(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1樹脂成形型と前記第2樹脂成形型とにより前記接合部を挟んだ状態で、前記第1樹脂成形型と前記第2樹脂成形型との境界の位置が、前記接合部の前記第1樹脂成形型側の面に一致するように構成されている、請求項1または2に記載のステータの製造装置。
前記上側第3部分と、前記第1樹脂注入用凹部とが接続される部分は、前記樹脂の注入方向とは反対方向における前記上側第1部分の底部および前記上側第2部分の底部よりも、前記樹脂の注入方向における下流側に設けられている、請求項6に記載のステータの製造装置。
前記上側樹脂成形型には、前記ステータコアの周方向における前記コイル導線の位置を位置決めするための溝部と、前記溝部に隣り合うように設けられ、前記溝部の幅を開口側に向かって徐々に大きくなるように構成する形状を有する突出部とが設けられており、
前記突出部は、前記上側第1部分と前記上側第2部分との間に設けられ、前記複数の第1接合部のうちの前記一の第1接合部と前記他の第1接合部との間に挿入される前記上側第3部分から突出する第1突出部を含む、請求項6〜9のいずれか1項に記載のステータの製造装置。
前記上側樹脂成形型と前記下側樹脂成形型とにより前記第1接合部を挟んだ状態で、軸線方向において、前記上側樹脂成形型と前記下側樹脂成形型との境界の高さ位置が、前記第1接合部の前記ステータコア側の面の高さ位置に一致するように構成されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載のステータの製造装置。
前記外径側樹脂成形型の前記外径側第3部分、および、前記内径側樹脂成形型の前記内径側第3部分と、前記第2樹脂注入用凹部とが接続される部分は、前記樹脂の注入方向とは反対方向における前記外径側第1部分、前記外径側第2部分、前記内径側第1部分および前記内径側第2部分の各々の端部よりも、前記樹脂の注入方向における下流側に設けられている、請求項14に記載のステータの製造装置。
前記樹脂の注入方向とは反対方向における前記外径側第1部分、前記外径側第2部分、前記内径側第1部分および前記内径側第2部分の各々の端部は、丸形形状を有する、請求項16に記載のステータの製造装置。
前記内径側樹脂成形型には、前記ステータコアの周方向における前記コイル導線の位置を位置決めするための溝部と、前記溝部に隣り合うように設けられ、前記溝部の幅を開口側に向かって徐々に大きくなるように構成する形状を有する突出部とが設けられており、
前記外径側第1部分と前記外径側第2部分との間には、前記複数の第2接合部のうちの前記一の第2接合部と前記他の第2接合部との間に挿入される前記外径側第3部分から突出する第2突出部が設けられているとともに、
前記突出部は、前記内径側第1部分と前記内径側第2部分との間に設けられ、前記複数の第2接合部のうちの前記一の第2接合部と前記他の第2接合部との間に挿入される前記内径側第3部分から突出する第3突出部を含む、請求項14〜17のいずれか1項に記載のステータの製造装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
[本実施形態の構成]
(ステータの構造)
図1〜
図8を参照して、本実施形態によるステータ100の構造について説明する。
【0014】
本願明細書では、「軸線方向」とは、ステータコア10の回転軸線(符号O)(Z方向)に沿った方向(
図1参照)を意味する。また、「周方向」とは、ステータコア10の周方向(A方向)を意味する。また、「径方向内側」および「内径側」とは、ステータコア10の中心に向かう方向(矢印B1方向)を意味する。また、「径方向外側」および「外径側」とは、ステータコア10の外に向かう方向(矢印B2方向)を意味する。
【0015】
また、
図1に示すように、ステータ100は、円環状のステータコア10を備えている。たとえば、ステータ100は、インナーロータ型の回転電機の一部を構成し、ステータコア10は、ロータコア20と径方向に対向するように配置されている。
【0016】
(ステータコアの構成)
ステータコア10には、複数(たとえば、96個)のスロット11が設けられている。複数のスロット11には、それぞれ、コイル30が配置されている。スロット11は、たとえば、オープンスロットとして構成されている。すなわち、周方向において、スロット11の幅は、径方向に沿って略一定である。これにより、スロット11は、コイル30が径方向内側から挿入可能に構成されている。
【0017】
ステータコア10は、スロット11の径方向外側を円環状に接続するバックヨーク12と、隣り合うスロット11の間に設けられ、バックヨーク12から径方向内側に向かって延びる複数のティース13とを含む。
【0018】
(コイルの構成)
図2に示すように、ステータ100は、複数(たとえば、96個)のコイル30を備える。なお、
図2は、複数のコイル30のうちの代表的な形状を示している。コイル30は、たとえば、平角導線31により形成されている。コイル30は、たとえば、平角導線31が複数回同芯巻きで巻回された略六角形状を有するカセットコイルとして構成されており、1つのスロット11当りに2つのコイル30のスロット収容部32が径方向に重なるように配置されている。なお、本願明細書では、「平角導線」とは、一体として断面形状が略矩形形状を有する導線を意味する。すなわち、「平角導線」とは、1本の導体線により形成されているものに限らず、複数の導体線が束になった状態で平角に成形されたものも含む概念として記載している。
【0019】
また、複数のコイル30は、互いに平角導線31の一方端部31aおよび他方端部31bが接合されることにより、コイルアッセンブリを構成する。なお、平角導線31は、特許請求の範囲の「コイル導線」の一例である。また、一方端部31aおよび他方端部31bは、特許請求の範囲の「端部」の一例である。
【0020】
詳細には、複数のコイル30は、それぞれ、互いに異なるスロット11に収容される一対のスロット収容部32と、一対のスロット収容部32同士を接続するコイルエンド部33とを含む。また、コイル30は、同芯巻きされた平角導線31の一方端部31aを含み、ステータコア10の径方向内側から径方向外側に延びるように成形された内径側リード線部34と、同芯巻きされた平角導線31の他方端部31bを含み、ステータコア10の外径側に配置される外径側リード線部35とを含む。
【0021】
また、
図3に示すように、一方端部31aおよび他方端部31bは、径方向に沿うように延びている。一方、
図4に示すように、複数のコイル30のうちの一部のコイルにおいては、一方端部31aおよび他方端部31bは、軸線方向に延びている。これは、ステータコア10の近傍に配置されている他の部材との干渉を避けるためである。
【0022】
(溶接部の構成)
図3に示すように、複数のコイル30のうちの一のコイル30の内径側リード線部34の一方端部31aと、複数のコイル30のうちの他のコイル30の他方端部31bとは、溶接されることより接合されて溶接部40を構成する。なお、溶接部40は、特許請求の範囲の「接合部」および「第1接合部」の一例である。
【0023】
詳細には、コイル30は、一方端部31aおよび他方端部31bの被覆が剥がされた状態で接合されることにより、電気的に導通可能に接合されている。また、溶接部40は、一方端部31aと他方端部31bとが軸線方向にオーバーラップする状態で接合されている。
【0024】
同様に、
図4に示すように、一方端部31aおよび他方端部31bが軸線方向に延びているコイル30においても、溶接部50が設けられている。また、溶接部50は、一方端部31aと他方端部31bとが径方向にオーバーラップする状態で接合されている。なお、溶接部50は、特許請求の範囲の「接合部」および「第2接合部」の一例である。
【0025】
(絶縁被覆部の構成)
図5および
図6に示すように、ステータ100は、絶縁被覆部60を含む。絶縁被覆部60は、周方向に隣り合う2つの溶接部40を被覆して、溶接部40と他の物体との絶縁や対地絶縁を確保する機能を有する。絶縁被覆部60は、たとえば、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)を含む樹脂(樹脂成形)により構成されている。また、絶縁被覆部60は、同相の2つの溶接部40を被覆している。これにより、絶縁被覆部60の一部が破損した場合でも、隣り合う2つの溶接部40が同相であるので(電位差が略0であるので)、2つの溶接部40の短絡に起因する影響を低減することが可能になる。
【0026】
また、絶縁被覆部60は、周方向の一方側の溶接部40を被覆する第1被覆部61と、周方向の他方側の溶接部40を被覆する第2被覆部62とを含む。第1被覆部61および第2被覆部62は、軸線方向から見て、面取りされた略矩形形状に構成されている。
【0027】
また、絶縁被覆部60は、第1被覆部61と第2被覆部62との周方向の間に設けられ、第1被覆部61と第2被覆部62とを連結する連結部63を含む。第1被覆部61と第2被覆部62と連結部63とは、樹脂成形により一体的に形成されている。
【0028】
具体的には、連結部63には、樹脂注入部63aが設けられており、絶縁被覆部60が樹脂成形される際に、樹脂経路部(ランナー)として機能した部分である。そして、絶縁被覆部60が樹脂成形される際に、樹脂注入部63aを介して、樹脂が連結部63を形成し、連結部63を介して、樹脂が第1被覆部61と第2被覆部62とを形成する。すなわち、連結部63と、第1被覆部61および第2被覆部62とは連続して形成されている。
【0029】
ここで、
図5に示すように、軸線方向(Z方向)において、連結部63の高さ位置h1は、第1被覆部61の高さ位置h2および第2被覆部62の高さ位置h3よりも低い。具体的には、「高さ位置」とは、ステータコア10の矢印Z1方向側の端面10aを基準とする高さ位置である。また、第1被覆部61の高さ位置h2および第2被覆部62の高さ位置h3は、互いに略同一の高さ位置である。
【0030】
また、軸線方向において、連結部63の厚みt1は、第1被覆部61の厚みt2および第2被覆部62の厚みt3よりも小さい。なお、連結部63の厚みt1とは、連結部63の矢印Z1方向側の端面(樹脂注入部63a)から矢印Z2方向側の端面までの長さである。また、
図6に示すように、径方向に沿った方向において、連結部63の幅W1は、第1被覆部61の幅W2および第2被覆部62の幅W3よりも小さい。
【0031】
図7および
図8に示すように、ステータ100は、絶縁被覆部70を含む。絶縁被覆部70は、周方向に隣り合う2つの溶接部50を被覆して、溶接部50と他の物体との絶縁や対地絶縁を確保する機能を有する。絶縁被覆部70は、たとえば、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)を含む樹脂(樹脂成形)により構成されている。また、絶縁被覆部70は、同相の2つの溶接部50を被覆している。
【0032】
また、絶縁被覆部70は、周方向の一方側の溶接部50を被覆する第1被覆部71と、周方向の他方側の溶接部50を被覆する第2被覆部72とを含む。第1被覆部71および第2被覆部72は、径方向から見て、面取りされた略矩形形状に構成されている。
【0033】
また、絶縁被覆部70は、第1被覆部71と第2被覆部72との周方向の間に設けられ、第1被覆部71と第2被覆部72とを連結する連結部73を含む。第1被覆部71と第2被覆部72と連結部73とは、樹脂成形により一体的に形成されている。
【0034】
具体的には、連結部73には、樹脂注入部73aが設けられており、絶縁被覆部70が樹脂成形される際に、樹脂経路部(ランナー)として機能した部分である。
【0035】
また、
図7に示すように、軸線方向において、連結部73の高さ位置h11は、第1被覆部71の高さ位置h12および第2被覆部72の高さ位置h13よりも低い。また、第1被覆部71の高さ位置h12および第2被覆部72の高さ位置h13は、互いに略同一の高さ位置である。また、軸線方向において、連結部73の厚みt11は、第1被覆部71の厚みt12および第2被覆部72の厚みt13よりも小さい。また、
図8に示すように、径方向に沿った方向において、連結部73の幅W11は、第1被覆部71の幅W12および第2被覆部72の幅W13よりも小さい。
【0036】
(ステータの製造装置)
次に、ステータ100の製造装置200について説明する。ここでは、絶縁被覆部60および絶縁被覆部70を樹脂成形するための製造装置200について説明する。
【0037】
(上側樹脂成形型および下側樹脂成形型)
まず、絶縁被覆部60を樹脂成形するための製造装置200について説明する。ここで、本実施形態では、
図3に示すように、製造装置200は、径方向に沿うように延びる複数の溶接部40を挟む下側樹脂成形型110および上側樹脂成形型120を備えている。また、製造装置200は、下側樹脂成形型110および上側樹脂成形型120に樹脂を注入する樹脂注入ノズル130(
図16参照)を備えている。以下、具体的に説明する。
【0038】
下側樹脂成形型110は、軸線方向に沿うように移動するとともに、溶接部40に対してステータコア10側に配置される。具体的には、下側樹脂成形型110は、径方向に沿って移動可能でかつ、軸線方向に沿って移動可能に構成されている。ここで、本実施形態では、下側樹脂成形型110と上側樹脂成形型120とは、それぞれ、軸線方向に沿って、独立して互いに離間する方向および互いに近接する方向に移動可能に構成されている。そして、製造装置200は、軸方向における、下側樹脂成形型110の移動量は、上側樹脂成形型120の移動量よりも小さくなるように構成されている。つまり、下側樹脂成形型110の下方側には、ステータコア10が存在するので、下側樹脂成形型110がステータコア10に接触しないように、下側樹脂成形型110の移動量が小さくなるように構成されている。
【0039】
図9〜
図11に示すように、下側樹脂成形型110は、径方向内側に先細る形状を有する。下側樹脂成形型110の内径側の幅W21は、下側樹脂成形型110が2つの溶接部40を挟んだ状態で、挟んだ2つの溶接部40の両隣の溶接部40に接触しないように調節されている。また、
図11に示すように、下側樹脂成形型110の先端110a側の厚みt21は、根元110b側の厚みt22よりも小さい。具体的には、下側樹脂成形型110の上面110cの先端110a側と根元110b側とは、略面一である一方、下側樹脂成形型110の下面110dの先端110a側の高さ位置が、根元110b側の高さ位置よりも上方に位置している。これにより、下側樹脂成形型110の先端110a側が、ステータコア10に接触するのが抑制される。
【0040】
また、本実施形態では、
図9および
図10に示すように、下側樹脂成形型110には、樹脂注入ノズル130から樹脂が注入される成形用凹部111が設けられている。下側樹脂成形型110の成形用凹部111は、複数(本実施形態では、2つ)の溶接部40のうちの一の溶接部40が配置される部分112と、複数の溶接部40のうちの他の溶接部40が配置される部分113とを含む。そして、下側樹脂成形型110の部分112と部分113との間には、平坦面形状を有する部分114が設けられている。そして、部分112、部分113および部分114は、それぞれ、第1被覆部61の下方側の部分、第2被覆部62の下方側の部分および連結部63の下方側の部分の型を構成する。なお、成形用凹部111は、特許請求の範囲の「第1成形用部分」の一例である。また、部分112、部分113および部分114は、それぞれ、特許請求の範囲の「下側第1部分」、「下側第2部分」および「下側第3部分」の一例である。
【0041】
図12に示すように、成形用凹部111の部分112および部分113は、それぞれ、深さd1およびd2を有する。なお、深さd1およびd3は、略等しい。また、
図10に示すように、平面視において、部分112と部分113とは、略同一の形状(角部が丸形形状を有する略矩形形状)を有する。
【0042】
また、
図3に示すように、本実施形態では、上側樹脂成形型120は、軸線方向に沿うように移動するとともに、溶接部40に対してステータコア10側とは反対側に配置される。
【0043】
図13および
図14に示すように、上側樹脂成形型120は、径方向内側に先細る形状を有する。上側樹脂成形型120の内径側の幅W22は、上側樹脂成形型120が2つの溶接部40を挟んだ状態で、挟んだ2つの溶接部40の両隣の溶接部40に接触しないように調節されている。
【0044】
また、本実施形態では、上側樹脂成形型120には、溶接部40が配置されるとともに樹脂注入ノズル130から樹脂が注入される成形用凹部121が設けられている。そして、成形用凹部121は、成形用凹部111よりも多くの樹脂が注入される深さを有する。具体的には、成形用凹部121の深さは、成形用凹部111の深さ(d1、d2)よりも大きい。なお、成形用凹部121は、特許請求の範囲の「第2成形用部分」の一例である。
【0045】
具体的には、本実施形態では、上側樹脂成形型120の成形用凹部121は、複数(本実施形態では、2つ)の溶接部40のうちの一の溶接部40が配置される部分122と、複数の溶接部40のうちの他の溶接部40が配置される部分123と、部分122と部分123とを接続する部分124とを含む。
図15に示すように、部分122と部分123と部分124とは、それぞれ、深さd11、d12およびd13を有する。そして、成形用凹部121の深さ(d11、d12およびd13)は、成形用凹部111の深さ(d1、d2)よりも大きい。たとえば、成形用凹部121の深さ(d11、d12およびd13)は、軸線方向における溶接部40の厚みよりも大きい。また、
図14に示すように、平面視において、部分122と部分123とは、略同一の形状(角部が丸形形状を有する略矩形形状)を有する。そして、部分122、部分123および部分124は、それぞれ、第1被覆部61の上方側の部分、第2被覆部62の上方側の部分および連結部63の上方側の部分の型を構成する。なお、部分122、部分123および部分124は、それぞれ、特許請求の範囲の「上側第1部分」、「上側第2部分」および「上側第3部分」の一例である。
【0046】
また、本実施形態では、
図15に示すように、上側樹脂成形型120には、部分124に接続され、樹脂注入ノズル130が配置される樹脂注入用凹部125が設けられている。具体的には、部分124と樹脂注入用凹部125とが接続される部分C1は、樹脂の注入方向(Z2方向)とは反対方向(Z1方向)における部分122の底部122aおよび部分123の底部123aよりも、樹脂の注入方向における下流側に設けられている。つまり、軸線方向において、部分124と樹脂注入用凹部125とが接続される部分C1(境界部分)の高さ位置は、部分122の底部122aおよび部分123の底部123aの高さ位置よりも低い。これにより、連結部63(樹脂注入部63a)の高さ位置h1が、第1被覆部61の高さ位置h2および第2被覆部62の高さ位置h3よりも低くなる。また、部分C1は、周方向において、部分122と部分123との間の略中央に設けられている。なお、樹脂注入用凹部125は、特許請求の範囲の「第1樹脂注入用凹部」の一例である。
【0047】
また、本実施形態では、
図16に示すように、樹脂注入ノズル130の先端部131は、樹脂の注入方向(Z2方向)に向かって先細るテーパ形状を有している。具体的には、樹脂注入ノズル130の先端部131は、円錐台形状を有する。そして、樹脂注入用凹部125は、樹脂注入ノズル130の先端部131に面接触するように、樹脂の注入方向(Z2方向)に向かって先細るテーパ形状を有している。これにより、樹脂注入ノズル130の先端部131(テーパ形状の部分)と、樹脂注入用凹部125のテーパ形状の側面とが面接触する。
【0048】
具体的には、樹脂注入ノズル130は、下方側に向かって、直径が徐々に小さくなった後(部分N1)、直径が変わらない状態となる(部分N2)。その後、さらに直径が小さくなる(部分N3)。樹脂注入用凹部125は、下方側に向かって、直径が徐々に小さくなった後(部分M1)、直径が変わらない状態となる(部分M2)。その後、さらに直径が小さくなる(部分M3)。そして、樹脂注入ノズル130の部分N3と、樹脂注入用凹部125の部分M3とが面接触する。なお、部分N1と部分M1とは面接触しない。また、部分N2と部分M2とは面接触しない。
【0049】
なお、樹脂注入ノズル130の内部には、バネ(図示せず)により付勢されたシャッタ132が設けられている。シャッタ132は、樹脂の圧力によって下方(Z2方向)に移動する。これにより、樹脂注入ノズル130から下方に樹脂が抽出される。また、樹脂の圧力が弱まることにより、シャッタ132が上方(Z1方向)に移動する。これにより、樹脂注入ノズル130からの樹脂の抽出が停止する。
【0050】
また、本実施形態では、
図15に示すように、部分122の底部122aおよび部分123の底部123aは、丸形形状を有する。つまり、部分122の底部122aおよび部分123の底部123aは、テーパ形状の樹脂注入ノズル130の先端部131に接触しないように、樹脂注入ノズル130の先端部131から離間する方向に逃げている。
【0051】
また、本実施形態では、
図13および
図14に示すように、部分122と部分123との間には、複数(本実施形態では、2つ)の溶接部40のうちの一の溶接部40と他の溶接部40との間に挿入される部分124から突出する突出部126が設けられている。また、周方向において、突出部126の両側には、壁部127が設けられている。
【0052】
また、本実施形態では、上側樹脂成形型120には、ステータコアの周方向における平角導線31の位置を位置決めするための溝部128が設けられている。そして、溝部128の底面128aは、成形用凹部121の底面121aよりも浅い位置に設けられている。具体的には、部分122および部分123のそれぞれに連続するように、溝部128が設けられている。また、突出部126は、溝部128に隣り合うように設けられ、溝部128の幅W41を開口側に向かって徐々に大きくなるように構成する形状を有する。詳細には、突出部126(および壁部127)は、下方に向かって徐々に先細る形状(爪形状)を有する。これにより、周方向において、溝部128の幅W41は、下方側(Z2方向側)に向かって徐々に大きくなるように構成されている。なお、突出部126は、特許請求の範囲の「第1突出部」の一例である。
【0053】
また、本実施形態では、
図16に示すように、上側樹脂成形型120と下側樹脂成形型110とにより溶接部40を挟んだ状態で、軸線方向において、上側樹脂成形型120と下側樹脂成形型110との境界K1の高さ位置h21が、溶接部40のステータコア10側(下側樹脂成形型110側)の面S1の高さ位置h22に一致する。つまり、下側樹脂成形型110には、溶接部40は配置されない。なお、溶接部40の位置は、平角導線31のスプリングバックなどによって一定の位置にならない場合がある。この場合、複数の溶接部40のうちの一部は、下側樹脂成形型110に配置される場合もある。なお、高さ位置h21およびh21とは、ステータコア10の矢印Z1方向側の端面10aを基準とする高さ位置である。なお、上側樹脂成形型120と下側樹脂成形型110との境界K1は、絶縁被覆部60にパーティングラインとして現れる。
【0054】
(外径側樹脂成形型および内径側樹脂成形型)
次に、絶縁被覆部70を樹脂成形するための製造装置200について説明する。ここで、本実施形態では、
図4に示すように、製造装置200は、軸線方向に沿うように延びる複数の溶接部50を挟む外径側樹脂成形型140および内径側樹脂成形型150を備えている。また、外径側樹脂成形型140および内径側樹脂成形型150に樹脂を注入する樹脂注入ノズル130は、上記した下側樹脂成形型110および上側樹脂成形型120に樹脂を注入する樹脂注入ノズル130と同一である。以下、具体的に説明する。
【0055】
外径側樹脂成形型140は、径方向に沿うように移動するとともに、溶接部50に対してステータコア10の外径側に配置される。具体的には、外径側樹脂成形型140は、径方向に沿って移動可能でかつ、軸線方向に沿って移動可能に構成されている。ここで、本実施形態では、外径側樹脂成形型140と内径側樹脂成形型150とは、それぞれ、軸線方向に沿って、独立して互いに離間する方向および互いに近接する方向に移動可能に構成されている。そして、製造装置200は、径方向における、外径側樹脂成形型140の移動量が、内径側樹脂成形型150の移動量よりも小さくなるように構成されている。
【0056】
図17および
図18に示すように、外径側樹脂成形型140は、下方側に先細る形状を有する。外径側樹脂成形型140の下方側の幅W31は、外径側樹脂成形型140が2つの溶接部50を挟んだ状態で、挟んだ2つの溶接部50の両隣の溶接部50に接触しないように調節されている。
【0057】
ここで、本実施形態では、外径側樹脂成形型140には、溶接部50が配置されるとともに樹脂注入ノズル130から樹脂が注入される成形用凹部141が設けられている。具体的には、本実施形態では、外径側樹脂成形型140の成形用凹部141は、複数(本実施形態では2つ)の溶接部50のうちの一の溶接部50が配置される部分142と、複数の溶接部50のうちの他の溶接部50が配置される部分143と、部分142と部分143とを接続する部分144とを含む。
図19に示すように、部分142および部分143は、それぞれ、深さd21およびd22を有する。なお、深さd21およびd22は、略等しい。そして、部分142、部分143および部分144は、それぞれ、絶縁被覆部60の外径側の部分、第2被覆部72の外径側の部分および連結部73の外径側の部分の型を構成する。なお、部分142、部分143および部分144は、それぞれ、特許請求の範囲の「外径側第1部分」、「外径側第2部分」および「外径側第3部分」の一例である。
【0058】
また、本実施形態では、
図18に示すように、樹脂の注入方向(Z2方向)とは反対方向(Z1方向)における部分142の端部142aおよび部分143の端部143aは、丸形形状を有する。つまり、部分142の端部142aおよび部分143の端部143aは、テーパ形状の樹脂注入ノズル130の先端部131に接触しないように、樹脂注入ノズル130の先端部131から離間する方向に逃げている。
【0059】
また、本実施形態では、部分142と部分143との間には、突出部145が設けられている。突出部145は、複数(本実施形態では2つ)の溶接部50のうちの一の溶接部50と他の溶接部50との間に挿入されるとともに、部分144から突出するように構成されている。突出部145は、下方側に向かって、周方向における幅が徐々に大きくなるように構成されている。なお、突出部145は、特許請求の範囲の「第2突出部」の一例である。
【0060】
また、本実施形態では、
図4に示すように、内径側樹脂成形型150は、径方向に沿うように移動するとともに、溶接部50に対してステータコア10の内径側に配置される。具体的には、内径側樹脂成形型150は、径方向に沿って移動可能でかつ、軸線方向に沿って移動可能に構成されている。
【0061】
図20および
図21に示すように、内径側樹脂成形型150は、下方側に先細る形状を有する。内径側樹脂成形型150の下方側の幅W32は、内径側樹脂成形型150が2つの溶接部50を挟んだ状態で、挟んだ2つの溶接部50の両隣の溶接部50に接触しないように調節されている。
【0062】
また、本実施形態では、内径側樹脂成形型150には、溶接部50が配置されるとともに樹脂注入ノズル130から成形用凹部141よりも多くの樹脂が注入され、成形用凹部141の深さよりも大きい深さを有する成形用凹部151が設けられている。具体的には、内径側樹脂成形型150の成形用凹部151は、複数の溶接部50のうちの一の溶接部50が配置される部分152と、複数の溶接部50のうちの他の溶接部50が配置される部分153と、部分152と部分153とを接続する部分154とを含む。
図22および
図23に示すように、部分152、部分153、および、部分154は、それぞれ、深さd31、d32およびd33を含む。なお、部分152、部分153および部分154は、それぞれ、特許請求の範囲の「内径側第1部分」、「内径側第2部分」および「内径側第3部分」の一例である。
【0063】
なお、深さd31、d32およびd33は、d31=d32>d33の関係を有する。さらに、深さd31、d32およびd33は、d31=d32>d33>d21=d22の関係を有する。つまり、内径側樹脂成形型150の成形用凹部151の深さは、いずれの位置においても、外径側樹脂成形型140の成形用凹部141の深さよりも大きい。また、内径側樹脂成形型150の成形用凹部151の深さd31およびd32は、軸方向における溶接部50の厚みtの1/2(軸方向における1本の平角導線31の厚み)よりも大きい。これにより、溶接部50を構成する2本のリード線(平角導線31)のうち、内径側の平角導線31の全部と、外径側の平角導線31の一部が、部分152および部分153に収容される。このため、絶縁被覆部70の形成後、外径側樹脂成形型140は、内径側樹脂成形型150の内径側への移動量よりも小さい移動量によって、絶縁被覆部70から離間することが可能になる。
【0064】
そして、
図24に示すように、外径側樹脂成形型140および内径側樹脂成形型150には、外径側樹脂成形型140の部分144、および、内径側樹脂成形型150の部分154に接続され、樹脂注入ノズル130が配置される樹脂注入用凹部160が設けられている。樹脂注入用凹部160は、外径側樹脂成形型140と内径側樹脂成形型150とに跨るように設けられている。樹脂注入用凹部160は、外径側樹脂成形型140側に設けられる部分160aと、内径側樹脂成形型150側に設けられる部分160bとにより構成されている。なお、樹脂注入用凹部160は、特許請求の範囲の「第2樹脂注入用凹部」の一例である。
【0065】
また、本実施形態では、樹脂注入用凹部160は、樹脂注入ノズル130の先端部131に面接触するように、樹脂の注入方向(Z2方向側)に向かって先細るテーパ形状を有している。これにより、樹脂注入ノズル130の先端部131(テーパ形状の部分)と、樹脂注入用凹部160のテーパ形状の側面とが面接触する。
【0066】
具体的には、
図18に示すように、樹脂注入用凹部160は、下方側に向かって、直径が徐々に小さくなった後(部分P1)、直径が変わらない状態となる(部分P2)。その後、さらに直径が小さくなる(部分P3)。そして、樹脂注入ノズル130の部分N3と、樹脂注入用凹部125の部分P3とが面接触する。なお、部分N1と部分P1とは面接触しない。また、部分N2と部分P2とは面接触しない。
【0067】
また、本実施形態では、
図21に示すように、樹脂の注入方向(Z2方向)とは反対方向(Z1方向)における部分152の端部152aおよび部分153の端部153aは、丸形形状を有する。つまり、部分152の端部152aおよび部分153の端部153aは、テーパ形状の樹脂注入ノズル130の先端部131に接触しないように、樹脂注入ノズル130の先端部131から離間する方向に逃げている。
【0068】
また、本実施形態では、
図20および
図21に示すように、部分152と部分153との間には、突出部155が設けられている。突出部155は、複数(本実施形態では、2つ)の溶接部50のうちの一の溶接部50と他の溶接部50との間に挿入されるとともに、部分154から突出するように構成されている。また、周方向において、突出部155の両側には、壁部156が設けられている。
【0069】
また、本実施形態では、内径側樹脂成形型150には、ステータコア10の周方向における平角導線31の位置を位置決めするための溝部157が設けられている。そして、溝部157の底面157aは、成形用凹部151の底面151aよりも浅い位置に設けられている。具体的には、部分152および部分153のそれぞれに連続するように、溝部157が設けられている。また、突出部155は、溝部157に隣り合うように設けられ、溝部157の幅W51を開口側に向かって徐々に大きくなるように構成する形状を有する。詳細には、突出部155(および壁部156)は、外径側に向かって徐々に先細る形状(爪形状)を有する。これにより、周方向において、溝部157の幅W51は、外径側に向かって徐々に大きくなるように構成されている。
【0070】
そして、
図25に示すように、外径側樹脂成形型140と内径側樹脂成形型150とが組み合わされた状態で、外径側樹脂成形型140の突出部145の下方側に、内径側樹脂成形型150の突出部155が配置される。また、外径側樹脂成形型140の突出部145の先端部(内径側の端部)が、内径側樹脂成形型150の突出部155の根元側の部分に当接する。なお、
図24に示すように、外径側樹脂成形型140の成形用凹部141に配置される平角導線31の根元側(ステータコア10側)は、径方向外側に略90度の角度で折り曲げられている。そして、平角導線31の略90度の角度で折り曲げられた部分は、外径側樹脂成形型140の突出部145の側方を介して、外径側に延びるように配置されている。
【0071】
また、本実施形態では、
図18および
図21に示すように、外径側樹脂成形型140の部分144、および、内径側樹脂成形型150の部分154と、樹脂注入用凹部160とが接続される部分C2は、樹脂の注入方向(Z2方向)とは反対方向(Z1方向)における部分142の端部142a、部分143の端部143a、部分152の端部152aおよび部分153の端部153aよりも、樹脂の注入方向における下流側に設けられている。これにより、連結部73(樹脂注入部73a)の高さ位置h11が、第1被覆部71の高さ位置h12および第2被覆部72の高さ位置h13よりも低くなる。また、部分C2は、周方向において、部分142と部分143との間の略中央(部分152と部分153との間の略中央)に設けられている。
【0072】
また、本実施形態では、
図17および
図20に示すように、樹脂注入用凹部160は、外径側樹脂成形型140の内径側に突出した部分G1と、内径側樹脂成形型150の内径側に窪んだ部分G2とにより構成されている。具体的には、樹脂注入用凹部160の部分P3(および部分P2)は、外径側樹脂成形型140の部分G1と内径側樹脂成形型150の部分G2とにより構成されている。
【0073】
また、本実施形態では、
図24に示すように、内径側樹脂成形型150と外径側樹脂成形型140とにより溶接部50を挟んだ状態で、径方向において、内径側樹脂成形型150と外径側樹脂成形型140との境界K2の位置が、溶接部50の外径側樹脂成形型140側(外径側)の面S2の位置に一致する。なお、境界K2は、外径側樹脂成形型140の部分G1および内径側樹脂成形型150の部分G2以外(周方向における端部側の部分)の、内径側樹脂成形型150と外径側樹脂成形型140との境界K2を意味する。なお、内径側樹脂成形型150と外径側樹脂成形型140との境界K2は、絶縁被覆部70にパーティングラインとして現れる。
【0074】
(ステータの製造方法)
次に、ステータ100の製造方法について説明する。ここでは、絶縁被覆部60および絶縁被覆部70を形成する工程について説明する。
【0075】
まず、
図3および
図4に示すように、複数のコイル30において、一方端部31aおよび他方端部31bが溶接される。
【0076】
次に、下側樹脂成形型110および上側樹脂成形型120が、径方向外側位置から径方向内側に向けて移動して、ステータ100に近接する。この際、下側樹脂成形型110と上側樹脂成形型120とが軸線方向に離間した状態で、径方向外側位置から径方向内側に向けて移動する。また、上側樹脂成形型120は、部分122および部分123が、それぞれ、隣り合う溶接部40の直上に位置するように移動する。また、下側樹脂成形型110は、部分112および部分113が、それぞれ、隣り合う溶接部40の直下に位置するように移動する。
【0077】
次に、
図16および
図26に示すように、上側樹脂成形型120が軸線方向に沿って下方に移動される。これにより、2つの溝部128にコイル30の内径側リード線部34および外径側リード線部35(溶接部40の近傍)が挿入される。その結果、上側樹脂成形型120の部分122および部分123に、溶接部40が収容される。これにより、平角導線31のスプリングバックなどに起因して溶接部40が所望の位置に配置されていない場合でも、溶接部40が部分122および部分123に沿うように移動した後、溶接部40が成形用凹部121の内部に収容される。
【0078】
その後、下側樹脂成形型110が軸線方向に沿って上方に移動される。これにより、溶接部40が、成形用凹部111および成形用凹部121に囲まれた空間(キャビティ)に収容されて、上側樹脂成形型120および下側樹脂成形型110により挟まれる。
【0079】
次に、樹脂注入ノズル130が上側樹脂成形型120の樹脂注入用凹部125に配置される。そして、樹脂注入ノズル130から、樹脂が、成形用凹部111および成形用凹部121に囲まれた空間(キャビティ)に注入される。その結果、絶縁被覆部60が形成される。
【0080】
そして、キャビティ内に樹脂が注入されると、上側樹脂成形型120と下側樹脂成形型110とは、軸線方向に沿って互いに離間する方向に移動する。ここで、成形用凹部111の深さが、成形用凹部121の深さよりも小さいので、成形用凹部121の軸線方向における移動量よりも小さい移動量によって、下側樹脂成形型110は、絶縁被覆部60から離間することが可能になる。その後、上側樹脂成形型120と下側樹脂成形型110とは、外径側に移動する。これにより、1つ(1箇所)の絶縁被覆部60に対する絶縁被覆が完了する。
【0081】
次に、ステータ100および樹脂注入ノズル130(下側樹脂成形型110、上側樹脂成形型120)をステータ100の周方向に相対的に回転させる。これにより、絶縁被覆済みの溶接部40(絶縁被覆部60)が移動し、次の絶縁被覆処理対象となる溶接部40が、周方向にスライド移動される。その後、絶縁被覆済みの溶接部40(絶縁被覆部60)と同様に、次の絶縁被覆処理対象となる溶接部40の絶縁被覆処理が行われる。対象となる全ての溶接部40に対して絶縁被覆処理が反復実施されると、溶接部50の絶縁被覆処理が開始される。
【0082】
まず、
図4に示すように、外径側樹脂成形型140および内径側樹脂成形型150が、上方から下方に向けて移動して、ステータ100に近接する。この際、外径側樹脂成形型140と内径側樹脂成形型150とが径方向に離間した状態で、外径側樹脂成形型140および内径側樹脂成形型150が、上方から下方に向けて移動する。また、外径側樹脂成形型140は、部分142および部分143が、それぞれ、隣り合う溶接部50の外径側に位置するように移動する。また、内径側樹脂成形型150は、部分152および部分153が、それぞれ、隣り合う溶接部50の内径側に位置するように移動する。
【0083】
次に、内径側樹脂成形型150が外径側に移動される。これにより、2つの溝部157にコイル30の内径側リード線部34および外径側リード線部35(溶接部50の近傍)が挿入される。その結果、内径側樹脂成形型150の部分152および部分153に、溶接部50が収容される。これにより、平角導線31のスプリングバックなどに起因して溶接部50が所望の位置に配置されていない場合でも、溶接部40が部分152および部分153に沿うように移動した後、溶接部50が成形用凹部151の内部に収容される。
【0084】
その後、外径側樹脂成形型140が内径側に移動される。これにより、溶接部50が、成形用凹部141および成形用凹部151に囲まれた空間(キャビティ)に収容されて、内径側樹脂成形型150および外径側樹脂成形型140により挟まれる。
【0085】
次に、樹脂注入ノズル130が樹脂注入用凹部160に配置される。そして、樹脂注入ノズル130から、樹脂が、成形用凹部141および成形用凹部151に囲まれた空間(キャビティ)に注入される。その結果、絶縁被覆部70が形成される。
【0086】
そして、キャビティ内に樹脂が注入されると、内径側樹脂成形型150と外径側樹脂成形型140とは、径方向に沿って互いに離間する方向に移動する。ここで、成形用凹部141の深さが、成形用凹部151の深さよりも小さいので、成形用凹部151の径方向における移動量よりも小さい移動量によって、外径側樹脂成形型140は、絶縁被覆部70から離間することが可能になる。その後、内径側樹脂成形型150と外径側樹脂成形型140とは、上方に移動する。これにより、1つ(1箇所)の絶縁被覆部70に対する絶縁被覆が完了する。
【0087】
次に、ステータ100および樹脂注入ノズル130(外径側樹脂成形型140、内径側樹脂成形型150)をステータ100の周方向に相対的に回転させる。そして、次の絶縁被覆処理対象となる溶接部50の絶縁被覆処理が行われる。対象となる全ての溶接部50に対して絶縁被覆処理が反復実施されて、絶縁被覆処理が終了する。
【0088】
[本実施形態の効果]
上記本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0089】
本実施形態では、上記のように、第2樹脂成形型(120、150)には、溶接部(40、50)が配置されるとともに樹脂注入ノズル(130)から第1成形用部分(111、141)よりも多くの樹脂が注入される深さを有する第2成形用部分(121、151)が設けられている。これにより、第2樹脂成形型(120、150)の大きい深さを有する第2成形用部分(121、151)を溶接部(40、50)に近づくように移動させることにより、溶接部(40、50)が第2成形用部分(121、151)に沿うように(第2成形用部分(121、151)の内側面に倣うように)移動した後、溶接部(40、50)が第2成形用部分(121、151)の内部に収容される。これにより、コイル導線(31)の端部同士を、容易に、第1成形用部分(111、141)と第2成形用部分(121、151)とによって挟み込むことができる。また、第1樹脂成形型(110、140)の第1成形用部分(111、141)の深さが第2成形用部分(121、151)に比べて比較的小さくなるので、溶接部(40、50)を樹脂により絶縁被覆した後、比較的短い移動量で絶縁被覆された溶接部(40、50)から第1樹脂成形型(110、140)を離間させることができる。これにより、溶接部(40、50)の周囲の空間が狭い場合でも、第1樹脂成形型(110、140)を挿入して溶接部(40、50)を絶縁被覆(樹脂成形)することができる。
【0090】
また、本実施形態では、上記のように、第2成形用部分(121、151)の深さは、(111、141)の深さよりも大きい。このように構成すれば、容易に、比較的短い移動量で絶縁被覆された溶接部(40、50)から第1樹脂成形型(110、140)を離間させることができる。
【0091】
また、本実施形態では、上記のように、第1樹脂成形型(110、140)と第2樹脂成形型(120、150)とにより接合部(40、50)を挟んだ状態で、第1樹脂成形型(110、140)と第2樹脂成形型(120、150)との境界(K1、K2)の位置が、接合部(40、50)の第1樹脂成形型(110、140)側の面(S1、S2)に一致するように構成されている。このように構成すれば、第1樹脂成形型(110、140)側の第1成形用部分(111、141)の深さが小さくなるので、より短い移動量で絶縁被覆部(60、70)から第1成形用部分(111、141)を離間させることができる。
【0092】
また、本実施形態では、上記のように、第2樹脂成形型(120、150)には、ステータコア(10)の周方向におけるコイル導線(31)の位置を位置決めするための溝部(128、157)が設けられている。このように構成すれば、容易に、溝部(128、157)によりコイル導線(31)を位置決めすることができる。
【0093】
また、本実施形態では、上記のように、溝部(128、157)の幅(W41、W51)は、開口側に向かって徐々に大きくなる。このように構成すれば、コイル導線(31)を、容易に、溝部(128、157)の内部に挿入することができる。
【0094】
また、本実施形態では、上記のように、互いに離間する方向および互いに近接する方向において、第1樹脂成形型(110、140)の移動量は、第2樹脂成形型(120、150)の移動量よりも小さくなるように構成されている。このように構成すれば、第1樹脂成形型(110、140)の移動量が小さいので、第1樹脂成形型(110、140)の近傍に他の部材(ステータコアなど)の部材が配置されている場合でも、第1樹脂成形型(110、140)と他の部材とが衝突するのを防止することができる。
【0095】
また、本実施形態では、上記のように、下側樹脂成形型(110)は、軸線方向に沿うように移動するとともに、径方向に沿うように延びる第1溶接部(40)に対してステータコア(10)側に配置され、上側樹脂成形型(120)は、軸線方向に沿うように移動するとともに、第1溶接部(40)に対してステータコア(10)側とは反対側に配置される。このように構成すれば、下側樹脂成形型(110)と上側樹脂成形型(120)とによって、径方向に沿うように延びる複数の第1溶接部(40)を上下方向から容易に挟み込むことができる。
【0096】
また、本実施形態では、上記のように、上側樹脂成形型(120)の第2成形用部分(121)は、上側第1部分(122)と上側第2部分(123)と、上側第1部分(122)と上側第2部分(123)とを接続する上側第3部分(124)とを含み、上側樹脂成形型(120)には、上側第3部分(124)に接続され、樹脂注入ノズル(130)が配置される第1樹脂注入用凹部(125)が設けられている。このように構成すれば、樹脂注入ノズル(130)から上側第3部分(124)を介して注入される樹脂が、上側第1部分(122)側と上側第2部分(123)側とに分岐されて注入されるので、樹脂をバランスよく注入することができる。
【0097】
また、本実施形態では、上記のように、上側第3部分(124)と、第1樹脂注入用凹部(125)とが接続される部分(C1)は、樹脂の注入方向とは反対方向における上側第1部分(122)の底部(122a)および上側第2部分(123)の底部(123a)よりも、樹脂の注入方向における下流側に設けられている。このように構成すれば、樹脂が流れ込む入口であるゲートが、上側第1部分(122)の底部(122a)および上側第2部分(123)の底部(123a)よりも下方に配置されるので、ゲートをカットする必要がない。また、ゲートが上側第1部分(122)の底部(122a)および上側第2部分(123)の底部(123a)よりも上方に配置される場合に比べて、ステータ(100)の軸線方向の長さを短くすることができる。
【0098】
また、本実施形態では、上記のように、樹脂注入ノズル(130)の先端部(131)は、樹脂の注入方向に向かって先細るテーパ形状を有しており、第1樹脂注入用凹部(125)は、樹脂注入ノズル(130)の先端部(131)に面接触するように、樹脂の注入方向に向かって先細るテーパ形状を有している。このように構成すれば、樹脂注入ノズル(130)の先端部(131)と第1樹脂注入用凹部(125)とが共にテーパ形状を有しているので、樹脂注入ノズル(130)の先端部(131)と第1樹脂注入用凹部(125)とを面接触させることにより、樹脂注入ノズル(130)の位置決め(位置合わせ)を容易に行うことができる。
【0099】
また、本実施形態では、上記のように、上側第1部分(122)の底部(122a)および上側第2部分(123)の底部(123a)は、丸形形状を有する。このように構成すれば、上側第1部分(122)の底部(122a)および上側第2部分(123)の底部(123a)が角形形状を有している場合と異なり、上側第1部分(122)の底部(122a)および上側第2部分(123)の底部(123a)と、樹脂注入ノズル(130)の先端部(131)との距離を比較的大きくすることができる。このように構成すれば、テーパ形状の樹脂注入ノズル(130)を、より下方側に配置することができるので、樹脂が流れ込む入口であるゲートの長さをより短くすることができる。
【0100】
また、本実施形態では、上記のように、上側第1部分(122)と上側第2部分(123)との間には、複数の第1溶接部(40)のうちの一の第1溶接部(40)と他の第1溶接部(40)との間に挿入される上側第3部分(124)から突出する第1突出部(126)が設けられている。このように構成すれば、上側樹脂成形型(120)を下方に移動させることにより、第1突出部(126)の両側に、隣り合う2つの第1溶接部(40)のそれぞれを案内することができる。その結果、第1溶接部(40)を、所望の位置に容易に配置することができる。
【0101】
また、本実施形態では、上記のように、上側樹脂成形型(120)と下側樹脂成形型(110)とにより第1溶接部(40)を挟んだ状態で、軸線方向において、上側樹脂成形型(120)と下側樹脂成形型(110)との境界(K1)の高さ位置(h21)が、第1溶接部(40)のステータコア(10)側の面の高さ位置(h22)に一致するように構成されている。このように構成すれば、下側樹脂成形型(110)の第1成形用部分(111)の深さが小さくなるので、第1溶接部(40)を樹脂により絶縁被覆した後、より短い移動量で絶縁被覆部(60)から下側樹脂成形型(110)を離間させることができる。つまり、第1溶接部(40)とステータコア(10)との間の隙間が比較的小さい場合でも、第1溶接部(40)を樹脂により絶縁被覆することができる。
【0102】
また、本実施形態では、上記のように、下側樹脂成形型(110)の第1成形用部分(111)は、複数の第1溶接部(40)のうちの一の第1溶接部(40)が配置される下側第1部分(112)と、複数の第1溶接部(40)のうちの他の第1溶接部(40)が配置される下側第2部分(113)とを含み、下側樹脂成形型(110)の下側第1部分(112)と下側第2部分(113)との間には、平坦面形状を有する下側第3部分(114)が設けられている。このように構成すれば、隣り合う2つの第1溶接部(40)をそれぞれ、下側第1部分(112)および下側第2部分(113)によって覆うことにより、隣り合う2つの第1溶接部(40)を1回の工程で絶縁被覆することができる。これにより、絶縁被覆する工程に要する時間を短縮することができる。
【0103】
また、本実施形態では、上記のように、外径側樹脂成形型(140)は、径方向に沿うように移動するとともに、第2溶接部(50)に対してステータコア(10)の外径側に配置され、内径側樹脂成形型(150)は、径方向に沿うように移動するとともに、第2溶接部(50)に対してステータコア(10)の内径側に配置されている。このように構成すれば、外径側樹脂成形型(140)と内径側樹脂成形型(150)とによって、軸線方向に沿うように延びる第2溶接部(50)を外径側と内径側とから容易に挟み込むことができる。
【0104】
また、本実施形態では、上記のように、外径側樹脂成形型(140)の第1成形用部分(141)は、外径側第1部分(142)と、外径側第2部分(143)と、外径側第1部分(142)と外径側第2部分(143)とを接続する外径側第3部分(144)とを含み、内径側樹脂成形型(150)の第2成形用部分(151)は、内径側第1部分(152)と、内径側第2部分(153)と、内径側第1部分(152)と内径側第2部分(153)とを接続する内径側第3部分(154)とを含む。そして、外径側樹脂成形型(140)および内径側樹脂成形型(150)には、外径側樹脂成形型(140)の外径側第3部分(144)、および、内径側樹脂成形型(150)の内径側第3部分(154)に接続され、樹脂注入ノズル(130)が配置される第2樹脂注入用凹部(160)が設けられている。このように構成すれば、樹脂注入ノズル(130)から外径側第3部分(144)および内径側第3部分(154)を介して注入される樹脂が、外径側第1部分(142)側(内径側第1部分(152)側)と、外径側第2部分(143)側(内径側第2部分(153)側)とに分岐されて注入されるので、樹脂をバランスよく注入することができる。
【0105】
また、本実施形態では、上記のように、外径側樹脂成形型(140)の外径側第3部分(144)、および、内径側樹脂成形型(150)の内径側第3部分(154)と、第2樹脂注入用凹部(160)とが接続される部分(C2)は、樹脂の注入方向とは反対方向における外径側第1部分(142)、外径側第2部分(143)、内径側第1部分(152)および内径側第2部分(153)の各々の端部(142a、143a、152a、153a)よりも、樹脂の注入方向における下流側に設けられている。このように構成すれば、樹脂が流れ込む入口であるゲートが、外径側第1部分(142)、外径側第2部分(143)、内径側第1部分(152)および内径側第2部分(153)の各々の端部(142a、143a、152a、153a)よりも下方に配置されるので、ゲートをカットする必要がない。また、ゲートが外径側第1部分(142)、外径側第2部分(143)、内径側第1部分(152)および内径側第2部分(153)の各々の端部(142a、143a、152a、153a)よりも上方に配置される場合に比べて、ステータ(100)の軸線方向の長さを短くすることができる。
【0106】
また、本実施形態では、上記のように、第2樹脂注入用凹部(160)は、樹脂注入ノズル(130)の先端部(131)に面接触するように、樹脂の注入方向に向かって先細るテーパ形状を有している。このように構成すれば、樹脂注入ノズル(130)の先端部(131)と第2樹脂注入用凹部(160)とが共にテーパ形状を有しているので、樹脂注入ノズル(130)の先端部(131)と第2樹脂注入用凹部(160)とを面接触させることにより、樹脂注入ノズル(130)の位置決め(位置合わせ)を容易に行うことができる。
【0107】
また、本実施形態では、上記のように、樹脂の注入方向とは反対方向における外径側第1部分(142)、外径側第2部分(143)、内径側第1部分(152)および内径側第2部分(153)の各々の端部(142a、143a、152a、153a)は、丸形形状を有する。このように構成すれば、外径側第1部分(142)、外径側第2部分(143)、内径側第1部分(152)および内径側第2部分(153)の各々の端部(142a、143a、152a、153a)が角形形状を有している場合と異なり、外径側第1部分(142)、外径側第2部分(143)、内径側第1部分(152)および内径側第2部分(153)の各々の端部(142a、143a、152a、153a)と、樹脂注入ノズル(130)の先端部(131)との距離を比較的大きくすることができる。これにより、テーパ形状の樹脂注入ノズル(130)を、より下方側に配置することができるので、樹脂が流れ込む入口であるゲートの長さをより短くすることができる。
【0108】
また、本実施形態では、上記のように、外径側第1部分(142)と外径側第2部分(143)との間には、外径側第3部分(144)から突出する第2突出部(145)が設けられているとともに、内径側第1部分(152)と内径側第2部分(153)との間には、内径側第3部分(154)から突出する第3突出部(155)が設けられている。このように構成すれば、外径側樹脂成形型(140)を内径側に移動させるとともに内径側樹脂成形型(150)を外径側に移動させることにより、第2突出部(145)および第3突出部(155)の両側に、隣り合う2つの第2溶接部(50)のそれぞれを案内することができる。その結果、第2溶接部(50)を、所望の位置に容易に配置することができる。
【0109】
また、本実施形態では、上記のように、第2樹脂注入用凹部(160)は、外径側樹脂成形型(140)の内径側に突出した部分(G1)と、内径側樹脂成形型(150)の内径側に窪んだ部分(G2)とにより構成されている。このように構成すれば、外径側樹脂成形型(140)の突出した部分(G1)以外の部分(第2接続部(50)を挟み込む部分)は、外径側に逃がされるので、外径側樹脂成形型(140)の第1成形用部分(141)の深さが小さくなる。これにより、比較的小さい移動量によって外径側樹脂成形型(140)を、第2接続部(50)を被覆する絶縁被覆部(70)から離間させることができる。
【0110】
また、本実施形態では、上記のように、内径側樹脂成形型(150)と外径側樹脂成形型(140)との境界(K2)の位置が、第2接合部(50)の外径側の面(S2)に一致する。このように構成すれば、外径側樹脂成形型(140)の第1成形用部分(141)の深さが小さくなるので、より短い移動量で絶縁被覆部(70)から第1成形用部分(141)を離間させることができる。
【0111】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0112】
たとえば、上記実施形態では、2つの溶接部が、1つの絶縁被覆部により覆われる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、3つ以上の溶接部を1つの絶縁被覆部により覆ってもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、コイルが平角導線により形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、コイルが平角導線以外の導線から形成されていてもよい。
【0114】
また、上記実施形態では、上側樹脂成形型の成形用凹部が、3つの部分(部分122、123、124)を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、上側樹脂成形型の成形用凹部が、1つの部分(凹部)により構成されていてもよい。同様に、下側樹脂成形型の成形用凹部が、1つの部分(凹部)により構成されていてもよい。また、内径側樹脂成形型の成形用凹部が、1つの部分(凹部)により構成されていてもよい。また、外径側樹脂成形型の成形用凹部が、1つの部分(凹部)により構成されていてもよい。
【0115】
また、上記実施形態では、外径側樹脂成形型の部分(112、113)の底部が丸形形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、外径側樹脂成形型の部分(112、113)の底部が台形形状を有していてもよい。
【0116】
また、上記実施形態では、上側樹脂成形型と下側樹脂成形型との境界の高さ位置が、溶接部のステータコア側の面の高さ位置に一致するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、上側樹脂成形型の成形用凹部の深さが、下側樹脂成形型の成形用凹部の深さよりも大きければ、上側樹脂成形型と下側樹脂成形型との境界の高さ位置を、溶接部のステータコア側の面の高さ位置よりも上方に配置してもよい。
【0117】
また、上記実施形態では、上側樹脂成形型に配置される樹脂注入ノズルと、外径側樹脂成形型および内径側樹脂成形型に配置される樹脂注入ノズルとが同一である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、上側樹脂成形型に配置される樹脂注入ノズルと、外径側樹脂成形型および内径側樹脂成形型に配置される樹脂注入ノズルとを異ならせてもよい。
【0118】
また、上記実施形態では、外径側樹脂成形型の樹脂注入用凹部の端部(142a、143a)および内径側樹脂成形型の樹脂注入用凹部の端部(152a、153a)が丸形形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、これらの端部が台形形状を有していてもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、上側樹脂成形型(内径側樹脂成形型)の成形用凹部の深さが、下側樹脂成形型(外径側樹脂成形型)の成形用凹部よりも大きい例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、下側樹脂成形型(外径側樹脂成形型)の成形用凹部の深さが、上側樹脂成形型(内径側樹脂成形型)の成形用凹部の深さよりも大きくてもよい。
【0120】
また、上記実施形態では、コイルの一方端部と他方端部とが溶接されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、コイルの一方端部と他方端部とが、ロウ付け、超音波接合、または、圧着等されていてもよい。
【0121】
また、上記実施形態では、第1樹脂成形型の第1成形用部分が凹部からなる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1樹脂成形型の第1成形用部分が平坦(深さがゼロ)であってもよい。