(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0014】
[画像形成装置100の構成]
まず、本実施の形態における画像形成装置100の構成について説明する。
図1は、本実施形態にかかる画像形成装置100を模式的に示す構成図である。この画像形成装置100は、例えば複写機といった電子写真方式の画像形成装置100であり、複数の感光体を一本の中間転写ベルトに対面させて縦方向に配列することによりフルカラーの画像を形成する、いわゆる、タンデム型カラー画像形成装置である。
【0015】
画像形成装置100は、原稿読取装置SC、画像形成部10、用紙搬送部20、制御部11を主体に構成され、これらが一つの筐体内に収められている。
【0016】
原稿読取装置SCは、走査露光装置の光学系により原稿の画像を走査露光し、その反射光をラインイメージセンサーにより読み取り、これにより、画像信号を得る。この画像信号は、A/D変換、シェーディング補正、圧縮等の処理が施された後、画像データとして制御部11に入力される。なお、制御部11に入力される画像データとしては、原稿読取装置SCで読み取ったものに限らず、例えば、通信部13により画像形成装置100に接続されたパーソナルコンピューターや他の画像形成装置から受信したものであってもよい。
【0017】
画像形成部10は、4組の通常カラーの画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K、1組の特色の画像形成ユニット10W、中間転写ベルト6、二次転写ローラー8、定着装置9等を備えて構成されている。
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、イエロー(Y)の画像を形成する画像形成ユニット10Y、マゼンタ(M)の画像を形成する画像形成ユニット10M、シアン(C)の画像を形成する画像形成ユニット10C、ブラック(K)の画像を形成する画像形成ユニット10Kで構成されている。
また、画像形成ユニット10Wは、ホワイト(W)の画像を形成する画像形成ユニット10Wで構成されている。
【0018】
画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム1Y及びその周辺に配置された帯電部2Y、光書込部3Y、現像装置4Y及びドラムクリーナー5Yで構成されている。同様に、画像形成ユニット10M,10C,10K,10Wは、感光体ドラム1M,1C,1K,1W及びその周辺に配置された帯電部2M,2C,2K,2W、光書込部3M,3C,3K,3W、現像装置4M,4C,4K,4W及びドラムクリーナー5M,5C,5K,5Wで構成されている。
【0019】
感光体ドラム1Y〜1Wは、帯電部2Y〜2Wによりその表面が一様に帯電させられており、光書込部3Y〜3Wによる走査露光により、感光体ドラム1Y〜1Wには潜像が形成される。さらに、現像装置4Y〜4Wは、トナーで現像することによって感光体ドラム1Y〜1W上の潜像を顕像化する。これにより、感光体ドラム1Y〜1W上には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック及びホワイトのいずれかに対応する所定色のトナー画像が形成される。感光体ドラム1Y〜1W上に形成されたトナー画像は、一次転写ローラー7Y,7M,7C,7K,7Wにより、回転する中間転写ベルト6上の所定位置へと逐次転写される。
【0020】
中間転写ベルト6上に転写された各色よりなるトナー画像は、後述する用紙搬送部20により所定のタイミングで搬送される用紙Pに対して、二次転写ローラー8によって転写される。この二次転写ローラー8は中間転写ベルト6と圧接して配置されることによりニップ部(以下「転写ニップ部」という)を形成する圧接部材である。
【0021】
定着装置9は、トナー画像が転写された用紙P、すなわち、転写ニップ部から送り出された用紙Pに定着処理を施す装置であり、例えば、一対の定着部材(例えば一対のローラー)と、当該定着部材の一方又は双方を加熱するヒーターとで構成されている。この定着装置9は、用紙Pの搬送過程において、一対の定着部材による加圧と定着部材の有する熱との作用を通じて、用紙Pへのトナー画像の定着を行う。
【0022】
用紙搬送部20は、用紙Pの搬送経路に従って用紙Pを搬送する。
用紙搬送部20は、用紙Pを画像形成部10に搬送する画像形成経路R1、画像形成後の用紙Pを外部に排出する排紙経路R2、用紙Pの表裏を反転させるための反転経路R3、及び用紙Pの表裏を反転させることなく循環させるために使用されるショートカット経路R4を備えている。
また、画像形成経路R1において定着装置9の用紙搬送方向の下流側には、切替ゲートG1(第1切替部)が備えられ、反転経路R3のスイッチバック部R31(後述)には、切替ゲートG2(第2切替部)と切替ゲートG3(第3切替部)が備えられる。
【0023】
各搬送経路においては、用紙Pを搬送する複数の搬送手段が設けられている。個々の搬送手段は、圧接された一対のローラーによって構成されており、電動モーターを主体とする駆動機構を通じて少なくとも一方のローラーが回転駆動することにより用紙Pを搬送する。
また、個々の搬送手段を構成する一対のローラーは、ローラー間の状態を圧接状態と離間状態とで切り替えることができように構成されている。
なお、搬送手段は、一対のローラーで構成する以外にも、ベルト同士の組み合わせや、ベルト及びローラーの組み合わせといったように、一対の回転部材からなる構成を広く採用することができる。
【0024】
画像形成経路R1は、給紙トレイから切替ゲートG1に至るまで、用紙Pを搬送する経路である。
用紙Pは、画像形成装置100の下部に位置する給紙トレイ21に収容されており、当該給紙トレイ21に収容された用紙Pは、給紙部22により取り込まれ、画像形成経路R1へと送り出される。
あるいは、用紙Pは、画像形成装置100と接続された給紙装置(図示せず)が有する給紙トレイに収容されており、給紙装置が保有する用紙Pは、当該給紙装置から画像形成装置100へと供給され、画像形成経路R1へと送り出される。
また、用紙Pは、画像形成装置100に設けられた手差しトレイに載置され、画像形成経路R1へと送り出されることとしても良い。
【0025】
画像形成経路R1上には、画像形成部10が設けられている。また、画像形成経路R1には、用紙搬送方向の上流側から下流側にかけて、中間搬送ローラー23、ループローラー24及びレジストローラ25が搬送手段として設けられている。
【0026】
用紙Pは、中間搬送ローラー23及びループローラー24により順次搬送されて、画像形成経路R1を進行する。用紙Pの先端がレジストローラ25へと近づくと、ループローラー24等によって搬送される用紙Pは、回転停止状態のレジストローラ25に突き当てられ、そして、ループローラー24が所定時間だけ回転を継続することで、用紙Pにループが形成される。このループ形成の作用により、用紙Pの先端の曲がりが矯正される(スキュー補正)。
つぎに、中間転写ベルト6が担持するトナー画像と同期するように所定のタイミングでレジストローラ25が回転を開始すると、中間搬送ローラー23及びループローラー24は、圧接状態から離間状態へと切り替えられ、用紙Pは、レジストローラ25のみによって画像形成部10の転写ニップ部へと搬送され、その後、二次転写ローラー8によって定着装置9へと搬送される。定着装置9において定着処理が施された用紙Pは、切替ゲートG1まで搬送され、切替ゲートG1の案内に応じて、排紙経路R2又は反転経路R3へと進行する。
【0027】
排紙経路R2は、定着装置9により定着処理が施された用紙Pを、筐体の外部側面に取り付けられた排紙トレイ26に排出させる搬送経路である。
【0028】
反転経路R3は、定着装置9により定着処理が施された用紙Pを、表裏を反転させて画像形成経路R1に回帰させるための搬送経路である。
反転経路R3は、用紙Pの表裏を反転させるためのスイッチバック部R31と、スイッチバック部R31により反転された用紙Pを画像形成経路R1まで搬送するための再給紙部R32と、を有する。
【0029】
スイッチバック部R31は、画像形成経路R1における切替ゲートG1の位置から分岐し、下方に延在するように配されている。
このスイッチバック部R31には、用紙Pを順送する際の用紙搬送方向の上流側から下流側にかけて(装置の上方から下方にかけて)、切替ゲートG2、切替ゲートG3及び反転ローラー27が設けられている。
そして、用紙Pの表裏を反転させて当該用紙Pを画像形成経路R1に回帰させる場合、画像形成経路R1から搬送されてきた用紙Pは、その後端が反転ローラー27(所定位置)に到達するまで順送され、当該反転ローラー27が用紙Pの後端を挟持したタイミングで反転することで逆送が開始される。逆送される用紙Pは、切替ゲートG3の案内に応じて、その後端から再給紙部R32へと進行する。
なお、例えば、用紙Pとして、定型紙より用紙搬送方向の長さが長尺な長尺紙を用いることを想定した場合などには、スイッチバック部R31を、
図1の鎖線Lで示すように、画像形成装置100の底面近傍に到達する位置まで設けることも好ましい。
【0030】
再給紙部R32は、スイッチバック部R31における切替ゲートG3の位置から分岐し、画像形成経路R1の途中に設けられた合流点51に至るように配されている。
この再給紙部R32には、用紙搬送方向の上流側から下流側にかけて、中間搬送ローラー28が搬送手段として設けられている。なお、中間搬送ローラー28は、通過する最小の用紙Pの用紙搬送方向の長さよりも短い間隔となるように配置されている。
そして、スイッチバック部R31により逆送されてきた用紙Pは、その後端から再給紙部R32により搬送され、画像形成経路R1において画像形成部10よりも用紙搬送方向上流に設けられた合流点51に到達する。合流点51に到達した用紙Pは、再度、画像形成経路R1へと送り出されることとなる。
【0031】
ショートカット経路R4は、定着装置9により定着処理が施された用紙Pを、表裏を反転させることなく(画像形成面を変更することなく)画像形成経路R1に回帰させるために使用される搬送経路である。
ショートカット経路R4は、反転経路R3のスイッチバック部R31における切替ゲートG2の位置から分岐し、再給紙部R32に至るように配されている。
そして、用紙Pの表裏を反転することなく当該用紙Pを画像形成経路R1に回帰させる場合、画像形成経路R1から搬送されてきた用紙Pは、切替ゲートG3や反転ローラー27に至ることなく、切替ゲートG2の案内に応じて、ショートカット経路R4へと進行し、ショートカット経路R4により再給紙部R32まで搬送される。
ショートカット経路R4により再給紙部R32に到達した用紙Pは、再給紙部R32により搬送され、画像形成経路R1に設けられた合流点51を経て、再度、画像形成経路R1へと送り出されることとなる。
【0032】
切替ゲートG1は、画像形成経路R1において、定着装置9の用紙搬送方向の下流側に設けられ、定着装置9を通過した用紙Pの搬送先を切り替える。具体的に、切替ゲートG1は、定着装置9を通過した用紙Pを反転経路R3に搬送する場合、用紙Pを下方に案内する。また、切替ゲートG1は、用紙Pを排紙経路R2に搬送する場合、用紙Pを直進させる。
なお、切替ゲートG1は、通常、用紙Pを排紙経路R2に送る状態となっている。そして、用紙Pを反転経路R3に送る際には図示しない駆動部により駆動され、用紙Pを下方に搬送させた後、元の状態に戻る。
【0033】
切替ゲートG2は、反転経路R3のスイッチバック部R31に設けられ、切替ゲートG1により下方に案内されてきた用紙Pの搬送先を切り替える。具体的に、切替ゲートG2は、用紙Pの表裏を反転させる場合、用紙Pを下方に案内する。また、切替ゲートG2は、用紙Pの表裏を反転させない場合、即ち、ショートカット経路R4に搬送する場合、用紙Pを
図1における右斜め下方に案内する。
なお、切替ゲートG2は、通常、用紙Pを下方に案内する状態となっている。そして、用紙Pをショートカット経路R4に送る際には図示しない駆動部により駆動され、用紙Pを右斜め下方に搬送させた後、元の状態に戻る。
【0034】
切替ゲートG3は、スイッチバック部R31において、切替ゲートG2より用紙Pの順送時の用紙搬送方向の下流に設けられ、スイッチバック部R31により逆送される用紙Pの搬送先を切り替える。具体的に、切替ゲートG3は、スイッチバック部R31を逆送する用紙Pを再給紙部R32に搬送する場合、用紙Pを
図1における右斜め上方に案内する。また、切替ゲートG3は、画像形成経路R1から搬送されてきた用紙Pを順送させる場合、用紙Pを下方に案内する。
なお、切替ゲートG3は、通常、用紙Pを下方に案内する状態(用紙Pを順送させる状態)となっている。そして、用紙Pを再給紙部R32に搬送する(逆送させる)際には図示しない駆動部により駆動され、用紙Pを右斜め上方に搬送した後、元の状態に戻る。
【0035】
図2は、本実施形態にかかる画像形成装置100の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。
制御部11は、
図2に示すように、記憶部12、通信部13、操作部14、原稿読取装置SC、画像形成部10、用紙搬送部20に接続されている。
【0036】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成されている。制御部11のCPUは、記憶部12に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って、画像形成装置100各部の動作を集中制御する。
例えば、制御部11は、操作部14によりジョブ実行指令が入力されると、ジョブを実行し、原稿読取装置SCや通信部13により入力される画像データに基づいて用紙Pにトナー画像を形成させる制御を行う。
また、本実施の形態においては、制御部11は、画像形成部10により画像が形成された用紙Pを、表裏を反転させることなく循環させ、画像形成部10により画像形成面に画像を形成する重ね書き処理を実行することが可能である。
【0037】
記憶部12は、不揮発性の半導体メモリーやHDD(Hard Disk Drive)等により構成され、制御部11で実行される各種プログラムの他、各部で必要なパラメータやデータ等を記憶している。
【0038】
通信部13は、NIC(Network Interface Card)、MODEM(Modulator-DEModulator)、USB(Universal Serial Bus)等の各種インターフェースを備え、外部機器との接続を行う。
【0039】
操作部14は、ユーザーによって設定される種々の情報を制御部11に出力する。操作部14としては、例えば、ディスプレイ上に表示される情報に従い、入力操作を行うことが可能なタッチパネルを用いることができる。かかる操作部14を通じて、ユーザーは、画像形成条件、すなわち、用紙Pの種類(例えば、坪量、サイズ、紙質等)、使用する給紙トレイ、画像の濃度、倍率、画像形成モードなどを設定することができる。また、ユーザーは、操作部14を通じて、ジョブの実行指令や各種モードでの動作指示を入力することができる。また、制御部11は、操作部14を制御することにより、当該操作部14を介してユーザーに種々のメッセージを表示することができる。
【0040】
[画像形成装置100の動作]
次に、本実施の形態における画像形成装置100の動作について説明する。
図3は、画像形成装置100により実行される画像形成処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、ユーザーからのジョブの実行指令に応じて、制御部11と記憶部12に記憶されているプログラムとの協働によって実行される。
【0041】
先ず、制御部11は、通信部13を介して、外部機器から送信されるジョブ情報を取得する(ステップS1)。
ジョブ情報には、画像形成処理に関する各種情報、例えば、モード情報や、形成する画像の画像データなどが含まれている。
モード情報としては、例えば、通常モード、両面モード、重ね書きモードのいずれかが設定されている。通常モードは、用紙Pの一面に対して一回画像形成を行うモードである。また、両面モードは、用紙Pの両面に対して画像形成を行うモードである。また、重ね書きモードは、用紙Pの一面に対して複数回画像形成を行うモードである。
画像データとしては、画像形成モードに応じた一乃至複数の画像データが含まれ、用紙Pの表裏どちらの面に形成するか、何回目に形成するか等の情報が付加されている。
【0042】
次いで、制御部11は、画像形成部10により、未処理の画像形成のうちの最優先の画像形成を実行する(ステップS2)。
例えば、通常モードにおいては、制御部11は、用紙Pの一面(表面)に画像を形成する。
また、例えば、重ね書きモードにおいては、制御部11は、一回目の画像形成が未処理の場合にはこれを実行し、一回目の画像形成が終了し且つ二回目の画像形成が未処理の場合には二回目の画像形成を実行する。
また、例えば、両面モードにおいては、制御部11は、表面の画像形成が未処理の場合にはこれを実行し、表面の画像形成が終了し且つ裏面の画像形成が未処理の場合には裏面の画像形成を実行する。
【0043】
次いで、制御部11は、重ね書きモード又は両面モードの設定がなされているか否か判断し(ステップS3)、設定がなされていない(通常モードである)場合(ステップS3:NO)、本処理を終了する。
【0044】
一方、重ね書きモード又は両面モードの設定がなされている場合(ステップS3:YES)、制御部11は、未処理の画像形成があるか否かを判断し(ステップS4)、これがない場合(ステップS4:NO)、本処理を終了する。
【0045】
一方、未処理の画像形成がある場合(ステップS4:YES)、制御部11は、切替ゲートG1を切り替えて、用紙Pを反転経路R3のスイッチバック部R31へと搬送する(ステップS5)。
【0046】
次いで、制御部11は、重ね書きモードの設定がなされているか否か判断し(ステップS6)、重ね書きモードの設定がなされている場合(ステップS6:YES)、切替ゲートG2を切り替えて(ステップS7)、その後、上記ステップS2に移行して、以降の処理を繰り返す。
これにより、用紙Pは、ショートカット経路R4を介して再給紙部R32に搬送され、再給紙部R32により画像形成経路R1に回帰し、画像形成部10に到達することとなる。
【0047】
一方、重ね書きモードの設定がなされていない場合(ステップS6:NO)、制御部11は、用紙Pの後端が反転ローラー27に達したか否かを判断し(ステップS8)、達していない場合(ステップS8:NO)、このステップS8の処理を繰り返す。
一方、用紙Pの後端が反転ローラー27に達した場合(ステップS8:YES)、制御部11は、切替ゲートG3を切り替えて(ステップS9)、その後、上記ステップS2に移行して、以降の処理を繰り返す。
これにより、用紙Pは、逆送して再給紙部R32に搬送され、再給紙部R32により画像形成経路R1に回帰し、画像形成部10に到達することとなる。
【0048】
以上のように、本実施の形態によれば、用紙Pに画像を形成する画像形成部10と、用紙Pを画像形成部10に搬送する画像形成経路R1と、画像形成部10よりも用紙搬送方向下流の画像形成経路R1から分岐し、用紙Pの後端が所定位置に到達するまで順送した後に逆送させるスイッチバック部R31、及び、スイッチバック部R31により逆送される用紙Pを、画像形成部10よりも用紙搬送方向上流において画像形成経路R1に合流させる再給紙部R32を有する反転経路R3と、用紙Pの順送時において所定位置よりも用紙搬送方向上流のスイッチバック部R31から分岐し、用紙Pを逆送させることなく再給紙部R32に搬送するショートカット経路R4と、を備えることを特徴とする。
このため、スイッチバック部R31に進行した用紙Pを、ショートカット経路R4を介して再給紙部R32に進行させることで、用紙Pの表裏を反転させることなく、画像形成部10に回帰させることが可能となる。
即ち、用紙Pの表裏を反転させることなく、画像形成部10を複数回通過させることが可能となる。
【0049】
また、本実施の形態によれば、画像形成経路R1上の用紙Pの搬送先をスイッチバック部R31に切り替える切替ゲートG1と、スイッチバック部R31において用紙Pの順送時の用紙搬送方向の上流側から下流側にかけて設けられる切替ゲートG2及び切替ゲートG3と、を備え、切替ゲートG2は、スイッチバック部R31上を順送される用紙Pの搬送先をショートカット経路R4に切り替え、切替ゲートG3は、スイッチバック部R31上を逆送される用紙Pの搬送先を再給紙部R32に切り替える。
このため、スイッチバック部R31に進行した用紙Pが反転する前に、ショートカット経路R4を介して再給紙部R32に進行させることができる。
【0050】
また、本実施の形態によれば、ショートカット経路R4を介して再給紙部R32に用紙Pを搬送することで、用紙Pの画像形成面が同一面となるように画像形成部10を複数回通過させる処理を実行する制御部11を備える。
このため、例えば、用紙Pの同一面に重ねて画像を形成する等の処理が可能となる。
【0051】
[変形例]
次に、上記実施の形態の画像形成装置100の変形例について説明する。
図4は、変形例の画像形成装置100Aを模式的に示す構成図である。なお、
図1の画像形成装置100と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図4に示すように、画像形成装置100Aは、反転経路R3が、スイッチバック部R31及び再給紙部R32の他、第2再給紙部R33を備える構成である。
第2再給紙部R33は、スイッチバック部R31において用紙Pの順送時の用紙搬送方向下流側端部から連続して設けられ、画像形成経路R1の途中に設けられた合流点52に至るように配されている。
また、第2再給紙部R33は、給紙トレイ21より下方、即ち、画像形成装置100Aの底面近傍を用紙Pが走行するように設けられる。
この第2再給紙部R33は、例えば、用紙Pが定型紙より用紙搬送方向の長さが長尺な長尺紙である場合に用紙Pを循環させる際などに、使用することができる。
なお、用紙Pが長尺紙である場合、用紙Pは、例えば、画像形成装置100Aと接続された給紙装置(図示せず)、又は画像形成装置100Aに設けられた手差しトレイにより、画像形成経路R1に送り出すことができる。
【0052】
以下、画像形成装置100Aの動作について説明する。
図5は、画像形成装置100Aにより実行される画像形成処理を示すフローチャートである。なお、
図3の画像形成処理と同様の処理については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0053】
図5に示すように、制御部11は、ステップS1〜ステップS6まで、
図3の画像形成処理と同様の処理を実行する。
そして、ステップS6において、重ね書きモードの設定がなされている場合(ステップS6:YES)、制御部11は、用紙Pが長尺紙であるか否かを判断し(ステップS10)、長尺紙である場合(ステップS10:YES)、ステップS2に移行する。
即ち、長尺紙である場合、切替ゲートG2が切り替えられず、用紙Pはそのままスイッチバック部R31にて順送され、第2再給紙部R33に至り、第2再給紙部R33により搬送されて画像形成経路R1に至る。
【0054】
一方、長尺紙でない場合(ステップS10:NO)、制御部11は、切替ゲートG2を切り替え(ステップS7)、その後、ステップS2に戻って以降の処理を繰り返す。
【0055】
以上のように、本変形例によれば、反転経路R3は、スイッチバック部R31の用紙Pの順送時の用紙搬送方向の下流側端部から連続して設けられ、スイッチバック部R31上の用紙Pを、逆送させることなく画像形成部10よりも用紙搬送方向上流において画像形成経路R1に合流させる第2再給紙部R33を備え、制御部11は、重ね書き処理を実行する場合、用紙Pの搬送方向の長さに応じて、ショートカット経路R4を介して再給紙部R32に用紙Pを搬送するか、スイッチバック部R31を介して第2再給紙部R33に用紙Pを搬送するかを選択する。
このため、用紙Pの用紙搬送方向の長さに応じて適切な搬送経路を選択することができる。
【0056】
また、本変形例によれば、第2再給紙部R33は、画像形成装置100Aの底面近傍を用紙Pが走行するように設けられる。
このため、第2再給紙部R33の直線の部分を長くすることができるので、用紙Pのジャムを抑制することができる。
【0057】
また、第2再給紙部R33の使用方法としては、上述した以外にも、第2再給紙部R33に用紙Pを滞留させることで、複数の用紙Pの搬送順を変更する等の処理に用いることも可能である。
【0058】
なお、上記実施の形態及び変形例によれば、制御部11が実行する処理として、用紙Pの同一面に対して複数回画像形成を行う重ね書き処理を例示して説明したが、重ね書き処理以外にも、例えば、画像形成された用紙Pを循環させ、2度目以降では画像形成することなく定着装置9を通過させることで光沢を制御する処理等を実行することもできる。
【0059】
また、上記実施の形態及び変形例においては、特色として、ホワイト(W)のトナー画像を形成する画像形成ユニット10Wを備えた構成を例示して説明したが、特色はホワイトに限定されず、これ以外にも、例えば、クリア(透明)等であっても良い。
また、特色を形成する画像形成ユニットは1つであったが、2色以上の特色を形成する2組以上の画像形成ユニットを備えた構成であっても良い。
また、特色を形成する画像形成ユニットを備えない構成であっても良いのは勿論である。
【0060】
また、上記実施の形態及び変形例においては、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体として、不揮発性メモリー、ハードディスク等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0061】
また、上記実施の形態及び変形例においては、電子写真方式の画像形成装置を例示して説明したが、本発明は、例えばインクジェット方式等の他の画像形成方式に適用することも可能である。また、転写方式も上記実施の形態及び変形例のものに限定されない。
【0062】
その他、画像形成装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。