特許第6981059号(P6981059)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981059
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20211202BHJP
【FI】
   G06F13/00 601C
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-118602(P2017-118602)
(22)【出願日】2017年6月16日
(65)【公開番号】特開2019-3476(P2019-3476A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2020年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野中 広茂
【審査官】 岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−130054(JP,A)
【文献】 特開2013−105337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信の宛先に付与された通信アドレスを含む宛先表であって、一のユーザが利用する個人用宛先表を編集する権限が当該一のユーザに無い場合において、当該一のユーザを含む複数のユーザで共用する共用宛先表に含まれる通信アドレスを参照するための参照情報であって当該通信アドレスを含まない参照情報を、前記個人用宛先表に登録する登録手段を備え、
前記通信アドレスが付与された前記宛先の通信装置が行う通信のプロトコルごとに編集する権限が設定されている場合において、
前記登録手段は、前記共用宛先表に含まれる通信アドレスが付与された前記宛先の通信装置が行う通信のプロトコル単位で前記参照情報を前記個人用宛先表に登録する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記個人用宛先表に含まれる全ての宛先について編集する権限が無い場合において、
前記登録手段は、前記共用宛先表に含まれる通信アドレスを参照するための参照情報を前記個人用宛先表に登録する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記個人用宛先表を宛先単位で編集する権限が無い場合において、
前記登録手段は、前記共用宛先表に含まれる通信アドレスを参照するための参照情報を前記個人用宛先表に登録する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記個人用宛先表を編集する権限が有る場合において、
前記登録手段は、前記一のユーザの指示に従い、前記共用宛先表に含まれる通信アドレスを参照するための参照情報を前記個人用宛先表に登録するか、又は、通信アドレスを前記個人用宛先表に登録する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
記個人用宛先表は前記一のユーザを含む特定の複数のユーザによって利用可能であり、
前記共用宛先表は前記特定の複数のユーザを含む複数のユーザによって利用可能である。
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、個人用の宛先表と複数のユーザで共用する宛先表とを用意しておき、ユーザ認証に成功すると、個人用の宛先表に対するアクセスを許可することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−105337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近は情報漏えいに関する意識が高くなり、誤った宛先に対する送信等を防止するために、或るユーザの個人用の宛先表であっても、その新規登録や編集を特定の管理者だけに許容し、上記或るユーザ自身による新規登録及び編集を禁止している場合がある。
本発明は、個人用宛先表の編集権限が無い場合であっても、共用宛先表に登録されている通信アドレスを個人用宛先表において利用可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る情報処理装置は、通信の宛先に付与された通信アドレスを含む宛先表であって、一のユーザが利用する個人用宛先表を編集する権限が当該一のユーザに無い場合において、当該一のユーザを含む複数のユーザで共用する共用宛先表に含まれる通信アドレスを参照するための参照情報であって当該通信アドレスを含まない参照情報を、前記個人用宛先表に登録する登録手段を備え、前記通信アドレスが付与された前記宛先の通信装置が行う通信のプロトコルごとに編集する権限が設定されている場合において、前記登録手段は、前記共用宛先表に含まれる通信アドレスが付与された前記宛先の通信装置が行う通信のプロトコル単位で前記参照情報を前記個人用宛先表に登録する。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の構成において、前記個人用宛先表に含まれる全ての宛先について編集する権限が無い場合において、前記登録手段は、前記共用宛先表に含まれる通信アドレスを参照するための参照情報を前記個人用宛先表に登録する。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1記載の構成において、前記個人用宛先表を宛先単位で編集する権限が無い場合において、前記登録手段は、前記共用宛先表に含まれる通信アドレスを参照するための参照情報を前記個人用宛先表に登録する。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の構成において、前記個人用宛先表を編集する権限が有る場合において、前記登録手段は、前記一のユーザの指示に従い、前記共用宛先表に含まれる通信アドレスを参照するための参照情報を前記個人用宛先表に登録するか、又は、通信アドレスを前記個人用宛先表に登録する。
【0010】
請求項に係る情報処理装置は、前記個人用宛先表は前記一のユーザを含む特定の複数のユーザによって利用可能であり、前記共用宛先表は前記特定の複数のユーザを含む複数のユーザによって利用可能である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、個人用宛先表の編集権限が無い場合であっても、共用宛先表に登録されている通信アドレスを個人用宛先表において利用可能になるとともに、共用宛先表に含まれる通信アドレスの種別単位で参照情報を個人用宛先表に登録することができる
請求項2に係る発明によれば、個人用宛先表に含まれる全ての宛先について編集する権限が無い場合において、共用宛先表に登録されている通信アドレスを個人用宛先表において利用可能になる。
請求項3に係る発明によれば、個人用宛先表を宛先単位で編集する権限が無い場合において、共用宛先表に登録されている通信アドレスを個人用宛先表において利用可能になる。
請求項4に係る発明によれば、個人用宛先表を編集する権限が有る場合において、一のユーザの指示に従い、共用宛先表に含まれる通信アドレスを参照するための参照情報を個人用宛先表に登録するか、又は、通信アドレスを個人用宛先表に登録することができる。
請求項5に係る発明によれば、個人用宛先表は一のユーザを含む特定の複数のユーザによって利用可能であり、共用宛先表は特定の複数のユーザを含む複数のユーザによって利用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】情報処理装置1のハードウェア構成を示す図。
図2】共用宛先表131の一例を示す図。
図3】個人用宛先表132の一例を示す図。
図4】情報処理装置1の機能構成を示すブロック図。
図5】情報処理装置1の動作を示すフローチャート。
図6】参照情報が登録された個人用宛先表132の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態の一例について説明する。
<構成>
図1は、情報処理装置1のハードウェア構成を示す図である。情報処理装置1は、例えばプリント、コピー、ファクシミリ、メール送信といった画像形成機能及び通信機能を備える画像形成装置であり、本発明に係る情報処理装置の一例である。情報処理装置1は、制御部11、通信部12、記憶部13、UI(User Interface)部14、及び画像形成部15を備える。
【0014】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶装置とを備えており、情報処理装置1の全体的な制御を行う。ROMには、ハードウェアやOS(Operating System)の起動の手順を記述したファームウェアが記憶されている。RAMは、CPUが演算を実行する際のデータの記憶に用いられる。通信部12は、外部の通信装置との間で通信を行うための通信I/F(Interface)を備える。通信部12は、LAN(Local Area Network)などの通信回線に接続される。記憶部13は、例えば半導体メモリやハードディスク記憶装置などを備え、OSのほか、各種の機能を実現するためのソフトウェア(プログラム)を記憶している。
【0015】
UI部14は、表示部と操作部とを含む。表示部は例えば液晶表示装置を備え、ユーザが情報処理装置1を操作するための表示画面を表示する。操作部は、例えば表示部の表示画面を覆うように設けられたタッチパネルや、表示画面に隣接する位置に設けられた複数のキーなどを備え、ユーザが行った操作を受け付けて、その操作に応じた信号を制御部11に出力する。制御部11は、この操作の内容に従って情報処理装置1を制御する。画像形成部15は、電子写真方式やインクジェット方式などの画像形成方式で、記録媒体である用紙に画像を形成する。
【0016】
記憶部13には、通信の宛先となる通信装置に付与された通信アドレスを含む宛先表が記憶されている。この宛先表には、各々のユーザが専用で利用する個人用宛先表132と、複数のユーザで共用する共用宛先表131とがある。個人用宛先表はユーザ認証を経て、利用が許可されたユーザのみが利用可能である。共用宛先表はユーザ認証を経ずに、どのユーザもが利用可能である。
【0017】
図2は、共用宛先表131の一例を示す図である。共用宛先表131においては、各々の宛先に付された宛先名(例えば氏名や組織名など)と、その宛先の通信装置に付与された通信アドレス(例えばFAX番号やメールアドレス、IPアドレスなど)と、その宛先の通信装置を行う通信の種別(プロトコル)である通信種別(例えばFAX、メールなど)とが対応付けられている。これらの宛先名、通信アドレス及び通信種別を、以下では、宛先情報と総称する。
【0018】
図3は、個人用宛先表132の一例を示す図である。個人用宛先表132はそれを利用可能なユーザのユーザIDに関連付けられている。個人用宛先表132においては、各々の宛先に付された宛先名と、その宛先の通信装置に付与された通信アドレスと、その宛先の通信装置を行う通信の種別(プロトコル)である通信種別とが対応付けられている。また、個人用宛先表132は、それを利用可能なユーザによって新規登録や編集が可能か否かを示す編集権限フラグ(0:編集権限なし、1:編集権限あり)が対応づけられている。図3の例では、編集権限フラグが「0」なので、この個人用宛先表132を通信時に利用可能なユーザであっても、個人用宛先表132に対する新規登録や編集を行う権限がない。
【0019】
図4は、情報処理装置1の機能構成を示すブロック図である。これらの機能は、制御部11が記憶部13に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。宛先表記憶部101は、記憶部13というハードウェアによって実現される機能であり、前述した共用宛先表131及び個人用宛先表132を記憶する。編集権限記憶部102は、記憶部13というハードウェアによって実現される機能であり、前述した編集権限の有無を示す編集権限フラグを記憶している。登録部103は、制御部11というハードウェアによって実現される機能であり、通信の宛先に付与された通信アドレスを含む宛先表であって、一のユーザが利用する個人用宛先表を編集する権限が当該一のユーザに無い場合において、当該一のユーザを含む複数のユーザで共用する共用宛先表に含まれる通信アドレスを参照するための参照情報であって当該通信アドレスを含まない参照情報を、個人用宛先表に登録する。
【0020】
<動作>
図5は、情報処理装置1の動作を示すフローチャートである。情報処理装置1において、ユーザ認証よりユーザが特定されると、図5に示す処理が開始される。例えばユーザが共用宛先表131に含まれる或る宛先情報を自らの個人用宛先表132に登録することを指示する操作を行うと、情報処理装置1の登録部103はこの操作を受け付ける(ステップS11)。ここでは、例えば図2の共用宛先表131における宛先名「H」、通信アドレス「アドレスh」及び通信種別「メール」という宛先情報を、図3に示す個人用宛先表132に登録することが指示されたとする。登録部103は、そのユーザにそのユーザの利用する個人用宛先表132の編集権限が有るか否かを、編集権限フラグを参照して判断する(ステップS12)。
【0021】
ユーザに個人用宛先表132の編集権限が無い場合、登録部103は、共用宛先表131に含まれる宛先情報を参照するための参照情報であって、その宛先情報そのものを含まない参照情報を生成する(ステップS13)。具体的には、登録部103は、図2の共用宛先表131における宛先名「H」、通信アドレス「アドレスh」及び通信種別「メール」という宛先情報が宛先表記憶部101に記憶されている記憶領域上のアドレスを参照情報として用いる。
【0022】
そして、登録部103は、その参照情報を個人用宛先表132に登録する(ステップS14)。これにより、図6に示すように、個人用宛先表132の新規レコードにおいて、共用宛先表131における宛先名「H」、通信アドレス「アドレスh」及び通信種別「メール」という宛先情報を参照するための参照情報が登録される。
【0023】
一方、ユーザに個人用宛先表132の編集権限がある場合、登録部103は、ユーザに通常登録を行うか参照登録を行うかを選択させる。ここで参照登録とは、前述した参照情報を用いて個人用宛先表132に登録することであり、通常登録とは、前述した参照情報を用いずに宛先情報そのものを個人用宛先表132に登録することである。
【0024】
ユーザが参照登録を選択すると(ステップS15;参照登録)、登録部103は、前述したステップS13,S14の処理を行う。一方、ユーザが通常登録を選択すると(ステップS15;通常登録)、登録部103は、指定された宛先情報そのものを個人用宛先表132に登録する(ステップS16)。このように参照登録の場合は、宛先情報そのものではなく宛先情報を指定する情報が登録されるので、共用宛先表131において宛先情報の一部が変更されると(例えば通信アドレスが変更されると)、その変更内容が個人用宛先表132にも反映されることになる。また、共用宛先表131において宛先情報が削除された場合も、個人用宛先表132において宛先情報が利用できなくなる。
【0025】
本実施形態によれば、個人用宛先表132の編集権限が無い場合であっても、共用宛先表131に登録されている通信アドレスを個人用宛先表132において利用可能となる。
【0026】
<変形例>
実施形態を次のように変形してもよい。また、複数の変形例を組み合わせてもよい。
<1>実施形態では、個人用宛先表132に含まれる全ての宛先について編集する権限が無い場合を例示したが、個人用宛先表132を宛先単位で編集する権限が無い場合において本発明を適用してもよい。
【0027】
<2>通信種別ごとに編集権限が設定されている場合は、登録部103は、共用宛先表131に含まれる通信アドレスの種別単位で参照情報を個人用宛先表132に登録すればよい。これにより、例えば誤送信が多い通信種別であるファックスのみについて参照登録することができる。
【0028】
<3>個人用宛先表132は、特定の複数のユーザによって利用可能であり、共用宛先表133は上記特定の複数のユーザを含む複数のユーザによって利用可能であってもよい。
【0029】
<4>参照情報は、少なくとも通信アドレスを参照するための参照情報であって当該通信アドレスを含まないものであればよく、編集権限が無い場合であっても、宛先名や通信種別については宛先情報そのものを個人用宛先表132に登録してもよい。
【0030】
<5>上記の実施形態では、制御部11がプログラムを実行することによって上記の機能を実現する例を示したが、上記の機能がハードウェア回路で実装されていてもよい。また、このプログラムを、光記録媒体、半導体メモリ等、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供し、この記録媒体からプログラムを読み取って情報処理装置にインストールするようにしてもよい。また、このプログラムを電気通信回線で提供してもよい。
【符号の説明】
【0031】
1…情報処理装置、11…制御部、12…通信部、13…記憶部、14…UI部、15…画像形成部、101…宛先表記憶部、102…編集権限記憶部、103…登録部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6