特許第6980914号(P6980914)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6980914空調機管理装置および空調機管理画面生成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6980914
(24)【登録日】2021年11月19日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】空調機管理装置および空調機管理画面生成方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/54 20180101AFI20211202BHJP
   F24F 11/52 20180101ALI20211202BHJP
【FI】
   F24F11/54
   F24F11/52
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-525000(P2020-525000)
(86)(22)【出願日】2018年6月13日
(86)【国際出願番号】JP2018022535
(87)【国際公開番号】WO2019239509
(87)【国際公開日】20191219
【審査請求日】2020年11月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 廣一郎
(72)【発明者】
【氏名】川合 英充
【審査官】 奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−158105(JP,A)
【文献】 特開2018−66485(JP,A)
【文献】 特開2003−294298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00−11/89
G06F 3/01、3/048−3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の空調機を管理対象とする空調機管理装置において、
前記複数の空調機に関し、設定されている動作モードごとの現在ON状態の空調機の台数を示すモード別稼動台数情報と、設定されている動作モードごとの現在OFF状態の空調機の台数を示すモード別停止台数情報とを含むサマリー画面の表示情報を生成する表示情報生成部と、
前記表示情報生成部で生成された表示情報を表示させる表示部と
を備えることを特徴とする空調機管理装置。
【請求項2】
前記OFF状態の空調機に設定されている動作モードは、直近で稼働していたときの動作モード、または、OFF状態になった後に変更された動作モードである
ことを特徴とする請求項1に記載の空調機管理装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記表示情報生成部で生成された表示情報を表示するとともに、表示した前記表示情報内のいずれかの位置におけるタッチ操作を検出するタッチパネルで構成され、
前記表示情報生成部は、前記モード別稼動台数情報に対応する位置に配置した、前記複数の空調機をすべてON状態にする操作を行うための第1情報と、前記モード別停止台数情報に対応する位置に配置した、前記複数の空調機をすべてOFF状態にするための操作を行うための第2情報とをさらに含めて前記サマリー画面を生成し、
前記表示部に表示された前記サマリー画面上で前記第1情報の位置がタッチ操作されると、当該操作によりON状態に切り替わった空調機の台数分、モード別稼動台数情報内の該当する動作モードの数値を増加させ、モード別停止台数情報内のすべての動作モードの数値を「0」にするように更新し、
前記表示部に表示された前記サマリー画面上で前記第2情報の位置がタッチ操作されると、モード別稼動台数情報内のすべての動作モードの数値を「0」にするとともに、当該操作によりOFF状態に切り替わった空調機の台数分、モード別停止台数情報内の該当する動作モードの数値を増加させるように更新する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の空調機管理装置。
【請求項4】
前記表示情報生成部は、前記モード別稼動台数情報と前記モード別停止台数情報とを上下に対応する位置に並べて配置し、前記モード別稼動台数情報の右側に前記第1情報を配置し、前記モード別停止台数情報の右側に前記第2情報を配置して、前記サマリー画面を生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の空調機管理装置。
【請求項5】
前記表示情報生成部は、前記第1情報と第2情報とを上下に対応する位置に並べて配置して、前記サマリー画面を生成する、
ことを特徴とする請求項4に記載の空調機管理装置。
【請求項6】
複数の空調機を管理対象とする空調機管理装置が、
前記複数の空調機に関し、設定されている動作モードごとの現在ON状態の空調機の台数を示すモード別稼動台数情報と、設定されている動作モードごとの現在OFF状態の空調機の台数を示すモード別停止台数情報とを含むサマリー画面の表示情報を生成する
ことを特徴とする空調機管理画面生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空調機管理装置および空調機管理画面生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、学校や、病院、オフィスビルなどの大型の建物内には多数の設備機器が設置されており、これらは中央管理装置において集中管理されるように管理システムが構築されている。中央管理装置では、各設備機器から稼動状態情報が逐次取得され、保持されている。
【0003】
また、中央管理装置は、設備機器の管理者が設備管理を行うための操作端末である設備管理装置と通信可能に構成されており、管理者は当該操作端末を用いて設備機器の稼動状態を確認したり動作を操作したりすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−255954号公報
【発明の概要】
【0005】
近年は、設備管理を行うための操作端末として、タブレット端末のようなタッチパネルを用いた端末が多く用いられている。端末で建物内の空調機を管理する場合、タッチパネルには、各空調機に対応するアイコンが並べられた管理画面が表示される。これらのアイコンには、対応する空調機の稼働状態を示す情報が含まれている。管理者は、これらのアイコンが表示された管理画面を見ることで、各空調機のON/OFF状態、および現在設定されている冷房モードや暖房モードなどの動作モードを把握することができる。
【0006】
しかし、管理対象の空調機が多数である場合、端末のタッチパネルにすべてのアイコンを同時に表示させることができないため、建物内の全空調機の稼働状態を把握するには表示画面情報をスクロール操作等で移動させなければならず、手間がかかるという問題があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、多数の空調機を管理対象としている場合でも、容易に全空調機の稼働状態を把握できる管理画面を表示させることが可能な空調機管理装置および空調機管理画面生成方法を提供することを目的とする。
【0008】
上記目的を達成するために、複数の空調機を管理対象とする空調機管理装置は、複数の空調機に関し、設定されている動作モードごとの現在ON状態の空調機の台数を示すモード別稼動台数情報と、設定されている動作モードごとの現在OFF状態の空調機の台数を示すモード別停止台数情報とを含むサマリー画面の表示情報を生成する表示情報生成部と、表示情報生成部で生成された表示情報を表示させる表示部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る空調機管理装置としてのタブレット端末を利用した空調システムを示す全体図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る空調機管理装置としてのタブレット端末の構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る空調機管理装置としてのタブレット端末の動作を示すフローチャートである。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る空調機管理装置としてのタブレット端末に表示されたメイン管理画面の一例である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る空調機管理装置としてのタブレット端末に表示された、横長の全体サマリー画面の一例である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る空調機管理装置としてのタブレット端末に表示されたコントロール画面の一例である。
図7図7は、本発明の一実施形態に係る空調機管理装置としてのタブレット端末に表示された、横長の階別サマリー画面の一例である。
図8図8は、本発明の一実施形態に係る空調機管理装置としてのタブレット端末に表示された、縦長の全体サマリー画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〈一実施形態による空調機管理装置を用いた空調システムの構成〉
本発明の一実施形態として、空調機管理装置としてのタブレット端末を用いた空調システムの構成について、図1を参照して説明する。本実施形態による空調システム1は、4階建ての建物X内に設置された、管理対象の128台の空調機(室内機)10−1〜10−128と、これらの空調機10−1〜10−128に接続された中央管理装置としてのコントローラ20と、コントローラ20にハブ30を介して接続された無線通信のアクセスポイント40−1〜40−3と、アクセスポイント40−1に無線接続されたタブレット端末50−1と、アクセスポイント40−2に無線接続されたタブレット端末50−2と、アクセスポイント40−3に無線接続されたタブレット端末50−3とを備える。タブレット端末50−1〜50−3は、当該空調システム1の管理者により操作される。この空調システム1においては、タブレット端末50−1〜50−3が空調機管理装置に該当する。なお、当該空調システム1内で用いられるタブレット端末は、1台でも良い。
【0011】
当該建物X内の1階にはA店舗が入居しており、A店舗内に空調機10−1〜10−32が設置されている。また、2階にはB店舗が入居しており、B店舗内に空調機10−33〜10−64が設置されている。また、3階にはC店舗が入居しており、C店舗内に空調機10−65〜10−96が設置されている。また、4階にはD店舗が入居しており、D店舗内に空調機10−97〜10−128が設置されている。空調機10−1〜10−128は、冷房モード、暖房モード、送風モード、または除湿モードの各動作モードで運転可能に構成されている。
【0012】
以下、空調機10−1〜10−128に関し、これらの中のいずれかを特定する必要がない場合には「空調機10」と記載する。同様に、タブレット端末50−1〜50−3に関し、これらの中のいずれかを特定する必要がない場合には「タブレット端末50」と記載する。同様に、アクセスポイント40−1〜40−3に関し、これらの中のいずれかを特定する必要がない場合には「アクセスポイント40」と記載する。
【0013】
コントローラ20は、空調機10−1〜10−128と通信を行うことにより、必要に応じて空調機10−1〜10−128の動作を制御するための動作制御情報を送信するとともに、空調機10−1〜10−128の稼動状態情報を所定時間間隔で取得する。この稼動状態情報は、各空調機10のそれぞれの運転・停止(ON,OFF)状態、設定されている動作モード、設定温度、風量、風向の情報を少なくとも含んでいる。
【0014】
各タブレット端末50はそれぞれ、図2に示すように、タッチパネル51と、CPU52と、通信部53とを有する。タッチパネル51は、操作情報検出部511と、表示部512とを有する。操作情報検出部511は、タッチパネル51上での管理者の指などの接触による操作位置および、タップ操作やスワイプ操作等の操作種別を検出する。表示部512は、後述する表示情報生成部522で生成される表示情報を表示する。通信部53は、アクセスポイント40を介してコントローラ20との通信を逐次実施し、各空調機10−1〜10−128に対して運転に関する各種指示を出すと共にコントローラ20から空調機10−1〜10−128の稼動状態情報を取得する。
【0015】
CPU52は、操作内容判定部521と、表示情報生成部522と、動作制御情報生成部523とを有する。操作内容判定部521は、操作情報検出部511で検出された操作情報および表示情報生成部522で生成された表示情報に基づいて、管理者が行った操作内容を判定する。すなわち、操作内容判定部521は、操作情報検出部511で検出された操作位置の表示情報の内容と、該当する操作の種別との組み合わせから操作内容を判定し、対応する操作情報を出力する。この操作内容としては例えば、管理対象の空調機の稼働状態に関するサマリー画面を表示させる操作、所定の空調機の動作を操作するためのコントロール画面を表示させる操作、これらのサマリー画面またはコントロール画面での操作情報に基づいて所定の空調機の運転内容を変更する操作等がある。表示情報生成部522は、操作内容判定部521で判定された操作内容、およびコントローラ20から取得する空調機10−1〜10−128の稼動状態情報に基づいて、表示部512に表示させるための表示情報を生成する。また、生成した表示情報内の空調機10−1〜10−128の稼動状態情報を、適宜最新の情報に更新する。動作制御情報生成部523は、操作内容判定部521で判定された操作内容に基づいて、操作対象の空調機10の動作制御情報を生成する。
【0016】
〈一実施形態による空調機管理装置を用いた空調システムの動作〉
次に、本実施形態による空調システム1の動作について、図3のフローチャートおよび図4〜8の画面構成図を参照して説明する。空調システム1内では、コントローラ20により、空調機10−1〜10−128の稼動状態情報が所定時間間隔で取得され保持されている。
【0017】
管理者がタブレット端末50を用いて空調機10−1〜10−128の管理作業を開始すると、表示情報生成部522においてコントローラ20から最新の空調機10−1〜10−128の稼動状態情報が取得され、これらの情報を用いてメイン管理画面60の表示情報が生成される。
【0018】
メイン管理画面60は、1階(A店舗)〜4階(D店舗)それぞれに対応した、エリア表示部61−1〜61−4および空調機アイコン表示部62−1〜62−4を有する。1階に対応するエリア表示部61−1内にはテキスト情報「1階(店舗A)」が配置され、空調機アイコン表示部62−1内には、1階に設置された空調機10−1〜10−32それぞれに対応する空調機アイコン63−1〜63−32が配置される。また、2階に対応するエリア表示部61−2内には、テキスト情報「2階(店舗B)」が配置され、空調機アイコン表示部62−2内には、2階に設置された空調機10−33〜10−64それぞれに対応する空調機アイコン63−33〜63−64が配置される。また、3階に対応するエリア表示部61−3内には、テキスト情報「3階(店舗C)」が配置され、空調機アイコン表示部62−3内には、3階に設置された空調機10−65〜10−96それぞれに対応する空調機アイコン63−65〜63−96が配置される。また、4階に対応するエリア表示部61−4内には、テキスト情報「4階(店舗D)」が配置され、空調機アイコン表示部62−4内には、4階に設置された空調機10−97〜10−128それぞれに対応する空調機アイコン63−97〜63−128が配置される。
【0019】
これらの空調機アイコン63−1〜63−128はそれぞれ、対応する空調機10−1〜10−128のON/OFFを切り替えるための操作スイッチとして機能する。なお、これらのエリア表示部および空調機アイコン表示部の表示情報は、管理対象とする建物の階床数や空調機の設置台数に応じて適宜変更される。
【0020】
生成されたメイン管理画面60の表示情報は、タッチパネル51の表示部512に送出されて表示される(S1)。表示部512に表示されたメイン管理画面60の一例を、図4に示す。図4においては、表示部512内にメイン管理画面60の全情報を表示しきれないため、メイン管理画面60内のエリア表示部61−2および空調機アイコン表示部62−2の一部が表示されている。エリア表示部61−2には、テキスト情報「2階(B店舗)」が表示され、空調機アイコン表示部62−2には、空調機アイコン63−33〜63−47が表示されている。メイン管理画面60の表示情報のうち、現在表示されていない情報は、画面右端のスクロールバー64が操作されることで、メイン管理画面60内の表示領域が移動され表示される。
【0021】
これらの空調機アイコン63−33〜63−47は、対応する空調機のON/OFF状態に基づいて異なる色調または輝度で表示される。例えば、ON状態の空調機に対応する空調機アイコンはカラーの図形で表示され、OFF状態の空調機に対応する空調機アイコンはモノクロで低輝度の図形で表示される。図4においては、空調機アイコン63−37、63−41、63−47がモノクロで低輝度の図形で表示されており、対応する空調機10−37、10−41、10−47がOFF状態であることが示されている。また、空調機アイコン63−46の表示位置にエラー発生を示すマークが表示されており、対応する空調機10−46内でエラーが発生してOFF状態であることが示されている。また、それ以外の空調機アイコン63−33〜63−36、63−38〜63−40、63−42〜63−45はカラーの図形で表示され、対応する空調機10−33〜10−36、10−38〜10−40、10−42〜10−45がON状態であることが示されている。
【0022】
また、各アイコンには対応する空調機に現在設定されている動作モードを示すマークが含まれている。図4においては、空調機アイコン63−33〜63−38、63−41〜63−45、63−47内に冷房モードを示すマークが含まれており、対応する空調機10−33〜10−38、10−41〜10−45、10−47が現在冷房モードに設定されていることが示されている。また、空調機アイコン63−39内に暖房モードを示すマークが含まれており、対応する空調機10−39が現在暖房モードに設定されていることが示されている。また、空調機アイコン63−40内に除湿モードを示すマークが含まれており、対応する空調機10−40が現在除湿モードに設定されていることが示されている。
【0023】
なお、現在OFF状態の空調機に対応する空調機アイコン63−37、63−41、および63−47内に含まれるマークは、直近で稼働していたときの動作モードとなっている。直近で稼動していたときの動作モードはOFF状態の間も設定が維持されており、当該OFF状態の空調機がON操作されると、当該動作モードで運転が再開される。
【0024】
また、図4のメイン管理画面60の右上には、建物X内の全空調機の稼働状態を簡易に示す稼働状態簡易情報65が表示されている。図4では、稼働状態簡易情報65として、当該建物X内でON状態の空調機の台数を示すマークおよびテキスト情報「116」と、エラー状態の空調機の台数を示すマークおよびテキスト情報「3」が表示されている。
【0025】
管理者は、メイン管理画面60を見ることで、各空調機のON/OFF状態、および現在設定されている動作モードを把握することができる。
【0026】
メイン管理画面60の表示中、表示情報生成部522においてコントローラ20から所定時間間隔で取得される最新の情報に基づいて、表示情報が適宜更新される。
【0027】
このように表示されたメイン管理画面60において、管理者が稼働状態簡易情報65内のON状態の空調機の台数を示すマークおよびテキスト情報「116」の表示情報内のいずれかの位置をタップ操作すると(S2の「YES」)、表示情報生成部522により、最新の空調機10−1〜10−128の稼動状態情報に基づいて動作モードごとの稼動台数および動作モードごとの停止台数が集計される。そして、建物X全体の空調機に関する詳細な稼働状態を示す全体サマリー画面70Aが生成され、表示部512に表示される(S3)。
【0028】
表示部512に表示された全体サマリー画面70Aの一例を、図5に示す。図5の全体サマリー画面70Aは横長に構成され、左側上部に、建物X内で現在ON状態の空調機の台数を示す全稼動台数情報71、および全空調機台数に対するON状態の空調機台数の割合を円弧の長さで表す図形情報72が表示されている。また、左側下部に、建物X内で現在OFF状態の空調機の台数を示す全停止台数情報73が表示されている。
【0029】
また、中央上部に、各動作モード(自動運転モード、冷房モード、暖房モード、送風モード、除湿モード)に対応する図形のアイコンが横1列に表示され、それぞれのアイコン(動作モードアイコン)の下部に、建物X内の全空調機に関し、設定されている動作モードごとの現在ON状態の空調機の台数を示すモード別稼動台数情報74が表示され、さらにその下部に、設定されている動作モードごとの現在OFF状態の空調機の台数を示すモード別停止台数情報75が表示されている。つまり、動作モードアイコンと、モード別稼動台数情報74と、モード別停止台数情報75とは、動作モードごとに上下に対応する位置に並べて配置されている。
【0030】
また、右側上部に、建物X内の空調機をすべてON状態にする操作を行うための第1情報である「ALL ON」ボタン情報76が表示されている。「ALL ON」ボタン情報76は、四角い枠とその枠内のほぼ中央に配置された「ALL ON」の文字からなる。また、右側下部に、建物X内の空調機をすべてOFF状態にする操作を行うための第2情報である「ALL OFF」ボタン情報77が表示されている。「ALL OFF」ボタン情報77は、四角い枠とその枠内のほぼ中央に配置された「ALL OFF」の文字からなる。
【0031】
「ALL ON」ボタン情報76は、ON状態の空調機台数に関する情報である全稼動台数情報71およびモード別稼動台数情報74に対応する位置、例えば図5では、ON状態の空調機台数に関する情報の右側に表示される。「ALL OFF」ボタン情報77は、OFF状態の空調機台数に関する情報である全停止台数情報73およびモード別停止台数情報75に対応する位置、例えば図5では、OFF状態の空調機台数に関する情報の右側に表示される。つまり、「ALL ON」ボタン情報76と「ALL OFF」ボタン情報77は、上下に対応する位置に並べて配置されている。このように表示されることで、管理者が「ALL ON」ボタン情報76および「ALL OFF」ボタン情報77の機能を認識しやすくなる。
【0032】
なお、「ALL ON」ボタン情報76は、動作モードアイコンとモード別稼動台数情報74との両方にわたる高さ(長さ)に設定されているため、「ALL OFF」ボタン情報77よりも高さ方向に長くなっている。このため、「ALL ON」ボタン情報76と「ALL OFF」ボタン情報77は、横幅は同じであるが、「ALL ON」ボタン情報76の四角い枠は、ほぼ正方形で、「ALL OFF」ボタン情報77の四角い枠は、横長の長方形となっている。
【0033】
管理者により「ALL ON」ボタン情報76の位置がタップ操作されると、動作制御情報生成部523により、OFF状態の空調機を、現在設定されている動作モードでON状態に切り替えるためのON制御情報が生成され、コントローラ20を介して該当する空調機10に送信される。ON制御情報が取得された空調機10は、現在設定されている動作モードでOFF状態からON状態に切り替えられる。なお、既にON状態にある空調機10に対しては何らの指示はなされず、該当する空調機10はそのままON状態が維持される。また、「ALL ON」ボタン情報76の位置がタップ操作されると、表示情報生成部522により、全体サマリー画面70A内に表示されている情報71〜75が更新される。具体的には、当該操作によりON状態に切り替わった空調機10の台数分、モード別稼動台数情報74内の該当する動作モードの数値が増加するように更新される。また、モード別停止台数情報75内のすべての動作モードの数値が「0」になるように更新される。
【0034】
一方、管理者により「ALL OFF」ボタン情報77の位置がタップ操作されると、動作制御情報生成部523により、ON状態の空調機をOFF状態に切り替えるためのOFF制御情報が生成され、コントローラ20を介して該当する空調機10に送信される。OFF制御情報が取得された空調機10は、ON状態からOFF状態に切り替えられる。既にOFF状態にある空調機10に対しては何らの指示はなされず、該当する空調機10はそのままOFF状態が維持される。
【0035】
また、「ALL OFF」ボタン情報77の位置がタップ操作されると、表示情報生成部522により、全体サマリー画面70A内に表示されている情報71〜75が更新される。具体的には、モード別稼動台数情報74内のすべての動作モードの数値が「0」になるように更新される。また、当該操作によりOFF状態に切り替わった空調機10の台数分、モード別停止台数情報75内の該当する動作モード(OFF状態になる直前の動作モード)の数値が増加するように更新される。
【0036】
全体サマリー画面70Aの表示中、表示情報生成部522により、コントローラ20から所定時間間隔で取得される最新の情報に基づいて、動作モードごとの稼動台数および停止台数が適宜集計され、表示情報が更新される。
【0037】
また、全体サマリー画面70Aの右下部には「CLOSE」ボタン情報78が表示されており、管理者が当該「CLOSE」ボタン情報78の位置をタップ操作すると(S4の「YES」)、図4のメイン管理画面60が表示された状態に戻る。
【0038】
また、図4のメイン管理画面60において、管理者がいずれかの空調機アイコン、例えば空調機アイコン63−35をタップ操作すると(S2の「NO」→S5の「YES」)、表示情報生成部522により該当する空調機10−35の詳細な運転内容を操作するためのコントロール画面80−35が生成され、表示部512に表示される(S6)。
【0039】
表示部512に表示されたコントロール画面80−35の一例を、図6に示す。図6のコントロール画面80−35は横長に構成されており、運転/停止(ON/OFF)ボタン情報801と、自動運転モードボタン情報802と、冷房モードボタン情報803と、暖房モードボタン情報804と、送風モードボタン情報805と、除湿モードボタン情報806と、設定温度情報807と、設定温度変更ボタン情報808と、風向変更ボタン情報809と、風量変更ボタン情報810と、ロックボタン情報811と、オプションボタン情報812とが表示されている。
【0040】
これらの情報が表示された状態で、コントロール画面80−35上で管理者によりいずれかのボタン情報の位置がタッチ操作されると、操作情報検出部511により、当該操作情報が検出される。そして、操作内容判定部521により、操作情報検出部511で検出された操作情報および表示情報生成部522で生成された表示情報に基づいて、管理者が行った操作内容が判定される。操作内容判定部521で操作内容が判定されると、動作制御情報生成部523において、判定された操作内容に基づいて操作対象の空調機10−35の動作制御情報が生成される。生成された動作制御情報は、通信部53およびコントローラ20を介して該当する空調機10−35に送信され、運転内容が変更される。
【0041】
つまり管理者は、これらのボタンを操作することで、所定の空調機のON/OFF操作、動作モード変更操作、設定温度変更操作、風向変更操作、風量変更操作、操作受け付けを禁止する設定、オプション機能の設定等を行うことができる。
【0042】
また、操作内容判定部521で操作内容が判定されたときには、表示情報生成部522により、判定された操作内容に基づいてコントロール画面80−35内の該当するボタン情報が変更される。
【0043】
図6において、コントロール画面80−35の左側には、空調機10−34の詳細な運転内容を操作するためのコントロール画面80−34の一部が表示されており、管理者がタッチパネル51上で右方向にフリック操作を行うと、当該コントロール画面80−34が画面の中央に移動して表示される。また、コントロール画面80−35の右側には、空調機10−36の詳細な運転内容を操作するためのコントロール画面80−36の一部が表示されており、管理者がタッチパネル51上で左方向にフリック操作を行うと、当該コントロール画面80−36が画面の中央に移動して表示される。
【0044】
また、右方向のフリック操作を繰り返すことにより、現在操作対象としている2階の空調機の中の最前番号の空調機10−33が中央に表示されているときに、さらに右方向にフリック操作を行うと(S7の「YES」)、表示情報生成部522により、2階の空調機10−33〜10−64に関する詳細な稼働状態を示す階別サマリー画面90Aが生成され、表示部512に表示される(S8)。
【0045】
表示部512に表示された階別サマリー画面90Aの一例を、図7に示す。図7の階別サマリー画面90Aは横長に構成され、左側上部に、2階で現在ON状態の空調機の台数を示す全稼動台数情報91、および2階の全空調機台数に対するON状態の空調機台数の割合を円弧の長さで表す図形情報92が表示されている。また、左側下部に、2階でOFF状態の空調機の台数を示す全停止台数情報93が表示されている。
【0046】
また、中央上部に、2階の空調機に関し、動作モード(自動運転モード、冷房モード、暖房モード、送風モード、除湿モード)ごとの現在ON状態の台数を示すモード別稼動台数情報94が表示され、中央下部に、動作モードごとの現在OFF状態の台数を示すモード別停止台数情報95が表示されている。
【0047】
また、右側上部に、2階の空調機をすべてON状態にする操作を行うための「ALL ON」ボタン情報96が表示されている。また、右側下部に、2階の空調機をすべてOFF状態にする操作を行うための「ALL OFF」ボタン情報97が表示されている。
【0048】
図7において、階別サマリー画面90Aの右側にはコントロール画面80−33の一部が表示されており、管理者がタッチパネル51上で左方向にフリック操作を行うと、当該コントロール画面80−33が画面の中央に移動して表示される。
【0049】
また、図6のコントロール画面80−35の左上部には左矢印マーク81が表示されており、管理者が当該左矢印マーク81をタップ操作すると、図4のメイン管理画面60が表示された状態に戻る。また、図7の階別サマリー画面90Aの左上部にも左矢印マーク98が表示されており、管理者が当該左矢印マーク98をタップ操作すると、同様に図4のメイン管理画面60が表示された状態に戻る。
【0050】
以上の実施形態によれば、多数の空調機を管理対象としている場合でも、容易に全空調機の稼働状態を把握するための画面を表示させることができる。具体的には、管理対象の多数の空調機に関し、動作モードごとのON状態の空調機台数および、動作モードごとのOFF状態の空調機台数を含むサマリー画面を表示させることができる。
【0051】
このようなサマリー画面を表示させることで、例えば、盛夏季で全空調機が冷房モードに設定すべきであるときに、暖房モードで稼動していたり、暖房モードに設定された状態で停止されている空調機があると、管理者がこの状態に容易に気づいて設定を変更することができる。特に、管理対象の空調機の台数が多数であり、図4に示すようにすべての空調機アイコンを同時に表示できない場合にも、管理者がスクロール操作等を行うことなくすべての空調機の稼動状態を容易に認識することができる。
【0052】
上述した実施形態においては、全体サマリー画面70Aおよび階別サマリー画面90Aを横長に構成した場合について説明したが、縦長に構成してもよい。図8に、縦長に構成した全体サマリー画面70Bの一例を示す。
【0053】
この全体サマリー画面70Bでは、左側上部に、建物X内で現在ON状態の空調機の台数を示す全稼動台数情報71、および全空調機台数に対するON状態の空調機台数の割合を円弧の長さで表す図形情報72が表示され、その下に、建物X内でOFF状態の空調機の台数を示す全停止台数情報73が表示されている。
【0054】
また、中央左側に、建物X内の全空調機に関し、動作モード(自動運転モード、冷房モード、暖房モード、送風モード、除湿モード)ごとの現在ON状態の台数を示すモード別稼動台数情報74が表示され、中央右側に、動作モードごとの現在OFF状態の台数を示すモード別停止台数情報75が表示されている。
【0055】
また、下部左側に、建物X内の空調機をすべてON状態にする操作を行うための「ALL ON」ボタン情報76が表示されて、下部右側に、建物X内の空調機をすべてOFF状態にする操作を行うための「ALL OFF」ボタン情報77が表示されている。つまり、「ALL ON」ボタン情報76は、ON状態の空調機台数に関する情報であるモード別稼動台数情報74に対応する位置に表示され、「ALL OFF」ボタン情報77は、OFF状態の空調機台数に関する情報であるモード別停止台数情報75に対応する位置に表示される。画面右下には、「CLOSE」ボタン情報78が表示されており、管理者が当該「CLOSE」ボタン情報78の位置をタップ操作すると(S4の「YES」)、図4のメイン管理画面60が表示された状態に戻る。階別サマリー画面についても、同様に縦長に構成してもよい。このように、空調機の運転停止状態を示す情報と、全空調機に対するON、OFF操作を行うためのボタン情報とが対となるように各情報を配置して画面を構成することで、使用者は空調機の運転状況を把握するとともに空調機の操作内容を理解することができ、誤操作や空調機の運転状態の誤認のおそれを低減できる。
【0056】
また、本実施形態においては、1つの空調機アイコンに対して1台の空調機を対応させた場合を示しているが、これには限定されず、1つの空調機アイコンに対して複数台の空調機を対応させてもよい。1つの空調機アイコンに対して複数台の空調機を対応させた場合は、当該空調機アイコンを操作することにより、対応する複数台の空調機の動作を一括して制御することができる。
【0057】
なお、通常、空調機10がOFF状態のときには、当該空調機10に設置されたリモートコントローラ(図示せず)からは動作モードを変更することができず、OFF状態の間、当該空調機10は直近で稼動(ON)していたときの動作モードが維持される。すなわち、リモートコントローラからの動作モードの変更は、空調機10がON状態のときにしか行うことができない。
【0058】
これに対し、本実施形態で用いるタブレット端末50から、メイン管理画面60またはコントロール画面80を用いてOFF状態の空調機10の動作モードを変更できるようにしても良い。この場合、OFF状態の空調機10に関するコントロール画面80上で、当該の空調機10の動作モードを変更する操作が行われると、当該操作に基づいて動作制御情報生成部523で生成される動作制御情報により、当該空調機10に設定されている動作モードが変更される。つまり、OFF状態の空調機10に設定されている動作モードは、直近で稼働していたときの動作モードか、もしくはOFF状態になった後にタブレット端末50上での操作により変更された最新の動作モードとなる。そして、当該空調機10が次にON状態に切り替わったときに、設定されている動作モードで稼動が開始される。
【0059】
以上の実施形態においては、タブレット端末50を空調機管理装置として説明したが、コントローラ20にタッチパネルを設け、上述のタブレット端末50で説明した各種機能をコントローラ20に組込み、中央管理装置兼空調機管理装置としても良い。
【0060】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8