(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、陳列棚システムの構成例を示す模式図である。本実施の形態では、小売店舗における商品の販売促進を図るための陳列棚システムを一例として説明を行う。陳列棚システムは、情報処理装置1、第1表示装置2、第2表示装置3、センサ装置4、中継器5等を含む。情報処理装置1と他の装置とは、インターネット等のネットワークNを介して通信を行う。なお、
図1では情報処理装置1を店舗外に設置された装置として図示してあるが、情報処理装置1は店舗内に設置された装置であってもよい。
【0023】
情報処理装置1は、種々の情報を記憶すると共に、ネットワークNを介して情報の送受信を行う情報処理装置である。情報処理装置1は、例えばサーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ等である。本実施の形態において情報処理装置1はサーバコンピュータであるものとし、サーバ1と読み替える。サーバ1は、小売店舗で提供される商品に関する広告等の表示コンテンツを記憶しており、当該表示コンテンツを第1表示装置2及び第2表示装置3に出力する。
【0024】
第1表示装置2及び第2表示装置3は、サーバ1と通信を行って商品の広告等に係る画像を表示するデジタルサイネージ装置である。例えば店舗には複数の陳列棚Sが設置されており、第1表示装置2及び第2表示装置3は、陳列棚Sの棚板に設けられている。
【0025】
具体的には、第1表示装置2は、陳列棚Sが有する複数の棚板のうち、一部の棚板である第1の棚板P1に設けられている。第1表示装置2は、第1の棚板P1に内蔵されたプロジェクタ装置であり、第1の棚板P1の前端部に設けられた表示面25に画像を投影する。すなわち第1表示装置2は、いわゆるプライスレールに相当する位置にスクリーンを有し、当該スクリーンに画像を表示する。なお、第1表示装置2はプロジェクタ装置の他に、液晶ディスプレイ等であってもよい。以下の説明では便宜上、第1表示装置2をプロジェクタサイネージ2と読み替える。例えばプロジェクタサイネージ2は、紙製の値札に代わって、陳列商品の商品名、価格等を示す値札画像を表示する。本実施の形態においてプロジェクタサイネージ2は、商品名、価格等を表示するだけでなく、サーバ1から表示コンテンツの配信を受けて、表示面25に商品広告等の画像を表示する。
【0026】
第2表示装置3は、陳列棚Sが有する複数の棚板のうち、第1の棚板P1以外の第2の棚板P2、P2、P2…に夫々設けられている。例えば第2表示装置3は、第2の棚板P2の前端部に沿ってレール状に延在するディスプレイ画面を有し、ディスプレイに係る表示素子としてLED(Light Emitting Diode)を用いたLEDディスプレイである。なお、例えば第2表示装置3は電子ペーパー等に係る表示装置であってもよい。以下の説明では便宜上、第2表示装置3をLEDサイネージ3と読み替える。LEDサイネージ3は、プロジェクタサイネージ2と同様にサーバ1からコンテンツの配信を受け、横長の表示パネルに広告等の画像を表示する。
【0027】
上述の如く、陳列棚Sにはプロジェクタサイネージ2及びLEDサイネージ3の2種類の表示装置が設けられている。プロジェクタサイネージ2は、LEDサイネージ3と比較して高解像度の画像を表示することができるが、LEDサイネージ3と比べて導入コストが高い。一方、LEDサイネージ3はプロジェクタサイネージ2と比較して表示品質に劣るが、低消費電力で画像表示を行うことができ、導入コストが低い。そこで本実施の形態では、陳列棚Sに2種類の表示装置を併用する形で設けることで、低コスト化を図りつつ陳列商品の情報提示を行う。
【0028】
センサ装置4は、陳列棚S付近に訪れる顧客の行動を検出するセンサである。具体的にセンサ装置4は、顧客の接近及び離脱を検出する赤外線センサ、顧客が所有する携帯端末(例えばスマートフォン)と通信を行うビーコン機器、撮像画像から顧客の視線を検知する視線検出装置等である。なお、上記は一例であって、センサ装置4は陳列棚S付近における顧客の行動動作を検出可能であればよい。本実施の形態においてセンサ装置4は、赤外線センサであるものとして説明する。例えばセンサ装置4は、所定の中継器5を介して顧客行動に係る検出結果をサーバ1に出力する。なお、センサ装置4は陳列棚Sに内蔵又は設置されていてもよく、陳列棚Sの付近に設置されていてもよい。
【0029】
図2は、第1の棚板P1の内部構造を示す説明図である。ここで、顧客に対し陳列棚が面する方向を正面方向とし、反対側を背面方向とする。また、陳列棚Sの設置面から天井に向かう方向を上方向とし、反対側を下方向とする。
図2では、第1の棚板P1の内部を、上側から見た場合を模式的に図示している。上述の如く、プロジェクタサイネージ2は第1の棚板P1の内部に設けられている。
【0030】
プロジェクタサイネージ2は、画像を投影する投影機20と、該投影機20から投影された画像を表示する表示面25とを有する。投影機20はプロジェクタ本体であり、第1の棚板P1の内部において背面側に設けられている。投影機20の投射レンズは、第1の棚板P1の横方向においてほぼ中央に位置し、正面側に向かって画像を投影する。具体的には、投射レンズは横方向に沿ってのこぎり状の断面を有するリニアフレネルレンズであり、光源からの出射光を横方向に沿って拡散する。これにより、
図2に示すように、投影機20は正面に向かって画像光を拡散して投影する。
【0031】
表示面25は、投影機20から投影された画像を表示するためのスクリーンである。表示面25は第1の棚板P1の前端部に沿ってレール状に設けられている。具体的には、表示面25は正面視において横方向に細長い矩形状であり、上下方向に係る第1の棚板P1の厚みとほぼ同一の上下幅を有し(
図1参照)、第1の棚板P1の横幅とほぼ同一の横幅を持って延在する。これにより、表示面25は、第1の棚板P1において前端部の全面に形成されている。投影機20から出射した画像光は、表示面25の背面全体に入射する。表示面25は、LAF(Louver Array Film)の正面に拡散板が積層された構成を有する。表示面25に入射した画像光は、LAFによって視野角が調整され、正面方向と平行になるように出射する。これにより、投影機20から投影された画像が表示面25上に表示される。
【0032】
図3は、LEDサイネージ3の一例を示す説明図である。
図3AではLEDサイネージ3の外観を示す斜視図を、
図3BではLEDサイネージ3の取付構造を示す側面図を夫々図示している。LEDサイネージ3は、例えば第2の棚板P2の前端部に沿って延在する細長い矩形状のディスプレイ画面を有するLEDディスプレイである。
図3Aに示すように、LEDサイネージ3は薄型の表示装置であり、第2の棚板P2とほぼ同一の横幅を有し、第2の棚板P2の厚さよりも幅広の縦幅を有する。
図3Bに示すように、LEDサイネージ3は、ディスプレイ画面とは反対側の背面に取付機構30を有し、第2の棚板P2の前端に取り付けられている。プロジェクタサイネージ2と同様、LEDサイネージ3は第2の棚板P2に沿って横長の形状を有することで、第2の棚板P2に陳列された商品夫々に係る画像を、陳列位置に合わせて表示可能となっている。なお、上記ではLEDサイネージ3が横長のディスプレイであるものとしたが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。例えば電子棚札に係る小型の表示装置を第2の棚板P2の前端に並べて配置し、各表示装置が各陳列商品の情報を表示するようにしてもよい。
【0033】
図4は、サーバ1の構成例を示すブロック図である。サーバ1は、制御部11、記憶部12、通信部13、大容量記憶装置14を含む。
制御部11はCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)等の演算処理装置を含み、サーバ1に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。記憶部12はRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ素子を含み、制御部11が処理を実行するために必要なプログラムP又はデータ等を記憶している。また、記憶部12は、制御部11が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。通信部13は通信に関する処理を行うための処理回路等を含み、ネットワークNを介してプロジェクタサイネージ2等と情報の送受信を行う。
【0034】
大容量記憶装置14は、例えばハードディスク等を含む大容量の記憶装置である。大容量記憶装置14は、商品DB141、配置テーブル142等を記憶している。商品DB141は、プロジェクタサイネージ2及びLEDサイネージ3に出力するコンテンツデータを記憶している。配置テーブル142は、店舗における各商品の陳列配置に係る情報を記憶している。なお、本実施の形態において記憶部12及び大容量記憶装置14は一体の記憶装置として構成されていてもよい。また、大容量記憶装置14は複数の記憶装置により構成されていてもよい。また、大容量記憶装置14はサーバ1に接続された外部記憶装置であってもよい。
また、本実施の形態においてサーバ1は上記の構成に限られず、例えば操作入力を受け付ける入力部、サーバ1に係る情報を表示する表示部、可搬型記憶媒体に記憶された情報を読み取る読取部等を含んでもよい。
【0035】
図5は、プロジェクタサイネージ2の構成例を示すブロック図である。プロジェクタサイネージ2は、制御部21、記憶部22、通信部23、投影部24、表示面25を含む。
制御部21はCPU、MPU等の演算処理装置を含み、記憶部22に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、プロジェクタサイネージ2に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。記憶部22はRAM、ROM等のメモリ素子を含み、制御部21が処理を実行するために必要なプログラム及びデータを記憶している。また、記憶部22は、制御部21が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。通信部23はアンテナ及び通信処理回路等を含み、中継器5を介してサーバ1等と情報の送受信を行う。投影部24は、上述の投射レンズ、光源、画像処理回路等を備え、表示面25に画像を投影する。
【0036】
図6は、LEDサイネージ3の構成例を示すブロック図である。LEDサイネージ3は、制御部31、記憶部32、通信部33、表示部34を含む。
制御部31はCPU、MPU等の演算処理装置を含み、記憶部32に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、LEDサイネージ3に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。記憶部32はRAM、ROM等のメモリ素子を含み、制御部31が処理を実行するために必要なプログラム及びデータを記憶している。また、記憶部32は、制御部31が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。通信部33はアンテナ及び通信処理回路等を含み、中継器5を介してサーバ1等と情報の送受信を行う。表示部34は、LEDディスプレイに係る表示パネルを含み、LEDを発光させることにより画像を表示する。
【0037】
図7は、商品DB141のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。商品DB141は、商品ID列、商品名列、関連商品列、コンテンツ列を含む。商品ID列は、各商品を識別するためのIDを記憶している。商品名列は、商品IDと対応付けて、各商品の商品名を記憶している。関連商品列は、商品IDと対応付けて、当該商品に関連する関連商品の商品IDを記憶している。コンテンツ列は、商品IDと対応付けて、各商品に関する表示コンテンツのデータを記憶している。具体的に表示コンテンツは、各商品に係る基本コンテンツと、特別コンテンツとを含む。基本コンテンツは、陳列商品に関して基本的な販売促進を行うための情報であり、例えば商品の価格、広告等である。特別コンテンツは、対応する陳列商品を基準として顧客に対する販売促進を行うための情報であり、例えば陳列商品に関連する関連商品の広告、陳列商品の使用例、陳列商品に係る特典情報等である。各コンテンツの詳細及び表示方法について、詳しくは後述する。
【0038】
図8は、配置テーブル142のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。配置テーブル142は、商品ID列、陳列位置列を含む。商品ID列は、各商品の商品IDを記憶している。陳列位置列は、商品IDと対応付けて、当該商品が陳列されている位置を記憶している。具体的に陳列位置は、陳列棚Sの棚番号、段数、及び列番号により表されている。なお、列番号は、陳列棚Sの棚板上に横並びで陳列されている各商品の順序を示している。
【0039】
図9は、コンテンツの表示例を示す説明図である。以下の説明では、本実施の形態に係る陳列棚システムが実行する処理の概要について説明する。なお、以下の説明では便宜上、サーバ1の処理主体は制御部11であり、プロジェクタサイネージ2の処理主体は制御部21であり、LEDサイネージ3の処理主体は制御部31であるものとして説明する。
上述の如く、陳列棚Sの第1の棚板P1にプロジェクタサイネージ2が設けられており、第2の棚板P2にLEDサイネージ3が設けられている。例えば第1の棚板P1は、陳列棚Sが有する複数の棚板のうち、上下方向において陳列棚Sのほぼ中央に位置する棚板である。第1の棚板P1には、店舗における人気商品、特売品等のように、いわゆる主力商品が陳列されている。
【0040】
なお、上記で規定した第1の棚板P1の構成は一例であり、本実施の形態はこれに限定されるものではない。例えば第1の棚板P1は、中央以外の段の棚板であってもよい。また、プロジェクタサイネージ2は一の陳列棚Sにおいて複数の棚板に設けられていてもよい。
【0041】
第2の棚板P2は、第1の棚板P1とは別の棚板であり、主力商品以外の商品が陳列された棚板である。例えば
図9に示すように、第2の棚板P2は第1の棚板P1の上下に複数設けられている。なお、後述する販売促進活動のため、第2の棚板P2には、第1の棚板P1に陳列された主力商品と関連する関連商品を陳列するとよい。
【0042】
なお、
図9では陳列棚Sの全ての棚板にサイネージ装置が設けられているものとして図示してあるが、本実施の形態はこれに限定されるものではなく、一部の棚板にはサイネージ装置が設けられていない構成としてもよい。
【0043】
プロジェクタサイネージ2及びLEDサイネージ3は、いわゆる電子棚札として機能し、陳列棚Sに陳列されている商品に関するコンテンツ画像を表示する。ここでまず、陳列棚S付近に顧客がいない場合を考える。この場合、
図9に示すように、各サイネージは陳列商品の値札画像を表示する。値札画像は、各商品の商品名、価格等を含む画像である。
【0044】
サーバ1の制御部11は、商品DB141を参照し、各商品の値札画像を生成してプロジェクタサイネージ2及びLEDサイネージ3に出力する。具体的に制御部11は、各サイネージの表示面を複数の表示領域に分割して各商品の値札を表示するための分割画像を生成する。具体的に制御部11は、各商品の陳列位置に係る情報を配置テーブル142から読み出す。上述の如く、陳列位置は例えば陳列棚Sの棚番号、棚板の段数、各棚板における商品の列番号などで表される。制御部11は、読み出した陳列位置に係る情報を参照し、棚番号及び段数が同一の商品、すなわち同一の棚板に陳列されている商品を特定する。さらに制御部11は、列番号によって商品の陳列順序を特定する。そして制御部11は、特定した陳列順序に従い、各商品の商品名、価格等を含む値札画像を一列に配置した画像を生成する。すなわち制御部11は、分割表示を行うための分割画像を生成する。なお、サーバ1は予め、各サイネージの表示画面における各表示領域の座標値を記憶してあるものとし、記憶されている座標値を参照して分割画像を生成するものとする。制御部11は、生成した分割画像のデータを各サイネージに配信する。
【0045】
値札に係る分割画像のデータを受信した場合、プロジェクタサイネージ2の制御部21は投影部24を駆動し、表示面25に分割画像を投影する。同様に、LEDサイネージ3の制御部31は表示部34に分割画像を表示する。これにより、
図9に示すように、各サイネージには紙製の値札に代わって電子的に値札が提示される。なお、
図9では便宜上、分割画像に係る各表示領域の境界に破線を付して図示してある。
【0046】
図10は、コンテンツの切替表示について説明するための説明図である。
図10に基づき、陳列商品の販売促進のために各サイネージが行うコンテンツの表示処理について説明する。
例えば各サイネージは、陳列棚S付近における顧客の行動内容に応じて、表示するコンテンツを値札画像から切り替える。例えば陳列棚Sには上述のセンサ装置4(
図10では不図示)が設けられており、センサ装置4が陳列棚Sに対する顧客の接近を検出する。センサ装置4は、中継器5を介して検出結果をサーバ1に送信する。
【0047】
サーバ1の制御部11は、顧客行動に係る検出結果に基づき表示コンテンツを切り替える。すなわち制御部11は、センサ装置4が顧客の接近を検出した場合、新たなコンテンツを各サイネージに出力して表示を切り替える。例えば制御部11は、陳列商品の販売促進のため、陳列商品の広告画像を各サイネージに出力する。これにより、
図10に示すように、プロジェクタサイネージ2及びLEDサイネージ3は、表示コンテンツを値札画像から広告画像に切り替える。例えば各サイネージは、各棚板に陳列された各商品の広告画像を順次表示する。なお、
図10では各サイネージが一時の一の商品の広告のみを表示している様子を図示しているが、
図9で示した値札画像と同じく、各サイネージは各商品の陳列位置に応じて表示画面を複数の表示領域に分割し、各表示領域に各商品の広告を同時に表示してもよい。
【0048】
図11は、特別コンテンツの表示処理を説明するための説明図である。本実施の形態において、第1の棚板P1に陳列された主力商品を基準としてさらなる販売促進を行うべく、プロジェクタサイネージ2は、LEDサイネージ3に表示されるコンテンツよりも詳細な特別コンテンツを表示する。特別コンテンツは、主力商品を中心として、その他の商品を含む陳列商品全体の販売促進を図るためのコンテンツである。
【0049】
例えば
図11Aに示すように、プロジェクタサイネージ2の制御部21は、第1の棚板P1に陳列されている商品とは異なる商品の情報を表示面25に表示する。当該商品は、第1の棚板P1の陳列商品に関連する関連商品である。関連商品は、第1の棚板P1に陳列されている商品との同時購入が推奨される商品であり、店舗側で規定された商品である。関連商品は、第1の棚板P1の陳列商品が陳列された陳列棚Sとは別の場所に陳列されていてもよいが、上述の如く、同一の陳列棚Sの第2の棚板P2に陳列されていると好適である。制御部21は、主力商品と共に関連商品の購入を顧客に促すべく、関連商品の情報を表示する。例えば
図11Aに示すように、制御部21は、第1の棚板P1に陳列された陳列商品Xに関連する関連商品A、D、G、Jの広告画像を表示面25に表示する。
【0050】
また、例えば
図11Bに示すように、制御部21は、第1の棚板P1に陳列されている商品の使用例を示す情報を表示面25に表示する。例えば陳列商品が食品である場合、制御部21は、当該食品を用いた料理レシピを表示する。これにより、プロジェクタサイネージ2は顧客の購買意欲を刺激し、さらなる販売促進を図る。なお、関連商品の販売促進も図るため、制御部21は関連商品も用いた使用例を表示するとよい。これにより、関連商品も含めたさらなる販売促進が可能となる。
【0051】
また、例えば
図11Cに示すように、制御部21は、第1の棚板P1に陳列されている商品に係る特典情報を表示面25に表示する。特典情報は、商品の購入の際に使用可能なクーポン、商品の購入により付与されるポイント等のように、商品を購入する顧客に対して与えられる特典である。例えば
図11Cに示すように、制御部21はクーポンに係る情報を表示すると共に、クーポンを顧客の携帯端末にダウンロードするためのQRコード(登録商標)等を表示する。なお、例えば陳列棚Sにビーコン機器を設置しておき、サーバ1がビーコン機器を介して携帯端末にクーポンを配信するようにしてもよい。また、
図11Cに示すように、特典情報は、第1の棚板P1に陳列された商品のみではなく、関連商品も含めた複数の商品に係る特典であってもよい。これにより、関連商品も含めて販売促進を図ることができる。
【0052】
例えばサーバ1の制御部11は、顧客の接近を検出した場合、
図10で示した基本コンテンツ(広告)の画像だけでなく、
図11A〜Cで示した特別コンテンツの画像をプロジェクタサイネージ2に出力する。特別コンテンツを含む一連の画像データを取得した場合、プロジェクタサイネージ2は、
図10で示した画像と、
図11A〜Cで示した画像とを交互に繰り返し表示する。
【0053】
また、サーバ1は、プロジェクタサイネージ2における関連商品の表示に合わせて、LEDサイネージ3に関連商品のコンテンツ画像を表示させる。例えばプロジェクタサイネージ2が、
図11A〜Cに示すように、陳列商品Xの特別コンテンツを表示する場合を考える。この場合、
図10に示すように、サーバ1は陳列商品Xに関連する関連商品A、D、G、Jの広告画像を、プロジェクタサイネージ2における特別コンテンツの表示に合わせて同時にLEDサイネージ3に表示させる。
【0054】
例えばプロジェクタサイネージ2は、第1の棚板P1に陳列された商品X、Y、Zに係る特別コンテンツを順次表示する。LEDサイネージ3は、プロジェクタサイネージ2の表示に合わせ、商品X、Y、Z夫々に関連した関連商品の広告を順次表示する。これにより、プロジェクタサイネージ2により関連商品を紹介されると共に、LEDサイネージ3により商品の広告宣伝がなされ、さらなる販売促進が図られる。
以上より本システムは、第1の棚板P1に陳列されている主力商品に係る詳細な特別コンテンツをプロジェクタサイネージ2に表示し、主力商品の販売促進を図る。さらに本システムは、第1の棚板P1に陳列されている商品だけでなく、その他の商品も含めて販売促進を図る。
【0055】
図12は、陳列棚システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12に基づき、陳列棚システムが実行する処理の内容について説明する。
サーバ1の制御部11は、商品DB141を参照し、陳列商品の値札画像をプロジェクタサイネージ2及びLEDサイネージ3に出力する(ステップS11)。具体的には、制御部11は配置テーブル142を参照し、各商品の陳列位置を特定する。制御部11は、各商品の陳列位置に応じて各サイネージの表示画面を複数の表示領域に分割し、各表示領域に各商品の値札を表示する分割画像を生成し、プロジェクタサイネージ2及びLEDサイネージ3に配信する。プロジェクタサイネージ2は、サーバ1から出力された値札画像を表示する(ステップS12)。LEDサイネージ3は、サーバ1から出力された値札画像を表示する(ステップS13)。
【0056】
サーバ1の制御部11は、センサ装置4で検出された顧客行動に係る検出結果を通信部13により取得する(ステップS14)。例えばセンサ装置4は赤外線センサであり、陳列棚Sへの顧客の接近を検出する。サーバ1はセンサ装置4から、顧客が陳列棚Sに接近したか否かを示す検出結果を取得する。
【0057】
制御部11は、取得した検出結果に基づき、顧客が陳列棚Sに接近したか否かを判定する(ステップS15)。接近していないと判定した場合(S15:NO)、制御部11は処理をステップS14に戻す。接近したと判定した場合(S15:YES)、制御部11は、LEDサイネージ3に出力するコンテンツと異なる特別コンテンツをプロジェクタサイネージ2に出力する(ステップS16)。特別コンテンツは、上述の値札、広告等よりも商品の詳細な情報を提示するコンテンツ画像であり、第1の棚板P1に陳列された商品を基準として、その他の商品の売上も向上させるべく販売促進を行うためのコンテンツ画像である。具体的に特別コンテンツは、第1の棚板P1に係る陳列商品が人気商品である旨を示す情報、第1の棚板P1に係る陳列商品に関連する関連商品の情報などである。サーバ1は、店舗の主力商品が陳列されている第1の棚板P1に設けられたプロジェクタサイネージ2に特別コンテンツを表示させることで、主力商品を誘因とした顧客の消費活動を促す。これによりサーバ1は、主力商品を基準とした販売促進を行う。特別コンテンツに係る画像がサーバ1から出力された場合、プロジェクタサイネージ2の制御部21は、特別コンテンツを表示面25に表示するサブルーチンを実行する(ステップS17)。
【0058】
ステップS16の処理を実行後、制御部11は商品DB141を参照し、陳列商品の広告画像をLEDサイネージ3に出力する(ステップS18)。すなわち制御部11は、第2の棚板P2に陳列された商品について、基本的な販売促進を行うため、LEDサイネージ3に表示するコンテンツを商品の値札から広告に切り替える。サーバ1から広告画像が出力された場合、LEDサイネージ3の制御部31は、当該広告画像を表示する(ステップS19)。例えば制御部31は、プロジェクタサイネージ2における特別コンテンツの表示に合わせて、第2の棚板P2に陳列されている関連商品のコンテンツを同時に表示する。
【0059】
サーバ1の制御部11は、ステップS14と同様に、センサ装置4から顧客行動に係る検出結果を取得する(ステップS20)。制御部11は、取得した検出結果に基づき、顧客が陳列棚Sから離脱したか否かを判定する(ステップS21)。離脱していないと判定した場合(S21:NO)、制御部11は処理をステップS16に戻す。これにより、サーバ1は各陳列商品に係るコンテンツ画像を各サイネージに順次出力する。離脱したと判定した場合(S21:YES)、制御部11は処理をステップS11に戻す。
【0060】
図13は、特別コンテンツ表示のサブルーチンの処理手順の一例を示すフローチャートである。
図13に基づき、ステップS17の特別コンテンツ表示のサブルーチンについて説明する。
プロジェクタサイネージ2の制御部21は、第1の棚板P1に陳列された商品の広告画像を表示面25に表示する(ステップS41)。例えば制御部21は、
図10に示したように、第1の棚板P1に陳列された一の陳列商品の広告画像を表示面25の全面に表示する。
【0061】
制御部21は、第1の棚板P1に陳列された商品に関連する関連商品の情報を表示面25に表示する(ステップS42)。関連商品は、関連付けられた陳列商品との同時購入が推奨される商品であり、店舗側で規定された商品である。上述の如く、例えば関連商品は、第1の棚板P1の陳列商品と同一の陳列棚Sに係る第2の棚板P2に陳列されている。例えば制御部21は、同一の陳列棚Sに陳列されている関連商品の広告画像を表示する。
【0062】
制御部21は、第1の棚板P1に陳列された商品の使用例を示す情報を表示面25に表示する(ステップS43)。商品の使用例を示す情報は、例えば商品が食品である場合のレシピ例、商品が衣服である場合のコーディネート例などのように、商品を購入する顧客の便宜を図る情報である。制御部21は、第1の棚板P1に陳列された商品の使用例を提示することで、さらなる販売促進を図る。なお、例えば制御部21は、第1の棚板P1に陳列された商品と、当該商品に関連する関連商品とを組み合わせた使用例を表示してもよい。
【0063】
制御部21は、第1の棚板P1に陳列された商品に係る特典情報を表示面25に表示する(ステップS44)。特典情報は、当該商品の購入の際に使用可能なクーポン、当該商品の購入により付与されるポイント等のように、当該商品を購入する顧客に対して与えられる特典である。例えば制御部21は、陳列商品の購入の際のクーポンに係る情報と、クーポンを顧客の携帯端末にダウンロードするためのQRコード等とを表示する。ステップS44の処理を実行後、制御部21は処理をステップS41に戻し、上記の各表示を繰り返す。
【0064】
なお、上記ではセンサ装置4を赤外線センサであるものとし、陳列棚Sへの顧客の接近を検出した場合に表示コンテンツの切り替えを行うものとしたが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。例えばセンサ装置4を視線検出センサとし、顧客が各サイネージの表示画面を見た場合に表示コンテンツの切り替えを行うものとしてもよい。このように、本システムは顧客の行動動作をトリガとして表示コンテンツの切り替えを行うことができればよい。
【0065】
また、上記で主力商品に係る特別コンテンツは、関連商品の情報、使用例の情報、及び特典情報であるものとしたが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。例えば特別コンテンツは、商品の販売元、製造元等のように、主力商品の詳細を示す情報であってもよい。すなわち特別コンテンツは、第2の棚板P2に係る陳列商品のコンテンツよりも詳細なものであればよく、その内容は特に限定されない。
【0066】
以上より、本実施の形態1によれば、顧客に対して適切に情報を提示することができると共に、電子棚札の導入に係る低コスト化を図ることができる。
【0067】
また、本実施の形態1によれば、第1の棚板P1に設ける表示装置を棚板に内蔵された投影装置とすることで、特別コンテンツに係る詳細な情報を表示することができる。
【0068】
また、本実施の形態1によれば、第2の棚板P2に設ける表示装置を横長のLEDディスプレイとすることで、プロジェクタサイネージ2と同じく商品の陳列位置に応じた分かり易い情報提示が可能である。また、LEDディスプレイとすることで、画像表示のための電力消費量を抑制し、本システムの導入コストを引き下げることができる。
【0069】
また、本実施の形態1によれば、プロジェクタサイネージ2に関連商品の広告等を特別コンテンツとして表示することで、第1の棚板P1に陳列された商品を基準としてさらなる販売促進が可能となる。
【0070】
また、本実施の形態1によれば、第2の棚板P2に関連商品を陳列し、プロジェクタサイネージ2と連携してLEDサイネージ3に関連商品の広告等を表示することで、さらなる販売促進を期待することができる。
【0071】
また、本実施の形態1によれば、陳列棚S付近における顧客行動に応じて表示コンテンツを切り替えることで、適切なタイミングで情報を提示することができる。
【0072】
(実施の形態2)
本実施の形態では、店舗において特定の区画に設置された陳列棚Sにプロジェクタサイネージ2を設ける形態について述べる。なお、以下の説明では、実施の形態1と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。
図14は、実施の形態2に係る陳列棚Sの構成例を示す説明図である。本実施の形態に係る陳列棚Sは、符号S1、S2で夫々表す2種類の棚に大別される。符号S1で示す陳列棚S1は、店舗における特定の区画に設置された棚である。具体的には、当該陳列棚S1はいわゆるエンドキャップに相当する棚であり、店舗において顧客が最も通行する主通路に面する位置に設置されている。以下の説明では便宜上、陳列棚S1をエンド棚S1と読み替える。一般的にエンド棚S1は、主通路に面して設置されていることから、他の棚と比べて陳列商品の売上が高い傾向にあり、特売品等の主力商品が陳列される。本実施の形態では、上記の点に着目し、陳列棚S1の棚板にプロジェクタサイネージ2、2、2…が設けられ、特別コンテンツを表示する。
【0073】
符号S2で示す陳列棚S2は、店舗の商品売場において、いわゆるスロットに位置する棚である。以下の説明では便宜上、陳列棚S2をスロット棚S2と読み替える。本実施の形態では、スロット棚S2の棚板にLEDサイネージ3が設けられ、スロット棚S2に陳列された商品の値札表示、広告表示等を行う。
【0074】
図14に示すように、エンド棚S1の背面に複数のスロット棚S2が連なる形で設置されており、陳列棚Sの一群を構成する。店舗内には
図14に示す陳列棚Sの一群が複数並べて設置されており、商品売場が構成されている。
【0075】
なお、上記でエンド棚S1及びスロット棚S2は別々の陳列棚Sであるものとして説明したが、エンド棚S1及びスロット棚S2は一体の棚として構成されていてもよい。
また、
図14ではエンド棚S1の全ての棚板にプロジェクタサイネージ2が設けられている様子を図示したが、実施の形態1に係る陳列棚Sと同様に、例えばエンド棚S1が有する棚板の一部にはLEDサイネージ3が設けられていてもよい。
【0076】
図15は、実施の形態2に係るコンテンツ切替処理を説明するための説明図である。
図15A〜Cでは、プロジェクタサイネージ2における表示画面例を示している。例えばプロジェクタサイネージ2は、
図15A〜Cに示す画像を順次表示する。
【0077】
例えば
図15Aに示すように、プロジェクタサイネージ2の制御部21は、サーバ1からのコンテンツの配信を受け、エンド棚S1に陳列された商品に関する画像を表示する。具体的には実施の形態1と同様に、制御部21は陳列商品の広告画像を表示する。
【0078】
また、例えば
図15B、Cに示すように、制御部21は、エンド棚S1の陳列商品に関連する関連商品に関する情報を表示する。ここで、例えば関連商品は、エンド棚S1に連なるスロット棚S2に陳列されているものとする。すなわち特売品及び関連商品は、同一群に属する各棚に陳列されている。本実施の形態においてプロジェクタサイネージ2は、エンド棚S1の陳列商品の販売促進を行うためのコンテンツを表示するだけでなく、スロット棚S2に陳列されている関連商品の販売促進を行うための特別コンテンツを表示することで、主力商品を基準とした販売促進を図る。
【0079】
例えば
図15Bに示すように、制御部21は、各関連商品の広告画像を表示面25に表示する。さらに制御部21は、
図15Cに示すように、関連商品の陳列位置を案内する案内画像を表示する。案内画像は、例えば売場のマップ画像であり、現在地(エンド棚S1の位置)と、関連商品の陳列位置(スロット棚S2における陳列位置)とをマップ上に示す画像である。制御部21は、
図15B、Cに示す特別コンテンツの画像を表示し、関連商品の購入を顧客に促す。
【0080】
なお、例えばサーバ1は、プロジェクタサイネージ2に上記の特別コンテンツの表示を行わせるだけでなく、プロジェクタサイネージ2におけるコンテンツ表示に合わせて、LEDサイネージ3に、関連商品の陳列位置を顧客に報知するための報知表示を行わせてもよい。例えばサーバ1は、関連商品の陳列位置に対応するLEDサイネージ3を点滅させる。これにより、プロジェクタサイネージ2において関連商品の案内画像を閲覧した顧客は、関連商品の陳列位置を正確に把握することができる。
【0081】
図16は、実施の形態2に係る陳列棚システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。プロジェクタサイネージ2及びLEDサイネージ3に値札画像を出力する処理を実行した後(ステップS11)、サーバ1の制御部11は、以下の処理を実行する。
制御部11は、エンド棚S1付近における顧客行動を検出した検出結果を、通信部13によりセンサ装置4から取得する(ステップS201)。例えばセンサ装置4はエンド棚S1及びスロット棚S2の夫々に設けられており、サーバ1は、各棚に設けられたセンサ装置4、4、4…から、顧客の接近を検出したか否かを示す検出結果を取得する。
【0082】
制御部11は、取得した検出結果に基づき、顧客がエンド棚S1に接近したか否かを判定する(ステップS202)。エンド棚S1に接近していないと判定した場合(S202:NO)、制御部11は処理をステップS201に戻す。エンド棚S1に接近したと判定した場合(S202:YES)、制御部11は、LEDサイネージ3に出力するコンテンツよりも詳細な特別コンテンツをプロジェクタサイネージ2に出力する(ステップS203)。本実施の形態に係る特別コンテンツは、エンド棚S1に陳列されている商品の広告、当該商品に関連する関連商品の広告等のほか、スロット棚S2に陳列されている関連商品の位置を案内する案内画像等である。特別コンテンツに係る画像がサーバ1から出力された場合、プロジェクタサイネージ2は、特別コンテンツを表示面25に表示するサブルーチンを実行する(ステップS204)。ステップS204の処理を実行後、サーバ1の制御部11は、処理をステップS18に移行する。
【0083】
図17は、実施の形態2に係る特別コンテンツ表示のサブルーチンの処理手順の一例を示すフローチャートである。
図17に基づき、ステップS204の特別コンテンツ表示のサブルーチンについて説明する。
プロジェクタサイネージ2の制御部21は、エンド棚S1に陳列された商品の広告画像を表示面25に表示する(ステップS221)。制御部21はさらに、エンド棚S1に陳列された商品に関連する関連商品の情報を表示する(ステップS222)。例えば制御部21は、スロット棚S2に陳列されている関連商品の広告画像を表示する。
【0084】
制御部21は、関連商品の陳列位置を案内する案内画像を表示する(ステップS223)。例えば制御部21は、
図15Cに例示したマップ図を表示することで、顧客の現在地と、案内対象である関連商品の陳列位置とを表示する。これにより制御部21は、関連商品が陳列されているスロット棚S2へと顧客を誘導する。制御部21は、処理をステップS221に戻す。
【0085】
なお、上記ではプロジェクタサイネージ2を、いわゆるエンドキャップに位置する陳列棚Sに設けることとしたが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。例えばプロジェクタサイネージ2を、店舗の入口、又は会計場所の周辺に位置する陳列棚Sに設けてもよい。一般的に、店舗の入口及び会計場所の周辺区画では、売場面積に対する売上が高い。そこで、店舗の入口又は会計場所から所定範囲内に位置する陳列棚Sにプロジェクタサイネージ2を設け、特別コンテンツを表示することで、上記と同様に販売促進効果の向上が期待できる。
【0086】
以上より、本実施の形態2によれば、特定の区画に設置された陳列棚Sにプロジェクタサイネージ2を設け、当該プロジェクタサイネージ2が特別コンテンツを表示することで、店舗の売場設計に柔軟に対応することができる。
【0087】
(実施の形態3)
本実施の形態では、商品の売上、又は販売予定等の情報から、商品の陳列配置を決定する形態について述べる。
図18は、実施の形態3に係るサーバ1の構成例を示すブロック図である。本実施の形態に係るサーバ1の大容量記憶装置14は、販売DB143を記憶している。販売DB143は、店舗における各商品の売上に係る販売情報を記憶している。
【0088】
図19は、実施の形態3に係る販売DB143のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。販売DB143は、日付列、商品ID列、販売情報列を含む。日付列は、店舗の各営業日を記憶している。商品ID列は、日付と対応付けて、各商品の商品IDを記憶している。販売情報列は、日付及び商品IDと対応付けて、各商品の販売情報を記憶している。販売情報は例えば、各商品の売上数、売上額等である。
【0089】
図20は、実施の形態3に係る配置決定処理を説明するための説明図である。本実施の形態においてサーバ1は、販売DB143に記憶されている販売情報に基づき、店舗における各商品の陳列配置を決定する。
例えばサーバ1は、ネットワークNを介して、店舗における商品の売上の管理を行うPOS(Point of Sale)システム(図示せず)に接続されている。サーバ1は定期的にPOSシステムと同期処理を行い、店舗における各商品の販売情報を取得して販売DB143に記憶する。販売情報は、店舗において販売される商品の売上等に係るデータである。サーバ1は店舗で販売された各商品の売上に基づき、各商品をどの位置に陳列すべきかを決定する。
【0090】
例えば
図20に示すように、サーバ1の制御部11は、所定期間内に店舗で販売される商品のうち、売上が上位の商品を、プロジェクタサイネージ2が設けられた第1の棚板P1に陳列する商品に決定する。すなわち制御部11は、いわゆる売れ筋の商品を第1の棚板P1に陳列するよう決定する。
【0091】
また、制御部11は、上記で決定した第1の棚板P1の陳列商品に基づき、第2の棚板P2に陳列する商品を決定する。例えば制御部11は、商品DB141を参照し、第1の棚板P1の陳列商品に関連付けられた関連商品を、当該第1の棚板P1を有する陳列棚Sの第2の棚板P2に陳列する商品に決定する。これにより、制御部11は各陳列棚Sにおける商品の陳列配置を決定する。制御部11は、決定した各商品の陳列配置に基づき、配置テーブル142を更新する。
【0092】
なお、上記でサーバ1は、商品の売上に基づいて配置を決定したが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。例えばサーバ1は、販売が予定されている新商品を第1の棚板P1に陳列するよう配置を決定してもよい。この場合、例えばサーバ1は、POSシステムから新商品に係る販売情報を取得し、当該販売情報が示す新商品を優先的に第1の棚板P1に陳列する商品に決定する。すなわちサーバ1は、商品の売上又は販売予定を示す販売情報に基づいて陳列配置を決定することができればよい。
【0093】
また、上記でサーバ1は、第2の棚板P2に関連商品の陳列を指示するものとしたが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。例えばサーバ1は、商品の種類等の属性に応じて第2の棚板P2の陳列商品を決定してもよい。例えばサーバ1は、第1の棚板P1に陳列する商品の種類が「飲料水」である場合、同じく種類が「飲料水」である商品を第2の棚板P2に陳列するよう決定することで、同一種類の商品がまとまって陳列される陳列配置とする。すなわち本実施の形態において、サーバ1は、少なくとも第1の棚板P1に陳列する主力商品を決定することができればよい。
【0094】
図21は、実施の形態3に係る指示画面の一例を示す説明図である。サーバ1は、上記で決定した各商品の陳列配置への配置変更を店舗の店員に対して指示する指示情報を生成し、店員宛に出力する。店員は指示内容に基づいて商品の陳列作業を行う。
指示情報は、店員が操作する所定のローカル端末等に出力してもよいが、本実施の形態においてサーバ1は、指示情報をプロジェクタサイネージ2に出力する。プロジェクタサイネージ2は、出力された指示情報を示す画像を表示面25に表示する。
【0095】
例えばサーバ1の制御部11は、
図21に示す指示画面を生成し、プロジェクタサイネージ2に出力する。指示画面は、例えば各商品の名称、陳列すべき棚板を示す情報(
図21に示す矢印のアイコン)等を含む。なお、例えば指示画面は、各商品の画像イメージ、陳列する各商品の陳列数等を含めてもよい。店員は指示画面を参考に、商品の陳列作業を行う。これにより、店員は棚割りを考えながら商品の陳列を行う必要がなくなり、店員の作業負担を軽減することができる。
【0096】
図22は、実施の形態3に係る陳列棚システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図22に基づき、本実施の形態に係るサーバ1が実行する処理内容について説明する。
サーバ1の制御部11は、商品夫々の売上、又は販売予定を示す販売情報を取得する(ステップS301)。例えば制御部11は、店舗の商品販売の管理を行うPOSシステムに接続されており、当該システムにおいて管理されている店舗の売上データを、ネットワークNを介して取得する。また、例えば制御部11は、販売が予定されている新商品の情報を併せて取得する。制御部11は、取得した販売情報を販売DB143に記憶する。
【0097】
制御部11は、各商品の販売情報に基づき、第1の棚板P1に陳列する商品を決定する(ステップS302)。例えば制御部11は、販売情報が示す各商品の売上データを参照して、店舗で販売される商品のうち、売上が上位の商品を第1の棚板P1に陳列する商品に決定する。また、例えば制御部11は、販売予定の新商品を優先的に第1の棚板P1に陳列する商品に決定する。なお、商品の陳列配置に係る上記の決定方法は一例であって、本実施の形態はこれに限定されるものではない。例えば制御部11は、売上の大小ではなく、時系列的な売上の変化に基づき、売上の増加率が大きい商品を第1の棚板P1に陳列する商品に決定してもよい。
【0098】
制御部11は、第2の棚板P2に陳列する商品を決定する(ステップS303)。例えば制御部11は、商品DB141を参照し、ステップS301で第1の棚板P1に陳列することを決定した商品に関連する関連商品を、当該商品と同一の陳列棚Sの第2の棚板P2に陳列する商品に決定する。
【0099】
制御部11は、ステップS302、S303における決定内容に基づいて最終的な陳列配置を決定し、配置テーブル142を更新する(ステップS304)。制御部11は、更新した配置テーブル142を参照し、各商品の陳列配置を指示する指示情報を生成してプロジェクタサイネージ2に出力する(ステップS305)。指示情報は、少なくともステップS302で決定した商品を第1の棚板P1に陳列すべき旨の指示内容を含み、店舗の店員に対して配置変更を指示する情報である。例えば制御部11は、各陳列棚Sの第1の棚板P1に設けられたプロジェクタサイネージ2に対し、各陳列棚Sの第1の棚板P1に陳列すべき商品、及び第2の棚板P2に陳列すべき商品を指示する画像を出力する。
【0100】
サーバ1から指示情報が出力された場合、プロジェクタサイネージ2の制御部21は、各商品の陳列配置を示す指示画面を表示する(ステップS306)。例えば指示画面は、
図21に示すように、各商品の名称、陳列位置等を示す画像である。制御部21は、一連の処理を終了する。
【0101】
以上より、本実施の形態3によれば、販売情報に基づいて適切な商品の陳列配置を設計することができる。
【0102】
また、本実施の形態3によれば、店舗の店員はプロジェクタサイネージ2に表示される指示情報を参考に、商品の陳列作業を容易に行うことができる。
【0103】
(実施の形態4)
図23は、上述した形態のサーバ1の動作を示す機能ブロック図である。制御部11がプログラムPを実行することにより、サーバ1は以下のように動作する。記憶部231は、所定のコンテンツ、及び該コンテンツと異なる特別コンテンツを記憶する。第1出力部232は、店舗に設置された陳列棚の第1の棚板に設けられ、該第1の棚板の前端部に沿ってレール状に延在する表示面に画像を表示する第1表示装置に前記特別コンテンツを出力する。第2出力部233は、前記第1の棚板とは別の第2の棚板に取り付けられた第2表示装置に前記コンテンツを出力する。
【0104】
本実施の形態4は以上の如きであり、その他は実施の形態1から3と同様であるので、対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0105】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。