特許第6981154号(P6981154)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981154
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】引き抜き力測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/00 20060101AFI20211202BHJP
【FI】
   G01L5/00 Z
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-192848(P2017-192848)
(22)【出願日】2017年10月2日
(65)【公開番号】特開2019-66350(P2019-66350A)
(43)【公開日】2019年4月25日
【審査請求日】2020年9月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 彰
(72)【発明者】
【氏名】箱田 貴志
【審査官】 公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−102534(JP,A)
【文献】 特開平04−215025(JP,A)
【文献】 特開2004−338335(JP,A)
【文献】 実開昭53−008970(JP,U)
【文献】 特開平09−001561(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0036180(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 5/00−5/28
B29D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホースに挿通されたマンドレルの軸方向の移動を可能とし前記ホースの端部に当接可能なホース当接部と、
前記ホースの端部が当接した前記ホース当接部から突出するマンドレルの端部をクランプし前記マンドレルを前記ホース当接部から離れる方向で前記マンドレルの軸方向に移動させるマンドレル移動部と、
前記ホース当接部を支持する移動台と、
前記移動台を前記マンドレルの軸方向に移動可能に支持する架台と、
前記ホースの端部が前記ホース当接部に当接した状態で、前記マンドレル移動部で前記マンドレルを移動させる際に前記ホースから前記マンドレルを引き抜く際に必要な引き抜き力を検出する引き抜き力検出部と、
を備えた引き抜き力測定装置であって、
前記ホース当接部から前記マンドレルの径方向外側に離れた前記架台の箇所に架台側当接部が設けられ、
前記ホース当接部から前記マンドレルの径方向外側に離れた前記移動台の箇所に前記マンドレルの移動時に前記架台側当接部に当接する移動台側当接部が設けられ、
前記引き抜き力検出部は、前記架台側当接部と前記移動台側当接部とで挟まれる箇所に配置されている、
ことを特徴とする引き抜き力測定装置。
【請求項2】
ホースの端部から突出するマンドレルの端部をクランプするクランプ部と、
前記マンドレルの軸方向への移動を可能とし前記ホースの端部に当接可能なホース当接部と、
前記ホース当接部を前記クランプ部から離れる方向で前記マンドレルの軸方向に移動させるホース当接部用移動部と、
前記クランプ部を支持する移動台と、
前記移動台を前記マンドレルの軸方向に移動可能に支持する架台と、
前記クランプ部で前記マンドレルの端部をクランプした状態で、前記ホース当接部を前記ホースの端部に当接し前記マンドレルから前記ホースを引き抜く際に必要な引き抜き力を検出する引き抜き力検出部と、
を備えた引き抜き力測定装置であって、
前記クランプ部から前記マンドレルの径方向外側に離れた前記架台の箇所に架台側当接部が設けられ、
前記クランプ部から前記マンドレルの径方向外側に離れた前記移動台の箇所に設けられ前記マンドレルの移動時に前記架台側当接部に当接する移動台側当接部が設けられ、
前記引き抜き力検出部は、前記架台側当接部と前記移動台側当接部とで挟まれる箇所に配置されている、
ことを特徴とする引き抜き力測定装置。
【請求項3】
前記移動台は、前記架台に前記マンドレルの軸方向に移動可能に案内された基板部を有し、
前記ホース当接部は前記基板部の上方に配置され、
前記架台側当接部および前記移動台側当接部は、前記基板部の下方の箇所に設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の引き抜き力測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホースからマンドレルを引き抜く際、あるいは、マンドレルからホースを引き抜く際に必要な引き抜き力を測定する引き抜き力測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ホースの製造工程は、円筒状のマンドレルに内被材、補強材および外被材からなるホース材料を順次積層する積層工程、マンドレルに積層されたホース材料に加硫を行う加硫工程、加硫後のホースからマンドレルを引き抜く引き抜き工程を備える。
ここで、上記引き抜き工程においてどの程度の力が必要となるかは、ホース材料の素材、あるいは、マンドレルに塗布される離型剤の特性などによって異なる。
このため、生産開始前の試作段階に実験室において引き抜き試験を行い、引き抜きに必要な引き抜き力の測定を行っている(特許文献1)。
しかしながら、実験室で再現される環境は、一般的には、実際にホースが生産される生産ラインと全く同じ環境にすることが困難である。このため、引き抜き試験の結果と生産ラインにおける事象が異なる場合があり、ホース材料や離型剤の評価を行なう上で改善の余地がある。
【0003】
そこで、本出願人は、生産ラインにおけるホースの引き抜き力を測定する引き抜き力測定装置を提案している(特許文献2)。
この引き抜き力測定装置は、マンドレルが挿通されたホースを支持する支持部と、マンドレルの端部をクランプしマンドレルを支持部から離れる方向でマンドレルの軸方向に移動させるマンドレル移動部との間に設けられている。
そして、引き抜き力測定装置は、架台と、架台の上にマンドレルの軸方向に移動可能に設けられた移動台とを備え、移動台に、マンドレルの端部が貫通する貫通孔を有しホースの端部に当接可能に設けられたホース当接部と、ロードセルを支持する移動不能なロードセル支持部材とを設け、ホース当接部の貫通孔から突出するマンドレルの端部をマンドレル移動部によりクランプして移動させる際に、マンドレルをホースから引き抜くホースの引き抜き力を、ロードセルに加わる力を検出することで測定するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−076320号公報
【特許文献2】特開2015−102534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来装置では、ロードセル(引き抜き力検出部)およびロードセル支持部材を、ホース当接部と、マンドレルの端部をクランプするチャックとの間に配置しているため、以下の不具合がある。
1)ホース当接部とチャックとの間に配置されたロードセルとロードセル支持部材に干渉しないように、マンドレルの端部からチャックを離間させる必要がある。
しかしながら生産ラインにおける限られたスペース内での測定となることから、チャックによって把持することができるマンドレルの端部の軸方向の範囲が狭くなり、チャックによる把持を確実に行なう上で不利となる。
2)ホースの長さが長い、あるいは、ホース材料がマンドレル離型性が悪い材質であるといったように、大きな引き抜き力が必要となる場合、ホース当接部の強度を確保するため、ホース当接部のマンドレルの軸方向に沿った厚さが大きくなる。
しかしながら、生産ラインにおける限られたスペース内での測定となることから、チャックによって把持することができるマンドレルの端部の軸方向の範囲がさらに狭くなり、チャックによる把持を確実に行なう上でさらに不利となる。
このようなことから、ホース当接部とチャックとの間に、ロードセルおよびロードセル支持部材を配置するスペースを確保することが困難となる。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、その目的は引き抜き力検出部の配置スペースの制約を解消しつつ、ホースからマンドレルを引き抜く際、あるいは、マンドレルからホースを引き抜く際に必要な引き抜き力を確実に測定する上で有利な引き抜き力測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、発明は、ホースに挿通されたマンドレルの軸方向の移動を可能とし前記ホースの端部に当接可能なホース当接部と、前記ホースの端部が当接した前記ホース当接部から突出するマンドレルの端部をクランプし前記マンドレルを前記ホース当接部から離れる方向で前記マンドレルの軸方向に移動させるマンドレル移動部と、前記ホース当接部を支持する移動台と、前記移動台を前記マンドレルの軸方向に移動可能に支持する架台と、前記ホースの端部が前記ホース当接部に当接した状態で、前記マンドレル移動部で前記マンドレルを移動させる際に前記ホースから前記マンドレルを引き抜く際に必要な引き抜き力を検出する引き抜き力検出部と、を備えた引き抜き力測定装置であって、前記ホース当接部から前記マンドレルの径方向外側に離れた前記架台の箇所に架台側当接部が設けられ、前記ホース当接部から前記マンドレルの径方向外側に離れた前記移動台の箇所に前記マンドレルの移動時に前記架台側当接部に当接する移動台側当接部が設けられ、前記引き抜き力検出部は、前記架台側当接部と前記移動台側当接部とで挟まれる箇所に配置されていることを特徴とする。
また、本発明は、ホースの端部から突出するマンドレルの端部をクランプするクランプ部と、前記マンドレルの軸方向への移動を可能とし前記ホースの端部に当接可能なホース当接部と、前記ホース当接部を前記クランプ部から離れる方向で前記マンドレルの軸方向に移動させるホース当接部用移動部と、前記クランプ部を支持する移動台と、前記移動台を前記マンドレルの軸方向に移動可能に支持する架台と、前記クランプ部で前記マンドレルの端部をクランプした状態で、前記ホース当接部を前記ホースの端部に当接し前記マンドレルから前記ホースを引き抜く際に必要な引き抜き力を検出する引き抜き力検出部と、を備えた引き抜き力測定装置であって、前記クランプ部から前記マンドレルの径方向外側に離れた前記架台の箇所に架台側当接部が設けられ、前記クランプ部から前記マンドレルの径方向外側に離れた前記移動台の箇所に設けられ前記マンドレルの移動時に前記架台側当接部に当接する移動台側当接部が設けられ、前記引き抜き力検出部は、前記架台側当接部と前記移動台側当接部とで挟まれる箇所に配置されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記移動台は、前記架台に前記マンドレルの軸方向に移動可能に案内された基板部を有し、前記ホース当接部は前記基板部の上方に配置され、前記架台側当接部および前記移動台側当接部は、前記基板部の下方の箇所に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
発明によれば、ホース当接部からマンドレルの径方向外側に離れた架台の箇所に架台側当接部と移動台側当接部が設けられ、引き抜き力検出部は、架台側当接部と移動台側当接部とで挟まれる箇所に配置されている。
そのため、引き抜き力検出部に近づけてマンドレル移動部を配置でき、言い換えると、生産ライン上において、マンドレルの軸方向におけるホース当接部とマンドレル移動部との距離を変えずに引き抜き力検出部を設けることができる。
したがって、従来のように、生産ラインにおいて新たなスペースを確保しないと、マンドレル移動部のクランプ部によるマンドレルの端部をしっかりとクランプすることができない、ホースの長さが長くあるいはホース材料がマンドレル離型性が悪い材質であるといった場合にマンドレル移動部のクランプ部によるマンドレルの端部をしっかりとクランプすることができないといった不具合が生じることなく、マンドレルからホースを引き抜く際に必要な引き抜き力を確実に測定する上で有利となる。
また、本発明によれば、ホース当接部からマンドレルの径方向外側に離れた架台の箇所に架台側当接部と移動台側当接部が設けられ、引き抜き力検出部は、架台側当接部と移動台側当接部とで挟まれる箇所に配置されている。
そのため、生産ライン上において、マンドレルの軸方向におけるクランプ部とマンドレル移動部との距離を変えずに引き抜き力検出部を設けることができる。
したがって、従来のように、生産ラインにおいて新たなスペースを確保しないと、マンドレル移動部のクランプ部によるマンドレルの端部をしっかりとクランプすることができない、ホースの長さが長くあるいはホース材料がマンドレル離型性が悪い材質であるといった場合にマンドレル移動部のクランプ部によるマンドレルの端部をしっかりとクランプすることができないといった不具合が生じることなく、マンドレルからホースを引き抜く際に必要な引き抜き力を確実に測定する上で有利となる。
また、本発明によれば、引き抜き力検出部を架台と移動台のデッドスペースである移動台の下方の箇所に設けるため、引き抜き力測定装置の省スペース化を図る上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施の形態に係る引き抜き力測定装置の正面断面図であり、マンドレルをホースから引き抜く前の状態を示す。
図2】第1の実施の形態に係る引き抜き力測定装置の正面断面図であり、マンドレル移動部の油圧シリンダによりマンドレルをホースから引き抜く動作を示す。
図3】第1の実施の形態に係る引き抜き力測定装置の正面断面図であり、マンドレル移動部の一対のベルト移動部によりマンドレルをホースから引き抜く動作を示す。
図4】ホース当接部をマンドレルの軸線と直交する平面で破断した断面図である。
図5図4のA−A線断面図である。
図6図4のB矢視図である。
図7】架台の正面図である。
図8】第2の実施の形態に係る引き抜き力測定装置の正面断面図である。
図9図8のA−A線断面図である。
図10図9のB矢視図である。
図11図9のC−C線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる引き抜き力測定装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1図3に示すように、引き抜き力測定装置10Aは、マンドレル12にホース材料を装着して加硫した後、ホース14からマンドレル12を引き抜く際に必要な引き抜き力を測定する。
本実施の形態では、引き抜き力測定装置10Aは、ホース14の生産ライン上に設置されている。
マンドレル12は、ホース14の内径と等しい外径を有する本体部1202を有し、ホース材料は本体部1202の両端の端部1204を除いた箇所に装着される。
【0010】
図1図4に示すように、第1の実施の形態にかかる引き抜き力測定装置10Aは、ホース当接部16と、マンドレル移動部18と、架台20、移動台22、引き抜き力検出部24、架台側当接部26、移動台側当接部28とを含んで構成されている。
ホース当接部16は、マンドレル12が挿通されたホース14を支持する支持部30の端部に設けられている。支持部30は、ホース材料が加硫されて形成されたホース14にマンドレル12が挿通されたものを支持している。なお、ホース当接部16の詳細については後述する。
【0011】
図1図3に示すように、マンドレル移動部18は、マンドレル12の一方の端部1204をクランプしマンドレル12をホース当接部16から離れる方向でマンドレル12の軸方向に移動させるものである。
マンドレル移動部18は、基台32と、油圧シリンダ34と、取り付け台36と、クランプ部38と、ベルト機構40を含んで構成されている。
油圧シリンダ34はマンドレル12を引く抜く方向に軸心を延在させて基台32に設けられている。
取り付け台36は、油圧シリンダ34のピストンロッド3402の先端に取り付けられ、基板部3602と、基板部3602の先部の両側から起立する側板部3604と、側板部3604の上端を連結する上板部3606とを含んで構成されている。
クランプ部38は、ホース当接部16から突出するマンドレル12の端部1204をクランプするもので、取り付け台36の先端に設けられている。
【0012】
クランプ部38は、マンドレル12の周方向に分割された複数のチャックを含んで構成され、本実施の形態では、上下のチャック3802、3804と、上側のチャック3802を上下動させる油圧シリンダ3806とを含んで構成されている。
上側のチャック3802は、油圧シリンダ3806のピストンロッド3808に着脱可能に取着され、下側のチャック3804は両側の側板部3604に取着されている。このように上側のチャック3802を着脱可能に設けることで、生産ラインにおいて異なる寸法のホース14を生産する場合に、チャックを容易に変更することができ、引き抜き力測定装置10Aの汎用性が高められている。
また、本実施の形態では、クランプ部38によるマンドレル12の端部1204のクランプと油圧シリンダ34の伸縮作動によりマンドレル12を所定の長さ引き抜いた後は、以後、クランプ部38によるマンドレル12の端部1204のクランプと油圧シリンダ34の伸縮作動を行なわず、ベルト機構40によりマンドレル12を引き抜くようにしている。
ベルト機構40は、基板部3602上で伸長したピストンロッド3402の両側に配置された一対のベルト移動部42を含んで構成されている。
一対のベルト移動部42は、マンドレル12の軸方向と直交する方向で水平方向からマンドレル12に離間接近する方向に移動可能に基板部3602上に配置された一対の不図示のベルトフレーム上に設けられている。
一対のベルト移動部42は、各ベルトフレームにモータ4202、減速機4204を介して回転駆動可能に配置された回転軸4206と、回転可能な従動軸4208と、それら回転軸4206と従動軸4208に架け渡されたベルト4210とを含んで構成されている。
マンドレル12は、一対のベルト移動部42のベルト4210で挟持され、互いに逆向きに回転するベルト4210の回転により、マンドレル12がホース14から引き抜かれる。
【0013】
架台20は、支持部30の端部に配置されている。
架台20は、平面視した場合に、マンドレル12の軸心方向に対して直交する方向の幅と、マンドレル12の軸心方向に延在する長さを有している。
図4図7に示すように、架台20の上面の両側にガイド2004が設けられている。
また、架台20の上面の中央部に架台側当接部26が突設され、架台側当接部26は、ホース当接部16からマンドレル12の径方向外側に離れた箇所に位置している。
【0014】
図4図7に示すように、移動台22は、基板部2202と、一対の側板部2204と、上板部2206と、一対のローラ支持板2208とを含んで構成されている。
基板部2202の下面には、ガイド2004にマンドレル12の軸方向に沿って移動可能に結合される係合部2210が設けられている。
一対の側板部2204は基板部2202の両側から起立し、上板部2206は、一対の側板部2204の上端間を連結している。
一対のローラ支持板2208は、一対の側板部2204の下部から、マンドレル移動部18から離れる方向に延在し、それらの先端で、マンドレル12が挿通されたホース支持用ローラ2212の支軸を回転可能に支持している。
基板部2202と上板部2206に、軸心を鉛直方向に向けた上下のエアシリンダ44、46が設けられている。
下油圧シリンダ46のシリンダボディは基板部2202に取着され、上エアシリンダ44のシリンダボディは上板部2206に取着されている。
【0015】
ホース当接部16は、当接板1602と、上下のエアシリンダ44、46を含んで構成されている。
当接板1602は、2つの当接部分割体1602A、1602Bで構成されている。
2つの当接部分割体1602A、1602Bは、上下のエアシリンダ44、46のピストンロッド4402、4602の先部に着脱可能に取着され、上下のエアシリンダ44、46の伸長作動によりそれらの先端面が当接することで、それらの先端面に開放状に形成された半円状の凹部1604が合されることで貫通孔1606が形成される。
本実施の形態では、このように当接板1602を複数の当接部分割体1602A、1602Bで構成し、生産ラインにおいて異なる寸法のホース14を生産する場合に、ホース当接部16を容易に変更することができ、引き抜き力測定装置10Aの汎用性が高められている。
【0016】
また、基板部2202の下面でマンドレル移動部18と反対側の端部に、マンドレル12の移動時に架台側当接部26に当接する移動台側当接部28が、ホース当接部16からマンドレル12の径方向外側に離れた箇所に設けられている。
したがって、移動台側当接部28と架台側当接部26は、基板部3602の下方に設けられ、ホース当接部16から下方に離れた箇所に設けられている。
【0017】
引き抜き力検出部24は、マンドレル移動部18でマンドレル12を移動させる際にホース14からマンドレル12を引き抜く際に必要な引き抜き力を検出するものである。
引き抜き力検出部24は、架台側当接部26と移動台側当接部28とで挟まれる箇所に配置されている。
引き抜き力検出部24としてロードセル2402が用いられ、本実施の形態では、ロードセル2402は、移動台側当接部28に対向する架台側当接部26の箇所に取着され、マンドレル移動部18によるマンドレル12の移動時に、それら当接部26、28の間に生じる力を上記の引き抜き力として測定する。
すなわち、ロードセル2402は、当接部26、28の間に生じる力に応じた検出信号を出力する。
この検出信号は、不図示の計測装置によって増幅されたのち応力(引き抜き力)に換算され、コンピュータに入力される。
そして、引き抜き力のデータは、コンピュータによって時系列に沿って記録媒体に記録される。
記録された引き抜き力のデータは、ホース材料や離型剤の評価を行なうために利用される。
なお、図5図7に示すように、架台側当接部26と反対に位置する移動台側当接部28の箇所に近接してブラケット21が架台20から突設され、架台側当接部26に対して離間接近する方向の移動台側当接部28のがたつきを防止するボルト23がブラケット21の上部に水平方向に間隔をおいて2本設けられている。
【0018】
次に、引き抜き力測定装置10Aを用いて、ホース14からマンドレル12を引き抜く際に引き抜き力を測定する場合について説明する。
図1に示すように、ホース当接部16から突出するマンドレル12の端部1204を、クランプ部38によりクランプする。
次に、上下のエアシリンダ44、46を伸長作動し、ホース14の端部1402からマンドレル移動部18側に突出するマンドレル12の本体部1202を貫通孔1606内に位置させ、ホース当接部16を配置する。
次に、図2に示すように、クランプ部38によりマンドレル12の端部1204をクランプした状態でマンドレル移動部18によりホース当接部16から離れる方向にマンドレル12を移動させ、これによりマンドレル12はホース14から所定の長さ引き抜かれる。
次に、図3に示すように、上側のチャック3802を上方に退避させた状態で、マンドレル移動部18により取り付け台36を元の位置に戻したのち、一対のベルト移動部42によりマンドレル12を引き抜く。
マンドレル12の移動により、ホース14の端部1402はホース当接部16に当接し、これにより移動台22はマンドレル移動部18側に移動する。
この移動台22の移動に伴い、移動台側当接部28と架台側当接部26は、ロードセル2402を挟んだ状態で当接し、移動台側当接部28からの力がロードセル2402を介して架台側当接部26に伝達される。
そして、この時の力がロードセル2402で検出される。
【0019】
本実施の形態によれば、ホース当接部16からマンドレル12の径方向外側に離れた架台20の箇所に架台側当接部26と移動台側当接部28が設けられ、引き抜き力検出部24は、架台側当接部26と移動台側当接部28とで挟まれる箇所に配置されている。
言い換えると、引き抜き力検出部24は、従来のようにホース当接部16とクランプ部38との間ではなく、ホース当接部16から下方に離れた箇所で、架台20と移動台22のデッドスペースである移動台22の下方の箇所に設けられている。
そのため、引き抜き力検出部24に近づけてマンドレル移動部18を配置でき、言い換えると、生産ライン上において、マンドレル12の軸方向におけるホース当接部16とマンドレル移動部18との距離を変えずに引き抜き力検出部24を設けることができる。
したがって、従来のように、生産ラインにおいて新たなスペースを確保しないと、マンドレル移動部18のクランプ部38によるマンドレル12の端部1204をしっかりとクランプすることができない、ホース14の長さが長くあるいはホース材料がマンドレル離型性が悪い材質であるといった場合にマンドレル移動部18のクランプ部38によるマンドレル12の端部1204をしっかりとクランプすることができないといった不具合が生じることなく、マンドレル12からホース14を引き抜く際に必要な引き抜き力を確実に測定する上で有利な引き抜き力測定装置10Aが得られる。
【0020】
(第2の実施の形態)
次に、図8図11を参照して第2の実施の形態について説明する。
なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様な箇所、部材に同一の符号を付してその説明を省略し、異なった箇所を重点的に説明する。
引き抜き力測定装置10Bは、第1の実施の形態と同様に、マンドレル12にホース材料を装着して加硫した後、ホース14からマンドレル12を引き抜く際に必要な引き抜き力を測定するものであるが、マンドレル12をクランプして静止させておき、ホース14の端部1402をホース当接部16によりマンドレル12に沿って移動させていく点が第1の実施の形態と異なっている。
【0021】
図8図11に示すように、第2の実施の形態にかかる引き抜き力測定装置10Bは、クランプ部48、ホース当接部50、ホース当接部用移動部52、架台54、移動台56、引き抜き力検出部58、架台側当接部60、移動台側当接部62を含んで構成されている。
【0022】
図8に示すように、クランプ部48は、ホース14の軸心方向の一端から突出するマンドレル12の端部1204をクランプするものであり、クランプ部48については後に詳述する。
ホース当接部50は、マンドレル12の端部1204を貫通させてホース14の軸心方向の端部1402に当接可能な当接板5002を含んで構成されている。
ホース当接部50は、当接板5002に加え取り付け板部5004を備えており、当接板5002は、取り付け板部5004から起立している。
当接板5002には、マンドレル12の本体部1202の外径よりも大きくホース14の外径よりも小さい直径の貫通孔5006が形成されている。
【0023】
ホース当接部用移動部52は、ホース当接部50をクランプ部48から離れる方向でマンドレル12の軸方向に移動させるものである。
ホース当接部用移動部52は、チェーン機構64を含んで構成されている。
チェーン機構64は、モータ6402および減速歯車機構6404を介して回転駆動される駆動スプロケット6406、回転可能な従動スプロケット6408と、それら駆動スプロケット6406と従動スプロケット6408とに巻装されたチェーン6410とを備えている。
チェーン6410に、ホース当接部50の取り付け板部5004が着脱可能に取着され、また、ホース14を支持する複数のローラ6412が取着されている。
したがって、モータ6402の正転によりチェーン機構64を介してホース当接部50がクランプ部48から離れる方向でマンドレル12の軸方向に移動する。
なお、ホース当接部50をチェーン6410に着脱可能に取着することで、生産ラインにおいて異なる寸法のホース14を生産する場合に、ホース当接部50を容易に変更することができ、引き抜き力測定装置10Bの汎用性が高められている。
【0024】
架台54は、ホース当接部用移動部52の端部に配置されている。
架台54は、平面視した場合に、マンドレル12の軸心方向に対して直交する方向の幅と、マンドレル12の軸心方向に延在する長さを有している。
図9図11に示すように、架台54の幅方向の中央部に欠部5402が形成され、架台54の上面の両側にガイド5404が設けられている。
また、架台54の上面の基部(ホース当接部用移動部52と反対の端部1204)に架台側当接部60が突設され、架台側当接部60は、ホース当接部50からマンドレル12の径方向外側に離れた箇所に位置している。
【0025】
移動台56は、図9図11に示すように、基板部5602と、一対の側板部5604と、上板部5606とを含んで構成されている。
基板部5602の下面には、両側のガイド5404にマンドレル12の軸方向に沿って移動可能に結合される係合部5610がマンドレル12の軸方向に間隔をおいて2つずつ、合計4つ設けられている。
係合部5610のうち、ホース当接部用移動部52側に位置する2つの係合部5610は、移動台56の幅方向の内縁から下方に屈曲された縦板5612と、縦板5612の下端から移動台56の幅方向の内側に屈曲された屈曲板5614とを備えている。
基板部5602に、軸心を鉛直方向に向けた下側の油圧シリンダ66が設けられている。
すなわち、油圧シリンダ66のシリンダボディは、係合部5610の屈曲板5614に取着され、したがって、油圧シリンダ66は、係合部5610を介して基板部5602に取着されている。
一対の側板部5604は基板部5602の両側から脚部5608を介して起立し、上板部5606は、一対の側板部5604の上端間を連結している。
上板部5606に、軸心を鉛直方向に向けた雄ねじ部材68が設けられている。
雄ねじ部材68の外周には長手方向に沿って雄ねじ6802が形成され、雄ねじ6802は上板部5606の雌ねじ5620に螺合されている。
雄ねじ部材68の上端には回転操作用のハンドル6804が設けられている。
【0026】
図9図11に示すように、クランプ部48は、マンドレル12の周方向に分割された複数のチャックを含んで構成され、本実施の形態では、上下のチャック4802、4804と、それらチャック4802、4804を上下動させる雄ねじ部材68および油圧シリンダ66とを含んで構成されている。
上側のチャック4802は、雄ねじ部材68の下端に、雄ねじ部材68の軸方向に移動不能かつ回転可能に結合され、下側のチャック4804は、油圧シリンダ66のピストンロッド6602の先部に取着されている。
上側のチャック4802は、雄ねじ部材68をハンドル6804で回転操作することによりその高さが調節される。
油圧シリンダ66の伸長作動によりそれらのV字状の係合面4806が離間接近することで、それら係合面4806の間でマンドレル12のクランプおよびクランプ解除がなされる。
本実施の形態では、このようにチャックを上下のチャック4802、4804で構成したので、生産ラインにおいて異なる外径のマンドレル12を使用して異なる内径のホース14を生産する場合に簡単に対応でき、引き抜き力測定装置10Bの汎用性が高められている。
【0027】
また、図11に示すように、基板部5602に、マンドレル12の移動時に架台側当接部60に当接する移動台側当接部62が、ホース当接部50からマンドレル12の径方向外側に離れた箇所に設けられている。
詳細には、移動台側当接部62は、基板部5602の下面でマンドレル移動部18と反対側の端部に設けられている。
したがって、移動台側当接部62と架台側当接部60は、基板部5602の下方に設けられ、ホース当接部50から下方に離れた箇所に設けられている。
【0028】
引き抜き力検出部58は、クランプ部48でマンドレル12の端部1204をクランプした状態で、ホース当接部50をホース14の端部1402に当接しマンドレル12からホース14を引き抜く際に必要な引き抜き力を検出するものである。
引き抜き力検出部58は、架台側当接部60と移動台側当接部62とで挟まれる箇所に配置されている。
引き抜き力検出部58としてロードセル5802が用いられ、本実施の形態では、ロードセル5802は、移動台側当接部62に対向する架台側当接部60の箇所に取着され、マンドレル移動部18によるマンドレル12の移動時に、それら当接部60、62の間に生じる力を上記の引き抜き力として測定する。
第1の実施の形態と同様に、ロードセル5802が当接部60、62の間に生じる力に応じた検出信号を出力し、この検出信号が、不図示の計測装置によって増幅されたのち応力(引き抜き力)に換算され、コンピュータに入力され、記録媒体に記録され、記録された引き抜き力のデータは、ホース材料や離型剤の評価を行なうために利用される。
なお、図10図11に示すように、架台側当接部60と反対に位置する移動台側当接部62の箇所に近接して、架台54にねじ結合され移動台側当接部62に挿通されたボルト55の頭部5502が位置し、架台側当接部60に対して離間接近する方向の移動台側当接部62のがたつきを防止している。このボルト55は、水平方向に間隔をおいて2本設けられている。
【0029】
次に、引き抜き力測定装置10Bを用いて、マンドレル12からホース14を引き抜く際に引き抜き力を測定する場合について説明する。
マンドレル移動部18のホース当接部50の貫通孔5006から突出するマンドレル12の端部1204を、油圧シリンダ66を作動させて上下のチャック4802、4804でクランプする。
次に、モータ6402を正転させてチェーン機構64を駆動し、ホース当接部50をクランプ部48から離れる方向に移動し、マンドレル12からホース14を引き抜く。
マンドレル12の移動に伴い、移動台56はマンドレル移動部18側に移動する。
この移動台56の移動により、移動台側当接部62と架台側当接部60は、ロードセル5802を挟んだ状態で当接し、移動台側当接部62からの力がロードセル5802を介して架台側当接部60に伝達される。
そして、この時の力がロードセル5802で検出される。
【0030】
本実施の形態によれば、ホース当接部50からマンドレル12の径方向外側に離れた架台54の箇所に架台側当接部60と移動台側当接部62が設けられ、引き抜き力検出部58は、架台側当接部60と移動台側当接部62とで挟まれる箇所に配置されている。
言い換えると、引き抜き力検出部58は、従来のようにホース当接部50とクランプとの間ではなく、ホース当接部50から下方に離れた箇所で、架台54と移動台56のデッドスペースである移動台56の下方の箇所に設けられている。
そのため、生産ライン上において、マンドレル12の軸方向におけるクランプ部48とマンドレル移動部18との距離を変えずに引き抜き力検出部58を設けることができる。
したがって、従来のように、生産ラインにおいて新たなスペースを確保しないと、マンドレル移動部18のクランプ部48によるマンドレル12の端部1204をしっかりとクランプすることができない、ホース14の長さが長くあるいはホース材料がマンドレル離型性が悪い材質であるといった場合にマンドレル移動部18のクランプ部48によるマンドレル12の端部1204をしっかりとクランプすることができないといった不具合が生じることなく、マンドレル12からホース14を引き抜く際に必要な引き抜き力を確実に測定する上で有利な引き抜き力測定装置10Bが得られる。
【0031】
なお、本実施の形態では、引き抜き力検出部24、58としてロードセル2402、5802を用いた場合について説明したが、引き抜き力検出部24、58は、当接部26、28あるいは当接部60、62の間に生じる力を検出できればよく、従来公知の様々な応力センサを使用することができる。
【符号の説明】
【0032】
10A、10B 引き抜き力測定装置
12 マンドレル
1204 端部
14 ホース
1402 端部
16 ホース当接部
18 マンドレル移動部
20 架台
22 移動台
2202 基板部
24 引き抜き力検出部
26 架台側当接部
28 移動台側当接部
48 クランプ部
50 ホース当接部
52 ホース当接部用移動部
54 架台
56 移動台
5602 基板部
58 引き抜き力検出部
60 架台側当接部
62 移動台側当接部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11