
【0111】
針状カルシウム塩粒子、特に針状炭酸カルシウム粒子を含む小粒子について、粒子のアスペクト比は、好ましくは2超、好ましくは5超、特に好ましくは10超、特に20超である。さらに、針の長さは、好ましくは0.1μm〜100.0μmの範囲内、好ましくは0.3μm〜85.0μmの範囲内、特に0.5μm〜70.0μmの範囲内である。
【0112】
板状炭酸カルシウム粒子を含む小粒子について、小粒子の平均粒径は、好ましくは0.05μm〜2.0μmの範囲内、好ましくは1.75μm未満、特に好ましくは1.5μm未満、特に1.2μm未満である。さらに、この場合の平均粒径は、好ましくは0.1μm超、好ましくは0.2μm超、特に0.3μm超である。
【0113】
球晶(球状)炭酸カルシウム粒子を含む小粒子について、小粒子の平均粒径は、好都合には2.5μm超、好ましくは3.0μm超、好ましくは4.0μm超、特に好ましくは5.0μm超、特に6.0μm超である。さらに、平均粒径は、好都合には30.0μm未満、好ましくは20.0μm未満、好ましくは18.0μm未満、特に好ましくは16.0μm未満、特に14.0μm未満である。
【0114】
本発明の範囲内で、好都合には走査電子顕微鏡像(SEM像)の評価によって小粒子の前述の平均粒径が確定され、好ましくは0.01μmの最小サイズを有する粒子のみが考慮され、数平均は、好ましくは少なくとも20個、特に好ましくは少なくとも40個の粒子にわたって形成される。さらに、沈降分析法もまた、主に針状炭酸カルシウム粒子を含む小粒子について特に実証されており、この文脈においては、Sedigraph 5100(Micromeritics GmbH)の使用が特に有利である。
【0115】
非球状炭酸カルシウム粒子を含む小粒子の場合、好ましくは球体相当粒径が注目される。
【0116】
炭酸カルシウム粒子を含む小粒子のサイズ分布は比較的狭く、好ましくはすべての小粒子の少なくとも90.0重量%が、平均粒径−50%から、好ましくは平均粒径−40%から、特に平均粒径−30%から、平均粒径+70%、好ましくは平均粒径+60%、特に平均粒径+50%までの範囲内の粒径を有するようにする。したがって、サイズ分布は、走査型トンネル顕微鏡によって確立されるのが好ましい。
【0117】
現在、最小粒子径と最大粒子径との比率として定義されている小粒子の形状因子は、好都合には全粒子の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%について、好都合には0.90超、特に好ましくは0.95超である。この文脈において、球状炭酸カルシウム粒子を含む小粒子について、0.1μm〜30.0μmの範囲内の粒径を有する粒子のみが考慮されることが好ましい。菱面体炭酸カルシウム粒子を含む小粒子について、好ましくは0.1μm〜20.0μmの範囲内の粒径を有する粒子のみが考慮される。他の炭酸カルシウム粒子を含む小粒子について、好ましくは0.1μm〜2.0μmの範囲内の粒径を有する粒子のみが考慮される。
【0118】
炭酸カルシウム粒子は、比較的低含水量であることがさらに好ましく優れている。それらは、それらの総重量に基づいて、5.0重量%以下、好ましくは2.5重量%以下、好ましくは1.0重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下、さらにより好ましくは0.4重量%未満、好都合には0.3重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、特に>0.1重量%〜<0.2重量%の範囲内である含水量(200℃での残留水分)を有するのが好都合である。
【0119】
本発明の範囲内では、カルシウム塩粒子、特に炭酸カルシウム粒子の含水量は、好ましくは熱重量測定法又は急速赤外線乾燥機、例えばSartoriusによるMA35もしくはMA45又はMettlerによるハロゲン水分解析器HB43によって確立され、測定は、好ましくは窒素下(好ましくは20ml/分の窒素流速)で、好都合には40℃以下〜250℃以上の温度範囲を介して行われる。また、昇温速度10℃/分で測定することが好ましい。
【0120】
炭酸カルシウム粒子の比表面積は、好ましくは0.1m
2/g〜100m
2/gの範囲内、特に好ましくは0.1m
2/g〜20.0m
2/gの範囲内、特に4.0m
2/g〜12.0m
2/gの範囲内である。菱面体炭酸カルシウム粒子について、本発明の特に好ましい変形の範囲内の比表面積は1.0m
2/g未満、好ましくは0.75m
2/g未満、特に0.5m
2/g未満であり、菱面体炭酸カルシウム粒子の平均粒径は、好ましくは2.5μm超、好ましくは4.0μm超、特に6.0μm超である。
【0121】
球状炭酸カルシウム粒子について、本発明の特に好ましい変形の範囲内の比表面積は3.0m
2/g未満、好ましくは2.0m
2/g未満、特に1.5m
2/g未満である。さらに、この場合の比表面積は、好ましくは0.25m
2/g超、好ましくは0.5m
2/g超、特に0.75m
2/g超である。
【0122】
この文脈において特に好ましいのは、乾燥時に比表面積が比較的一定のままであり、それぞれ初期値に関して好ましくは200%以下、好ましくは150%以下、特に100%以下で変動する炭酸カルシウム粒子である。
【0123】
炭酸カルシウム粒子の塩基度は比較的低い。EN ISO 787−9に従って測定されたそのpH値は、好ましくは11.5未満、好ましくは11.0未満、特に10.5未満である。
【0124】
好ましくは、球状炭酸カルシウム粒子は、水性水酸化カルシウム(Ca(OH)
2)懸濁液を炭化することによって調製され得る。このために、好都合には、二酸化炭素又は二酸化炭素含有ガス混合物を水酸化カルシウム懸濁液に供給する。
【0125】
以下の手順
a.水酸化カルシウム水性懸濁液を提供し、
b.工程aの懸濁液に二酸化炭素又は二酸化炭素を含むガス混合物を導入し、及び
c.形成中の炭酸カルシウム粒子を分離する、
ことが特にそれ自体で実証されており、さらに、0.3重量%〜0.7重量%、好ましくは0.4重量%〜0.6重量%、特に0.45重量%〜0.55重量%の少なくとも1つのアミノトリアルキレンホスホン酸を添加する。
【0126】
水酸化カルシウム懸濁液の濃度は、いかなる特定の制限も受けない。しかし、1gのCaO/l〜100gのCaO/lの範囲内、好ましくは10gのCaO/l〜90gのCaO/lの範囲内、特に50gのCaO/l〜80gのCaO/lの範囲内の濃度が特に適切である。
【0127】
アミノトリアルキレンホスホン酸として、好ましくはアミノトリメチレンホスホン酸、アミノトリエチレンホスホン酸、アミノトリプロピレンホスホン酸及び/又はアミノトリブチレンホスホン酸、特にアミノトリメチレンホスホン酸が添加される。
【0128】
反応の転化率は、導入された二酸化炭素の量によって制御することができる。しかし、二酸化炭素又は二酸化炭素含有ガス混合物の導入は、反応混合物が9未満、好ましくは8未満、特に7.5未満のpH値を有するまで行われるのが好ましい。
【0129】
さらに、二酸化炭素又は二酸化炭素含有ガス混合物は、0.02lのCO
2/(h
*gCa(OH)
2)〜2.0lのCO
2/(h
*gCa(OH)
2)、好ましくは0.04lのCO
2/(h
*gCa(OH)
2)〜1.0lのCO
2/(h
*gCa(OH)
2)の範囲内、特に好ましくは0.08lのCO
2/(h
*gCa(OH)
2)〜0.4lのCO
2/(h
*gCa(OH)
2)の範囲内、特に0.12lのCO
2/(h
*gCa(OH)
2)〜0.2lのCO
2/(h
*gCa(OH)
2)の範囲内のガス流量で水酸化カルシウム懸濁液に都合よく導入される。
【0130】
なお、水酸化カルシウム懸濁液と二酸化炭素又は二酸化炭素含有ガス混合物との変換は、好ましくは25℃未満、好ましくは20℃未満、特に15℃未満の温度で行われる。一方、反応温度は、好ましくは0℃超、好ましくは5℃超、特に7℃超である。
【0131】
少なくとも1つのアミノトリアルキレンホスホン酸は、好都合には反応の過程で、好ましくは反応混合物のコンダクタンスが急激に低下した後に添加される。好都合には、少なくとも1つのアミノトリアルキレンホスホン酸は、反応混合物の導電率が0.5mS/cm/分を超えて減少するとすぐに添加される。反応混合物の導電率の低下は、30秒以内に少なくとも0.25mS/cm、特に60秒以内に少なくとも0.5mS/cmに達することが好ましい。本発明の特に好ましい実施形態の範囲内で、少なくとも1つのアミノトリアルキレンホスホン酸は、塩基性炭酸カルシウム(BCC;2CaCO
3*Ca(OH)
2*nH
2O)の沈降の終わりに添加される。
【0132】
炭酸カルシウム粒子は、前述の条件下で反応混合物から沈降し、それ自体、既知の方法で分離して乾燥することができる。
【0133】
本発明の好ましい実施形態の範囲内で、インプラントにおいて本発明によって使用される複合粉末は、炭酸カルシウムとは別に、さらなるカルシウム塩、特にリン酸カルシウム、特にCa
3(PO
4)
2、CaHPO
4、Ca(H
2PO
4)
2及び/又はCa
5(PO
4)
3(OH)を含む混合物を含む。炭酸カルシウム対リン酸カルシウムの重量比は、好ましくは99:1〜1:99の範囲内、特に50:50〜99:1の範囲内である。
【0134】
好都合には、小粒子は、それぞれその総重量に対して、少なくとも0.1重量%の少なくとも1つのカルシウム錯化剤及び/又は弱酸のアルカリ金属塩もしくはカルシウム塩である少なくとも1つの共役塩基と少なくとも0.1重量%の少なくとも1つの弱酸との混合物を含有する組成物で、炭酸カルシウム粒子を被覆するプロセスによって入手可能である。
【0135】
カルシウム錯化剤及び共役塩基のアニオンは等しくあり得るが、これは絶対的な要件ではない。
【0136】
リン酸ナトリウム、すなわちリン酸のナトリウム塩、特にオルトリン酸、メタリン酸及びポリリン酸のナトリウム塩は、カルシウム錯化剤として特に有利であることが判明した。好ましいリン酸ナトリウムとしては、一級リン酸二水素ナトリウムNaH
2PO
4、二級リン酸二水素ナトリウムNa
2HPO
4及び三級リン酸三ナトリウムNa
3PO
4等のオルトリン酸ナトリウム、二リン酸四ナトリウム(ピロリン酸ナトリウム)Na
4P
2O
7、三リン酸五ナトリウム(トリポリリン酸ナトリウム)Na
5P
3O
10等のイソポリリン酸ナトリウム、並びに、溶融又は熱リン酸、Grahamの塩(およその組成Na
2O
*P
2O
5、場合によってはヘキサメタリン酸ナトリウムとも呼ばれる)、Kurrolの塩、及びMaddrellの塩等のメタリン酸ナトリウム及びポリリン酸ナトリウム等の高分子量リン酸ナトリウムが挙げられる。特に好ましくは、ヘキサメタリン酸ナトリウムが本発明によって使用される。前述のリン酸の使用は、この場合、リン酸がさらに骨構造を促進するので、インプラント用の複合粉末において特に有利である。
【0137】
さらに適したカルシウム錯化剤としては、結合多座配位キレート形成リガンド、特にエチレンジアミノ四酢酸(EDTA)、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、o−フェナントロリン、シュウ酸及びそれらの混合物が挙げられる。
【0138】
本発明の目的に特に適した弱酸は、25℃で測定して1.0超、好ましくは1.5超、特に2.0超のpKa値を有する。同時に、25℃で測定した適切な弱酸のpKa値は、好ましくは20.0未満、好ましくは10.0未満、特に好ましくは5.0未満、好都合には4.0未満、特に3.0未満である。本発明により非常に適している弱酸は、リン酸、メタリン酸、ヘキサメタリン酸、クエン酸、ホウ酸、亜硫酸、酢酸及びそれらの混合物を含む。弱酸としてはリン酸が特に好ましく用いられる。
【0139】
本発明による好ましい共役塩基としては、特に前述の弱酸のナトリウム塩又はカルシウム塩が挙げられ、ヘキサメタリン酸ナトリウムが特に好ましい。
【0140】
抑制炭酸カルシウム粒子は、それ自体既知の方法で、少なくとも1つのカルシウム錯化剤及び/又は弱酸のアルカリ金属塩もしくはカルシウム塩である少なくとも1つの共役塩基を少なくとも1つの弱酸とともに含む組成物で炭酸カルシウム粒子を被覆することによって調製できる。
【0141】
好都合には、被覆される炭酸カルシウム粒子の水性懸濁液が提供され、それは、その総重量に基づいて、有利には1.0重量%〜80.0重量%の範囲内、好ましくは5.0重量%〜50.0重量%の範囲内、特に10.0重量%〜25.0重量%の範囲内の炭酸カルシウム粒子の含有量を有する。
【0142】
炭酸カルシウム粒子の被覆は、純粋な形又は水溶液で前記物質を添加することによって行うのが有利であり、前記成分の水溶液は、炭酸カルシウム粒子のできるだけ均質な被覆を得るために本発明により特に有利であることが判明した。
【0143】
さらに、弱酸の前にカルシウム錯化剤及び/又は弱酸のアルカリ金属塩又はカルシウム塩である共役塩基を添加することが本発明の範囲内で特に好ましい。
【0144】
カルシウム錯化剤又は共役塩基は、それぞれ被覆される炭酸カルシウム粒子100重量部に関して、好ましくは0.1重量部〜25.0重量部の範囲、好ましくは0.5重量部〜10.0重量部の範囲、特に1.0重量部〜5.0重量部の範囲の量で使用される。カルシウム錯化剤又は共役塩基の量は、炭酸カルシウム粒子の表面を共役塩基のカルシウム錯化剤で完全に被覆することができるように好都合に選択される。
【0145】
弱酸は、それぞれ被覆される炭酸カルシウム粒子100重量部に関して、好ましくは0.1重量部〜30.0重量部の範囲、好ましくは0.5重量部〜15.0重量部の範囲、特に好ましくは1.0重量部〜10.0重量部の範囲、特に好ましくは約4.0重量部〜8.0重量部の範囲の量で使用される。
【0146】
このようにして入手可能な抑制炭酸カルシウム粒子は、適度な酸性環境で安定であり、この能力は、吸収又は変換されたカルシウム錯化剤又は炭酸カルシウム粒子の表面上の共役塩基及び溶液中の弱酸による緩衝作用によるものであり、カルシウム錯化剤及び/又は共役塩基を炭酸カルシウム粒子の表面に塗布すると、炭酸カルシウム粒子の表面の溶解度が低下し、したがって本発明の教示がこの理論に拘束されるのを意図することなしに炭酸カルシウム粒子が安定化される。
【0147】
前記複合粉末は、大粒子が小粒子に結合される方法によって入手可能であり、
−大粒子は、0.1μm〜10mmの範囲、好ましくは5μm〜10mmの範囲、特に好ましくは10μm〜10mmの範囲、好ましくは20μm〜10mmの範囲、有利には30μm〜2.0mm、特に60.0μm〜500.0μmの範囲の平均粒子を有し、
−小粒子の平均粒径は、好ましくは大粒子の平均粒径の1/5以下、好ましくは1/10以下、特に好ましくは1/20以下、特に1/1000以下である。
【0148】
小粒子は、大粒子の表面上に配置され、及び/又は、大粒子内に不均質に広がっている。特に吸収性ポリマー及びUHMWPEについてはしかし、小粒子が大粒子の表面上に配置され、好ましくは後者を完全に覆わない場合に、優れた結果が達成される。
【0149】
この場合の大粒子内の小粒子又はその断片の「不均質」分布は、大粒子内の小粒子又はその断片の不均質(均一)分布を意味する。好ましくは、複合粉末の粒子内に、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、好ましくは少なくとも4つ、特に少なくとも5つの小粒子又はその断片を含む少なくとも第1の領域と、第1の領域と同体積及び同形状を示すが、異なる数の小粒子を含む複合粉末の粒子内の少なくとも別の領域とがある。
【0150】
本発明の好ましい実施形態の範囲内で、粒子内部におけるポリマー、特にポリアミドの、炭酸カルシウム、特に沈降炭酸カルシウムに対する重量比は、粒子の外側領域において、ポリマー、特にポリアミドの、炭酸カルシウム、特に沈降炭酸カルシウムに対する重量比より高い。好都合には、粒子内部におけるポリマー、特にポリアミドの、炭酸カルシウム、特に沈降炭酸カルシウムに対する重量比は、50:50より高く、好ましくは60:40より高く、好ましくは70:30より高く、特に好ましくは80:20より高く、さらにより好ましくは90:10より高く、特に好ましくは95:5より高く、特に99:1より高い。さらに、粒子の外側領域において、好ましくは粒子の好ましい外側領域において、炭酸カルシウム、特に沈降炭酸カルシウムの、ポリマー、特にポリアミドに対する重量比は、50:50より高く、好ましくは60:40より高く、好ましくは70:30より高く、特に好ましくは80:20より高く、さらにより好ましくは90:10より高く、特に好ましくは95:5より高く、特に99:1より高い。
【0151】
本発明の別の好ましい実施形態の範囲内で、小粒子は大粒子の表面上に配置され、好ましくは大粒子を完全には覆わない。好都合には、大粒子の表面の少なくとも0.1%、好ましくは少なくとも5.0%、特に50.0%が、好ましくは球状炭酸カルシウム粒子で被覆されない。この効果は、好ましく形成されて流動物質、特に大粒子のポリマーの溶融物についての適切なマイクロチャネル形成をもたらす個々の炭酸カルシウム粒子間のギャップによって好ましくは強化されることが好ましい。このように、複合粉末に含まれるポリマー、好ましくは熱可塑性ポリマー、特に好ましくは吸収性ポリマー、特に乳酸ポリマーの均一かつ急速な溶融が保証されるので、前記構造は、レーザ焼結法における複合粉末の塗布に特に有益である。
【0152】
本発明の特に好ましい実施形態の範囲内で、本発明によるインプラントに使用される複合粉末は、特定の粒径分布によって特徴付けられる。一方で、まず、複合粉末の粒子は、好ましくは10μm〜200μm未満、好ましくは20μm〜200μm未満、特に好ましくは20μm〜150μm未満、好ましくは20μm〜100μm未満、特に35μm〜70μm未満の範囲の平均粒径d
50を有する。
【0153】
さらに、複合粉末の微細粒小部分は、好ましくは50.0体積%未満、好ましくは45.0体積%未満、特に好ましくは40.0体積%未満、さらにより好ましくは20.0体積%未満、好ましくは15.0体積%未満、好都合には10.0体積%未満、特に5.0体積%未満である。微細粒小部分は、本発明によれば、累積分布曲線の総量に関する二峰性又は多峰性粒径分布における最小粒子集団の小部分を意味する。単峰性(単分散)粒径分布において、本発明によれば、微細粒小部分は0.0体積%として定義される。この文脈において、非結合出発材料を含む製品中に存在するすべての粒子、特に本発明による小粒子、並びに本発明による大及び/又は小粒子の断片が考慮される。
【0154】
40μm超〜200μm未満の範囲の平均粒径d
50を有する複合粉末について、微細粒小部分は、好ましくは、20μm未満の粒径を有する製品内の粒子の小部分が好ましくは50.0体積%未満、好ましくは45.0体積%未満、特に好ましくは40.0体積%未満、さらにより好ましくは20.0体積%未満、好ましくは15.0体積%未満、好都合には10.0体積%未満、特に5.0体積%未満であるようなものであり、この文脈における「粒子」は特に、それらが前記粒径を示す場合に、本発明による複合粉末の粒子、本発明による小粒子、並びに本発明による大及び/又は小粒子の断片を含む。
【0155】
10μm〜40μmの範囲の平均粒径d
50を有する複合粉末について、微細粒小部分は好ましくは、5μm未満の粒径を有する製品内の粒子の小部分が好ましくは50.0体積%未満、好ましくは45.0体積%未満、特に好ましくは40.0体積%未満、さらにより好ましくは20.0体積%未満、好ましくは15.0体積%未満、好都合には10.0体積%未満、特に5.0体積%未満であるようなものであり、この文脈における「粒子」は特に、それらが前記粒径を示す場合に、本発明による複合粉末の粒子、本発明による小粒子、並びに本発明による大及び/又は小粒子の断片を含む。
【0156】
さらに、微細粒小部分の密度は、好ましくは2.6g/cm
3未満、好ましくは2.5g/cm
3未満、特に好ましくは2.4g/cm
3未満、特に1.2g/cm
3超〜2.4g/cm
3未満の範囲であり、前記値は、好ましくは、分離された小部分での篩分け及び濃度測定によって微細粒小部分を分離することによって決定される。
【0157】
好ましくは、複合粉末の粒子は、350μm未満、好ましくは300μm未満、好ましくは250μm未満、特に好ましくは200μm未満、特に150μm未満の粒径d
90を有する。さらに、粒径d
90は、好ましくは50μm超、好ましくは75μm超、特に100μm超である。
【0158】
適切には、d
20/d
50比は、100%未満、好ましくは75%未満、好ましくは65%未満、特に好ましくは60%未満、特に55%未満である。さらに、d
20/d
50比は、適切には10%超、好ましくは20%超、好ましくは30%超、特に好ましくは40%超、特に50%超である。
【0159】
前述の変数d
20、d
50及びd
90は、本発明の範囲内で以下のように定義される。
【0160】
d
20は、20%の粒子が所与の値未満の粒径を有し、80%の粒子が所与の値以上の粒径を有する粒径分布の粒径を意味する。
【0161】
d
50は、粒径分布の平均粒径を意味する。50%の粒子が所与の値未満の粒径を有し、50%の粒子が所与の値以上の粒径を有する。
【0162】
d
90は、90%の粒子が所与の値未満の粒径を有し、10%の粒子が所与の値以上の粒径を有する粒径分布の粒径を意味する。
【0163】
本発明のこの好ましい実施形態の粒径分布は、それ自体、既知の方法で複合粉末を分粒することによって、すなわち分散固体混合物を小部分に分離することによって得ることができる。好ましくは、粒径又は粒子密度に従って分粒が行われる。特に有利なのは、乾式篩い分け、湿式篩い分け及びエアジェット篩い分け、特にエアジェット篩い分け、並びに特に空気分離によるフロー分粒である。
【0164】
本発明の特に好ましい実施形態の範囲内で、複合粉末は、好ましくは800μm超、好ましくは500μm超、特に250μm超の粗い小部分を除去するために第1の工程で分粒される。この文脈において、好ましくは250μm〜800μmの範囲、好ましくは250μm〜500μmの範囲、特に250mmのサイズ、すなわち孔のサイズを有する粗い篩を介した乾式篩い分けが、特に試験に耐えた。
【0165】
さらなる工程において、複合粉末は、好ましくは<20μmの微細粒小部分を好ましくは除去するように分粒がなされる。この文脈において、エアジェット篩い分け及び空気分離が特に適切であることが分かった。
【0166】
複合粉末の粒子、大粒子及び小粒子の平均粒径、粒径d
20、d
50、d
90並びに前述の長さは、本発明によれば、適切には顕微鏡像によって、必要に応じて電子顕微鏡画像によって確立される。大粒子及び小粒子並びに複合粉末の粒子の平均粒径の確立について、及び粒径d
20、d
50、d
90について、この場合に特に有用であるSedigraph 5100(Micromeritics GmbH)の使用による沈降分析も特に有利である。複合粉末の粒子について、レーザ回折による粒径分析もまた、それ自体で実証されており、この文脈においてSympatec GmbHによるレーザ回折センサHELOS/Fの使用が特に有益である。後者は好ましくはRODOS乾式分散システムを含む。
【0167】
ちなみに、本記載に与えられたこれらの表示並びに他のすべての表示は、別様に示されない限り、23℃の温度を指す。
【0168】
本発明による複合粉末は比較的コンパクトである。好ましくは、0.5g/cm
3未満、特に0.25g/cm
3未満の密度を有する複合粉末の粒子内部の部分のシェアは、それぞれ複合粉末の総体積に関して10.0%未満、好ましくは5.0%未満、特に1.0%未満である。
【0169】
炭酸カルシウム粒子、好ましくは沈降炭酸カルシウム粒子、特に球状炭酸カルシウム粒子の重量百分率は、複合粉末の総重量に関して、好ましくは少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも1.0重量%、特に好ましくは少なくとも5.0重量%に達し、好都合には5.0重量%〜80.0重量%の範囲内、特に好ましくは10.0重量%〜60.0重量%の範囲内、好ましくは20.0重量%〜50.0重量%の範囲内である。好ましくは球状炭酸カルシウム粒子の総量に関して、20μm未満のサイズを有する粒子及び/又は250μm超のサイズを有する粒子を15.0重量%超だけ含有する、好ましくは球状炭酸カルシウム粒子について、35.0重量%〜45.0重量%の範囲内の好ましくは球状炭酸カルシウム粒子の総量は、それ自体、特別に実証されている。好ましくは球状炭酸カルシウム粒子の総量に関して、20μm未満のサイズを有する粒子及び/又は250μm超のサイズを有する粒子を15.0重量%以下だけ含有する、好ましくは球状炭酸カルシウム粒子について、20.0重量%〜30.0重量%の範囲内の好ましくは球状炭酸カルシウム粒子の総量は、それ自体、特別に実証されている。
【0170】
複合粉末の総重量に関してポリマー、好ましくは熱可塑性ポリマーの重量百分率は、好ましくは少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも1.0重量%、特に好ましくは少なくとも5.0重量%に達し、好ましくは20.0重量%〜95重量%、好ましくは40.0重量%〜90.0重量%、好ましくは50.0重量%〜80.0重量%の範囲である。
【0171】
好ましくは球状炭酸カルシウム粒子の総量に関して、20μm未満のサイズを有する粒子及び/又は250μm超のサイズを有する粒子を20.0重量%超だけ含有する球状炭酸カルシウム粒子を含有する複合粉末について、55.0重量%〜65.0重量%の範囲のポリマーの総量は、それ自体、特別に実証されている。好ましくは球状炭酸カルシウム粒子の総量に関して、20μm未満のサイズを有する粒子及び/又は250μm超のサイズを有する粒子を20.0重量%以下だけ含有する、好ましくは球状炭酸カルシウム粒子を含有する複合粉末について、70.0重量%〜80.0重量%の範囲のポリマーの総量は、それ自体、特に実証されている。
【0172】
複合粉末は、とりわけ、第1の材料と第2の材料との優れた結合により優れている。第1の材料と第2の材料との強固な結合は、複合粉末を機械的に装填することによって、特に25℃で、好ましくはOrganikum、第17版、VEB Deutscher Verlag der Wissenschaften、ベルリン、1988年、セクション2.5.2.1「Ausschutteln von LOsungen bzw.Suspensionen(溶液及び懸濁液の振とう)」、56〜57頁に記載の手順に従い、ポリマー及び好ましくは球状炭酸カルシウム粒子に対して非溶媒で複合粉末を振とうすることによって確認できることが好ましい。振とう時間は、好ましくは少なくとも1分、好ましくは少なくとも5分、特に10分であり、好ましくは複合粉末の粒子の形態、サイズ及び/又は組成の実質的な変化をもたらさない。振とう試験によると、特に好ましくは少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、特に好ましくは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、特に少なくとも99重量%の複合粉末の粒子は、それらの組成、それらのサイズ及び好ましくはそれらの形態に関して変化しない。この文脈において特に適した非溶媒は、特にポリアミドを含有する複合粉末については水である。
【0173】
さらに、本発明によるインプラントに使用される複合粉末の粒子は通常、比較的等方性の粒子形態を呈し、これはSLM法における複合粉末の塗布に特に有益である。複合粉末の粒子の通常はほぼ球状の粒子形態は、原則として、反り又は収縮等の悪影響を回避又は少なくとも低減することになる。その結果、通常は複合粉末の非常に有利な溶融及び凝固挙動も観察することができる。
【0174】
これとは対照的に、例えば極低温粉砕によって得られた従来の粉末粒子は、鋭い縁と鋭角とを有する不規則な(非晶質)粒子形態を有する。この種類の粉末はしかし、それらの有害な粒状形態のために、そしてさらにそれらの比較的広い粒径分布のために及びSLM法について<20μmの粒子のそれらの比較的高い微細粒小部分のために有利ではない。
【0175】
炭酸カルシウム粒子、特に沈降炭酸カルシウム粒子は、ポリマー、特に熱可塑性ポリマーの特性に特に影響を及ぼしてそれを制御するのを助ける。このように、炭酸カルシウム粒子、特に沈降炭酸カルシウム粒子は、ポリマー、特に熱可塑性ポリマーの適切な緩衝作用及びpH安定化を可能にする。さらに、ポリマー、特に熱可塑性ポリマーの生体適合性は、炭酸カルシウム粒子によって、特に沈降炭酸カルシウム粒子によって著しく改善される。さらに、抑制炭酸カルシウム粒子を使用すると、ポリマー、特に熱可塑性ポリマーの熱劣化の著しい抑制が観察される。
【0176】
本発明によるインプラントに使用される前記複合粉末は、それ自体で既知の方法で、例えば一段階法により、特に沈殿又は被覆により、好ましくは粉砕材料で被覆することにより調製され得る。さらに、好ましくは懸濁された形態で、本発明による小粒子をさらに含有するポリマー溶液からポリマー粒子を沈殿させる手順でさえも特に適している。
【0177】
しかし、ポリマー粒子及び好ましくは球状炭酸カルシウム粒子を互いに接触させて機械力の作用により互いに結合させる手順が、特にそれ自体で実証されている。適切には、これは適切なミキサ中で、又はミル中で、特にインパクトミル、ピンミル又はウルトラロータミル中で行われる。ロータ速度は、好ましくは1m/s超、好ましくは10m/s超、特に好ましくは25m/s超、特に50m/s〜100m/sの範囲内である。
【0178】
複合粉末を調製する温度は、基本的には自由に選択することができる。しかし、−200℃超、好ましくは−100℃超、好ましくは−50℃超、特に好ましくは−20℃超、特に0℃超の温度が特に有利である。他方、温度は、有利には120℃未満、好ましくは100℃未満、好ましくは70℃未満、特に好ましくは50℃未満、特に40℃未満である。0℃超〜50℃未満の範囲、特に5℃超〜40℃未満の範囲の温度は、それ自体、特別に実証されている。
【0179】
本発明の特に好ましい実施形態の範囲内で、ミキサ又はミル、特にインパクトミル、ピンミル又はウルトラロータミルは、本発明による複合粉末の調製中に、解放されるエネルギーを消散させるために冷却される。好ましくは、冷却は、25℃未満、好ましくは25℃未満〜−60℃の範囲内、特に好ましくは20℃未満〜−40℃の範囲内、適切には20℃未満〜−20℃の範囲内、特に15℃未満〜0℃の範囲内の温度を有する冷却剤によって達成される。さらに、冷却は、混合又は粉砕操作の終了時、好ましくは粉砕操作の終了時に、混合又は粉砕室内の温度、好ましくは粉砕室内の温度が、120℃未満、好ましくは100℃未満、好ましくは70℃未満、特に好ましくは50℃未満、特に40℃未満になるように設定するのが好ましい。
【0180】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、この手順は、特にポリアミドについて、好ましくは球状炭酸カルシウム粒子がポリマー粒子の内部を貫通してそれらが外から見えないように好ましくは完全にポリマーで覆われるという事実をもたらす。このような粒子は、単に好ましくは球状炭酸カルシウム粒子を含まないポリマーとして処理され使用され得るが、それらは前記複合粉末の改善された特性を示す。
【0181】
複合粉末は、特開昭62−083029号公報に記載されている手順に従って調製される。第1の材料(いわゆるマザー粒子)は、より小さな粒子(いわゆるベビー粒子)からなる第2の材料で表面を被覆される。この目的のために、好ましくは高速ロータ、ステータ及び好ましくは内刃を含む球状容器を含む表面改質装置(「ハイブリダイザ」)が使用される。好ましくは118mmの外側ロータ径を有するNARAハイブリダイゼーションシステム、特にNARA Machinery Co.,Ltd.によってNHS−0又はNHS−1とラベル付けされたハイブリダイゼーションシステムの使用は、この文脈においてそれ自体で特に実証されている。
【0182】
マザー粒子とベビー粒子とは混合され、好ましくは分散され、ハイブリダイザに導入される。そこで混合物は好ましくは分散され続け、好ましくは機械力、特に衝撃力、圧縮力、摩擦力及び剪断力、並びにベビー粒子をマザー粒子に均一に埋め込むための粒子の相互作用に繰り返しさらされる。
【0183】
好ましいロータ速度は、周速度に関して50m/s〜100m/sの範囲内である。
【0184】
この方法に関するさらなる詳細については、特開昭62−083029号公報が参照され、特に適切な方法の変形を含むその開示は、参照により本出願に明確に組み込まれる。
【0185】
別の特に好ましい変形の範囲内で、複合粉末は、ドイツ特許出願公開第4244254号公報に記載されている手順に従って調製される。したがって、熱可塑性材料の表面に物質を付着させることによって複合粉末を調製する方法は、熱可塑性材料が100μm〜10mmの平均粒径を有し、特に本方法が以下の工程を含む場合、物質が熱可塑性材料よりもより低い粒径及びより良好な熱耐性を有する場合に特に好ましい。
・最初に、好ましくは撹拌機及びヒータを含む装置中での攪拌中に、熱可塑性材料よりもより小さい粒径及びより良好な耐熱性を有する物質を、好ましくは熱可塑性材料の軟化点以上の温度に加熱すること、
・熱可塑性材料を装置に加えること、及び
・熱可塑性材料の表面に、より良好な耐熱性を有する物質を付着させること。
【0186】
この方法に関するさらなる詳細については、ドイツ特許出願公開第4244254号公報が参照され、特に適切な方法の変形を含むその開示は、参照により本出願に明確に組み込まれる。
【0187】
あるいは、複合粉末は、欧州特許出願公開第0922488号公報及び/又は米国特許第6403219号明細書に記載されている手順に従って調製される。したがって、衝撃を利用してコアとして作用する固体粒子の表面に微粒子を付着又は結合させた後、コア表面に1つ以上の結晶を成長させることにより複合粉末を調製する方法が特に有利である。
【0188】
この方法に関するさらなる詳細については、欧州特許出願公開第0922488号公報及び/又は米国特許第6403219号明細書が参照され、特に適切な方法の変形を含むその開示は、参照により本出願に明確に組み込まれる。
【0189】
欧州特許出願公開第0523372号公報に記載されている手順に従って、複合粉末を固定化し得る。この手順は、特開昭62−083029号公報に記載された方法に従って得られた複合粉末に特に有用である。複合粉末の粒子は、好ましくは熱プラズマ溶射によって固定され、好ましくは、少なくとも30kWの容量を有することが好ましい減圧プラズマ溶射装置、特に欧州特許出願公開第0523372号公報に記載されている装置が使用される。
【0190】
この方法に関するさらなる詳細については、欧州特許出願公開第0523372号公報が参照され、特に適切な方法の変形を含むその開示は、参照により本出願に明確に組み込まれる。
【0191】
本発明によるインプラントに使用される複合粉末は、特にレーザ焼結法におけるその使用を示唆する優れた特性プロファイルにより優れている。レーザ焼結中のその優れた自由流動特性及びその優れた流動性は、優れた表面品質及び表面仕上げ並びに改良された構成要素密度のインプラントの製造を可能にする。同時に、前記複合粉末は非常に良好な収縮挙動並びに優れた寸法安定性を呈する。さらに、レーザ処理領域の外側では、より良好な熱伝導率が見られる。
【0192】
さらに、前記複合粉末は比較的高い等方性を呈し、これにより複合粉末の極めて均一な溶融が可能になる。この挙動は、高品質、高構成要素密度、低多孔度及び少数の欠陥を有する構成要素を製造するためのSLMプロセスにおいて利用され得る。
【0193】
さらに、複合粉末中の好ましくは球状炭酸カルシウム粒子の存在は、後の用途において、特に酸性団を含有するか又は特定の条件下で酸を放出するように適合されているそれらのポリマーにおいて、優れたpH安定化(緩衝作用)を可能にする。これらには、例えば、ポリ塩化ビニル及びポリ乳酸が含まれる。
【0194】
さらに、前記複合粉末は、最終製品のコスト削減を達成するために、おそらく他のより高価な材料を置き換えることができる。
【0195】
複合粉末の特性、特にその流動性は、複合粉末の水分によっても制御することができ、必要に応じて具体的に調整することができる。一方では、複合粉末の流動性は基本的に水分の増加とともに増加し、したがって複合粉末の加工性が促進される。他方、複合粉末の水分が多いと、主に不純物の存在下及び/又は微細粒子の存在下での複合粉末の熱処理の場合には特に、ポリマーの熱分解又は加水分解、並びにプロセス中断を招き得る。
【0196】
この背景に対して、前記複合粉末の水分は、好ましくは2.5重量%未満、好ましくは1.5重量%未満、特に好ましくは1.0重量%未満、さらにより好ましくは0.9重量%未満、好ましくは0.8重量%未満、好都合には0.6重量%未満、特に好ましくは0.5重量%未満、特に0.25重量%未満である。他方、前記複合粉末の水分は、好ましくは0.000重量%超、好ましくは0.010重量%超、特に0.025重量%超である。
【0197】
この文脈における抑制炭酸カルシウムの使用は、複合粉末の改良された熱処理性を可能にする。処理ウィンドウ(温度ウィンドウ)は、従来の炭酸カルシウムの場合よりも明らかに大きく、ポリマーの熱分解又は加水分解は著しく抑制される。
【0198】
複合粉末の所望の水分は、加工前にそれ自体で既知の複合粉末を予備乾燥することによって達成することができ、乾燥は基本的に製造プロセスにおいて推奨される。この文脈において安定なプロセス制御のためには、0.01重量%〜0.1重量%の範囲の水分含有量までの乾燥が特に好ましいことがわかった。さらに、マイクロ波真空乾燥機の使用は、それ自体で特に実証されている。
【0199】
1つの成分(複合粉末)のみが処理され、もはや2つの成分(好ましくは球状炭酸カルシウム粒子及びポリマー)を処理する必要がないので、複合粉末は比較的簡単な方法でさらに処理され得る。ポリマーと好ましくは球状炭酸カルシウム粒子との間の緊密な結合のために分散の問題は観察されない。
【0200】
さらに、複合粉末の微細構造、溶融挙動及び流動挙動は、それぞれの単一成分の小部分及びサイズの選択によって具体的に制御することができる。複合粉末のこれらの特性は一方、得られるインプラントの最終構造、特にその生体適合性、生分解性及び機械的特性を具体的に制御するために利用することができる。
【0201】
さらなる加工助剤、特に特定の溶媒の添加は通常、複合粉末を加工するのに必要とされない。これは、特に製薬及び食品分野における複合粉末の可能な適用分野を拡大する。
【0202】
複合粉末は直接、そのまま使用することができる。その優れた特性プロファイルのために、複合粉末はしかし、添加剤として、特に好ましくはポリマー添加剤として、配合のための、インプラントの製造のための、医療工学及び/もしくはマイクロテクノロジーにおける用途のための、並びに/又は発泡インプラントの製造のための添加又は出発材料として、特に好適である。医療工学における特に好ましい用途は、好ましくは吸収性インプラントを含む。特に好都合な適用分野は、射出成形スクリュー、プレスプレート、特に溶融プレスプレート、発泡インプラント、並びに選択的製造方法のための流動性粉末を含み、後者の場合、複合粉末の粒子の総粒径は好ましくは3mm未満、かつ好ましくは5.0μm超である。
【0203】
ポリマー添加剤の形態では、複合粉末は、マトリックスポリマーとして、少なくとも1つのポリマー、特に熱可塑性ポリマーに添加するのが好ましい。この場合、複合粉末の成分としても使用できるポリマーが特に好ましい。繰り返しを避けるために、特にポリマーの好ましい形態に関して、前述の説明を参照する。非常に好ましいマトリックスポリマーとしては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、シリコーン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、特にUHMWPE、及びポリ乳酸(PLA)が挙げられる。
【0204】
マトリックスポリマーと複合粉末のポリマーとは、好ましくは使用温度で混合することができ、特に好ましくは化学的に同一である。
【0205】
特に好ましい組成物は、40.0重量%〜99.9重量%の少なくとも1つのマトリックスポリマー及び0.1重量%〜50.0重量%の少なくとも1つの前記複合粉末を含有する。
【0206】
組成物の製造は、それ自体で既知の方法で成分を混合することにより実施され得る。
【0207】
次いで組成物を通常の方法でさらに加工することができ、特に粒状化、粉砕、押出し、射出成形、発泡し、又は他の方法で3Dプリンティング法にて使用することができる。
【0208】
さらに、複合粉末はさらに、加工及び/又は直接、すなわち追加のポリマーを添加することなく使用することができる。
【0209】
複合粉末の利点は、複合粉末を粒状化、押出し、射出成形、溶融圧縮、発泡及び/又は3Dプリンティングするときに特に観察することができる。
【0210】
ポリマー発泡体は、必要に応じて、複合粉末と少なくとも1つのマトリックスポリマーとを含む組成物に気相を生成又は導入することによって製造するのが好ましい。均一で均質な発泡構造を得るために、組成物内でできるだけ均一にガスを分配することが目的である。ガスは様々な方法で導入され得る。
【0211】
好ましくは、気相は発泡剤を添加することによって生成される。発泡剤は、化学反応(化学的発泡剤)又は相転移(物理的発泡剤)によってガスを放出する物質である。発泡押出し又は発泡射出成形では、化学的発泡剤をマスターバッチの形態で組成物に混合するか、又は物理的発泡剤を圧力下で組成物の溶融物に直接、注入する。この注入は直接ガス発生と呼ばれ、特に熱可塑性ポリマーの加工に使用される。
【0212】
さらに、前記複合粉末それ自体は、骨折の場合の金属製の従来のインプラントに置き換わるのに適したインプラントを製造するのに特に適している。インプラントは骨折が治癒するまで骨を固定するのに役立つ。金属のインプラントは通常、体内に保持されるか、又はさらなる手術によって除去されなければならないが、本発明による複合粉末から入手可能なインプラントは、一時的な助剤として作用する。それらは、体自体が分解することができるポリマー及び骨形成のためにカルシウム及び貴重なリン物質を提供する物質を都合よく含む。患者にもたらされる利点は明白である。すなわち、インプラントを取り除くためのさらなる手術が不要で、骨の再生が促進される。
【0213】
本発明の特に好ましい変形によれば、前記複合粉末は選択的レーザ焼結によりインプラントを製造するために使用される。好都合には、粉末床を形成するために互いに隣接して密接に詰め込まれた本発明による複合粉末の粒子は、レーザスキャナーユニット、直接に偏向された電子ビーム又は幾何学的形状を表すマスクを有する赤外線加熱の助けを借りて局所的にわずかに表面溶融又は融解される(ポリマーのみ)。それらは熱伝導による冷却によって固化し、かくして結合して固体層を形成する。表面溶融していない粉末粒は、構成要素内に支持材料として残り、好ましくは構築プロセスの完了後に除去される。第1層と同様に、粉末で繰り返し被覆することによって、さらなる層を固化し、第1層に結合することができる。
【0214】
レーザ焼結法に特に適したレーザの種類は、本発明による複合粉末のポリマーを焼結させ、溶融させ又は架橋させるすべてのもの、特にCO
2レーザ(10μm)、ND−YAGレーザ(1060nm)、He−Neレーザ(633nm)又は色素レーザ(350〜1000nm)である。好ましくは、CO
2レーザが使用される。
【0215】
照射中の充填物中のエネルギー密度は、好ましくは0.1J/mm
3〜10J/mm
3の範囲である。
【0216】
レーザビームの有効径は、用途に応じて、好ましくは0.01nm〜0.5nm、好ましくは0.1nm〜0.5nmの範囲である。
【0217】
好ましくは、特に1kHz〜100kHzの高いパルス周波数が特に適していることが判明しているパルスレーザが使用される。
【0218】
好ましい手順は次のように説明することができる。
レーザビームは、本発明に従って使用される前記材料の充填物の最上層に入射し、その際、材料を所定の層厚で焼結する。前記層の厚さは、0.01mm〜1mm、好ましくは0.05mm〜0.5mmであり得る。このようにして、所望のインプラントの第1層が製造される。続いて、作業空間は焼結層の厚さより少ない量だけ低下する。作業空間は、追加のポリマー材料で元の高さまで埋められる。レーザで繰り返し照射することにより、インプラントの第2層を焼結させ、前の層に結合させる。操作を繰り返すことによって、インプラントが完成するまでさらなる層が製造される。
【0219】
レーザ走査中の露光速度は、好ましくは1mm/s〜1000mm/sである。典型的には、約100mm/sの速度が適用される。
【0220】
この場合、ポリマーを表面溶融又は融解させるために、60℃〜250℃の範囲内の温度、好ましくは100℃〜230℃の範囲内、特に150℃〜200℃の範囲内の温度に加熱することが特にそれ自体で実証されている。
【0221】
本発明の主題はさらに、前記複合粉末を含む組成物の選択的レーザ焼結によって入手可能であるこのようなインプラントであり、神経、口腔、上顎、顔面、耳、鼻及び喉の手術、並びに、手、足、胸部、肋骨及び肩の手術の分野における用途のためのインプラントが特に好ましい。
【0222】
組成物中の前記複合粉末の百分率は、好ましくは少なくとも50.0重量%、好ましくは少なくとも75.0重量%、特に好ましくは少なくとも90重量%、特に少なくとも99.0重量%である。本発明の特定の実施形態の範囲内で、組成物は、本発明による複合粉末を排他的に含有する。
【0223】
本発明によるインプラントは以下の特性により適切に優れている。すなわち、
−優れた表面品質、
−優れた表面仕上げ、
−優れた構成要素密度、好ましくは95%超、特に97%超、
−優れた収縮挙動、
−優れた寸法安定性、
−非常に少ない欠陥、
−非常に低い多孔度、
−非常に少ない分解生成物の含有量、
−優れた三点曲げ強度、好ましくは60MPa超、特に好ましくは65MPa超、特に70MPa超、
−優れた弾性率、好ましくは3420N/mm
2、特に好ましくは3750N/mm
2超、好ましくは4000N/mm
2超、特に4500N/mm
2超、
−優れたpH安定性、
−優れた生体適合性、
−優れた骨伝導、
−優れた吸収力、
−優れた生分解性
である。
【実施例】
【0224】
以下、本発明を複数の実施例及び比較例によってさらに説明するが、本発明はこれに限定されることを意図するものではない。
【0225】
<使用材料>
−顆粒1(ポリ(L−ラクチド);固有粘度:0.8〜1.2dl/g(クロロホルム中0.1%、25℃);Tg:60〜65℃;Tm:180〜185℃)
−顆粒2(ポリ(L−ラクチド);固有粘度:1.5〜2.0dl/g(クロロホルム中0.1%、25℃);Tg:60〜65℃)
−顆粒3(ポリ(D,L−ラクチド);固有粘度:1.8〜2.2dl/g(クロロホルム中0.1%、25℃);Tg:55〜60℃;融点のない非晶質ポリマー)
【0226】
ポリラクチド顆粒1〜3の平均粒径は、1〜6mmの範囲内であった。
【0227】
本実施例の範囲内で、以下の変数が以下のように確立された。
−CaCO
3含有量:CaCO
3含有量は、Perkin ElmerによるSTA6000による窒素下、40℃〜1000℃の範囲内の加熱速度20℃/分での熱重量分析によって確立された。重量損失は、約550℃〜1000℃の間で決定され、それからCaCO
3含有量は、ファクタ2.274(モル質量比CaCO
3:CO
2)によりパーセントで計算された。
−β−リン酸三カルシウム含有量(β−TCP含有量):β−TCP含有量は、Perkin ElmerによるSTA6000により窒素下で40℃〜1000℃の範囲内の加熱速度20℃/分で熱重量分析により測定した。1000℃で保持された重量百分率は、パーセントで表したβ−TCP含有量に対応する。
−T
P:ピーク温度T
Pは、Perkin ElmerによるSTA6000により、窒素下、40℃〜1000℃の範囲内の加熱速度20℃/分で熱重量分析により測定した。質量損失曲線の一次導関数のピーク温度は、ポリマー分解中に最大質量損失を有する温度に対応する。
−d
20、d
50、d
90:炭酸カルシウム含有複合粉末の粒径分布は、レーザ回折(SympatecによるRODOS分散システムを用いたHELOS測定範囲R5)によって決定された。粒径分布は、MicromereticsによるMaster Tech 51を備えたSedigraph 5100によって炭酸カルシウム粉末について決定された。使用した分散溶液は、0.1%ポリリン酸ナトリウム溶液(NPP)であった。
−小部分<20μm:d
50と同様にして測定。小部分<20μmの評価。
−水分:炭酸カルシウム含有複合粉末の水分量は、Mettler ToledoによるKarl Fischer Coulometer C30により150℃で測定した。炭酸カルシウム粉末の含水量は、Mettlerによるハロゲン−水分分析器HB43により130℃で測定した(秤量サンプル:粉末6.4〜8.6g;測定時間:8分)。
−固有粘度:固有粘度(dl/g)は、クロロホルム中25℃、0.1%のポリマー濃度で、Ubbelohde Viscosimeter Kapillare 0cにより測定した。
−流動性:サンプルの流動性は、Erichsenの電動フィルムアプリケータによって判断した。この目的のために、200μm及びそれぞれ500μmのドクターブレードを使用した。箔タイプ255(Leneta)への塗布速度は12.5mm/sであった。次のような評価:1=優、2=良、3=満足、4=十分、5=悪い。
【0228】
<射出成形試験片における機械特性の決定>
三点曲げ強度及び弾性率は、Texture Analyzer TA.XTplus(Stable Micro Systems、Godalming(UK))を用いて測定した。使用したロードセルの容量は50kgであった。Exponent 6.1.9.0ソフトウェアを使用した。測定の詳細を以下の表1に示す。
【0229】
【表1】
【0230】
試験片は、HAAKE MiniLab II押出機及びそれぞれHAAKE MiniJet IIによる射出成形によって製造した。試験片製造のためのプロセス条件は、以下の表2に列挙されている。
【0231】
【表2】
【0232】
<細胞毒性テスト>
細胞傷害性試験(FDA/GelRed)は次のようにして行った。
使用された参照及びそれぞれのネガティブコントロールは、組織培養ポリスチレン(TCPS)であった。各サンプルについて4つの複製物を使用し、4つのTCPS(4×)をコントロールとして使用した。
【0233】
<テスト手順>
1.無菌サンプルを24ウェルマイクロタイタープレートで利用可能にした。同様に、サンプル並びにTCPSプレートを70%エタノールで滅菌(非変性)し、次いで2×30分間、1×PBS(リン酸緩衝食塩水)ですすぎ、その後、滅菌α培地で平衡化した。次に、試料を、25000細胞/cm
2(50000細胞/ml)の接種量のMC3T3−E1細胞で接種した。
2日目に部分培地交換(1:2)を行った。
2.細胞培養の1日後及び4日後に細胞毒性を測定した。
3.FDA及びGelRedの組み合わせ染色により、標準的なプロトコルに従って1日目及び4日目にバイタル染色を行った。
4.顕微鏡画像は、Observer Z1m/LSM700で作成した。
・レンズ:EC Plan−Neofluar 10×
・カメラAxioCam HRcで撮影した画像
緑色蛍光の励起−LED Colibri 470、フィルタセットFS10(AF488)
赤色蛍光の励起−LED Colibri 530、フィルタセットFS14(AF546)
・レーザスキャンモードでスキャンされた画像
トラック1−レーザ:488nm、DBS 560nm、PMT1:488nm〜560nm、
トラック2−レーザ:555nm、DBS 565nm、PMT2:565nm〜800nm
5.評価は以下の細胞毒性スケールに従って行った。
許容:材料は細胞毒性ではない(最大5%の死細胞)
わずかな抑制:材料はわずかに有毒である(5%〜20%の死細胞)
著しい抑制:材料は中程度の毒性を有する(20%〜50%の死細胞)
毒性:材料は細胞毒性が高い(>50%〜100%の死細胞)
6.セル番号は、撮影又はスキャンされた画像詳細に関連する。
【0234】
<電子顕微鏡(SEM)>
SEM画像は、15kVで高圧電子顕微鏡(Zeiss、DSM962)によって撮影された。試料に金−パラジウム層をスプレーした。
【0235】
実施例1
初期温度10℃で、20%のCO
2と80%のN
2とを含有するCO
2ガス混合物を、75g/lのCaOの濃度を有する4lの水酸化カルシウム懸濁液に導入した。ガス流は300l/時であった。反応混合物を350rpmで撹拌し、反応熱は反応中に消散した。コンダクタンスが急激に低下したとき(0.5mS/cm/分を超えて低下し、30秒以内に0.25mS/cmを超えてコンダクタンスが低下したとき)、(理論参考値としての)CaOに基づいて0.7%のアミノトリ(メチレンホスホン酸)を懸濁液に加える。球状炭酸カルシウム粒子への反応は、反応混合物が球状炭酸カルシウム粒子に定量的に炭酸化されたときに完了し、その際に反応混合物は7〜9の間のpH値を示した。この場合、反応は約2時間後に完了し、反応終了時の反応混合物のpH値は7であった。
【0236】
得られた球状炭酸カルシウム粒子を慣用の方法で分離して乾燥した。それらの平均粒径は12μmであった。典型的なSEM画像を
図1に示す。
【0237】
実施例2
500mlのVE(脱塩)水を1000mlビーカーに入れた。実施例1による125gの球状炭酸カルシウム粒子を攪拌しながら添加し、得られた混合物を5分間攪拌した。37.5gの10%メタリン酸ナトリウム(NaPO
3)
n溶液をゆっくり加え、得られた混合物を10分間撹拌した。75.0gの10%リン酸をゆっくり添加し、得られた混合物を20時間撹拌した。沈降物を分離し、乾燥キャビネット中で130℃にて一晩乾燥した。得られた球状炭酸カルシウム粒子は、平均粒径が12μmであった。
【0238】
球状炭酸カルシウム粒子のSEM画像を
図2に示す。球状炭酸カルシウム粒子の表面には、薄いリン酸塩層が見える。
【0239】
実施例3
NHS−1装置を用いて、特開昭62−083029号公報に記載された方法に従って、球状炭酸カルシウム粒子とポリラクチド(PLLA)との複合粉末を調製した。それを12℃の水で冷却した。ポリラクチド顆粒1をマザー粒子として使用し、実施例1の球状炭酸カルシウム粒子をベビー粒子(充填剤)として使用した。
【0240】
39.5gのポリラクチド顆粒を26.3gのCaCO
3粉末と混合して6400rpmで充填した。ユニットのロータ速度を6400rpm(80m/s)に設定し、計量した材料を10分間処理した。NHS−1の粉砕室内の最高到達温度は35℃であった。等しい材料量及び機械設定で合計7回の繰り返しを実施した。合計449gの複合粉末が得られた。得られた複合粉末を250μmの篩を通して手動で乾式篩にかけた。篩残留物(小部分>250μm)は0.4%であった。得られた複合粉末のSEM画像を
図3Aに示す。
【0241】
実施例4〜7
実施例3と同様にしてさらに複合粉末を製造し、実施例5では冷却を約20℃で行った。いずれの場合も、30gのポリラクチド顆粒を20gのCaCO
3粉末と混合した。NHS−1の粉砕室内で到達した最高温度は、実施例4では33℃、実施例5では58℃、実施例6では35℃、実施例7では35℃であった。生成物を篩分けして可能であれば>250μmの粗小部分を除去した(250μm篩を通した手動乾式篩)。実施例4、6及び7では、さらに、<20μmの小部分を可能な場合には(空気分離による)流れによって、又は篩分け(エアジェット篩分け機による)によって分類した。使用された材料、篩分け/空気分離を伴う又は伴わない調製の実施、並びに得られた複合粉末の特性を後の表3に列挙する。
【0242】
図3A、
図3B及び
図3Cは、実施例3のSEM画像及び実施例3の複数のドクターブレード適用(12.5mm/s)の画像を示す(
図3B:200μmドクターブレード、
図3C:500μmドクターブレード)。
【0243】
図3Aは、得られた複合粉末のSEM画像である。極低温粉砕粉末に典型的である鋭利な不規則な粒子形態とは対照的に、得られた複合粉末の粒子は丸い粒子形態を示し、それぞれSLM法にとって非常に有利な高い球形度を示す。PLLA表面は球状炭酸カルシウム粒子及びその断片でまばらに占められている。試料は、微細粒小部分が増加した粒径分布幅を有する。
【0244】
粉末は限られた程度に流動性である(
図3B及び
図3C)。粉末塊がドクターブレードの前に沿って押される。おそらくより高い小部分の微粒子によって引き起こされる、制限された流動挙動は、両方のドクターブレードによって形成されるべき非常に薄い層のみを引き起こす。
【0245】
図4A、
図4B及び
図4Cは、実施例4のSEM画像及び実施例4の複数のドクターブレード適用(12.5mm/s)の画像を示す(
図4B:200μmドクターブレード、
図4C:500μmドクターブレード)。
【0246】
図4Aは、得られた複合粉末のSEM画像である。極低温粉砕粉末に典型的である鋭利な不規則な粒子形態とは対照的に、得られた複合粉末の粒子は丸い粒子形態を示し、それぞれSLM法にとって非常に有利な高い球形度を示す。PLLA表面は球状炭酸カルシウム粒子及びその断片でまばらに占められている。試料は、小さい微細粒小部分を有する明らかに小さい粒径分布を呈する。
【0247】
粉末は適切に流動性があり、塗布可能である(
図4B及び
図4C)。薄層(200μm)も塗布でき、ドクターストリーク(トラッキング溝)がほとんどない。500μmで塗布された粉末層は均質で、稠密に充填され、滑らかであり、ドクターストリークがない。
【0248】
図5A、
図5B及び
図5Cは、実施例5のSEM画像及び実施例5のいくつかの適用(12.5mm/s)の画像を示す(
図5B:200μmドクターブレード、
図5C:500μmドクターブレード)。粉末は限られた程度に流動性である。粉末塊がドクターブレードに沿って押される。おそらくより高い小部分の微粒子によって引き起こされる、制限された流動挙動のために、非常に薄い層のみが両方のドクターブレードによって形成される。
【0249】
図6A、
図6B及び
図6Cは、実施例6のSEM画像及び実施例6の複数の適用(12.5mm/s)の画像を示す(
図6B:200μmドクターブレード、
図6C:500μmドクターブレード)。粉末は適切に流動性であり、塗布可能である。薄層(200μm)も塗布できる。おそらくあまりにも粗い粉末粒子によって引き起こされた個々のドクターストリークが見える。500μmで塗布された粉末層は、完全に稠密に充填されていないが、ドクターストリークがない。
【0250】
図7A、
図7B及び
図7Cは、実施例7のSEM画像及び実施例7の複数の適用(12.5mm/s)の画像を示す(
図7B:200μmドクターブレード、
図7C:500μmドクターブレード)。粉末は流動性であり、塗布可能である。薄層(200μm)も塗布できる。それらは均質ではなく、ますますドクターストリークが点在している。幾分か制限された流動挙動は、粗すぎる粉末粒子によっておそらく引き起こされる。500μmで塗布された粉末層は均質であり、ドクターストリークがない。
【0251】
比較例1
実施例1の球状炭酸カルシウム粒子と非晶質ポリラクチド(PDLLA)との微細構造複合粒子は、NHS−1装置を用いて特開昭62−083029号公報に記載された方法に従って調製された。それを12℃の水で冷却した。ポリラクチド顆粒3をマザー粒子として使用し、実施例1の球状炭酸カルシウム粒子をベビー粒子として使用した。
【0252】
39.5gのポリラクチド顆粒を10.5gのCaCO
3粉末と混合し、8000rpmで充填した。ユニットのロータ速度を8000rpm(100m/s)に設定し、計量した材料を1.5分間処理した。NHS−1の粉砕室内の最高到達温度は71℃であった。等しい材料量及び機械設定で合計49回の繰り返しを実施した。合計2376gの構造化複合粒子が得られた。得られた構造化複合粒子を粒径分布測定のために800μmの篩を通して手動で乾式篩い分けした。篩残留物(小部分>800μm)は47%に達した。得られた微細構造複合粒子の特性を後の表3に列挙する。
【0253】
図8A、
図8B及び
図8Cは、比較例1のSEM画像及び比較例1の複数の適用(12.5mm/s)の画像を示す(
図8B:200μmドクターブレード、
図8C:500μmドクターブレード)。粉末は流動性が悪く、200μm及び500μmそれぞれの厚さの層を形成するために塗布することができない。あまりにも粗い不規則な粒子は塗布の間に詰まる。非常に頻繁かつ明確なドクターストリークを有する不均質層が形成される。
【0254】
SEM分析は、構造化複合粒子の表面が球状炭酸カルシウム粒子及びその断片でまばらに占められていることを示している。実施例3〜7と比較して、粒子はより不規則な粒子幾何学形状を示す。
【0255】
実施例8
NHS−1装置を用いて、特開昭62−083029号公報に記載された方法に従ってβ−リン酸三カルシウム粒子とポリラクチド(PDLLA)との複合粉末を調製した。これを12℃の水で冷却した。ポリラクチド顆粒3をマザー粒子として使用し、そしてβ−リン酸三カルシウム(β−TCP;d
20=30μm;d
50=141μm;d
90=544μm)をベビー粒子として使用した。使用したβ−TCPのSEM画像を
図9A及び
図9Bに示す。
【0256】
30.0gのポリラクチド顆粒を20.0gのβ−TCP粉末と混合し、6400rpmで充填した。ユニットのロータ速度を6400rpm(80m/s)に設定し、計量した材料を10分間処理した。等しい材料量及び機械設定で合計5回の繰り返しを実施した。合計249gの複合粉末が得られた。生成物を篩い分けして、可能であれば>250μmの粗小部分を除去した(250μm篩を通して手動乾式篩分け)。次いで、<20μmの微細粒小部分をエアジェット篩い分け機を用いて20μm篩を通して分離した。
【0257】
実施例9
菱面体炭酸カルシウム粒子とポリラクチド(PDLLA)との複合粉末は、NHS−1装置を用いて、特開昭62−083029号公報に記載された方法に従って調製した。それを12℃の水で冷却した。ポリラクチド顆粒3をマザー粒子として使用し、菱面体炭酸カルシウム粒子(d
20=11μm;d
50=16μm;d
90=32μm)をベビー粒子として使用した。
【0258】
30.0gのポリラクチド顆粒を20.0gの菱面体炭酸カルシウム粒子と混合し、6400rpmで充填した。ユニットのロータ速度を6400rpm(80m/s)に設定し、計量した材料を10分間処理した。等しい材料量及び機械設定で合計5回の繰り返しを実施した。合計232gの複合粉末が得られた。生成物を篩い分けして、可能であれば>250μmの粗小部分を除去した(250μm篩を通して手動乾式篩分け)。次いで、<20μmの微細粒小部分をエアジェット篩い分け機を用いて20μm篩を通して分離した。
【0259】
実施例10
粉砕炭酸カルシウム粒子とポリラクチド(PDLLA)との複合粉末を、NHS−1装置を用いて特開昭62−083029号公報に記載された方法に従って調製した。それを12℃の水で冷却した。ポリラクチド顆粒3をマザー粒子として使用し、粉砕炭酸カルシウム(GCC;d
20=15μm;d
50=46μm;d
90=146μm)をベビー粒子として使用した。
【0260】
30.0gのポリラクチド顆粒を20.0gのGCCと混合し、6400rpmで充填した。ユニットのロータ速度を6400rpm(80m/s)に設定し、計量した材料を10分間処理した。等しい材料量及び機械設定で合計5回の繰り返しを実施した。合計247gの複合粉末が得られた。生成物を篩い分けして、可能であれば>250μmの粗小部分を除去した(250μm篩を通して手動乾式篩分け)。次いで、<20μmの微細粒小部分をエアジェット篩い分け機を用いて20μm篩を通して分離した。
【0261】
【表3】
【表4】
【表5】