特許第6981110号(P6981110)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981110
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】定着装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20211202BHJP
【FI】
   G03G15/20 510
【請求項の数】11
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-169263(P2017-169263)
(22)【出願日】2017年9月4日
(65)【公開番号】特開2019-45709(P2019-45709A)
(43)【公開日】2019年3月22日
【審査請求日】2020年7月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】小柳 聖
(72)【発明者】
【氏名】山下 真登
(72)【発明者】
【氏名】井上 徹
【審査官】 稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−176085(JP,A)
【文献】 特開2010−032631(JP,A)
【文献】 特開2007−199151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される記録材に接触する接触部材と、
記録材の搬送方向に交差する幅方向に延びる発熱部を備え、前記接触部材に対向する対向面および反対面を有する加熱源と、
前記幅方向に延び前記加熱源の前記反対面に接触するよう配置され、当該幅方向の両端部の厚みが当該幅方向の中央部の厚みと比較して薄く、当該加熱源の温度が高い部分の熱を温度が低い部分へ供給する熱供給部材と
を備え
前記熱供給部材は、前記幅方向に沿った長さが前記発熱部よりも長く、当該発熱部における当該幅方向の両端部に対向する領域の厚みが当該幅方向の中央部と比較して薄くなっていることを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記加熱源は、前記熱供給部材と比較して熱伝導率が低く、前記幅方向に延び前記発熱部を支持し、前記熱供給部材に接触する支持基板をさらに備え、
前記支持基板の厚みは、前記幅方向の両端部と中央部とで等しいことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記熱供給部材は、前記幅方向に沿った長さが前記発熱部よりも長く当該発熱部の当該幅方向の全域に対向するように前記加熱源の前記反対面に接触配置される第1熱供給板と、当該第1熱供給板の当該幅方向の中央部に積層され当該第1熱供給板および当該発熱部よりも当該幅方向の長さが短い第2熱供給板とを含むことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項4】
前記熱供給部材の前記第1熱供給板と前記第2熱供給板とは、熱伝導性を有する粘性液体を介して積層されることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
【請求項5】
前記熱供給部材は、前記発熱部における前記幅方向の両端部に対向する領域の厚みが、当該熱供給部材の当該幅方向の両端部に向かうに従い連続し薄くなっていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項6】
前記接触部材には、前記幅方向の長さが異なる記録材が搬送され、
前記熱供給部材は、前記幅方向の長さが最も長い記録材が搬送される最大搬送領域の当該幅方向の両端部に対向する領域の厚みが薄くなっていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項7】
前記熱供給部材は、前記幅方向の長さが最も短い記録材が搬送される最小搬送領域よりも当該幅方向の両端部側の厚みが薄くなっていることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
【請求項8】
前記熱供給部材は、少なくとも前記最小搬送領域に対向する領域の厚みが一定であることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
【請求項9】
前記接触部材に接触配置され、当該接触部材との間を通る記録材を加圧する加圧部材を更に備え、
前記加熱源および前記熱供給部材は、前記接触部材を介して前記加圧部材に対向する位置に設けられることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項10】
搬送される記録材に接触する接触部材と、
記録材の搬送方向に交差する幅方向に延びる発熱部と、当該幅方向に亘って厚みが等しい板状の形状を有し当該発熱部を支持する支持基板とを備え、前記接触部材に対向する対向面および反対面を有する加熱源と、
前記支持基板と比較して熱伝導率が高い材料からなり、前記幅方向に延び前記加熱源の前記反対面に接触配置され、当該幅方向の両端部における熱容量が当該幅方向の中央部と比較して小さい熱伝導部材と
を備え
前記熱伝導部材は、前記幅方向に沿った長さが前記加熱源の前記発熱部よりも長く、当該発熱部における当該幅方向の両端部に対向する領域の熱容量が当該幅方向の中央部と比較して小さいことを特徴とする定着装置。
【請求項11】
記録材への画像形成を行う画像形成手段と、当該画像形成手段により記録材に形成された画像を記録材に定着する定着装置とを備え、当該定着装置が、請求項1乃至10の何れかに記載の定着装置により構成された画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ベルトと、ベルト内側に固定支持された加熱体と、加熱体とニップを形成する加圧部材と、加熱体と接する高熱伝導の部材とを備える加熱装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−257592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
記録材上の画像を記録材に定着する定着装置では、例えば、加熱源を用いて、記録材に接触する接触部材を加熱し、加熱したこの接触部材を記録材に接触させる。
このような定着装置では、例えば幅が小さい記録材に対して画像を定着する際に、両端部の非通紙領域において加熱源からの熱が消費されずに、通紙領域と比べて接触部材の温度が過度に上昇してしまうおそれがある。これを抑制するために、例えば加熱源からの熱を受ける部材を加熱源に接触させて設ける場合がある。
【0005】
定着装置において加熱源からの熱を受ける部材を設けた場合、加熱源からこの部材へ移動した熱は、温度が高い部分から低い部分へ供給されるとともに、部材の外部へ拡散される。熱の拡散は、特に加熱源からの熱を受ける部材の両端部で起こりやすい。このため、加熱源からの熱を受ける部材の厚みが一定の場合には、例えば加熱源による接触部材の加熱を開始する立ち上げの際に、接触部材の両端部の温度が中央部と比較して低くなる現象が生じる場合がある。
本発明は、加熱源からの熱を受ける部材の厚みが一定の場合と比較して、加熱源による加熱部材の加熱を開始した際に接触部材の両端部の温度が中央部と比較して低くなることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、搬送される記録材に接触する接触部材と、記録材の搬送方向に交差する幅方向に延びる発熱部を備え、前記接触部材に対向する対向面および反対面を有する加熱源と、前記幅方向に延び前記加熱源の前記反対面に接触するよう配置され、当該幅方向の両端部の厚みが当該幅方向の中央部の厚みと比較して薄く、当該加熱源の温度が高い部分の熱を温度が低い部分へ供給する熱供給部材とを備え、前記熱供給部材は、前記幅方向に沿った長さが前記発熱部よりも長く、当該発熱部における当該幅方向の両端部に対向する領域の厚みが当該幅方向の中央部と比較して薄くなっていることを特徴とする定着装置である。
請求項2に係る発明は、前記加熱源は、前記熱供給部材と比較して熱伝導率が低く、前記幅方向に延び前記発熱部を支持し、前記熱供給部材に接触する支持基板をさらに備え、前記支持基板の厚みは、前記幅方向の両端部と中央部とで等しいことを特徴とする請求項1に記載の定着装置である。
請求項に係る発明は、前記熱供給部材は、前記幅方向に沿った長さが前記発熱部よりも長く当該発熱部の当該幅方向の全域に対向するように前記加熱源の前記反対面に接触配置される第1熱供給板と、当該第1熱供給板の当該幅方向の中央部に積層され当該第1熱供給板および当該発熱部よりも当該幅方向の長さが短い第2熱供給板とを含むことを特徴とする請求項1に記載の定着装置である。
請求項に係る発明は、前記熱供給部材の前記第1熱供給板と前記第2熱供給板とは、熱伝導性を有する粘性液体を介して積層されることを特徴とする請求項に記載の定着装置である。
請求項に係る発明は、前記熱供給部材は、前記発熱部における前記幅方向の両端部に対向する領域の厚みが、当該熱供給部材の当該幅方向の両端部に向かうに従い連続し薄くなっていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置である。
請求項に係る発明は、前記接触部材には、前記幅方向の長さが異なる記録材が搬送され、前記熱供給部材は、前記幅方向の長さが最も長い記録材が搬送される最大搬送領域の当該幅方向の両端部に対向する領域の厚みが薄くなっていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置である。
請求項に係る発明は、前記熱供給部材は、前記幅方向の長さが最も短い記録材が搬送される最小搬送領域よりも当該幅方向の両端部側の厚みが薄くなっていることを特徴とする請求項に記載の定着装置である。
請求項に係る発明は、前記熱供給部材は、少なくとも前記最小搬送領域に対向する領域の厚みが一定であることを特徴とする請求項に記載の定着装置である。
請求項に係る発明は、前記接触部材に接触配置され、当該接触部材との間を通る記録材を加圧する加圧部材を更に備え、前記加熱源および前記熱供給部材は、前記接触部材を介して前記加圧部材に対向する位置に設けられることを特徴とする請求項1に記載の定着装置である。
請求項10に係る発明は、搬送される記録材に接触する接触部材と、記録材の搬送方向に交差する幅方向に延びる発熱部と、当該幅方向に亘って厚みが等しい板状の形状を有し当該発熱部を支持する支持基板とを備え、前記接触部材に対向する対向面および反対面を有する加熱源と、前記支持基板と比較して熱伝導率が高い材料からなり、前記幅方向に延び前記加熱源の前記反対面に接触配置され、当該幅方向の両端部における熱容量が当該幅方向の中央部と比較して小さい熱伝導部材とを備え、前記熱伝導部材は、前記幅方向に沿った長さが前記加熱源の前記発熱部よりも長く、当該発熱部における当該幅方向の両端部に対向する領域の熱容量が当該幅方向の中央部と比較して小さいことを特徴とする定着装置である。
請求項11に係る発明は、記録材への画像形成を行う画像形成手段と、当該画像形成手段により記録材に形成された画像を記録材に定着する定着装置とを備え、当該定着装置が、請求項1乃至10の何れかに記載の定着装置により構成された画像形成装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に係る発明によれば、加熱源からの熱を受ける部材の厚みが一定の場合と比較して、加熱源による加熱部材の加熱を開始した際に接触部材の両端部の温度が中央部と比較して低くなることを抑制することができる。
請求項2に係る発明によれば、支持基板の厚みが幅方向の両端部と中央部とで異なる場合と比較して、加熱源の構成が複雑になることを抑制することができる。
請求項に係る発明によれば、熱供給部材が単一の部材により構成される場合と比較して、熱供給部材における熱容量の調整を容易に行うことができる。
請求項に係る発明によれば、第1熱供給板と第2熱供給板とが直接積層される場合と比較して、第1熱供給板と第2熱供給板との間に空気の隙間が生じて熱伝導性が低下することが抑制される。
請求項に係る発明によれば、幅方向の両端部の厚みが連続して薄くなっていない場合と比較して、加熱源による加熱部材の加熱を開始した際の接触部材の温度分布を滑らかにすることができる。
請求項に係る発明によれば、熱供給部材において最大搬送領域の幅方向の両端部に対向する領域の厚みが薄くなっていない場合と比較して、加熱源による加熱部材の加熱を開始した際に最大搬送領域の両端部での温度低下を抑制することができる。
請求項に係る発明によれば、最小搬送領域よりも幅方向の中央部側の厚みが薄くなっている場合と比較して、非通紙領域での温度上昇をより抑制することができる。
請求項に係る発明によれば、熱供給部材の最小搬送領域に対向する領域の厚みが一定でない場合と比較して、定着むらを抑制することができる。
請求項に係る発明によれば、接触部材を介して加圧部材に熱が伝導する場合であっても、加熱源による加熱部材の加熱を開始した際に接触部材の両端部の温度が中央部と比較して低くなることを抑制することができる。
請求項10に係る発明によれば、加熱源からの熱を受ける部材の厚みが一定の場合と比較して、加熱源による加熱部材の加熱を開始した際に接触部材の両端部の温度が中央部と比較して低くなることを抑制することができる。
請求項11に係る発明によれば、加熱源からの熱を受ける部材の厚みが一定の場合と比較して、加熱源による加熱部材の加熱を開始した際に接触部材の両端部の温度が中央部と比較して低くなることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成装置の全体構成図である。
図2】(A)、(B)、(C)は、定着装置の構成を説明する図である。
図3】定着装置の構成を説明する図である。
図4】比較例の定着装置の構成、および定着ベルトの温度分布を示した図である。
図5】本実施形態の加熱源および熱供給部材の構成を示した図である。
図6】本実施形態の定着ベルトの温度分布を示した図である。
図7】実施形態2の加熱源および熱供給部材の構成を示した図である。
図8】実施形態3の加熱源および熱供給部材の構成を示した図である。
図9】実施形態4の熱供給部材の構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(実施形態1)
図1は、画像形成装置1の全体構成図である。
画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラープリンタである。
画像形成装置1は、画像形成手段の一例としての画像形成部10を備える。画像形成部10は、各色の画像データに基づき、記録材の一例である用紙Pへの画像形成を行う。
【0010】
また、画像形成装置1には、制御部30、画像処理部35が設けられている。
制御部30は、画像形成装置1に設けられた各機能部を制御する。
画像処理部35は、パーソナルコンピュータ(PC)3や画像読取装置4等からの画像データに対して画像処理を施す。
【0011】
画像形成部10には、一定の間隔を置いて並列的に配置された4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11K(以下、総称して単に「画像形成ユニット11」とも称する)が設けられている。
各画像形成ユニット11は、現像器15(後述)に収納されるトナーを除いて、同様に構成されている。各画像形成ユニット11は、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像(画像)を形成する。
【0012】
画像形成ユニット11の各々には、感光体ドラム12、感光体ドラム12の帯電を行う帯電器200、感光体ドラム12への露光を行うLEDプリントヘッド(LPH)300が設けられている。
感光体ドラム12は、帯電器200による帯電が行われる。さらに、感光体ドラム12は、LPH300により露光され、感光体ドラム12には、静電潜像が形成される。
さらに、各画像形成ユニット11には、感光体ドラム12に形成された静電潜像を現像する現像器15、感光体ドラム12の表面を清掃するクリーナ(不図示)が設けられている。
【0013】
また、画像形成部10には、感光体ドラム12にて形成された各色トナー像が転写される中間転写ベルト20、感光体ドラム12にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト20に順次転写(一次転写)させる一次転写ロール21が設けられている。
また、画像形成部10には、中間転写ベルト20上に転写されたトナー像を用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写ロール22、用紙Pに転写されたトナー像をこの用紙Pに定着させる定着装置40が設けられている。
【0014】
定着装置40には、加熱源を備えた定着ベルトモジュール41、および、加圧ロール46が設けられている。
定着ベルトモジュール41は、用紙搬送経路R1の図中左側に配置されている。加圧ロール46は、用紙搬送経路R1の図中右側に配置されている。さらに、定着ベルトモジュール41に対して、加圧ロール46が押し当てられている。
【0015】
定着ベルトモジュール41は、用紙Pに接触するフィルム状の定着ベルト411を備える。
接触部材の一例としてのこの定着ベルト411は、例えば、最外層に位置し用紙Pに接触する離型層と、離型層の一つ内側に位置する弾性層と、この弾性層を支持する基層とにより構成される。
さらに、定着ベルト411は、無端状に形成され、図中反時計周り方向に循環移動する。また、定着ベルト411の内周面411Aには、潤滑のための潤滑剤が塗布されており、後述する加熱源等と定着ベルト411との摺動抵抗が減じられている。なお、潤滑剤としては、例えば、シリコーンオイル、フッ素オイル等の液体状オイル、固形物質と液体とを混合させたグリース等、さらにこれらを組み合わせたもの等が挙げられる。
【0016】
定着ベルト411は、図中下方から搬送されてくる用紙Pに接触する。そして、定着ベルト411のうちの用紙Pに接触した部分が、用紙Pとともに移動する。さらに、定着ベルト411は、加圧ロール46とともに用紙Pを挟み、この用紙Pを加圧および加熱する。
さらに、定着ベルトモジュール41には、定着ベルト411の内側に、定着ベルト411を加熱する加熱源(後述)が設けられている。
【0017】
加圧部材の一例としての加圧ロール46は、用紙搬送経路R1の図中右側に配置されている。加圧ロール46は、定着ベルト411の外周面411Bに押し当てられ、定着ベルト411と加圧ロール46との間を通る用紙P(用紙搬送経路R1を通る用紙P)を加圧する。
また、加圧ロール46は、モータ(不図示)により、図中時計回り方向に回転する。加圧ロール46が、時計回り方向に回転すると、定着ベルト411が、加圧ロール46から駆動力を受けて反時計回り方向に回転する。
【0018】
画像形成装置1では、画像処理部35が、PC3や画像読取装置4からの画像データに対して画像処理を施し、画像処理が施された画像データが、各画像形成ユニット11に供給される。
そして、例えば、黒(K)色の画像形成ユニット11Kでは、感光体ドラム12が矢印A方向に回転しながら、帯電器200により帯電され、画像処理部35から送信された画像データに基づいて発光するLPH300により露光される。
【0019】
これにより、感光体ドラム12上には、黒(K)色の画像に関する静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム12上に形成された静電潜像は、現像器15により現像され、感光体ドラム12上には、黒(K)色のトナー像が形成される。
同様に、画像形成ユニット11Y,11M,11Cでは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色トナー像が形成される。
【0020】
各画像形成ユニット11で形成された各色トナー像は、矢印B方向に移動する中間転写ベルト20上に、一次転写ロール21により順次静電吸引されて、中間転写ベルト20上には、各色トナーが重畳されたトナー像が形成される。
中間転写ベルト20上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト20の移動に伴って二次転写ロール22が位置する箇所(二次転写部T)に搬送される。そして、このトナー像が二次転写部Tに搬送されるタイミングに合わせて、用紙収容部1Bから二次転写部Tへ用紙Pが供給される。
【0021】
二次転写部Tでは、二次転写ロール22により形成される転写電界により、中間転写ベルト20上のトナー像が、搬送されてきた用紙Pに一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、中間転写ベルト20から剥離され、定着装置40まで搬送される。
【0022】
定着装置40では、用紙Pを、定着ベルトモジュール41と加圧ロール46とで挟む。具体的には、用紙Pを、反時計回り方向へ循環移動している定着ベルト411と、時計回り方向へ回転している加圧ロール46とで挟む。
これにより、用紙Pの加圧および加熱が行われて、用紙P上のトナー像が、この用紙Pに定着される。そして、定着が終了した後の用紙Pは、排出ロール500によって、用紙積載部1Eへ搬送される。
【0023】
図2(A)、(B)、(C)および図3は、定着装置40の構成を説明する図である。図2(A)は、定着装置40の断面図であり、図2(B)は、図2(A)に示した定着装置40の拡大図であり、図2(C)は後述する加熱源413の構成を説明する図である。また、図3は、後述する加熱源413および熱供給部材415等を、図2(B)におけるIII方向から見た斜視図である。
図2(A)に示すように、定着装置40には、定着ベルトモジュール41、加圧ロール46が設けられている。
定着ベルトモジュール41には、用紙Pへのトナー像の定着に用いられる定着ベルト411が設けられ、この定着ベルト411が、用紙Pのうちのトナー像が形成された面に押し当てられる。
【0024】
加圧部材の一例としての加圧ロール46は、定着ベルト411の外周面411Bに押し当てられ、定着ベルト411と加圧ロール46との間を通る用紙Pを加圧する。
具体的には、加圧ロール46は、定着ベルト411の外周面411Bに接触するよう配置され、用紙Pが加圧されながら通過する領域であるニップ部Nを、定着ベルト411との間に形成する。
本実施形態では、このニップ部Nを用紙が通過する過程で、用紙Pの加熱および加圧が行われて、用紙Pへのトナー像の定着が行われる。
【0025】
図2(B)に示すように、定着ベルト411の内側には、定着ベルト411を加熱する加熱源413が設けられている。
加熱源413は、板状に形成され、定着ベルト411の移動方向および幅方向に沿うように設けられている。さらに、加熱源413は、定着ベルト411に対向する(接触する)対向面413A、および、この対向面413Aの反対側に位置する反対面413Bを有する。また、加熱源413は、対向面413Aと反対面413Bとを結ぶ2つの側面413Cを有する。
本実施形態では、加熱源413から定着ベルト411へ熱が供給されて、定着ベルト411の加熱が行われる。また、本実施形態では、定着ベルト411を介し、加熱源413の対向面413Aに対して、加圧ロール46が押し当てられている。
【0026】
図2(C)に示すように、加熱源413は、板状の基層413Dと、基層413Dの表面(定着ベルト411側の表面)に形成され且つ図2の紙面と直交する方向に沿って延びる発熱部の一例としての発熱層413Eとを備える。
支持基板の一例としての基層413Dは、SUSやアルミナ等から形成される基材上にガラス等からなる絶縁層が積層された構造を有する。また、基層413Dの厚さは、定着ベルト411の幅方向に亘って一定となっている。言い換えると、基層413Dの厚さは、定着ベルト411の幅方向における両端部と中央部とで等しくなっている。さらに付言すると、基層413Dの熱容量は、定着ベルト411の幅方向における両端部と中央部とで等しくなっている。
【0027】
さらに、加熱源413は、絶縁性としての性質も有しこの発熱層413Eを覆う保護層413Fを備える。この保護層413Fは、例えば、ガラスの焼成体により形成される。
【0028】
図3に示すように、発熱層413Eは、加熱源413の長手方向(定着ベルト411の幅方向)に沿って設けられる。
発熱層413Eは、定着ベルト411の幅方向に沿った長さが、加熱源413よりも短く形成されている。これにより、加熱源413の長手方向の両端部には、発熱層413Eが設けられていない非発熱領域413Gが形成されている。
また、発熱層413Eは、定着ベルト411の幅方向に沿った長さ(DE;後述する図5参照)が、ニップ部N(図2(A)参照))に搬送される用紙Pの最大幅である最大通紙領域Fa(最大搬送領域の一例;後述する図5参照)よりも長く形成されている。
【0029】
さらに、図2(A)、(B)に示すように、定着ベルト411の内側であって、加熱源413の反対面413B側には、加熱源413を支持する支持部材414が設けられている。
さらに、加熱源413の反対面413Bと支持部材414との間には、熱供給部材415が設けられている。
【0030】
熱供給部材415は、熱供給部材または熱伝導部材の一例であって、加熱源413の反対面413Bに接触配置され、加熱源413からの熱を受ける。なお、本実施形態の説明において接触配置とは、熱供給部材415が加熱源413の反対面413Bに直接積層されている形態の他、例えば熱伝導性を有するグリース等を介して積層されている形態も含む。
さらに、図3に示すように、熱供給部材415は、長尺状に形成され、定着ベルト411の移動方向であるベルト移動方向と直交する方向に延びている。言い換えると、熱供給部材415は、定着ベルト411の幅方向に延びるように設置されている。
本実施形態の熱供給部材415の形状については、後段で詳細に説明する。
【0031】
熱供給部材415は、加熱源413のうちの温度が高い部分の熱を、加熱源413のうちの温度が低い部分へ供給する。
定着処理が行われる用紙Pの幅が小さい場合、加熱源413の長手方向における両端部(加熱源413のうちの用紙Pに接触しない部分;非通紙領域)の温度が上昇して、この両端部の温度が高くなる。かかる場合、加熱源413および定着ベルト411に温度むらが生じ、幅が大きい用紙Pの定着処理時に、定着むらが生じるおそれがある。
熱供給部材415が設けられていると、加熱源413のうちの温度が高い部分の熱が、加熱源413のうちの温度が低い部分へ供給され、加熱源413および定着ベルト411の温度むらが低減される。
【0032】
ところで、定着装置40において加熱源413からの熱を受ける熱供給部材415を設けた場合、加熱源413から熱供給部材415へ移動した熱は、温度が高い部分から温度が低い部分へ供給されるとともに、熱供給部材415の外部へ拡散される。熱供給部材415が長尺形状の場合、熱の拡散は、特に熱供給部材415の長手方向(定着ベルト411の幅方向)における両端部で起こりやすい。このため、熱供給部材415の厚みが長手方向に亘って一定の場合には、例えば加熱源413の電源をオンにし、加熱源413により定着ベルト411の加熱を開始する立ち上げの際に、加熱源413および定着ベルト411の両端部の温度が中央部と比較して低くなる現象が生じる場合がある。
特に、加熱源413および熱供給部材415が定着ベルト411を介して加圧ロール46に対向する構成を採用した場合、加熱源413からの熱は、定着ベルト411を介して加圧ロール46に伝導する。このため、加熱源413の立ち上げの際に、加熱源413および定着ベルト411の両端部の温度が低くなりやすい。
なお、本実施形態において、熱供給部材415の厚みとは、定着ベルト411の幅方向および移動方向に交差する方向についての厚みであり、加熱源413に対する熱供給部材415の積層方向についての厚みを意味する。
【0033】
図4は、比較例の定着装置40(図2(A)参照)の構成、および定着ベルト411(図2(A)参照)の温度分布を示した図である。ここでは、定着装置40の構成として、加熱源413および熱供給部材415を定着ベルト411の移動方向から見た図を示している。また、定着ベルト411の温度分布として、加熱源413の立ち上げの際の、定着ベルト411の幅方向に沿った温度分布を示している。
【0034】
この比較例の定着装置40は、加熱源413と、加熱源413からの熱を受ける熱供給部材415とを備える。比較例の熱供給部材415は、定着ベルト411の幅方向に亘ってその厚さが一定となっている。言い換えると、比較例の熱供給部材415は、定着ベルト411の幅方向における両端部と中央部とで、熱供給部材415の厚さが等しくなっている。また、比較例の熱供給部材415は、厚さが一定であることで、定着ベルト411の幅方向における両端部と中央部とで熱容量が等しくなっている。
この比較例では、熱供給部材415により、幅が小さい用紙Pに定着処理を行った後、幅が大きい用紙Pの定着処理を行う際の加熱源413および定着ベルト411の温度むらが低減される。
【0035】
一方、この比較例の定着装置40では、図4に示すように、加熱源413の立ち上げの際に、定着ベルト411の幅方向の両端部の温度が、幅方向の中央部と比較して低くなる。すなわち、上述したように、長尺形状の熱供給部材415では、中央部と比較して両端部において熱の拡散が起こりやすい。このため、熱供給部材415の厚さおよび熱容量が幅方向に亘って一定であると、加熱源413の立ち上げの際に、熱の拡散が起こりやすい幅方向の両端部において定着ベルト411の温度が低くなる。
【0036】
これに対し、本実施形態では、熱供給部材415の厚さを定着ベルト411の幅方向で異ならせることで、定着ベルト411の幅方向の両端部における温度低下を抑制する。
図5は、本実施形態の加熱源413および熱供給部材415の構成を示した図である。ここでは、加熱源413および熱供給部材415を、定着ベルト411の移動方向から見た図を示している。
以下、図5および上述した図3等を参照して、本実施形態の熱供給部材415の構成について説明する。
【0037】
本実施形態の熱供給部材415は、定着ベルト411の幅方向に沿った長さが異なる2つの板状の部材により構成されている。すなわち、熱供給部材415は、加熱源413の反対面413B上に積層される第1熱供給板415Aと、第1熱供給板415A上に積層され第1熱供給板415Aと比較して定着ベルト411の幅方向に沿った長さが短い第2熱供給板415Bとを有している。また、熱供給部材415では、第1熱供給板415Aと第2熱供給板415Bとの間に、熱伝導性を有する粘性液体の一例としてのグリース415Cが塗布されている。
なお、以下の説明において、定着ベルト411の幅方向を、単に「幅方向」と称する場合がある。
【0038】
ここで、この例では、第1熱供給板415Aと第2熱供給板415Bとは互いに接着されておらず、支持部材414(図2(B)参照)に支持されることで、グリース415Cを介して密着している。同様に、第1熱供給板415Aと加熱源413の反対面413Bとは互いに接着されておらず、支持部材414に支持されることで密着している。なお、図示は省略するが、第1熱供給板415Aと加熱源413の反対面413Bとの密着性を高めるため、第1熱供給板415Aと加熱源413の反対面413Bとの間にも、熱伝導性の高いグリース等の粘性液体を塗布してもよい。
【0039】
第1熱供給板415Aおよび第2熱供給板415Bは、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導性の高い金属材料により構成される。この例では、第1熱供給板415Aと第2熱供給板415Bとは、同じ材料により構成されている。
【0040】
第1熱供給板415Aおよび第2熱供給板415Bは、定着ベルト411の幅方向に延びて形成されている。また、第1熱供給板415Aおよび第2熱供給板415Bは、ともに定着ベルト411の幅方向に長径を有する長方形状を有している。
また、この例では、第1熱供給板415Aと第2熱供給板415Bとは、互いに厚さが等しくなっている。さらに、この例では、第1熱供給板415Aおよび第2熱供給板415Bの、定着ベルト411の移動方向に沿った長さは、加熱源413の移動方向に沿った長さと等しく形成されている。
【0041】
第1熱供給板415Aは、上述したように、直接または熱伝導性の高い粘性液体等を介して加熱源413の反対面413Bに積層されている。
図5に示すように、第1熱供給板415Aの幅方向の長さDAは、加熱源413における発熱層413Eの幅方向の長さDEよりも長く形成されている。また、第1熱供給板415Aの幅方向の長さDAは、加熱源413における基層413Dの幅方向の長さよりも短く形成されている。そして、第1熱供給板415Aの幅方向の両端部は、加熱源413における発熱層413Eの幅方向の両端部および非発熱領域413Gに対向している。
【0042】
また、第2熱供給板415Bは、上述したように、グリース415Cを介して、第1熱供給板415Aに積層されている。この例では、第2熱供給板415Bは、第1熱供給板415Aにおける幅方向の中央部に積層されている。
第2熱供給板415Bの幅方向の長さDBは、第1熱供給板415Aの長さDAと比較して短く形成されている。また、第2熱供給板415Bの幅方向の長さDBは、ニップ部N(図2(A)参照)に搬送される用紙Pの最小幅である最小通紙領域Fb(最小搬送領域の一例)よりも長く、且つニップ部Nに搬送される用紙Pの最大幅である最大通紙領域Faよりも短く形成されている。
【0043】
本実施形態の熱供給部材415では、第1熱供給板415Aと第2熱供給板415Bとが、熱伝導性の高いグリース415Cを介して積層することで、第1熱供給板415Aと第2熱供給板415Bとの間に隙間が生じて熱伝導性が低下することが抑制される。これにより、第1熱供給板415Aと第2熱供給板415Bとの間で速やかに熱の移動が行われるようになる。そして、第1熱供給板415Aと第2熱供給板415Bとは、協働して、加熱源413のうちの温度が高い部分の熱を、加熱源413のうちの温度が低い部分へ供給する。
【0044】
本実施形態の熱供給部材415では、第2熱供給板415Bの長さDBが第1熱供給板415Aの長さと比較して短く形成されることで、第1熱供給板415Aの幅方向の両端部には、第2熱供給板415Bが積層されていない領域が形成されている。
そして、熱供給部材415全体としてみると、熱供給部材415の幅方向の両端部の厚み(第1熱供給板415Aの厚み)が、幅方向の中央部の厚み(第1熱供給板415Aと第2熱供給板415Bとを合わせた厚み)と比較して薄くなっている。さらに付言すると、本実施形態の熱供給部材415では、厚みが上記関係を有することで、幅方向の両端部の熱容量が、幅方向の中央部と比較して小さくなっている。
なお、本実施形態において熱供給部材415の幅方向の両端部とは、熱供給部材415の幅方向の両端に位置し幅方向に予め定めた長さを有する領域を意味する。同様に、熱供給部材415の幅方向の中央部とは、熱供給部材415の幅方向の中央に位置し幅方向に予め定めた長さを有する領域を意味する。
【0045】
図6は、本実施形態の定着ベルト411の温度分布を示した図である。ここでは、定着ベルト411の温度分布として、加熱源413の立ち上げの際の、定着ベルト411の幅方向に沿った温度分布を表している。
本実施形態では、熱供給部材415の幅方向の両端部の熱容量が幅方向の中央部と比較して低いことで、加熱源413の立ち上げの際に、図4に示した比較例の定着装置40と比べて幅方向の両端部において加熱源413から熱供給部材415へ伝導する熱量が減少する。この結果、図4に示した比較例の定着装置40と比べて、幅方向の両端部において加熱源413から定着ベルト411へ供給される熱量が増える。そして、図6に示すように、定着ベルト411の幅方向における両端部での温度低下が抑制される。
【0046】
また、本実施形態では、第1熱供給板415Aと第2熱供給板415Bとの2つの部材を用いることで、熱供給部材415の幅方向の厚さを中央部と両端部とで異ならせている。これにより、例えば1つの金属板等を切削加工して熱供給部材415を作製するような場合と比較して、幅方向で厚さや熱容量の異なる熱供給部材415を容易に作製することができる。
また、例えば第1熱供給板415Aまたは第2熱供給板415Bの厚さや幅方向の長さ等を変更することにより、容易に熱供給部材415の熱容量の調整を行うことができる。
【0047】
ここで、上述したように、第1熱供給板415Aの幅方向の長さDAは、加熱源413における発熱層413Eの幅方向の長さDEよりも長くなっている。すなわち、熱供給部材415は、加熱源413の発熱層413Eに対して、幅方向の全域に亘って対向している。これにより、例えば幅が小さい用紙Pの定着処理時等に、発熱層413Eの両端部にて発生した熱を、熱供給部材415によって温度が低い部分へ供給することができる。そして、例えば第1熱供給板415Aの幅方向の長さDAが発熱層413Eの長さDEよりも短い場合と比較して、幅が小さい用紙Pの定着処理時における非通紙領域での加熱源413の温度上昇が抑制される。
【0048】
また、上述したように、第2熱供給板415Bの幅方向の長さDBは、最小通紙領域Fbよりも長くなっている。そして、熱供給部材415において厚さの厚い領域(第1熱供給板415Aと第2熱供給板415Bとが積層されている領域)は、最小通紙領域Fbの両端部をまたぐように配置される。これにより、特に加熱源413において非通紙領域の温度上昇が生じやすい最小幅の用紙Pの定着処理時に、非通紙領域の熱が、温度が低い部分へ供給されやすくなる。この結果、第2熱供給板415Bの長さDBが最小通紙領域Fbよりも短い場合と比較して、加熱源413および定着ベルト411の温度むらが抑制される。
【0049】
さらに、第2熱供給板415Bの幅方向の長さDBは、最大通紙領域Faよりも短くなっている。そして、熱供給部材415において厚さの薄い領域(第2熱供給板415Bが積層されていない領域)は、最大通紙領域Faの両端部をまたぐように配置される。これにより、第2熱供給板415Bの長さDBが最大通紙領域Faよりも長い場合と比較して、加熱源413の立ち上げの際に、最大通紙領域Faの両端部での温度低下が抑制される。
【0050】
さらにまた、本実施形態では、第1熱供給板415Aおよび第2熱供給板415Bの厚みは、幅方向に沿って一定となっている。付言すると、熱供給部材415のうち最小通紙領域Fbに対向する領域の厚みは、幅方向に沿って一定となっている。これにより、例えば熱供給部材415のうち最小通紙領域Fbに対向する領域の厚みが幅方向に変動している場合と比較して、幅の小さい用紙Pの定着処理時に、用紙Pに対して供給される熱のむらが抑制される。
【0051】
なお、この例では2つの板状の部材(第1熱供給板415A、第2熱供給板415B)により熱供給部材415を構成したが、3以上の部材を用いても構わない。すなわち、幅方向の長さが互いに異なる3以上の板状の部材を積層することで、熱供給部材415の厚さを、幅方向の中央部から両端部に向かい徐々に薄くなるようにすることができる。
【0052】
ここで、加熱源413の立ち上げの際に生じる幅方向の両端部での温度の低下を抑制するための方法としては、本実施形態のように熱供給部材415の厚さを幅方向で異ならせる他に、例えば加熱源413自身の厚さを幅方向で異ならせる方法が挙げられる。より具体的には、加熱源413の基層413D等の厚さを幅方向で異ならせる方法が挙げられる。しかしながら、加熱源413の厚さを幅方向で異ならせた場合、加熱源413による発熱効率等が幅方向で変動するおそれがあり、定着処理時に定着ベルト411に温度むらが生じる懸念がある。また、加熱源413は、上述したように、基層413D、発熱層413Eおよび保護層413Fを備えているため、厚さを幅方向で異ならせた場合、その構成がより複雑になりやすい。
これに対し、本実施形態では、加熱源413に接触して配置される熱供給部材415の厚さを幅方向で異ならせることで、より簡易な構成で、加熱源413の立ち上げの際に生じる幅方向の両端部での温度の低下を抑制することができる。
【0053】
(実施形態2)
続いて、本発明の実施形態2について説明する。図7は、実施形態2の加熱源413および熱供給部材415の構成を示した図である。図7では、加熱源413および熱供給部材415を、定着ベルト411(図2(A)参照)の移動方向から見た図を示している。
なお、以下の説明において実施形態1と同様の構成については同様の符号を用い、ここではその詳細な説明は省略する。
【0054】
実施形態2の熱供給部材415は、実施形態1の熱供給部材415とは異なり、一つの板状の部材から構成されている。
実施形態2の熱供給部材415は、図7に示すように、幅方向の中央部に位置し予め定めた厚みを有する肉厚部415Dと、肉厚部415Dにおける幅方向の両端部に隣接し肉厚部415Dと比較して厚みが薄い肉薄部415Eとを備えている。この例では、肉厚部415Dの厚みは、肉薄部415Eの厚みの2倍となっている。
そして、実施形態2の熱供給部材415では、幅方向の両端部に位置する肉薄部415Eの熱容量が、幅方向の中央部に位置する肉厚部415Dと比較して低くなっている。
【0055】
図7に示すように、本実施形態の熱供給部材415の幅方向の長さDAは、加熱源413における発熱層413Eの幅方向の長さDEよりも長く形成されている。また、熱供給部材415の幅方向の長さDAは、加熱源413における基層413Dの幅方向の長さよりも短く形成されている。
また、熱供給部材415の肉厚部414Dの長さDBは、最小通紙領域Fbよりも長く、且つ最大通紙領域Faよりも短く形成されている。
【0056】
本実施形態でも実施形態1と同様に、熱供給部材415の幅方向の両端部に位置する肉薄部415Eの熱容量が、幅方向の中央部に位置する肉厚部415Dと比較して低いことで、加熱源413の立ち上げの際に、幅方向の両端部において加熱源413から熱供給部材415へ伝導する熱量が減少する。この結果、図4に示した比較例の定着装置40と比べて、幅方向の両端部において加熱源413から定着ベルト411へ供給される熱量が増える。そして、定着ベルト411の幅方向における両端部での温度低下が抑制される。
【0057】
肉厚部415Dと肉薄部415Eとを備える本実施形態の熱供給部材415は、例えば金属板に対して切削加工を施すことにより得ることができる。
ここで、実施形態1のように熱供給部材415を複数の部材により構成すると、複数の部材間の密着性が低下した場合には、複数の部材間での熱伝導が妨げられるおそれがある。この場合、温度の高い部分の熱を温度が低い部分へ供給しにくくなる場合がある。
【0058】
これに対し、本実施形態では、熱供給部材415を1つの部材により構成することで、例えば熱供給部材415を複数の部材により構成する場合と比較して、熱供給部材415において熱伝導が効率的に行われる。これにより、幅が小さい用紙Pの定着処理後、幅が大きい用紙Pの定着処理時に、加熱源413および定着ベルト411の温度むらがより抑制される。
【0059】
(実施形態3)
続いて、本発明の実施形態3について説明する。図8は、実施形態3の加熱源413および熱供給部材415の構成を示した図である。図8では、加熱源413および熱供給部材415を、定着ベルト411(図2(A)参照)の移動方向から見た図を示している。
なお、以下の説明において実施形態1および実施形態2と同様の構成については同様の符号を用い、ここではその詳細な説明は省略する。
【0060】
実施形態3の熱供給部材415は、実施形態2の熱供給部材415と同様に、一つの板状の部材から構成されている。
実施形態3の熱供給部材415は、図8に示すように、幅方向の中央部に位置し予め定めた厚みを有する肉厚部415Dと、肉厚部415Dにおける幅方向の両端部に隣接し肉厚部415Dと比較して厚みが薄い肉薄部415Fとを備えている。実施形態3の熱供給部材415では、肉薄部415Fの形状が、実施形態2の熱供給部材415における肉薄部415E(図7参照)と異なっている。
【0061】
すなわち、実施形態3の熱供給部材415において、肉薄部415Fは、肉厚部415Dに隣接する側から幅方向の両端部に向かうに従い厚みが連続して薄くなるように形成されている。言い換えると、肉薄部415Fは、幅方向の中央部から幅方向の両端部に向かうに従い厚みが徐々に薄くなっている。
さらに付言すると、実施形態3の熱供給部材415では、肉薄部415Fが、加熱源413の発熱層413Eにおける幅方向の両端部に対向している。これにより、熱供給部材415は、発熱層413Eにおける幅方向の両端部に対向する領域の厚みが連続して薄くなっている。
【0062】
実施形態3の熱供給部材415は、上記形状を有することで、肉厚部415Dと肉薄部415Fとの境界において熱供給部材415の熱容量が急激に変わることが抑制される。
また、熱供給部材415では、上述したように、幅方向の両端部ほど熱の拡散が起こりやすく、加熱源413の立ち上げの際に温度が低くなりやすい。したがって、肉薄部415Fの厚みが幅方向の両端部に向かうに従い連続して薄くなるように形成されることで、実施形態3の熱供給部材415は、熱の拡散の起こりやすさに対応した形状を有することになる。これにより、加熱源413の立ち上げの際に、加熱源413および定着ベルト411の幅方向の両端部での温度低下が抑制される。そして、例えば実施形態2の熱供給部材415を用いる場合と比較して、加熱源413の立ち上げの際に、定着ベルト411の温度分布を幅方向に亘ってより滑らかにすることができる。
【0063】
(実施形態4)
続いて、本発明の実施形態4について説明する。図9は、実施形態4の熱供給部材415の構成を示した図であって、熱供給部材415を加熱源413(図2(B)参照)に面する側とは反対から見た斜視図である。
実施形態1〜実施形態3の熱供給部材415は、幅方向の中央部と比較して、幅方向の両端部の厚みが定着ベルト411(図2(A)参照)の移動方向の全域に亘って薄くなっている形状を有しているが、熱供給部材415の形状はこれに限られるものではない。すなわち、熱供給部材415は、幅方向の両端部における少なくとも一部に幅方向の中央部と比較して厚みが薄い領域が形成されており、幅方向の両端部における熱容量が幅方向の中央部と比較して小さくなるような形状を有していればよい。
【0064】
図9に示すように、実施形態4の熱供給部材415は、幅方向の両端部に、熱供給部材415を構成する部材が厚さ方向に切り欠かれることで形成されたた溝部415Hを有している。そして、熱供給部材415は、溝部415Hが形成された領域の厚みが、溝部415Hが形成されていない領域と比較して薄くなっている。なお、溝部415Hは、熱供給部材415の両端部のうち、移動方向の一部に形成されている。
【0065】
そして、実施形態4の熱供給部材415は、幅方向の両端部に溝部415Hが形成されることで、幅方向の両端部における熱容量が幅方向の中央部と比較して小さくなっている。これにより、加熱源413の立ち上げの際に、加熱源413および定着ベルト411の幅方向の両端部での温度低下が抑制される。
また、実施形態4の熱供給部材415では、幅方向の両端部において移動方向の一部の領域に溝部415Hが形成されることで、幅方向の両端部において移動方向の全域の厚みが薄くなっている場合と比較して、幅方向の両端部における強度の低下が抑制される。
【符号の説明】
【0066】
1…画像形成装置、10…画像形成部、40…定着装置、41…定着ベルトモジュール、46…加圧ロール、411…定着ベルト、413…加熱源、413E…発熱層、415…熱供給部材、415A…第1熱供給板、415B…第2熱供給板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9