(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6980862
(24)【登録日】2021年11月19日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20211202BHJP
F25D 29/00 20060101ALI20211202BHJP
F25D 23/02 20060101ALI20211202BHJP
F25D 23/08 20060101ALI20211202BHJP
【FI】
F25D23/00 305G
F25D29/00 Z
F25D23/02 305A
F25D23/08 G
F25D23/00 301G
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2020-131466(P2020-131466)
(22)【出願日】2020年8月3日
(62)【分割の表示】特願2019-93530(P2019-93530)の分割
【原出願日】2013年6月28日
(65)【公開番号】特開2020-173092(P2020-173092A)
(43)【公開日】2020年10月22日
【審査請求日】2020年8月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】真下 拓也
【審査官】
関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−206854(JP,A)
【文献】
特表2008−546981(JP,A)
【文献】
特開2013−024506(JP,A)
【文献】
特開2005−140345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00
F25D 29/00
F25D 23/02
F25D 23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫本体の前面開口部に取り付けられた両開き式の左右の扉本体と、
前記扉本体の前面に設置された非導電性の前面板と、
前記左右の扉本体間のシール状態を保持する回転仕切り体と、
前記回転仕切り体に設けられた結露防止ヒータと、
前記結露防止ヒータに給電する第1のリード線と、
前記扉本体における前記前面板の裏側に、又は前記冷蔵庫本体の貯蔵室内に設置され、情報の無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信部に給電する第2のリード線と、
前記扉本体における前記前面板の裏側に設置され、当該前面板の表側からの操作を受け付ける操作入力部と、
前記操作入力部に給電する第3のリード線と、を備え、
前記扉本体内において前記第1のリード線と前記第2のリード線及び前記第3のリード線とが重ならない位置に配置するようにし、
前記無線通信部を前記扉本体の回動軸側に配置し、
前記操作入力部を前記扉本体の自由端側で且つ前記無線通信部よりも上方に配置し、
前記無線通信部に給電する前記第2のリード線は、前記操作入力部に給電する前記第3のリード線に沿って配線される
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記第1のリード線と前記第2のリード線及び前記第3のリード線とは、互いに異なる前記扉本体に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記第1のリード線と前記第2のリード線及び前記第3のリード線は、前記左右の扉本体を開閉するように取付けたそれぞれの回動部を介して引き出されていることを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施の形態は、扉前面に前面板を備えた冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、扉前面に飾りのために着色したガラス板や透明プラスチック板の前面板を備えた冷蔵庫が出現している。このような冷蔵庫では、情報の無線通信を行う無線通信部を前面板の裏側等に配置している。
【0003】
このような冷蔵庫では、結露を防止するための結露防止ヒータから無線通信部が悪影響を受け得る問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−198058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたもので、前面板の裏側等に設置された無線通信部を備えた冷蔵庫において、無線通信部の動作が確実に行える冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施の形態の冷蔵庫は、冷蔵庫本体の前面開口部に取り付けられた両開き式の左右の扉本体と、前記扉本体の前面に設置された非導電性の前面板と、前記左右の扉本体間のシール状態を保持する回転仕切り体と、前記回転仕切り体に設けられた結露防止ヒータと、前記結露防止ヒータに給電する第1のリード線と、前記扉本体における前記前面板の裏側に、又は前記冷蔵庫本体の貯蔵室内に設置され、情報の無線通信を行う無線通信部と、前記無線通信部に給電する第2のリード線と、を備え、前記扉本体内において前記第1のリード線と前記第2のリード線とが重ならない位置に配置するようにし、前記無線通信部を前記扉本体の回動軸側に配置したことを特徴とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】実施の形態の冷蔵庫の冷蔵室部分の拡大斜視図。
【
図4】実施の形態の冷蔵庫における右前面板の裏面からの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態を図に基づいて詳説する。
【0009】
図1に示す実施の形態の冷蔵庫1は、冷蔵庫本体であるキャビネット11を備えている。
図2に示すように、キャビネット11は、上段から冷蔵室12、野菜室13、庫内設定温度を切り換えることができる切替室14、冷凍室15とより構成されている。また切替室14の左側には製氷室16が設けられている。
【0010】
図2、
図3に示すように、冷蔵室12の前面開口部を覆うために、左右一対の扉21,22がそれぞれ左端部、右端部の上下をヒンジ部31,32にて観音開き式に開閉するように取り付けられている。また、野菜室13、切替室14、冷凍室15、製氷室16には引き出し式の扉23,24,25,26それぞれが設けられている。尚、野菜室13の背面には、図示していないが、冷蔵室12と野菜室13とを冷却するための冷蔵用蒸発器が配され、切替室14及び冷凍室15の背面には、同じく図示していないが、切替室14、冷凍室15、製氷室16を冷却するための冷凍用蒸発器が配されている。さらに、野菜室13の背面には、この冷蔵庫1を制御するためのマイクロコンピュータよりなる制御部も配されている。
【0011】
左右一対の扉21,22は観音開き式であり、向かって左側の扉(以下、左扉という)21は、左側部にヒンジ部(以下、左ヒンジ部という)31を有し、同右側の扉(以下、右扉という)22は、右側部にヒンジ部(以下、右ヒンジ部という)32を有している。尚、
図1において左右のヒンジ部31,32にはキャップ33,34それぞれが被された状態である。
【0012】
図3に示すように、左扉21の左ヒンジ部31は、ヒンジ軸とヒンジ受け部とより成り、また、左扉21の左端部の上面及び下面にそれぞれ軸孔が開口している。上下一対の板状のヒンジ受け部がキャビネット11の天井面の左前端部と、冷蔵室12の下端の左端部にそれぞれ設けられ、これら上下一対のヒンジ受け部からそれぞれヒンジ軸が突出している。そして、これら上下一対のヒンジ軸に左扉21の軸孔が係合して、左扉21が回動自在となっている。また、左扉21の左端部の上部にある軸孔に係合しているヒンジ軸は円筒状をなし、軸孔とヒンジ軸の内部に、後から説明するリード線41が挿通され、ヒンジ受け部の上部にある開口部31aから引き出されている。右扉22の右ヒンジ部32も同様の構成であり、リード線42とアース線43が開口部32aから引き出されている。そして、これらのリード線41,42は左右のヒンジ部31,32の部分でキャビネット11側のリード線44,46それぞれに接続されている。これらのキャビネット11側のリード線44,46は、キャビネット11の内側を這わせて制御部に接続されている。一方、アース線43はキャビネット11のアース線47に接続され、このアース線47の端部がキャビネット11の導体部に接続され、後述する操作入力部51の浮遊電荷をキャビネット11側にアースする。
【0013】
左扉21、右扉22は共に、前面に開口する内板21A,22Aの開口部に着色透明のガラス製の前面板21B,22Bを取り付け、かつ内板21A,22Aの内部にウレタンのような非導電性の断熱材を充填した構造である。前面板21B,22Bの着色度は、外光を受けた状態で外から前面板21B,22Bの裏側の断熱材等の充填物が見えない濃さである。しかも、後述する操作ボタン名、冷却機能名、冷却強度等を透過表示するLED表示灯、温度値等の変化する数値を透過表示する7セグメントLED表示装置の点灯状態で光が透過して表側から見える濃さでもある。
【0014】
左扉21の右端部、つまり、閉状態で右扉22の左端部に近接して対向する部分には、扉閉状態で、右扉22とのシール状態を保持するための回転仕切り体61が設けられている。この回転仕切り体61の内部には、結露を防止するための結露防止ヒータ62が内蔵されている。この結露防止ヒータ62に対する給電用のリード線41は左扉21の前面板21Aの裏側を通して左ヒンジ部31の開口部31aから上に引き出し、キャビネット11側に設置されている本体側リード線44にコネクタ45にて接続されている。
【0015】
また左扉21の前面板21Bの裏面側の一部あるいは全部には導体シート63が貼り付けてある。これは、前面板21Bがガラス製、したがって非導電性であるために、表側からマグネットシートを吸着させることができないためである。導体シート63の取着により、マグネットシートを前面板22Bの表側から吸着させることができるようになる。これにより、メモ書き等を前面板21Bの表に貼り付けておくことができるようになる。
【0016】
尚、マグネットの吸着が可能なように、左扉21については、内板21A内に導電性を有する断熱材(真空断熱材をアルミニウムのような導電性金属膜で被覆した断熱材で少なくとも表面には導電性がある断熱材)を充填し、前面板21Bで前面を覆った構造にすることにより、導体シート63に代用することができる。
【0017】
右扉22の前面板22Bの裏側には、前面板22Bの表からのタッチ操作により冷蔵庫を操作するための静電容量式の操作入力部51が取り付けられている。この操作入力部51には、冷蔵庫周囲の環境状態を検出ための赤外線受光部52、ホームボタン53、このホームボタン53へのタッチを検知し、操作ボタン名、冷却機能名、冷却強度等を透過表示するLED表示灯54、温度値等の変化する数値を透過表示する7セグメントLED表示装置55が設けられている。そして、操作入力部51の赤外線受光部52、LED表示灯54、7セグメントLED表示装置55等への給電、またタッチ位置の検出信号や赤外線受光部52の受光強度の信号等の取出しのためのリード線42、アース線43が操作入力部51に接続されている。これらのリード線42、アース線43は右ヒンジ部32の部分でキャビネット11側のリード線46、アース線47とコネクタ48にて接続されている。
【0018】
また、右扉22の適切な箇所、この実施の形態では右扉22の右下の部分で、前面板22Bの裏側の位置に、情報の無線送受信を行うための無線通信部70が設置されている。この無線通信部70のリード線71は制御操作部51のリード線42と一緒にして引き出される。
【0019】
このように、結露防止ヒータ62へのリード線41と操作入力部51へのリード線42とを左右別々のヒンジ部31,32に通す構成にすることにより、リード線41を通じて結露防止ヒータ62へ通電する際に発生する電磁波が操作入力部51に繋がれたリード線42にノイズを載せるという悪影響を与えることを防止でき、制御動作の信頼性を高くすることができる。
【0020】
LED表示灯54の配光特性は直前方に強く出るために、透過表示の光は中央部で強く、周囲では弱くなり明るさが不均一になる。そこで、
図4に示すように、透過光の強さを均一に均す目的で、LED表示灯54の設置位置前方に対応する前面板22Bの該当部位54−1は、その周囲の部分54−2よりも着色度を強く(濃く)している。
【0021】
一方、7セグメントLED表示装置55は、各セグメントのLEDの発光量が小さいため透過光が弱くなる。そこでこれを避け、表示が表側から明るく見えるようにするために、7セグメントLED表示装置55の設置位置前方に対応する前面板22Bの該当部位55−1の着色度を他の部分よりも低く(薄く)している。
【0022】
さらに、前面板22Bにおける諸情報、文字、例えば「冷蔵」、「冷凍」、「製氷」、「一気冷凍」等の操作ボタン名や、制御動作名を透過表示させる表示窓56についても、他の部分よりも着色度を低くし、文字が前面板22Bの表側から明瞭に表示されるようにしている。
【0023】
尚、本実施の形態の冷蔵庫の冷却制御のための制御部は、一般的なものであり、特に限定されるものではないが、例えば、圧縮機、操作パネル、結露防止ヒータ、製氷室内部の製氷装置、冷蔵室ファン、冷凍室ファン、除霜ヒータがこの制御部に接続され、制御される。
【0024】
(変更例)
上記実施の形態では、左扉21に結露防止ヒータ、右扉22に操作入力部を設けたが、この組合せは逆であってもよい。また、LED表示灯、7セグメントLED表示装置は必ずしも共に装備する必要があるわけではなく、選択的に装備させることもできる。
【0025】
また、最もシンプルな扉の構造としては、冷蔵室の前方に左開き若しくは右開きの片開き1枚の扉を配置し、この扉の構造として、断熱性の扉本体の前面に着色透明の非導電性の前面板を取り付け、当該前面板のタッチ操作による操作入力を受け付ける静電容量式の操作入力部を扉本体内に設置したものとすることができる。
【0026】
そして、このような冷蔵庫の場合に、操作入力部の浮遊電荷をアースするためのアース線を操作入力部から引き出し、冷蔵庫本体側の導電性部材に接続することにより、静電容量式のタッチ操作を安定して行えるようになる。
【0027】
また、別の変更例として、扉本体は、左右それぞれの端部のヒンジ部にて観音開き式に開閉する左扉本体、右扉本体の2枚で成り、左右の扉本体のうちの一方には、着色透明で非導電性の前面板と当該前面板の表側からのタッチ操作による操作入力を受け付ける静電容量式の操作入力部を設置し、左右の扉本体のうちの他方には、着色透明でかつ導電部を備えた前面板を設置し、かつ、当該前面板の裏面には操作入力部を設置しない構成にし、上記の実施の形態のものよりも単純な構成にすることもできる。これにより、導電部を備えた前面板の方にはマグネットシートを吸着させ、メモを前面板の表に貼り付けておくことができるようになり、利便性が良くなる。
【0028】
さらに、無線通信部70は扉本体内ではなく、キャビネット11内の貯蔵空間の適所に設置し、扉本体を通して情報の無線通信ができるようにすることもできる。そしてその場合には、扉本体の少なくとも無線通信部70に対向する位置には通信電波を吸収する導電性を有する断熱材を設置せず、扉本体の前面板を通した無線通信を阻害しない場所には導電性を有する断熱材を設置する構成にすることができる。また観音開き式の左右の扉本体21,22について、無線通信部70を操作入力部51の設置されていない側の扉本体若しくは貯蔵室に設置することもでき、その場合には、扉本体の少なくとも無線通信部70に対向する位置には通信電波を吸収する導電性を有する断熱材を設置せず、扉本体の前面板を通した無線通信を阻害しない場所には導電性を有する断熱材を設置する構成にすることができる。
【符号の説明】
【0029】
1 冷蔵庫
11 キャビネット
12 冷蔵室
21 左扉
21A 内板
21B 前面板
22 右扉
22A 内板
22B 前面板
31 左ヒンジ部
32 右ヒンジ部
31a 開口部
32a 開口部
41,42 リード線
43 アース線
51 操作入力部
52 赤外線受光部
54 LED表示灯
55 7セグメントLED表示装置
61 回転仕切り体
62 結露防止ヒータ
70 無線通信部