特許第6981079号(P6981079)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社デンソーの特許一覧

<>
  • 特許6981079-電力変換装置 図000002
  • 特許6981079-電力変換装置 図000003
  • 特許6981079-電力変換装置 図000004
  • 特許6981079-電力変換装置 図000005
  • 特許6981079-電力変換装置 図000006
  • 特許6981079-電力変換装置 図000007
  • 特許6981079-電力変換装置 図000008
  • 特許6981079-電力変換装置 図000009
  • 特許6981079-電力変換装置 図000010
  • 特許6981079-電力変換装置 図000011
  • 特許6981079-電力変換装置 図000012
  • 特許6981079-電力変換装置 図000013
  • 特許6981079-電力変換装置 図000014
  • 特許6981079-電力変換装置 図000015
  • 特許6981079-電力変換装置 図000016
  • 特許6981079-電力変換装置 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981079
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20211202BHJP
【FI】
   H02M7/48 Z
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-146784(P2017-146784)
(22)【出願日】2017年7月28日
(65)【公開番号】特開2019-30109(P2019-30109A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2020年6月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 政徳
【審査官】 栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−046861(JP,A)
【文献】 特開平11−274001(JP,A)
【文献】 特開2008−154316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンデンサケース(21)内にコンデンサ素子(22)を内蔵したコンデンサ(2)と、
前記コンデンサを収容する装置ケース(3)と、
前記装置ケースの内面と前記コンデンサケースの外面との間に形成されるとともに冷媒が流通可能な冷媒流路(4)と、を有し、
前記冷媒流路は、前記コンデンサケースの底面であるコンデンサ底面(23)と、前記装置ケースにおける前記コンデンサ底面に対向する装置対向面(321)と、の間に形成された底部流路(400)を有し、
前記コンデンサ底面、及び、前記装置対向面の少なくとも一方は、前記コンデンサ底面と前記装置対向面とが対向する対向方向(Z)に凹凸状に形成された凹凸形状部(5)を有し、
前記底部流路の少なくとも一部は、前記凹凸形状部における凹部(52)の内側に形成された凹部内流路(40)であり、
前記装置ケースは、前記対向方向に直交する方向において前記コンデンサケースの側面であるコンデンサ側面(24)と対向する装置側面(33)を有し、前記冷媒流路は、前記コンデンサ側面と前記装置側面との間にも形成されており、
前記コンデンサ側面及び前記装置ケースの前記装置側面の少なくとも一方は、前記対向方向における前記装置対向面側に向うほど、前記コンデンサ側面と前記装置側面との間の間隔が広がるよう傾斜している、電力変換装置(1)。
【請求項2】
前記コンデンサ底面及び前記装置対向面の一方は、前記対向方向に突出した嵌合凸部(61)を有し、他方は、前記対向方向に凹むとともに前記嵌合凸部に嵌合する嵌合凹部(62)を有する、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記装置ケースは、前記コンデンサケースを固定するためのボス部(7)を複数有し、複数の前記ボス部のうちの一部の前記ボス部は、前記冷媒流路に面するよう形成されており、かつ、前記コンデンサに対して前記冷媒流路の上流側と下流側とに形成されている、請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
コンデンサケース(21)内にコンデンサ素子(22)を内蔵したコンデンサ(2)と、
前記コンデンサを収容する装置ケース(3)と、
前記装置ケースの内面と前記コンデンサケースの外面との間に形成されるとともに冷媒が流通可能な冷媒流路(4)と、を有し、
前記冷媒流路は、前記コンデンサケースの底面であるコンデンサ底面(23)と、前記装置ケースにおける前記コンデンサ底面に対向する装置対向面(321)と、の間に形成された底部流路(400)を有し、
前記コンデンサ底面、及び、前記装置対向面の少なくとも一方は、前記コンデンサ底面と前記装置対向面とが対向する対向方向(Z)に凹凸状に形成された凹凸形状部(5)を有し、
前記底部流路の少なくとも一部は、前記凹凸形状部における凹部(52)の内側に形成された凹部内流路(40)であり、
前記コンデンサ底面及び前記装置対向面の一方は、前記対向方向に突出した嵌合凸部(61)を有し、他方は、前記対向方向に凹むとともに前記嵌合凸部に嵌合する嵌合凹部(62)を有する、電力変換装置(1)。
【請求項5】
前記装置ケースは、前記コンデンサケースを固定するためのボス部(7)を複数有し、複数の前記ボス部のうちの一部の前記ボス部は、前記冷媒流路に面するよう形成されており、かつ、前記コンデンサに対して前記冷媒流路の上流側と下流側とに形成されている、請求項に記載の電力変換装置。
【請求項6】
コンデンサケース(21)内にコンデンサ素子(22)を内蔵したコンデンサ(2)と、
前記コンデンサを収容する装置ケース(3)と、
前記装置ケースの内面と前記コンデンサケースの外面との間に形成されるとともに冷媒が流通可能な冷媒流路(4)と、を有し、
前記冷媒流路は、前記コンデンサケースの底面であるコンデンサ底面(23)と、前記装置ケースにおける前記コンデンサ底面に対向する装置対向面(321)と、の間に形成された底部流路(400)を有し、
前記コンデンサ底面、及び、前記装置対向面の少なくとも一方は、前記コンデンサ底面と前記装置対向面とが対向する対向方向(Z)に凹凸状に形成された凹凸形状部(5)を有し、
前記底部流路の少なくとも一部は、前記凹凸形状部における凹部(52)の内側に形成された凹部内流路(40)であり、
前記装置ケースは、前記コンデンサケースを固定するためのボス部(7)を複数有し、複数の前記ボス部のうちの一部の前記ボス部は、前記冷媒流路に面するよう形成されており、かつ、前記コンデンサに対して前記冷媒流路の上流側と下流側とに形成されている、電力変換装置(1)。
【請求項7】
前記装置ケースは、前記対向方向に直交する方向において前記コンデンサケースの側面であるコンデンサ側面(24)と対向する装置側面(33)を有し、前記冷媒流路は、前記コンデンサ側面と前記装置側面との間にも形成されている、請求項4〜6のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記凹部内流路は、前記コンデンサ素子と前記対向方向に重なる位置に形成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記コンデンサ素子は、金属化フィルムを巻回してなるフィルムコンデンサ素子であり、その巻回軸方向が前記対向方向である、請求項に記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記凹部内流路は、前記対向方向に直交する方向に長尺な形状を有し、前記凹部内流路の長手方向と前記対向方向との双方に直交する方向に、前記凹部内流路が複数並ぶよう形成されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コンデンサと、コンデンサを収容する装置ケースと、装置ケース内に形成された冷媒流路とを有する電力変換装置が開示されている。特許文献1に記載の電力変換装置において、冷媒流路は、コンデンサを外周側から囲むように形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−46447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の電力変換装置においては、コンデンサを外周側からのみ冷却する構造を採用している。それゆえ、コンデンサの冷却性を向上させる観点から改善の余地がある。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、コンデンサの冷却性を向上させやすい電力変換装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、コンデンサケース(21)内にコンデンサ素子(22)を内蔵したコンデンサ(2)と、
前記コンデンサを収容する装置ケース(3)と、
前記装置ケースの内面と前記コンデンサケースの外面との間に形成されるとともに冷媒が流通可能な冷媒流路(4)と、を有し、
前記冷媒流路は、前記コンデンサケースの底面であるコンデンサ底面(23)と、前記装置ケースにおける前記コンデンサ底面に対向する装置対向面(321)と、の間に形成された底部流路(400)を有し、
前記コンデンサ底面、及び、前記装置対向面の少なくとも一方は、前記コンデンサ底面と前記装置対向面とが対向する対向方向(Z)に凹凸状に形成された凹凸形状部(5)を有し、
前記底部流路の少なくとも一部は、前記凹凸形状部における凹部(52)の内側に形成された凹部内流路(40)であり、
前記装置ケースは、前記コンデンサケースを固定するためのボス部(7)を複数有し、複数の前記ボス部のうちの一部の前記ボス部は、前記冷媒流路に面するよう形成されており、かつ、前記コンデンサに対して前記冷媒流路の上流側と下流側とに形成されている、電力変換装置(1)にある。
本発明の他の態様は、コンデンサケース(21)内にコンデンサ素子(22)を内蔵したコンデンサ(2)と、
前記コンデンサを収容する装置ケース(3)と、
前記装置ケースの内面と前記コンデンサケースの外面との間に形成されるとともに冷媒が流通可能な冷媒流路(4)と、を有し、
前記冷媒流路は、前記コンデンサケースの底面であるコンデンサ底面(23)と、前記装置ケースにおける前記コンデンサ底面に対向する装置対向面(321)と、の間に形成された底部流路(400)を有し、
前記コンデンサ底面、及び、前記装置対向面の少なくとも一方は、前記コンデンサ底面と前記装置対向面とが対向する対向方向(Z)に凹凸状に形成された凹凸形状部(5)を有し、
前記底部流路の少なくとも一部は、前記凹凸形状部における凹部(52)の内側に形成された凹部内流路(40)であり、
前記コンデンサ底面及び前記装置対向面の一方は、前記対向方向に突出した嵌合凸部(61)を有し、他方は、前記対向方向に凹むとともに前記嵌合凸部に嵌合する嵌合凹部(62)を有する、電力変換装置(1)にある。
本発明のさらに他の態様は、コンデンサケース(21)内にコンデンサ素子(22)を内蔵したコンデンサ(2)と、
前記コンデンサを収容する装置ケース(3)と、
前記装置ケースの内面と前記コンデンサケースの外面との間に形成されるとともに冷媒が流通可能な冷媒流路(4)と、を有し、
前記冷媒流路は、前記コンデンサケースの底面であるコンデンサ底面(23)と、前記装置ケースにおける前記コンデンサ底面に対向する装置対向面(321)と、の間に形成された底部流路(400)を有し、
前記コンデンサ底面、及び、前記装置対向面の少なくとも一方は、前記コンデンサ底面と前記装置対向面とが対向する対向方向(Z)に凹凸状に形成された凹凸形状部(5)を有し、
前記底部流路の少なくとも一部は、前記凹凸形状部における凹部(52)の内側に形成された凹部内流路(40)であり、
前記装置ケースは、前記コンデンサケースを固定するためのボス部(7)を複数有し、複数の前記ボス部のうちの一部の前記ボス部は、前記冷媒流路に面するよう形成されており、かつ、前記コンデンサに対して前記冷媒流路の上流側と下流側とに形成されている、電力変換装置(1)にある。
【発明の効果】
【0007】
前記態様の電力変換装置において、冷媒流路は、コンデンサ底面と装置対向面との間に形成された底部流路を有する。それゆえ、底部流路を流れる冷媒は、コンデンサ底面に直接当たる。それゆえ、コンデンサを、コンデンサ底面からも効率的に冷却することができる。
【0008】
ここで、コンデンサ底面に直接冷媒を当てる場合、コンデンサには、コンデンサ底面に当たる冷媒から力(浮力)が作用する。そのため、装置ケースにコンデンサを固定し難くなることが懸念される。
【0009】
そこで、前記態様の電力変換装置は、コンデンサ底面、及び、装置対向面の少なくとも一方は、凹凸形状部を有する。そして、底部流路の少なくとも一部は、凹凸形状部における凹部の内側に形成された凹部内流路である。それゆえ、底部流路に流れる冷媒の流量を低減しやすく、これにより、コンデンサ底面と装置対向面との間に流れる冷媒からコンデンサに作用する力(浮力)を抑制することができる。以上のように、前記電力変換装置によれば、コンデンサをコンデンサ底面からも効率的に冷却しやすく、かつ、装置ケースに対するコンデンサの固定を強固にしやすい。
【0010】
以上のごとく、前記態様によれば、コンデンサの冷却性を向上させやすい電力変換装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1における、電力変換装置の上面図。
図2図1の、II−II線矢視断面図。
図3】実施形態1における、電力変換装置の上下方向に直交する断面図。
図4】実施形態1における、装置ケースの上面図。
図5図4の、V−V線矢視断面図。
図6】実施形態1における、装置ケースの上下方向に直交する断面図。
図7】実施形態1における、コンデンサを縦方向から見た図。
図8】実施形態1における、コンデンサを横方向から見た図。
図9】実施形態1における、コンデンサを下側から見た図。
図10】実施形態1における、コンデンサ素子の上下方向に平行な断面図。
図11】実施形態2における、コンデンサを下側から見た図。
図12】実施形態3における、コンデンサを下側から見た図。
図13】実施形態4における、コンデンサを下側から見た図。
図14】実施形態5における、電力変換装置の上下方向及び縦方向に平行な断面図。
図15】実施形態6における、電力変換装置の上下方向及び縦方向に平行な断面図。
図16】実施形態6における、装置ケースの上下方向に直交する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態1)
電力変換装置1の実施形態につき、図1図10を用いて説明する。
本実施形態の電力変換装置1は、図1図2に示すごとく、コンデンサ2と装置ケース3と冷媒流路4とを有する。図2に示すごとく、コンデンサ2は、コンデンサケース21内にコンデンサ素子22を内蔵している。装置ケース3は、コンデンサ2を収容している。冷媒流路4は、装置ケース3の内面とコンデンサケース21の外面との間に形成されるとともに冷媒が流通可能に構成されている。冷媒流路4は、コンデンサケース21の底面であるコンデンサ底面23と、装置ケースに3おけるコンデンサ底面23に対向する装置対向面321と、の間に形成された底部流路400を有する。コンデンサ底面23、及び、装置対向面321の少なくとも一方は、コンデンサ底面23と装置対向面321とが対向する対向方向に凹凸状に形成された凹凸形状部5を有する。底部流路400の少なくとも一部は、凹凸形状部5における凹部52の内側に形成された凹部内流路40である。以後、本実施形態の電力変換装置1につき詳説する。
【0013】
本明細書において、コンデンサ底面23と装置対向面321との対向方向は、鉛直方向である。以後、コンデンサ底面23と装置対向面321との対向方向を上下方向Z(例えば図2図5図7図8における上下方向に相当)という。また、上下方向Zの一方側を上側(例えば図2図5図7図8における上側に相当)といい、その反対側を下側という。また、上下方向Zに直交する一方向を縦方向Yという(例えば図1図3図4図6における上下方向に相当)。また、縦方向Yにおける一方側(例えば図1図3図4図6における下側に相当)を手前側といい、その反対側を奥側という。また、上下方向Z及び縦方向Yの双方に直交する方向を横方向X(例えば図1図3図4図6における左右方向に相当)という。横方向Xにおける一方側(例えば図1図3図4図6における左側に相当)を左側といい、その反対側(例えば図1図3図4図6における右側に相当)を右側という。
【0014】
本実施形態の電力変換装置1は、直流電力を三相交流電力に変換するインバータ装置である。図1に示すごとく、本実施形態の電力変換装置1は、コンデンサ2と3つの半導体モジュール11とを有する。半導体モジュール11は、正極側スイッチング素子と負極側スイッチング素子とを樹脂モールドしてなる、いわゆる2in1型の半導体モジュールである。3つの半導体モジュール11は、交流負荷のU相、V相、W相にそれぞれ接続される。また、本実施形態において、コンデンサ2は、電力変換装置1に入力される直流電圧を平滑化する、いわゆる平滑コンデンサである。本実施形態において、装置ケース3内には、3つの半導体モジュール11とコンデンサ2とが配されている。なお、コンデンサ2及び半導体モジュール11からは、端子が突出しており、当該端子にはバスバが接続されているが、これらの図示は省略している。
【0015】
図2に示すごとく、装置ケース3は、上下方向Zに分割されたアッパーケース31及びロアケース32を有する。アッパーケース31、ロアケース32の上側に配されている。
【0016】
アッパーケース31の内部には、上下方向Zに直交する面方向に冷媒が流通できる冷媒流路4が形成されている。図1図3図6に示すごとく、冷媒流路4は、冷媒流路4に冷媒を導入するための入口部41と、入口部41の下流側に形成されたコンデンサ配置部42と、コンデンサ配置部42の下流側に形成されたモジュール配置部43と、モジュール配置部43の下流側に形成され、冷媒流路4から冷媒を排出する出口部44と、を有する。図1図3に示すごとく、コンデンサ配置部42には、コンデンサ2が配置され、モジュール配置部43には、半導体モジュール11が配置される。コンデンサ配置部42の手前側端面の左側端部に入口部41が連通しており、右側端面の奥側端部に出口部44が連通している。モジュール配置部43は、左右に行ったり来たりするクランク形状を有する。半導体モジュール11は、モジュール配置部43における、横方向Xに伸びるとともに縦方向Yに並ぶ3つの部位にそれぞれ配されている。なお、図6において、冷媒流路4を流れる冷媒の向きを矢印で示している。ここで、図6においては、コンデンサ2を図示していないが、冷媒の流れる向きに関してはコンデンサ2を装置ケース3に取り付けた状態において流れる冷媒の向きを表している。
【0017】
図4図5に示すごとく、アッパーケース31は、冷媒流路4のコンデンサ配置部42とモジュール配置部43との上側を閉塞する天壁311を有する。図4に示すごとく、天壁311には、コンデンサ2を冷媒流路4に挿入するための第一開口部301と、半導体モジュール11を冷媒流路4に挿入するための第二開口部302とが形成されている。
【0018】
また、図1図2等に示すごとく、アッパーケース31には、冷媒流路4に冷媒を導入するための筒状の冷媒導入部312と、冷媒流路4から冷媒を排出するための冷媒排出部313と、が突出形成されている。冷媒導入部312の内側が冷媒流路4の入口部41であり、冷媒排出部313の内側が冷媒流路4の出口部44である。
【0019】
図2図5に示すごとく、アッパーケース31における冷媒流路4のコンデンサ配置部42及びモジュール配置部43の下側は、開口している。アッパーケース31の下側の開口は、アッパーケース31とロアケース32とを組み付けることにより閉塞される。図6に示すごとく、ロアケース32の上面には、後述の嵌合凹部62が、縦方向Yに4つ、等間隔に形成されている。なお、図4図5において、嵌合凹部の図示は省略している。
【0020】
図2に示すごとく、装置ケース3には、第一開口部301からコンデンサ2が挿入されている。図1に示すごとく、コンデンサ2は、縦方向Yに長尺に形成されており、略直方体形状を有する。前述のごとく、コンデンサ2は、コンデンサケース21とコンデンサ素子22とを有する。
【0021】
図2図7図9に示すごとく、コンデンサケース21は、略矩形板状のコンデンサ底壁211と、コンデンサ底壁211の周縁から上方に立設したコンデンサ側壁212と、コンデンサ側壁212の上端部から外周側に延設されたフランジ部213と、を有する。コンデンサ底壁211の下側の面が、コンデンサ底面23である。
【0022】
コンデンサ底面23は、その全面に凹凸形状部5を有する。凹凸形状部5は、下側に突出した凸部51と、凸部51の周囲に形成された凹部52とを有する。凹凸形状部5は、4つの凸部51を有する。各凸部51は、上側に形成された上側凸部511と、上側凸部511から更に下側に突出する下側凸部512とを有する。図7に示すごとく、上側凸部511は、横方向Xに長尺であり、コンデンサ底面23における横方向Xの一端から他端までにわたって連続的に形成されている。下側凸部512は、円柱状を呈しており、各凸部51に3つ形成されている。図7に示すごとく、各凸部51に形成された3つの下側凸部512は、横方向Xに等間隔に形成されている。図2図8図9に示すごとく、4つの凸部51は、縦方向Yに等間隔に形成されている。図8図9に示すごとく、4つの凸部51のうち、縦方向Yの両端に形成された凸部51は、コンデンサ底面23における縦方向Yの両端部から突出している。
【0023】
図2に示すごとく、本実施形態において、コンデンサ底面23は、下側に突出した嵌合凸部61を有し、装置対向面321は、下側に凹むとともに嵌合凸部61に嵌合する嵌合凹部62を有する。本実施形態において、嵌合凸部61は、上側凸部511の下側部分、及び下側凸部512によって構成されている。そして、嵌合凸部61の表面形状に沿うように、ロアケース32の装置対向面321に嵌合凹部62が形成されている。そして、凹部52とロアケース32とによって囲まれた領域が、前述の凹部内流路40である。本実施形態の凹部内流路40は、横方向Xに長尺な形状を有する。また、凹部内流路40は、縦方向Yに3つ並ぶよう形成されている。図9に示すごとく、凹部内流路40は、横方向Xの両側に開放されている。冷媒は、凹部内流路40を、横方向Xに流通する。
【0024】
図2図7図9に示すごとく、コンデンサ側壁212は、コンデンサ底壁211における縦方向Yに延びる辺から上側に立設された一対の第一側壁部212aと、コンデンサ底壁211における横方向Xに延びる辺から上側に立設された一対の第二側壁部212bとを有する。一対の第一側壁部212aは、上側に向うにつれて、互いに横方向Xに離れるよう傾斜している。すなわち、左側の第一側壁部212aは、上側に向うにつれて左側に向うよう傾斜しており、右側の第一側壁部212aは、上側に向うにつれて右側に向うよう傾斜している。また、一対の第二側壁部212bは、上側に向うにつれて、互いに縦方向Yに離れるよう傾斜している。すなわち、奥側の第二側壁部212bは、上側に向うにつれて奥側に向うよう傾斜しており、手前側の第二側壁部212bは、上側に向うにつれて手前側に向うよう傾斜している。
【0025】
図2に示すごとく、装置ケース3は、上下方向Zに直交する方向においてコンデンサケース21の側面であるコンデンサ側面24と対向する装置側面33を有する。本実施形態において、装置側面33は、上下方向Zに平行に形成されている。冷媒流路4は、コンデンサ2のコンデンサ側面24と装置側面33との間にも形成されている。コンデンサ側面24は、下側に向うほど、コンデンサ側面24と装置側面33との間の間隔が広がるよう傾斜している。
【0026】
図1図2に示すごとく、フランジ部213は、アッパーケース31の天壁311における第一開口部301の全周を覆うよう形成されている。図示は省略するが、フランジ部213は、天壁311の第一開口部301の全周に水密的に密着している。フランジ部213の四隅には、ボルトを挿通するためのボルト挿通孔213aが形成されている。なお、図1において、ボルトの図示は省略している。
【0027】
また、図2図3に示すごとく、装置ケース3は、コンデンサケース21を固定するためのボス部7を2つ有する。2つのボス部7は、フランジ部213の2つのボルト挿通孔213aの下側に形成されている。2つのボス部7は、冷媒流路4に面するよう形成されており、かつ、コンデンサ2に対して冷媒流路4の上流側と下流側とに形成されている。以後、上流側のボス部7をボス部71といい、下流側のボス部7をボス部72ということもある。
【0028】
コンデンサ2に対して冷媒流路4の上流側及び下流側に形成されたボス部71、72は、コンデンサ2のコンデンサ側面24に沿うよう形成されている。また、上流側のボス部71の上流側のコンデンサ側面24は、上流側(手前側)に凸の曲面形状を有する。また、下流側のボス部72の下流側のコンデンサ側面24は、下流側(右側)に凸の曲面形状を有する。図3に示すごとく、コンデンサ2及びボス部71、72は、全周が冷媒流路4で覆われている。
【0029】
図6に示すごとく、入口部41からコンデンサ配置部42に導入された冷媒は、上流側のボス部71、72にぶつかって、ボス部71、72の両脇を流れる。また、下流側のボス部71、72に向って流れる冷媒は、ボス部71、72の両脇を流れて、ボス部71、72の下流側に流れる。
【0030】
図2に示すごとく、コンデンサ素子22は、凹部内流路40と上下方向Zに重なる位置に形成されている。図10に示すごとく、コンデンサ素子22は、金属化フィルムを巻回してなるフィルムコンデンサ素子であり、その巻回軸方向が上下方向Zである。すなわち、コンデンサ素子22は、正電荷を帯電させる正側電極221と負電荷を帯電させる負側電極222とが、電気的絶縁性を有する誘電体フィルム223を介して対向するよう形成されると共に、これを巻回してなる。正側電極221及び負側電極222は、誘電体フィルム223に蒸着されている。正側電極221の下端部の全体、及び負側電極222の上端部の全体は、それぞれ、メタリコン電極12に接続されており、メタリコン電極12にはバスバ13が接続されている。図2に示すごとく、コンデンサケース21内には、コンデンサ素子22を封止するポッティング樹脂25が充填されている。
【0031】
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
本実施形態の電力変換装置1において、冷媒流路4は、コンデンサ底面23と装置対向面321との間に形成された底部流路400を有する。それゆえ、底部流路400を流れる冷媒は、コンデンサ底面23に直接当たる。それゆえ、コンデンサ2を、コンデンサ底面23からも効率的に冷却することができる。
【0032】
ここで、コンデンサ底面23に直接冷媒を当てる場合、コンデンサ2には、コンデンサ底面23に当たる冷媒から力(浮力)が作用する。そのため、装置ケース3にコンデンサ2を固定し難くなることが懸念される。
【0033】
そこで、本実施形態の電力変換装置1は、コンデンサ底面23、及び、装置対向面321の少なくとも一方は、凹凸形状部5を有する。そして、底部流路400の少なくとも一部は、凹凸形状部5における凹部52の内側に形成された凹部内流路40である。それゆえ、底部流路400に流れる冷媒の流量を低減しやすく、これにより、コンデンサ底面23と装置対向面321との間に流れる冷媒からコンデンサ2に作用する力(浮力)を抑制することができる。以上のように、本実施形態の電力変換装置1によれば、コンデンサ2をコンデンサ底面23からも効率的に冷却しやすく、かつ、装置ケース3に対するコンデンサ2の固定を強固にしやすい。
【0034】
また、凹部内流路40は、コンデンサ素子22と上下方向Zに重なる位置に形成されている。それゆえ、コンデンサ素子22の熱を、凹部内流路40を流れる冷媒に伝えやすい。それゆえ、コンデンサ2を一層冷却しやすい。さらに、コンデンサ素子22は、金属化フィルムを巻回してなるフィルムコンデンサ素子であり、その巻回軸方向が上下方向Zである。それゆえ、コンデンサ素子22の熱は、比較的熱抵抗の小さい正側電極221、負側電極222を上下方向Zに伝わり、コンデンサ素子22の下側に形成された凹部内流路40を流れる冷媒に伝わりやすい。それゆえ、コンデンサ素子22の放熱性を一層向上させやすい。
【0035】
また、冷媒流路4は、コンデンサ側面24と装置側面33との間にも形成されている。それゆえ、コンデンサ2の熱を、そのコンデンサ側面24及びコンデンサ底面23の双方から効率的に放熱できる。また、前述のごとく、凹部内流路40を有することにより、コンデンサ2のコンデンサ側面24及びコンデンサ底面23の双方に冷媒流路4を形成しても、コンデンサ2を強固に装置ケース3に固定することができる。
【0036】
また、コンデンサ側面24は、下側に向うほど、コンデンサ側面24と装置側面33との間の間隔が広がるよう傾斜している。それゆえ、コンデンサ2のコンデンサ側面24と装置側面33との間に形成された冷媒流路4は、下側ほど流路が広くなるため、下側、すなわち底部流路400側に冷媒が流れやすい。それゆえ、コンデンサ2の下側へ冷媒を流通させやすく、コンデンサ2の下側からの放熱性を一層向上させやすい。
【0037】
また、コンデンサ底面23は嵌合凸部61を有し、装置対向面321は嵌合凸部61に嵌合する嵌合凹部62を有する。それゆえ、装置ケース3に対してコンデンサ2が、上下方向Zに直交する面方向にずれることを防止することができる。また、嵌合凸部61と嵌合凸部61が嵌合しているため、コンデンサ底面23と装置対向面321との間に形成される冷媒流路4の体積を抑制しやすく、装置ケース3に対するコンデンサ2の固定をより強固にしやすい。また、底部流路400の上側に配されるコンデンサ底面23の面積を低減することができるため、冷媒からコンデンサ2に作用する浮力を一層抑制することができる。
【0038】
また、凹部内流路40は、上下方向Zに直交する方向(本実施形態においては横方向X)に長尺な形状を有する。そして、凹部内流路40の長手方向(本実施形態においては、横方向X)と上下方向Zとの双方に直交する方向(本実施形態においては縦方向Y)に複数並ぶよう形成されている。それゆえ、冷媒を、複数の冷媒流路4に流しても、流れが乱されにくい。これにより、凹部内流路40を流れる冷媒の流通が阻害されることによる冷却性能の悪化を防ぐことができる。
【0039】
また、装置ケース3は、コンデンサケース21を固定するためのボス部71、72を複数有し、複数のボス部7のうちの一部のボス部71、72は、冷媒流路4に面するよう形成されており、かつ、コンデンサ2に対して冷媒流路4の上流側と下流側とに形成されている。それゆえ、冷媒流路4にボス部71、72を形成でき、流路外にボス部71、72を形成することによる電力変換装置1の大型化を防止することができる。ここで、冷媒流路4にボス部71、72を形成した場合、ボス部71、72が冷媒流路4を流れる冷媒の流れを乱し、これにより冷却性能が低下するおそれがある。そこで、ボス部71、72を前述の位置に形成することにより、ボス部71、72を冷媒流路4に形成した場合であっても、ボス部71、72が、冷媒流路4を流れる冷媒の流れを阻害することを抑制することができる。つまり、コンデンサ配置部42に流入される冷媒は、上流側のボス部71、72にぶつかり、ボス部71、72の両脇を通り、コンデンサ2のコンデンサ側面24に効率的に流れる。そして、コンデンサ2のコンデンサ側面24を流れた冷媒は、下流側のボス部71、72の両脇を通り、スムーズにコンデンサ配置部42から排出される。
【0040】
以上のごとく、本実施形態によれば、コンデンサの冷却性を向上させやすい電力変換装置を提供することができる。
【0041】
(実施形態2)
本実施形態は、図11に示すごとく、実施形態1に対してコンデンサ2の凹凸形状部5の形状を変更した実施形態である。上側凸部511は、縦方向Yに長尺であり、コンデンサ底面23における縦方向Yの一端から他端までにわたって連続的に形成されている。下側凸部512は、各凸部51に6つ形成されている。各凸部51に形成された6つの下側凸部512は、縦方向Yに等間隔に形成されている。凸部51は、コンデンサ底壁211の4箇所から、下側に突出している。4つの凸部51は、横方向Xに等間隔に形成されている。4つの凸部51のうち、縦方向Yの両端に形成された凸部51は、コンデンサ底面23における横方向Xの両端部から突出している。
【0042】
図示は省略するが、本実施形態においても、ロアケース32に嵌合凹部62が形成されている。ロアケース32の嵌合凹部62は、コンデンサ2の上側凸部511の下側部分及び下側凸部512によって構成された嵌合凸部61に沿う形状を有する。
【0043】
そして、凹部内流路40は、縦方向Yに長尺な形状を有するとともに、横方向Xに3つ並ぶように形成されている。凹部内流路40は、縦方向Yの両側に開放されている。冷媒は、凹部内流路40を縦方向Yに流通する。
【0044】
その他は、実施形態1と同様である。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
【0045】
本実施形態においても、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0046】
(実施形態3)
本実施形態も、図12に示すごとく、実施形態1に対して、コンデンサ2の凹凸形状部5の形状を変更した実施形態である。上側凸部511は、奥側に向うほど右側に向うような第一斜め方向D1に長尺であり、コンデンサ底面23における斜め方向の一端から他端までにわたって連続的に形成されている。凸部51は、コンデンサ底壁211の6箇所から、下側に突出している。6つの凸部51は、上下方向Z及び第一斜め方向D1の双方に直交する第二斜め方向D2に等間隔に形成されている。6つの凸部51のうち、第二斜め方向D2の両端に形成された凸部51以外の凸部51において、下側凸部512は、第一斜め方向D1に等間隔に形成されている。なお、6つの凸部51のうち、第二斜め方向D2の両端に形成された凸部51のそれぞれは、1つの下側凸部512が形成されている。
【0047】
本実施形態においても、図示は省略するが、ロアケース32に嵌合凹部62が形成されている。ロアケース32の嵌合凹部62は、コンデンサ2の上側凸部511の下側部分及び下側凸部512によって構成された嵌合凸部61に沿う形状を有する。
【0048】
そして、凹部内流路40は、第一斜め方向D1に長尺な形状を有するとともに、第二斜め方向D2に5つ並ぶように形成されている。凹部内流路40は、第一斜め方向D1の両側に開放されている。冷媒は、凹部内流路40を第一斜め方向D1に流通する。すなわち、冷媒は、凹部内流路40を入口部41から出口部44に向う向きに流れる。
その他は、実施形態1と同様である。
【0049】
本実施形態においても、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0050】
(実施形態4)
本実施形態も、図13に示すごとく、実施形態1に対して、コンデンサ2の凹凸形状部5の形状を変更した実施形態である。上側凸部511は、横方向Xに4箇所、縦方向Yに7箇所、格子状に配されている。すなわち、上側凸部511は、横方向Xに4箇所、断続的に並んでおり、縦方向Yに7箇所、断続的に並んでいる。すなわち、上側凸部511は、4×7で計28個形成されている。各上側凸部511は、縦方向Yに長尺な形状を有する。そして、横方向Xの両側に形成された、縦方向Yに並ぶ上側凸部511の2つの列は、コンデンサ底面23における横方向Xの両端部から突出している。また、縦方向Yの両側に形成された、横方向Xに並ぶ上側凸部511の2つの列は、コンデンサ底面23における縦方向Yの両端部から突出している。
【0051】
そして、下側凸部512は、各上側凸部511の中央に1つ形成されている。
【0052】
本実施形態においても、図示は省略するが、ロアケース32に嵌合凹部62が形成されている。ロアケース32の嵌合凹部62は、コンデンサ2の上側凸部511の下側部分及び下側凸部512によって構成された嵌合凸部61に沿う形状を有する。
【0053】
そして、凹部内流路40は、縦方向Y及び横方向Xに形成された網目状を呈している。凹部内流路40は、縦方向Yの両側及び横方向Xの両側に開放されている。冷媒は、凹部内流路40を縦方向Y及び横方向Xに流通する。
その他、実施形態1と同様である。
【0054】
本実施形態においても、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0055】
(実施形態5)
本実施形態は、図14に示すごとく、実施形態1に対して、コンデンサ底面23と、装置対向面321との上下方向Zの位置関係を変更した実施形態である。本実施形態において、コンデンサ底面23は、装置対向面321と当接していない。本実施形態において、コンデンサ2の凸部51は、ロアケース32から上側に離れた位置に形成されている。これにより、本実施形態においては、上下方向Zにおける凸部51とロアケース32との間にも、底部流路400が形成されている。なお、上下方向Zにおける凸部51とロアケース32との間の長さは、上下方向Zにおける凹部52とロアケース32との間の長さよりも短い。また、本実施形態において、ロアケース32に嵌合凹部62は形成されていない。本実施形態において、装置対向面321は、平面状に形成されている。
その他は、実施形態1と同様である。
【0056】
本実施形態においては、コンデンサ底面23と底部流路400との接触面積を稼ぐことができ、これにより、コンデンサ底面23からの放熱性を向上させることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0057】
(実施形態6)
本実施形態は、図15図16に示すごとく、ロアケース32の装置対向面321に凹凸形状部5を形成した実施形態である。ロアケース32の装置対向面321は、上側に突出した凸部51と、凸部51の周囲に形成された凹部52とを有する。凹凸形状部5は、4つの凸部51を有する。各凸部51は、下側に形成された第一凸部51aと、第一凸部51aから更に上側に突出する第二凸部51bとを有する。図16に示すごとく、第一凸部51aは、横方向Xに長尺である。第二凸部51bは、円柱状を呈しており、各凸部51に3つ形成されている。各凸部51に形成された3つの第二凸部51bは、横方向Xに等間隔に形成されている。4つの凸部51は、縦方向Yに等間隔に形成されている。
【0058】
本実施形態において、コンデンサ底面23は、上下方向Zに直交する平面状に形成されている。そして、コンデンサ底面23とロアケース32の凸部51の上面(すなわち第二凸部51bの上面)とは当接している。そして、凹凸形状部5の凹部52とコンデンサ底面23とに囲まれた領域が、凹部内流路40である。凹部内流路40は、横方向Xに長尺な形状を有するとともに、縦方向Yに3つ並ぶよう形成されている。凹部内流路40は、横方向Xの両側に開放されている。冷媒は、凹部内流路40を横方向Xに流通する。
その他は、実施形態1と同様である。
【0059】
本実施形態においても、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0060】
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 電力変換装置
21 コンデンサケース
23 コンデンサ底面
3 装置ケース
321 装置対向面
4 冷媒流路
40 凹部内流路
400 底部流路
5 凹凸形状部
52 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16