特許第6981081号(P6981081)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6981081残存直流成分の測定方法、装置及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981081
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】残存直流成分の測定方法、装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/079 20130101AFI20211202BHJP
   H04B 10/61 20130101ALI20211202BHJP
【FI】
   H04B10/079 190
   H04B10/61
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-147694(P2017-147694)
(22)【出願日】2017年7月31日
(65)【公開番号】特開2018-46552(P2018-46552A)
(43)【公開日】2018年3月22日
【審査請求日】2020年5月14日
(31)【優先権主張番号】201610822048.X
(32)【優先日】2016年9月13日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】チェヌ・ハオ
(72)【発明者】
【氏名】タオ・ジェヌニン
【審査官】 鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−168223(JP,A)
【文献】 特開2016−010040(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/143664(WO,A1)
【文献】 特開2011−228819(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/105081(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/079
H04B 10/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一偏波の光通信システムに適用される、残存直流成分の測定装置であって、
受信信号から第1所定長のデータを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたデータに対して高速フーリエ変換を行い、前記データの周波数領域信号を取得する変換手段と、
前記変換手段により変換された前記データの周波数領域信号の電力スペクトルを計算する計算手段と、
周波数オフセット範囲内の前記電力スペクトルの最大ピーク値を取得し、前記最大ピーク値の電力を前記残存直流成分の電力とする決定手段と、を含む、測定装置。
【請求項2】
前記第1所定長の選択の規則は、前記第1所定長が前記光通信システムの位相雑音の変化周期よりも短く、且つ前記第1所定長の選択が一定の範囲内のスペクトル分解能を確保することである、請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
二重偏波の光通信システムに適用される、残存直流成分の測定装置であって、
2つの偏波状態における受信信号から第1所定長のデータをそれぞれ選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された2つのデータに対して高速フーリエ変換を行い、各データの周波数領域信号を取得する変換手段と、
前記変換手段により変換された各データの周波数領域信号の電力スペクトルを計算し、算出された2つの電力スペクトルを加算する計算手段と、
周波数オフセット範囲内の加算された電力スペクトルの最大ピーク値を取得し、前記最大ピーク値の電力を前記残存直流成分の電力の和とする決定手段と、を含む、測定装置。
【請求項4】
前記第1所定長の選択の規則は、前記第1所定長が前記光通信システムの位相雑音の変化周期よりも短く、且つ前記第1所定長の選択が一定の範囲内のスペクトル分解能を確保することである、請求項に記載の測定装置。
【請求項5】
二重偏波の光通信システムに適用される、残存直流成分の測定装置であって、
2つの偏波状態における残存直流成分の電力の和を測定する第1測定手段と、
2つの偏波状態における残存直流成分の電力の差を測定する第2測定手段と、
前記第1測定手段により測定された電力の和及び前記第2測定手段により測定された電力の差に基づいて、光送信機の各偏波状態における残存直流成分の電力を計算する計算手段と、を含み、
前記第1測定手段は、
前記2つの偏波状態における受信信号から第1所定長のデータをそれぞれ選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された2つのデータに対して高速フーリエ変換を行い、各データの周波数領域信号を取得する変換手段と、
前記変換手段により変換された各データの周波数領域信号の電力スペクトルを計算し、算出された2つの電力スペクトルを加算する計算手段と、
周波数オフセット範囲内の加算された電力スペクトルの最大ピーク値を取得し、前記最大ピーク値の電力を前記残存直流成分の電力の和とする決定手段と、を含む、測定装置。
【請求項6】
前記第1所定長の選択の規則は、前記第1所定長が前記光通信システムの位相雑音の変化周期よりも短く、且つ前記第1所定長の選択が一定の範囲内のスペクトル分解能を確保することである、請求項に記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術の分野に関し、特に光送信機の残存直流成分の測定方法、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信システムでは、光送信機の直流(DC:direct−current)成分は、伝送リンクを経て光受信機により処理された後に、最終的な信号回復及び通信品質に大きなコストをもたらしてしまう。通信速度の向上及びネットワーク状態の複雑化に伴い、このコストの影響はますます顕著になっている。
【0003】
従来技術では、コヒーレント送信機の変調器のバイアスを柔軟に構成することで、光送信機の直流成分をできるだけ低減し、光送信機の直流成分の影響を低減できる(参考文献1)。しかし、どのような送信機の構成方法を採用しても、残存直流成分がやはり存在する。よって、通信品質の悪化につながる。一方、光送信機の残存直流成分の大きさが未知であるため、通信ネットワークの監視及び診断では、診断エラーが生じる可能性があるため、不適切な対応方法に繋がり、通信システムの性能に影響を及ぼしてしまう。
【0004】
参考文献1:米国特許出願公開第2014/0308047号明細書
なお、背景技術に関する上記の説明は、単なる本発明の技術案をより明確、完全に説明するためのものであり、当業者を理解させるために説明するものであり。これら技術案が本発明の背景技術の部分に説明されているから当業者にとって周知の技術であると解釈してはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の発明者の発見によると、光送信機の残存直流成分の大きさが未知であるため、光受信側で受信された残存直流成分は通信ネットワークの診断エラーに繋がり、通信システムの性能に影響を及ぼす可能性がある。
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の実施例は、光送信機の残存直流成分の測定方法、装置及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例の第1態様では、単一偏波の光通信システムに適用される、残存直流成分の測定方法であって、受信信号から第1所定長のデータを選択するステップと、前記選択されたデータに対して高速フーリエ変換を行い、前記データの周波数領域信号を取得するステップと、前記変換された前記データの周波数領域信号の電力スペクトルを計算するステップと、周波数オフセット範囲内の前記電力スペクトルの最大ピーク値を取得し、前記最大ピーク値の電力を前記残存直流成分の電力とするステップと、を含む、測定方法を提供する。
【0008】
本発明の実施例の第2態様では、二重偏波の光通信システムに適用される、残存直流成分の測定方法であって、2つの偏波状態における受信信号から第1所定長のデータをそれぞれ選択するステップと、前記選択された2つのデータに対して高速フーリエ変換を行い、各データの周波数領域信号を取得するステップと、前記変換された各データの周波数領域信号の電力スペクトルを計算し、算出された2つの電力スペクトルを加算するステップと、周波数オフセット範囲内の加算された電力スペクトルの最大ピーク値を取得し、前記最大ピーク値の電力を前記残存直流成分の電力の和とするステップと、を含む、測定方法を提供する。
【0009】
本発明の実施例の第3態様では、二重偏波の光通信システムに適用される、残存直流成分の測定方法であって、2つの偏波状態における残存直流成分の電力の和を測定するステップと、2つの偏波状態における残存直流成分の電力の差を測定するステップと、前記電力の和及び前記電力の差に基づいて、光送信機の各偏波状態における残存直流成分の電力を計算するステップと、を含む、測定方法を提供する。
【0010】
本発明の実施例の第4態様では、単一偏波の光通信システムに適用される、残存直流成分の測定装置であって、受信信号から第1所定長のデータを選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたデータに対して高速フーリエ変換を行い、前記データの周波数領域信号を取得する変換手段と、前記変換手段により変換された前記データの周波数領域信号の電力スペクトルを計算する計算手段と、周波数オフセット範囲内の前記電力スペクトルの最大ピーク値を取得し、前記最大ピーク値の電力を前記残存直流成分の電力とする決定手段と、を含む、測定装置を提供する。
【0011】
本発明の実施例の第5態様では、二重偏波の光通信システムに適用される、残存直流成分の測定装置であって、2つの偏波状態における受信信号から第1所定長のデータをそれぞれ選択する選択手段と、前記選択手段により選択された2つのデータに対して高速フーリエ変換を行い、各データの周波数領域信号を取得する変換手段と、前記変換手段により変換された各データの周波数領域信号の電力スペクトルを計算し、算出された2つの電力スペクトルを加算する計算手段と、周波数オフセット範囲内の加算された電力スペクトルの最大ピーク値を取得し、前記最大ピーク値の電力を前記残存直流成分の電力の和とする決定手段と、を含む、測定装置を提供する。
【0012】
本発明の実施例の第6態様では、二重偏波の光通信システムに適用される、残存直流成分の測定装置であって、2つの偏波状態における残存直流成分の電力の和を測定する第1測定手段と、2つの偏波状態における残存直流成分の電力の差を測定する第2測定手段と、前記第1測定手段により測定された電力の和及び前記第2測定手段により測定された電力の差に基づいて、光送信機の各偏波状態における残存直流成分の電力を計算する計算手段と、を含む、測定装置を提供する。
【0013】
本発明の実施例の第7態様では、上記第4、5及び6態様の何れかに記載の装置を含む受信機を提供する。
【0014】
本発明の実施例の第8態様では、送信機及び受信機を含む光通信システムであって、上記第4、5及び6態様の何れかに記載の装置をさらに含む光通信システムを提供する。
【0015】
本発明の実施例の有益な効果としては、本発明の実施例によれば、光通信システムの受信側において光送信機の残存直流成分を測定できるため、通信ネットワークの診断エラーを回避でき、通信システムの性能を向上できる。また、受信側において残存直流成分を測定することで、既存のネットワークのトポロジ及びソフトウェア/ハードウェアの構成を変更することがなく、任意の変調フォーマットのコヒーレント光通信システムに適用できる。
【0016】
下記の説明及び図面に示すように、本発明の特定の実施形態が詳細に開示され、本発明の原理を採用できる方式が示される。なお、本発明の実施形態の範囲はこれらに限定されない。本発明の実施形態は、添付される特許請求の範囲の要旨及び項目の範囲内において、変更されたもの、修正されたもの及び均等的なものを含む。
【0017】
1つの実施形態に記載された特徴及び/又は示された特徴は、同一又は類似の方式で1つ又はさらに多くの他の実施形態で用いられてもよいし、他の実施形態における特徴と組み合わせてもよいし、他の実施形態における特徴に代わってもよい。
【0018】
なお、本文では、用語「包括/含む」は、特徴、部材、ステップ又はコンポーネントが存在することを指し、一つ又は複数の他の特徴、部材、ステップ又はコンポーネントの存在又は付加を排除しない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
含まれる図面は、本発明の実施例をさらに理解するために用いられ、明細書の一部を構成し、本発明の実施形態を例示するために用いられ、文言の記載と共に本発明の原理を説明する。なお、以下に説明される図面は、単なる本発明の一部の実施例であり、当業者にとっては、これらの図面に基づいて他の図面を容易に想到できる。
図1】単一偏波のコヒーレント光通信システム100を示す図である。
図2】本発明の実施例1の残存直流成分の測定方法のフローチャートである。
図3】二重偏波のコヒーレント光通信システム300を示す図である。
図4】本発明の実施例2の残存直流成分の測定方法のフローチャートである。
図5】本発明の実施例3の残存直流成分の測定方法のフローチャートである。
図6】本発明の実施例4の残存直流成分の測定装置600の構成を示す図である。
図7】本発明の実施例5の残存直流成分の測定装置700の構成を示す図である。
図8】本発明の実施例6の残存直流成分の測定装置800の構成を示す図である。
図9】本発明の実施例7の受信機の1つの態様を示す図である。
図10】本発明の実施例7の受信機のもう1つの態様を示す図である。
図11】本発明の実施例8の光通信システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の上記及びその他の特徴は、図面及び下記の説明により理解できるものである。明細書及び図面では、本発明の特定の実施形態、即ち本発明の原則に従う一部の実施形態を表すものを公開している。なお、本発明は説明される実施形態に限定されず、本発明は、特許請求の範囲内の全ての修正、変更されたもの、及び均等なものを含む。
【0021】
本発明の実施例は、光送信機の残存直流成分の測定方法、装置及びシステムを提供し、該方法は、光受信機により受信された信号を分析することで、光送信機における残存直流成分を測定する。該方法は、受信側で残存直流成分を測定するため、既存のネットワークのトポロジ及びソフトウェア/ハードウェアの構成を変更することがなく、即ち既存の通信システムに余分な影響を及ぼすことがなく、また、該方法は任意の変調フォーマットのコヒーレント光通信システム、例えば位相偏移キーイング(PSK:Phase Shift Keying)や直交振幅変調(QAM:Quadrature Amplitude Modulation)等に適用できる。
【0022】
以下は、図面を参照しながら本発明の実施例の各態様を説明する。これらの態様は単なる例示的なものであり、本発明の実施例を限定するものではない。
【0023】
<実施例1>
本実施例は残存直流成分の測定方法を提供し、該方法は単一偏波のコヒーレント光通信システムに適用される。
【0024】
図1は単一偏波のコヒーレント光通信システム100を示す図である。図1に示すように、コヒーレント光通信システム100は、光送信機101、光受信機103及び伝送リンク102を含む。光送信機101は、単一偏波の光信号を出力するレーザ104、IQ変調器105及びPMカプラ106等を含む。光送信機101のハードウェア又は構成が理想的ではないため、IQ変調器105により変調された信号が残存直流成分を含み、且つ該残存直流成分を含む信号が伝送リンク102を経て光受信機103により受信される。本実施例の方法は、光受信機103により受信された信号を受信側において処理することで、ビット誤り率などの特性の分析のための該残存直流成分を測定でき、システムの性能を向上できる。
【0025】
図2は本実施例の残存直流成分の測定方法のフローチャートである。図2に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0026】
ステップ201:受信信号から第1所定長のデータを選択する。
【0027】
ステップ202:該選択されたデータに対して高速フーリエ変換を行い、該データの周波数領域信号を取得する。
【0028】
ステップ203:該変換された該データの周波数領域信号の電力スペクトルを計算する。
【0029】
ステップ204:周波数オフセット範囲内の該電力スペクトルの最大ピーク値を取得し、該最大ピーク値の電力を該残存直流成分の電力とする。
【0030】
本実施例では、周波数領域の最大ピークを抽出するという方法を用いて残存直流成分の電力を測定し、受信側で測定するため、ネットワークのトポロジ及びソフトウェア/ハードウェアの構成を変更する必要がなく、既存の光通信システムに余分な影響を及ぼすことがない。本実施例の方法により測定された残存直流成分の電力は、ビット誤り率特性などの分析に適用でき、システムの性能を向上できる。
【0031】
ステップ201において、受信信号から第1所定長のデータを選択してもよい。ここの受信信号は光受信機から受信されたものであり、ここの第1所定長の選択は、位相雑音の大きさ及び後続の周波数領域処理の分解能(resolution)に関連し、適切なサイズを選択する必要がある。例えば、大き過ぎる第1所定長は好ましくなく、該第1所定長が光通信システムの位相雑音の変化周期よりも短いことは好ましい。また、小さ過ぎる第1所定長も好ましくなく、十分なスペクトル分解能を確保する必要があり、即ち該第1所定長の選択は一定の範囲内のスペクトル分解能を確保する必要がある。例えば、シンボルレートが30Gの光通信システムでは、該第1所定長の選択は、1MHz〜100MHzのスペクトル分解能を確保する必要がある。
【0032】
ステップ202において、選択されたデータに対して高速フーリエ変換を行い、該データの周波数領域信号を取得してもよい。具体的な変換方法は従来技術を参照してもよく、ここでその説明を省略する。
【0033】
ステップ203及びステップ204において、該周波数領域信号の電力スペクトルを計算し、周波数オフセット範囲内の該電力スペクトルの最大ピーク値を取得し、その電力を該残存直流成分の電力としてもよい。
【0034】
本実施例では、該周波数領域信号の電力スペクトルの計算方法を限定せず、従来技術を参照してもよい。
【0035】
本実施例では、周波数オフセット範囲は、コヒーレント光通信システムにおける発振器レーザとキャリアレーザとの周波数の差の範囲を意味し、その経験値は例えば0Hz〜1GHzである。
【0036】
本実施例では、周波数オフセット範囲において電力スペクトルの最大ピーク値を取得する方法は従来技術を参照してもよく、ここでその説明を省略する。
【0037】
本実施例では、該最大ピーク値の電力は即ち該残存直流成分の電力であり、以下のように表されてもよい。
【0038】
Pa=PX,N1(f0)
ここで、Xは該受信信号であり、N1は該第1所定長であり、f0は該最大ピーク値における周波数である。
【0039】
本発明の実施例の測定方法によれば、単一偏波のコヒーレント光通信システムの受信側において光送信機の残存直流成分の電力を測定できるため、該光送信機の残存直流成分の電力のビット誤り率性能への影響を評価することで通信ネットワークの性能変化を診断、調整でき、通信ネットワークの診断エラーを回避でき、通信システムの性能を向上できる。また、該方法を用いて残存直流成分を測定することで、既存のネットワークのトポロジ及びソフトウェア/ハードウェアの構成を変更することがなく、任意の変調フォーマットのコヒーレント光通信システムに適用できる。
【0040】
<実施例2>
本実施例は残存直流成分の測定方法を提供し、該方法は二重偏波のコヒーレント光通信システムに適用される。
【0041】
図3は二重偏波のコヒーレント光通信システム300を示す図である。図3に示すように、コヒーレント光通信システム300は、光送信機301、光受信機303及び伝送リンク302を含む。光送信機301は、二重偏波の光信号を出力するレーザ304、IQ変調器305及びPMカプラ306等を含む。光送信機301のハードウェア又は構成が理想的ではないため、IQ変調器305により変調された信号が水平偏波状態及び垂直偏波状態における残存直流成分を含み、且つ該残存直流成分を含む信号が伝送リンク302を経て光受信機303により受信される。本実施例の方法は、光受信機303により受信された信号を受信側において処理することで、ビット誤り率特性などの分析のための該残存直流成分を測定でき、システムの性能を向上できる。
【0042】
図4は本実施例の残存直流成分の測定方法のフローチャートである。図4に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0043】
ステップ401:2つの偏波状態における受信信号から第1所定長のデータをそれぞれ選択する。
【0044】
ステップ402:該選択された2つのデータに対して高速フーリエ変換を行い、各データの周波数領域信号を取得する。
【0045】
ステップ403:該変換された各データの周波数領域信号の電力スペクトルを計算し、算出された2つの電力スペクトルを加算する。
【0046】
ステップ404:周波数オフセット範囲内の加算された電力スペクトルの最大ピーク値を取得し、該最大ピーク値の電力を該残存直流成分の電力の和とする。
【0047】
本実施例では、周波数領域の最大ピークを抽出するという方法を用いて残存直流成分の電力の和を測定する。受信側で測定するため、ネットワークのトポロジ及びソフトウェア/ハードウェアの構成を変更する必要がなく、既存の光通信システムに余分な影響を及ぼすことがない。本実施例の方法により測定された残存直流成分の電力の和は、ビット誤り率特性などの分析に適用でき、システムの性能を向上できる。
【0048】
ステップ401において、2つの偏波状態における受信信号から第1所定長のデータをそれぞれ選択してもよい。ここの2つの偏波状態は水平偏波状態及び垂直偏波状態を意味し、ここの2つの偏波状態の受信信号は光受信機から受信されたものである。
【0049】
ステップ402において、該選択された2つのデータに対して高速フーリエ変換を行い、各データの周波数領域信号を取得してもよい。
【0050】
ステップ401〜402と実施例1のステップ201〜202との差異としては、実施例1のステップ201〜202は単一偏波の受信信号のみを選択、変換し、ステップ401〜402は2つの偏波状態の受信信号をそれぞれ選択、変換する。第1所定長の選択及び具体的な変換方法は、実施例1と同様であり、ここでその説明を省略する。
【0051】
ステップ403〜404において、該変換された各データの周波数領域信号の電力スペクトルを計算し、算出された2つの電力スペクトルを加算し、加算された電力スペクトルを取得して、周波数オフセット範囲内の加算された電力スペクトルの最大ピーク値を取得し、該最大ピーク値の電力を該残存直流成分の電力の和としてもよい。
【0052】
本実施例では、該周波数領域信号の電力スペクトルの計算方法、及び周波数オフセット範囲において電力スペクトルの最大ピーク値を取得する方法は、実施例1と同様であり、従来技術を参照してもよく、ここでその説明を省略する。
【0053】
本実施例では、該最大ピーク値の電力Paは、以下のように表されてもよい。
【0054】
Pa=PXY,N1(f0)
ここで、X及びYは該2つの偏波状態における受信信号であり、N1は該第1所定長であり、f0は該最大ピーク値における周波数である。
【0055】
本実施例では、該最大ピーク値の電力Paを、水平偏波状態における残存直流成分の電力mdと垂直偏波状態における残存直流成分の電力mdとの電力の和としてもよく、即ちPa=md+md
【0056】
本実施例では、光送信機の2つの偏波状態における残存直流成分の電力の和を取得できれば、従来方法を用いて該光送信機の2つの偏波状態における残存直流成分の電力を取得でき、本実施例は具体的な方法に限定されない。例えば、従来方法を用いて該光送信機の2つの偏波状態における残存直流成分の電力の差を取得し、該電力の和及び電力の差に基づいて、最終的に該光送信機の2つの偏波状態における残存直流成分の電力を取得してもよい。
【0057】
本発明の実施例の測定方法によれば、コヒーレント光通信システムの受信側において光送信機の2つの偏波状態における残存直流成分の電力を測定できるため、該光送信機の残存直流成分の電力のビット誤り率性能への影響を評価することで通信ネットワークの性能変化を診断、調整でき、通信ネットワークの診断エラーを回避でき、通信システムの性能を向上できる。また、該方法を用いて残存直流成分を測定することで、既存のネットワークのトポロジ及びソフトウェア/ハードウェアの構成を変更することがなく、任意の変調フォーマットのコヒーレント光通信システムに適用できる。
【0058】
<実施例3>
本実施例は残存直流成分の測定方法を提供し、該方法は図3に示す二重偏波のコヒーレント光通信システム300に適用される。本実施例の方法は、光受信機303により受信された信号を受信側において処理することで、ビット誤り率特性などの分析のための該残存直流成分を測定でき、システムの性能を向上できる。
【0059】
図5は本実施例の残存直流成分の測定方法のフローチャートである。図5に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0060】
ステップ501:2つの偏波状態における残存直流成分の電力の和を測定する。
【0061】
ステップ502:2つの偏波状態における残存直流成分の電力の差を測定する。
【0062】
ステップ503:該電力の和及び該電力の差に基づいて、光送信機の各偏波状態における残存直流成分の電力を計算する。
【0063】
本実施例では、ステップ501は実施例2の方法を用いて実現されてもよく、その内容をここで援用し、その説明を省略する。
【0064】
本実施例では、ステップ502は従来技術を参照してもよく、ここでその説明を省略する。
【0065】
ステップ503において、2つの偏波状態における残存直流成分の電力の和Pa及び2つの偏波状態における残存直流成分の電力の差Pbを取得できれば、光送信機の水平偏波状態における残存直流成分の電力md及び垂直偏波状態における残存直流成分の電力mdを取得でき、以下のように表される。
【数1】
【0066】
本発明の実施例の測定方法によれば、コヒーレント光通信システムの受信側において測定された光送信機の2つの偏波状態における残存直流成分の電力の和及び電力の差に基づいて、光送信機の残存直流成分の電力を測定できるため、後続の処理により通信ネットワークの診断エラーを回避でき、通信システムの性能を向上できる。また、該測定方法を用いて残存直流成分を測定することで、既存のネットワークのトポロジ及びソフトウェア/ハードウェアの構成を変更することがなく、任意の変調フォーマットのコヒーレント光通信システムに適用できる。
【0067】
以上は実施例1、実施例2及び実施例3において送信機の残存直流成分の測定方法を説明し、送信機の残存直流成分の電力を取得しているが、これに基づいて信号と残存直流成分の電力との比をさらに計算してもよく、該比は伝送特性に関連するため、ビット誤り率特性の測定及び分析に適用でき、システム性能を向上できる。
【0068】
二重偏波の光通信システムの例では、本実施例では、2つの偏波状態における信号電力Ps及びPsを測定し、該2つの偏波状態における残存直流成分の電力に基づいて、信号と残存直流成分の電力との比をさらに取得してもよい。
【0069】
本実施例では、該信号と残存直流成分の電力との比R、Rは以下のように表されてもよい。
【0070】
=Ps/md
=Ps/md
ここで、Psは水平偏波状態における信号の電力であり、Psは垂直偏波状態における信号の電力であり、mdは水平偏波状態における残存直流成分の電力であり、mdは垂直偏波状態における残存直流成分の電力である。
【0071】
本実施例では、該2つの光偏波状態における総信号と総残存直流成分の電力との比Rは以下のように表されてもよい。
【0072】
R=(Ps+Ps)/(md+md
本実施例では2つの偏波状態における信号電力Ps及びPsの測定方法が限定されず、従来方法を用いてもよく、ここでその説明を省略する。
【0073】
<実施例4>
本実施例は残存直流成分の測定装置を提供し、該装置は図1に示す単一偏波のコヒーレント光通信システム100に適用される。該装置の問題解決の原理は実施例1の方法と類似するため、その具体的な実施は実施例1の方法の実施を参照してもよく、同様な内容について説明を省略する。
【0074】
図6は本実施例の残存直流成分の測定装置の構成を示す図である。図6に示すように、残存直流成分の測定装置600は、選択部601、変換部602、計算部603及び決定部604を含む。
【0075】
選択部601は、受信信号から第1所定長のデータを選択する。
【0076】
変換部602は、選択部601により選択されたデータに対して高速フーリエ変換を行い、該データの周波数領域信号を取得する。
【0077】
計算部603は、変換部602により変換された該データの周波数領域信号の電力スペクトルを計算する。
【0078】
決定部604は、周波数オフセット範囲内の該電力スペクトルの最大ピーク値を取得し、該最大ピーク値の電力を該残存直流成分の電力とする。
【0079】
本実施例では、上述したように、該第1所定長の選択の規則は、該第1所定長が該光通信システムの位相雑音の変化周期よりも短く、且つ該第1所定長の選択が一定の範囲内のスペクトル分解能を確保することである。
【0080】
本発明の実施例の測定装置によれば、単一偏波のコヒーレント光通信システムの受信側において光送信機の残存直流成分の電力を測定できるため、該光送信機の残存直流成分の電力のビット誤り率性能への影響を評価することで通信ネットワークの性能変化を診断、調整でき、通信ネットワークの診断エラーを回避でき、通信システムの性能を向上できる。また、該装置を用いて残存直流成分を測定することで、既存のネットワークのトポロジ及びソフトウェア/ハードウェアの構成を変更することがなく、任意の変調フォーマットのコヒーレント光通信システムに適用できる。
【0081】
<実施例5>
本実施例は残存直流成分の測定装置を提供し、該装置は図3に示す二重偏波のコヒーレント光通信システム300に適用される。該装置の問題解決の原理は実施例2の方法と類似するため、その具体的な実施は実施例2の方法の実施を参照してもよく、同様な内容について説明を省略する。
【0082】
図7は本実施例の残存直流成分の測定装置の構成を示す図である。図7に示すように、残存直流成分の測定装置700は、選択部701、変換部702、計算部703及び決定部704を含む。
【0083】
選択部701は、2つの偏波状態における受信信号から第1所定長のデータをそれぞれ選択する。
【0084】
変換部702は、選択部701により選択された2つのデータに対して高速フーリエ変換を行い、各データの周波数領域信号を取得する。
【0085】
計算部703は、変換部702により変換された各データの周波数領域信号の電力スペクトルを計算し、算出された2つの電力スペクトルを加算する。
【0086】
決定部704は、周波数オフセット範囲内の加算された電力スペクトルの最大ピーク値を取得し、該最大ピーク値の電力を前記残存直流成分の電力の和とする。
【0087】
本実施例では、上述したように、該第1所定長の選択の規則は、該第1所定長が該光通信システムの位相雑音の変化周期よりも短く、且つ該第1所定長の選択が一定の範囲内のスペクトル分解能を確保することである。
【0088】
本実施例では、上述したように、光送信機の2つの偏波状態における残存直流成分の電力の和を取得できれば、従来方法を用いて該光送信機の2つの偏波状態における残存直流成分の電力を取得できるため、該光送信機の残存直流成分の電力のビット誤り率性能への影響を評価することで通信ネットワークの性能変化を診断、調整でき、通信ネットワークの診断エラーを回避でき、通信システムの性能を向上できる。また、該方法を用いて残存直流成分を測定することで、既存のネットワークのトポロジ及びソフトウェア/ハードウェアの構成を変更することがなく、任意の変調フォーマットのコヒーレント光通信システムに適用できる。
【0089】
<実施例6>
本実施例は残存直流成分の測定装置を提供し、該装置は図3に示す二重偏波のコヒーレント光通信システム300に適用される。該装置の問題解決の原理は実施例3の方法と類似するため、その具体的な実施は実施例3の方法の実施を参照してもよく、同様な内容について説明を省略する。
【0090】
図8は本実施例の残存直流成分の測定装置の構成を示す図である。図8に示すように、残存直流成分の測定装置800は、第1測定部801、第2測定部802及び計算部803を含む。
【0091】
第1測定部801は、2つの偏波状態における残存直流成分の電力の和を測定する。
【0092】
第2測定部802は、2つの偏波状態における残存直流成分の電力の差を測定する。
【0093】
計算部803は、第1測定部801により測定された電力の和及び第2測定部802により測定された電力の差に基づいて、光送信機の各偏波状態における残存直流成分の電力を計算する。
【0094】
本実施例では、第1測定部801は実施例5の残存直流成分の測定装置700により実現されてもよい。即ち、第1測定部801は、2つの偏波状態における受信信号から第1所定長のデータをそれぞれ選択する選択部と、選択部により選択された2つのデータに対して高速フーリエ変換を行い、各データの周波数領域信号を取得する変換部と、変換部により変換された各データの周波数領域信号の電力スペクトルを計算し、算出された2つの電力スペクトルを加算する計算部と、周波数オフセット範囲内の加算された電力スペクトルの最大ピーク値を取得し、最大ピーク値の電力を残存直流成分の電力の和とする決定部と(各部はいずれも図示せず)を含んでもよい。
【0095】
本実施例では、第2測定部802の電力の差の測定方法を限定せず、従来技術を参照してもよく、ここでその説明を省略する。
【0096】
本実施例では、計算部803の具体的な態様は実施例3のステップ503と同様であり、ここでその説明を省略する。
【0097】
本実施例では、光送信機の2つの偏波状態における残存直流成分の電力を取得し、信号と残存直流成分の電力との比をさらに計算してもよい。該比は伝送特性に関連するため、ビット誤り率特性の測定及び分析に適用でき、システム性能を向上できる。ここで、信号と残存直流成分の電力との比は、2つの偏波状態における信号電力Ps及びPsと該2つの偏波状態における残存直流成分の電力との比を計算することで取得され、本実施例では2つの偏波状態における信号電力Ps及びPsの測定方法が限定されない。
【0098】
本発明の実施例の測定装置によれば、コヒーレント光通信システムの受信側において測定された光送信機の2つの偏波状態における残存直流成分の電力の和及び電力の差に基づいて、光送信機の2つの偏波状態における残存直流成分の電力を正確に測定できるため、該光送信機の残存直流成分の電力のビット誤り率性能への影響を評価することで通信ネットワークの性能変化を診断、調整でき、通信ネットワークの診断エラーを回避でき、通信システムの性能を向上できる。また、該装置を用いて残存直流成分を測定することで、既存のネットワークのトポロジ及びソフトウェア/ハードウェアの構成を変更することがなく、任意の変調フォーマットのコヒーレント光通信システムに適用できる。
【0099】
<実施例7>
本実施例は受信機を提供し、図9に示すように、該受信機900は、実施例4〜6の何れかに記載の残存直流成分の測定装置を含んでもよい。実施例4〜実施例6では残存直流成分の測定装置600、残存直流成分の測定装置700及び残存直流成分の測定装置800を詳細に説明しているため、ここでその内容を援用し、その説明を省略する。
【0100】
図10は本発明の実施例7の受信機のシステム構成を示すブロック図であり、二重偏波のコヒーレント光通信システムに適用される受信機を一例にする。図10に示すように、受信機1000はフロントエンドを含む。
【0101】
フロントエンドの作用は、入力された光信号を2つの偏波状態におけるベースバンド信号に変換することであり、本発明の実施例では、該2つの偏波状態はH偏波状態及びV偏波状態を含んでもよい。
【0102】
図10に示すように、該フロントエンドは、局部レーザ発振器1010、光混合器(Optical 90deg hybird)1001、光電検出器(O/E)1002、1004、1006及び1008、A/D変換器(ADC)1003、1005、1007及び1009、分散補償器1012、等化器1013、並びに残存直流成分の測定装置1011を含む。残存直流成分の測定装置1011の構成及び機能は実施例5又は実施例6における記載と同じであり、ここでその説明を省略する。局部レーザ発振器1010はローカル光源を提供し、光信号は、光混合器(Optical 90deg hybird)1001、光電検出器(O/E)1002及び1004、A/D変換器(ADC)1003及び1005により1つの偏波状態におけるベースバンド信号に変換される。該光信号は、光混合器(Optical 90deg hybird)1001、光電検出器(O/E)1006及び1008、A/D変換器(ADC)1007及び1009によりもう1つの偏波状態におけるベースバンド信号に変換される。その具体的なプロセスは従来技術と類似し、ここでその説明を省略する。
【0103】
また、光対雑音比(OSNR:Optical Signal Noise Ratio)の推定が周波数オフセット及び位相雑音により影響されると、受信機1000は、周波数オフセット補償器及び位相雑音補償器(図示せず)をさらに含んでもよい。また、図10の受信機1000の構成は単なる例示的なものであり、具体的に実施する際に、必要に応じて構成部を追加してもよいし、削除してもよい。
【0104】
本発明の実施例の受信機によれば、光通信システムの受信側において光送信機の残存直流成分を正確に測定できるため、通信ネットワークの診断エラーを回避でき、通信システムの性能を向上できる。また、該受信機を用いて残存直流成分を測定することで、既存のネットワークのトポロジ及びソフトウェア/ハードウェアの構成を変更することがなく、任意の変調フォーマットのコヒーレント光通信システムに適用できる。
【0105】
<実施例8>
本実施例は光通信システムをさらに提供する。図11は本実施例の光通信システムの構成を示す図である。図11に示すように、光通信システム1100は、送信機1101、伝送リンク1102、受信機1103及び残存直流成分の測定装置1104を含む。
【0106】
本実施例では、残存直流成分の測定装置1104の構成及び機能は実施例4〜6の何れかに記載と同様であり、ここでその説明を省略する。
【0107】
本実施例では、残存直流成分の測定装置1104は、光受信機1103に統合され、光受信機1103の1つのモジュールとされてもよい。
【0108】
本実施例では、送信機1101及び伝送リンク1102は従来の伝送リンクの構成及び機能を有してもよく、本発明の実施例は送信機及び伝送リンクの構成及び機能を限定しない。
【0109】
本発明の実施例の光通信システムによれば、光通信システムの受信側において光送信機の残存直流成分を測定できるため、通信ネットワークの診断エラーを回避でき、通信システムの性能を向上できる。また、該光通信システムを用いて残存直流成分を測定することで、既存のネットワークのトポロジ及びソフトウェア/ハードウェアの構成を変更することがなく、任意の変調フォーマットのコヒーレント光通信システムに適用できる。
【0110】
本発明の実施例は、受信機においてプログラムを実行する際に、コンピュータに、該受信機において実施例1乃至実施例3の何れかに記載の方法を実行させる、コンピュータ読み取り可能なプログラムをさらに提供する。
【0111】
本発明の実施例は、コンピュータに、受信機において実施例1乃至実施例3の何れかに記載の方法を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムを記憶する、記憶媒体をさらに提供する。
【0112】
本発明の以上の装置及び方法は、ハードウェアにより実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアを結合して実現されてもよい。本発明はコンピュータが読み取り可能なプログラムに関し、該プログラムはロジック部により実行される時に、該ロジック部に上述した装置又は構成要件を実現させる、或いは該ロジック部に上述した各種の方法又はステップを実現させることができる。本発明は上記のプログラムを記憶するための記憶媒体、例えばハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、DVD、フラッシュメモリ等に関する。
【0113】
以上、具体的な実施形態を参照しながら本発明を説明しているが、上記の説明は、例示的なものに過ぎず、本発明の保護の範囲を限定するものではない。本発明の趣旨及び原理を離脱しない限り、本発明に対して各種の変形及び修正を行ってもよく、これらの変形及び修正も本発明の範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11