特許第6981101号(P6981101)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981101
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】ノイズマージン監視及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/079 20130101AFI20211202BHJP
   H04B 10/69 20130101ALI20211202BHJP
【FI】
   H04B10/079 150
   H04B10/69
【請求項の数】18
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-160706(P2017-160706)
(22)【出願日】2017年8月24日
(65)【公開番号】特開2018-67910(P2018-67910A)
(43)【公開日】2018年4月26日
【審査請求日】2020年5月14日
(31)【優先権主張番号】15/296,661
(32)【優先日】2016年10月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ボウダ・マーティン
【審査官】 鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−326755(JP,A)
【文献】 特開2000−183818(JP,A)
【文献】 国際公開第99/048231(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0317077(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0008663(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/079
H04B 10/69
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光トランスポートネットワークの中のネットワークリンクを監視する方法であって、前記方法は、
第1期間の間に、受信機においてデータストリームに第1レベルの追加ノイズを注入するステップと、
前記第1期間について第1ビット誤り率(BER)を計算するステップと、
第2期間の間に、前記受信機において前記データストリームに第2レベルの追加ノイズを注入するステップであって、前記第2レベルの追加ノイズは前記第1レベルの追加ノイズと異なり、前記第1及び第2期間は重なり合わない、ステップと、
前記第2期間について第2BERを計算するステップと、
前記第1BER及び前記第2BERに基づき、前記ネットワークリンクの特性を決定するステップであって、前記ネットワークリンクの前記特性は、前記ネットワークリンクの信号対雑音比(SNR)とBERとの間の関係である、ステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記第1レベルの追加ノイズを注入するステップ、及び前記第2レベルの追加ノイズを注入するステップは、第3期間の間、繰り返される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第3期間について第3BERを計算するステップ、を更に有する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第3BERを目標BERに調整するために前記第1期間及び前記第2期間を変更するステップ、を更に有し、前記目標BERは前記ネットワークリンクの前方誤り訂正閾より低い、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1期間が、所定閾だけ、前記第2期間を超えるとき、措置を講じるステップ、を更に有する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記措置は、警告の発行を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記措置は、前記ネットワークリンクにおけるSNRの調整を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記ネットワークリンクの特性に基づき前記ネットワークリンクのノイズマージンを調整するステップ、を更に有する請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記ノイズマージンは、前記第1レベルの追加ノイズ及び前記第2レベルの追加ノイズに対応する、請求項に記載の方法。
【請求項10】
光トランスポートネットワークの中の受信機であって、前記受信機は、
ノイズ生成器と、
前記ノイズ生成器に結合される制御部と、
を有し、前記制御部は、
第1期間の間、データストリームに第1レベルの追加ノイズを注入するよう前記ノイズ生成器に指示し、前記データストリームはネットワークリンクを介して受信されるデータを有し、
前記第1期間について第1ビット誤り率(BER)を計算し、
第2期間の間、前記データストリームに第2レベルの追加ノイズを注入するよう前記ノイズ生成器に指示し、前記第2レベルの追加ノイズは前記第1レベルの追加ノイズと異なり、前記第1及び第2期間は重なり合わず、
前記第2期間について第2BERを計算し、
前記第1BER及び前記第2BERに基づき、前記ネットワークリンクの特性を決定する、
よう構成され、前記ネットワークリンクの前記特性は、前記ネットワークリンクの信号対雑音比(SNR)とBERとの間の関係である、受信機。
【請求項11】
前記制御部は、第3期間の間、前記第1レベルの追加ノイズ及び前記第2レベルの追加ノイズを注入するよう前記ノイズ生成器に指示することを繰り返す、請求項10に記載の受信機。
【請求項12】
前記制御部は、前記第3期間について第3BERを計算するよう更に構成される、請求項11に記載の受信機。
【請求項13】
前記制御部は、前記第3BERを目標BERに調整するために前記第1期間及び前記第2期間を変更するよう更に構成され、前記目標BERは前記ネットワークリンクの前方誤り訂正閾より低い、請求項12に記載の受信機。
【請求項14】
前記制御部は、前記第1期間が、所定閾だけ、前記第2期間を超えるとき、措置を講じるよう更に構成される、請求項13に記載の受信機。
【請求項15】
前記措置は、警告の発行を含む、請求項14に記載の受信機。
【請求項16】
前記措置は、前記ネットワークリンクにおけるSNRの調整を含む、請求項14に記載の受信機。
【請求項17】
前記制御部は、前記ネットワークリンクの特性に基づき前記ネットワークリンクのノイズマージンを調整するよう更に構成される、請求項10に記載の受信機。
【請求項18】
光トランスポートネットワークの中のネットワークリンクを監視する方法であって、前記方法は、
第1期間の間に、受信機においてデータストリームに第1レベルの追加ノイズを注入するステップと、
前記第1期間について第1ビット誤り率(BER)を計算するステップと、
第2期間の間に、前記受信機において前記データストリームに第2レベルの追加ノイズを注入するステップであって、前記第2レベルの追加ノイズは前記第1レベルの追加ノイズと異なり、前記第1及び第2期間は重なり合わない、ステップと、
第3期間について第2BERを計算するステップであって、前記第3期間は前記第1及び第2期間を含む、ステップと、
前記第1BER及び前記第2BERに基づき、前記ネットワークリンクの特性を決定するステップであって、前記ネットワークリンクの前記特性は、前記ネットワークリンクの信号対雑音比(SNR)とBERとの間の関係である、ステップと、
を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、光通信ネットワークに関し、より詳細には、光通信ネットワークにおけるノイズマージンを監視及び制御するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気通信システム、ケーブルテレビシステム、データ通信ネットワークは、光ネットワークを用いて、遠隔地点間で大量の情報を迅速に伝達する。光ネットワークでは、情報は、光ファイバを通じて光信号の形式で伝達され得る。光ファイバは、長距離に渡り信号を伝達可能なガラスの細い紐を有し得る。光ネットワークは、ネットワーク内で種々の動作を実行するために、増幅器、分散補償器、マルチプレクサ/デマルチプレクサフィルタ、波長選択スイッチ(WSS)、光スイッチ、カプラ、等のような種々の光学要素を有して良い。
【0003】
光ネットワークの中のノイズは、データ送信を破損し、光信号によりデータを信頼できるように送信し及び受信するネットワーク能力に影響を与える場合がある。例えば、ノイズは、送信機からのデータの1又は複数のビットが受信機において誤って解釈されるビット誤りを引き起こす場合がある。光ネットワークは、ネットワークノイズにより引き起こされるビット誤りを検出し訂正する技術を利用する場合が多い。しかしながら、このような誤り訂正技術は、ビット誤り率が特定閾を超えると、機能停止してしまう場合がある。
【0004】
ネットワークの中のノイズは、ネットワーク状態及び機器の変化に起因して時間に渡り変動し得る。したがって、ビット誤り率がビット誤り率閾より低いことを保証するために、ノイズマージンが使用される場合がある。ノイズマージンが増大すると、回復不能なビット誤りが生じる可能性は低くなる。しかしながら、増大したノイズマージンは、ネットワークの送信距離及び/又は通信スループットを制限することがある。したがって、現在ネットワーク状態に基づき最適ノイズマージンを選択するために、時間に渡りネットワーク上のノイズを監視することが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0005】
特定の実施形態では、光トランスポートネットワークにおいてネットワークリンクを監視する方法は、第1期間の間、受信機においてデータストリームに第1レベルの追加ノイズを注入するステップを有する。方法は、第1期間について第1ビット誤り率(BER)を計算するステップを更に有する。方法は、第2期間の間、受信機においてデータストリームに第2レベルの追加ノイズを注入するステップを更に有し、第2レベルの追加ノイズは第1レベルの追加ノイズと異なり、第1及び第2期間は重なり合わない。方法は、第2期間について第2BERを計算するステップを更に有する。さらに、方法は、第1BER及び第2BERに基づきネットワークリンクの特性を決定するステップを有する。
【0006】
別の実施形態では、光トランスポートネットワークの中の受信機は、ノイズ生成器を有する。受信機は、ノイズ生成器に結合される制御部を更に有する。制御部は、第1の期間の間、データストリームに第1レベルの追加ノイズを注入するようノイズ生成器に指示するよう構成される。データストリームは、ネットワークリンクを介して受信されるデータを有する。制御部は、第1期間について第1ビット誤り率(BER)を計算するよう更に構成される。制御部は、第2期間の間、データストリームに第2レベルの追加ノイズを注入するようノイズ生成器に指示するよう更に構成され、第2レベルの追加ノイズは第1レベルの追加ノイズと異なり、第1及び第2期間は重なり合わない。さらに、制御部は、第2期間について第2BERを計算するよう構成されて良い。さらに、制御部は、第1BER及び第2BERに基づきネットワークリンクの特性を決定するよう構成される。
【0007】
別の実施形態では、光トランスポートネットワークにおいてネットワークリンクを監視する方法は、第1期間の間、受信機においてデータストリームに第1レベルの追加ノイズを注入するステップを有する。方法は、第1期間について第1ビット誤り率(BER)を計算するステップを更に有する。方法は、第2期間の間、受信機においてデータストリームに第2レベルの追加ノイズを注入するステップを更に有し、第2レベルの追加ノイズは第1レベルの追加ノイズと異なり、第1及び第2期間は重なり合わない。方法は、第3期間について第2BERを計算するステップを更に有し、第3期間は第1期間及び第2期間を含む。方法は、第1BER及び第2BERに基づきネットワークリンクの特性を決定するステップを更に有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明並びにその特徴及び利点のより完全な理解のため、添付の図と共に以下の説明を参照する。
図1】光トランスポートネットワークの一実施形態の選択された要素のブロック図である。
図2】光ネットワークの中の受信機の一実施形態の選択された要素のブロック図である。
図3】ネットワークリンク上のビット誤り率と信号対雑音比との間の関係を示すグラフである。
図4】2つのレベルの追加ノイズによるビット誤りを有する例示的なデジタルストリームを示す。
図5】時間に渡る例示的なネットワークリンクのビット誤り率を示すグラフである。
図6】光ネットワークにおいてノイズマージンを監視及び制御する方法の選択された要素のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、開示の主題の議論を容易にするために例として詳細事項が説明される。しかしながら、当業者には、開示の実施形態が例示であること及び全ての可能な実施形態を網羅するものではないことが明らかである。
【0010】
本開示を通じて、ハイフンで結んだ形式の参照符号は、1つの要素の特定のインスタンスを表し、ハイフンを有しない形式の参照符号は、要素を一般的又は集合的に表す。したがって、例として(図示しない)、装置12−1は、装置クラスのインスタンスを表し、装置12として集合的に言及されて良く、それらのうちの任意のものが装置12として一般的に言及されて良い。図及び説明の中で、同様の記号は同様の要素を表す。
【0011】
図を参照すると、図1は、光通信システムを表し得る光ネットワーク101の例示的な実施形態を示す。光ネットワーク101は、光ネットワーク101のコンポーネントにより通信される1又は複数の光信号を運ぶために、1又は複数の光ファイバ106を有して良い。光ネットワーク101のネットワーク要素は、ファイバ106により互いに結合され、1又は複数の送信機102、1又は複数のマルチプレクサ(MUX)104、1又は複数の光増幅器108、1又は複数の光アド/ドロップマルチプレクサ(optical add/drop multiplexer:OADM)110、及び1又は複数のデマルチプレクサ(DEMUX)105、及び1又は複数の受信機112を有して良い。
【0012】
光ネットワーク101は、端末ノードを有するポイントツーポイント型光ネットワーク、リング型光ネットワーク、メッシュ型光ネットワーク、又は任意の他の適切な光ネットワーク若しくは光ネットワークの組合せを有して良い。光ネットワーク101は、短距離都市域ネットワーク、長距離都市間ネットワーク、又は任意の他の適切なネットワーク若しくはネットワークの組合せの中で用いられて良い。光ネットワーク101の容量は、例えば、100Gbit/s、400Gbit/s、又は1Tbit/sを有して良い。光ファイバ106は、非常に低損失で長距離に渡り信号を伝達可能なガラスの細い紐を有して良い。光ファイバ106は、光伝送のために種々の異なるファイバから選択される適切な種類のファイバを有して良い。光ファイバ106は、SMF(Single−Mode Fiber)、E−LEAF(Enhanced Large Effective Area Fiber)、又はTW−RS(TrueWave(登録商標)Reduced Slope)ファイバのような任意の適切な種類のファイバを有して良い。
【0013】
光ネットワーク101は、光ファイバ106を介して光信号を送信する装置を有して良い。情報は、波長に関する情報を符号化するために1又は複数の光の波長の変調により、光ネットワーク101を通じて送信及び受信されて良い。光ネットワークでは、光の波長は、光信号に含まれるチャネル(本願明細書では「波長チャネル」としても参照される)とも称されることがある。各チャネルは、光ネットワーク101を通じて特定量の情報を伝達して良い。
【0014】
光ネットワーク101の情報容量及び伝送能力を増大するために、複数のチャネルで送信される複数の信号は、単一の広帯域光信号に結合されて良い。複数のチャネルで情報を通信するプロセスは、光学的にWDM(wavelength division multiplexing)として言及される。CWDM(Coarse wavelength division multiplexing)は、通常20nmより大きく16個の波長より少ない、少ないチャネル数を有する広く間隔の開けられた波長の、1本のファイバへの多重化を表す。また、DWDM(dense wavelength division multiplexing)は、通常0.8nmより狭い間隔で40個より多い、多くのチャネル数を有する密な間隔の波長の、1本のファイバへの多重化を表す。WDM又は他の複数波長多重送信技術は、光ファイバ当たりの集約帯域幅を増大するために、光ネットワークで用いられる。WDM無しでは、光ネットワークにおける帯域幅は、たった1波長のビットレートに制限され得る。より大きな帯域幅により、光ネットワークは、より多くの情報を送信できる。光ネットワーク101は、WDM又は何らかの他の適切な多チャネル多重化技術を用いて異なるチャネルを送信し、多チャネル信号を増幅して良い。
【0015】
光ネットワーク101は、特定の波長又はチャネルで、光ネットワーク101を通じて光信号を送信する1又は複数の光送信機(Tx)102を有して良い。送信機102は、電気信号を光信号に変換し該光信号を送信するシステム、機器、又は装置を有して良い。例えば、送信機102は、それぞれ、レーザと、電気信号を受信し該電気信号に含まれる情報を特定の波長でレーザにより生成される光のビームに変調し光ネットワークを通じて信号を伝達するビームを送信する変調器と、を有して良い。
【0016】
マルチプレクサ104は、送信機102に結合されて良く、送信機102により、例えばそれぞれ個々の波長で送信される信号を、WDM信号に結合するシステム、機器又は装置であって良い。
【0017】
光増幅器108は、光ネットワーク101の中の多チャネル信号を増幅して良い。光増幅器108は、特定長のファイバ106の前又は後に置かれて良い。光増幅器108は、光信号を増幅するシステム、機器又は装置を有して良い。例えば、光増幅器108は、光信号を増幅する光リピータを有して良い。この増幅は、光−電気又は電気−光変換により実行されて良い。幾つかの実施形態では、光増幅器108は、希土類元素をドープされた光ファイバを有し、ドープ光ファイバ増幅素子を形成して良い。信号がファイバを通過するとき、外部エネルギがポンプの形式で印可され、光ファイバのドープされた部分の原子を励起し、光信号の強度を増大する。一例として、光増幅器108は、エルビウムドープファイバ増幅器(erbium−doped fiber amplifier:EDFA)を有して良い。
【0018】
OADM110は、ファイバ106を介して光ネットワーク101に結合されて良い。OADM110は、ファイバ106から光信号を(例えば、個々の波長で)アッド又はドロップするシステム、機器又は装置を有しても良いアッド/ドロップモジュールを有して良い。OADM110を通過した後に、光信号は、ファイバ106に沿って宛先へと直接進んで良く、或いは、信号は、宛先に達する前に、1又は複数の追加OADM110及び/又は光増幅器108を通過して良い。
【0019】
光ネットワーク101の特定の実施形態では、OADM110は、WDM信号の個々の又は複数の波長をアッド又はドロップできるROADM(reconfigurable OADM)を表して良い。個々の又は複数の波長は、例えば、ROADMに含まれ得るWSS(wavelength selective switch)(明示しない)を用いて光ドメインの中でアッド又はドロップされて良い。
【0020】
図1に示すように、光ネットワーク101は、ネットワーク101の1又は複数の宛先に、1又は複数のデマルチプレクサ105を有して良い。デマルチプレクサ105は、単一の合成WDM信号をそれぞれの波長において個々のチャネルに分離することによりデマルチプレクサとして動作するシステム、機器又は装置を有して良い。例えば、光ネットワーク101は、40チャネルDWDM信号を伝送して良い。デマルチプレクサ105は、40個の異なるチャネルに従って、信号、40チャネルDWDM信号を40個の別個の信号に分割して良い。
【0021】
図1に示すように、光ネットワーク101は、デマルチプレクサ105に結合される受信機112も有して良い。各受信機112は、特定の波長又はチャネルで送信される光信号を受信し、該光信号をそれらに含まれる情報(例えば、送信機102において通信のために符号化されたデータ)を得る(例えば、復調する)ために処理して良い。したがって、ネットワーク101は、ネットワークの各チャネル毎に少なくとも1つの受信機112を有して良い。
【0022】
図1の光ネットワーク101のような光ネットワークは、光ファイバを介して光信号の中で情報を伝達するために、変調技術を用いて良い。このような変調方式は、変調技術の他の例の中でも特に、PSK(phase−shift keying)、FSK(frequency−shift keying)、ASK(amplitude−shift keying)、PAM(pulse−amplitude modulation)及びQAM(quadrature amplitude modulation)を有して良い。PSKでは、光信号により伝達される情報は、搬送波又は単にキャリアとしても知られる参照信号の位相を変調することにより変換されて良い。情報は、2レベル又はBPSK(binary phase−shift keying)、4レベル又はQPSK(quadrature phase−shift keying)、M−PSK(multi−level phase−shift keying)及びDPSK(differential phase−shift keying)を用いて信号自体の位相を変調することにより搬送されて良い。QAMでは、光信号により運ばれる情報は、搬送波の振幅と位相の両方を変調することにより伝達されて良い。PSKは、QAMの一部であると考えられる。ここで、搬送波の振幅は、一定に維持される。
【0023】
さらに、PDM(polarization division multiplexing)技術は、情報送信のために、より大きなビットレートを達成できる。PDM伝送は、チャネルに関連する光信号の異なる偏光成分に情報を独立に変調することを含む。この方法では、各偏光成分は、他の偏光成分と別個の信号を同時に伝達できる。それにより、個々の偏光成分の数に従い、ビットレートを増大させることができる。光信号の偏波は、通常、光信号の振動方向を表し得る。用語「偏波」は、通常、光信号の伝搬方向に垂直な、空間内のある点における光信号の電場ベクトルの先端により追跡される経路を表し得る。
【0024】
図1の光ネットワーク101のような光ネットワークでは、管理プレーン、制御プレーン、及びトランスポートプレーン(物理層と呼ばれることが多い)を言及することが通常である。中央管理ホスト(図示しない)は、管理プレーンに存在して良く、制御プレーンのコンポーネントを構成し管理して良い。管理プレーンは、トランスポートプレーン及び制御プレーンのエンティティ(例えば、ネットワーク要素)全てに渡る最終的な制御を有する。一例として、管理プレーンは、1又は複数の処理リソース、データ記憶コンポーネント、等を含む中央処理センタ(例えば、中央管理ホスト)を有して良い。管理プレーンは、制御プレーンの要素と電気的に通信して良く、トランスポートプレーンの1又は複数のネットワーク要素と電気的に通信して良い。管理プレーンは、システム全体の管理機能を実行し、ネットワーク要素、制御プレーン及びトランスポートプレーンの間の調整を提供して良い。例として、管理プレーンは、要素の観点から1又は複数のネットワーク要素を取り扱うEMS(element management system)、ネットワークの観点から多くの装置を取り扱うNMS(network management system)、及びネットワーク全体の動作を取り扱うOSS(operational support system)を有して良い。
【0025】
本開示の範囲から逸脱することなく、光ネットワーク101に対し変更、追加又は省略が行われて良い。例えば、光ネットワーク101は、図1に示すものより多くの又は少ない要素を有して良い。説明のために、光ネットワーク101は、信号劣化を低減し及び信号品質を保証するよう信号再生成及び/又は再カラーリングを実行するシステム、機器、又は装置を有して良い。また、上述のように、ポイントツーポイントネットワークとして図示されたが、光ネットワーク101は、リング、メッシュ、及び/又は階層構造のネットワークトポロジのような光信号を送信する任意の適切なネットワークトポロジを有して良い。
【0026】
ノイズ及び信号劣化は、ネットワークの信頼性に影響を与える場合がある。ノイズは、光ネットワークの中の多くのソースから生じ得る。例えば、ノイズは、電気信号が光信号に変換されるとき、又はその逆のとき、ネットワーク内の要素により生成されて良い。ノイズは、チャネル干渉、歪み、偏光、非線形効果、外部干渉、又は他の影響若しくはソースに起因して、ネットワーク内の光ファイバの中で生じて良い。ノイズは、位相ノイズ、音響ノイズ、及びモードノイズのような異なる形式を取り得る。ノイズに加えて、信号がネットワークリンクに沿って伝搬するにつれ、光信号の強度は弱められ又は減衰され得る。信号減衰は、分散、曲げ損失、又は信号が伝搬するとき光エネルギに影響を与える他の要因により引き起こされ得る。信号減衰の量は、例えば、ネットワーク機器の状態及び/又はネットワーク機器の近くの環境に依存して、時間に渡り変動し得る。
【0027】
光信号に符号化されたデータの回復は、ノイズが増大し及び/又は光信号強度が減少するとき、一層困難になり得る。例えば、ビット(例えば、1s及び0s)のようなデータは、データにより符号化された光信号の形式でネットワークリンクに渡り送信されて良い。ネットワークリンク上のノイズが増大し及び/又は信号が強度を失うとき、受信機は、光信号から送信データを復号化するのに問題を経験する場合がある。ビット誤りは、例えば、送信機により送信される0ビットが受信機において1ビットとして誤って認識されるとき、又はその逆のとき、生じ得る。
【0028】
光ネットワークは、データ送信の間に生じるビット誤りを訂正するために、1又は複数の技術を使用して良い。1つのこのような誤り訂正技術は、前方誤り訂正(forward error correction:FEC)である。FECでは、データは冗長な方法で符号化される。したがって、受信機は、ビット誤りが生じるときを検出し、送信機からのデータ再送信を要求することなく元の送信データを回復できる。しかしながら、FECは、閾ビット誤り率(BER)を有する場合がある。閾BERを超えると、誤り管理技術は、もはや元の送信データを回復させることができない。このようなシナリオでは、データは失われる場合があり、再送信が要求され得る。したがって、光ネットワークリンク上のBERを制限することは、ネットワークのスループット及び信頼性を保証するために望ましい。FEC閾は、送信データの中の冗長量を含む特定の誤り訂正方法に依存し得る。
【0029】
光ネットワークの中のBERを低減する1つの方法は、信号対雑音比(signal−to−noise ratio:SNR)を増大することである。SNRは、ノイズパワーに対する信号パワーの比である。SNRが増大すると、信号のパワー(符号化データを表す所望の情報)は、望ましくないノイズのパワーに対して増大する。SNRは、送信機において光信号に符号化されたデータをネットワーク内で生じるノイズから区別する受信機の能力に影響を与える。したがって、SNRは、ネットワークリンク内のBERに直接影響し得る。SNRは、信号強度を向上し及び/又はネットワークリンク内のノイズを低減することにより向上され得る。
【0030】
光ネットワークは、ネットワークにおける通信の信頼性を保証するためにノイズマージンを利用できる。ノイズマージンは、リンクに渡り信頼できるように通信する能力を妥協することなくネットワークリンク内で生じ得る超過ノイズ量(例えば、ネットワーク内の実際の背景ノイズを超えるノイズ)を表して良い。つまり、ノイズマージンは、FECが誤り訂正を確実に実行するのを停止する閾より下に、BERを維持して良い。ノイズマージンが大きいほど、ネットワークリンク内のBERが低くなる。したがって、より少ない頻度でデータ損失(例えば、FECが検出及び訂正できないビット誤り)が生じ得る。より大きなノイズマージンは、データ損失又は破損無くネットワークリンク内の実際のノイズのより大きな変動も許容する。したがって、より大きなノイズマージンは、予期せぬノイズがネットワーク内で生じるとき、ネットワーク機能停止を防ぐことができる。
【0031】
しかしながら、ノイズマージンの増大は、ネットワーク機器にその完全な能力より下で動作させ得る。より大きなノイズマージンは、光ネットワークリンクがより高いSNR(例えば、ノイズマージンに関連付けられるより低いBERに適合するSNR)で動作することを要求し得る。したがって、例えば光信号が増幅又は再生無しに伝搬することが許される距離は、減少し得る。追加機器(例えば、光再生成器又は増幅器)又は信号操作(例えば、フィルタリング、再シェーピング、等)が、より高いSNRを維持するために要求される場合がある。同様に、種々のネットワーク要素は、より高いSNRを維持するために、それらのデータ送信レートを低減することを要求される場合がある。したがって、ノイズマージンは、ネットワークリンクに渡る通信信頼性を向上するが、一方で、ネットワーク性能の制限若しくは低下、及び/又は追加機器及び機能に起因するネットワークのコストの増大という予期せぬ結果を有する場合がある。
【0032】
ネットワーク資源の効率的使用とネットワークリンクに渡る通信信頼性とを平衡するために、ネットワークリンク内のノイズマージンを監視し及び調整することが望ましい場合がある。上述のように、ネットワーク内のノイズは、ネットワーク内の1又は複数の条件及び/又は機器が変化するとき、時間に渡り変動し得る。例えば、新しい機器がネットワークリンクに追加されて良く、既存の機器が経年、動き、及び/又は損傷によりより雑音が多くなって良い。機器の又はその近くの状態も、ノイズ及び信号強度に影響し、これはまたネットワークリンク上のSNRに影響し得る。ノイズ変動に加えて、ネットワークリンクの他の特性は、時間に渡り変化し得る。例えば、非線形の影響又はネットワークリンクに対する他の機能障害は、ある時間から別の時間に渡り、特定量のノイズ(例えば、ノイズがBERに与える影響)について結果として生じるBERを変化させ得る。したがって、ネットワークリンク上のノイズ及びこのようなノイズがリンクの信頼性に及ぼす影響は、時間に渡り変化し得る。異なるノイズレベルに渡りネットワークリンクの性能を監視することにより、ノイズ及びネットワークリンクの特性に関して詳細が学習できる。以下により詳細に説明するように、このような情報は、ネットワークの連続及び効率的運用を保証するよう、ノイズマージン又はネットワークリンクを調整するために使用できる。
【0033】
図2は、光ネットワークの中の例示的な受信機を示す。図1に関して上述したように、受信機112は、図1に関して上述したデマルチプレクサ105からの光信号のような光信号を入力として受信して良い。光信号は、光信号を電気信号に変換する光電変換器210に進んで良い。光電変換器210から出力されるアナログ電気信号は、A/D変換器211によりデジタル信号に変換され、次にデジタル信号プロセッサ(DSP)212により処理されて良い。また、デジタル決定回路(digital decision circuit:DDC)214は、DSP212からの出力をデジタルビットストリーム(例えば、1及び0)に変換して良い。前方誤り訂正(Forward error correction:FEC)216は、データがネットワークに結合される装置へ送出される前に、デジタルストリームの中のビット誤りを検出し訂正して良い。
【0034】
光電変換器210は、光信号を電気信号に変換する任意のシステム、機器、又は装置を有して良い。光電変換器210により生成される電気信号は、変換器に入力される光信号の電気的表現である。例えば、電気信号の電圧の大きさは、光信号の強度に対応して良い。電気信号は、次にA/D変換器211によりデジタル信号に変換されるアナログ信号であって良い。
【0035】
DSP212は、光電変換器210からの電気信号に対して1又は複数の処理を実行して良い。DSP212は、信号を処理可能な任意のシステム、機器又は装置であって良い。例えば、DSP212は、信号処理のために最適化されるマイクロプロセッサであって良い。DSP212は、例えばノイズを低減する、信号強度を向上する、信号を位相シフトする、及び/又は他の処理ステップのような1又は複数の処理ステップを信号に対して実行して良い。一例として、DSP212は、信号がデジタルビットストリームに変換される前に、信号をフィルタリングし、適応させ、及び/又は位相シフトして良い。このような処理ステップは、SNRを向上するのを助けるよう、信号強度を向上し及び/又はノイズを除去するのを助ける。
【0036】
DSP212からの出力は、処理済みの信号をデジタルビットストリームに変換するために、DDC214へ送信されて良い。DDC214は、符号化電気信号をデジタルビットストリームに変換可能な任意のシステム、機器又は装置であって良い。DDC214は、(例えば、信号の実際の又は期待される周波数、位相、振幅、又は特性に基づき)信号の各部分が論理ハイ値(例えば1ビット)又は論理ロー値(例えば0ビット)に対応するかを推定するために、DSP212からの処理済み信号を解析して良い。DDC214からの出力は、受信機112における入力信号を表すデジタルビットストリームである。
【0037】
上述のように、ノイズ及び/又は信号強度は、受信機においてデータを正しく解釈する能力に影響を与え得る。信号の幾つかの部分は、DDC214により1又は0として誤って解釈される場合がある。FEC216は、このような誤りを検出し訂正するために、DDC214からのデジタルビットストリームを解析して良い。FEC216は、送信されたデータの中の冗長性に依存し得る。例えば、FEC216は、特定ビットが訂正されるか又は1ビット若しくは0ビットから若しくはそれに変更されるべきかを決定するために、デジタルストリームの中の1又は複数の他のビット(例えば、繰り返しビット及び/又はパリティビット)を探して良い。ネットワークリンクに渡り送信されるデータは、例えばブロック符号、畳み込み符号、巡回符号、ターボ符号、連結符号、及び低密度パリティチェックを含む誤り管理の任意の適切な方法を使用して良い。
【0038】
BERがFEC閾の範囲内であるとき、FEC216の出力は、送信機(例えば、図1に関して上述した送信機102)から誤り無く送信されたデータを表し得る。FEC216は、受信機に結合される1又は複数の装置に誤りの無い出力信号を伝搬して良い。しかしながら、幾つかのシナリオでは、デジタルストリームの中のBERは、FEC閾を超える場合がある。したがって、FEC216は、ビット誤りを訂正できない場合がある。このようなシナリオでは、送信機から送信されるデータの1又は複数の部分は失われ、受信機112への再送信が必要である。このようなデータ損失は、ネットワークリンクの信頼性に影響を与え、幾つかの例ではネットワーク機能停止を生じ得る。
【0039】
ネットワークの連続した且つ効率的な運用を保証するために、受信機112は、ネットワークリンク上のノイズマージンを選択し実施する1又は複数のコンポーネントを有して良い。受信機112は、受信機112の中でフィードバック制御ループを生成するために、制御部218及びノイズ生成器220を有して良い。ノイズ生成器220は、FEC216に通信可能に結合されて良い。したがって、制御部は、受信機112においてBERを監視できる。例えば、FEC216は、ビット誤りが生じると、制御部218にビット誤りを報告して良い。あるいは、FEC216は、時間期間に渡りビット誤りカウントを報告して良い。制御部218は、測定したBERに基づき、ノイズ生成器220により生成されるノイズ量を調整して良い。ノイズ生成器220からのノイズは、また、DSP212において信号ストリームに注入される。これは、FEC216により計算されるBERに影響し得る。このフィードバックループは、ネットワークリンク上の通信に干渉せずに、リアルタイムにネットワークリンクの最適ノイズマージンを決定するために使用できる。
【0040】
ノイズ生成器220は、2つの異なるレベルのノイズ、ノイズレベルsA及びsBを生成して良い。ノイズ生成器220により生成されるノイズは、ホワイトノイズのようなランダムノイズであって良い。制御部218は、ノイズ生成器220がDSP212においてデータストリームにレベルsA又はsBの量のノイズを注入するかを制御して良い。制御部218は、以下に詳述するように、ノイズレベルsA及びsBの間で選択して良い。
【0041】
本開示の範囲から逸脱することなく、受信機112に対し変更、追加又は省略が行われて良い。例えば、受信機112は、図1に示すものより多くの又は少ない要素を有して良い。さらに、受信機112の中の要素のうちの1又は複数は、再構成され、結合され、及び複数の要素に分けられて良い。例えば、ノイズ生成器220は、A/D211、光電変換器210、入力ファイバ106、及び/又は受信機112内の別の位置においてノイズを注入するよう構成されて良い。
【0042】
図3は、ネットワークリンク上のBERとSNRとの間の関係を示すグラフである。曲線302は、ネットワークリンク上のSNRがリンク上のBERにどれ位影響し得るかを示す。SNRが増大すると、所望の信号のパワーは、望ましくないノイズのパワーに対して増大する。したがって、送信データ(例えば、所望の信号)は、SNRの増大、それによりBERを低減し、ノイズからより簡単に区別可能である。SNR304で、ネットワークリンク上のBERは、FECがビット誤りを検出し訂正できる最大BERであるFEC閾に対応するBER306と交差する。
【0043】
偏光のような非線形効果、又はネットワークリンク上の他の機能停止は、曲線302を時間に渡り変化させ得る。このような機能停止は、常に生じる可能性があり、曲線302の形状を変化させ又はシフトさせる、ネットワークリンクに対する急激な変化を生じ得る。ノイズレベルsA及びsBにおけるBERの監視は、曲線302が非線形効果及び/又は他の機能停止に起因する変動を経験しているときを示し得る。図4に関して更に後述するように、BERは、時間に渡りノイズレベルsA及びsBにおいて測定されて良い。したがって、曲線302に対する変化が検出できる。したがって、2つのノイズレベル(例えば、ノイズレベルsA及びsB)の使用は、ネットワークリンク上のSNRとBERとの間の関係を理解する手掛かりとなり得る。また、該SNR及びBERは、ネットワークリンクの適切なノイズマージンを選択し及び/又はネットワークリンクに対する変更がひつようなときを検出するために使用されて良い。
【0044】
ノイズレベルsA及びsBは、ネットワークリンク上の2つのノイズマージンを生成して良い。より高いノイズレベルsAをデータストリームに追加することは、結果としてSNR308を生じる。SNR308は、ノイズレベルsA(例えば、ノイズレベルsAとネットワークリンク内の背景ノイズとの結合ノイズ)が受信機においてデータストリームに追加されるときのBERである、BER310に対応する。より低いノイズレベルsBをデータストリームに追加することは、結果としてSNR312を生じる。SNR312は、ノイズレベルsBが受信機において入力データストリームに追加されるときのBERである、BER314に対応する。SNR304は、FEC閾、BER306に対応する。SNR304、308、及び312は、ノイズマージン316及び318に対応する。例えば、ノイズマージン316は、SNR308とSNR304との間のノイズマージン、又はFEC閾が満たされる前に生じ得るSNRの増大(例えば、追加ノイズからの又は信号減衰)を表す。ノイズマージン318は、それぞれ2つのノイズレベルsA及びsBに対応するSNRである、SNR308とSNR312との間のマージンに対応する。
【0045】
ノイズマージン316及び318は、それぞれ動的ノイズマージン及び固定ノイズマージンを表す。上述のように、非線形効果及び/又はネットワークリンク上の他の機能障害は、曲線302のシフト又は再シェーピングを引き起こし得る。曲線302に対するこのような変化は、時間に渡り生じて良く、曲線が形状及び/又はシフトを変化するにつれ、ノイズマージン316を動的に変化させる。例えば、FEC閾が満たされる前のノイズレベルsAにおけるSNRの許容される低下(例えば、追加ノイズからの又は信号減衰)(例えば、ノイズマージン316)は、曲線302が時間に渡り変化するにつれ、増大又は減少し得る。したがって、ノイズマージン316は、ネットワークリンク上の変化に起因して時間に渡り変化し得る。これに対して、ノイズマージン318(例えば、ノイズレベルsAとノイズレベルsBとの間のノイズマージン)は、ノイズレベルsA及びsBが固定されるとき、比較的固定的なノイズマージンを表し得る。つまり、ネットワークリンクに対する変化(例えば、曲線302に対する変化)は、ノイズマージン316に対する変化と比べて、ノイズレベルsAとsBとの間のノイズマージンに僅かな影響しか有しない。
【0046】
ノイズレベルsA及びsBは、ネットワークの連続的且つ効率的運用を保証するために使用されて良い。ノイズレベルsAは、ノイズマージン監視の安定した基準点として設定されて良い。ノイズレベルsAは、リンクの信頼性を維持したまま、ノイズマージン316を最小化するよう選択されて良い。例えば、より高いノイズレベルsAは、SNR308をSNR304の近接近にさせ(例えば、より小さいノイズマージン316)、より低いノイズレベルsAは、SNR304から離れたSNR308を生成して良い(例えば、より大きなノイズマージン316)。ノイズマージン316の減少は、ネットワークリンク上の条件が時間に渡り変化するとき、ネットワークリンクの信頼性を制限し得る。これは、また、曲線302をシフトし又は再形成し得る。したがって、ノイズレベルsAがデータストリームに追加されるとき、FEC閾が超過される。説明のために、ノイズレベルsAを非常に高く設定すると、結果として、FEC閾を超えるSNRを生じ得る。ノイズレベルsBは、ノイズマージン318(例えば、ノイズレベルsAとsBとの間のノイズマージン)を制御するよう、及びFEC閾より低いほぼ固定されたノイズマージン318を提供するよう選択されて良い。
【0047】
ノイズレベルsA及びsBは、特定ネットワークリンク上の所望のノイズマージンを達成するために、時間に渡り必要に応じて調整されて良い。例えば、受信機を初期化するとき、ノイズレベルsA及びsBは、始めに0に設定されて良い(例えば、受信機においてノイズが追加されない)。ノイズレベルsAは、所望の量だけFEC閾より低いBERに対応する所望のノイズマージン(例えば、ノイズマージン316)まで増大されて良い。幾つかの実施形態では、ノイズレベルsAは、約10−5乃至10−6の間のBERを生じるレベルまで増大されて良い。ノイズレベルsAは、初期化段階の間、ノイズ生成器により追加されるノイズのみであって良い。次に、ノイズレベルsBは、ノイズレベルsAの値に設定され、次に、所望のノイズマージン(例えば、ノイズマージン318)が達成されるまで、ゆっくりと減少されて良い。ノイズレベルsBの変化の間、ノイズレベルsA及びsBのデューティサイクルは、制御部によりほぼ一定に保たれて良い。ノイズレベルsBが設定された後、ノイズレベルsA及びsBは、所望のノイズマージン316及び318を得るために、必要に応じて更に調整されて良い。所望のノイズマージン318がノイズレベルsBを調整することにより得ることができない場合(例えば、ノイズレベルsBが0に達する、又はノイズが追加されない)、ノイズレベルは再初期化を必要とし得る。以下に説明するように、ノイズレベルsA及びsBについてBERを監視することは、ネットワークリンク上のSNRとBERとの間の関係、及び該関係が時間に渡りどのように変化するか、を理解する上での手掛かりとなる。このような情報は、(例えば、線形補間又は別の適切な方法により)曲線302の形状を近似するために使用されて良い。したがって、ノイズレベルsA及びsBは、FEC閾を超えるBER、つまりBER306を生じることなく、選択されて良い。
【0048】
幾つかの実施形態では、ノイズレベルsAは、受信機に通信可能に結合される中央制御ユニットにより設定されて良い。幾つかの実施形態では、ノイズレベルsBは、受信機にあるローカル制御部(例えば、図2に関して上述した制御部218)又はネットワークリンクに結合される別のシステム、機器若しくは装置により制御されて良い。特定の実施形態では、ノイズレベルsA及びノイズレベルsBは、BER310及びBER312が1つ及び2つの大きさの差分の間であるように、選択されて良い。他の方法は、本発明の範囲から逸脱することなく、ノイズレベルsA及びsBの値を選択するために使用されて良い。
【0049】
通常動作条件下では、受信機の制御部は、後述する方法で、ノイズレベルsAとsBとの間を切り替えて良い。
【0050】
図4は、2つのレベルの追加ノイズによるビット誤りを有する例示的なデジタルストリームを示す。「X」シンボルは、ビット誤りの発生に対応する。「O」シンボルは、ビット誤り無し、又は正しく受信されたビットに対応する。ビット誤りの決定は、図2に関して上述した方法に従いFECを用いて又は別の適切な誤り訂正技術を用いて、行われて良い。
【0051】
BERは、時間期間に渡るビット誤りの数から計算されて良い。例えば、ある期間についてBERを生成するために、該特定期間中のビット誤りの総数(例えば、「X」)は、同じ期間に受信された合計ビット数(例えば、「O」及び「X」)により除算されて良い。BERは、固定又は可変期間に渡り計算されて良い。一例として、BERは、最新ビットの固定数(例えば、20)を表すスライディングウインドウに渡り計算されて良い。別の例として、BERは、ビット受信の度に期間がインクリメントされる移動平均を表す増大する期間から計算されて良い。更に別の例では、BERは、以下に更に詳述するように、1又は複数の非連続時間期間に渡り計算されて良い。
【0052】
幾つかの実施形態では、1より多くのBERが計算されて良い。例えば、BERは、ネットワークリンク全体についてのBER(例えば、ノイズレベルsA及び/又はノイズレベルsBが受信機において置き換え可能に追加されるときのBER)に加えて、ノイズレベルsA及び/又はノイズレベルsBについて計算されて良い。つまり、BERは、ノイズレベルsAが受信機において追加されるときに受信されるビットに基づき、ノイズレベルsAについて計算されて良い。ノイズレベルsAのBERは、例えば、ノイズレベルsAが受信機において適用されるとき、1又は複数の時間期間の間に受信される合計ビット数に渡るビット誤り数から計算されて良い。幾つかの例では、ノイズレベルsAについてのBER計算は、1又は複数の非連続時間期間に渡り実行して良い(例えば、ノイズレベルsAが受信機において追加される複数の期間は、ノイズレベルsBが受信機において追加される1又は複数の期間により隔てられて良い)。別のBERは、同様の方法でノイズレベルsBについて計算されて良い。同時に、BERは、ノイズレベルsA及びsBが受信機において置き換え可能に追加されるとき、ネットワークリンク全体について計算されて良い。ノイズレベルsA及びsBについてのBERは、特定ノイズレベルが受信機において追加されるときのBERに対応して良い。測定したBERのうちの1又は複数は、ネットワークリンクの特性を決定するために使用されて良い。例えば、ノイズレベルsAのBER及びノイズレベルsBのBERは、所与の時間におけるネットワークリンク上のBERとNSRとの間の関係(例えば、図3の曲線302の勾配及び位置)を決定するために使用されて良い。
【0053】
上述のように、受信機にある制御部(例えば、図2に関して上述した制御部218)は、ネットワークリンクのノイズマージンを維持し及び制御するために、入力データストリームにノイズを追加して良い。制御部は、ノイズレベルsA又はノイズレベルsBでノイズを追加して良い。制御部は、目標BERを維持するために、追加ノイズレベルの間でトグル又は切り替えて良い。目標BERは、FEC閾より低い任意の値に設定されて良い。幾つかの実施形態では、目標BERは、特定の時点において等しいデューティサイクルでのノイズレベルsA及びsBの追加に対応するBERに設定されて良い(例えば、ノイズレベルsA及びsBが同じデューティサイクルで入力データストリームに追加されるときのSNR)。
【0054】
図4で、行404は低いノイズレベルsBに対応し、行406は高いノイズレベルsAに対応する。期間408の間、低いノイズレベルsBがデータストリームに追加され、単一のビット誤りのみが処理される9個のビットの中で生じる。したがって、期間408の間のBERは、めったに起こらないビット誤りにより、目標BERより下に下降し得る。期間410では、制御部は、BERを目標BERの近くまで増大するために、高いノイズレベルsAに遷移して良い。高いノイズレベルsAは、期間410の中でビット誤りを生じさせ、それによりBERを増大する。制御部は、測定されるBERを目標BERに又はその近くに維持するために、ノイズレベルsAとsBとの間での切替を続ける。この方法では、制御部は、目標BERを維持するために、(例えば、各レベルで期間及び/又はデューティサイクルを調整することにより)2つのノイズレベルの間で切り替えて良い。幾つかの実施形態では、制御部は、ノイズレベルsAとsBとの間の切替頻度を低減するため、及び/又はBER変動を制御するために、各ノイズレベルで最小期間(例えば、2ビット)を実施して良い。
【0055】
受信機にある制御部は、2つのノイズレベルのデューティサイクルからネットワークリンクの種々の特性を監視して良い。例えば、より低いノイズレベルsBの拡張期間は、ネットワークリンクのノイズマージンの減少に対応して良く、より高いノイズレベルsAの拡張期間は、ネットワークリンクのノイズマージンの増大に対応して良い。ノイズマージンの変化は、ネットワークリンク上の背景ノイズ、及び(例えば、非線形効果又は他の機能障害により引き起こされる)ネットワークリンク上のBERとSNRとの間の他の変化を結果として生じる。しかしながら、ネットワークリンク上のBERとSNRとの間の関係(たと、図3の曲線302)は、時間に渡り変化し得るので、ネットワークリンク上の背景ノイズの変化と他の要因との間を区別することは困難であり得る。図3に関して上述したノイズレベルsA及びノイズレベルsBについてのBERは、ネットワークリンク上のBERとNSRとの間の関係を理解する上での手掛かりとなり得る。例えば、ノイズレベルsAについてのBER及びノイズレベルsBについてのBERは、図3の曲線302上の点に対応して良い。したがって、曲線302の近似勾配が決定できる。同様に、ノイズレベルsA又はsBについてのBERは、同様の情報を提供するために全体のBERと組み合わせて使用されて良い。曲線302の勾配が問題となる同じ時間期間に渡りほぼ一定のままである場合、ノイズマージンの変化は、ネットワークリンク上の背景ノイズの増大、又は信号強度の低下をもたらす可能性がある。これに対し、曲線302の勾配が時間に渡り変化する場合、増大するノイズは、結果として、ネットワークリンク上のSNRとBERとの間の関係に非線形変化を生じる可能性が高い。したがって、制御部は、ネットワークリンク上の背景ノイズの変化又は他の機能障害を識別するために、注入ノイズレベルsA及びsBの期間及び/又はデューティサイクル、及び/又は異なるノイズレベルにおけるBERを使用して良い。
【0056】
図5は、時間に渡る例示的なネットワークリンクのBERを示すグラフである。BER502は、FEC閾を表す。BER504は、図3に関して上述したように、BER502より低い目標BERを表す。つまり、BER504は、受信機の中の制御部(例えば、図2に関して上述した制御部218)が維持しようと試みる目標BERを表す。
【0057】
プロット506は、ネットワークリンク上で測定したBERを示す。測定したBERは、制御部及びノイズ生成器からの注入ノイズを有する入力信号からFECにより測定されるBERを表して良い。図示のように、測定されたBERは、目標BER504に比較的近く維持している。制御部は、目標BER504に又はその近くにBERを維持するために、(例えば、ノイズレベルsA及びsBの発生を調整することにより)データストリームに追加されるノイズ量を調整して良い。
【0058】
しかしながら、時間510で、測定されたBERは、目標BER504からの大きな逸脱を経験し得る。時間510に続いて、受信機にある制御部は、より高いノイズレベルsAのデューティサイクルを減少し、より低いノイズレベルsBのデューティサイクルを増大することにより、目標BERを維持しようと試みて良い。注入ノイズに対するこのような変化にも拘わらず、測定されたBERは、目標BER504から逸脱し続ける。したがって、時間510における目標BER504からの逸脱は、より高いノイズレベルsAのデューティサイクルの減少(例えば、約10%より小さい)及びより低いノイズレベルsBのデューティサイクルの増大(例えば、約90%より大きい)に対応して良い。
【0059】
プロット506に示すよな目標BERからの異常な逸脱は、ネットワークリンクの状態の変化を表して良い。例えば、ネットワークリンクのSNRとBERの関係(図3に関して上述したプロット302)は、例えば、ネットワークリンクにおける非線形効果又は他の機能障害に起因する形状をシフト及び/又は変化して良い。異常な状態は、より低いノイズレベルsBの発生増加に対応して良い(例えば、目標BERを試行し及び維持するために増大される、ノイズレベルsBのデューティサイクル)。目標BERからの異常な逸脱に応答して、受信機にある制御部は、システム管理者及び/又はネットワーク制御部に警告を発行して良い。制御部は、例えば、光リンク上の光源のパワーを調整することにより、又はネットワークリンクに関連する別の設定を変更することにより、システムマージンの増大を提供するようSNRを調整するために措置を講じて良い。ネットワークリンクの状態のこのような変化は、上述のように目標BERからのBERの逸脱により、及び/又は図3に関して上述したノイズレベルsA及びsBのデューティサイクルの変化により、識別できる。例えば、より低いノイズレベルsBのデューティサイクルが高すぎる場合(例えば、より高いノイズレベルsAが生じない又は滅多に生じない)、これは、ネットワークリンクの背景ノイズ又は状態の変化を表し得る。プロット506に示す異常の逸脱は目標BERを超えるが、逸脱は、目標BERの下で起こり得る。例えば、より高いノイズレベルsAのデューティサイクルが増大し、測定されたBERが目標BERの下に降下する場合、これは、システムマージンが最適ではないこと(例えば、高すぎるマージン)及び調整が必要であることを示し得る。
【0060】
図6を参照すると、光ネットワークにおいてノイズマージンを監視し及び制御する方法600の一実施形態の選択された要素のブロック図が示される。方法600は、図1に関して上述した光トランスポートネットワークの中の1又は複数の要素を用いて実行されて良い。方法600は単一のネットワークリンクについて記載されるが、方法600の中の動作は、光ネットワークの中の任意の複数のネットワークリンクについて繰り返され又は複製されて良い。留意すべきことに、方法600で記載される特定の動作は、異なる実施形態では任意であって良く或いは再配置されて良い。
【0061】
方法600は、ステップ602で、ネットワークリンクの注入ノイズ値を設定することにより、開始して良い。ノイズレベルsA及びsBは、図3に関して上述したように、ネットワークリンク上で2つのノイズマージンを生成するよう設定されて良い。例えば、受信機の初期化において、ノイズレベルsAは、0から、FEC閾からの所望のノイズマージンを生成するノイズレベルに調整されて良く、ノイズレベルsBは、ノイズレベルsAとsBとの間の所望のノイズマージンを生成するよう調整されて良い。ノイズは、図2に関して上述したように、制御部及びノイズ生成器を用いて、受信機において注入されて良い。
【0062】
ステップ604で、受信機において注入されるノイズは、目標BERを達成するよう制御されて良い。図3に関して上述したように、受信機の制御部は、目標BERを維持するために、追加ノイズのデューティサイクル及び/又は期間を制御して良い(例えば、ノイズレベルsAとsBとの間で切り替える)。目標BERは、FEC閾より小さくて良い。受信機にあるFECは、図3に関して上述したように、固定又は可変期間に渡りBERを測定して良い。FECは、ノイズ生成器を調整する制御部にBER測定値を通信して良く、図2に示すフィードバックループを生成する。
【0063】
ステップ606で、目標BERからの逸脱が生じたか否かについて、決定が行われて良い。受信機において注入されたノイズの制御にも拘わらず、制御部は、目標BERに測定されるBERを維持することができない場合がある。目標BERからの異常な逸脱は、例えば、SNRとBERとの間の関係のシフト及び/又は変化により引き起こされる場合がある。異常な逸脱は、測定されたBER及び/又は追加ノイズレベルのデューティサイクルから検出され得る。例えば、異常な逸脱は、ノイズレベルsAのデューティサイクルがノイズレベルsBのデューティサイクルから所定閾(例えば、ノイズレベルのデューティサイクルが約90%に近付くとき)より大きく逸脱すること、又はその逆に対応して良い。ステップ606の結果がNOであり、測定されたBERが目標BERから異常に変化しないとき、方法600は、ステップ604に戻り、目標BERを維持するために受信機における注入ノイズを制御し続けて良い。
【0064】
ステップ606の結果がYESであり、目標BERからの異常な変化が生じるとき、方法600はステップ608へ進んで良い。ステップ608で、警告が発行されて良く、措置が講じられて良い。上述のように、目標BERからの異常の逸脱は、ネットワーク内の背景ノイズ及び状態の変化に起因するネットワークリンクのSNRとBERとの間の関係のシフト及び/又は変化の勾配により引き起こされて良い。制御部は、さらに、例えば、ネットワークリンクについてのSNRのBERに対する関係を調整するために、ネットワークリンクの設定及び/又は特性を変更することにより、措置を講じて良い。幾つかの実施形態では、ノイズマージンは、ネットワークリンクに対して行われる変更に基づき、図3に関して上述したように調整されて良い。特定の実施形態では、受信機にある制御部は、他のネットワークリンクにネットワークトラフィックを迂回させ得る中央ネットワーク制御部と通信することにより、ネットワークリンクを一時的にシャットダウンして良い。したがって、ネットワーク通信は、変更及び/又は修理が影響を受けるネットワークリンクに行われる間、継続して良い。ステップ608の後、方法600は、ステップ602へ進み、注入したノイズレベルをリセットして良い。
【0065】
本願明細書に開示のように、光通信システムにおける変調フォーマットのコンステレーションシェーピングのための方法及びシステムは、光トランスポートネットワークに、汎用プログラマブル通信機を用いて所与の光経路についてチャネル毎にコンステレーションシェーピングを作動/停止させるステップを有して良い。次に、コンステレーションシェーピングが作動され、光経路に渡る信号対雑音比を向上することにより、光チャネルの到達距離を増大できる。
【0066】
本願明細書の主題は1又は複数の例示的な実施形態に関連して記載されたが、これは、いずれの請求項も前述の特定の形式に限定されるものではない。反対に、本開示を対象とするいずれの請求項も、このような代替、変更、及び等価物を、本開示の精神及び範囲の中に含まれるものとして包含するものとする。
【0067】
以上の実施形態に加えて、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 光トランスポートネットワークの中のネットワークリンクを監視する方法であって、前記方法は、
第1期間の間に、受信機においてデータストリームに第1レベルの追加ノイズを注入するステップと、
前記第1期間について第1ビット誤り率(BER)を計算するステップと、
第2期間の間に、前記受信機において前記データストリームに第2レベルの追加ノイズを注入するステップであって、前記第2レベルの追加ノイズは前記第1レベルの追加ノイズと異なり、前記第1及び第2期間は重なり合わない、ステップと、
前記第2期間について第2BERを計算するステップと、
前記第1BER及び前記第2BERに基づき、前記ネットワークリンクの特性を決定するステップと、
を有する方法。
(付記2) 前記第1レベルの追加ノイズを注入するステップ、及び前記第2レベルの追加ノイズを注入するステップは、第3期間の間、繰り返される、付記1に記載の方法。
(付記3) 前記第3期間について第3BERを計算するステップ、を更に有する付記2に記載の方法。
(付記4) 前記第3BERを目標BERに調整するために前記第1期間及び前記第2期間を変更するステップ、を更に有し、前記目標BERは前記ネットワークリンクの前方誤り訂正閾より低い、付記3に記載の方法。
(付記5) 前記第1期間が、所定閾だけ、前記第2期間を超えるとき、措置を講じるステップ、を更に有する付記4に記載の方法。
(付記6) 前記措置は、警告の発行を含む、付記5に記載の方法。
(付記7) 前記措置は、前記ネットワークリンクにおけるSNRの調整を含む、付記5に記載の方法。
(付記8) 前記ネットワークリンクの前記特性は、前記ネットワークリンクのSNRとBERとの間の関係である、付記1に記載の方法。
(付記9) 前記ネットワークリンクの特性に基づき前記ネットワークリンクのノイズマージンを調整するステップ、を更に有する付記8に記載の方法。
(付記10) 前記ノイズマージンは、前記第1レベルの追加ノイズ及び前記第2レベルの追加ノイズに対応する、付記9に記載の方法。
(付記11) 光トランスポートネットワークの中の受信機であって、前記受信機は、
ノイズ生成器と、
前記ノイズ生成器に結合される制御部と、
を有し、前記制御部は、
第1期間の間、データストリームに第1レベルの追加ノイズを注入するよう前記ノイズ生成器に指示し、前記データストリームはネットワークリンクを介して受信されるデータを有し、
前記第1期間について第1ビット誤り率(BER)を計算し、
第2期間の間、前記データストリームに第2レベルの追加ノイズを注入するよう前記ノイズ生成器に指示し、前記第2レベルの追加ノイズは前記第1レベルの追加ノイズと異なり、前記第1及び第2期間は重なり合わず、
前記第2期間について第2BERを計算し、
前記第1BER及び前記第2BERに基づき、前記ネットワークリンクの特性を決定する、
よう構成される、受信機。
(付記12) 前記制御部は、第3期間の間、前記第1レベルの追加ノイズ及び前記第2レベルの追加ノイズを注入するよう前記ノイズ生成器に指示することを繰り返す、付記11に記載の受信機。
(付記13) 前記制御部は、前記第3期間について第3BERを計算するよう更に構成される、付記12に記載の受信機。
(付記14) 前記制御部は、前記第3BERを目標BERに調整するために前記第1期間及び前記第2期間を変更するよう更に構成され、前記目標BERは前記ネットワークリンクの前方誤り訂正閾より低い、付記13に記載の受信機。
(付記15) 前記制御部は、前記第1期間が、所定閾だけ、前記第2期間を超えるとき、措置を講じるよう更に構成される、付記14に記載の受信機。
(付記16) 前記措置は、警告の発行を含む、付記15に記載の受信機。
(付記17) 前記措置は、前記ネットワークリンクにおけるSNRの調整を含む、付記15に記載の受信機。
(付記18) 前記ネットワークリンクの前記特性は、前記ネットワークリンクのSNRとBERとの間の関係である、付記11に記載の受信機。
(付記19) 前記制御部は、前記ネットワークリンクの特性に基づき前記ネットワークリンクのノイズマージンを調整するよう更に構成される、付記18に記載の受信機。
(付記20) 光トランスポートネットワークの中のネットワークリンクを監視する方法であって、前記方法は、
第1期間の間に、受信機においてデータストリームに第1レベルの追加ノイズを注入するステップと、
前記第1期間について第1ビット誤り率(BER)を計算するステップと、
第2期間の間に、前記受信機において前記データストリームに第2レベルの追加ノイズを注入するステップであって、前記第2レベルの追加ノイズは前記第1レベルの追加ノイズと異なり、前記第1及び第2期間は重なり合わない、ステップと、
第3期間について第2BERを計算するステップであって、前記第3期間は前記第1及び第2期間を含む、ステップと、
前記第1BER及び前記第2BERに基づき、前記ネットワークリンクの特性を決定するステップと、
を有する方法。
【符号の説明】
【0068】
106 光ファイバ
112 受信機
210 光電変換器
211 A/D変換器
212 デジタル信号プロセッサ(DSP)
214 デジタル決定回路(DDC)
216 前方誤り訂正(FEC)
218 制御部
220 ノイズ生成器
図1
図2
図3
図4
図5
図6