(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年,ICタグを用いた商品管理を導入するアパレル店舗が増えている。アパレル店舗において,ICタグを用いた商品管理を導入する際,アパレル店舗で販売されている商品にICタグが取り付けられる。アパレル店舗で販売されている商品にICタグを取り付けることで,商品にそれぞれ取り付けたICタグを一度に読み取れるため,バーコードを用いるときよりも棚卸等の商品管理に係る作業を大幅に効率化できる。
【0003】
アパレル店舗で販売されている商品にICタグを取り付ける際,特許文献1で開示されているような紙製のICタグを用いるのが一般的である。ブランド名などを印刷したアパレルタグと同様に,紙製のICタグに穴をあけ,この穴に紐を通して商品にICタグを取り付けるが,紙製のICタグにあけた穴に紐を通して商品にICタグを取り付けると,顧客が商品を手に取るときなどにICタグが破れてICタグが商品から欠落してしまうことがある。
【0004】
ICタグが破れてICタグが商品から欠落してしまうことを防止する手法として,衣類などのアパレル商品にICタグを縫い付けることが考えられる。アパレル商品に縫い付け可能に構成されたICタグは既に開示されており,例えば,特許文献2では,基材に織布および紙からなる群を用いるICタグが開示され,ワイシャツの襟もとやタオルの折り返しにこのICタグを縫い付けることが記載されている。また,特許文献3では,布基材を用いる布ICタグが開示され,ネームタグとして布ICタグを衣類に縫い付けることが記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここから,本発明の好適な実施形態を記載する。なお,以下の記載は本発明の技術的範囲を束縛するものでなく,理解を助けるために記述するものである。
【0014】
図1は,本実施形態に係るICタグ1を説明する図である。
図1(a)は,本実施形態に係るICタグ1の斜視図である。本実施形態に係るICタグ1は,衣類などのアパレル商品に縫い付けられる品質表示タグと一体化させることを前提として発案されたタグで,本実施形態に係るICタグ1のサイズと形状は,品質表示タグに対応したサイズと形状(ここでは,長方形)になっている。なお,
図1では,ICタグ1のエッジを直線にしているが,ICタグ1のエッジを波型とすることもできる。
【0015】
図1(b)は,本実施形態に係るICタグ1の構造を説明する第1図で,
図1(a)におけるA−A’線断面図である。本実施形態に係るICタグ1は,ICタグ1のベース基材10の上に,ICチップ120とこれに接続するアンテナ121を有するインレット12が実装され,インレット12を実装したベース基材10の面に熱可塑性樹脂層11を形成した構造になっている。
【0016】
図1(c)は,本実施形態に係るICタグ1の構造を説明する第2図で,
図1(a)におけるB−B’線断面図である。本実施形態に係るICタグ1の幅中央部には,ICチップ120が実装されるため,熱可塑性樹脂層11の幅方向に係る断面形状はICチップ120が盛り上がった形状になっている。
【0017】
ICタグ1のベース基材10について説明する。ICタグ1のベース基材10には,樹脂フィルムや紙基材を用いることができる。樹脂フィルムとしては,ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリプロピレン(PP),ポリカーボネート(PC)などをベース基材10に利用できるが,コストを考慮すると,上質紙,コート紙などの紙基材をベース基材10に利用することが望ましい。
【0018】
インレット12は,アパレル商品の商品管理に用いるデータを記憶したICチップ120とこれに接続したアンテナ121を有する。熱可塑性樹脂層11上に実装されるインレット12のアンテナ121は,ICタグ1が利用される周波数帯向けに設計され,
図1では,インレット12のアンテナ121を平面アンテナして記載しているが,インレット12のアンテナ121はコイルアンテナであっても構わない。
【0019】
熱可塑性樹脂とは,適切な温度に加熱すると溶融し,冷却すると固化する樹脂を意味し,熱可塑性樹脂としてはホットメルトが有名である。本実施形態に係るICタグ1において,熱可塑性樹脂層11は,インレット12を実装したベース基材10の面と品質表示タグの接着に用いられる。衣類などのアパレル商品に縫い付けられる品質表示タグには,ポリエステルサテン,ナイロンタフタまたはコットンタフタなどの繊維を織り込んだ生地が用いられるが,ICタグ1と品質表示タグの接着に熱可塑性樹脂層11を用いることで,熱可塑性樹脂層11の一部が溶融して品質表示タグの織り目に浸み込み,ICタグ1と品質管理タグを強固に接着できる。
【0020】
本実施形態に係るICタグ1の形態は,
図1で図示した矩形(長方形)の形態ばかりではなく,リール形態にすることもできる。
図2は,本実施形態に係るICタグ1をリール形態にしたICタグリール2を説明する図である。
【0021】
図2(a)は,本実施形態に係るICタグリール2の外観を説明する図である。
図2(a)で図示したICタグリール2は,帯状のベース基材20をリール状に巻き取った形態で,リール状に巻き取る帯状のベース基材20には,ICチップ220とこれに接続したアンテナ221を有する複数のインレット22が長手方向に並べて実装され,複数のインレット22を覆うように帯状の熱可塑性樹脂層21が形成されている。また,
図2で図示したICタグリール2には,インレット22を基準として,品質管理タグと接着させるときに用いる見当マーク23を印刷している。
【0022】
図2(b)は,本実施形態に係るICタグリール2の構造を説明する図で,
図2(a)におけるC−C’線断面図である。ICタグリール2の場合,帯状のベース基材20の上に,複数のインレット22が所定の間隔で実装され,インレット22を覆うように熱可塑性樹脂を用いた帯状の熱可塑性樹脂層21が形成されている。なお,ICタグ1のベース基材10と同様に,帯状のベース基材20には樹脂フィルムや紙基材を利用でき,帯状の熱可塑性樹脂層21にはホットメルトを利用できる。
【0023】
図3は,本実施形態に係るICタグリール2の製造方法を説明する図である。本実施形態に係るICタグリール2の製造方法における最初の工程は,所定の素材を用いた帯状のベース基材20を用意し,帯状のベース基材20の片面に,複数のインレット22を長手方向に所定間隔で実装する工程(S1)で,この工程は,インレット22のアンテナ221を連続して帯状のベース基材20の片面に形成する工程(S1a)と,帯状のベース基材20の片面に連続して形成したアンテナ221それぞれにICチップ220を実装する工程(S1b)を含む。
【0024】
アンテナ221の形成には,印刷,エッチングまたは箔押しを用いることができる。印刷によりアンテナ221を形成する際,スクリーン印刷機などにより,導電性インキを用いて所定形状のアンテナ221を帯状のベース基材20に連続して印刷する。また,エッチングによりインレット22のアンテナ221を形成する際,予め,金属箔を帯状のベース基材20にラミネートしておき,所定形状のアンテナ221に金属箔をエッチング加工する。箔押しによりインレット22のアンテナ221が形成を形成する際,予め,所定形状のアンテナ221を複数形成した箔押しテープを準備し,箔押し機などにより,所定形状のアンテナ221を帯状のベース基材20に連続して転写する。帯状のベース基材20に紙基材を用いる場合,インレット22のアンテナ221の形成は箔押しになる。なお,アンテナ221を形成するときに見当マーク23をも同時に形成すると,見当マーク23の形成を効率的に行える。ICチップ220を実装には,チップマウンターなどの装置が利用され,ICチップ220とアンテナ221の接続には,ICチップ220に設けられたバンプが利用される。
【0025】
次の工程は,帯状のベース基材20の片面に実装したインレット22を覆うように,熱可塑性樹脂を用いた熱可塑性樹脂層を形成する工程(S2)である。この工程では,ロールコータなどにより,帯状の熱可塑性樹脂層21に用いる熱可塑性樹脂を,インレット22を実装した帯状のベース基材20の片面にコーティングし,帯状のベース基材20にコーティングした熱可塑性樹脂を所定の手法で冷却することで,インレット22を覆うように帯状の熱可塑性樹脂層21が帯状のベース基材20上に形成される。
【0026】
次に,ICタグ1と品質表示タグを一体化させた品質表示ICタグ3について説明する。
図4は,品質表示ICタグ3を説明する図である。なお,
図4では,
図1と同じ要素には同じ符号を付している。
図4(a)は,本実施形態に係る品質表示ICタグ3の斜視図である。本実施形態に係る品質表示ICタグ3は,上述したICタグ1と品質表示タグ基材13を貼り合せた媒体である。
【0027】
図4(b)は,本実施形態に係る品質表示ICタグ3の構造を説明する図で,
図4(a)におけるD−D’線断面図である。本実施形態に係る品質表示ICタグ3は,本実施形態に係るICタグ1が有する熱可塑性樹脂層11を介して,本実施形態に係るICタグ1と品質表示タグ基材13を貼り合せた構造になっている。熱可塑性樹脂層11に用いる熱可塑性樹脂は加熱により溶融するため,インレット12を覆う熱可塑性樹脂層11の一部が品質表示タグ基材13に浸み込むことで本実施形態に係るICタグ1と品質表示タグ基材13が貼り合わされている。具体的には,熱可塑性樹脂層11を形成したベース基材10の面と品質表示タグ基材13の裏面(印字されない面)を対向させた状態で,適度な圧力と温度を加え,溶融させた熱可塑性樹脂層11の一部を品質表示タグ基材13に浸み込ませた後に冷却することで,インレット12を覆う熱可塑性樹脂層11の一部が品質表示タグ基材13に浸み込んだ状態でICタグ1は品質表示タグ基材13と一体化する。
【0028】
このような品質表示ICタグ3は,
図2を用いて説明したICタグリール2を利用して製造できる。例えば,見当マーク23を利用し,品質表示タグ基材13を連続して形成した帯状の基材とICタグリール2の見当を合わせて貼り合せた後,品質表示ICタグ3の単位で断裁することで,品質表示ICタグ3を製造できる。また,見当マーク23を利用して,ICタグリール2を断裁することでICタグ1を製造した後,短冊状の品質表示タグ基材13とICタグ1を貼り合せることでも,品質表示ICタグ3を製造できる。
【0029】
これまで説明した本実施形態に係るICタグ1には様々な変更を加えることができる。ここから,本実施形態に係るICタグ1の変形例について説明する。
【0030】
図5は,変形例1に係るICタグ4を説明する図である。
図5(a)は,変形例1に係るICタグ4の斜視図で,本実施形態に係るICタグ1と同じ要素については同じ符号を付している。変形例1に係るICタグ4は,熱可塑性樹脂を用いた熱可塑性樹脂層11の上にインレット12を実装している点で本実施形態に係るICタグ1と相違する。
【0031】
図5(b)は,変形例1に係るICタグ4の構造を説明する図で,
図5(a)におけるE−E’線断面図である。上述したように,変形例1に係るICタグ4は,ICタグ4のベース基材10の片面に,熱可塑性樹脂を用いた熱可塑性樹脂層11を形成し,ICチップ120とこれに接続するアンテナ121を有するインレット12を熱可塑性樹脂層11の上に実装した構造になっている。
【0032】
変形例1に係るICタグ4のベース基材10,熱可塑性樹脂層11およびインレット12は,本実施形態に係るICタグ1とそれぞれ同じであるため,ここでは説明を省く。
【0033】
変形例1に係るICタグ4の形態は,本実施形態に係るICタグ1と同様に,リール形態にすることができる。
図6は,変形例1に係るICタグ4をリール形態にしたICタグリール5を説明する図で,本実施形態に係るICタグリール2と同じ要素については同じ符号を付している。
【0034】
図6(a)は,変形例1に係るICタグリール5の外観を説明する図である。
図6(a)で図示したICタグリール5は,帯状のベース基材20をリール状に巻き取った形態で,リール状に巻き取る帯状のベース基材20には,熱可塑性樹脂を用いた帯状の熱可塑性樹脂層21が形成され,ICチップ220とこれに接続したアンテナ221を有する複数のインレット22が長手方向に並べて帯状の熱可塑性樹脂層21の上に実装されている。また,
図6で図示したICタグリール5には,インレット22を基準として,品質管理タグと接着させるときに用いる見当マーク23を印刷している。
【0035】
図6(b)は,変形例1に係るICタグリール5の構造を説明する図で,
図6(a)におけるF−F’線断面図である。ICタグリール5の場合,帯状のベース基材20の片面に,熱可塑性樹脂を用いた帯状の熱可塑性樹脂層21が形成され,複数のインレット22が所定の間隔で帯状の熱可塑性樹脂層21の上に実装されている。なお,ICタグ1のベース基材10と同様に,帯状のベース基材20には樹脂フィルムや紙基材を利用でき,帯状の熱可塑性樹脂層21にはホットメルトを利用できる。
【0036】
図7は,変形例1に係るICタグリール5の製造方法を説明する図である。変形例1に係るICタグリール5の製造方法における最初の工程は,所定の素材を用いた帯状のベース基材20を用意し,帯状のベース基材20の片面に,熱可塑性樹脂を用いた帯状の熱可塑性樹脂層21を形成する工程(S10)である。この工程では,ロールコータなどにより,帯状の熱可塑性樹脂層21に用いる熱可塑性樹脂を帯状のベース基材20の片面にコーティングし,帯状のベース基材20の片面にコーティングした熱可塑性樹脂を所定の手法で冷却することで,帯状のベース基材20の片面に帯状の熱可塑性樹脂層21を形成する。
【0037】
次の工程は,帯状のベース基材20の片面に形成した帯状の熱可塑性樹脂層21の上に,複数のインレット22を長手方向に所定間隔で実装する工程(S11)で,この工程は,インレット22のアンテナ221を連続して帯状の熱可塑性樹脂層21の上に形成する工程(S11a)と,帯状の熱可塑性樹脂層21の上に連続して形成したアンテナ221それぞれにICチップ220を実装する工程(S11b)を含む。
【0038】
アンテナ221の形成には,印刷または箔押しを用いることができる。印刷によりアンテナ221を形成する際,スクリーン印刷機などにより,導電性インキを用いて所定形状のアンテナ221を帯状の熱可塑性樹脂層21の上に連続して印刷する。箔押しによりインレット22のアンテナ221が形成を形成する際,予め,所定形状のアンテナ221を複数形成した箔押しテープを準備し,箔押し機などにより,所定形状のアンテナ221を帯状の熱可塑性樹脂層21の上に連続して転写する。なお,アンテナ221を形成するときに見当マーク23をも同時に形成すると,見当マーク23の形成を効率的に行える。ICチップ220を実装には,チップマウンターなどの装置が利用され,ICチップ220とアンテナ221の接続には,ICチップ220に設けられたバンプが利用される。
【0039】
次に,変形例1に係る品質表示ICタグ6について説明する。
図8は,変形例1に係る品質表示ICタグ6を説明する図で,
図8では,本実施形態に係る品質表示ICタグ3と同じ要素には同じ符号を付している。
図8(a)は,変形例1に係る品質表示ICタグ6の斜視図である。変形例1に係る品質表示ICタグ3は,上述した変形例1に係るICタグ4と品質表示タグ基材13を貼り合せた媒体である。
【0040】
図8(b)は,変形例1に係る品質表示ICタグ6の構造を説明する図で,
図4(a)におけるG−G’線断面図である。変形例1に係る品質表示ICタグ6は,変形例1に係るICタグ4が有する熱可塑性樹脂層11を利用して,変形例1に係るICタグ4と品質表示タグ基材13を貼り合せた構造になっている。熱可塑性樹脂層11に用いる熱可塑性樹脂は加熱により溶融するため,熱可塑性樹脂層11の上に実装したインレット12は,インレット12の下に形成されている熱可塑性樹脂層11の一部が品質表示タグ基材13に浸み込むことで,品質表示タグ基材13と貼り合わされている。具体的には,熱可塑性樹脂層11を形成したベース基材10の面と品質表示タグ基材13の裏面(印字されない面)を対向させた状態で,適度な圧力と温度を加え,溶融させた熱可塑性樹脂層11の一部を品質表示タグ基材13に浸み込ませた後に冷却することで,インレット12の下に形成されている熱可塑性樹脂層11の一部が品質表示タグ基材13に浸み込んだ状態でICタグ4は品質表示タグ基材13と一体化する。
【0041】
上述の実施形態では,インレット12を覆うように熱可塑性樹脂層11が形成されているため,ベース基材10の片面全てと品質表示タグ基材13が接着するが,変形例1では,インレット12の下に熱可塑性樹脂層11が形成されているため,ベース基材10の片面全てではなく,主にインレット12が実装されていない部分が品質表示タグ基材13と接着する。インレット12が実装されていない部分のみが品質表示タグ基材13と接着しても,熱可塑性樹脂層11の一部が品質表示タグ基材13に浸み込むため,接着強度は問題ない。
【0042】
このような品質表示ICタグ6は,
図6を用いて説明したICタグリール5を利用して製造できる。例えば,見当マーク23を利用し,品質表示タグ基材13を連続して形成した帯状の基材とICタグリール5の見当を合わせて貼り合せた後,品質表示ICタグ6の単位で断裁することで,品質表示ICタグ6を製造できる。また,見当マーク23を利用して,ICタグリール5を断裁することでICタグ4を製造した後,短冊状の品質表示タグ基材13とICタグ4を貼り合せることでも,品質表示ICタグ6を製造できる。