特許第6980809号(P6980809)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6980809
(24)【登録日】2021年11月19日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/32 20060101AFI20211202BHJP
【FI】
   B65D81/32 C
【請求項の数】9
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-556142(P2019-556142)
(86)(22)【出願日】2018年10月24日
(86)【国際出願番号】JP2018039535
(87)【国際公開番号】WO2019102774
(87)【国際公開日】20190531
【審査請求日】2020年5月18日
(31)【優先権主張番号】特願2017-224559(P2017-224559)
(32)【優先日】2017年11月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】599098518
【氏名又は名称】株式会社ディーエイチシー
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 治
【審査官】 植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−178442(JP,A)
【文献】 特表2001−520609(JP,A)
【文献】 特開2000−272674(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/038876(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第106113366(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/32
B65D 30/00−33/38
B65D 67/00−79/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体及び液体を収容する内部空間を有し、当該内部空間が外部からの圧力に応じて縮小/拡大するよう構成されている第一収容領域部及び第二収容領域部と、
前記第一収容領域部の内部空間と前記第二収容領域部の内部空間とを相互に連通させる連通路と、
物質を収容する内部空間を有し、当該内部空間が外部からの圧力に応じて縮小/拡大するよう構成され、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方と内部空間を相互に分離する分離部を間に介して隣接された第三収容領域部と、を備え、
前記第一収容領域部及び第二収容領域部の内部空間の縮小/拡大に応じて、前記気体及び液体が前記連通路を流通すると共に、当該連通路は、液体内で気体を微小気泡化させるよう構成されており、
さらに、前記連通路を、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との間に複数設け、
前記連通路のうち、少なくとも1つは前記第一収容領域部の内部空間から前記第二収容領域部の内部空間に向かって通路の幅が狭くなるよう構成され、少なくとも他の1つは前記第二収容領域部の内部空間から前記第一収容領域部の内部空間に向かって通路の幅が狭くなるよう構成されており、
前記分離部は、前記第三収容領域部の内部空間と、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間とが、分離状態から連通状態となるよう構成されている、
包装体。
【請求項2】
請求項1に記載の包装体であって、
前記分離部は、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部と前記第三収容領域部とに対する外部からの押圧状態に応じて、前記第三収容領域部の内部空間と、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間とが、分離状態から連通状態となるよう構成されている、
包装体。
【請求項3】
請求項に記載の包装体であって、
前記分離部は、前記第三収容領域部の内部空間と、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間とが、分離状態である場合に、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部と前記第三収容領域部とに対する外部からの押圧状態が予め設定された状態となったときに、前記第三収容領域部の内部空間と、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間とが、連通状態となるよう構成されている、
包装体。
【請求項4】
請求項に記載の包装体であって、
前記分離部は、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部と前記第三収容領域部とに対する外部からの押圧状態が予め設定された状態となったときに、前記分離部が崩壊して、前記第三収容領域部の内部空間と、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間とが、連通状態となるよう構成されている、
包装体。
【請求項5】
請求項1乃至のいずれかに記載の包装体であって、
前記分離部は、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部とのいずれか一方のみが外部から押圧された状態では、前記第三収容領域部の内部空間と、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間とが、分離状態であり、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部と前記第三収容領域部とに対する外部からの押圧状態が予め設定された状態となったときに、前記第三収容領域部の内部空間と、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間とが、連通状態となるよう構成されている、
包装体。
【請求項6】
請求項1乃至のいずれかに記載の包装体であって、
柔軟性を有する2つのシート体の一部を貼り合わせて構成されており、
前記2つのシート体が貼り合わせられていない当該2つのシート体の間に、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部と前記第三収容領域部との各内部空間と、前記連通路と、を形成しており、前記分離部は、前記2つのシート体が貼り合わせられて構成されており、
前記分離部は、他の箇所よりも前記2つのシート体の貼り合わせ強度が低く形成されている、
包装体。
【請求項7】
請求項に記載の包装体であって、
前記2つのシート体が貼り合わせられている前記第一収容領域部と前記第二収容領域部と前記第三収容領域部と前記連通路との周囲箇所における当該2つのシート体の貼り合わせ強度よりも、前記分離部における前記2つのシート体の貼り合わせ強度の方が低く形成されている、
包装体。
【請求項8】
内部空間に気体及び液体が収容された第一収容領域部と第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間と、内部空間に物質が収容された第三収容領域部の内部空間とが、分離部にて相互に分離された状態で、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部とを交互に外部から押圧して、前記第一収容領域部の内部空間と前記第二収容領域部の内部空間とを交互に縮小/拡大させることにより、前記第一収容領域部の内部空間と前記第二収容領域部の内部空間とを相互に連通させる複数の連通路であり、少なくとも1つは前記第一収容領域部の内部空間から前記第二収容領域部の内部空間に向かって通路の幅が狭くなるよう構成され、少なくとも他の1つは前記第二収容領域部の内部空間から前記第一収容領域部の内部空間に向かって通路の幅が狭くなるよう構成された前記連通路に、気体及び液体を流通させることで、当該連通路にて液体内で気体を微小気泡化させ、
その後、前記分離部を、前記第三収容領域部の内部空間が前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間と連通した状態にして、前記第一収容領域部及び前記第二収容領域部内の気体が微小気泡化された液体と、前記第三収容領域部内の前記物質と、を混合する、
物質混合方法。
【請求項9】
請求項8に記載の物質混合方法であって、
前記連通路にて液体内で気体を微小気泡化させた後に、
前記第一収容領域部と前記第二収容領域部と前記第三収容領域部とを予め設定された外部からの押圧状態とすることで、前記第三収容領域部の内部空間が前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間と連通した状態にし、前記第一収容領域部及び前記第二収容領域部内の気体が微小気泡化された液体と、前記第三収容領域部内の前記物質と、を混合する、
物質混合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノバブルは、水などの溶媒中に存在するナノサイズ(例えば、粒径1000nm以下)の微小気泡であり、通常の気泡とは著しく異なった性質を有する。例えば、ナノバブルは、成長促進効果や抗酸化作用、殺菌作用など、人体に対しても優れた効果が期待されている。
【0003】
そして、上述したナノバブルの性質を利用して、様々な溶媒にナノバブルを含有させることも検討されている。例えば、化粧液や洗浄剤、薬剤、飲料物などを形成する溶媒にナノバブルを含有させることで、ナノバブルを人体に取り込むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−120919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、ナノバブルは、溶媒中に微小気泡として存在するものであるため、溶媒に対する溶存量が時間の経過に伴って低下しうる。このため、例えば、体内にナノバブルを取り込むことを目的とする場合であっても、ナノバブルの溶媒に対する溶存期間が短く溶存量が低下することにより、効率よく取り込むことが困難である、という問題が生じる。
【0006】
ここで、特許文献1には、ある成分を含有する液体を安定して保持するための包装袋が開示されている。この包装袋は、アルミニウム層を有しており、遮光性、水分遮断性、ガスバリア性を確保して、ある成分が含有された液体を長期保存できるよう構成されている。
【0007】
しかしながら、上述したような包装袋であっても、ナノバブルが溶媒に含有されている状態のままでは、ナノバブルが減少しうる。つまり、液体と気体の混合物の混合状態を安定して保持することが困難である。このため、必要に応じてナノバブルの溶存量が多い溶媒を得ることが困難である、という問題が生じる。
【0008】
また、ナノバブルに限らず、上述した包装袋に、複数の物質の混合物を収容している場合に、かかる混合物の混合状態を安定して維持することも困難となりうる。このため、必要に応じて混合状態を維持した混合物を得ることが困難である、という問題が生じる。
【0009】
本発明の目的は、上述した課題である、複数の物質の混合物を所望の混合状態を維持した状態で得ることが困難である、ことを解決することができる包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一形態である包装体は、
気体及び液体を収容する内部空間を有し、当該内部空間が外部からの圧力に応じて縮小/拡大するよう構成されている第一収容領域部及び第二収容領域部と、
前記第一収容領域部の内部空間と前記第二収容領域部の内部空間とを相互に連通させる連通路と、
物質を収容する内部空間を有し、当該内部空間が外部からの圧力に応じて縮小/拡大するよう構成され、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方と内部空間を相互に分離する分離部を間に介して隣接された第三収容領域部と、を備え、
前記第一収容領域部及び第二収容領域部の内部空間の縮小/拡大に応じて、前記気体及び液体が前記連通路を流通すると共に、当該連通路は、液体内で気体を微小気泡化させるよう構成されており、
前記分離部は、前記第三収容領域部の内部空間と、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間とが、分離状態から連通状態となるよう構成されている、
という構成をとる。
【0011】
また、上記包装体では、
前記分離部は、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部と前記第三収容領域部とに対する外部からの押圧状態に応じて、前記第三収容領域部の内部空間と、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間とが、分離状態から連通状態となるよう構成されている、
という構成をとる。
【0012】
また、上記包装体では、
前記分離部は、前記第三収容領域部の内部空間と、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間とが、分離状態である場合に、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部と前記第三収容領域部とに対する外部からの押圧状態が予め設定された状態となったときに、前記第三収容領域部の内部空間と、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間とが、連通状態となるよう構成されている、
という構成をとる。
【0013】
また、上記包装体では、
前記分離部は、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部と前記第三収容領域部とに対する外部からの押圧状態が予め設定された状態となったときに、前記分離部が崩壊して、前記第三収容領域部の内部空間と、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間とが、連通状態となるよう構成されている、
という構成をとる。
【0014】
また、上記包装体では、
前記分離部は、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部とのいずれか一方のみが外部から押圧された状態では、前記第三収容領域部の内部空間と、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間とが、分離状態であり、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部と前記第三収容領域部とに対する外部からの押圧状態が予め設定された状態となったときに、前記第三収容領域部の内部空間と、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間とが、連通状態となるよう構成されている、
という構成をとる。
【0015】
また、上記包装体では、
柔軟性を有する2つのシート体の一部を貼り合わせて構成されており、
前記2つのシート体が貼り合わせられていない当該2つのシート体の間に、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部と前記第三収容領域部との各内部空間と、前記連通路と、を形成しており、前記分離部は、前記2つのシート体が貼り合わせられて構成されており、
前記分離部は、他の箇所よりも前記2つのシート体の貼り合わせ強度が低く形成されている、
という構成をとる。
【0016】
また、上記包装体では、
前記2つのシート体が貼り合わせられている前記第一収容領域部と前記第二収容領域部と前記第三収容領域部と前記連通路との周囲箇所における当該2つのシート体の貼り合わせ強度よりも、前記分離部における前記2つのシート体の貼り合わせ強度の方が低く形成されている、
という構成をとる。
【0017】
また、上記包装体では、前記連通路は、少なくとも一部の通路の幅が他の箇所よりも狭く形成されていてもよい。また、前記連通路は、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部とにそれぞれ連結する箇所である両端部の間に位置する一部の通路の幅が、当該両端部よりも狭く形成されていてもよい。
【0018】
また、上記包装体では、前記連通路を、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との間に複数設けてもよい。前記連通路のうち、少なくとも1つは前記第一収容領域部の内部空間から前記第二収容領域部の内部空間に物質を流通させるよう構成され、少なくとも他の1つは記第二収容領域部の内部空間から前記第一収容領域部の内部空間に物質を流通させるよう構成してもよい。
【0019】
また、本発明の一形態である物質混合方法では、
内部空間に気体及び液体が収容された第一収容領域部と第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間と、内部空間に物質が収容された第三収容領域部の内部空間とが、分離部にて相互に分離された状態で、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部とを交互に外部から押圧して、前記第一収容領域部の内部空間と前記第二収容領域部の内部空間とを交互に縮小/拡大させることにより、前記第一収容領域部の内部空間と前記第二収容領域部の内部空間とを相互に連通させる連通路に気体及び液体を流通させることで、当該連通路にて液体内で気体を微小気泡化させ、
その後、前記分離部を、前記第三収容領域部の内部空間が前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間と連通した状態にして、前記第一収容領域部及び前記第二収容領域部内の気体が微小気泡化された液体と、前記第三収容領域部内の前記物質と、を混合する、
という構成をとる。
【0020】
また、上記物質混合方法では、
前記連通路にて液体内で気体を微小気泡化させた後に、
前記第一収容領域部と前記第二収容領域部と前記第三収容領域部とを予め設定された外部からの押圧状態とすることで、前記第三収容領域部の内部空間が前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との少なくとも一方の内部空間と連通した状態にし、前記第一収容領域部及び前記第二収容領域部内の気体が微小気泡化された液体と、前記第三収容領域部内の前記物質と、を混合する、
という構成をとる。
【0021】
上記構成によると、まず、第一収容領域部を外部から押して圧力をかけると、当該第一収容領域部の内部空間が縮小し、当該第一収容領域部の内部空間に収容されている物質が連通路を介して第二収容領域部の内部空間に流通し、これに応じて、当該第二収容領域部の内部空間が拡大する。その後、第二収容領域部を外部から押して圧力をかけると、当該第二収容領域部の内部空間が縮小し、当該第二収容領域部の内部空間に収容されている物質が連通路を介して第一収容領域部の内部空間に流通し、これに応じて、当該第一収容領域部の内部空間が拡大する。このような操作を繰り返し行うことで、連通路を介して第一収容領域部と第二収容領域部との間を流通した複数の物質が混合される。このとき、収容される物質が液体と気体である場合には、液体と気体が混合されると共に、連通路を通過する際に、液体内で気体が微小気泡化される。これにより、微小気泡を含有した液体を得ることができる。
【0022】
そしてさらに、分離部を介して内部空間が分離されている、第一収容領域部及び/又は第二収容領域部と第三収容領域部とを、相互に連通させることで、第三収容領域部に収容されている物質と微小気泡を含有した液体とを混合させることができる。その結果、微小気泡が発生した直後の混合物を得ることができる。
【0023】
特に、第一収容領域部、第二収容領域部、第三収容領域部に対する押圧状態を予め設定された状態とすることで、第一収容領域部及び/又は第二収容領域部と第三収容領域部とを相互に連通させることができる。このため、容易な操作で微小気泡が発生した直後の混合物を得ることができる。
【0024】
また、上記包装体では、前記連通路の内壁面に凸部を設けたり、前記連通路に、前記物質が流通可能な複数の孔を有する孔形成部材を設けた、という構成をとる。そして、前記連通路に設けられた前記孔形成部材に形成された複数の孔は、当該連通路内に配置された複数の多角形形状物の隙間にて形成されてもよい。
【0025】
また、上記包装体では、前記連通路を、前記第一収容領域部と前記第二収容領域部との間に複数設けてもよい。そして、前記連通路のうち、少なくとも1つは前記第一収容領域部の内部空間から前記第二収容領域部の内部空間に向かって通路の幅が狭くなるよう構成され、少なくとも他の1つは記第二収容領域部の内部空間から前記第一収容領域部の内部空間に向かって通路の幅が狭くなるよう構成されていてもよい。
【0026】
また、本発明の一形態である包装体は、
気体及び液体を収容する内部空間を有し、当該内部空間が外部からの圧力に応じて縮小/拡大するよう構成されている第一収容領域部及び第二収容領域部と、
前記第一収容領域部の内部空間と前記第二収容領域部の内部空間とを相互に連通させる連通路と、を備え、
前記第一収容領域部及び第二収容領域部の内部空間の縮小/拡大に応じて、前記気体及び液体が前記連通路を流通するよう構成されており、
さらに、前記第一収容領域部及び/あるいは前記第二収容領域部の内部空間であって前記連通路の端部付近に、当該連通路を流通する前後に前記気体及び前記液体が当接する当接物体を設けた、
という構成をとる。
【0027】
そして、上記包装体では、
前記当接物体は、外周に少なくとも1つの角部を有する、
という構成をとる。
【0028】
また、上記包装体では、
前記連通路は、前記気体及び液体が当該連通路を流通する際に、液体内で気体を微小気泡化させるよう構成されている、
という構成をとる。
【0029】
また、上記包装体では、
柔軟性を有する2つのシート体の一部を貼り合わせて構成されており、
前記2つのシート体が貼り合わせられていない当該2つのシート体の間に、前記第一収容領域部及び前記第二収容領域部の各内部空間と、前記連通路と、を形成しており、前記当接物体は、前記2つのシート体が貼り合わせられて構成されている、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、以上のように構成されることにより、複数の物質の混合物を所望の混合状態を維持した状態で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の第1の実施形態における包装体の構成を示す図である。
図2図1に開示した包装体の利用時の様子を示す図である。
図3図1に開示した包装体の利用時の様子を示す図である。
図4図1に開示した包装体の利用時の様子を示す図である。
図5】本発明である包装体の変形例を示す図である。
図6】本発明である包装体の変形例を示す図である。
図7】本発明である包装体の変形例を示す図である。
図8】本発明である包装体の変形例を示す図である。
図9】本発明である包装体の変形例を示す図である。
図10】本発明である包装体の変形例を示す図である。
図11】本発明である包装体の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、図1乃至図4を参照して説明する。図1は、包装体の構成を示す図であり、図2乃至図4は包装体の利用時の様子を示す図である。
【0033】
図1に、本実施形態における包装体1の構成の一例を示す。図1上図は、包装体1の平面図であり、図1下図は図1上図に示す包装体1を連通路21が形成されている位置で断面した断面図である。
【0034】
本実施形態における包装体1は、2枚のシート体が積層された状態で、一部が貼り合わされて構成されている。シート体は、例えば、ポリエチレン製、アルミニウム製など、いかなる材質であってもよい。
【0035】
具体的に、包装体1は、2枚のシート体の間に、図1上図の点線で示す外形の、3つの収容領域部11,12,13と、2つの連通路21,22と、を構成する空間を形成するよう、その他の部分が張り合わされて構成されている。つまり、包装体1は、図1下図の断面図に示すように、積層された2枚のシート体が、3つの収容領域部11,12,13と、2つの連通路21,22と、を構成する箇所のみ張り合わされておらず、その他の箇所は張り合わされている。なお、2枚のシート体が相互に張り合わされている箇所は、例えば、熱圧着シーラーによって熱圧着されて張り合わされているが、いかなる方法で貼り合わせられていてもよい。
【0036】
このとき、上記2つの連通路21,22は、包装体1に形成された3つの収容領域部11,12,13のうち、相互に隣り合う2つの収容領域部11,12である第一収容領域部11と第二収容領域部12との間に形成されている。そして、もう1つの収容領域部13である第三収容領域部13は、分離部31(網掛けにて図示)を間に介して第二収容領域部12に隣接して形成されている。
【0037】
上記分離部31は、2枚のシート体が貼り合わせられて形成されており、これにより、第二収容領域部12の内部空間と第三収容領域部13の内部空間とが分離した状態となっている。つまり、分離部31が2枚のシート体が貼り合わせられた状態の分離状態であるときには、第二収容領域部12と第三収容領域部13との各内部空間が連通せず、当該各内部空間内の物質が相互に混合しない状態となっている。
【0038】
なお、分離部31は、2枚のシート体が貼り合わせられて形成されているが、その貼り合わせ強度、つまり、2枚のシート体の接着力は、他の箇所よりも低く形成されている。具体的には、2枚のシート体が貼り合わせられている各収容領域部11,12,13や各連通路21,22の周囲における貼り合わせ強度よりも、分離部31の貼り合わせ強度の方が低く形成されている。なお、2枚のシート体の貼り合わせ強度は、例えば、熱圧着度合いを低く設定するか、熱圧着箇所を少なくすることで調整可能であるが、いかなる方法で貼り合わせ強度を調整してもよい。
【0039】
ここで、上記第一収容領域部11及び第二収容領域部12の内部空間には、液体と気体とが収容されている。例えば、液体は化粧液であり、気体は水素ガスである。ここで、第一収容領域部11の内部空間には化粧液、第二収容領域部12の内部空間には水素ガス、というように、最初は液体と気体とが別々に収容されていてもよく、あるいは、液体と気体とが混在した状態でそれぞれの収容領域部11,12に収容されていてもよい。なお、各収容領域部11,12の内部空間に収容される物質として、液体と気体を例に挙げているが、異なる種類の液体同士や気体同士であってもよく、ゾルやゲル、さらには、粉末と言った固体であってもよい。なお、これら物質は、後述するように、連通路21,22を流通可能な流動性を有する物質である。
【0040】
上記2つの連通路21,22は、上記第一収容領域部11の内部空間と上記第二収容領域部12の内部空間との間を相互に連通させる通路である。このため、連通路21,22は、各収容領域部11,12に収容されている複数の物質が、各収容領域部11,12間を相互に行き来するよう流通可能である。但し、連通路21,22は、物質の流通方向を規定するよう構成されている。例えば、連通路22は、第一収容領域部11の内部空間から第二収容領域部12の内部空間に向かって通路の幅が狭くなるよう構成されている。このため、連通路22が弁として機能し、第一収容領域部11から第二収容領域部12に向かって物質が流通するよう構成されている。一方、連通路21は、第二収容領域部12の内部空間から第一収容領域部11の内部空間に向かって通路の幅が狭くなるよう構成されている。このため、連通路21が弁として機能し、第二収容領域部12から第一収容領域部11に向かって物質が流通するよう構成されている。但し、連通路21,22の流通方向は必ずしも規定されていなくてもよい。
【0041】
ここで、上述した第一収容領域部11と第二収容領域部12との内部空間は、柔軟性を有する2枚のシート体の間に形成されている空間であるため、外部からの圧力に応じて、内部空間自体が縮小あるいは拡大するよう構成されている。例えば、図2下図の矢印に示すように、第一収容領域部11を外部から押して圧力をかけると、第一収容領域部11の内部空間が縮小する。すると、図2上図の矢印に示すように、第一収容領域部11内の物質が、連通路22を流通して第二収容領域部12内に流入することとなり、これに応じて、第二収容領域部12の内部空間が拡大する。その後、図3下図の矢印に示すように、第二収容領域部12を外部から押して圧力をかけると、当該第二収容領域部12の内部空間が縮小する。すると、図3上図の矢印に示すように、第二収容領域部12内に収容されている物質が連通路21を介して第一収容領域部11内に流入し、これに応じて、第一収容領域部11の内部空間が拡大する。
【0042】
このとき、上述した各連通路21,22は、物質が流通したときに、液体内の気体を微小気泡化させるよう構成されている。例えば、連通路21,22は、下流側の収容領域部への流入箇所では通路の幅が極めて小さく形成されていることにより、液体と気体が混合された物質が流通すると、液体内の気体が微小気泡化されることとなる。
【0043】
なお、連通路21,22は、上述した構成であることに限定されない。例えば、連通路21の内壁面に凸部が設けられていてもよい。このように凸部が設けられた連通路21内を液体と気体とが混合された物質が流通することで、液体内の気体が微小気泡化されることとなる。ここで、生成される微小気泡は、例えば、粒径1000nm以下のナノサイズであると望ましい。なお、連通路22も同様の構成を有する。
【0044】
また、例えば、連通路21内に多孔質体を充填してもよい。このとき、多孔質体は、例えば、綿状繊維素材で構成されており、多数の孔が形成されている。この多数の孔を液体と気体とが混合された物質が通過することで、液体内の気体が微小気泡化することとなる。なお、孔の大きさは、例えば径が1mm以下であると望ましい。また、多数の孔は、例えば、後述するようにハニカム構造のように、連通路22内に複数の多角形形状物が敷き詰められており、これら多角形形状物の隙間にて形成されていてもよい。このようにすることで、さらなる気泡サイズの微小化を効率よく行うことができる。
【0045】
以上のような構成において、図2図3に示すように、第一収容領域部11と第二収容領域部12に対する外部からの押圧を交互に繰り返すことで、第一収容領域部11の内部空間と第二収容領域部12の内部空間とが交互に縮小/拡大されることとなる。すると、第一収容領域部11の内部空間と第二収容領域部12の内部空間とに収容された液体と気体の混合物が、各連通路21,22内で流通を繰り返すこととなり、連通路21,22を流通した液体と気体の混合物は、液体内で気体が微小気泡化されることとなる。その結果、発生直後の微小気泡を含有する液体を得ることができ、微小気泡の溶存量が多い液体を得ることができる。
【0046】
そして、上述したように、例えば、化粧液と水素とを混合することで、水素の微小気泡の溶存量が多い化粧品を得ることができる。なお、本発明の包装体では、いかなる物質を混合するために用いてもよい。例えば、洗浄剤、薬剤、飲料物といった液体と、酸素や水素などの気体と、を混合することに利用してもよい。これにより、酸素や水素のナノバブルが発生して含有された直後の混合物を得ることができ、かかる混合物を利用することで、ナノバブルによる成長促進効果や抗酸化作用、殺菌作用など、人体などの生物に対して優れた効果を期待することができる。なお、混合する物質は、液体同士や気体同士であってもよい。これにより、生成直後で効果のある混合物を得ることができる。
【0047】
なお、上述した2つの収容領域部11,12内で、混合前では異なる物質が混合されることなく収容されていることが望ましい場合には、各収容領域部11,12内にそれぞれ別々に物質を収容した状態で、各連通路21,22をクリップなどで挟んで塞いでおいてもよい。そして、物質の混合が必要なときに、連通路21,22を挟んだ状態を解除して、上述したように物質の混合を行ってもよい。なお、連通路21,22を塞ぐ方法は、いかなる方法で行ってもよい。
【0048】
ここで、上述した包装体1を用いて、液体中に微小気泡を発生させた実験結果を示す。実験では、液体中に発生した微小気泡の大きさと数をビデオ解析によって調べた。その結果、液体1cmあたり、1〜1000nmの気泡であるナノバブルが2〜14億個、発生していることが観測された。一般的な気泡発生装置を用いた場合には、液体1cmあたり微小気泡が3000〜5000万個程度しか発生しないことに対して、本発明における包装体1では、よりナノバブルの溶存量が多い液体を生成することができる。
【0049】
また、包装体1は、上述したように第一収容領域部11及び第二収容領域部12のみを押圧して微小気泡を発生させているときには、分離部31により第三収容領域部13が第二収容領域部12とは分離した状態が保たれる。つまり、第一収容領域部11及び第二収容領域部12が上述したように微小気泡を発生させるために外部から押圧されたとしても、分離部31箇所においては2枚のシート体が適度な強度で貼り合わせられているため、当該分離部31は崩壊しない。なお、第三収容領域部13の内部空間には、液体、気体などの物質が収容されており、上述したように生成された微小気泡を含有する液体と混合可能な物質である。
【0050】
ここで、上述した第三収容領域部13の内部空間は、第一収容領域部11及び第二収容領域部12と同様に柔軟性を有する2枚のシート体の間に形成されている空間であるため、外部からの圧力に応じて、内部空間自体が縮小あるいは拡大するよう構成されている。そして、本発明の包装体1は、図4下図の矢印に示すように、全ての収容領域部11,12,13が外部から押されて圧力をかけられると、当該全ての収容領域部11,12,13の内部空間が縮小するため、各収容領域部11,12,13内の物質が外部に押し出される力が生じる。このとき、各収容領域部11,12,13の周囲は、2枚のシート体が高い強度で貼り合わせられているため崩壊することはないが、第二収容領域部12と第三収容領域部13との間の分離部31は、貼り合わせ強度が低いため崩壊する。つまり、分離部31箇所における2枚のシート体の貼り合わせが剥がれ(図4の符号31の箇所を参照)、第二収容領域部12の内部空間と第三収容領域部13の内部空間とが連通した状態となる。これにより、図4上図の矢印に示すように、第二収容領域12内のナノバブルを含有した液体と、第三収容領域部13内の物質とが、相手側の領域の内部空間に流入し、これらが混合されることとなる。
【0051】
以上のように、本発明の包装体1によると、まず、分離部31により第三収容領域部13が分離された状態の第一収容領域11及び第二収容領域12を押圧することで、微小気泡を含有した液体を生成することができる。その後、第一収容領域部11及び/又は第二収容領域部12と、第三収容領域部13とを、相互に連通させることで、第三収容領域部13に収容されている物質に、微小気泡を含有した液体を混合させることができる。その結果、微小気泡が発生した直後であり、当該微小気泡の含有率が高い混合物を得ることができる。
【0052】
なお、上記では、分離部31を崩壊させて第一収容領域部11及び/又は第二収容領域部12と、第三収容領域部13とを、相互に連通させる際に、全ての収容領域部11,12,13を外部から押圧している場合を例示したが、上述した方法に限定されない。例えば、第三収容領域部13のみを押圧したり、第一収容領域部11及び第二収容領域部12を同時に押圧したりすることで、分離部31に隣接する第三収容領域部13あるいは第二収容領域部12内の物質が外部に押し出される力を強めて、分離部31を崩壊させて連通状態としてもよい。このように、本発明の包装体1では、分離部31に隣接する第三収容領域部13あるいは第二収容領域部12内の物質が外部に押し出される力が強まり、分離部31が崩壊するような、各収容領域部11,12,13に対する外部からの押圧状態が予め設定された状態となったときに、分離部31が連通状態となる。
【0053】
また、上記では、分離部31が、2枚のシート体の貼り合わせによって形成されている場合を例示したが、第三収容領域部13が、第一収容領域部11と第二収容領域部12との少なくとも一方と内部空間が分離状態から連通状態となる構成であれば、いかなる構造であってもよい。例えば、分離部箇所において2枚のシート体が貼り合わせられておらず、当該分離部箇所をクリップなどの挟持部材で挟むことで、分離部31を構成してもよい。この場合であっても、まず、挟持部材により第三収容領域部13が分離された状態の第一収容領域11及び第二収容領域12で、微小気泡を含有した液体を生成する。その後、挟持部材を外すことで、第三収容領域部13と、第一収容領域部11及び/又は第二収容領域部12と、が連通状態となり、第三収容領域部13に収容されている物質に、微小気泡を含有した液体を混合させることができる。
【0054】
次に、本発明の包装体1の変形例を、図5乃至図10を参照して説明する。まず、図5に示す変形例における包装体1は、第三収容領域部13が、第一収容領域部11及び第二収容領域部12に対して分離部31を間に介して隣接して配置されている。かかる構成であっても、まず、分離部31により第三収容領域部13が分離された状態の第一収容領域11及び第二収容領域12で、微小気泡を含有した液体を生成する。その後、第一収容領域部11及び第二収容領域部12と、第三収容領域部13とを、上述したように相互に連通させることで、第三収容領域部13に収容されている物質に、微小気泡を含有した液体を混合させることができる。
【0055】
なお、上記では、図1及び図5に示すように、第三収容領域部13が第二収容領域部12と、あるいは、第三収容領域部13が第一収容領域部11及び第二収容領域部12と、微小気泡生成後に連通する構成を例示しているが、第三収容領域部13が第一収容領域部13のみと微小気泡生成後に連通する構成であってもよい。また、本発明の包装体1は、後述するように、微小気泡を生成するための収容領域部を3つ以上設けていてもよく、これらの少なくとも1つと、第三収容領域部13が微小気泡生成後に連通するよう構成されていてもよい。さらには、微小気泡を含有する液体と混合される物質が収容される第三収容領域部13に相当する収容領域部を2つ以上設けてもよく、当該各収容領域部が、微小気泡を発生させるための収容領域部と、微小気泡生成後に連通する構成であってもよい。
【0056】
次に、上述した第一収容領域部11と第二収容領域部12に相当するナノバブルを発生させる構成の変形例を説明する。なお、以下では、第三収容領域部13及び分離部31の図示を省略するが、上述したように、第三収容領域部13及び分離部31が、第一収容領域部11及び/又は第二収容領域部12及び/又は他の収容領域部といった微小気泡を発生させるための収容領域に隣接して配置されることとなる。但し、本発明の包装体1は、上述した第三収容領域部13及び分離部31を必ずしも備えていなくてもよい。
【0057】
図6の例における包装体1は、一対の収容領域部11,12間に、連通路25を1つのみ備えている。かかる連通路25は、極めて小さい隙間で形成されており、かかる連通路25を物質が流通することで、物質を混合させたり、液体内で気体の微小気泡を発生させることもできる。なお、上述したように、連通路25内に、多孔質体や角部を有する物体を充填したり、内壁に凸部を設けてもよい。
【0058】
また、図7の例における包装体1は、図6に示すように、一対の収容領域部11,12間に1つの連通路25を備えていると共に、各収容領域部11,12の内部空間であって、当該連通路25の各端部付近、つまり、連通路25の各端部から所定の距離だけ離れた位置に、当該連通路25を流通する物質が当接する当接物体25a,25bを備えている。つまり、図7の例では、第一収容領域部11及び第二収容領域部12のそれぞれの内部空間であって、連通路25の両端である各流入出口付近に、当接物体25a,25bが設けられている。当接物体25a,25bは、例えば、2枚のシート体が貼り合わせられることで形成された、六角形、星形、といった、外周に少なくとも1つの角部を有する形状に形成されている。これにより、連通路25を流通する前後に物質が当接物体25a,25bに当接することとなり、これにより、液体内で気体が微小気泡化されることとなる。
【0059】
なお、上述した当接物体25a,25bの形状は図7に示す形状であることに限定されない。当接形状は、例えば、ひし形や他の多角形であってもよく、あるいは、角部を有しない円形や楕円形、ハート型など、いかなる形状であってもよい。また、当接物体25a,25bは、2枚のシート体が貼り合わせられて構成されることに限定されず、各収容領域部11,12内に固定的に設けられる物体であれば、いかなる構成であってもよい。
【0060】
また、図8上図の例に示す包装体1は、略長方形状の1つの収容領域部の一方の端部側が第一収容領域部11、他方の端部側が第二収容領域部12を形成しており、その間である中央部分が連通路26を形成している。そして、連通路26内は、複数の六角形形状の物体26aが多数敷き詰められており、これら物体26aの隙間を物質が流通することで、液体内で気体が微小気泡化されることとなる。なお、六角形形状の物体26aは、例えば、2枚のシート体を多角形に熱圧着して形成されてもよく、あるいは、連通路26内に固定的に設けられたもので構成されてもよい。
【0061】
ここで、図8上図では、連通路26内の物体26aは六角形形状である場合を例示したが、物体26aの外形はいかなる形状であってもよい。例えば、物体26aの外形は、ひし形や他の多角形といった外周に少なくとも1つの角部を有する形状であってもよく、角部を有しない円形や楕円形、ハート型など、いかなる形状であってもよい。また、連通路26内には、1種類の物体26aが配置されていてもよく、複数種類の物体26aが配置されていてもよく、さらには、複数の物体26aが、規則的、あるいは、ランダムに配置されていてもよい。
【0062】
また、図8下図の例に示す包装体1は、略長方形状の収容領域部を斜めに区分けして、第一収容領域部11及び第二収容領域部12を台形に形成している。そして、第一収容領域部11及び第二収容領域部12の相互に近接する頂点箇所に、各連通路27,28を設けている。なお、第一収容領域部11及び第二収容領域部12を、略長方形状の収容領域部の対角線で区分けした略三角形状に形成してもよい。そして、図8下図の構造にした場合には、例えば、包装体1の左右を、それぞれ左右の手で握ってねじることで、各収容領域部11,12を押圧して、液体内に気体の微小気泡を含有させることができる。従って、物質の混合や微小気泡の発生作業が容易となる。
【0063】
また、図9の例に示す包装体1は、第一収容領域部11及び第二収容領域部12の間に、4つの連通路を備えている。そのうち符号22に示す2つの連通路は、図9上図の矢印に示すように、第一収容領域部11から第二収容領域部12に向かって物質を流通させるよう構成されている。また、符号21に示す2つの連通路は、図9下図の矢印に示すように、第二収容領域部12から第一収容領域部11に向かって物質を流通させるよう構成されている。なお、連通路の数は、上述した数に限定されず、さらに多く設けてもよい。
【0064】
このように、1つの収容領域部に対して物質の流出口や流入口となる連通路を複数設けることで、各収容領域部間を流通させる物質の量を増加させることができる。特に、連通路の物質が流通する方向を設定して構成することで、効率よく物質を混合させることができる。
【0065】
また、図10に示すように、包装体1は、さらに多くの微小気泡を発生させるための収容領域部を備えてもよい。具体的に、図10に示す包装体1は、第一収容領域部11及び第二収容領域部12の他に、他の収容領域部14を備えている。これに伴い、他の収容領域部14から第一収容領域部11に向かって物質を流通させる連通路21aと、第一収容領域部11から他の収容領域部14に向かって物質を流通させる連通路22aと、を備えている。
【0066】
そして、各収容領域部11,12,14には、予めそれぞれ異なる物質が収容されている。例えば、第一収容領域部11には、液体が収容され、第二収容領域部12と他の収容領域部14には、それぞれ異なる気体が収容される。
【0067】
以上のような構成において、各収容領域部11,12,14に対する押圧を繰り返すことで、各収容領域部11,12,14内の物質を混合させることができる。例えば、まず、第二収容領域部12を押圧することで、図10上図の矢印に示すように、第二収容領域部12内の物質が連通路21を介して第一収容領域部11に流通し、第一収容領域部11内の物質が連通路21aを介して他の収容領域部14内に流通する。その後、他の収容領域部14を押圧することで、図10下図の矢印に示すように、他の収容領域部14内の物質が連通路21aを介して第一収容領域部11に流通し、第一収容領域部11内の物質が連通路22を介して第二収容領域部12内に流通する。そして、上述した各収容領域部の押圧を繰り返すことで、内部に収容された液体と気体の混合物が各連通路内で流通を繰り返すこととなり、液体内で気体が微小気泡化されることとなる。
【0068】
なお、図10の例では、第二収容領域部12と他の収容領域部14との間には連通路を設けていないが、これら収容領域部12,14間に連通路を設けてもよい。また、図10の例では、収容領域部11,12,14を3つ設けた例を説明したが、さらに多くの収容領域部を設けてもよい。この場合、全ての収容領域部間に連通路を設けてもよく、特定の収容領域部間のみに連通路を設けてもよい。
【0069】
また、包装体1の第一収容領域部11と第二収容領域部12に相当するナノバブルを発生させる構成部分の変形例としては、図11に示す構成であってもよい。図11の例における包装体1は、一対の収容領域部11,12間に、連通路29を1つのみ備えている。そして、連通路29は、両端部が、それぞれ第一収容領域部11の内部空間と第二収容領域部12の内部空間とに連結しており、かかる両端部の間に位置する連通路29の長さ方向の所定箇所に、通路の幅が狭く形成された狭小部を有する。具体的に、まず、連通路29は、2枚のシート体が貼り合わせられる箇所が、通路の幅を規定する縁となり、相互に対向する内壁を形成している。この相互に対向する内壁がそれぞれ、通路の長さ方向の中央箇所で、通路の幅方向の内部側に突出するよう屈折して形成されている。つまり、連通路29の中央箇所の相互に向かい合う内壁は、それぞれ角張った角部として形成されている。このように、連通路29の幅は、両端部から連通路の長さ方向の内部側に向かってそれぞれ狭くなるよう形成されている。なお、本実施形態における連通路29は、例えば、両端部の通路の幅が10mmであり、狭小部の通路の幅が4mmである。
【0070】
ここで、上記では、包装体1の外形が長方形であり、2つの収容領域部11,12もそれぞれ長方形に形成された形状を例示したが、包装体1や収容領域部11,12の形状はいかなる形状であってもよい。例えば、外形がひし形やハート型、楕円形状であってもよい。そして、収容領域部11,12は、これら包装体1自体の外形をほぼ二分割した形状であってもよい。また、第一収容領域部11及び第二収容領域部12は、必ずしも同一形状であることに限定されない。例えば、包装体1の外形が長方形であって、第一収容領域部11が四角形、第二収容領域部12が三角形、というように、各収容領域部11,12の形状が異なっていてもよい。
【0071】
また、上記では、2枚のシート体を貼り合わせて包装体1を構成する場合を例示したが、包装体1はいかなる構造であってもよい。例えば、上記各収容領域部を柔軟性のある容器で構成し、上記連通路をチューブや貫通孔で構成してもよい。
【0072】
なお、上記では2つの収容領域部11,12が直接連通している場合を例示したが、第一収容領域部11と第二収容領域部12との間に中間収容領域部を設けてもよい。そして、第一収容領域部11と中間収容領域部とを連通させる1つ又は複数の第一連通路と、第二収容領域部12と中間収容領域部とを連通させる1つ又は複数の第二連通路と、を備える。かかる構成では、両端の第一収容領域部11と第二収容領域部12だけを押圧することで、物質が中間収容領域部を介して各連通路を流通し、より効率よく微小気泡を生成することができる。
【0073】
ここで、上述した包装体1自体を、水溶性の素材で形成してもよく、その場合、包装体1内に収容される物質、例えば収容される液体を、包装体1を溶解させない物質としてもよい。例えば、包装体1に収容される物質は、水あるいは水含有物以外のものとするとよい。これにより、例えば、まず第一収容領域部11及び第二収容領域部12内で、包装体1を溶解させない液体洗剤と所定の気体とを収容して混合することで、液体洗剤に気体の微小気泡が含有された混合物を得ることができる。続いて、微小気泡を発生させた液体洗剤に、さらに上述した第三収容領域部13内のある物質を混合する。その後、包装体1自体を洗濯機に投入することで、包装体1が洗濯機内の洗浄水で溶解し、微小気泡が含有された状態の液体洗剤とある物質との混合物を洗濯機内の洗浄水に投入することができる。なお、包装体1は、必ずしも水溶性であることに限定されず、水以外の液体など特定の物質で溶解される素材で形成されてもよく、その場合には、包装体1の内部に収容される物質は、包装体1が溶解される特定の物質以外のものとするとよい。
【0074】
以上、上記実施形態等を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【0075】
なお、本発明は、日本国にて2017年11月22日に特許出願された特願2017−224559の特許出願に基づく優先権主張の利益を享受するものであり、当該特許出願に記載された内容は、全て本明細書に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0076】
1 包装体
11 第一収容領域部
12 第二収容領域部
13 第三収容領域部
14 他の収容領域部
21,22,25,26,27,28,29,21a,22a 連通路
31 分離部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11