【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年6月16日にトヨタ車体株式会社、富士松工場(愛知県刈谷市一里山町金山100番地)に「車両用灯具」を販売。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る車両用灯具の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。以下の説明において、前後、上下、左右の各方向は、車両用灯具が車両に取り付けられた状態における方向であって、運転席から車両の進行方向を見た場合における方向を示す。なお、本実施形態では、上下方向は鉛直方向に平行であり、左右方向は水平方向であるとする。
【0015】
図1は、本実施形態に係る車両用灯具10を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係る車両用灯具10を示す正面図である。
図3は、本実施形態に係る車両用灯具10を示す断面図である。
図3は、
図2におけるA−A断面図である。
【0016】
図1、
図2及び
図3におけるL方向及びR方向、
図1及び
図2におけるU方向及びD方向、
図1及び
図3におけるF方向及びB方向は、それぞれ車両搭載状態における車両用灯具10の方向を示す。L方向は、車両搭載状態における左方向である。R方向は、車両搭載状態における右方向である。U方向は、車両搭載状態における上方向である。D方向は、車両搭載状態における下方向である。F方向は、車両搭載状態における前方向である。B方向は、車両搭載状態における後方向である。
【0017】
本実施形態において、車両用灯具10は、車体の前部の左方及び右方に設けられたヘッドランプ、フォグランプまたはコーナーリングランプである。車両用灯具10は、車体の前部の左方に設けられるものと、車体の前部の右方に設けられるものとが同一のものであってもよいし、形状に差異があってもよい。以下、車体の前部の左方に設けられる車両用灯具10について主に説明し、車体の前部の右方に設けられる車両用灯具10についての説明は簡略又は省略する。
【0018】
なお、本実施形態では、車両用灯具10を、車体の前部に設けられ車両の前方を照明するヘッドランプとした場合で説明するが、本発明はこれに限定されない。車両用灯具10は、車体の前部に設けられ車両の前方を補助的に照明するフォグランプ、車体の前部に設けられ車両の進行方向を周囲に示すために点灯するフロントターンシグナルランプ、車体の前部に設けられスイッチの作動と連動して車両の進行方向を周囲に示すために点灯するコーナーリングランプ、車体の後部に設けられヘッドランプの点灯と連動して点灯するテールランプ、車体の後部に設けられブレーキ装置の作動と連動して点灯するストップランプ、車体の後部に設けられ車両の進行方向を周囲に示すために点灯するリアターンシグナルランプ、及び車両の車幅方向の大きさを示すために点灯するクリアランスランプ等、車両の種々の灯具に用いることができる。
【0019】
車両用灯具10は、
図1、
図2及び
図3に示すように、光源20と、レンズ30と、シェード40と、を備える。光源20は、ヒートシンク21の前方向の部材配置面の中央部分に配置される。光源20は、前方に向けて配置された発光面を有する。光源20は、レンズ30の光軸AX上又はその近傍に配置される。ヒートシンク21は、後方に放熱フィンが設けられている。ヒートシンク21は、熱伝導性の高い金属材料及び樹脂部材等からなるものが例示され、具体的には、アルミダイカスト製が例示される。光源20は、発光面がランバーシアン分布を形成するように光を出射する。光源20は、基板上に発光チップが実装されたLED(Light Emitting Diode)及びEL(Electro Luminescence)等の自発光半導体型光源が例示される。光源20は、これらが用いられている場合、発光チップの形状に応じて、発光面の形状が変更される。
【0020】
レンズ30は、
図1、
図2及び
図3に示すように、光源20の前方に配置されている。レンズ30は、光源20からの光が入射する入射面30aと、入射面30aに入射した光を前方に向けて光を出射する出射面30bとを有する。レンズ30は、光源20からの光を通過させることが可能な材料、例えば、アクリル系樹脂及びポリカーボネート系樹脂に例示される光透過性材料が用いられる。
【0021】
レンズ30は、
図1、
図2及び
図3に示すように、レンズ本体32と、脚部34と、取付部37とを有する。レンズ30の光軸AX、すなわちレンズ本体32の光軸AXは、前後方向に平行である。レンズ本体32は、入射面30aの形状と、出射面30bの形状とによって、所定の配光パターンを形成する。脚部34は、レンズ本体32の左右方向の各端部から後方に延びて設けられ、湾曲して設けられている。
【0022】
取付部37は、レンズ本体32の左方及び右方に配置されている。取付部37は、脚部34を支持する。取付部37は、それぞれ、ガイド挿入穴38と、ねじ挿入穴39と、を有する。ガイド挿入穴38は、取付部37を貫通する貫通孔であり、取付部37の上方向の側に設けられている。ガイド挿入穴38は、ヒートシンク21に設けられるガイドが挿入される。ねじ挿入穴39は、取付部37を貫通する貫通孔であり、取付部37の下方向の側に設けられている。
【0023】
シェード40は、
図1、
図2及び
図3に示すように、光源20とレンズ30との間に配置されている。すなわち、シェード40は、光源20の前方、かつ、レンズ30の後方に配置されている。シェード40は、光源20からレンズ30に向かう光の一部を遮光し、光源20からレンズ30に向かう光の他の一部を通過させる。シェード40は、ヒートシンク21側からレンズ30への熱影響を緩和するため、好ましくは熱耐性の高い樹脂材料が用いられ、より好ましくはレンズ30よりも熱耐性の高い樹脂材料が用いられる。シェード40は、例えば樹脂材料に着色材料が添加されることで、光源20から照射される光に対する遮光性が付与されている。
【0024】
シェード40は、
図1、
図2及び
図3に示すように、遮光部42と、開口部44と、取付部47と、を有する。遮光部42は、光源20からレンズ30に向かう光の一部を遮光する。開口部44は、光源20からレンズ30に向かう光の他の一部を通過させる。開口部44は、シェード40における左右方向及び上下方向の中央領域に形成されている。遮光部42は、開口部44の左方向、右方向、上方向、下方向のそれぞれの方向に、開口部44を取り囲むように配置されている。遮光部42は、開口部44側に端辺42cを有する。
【0025】
遮光部42は、透過率変化部46を有する。透過率変化部46は、遮光部42における開口部44の側の端辺42cを含む縁部に形成されている。透過率変化部46は、開口部44から離れるにつれて光源20からの光の透過率が減少している。透過率変化部46は、開口部44に対して左右方向の両側に配置されることが好ましい。なお、透過率変化部46は、開口部44に対して上下方向の両側には、配置されていても配置されていなくてもよい。以下において、透過率変化部46が開口部44に対して左右方向の両側に配置される場合について説明する。
【0026】
取付部47は、それぞれ、ガイド挿入穴48と、ねじ挿入穴49と、を有する。ガイド挿入穴48は、取付部47を貫通する貫通孔であり、取付部47の上方向の側に設けられている。ガイド挿入穴48は、ヒートシンク21に設けられたガイドが挿入される。ねじ挿入穴49は、取付部47を貫通する貫通孔であり、取付部47の下側に設けられている。
【0027】
レンズ30及びシェード40は、レンズ30が前方に、シェード40が後方向になるように、重ねられている。具体的には、まず、ヒートシンク21のガイドに、シェード40のガイド挿入穴48とレンズ30のガイド挿入穴38とを挿通させる。これにより、レンズ30のねじ挿入穴39と、シェード40のねじ挿入穴49と、ヒートシンク21のねじ穴とが、前後方向に配列する。その後、ねじを、レンズ30のねじ挿入穴39とシェード40のねじ挿入穴49とに挿通し、ヒートシンク21のねじ穴にねじ込む。このように、レンズ30及びシェード40は、ヒートシンク21に装着される。
【0028】
図4は、本実施形態に係る車両用灯具10を示す拡大断面図である。
図4は、
図3における領域Bの拡大図である。
図5は、本実施形態に係る車両用灯具10におけるシェード40を示す拡大断面図である。
図5は、
図4における領域Cの拡大図である。
図4及び
図5におけるL方向、R方向、F方向及びB方向は、それぞれ、
図1から
図3の説明で記載したものと同様の方向を示している。以下においては、開口部44の右側の構成を例に挙げて説明するが、開口部44の左側等の構成についても同様の説明が可能である。
【0029】
遮光部42は、
図4及び
図5に示すように、第1面42aと、第2面42bとを有する。第1面42aは、光源20と対向し、第2面42bは、レンズ30と対向する。第1面42a及び第2面42bは、互いに平行であり、いずれも上下方向及び左右方向に平行である。第1面42a及び第2面42bは、レンズ30の光軸AXに対して垂直である。このため、第1面42aと第2面42bとの距離は、一定である。すなわち、遮光部42は、レンズ30の光軸AXに平行な方向における厚さが、一定である。なお、本実施形態では、第1面42a及び第2面42bが互いに平行であり、レンズ30の光軸AXに対して垂直である場合で説明するが、本発明はこれに限定されず、第1面42a及び第2面42bが互いに平行でなくてもよく、光軸AXに対して交差する面であればどのような形態であっても構わない。
【0030】
[透過率変化部]
透過率変化部46は、延在方向の位置に応じて、透過率が変化する。透過率変化部46は、
図4及び
図5に示すように、第1面46aと、第2面46bとを有する。第1面46aは、光源20と対向し、第2面46bは、レンズ30と対向する。第2面46bは、上下方向及び左右方向に平行であり、レンズ30の光軸AXに対して垂直である。第1面46aは、第2面46bに対して、開口部44の側が光源20からレンズ30に向けた方向に傾斜している。第1面46aと第2面46bとは、端辺42cにおいて交差角度θで交差している。端辺42cは、直線状であってもよいし、光源20を中心とする円弧形状等に例示される曲線状であってもよい。なお、端辺42cは、曲線状とする場合、円弧形状とは異なる形状であってもよい。
【0031】
第1面46aは、第1面42aと接続されており、第2面46bは、第2面42bと接続されている。第2面42bと第2面46bとは、1つの平面を形成している。第1面42aと第1面46aとは、折れ曲がった状態で接続されている。
【0032】
このため、第1面46aと第2面46bとの間の前後方向の距離は、端辺42cでは0であり、開口部44から離れるにつれて長くなる。また、第1面46aと第1面42aとの接続部分と、第2面46bと第2面42bとの接続部分との前後方向の距離は、第1面42aと第2面42bとの間の距離と等しくなっている。すなわち、透過率変化部46は、レンズ30の光軸AXに平行な方向における透過率変化部46の厚さが、端辺42cでは0であり、開口部44から離れるにつれて厚くなっている。
【0033】
透過率変化部46は、交差角度θに応じて、前後方向の厚さの変化率が決まる。透過率変化部46は、交差角度θが大きくなるにつれて、前後方向の厚さの変化率が大きくなる。透過率変化部46は、交差角度θが小さくなるにつれて、前後方向の厚さの変化率が小さくなる。
【0034】
透過率変化部46は、左右方向の位置(開口部44からの距離)に応じて、前後方向の厚さが変化することで、光源20からレンズ30に向かう光の進行方向についての透過率が変化する。すなわち、透過率変化部46は、前後方向の厚さが厚くなるに従って、光源20からレンズ30に向かう光の進行方向についての透過率が減少する。また、透過率変化部46は、前後方向の厚さが薄くなるに従って、光源20からレンズ30に向かう光の進行方向についての透過率が増加する。
【0035】
透過率変化部46における第1面46aは、光源20からの光が垂直に入射する領域を有することが好ましい。また、透過率変化部46における交差角度θが25度以上50度以下であることが好ましい。
【0036】
[透過率変化部における光路]
図6は、本実施形態に係る車両用灯具10におけるシェード40の透過率変化部46を通過する光束LFの光路を示す拡大説明図である。
図7は、本実施形態に係る車両用灯具10におけるシェード40の開口の付近を通過する光束LFの光路を示す拡大説明図である。
図8は、本実施形態に係る車両用灯具10における光束LFの光路を示す説明図である。
図9は、比較例に係る車両用灯具110における光束LFの光路を示す説明図である。
【0037】
光源20から照射された光の光束LFは、
図6、
図7及び
図8に示すように、光束LFは、光束LFiと、光束LFoと、光束LFcと、光束LFeを含む。光束LFcは、光束LFのうち、開口部44を通過して、レンズ30の方向へ向かう。光束LFeは、光束LFのうち、遮光部42の透過率変化部46を除く部分で遮光される。光束LFiは、光束LFのうち、透過率変化部46のうち最も内側の部分、すなわち開口部44の端である開口に最も近い部分を通過する。光束LFoは、光束LFのうち、透過率変化部46のうち最も外側の部分、すなわち開口部44の端である開口から最も離れた部分を通過する。
【0038】
光束LFiは、
図6に示すように、第1面46aに入射して、透過率変化部46の内部を間隔diの分だけ通過して、第2面46bから出射する。光束LFiは、間隔diの長さに応じて、透過光の光量が減少し、かつ、左右方向の外側へ向けて屈折する。光束LFoは、
図6に示すように、第1面46aに入射して、透過率変化部46の内部を間隔doの分だけ通過して、第2面46bから出射する。光束LFoは、間隔doの長さに応じて、透過光の光量が減少し、かつ、左右方向の外側へ向けて屈折する。ここで、間隔doは、間隔diより長い。このため、透過率変化部46は、光束LFiよりも光束LFoの光量をより減少させ、かつ、光束LFiよりも光束LFoをより左右方向の外側へ向けて屈折する。このように、透過率変化部46では、前後方向の厚さが厚くなるに従って、光源20からレンズ30に向かう光の光束LFi、光束LFoの進行方向についての透過率が減少する。
【0039】
透過率変化部46の第1面46aは、第2面46bに対して、光束LFに対して直交する面に近づける方向に傾斜している。このため、透過率変化部46では、第1面42aに平行な面と比較して、第1面46aにより多い光量の光束LFが入射する。これにより、透過率変化部46は、部分的に光を透過させることができる。
【0040】
光束LFcは、
図7及び
図8に示すように、透過率変化部46を通過することなく、開口部44を通過して、入射面30aに入射する。このため、開口部44は、光束LFcの光量を低減することもなく、かつ、光束LFcを左右方向へ向けて屈折することもない。
【0041】
一方、
図9に示すように、比較例に係る車両用灯具110は、本実施形態に係る車両用灯具10に対してシェード40に透過率変化部46が設けられない構成であり、シェード40の縁部の形状が異なった構成である。なお、比較例に係る車両用灯具110は、他の構成については、本実施形態に係る車両用灯具と同様である。以下、比較例に係る車両用灯具110について、本実施形態に係る車両用灯具10と区別するため、異なる符号を付して説明する。比較例に係る車両用灯具110は、光源120と、レンズ130と、シェード140と、を備える。レンズ130は、レンズ本体132と、脚部134とを有する。レンズ本体132は、配光面136を有する。シェード140は、遮光部142と、開口部144とを有する。遮光部142は、第1面142aと、第2面142bと、第3面142cとを有する。比較例に係る車両用灯具110における光源120とレンズ130とシェード140との位置関係は、本実施形態に係る車両用灯具10における光源20とレンズ30とシェード40との位置関係と同様である。
【0042】
遮光部142の第3面142cは、光源20からの光束LFに沿った形状である。このため、遮光部142の端辺142dを含む縁部に入射する光は、光束LFの進行方向における遮光部142の厚みによって遮光される。また、開口部144を通過する光束LFcは、
図9に示すように、比較例に係る車両用灯具110においても、本実施形態に係る車両用灯具10における場合と同様の光路を通過する。
【0043】
図10は、本実施形態及び比較例に係る車両用灯具10,110の照射範囲曲線51,151及び照射強度曲線52,152を示すグラフである。
図10の上側のグラフにおける0は、左右方向及び上下方向の中央部分の点を指している。
図10における上側のグラフは、全体の右方向の側における照射範囲を示している。
図10における下側のグラフにおけるL.I.(Luminous Intensity)は、光度を指している。
図10における下側のグラフにおける0は、左右方向における中央部分であり、光度が0の点を示している。
図10における下側のグラフは、上下方向の中央部分における、光度の左右方向依存性を示している。
図10における上側のグラフと、下側のグラフとは、左右方向が互いに対応している。
【0044】
比較例に係る車両用灯具110では、光源120から照射された光の光束LFの一部は、遮光部142で遮光され、一部は開口部144を通過する。この場合、レンズ130の前方に照射される配光パターンの照射領域は、
図10の照射範囲曲線151で示すようになる。また、配光パターンの境界(例えば、右側の境界)における光度は、
図10の照射強度曲線152で示すように、外側(
図10において紙面の左側)に向けて低下している。この場合、比較例に係る配光パターンは、境界での光度の変化、つまり境界での明暗の変化が明確となる。
【0045】
これに対して、本実施形態に係る車両用灯具10では、光源20からの光束LFeは、遮光部42の透過率変化部46を除く部分で遮光される。また、光束LFcについては、開口部44を通過し、光束LFi及び光束LFoについては、透過率変化部46を通過する。この場合、レンズ30の前方に照射される配光パターンの照射領域は、
図10の照射範囲曲線51で示すように、透過率変化部46が設けられない場合の照射範囲曲線151に対して、外側(
図10において紙面の左側)に広がった状態となる。また、配光パターンの境界(例えば、右側の境界)における光度は、
図10の照射強度曲線52で示すように、透過率変化部46を設けない場合の照射強度曲線152に比べて、外側(
図10において紙面の左側)に向けてなだらかに低下している。つまり、本実施形態に係る配光パターンは、比較例に係る配光パターンに対して、境界での光度の変化、つまり境界での明暗の変化が緩やかである。
【0046】
[効果]
以上説明したように、車両用灯具10は、開口部44から離れるにつれて光源20からレンズ30に向かう光の進行方向についての透過率が減少する透過率変化部46を有するので、透過率変化部46を有さない車両用灯具110と比較して、透過率変化部46が、左右方向の内側から外側に向けて光度がなだらかに減少する。このため、車両用灯具10は、レンズ30の前方に照射される配光パターンの境界における明暗の変化を緩やかにすることができる。
【0047】
また、本実施形態においては、シェード40の透過率変化部46により、配光パターンの端部の境界の明確さを低減し、配光パターンの端部の境界が運転者にもたらす可能性のあった違和感を低減することができるので、配光パターンの設計上対応困難な部分を、シェード40の透過率変化部46の設計により対応することを可能にする。
【0048】
また、本実施形態においては、透過率変化部46が、開口部44に対して車両搭載状態における左右方向の両側に配置されている。このため、車両用灯具10は、透過率変化部46が、配光パターンの左側及び右側の境界の明暗の変化を緩やかにすることができる。なお、透過率変化部46が、開口部44に対して車両搭載状態における上下方向の一方側または両側に配置されていてもよく、この場合には、配光パターンの上下方向の一方側または両側の境界の明暗の変化を、低減することができる。
【0049】
また、本実施形態においては、透過率変化部46は、開口部44から離れるにつれてレンズ30の光軸AXに平行な方向の厚さが厚くなっており、厚さが厚くなるに従って光源20からレンズ30に向かう光の進行方向についての透過率が減少している。このため、シェード40は、レンズ30の光軸AXに平行な方向の厚さを調整することにより、開口部44から離れるにつれて光源20からレンズ30に向かう光の進行方向についての透過率が減少する構成を容易に実現可能となる。なお、透過率変化部46は、この形態に限定されることなく、その他の形状で実現してもよいし、透過率変化部46を有するシェード40を構成する樹脂材料の材着を制御することで、透過率を制御した形態であってもよい。
【0050】
また、本実施形態においては、透過率変化部46は、光源20と対向する第1面46aと、レンズ30と対向する第2面46bと、を有し、第2面46bは、レンズ30の光軸AXに垂直な平面であり、第1面46aは、第2面46bに対して、開口部44の側が光源20からレンズ30に向けた方向に傾斜している。また、本実施形態においては、第1面46aは、光源20からの光が垂直に入射する領域を有する。このため、車両用灯具10は、光源20から第1面46aに入射する光の入射角を小さくすることができる。これにより、第1面46aにおいて光源20からの光が反射することを抑制し、効率よくシェード40内に光を入射させることができる。
【0051】
また、本実施形態においては、透過率変化部46における交差角度θが25度以上50度以下である。このため、車両用灯具10は、境界での光度の変化をより確実に緩やかにすることができ、かつグレアを低減することができる。
【0052】
また、本実施形態においては、光源20と、シェード40との間の前後方向の距離が、長ければ長いほど好ましい。また、本実施形態においては、光源20からシェード40までの距離が、シェード40からレンズ30までの距離よりも長いことが好ましい。これらの場合、光源20から照射され、シェード40に入射する光の立体角が小さく抑えられるので、製造上の照射範囲及び照射強度のバラツキ、及び境界での光度が緩やかに変化する領域のバラツキを低減することができる。
【0053】
なお、透過率変化部46は、形状により実現する場合には、開口部44から離れるにつれてレンズ30の光軸AXに平行な方向の厚さが厚くなっており、厚さが厚くなるに従って透過率が減少しているという条件を満たしていれば、どのような形状であってもよい。例えば、透過率変化部は、本実施形態の第1面46aのように連続的な面が形成されていなくてもよい。具体的には、透過率変化部は、本実施形態の第1面46aに代えて、開口部44の側が光源20からレンズ30に向けた方向に階段状の面が形成されてもよい。この場合、透過率変化部は、開口部44から離れるにつれてレンズ30の光軸AXに平行な方向の厚さが段階的に厚くなり、これに応じて透過率が段階的に減少している形態となる。また、透過率変化部は、本実施形態の第1面46aに代えて、開口部44の側が光源20からレンズ30に向けた方向に凹面に例示される曲面が形成されてもよい。この場合、透過率変化部は、開口部44から離れるにつれてレンズ30の光軸AXに平行な方向の厚さがこの曲面に応じて厚くなり、これに応じて透過率が減少している形態となる。
【0054】
なお、本実施形態においては、車両用灯具10の左方向の側と右方向の側について同様の構成を有するとして説明したが、これに限定されることはない。例えば、左方向の側の交差角度θと、右方向の側の交差角度θとが異なる値であってもよい。具体的には、車両内側に対応する方向の側の交差角度θを比較的大きな値に設計して、車両外側に対応する方向の側の交差角度θを比較的小さな値に設計することが好ましい。この場合、車両内側については、境界での光度の変化を大きくすることができ、コーナーリングランプ等の追加灯の点灯時に、運転者に対して適度な点灯感を感じさせることができるとともに視認性を向上させることができる。車両外側については、境界での光度が緩やかに変化する領域を比較的広くして、照射範囲を広げることができる。