特許第6981195号(P6981195)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981195
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】乗物用シートのアームレスト装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/75 20180101AFI20211202BHJP
   A47C 7/54 20060101ALI20211202BHJP
【FI】
   B60N2/75
   A47C7/54 C
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-222029(P2017-222029)
(22)【出願日】2017年11月17日
(65)【公開番号】特開2019-93747(P2019-93747A)
(43)【公開日】2019年6月20日
【審査請求日】2020年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新垣 清人
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 由希規
(72)【発明者】
【氏名】浅野 宗吾
【審査官】 田中 佑果
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−056592(JP,U)
【文献】 実開昭64−001546(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/75
A47C 7/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物用シートのアームレスト装置であって、
上面部に物品を収容する凹部が形成されたアームレスト本体と、該アームレスト本体に対しヒンジ部材を介して開閉可能に取付けられた前記凹部を覆う蓋と、を有し、
前記ヒンジ部材はヒンジ軸回りに回動可能に連結された一対のヒンジ板を有し、該一対のヒンジ板は一方が前記アームレスト本体に他方が前記蓋に連結されており、
前記蓋を開放したとき前記ヒンジ部材を外部から視認不能に覆うカバー部材が、前記アームレスト本体と前記蓋との間に配設されており、
前記カバー部材は略矩形状の布帛体の対向する辺の端部にそれぞれ樹脂製のプレートが連結されて形成され、
一の樹脂製のプレートが前記一対のヒンジ板の前記一方を覆って前記アームレスト本体に連結され、他の樹脂製のプレートが前記一対のヒンジ板の前記他方を覆って前記蓋に連結されている乗物用シートのアームレスト装置。
【請求項2】
請求項1において、前記一の樹脂製のプレートは前記一対のヒンジ板の前記一方とともに前記アームレスト本体にネジ締結され、前記他の樹脂製のプレートは前記一対のヒンジ板の前記他方に係止して取付けられている乗物用シートのアームレスト装置。
【請求項3】
請求項2において、前記布帛体には、前記樹脂製のプレートが連結されていない対向する辺の端部が折り返されて前記一の樹脂製のプレート又は前記他の樹脂製のプレートの木端を覆う折り返し部が形成されている乗物用シートのアームレスト装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物用シートのアームレスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リアシートのシートバックに回転可能に配設された自動車用シートのアームレスト装置が知られている。特許文献1に記載されるアームレスト装置においては、アームレスト本体の上面部に物品収納用の凹部が設けられ、この凹部を閉止する蓋が設けられている。この蓋は、アームレスト本体に対しヒンジ軸を有するヒンジ部材を介して開閉自在に結合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3897298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のアームレスト装置においては、アームレスト本体に対し蓋を開放したとき、ヒンジ部材が外部から視認できて見栄えが悪いという問題があった。
【0005】
このような問題に鑑み本発明の課題は、乗物用シートに配設された蓋を有するアームレスト装置において、蓋を開放した状態においても見栄えの悪化を抑制できるアームレスト装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1発明は、乗物用シートのアームレスト装置であって、上面部に物品を収容する凹部が形成されたアームレスト本体と、該アームレスト本体に対しヒンジ部材を介して開閉可能に取付けられた前記凹部を覆う蓋と、を有し、前記ヒンジ部材はヒンジ軸回りに回動可能に連結された一対のヒンジ板を有し、該一対のヒンジ板は一方が前記アームレスト本体に他方が前記蓋に連結されており、前記蓋を開放したとき前記ヒンジ部材を外部から視認不能に覆うカバー部材が、前記アームレスト本体と前記蓋との間に配設されていることを特徴とする。
【0007】
第1発明によれば、アームレスト本体に対して蓋を開放し凹部に物品の出し入れをするとき、ヒンジ部材が外部から視認不能にカバー部材によって覆われているので、蓋を開放した状態での見栄え悪化を抑制できる。
【0008】
本発明の第2発明は、上記第1発明において、前記カバー部材は略矩形状の布帛体の対向する辺の端部にそれぞれ樹脂製のプレートが連結されて形成され、一の樹脂製のプレートが前記一対のヒンジ板の前記一方を覆って前記アームレスト本体に連結され、他の樹脂製のプレートが前記一対のヒンジ板の前記他方を覆って前記蓋に連結されていることを特徴とする。
【0009】
第2発明によれば、ヒンジ軸回りの回動により互いの成す角度が変化するヒンジ板間を柔軟で屈曲性に優れた布帛体で覆っているので、繰り返しの蓋の開閉においても見栄えよくヒンジ部材を覆って隠すことができる。
【0010】
本発明の第3発明は、上記第2発明において、前記一の樹脂製のプレートは前記一対のヒンジ板の前記一方とともに前記アームレスト本体にネジ締結され、前記他の樹脂製のプレートは前記一対のヒンジ板の前記他方に係止して取付けられていることを特徴とする。
【0011】
第3発明によれば、カバー部材における一の樹脂製のプレートは、一対のヒンジ板の一方とともにアームレスト本体にネジ締結され、カバー部材における他の樹脂製のプレートは、一対のヒンジ板の他方に係止して取付けられている。これによって、取付構造が簡潔になるとともに、取付作業が容易となる。
【0012】
本発明の第4発明は、上記第3発明において、前記布帛体には、前記樹脂製のプレートが連結されていない対向する辺の端部が折り返されて前記一の樹脂製のプレート又は前記他の樹脂製のプレートの木端を覆う折り返し部が形成されていることを特徴とする。
【0013】
第4発明によれば、布帛体の樹脂製のプレートが連結されていない対向する辺の端部に折り返し部が形成されて樹脂製のプレートの木端を覆っているので木端が外部から見えずにさらに見栄えの悪化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るアームレスト装置を備えた自動車用リアシートを斜め前方から見た斜視図である。
図2】本実施形態に係るアームレスト装置を斜め前方から見た斜視図である。蓋部を閉じた状態である。
図3】本実施形態に係るアームレスト装置を斜め前方から見た斜視図である。蓋部を開いた状態である。
図4】本実施形態に係るアームレスト装置の分解斜視図である。
図5】本実施形態に係るアームレスト装置のヒンジ部材の斜視図である。
図6】本実施形態に係るアームレスト装置のカバー部材の斜視図である。アームレスト装置に取付ける前の状態である。
図7図2のVII−VII線で切断して示す断面図である。
図8図3のVIII−VIII線で切断して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1図8は、本発明の一実施形態を示す。この実施形態は、自動車用リアシート1のアームレスト装置30に本発明を適用した例を示す。各図中、矢印により自動車用リアシート1を自動車に取付けたときの自動車及び自動車用リアシート1の各方向を示している。以下の説明において、方向に関する記述は、この方向を基準として行うものとする。本実施形態の自動車用リアシート1はベンチタイプのシートであって、着座部となるシートクッション10と、背凭れとなるシートバック20と、シートバック20に取付けられたアームレスト装置30と、を備えている。ここで、自動車用リアシート1が、特許請求の範囲の「乗物用シート」に相当する。
【0016】
図1及び図2に示すように、シートバック20の左右方向中央部には、アームレスト装置30を不使用時に収納する収納凹部21が設けられている。アームレスト装置30は、二点鎖線で示す収納凹部21内に収納された収納状態と、実線で示すシートクッション10上に載置された使用状態と、の間で移動可能にシートバック20に取付けられている。具体的には、図2に示すように、上面視で前方に開口を有する略U字状のブラケット40によって収納凹部21の下部に取付けられている。ブラケット40は、ベース部42と、ベース部42の左右端部から前方に向かって対向して延びる左右一対のサイド部41と、を有する。左右一対のサイド部41の前端部には、それぞれ、左右方向に延びる回動軸Pを中心とする回動軸孔41aが設けられている。ベース部42が収納凹部21の下部にねじ止めにより固定され、回動軸孔41aに通された支持軸(図示せず)によってアームレスト装置30の後部がシートバック20に対して回動軸Pを中心に回転可能に支持されている。
【0017】
図2図4に示すように、アームレスト装置30は、上部に開口を有する本体部30Aと、本体部30Aに対し開閉可能に連結された蓋部30Bと、を有する。図4において、本体部30Aは、樹脂製の本体フレーム31と、本体フレーム31の下部及び左右両側部を覆うクッション材としてのパッド32と、パッド32の下部及び左右両側部を覆う表皮材としてのカバー33と、を有する。ここで、本体部30Aと蓋部30Bが、それぞれ、特許請求の範囲の「アームレスト本体」と「蓋」に相当する。
【0018】
本体フレーム31は、後方から前方にかけて3つの領域を有する。最も後方が小物入れ領域31aで前後長の2/3程度の長さを占める領域である。その次がトレイ領域31bで前後長の1/6程度の長さを占める領域である。最も前方がカップホルダ領域31cで前後長の1/6程度の長さを占める領域である。図3及び図7に示すように、小物入れ領域31aには、上方に開口を有する前後方向に長尺な略直方体の凹部31a3が形成されており、その後端部側の壁である後壁31a1の上端部には後下方に向かって延びるヒンジ部材取付部31a11が形成されている。ヒンジ部材取付部31a11には、後述するヒンジ部材37の下ヒンジ板37aが取付けられる。ヒンジ部材取付部31a11の左右方向中央には、下ヒンジ板37aを取付けるときの位置決め機能を果たす位置決めピン31a111が後上方に突出して設けられている。また、小物入れ領域31aの前端部側の壁である前壁31a2の上端部には後述する蓋部30Bの係止爪36a2を係止するための係止孔31a21が形成されている。トレイ領域31bは、上方に左右方向を長辺とする矩形状の開口を有する領域で、その後側の壁である後壁部31b1の上部には左右一対のフックを有するフック部材31b2が取付けられている。フック部材31b2に上方からトレイ部材(図示せず)が取付けられることによりトレイとしての機能を果たす。カップホルダ領域31cには、前側下方に配設された左右方向に延びる軸を中心に前後方向に開閉可能に取付けられたカップホルダ蓋31c1が配設されている。詳細は説明を省略するが、カップホルダ蓋31c1を前方に回転させたとき、カップホルダ蓋31c1の裏側にカップホルダの機構部が現れるように構成されている。本体フレーム31は、ブラケット40に対し後下側に配設された左右一対の回動軸孔31dをブラケット40の回動軸孔41aに一致させて支持軸(図示せず)で回転可能に連結される。
【0019】
パッド32は、発泡ウレタン樹脂が成形されて形成されている。本体フレーム31の下部及び左右両側部を覆ってアームレスト装置30が収納状態にあるときの前面側と、アームレスト装置30が使用状態にあるときの左右両側面側の触感を高めるためのものである。パッド32の左右両側部の後部には、本体フレーム31の回動軸孔31dとブラケット40の回動軸孔41aとを連結する支持軸(図示せず)を通すための左右一対の孔32aが設けられている。カバー33は、シートバック20の表皮材と同じ表皮材であるファブリック、本革、合成皮革等によって形成されている。具体的には、ファブリック、本革、合成皮革等を所定形状に裁断したパーツを縫製により一体化することにより形成されている。ブラケット40のサイド部41はカバー33によって覆われ外部から視認できないようにされている。
【0020】
図2図4に示すように、蓋部30Bは、樹脂製の蓋フレーム34と、クッション材付き表皮の蓋外カバー35と、蓋フレーム34の蓋外カバー35と反対側を覆う樹脂製の蓋内カバー36と、を有する。蓋フレーム34は、上面視で本体フレーム31の小物入れ領域31aに対応した略矩形状に形成されている。そして、図7に示すように、前端部の左右方向中央部には蓋部30Bを開けるときに手を掛けるための上方に向かって凹む凹部34aが設けられ、後端部には後述するヒンジ部材37の上ヒンジ板37bを取付けるためのヒンジ部材取付部34bが設けられている。ヒンジ部材取付部34bの左右方向中央には、上ヒンジ板37bを取付けるときの位置決め機能を果たす位置決めピン34b1が下方に突出して設けられている。蓋外カバー35は、合成皮革等の表皮材に対しウレタン発泡樹脂等を一体発泡成形することにより形成されている。しかし、これに限らず、所定形状に発泡成形されたウレタン発泡樹脂成形体の表面にファブリック、本革、合成皮革等の表皮材を接着して形成してもよい。蓋外カバー35は、アームレスト装置30が使用状態にあり蓋部30Bが本体部30Aに対して閉じられたとき、アームレスト装置30上面側の触感を高めるとともに、外観見栄えを高める機能を果たす。図7に示すように、蓋内カバー36の前端部の左右方向中央部には、蓋部30Bの本体部30Aに対するヒンジ部材37のヒンジ軸37cを中心とした回動を止めるためのロック機構36aが設けられている。ロック機構36aは、蓋内カバー36と一体で形成されており、蓋部30Bを本体部30Aに対して閉じるとき、弾性的に変形して本体フレーム31の係止孔31a21の周縁部に係止して回動を止める係止爪36a2を有する。また、ロック機構36aは、本体部30Aに対して閉じた状態の蓋部30Bを開けるとき、係止爪36a2の係止孔31a21の周縁部に対する係止を外すために後方に向けて押圧する押圧部36a1を有する。蓋内カバー36は、蓋部30Bを開いた時の蓋フレーム34内側の見栄えを高める機能を果たす。
【0021】
図4図7に示すように、蓋フレーム34のヒンジ部材取付部34bと、本体フレーム31の後壁31a1のヒンジ部材取付部31a11と、の間にはヒンジ部材37が配設されて、本体部30Aに対して蓋部30Bを開閉できるようになっている。そして、ヒンジ部材37の前側(小物入れ領域31aの側)には、本体部30Aに対して蓋部30Bを開いたとき外部からヒンジ部材37を視認不能に覆うカバー部材38が配設されている。
【0022】
図5に示すように、ヒンジ部材37は、本体フレーム31のヒンジ部材取付部31a11に固定される下ヒンジ板37aと、蓋フレーム34の後端部に固定される上ヒンジ板37bと、下ヒンジ板37aの前端部と上ヒンジ板37bの下端部を相対回動自在に連結するヒンジ軸37cと、を有する。下ヒンジ板37aは、横断面が略J字状で左右方向に延びて形成され、上面部37a1と、上面部37a1の後端から下方に向かって延びる後面部37a2と、後面部37a2の下端から前方に向かって上面部37a1と平行に延びる下面部37a3と、を有する。後面部37a2の前後長は、上面部37a1の前後長の1/3程度とされている。後面部37a2と下面部37a3は、上面部37a1の剛性を高めるために設けられたものである。上面部37a1の前端部は、斜めに折り曲げられて先端部にヒンジ軸37cを差し込むための円筒状の軸受部37a11が3つ設けられている。また、上面部37a1には、ヒンジ部材取付部31a11に取付けるとき、位置決めピン31a111が挿入される位置決め孔37a12が左右方向の中央に、左右一対のねじ孔37a13が左右両端部側に、それぞれ設けられている。上ヒンジ板37bは、左右方向に延びる板状の部材で、その左右長は下ヒンジ板37aと同じに形成されている。上ヒンジ板37bの下端部は、斜めに折り曲げられて先端部にヒンジ軸37cを差し込むための円筒状の軸受部37b1が3つ設けられている。また、上ヒンジ板37bには、蓋フレーム34のヒンジ部材取付部34bに取付けるとき、位置決めピン34b1が挿入される位置決め孔37b2が左右方向の中央に、左右一対のねじ孔37b3が左右両端部側に、それぞれ設けられている。下ヒンジ板37aと上ヒンジ板37bとの間には、トーションスプリング37dが配設されており、図5に示す初期状態から下ヒンジ板37aの下面部37a3の方向に上ヒンジ板37bを回動させると初期状態に復帰させようとする付勢力が印加されるようになっている。すなわち、図7において、上ヒンジ板37bは下ヒンジ板37aに対して、ヒンジ軸37cを中心に時計回りの回動付勢力を印加されるようになっている。ここで、下ヒンジ板37aと上ヒンジ板37bが、それぞれ、特許請求の範囲の「一対のヒンジ板、一方」と「一対のヒンジ板、他方」に相当する。
【0023】
図6に示すように、カバー部材38は、左右方向を長手方向とする略矩形状の布帛体38aの下端部前側に下樹脂プレート38bが、上端部後側に上樹脂プレート38cが、縫製により取付けられて形成されている。下樹脂プレート38bと上樹脂プレート38cは、可撓性に富んだ樹脂製の板材で縫製が可能なものである。下樹脂プレート38bには、下ヒンジ板37aの位置決め孔37a12に対応して位置決め孔38b1が、下ヒンジ板37aの左右一対のねじ孔37a13に対応して左右一対のねじ孔38b2が、設けられている。下樹脂プレート38bの左右方向中央やや右寄りの切り欠き38b3は、トーションスプリング37dに対応する位置に形成され、トーションスプリング37dとの干渉を回避するためのものである。下樹脂プレート38bは、縫製ライン38b4において縫製により布帛体38aに連結されている。上樹脂プレート38cには、下方に突出する左右一対の突出部38c1が設けられている。左右一対の突出部38c1は、上ヒンジ板37bにおいて、それぞれ、位置決め孔37b2と左右のねじ孔37b3との間に対応する位置に設けられている。上樹脂プレート38cは、縫製ライン38c2において縫製により布帛体38aに連結されている。布帛体38aには、下樹脂プレート38bの左右端部から外側に突出する左右一対の延長部38a1が設けられている。延長部38a1は、下樹脂プレート38b上の内側に向けて折り返されて、下樹脂プレート38bの左右の木端を隠すためのものである。ここで、下樹脂プレート38bと上樹脂プレート38cが、それぞれ、特許請求の範囲の「一の樹脂製のプレート」と「他の樹脂製のプレート」に相当する。また、延長部38a1が、特許請求の範囲の「折り返し部」に相当する。
【0024】
図4図7に基づいてアームレスト装置30の組立て手順について説明する。まず、本体部30Aを組み立てる。具体的には、本体フレーム31にフック部材31b2を介してトレイ部材(図示せず)を取付けるとともにカップホルダ蓋31c1を取付けた状態で、下方からパッド32を取付けその上にカバー33を被せる。次に、本体フレーム31のヒンジ部材取付部31a11の位置決めピン31a111にカバー部材38の位置決め孔38b1を合わせて、ヒンジ部材取付部31a11の上にカバー部材38の下樹脂プレート38bを載置する。このとき、図6において下樹脂プレート38bの前面側がヒンジ部材取付部31a11に当接するように載置する。そして、位置決めピン31a111に下ヒンジ板37aの位置決め孔37a12を合わせて、カバー部材38の下樹脂プレート38bの上に下ヒンジ板37aの上面部37a1を載置する。この状態で、ヒンジ部材取付部31a11に対し下ヒンジ板37aの上面部37a1における左右一対のねじ孔37a13にねじを通して締結する。このとき、ヒンジ部材取付部31a11と下ヒンジ板37aの上面部37a1との間にはカバー部材38の下樹脂プレート38bが配置されているので、下樹脂プレート38bも上面部37a1とともにヒンジ部材取付部31a11に固定される。次に、蓋外カバー35が取付けられた蓋フレーム34のヒンジ部材取付部34bをヒンジ部材37の上ヒンジ板37bに取付ける。具体的には、ヒンジ部材取付部34bの位置決めピン34b1を上ヒンジ板37bの位置決め孔37b2に挿入させた状態で、ヒンジ部材取付部34bに対し上ヒンジ板37bにおける左右一対のねじ孔37b3にねじを通して締結する。次に、カバー部材38の上樹脂プレート38cにおける左右一対の突出部38c1を、それぞれ、位置決め孔37b2と左右のねじ孔37b3との間において上ヒンジ板37bと蓋フレーム34との間に挿入する。最後に、蓋フレーム34の下側に蓋内カバー36を所定か所のねじ止めにより取付ける。このとき、図7に示すように、蓋内カバー36の後端部には上方に向けて突出する突起部36bが設けられており、この突起部36bがカバー部材38を上ヒンジ板37bに対して押圧するのでカバー部材38の布帛体38aは緩みなくヒンジ部材37を覆うように取付けられる。
【0025】
以上のように構成される上記実施形態は、以下のような作用効果を奏する。アームレスト装置30の本体部30Aに対して、蓋部30Bを開放し小物入れ領域31aに物品の出し入れをするとき、ヒンジ部材37が外部から視認不能にカバー部材38によって覆われているので、蓋部30Bを開放した状態での見栄え悪化を抑制できる。また、カバー部材38は、布帛体38aに上樹脂プレート38cと下樹脂プレート38bが取付けられ、上樹脂プレート38cが上ヒンジ板37bを覆って、下樹脂プレート38bが下ヒンジ板37aを覆って、ヒンジ部材37に取付けられている。これによって、ヒンジ軸37c回りの回動により互いの成す角度が変化する上ヒンジ板37bと下ヒンジ板37aとの間を柔軟で屈曲性に優れた布帛体38aで覆っているので、繰り返しの蓋部30Bの開閉においても見栄えよくヒンジ部材37を覆って隠すことができる。図8に蓋部30Bを開放した状態を示す。
【0026】
さらに、下樹脂プレート38bは下ヒンジ板37aとともに本体部30Aのヒンジ部材取付部31a11にネジ締結され、上樹脂プレート38cは上ヒンジ板37bに突出部38c1が係止して取付けられている。これによって、ヒンジ部材37に対してカバー部材38を取付ける構造が簡潔で、取付作業が容易となる。加えて、布帛体38aには下樹脂プレート38bの左右方向の木端を覆う延長部38a1が設けられている。これによって、下樹脂プレート38bの左右方向の木端が外部から見えずにさらに見栄えの悪化を抑制できる。
【0027】
以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、次のようなものが挙げられる。
【0028】
1.上記実施形態においては、カバー部材38を布帛体38aの上下に上樹脂プレート38cと下樹脂プレート38bを取付けたものとして構成した。しかし、これに限らず、布帛体38aの代わりに樹脂シートや皮革等を用いてもよいし、上樹脂プレート38cと下樹脂プレート38bを取付けない構成としてもよい。
【0029】
2.上記実施形態においては、自動車用リアシート1のアームレスト装置30に本発明を適用したが、これに限らず、自動車用フロントシートのアームレスト装置に適用してもよいし、飛行機、船、電車等の乗物に搭載のシートのアームレスト装置に適用しても良い。
【符号の説明】
【0030】
1 自動車用リアシート(乗物用シート)
30 アームレスト装置
30A 本体部(アームレスト本体)
30B 蓋部(蓋)
31 本体フレーム
31a3 凹部
37 ヒンジ部材
37a 下ヒンジ板(一対のヒンジ板、一方)
37b 上ヒンジ板(一対のヒンジ板、他方)
37c ヒンジ軸
38 カバー部材
38a 布帛体
38a1 延長部(折り返し部)
38b 下樹脂プレート(一の樹脂製のプレート)
38c 上樹脂プレート(他の樹脂製のプレート)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8