【文献】
IoTで混雑予測、レジ待ち撲滅,日経情報ストラテジー,日経BP社,2014年12月29日,No.274,pp.32-36
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御部は、前記稼働台数情報、前記適正稼働台数情報および前記待機人数毎の機器台数に関する情報の時間推移を示す前記グラフのそれぞれを重畳的に表示させる、
請求項2に記載の情報処理装置。
前記表示制御部は、前記有人レジ装置、前記セルフレジ装置もしくは前記セミセルフレジ装置のそれぞれに関する前記稼働台数情報、前記適正稼働台数情報および前記待機人数毎の機器台数に関する情報を区別して表示させる、
請求項10に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
<1.実施形態>
(1−1.概要)
まず、本発明の一実施形態の概要について説明する。
【0024】
上記の各特許文献のように、レジカウンター業務をはじめとする顧客対応業務の効率化技術として、混雑状況等を数値化し、レジ装置の過不足を示す技術が開発されている。これらの技術によって、ユーザは、レジ装置の稼働台数を最適化し、無駄なコストを削減することができる。
【0025】
しかし、レジ装置の過不足が示されたとしても、上記のとおり、ユーザはその根拠を知ることができないため、その出力に対して十分な納得感を得られない可能性がある。レジ装置の稼働台数の変更は、人的リソースの変更も伴うため、ユーザ業務へ大きな影響を与える。したがって、レジ装置の過不足が示されたとしても、ユーザが納得感を得られないことは問題である。
【0026】
本件の発明者は上記事情に鑑み、本発明を創作するに至った。本発明は、所定機器の稼働台数情報と所定機器の適正稼働台数情報と待機人数毎の機器台数に関する情報を表示することができる。これによって、ユーザは、レジ装置の稼働台数の実績と、レジ装置の適正稼働台数との差分を知ることができ、併せて、待機人数毎の機器台数に関する情報によって、その差分の根拠を知ることができるため、ユーザは出力に対して十分な納得感を得ることができる。
【0027】
なお、本発明が適用されるシステムは、レジカウンターシステムに限定されない。例えば、本発明は、交通機関(例えば、空港または電車等)のチェックインカウンターシステム、宿泊施設のチェックインカウンターシステム、金融機関(例えば、銀行または証券会社等)の受付窓口システム、または、医療機関(例えば、病院または薬局等)の受付窓口システム等、任意のユーザ(例えば、顧客または来客等)への対応を行うシステムに適用され得る。本明細書では、一例として、本発明がレジカウンターシステムに適用される場合について説明する。
【0028】
(1−2.システム構成例)
上記では、本発明の一実施形態の概要について説明した。続いて、
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システムのシステム構成例について説明する。
【0029】
本実施形態に係る情報処理システムは、クラウドサーバ100と、ユーザ端末200と、出入口カメラ300と、出入口端末310と、レジ前カメラ320と、レジ前端末330と、タグ端末340と、リーダライタ350と、買回り時間計測端末360と、POSサーバ370と、を備えている。また、クラウドサーバ100は、ネットワーク400を介して、出入口端末310、レジ前端末330および買回り時間計測端末360と通信可能に接続している。また、クラウドサーバ100は、ネットワーク410を介して、POSサーバ370と通信可能に接続している。さらに、クラウドサーバ100は、ネットワーク420を介して、ユーザ端末200と通信可能に接続している。
【0030】
本実施形態において、レジカウンターの混雑予測、レジ装置の適正稼働台数の算出およびこれらの情報の表示制御はクラウドサーバ100によって行われる。以降では、順を追って各装置について説明する。
【0031】
(出入口カメラ300、出入口端末310)
出入口カメラ300は、店舗へ来店した客(以降、「来店客」と呼称する)または店舗から退店した客(以降、「退店客」と呼称する)を撮影可能な態様で店舗の出入口付近に設置されたカメラである。出入口カメラ300は、常時、来店客または退店客を撮影し、撮影画像を生成し、当該撮影画像を出入口端末310へ送信する。
【0032】
出入口端末310は、撮影画像を解析し、来店客数、来店客の来店日時、退店客の退店日時、来店客もしくは退店客の属性(例えば、性別または年齢等)、および、来店客もしくは退店客の位置座標の変化等を認識する情報処理装置である。より具体的には、出入口端末310は、公知の顔認識機能を有しており、撮影画像を解析することで、撮影画像中の来店客もしくは退店客の顔の認識および顔の特徴情報を取得することができる。これによって、出入口端末310は、来店客数、来店客の来店日時、退店客の退店日時、および、来店客もしくは退店客の属性(例えば、性別または年齢等)を認識することができる。なお、撮影画像の解析方法はこれに限定されない。
【0033】
また、来店客もしくは退店客の位置座標の変化の認識についてより具体的に説明すると、例えば、店舗内の領域および店舗外の一部の領域(例えば、店舗の出入口付近の領域等)に任意の座標系が設定されており、出入口端末310は、撮影画像中の各点の座標を認識している。そして、客が移動することで撮影画像中の客の位置が変化した場合、出入口端末310は、撮影画像の各点の座標に基づいて客が位置する座標の変化を認識することができる。例えば、出入口端末310は、来店客の来店時の様子の撮影画像を解析することで、来店客が来店する際に移動してきた方向および来店後に移動した方向を認識することができる。
【0034】
そして、出入口端末310は、解析結果である来店客数情報、退店客数情報、来店客の来店日時情報、退店客の退店日時情報、来店客もしくは退店客の属性(例えば、性別または年齢等)情報、および、来店客もしくは退店客の位置座標の変化情報等をクラウドサーバ100へ送信する。クラウドサーバ100は、これらの情報に基づいて店舗内の混雑状況等を認識することができるため、レジカウンターの混雑予測等を行うことができる。
【0035】
なお、出入口端末310が各種情報をクラウドサーバ100へ送信するタイミングは特に限定されない。例えば、出入口端末310は、1分間に1回の頻度で各種情報をクラウドサーバ100へ送信してもよい。また、出入口カメラ300または出入口端末310の台数も特に限定されない。また、撮影画像の解析以外の方法によって上記の各種情報が取得されてもよい。例えば、所定のセンサ(例えば、赤外線センサまたは近接センサ等)によって、来店客数情報、退店客数情報、来店客の来店日時情報または退店客の退店日時情報等が取得されてもよい。
【0036】
(レジ前カメラ320、レジ前端末330)
レジ前カメラ320は、各レジ装置前に並び精算を待っている来店客(以降、「待機客」と呼称する)を撮影可能な態様で各レジ装置付近に設置されたカメラである。レジ前カメラ320は、常時、各レジ装置の待機客を撮影し、撮影画像を生成し、当該撮影画像をレジ前端末330へ送信する。
【0037】
レジ前端末330は、出入口端末310と同様の方法で、撮影画像を解析し、待機客数、待機客が精算を待っている日時、および、待機客の属性等(例えば、性別または年齢等)を認識する情報処理装置である。
【0038】
そして、レジ前端末330は、解析結果である待機客数情報、待機客が精算を待っている日時情報、および、待機客の属性情報等をクラウドサーバ100へ送信する。クラウドサーバ100は、これらの情報に基づいてレジカウンターの混雑状況等を認識することができる。
【0039】
なお、出入口端末310と同様に、レジ前端末330が各種情報をクラウドサーバ100へ送信するタイミングは特に限定されない。また、レジ前カメラ320またはレジ前端末330の台数も特に限定されない。また、撮影画像の解析以外の方法によって上記の各種情報が取得されてもよい。
【0040】
(タグ端末340、リーダライタ350、買回り時間計測端末360)
タグ端末340、リーダライタ350および買回り時間計測端末360は、事前に、来店客の買回り時間を測定する情報処理装置である。より具体的には、タグ端末340は、店舗内にて来店客が持ち運ぶ買い物かごまたはショッピングカート等に装着された装置である。そして、タグ端末340は、店舗の入り口付近およびレジ装置付近に備えられたリーダライタ350と所定の無線通信を行うことができる。
【0041】
例えば、タグ端末340は、RF(Radio Frequency)タグであり、タグ端末340およびリーダライタ350は、RFID(Radio Frequency Identification)システムを構成する。そして、リーダライタ350は、内蔵アンテナから所定の情報を電波または磁界に乗せてタグ端末340へ送信する。リーダライタ350から所定の離隔距離以内に位置するタグ端末340は、リーダライタ350から送信された電波または磁界を受信し、これらによって発生した電力によってタグ端末340のID情報等をリーダライタ350へ送信する。これによって、リーダライタ350は、タグ端末340からID情報等を受信することができる。
【0042】
本実施形態においては、来店客が入口付近に置かれた買い物かご等を持ち、買い物を開始したタイミングで、当該買い物かごに装着されたタグ端末340と、入口付近に備えられたリーダライタ350とが上記の無線通信を行う。そして、来店客が買い物を終え、精算のためにレジ装置付近に到着したタイミングで、当該タグ端末340と、レジ装置付近に備えられたリーダライタ350とが同様の無線通信を行う。これによって、リーダライタ350は、買い物開始時刻情報および買い物終了時刻情報を来店客毎に取得することができる。
【0043】
そして、リーダライタ350は、取得した買い物開始時刻情報、買い物終了時刻情報およびタグ端末340のID情報を買回り時間計測端末360へ送信することで、買回り時間計測端末360は、提供された各種情報を用いて来店客の平均買回り時間を算出することができる。買回り時間計測端末360は、算出した来店客の平均買回り時間情報をクラウドサーバ100へ送信する。
【0044】
なお、買回り時間計測端末360は、ユーザの属性(例えば、性別または年齢等)、買い物時の環境(例えば、店舗内の混雑状況、商品棚のレイアウトまたは陳列された商品等)または日時等の情報を、来店客の平均買回り時間情報に付加してもよい。例えば、買回り時間計測端末360は、来店客の性別毎の平均買回り時間情報等を算出してもよい。これによって、クラウドサーバ100による混雑予測の精度が向上する。
【0045】
(POSサーバ370)
POSサーバ370は、店舗に導入されているPOS(Point Of Sales)システムの一部の機能を実現し、例えば、各レジ装置の稼働状況に関する情報(以降、「レジ稼働情報」と呼称する)、および、来店客毎のスキャン開始終了時刻に関する情報(以降、「スキャン情報」と呼称する)等を管理する情報処理装置である。POSサーバ370は、これらの情報をクラウドサーバ100へ送信する。ここで、これらの情報の取得方法は特に限定されない。例えば、POSサーバ370は、レジ装置の電源状態に基づいてレジ稼働情報を取得してもよいし、レジ装置毎に備えられたカメラからの撮影画像に基づいてレジ稼働情報を取得してもよい。なお、POSサーバ370が管理する情報はこれらに限定されない。
【0046】
(クラウドサーバ100)
クラウドサーバ100は、上記の各種装置から取得した各種情報に基づいてレジカウンターの混雑予測またはレジ装置の適正稼働台数の算出を行い、これらの情報の表示制御を行う情報処理装置である。
【0047】
より具体的に説明すると、まず、クラウドサーバ100は、買回り時間計測端末360から提供される来店客の平均買回り時間情報を用いて、レジカウンターの混雑予測に使用されるシミュレーションプログラムの各種パラメータを更新する。換言すると、クラウドサーバ100は、大量の平均買回り時間情報を用いて、シミュレーションプログラムの各種パラメータの設定値を、対象店舗に適した値に変更する。これによって、クラウドサーバ100は、当該シミュレーションプログラムを、当該店舗に適応させることができ、混雑予測の精度をより向上させることができる。
【0048】
そして、クラウドサーバ100は、出入口端末310から受信した各種情報(例えば、来店客数情報、退店客数情報、来店客の来店日時情報、退店客の退店日時情報、来店客もしくは退店客の属性(例えば、性別または年齢等)情報、および、来店客もしくは退店客の位置座標の変化情報等)と、レジ前端末330から受信した各種情報(例えば、待機客数情報、待機客が精算を待っている日時情報、および、待機客の属性情報等)と、POSサーバ370から受信した各種情報(例えば、レジ稼働情報およびスキャン情報等)をパラメータとしてシミュレーションプログラムへ入力することによってレジカウンターの混雑予測を行う。なお、シミュレーションに用いられるパラメータはこれらの情報に限定されない。シミュレーションに用いられるパラメータの種類が多いほど、混雑予測の精度は向上する。
【0049】
なお、レジカウンターの混雑予測方法はシミュレーションに限定されず、シミュレーション以外の機械学習等によって実現されてもよい。例えば、クラウドサーバ100は、出入口端末310とレジ前端末330から提供される情報の集合から、その中にある有用な規則や知識表現、判断基準等を解析により抽出し、その判断結果を出力する機械学習を利用してレジカウンターの混雑予測を行ってもよい。また、クラウドサーバ100は、出入口端末310とレジ前端末330、および買回り時間計測端末360から提供される情報の集合を解析し、機械学習を利用してレジカウンターの混雑予測を行ってもよい。さらに、上述のものに限らず、例えば、知られている様々な機械学習の手法(例えば、様々な「教師あり学習」、「教師なし学習」および「強化学習」)、あるいは、これらの手法を実現するうえで、特徴量そのものの抽出を学習する「深層学習(ディープラーニング:Deep Learning)」などの様々な技術を適用することができる。
【0050】
また、クラウドサーバ100は、上記の各種情報のうち、主に、レジ前端末330から受信した各種情報(例えば、待機客数情報、待機客が精算を待っている日時情報、および、待機客の属性情報等)、および、予め定められた、一台のレジ装置あたりに許容される待機客数である許容値(以降、単に「許容値」と呼称する)を用いて、レジ装置の適正稼働台数を算出することができる。より具体的には、クラウドサーバ100は、単位期間における待機客数の総和を稼働レジ装置の台数で除算する(以降、除算して得られた値を「レジ装置毎の待機客数」と呼称する)。これによって、(待機客は相対的に待機客が少ないレジ装置に並ぶことを前提にすると)一台のレジ装置あたりの待機客数が算出される。クラウドサーバ100は、レジ装置毎の待機客数と許容値とを比較する。そして、クラウドサーバ100は、レジ装置毎の待機客数を許容値以下に抑えることが可能な、稼働レジ装置の台数の最大値をレジ装置の適正稼働台数として出力する。
【0051】
また、クラウドサーバ100は、上記のシミュレーションによって所定時間経過後の混雑予測を行い、所定時間経過後の待機客数を予測することで、所定時間経過後のレジ装置の適正稼働台数を予測することもできる。
【0052】
そして、クラウドサーバ100は、上記の各種情報を用いて、ユーザ端末200によって表示される情報の内容を制御する。より具体的には、クラウドサーバ100は、レジ装置の稼働台数情報、レジ装置の適正稼働台数情報、所定時間経過後のレジ装置の適正稼働台数情報、および、待機客数毎のレジ装置台数に関する情報の時間推移が所定のグラフによって表示されるように制御する。なお、待機客数毎のレジ装置台数に関する情報とは、例えば、待機客数についてのレジ装置単位の内訳であるが、これに限定されない。また、クラウドサーバ100は、これらの全ての情報をユーザ端末200に提供しなくてもよい。例えば、クラウドサーバ100は、所定時間経過後のレジ装置の適正稼働台数情報をユーザ端末200へ提供しなくてもよい。詳細については後述する。クラウドサーバ100は、表示内容を決定し、当該決定に基づいて表示制御情報を生成し、当該情報をユーザ端末200へ送信することで、ユーザ端末200の表示内容を制御する。
【0053】
なお、クラウドサーバ100の種類は特に限定されない。例えば、クラウドサーバ100は、汎用コンピュータ、PC(Personal
Computer)、タブレットPC等、任意の装置であってよい。また、クラウドサーバ100は、クラウドコンピューティングに用いられる情報処理装置でなくてもよい(換言すると、クラウドサーバ100は単なるサーバであってもよい)。
【0054】
(ユーザ端末200)
ユーザ端末200は、例えば、店舗の管理者またはスタッフ等を含むユーザが使用する情報処理装置である。ユーザ端末200は、これらのユーザの操作によって、レジ装置の稼働台数情報、レジ装置の適正稼働台数情報、所定時間経過後のレジ装置の適正稼働台数情報、および、待機客数毎のレジ装置台数に関する情報の時間推移等の表示制御情報をクラウドサーバ100から取得し、表示を行うことができる。
【0055】
ユーザ端末200が上記のような機能を実現する方法は特に限定されない。例えば、ユーザ端末200には、Webブラウザ機能を有する所定のアプリケーションがインストールされており、ユーザ端末200は、当該Webブラウザを用いてクラウドサーバ100への各種情報の要求およびクラウドサーバ100からの各種情報の取得を行ってもよい。なお、クラウドサーバ100と同様に、ユーザ端末200の種類は特に限定されない。
【0056】
(ネットワーク400、ネットワーク410、ネットワーク420)
ネットワーク400は、出入口端末310、レジ前端末330および買回り時間計測端末360と、クラウドサーバ100とを接続するネットワークである。また、ネットワーク410は、POSサーバ370とクラウドサーバ100とを接続するネットワークである。また、ネットワーク420は、ユーザ端末200とクラウドサーバ100とを接続するネットワークである。
【0057】
なお、ネットワーク400、ネットワーク410またはネットワーク420に用いられる通信方式および回線の種類等は特に限定されない。例えば、各ネットワークは、IP−VPN(Internet Protocol-Virtual Private Network)等の専用回線網で実現されてもよい。また、各ネットワークは、インターネット、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等で実現されてもよい。さらに、各ネットワークは、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の無線通信網で実現されてもよい。
【0058】
以上、本実施形態に係る情報処理システムの構成例について説明した。なお、
図1を参照して説明した上記の構成はあくまで一例であり、本実施形態に係る情報処理システムの構成は係る例に限定されない。例えば、クラウドサーバ100の機能の一部は、その他の情報処理装置に備えられてもよい。例えば、クラウドサーバ100の機能の一部を提供するソフトウェア(例えば、所定のAPI(Application Programming Interface)が使用されたWEBアプリケーション等)がユーザ端末200、出入口端末310、レジ前端末330、買回り時間計測端末360またはPOSサーバ370上で実行されてもよい。また、逆に、ユーザ端末200、出入口端末310、レジ前端末330、買回り時間計測端末360またはPOSサーバ370の機能の一部は、クラウドサーバ100に備えられてもよい。本実施形態に係る情報処理システムの構成は、仕様や運用に応じて柔軟に変形可能である。
【0059】
(1−3.クラウドサーバ100の機能構成例)
上記では、本実施形態に係る情報処理システムの構成例について説明した。続いて、
図2を参照して、クラウドサーバ100の機能構成例について説明する。
【0060】
図2に示すように、クラウドサーバ100は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、を備える。また、制御部110は、混雑予測部111と、適正稼働台数算出部112と、表示制御部113と、を備える。
【0061】
(制御部110)
制御部110は、クラウドサーバ100が行う処理全般を統括的に制御する機能構成である。例えば、制御部110は、制御信号を生成することによって、ディスプレイまたはスピーカ等の出力部(図示なし)等を含む各構成の起動や停止を制御することができる。なお、制御部110の制御内容はこれに限定されない。例えば、制御部110は、各種サーバ、汎用コンピュータ、PC、タブレットPC等において一般的に行われる処理を制御してもよい。
【0062】
(混雑予測部111)
混雑予測部111は、レジカウンターの混雑予測を行う機能構成である。より具体的には、混雑予測部111は、レジカウンターの混雑予測を行うことが可能なシミュレーションプログラムを有している。そして、混雑予測部111は、出入口端末310から提供された各種情報(例えば、来店客数情報、退店客数情報、来店客の来店日時情報、退店客の退店日時情報、来店客もしくは退店客の属性(例えば、性別または年齢等)情報、および、来店客もしくは退店客の位置座標の変化情報等)と、レジ前端末330から提供された各種情報(例えば、待機客数情報、待機客が精算を待っている日時情報、および、待機客の属性情報等)と、POSサーバ370から提供された各種情報(例えば、レジ稼働情報およびスキャン情報等)をパラメータとして当該シミュレーションプログラムへ入力することによってレジカウンターの混雑予測に関する情報を出力する。なお、シミュレーションに用いられるパラメータはこれらの情報に限定されない。
【0063】
混雑予測部111による出力の内容は特に限定されない。例えば、混雑予測部111は、所定時間経過後の待機客数の予測値を出力してもよい。混雑予測部111は、出力を適正稼働台数算出部112へ提供する。
【0064】
(適正稼働台数算出部112)
適正稼働台数算出部112は、レジ装置の適正稼働台数を算出する算出部として機能する機能構成である。例えば、適正稼働台数算出部112は、レジ前端末330から提供された各種情報(特に、待機客数情報、および、待機客が精算を待っている日時情報)および許容値を用いて各時刻におけるレジ装置の適正稼働台数を算出する。より具体的には、適正稼働台数算出部112は、単位期間における待機客数の総和を稼働レジ装置の台数で除算することでレジ装置毎の待機客数を算出する。そして、適正稼働台数算出部112は、レジ装置毎の待機客数と許容値とを比較することで、レジ装置毎の待機客数を許容値以下に抑えることが可能な、稼働レジ装置の台数の最大値をレジ装置の適正稼働台数として出力する。
【0065】
また、適正稼働台数算出部112は、混雑予測部111によって出力された所定時間経過後の待機客数の予測値および許容値を用いて所定時間経過後におけるレジ装置の適正稼働台数の予測値を算出する予測部としても機能する。算出方法は上記と同様である。すなわち、適正稼働台数算出部112は、所定時間経過後におけるレジ装置毎の待機客数の予測値を許容値以下に抑えることが可能な稼働レジ装置の台数の最大値を、所定時間経過後におけるレジ装置の適正稼働台数の予測値として出力する。例えば、適正稼働台数算出部112は、処理時点から15分後におけるレジ装置の適正稼働台数の予測値を算出することができる。
【0066】
(表示制御部113)
表示制御部113は、ユーザ端末200によって表示される情報の内容を制御する機能構成である。より具体的には、表示制御部113は、レジ装置の稼働台数情報、レジ装置の適正稼働台数情報、所定時間経過後のレジ装置の適正稼働台数情報、および、待機客数毎のレジ装置台数に関する情報の時間推移が所定のグラフによって表示されるように制御する。なお、上記のとおり、待機客数毎のレジ装置台数に関する情報とは、例えば、待機客数についてのレジ装置単位の内訳であるが、これに限定されない。表示制御部113は、表示内容を制御する表示制御情報を生成し、当該情報のユーザ端末200への送信処理を制御する。なお、表示内容は上記の情報に限定されない。ここで、表示制御部113は、上記の全ての情報を表示させなくてもよく、例えば、所定時間経過後のレジ装置の適正稼働台数情報が表示されないように制御してもよい。表示内容の詳細については後述する。
【0067】
(記憶部120)
記憶部120は、各種情報を記憶する機能構成である。例えば、記憶部120は、外部装置から取得された各種情報、適正稼働台数算出部112によって出力されたレジ装置の適正稼働台数情報もしくは所定時間経過後のレジ装置の適正稼働台数情報等を記憶する。また、記憶部120は、クラウドサーバ100の各機能構成によって使用されるプログラムまたはパラメータ等を記憶する。なお、記憶部120が記憶する情報の内容はこれらに限定されない。
【0068】
(通信部130)
通信部130は、出入口端末310、レジ前端末330、買回り時間計測端末360、POSサーバ370またはユーザ端末200との各種通信を制御する機能構成であると同時に、レジ装置の稼働台数情報を取得する稼働台数情報取得部および待機客数情報を取得する待機人数情報取得部として機能する機能構成である。例えば、レジカウンターの混雑予測、および、レジ装置の適正稼働台数の算出の際には、通信部130は、出入口端末310から来店客数情報、退店客数情報、来店客の来店日時情報、退店客の退店日時情報、来店客もしくは退店客の属性(例えば、性別または年齢等)情報、および、来店客もしくは退店客の位置座標の変化情報等を受信する。また、通信部130は、レジ前端末330から待機客数情報、待機客が精算を待っている日時情報、および、待機客の属性情報等を受信する。さらに、通信部130は、POSサーバ370から、レジ稼働情報およびスキャン情報等を受信する。これによって、レジカウンターの混雑予測、および、レジ装置の適正稼働台数の算出が実現される。
【0069】
また、ユーザから各種情報の表示を要求された場合には、通信部130は、ユーザ端末200から要求情報を受信し、当該情報に基づいて出力された表示制御情報をユーザ端末200へ送信することで、ユーザ端末200による各種情報の表示を実現する。なお、通信部130が通信する情報および通信するケースはこれらに限定されない。
【0070】
以上、クラウドサーバ100の機能構成例について説明した。なお、
図2を用いて説明した上記の機能構成はあくまで一例であり、クラウドサーバ100の機能構成は係る例に限定されない。例えば、クラウドサーバ100は、
図2に示す機能構成の全てを必ずしも備えなくてもよい。また、クラウドサーバ100の機能構成は、仕様や運用に応じて柔軟に変形可能である。
【0071】
(1−4.ユーザ端末200の機能構成例)
上記では、クラウドサーバ100の機能構成例について説明した。続いて、
図3を参照して、ユーザ端末200の機能構成例について説明する。
【0072】
図3に示すように、ユーザ端末200は、制御部210と、入力部220と、出力部230と、記憶部240と、通信部250と、を備える。
【0073】
(制御部210)
制御部210は、ユーザ端末200が行う処理全般を統括的に制御する機能構成である。例えば、制御部210は、ユーザによって入力部220を用いて行われる入力、または、通信部250を介して受信されるクラウドサーバ100からの表示制御情報等に基づいてディスプレイ等を含む出力部230を制御することができる。なお、制御部210の制御内容はこれに限定されない。例えば、制御部210は、各種サーバ、汎用コンピュータ、PC、タブレットPC等において一般的に行われる処理を制御してもよい。
【0074】
(入力部220)
入力部220は、ユーザによる入力を受ける機能構成である。例えば、入力部220はマウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチまたはマイクロフォン等の入力手段を備えており、ユーザがこれらの入力手段を用いることによって、クラウドサーバ100に対して要求する情報を指定することができる。入力部220は、入力された内容を制御部210に提供する。なお、入力部220が備える入力手段は特に限定されない。
【0075】
(出力部230)
出力部230は、各種情報を出力する機能構成である。例えば、出力部230は、ディスプレイ等の表示手段を備えており、制御部210の制御に基づいて、レジ装置の稼働台数情報、レジ装置の適正稼働台数情報、所定時間経過後のレジ装置の適正稼働台数情報、および、待機客数毎のレジ装置台数に関する情報の時間推移等を表示することができる。これらの情報の表示方法の具体例については後述する。
【0076】
なお、出力部230は、表示以外の方法でこれらの情報を出力してもよい。例えば、出力部230は、スピーカ等の音声出力手段等を備えており、制御部210の制御に基づいて、これらの情報を音声出力してもよい。なお、出力部230が備える出力手段は特に限定されない。
【0077】
(記憶部240)
記憶部240は、各種情報を記憶する機能構成である。例えば、記憶部240は、クラウドサーバ100から提供されるレジ装置の稼働台数情報、レジ装置の適正稼働台数情報、所定時間経過後のレジ装置の適正稼働台数情報、および、待機客数毎のレジ装置台数に関する情報の時間推移等を記憶したり、ユーザ端末200の各機能構成によって使用されるプログラムまたはパラメータ等を記憶したりする。なお、記憶部240が記憶する情報はこれらに限定されない。
【0078】
(通信部250)
通信部250は、クラウドサーバ100との各種通信を制御する機能構成である。例えば、ユーザが各種情報を要求する場合、通信部250は、ユーザ操作に基づいて生成された要求情報をクラウドサーバ100へ送信する。そして、その後、通信部250は、クラウドサーバ100から表示制御情報を受信する。当該表示制御情報によって各種情報の表示制御が実現される。
【0079】
以上、ユーザ端末200の機能構成例について説明した。なお、
図3を用いて説明した上記の機能構成はあくまで一例であり、ユーザ端末200の機能構成は係る例に限定されない。例えば、ユーザ端末200は、
図3に示す構成の全てを必ずしも備えなくてもよい。また、ユーザ端末200の機能構成は、仕様や運用に応じて柔軟に変形可能である。
【0080】
(1−5.処理の流れ)
上記では、ユーザ端末200の機能構成例について説明した。続いて、
図4を参照して、各装置による処理の流れについて説明する。
【0081】
ステップS1000では、出入口カメラ300およびレジ前カメラ320が撮影を行い、出入口端末310およびレジ前端末330が撮影画像を解析することで各種情報を収集する。例えば、出入口端末310は、来店客数、来店客の来店日時、退店客の退店日時、来店客もしくは退店客の属性(例えば、性別または年齢等)、および、来店客もしくは退店客の位置座標の変化等に関する情報を収集する。また、レジ前端末330は、待機客数、待機客が精算を待っている日時、および、待機客の属性等(例えば、性別または年齢等)に関する情報を収集する。ステップS1004では、出入口端末310およびレジ前端末330が収集した各種情報をクラウドサーバ100へ送信する。
【0082】
ステップS1008では、POSサーバ370がレジ稼働情報およびスキャン情報等をクラウドサーバ100へ送信する。ステップS1012では、クラウドサーバ100の混雑予測部111が、上記で各装置から提供された各種情報をパラメータとしてシミュレーションプログラムへ入力することによってレジカウンターの混雑予測に関する情報を出力する。例えば、混雑予測部111は、所定時間経過後の待機客数の予測値を出力する。
【0083】
ステップS1016では、適正稼働台数算出部112が、レジ前端末330から提供された各種情報(特に、待機客数情報、および、待機客が精算を待っている日時情報)および許容値を用いて各時刻におけるレジ装置の適正稼働台数を算出する。また、適正稼働台数算出部112は、混雑予測部111によって出力された所定時間経過後の待機客数の予測値および許容値を用いて所定時間経過後におけるレジ装置の適正稼働台数の予測値を算出する。
【0084】
ステップS1020では、ユーザ(例えば、店舗の管理者またはスタッフ等)がユーザ端末200を用いてクラウドサーバ100に各種情報を要求する操作を行う。例えば、ユーザは、ユーザ端末200にインストールされているWebブラウザ機能を有する所定のアプリケーションを起動し、ボタンの押下等、所定の操作を行う。これによって、ステップS1024にて、ユーザ端末200の制御部210が要求情報を生成し、通信部250が当該情報をクラウドサーバ100へ送信する。
【0085】
ステップS1028では、クラウドサーバ100の表示制御部113がユーザ端末200から受信された要求情報に基づいてユーザ端末200の表示内容を決定する。そして、ステップS1032では、表示制御部113が、決定した表示内容に基づいて表示制御情報を生成し、通信部130が当該情報をユーザ端末200へ送信する。ステップS1036では、ユーザ端末200の制御部210がクラウドサーバ100から受信された表示制御情報に基づいて出力部230を制御することで、出力部230は、例えば、各種情報(例えば、レジ装置の稼働台数情報、レジ装置の適正稼働台数情報、所定時間経過後のレジ装置の適正稼働台数情報、および、待機客数毎のレジ装置台数に関する情報の時間推移等)をディスプレイ等に表示することで、一連の処理が終了する。
【0086】
なお、
図4に示したシーケンス図における各ステップは、必ずしも記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。すなわち、シーケンス図における各ステップは、記載された順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0087】
(1−6.表示例)
上記では、各装置による処理の流れについて説明した。続いて、ユーザ端末200の表示例について説明する。以降で説明する表示例は、ユーザが、店舗業務を改善するために、過去の業務におけるレジ装置の稼働台数およびレジ装置の適正稼働台数等を確認する際に用いられる表示であるとする。
【0088】
上記のとおり、ユーザ端末200の出力部230は、レジ装置の稼働台数情報、レジ装置の適正稼働台数情報、所定時間経過後のレジ装置の適正稼働台数情報、および、待機客数毎のレジ装置台数に関する情報の時間推移等を表示することができる。
【0089】
例えば、
図5Aに示すように、出力部230は、レジ装置の稼働台数10、レジ装置の適正稼働台数11、15分後のレジ装置の適正稼働台数12、待機客数についてのレジ装置単位の内訳13、および、チェック0人だった台数14を表示する。そして、
図5Aに示すように、出力部230は、レジ装置の稼働台数10、レジ装置の適正稼働台数11および15分後のレジ装置の適正稼働台数12については折線グラフで表示し、待機客数についてのレジ装置単位の内訳13およびチェック0人だった台数14を棒グラフで表示し、各グラフは、適切に区別されるように異なる色によって表されている。なお、レジ装置の稼働台数10、レジ装置の適正稼働台数11、15分後のレジ装置の適正稼働台数12および待機客数についてのレジ装置単位の内訳13については5分間隔の平均値が示されており、チェック0人だった台数14については5分間隔の累計値が示されている。
【0090】
これによって、ユーザは、レジ装置の稼働台数の実績と、レジ装置の適正稼働台数との差分を知ることができ、併せて、待機客数についてのレジ装置単位の内訳13によって、その差分の根拠を知ることができるため、ユーザは出力に対して十分な納得感を得ることができる。すなわち、ユーザは、待機客数についてのレジ装置単位の内訳13を確認することで、レジ装置の適正稼働台数11が本当に適切な値であるか否かを直感的に判断することができる。
【0091】
ここで、「チェック0人」とは、所定期間(例えば、5分間等)にレジ装置で対応された来店客が0人だったことを示している。クラウドサーバ100は、POSサーバ370から提供されるスキャン情報に基づいて所定期間に各レジ装置で対応された来店客数を認識することができる。そのため、所定期間において待機客が0人である場合に、ユーザ端末200の出力部230は、来店客がレジ装置で対応され、かつ、待機客が0人であったのか、チェック0人に相当する状況だったのかを区別して表示することができる。これによって、ユーザは、レジ装置の適正稼働台数11の根拠を認識し易くなる。より具体的には、レジ装置の適正稼働台数11は、チェック0人であるレジ装置が増加すれば低くなり易いが、(チェック0人ではなく)待ち0人であるレジ装置が増加しても相対的に低くなりにくい(または、維持され易い)という特性を有し、ユーザは、この特性に基づいてレジ装置の適正稼働台数11の根拠を容易に認識することができる。
【0092】
なお、
図5Aはあくまで一例であり、表示内容は適宜変更され得る。例えば、出力部230は、レジ装置の種類を区別した状態で各種情報を表示してもよい。より具体的には、レジ装置には、店舗スタッフが商品のスキャンおよび精算を行う有人レジ装置、来店客が商品のスキャンおよび精算を行うレジ装置(以降、「セルフレジ装置」と呼称する)、店舗スタッフが商品のスキャンを行い、その後来店客が精算を行うレジ装置(以降、「セミセルフレジ装置」と呼称する)等のように様々な種類が含まれる。そこで、
図5Bに示すように、出力部230は、レジ装置の種類毎にタブ(
図5Bに示すように、有人レジ装置タブ15、セルフレジ装置タブ16およびセミセルフレジ装置タブ17)を設けることで、レジ装置の種類毎に上記の各種情報を区別して表示してもよい。すなわち、ユーザは、これらの各種タブを押下することによって、所望の種類のレジ装置に関する情報を確認することができる。なお、レジ装置の種類に基づく区別方法はこれに限定されず、例えば、出力部230は、奥行方向にレジ装置の種類を変更することでレジ装置の種類毎に各種情報を区別して三次元表示してもよい。
【0093】
また、表示内容は適宜省略されてもよい。例えば、
図5Cに示すように、出力部230は、15分後のレジ装置の適正稼働台数12を表示しなくてもよい。15分後のレジ装置の適正稼働台数12が表示されなくても、ユーザは、レジ装置の稼働台数10、レジ装置の適正稼働台数11、待機客数についてのレジ装置単位の内訳13、および、チェック0人だった台数14を確認することで店舗業務を改善することができる。また、
図5Dに示すように、出力部230は、レジ装置の稼働台数10および15分後のレジ装置の適正稼働台数12のみを表示してもよい(換言すると、レジ装置の適正稼働台数11、待機客数についてのレジ装置単位の内訳13、および、チェック0人だった台数14が省略されてもよい)。
【0094】
また、出力部230は、各種情報の差分に対応する領域に対して所定の加工が施された画像を表示してもよい。例えば、
図5Eに示すように、出力部230は、レジ装置の稼働台数10とレジ装置の適正稼働台数11との差分に対応する領域に対して着色が施された画像を表示してもよい(
図5Eでは、便宜的にレジ装置の稼働台数10とレジ装置の適正稼働台数11以外の情報を省略している)。ここで、
図5Eに示すように、レジ装置の稼働台数10がレジ装置の適正稼働台数11よりも多い場合と、レジ装置の適正稼働台数11がレジ装置の稼働台数10よりも多い場合とで配色が異なっていてもよい。これによって、ユーザは、各種情報の差分をより容易に認識することができる。なお、レジ装置の稼働台数10とレジ装置の適正稼働台数11以外の情報同士の差分に対応する領域に対して所定の加工が施されてもよい。
【0095】
また、
図5Fに示すように、出力部230は、上記の各種情報の単位を「台」ではなく「%」で表示した情報であるレジ運用効率を表示してもよい。なお、
図5Fにおいては、5分間隔ではなく、3時間間隔でレジ運用効率を表示している。
【0096】
なお、上記の各種情報は、グラフで表示されなくてもよい。より具体的には、出力部230は、各種情報をテキスト等で表示してもよい。また、上記の各種情報が表されるグラフの種類は特に限定されない。例えば、出力部230は、レジ装置の稼働台数10、レジ装置の適正稼働台数11および15分後のレジ装置の適正稼働台数12だけでなく、待機客数についてのレジ装置単位の内訳13およびチェック0人だった台数14も折線グラフで表示してもよい。
【0097】
また、上記の例では、待機客数についてのレジ装置単位の内訳13は、「待ち0人」、「待ち1〜2人」、「待ち3〜4人」、「待ち5人〜」という人数区分で表示されているが、人数区分はこれらに限定されず、適宜変更されてもよい。また、所定時間経過後のレジ装置の適正稼働台数については、「15分後」に限定されず、適宜変更されてもよい。なお、表示内容の変更は、クラウドサーバ100側で行われてもよいし、ユーザ端末200を操作するユーザ側で行われてもよい。また、出力部230は、各種情報をダウンロード可能なダウンロードボタンを画面に表示してもよい。
【0098】
また、出力部230は、
図5A〜
図5Fに示した例以外の情報を表示してもよい。例えば、
図6に示すように、出力部230は、各レジ装置における待機客数の時間推移を所定時間間隔で表示してもよい。
図6においては、「(1)」〜「(16)」が各レジ装置の識別番号を示しており、各レジ装置における待機客数の平均値の時間推移が5分間隔で表示されている。これによって、ユーザは、各レジ装置の稼働状況および各レジ装置における待機客数(チェック0人を含む)を認識することができる。
【0099】
また、
図7に示すように、出力部230は、待機客数18の時間推移を、折線グラフを用いて表示してもよい。
図7には、各レジ装置における待機客数18の平均値の総和が5分間隔で表示されている。
【0100】
また、
図8に示すように、出力部230は、各待機客の平均待機時間19の時間推移を、折線グラフを用いて表示してもよい。
図8には、各待機客の平均待機時間19が5分間隔で表示されている。
【0101】
また、
図9に示すように、出力部230は、来店客数20とレジ装置にて対応された来店客数(以降、「レジ対応客数21」と呼称する)の時間推移を、折線グラフを用いて表示してもよい。
図9には、来店客数20の平均値とレジ対応客数21の平均値が5分間隔で表示されている。
【0102】
なお、
図5A〜
図9はあくまで例であり、出力部230による表示内容はこれらに限定されない。換言すると、出力部230は、クラウドサーバ100によって収集される情報(または、クラウドサーバ100によって収集される情報を用いて出力可能な他の情報)であればいかなる情報を表示してもよい。
【0103】
<2.ハードウェア構成例>
以上、本実施形態におけるユーザ端末200の表示例について説明した。続いて、本実施形態に係るクラウドサーバ100およびユーザ端末200のハードウェア構成について説明する。上記の動作は、ソフトウェアと、以下に説明するクラウドサーバ100およびユーザ端末200のハードウェアとの協働により実現される。
【0104】
図10は、本実施例に係るクラウドサーバ100およびユーザ端末200を具現する情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903と、ホストバス904と、ブリッジ905と、外部バス906と、インタフェース907と、入力機器908と、出力機器909と、ストレージ機器910と、ドライブ911と、通信機器913と、を備える。
【0105】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置900内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス904により相互に接続されている。当該CPU901、ROM902およびRAM903の協働により、クラウドサーバ100の制御部110、ユーザ端末200の制御部210が実現される。
【0106】
ホストバス904は、ブリッジ905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス906に接続されている。なお、必ずしもホストバス904、ブリッジ905および外部バス906を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0107】
入力機器908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチまたはマイクロフォン等ユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路等から構成されている。情報処理装置900を操作するユーザは、この入力機器908を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。当該入力機器908により、ユーザ端末200の入力部220が実現される。
【0108】
出力機器909は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、ランプ等の表示装置およびスピーカ等の音声出力装置を含む。当該出力機器909により、ユーザ端末200の出力部230が実現される。
【0109】
ストレージ機器910は、データ格納用の機器である。ストレージ機器910は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置等を含んでもよい。当該ストレージ機器910により、クラウドサーバ100の記憶部120、ユーザ端末200の記憶部240が実現される。
【0110】
ドライブ911は、記憶媒体用リーダライタであり、情報処理装置900に外付けされる。ドライブ911は、装着される磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体912に記録されている情報を読み出して、RAM903に出力する。また、ドライブ911は、リムーバブル記憶媒体912に情報を書き込むこともできる。
【0111】
通信機器913は、通信を行うための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。当該通信機器913により、クラウドサーバ100の通信部130、ユーザ端末200の通信部250が実現される。
【0112】
なお、情報処理装置900のハードウェア構成は、
図10に示す構成に限られない。例えば、情報処理装置900は、接続されている外部の通信デバイスを介して通信を行う場合には、通信機器913を備えていなくてもよい。また、情報処理装置900は、例えば、入力機器908または出力機器909等を備えなくてもよい。また、例えば、
図10に示す構成の一部または全部は、1または2以上のIC(Integrated Circuit)で実現されてもよい。
【0113】
<3.まとめ>
以上で説明してきたように、本発明は、所定機器の稼働台数情報と所定機器の適正稼働台数情報と待機人数毎の機器台数に関する情報を表示することができる。例えば、本発明に係るユーザ端末200は、
図5Aに示すように、レジ装置の稼働台数10、レジ装置の適正稼働台数11、15分後のレジ装置の適正稼働台数12、待機客数についてのレジ装置単位の内訳13、および、チェック0人だった台数14を表示する。そして、ユーザ端末200は、レジ装置の稼働台数10、レジ装置の適正稼働台数11および15分後のレジ装置の適正稼働台数12については折線グラフで表示し、待機客数についてのレジ装置単位の内訳13およびチェック0人だった台数14を棒グラフで表示する。
【0114】
これによって、ユーザは、レジ装置の稼働台数の実績と、レジ装置の適正稼働台数との差分を知ることができ、併せて、待機客数についてのレジ装置単位の内訳13によって、その差分の根拠を知ることができるため、ユーザは出力に対して十分な納得感を得ることができる。すなわち、ユーザは、待機客数についてのレジ装置単位の内訳13を確認することで、レジ装置の適正稼働台数11が本当に適切な値であるか否かを直感的に判断することができる。
【0115】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。