(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、実装不良を防止することが可能な電極部を有するコイル装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、上記目的について鋭意検討した結果、電極部にワイヤのワイヤ端を熱圧着等によって接続した後に、実装面を被覆層で覆うことで、実装不良を防止することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明に係るコイル装置は、
ワイヤを巻回してなるコイル部と、
前記コイル部が具備してあるコアと、
前記ワイヤのワイヤ端が接続される継線部を持つ電極部とを有し、
前記電極部の少なくとも実装面の一部は被覆層で覆われていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るコイル装置では、電極部の少なくとも実装面の一部が被覆層で覆われている。そのため、電極部に熱圧着等を施したときに、実装面が熱圧着等による熱の影響を受けても、その熱の影響を低減することが可能となり、実装不良を防止することができる。
【0009】
好ましくは、前記被覆層は、金属被膜層からなる。また、好ましくは、前記金属被膜層は、Au、Ag、Pt、Cu、Snおよびこれらの合金から選ばれる少なくとも一種を含んでいる。このような金属を含む金属被膜層からなる被膜層を構成することにより、はんだ濡れ性の高い被覆層で電極部の実装面を覆うことが可能となる。そのため、熱圧着等による熱の影響で、はんだ濡れ性が低下した部分を、はんだ濡れ性の高い被覆層で覆い、実装面のはんだ濡れ性を高めることが可能となる。したがって、被覆層を介して、実装面を回路基板等に接合することにより、実装面積を十分に確保して、回路基板等への実装強度を向上させ、実装不良を効果的に防止することができる。
【0010】
好ましくは、前記被覆層は、薄膜からなる。
【0011】
前記継線部は、前記電極部の実装面に形成してあり、前記被覆層は、当該継線部を覆っていてもよい。このような構成とすることにより、実装面に施した熱圧着等によって熱の影響を受けた部分(継線部)を、実装面から露出しないように被覆層で覆うことが可能となる。そのため、熱の影響を低減することが可能となり、実装不良を防止することができる。
【0012】
前記電極部の実装面は、第1実装面と、前記第1実装面とは段差部を介して接続してある第2実装面とを有し、前記継線部は、前記第2実装面に形成してあってもよい。このような構成とすることにより、第1実装面を回路基板等への接合面として用いることが可能となり、実装面積を広く確保して、回路基板等への実装強度を向上させ、実装不良を効果的に防止することができる。
【0013】
また、第1実装面を回路基板等に接合すると、第2実装面と回路基板等との間に、段差部の高さに応じた隙間が形成される。第2実装面が被覆層で覆われると、この隙間にはんだが充填されやすくなり、このはんだが回路基板等への接合に寄与する。そのため、第1実装面だけでなく、第2実装面も回路基板等に接合され、回路基板等への実装強度を効果的に向上させることができる。
【0014】
前記継線部は、前記電極部の実装面とは異なる面に形成してあってもよい。このような構成とすることにより、実装面とは異なる面に施した熱圧着等による熱の影響が実装面に及び、実装面が熱の影響を受けても、この熱の影響を受けた部分を、実装面から露出しないように被覆層で覆うことが可能となる。そのため、熱の影響を低減することが可能となり、実装不良を防止することができる。
【0015】
また、上記のような構成とすることにより、電極部の実装面とは異なる面に、はんだフィレットを形成することも可能となり、回路基板等への実装強度を効果的に向上させ、実装不良を効果的に防止することができる。
【0016】
前記コアは、巻芯部と、前記巻芯部の両端に形成してある鍔部とを有し、前記ワイヤは、前記巻芯部に巻回してあり、前記電極部は、前記鍔部の表面に形成してあってもよい。このような構成とすることにより、たとえばドラムコアを有するコイル装置の実装不良を防止することができる。
【0017】
前記電極部は、前記鍔部の端面に形成してある実装補助面をさらに有し、前記継線部は、前記実装補助面に形成してあってもよい。このような構成とすることにより、実装補助面に、はんだフィレットを形成することが可能となり、回路基板等への実装強度を効果的に向上させ、実装不良を効果的に防止することができる。
【0018】
また、上記のような構成とすることにより、実装補助面に施した熱圧着等によって熱の影響を受けた部分(継線部)を、実装補助面から露出しないように被覆層で覆うことが可能となる。そのため、熱の影響を低減することが可能となり、実装補助面に、はんだフィレットを十分に形成することができる。なお、導電性接着剤など、はんだ以外の他の接着手段を用いた場合にも同様の効果を得ることができる。
【0019】
前記電極部は、金属端子金具、メッキパターンまたは印刷パターンからなっていてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0022】
第1実施形態
図1Aに示すように、本発明の第一実施形態に係るコイル装置1は、ドラムコア10と、板状部材20と、ドラムコア10の巻芯部12に巻回されたコイル部30と、電極部40とを有する。ドラムコア10には、コイル部30が具備してある。
【0023】
なお、コイル装置1の説明では、コイル装置1を実装する実装面と平行な面内にありドラムコア10の巻芯部12の巻軸と平行な方向をX軸、X軸と同じく実装面と平行な面内にありX軸と垂直な方向をY軸方向、実装面の法線方向をZ軸方向とする。また、以下では、Z軸正方向側を上方とし、Z軸負方向側を下方とする。
【0024】
コイル装置1は、その外形寸法が、たとえば(X軸方向長さ4.3〜4.7mm×Z軸方向高さ2.6〜3.0mm×Y軸方向幅3.0〜3.4mm)であるが、コイル装置1のサイズはこれに限定されない。
【0025】
ドラムコア10は、X軸方向に巻軸を持ちY軸方向に細長い長方形状の断面を持つ巻芯部12と、巻芯部12のX軸方向の両端に備えられる一対の鍔部14aおよび14aと、を有する。巻芯部12の横断面形状は、本実施形態では矩形であるが、円形や略八角形でも良く、その横断面形状は特に限定されない。
【0026】
鍔部14a,14aのそれぞれの外形状は、Y軸方向に長い略直方体であり、これらの鍔部14a,14aは、X軸方向に関して所定の間隔を空けて、互いに略平行になるように配置されている。鍔部14a,14aの横断面形状は、本実施形態では矩形であるが、円形や略八角形でも良く、その横断面形状は特に限定されない。巻芯部12は、一対の鍔部14a,14aにおいて互いに向かい合うそれぞれの面の中央部に接続しており、一対の鍔部14a,14aを接続している。
【0027】
巻芯部12には、
図1Aに示すように、第1ワイヤ31および第2ワイヤ32が巻回してあり、ワイヤ31,32を1層以上に巻回してなるコイル部30を構成している。ワイヤ31,32は、たとえば被覆導線で構成してあり、良導体からなる芯材を絶縁性の被覆膜で覆った構成を有している。本実施形態では、ワイヤ31,32における導体部分の横断面積は同一であるが、異なっていてもよい。また、コイル部30は、1本のワイヤを1層以上に巻回して構成してもよく、あるいは3本以上のワイヤを1層以上に巻回して構成してもよい。
【0028】
本実施形態では、ワイヤ31,32の巻回数が略同じであるが、用途によっては異ならせてもよい。なお、ワイヤ31,32の巻回数が略同じとは、これらの巻回数の比が0.75〜1/0.75の範囲内である。
【0029】
図1Aに示すように、鍔部14a,14aの端面14a5,14a5のY軸方向両側には、それぞれX軸方向の内側(巻芯部12のX軸方向の中心方向)に凹んでいる側方段差面14a6,14a6が設けられている。側方段差面14a6,14b6には、後述する電極部40の実装補助部43が設けられる。
【0030】
鍔部14a,14aのZ軸上方には、それぞれ第1平坦面14a1,14a1が形成してある。第1平坦面14a1,14a1は、コイル装置1を、たとえば回路基板等に実装する場合における実装面(設置面)となる。
【0031】
また、鍔部14a,14aのZ軸下向には、それぞれ第2平坦面14a2,14a2が形成してある。第2平坦面14a2,14a2には、板状部材20が設けられる。
【0032】
図1Aに示すように、ドラムコア10の一方の鍔部14aの表面には、電極部40がY軸方向に沿って所定間隔で形成してある。同様に、他方の鍔部14aの表面には、電極部40がY軸方向に沿って所定間隔で形成してある。
図1Aに示す例では、電極部40は、第1平坦面14a1,14a1と側方段差面14a6,14a6とに跨って形成してある。隣接する電極部40の間隔は、絶縁が確保される距離であれば特に限定されない。
【0033】
本実施形態では、電極部40は、XY平面に平行な実装部(実装面)42と、YZ平面に平行な実装補助部43とから成り、これらは電気的に繋がっている。実装部42は、鍔部14a,14aの第1平坦面14a1,14a1のY軸方向両側に形成してある。また、実装補助部43は、鍔部14a,14aの側方段差面14a6,14a6に形成してある。実装補助部43は、はんだフィレットが形成される部分であり、実装補助部43にはんだフィレットを形成することにより、回路基板等への実装強度を向上させ、実装不良を防止することが可能となる。
【0034】
実装部42は、回路基板等に接合される部分である。コイル装置1を回路基板等に実装する場合において、実装部42は、回路基板等の電極との半田の接合面となる。
【0035】
本実施形態では、実装部42には、継線部41が形成してある。継線部41は、コイル部30を構成するワイヤ31,32のワイヤ端31a,31b,32a,32bが、熱圧着やレーザ等の各種熱処理によって、それぞれ接続される部分である。すなわち第1ワイヤ31の各ワイヤ端31a,31bは、それぞれ鍔部14a,14aのY軸方向の一端側に形成された各電極部40の継線部41に接続される。また、第2ワイヤ32の各ワイヤ端32a,32bは、それぞれ鍔部14a,14aのY軸方向の他端側に形成された各電極部40の継線部41に接続される。
【0036】
各電極部40の実装補助部43のZ軸方向長さは、鍔部14a,14aの側方段差面14a6,14a6のZ軸方向長さの約1/4〜2/3程度である。すなわち、実装補助部43は、側方段差面14a6,14a6の上から約1/4〜2/3程度の領域に形成される。
【0037】
電極部40は、たとえば金属ペースト焼付け膜や金属メッキ膜で構成されている。電極部40は、鍔部14a,14aの側方段差面14a6,14a6および第1平坦面14a1,14a1の表面に、たとえばAgペーストを塗布して焼き付けた後、その表面に、たとえば電界メッキまたは無電界メッキを施し、メッキ膜を形成することにより形成される。
【0038】
なお、金属ペーストの材料は、特に限定されるものではなく、CuペーストやAgペーストなどが例示される。また、メッキ膜は、単層でも複層でも良く、たとえばCuメッキ、Niメッキ、Snメッキ、Ni−Snメッキ、Cu−Ni−Snメッキ、Ni−Auメッキ、Auメッキなどのメッキ膜が例示される。電極部40の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.1〜15μmである。
【0039】
図1Aに示すように、電極部40は、被覆層50で覆われている。被覆層50は、金属被膜層からなり、Au、Ag、Pt、Cu、Snおよびこれらの合金から選ばれる少なくとも一種を含んでいる。
【0040】
被覆層50は薄膜法で成膜されることが好ましく、被覆層50の厚み(平均厚みまたは最大厚み)TH1は、好ましくは5〜20μmであり、さらに好ましくは10〜15μmである。
【0041】
なお、被覆層50の厚みは、必ずしも均一でなくてもよく、後述する熱処理による熱の影響を受ける部分については、他の部分に比べて、被覆層50の厚みを厚くしてもよい。
【0042】
このような薄膜からなる被覆層50を形成するための方法は特に限定されるものではないが、たとえば蒸着やスパッタリング等を例示することができる。
【0043】
図1Aに示すように、本実施形態では、被覆層50は、電極部40の実装部42と実装補助部43とを跨がるように覆っているが、実装部42のみを覆っていてもよい。また、被覆層50は、実装部42の全部を覆っているが、実装部42の一部を覆っていてもよい。すなわち、被覆層50は、電極部40の少なくとも実装部(実装面)42の一部を覆っていればよい。
【0044】
本実施形態では、被覆層50は、特に熱圧着等の熱処理によって、ワイヤ31,32のワイヤ端31a,31b,32a,32bを電極部40に接続したときに、熱の影響を受けて劣化した部分を少なくとも覆っている。
【0045】
すなわち、電極部40に熱処理を施すと、その熱の影響で、たとえば、ワイヤ31,32を覆っている被覆膜が溶融し、その残渣(被膜カス)が残ったり、溶融した被覆膜によって異相(炭素を主成分とする相)が形成されたりする場合がある。また、熱処理を施した部分には、熱処理による熱の影響で、はんだ濡れ性を悪化させる合金層(ワイヤの芯材と、電極部に形成されたメッキ等とが反応したもの)が形成される場合がある。
【0046】
本実施形態のように、継線部41を実装部42に形成する場合、ワイヤ31,32のワイヤ端31a,31b,32a,32bを実装部42に接続するときに、実装部42は熱処理による熱の影響を受ける。特に、継線部41(継線部41の周辺部も同様)では、合金層等が形成されたり、被膜カスが残ったりするなど、熱の影響を顕著に受けやすい。また、実装補助部43は、実装部42に施した熱が実装部42に伝達されることで、実装部42に施した熱処理による熱の影響を受ける。したがって、本実施形態では、被覆層50は、熱処理による熱の影響を受ける部分として、実装部42と、実装補助部43とを覆っている。
【0047】
図1Bに示すように、実装部42を覆う被覆層50は、継線部41とその周辺部(実装部42全体)を覆っているが、実装部42の一部のみを局所的に覆っていてもよい。たとえば、実装部42のうち、熱処理による熱の影響を受けやすい継線部41のみを被覆層50で覆ってもよい。
【0048】
また、
図1Cに示すように、実装補助面43を覆う被覆層50は、実装補助部43の全体を覆っているが、実装補助部43の一部のみを局所的に覆っていてもよい。たとえば、実装補助部43のうち、熱処理による熱の影響を受けやすい実装部42との境界部分のみを被覆層50で覆ってもよい。
【0049】
被覆層50を上述した各種の金属で構成することにより、実装部42および実装補助部43には、高いはんだ濡れ性(はんだのみならず、導電性接着剤等の他の接着手段に対する濡れ性についても同様)を有する被覆層50が形成される。そのため、熱の影響を受けた部分のうち、被覆層50で覆われた部分は、被覆層50で覆われていない部分に比べて、はんだ濡れ性が高くなる。
【0050】
コイル装置1の製造では、まず、ドラム型のドラムコア10と板状部材20とワイヤ31および32とを準備する。ドラムコア10および板状部材20は、好ましくは、それぞれ別々の磁性体部材で構成されるが、これらの材質は、別々の磁性体材料で構成されていてもよい。
【0051】
磁性体材料としては、たとえば、比較的透磁率の高い磁性材料、たとえばNi−Zn系フェライトや、Mn−Zn系フェライト、あるいは金属磁性体などが例示される。これらの磁性材料の粉体を、成型および焼結することにより、ドラムコア10および板状部材20が作製される。ドラムコア10には、巻芯部12と鍔部14a,14aとが一体に成形される。
【0052】
次に、ドラムコア10の鍔部14a,14aに金属ペーストを塗布し、所定の温度で焼き付ける。そして、その表面に電界めっきまたは無電解メッキを施すことにより、電極部40が形成される。
【0053】
次に、電極部40が形成されたドラムコア10およびワイヤ31およびワイヤ32を、巻線機にセットする。これにより、ワイヤ31および32が、所定の順序でドラムコア10の巻芯部12に巻回される。ワイヤ31および32としては、たとえば、銅(Cu)などの良導体からなる芯材を、イミド変成ポリウレタンなどからなる絶縁材で覆い、さらに最表面をポリエステルなどの薄い樹脂膜で覆ったものを用いることができる。
【0054】
同時に、またはその後に、ワイヤ31,32のワイヤ端31a,32a,31b,32bを、電極部40の継線部41に接続する。接続のための方法は、特に限定されないが、たとえばワイヤ端31a,31b,32a,32bを挟むようにして、電極部40に、たとえばヒータチップを押し当てて、ワイヤ端31a,31b,32a,32bを電極部40(本実施形態では、実装部42)に熱圧着する。図示の例では、ワイヤ端31a,31b,32a,32bは、実装部42の略中心部に接続しているが、実装部42の端部に接続してもよい。
【0055】
次に、実装部42および実装補助部43が露出するように、それ以外の部分をSUSマスク等でマスクし、継線部41の上から、継線後の電極部40に、たとえばAuを含む金属材料を蒸着し、被覆層50を形成する。なお、ワイヤ31,32の芯線を被覆している絶縁材料については、熱圧着時の熱で溶融したとしても、被覆層50で覆われるため、ワイヤ31,32に被膜除去を施す必要はない。
【0056】
本実施形態では、電極部40の実装部42の全部が被覆層50で覆われている。そのため、電極部40に熱圧着等を施したときに、実装部42(具体的には、継線部41の周辺部)が熱圧着等による熱の影響を受けても、その熱の影響(被膜カス等による影響)を低減することが可能となり、実装不良を防止することができる。
【0057】
また、本実施形態では、被覆層50が、Au、Ag、Pt、Cu、Snおよびこれらの合金から選ばれる少なくとも一種を含む金属被膜層で構成されており、電極部40の実装部42が、はんだ濡れ性の高い被覆層50で覆われる。そのため、熱圧着等による熱の影響で、はんだ濡れ性が低下した継線部41を、はんだ濡れ性の高い被覆層50で覆い、実装部42のはんだ濡れ性を高めることが可能となる。したがって、被覆層50を介して、実装部42を回路基板等に接合することにより、実装面積を十分に確保して、回路基板等への実装強度を向上させ、実装不良を効果的に防止することができる。
【0058】
また、本実施形態では、継線部41が、電極部40の実装部42に形成してあり、被覆層50は、当該継線部41を覆っている。そのため、実装部42に施した熱圧着等によって熱の影響を受けた部分(継線部41)を、実装部42から露出しないように被覆層50で覆うことが可能となる。したがって、熱の影響を低減することが可能となり、実装不良を防止することができる。
【0059】
第2実施形態
図2Aおよび
図2Bに示すように、本実施形態に係るコイル装置101では、鍔部114a,114aおよび電極部140の構成が異なる以外は、第1実施形態に係るコイル装置1と同様である。以下、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、共通する部分の説明は省略する。また図面に示す部材において、共通する部材には共通する符号を付し、その説明は一部省略する。
【0060】
鍔部114a,114aは、それぞれ前述した第1平坦面14a1と、第2平坦面14a2と、第1側面14a3と、第2側面14a4と、端面14a5とに加えて、上方段差面14a7と、傾斜面14a8とを有する。
【0061】
上方段差面14a7は、第1平坦面14a1よりもZ軸上方に高い位置に形成してある。
図2Bに示すように、第1平坦面14a1から上方段差面14a7までの高さH1と、第1平坦面14a1から第2平坦面14a2までの高さH2との比H1/H2は、好ましくは0.01〜0.25である。
【0062】
傾斜面14a8は、上方段差面14a7のY軸方向両側に形成してあり、第1平坦面14a1と、上方段差面14a7とを接続する。傾斜面14a8のXY平面に対する傾斜角度θは、0°<θ≦90°の範囲で適宜選択することができる。
【0063】
電極部140は、実装部142と、実装補助部43とを有する。
図2Bに示すように、実装部142は、第1実装部142aと、第2実装部142bと、段差部142cとを有する。段差部142cは、傾斜面14a8に沿って形成してあり、第1実装部142aと第2実装部142bとを接続する。
【0064】
第1実装部142aは、鍔部114a,114aの上方段差面14a7,14a7のY軸方向両側に形成してある。本実施形態では、第1実装部142aは、回路基板等へのはんだの接合面としての役割を果たす。
【0065】
第2実装部142bは、鍔部114a,114aの第1平坦面14a1,14a1のY軸方向両側に形成してある。本実施形態では、第2実装部142bには、継線部141が形成してあり、継線部141は電極部140のはんだの接合面(第1実装部142a)とは異なる面に形成してある。なお、第2実装部142bに回路基板等へのはんだの接合面としての役割を具備させ、実装部142全体を回路基板等に接合してもよい。
【0066】
図2Aに示すように、電極部140は、被覆層50で覆われている。本実施形態では、被覆層50は、電極部140の実装部142と実装補助部43とを覆っている。より詳細には、実装部142では、被覆層50は、第1実装部142aと、第2実装部142bと、段差部142cとを跨るように覆っている。
【0067】
図示の例では、被覆層50は、電極部140の全部を覆っているが、電極部140の一部を覆っていてもよい。たとえば、被覆層50は、熱処理による熱の影響を受けやすい実装部142のみ(あるいは、第2実装部142bのみ)を覆っていてもよい。
【0068】
本実施形態では、電極部140の実装部142が、第1実装部142aと、第1実装部142aとは段差部142cを介して接続してある第2実装部142bとを有し、継線部141は、第2実装部142aに形成してある。そのため、第1実装部142aを回路基板等への接合面として用いることが可能となり、実装面積を広く確保して、回路基板等への実装強度を向上させ、実装不良を効果的に防止することができる。
【0069】
また、第1実装部142aを回路基板等に接合すると、第2実装部142bと回路基板等との間に、段差部142cの高さに応じた隙間が形成される。第2実装部142bが被覆層50で覆われると、この隙間にはんだが充填されやすくなり、このはんだが回路基板等への接合に寄与する。そのため、第1実装部142aだけでなく、第2実装部142bも回路基板等に接合され、回路基板等への実装強度を効果的に向上させることができる。
【0070】
第3実施形態
図3Aおよび
図3Bに示すように、本実施形態に係るコイル装置201では、鍔部214a,214a、電極部240および板状部材220の構成が異なる以外は、第1実施形態に係るコイル装置1と同様である。以下、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、共通する部分の説明は省略する。また図面に示す部材において、共通する部材には共通する符号を付し、その説明は一部省略する。
【0071】
図3Aに示すように、本実施形態における鍔部214a,214aは、それぞれ第1平坦面14a1と、第2平坦面14a2と、第1側面14a3と、第2側面14a4と、端面14a5とを有し、側方段差面14a6を有してはいない点で、第1実施形態における鍔部14a,14aとは異なる。
【0072】
電極部240は、実装部42と、実装補助部243とを有する。実装補助部243は、端面14a5と第2平坦面14a2とに跨って形成してあり、略L字の外形状を有する。
図3Bに示すように、実装補助部243の第2平坦面14a2側には、板状部材220と対向するように、継線部241が形成してある。すなわち、本実施形態では、継線部241は、電極部240の実装部42とは異なる面に形成してある。
【0073】
板状部材220のY軸方向両側には、切り欠き部221がX軸方向に沿って形成してある。そのため、板状部材220を鍔部214a,214aに設置すると、
図3Bに示すように、板状部材220の内側四隅と第2平坦面14a2,14a2との間に隙間ができる。そのため、板状部材220を鍔部214a,214aに設置したときに、板状部材220の内側四隅が、継線部241に接触して継線部241の接続に悪影響を与えることがない。
【0074】
なお、切り欠き部221における切り欠きのX軸方向幅、Y軸方向幅およびZ軸方向幅は、継線部241との接触を回避可能な幅であれば、特に限定されるものではない。また、切り欠き部221をZ軸方向からみた外形状は、特に限定されるものではなく、四角形や扇形など種々の形状としてよい。
【0075】
図3Aに示すように、電極部240は、被覆層50で覆われている。本実施形態では、被覆層50は、実装部42と、実装補助部243の端面14a5側とを跨がるように覆っている。
【0076】
図示の例では、被覆層50は、電極部240の一部(実装部42と、実装補助部243の端面14a5側)を覆っているが、電極部240の全部を覆っていてもよい。また、被覆層50は、熱処理による熱の影響を受けやすい実装部42のみを覆っていてもよい。
【0077】
本実施形態では、継線部241が、電極部240の実装部42とは異なる面に形成してある。そのため、実装部42とは異なる面(実装補助部243の第2平坦面14a2側)に施した熱処理による熱の影響が実装部42に及び、実装部42が熱の影響を受けても、この熱の影響を受けた部分を、実装部42から露出しないように被覆層50で覆うことが可能となる。そのため、熱の影響を低減することが可能となり、実装不良を防止することができる。
【0078】
また、電極部240の実装部42とは異なる面(実装補助部243)に、はんだフィレットを形成することが可能となり、回路基板等への実装強度を効果的に向上させ、実装不良を効果的に防止することができる。
【0079】
第4実施形態
図4Aおよび
図4Bに示すように、本実施形態に係るコイル装置301では、電極部340の構成が異なる以外は、第3実施形態に係るコイル装置201と同様である。以下、第3実施形態と異なる部分について詳細に説明し、共通する部分の説明は省略する。また図面に示す部材において、共通する部材には共通する符号を付し、その説明は一部省略する。
【0080】
本実施形態では、継線部341が、実装補助部243の端面14a5側に形成してある。すなわち、本実施形態では、継線部341は、電極部340の実装部42とは異なる面に形成してある。
【0081】
図4Aに示すように、電極部340は、被覆層50で覆われている。
図4Bに示すように、本実施形態では、被覆層50は、実装部42と、実装補助部243の端面14a5側とを跨がるように覆っている。
【0082】
図示の例では、被覆層50は、電極部340の一部(実装部42と、実装補助部243の端面14a5側)を覆っているが、電極部340の全部を覆っていてもよい。
【0083】
本実施形態では、実装補助部243の端面14a5側に形成してある継線部341が被覆層50で覆われている。そのため、実装補助部243に施した熱処理によって熱の影響を受けた部分(継線部341)を、実装補助部243から露出しないように被覆層50で覆うことが可能となる。したがって、熱の影響を低減することが可能となり、実装補助部243に、はんだフィレットを十分に形成することができる。なお、導電性接着剤など、はんだ以外の他の接着手段を用いた場合にも同様の効果を得ることができる。
【0084】
なお、
図4Cに示すように、実装部42のみを被覆層50で覆ってもよい。この場合、実装補助部243の端面14a5側に施した熱処理による熱の影響が実装部42に及び、実装部42が熱の影響を受けても、この熱の影響を受けた部分を、実装部42から露出しないように被覆層50で覆うことが可能となる。そのため、熱の影響を低減することが可能となり、実装不良を防止することができる。
【0085】
また、
図4Dに示すように、実装補助部243の第2平坦面14a2側を省略して、電極部340の構成を簡素化してもよい。
【0086】
第5実施形態
図5に示すように、本実施形態に係るコイル装置401では、電極部440の構成が異なる以外は、第4実施形態に係るコイル装置301と同様である。以下、第4実施形態と異なる部分について詳細に説明し、共通する部分の説明は省略する。また図面に示す部材において、共通する部材には共通する符号を付し、その説明は一部省略する。
【0087】
電極部440は、たとえば鍔部214a,214aをAgなどのディップ液に浸漬することで形成され、鍔部214a,214aの第1平坦面14a1と、第2平坦面14a2と、第1側面14a3と、第2側面14a4と、端面14a5とに跨がるように形成してある。
【0088】
図示の例では、巻芯部12には、第1ワイヤ31のみが巻回してあり、第1ワイヤ31を1層以上に巻回してなるコイル部430を構成している。
【0089】
電極部440は、第1平坦面14a1に形成してある実装部442と、第2平坦面14a2と、第1側面14a3と、第2側面14a4と、端面14a5とに跨がるように形成してある実装補助部443とからなり、これらは電気的に繋がっている。
【0090】
本実施形態では、継線部441が、実装補助部443の端面14a5側に形成してある。すなわち、本実施形態では、継線部441は、電極部440の実装部442とは異なる面に形成してある。
【0091】
図5に示すように、電極部440は、被覆層50で覆われている。本実施形態では、被覆層50は、電極部440の一部(実装部442と、実装補助部443の第1側面14a3側、第2側面14a4側および端面14a5側)を覆っているが、電極部440の全部を覆っていてもよい。
【0092】
本実施形態でも、上記第4実施形態と同様の効果が得られる。特に、本実施形態では、被覆層50が電極部440の広範囲に亘って形成してあるため、回路基板等への実装強度を効果的に向上させ、実装不良を効果的に防止することができる。
【0093】
なお、図示の例では、第1ワイヤ31が鍔部214a,214aの第1平坦面14a1を通過して実装補助部443に接続されているが、鍔部214a,214aの第2平坦面14a2を通過して実装補助部443に接続されていてもよい。この場合、第1ワイヤ31のワイヤ端31a,31bが板状部材20に接触しないように、
図3Aに示すように、板状部材20のY軸方向両側に切り欠きを形成することが好ましい。
【0094】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。たとえば、上記各実施形態では、電極部40をメッキパターンまたは印刷パターンによって構成したが、たとえば金属端子金具で構成してもよい。
【0095】
上記各実施形態では、鍔部14a,14aに電極部40が2個形成されていたが、3個以上形成されていてもよい。たとえば、
図1Aに示すコイル装置1において、鍔部14a,14aに電極部40を3個形成してもよい。
【0096】
この場合、鍔部14a,14aの各々に形成してある3個の電極部40のうち、いずれか2個の電極部40を、それぞれ平衡入力のプラス側端子IN+とマイナス側端子IN−(平衡出力のプラス側端子OUT+とマイナス側端子OUT−)として用いる。また、残りの1個の電極部40を、入力側(出力側)の中間タップCTとして用いる。
【0097】
上記各実施形態では、ドラムコア10を有するコイル装置1への本願発明の適用例について示したが、ドラムコアを有さないコイル装置に本願発明を適用してもよい。
【0098】
上記各実施形態において、電極部40を、蒸着やスパッタリング、あるいは印刷等によって形成してもよい。また、電極部40を、略L字あるいは略コの字の外形状を有する金属端子金具で構成してもよい。
【0099】
上記各実施形態では、被覆層50の厚みが、電極部40の厚みよりも薄い場合を例示して説明したが、被覆層50の厚みは、電極部40の厚みと同等あるいは厚くてもよい。また、被覆層50を形成するための方法は、蒸着やスパッタリング等に限定されるものではなく、たとえば厚みの厚い被覆層50を形成する場合には、塗布等の方法を用いてもよい。