【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書では、龍眼肉(longan arillus)に由来する抽出物がアルコール摂取後に発生する運動能力消失と睡眠誘導症状から迅速に回復されるように作用し、アルコール脱水素酵素とアセトアルデヒド脱水素酵素の活性を増加させてアルコール代謝を促進することによって二日酔い解消に効果があることが提案される。
【0010】
より具体的に、本明細書は、龍眼肉(longan arillus)の抽出物がアルコールを投与したマウスで発生する運動能力低下現像を改善し、アルコール投与による睡眠誘導症状も改善し、またアルコールを投与したマウスの肝組織でアルコール脱水素酵素(ADH)およびアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の活性を増加させる効能があることを提案する。
【0011】
一例は、龍眼肉抽出物、前記抽出物の乾燥物、および前記抽出物の濃縮物からなる群より選択された1種以上を有効性分として含有するアルコール性二日酔い予防および/または二日酔い解消用薬学組成物を提供する。
【0012】
他の例は、龍眼肉抽出物、前記抽出物の乾燥物、および前記抽出物の濃縮物からなる群より選択された1種以上を有効性分として含有するアルコール性二日酔い予防および/または二日酔い解消用食品組成物を提供する。
【0013】
他の例は、龍眼肉(longan arillus)の抽出物、前記抽出物の乾燥物および前記抽出物の濃縮物からなる群より選択された1種以上を有効性分として含有するアルコール性二日酔い予防および/または二日酔い解消用食品組成物を提供する。前記食品は、飲料であってもよい。
【0014】
他の例は、龍眼肉(longan arillus)の抽出物、前記抽出物の乾燥物および前記抽出物の濃縮物からなる群より選択された1種以上、または前述したアルコール性二日酔い予防および/または二日酔い解消用薬学組成物または食品組成物の有効量をアルコール性二日酔い予防および/または二日酔い解消を必要とする対象に投与する段階を含む、アルコール性二日酔い予防および/または二日酔い解消方法を提供する。
【0015】
他の例は、龍眼肉(longan arillus)の抽出物、前記抽出物の乾燥物および前記抽出物の濃縮物からなる群より選択された1種以上の、アルコール性二日酔い予防および/または二日酔い解消用薬学組成物および/または食品組成物に用いるための用途を提供する。
【0016】
前記薬学組成物および食品組成物は、
(1)龍眼肉抽出物、前記抽出物の乾燥物、および前記抽出物の濃縮物からなる群より選択された1種以上に加えて、
(2)藁本、遠志、またはこれらの混合物の抽出物、前記抽出物の乾燥物、および前記抽出物の濃縮物からなる群より選択された1種以上
を追加的に含むことができる。
【0017】
したがって、本発明の一例は、
(1)龍眼肉抽出物、前記抽出物の乾燥物、および前記抽出物の濃縮物からなる群より選択された1種以上;および
(2)藁本、遠志、またはこれらの混合物の抽出物、前記抽出物の乾燥物、および前記抽出物の濃縮物からなる群より選択された1種以上
を有効性分として含むアルコール性二日酔い予防および/または二日酔い解消用薬学組成物を提供する。
【0018】
他の例は、
(1)龍眼肉抽出物、前記抽出物の乾燥物、および前記抽出物の濃縮物からなる群より選択された1種以上;および
(2)藁本、遠志、またはこれらの混合物の抽出物、前記抽出物の乾燥物、および前記抽出物の濃縮物からなる群より選択された1種以上
を有効性分として含むアルコール性二日酔い予防および/または二日酔い解消用食品組成物を提供する。
【0019】
他の例で、前記薬学組成物および食品組成物は、
(1)龍眼肉抽出物、前記抽出物の乾燥物、および前記抽出物の濃縮物からなる群より選択された1種以上、および
(2)藁本、遠志、またはこれらの混合物の抽出物、前記抽出物の乾燥物、および前記抽出物の濃縮物からなる群より選択された1種以上に加えて、
(3)葛根、黄ごん、桔梗、升麻、白し、らいふく子、および石菖蒲からなる群より選択された1種以上の抽出物、前記抽出物の乾燥物、および前記抽出物の濃縮物からなる群より選択された1種以上
を追加的に含むことができる。
【0020】
したがって、本発明の一例は、
(1)龍眼肉抽出物、前記抽出物の乾燥物、および前記抽出物の濃縮物からなる群より選択された1種以上;
(2)藁本、遠志、またはこれらの混合物の抽出物、前記抽出物の乾燥物、および前記抽出物の濃縮物からなる群より選択された1種以上;および
(3)葛根、黄ごん、桔梗、升麻、白し、らいふく子、および石菖蒲からなる群より選択された1種以上の抽出物、前記抽出物の乾燥物、および前記抽出物の濃縮物からなる群より選択された1種以上
を有効性分として含むアルコール性二日酔い予防および/または二日酔い解消用薬学組成物を提供する。
【0021】
他の例は、
(1)龍眼肉抽出物、前記抽出物の乾燥物、および前記抽出物の濃縮物からなる群より選択された1種以上;
(2)藁本、遠志、またはこれらの混合物の抽出物、前記抽出物の乾燥物、および前記抽出物の濃縮物からなる群より選択された1種以上;および
(3)葛根、黄ごん、桔梗、升麻、白し、らいふく子、および石菖蒲からなる群より選択された1種以上の抽出物、前記抽出物の乾燥物、および前記抽出物の濃縮物からなる群より選択された1種以上
を有効性分として含むアルコール性二日酔い予防および/または二日酔い解消用食品組成物を提供する。
【0022】
本明細書で、「二日酔い」は、酒などのアルコール飲料(エタノール)を自身の代謝能力以上に摂取することで発生する不快な身体的状態を意味する。アルコール(エタノール)がアセトアルデヒドに代謝されて体内に残ってそれが二日酔い症状を起こす。二日酔いは、夜間に酒を飲んで翌朝起きた後に顕著に現れる現像であってもよい。二日酔いは、急性アルコール中毒とは異なり、生活に直接的な危険ではないが、しばしば酔いと頭痛などの顕著な不快感を伴うことがある。
【0023】
本明細書で提供される二日酔い予防および/または改善効果は、アルコール飲料の摂取前、同時、または後に投与されて、二日酔い症状が発生することを防止したり非投与時と比較して二日酔い症状を弱化/緩和させる効果を総称することができる。
【0024】
本明細書で、別途の言及がない限り、「抽出物」は、抽出物と抽出物を乾燥した乾燥物、および抽出物を濃縮した濃縮物のうちのいずれか一つを意味するために用いられ得る。
【0025】
「龍眼肉」は、龍眼の木の仮種皮を意味し、生薬名がLongan arillusである。
【0026】
「藁本」は、セリ科に属する薬品植物で、生薬名がAngelicae tenuissimae Radixであり、前記植物の根、茎および葉の部位を抽出して用いることができ、一例で前記植物の根を用いることができる。
【0027】
「遠志」は、遠志科(Polygalaceae)に属する薬品植物で、生薬名がPolygalae Radixであり、前記植物の根、茎および葉の部位を抽出して用いることができ、一例で前記植物の根を用いることができる。
【0028】
「葛根」は、葛(Puerarialobate(Willd.) Ohwi)の周皮を除去した根を意味する。
【0029】
「黄ごん」は、生薬名がScutellariae Radixで、双子葉植物シソ目シソ科の多年草であり、前記植物の根、茎および葉の部位を抽出して用いることができ、例えば前記植物の根を用いることができる。
【0030】
「桔梗」は、生薬名がPlatycodi Radixで、キキョウ科の多年草であり、夏に白色と紫色の花が咲く。前記植物の根、茎および葉の部位を抽出して用いることができ、例えば前記植物の根を用いることができる。
【0031】
「升麻」は、生薬名がCimicifugae Rhizomaで、キンポウゲ科の升麻(Cimicifuga heracleifolia Komarov)または同属植物の根茎で作った薬剤である。
【0032】
「白し」は、繖形科のヨロイグサ(Angelica dahurica Bentham et Hooker)またはその変種の根を乾燥させて作った薬剤で、生薬名がAngelicae Dahuricae Radixである。
【0033】
「らいふく子」は、十字花科の大根(Raphanus sativus L.)または同属植物の種を用いて作った薬剤であり、生薬名がRaphani Semenである。
【0034】
「石菖蒲」は、生薬名がAcori Gramineri Rhizomaで、単子葉植物天南星科目天南星科の多年草である。前記植物の根、茎および葉の部位を抽出して用いることができ、例えば、前記植物の根を用いることができる。
【0035】
龍眼肉を含む前述した生薬の抽出物は、熱水抽出物または有機溶媒抽出物であってもよく、当業界に公知の植物抽出物製造方法を利用して製造されてもよい。例えば、抽出溶媒として水;C
1乃至C
4の直鎖または分枝型低級アルコール、ヘキサン、塩化メチレン、アセトニトリル、およびアセトンなどからなる群より選択された1種以上の有機溶媒;および水と前記1種以上の有機溶媒の混合溶媒からなる群より選択されたものを用いることができる。
【0036】
一例で、前記抽出溶媒は、水、または水とC
1乃至C
4の直鎖または分枝型低級アルコール(例えば、エタノール)の混合溶媒(例えば、10乃至50%(v/v)、10乃至45%(v/v)、10乃至40%(v/v)、10乃至35%(v/v)、10乃至30%(v/v)、10乃至25%(v/v)、10乃至22%(v/v)、15乃至50%(v/v)、15乃至45%(v/v)、15乃至40%(v/v)、15乃至35%(v/v)、15乃至30%(v/v)、15乃至25%(v/v)、15乃至22%(v/v)、18乃至50%(v/v)、18乃至45%(v/v)、18乃至40%(v/v)、18乃至35%(v/v)、18乃至30%(v/v)、18乃至25%(v/v)、または18乃至22%(v/v)のC
1乃至C
4の直鎖または分枝型低級アルコール(例えば、エタノール)水溶液)であってもよい。
【0037】
一例で、前記抽出物は、生薬を水、C
1乃至C
4の直鎖または分枝型低級アルコールからなる群より選択された1種以上、またはこれらの混合物で抽出した1次抽出物;前記1次抽出物を水、ヘキサン、塩化メチレン、およびC
1乃至C
4の直鎖または分枝型低級アルコールからなる群より選択された1種以上を用いて追加的に抽出した2次抽出物;前記2次抽出物をアセトニトリル、C
1乃至C
4の直鎖または分枝型低級アルコール(例えば、メタノール)、アセトンおよび水からなる群より選択された1種以上を用いて追加的に抽出した3次抽出物;またはこれらのうちの2以上の混合物であってもよい。例えば、前記1次抽出物および/または2次抽出物および/または3次抽出物を得るに使用された抽出溶媒は、水、または水とC
1乃至C
4の直鎖または分枝型低級アルコール(例えば、エタノール)の混合溶媒(例えば、10乃至50%(v/v)、10乃至45%(v/v)、10乃至40%(v/v)、10乃至35%(v/v)、10乃至30%(v/v)、10乃至25%(v/v)、10乃至22%(v/v)、15乃至50%(v/v)、15乃至45%(v/v)、15乃至40%(v/v)、15乃至35%(v/v)、15乃至30%(v/v)、15乃至25%(v/v)、15乃至22%(v/v)、18乃至50%(v/v)、18乃至45%(v/v)、18乃至40%(v/v、18乃至35%(v/v)、18乃至30%(v/v)、18乃至25%(v/v)、または18乃至22%(v/v)のC
1乃至C
4の直鎖または分枝型低級アルコール(例えば、エタノール)水溶液)であってもよい。
【0038】
一具体例で、前記抽出物は、龍眼肉および遠志の混合抽出物である場合、前記混合抽出物は、龍眼肉抽出物および遠志抽出物の混合物または龍眼肉および遠志の混合物の抽出物を意味し得る。例えば、前記龍眼肉および遠志の混合抽出物は、龍眼肉および遠志が1:0.2乃至1:10、1:0.4乃至1:5、1:0.8乃至1:2.5、または1:1の重量比(龍眼肉重量:遠志重量)で混合されて抽出されたり、龍眼肉抽出物および遠志抽出物を1:0.2乃至1:10、1:0.4乃至1:5、1:0.8乃至1:2.5、または1:1の重量比(龍眼肉抽出物重量:遠志抽出物重量)で含むものであってもよい。
【0039】
前記抽出物が龍眼肉および藁本の混合抽出物の場合、前記混合抽出物は、龍眼肉抽出物および藁本抽出物の混合物または龍眼肉および藁本の混合物の抽出物を意味し得る。例えば、龍眼肉および藁本の混合抽出物は、龍眼肉および藁本が1:0.1乃至1:5、1:0.2乃至1:2.5、1:0.8乃至1:1.25、または1:1の重量比(龍眼肉重量:藁本重量)で混合されて抽出されたり、龍眼肉抽出物および藁本抽出物を1:0.1乃至1:5、1:0.2乃至1:2.5、1:0.8乃至1:1.25、または1:1の重量比(龍眼肉抽出物重量:藁本抽出物重量)含むものであってもよい。
【0040】
前記抽出物が龍眼肉、遠志および藁本の混合抽出物である場合、前記抽出物は、龍眼肉抽出物、遠志抽出物および藁本抽出物の混合物または龍眼肉、遠志および藁本の混合物の抽出物であってもよい。例えば、前記龍眼肉、遠志および藁本の混合抽出物は、龍眼肉、遠志および藁本が1:0.1乃至10:0.1乃至10、1:0.2乃至5:0.2乃至5、1:0.4乃至2.5:0.4乃至2.5、または1:1:1の重量比(龍眼肉重量:遠志重量:藁本重量)で混合されて抽出されたり、龍眼肉抽出物、遠志抽出物、および藁本抽出物を1:0.1乃至10:0.1乃至10、1:0.2乃至5:0.2乃至5、1:0.4乃至2.5:0.4乃至2.5、または1:1:1の重量比(龍眼肉抽出物重量:遠志抽出物重量:藁本抽出物重量)で含むものであってもよい。
【0041】
前記抽出物が龍眼肉、遠志、藁本、葛根、黄ごん、桔梗、白し、升麻、らいふく子および石菖蒲抽出物を全て含む混合抽出物である場合、前記混合抽出物は、龍眼肉抽出物、遠志抽出物、藁本抽出物、葛根抽出物、黄ごん抽出物、桔梗抽出物、白し抽出物、升麻抽出物、らいふく子抽出物、および石菖蒲抽出物の混合物、または龍眼肉、遠志、藁本、葛根、黄ごん、桔梗、白し、升麻、らいふく子および石菖蒲の混合物の抽出物であってもよい。例えば、前記龍眼肉、遠志、藁本、葛根、黄ごん、桔梗、白し、升麻、らいふく子および石菖蒲の混合抽出物は、
龍眼肉15乃至20重量部、15乃至18重量部、または16乃至18重量部;
藁本10乃至15重量部、10乃至13重量部、または10乃至12重量部;
遠志10乃至15重量部、10乃至13重量部、または10乃至12重量部;
葛根15乃至20重量部、15乃至18重量部、または16乃至18重量部;
黄ごん5乃至10重量部、5乃至8重量部、または5乃至7重量部;
桔梗1乃至5重量部、1乃至3重量部、または2乃至3重量部;
白し5乃至10重量部、5乃至8重量部、または5乃至7重量部;
升麻5乃至10重量部、5乃至8重量部、または5乃至7重量部;
らいふく子5乃至10重量部、5乃至8重量部、または5乃至7重量部;および
石菖蒲15乃至20重量部、15乃至18重量部、または16乃至18重量部
が混合されて抽出されたり、
龍眼肉抽出物15乃至20重量部、15乃至18重量部、または16乃至18重量部;
藁本抽出物10乃至15重量部、10乃至13重量部、または10乃至12重量部;
遠志抽出物10乃至15重量部、10乃至13重量部、または10乃至12重量部;
葛根抽出物15乃至20重量部、15乃至18重量部、または16乃至18重量部;
黄ごん抽出物5乃至10重量部、5乃至8重量部、または5乃至7重量部;
桔梗抽出物1乃至5重量部、1乃至3重量部、または2乃至3重量部;
白し抽出物5乃至10重量部、5乃至8重量部、または5乃至7重量部;
升麻抽出物5乃至10重量部、5乃至8重量部、または5乃至7重量部;
らいふく子抽出物5乃至10重量部、5乃至8重量部、または5乃至7重量部;および
石菖蒲抽出物15乃至20重量部、15乃至18重量部、または16乃至18重量部
を含むものであってもよい。
前記記載された各成分の重量部は、抽出物(前記成分の混合物)100重量部に対する数値であってもよい。
【0042】
本明細書で、前記抽出物の重量は、抽出溶媒を除去した固形分の重量であってもよく、前記重量部は、抽出物に含有された各成分間の重量比を示すために使用される。
【0043】
前記抽出物を得るための抽出溶媒の使用量は制限がなく、通常使用される量で使用可能である。例えば、有効成分抽出効率を考慮して、抽出溶媒の使用量は、生薬の重量の1乃至20体積倍(例えば、生薬1kg当り1L乃至20L、ただし、抽出溶媒が水である場合、溶媒使用量は重量基準で表現されてもよい)、1乃至15体積倍、1乃至10体積倍、または1乃至5体積倍であってもよいが、これに制限されるのではない。
【0044】
抽出時間は、これに限定されないが、有効成分の十分な抽出のために1乃至12時間、好ましくは3乃至6時間にすることができる。抽出温度は、これに限定されないが、有効成分の効果的な抽出のために、室温乃至抽出溶媒の沸点まで(例えば、25乃至100℃、30乃至100℃、35乃至100℃、40乃至100℃、45乃至100℃、50乃至100℃、55乃至100℃、60乃至100℃、65乃至100℃、70乃至100℃、75乃至100℃、80乃至100℃、25乃至97℃、30乃至97℃、35乃至97℃、40乃至97℃、45乃至97℃、50乃至97℃、55乃至97℃、60乃至97℃、65乃至97℃、70乃至97℃、75乃至97℃、80乃至97℃、25乃至95℃、30乃至95℃、35乃至95℃、40乃至95℃、45乃至95℃、50乃至95℃、55乃至95℃、60乃至95℃、65乃至95℃、70乃至95℃、75乃至95℃、または80乃至95℃)にすることができる。
【0045】
前記抽出物を得るための抽出方法は、本発明が属する技術分野の通常使用される公知の抽出方法により製造されてもよい。具体的に、冷浸法、加熱抽出法、熱水抽出法、超音波抽出法、濾過法、加圧抽出法、還流抽出法、超臨界抽出法、電気的抽出法など通常使用される抽出法を用いることができる。
【0046】
前記薬学組成物内の有効成分として抽出物の含有量は、使用形態および目的、使用対象の状態、症状の種類および軽重などにより適切に調節することができ、固形分重量を基準に、0.001乃至99.9重量%、または0.1乃至50重量%であってもよいが、これに限定されない。
【0047】
前記薬学的組成物は、ヒトを含むほ乳動物に多様な経路で投与されてもよい。投与方式は通常使用される全ての方式であってもよく、例えば、経口投与、静脈、筋肉、皮下、または腹腔注射により投与されてもよい。前記薬学的組成物は、それぞれ通常の方法により散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エアゾールなどの経口型剤形、経皮剤、座剤および滅菌注射溶液の形態の非経口剤形などで剤形化して用いられてもよい。
【0048】
前記薬学組成物は、前記の有効成分の他にも、一般に投与方式と標準薬剤学的慣行(Standard pharmaceutical practice)を考慮して選択した薬剤学的および/または生理学的に許容される担体、賦形剤、および希釈剤などからなる群より選択された1種以上の補助剤と混合して投与されてもよい。例えば、前記薬剤学的および/または生理学的に許容される担体は、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アカシアゴム、アルジネート、ゼラチン、カルシウムホスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、マグネシウムステアレートおよび鉱物油などからなる群より選択された1種以上を含むものであってもよいが、これに制限されるのではなく、薬剤学分野で通常使用される全ての担体であってもよい。
【0049】
前記薬剤学的および/または生理学的に許容される希釈剤および/または賦形剤は、薬学組成物の適切な製剤化に通常使用される全ての充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、潤滑剤、界面活性剤などからなる群より選択された1種以上であってもよい。
【0050】
例えば、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、またはカプセル剤などの経口投与のための固形製剤の場合、前記賦形剤はこのような固形製剤の製剤化のための少なくとも1種以上の物質、例えば、デンプン、カルシウムカーボネート(Calcium carbonate)、スクロース(Sucrose)、ラクトース(Lactose)、ゼラチンなどからなる群より選択された1種以上であってもよい。その他にも、マグネシウムステアレート、タルクなどのような潤滑剤も用いられてもよい。また、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などの経口投与のための液状製剤の製剤化の場合、通常使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィンなどからなる群より選択された1種以上が用いられてもよく、その他に、通常使用される多様な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、および/または保存剤などが含まれてもよいが、これに制限されるのではない。
【0051】
例えば、前記薬学的組成物は、デンプンまたはラクトースを含有する錠剤形態で、または適切な賦形剤を含有するカプセル形態で、または味を付けたり色を付けるようにする化学薬品を含有するエリキシルまたは懸濁剤形態で経口、口腔内または舌下投与されてもよい。このような液体製剤は、懸濁剤(例えば、メチルセルロース、ウイテプゾール(Witepsol)のような半合成グリせライドまたは杏子油(Apricot kernel oil)とPEG−6エステルの混合物またはPEG−8とカプリリック/カプリックグリせライドの混合物のようなグリせライド混合物)のような薬剤学的に許容可能な添加剤と共に剤形化されてもよい。
前記食品組成物で、用語「食品」は、栄養素を一つ以上含有している食用の天然物または加工品を意味し、通常の意味として、各種食品、健康機能食品、飲料、食品添加剤、および飲料添加剤のうちのいずれか一つを意味するために用いられてもよく、用語「食品組成物」は、前記食品を製造するための材料の組み合わせを意味し得る。前記食品の例として各種食品類、飲料、ガム、キャンディ類、お茶、機能性食品などがある。一例で、前記食品は、二日酔い解消飲料であってもよい。
【0052】
前記食品組成物内の有効性分としての前記抽出物の含有量は、食品使用形態、目的などにより適切に調節することができ、例えば、固形分重量を基準に、0.00001乃至99.9重量%、または0.001乃至50重量%であってもよいが、これに限定されない。
【0053】
また他の側面からアルコール代謝活性化作用および/または二日酔い解消作用に優れた生薬抽出物の製造方法が提供される。前記製造方法は、
生薬に水;C
1乃至C
4の直鎖または分枝型低級アルコール、ヘキサン、塩化メチレン、アセトニトリル、およびアセトンなどにからなる1種以上の有機溶媒;および水と前記1種以上の有機溶媒の混合溶媒からなる群より選択された溶媒を加えて抽出して生薬抽出物を得る段階
を含むことができる。
【0054】
より具体的に、一例で、前記製造方法は、
1)生薬に水、C
1乃至C
4の直鎖または分枝型低級アルコールからなる群より選択された1種以上、またはこれらの混合物を加えて1次抽出する段階
を含むことができる。
【0055】
他の例で、前記製造方法は、
1)生薬に水、C
1乃至C
4の直鎖または分枝型低級アルコールからなる群より選択された1種以上、またはこれらの混合物を加えて1次抽出して1次抽出物を得る段階;および
2)前記1次抽出物に水、ヘキサン、塩化メチレン、およびC
1乃至C
4の直鎖または分枝型低級アルコールからなる群より選択された1種以上を加えて2次抽出して2次抽出物を得る段階
を含むことができる。
【0056】
また他の例で、前記製造方法は
1)生薬に水、C
1乃至C
4の直鎖または分枝型低級アルコールからなる群より選択された1種以上、またはこれらの混合物を加えて1次抽出して1次抽出物を得る段階;
2)前記1次抽出物に水、ヘキサン、塩化メチレン、およびC
1乃至C
4の直鎖または分枝型低級アルコールからなる群より選択された1種以上を加えて2次抽出して2次抽出物を得る段階;および
3)前記2次抽出物にアセトニトリル、メタノール、アセトンおよび水からなる群より選択された1種以上を加えて3次抽出して3次抽出する段階
を含むことができる。
【0057】
前記生薬は、
(1)龍眼肉、
(2)龍眼肉と、藁本、遠志、またはこれらの混合物との混合物、または
(3)前記(2)の混合物および葛根、黄ごん、桔梗、升麻、白し、らいふく子、および石菖蒲からなる群より選択された1種以上との混合物
であってもよい。
【0058】
一例で、前記生薬は、
龍眼肉;
龍眼肉、藁本および遠志の混合物;または
龍眼肉、藁本、遠志、葛根、黄ごん、桔梗、升麻、白し、らいふく子、および石菖蒲の混合物
であってもよい。
【0059】
生薬が混合物形態である場合、混合物内の各生薬間比率は前述したとおりである。
前記方法において、前記それぞれの抽出する段階1)は、生薬に抽出溶媒を生薬の重量の1乃至20体積倍(例えば、生薬1kg当り1L乃至20L、ただし、抽出溶媒が水である場合、溶媒使用量は重量基準で表現されてもよい)、1乃至15体積倍、1乃至10体積倍、または1乃至5体積倍で加えて行われるものであってもよい。
【0060】
また、前記抽出段階は、1回行われるか、2回以上、例えば、2回または3回反復して行われて各抽出段階で得られた濾液を合わせて最終抽出物を得ることができる。したがって、前記製造方法の各抽出段階は、抽出後に抽出物を濾過して濾液を得る段階を追加的に含むことができる。
【0061】
また、前記製造方法は、必要に応じて、最終的に得られた抽出物を濃縮および/または乾燥する段階を追加的に含むことができる。
【0062】
前記抽出は、通常使用される公知の全ての抽出方法により行われてもよく、例えば、冷浸法、加熱抽出法、熱水抽出法、超音波抽出法、濾過法、加圧抽出法、還流抽出法、超臨界抽出法、電気的抽出法など通常使用される抽出法により行われてもよい。
【0063】
抽出時間は、これに限定されないが、有効成分の十分な抽出のために1乃至12時間、好ましくは3乃至6時間にすることができる。抽出温度は、これに限定されないが、有効成分の効果的な抽出のために、室温乃至抽出溶媒の沸点まで(例えば、25乃至100℃、30乃至100℃、35乃至100℃、40乃至100℃、45乃至100℃、50乃至100℃、55乃至100℃、60乃至100℃、65乃至100℃、70乃至100℃、75乃至100℃、80乃至100℃、25乃至97℃、30乃至97℃、35乃至97℃、40乃至97℃、45乃至97℃、50乃至97℃、55乃至97℃、60乃至97℃、65乃至97℃、70乃至97℃、75乃至97℃、80乃至97℃、25乃至95℃、30乃至95℃、35乃至95℃、40乃至95℃、45乃至95℃、50乃至95℃、55乃至95℃、60乃至95℃、65乃至95℃、70乃至95℃、75乃至95℃、または80乃至95℃)にすることができる。
【0064】
前記濾過、濃縮(例えば、減圧濃縮など)、および/または乾燥(例えば、凍結乾燥など)は、生薬抽出物製造分野に通常使用される全ての方法により行われてもよいが、特別な制限はない。