(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
雰囲気を検出する検出部と、前記検出部による検出結果を含む情報を無線送信する送信部と、外部から電力を受け取る受電部と、前記検出部及び前記送信部に前記電力を供給する電力制御部と、を有するウエハ搬送容器を載置する載置テーブルと、
前記載置テーブルに載置された前記ウエハ搬送容器の前記受電部に対して非接触給電する非接触給電部と、を有するロードポート装置であって、
前記載置テーブルを2つ有しており、
2つの前記載置テーブルは、前記ウエハ搬送容器を載置して移動する移動方向が互いに平行になるように側方に並んで配置されており、
前記非接触給電部は、前記ウエハ搬送容器の動線に干渉せず、上方から見て前記載置テーブルに重ならず、前記載置テーブルそれぞれの側方で2つの前記載置テーブルの間であって、かつ、それぞれの前記載置テーブルに載置された前記ウエハ搬送容器の側部領域に配置されるそれぞれの前記受電部に対向するように配置されていることを特徴とするロードポート装置。
筐体内に設けられウエハを設置するウエハ設置棚と、前記筐体内の雰囲気を検出する検出部と、前記検出部による検出結果を含む情報を無線送信する送信部と、外部から電力を受け取る受電部と、前記検出部及び前記送信部に前記電力を供給する電力制御部と、を有し、
少なくとも前記受電部を2つ有しており、
2つの前記受電部は、前記ウエハ設置棚の両側の外側端部と、当該外側端部のさらに外側の容器側面との間である両側の側部領域の対向する位置に配置されることを特徴とするウエハ搬送容器。
両側の前記側部領域の前記対向する位置に、前記検出部、前記送信部、前記受電部及び前記電力制御部を有する計測装置がそれぞれ配置されることを特徴とする請求項2に記載のウエハ搬送容器。
両側の前記側部領域の前記対向する位置の一方に、前記検出部、前記送信部、前記受電部及び前記電力制御部を有する計測装置が配置され、他方に、前記受電部のみが配置されることを特徴とする請求項2に記載のウエハ搬送容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、搬送容器内の気体を外部に導出して制御する従来の方法では、一度搬送容器内の気体を外部に導出しない限り搬送容器内の清浄度を検出することができない。そのため、搬送容器内の清浄度を検出するためには、清浄度が十分に高い容器についても、清浄度が低い容器についても、一律に搬送容器内の気体を外部に導出する工程が必要となる不都合が生じており、処理の効率化が望まれている。また、搬送容器内の気体を外部に導出する配管が必要となる従来の技術では、小型化が困難であり、また、気体を外部に導出する間に他の気体と混合する場合があり、検出精度の面でも課題を有している。
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、外部から容器内の雰囲気を容易に認識できるウエハ搬送容器およびこれに対応したロードポート装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るロードポート装置は、
雰囲気を検出する検出部と、前記検出部による検出結果を含む情報を無線送信する送信部と、外部から電力を受け取る受電部と、前記検出部及び前記送信部に前記電力を供給する電力制御部と、を有するウエハ搬送容器を載置する載置テーブルと、
前記載置テーブルに載置された前記ウエハ搬送容器の前記受電部に対して非接触給電する非接触給電部と、を有しており、
前記非接触給電部は、前記ウエハ搬送容器の動線に干渉せず、かつ、前記載置テーブルに載置された前記ウエハ搬送容器の前記受電部に対向するように配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るロードポート装置は、ウエハ搬送容器の受電部に非接触給電する非接触給電部を有するため、ウエハ搬送容器に内部の雰囲気を検出させたり、その検出結果を外部に送信させたりすることで、ウエハ搬送容器内を効率的に清浄な状態に保つことができる。また、非接触給電と無線送信との組み合わせにより、ロードポート装置とウエハ搬送容器との間で接触式の電気的な接続を行わないでもよいため、耐久性も優れている。また、本発明に係る非接触給電部は、ウエハ搬送容器の動線に干渉せず、かつ、載置テーブルに載置されたウエハ搬送容器の受電部に対向するように配置されている。そのため、本発明に係るロードポート装置は、ウエハ搬送容器を円滑に搬送・移動させることができ、また、ウエハ搬送容器の受電部に対して、円滑な非接触給電を行うことができる。
【0009】
また、例えば、前記非接触給電部は、前記載置テーブルの上表面から突出しないように、前記載置テーブルの内部に設けられており、前記載置テーブルに載置された前記ウエハ搬送容器の底部領域に配置される前記受電部に対向してもよい。
【0010】
非接触給電部を載置テーブルの内部に設けることにより、ウエハ搬送容器の搬送を邪魔することなく、非接触給電部を受電部に近づけて配置することが可能である。また、このようなロードポート装置は、ウエハ搬送容器を円滑に搬送・移動させることができるとともに、載置テーブルの移動中であっても、受電部に対して円滑な非接触給電を行うことができる。
【0011】
また、例えば、前記非接触給電部は、上方から見て前記載置テーブルに重ならないように、前記載置テーブルに対して前記載置テーブルの移動方向に直交する方向である側方に配置されており、前記載置テーブルに載置された前記ウエハ搬送容器の側部領域に配置される前記受電部に対向してもよい。
【0012】
非接触給電部を載置テーブルの側方に配置することにより、ウエハ搬送容器の搬送を邪魔することなく、非接触給電部を受電部に近づけて配置することが可能であり、効率的で円滑な非接触給電を行うことができる。また、側方に配置することにより、ウエハ搬送容器や載置テーブルなどの可動部分を避けて非接触給電部を配置することができるため、このようなロードポート装置は、構造がシンプルである。
【0013】
また、例えば、本発明に係るロードポート装置は、それぞれの前記載置テーブルの移動方向が互いに平行になるように、前記側方に並んで配置される少なくとも2つの前記載置テーブルを有していてもよく、
前記非接触給電部は、上方から見て2つの前記載置テーブルの間に配置されており、それぞれの前記載置テーブルに載置された前記ウエハ搬送容器の側部領域に配置される、それぞれの前記受電部に対向してもよい。
【0014】
このようなロードポート装置では、非接触給電部を2つの載置テーブルの間に配置することにより、ひとつの非接触給電部が、両側に配置される2つの載置テーブルに載置されたウエハ搬送容器の受電部に対して非接触給電することが可能である。したがって、本発明に係るロードポート装置は、2つの載置テーブルで1つの非接触給電部を共有することにより、効率的な非接触給電を実現するとともに、非接触給電部の数を減少させることができる。
【0015】
また、例えば、本発明に係るロードポート装置は、前記ウエハ搬送容器の蓋部を開閉するドアを有しており、
前記非接触給電部は、前記ドアに配置されており、前記載置テーブルに載置された前記ウエハ搬送容器の前記蓋部に配置される前記受電部に対向してもよい。
【0016】
非接触給電部をドアに配置することにより、ウエハ搬送容器の搬送を邪魔することなく、非接触給電部を受電部に近づけて配置することが可能である。また、このようなロードポート装置は、ウエハ搬送容器を円滑に搬送・移動させることができるとともに、ドアが蓋を開放する動作に連動して、又は蓋を開放した状態であっても、受電部に対して円滑な非接触給電を行うことができる。
【0017】
本発明の第1の観点に係るウエハ搬送容器は、筐体内に設けられウエハを設置するウエハ設置棚と、前記筐体内の雰囲気を検出する検出部と、前記検出部による検出結果を含む情報を無線送信する送信部と、外部から電力を受け取る受電部と、前記検出部及び前記送信部に前記電力を供給する電力制御部と、を有し、
前記受電部は、前記ウエハ設置棚の最下棚と、容器底面の間に配置されることを特徴とする。
【0018】
このようなウエハ搬送容器は、内部の雰囲気を検出したり、その検出結果を外部に送信したりすることができる。また、非接触給電と無線送信との組み合わせにより、ロードポート装置とウエハ搬送容器との間で接触式の電気的な接続を行わないでもよいため、耐久性も優れている。また、このようなウエハ搬送容器の受電部は、ウエハ搬送容器の載置テーブルに配置された給電部から、円滑かつ効率的に非接触給電を受けることができる。
【0019】
本発明の第2の観点に係るウエハ搬送容器は、筐体内に設けられウエハを設置するウエハ設置棚と、前記筐体内の雰囲気を検出する検出部と、前記検出部による検出結果を含む情報を無線送信する送信部と、外部から電力を受け取る受電部と、前記検出部及び前記送信部に前記電力を供給する電力制御部と、を有し、
前記受電部は、前記ウエハ設置棚の外側端部と、容器側面の間に配置されることを特徴とする。
【0020】
このようなウエハ搬送容器は、内部の雰囲気を検出したり、その検出結果を外部に送信したりすることができる。また、非接触給電と無線送信との組み合わせにより、ロードポート装置とウエハ搬送容器との間で接触式の電気的な接続を行わないでもよいため、耐久性も優れている。また、このようなウエハ搬送容器の受電部は、載置テーブルの側方に配置された非接触給電部から、円滑かつ効率的に非接触給電を受けることができる。
【0021】
本発明の第3の観点に係るウエハ搬送容器は、筐体内に設けられウエハを設置するウエハ設置棚と、前記筐体内の雰囲気を検出する検出部と、前記検出部による検出結果を含む情報を無線送信する送信部と、外部から電力を受け取る受電部と、前記検出部及び前記送信部に前記電力を供給する電力制御部と、前記筐体内から前記ウエハを出し入れする主開口を塞ぐ蓋部と、を有し、
前記受電部は、前記蓋部に配置されることを特徴とする。
【0022】
このようなウエハ搬送容器は、内部の雰囲気を検出したり、その検出結果を外部に送信したりすることができる。また、非接触給電と無線送信との組み合わせにより、ロードポート装置とウエハ搬送容器との間で接触式の電気的な接続を行わないでもよいため、耐久性も優れている。また、このようなウエハ搬送容器の受電部は、ロードポート装置のドアに配置された給電部から、円滑かつ効率的に非接触給電を受けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るロードポート装置40とウエハ搬送容器としてのフープ20とを示す概略図である。フープ20には、フープ20の筐体22内の雰囲気を検出する検出部31(
図4参照)等を有する容器内雰囲気計測装置30(以下、単に「計測装置30」という。)が備えられている。
【0025】
ロードポート装置40は、フープ20の筐体22内からウエハ10を取り出し、図示しない半導体処理装置へ搬送するためのEFEM60の一部を構成する。ロードポート装置40は、EFEM60内に形成されるウエハ搬送室66の壁部64に設置され、ウエハ10を半導体処理室へ移動させるためのインターフェースの一部として機能する。EFEM60のウエハ搬送室66内は、ファンフィルタユニット等を用いて一定の清浄環境に維持される。また、ウエハ搬送室66には、フープ20からウエハ10を取り出すためのロボットアームを有する搬送ロボット62等が設けられている。
【0026】
ロードポート装置40は、ウエハ搬送室66の壁部64に設けられるロードポート枠体48と、フープ20を設置する載置テーブル46を有する。載置テーブル46のZ軸方向の上部には、ウエハ10を密封して保管及び搬送するフープ(FOUP)20が、着脱自在に載置可能になっている。載置テーブル46は、フープ20を上部に載置した状態で、図示しない駆動機構によりY軸方向に移動することができる。なお、図面において、Y軸が載置テーブル46の移動方向を示し、Z軸が鉛直方向の上下方向を示し、X軸がこれらのY軸およびZ軸に垂直な方向を示す。
【0027】
図1に示すように、ロードポート装置40は、ロードポート枠体48に形成された接続開口48aを閉鎖及び開放可能なドア47と、ドア47を駆動するドア駆動部47aとを有する。
【0028】
ロードポート装置40は、
図2に示すように載置テーブル46がロードポート枠体48から離間した状態(
図1に示す状態に比べて、載置テーブル46はY軸負方向側に位置する)で、OHT等からフープ20を受け取る。その後、載置テーブル46がY軸正方向に移動することにより、フープ20は、ロードポート枠体48に形成された接続開口48aに係合する位置まで移動する(
図1参照)。
【0029】
さらに、ドア駆動部47aは、フープ20の蓋部26とドア47とを係合させ、蓋部26に係合したドア47を、
図1に示すようにウエハ搬送室内に移動させることにより、フープ20の主開口22aを開く。このようにして、ロードポート装置40は、フープ20における筐体22内部と、ウエハ搬送室66とを、筐体22の主開口22aを介して機密に連結することができる。
【0030】
また、
図1に示すロードポート装置40は、ウエハ搬送容器であるフープ20の筐体22内を清浄化するウエハ搬送容器内清浄化装置としても機能する。ロードポート装置40は、フープ20の筐体22内に清浄化ガスを導入する清浄化ガス導入部であるフロントパージノズル41と、ボトムパージノズル42とを有している。フロントパージノズル41は、ドア47によって閉鎖・開放される接続開口48aの近傍に配置されている。フロントパージノズル41は、接続開口48aに連通するフープ20の主開口22aに向かって清浄化ガスを放出し、フープ20の筐体22内に清浄化ガスを導入する。なお、フープ20の筐体22内を清浄化する清浄化ガスとしては、特に限定されないが、窒素ガス等の不活性ガスやドライエア等が挙げられ、窒素ガスが好ましい。
【0031】
図1及び
図6に示すように、ボトムパージノズル42は、載置テーブル46から突出し、フープ20における筐体22の底部22bに形成される底部開口23a、23bに連結する。ボトムパージノズル42は、主開口22aに対して、底部22bの中央位置より離れた位置に設けられる底部開口23aに連結する2つの奥側ノズル42aと、主開口22aに対して、底部22bの中央位置より近い位置に設けられる底部開口23bに連結する2つの手前側ノズル42bとを有する。奥側ノズル42aは、清浄化ガスを放出することができ、奥側ノズル42aから放出された清浄化ガスは、底部開口23aを介して筐体22内に導入される。
【0032】
また、ロードポート装置40は、奥側ノズル42aから清浄化ガスを放出すると同時に、手前側ノズル42bを介してフープ20の筐体22内の気体を排出することにより、筐体22内の雰囲気を効率的に清浄化することが可能である。なお、2つの手前側ノズル42bのうち一方からは、奥側ノズル42aと同様にフープ20の筐体22内に清浄化ガスを放出してもよく、この場合は、3本のノズルから清浄化ガスを導入し、1本のノズルから排出を行う。ただし、奥側ノズル42a及び手前側ノズル42bのうち、どのノズルから清浄化ガスを放出し、どのノズルからフープ20の筐体22内の気体を排出するかについては、このような構成に限定されない。
【0033】
フロントパージノズル41及びボトムパージノズル42による清浄化ガスのフープ20の筐体22内への導入は、
図1に示すロードポート装置40の制御部43によって制御される。制御部43は、例えばフロントパージノズル41及びボトムパージノズル42に清浄化ガスを供給する配管部に設けられた電磁弁を開閉することにより、フープ20の筐体22内への清浄化ガスの導入を制御する。また、制御部43は、ボトムパージノズル42からの排出流量を調整することにより、フープ20の筐体22内への清浄化ガスの導入を制御してもよい。なお、ボトムパージノズル42による筐体22内からの気体の排出は、強制排気であってもよく、自然排気であってもよい。
【0034】
ロードポート装置40は、フープ20に設けられる計測装置30から、フープ20の筐体22内における雰囲気の検出結果を含む第1情報や、計測装置30における蓄電部34(
図5参照)の電圧が所定値以上になった際に送信される第2情報等を受信する受信部44を有する。受信部44は、モデム等を有しており、少なくとも載置テーブル46に載置中のフープ20に設けられる計測装置30の送信部32(
図5参照)と通信することができる。また、受信部44は、後述するように、送信部32に制御信号を含む各種の信号を送信することができる。制御部43は、受信部44が受信した第1情報に含まれる検出結果に応じて、フロントパージノズル41及びボトムパージノズル42を制御し、フープ20の筐体22内を清浄化することができる。受信部44及び受信部44を介して得られる情報を用いたフープ20の筐体22内の清浄化方法については、後ほど述べる。
【0035】
図1においてロードポート装置40の載置テーブル46に載置されているフープ20は、半導体工場内においてウエハ10を搬送するための搬送容器である。フープ20は箱型(略直方体)の外形状を有しており、フープ20の内部には、ウエハ10を内部に収納するための空間が形成されている。
【0036】
フープ20は、筐体22と、筐体22に対して着脱自在である蓋部26とを有する。筐体22は、内部が空洞となっている立方体状の外形状を有しており、ウエハ10を内部に収納する。また、筐体22の側面の1つには、フープ20の筐体22内からウエハ10を搬出し、また、フープ20の筐体22内にウエハ10を搬入する主開口22aが形成されている。
【0037】
主開口22aを介して筐体22の内部を観察した
図3に示すように、筐体22の内部には、複数のウエハ10を、水平に保持した状態で鉛直方向に重ねるためのウエハ設置棚24が配置されている。複数のウエハ10は、ウエハ設置棚20の各段に1枚ずつ配置されることにより、その上下方向の間隔を一定としてフープ20の内部に収容される。ウエハ設置棚24における最も下の棚である最下棚24aと、フープ20の容器底面20aとの間には、受電部35を含む計測装置30が配置されている。なお、計測装置30については、後ほど述べる。
【0038】
蓋部26は、筐体22の主開口22aに着脱自在に設けられている。ロードポート装置40のドア47及びドア駆動部47aは、
図1に示すように、フープ20の蓋部26を開閉する。
【0039】
図1及び
図3に示すように、フープ20における筐体22の底部22bには、底部開口23a、23bが、合計4つ形成されている。主開口22aに対して、容器底面20aの中央位置より離れた位置に設けられる2箇所の底部開口23aには、ロードポート装置40の奥側ノズル42a(
図6参照)が連結される。また、主開口22aに対して、容器底面20aの中央位置より近い位置に設けられる2箇所の底部開口23bには、ロードポート装置40の手前側ノズル42b(
図6参照)が連結される。
【0040】
図1および
図3に示すように、フープ20は、筐体22内の雰囲気を検出してロードポート装置40に情報を送信する計測装置30を有する。
図4は、
図3に示す計測装置30のカバー部38を取り外した状態を表している。計測装置30のカバー部38は、筐体22に対してネジ等で固定されており、計測装置30の基板39や受電コイル35a等を保護する機能を有する。
【0041】
図3に示すように、カバー部38には通気孔38aが形成されており、通気口38aを介して検出部31のセンシング部31aに、検出対象となる筐体22内の気体が導入される。
図3に示すように、計測装置30(特に計測装置30における検出部31(
図4参照))は、主開口22aに対して近い位置に設けられる2箇所の底部開口23bの近傍に設けられているが、計測装置30の配置はこれに限定されない。
【0042】
図3に示すように、計測装置30は、基板39に実装された電子部品で構成される検出部31、受電部35、電力制御部36(
図5参照)等を有している。計測装置30の基板39とカバー部38とは、
図3および
図4に示すように別々に筐体22の底部領域に固定されていてもよいが、これとは異なり、計測装置30は、カバー部38と基板39その他の部分が一体となったカートリッジ状となっていてもよい。計測装置30を着脱可能なカートリッジ状とすることにより、フープ20の洗浄時等には計測装置30を容易に取り外すことが可能であり、また、必要に応じて、計測装置30を他のフープ20に付け替えて使用することができる。
【0043】
図5は、計測装置30の概略回路構成を示す概念図である。計測装置30は、筐体22内の雰囲気を検出する検出部31と、検出部31による検出結果を含む第1情報を、ロードポート装置40の受信部44に無線送信する送信部32と、ロードポート装置40の非接触給電部45から電力を受け取る受電部35と、検出部31及び送信部32に電力を供給する電力制御部36とを有する。また、計測装置30は、受電部35が受け取った電力を一時的に蓄えることができる蓄電部34を有する。これらの検出部31、送信部32、受電部35、電力制御部36及び蓄電部34は、
図4に示す基板39上に配置されている。
【0044】
図5に示す検出部31は、フープ20の筐体22内の雰囲気、例えば筐体22内の気体の成分や気体の清浄度(気体に含まれるパーティクルの多少)等を検出するセンサを有する。検出部31が有するセンサとしては、清浄度を検出するものであれば特に限定されないが、例えば、酸素濃度計、水分(水蒸気)濃度計、窒素濃度計、差圧計、パーティクルカウンタなどが挙げられる。
図3及び
図4に示すように、検出部31は、カバー部38の通気孔38aを介して、ウエハ配置空間である筐体22内の雰囲気に接触するセンシング部31aを有しており、センシング部31aを介して筐体22内を満たす気体の清浄度を検出する。
【0045】
図5に示す送信部32は、筐体22内における雰囲気の検出結果を含む第1情報や、計測装置30における蓄電部34の電圧が所定値以上になった際に送信される第2情報等を、ロードポート装置40の受信部44へ無線送信する。送信部32は、受信部44から、計測装置30に関する制御信号を受信することも可能である。送信部32は、モデムやアンテナ等で構成されるが、送信部32の具体的な構成については特に限定されない。
【0046】
図5に示す蓄電部34は、受電部35が受け取った電力を蓄えることができ、蓄電部34が蓄えた電力は、電力制御部36により送信部32や検出部31に送られる。蓄電部34としては、電気二重層キャパシタ(EDLC)、リチウムイオン二次電池などが例示されるが、特に限定されない。
【0047】
受電部35は、電磁的なエネルギーを外部から受け取る受電素子を有しており、受電素子としては、蓄電部34に対する非接触充電に用いられる受電コイル35aや、非接触給電部45から送信部32や検出部31への電力の供給を中継する受電コイルなどが例示される。
【0048】
本実施形態に係る受電部35は、
図4に示すように非接触給電の受電コイル35aを有している。
図1に示すように、ロードポート装置40における載置テーブル46の上表面46a直下に設けられる非接触給電部45は、載置テーブル46に載置されたフープ20の受電部35に対向するように配置されている。これにより、フープ20が有する受電部35の受電コイル35aは、非接触給電部45から電磁誘導による電力の供給を受けることができる。受電部35で受け取った電力は、蓄電部34に一次的に蓄えられ、送信部32による情報の送受信や、検出部31によるフープ20の筐体22内の雰囲気の検出に使用される。
【0049】
図5に示す電力制御部36は、受電部35及び蓄電部34から送信部32及び検出部31への電力の供給を制御する。たとえば、電力制御部36は、送信部32が通信を行わない非通信期間においては、蓄電部34から送信部32への電力の供給を遮断することができる。これにより、送信部32を待機状態(スリープ状態)とするために消費する電力を削減し、受電部35が受け取り蓄電部34で蓄えられる電力を、有効利用することができる。
【0050】
また、電力制御部36は、蓄電部34の電圧が所定値以上になると、雰囲気の検出結果に関する第1情報とは異なる第2情報を、ロードポート装置40の受信部44へ無線送信するように、送信部32を制御することができる。このような構成とすることにより、フープ20が搬送される間に計測装置30における蓄電部34の電圧が所定値未満になったとしても、その後にフープ20が載置テーブル46に載置されて受電部35を介して給電が行われ、蓄電部34の電圧が所定値以上に回復することにより、計測装置30の動作が可能となる。すなわち、蓄電部34の電圧が所定値以上に回復した場合は、確認要求信号等で構成される第2情報をロードポート装置40の受信部44が受信することにより、フープ20の計測装置30が通信および検出動作が可能な状態であることを、ロードポート装置40が認識することができる。したがって、ロードポート装置40は、たとえ計測装置30の送信部32が常に信号を送受信できる待機状態に維持されていなくても、第2情報を受信した後に、受信部44を介して制御信号を計測装置30に送信することにより、計測装置30を動作させてフープ20の筐体22内の雰囲気の検出結果を得ることができる。
【0051】
電力制御部36は、送信部32や検出部31への電力の供給だけでなく、送信部32や検出部31の動作についても制御する。電力制御部36は、たとえばマイクロコントローラ(MCU)で構成されるが、電力制御部36の具体的な構成については特に限定されない。
【0052】
図3に示すように、計測装置30は、フープ20の筐体22内の雰囲気に接触するセンシング部31aを除く検出部31、送信部32、及び受電部35等を、フープ20の筐体22内の雰囲気に接触しないように被覆するカバー部38を有している。このようなカバー部38を有する計測装置30は、検出部31、送信部32、及び電源部33を構成する回路や電子部品等を、ウエハ10から放出されるアウトガス等から保護することができるため、好適な信頼性を有する。
【0053】
図6は、ロードポート装置40の載置テーブル46を示す部分拡大図である。
図5及び
図6に示すように、ロードポート装置40は、載置テーブル46に載置されたフープ20の受電部35に対して非接触給電する非接触給電部45を有する。非接触給電部45は、OHT等により載置テーブル46に搬送されるフープ20の動線に干渉せず、さらに載置テーブル46の移動により搬送されるフープ20の動線にも干渉しないように配置される。また、非接触給電部45は、載置テーブル46に載置されたフープ20の受電部35に対向するように配置されている。
【0054】
非接触給電部45は、載置テーブル46の上表面46aから突出しないように、載置テーブル46の内部に設けられており、載置テーブル46に載置されたフープ20の底部領域に配置される受電部35(
図4参照)に対向する。非接触給電部45は、
図6に示すように非接触給電用の給電コイル45aを有している。給電コイル45aは、対向する計測装置30の受電コイル35aに電力を供給することができる。なお、
図6では、給電コイル45aの配置を示すために、給電コイル45aを覆うカバーが外された状態で表示されているが、給電コイル45aの上側は、その表面が載置テーブル46の上表面46aと同じ高さになる非磁性のカバー等で、覆われていることが好ましい。なお、載置テーブル46には、載置テーブル46の上表面46aから突出する位置決めピン49aや、フープ20を固定するクランプ部49b等が備えられている。
【0055】
図1に示すように、ロードポート装置40の受信部44と、フープ20の計測装置30に設けられた送信部32とは、フープ20の筐体22内の雰囲気の検出結果に関する第1情報や、蓄電部34の電圧に関連する第2情報や、その他の制御情報等を、無線通信する。受信部44と送信部32との間の通信で使用される無線周波数は、特に限定されないが、WiFiおよびブルートゥース(登録商標)のような2.4GHz帯であってもよく、2.4GHz帯よりも通信距離が長いサブギガHz(920MHz帯)であってもよい。
【0056】
図1に示すように、ロードポート装置40の受信部44は、フープ20に設けられた計測装置30から、筐体22内の雰囲気の検出結果に関する第1情報を受け取り、ロードポート装置40の制御部43は、検出結果に応じて、
図1に示すフロントパージノズル41やボトムパージノズル42のような清浄化ガス導入部を制御することにより、効率的かつ適切にフープ20の筐体22内を清浄化することができる。また、計測装置30で計測された筐体22内の雰囲気の検出結果は、受信部44を介して、又は直接に、工場内のHOSTコンピュータに送られてもよい。HOSTコンピュータは、ウエハ10の品質に関するパラメータと、フープ20の筐体22内の雰囲気の検出結果との相関を算出することにより、フープ20の清浄度に関する要求値を算出し、これをフープ20の清浄化処理を開始・停止させる際に用いる閾値として使用してもよい。
【0057】
図7は、
図1に示すロードポート装置40と、計測装置30を設けたフープ20で行われる筐体22内の清浄化工程を表すフローチャートである。
図7に示すステップS001では、ロードポート装置40の制御部43が、フープ20が載置テーブル46に正しく載置されたことを検出する。次に、
図7に示すステップS002では、ロードポート装置40の制御部43が、載置テーブル46中に設けられた非接触給電部45を駆動し、フープ20に設けられた計測装置30の受電部35(
図5参照)へ給電を行う。これにより、計測装置30における蓄電部34(
図5参照)が充電され、蓄電部34の電圧が上昇する。
【0058】
図7に示すステップS003では、フープ20の筐体22内に設けられた計測装置30の電力制御部36が、送信部32を制御し、蓄電部34の電圧が所定値以上に回復した際に送る第2情報を、ロードポート装置40の受信部44へ送信する。ロードポート装置40の受信部44が第2情報を受信することにより、ロードポート装置40の制御部43は、計測装置30が動作可能な状態であることを認識する。
【0059】
図7に示すステップS004では、計測装置30が、フープ20の筐体22内における雰囲気の検出を開始する。具体的には、計測装置30が動作可能な状態であることを示す第2情報を受信したロードポート装置40は、受信部44を介して、計測装置30の送信部32に対して、計測装置30による筐体22内の雰囲気の検出動作を開始させる旨の制御信号を送信する。送信部32を介して制御信号を受信した計測装置30では、検出部31を作動させ、筐体22内の雰囲気を検出する。さらに、計測装置30の送信部32は、検出部31による検出結果を含む第1情報を、ロードポート装置40の受信部44に無線送信する。
【0060】
図7に示すステップS005では、ロードポート装置40の受信部44が、計測装置30の送信部32が送信した第1情報を受信する。さらに、
図7に示すステップS006では、ロードポート装置40の制御部43が、フロントパージノズル41やボトムパージノズル42を制御し、フープ20の筐体22内の清浄化を開始する。この場合において、ロードポート装置40の制御部43は、受信部44が受信した第1情報に含まれる検出結果に応じて、フープ20に対する清浄化動作を変更してもよい。たとえば、ロードポート装置40の制御部43は、第1情報から筐体22内の清浄度が所定値以上であることを認識した場合は、清浄化動作を行わずに、
図7に示す一連の処理を終了してもよい。
【0061】
また、ロードポート装置40の制御部43は、第1情報から筐体22の清浄度が所定値未満であることを認識した場合は、
図7に示すようにフロントパージノズル41を用いてフープ20の筐体22内に清浄化ガスを導入し、フープ20の筐体22内の清浄化処理を開始する。なお、ロードポート装置40がフープ20の蓋部26を開放し、フープ20の筐体22内とウエハ搬送室66とを連通させる工程は、
図7のステップS002からステップS005の間に並行して行われてもよく、ステップS006によって清浄化動作を行うことを決定された後に、行われてもよい。
【0062】
図7に示すように、フロントパージノズル41を介してフープ20の筐体22内に清浄化ガスを導入している間も、計測装置30は、ロードポート装置40からの制御信号に応じて、又は自動的に、フープ20の清浄度を検出し、検出結果を含む第1情報をロードポート装置40に送信する。また、この際、ロードポート装置40の制御部43は、必要に応じて非接触給電部45を動作させ、計測装置30に電力を供給することができる。
【0063】
図7に示すように、フロントパージノズル41によるフープ20の清浄化動作が行われている間、フープ20の筐体22内には、主開口22aにおける中央および上部の領域から清浄化ガスが導入され、主開口22aの下部から気体が排出される気流が形成される。計測装置30は、気体が排出される主開口22a周辺の下部領域に設けられているため、計測装置30に直接清浄化ガスが放出されることが防止され、計測装置30の検出部31による検出値と、筐体22内の実際の雰囲気との間に、ずれが生じる問題を防止できる。
【0064】
図7に示すステップS007では、ロードポート装置40の受信部44が、清浄化動作中におけるフープ20の筐体22内の清浄度の検出結果を含む第1情報を受信する。ロードポート装置40の制御部43は、受信部44が受信した第1情報に含まれる検出結果に基づき、フープ20に対する清浄化動作を継続するか、終了するかを判断する。
【0065】
すなわち、ロードポート装置40の制御部43は、ステップS007で受信した第1情報に含まれる検出結果により、フープ20の筐体22内の清浄度が所定値未満であることを認識した場合は、ステップS006で開始した清浄化動作を継続する。一方、ステップS007で受信した第1情報に含まれる検出結果により、筐体22内の清浄度が所定値以上であることを認識した場合は、ステップS008へ進み、一連の動作を終了する。
【0066】
このように、ロードポート装置40による清浄化工程では、ロードポート装置40が、フープ20の筐体22内における雰囲気の検出結果を認識することができるため、フープ20に対して適切かつ効率的な清浄化処理を実施することができる。また、フープ20の筐体22内に設けられた検出部31、送信部32、受電部35および電力制御部36等で構成される計測装置30によって、筐体22内の雰囲気を検出するため、従来のように筐体22内から外部に気体を導出しなくても、筐体22内の雰囲気を容易かつ正確に認識することができる。さらに、計測装置30を用いた検出結果は、無線通信によってロードポート装置40に送信されるため、フープ20の表面にデータを送るための電気的な接点等を設ける必要がなく、計測装置30をフープ20に設置することは、フープ20の気密性や耐久性を阻害することがほとんどない。
【0067】
また、計測装置30は、蓄電部34を充電する非接触充電用の受電コイル35aを有しており、計測装置30の蓄電部34は、ロードポート装置40の載置テーブル46に設けられる非接触給電部45(給電コイル45a)を介して、充電することができる。したがって、このような計測装置30は、電池の寿命を管理する手間を大幅に削減することができ、電池の管理コスト及び交換コストを低減することができる。
【0068】
さらに、ロードポート装置40の非接触給電部45は、フープ20が搬送される際の動線に干渉せず、かつ、載置テーブル46に載置されたフープ20の受電部35に近接して対向するように、載置テーブル46の内部に設けられている。このような非接触給電部45を有するロードポート装置40は、フープ20の受電部35に対して効率的に電力を供給することができるとともに、非接触給電部45がフープ20の移動を妨げることがない。
【0069】
また、ロードポート装置40とともに用いるフープ20において、受電部35の受電コイル35aは、フープ20におけるウエハ設置棚24の最下棚24aと、容器底面20aとの間に配置されている。このため、フープ20の受電部35は、フープ20が載置テーブル46に載置された状態において、載置テーブル46に配置された非接触給電部45に対して、近接して対向する。さらに、受電部35は、非接触給電部45から効率的に電力を受け取ることができる。また、受電部35と非接触給電部45とは、フープ20が載置テーブル46に載置されている間は、常に互いに対向する配置関係になるため、非接触給電を円滑に行うことができる。
【0070】
第2実施形態
図8は、本発明の第2実施形態に係るロードポート装置140を正面から見た外観図である。第2実施形態に係るロードポート装置140は、第1装置部分240と第2装置部分340と非接触給電部145とを有する。ロードポート装置140における第1装置部分240及び第2装置部分340は、それぞれの装置部分240、340が有する載置テーブル246、346が非接触給電部を有していないことを除き、
図1に示すロードポート装置40と同様であるため、各装置部分240、340とロードポート装置40との共通部分については、説明を省略する。
【0071】
図8及び上面図である
図10に示すように、第1装置部分240の第1載置テーブル246と、第2装置部分340の第2載置テーブルとは、フープ220を載置して移動する移動方向が互いに平行になるように、側方(X軸方向)に並んで配置されている。ロードポート装置40の非接触給電部145は、
図10に示すように上方から見て2つの載置テーブル246、346の間に配置されている。
【0072】
また、非接触給電部145は、上方から見て載置テーブル246、346に重ならないように、載置テーブル246、346に対して載置テーブル246、346の移動方向(Y軸方向)に直交する方向である側方(X軸方向)に配置されている。また、非接触給電部145は、第1載置テーブル246に載置されるフープ220の動線にも、第2載置テーブル346に載置されるフープ220の動線にも干渉しない位置に配置されている。
【0073】
ロードポート装置140に用いられるフープ220は、2つの計測装置230を有しており、2つの計測装置230がフープ220の側部領域の両側に配置される点で
図1に示すフープ20とは異なるが、その他の特徴はフープ20と同様である。したがって、フープ220の説明では、フープ20との共通部分については説明を省略する。
【0074】
フープ220の内部構造を透視して表示した部分透視図である
図9に示すように、フープ220の計測装置230およびこれに含まれる受電部は、フープ220におけるウエハ設置棚224の外側端部224bと、容器側面220bとの間に配置されている。なお、フープ220が有する2つの計測装置230は、
図4及び
図5に示す計測装置30と同様に、フープ220の筐体222内の雰囲気を検出する検出部、検出部による検出結果を含む情報を無線送信する送信部、外部から電力を受け取る受電部、検出部及び送信部に電力を供給する電力制御部等を有する。
【0075】
図8〜
図10に示すように、ロードポート装置140の非接触給電部145は、第1及び第2載置テーブル246、346のそれぞれに載置されたフープ220の側部領域に配置されるそれぞれ(2つ)の計測装置230に含まれる受電部に対向する。これにより、非接触給電部145は、その両側に配置される2つの載置テーブル246、346に載置されるフープ220に含まれる、いずれの計測装置230に対しても電力を供給することができる。非接触給電部145は、たとえばX軸方向の巻き軸を有するコイルを含む。
【0076】
ロードポート装置140は、フープ220の移動を阻害することなく、非接触給電部145を、計測装置230に含まれる受電部に近づけて配置することができるため、効率的で円滑な非接触給電を、フープ220に含まれる計測装置230に対して行うことができる。また、ロードポート装置140は、2つの載置テーブル246、346で1つの非接触給電部145を共有することにより、効率的な非接触給電を実現するとともに、非接触給電部145の数を減少させることができる。
【0077】
また、フープ220は、載置テーブル246、346の側方に配置された非接触給電部145から、円滑かつ効率的に非接触給電を受けることができる。また、フープ220は、2つの計測装置230を有しているため、筐体222内の雰囲気を正確に計測し、ロードポート装置140に計測した情報を送信することができる。また、フープ220は、2つの計測装置230を有しているため、一方の計測装置230が予期しない電力不足等で作動しなくても、もう一方の計測装置230によって筐体222内の雰囲気を計測できるため、雰囲気測定の信頼性が高い。なお、ロードポート装置140で用いるフープは、両側方に受電部を配していれば足りるため、一方に計測装置230を配置し、他方には受電部のみを配置していてもよく、また、1つの計測装置が両側方に配置された受電部に接続されていてもよい。
【0078】
第3実施形態
図11は、本発明の第3実施形態に係るロードポート装置440と、ロードポート装置440に用いるフープ420の部分断面図である。また、
図12は、
図11に示すロードポート装置440の斜視図であり、
図13は、
図11に示すフープ420の斜視図である。ロードポート装置440は、載置テーブル446が非接触給電部45を有さず、その代わりに、ドア447が非接触給電部445を有する点で
図1に示すロードポート装置40とは異なるが、その他の点はロードポート装置40と同様である。そのため、ロードポート装置440の説明では、ロードポート装置40との共通点については、説明を省略する。
【0079】
図12に示すように、ロードポート装置440は、フープ420を載置する載置テーブル446と、フープ420の蓋部426を開閉するドア447等を有する。載置テーブル446は、
図6に示す載置テーブル46と同様に、ボトムパージを行う手前側ノズル42b及び奥側ノズル42aや、フープ420の底面と接触する位置決めピン49aや、フープ420を載置テーブル446に固定するクランプ部49b等を有している。
【0080】
一方、ロードポート装置440のドア447には、非接触給電部445が配置されており、
図11に示すように、載置テーブル446に載置されたフープ420の蓋部426に配置された受電部および受電部を含む計測装置430に対向する。非接触給電部445も、
図6で説明した非接触給電部45と同様に給電コイル等を有しており、フープ420の計測装置430に電力を供給する。
【0081】
図13に示すように、フープ420の計測装置430は、筐体422内からウエハを出し入れする主開口を塞ぐ蓋部426に配置される。蓋部426に配置された計測装置430は、
図4及び
図5に示す計測装置30と同様に、フープ420の筐体422内の雰囲気を検出する検出部、検出部による検出結果を含む情報を無線送信する送信部、外部から電力を受け取る受電部、検出部及び送信部に電力を供給する電力制御部等を有する。
【0082】
このようなロードポート装置440およびフープ420も、第1実施形態に係るロードポート装置40及びフープ20と同様に、筐体22内の雰囲気の検出及び検出結果の送受信や、計測装置430への給電を円滑に行うことができる。
【0083】
以上、実施形態を示しつつ本発明を説明してきたが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではなく、他の実施形態や変形例等が多数存在することは言うまでもない。たとえば、ウエハ10を搬送するウエハ搬送容器としてはフープ20に限定されず、ウエハ10を搬送するためのフォスビ(FOSB)等の他の容器に、計測装置30を設けることも可能である。また、ロードポート装置の非接触給電部は、ウエハ搬送容器の動線に干渉せず、かつウエハ搬送容器の受電部に対向する他の位置に配置することも可能である。
【0084】
たとえば、
図14及び
図15に示す変形例に係るロードポート装置540の非接触給電部545は、フープ520の蓋部を開閉するドア547を取り囲むロードポート枠体548に配置される。これに対して、ロードポート装置540で用いられるフープ520の受電部535は、筐体522において蓋部を取り囲むフランジ部522cに配置されており、フープ520が載置テーブル546に載置された際、受電部535が非接触給電部545に対向する。
【0085】
また、フープ20の計測装置30は、
図4に示すように検出部31と受電部35とが一体となっているが、フープ20に備えらえる計測装置としてはこれに限定されず、検出部31と受電部35とが、フープ20における別々の場所に配置されていてもよい。