特許第6981044号(P6981044)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981044
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】紙幣処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/14 20190101AFI20211202BHJP
   B65H 31/24 20060101ALI20211202BHJP
   B65H 31/26 20060101ALI20211202BHJP
   B65H 31/00 20060101ALI20211202BHJP
   B65H 31/10 20060101ALI20211202BHJP
【FI】
   G07D11/14
   B65H31/24
   B65H31/26
   B65H31/00 Z
   B65H31/10
【請求項の数】10
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-100979(P2017-100979)
(22)【出願日】2017年5月22日
(65)【公開番号】特開2018-195258(P2018-195258A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2019年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】涌嶋 渉
(72)【発明者】
【氏名】岡田 隆司
【審査官】 小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−084237(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/097913(WO,A1)
【文献】 再公表特許第2010/095235(JP,A1)
【文献】 特開2007−034869(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/14
B65H 31/24
B65H 31/26
B65H 31/00
B65H 31/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣が投入される入金部と、
前記紙幣が放出される複数の出金部と、
前記入金部から搬送される前記紙幣を鑑別する鑑別部と
を備え、
前記複数の出金部のうちの第1の出金部は、
前記第1の出金部の第1の集積空間に前記紙幣を放出する第1の紙幣放出部と、
前記第1の紙幣放出部により放出された前記紙幣と接触し該紙幣を前記第1の集積空間内に留める第1のストッパ部材と、
前記第1の集積空間に集積される前記紙幣の取り出しを制限する第1のシャッタと
を有し、
前記複数の出金部のうちの第2の出金部は、
前記入金部から搬送され前記鑑別部によって異常紙幣と判別された前記紙幣を集積する出金部であり、
前記第2の出金部の第2の集積空間に前記異常紙幣を放出する第2の紙幣放出部と、
前記第2の紙幣放出部により放出された前記異常紙幣と接触し該異常紙幣を前記第2の集積空間内に留める第2のストッパ部材と
前記第2のストッパ部材とは独立して可動し、前記入金部に投入された前記紙幣を前記鑑別部に搬送させる入金動作時において前記第2の集積空間から取り出される前記異常紙幣の移動経路から退避して前記第2の集積空間から前記異常紙幣が取り出される経路に存在しない状態となり、出金動作時において前記第2の集積空間に集積される前記紙幣の取り出しを制限する第2のシャッタと
を有することを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項2】
紙幣が投入される入金部と、
前記紙幣が放出される複数の出金部と、
前記入金部から搬送される前記紙幣を鑑別する鑑別部と
を備え、
前記複数の出金部のうちの第1の出金部は、
前記第1の出金部の第1の集積空間に前記紙幣を放出する第1の紙幣放出部と、
前記第1の紙幣放出部により放出された前記紙幣と接触し該紙幣を前記第1の集積空間内に留める第1のストッパ部材と、
前記第1の集積空間に集積される前記紙幣の取り出しを制限する第1のシャッタと
を有し、
前記複数の出金部のうちの第2の出金部は、
前記入金部から搬送され前記鑑別部によって異常紙幣と判別された前記紙幣を集積する出金部であり、
前記第2の出金部の第2の集積空間に前記異常紙幣を放出する第2の紙幣放出部と、
前記第2の紙幣放出部により放出された前記異常紙幣と接触し該異常紙幣を前記第2の集積空間内に留め、前記異常紙幣が前記第2の集積空間と外部とを連通する開口部を介し前記第2の集積空間から外部へ取り出される際、該異常紙幣の移動経路から退避可能に設けられる第2のストッパ部材と
を有することを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項3】
前記第2の出金部は、前記入金部に投入された前記紙幣を前記鑑別部に搬送させる入金動作時において、前記第2の集積空間に放出された前記異常紙幣を取り出し可能に設けられ、
前記入金部は、前記入金動作時において、前記第2の出金部から取り出された前記異常紙幣を再投入可能に設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の紙幣処理装置。
【請求項4】
前記鑑別部により前記異常紙幣に後続して搬送される前記紙幣が前記異常紙幣であると判別された場合、
前記第2の紙幣放出部から先行の前記異常紙幣である先行異常紙幣を放出させてから後続の前記異常紙幣である後行異常紙幣の搬送を一旦停止させた後に、該後行異常紙幣の搬送を再開して、前記第2の紙幣放出部から該後行異常紙幣を放出させる制御部
をさらに有する請求項2に記載の紙幣処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2の紙幣放出部から前記先行異常紙幣を放出させてから前記後行異常紙幣の搬送を一旦停止させ、該後行異常紙幣が衝突しない位置まで該先行異常紙幣が落下した後に、該後行異常紙幣の搬送を再開させる
請求項4に記載の紙幣処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2の紙幣放出部から前記先行異常紙幣を放出させてから前記後行異常紙幣の搬送を一旦停止させ、該先行異常紙幣が前記第2の集積空間から取り出された後に、該後行異常紙幣の搬送を再開して、前記第2の紙幣放出部から該後行異常紙幣を放出させる
請求項4に記載の紙幣処理装置。
【請求項7】
前記第2の紙幣放出部は、同軸に羽根車が設けられていないローラにより前記紙幣を放出する
請求項4に記載の紙幣処理装置。
【請求項8】
前記第2の出金部は、
前記第2のストッパ部材とは独立して可動し、前記入金部に投入された前記紙幣を前記鑑別部に搬送させる入金動作時において前記第2の集積空間から取り出される前記紙幣の移動経路から退避し、出金動作時において前記第2の集積空間に集積される前記紙幣の取り出しを制限する第2のシャッタ
をさらに有する請求項2に記載の紙幣処理装置。
【請求項9】
前記第2のストッパ部材は、軸を中心に回動可能に設けられ、前記異常紙幣が前記第2の集積空間から取り出される際に回動することで該異常紙幣の移動経路から退避すると共に、
該異常紙幣が取り出された後、前記第2のストッパ部材を前記第2の紙幣放出部により放出された前記異常紙幣と接触可能な状態へ戻すよう付勢する付勢部材を有する
請求項2に記載の紙幣処理装置。
【請求項10】
前記第2のストッパ部材は、前記第2の紙幣放出部から放出された前記紙幣の衝撃を吸収すると共に、該異常紙幣が取り出された後、前記第2のストッパ部材を前記第2の紙幣放出部により放出された前記異常紙幣と接触可能な状態へ戻すよう付勢する付勢部材を有する
請求項2に記載の紙幣処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣処理装置に関し、例えば銀行等の金融機関の営業店カウンタ等に設置され紙幣を投入して所望の取引を行う紙幣処理装置等に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関等で使用される紙幣処理装置等においては、利用者との取引内容に応じて、例えば利用者に紙幣や硬貨等の現金を入金させ、また利用者へ現金を出金する。紙幣処理装置としては、例えば利用者に紙幣を投入させる入金部と、利用者に紙幣を受け渡す出金部と、投入された紙幣の金種及び真偽を鑑別する鑑別部と、紙幣を搬送する搬送部と、金種毎に紙幣を格納する紙幣収納庫とを有するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そのような紙幣処理装置においては、図24図25及び図26に示す紙幣処理装置1001のように互いに同様に構成された2個の出金部1004(出金部1004a及び出金部1004bとを有するものがある。出金部1004aは、図24に示すようにアッパガイド32、ロアガイド34、シャッタ30及びステージ38により囲まれた空間が、紙幣BLを一時的に蓄積する空間である集積空間40を形成している。シャッタ30の後面である内側には、ビルストッパ52が設けられている。集積空間40に放出された紙幣BLはビルストッパ52に衝突し勢いが吸収され、ステージ38上に集積される。
【0004】
紙幣処理装置1001は、入金時において、出金部1004(出金部1004a及び100b)のシャッタ30が閉鎖した状態で入金部3から紙幣BLを内部へ繰り出して計数等を行う入金計数処理を行う。紙幣処理装置1001は、入金計数処理において、入金可能と判定された入金可能紙幣を一時保留に搬送して一時的に収納する一方、入金不可能と判定された入金リジェクト紙幣を出金部1004a又は1004bへ搬送して集積させ、入金計数処理を完了する。その後紙幣処理装置1001は、入金収納処理へ移行し、シャッタ30を開き、入金リジェクト紙幣を使用者に取り出させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−117899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、入金計数処理中においては出金部1004a及び1004bのシャッタ30が閉鎖した状態であるため、入金リジェクト紙幣が出金部1004a又は1004bへ集積されても、入金計数処理中においては使用者が出金部1004a又は1004bから取り出すことができなかった。このため、入金リジェクト紙幣と判定された紙幣BLが、紙幣BLの破損等ではなく、例えば搬送中に正常な位置からずれてしまった程度の紙幣だったとしても、入金計数処理中において使用者が入金リジェクト紙幣を出金部1004a又は1004bから取り出して出金部1004a又は1004bへ再投入することができず、投入した紙幣を全て収納するまでに時間を要し、操作性が低下してしまうおそれがあった。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、操作性を向上し得る紙幣処理装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため本発明の紙幣処理装置においては、紙幣が投入される入金部と、紙幣が放出される複数の出金部と、入金部から搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを設け、複数の出金部のうちの第1の出金部は、第1の出金部の第1の集積空間に紙幣を放出する第1の紙幣放出部と、第1の紙幣放出部により放出された紙幣と接触し該紙幣を第1の集積空間内に留める第1のストッパ部材と、第1の集積空間に集積される紙幣の取り出しを制限する第1のシャッタとを有し、複数の出金部のうちの第2の出金部は、入金部から搬送され鑑別部によって異常紙幣と判別された紙幣を集積する出金部であり、第2の出金部の第2の集積空間に異常紙幣を放出する第2の紙幣放出部と、第2の紙幣放出部により放出された異常紙幣と接触し該異常紙幣を第2の集積空間内に留める第2のストッパ部材と、第2のストッパ部材とは独立して可動し、入金部に投入された紙幣を鑑別部に搬送させる入金動作時において第2の集積空間から取り出される異常紙幣の移動経路から退避して第2の集積空間から異常紙幣が取り出される経路に存在しない状態となり、出金動作時において第2の集積空間に集積される紙幣の取り出しを制限する第2のシャッタとを有するようにした。
【0009】
これにより紙幣処理装置は、入金計数処理中において、第2の出金部から異常紙幣を使用者に抜き出させて入金部へ再投入させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、入金計数処理中において、第2の出金部から異常紙幣を使用者に抜き出させて入金部へ再投入させることができる。かくして本発明は、操作性を保ちつつ信頼性を向上し得る紙幣処理装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】紙幣処理装置の構成を示し、(A)は平面図、(B)は左側面図である。
図2】第1の実施の形態による紙幣集積状態の出金部の構成を示す左側面図である。
図3】第1の実施の形態による紙幣取出状態の出金部の構成を示す左側面図である。
図4】第1の実施の形態による紙幣集積状態の第2の出金部の構成(1)を示す斜視図である。
図5】第1の実施の形態による紙幣取出状態の第2の出金部の構成(1)を示す斜視図である。
図6】第1の実施の形態による紙幣集積状態の第2の出金部の構成(2)を示す左側面図である。
図7】第1の実施の形態による紙幣取出状態の第2の出金部の構成(2)を示す左側面図である。
図8】第1の実施の形態による紙幣集積状態の第1の出金部の構成を示す斜視図である。
図9】第1の実施の形態によるシャッタの構成を示す斜視図である。
図10】第1の実施の形態による紙幣取出状態の第1の出金部の構成を示す斜視図である。
図11】第1の実施の形態による入金計数処理における紙幣の経路を示す左側面図である。
図12】第1の実施の形態による入金リジェクト紙幣の再投入を示す左側面図である。
図13】第1の実施の形態による入金収納処理における紙幣の経路を示す左側面図である。
図14】第1の実施の形態による出金処理における紙幣の経路を示す左側面図である。
図15】第2の実施の形態による出金部の構成を示す左側面図である。
図16】第2の実施の形態による入金リジェクト紙幣集積処理における紙幣の経路(1)を示す左側面図である。
図17】第2の実施の形態による入金リジェクト紙幣集積処理における紙幣の経路(2)を示す左側面図である。
図18】第2の実施の形態による入金リジェクト紙幣集積処理における紙幣の経路(3)を示す左側面図である。
図19】第2の実施の形態による入金リジェクト紙幣集積処理における紙幣の経路(4)を示す左側面図である。
図20】第2の実施の形態による入金リジェクト紙幣集積処理における紙幣の経路(5)を示す左側面図である。
図21】第2の実施の形態による入金リジェクト紙幣集積処理における紙幣の経路(6)を示す左側面図である。
図22】第3の実施の形態による紙幣集積状態の出金部の構成を示す左側面図である。
図23】第3の実施の形態による紙幣取出状態の出金部の構成を示す左側面図である。
図24】従来の出金部における紙幣集積状態を示す左側面図である。
図25】従来の出金部における紙幣取出状態を示す左側面図である。
図26】従来の入金計数処理における紙幣の経路を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0013】
[1.第1の実施の形態]
[1−1.紙幣処理装置の構成]
図1に示すように、紙幣処理装置1は金融機関の行員(例えば受付窓口員)が操作する行員操作型端末、いわゆるテラーキャッシャーであり、使用者としての行員の操作に基づいて紙幣の入出金処理を行う。なおこの紙幣処理装置1は、行員以外にも金融機関の顧客によって操作されるものであっても良い。この紙幣処理装置1は、箱型の筐体2の上端部に、入金部3、出金部4(第1の出金部4a及び第2の出金部4b)、表示部5及び操作部6が設けられている。入金部3は、入金取引時に使用者により入金紙幣が投入されると、これを1枚ずつ分離して紙幣処理装置1内に取り込む。出金部4は、出金取引時に紙幣収納庫12a〜12e等から搬送されてくる出金紙幣を集積して使用者に取り出させる。表示部5はLCD(Liquid Crystal Display)等の液晶ディスプレイにより構成され、メニュー画面、各種処理の結果画面等を表示する。操作部6は押しボタン等により構成され、紙幣処理装置1に対する操作を受け付ける。
【0014】
紙幣処理装置1の筐体2内には、入金部3及び出金部4に加えて、鑑別部10、一時保留部11、紙幣収納庫12(紙幣収納庫12a〜12e)、リジェクト庫13、搬送路14及び制御部7が設けられている。制御部7は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、紙幣処理装置1の各部を統轄制御する。筐体2内の上部には、入金部3が後側、出金部4が前側となるように前後方向に並んで設けられている。出金部4は、第1の出金部4aが後側、第2の出金部4bが前側となるように前後方向に並んで設けられている。また、出金部4の前方斜め下には一時保留部11が設けられ、この一時保留部11よりも後方で入金部3の後方斜め下には、鑑別部10が設けられている。
【0015】
筐体2内の下部には、リジェクト庫13が最も前側で、その後ろに紙幣収納庫12a、12b、12c、12d及び12eが前後方向に並んで設けられている。さらに筐体2内には、これら入金部3、出金部4、鑑別部10、一時保留部11、紙幣収納庫12a〜12e及びリジェクト庫13の各部を繋ぐ搬送路14が設けられている。搬送路14は、ローラやベルト等により、図中太線で示す搬送路に沿って長方形の紙幣を短手方向に搬送する。搬送路14の分岐点には、図中三角形で示すブレードが設けられており、制御部7の制御に基づき回動することにより、紙幣の搬送先を切り替える。
【0016】
入金部3は、上面が開口する箱型の収納部を有している。この収納部の開口の一部が投入口8となる。この入金部3は、入金取引時に、投入口8から収納部内に投入された入金紙幣を1枚ずつ分離して紙幣処理装置1内に取り込んでいく。出金部4は、上面が開口する箱型の集積部を有している。この集積部の開口が図2に示す排出口9となる。この出金部4は、出金取引時に、紙幣収納庫12a〜12e等から搬送されてくる出金紙幣を集積部に集積する。また第1の出金部4aには排出口9を開閉するシャッタ30が設けられている。このシャッタ30は紙幣の排出時に開くようになっており、このシャッタ30が開くことで、使用者が集積部に集積されている出金紙幣を排出口9から取り出すことができる。一方第2の出金部4bには、排出口9を開閉するシャッタが設けられていない。
【0017】
鑑別部10は、搬送路14を介して1枚ずつ搬送されてくる紙幣の金種、真偽、正損及び走行状態等を鑑別する。この鑑別部10は、紙幣処理装置1において取り扱うことのできる正常紙幣か取り扱うことのできないリジェクト紙幣かをその鑑別結果に基づいて紙幣毎に判定する。一時保留部11は、入金部3から取り込まれ鑑別部10により正常紙幣と判定された紙幣を一時的に集積する。一時保留部11に集積された紙幣は、取引成立後に一時保留部11から繰り出されて鑑別部10に搬送され、鑑別部10により金種が特定された後、紙幣収納庫12a〜12eに搬送され収納される。
【0018】
紙幣収納庫12a〜12eはそれぞれ、紙幣を金種毎に収納可能な箱型の収納庫であり、搬送路14を介して搬送されてくる紙幣を内部に上下方向に重ねて集積する。また紙幣収納庫12a〜12eは、紙幣を収納するだけでなく、内部に集積されている紙幣を1枚ずつ搬送路14に繰り出す。リジェクト庫13は、紙幣を収納可能な箱型の収納庫であり、鑑別部10によってリジェクト紙幣と判定された紙幣を集積する。
【0019】
かかる構成において紙幣処理装置1は、鑑別部10による紙幣の鑑別結果等をもとに制御部7が各部を制御して、後述する入金計数処理、入金収納処理、出金処理、補充処理及び回収処理を行う。
【0020】
[1−2.出金部の構成]
図2及び図3に示すように出金部4は、第1の出金部4aにシャッタ30が設けられているのに対し第2の出金部4bにシャッタ30が設けられておらず省略されている。
【0021】
[1−2−1.第2の出金部の構成]
図4図5図6及び図7に示すように、第2の出金部4bは、アッパガイド32、ロアガイド34、ビルストッパ44及びステージ38により囲まれた空間が、紙幣を一時的に蓄積する空間である第2の集積空間としての集積空間40を形成している。図4及び図6は、ステージ38に紙幣BLを集積させる紙幣集積状態を、図5及び図7は、集積空間40から使用者に紙幣BLを取り出させる紙幣取出状態とに遷移する。
【0022】
ロアガイド34は、側面視が略三角形状であり、集積空間40の右側面及び左側面を形成している。ステージ38は板状であり、ロアガイド34の内側に設けられ、紙幣が集積される。アッパガイド32は板状であり、ロアガイド34よりも内側において集積空間40の右側面、左側面及び上側面を形成している。
【0023】
放出部24(図6及び図7)は、ロアガイド34の後方上部に設けられており、上側に配されたフィードローラ20及び下側に配されたリバースローラ22により構成されている。フィードローラ20及びリバースローラ22は、図示しない駆動部により図中反時計回り及び時計回りにそれぞれ回転することにより、搬送路14から搬送された1枚の紙幣BLを挟持し集積空間40へ放出する。リバースローラ22の回転軸には、ゴム等の弾性部材で形成された羽根車50が設けられている。この羽根車50は、リバースローラ22と共に時計回りに回転することにより、集積空間40へ放出された紙幣BLの後端部分を、下方向へ向けて叩き落とし、集積空間40に集積させる。
【0024】
アッパガイド32の前端部には、放出部24と対向する位置に、アッパガイド32と直交してほぼ上下方向に延在する略直方体でなる、入金リジェクト紙幣を集積空間40内に留めさせる2本のビルストッパ44(ビルストッパ44R及び44L)が設けられている。以下では、ビルストッパ44R及び44Lをまとめてストッパ部材としてのビルストッパ44とも呼ぶ。ビルストッパ44の上端は、左右方向に沿った回動軸45を介しアッパガイド32と接続されている。このためビルストッパ44はアッパガイド32に対し、回動軸45を支点として回動可能に構成されている。ビルストッパ44における後端部分には、放出部24から紙幣BLが放出される放出方向に直交し、紙幣BLの幅方向(左右方向)に延在する、断面V字形状の溝部(図示せず)が上下方向に複数本並んで鋸歯状に刻設されている。
【0025】
ビルストッパ44R及び44Lは、互いに左右方向に所定の間隔を隔てて設けられているため、該ビルストッパ44Rと44Lとの間には、集積空間40と外部とを挿通する開口部42が形成されている。ビルストッパ44とアッパガイド32との間には、弾性部材で形成された付勢部材としてのスプリング46が内蔵されている。このためビルストッパ44は、スプリング46により、集積空間40を閉塞させる方向である左側面視で時計回りに付勢されており、図6に示す、アッパガイド32と直交する通常位置において図示しないストッパに当接している。このスプリング46の付勢力は、放出部24から放出された紙幣BLがビルストッパ44に衝突した際に該紙幣BLの力を吸収する力以上であると共に、紙幣BLが使用者により集積空間40から抜き出される際に紙幣BLからビルストッパ44へ前方に向かってかかる力以下に設定されている。これにより使用者は、開口部42から指を入れて集積空間40に集積された紙幣BLを摘み、紙幣BLを変形させつつビルストッパ44を図5及び図7のように回動させて、容易に外部へ抜き出すことができる。
【0026】
かかる構成において、放出部24から紙幣BLが集積空間40に放出されると、該紙幣BLの先端がビルストッパ44に衝突する。このときビルストッパ44は、紙幣BLの先端を溝部に入り込ませることにより、該先端が下方向に垂れ下がることを防止する。このとき紙幣BLとの衝突によりビルストッパ44が反時計回りに移動しようとするが、スプリング46によりビルストッパ44の移動が抑えられる。これによりビルストッパ44は、放出部24から放出された紙幣BLの先端が衝突した際の衝撃を吸収し、紙幣BLが強くバウンドしてしまうことを抑止すると共に、紙幣BLに傷を付けてしまうことを防止できる。
【0027】
また紙幣BLを紙幣集積状態の第2の出金部4bから取り出す際、使用者は、集積空間40に開口部42から指を入れて紙幣BLを摘み手前側へ引き出す。このとき紙幣BLの前端がビルストッパ44に接触することにより、図5及び図7に示すように、該ビルストッパ44が手前側(すなわち反時計回りの方向)へ回動し、紙幣が抜き出される経路から退避し、紙幣取出状態となる。このように第2の出金部4bは、使用者により集積空間40から抜き出される紙幣BL自身の動きを利用することにより、ビルストッパ44を紙幣BLの移動経路から退避させることができる。これにより第2の出金部4bは、使用者に紙幣BLを容易に抜き出させることができ、操作性を向上させることができる。また使用者が紙幣BLを外部へ抜き出すことにより、紙幣BLから手前方向への力が掛からなくなると、ビルストッパ44はスプリング46の付勢力により時計回りに回動し、集積空間40を外部から遮断する位置に戻る。
【0028】
[1−2−2.第1の出金部の構成]
図8及び図10に示すように、第1の出金部4aは、アッパガイド32、ロアガイド34、シャッタ30及びステージ38により囲まれた空間が、紙幣を一時的に蓄積する空間である第1の集積空間としての集積空間40を形成している。第1の出金部4aにおけるロアガイド34、ステージ38、アッパガイド32及び放出部24は、第2の出金部4bと同様に構成されている。
【0029】
第1の出金部4aには、アッパガイド32及びロアガイド34を覆うようにシャッタ30が配置され、集積空間40に紙幣BLを集積する際に発生する音を外部へ漏らさないようにすると共に紙幣BLが集積空間40から外部へ飛び出さないように構成されている。シャッタ30は上面が湾曲する形状であり、後端部においてロアガイド34と回動軸を介し接続されている。このためシャッタ30はロアガイド34に対し、回動軸を支点として回動可能に構成されている。
【0030】
図9に示すようにシャッタ30の前側における内側には、放出部24と対向する位置に、アッパガイド32と直交してほぼ上下方向に延在する略直方体でなる、2本のビルストッパ52(ビルストッパ52R及び52L)が設けられている。以下では、ビルストッパ52R及び52Lをまとめてビルストッパ52とも呼ぶ。ビルストッパ52R及び52Lは、シャッタ30の内側において、該シャッタ30が閉じられた際に集積空間40に対し第2の出金部4bにおけるビルストッパ44R及び44L(図4及び図6)と同様の位置に設けられている。ビルストッパ52とシャッタ30との間には、弾性部材で形成された図示しないスプリングが内蔵されている。このためビルストッパ52は、スプリングにより後方へ付勢されている。これによりシャッタ30に取り付けられたビルストッパ52は、該シャッタ30と共に回動することとなる。またこれにより使用者は、シャッタ30が空いた状態で集積空間40の前方に形成された排出口9から指を入れて集積空間40に集積された紙幣BLを摘み該排出口9を通過させて、容易に外部へ抜き出すことができる。
【0031】
このように第1の出金部4aは、第2の出金部4bと比較して、ビルストッパ52R及び52Lが、アッパガイド32ではなくシャッタ30に設けられている。また第2の出金部4bには、ビルストッパ44は設けられているもののシャッタ30は設けられていない。
【0032】
かかる構成において、放出部24から紙幣BLが集積空間40に放出されると、該紙幣BLの先端がビルストッパ52に衝突する。このときビルストッパ52は、紙幣BLの先端を溝部に入り込ませることにより、該先端が下方向に垂れ下がることを防止する。このとき紙幣BLとの衝突によりビルストッパ52が前方へ移動しようとするが、スプリングが縮むことによりビルストッパ52の移動が抑えられる。これによりビルストッパ52は、放出部24から取り込まれた紙幣の先端が衝突した際の衝撃を吸収し、紙幣BLが強くバウンドしてしまうことを抑止すると共に、紙幣BLに傷を付けてしまうことを防止することができる。
【0033】
また紙幣BLを第1の出金部4aから取り出す際、使用者は、シャッタ30を開ける。これによりビルストッパ52は紙幣BLが抜き出される経路からシャッタ30と共に退避する。使用者は、集積空間40から紙幣BLを摘み手前側へ引き出す。このように第1の出金部4aは、出金動作中においてシャッタ30が閉じた状態では、該シャッタ30により、集積空間40に集積された紙幣BLの取り出しを制限すると共に外部への紙幣BLの飛び出しを防ぐ一方、紙幣BLを抜き出す際にシャッタ30が開いた状態では、該シャッタ30と共にビルストッパ52が回動して紙幣BLの移動経路から退避するため、紙幣BLを抜き出し易くすることができる。
【0034】
[1−3.入金計数処理]
入金取引時において紙幣処理装置1は、使用者により操作部6を介して入金取引が選択され、さらに入金部3に紙幣が投入されると、入金計数処理を開始し、投入された紙幣を入金部3から1枚ずつ繰り出し鑑別部10へ搬送する。ここで紙幣処理装置1は、鑑別部10により正常と判定された入金可能紙幣については図11中実線で示すように一時保留部11へ搬送して一時的に収納する。一方紙幣処理装置1は、入金に適さないと判定された入金リジェクト紙幣については図11中破線で示すように第2の出金部4bへ搬送し集積して使用者に返却する。図4図5図6及び図7に示したように第2の出金部4bにはシャッタ30が存在しないため、返却された紙幣を使用者は容易に取り出すことができる。使用者は、第2の出金部4bから取り出した紙幣を図12に示すように入金部3に再投入する。再投入された紙幣は、入金部3から再度繰り出され、入金可能紙幣と判別されると一時保留部11へ、入金リジェクト紙幣と判別されると再度第2の出金部4bへ搬送される。入金リジェクト紙幣が繰り返し第2の出金部4bへ返却されることにより予め設定された返却回数に達すると、紙幣処理装置1は、再投入を中止させて、入金計数処理を終了させる収納確定を使用者に促し、後述する入金収納処理へ移行する。このように紙幣処理装置1は、入金収納処理に移行する前に入金計数処理において使用者に入金リジェクト紙幣を返却すると共に、入金計数処理中に入金リジェクト紙幣を入金部3に再投入させることができる。
【0035】
[1−4.入金収納処理]
その後使用者により入金金額が確定されると、紙幣処理装置1は入金収納処理を開始し、一時保留部11に収納している紙幣を鑑別部10へ搬送する。ここで紙幣処理装置1は、鑑別部10により正常と判定された収納可能紙幣については図13中実線で示すようにその金種に応じて、各紙幣収納庫12a〜12eへ搬送して保管する。一方紙幣処理装置1は、収納に適さないと判定された収納リジェクト紙幣については図13中破線で示すようにリジェクト庫13へ搬送して保管する。
【0036】
[1−5.出金処理]
出金取引時において紙幣処理装置1は、出金処理を開始し、使用者により操作部6を介し出金取引が選択され出金金額等が入力されると、要求金額に応じて必要な金種毎の紙幣枚数を認識し、この金種毎の紙幣枚数に応じて各紙幣収納庫12a〜12eから紙幣を1枚ずつ繰り出して、鑑別部10へ搬送する。ここで紙幣処理装置1は、鑑別部10により正常と判定された出金可能紙幣については図14中実線で示すように出金部4(第1の出金部4a又は第2の出金部4b)に搬送して集積する。一方紙幣処理装置1は、出金に適さないと判定された出金リジェクト紙幣については図14中破線で示すようにリジェクト庫13へ搬送して保管する。このとき紙幣処理装置1は、出金可能紙幣を第2の出金部4bに集積し、第2の出金部4bの容量一杯まで集積させ満杯になると、出金先を切り替え、出金可能紙幣を第1の出金部4aに集積する。その後紙幣処理装置1は、第2の出金部4bから紙幣を使用者に取り出させ、第1の出金部4aが満杯になると、出金先を切り替え、出金可能紙幣を第2の出金部4bに集積する。その後紙幣処理装置1は、第1の出金部4aのシャッタ30を開け紙幣を使用者に取り出させ、第2の出金部4bが満杯になると、出金先を切り替え、出金可能紙幣を第1の出金部4aに集積する。このように紙幣処理装置1は、出金すべき紙幣が大量の場合、第2の出金部4bと第1の出金部4aとで出金先を切り替えながら、要求金額分の紙幣を出金する。
【0037】
[1−6.効果等]
ここで、紙幣が入金リジェクト紙幣と判定される原因は、紙幣の破損等が原因である場合よりも、例えば搬送中に正常な位置からずれてしまった程度のことが原因である場合の方が多く、そのような場合は、一旦入金リジェクト紙幣と判定されてしまった紙幣を再度鑑別部10において鑑別すれば、入金可能紙幣となることが多い。このため紙幣処理装置1においては、入金計数処理中において入金リジェクト紙幣を入金部3へ再投入できることが望ましい。
【0038】
これに対し紙幣処理装置1は、第2の出金部4bには第1の出金部4aのようなシャッタ30を設けないようにした。このため紙幣処理装置1は、入金リジェクト紙幣を第2の出金部4bの集積空間40に集積させる際に、集積空間40に集積される入金リジェクト紙幣の取り出しを制限するシャッタが、集積空間40から入金リジェクト紙幣が取り出される経路に存在しないようにすることができる。これにより紙幣処理装置1は、入金計数処理中において、収納確定を行員に行わせる前に、第2の出金部4bから入金リジェクト紙幣を行員に抜き出させて入金部3へ再投入させることができる。かくして紙幣処理装置1は、行員が投入したい紙幣を全て収納するまでの時間を短縮させ、操作性を向上できる。
【0039】
以上の構成によれば紙幣処理装置1は、紙幣BLが投入される入金部3と、紙幣BLが放出される複数の出金部4と、入金部3から搬送される紙幣BLを鑑別する鑑別部10とを設け、複数の出金部4のうちの第1の出金部4aは、第1の出金部4aの集積空間40に紙幣BLを放出する放出部24と、放出部24により放出された紙幣BLと接触し該紙幣BLを集積空間40内に留めるビルストッパ52と、集積空間40に集積される紙幣BLの取り出しを制限するシャッタ30とを有し、複数の出金部のうちの第2の出金部4bは、入金部3から搬送され鑑別部10によって異常紙幣としての入金リジェクト紙幣と判別された紙幣BLを集積する出金部であり、第2の出金部4bの集積空間40に入金リジェクト紙幣を放出する放出部24と、放出部24により放出された入金リジェクト紙幣と接触し該入金リジェクト紙幣を集積空間40内に留めるビルストッパ44とを有するようにした。これにより紙幣処理装置1は、入金計数処理中において、シャッタが設けられていない第2の出金部4bから入金リジェクト紙幣を行員に抜き出させて入金部3へ再投入させることができる。
【0040】
[2.第2の実施の形態]
[2−1.紙幣処理装置の構成]
図1に示すように、第2の実施の形態による紙幣処理装置101は、第1の実施の形態による紙幣処理装置1と比較して、出金部4に代えて出金部104が設けられているものの、それ以外は同様に構成されている。
【0041】
[2−2.出金部の構成]
図2と対応する部材に同一符号を付した図15に示すように、第2の実施の形態による出金部104は、第1の実施の形態による出金部4と比較して、第2の出金部4bに代えて第2の出金部104bが設けられているものの、それ以外は同様に構成されている。第2の実施の形態による第2の出金部104bは、第1の実施の形態による第2の出金部4bと比較して、羽根車50が省略されている。
【0042】
[2−3.入金リジェクト紙幣集積処理]
ここで、2枚の入金リジェクト紙幣を第2の出金部104bへ集積する場合の動作について説明する。図16に示すように紙幣処理装置101は、投入された紙幣を入金部3から1枚ずつ繰り出し、鑑別部10において1枚目の入金リジェクト紙幣である先行異常紙幣としての先行入金リジェクト紙幣BLr1を検出する。続いて紙幣処理装置101は、鑑別部10において先行入金リジェクト紙幣BLr1の後続に位置する2枚目の入金リジェクト紙幣である後行異常紙幣としての後行入金リジェクト紙幣BLr2を検出する。その後紙幣処理装置101は、図17に示すように先行入金リジェクト紙幣BLr1を第2の出金部104bまで搬送して集積空間40へ放出する。
【0043】
その後紙幣処理装置101は、紙幣処理装置101内の全ての紙幣の搬送を停止させ、図18に示すように先行入金リジェクト紙幣BLr1が第2の出金部104b内において、後続の紙幣が放出されても該後続の紙幣と衝突しない位置まで自由落下したか否かを所定のセンサにより検出し、該先行入金リジェクト紙幣BLr1を該センサにより検出するまで紙幣の搬送を待機する。このとき先行入金リジェクト紙幣BLr1よりも先行する入金可能紙幣は一時保留部11に一時的に収納されている。その後紙幣処理装置101は、図19に示すように紙幣処理装置101内の全ての紙幣の搬送を再開させ、図20に示すように後行入金リジェクト紙幣BLr2を第2の出金部104bまで搬送して集積空間40へ放出する。集積空間40へ放出された後行入金リジェクト紙幣BLr2は、図21に示すように第2の出金部104bにおいて自由落下し先行入金リジェクト紙幣BLr1の上に集積される。その後紙幣処理装置101は、後行入金リジェクト紙幣BLr2よりも後行する入金可能紙幣を一時保留部11へ搬送して一時的に収納する。
【0044】
このように紙幣処理装置101は、後続の入金リジェクト紙幣が存在する場合、先行の入金リジェクト紙幣を第2の出金部104bの集積空間40へ放出し、先行の入金リジェクト紙幣が後続の入金リジェクト紙幣と衝突しない位置に自由落下するまで待機した上で、後続の入金リジェクト紙幣を第2の出金部104bの集積空間40へ放出する。紙幣処理装置101は、後続の入金リジェクト紙幣の後にさらに後続の入金リジェクト紙幣が存在する場合、同様の処理を繰り返す。
【0045】
[2−4.効果等]
第1の実施の形態による第2の出金部4bはシャッタ30が設けられていないため、入金リジェクト紙幣は取り出され易いものの、紙幣集積時において羽根車50の動作音がシャッタ30により遮蔽されずに外部に漏れて騒音となってしまった。
【0046】
これに対し第2の出金部104bは、羽根車50を削除するようにした。このため第2の出金部104bは、羽根車50から発生する音を無くすことでき、動作音を静かにできる。これにより第2の出金部104bは、入金リジェクト紙幣の取り出し易さを第2の出金部4bと同等に保ったまま、動作音を静音化できる。
【0047】
しかしながら第2の出金部104bは、羽根車50を有していないため、集積空間40へ放出された紙幣BLの後端部分を下方向へ向けて叩き落とすことができない。このため第2の出金部104bは、2枚以上の入金リジェクト紙幣を連続的に放出すると、後行入金リジェクト紙幣BLr2が先行入金リジェクト紙幣BLr1に衝突してしまう可能性がある。
【0048】
これに対し紙幣処理装置101は、先行入金リジェクト紙幣BLr1を第2の出金部104bに放出した後に、先行入金リジェクト紙幣BLr1が自由落下し、後行入金リジェクト紙幣BLr2を放出しても衝突しない位置になるまで紙幣の搬送を待機した後に、後行入金リジェクト紙幣BLr2を第2の出金部104bに放出するようにした。これにより紙幣処理装置101は、後行入金リジェクト紙幣BLr2が先行入金リジェクト紙幣BLr1に衝突することを防止できる。この場合、紙幣処理装置1と比較して、入金リジェクト紙幣を第2の出金部104bに集積する時間が、搬送を待機する時間の分だけ余計にかかることとなるが、入金リジェクト紙幣が頻発する可能性は低く、通常であれば入金リジェクト紙幣が第2の出金部104bに大量に集積されることはないため、運用上問題となる可能性は低い。
【0049】
その他第2の実施の形態による紙幣処理装置101は、第1の実施の形態による紙幣処理装置1とほぼ同様の作用効果を奏し得る。
【0050】
[3.第3の実施の形態]
[3−1.紙幣処理装置の構成]
図1に示すように、第3の実施の形態による紙幣処理装置201は、第1の実施の形態による紙幣処理装置1と比較して、出金部4に代えて出金部204が設けられているものの、それ以外は同様に構成されている。
【0051】
[3−2.出金部の構成]
図2及び図3と対応する部材に同一符号を付した図22及び図23に示すように、第3の実施の形態による出金部204は、第1の実施の形態による出金部4と比較して、それぞれ第1の出金部4aに代えて第1の出金部204aが、第2の出金部4bに代えて第2の出金部204bが設けられているものの、それ以外は同様に構成されている。
【0052】
第1の出金部204aと第2の出金部204bとは互いに同一の構成となっているため、以下では第2の出金部204bについて説明する。第2の出金部204bは、第2の出金部4bにシャッタ30が追加されたような構成となっている。シャッタ30は上面が湾曲する形状であり、アッパガイド32に設けられた回動軸を支点として回動可能に構成されている。またビルストッパ44は、シャッタ30ではなくアッパガイド32に設けられている。このためシャッタ30はビルストッパ44に対し独立して可動可能である。これにより出金部204は、図22に示すように排出口9を閉塞したシャッタ閉塞状態であり紙幣BLをステージ38に集積させる紙幣集積状態と、図23に示すように排出口9を開放したシャッタ開放状態であり紙幣BLを集積空間40から取り出させる紙幣取出状態とに遷移する。
【0053】
[3−3.入金計数処理]
入金取引時において紙幣処理装置201は、行員により操作部6を介して入金取引が選択されると、紙幣集積状態(図22)から紙幣取出状態(図23)に移行する。さらに入金部3に紙幣BLが投入されると、紙幣処理装置201は、入金計数処理を開始し、投入された紙幣BLを入金部3から1枚ずつ繰り出し鑑別部10へ搬送し、入金可能紙幣を一時保留部11へ、入金リジェクト紙幣を出金部204(第1の出金部204a又は第2の出金部204b)へ搬送し集積して行員に返却する。図23に示したように出金部4はシャッタ開放状態であるため、返却された紙幣BLを行員は容易に取り出すことができる。行員は、取り出した紙幣を入金部3に再投入する。再投入された紙幣BLは、入金部3から再度繰り出され、入金可能紙幣と判別されると一時保留部11へ、入金リジェクト紙幣と判別されると再度第2の出金部204bへ搬送される。その後紙幣処理装置201は、上述した入金収納処理を行う。
【0054】
[3−4.出金処理]
出金取引時において紙幣処理装置201は、行員により操作部6を介し出金取引が選択され出金金額等が入力されると、紙幣取出状態(図23)から紙幣集積状態(図22)に移行する。その後紙幣処理装置201は、上述した出金処理を行う。
【0055】
[3−5.効果等]
第1の実施の形態による紙幣処理装置1は、第2の出金部4bにシャッタが存在しないため、大量に出金された場合、紙幣BLがビルストッパ44を前方へ越えてしまうと、第2の出金部4bから該紙幣BLが外部へ飛び出してしまい、集積性能を保つことができない可能性があった。
【0056】
これに対し紙幣処理装置201は、出金処理時においては第2のシャッタとしてのシャッタ30を閉じシャッタ閉塞状態とした。これにより紙幣処理装置201は、出金部204から紙幣BLが外部へ飛び出してしまうことをシャッタ30により防止でき、集積性能を保つことができる。
【0057】
また紙幣処理装置201は、入金計数処理中においてはシャッタ開放状態とした。このため紙幣処理装置201は、入金リジェクト紙幣を出金部204の集積空間40に集積させる際に、集積空間40に集積される入金リジェクト紙幣の取り出しを制限するシャッタ30が、集積空間40から入金リジェクト紙幣が取り出される経路に存在しないようにすることができる。これにより紙幣処理装置201は、シャッタ30に邪魔されることなく、第1の出金部204a及び第2の出金部204bのどちらにおいても入金リジェクト紙幣を行員に取り出させることができる。
【0058】
また紙幣処理装置201は、第1の出金部204aと第2の出金部204bとを互いに同一の構成とした。これにより紙幣処理装置201は、紙幣処理装置1のように第1の出金部4aと第2の出金部4bとを互いに異なる構成とする場合よりも部材を共通化できる。
【0059】
このように紙幣処理装置201は、ビルストッパ44に対しシャッタ30を独立して可動可能とし、入金時にはシャッタ30を開放する一方、出金時にはシャッタ30を閉塞するようにした。これにより紙幣処理装置201は、第1の出金部204a及び第2の出金部204bのどちらにおいても、入金時においては入金リジェクト紙幣を取り出し易くさせることができると共に、出金時においては出金紙幣が大量の場合であっても出金紙幣を出金部204内部に留めておくことができる。
【0060】
その他第3の実施の形態による紙幣処理装置201は、第1の実施の形態による紙幣処理装置1とほぼ同様の作用効果を奏し得る。
【0061】
[4.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、入金部3は入金専用であり、出金部4は出金専用である場合について述べた。本発明はこれに限らず、入金機能と出金機能とを併せ持つ入出金部であっても良い。要は、少なくとも入金部3は入金機能を持ち、出金部4は出金機能を持てば良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
【0062】
また上述した第2の実施の形態においては、先行入金リジェクト紙幣BLr1を第2の出金部104bに放出した後に、後行入金リジェクト紙幣BLr2が放出されても衝突しない位置まで該先行入金リジェクト紙幣BLr1が落下したか否かを所定のセンサにより検出し、該先行入金リジェクト紙幣BLr1を該センサにより検出するまで紙幣の搬送を待機する場合について述べた。本発明はこれに限らず、先行入金リジェクト紙幣BLr1を第2の出金部104bに放出した後に、後行入金リジェクト紙幣BLr2が放出されても衝突しない位置に自由落下するまで所定時間だけ紙幣の搬送を待機しても良い。また、先行入金リジェクト紙幣BLr1が第2の出金部104bから行員により取り出されたことを所定のセンサにより検出するまで、紙幣の搬送を待機しても良い。
【0063】
さらに上述した第2の実施の形態においては、先行入金リジェクト紙幣BLr1を第2の出金部104bに放出した後に、紙幣処理装置101内の全ての紙幣の搬送を停止させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、後行入金リジェクト紙幣BLr2の搬送だけを停止させても良い。
【0064】
さらに上述した第1の実施の形態においては、上端に設けられた回動軸45を支点としてビルストッパ44が回動する場合について述べた。本発明はこれに限らず、ビルストッパ44の下端に回動軸を設け、該回動軸を支点としてビルストッパ44が回動しても良い。
【0065】
さらに上述した第1の実施の形態においては、行員が紙幣BLを集積空間40から外部へ抜き出すことにより紙幣BLから手前方向への力が掛からなくなると、ビルストッパ44はスプリング46の付勢力により下方向へ回動し、集積空間40を外部から遮断する位置に戻る場合について述べた。本発明はこれに限らず、ビルストッパ44が自重により、集積空間40を外部から遮断する位置に戻っても良い。
【0066】
さらに上述した第1の実施の形態においては、紙幣BLの前端がビルストッパ44に接触することにより該ビルストッパ44が手前側へ回動して紙幣BLが抜き出される経路から退避する場合について述べた。本発明はこれに限らず、ビルストッパ44を使用者が手動で開放させた上で紙幣BLを摘んで抜き出しても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
【0067】
さらに上述した第1の実施の形態においては、第1の出金部4aにビルストッパ52を2本、第2の出金部4bにビルストッパ44を2本設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、3本以上の任意の本数のビルストッパを第1の出金部4a及び第2の出金部4bに設けても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
【0068】
さらに上述した第1の実施の形態においては、後側に第1の出金部4aを、前側に第2の出金部4bを配置する場合について述べた。本発明はこれに限らず、後側に第2の出金部4bを、前側に第1の出金部4aを配置しても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
【0069】
さらに上述した第1の実施の形態においては、紙幣処理装置1に出金部4を2個、すなわち第1の出金部4aを1個、第2の出金部4bを1個設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、1個又は3個以上の任意の個数の出金部を紙幣処理装置1に設けても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
【0070】
さらに上述した第1の実施の形態においては、紙幣処理装置1に入金部3を1個設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、2個以上の任意の個数の入金部を紙幣処理装置1に設けても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
【0071】
さらに上述した第2の実施の形態においては、第2の出金部104bの羽根車50を省略する場合について述べた。本発明はこれに限らず、第3の実施の形態においても羽根車を省略しても良い。
【0072】
さらに上述した第1の実施の形態においては、媒体としての紙幣BLを集積空間40に集積して外部から抜き出させる装置に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば各種チケットや証券、或いは葉書や封筒等、種々の紙葉状の媒体を集積し、外部から取り出させる種々の装置に適用しても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
【0073】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【0074】
さらに上述した第1の実施の形態においては、入金部としての入金部3と、出金部としての出金部4と、鑑別部としての鑑別部10とによって、紙幣処理装置としての紙幣処理装置1を構成し、複数の出金部のうちの第1の出金部4aは、第1の紙幣放出部としての放出部24と、第1のストッパ部材としてのビルストッパ52と、第1のシャッタとしてのシャッタ30とを有し、複数の出金部のうちの第2の出金部4bは、第2の紙幣放出部としての放出部24と、第2のストッパ部材としてのビルストッパ44とを有する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる入金部と、出金部と、鑑別部とによって紙幣処理装置を構成し、その他種々の構成でなる第1の紙幣放出部と、第1のストッパ部材と、第1のシャッタとにより第1の出金部を構成し、第2の紙幣放出部と、第2のストッパ部材とにより第2の出金部を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、紙幣等の紙葉状の媒体を集積し、外部から取り出させる種々の装置でも利用できる。
【符号の説明】
【0076】
1、101、201……紙幣処理装置、2……筐体、3……入金部、4、104、204……出金部、4a、204a……第1の出金部、4b、104b、204b……第2の出金部、5……表示部、6……操作部、7……制御部、8……投入口、9……排出口、10……鑑別部、11……一時保留部、12……紙幣収納庫、13……リジェクト庫、14……搬送路、20……フィードローラ、22……リバースローラ、24……放出部、30……シャッタ、32……アッパガイド、34……ロアガイド、38……ステージ、40……集積空間、42……開口部、44、52……ビルストッパ、45……回動軸、46……スプリング、50……羽根車、BLr1……先行入金リジェクト紙幣、BLr2……後行入金リジェクト紙幣、BL……紙幣。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26